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ホリデーシーズンで、サンタの衣装が借りられなかったロスは、アルマジロの着ぐるみを着ています。
そこにチャンドラーがサンタのかっこうをして現れたので、ロスの息子ベンは大喜びでチャンドラーに抱きついています。
ベン: Did you bring me any presents, Santa? (僕に何かプレゼントを持ってきてくれたの? サンタ。)
チャンドラー: You bet I did, Ben. Put her there! (He shakes Ben's hand, but the money falls out of his hands) (to Monica) Well, it would have worked this time if his hands weren't so damn small! (Realizes, that Ben is standing right there) Ho, ho, ho! (もちろん持ってきたよ、ベン。握手だ! [チャンドラーはベンに握手するが、お金が彼の手から落ちる] [モニカに] 今回はうまく行っただろうにね、もしベンの手がそんなにひどく小さくなかったならね! [ベンがそこに立っているのに気付いて] ホーホーホー!)
モニカ: Okay, Ben, why don't you come open some more presents, and Santa, the Armadillo, and I have a little talk in the kitchen? There's a sentence I never thought I'd say. (いいわ、ベン。来て、もっとプレゼントを開けたらどう? で、サンタとアルマジロと私は台所で少し話をするわよ。(こんなことを)言うなんて思ったことなかった文章だわ。)
ベンはサンタが来てくれたことが嬉しくて、「僕にプレゼント持ってきてくれた?」と言っています。
You bet! は「もちろん、そのとおりだ」という意味で使われますので、You bet I did. は「もちろん(君の言う通り)私はベンにプレゼントを持ってきたよ!」と言っていることになるでしょう。
Put her there! の部分、DVD英語字幕では、Put her there. となっていて、ネットスクリプトでは、Put it there. になっていますが、これは握手する時の決まり文句のようですね。
her, it のどちらも使われるようです。
Merriam-Webster's Learner's Dictionary : put では、
put it there or put her there :
(informal + old-fashioned) used to invite someone to shake hands with you
例) Put her there, pal!
つまり、「握手しようと誰かを誘うために使われる」。
これより前のシーンで、ミシェルズ(レストラン)で、握手のふりをしてうまくお金を相手に握らせることができなかったチャンドラーが、セントラルパークでガンターに対して、その練習をするシーンが出てきたのですが、その時のセリフも、
チャンドラー: Thank you, Gunther. Put her there.
でした。
そのシーンがあったからこそ、今ここで、同じように握手しているのが、実はお金をさりげなく渡しているのだ、とわかるわけです。
ト書きにもあるように、握手のように見せてベンにお金を渡したチャンドラーですが、そのお金はベンの手から落ちてしまいます。
その次の、it would have worked this time if his hands weren't so damn small! は仮定法。
「もしベンの手がそんなにすっごく小さくなかったら、今回はうまく行っていただろうに」というニュアンスになります。
実際のベンの手は子供なので小さいわけですが、それがもし(現実とは異なって)そんなに小さくなかったら…と実現不可能な仮定をしていることから、仮定法過去が使われているわけです。
さりげなく上手にお金を渡せたのに、子供であるベンの手が小さすぎて落ちちゃったよ、残念、みたいなことですね。
現金を渡す練習をして、今回は惜しかった、みたいに言った後、目の前でサンタを見上げているベンに気づいたチャンドラーは、また取ってつけたように「ホーホーホー」とサンタの真似をしています。
モニカはベンに、Why don't you...? 「〜したらどうですか?」を使って、「もっとプレゼントを開けたらどう?」と促しています。
ベンがプレゼントに夢中になっている間に、という感じで、今度は、サンタのかっこうのチャンドラーと、アルマジロのかっこうのロスに対して、「台所で少しトークをするわよ」みたいに呼び掛けていますね。
その後の、我に返ったようなモニカのセリフが面白いです。
There's a sentence I never thought I'd say. を直訳すると、「私が言うであろうと決して思わなかった1文がある」になるでしょうか。
その1文とは、直前の自分のセリフのことですね。
「サンタとアルマジロと私は台所でちょっと話をするわよ」みたいに言った後で、「こんなセリフを自分が口にすることになるとは夢にも思わなかったわ」と言っている感覚になります。
チャンドラーとロスを、それぞれ、サンタ、アルマジロと呼んだわけですが、言った後で改めて考えると、「サンタとアルマジロと私の3人で今から話をするわよ」という発言は何てシュールなセリフだったのかしら…と自分で気づいてしまった感じですね。
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2013年01月30日
2013年01月28日
何してるんだ、変なカメ男 フレンズ7-10その3
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今回のエピソードは、クリスマスの頃の話ですが、ユダヤ教徒であるロスは、同じ時期にあるユダヤ教のハヌカー(Hanukkah)について、息子のベンに教えようとしています。
衣装屋でサンタの服を借りられなかったロスは、アルマジロの着ぐるみを着ていて、今、まさに、ベンにハヌカーのことを教えようとしているところ。
ロス: Years and years ago there were these people called the Maccabees.... (ずっとずっと前に、マカビーズと呼ばれる人々がいました…)
チャンドラー: (entering in a Santa costume) Ho, ho, ho! Merry Christmas! ([サンタのコスチュームで入ってきて] ホーホーホー! メリークリスマス!)
ベン: Santa! (Runs to Chandler and hugs him) (サンタだ! [チャンドラーに走ってきて、彼をハグする])
チャンドラー: Hey! (Grunts as Ben hits him at full speed.) (おい! [ベンがフルスピードでぶつかるので、うめき声を上げる])
ロス: What are you doing here, Santa? (ここで何してるんだ? サンタ。)
チャンドラー: Well, I'm here to see my old buddy, Ben. What are you doing here... ...Weird Turtle Man? (えーっと、私は、古い友達のベンに会うために来たんだよ。ここで何してるんだ? …ヘンなカメ男?)
ロス: I'm the Holiday Armadillo, your part-Jewish friend. You sent me here to give Ben some presents. Remember? (僕はホリデー・アルマジロだよ、君のユダヤ系の(ユダヤの血が流れてる)友達の。君が僕をここに送ったんだ、ベンにプレゼントをあげるためにね。覚えてる?)
チャンドラー: What? (何?)
ロスとモニカの兄妹はユダヤ教徒なので、フレンズにはこれまでも何度もユダヤ教の祭り、ハヌカーの話が出てきました。
詳しくはこちら。
Wikipedia 日本語版: ハヌカー
ホリデーシーズンで衣装が出払っており、たまたまこの衣装しかなかったため、アルマジロのかっこうをしているロスが、マカビーズ(Maccabees)の話を始めようとしています。
マカビーズについては、以下で。
Wikipedia 英語版: Maccabees
説明の部分を以下に(一部省略して)引用させていただきますと、
The Maccabees...(略)... were a Jewish rebel army that took control of Judea, which had been a client state of the Seleucid Empire.
訳しますと、
「ザ・マカビーズ」は、セレウコス帝国(the Seleucid Empire、セレウコス朝シリア)の属国であったユダヤ(Judea)を支配する、ユダヤ人の反政府組織。
ネット検索していて知ったのですが、「ザ・マカビーズ(原題) / The Maccabees」というタイトルの映画も予定されているようで、
シネマトゥデイ:メル・ギブソン、「反ユダヤ」と批判した脚本家に反論の手紙
では、
映画は『ザ・マカビーズ(原題) / The Maccabees』というタイトルで、紀元前、ユダヤ国を独立に導いたヒーロー、ユダ・マカビーを描くもの。
という説明がされています。
日本人にはあまりなじみのない名前ですが、欧米ではタイトルとして使われるくらい有名だ、ということでしょうね。
そんな風に、ユダヤ教のお話を聞かせようとしていた矢先に、サンタのかっこうをしたチャンドラーが入ってきます。
Ho, ho, ho! Merry Christmas! と言っていますが、この Ho, ho, ho! 「ホーホーホー!」というのは、サンタのお決まりの笑い方ですね。
やっぱり子供のベンは、サンタクロースが良いようで、アルマジロそっちのけで(笑)、サンタに走って駆け寄ります。
ト書きの grunt というのは「ぶうぶう不平を言う」という意味もありますが、ここでは「ウーッとうめく」という感覚。
ベンが全速力でぶつかってきたので、思わず声に出してうめいてしまったわけですね。
せっかくユダヤの話を始めたところだったのに、サンタという邪魔者が入って来てしまったことに、ロスは不満そう。「ここで何してんだよ、サンタ」みたいに問うています。
チャンドラーは、「私の古い友人のベンに会うためにここに来たんだ」とサンタらしいセリフを言った後、妙な着ぐるみを着ているロスをじーっと見ながら、「(お前こそ)ここで何してるんだ?」と言って、しばらく沈黙の後、Weird Turtle Man? と呼び掛けるのに笑ってしまいますね。
何しろアルマジロですから、アルマジロだと認識できない人には「奇妙なカメ男」としか表現しようのない着ぐるみではあります。
何となく「ガメラとゴモラを足して2で割ったような感じ」で、確かにカメを連想させるルックスですからね。
二人ともコスプレ状態になっているので、お互いにその姿を見た途端、「ここで何やってんだよ、お前」と言いたくなるわけですが、それが片方は一見してサンタとわかるものの、もう一方が謎の生物(笑)なので、「何やってんだよ、えーっと…(何て呼び掛けたらいいんだよ…)…ヘンなカメ男?」と言うしかないチャンドラーなわけです。
カメと呼ばれたロスは、「僕はホリデー・アルマジロだよ」と自己紹介しています。
ちなみに、armadillo の発音は「アルマジロ」ではなく、「アーマディロゥ」みたいな感じですね。
part-Jewish は「一部がユダヤ人」という感じなので、「ユダヤ系の、ユダヤ人の血が入った」という感覚。
ベンには、「サンタは忙しいから、ベンにプレゼントを届けるために、サンタが僕(アルマジロ)を派遣した」と説明してあったので、その内容をチャンドラーにも言っているのです。
が、状況がよく呑み込めていないチャンドラーは、サンタのふりをするのも忘れて、真顔で What? と尋ねています。
日本語だと、「あ?」と素(す)で尋ねてしまってるような感じですね。
サンタのコスプレをして、ベンのためにサンタ役を演じているものの、Weird Turtle Man? とか、What? とかの部分で、いつものチャンドラーが出てしまうところが、何とも面白いシーンだと思いました。
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衣装屋でサンタの服を借りられなかったロスは、アルマジロの着ぐるみを着ていて、今、まさに、ベンにハヌカーのことを教えようとしているところ。
ロス: Years and years ago there were these people called the Maccabees.... (ずっとずっと前に、マカビーズと呼ばれる人々がいました…)
チャンドラー: (entering in a Santa costume) Ho, ho, ho! Merry Christmas! ([サンタのコスチュームで入ってきて] ホーホーホー! メリークリスマス!)
ベン: Santa! (Runs to Chandler and hugs him) (サンタだ! [チャンドラーに走ってきて、彼をハグする])
チャンドラー: Hey! (Grunts as Ben hits him at full speed.) (おい! [ベンがフルスピードでぶつかるので、うめき声を上げる])
ロス: What are you doing here, Santa? (ここで何してるんだ? サンタ。)
チャンドラー: Well, I'm here to see my old buddy, Ben. What are you doing here... ...Weird Turtle Man? (えーっと、私は、古い友達のベンに会うために来たんだよ。ここで何してるんだ? …ヘンなカメ男?)
ロス: I'm the Holiday Armadillo, your part-Jewish friend. You sent me here to give Ben some presents. Remember? (僕はホリデー・アルマジロだよ、君のユダヤ系の(ユダヤの血が流れてる)友達の。君が僕をここに送ったんだ、ベンにプレゼントをあげるためにね。覚えてる?)
チャンドラー: What? (何?)
ロスとモニカの兄妹はユダヤ教徒なので、フレンズにはこれまでも何度もユダヤ教の祭り、ハヌカーの話が出てきました。
詳しくはこちら。
Wikipedia 日本語版: ハヌカー
ホリデーシーズンで衣装が出払っており、たまたまこの衣装しかなかったため、アルマジロのかっこうをしているロスが、マカビーズ(Maccabees)の話を始めようとしています。
マカビーズについては、以下で。
Wikipedia 英語版: Maccabees
説明の部分を以下に(一部省略して)引用させていただきますと、
The Maccabees...(略)... were a Jewish rebel army that took control of Judea, which had been a client state of the Seleucid Empire.
訳しますと、
「ザ・マカビーズ」は、セレウコス帝国(the Seleucid Empire、セレウコス朝シリア)の属国であったユダヤ(Judea)を支配する、ユダヤ人の反政府組織。
ネット検索していて知ったのですが、「ザ・マカビーズ(原題) / The Maccabees」というタイトルの映画も予定されているようで、
シネマトゥデイ:メル・ギブソン、「反ユダヤ」と批判した脚本家に反論の手紙
では、
映画は『ザ・マカビーズ(原題) / The Maccabees』というタイトルで、紀元前、ユダヤ国を独立に導いたヒーロー、ユダ・マカビーを描くもの。
という説明がされています。
日本人にはあまりなじみのない名前ですが、欧米ではタイトルとして使われるくらい有名だ、ということでしょうね。
そんな風に、ユダヤ教のお話を聞かせようとしていた矢先に、サンタのかっこうをしたチャンドラーが入ってきます。
Ho, ho, ho! Merry Christmas! と言っていますが、この Ho, ho, ho! 「ホーホーホー!」というのは、サンタのお決まりの笑い方ですね。
やっぱり子供のベンは、サンタクロースが良いようで、アルマジロそっちのけで(笑)、サンタに走って駆け寄ります。
ト書きの grunt というのは「ぶうぶう不平を言う」という意味もありますが、ここでは「ウーッとうめく」という感覚。
ベンが全速力でぶつかってきたので、思わず声に出してうめいてしまったわけですね。
せっかくユダヤの話を始めたところだったのに、サンタという邪魔者が入って来てしまったことに、ロスは不満そう。「ここで何してんだよ、サンタ」みたいに問うています。
チャンドラーは、「私の古い友人のベンに会うためにここに来たんだ」とサンタらしいセリフを言った後、妙な着ぐるみを着ているロスをじーっと見ながら、「(お前こそ)ここで何してるんだ?」と言って、しばらく沈黙の後、Weird Turtle Man? と呼び掛けるのに笑ってしまいますね。
何しろアルマジロですから、アルマジロだと認識できない人には「奇妙なカメ男」としか表現しようのない着ぐるみではあります。
何となく「ガメラとゴモラを足して2で割ったような感じ」で、確かにカメを連想させるルックスですからね。
二人ともコスプレ状態になっているので、お互いにその姿を見た途端、「ここで何やってんだよ、お前」と言いたくなるわけですが、それが片方は一見してサンタとわかるものの、もう一方が謎の生物(笑)なので、「何やってんだよ、えーっと…(何て呼び掛けたらいいんだよ…)…ヘンなカメ男?」と言うしかないチャンドラーなわけです。
カメと呼ばれたロスは、「僕はホリデー・アルマジロだよ」と自己紹介しています。
ちなみに、armadillo の発音は「アルマジロ」ではなく、「アーマディロゥ」みたいな感じですね。
part-Jewish は「一部がユダヤ人」という感じなので、「ユダヤ系の、ユダヤ人の血が入った」という感覚。
ベンには、「サンタは忙しいから、ベンにプレゼントを届けるために、サンタが僕(アルマジロ)を派遣した」と説明してあったので、その内容をチャンドラーにも言っているのです。
が、状況がよく呑み込めていないチャンドラーは、サンタのふりをするのも忘れて、真顔で What? と尋ねています。
日本語だと、「あ?」と素(す)で尋ねてしまってるような感じですね。
サンタのコスプレをして、ベンのためにサンタ役を演じているものの、Weird Turtle Man? とか、What? とかの部分で、いつものチャンドラーが出てしまうところが、何とも面白いシーンだと思いました。
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2013年01月25日
今頃〜してるところだろうに フレンズ7-10その2
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ミシェルズというレストランを予約したものの、ホリデーシーズンのため混んでいるから、今45分待ちと言われてしまったチャンドラーとモニカ。
「案内役の人にお金を渡したら、先に入れてもらえるわ」とモニカが言うのですが、チャンドラーはなかなかお金をスムーズに渡すことができずにいます。
[Scene: Michelle's, Chandler and Monica are discussing how to bribe the Maitre d'.]
ミシェルズ(レストラン)、チャンドラーとモニカはレストランの案内人をどうやって買収するかを話し合っている。
モニカ: It's easy! Just keep it casual! Give him a kind word, shake his hand and give him the money! (簡単よ! たださりげなく(カジュアルに)すればいいだけよ! 彼に優しい言葉をかけて、握手して、彼にお金を渡すのよ!)
チャンドラー: How do you know so much about this? (こんなことをどうしてそんなによく知ってるんだ?)
モニカ: I don't know. (さあね。)
チャンドラー: Richard used to do it, didn't he? (リチャードが昔、そうしてたんだ、だろ?)
モニカ: We'd be eating our soup right now. (今頃は、スープを食べてるところだったろうに。)
チャンドラー: Mustached bastard. (ヒゲ野郎め。)
モニカ: (sees two people exit) Okay, those people just left, come on! Quick! Give him the money and get their table! ([二人の客が出るのを見る] いいわ、あの人たちがたった今出たわよ、さあ、早く! 彼にお金を渡して、あの人たちのテーブルをゲットするのよ!)
チャンドラー: (walks up to the Maitre d') Excuse me.... ([案内人の方に歩いて行って] すみません…)
[Chandler can't find his money in the pocket. In the meantime, another couple shows up, and Chandler turns away to look for his money]
チャンドラーはポケットの中のお金を見つけることができない。その間に、別のカップルが現れ、チャンドラーは自分のお金を探すために、向きを変える。
男性客(Male Guest): (to the Maitre d') Good evening. (Shakes his hand) ([案内人に] こんばんは。[彼と握手する])
チャンドラー: (finds his money) Ahh-hahaha! (Turns around to give the Maitre d' his money, but he isn't there anymore) ([お金を見つけて] あー、ははは! [案内人にお金を渡そうと振り返るが、彼はもうそこにはいない])
まずト書きの、Maitre d' というのは、maitre d'hotel の略ですね。
maitre d'hotel は「ホテルの支配人」「レストランの案内役、給仕長」のこと。
見てわかるようにフランス語で、master of the hotel という意味だそうです。
前のシーンで、案内役にお金を渡そうとしたものの、お金を持った手と逆の手で握手してしまい、うまく渡すことができなかったチャンドラー。
モニカは、チャンドラーに、お金の渡し方を教えています。
keep it casual は「それを、casual に keep する」という感覚ですね。
お金を渡そうとするその行為を、「さりげなく、カジュアルに」すればいいの、と言っていることになります。
もう日本語の「カジュアル」になってしまっていますが、英英辞典での語義は以下の通り。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
casual : RELAXED/NOT CARING
relaxed and not worried, or seeming not to care about something
つまり、「リラックスした、もしくは心配していない、または何かを気にしているように見えない」。
その後、「彼に親切な言葉をかけて、握手して、お金を渡すのよ」とも言っていますね。
お金の渡し方をテキパキと指示するモニカに、チャンドラーは、How do you know so much about this? と不満そうな顔で言っています。
日本語では「どうして知ってるんだ?」と訳すことになりますが、この「どうして」というのは、Why 「どうして、なぜ?」ではなくて、How 「どのようにして?」の方ですね。
案内役へのお金の渡し方を知っている「理由」を尋ねているのではなくて、「どのような経緯でそんなことを知っているのか?」を尋ねる感覚になります。
そのチャンドラーの言い方に非難のニュアンスを感じたモニカは、I don't know. 「さあね」とトボけるのですが、チャンドラーは今度ははっきりと、「(年上の元カレ)リチャードが(かつて)それをしてたんだな、そうだろ?」と問い詰めます。
それに対してのモニカの返事、We'd be eating というのは「仮定法」ですね。
We would be eating ということで、we というのは、リチャードとモニカのことではなく、やはり今ここにいる私たち、「チャンドラーとモニカ」を指しているのだと思います。
何を仮定しているかについては、「もし、リチャードがしていたみたいに、あなたがさりげなくお金を渡していたら」ということでしょう。
そしたら、まさに今ごろ私たち(チャンドラーとモニカ)は、スープを飲んでいるところだっただろう、という感覚になります。
would be eating という進行形になっているのが余計に、「うまくお金を渡して席に通されていたら、今ごろは、スープを”飲んでいる最中”だったのに、まだ受付の前でちんたらしてるなんて…」という感じが出ますね。
Mustached bastard. は「口ひげを生やした、いやなやつ(野郎)」という感覚。
「リチャードがそうしてたんだろ?」という問いには、リチャードの名前を出さずに答えたモニカでしたが、リチャードが昔そうしてた、ということは話の流れから明白なので、「リチャード、あのヒゲ野郎め」みたいに、憎々しげに言っているのですね。
その後、食べ終わった客が出てきたので、「ほら今がチャンスよ」とばかりに、チャンドラーをせかすモニカ。
ですが、お金を渡そうとしたら、今度はお金をどこにしまったかわからないでもたもたしてしまいます。
そのうち、別の客がやってきて、まさにモニカが言っていたようなカジュアルな感じで握手をして、すぐに席に案内されることになります。
やっとお金を見つけたチャンドラーは、どうだ!とばかりにお金を渡そうとしますが、もう案内役は別の客を案内した後だった…というオチですね。
この部分、セリフは簡単なものしかありませんが、英語学習者にとっては、この部分のト書き表現が、いろいろ勉強になるように思います。
お金が見つからなくて案内役に背を向けている間に、別の客が入ってしまって、振り返れば誰もいない…という感じが、よく表現されていますよね。
can't find, turn away, find, turn around という動詞の流れを意識してこのト書きを読むことで、自分が一連の動作を文字にする場合の参考になるのではないか、と思いました。
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ミシェルズというレストランを予約したものの、ホリデーシーズンのため混んでいるから、今45分待ちと言われてしまったチャンドラーとモニカ。
「案内役の人にお金を渡したら、先に入れてもらえるわ」とモニカが言うのですが、チャンドラーはなかなかお金をスムーズに渡すことができずにいます。
[Scene: Michelle's, Chandler and Monica are discussing how to bribe the Maitre d'.]
ミシェルズ(レストラン)、チャンドラーとモニカはレストランの案内人をどうやって買収するかを話し合っている。
モニカ: It's easy! Just keep it casual! Give him a kind word, shake his hand and give him the money! (簡単よ! たださりげなく(カジュアルに)すればいいだけよ! 彼に優しい言葉をかけて、握手して、彼にお金を渡すのよ!)
チャンドラー: How do you know so much about this? (こんなことをどうしてそんなによく知ってるんだ?)
モニカ: I don't know. (さあね。)
チャンドラー: Richard used to do it, didn't he? (リチャードが昔、そうしてたんだ、だろ?)
モニカ: We'd be eating our soup right now. (今頃は、スープを食べてるところだったろうに。)
チャンドラー: Mustached bastard. (ヒゲ野郎め。)
モニカ: (sees two people exit) Okay, those people just left, come on! Quick! Give him the money and get their table! ([二人の客が出るのを見る] いいわ、あの人たちがたった今出たわよ、さあ、早く! 彼にお金を渡して、あの人たちのテーブルをゲットするのよ!)
チャンドラー: (walks up to the Maitre d') Excuse me.... ([案内人の方に歩いて行って] すみません…)
[Chandler can't find his money in the pocket. In the meantime, another couple shows up, and Chandler turns away to look for his money]
チャンドラーはポケットの中のお金を見つけることができない。その間に、別のカップルが現れ、チャンドラーは自分のお金を探すために、向きを変える。
男性客(Male Guest): (to the Maitre d') Good evening. (Shakes his hand) ([案内人に] こんばんは。[彼と握手する])
チャンドラー: (finds his money) Ahh-hahaha! (Turns around to give the Maitre d' his money, but he isn't there anymore) ([お金を見つけて] あー、ははは! [案内人にお金を渡そうと振り返るが、彼はもうそこにはいない])
まずト書きの、Maitre d' というのは、maitre d'hotel の略ですね。
maitre d'hotel は「ホテルの支配人」「レストランの案内役、給仕長」のこと。
見てわかるようにフランス語で、master of the hotel という意味だそうです。
前のシーンで、案内役にお金を渡そうとしたものの、お金を持った手と逆の手で握手してしまい、うまく渡すことができなかったチャンドラー。
モニカは、チャンドラーに、お金の渡し方を教えています。
keep it casual は「それを、casual に keep する」という感覚ですね。
お金を渡そうとするその行為を、「さりげなく、カジュアルに」すればいいの、と言っていることになります。
もう日本語の「カジュアル」になってしまっていますが、英英辞典での語義は以下の通り。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
casual : RELAXED/NOT CARING
relaxed and not worried, or seeming not to care about something
つまり、「リラックスした、もしくは心配していない、または何かを気にしているように見えない」。
その後、「彼に親切な言葉をかけて、握手して、お金を渡すのよ」とも言っていますね。
お金の渡し方をテキパキと指示するモニカに、チャンドラーは、How do you know so much about this? と不満そうな顔で言っています。
日本語では「どうして知ってるんだ?」と訳すことになりますが、この「どうして」というのは、Why 「どうして、なぜ?」ではなくて、How 「どのようにして?」の方ですね。
案内役へのお金の渡し方を知っている「理由」を尋ねているのではなくて、「どのような経緯でそんなことを知っているのか?」を尋ねる感覚になります。
そのチャンドラーの言い方に非難のニュアンスを感じたモニカは、I don't know. 「さあね」とトボけるのですが、チャンドラーは今度ははっきりと、「(年上の元カレ)リチャードが(かつて)それをしてたんだな、そうだろ?」と問い詰めます。
それに対してのモニカの返事、We'd be eating というのは「仮定法」ですね。
We would be eating ということで、we というのは、リチャードとモニカのことではなく、やはり今ここにいる私たち、「チャンドラーとモニカ」を指しているのだと思います。
何を仮定しているかについては、「もし、リチャードがしていたみたいに、あなたがさりげなくお金を渡していたら」ということでしょう。
そしたら、まさに今ごろ私たち(チャンドラーとモニカ)は、スープを飲んでいるところだっただろう、という感覚になります。
would be eating という進行形になっているのが余計に、「うまくお金を渡して席に通されていたら、今ごろは、スープを”飲んでいる最中”だったのに、まだ受付の前でちんたらしてるなんて…」という感じが出ますね。
Mustached bastard. は「口ひげを生やした、いやなやつ(野郎)」という感覚。
「リチャードがそうしてたんだろ?」という問いには、リチャードの名前を出さずに答えたモニカでしたが、リチャードが昔そうしてた、ということは話の流れから明白なので、「リチャード、あのヒゲ野郎め」みたいに、憎々しげに言っているのですね。
その後、食べ終わった客が出てきたので、「ほら今がチャンスよ」とばかりに、チャンドラーをせかすモニカ。
ですが、お金を渡そうとしたら、今度はお金をどこにしまったかわからないでもたもたしてしまいます。
そのうち、別の客がやってきて、まさにモニカが言っていたようなカジュアルな感じで握手をして、すぐに席に案内されることになります。
やっとお金を見つけたチャンドラーは、どうだ!とばかりにお金を渡そうとしますが、もう案内役は別の客を案内した後だった…というオチですね。
この部分、セリフは簡単なものしかありませんが、英語学習者にとっては、この部分のト書き表現が、いろいろ勉強になるように思います。
お金が見つからなくて案内役に背を向けている間に、別の客が入ってしまって、振り返れば誰もいない…という感じが、よく表現されていますよね。
can't find, turn away, find, turn around という動詞の流れを意識してこのト書きを読むことで、自分が一連の動作を文字にする場合の参考になるのではないか、と思いました。
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2013年01月23日
ママの、はママの持ち物、ってこと フレンズ7-10その1
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シーズン7 第10話
The One With The Holiday Armadillo (アルマジロ・クリスマス)
原題は「ホリデー・アルマジロの話」
[Scene: Monica, Chandler, and Phoebe's, Chandler is on the phone, Rachel and Monica are sitting in the kitchen.]
モニカ、チャンドラー、フィービーの家。チャンドラーは電話中で、レイチェルとモニカは台所に座っている。
チャンドラー: Buh-bye. (Hangs up the phone) I just got us reservations at Michelle's and tickets to The Music Man to celebrate our first holiday season as a betroughed couple. (バーイ。[電話を切って] 今、ミシェルズの予約と、「ザ・ミュージック・マン」のチケットをゲットしたところだ、betroughed (婚約した)カップルとして最初のホリデーシーズンを祝うためにね。)
モニカ: "Betrothed." (Corrects him) (”Betrothed”よ。[彼の(間違いを)訂正する])
チャンドラー: Betrothed couple. (Betrothed カップル、ね)
フィービー: (entering carrying a skull) Hey! ([頭蓋骨(スカル)を持って入ってきて] はーい!)
チャンドラー: Hey! (よお!)
レイチェルとモニカ: Hi! (はーい!)
フィービー: Haaaa... (Puts the skull on the table) ... ahhhh! (はぁ〜… [その頭蓋骨をテーブルに置く] あーっ!)
チャンドラー: Pheebs? (フィービー?)
フィービー: Huh? (ん?)
チャンドラー: Skull? (頭蓋骨?)
フィービー: Oh, yeah, it's my mom's. (ええ、そうよ、ママのなの。)
レイチェル: (freaking out) Oh, my god!! ([パニクって] なんてこと!)
フィービー: No, no, no. It's not! It's not my mom. It belonged to my mom. Yeah, no, she used to put it out every Christmas to remind us that even though it's Christmas, people still die. And, you can put candy in it. (She grabs the skull, pulls out a stick of licorice, and takes a bite.) (違う違う違う、そうじゃないのよ! (その頭蓋骨が)私のママなんじゃないの。ママの持ち物だったのよ。そう、ママはね、毎年クリスマスに、その頭蓋骨を出しておいたものだったわ。クリスマスであったとしても、それでも人は死ぬんだってことを私たちに思い出させるためにね。それに、そこにはキャンディーを入れとくこともできるのよ。[フィービーは頭蓋骨を掴み、リコリスを1本引き出して、一口食べる])
電話を切ったチャンドラーは、ミシェルズ(レストランの名前)の予約と、「ザ・ミュージック・マン」のチケットをゲットした、と言って得意げな顔をしています。
「ザ・ミュージック・マン」(The Music Man)というのは、ミュージカルですね。
その人気から、1962年に映画化もされています。
私はミュージカルも映画も見ていないのですが、タイトルだけはよく覚えています。
それは、アリー my Love(Ally McBeal)の 2-16 「キスの代償」(原題: Sex, Lies and Politics)で、陪審員が待ち時間に映画「ザ・ミュージック・マン」を見ることを知ったジョン・ケイジが、そのミュージカル仕立ての歌いながらの尋問をして、陪審員の気持ちを味方につけてしまう、というシーンがあったから、なのですね。
そんな風に、アリーのエピソードで引用されるくらい、アメリカでは有名なお芝居であり、映画である、ということです。
チャンドラーは「婚約したカップルとして初めてのホリデーシーズンだから、張り切っちゃったよ」と自慢しているのですが、その「婚約した」の単語の発音がヘンであることを、モニカは指摘しています。
チャンドラーのセリフの綴りが間違っていて(チャンドラーの発音した風に文字化してあるため)、モニカの訂正したものが正しい、ということですが、betrothed は、古語・文語で「婚約した」。
ネイティブでも、r- 音の後に、th- 音が来るのはちょっと言いにくかった、ということでしょうか、th- を発音しなかったことをモニカが指摘したことになるでしょう。
フィービーは、部屋に入ってくるなり、頭蓋骨(スカル)をテーブルの上にドンと置きます。
突然、ガイコツを置かれたフレンズたちは、「ん? これは頭蓋骨?」みたいに驚いていますね。
それに対して、Oh, yeah, it's my mom's.「ええ、そうよ、ママのなの」と答えたので、レイチェルは大騒ぎしています。
ママの…つまり、フィービーのママの頭蓋骨…この頭蓋骨はママの変わり果てた姿なわけ?という驚きですね。
レイチェルのびっくりぶりを目にしたフィービーは、「違う、そうじゃない」(鈴木雅之さんの歌のタイトルみたいw)と答えています。
It's my mom's. という表現ではあやふやで誤解を招くことから、その後に、It's not my mom. It belonged to my mom. のように、きちんと言葉で説明しています。
私はさっき、my mom's 「ママの(もの)」と言ったけど、そのスカルがママなわけじゃなくて(not my mom)、ママの持ち物、所有物だった(belonged to my mom)という意味で言ったのよ、ということですね。
日本語でも、「その骸骨、ママのなの」と言った場合に、「ママが骸骨になったもの」とも聞こえるし、「ママが持っていた骸骨」とも聞こえるので、所有格(...'s)の指すものの曖昧さは、日本語も英語も同じだ、ということですね。
過去記事、フレンズ1-9その2 でも、
ロス: I just came by to pick up my skull. Well, not mine, but.... (僕はただ、僕の頭蓋骨を取りに寄っただけなんだ。[驚いたスーザンに] あぁ、「僕の」じゃないけどね。)
というセリフが出てきたのですが、それも「ロスは生きてるのに、ロスの頭蓋骨、って何?!」みたいにスーザンが驚いたので、「僕の頭の中にある頭蓋骨、って意味じゃなくて、僕が所有している骨の標本のことだよ」という意味で、not mine と言ったわけです。
シーズン1とシーズン7で、似たような「頭蓋骨ネタ」が出てくるところが面白いですね。
クリスマスだと言うのに、どうしてそんな不気味な頭蓋骨を置いたりするのか…とみんなは怪訝な顔をしていますが、フィービーは「ママはクリスマスになると、その頭蓋骨を(出して)置いたものだった」と言っています。
その理由として、「例えクリスマスであったとしても、人は(普段と変わらず)死ぬのだ、ということを私たちに思い出させるためにね」と言っていますね。
みんながお祭り気分になっている時でも、普段と同じように人に死はやってくる…という哲学的な話のようですが、それを教えるためにわざわざドクロをクリスマスに出してくる…というところが、さすがはフィービーのお母さん、と言ったところです。
そんなことを言いながらも、「その中にキャンディーを入れとくこともできるのよ」」と言って、頭蓋骨に入れた(!)赤いキャンディーを取って、一口食べるフィービー。
licorice は、「リコリス、カンゾウ、甘草」で、このお菓子は「カンゾウ風味のキャンディー」ですね。
アメリカのドラマや映画では、時々見かける気がしますが、日本ではあまりなじみのないお菓子ですねぇ…私も食したことがありません。
詳しくは、以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: リコリス菓子
ということで、「どんな時でも人は死ぬものだ」のような深い話をしたように見えて、死の象徴である骸骨をお菓子入れにしちゃってる、というトンデモさ加減が、フィービーらしいオチだということですね。
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シーズン7 第10話
The One With The Holiday Armadillo (アルマジロ・クリスマス)
原題は「ホリデー・アルマジロの話」
[Scene: Monica, Chandler, and Phoebe's, Chandler is on the phone, Rachel and Monica are sitting in the kitchen.]
モニカ、チャンドラー、フィービーの家。チャンドラーは電話中で、レイチェルとモニカは台所に座っている。
チャンドラー: Buh-bye. (Hangs up the phone) I just got us reservations at Michelle's and tickets to The Music Man to celebrate our first holiday season as a betroughed couple. (バーイ。[電話を切って] 今、ミシェルズの予約と、「ザ・ミュージック・マン」のチケットをゲットしたところだ、betroughed (婚約した)カップルとして最初のホリデーシーズンを祝うためにね。)
モニカ: "Betrothed." (Corrects him) (”Betrothed”よ。[彼の(間違いを)訂正する])
チャンドラー: Betrothed couple. (Betrothed カップル、ね)
フィービー: (entering carrying a skull) Hey! ([頭蓋骨(スカル)を持って入ってきて] はーい!)
チャンドラー: Hey! (よお!)
レイチェルとモニカ: Hi! (はーい!)
フィービー: Haaaa... (Puts the skull on the table) ... ahhhh! (はぁ〜… [その頭蓋骨をテーブルに置く] あーっ!)
チャンドラー: Pheebs? (フィービー?)
フィービー: Huh? (ん?)
チャンドラー: Skull? (頭蓋骨?)
フィービー: Oh, yeah, it's my mom's. (ええ、そうよ、ママのなの。)
レイチェル: (freaking out) Oh, my god!! ([パニクって] なんてこと!)
フィービー: No, no, no. It's not! It's not my mom. It belonged to my mom. Yeah, no, she used to put it out every Christmas to remind us that even though it's Christmas, people still die. And, you can put candy in it. (She grabs the skull, pulls out a stick of licorice, and takes a bite.) (違う違う違う、そうじゃないのよ! (その頭蓋骨が)私のママなんじゃないの。ママの持ち物だったのよ。そう、ママはね、毎年クリスマスに、その頭蓋骨を出しておいたものだったわ。クリスマスであったとしても、それでも人は死ぬんだってことを私たちに思い出させるためにね。それに、そこにはキャンディーを入れとくこともできるのよ。[フィービーは頭蓋骨を掴み、リコリスを1本引き出して、一口食べる])
電話を切ったチャンドラーは、ミシェルズ(レストランの名前)の予約と、「ザ・ミュージック・マン」のチケットをゲットした、と言って得意げな顔をしています。
「ザ・ミュージック・マン」(The Music Man)というのは、ミュージカルですね。
その人気から、1962年に映画化もされています。
私はミュージカルも映画も見ていないのですが、タイトルだけはよく覚えています。
それは、アリー my Love(Ally McBeal)の 2-16 「キスの代償」(原題: Sex, Lies and Politics)で、陪審員が待ち時間に映画「ザ・ミュージック・マン」を見ることを知ったジョン・ケイジが、そのミュージカル仕立ての歌いながらの尋問をして、陪審員の気持ちを味方につけてしまう、というシーンがあったから、なのですね。
そんな風に、アリーのエピソードで引用されるくらい、アメリカでは有名なお芝居であり、映画である、ということです。
チャンドラーは「婚約したカップルとして初めてのホリデーシーズンだから、張り切っちゃったよ」と自慢しているのですが、その「婚約した」の単語の発音がヘンであることを、モニカは指摘しています。
チャンドラーのセリフの綴りが間違っていて(チャンドラーの発音した風に文字化してあるため)、モニカの訂正したものが正しい、ということですが、betrothed は、古語・文語で「婚約した」。
ネイティブでも、r- 音の後に、th- 音が来るのはちょっと言いにくかった、ということでしょうか、th- を発音しなかったことをモニカが指摘したことになるでしょう。
フィービーは、部屋に入ってくるなり、頭蓋骨(スカル)をテーブルの上にドンと置きます。
突然、ガイコツを置かれたフレンズたちは、「ん? これは頭蓋骨?」みたいに驚いていますね。
それに対して、Oh, yeah, it's my mom's.「ええ、そうよ、ママのなの」と答えたので、レイチェルは大騒ぎしています。
ママの…つまり、フィービーのママの頭蓋骨…この頭蓋骨はママの変わり果てた姿なわけ?という驚きですね。
レイチェルのびっくりぶりを目にしたフィービーは、「違う、そうじゃない」(鈴木雅之さんの歌のタイトルみたいw)と答えています。
It's my mom's. という表現ではあやふやで誤解を招くことから、その後に、It's not my mom. It belonged to my mom. のように、きちんと言葉で説明しています。
私はさっき、my mom's 「ママの(もの)」と言ったけど、そのスカルがママなわけじゃなくて(not my mom)、ママの持ち物、所有物だった(belonged to my mom)という意味で言ったのよ、ということですね。
日本語でも、「その骸骨、ママのなの」と言った場合に、「ママが骸骨になったもの」とも聞こえるし、「ママが持っていた骸骨」とも聞こえるので、所有格(...'s)の指すものの曖昧さは、日本語も英語も同じだ、ということですね。
過去記事、フレンズ1-9その2 でも、
ロス: I just came by to pick up my skull. Well, not mine, but.... (僕はただ、僕の頭蓋骨を取りに寄っただけなんだ。[驚いたスーザンに] あぁ、「僕の」じゃないけどね。)
というセリフが出てきたのですが、それも「ロスは生きてるのに、ロスの頭蓋骨、って何?!」みたいにスーザンが驚いたので、「僕の頭の中にある頭蓋骨、って意味じゃなくて、僕が所有している骨の標本のことだよ」という意味で、not mine と言ったわけです。
シーズン1とシーズン7で、似たような「頭蓋骨ネタ」が出てくるところが面白いですね。
クリスマスだと言うのに、どうしてそんな不気味な頭蓋骨を置いたりするのか…とみんなは怪訝な顔をしていますが、フィービーは「ママはクリスマスになると、その頭蓋骨を(出して)置いたものだった」と言っています。
その理由として、「例えクリスマスであったとしても、人は(普段と変わらず)死ぬのだ、ということを私たちに思い出させるためにね」と言っていますね。
みんながお祭り気分になっている時でも、普段と同じように人に死はやってくる…という哲学的な話のようですが、それを教えるためにわざわざドクロをクリスマスに出してくる…というところが、さすがはフィービーのお母さん、と言ったところです。
そんなことを言いながらも、「その中にキャンディーを入れとくこともできるのよ」」と言って、頭蓋骨に入れた(!)赤いキャンディーを取って、一口食べるフィービー。
licorice は、「リコリス、カンゾウ、甘草」で、このお菓子は「カンゾウ風味のキャンディー」ですね。
アメリカのドラマや映画では、時々見かける気がしますが、日本ではあまりなじみのないお菓子ですねぇ…私も食したことがありません。
詳しくは、以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: リコリス菓子
ということで、「どんな時でも人は死ぬものだ」のような深い話をしたように見えて、死の象徴である骸骨をお菓子入れにしちゃってる、というトンデモさ加減が、フィービーらしいオチだということですね。
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2013年01月21日
集団心理とかそういうやつ フレンズ7-9その6
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は2位、「にほんブログ村」は6位です。
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「モニカはご近所さんとお近づきになりたくて、ホリデー・キャンディー(チョコレート)を作ったのに、それを欲しくて押し寄せてきている君らは、作っている人の名前さえ知らないだろ?」と言うチャンドラー。
チャンドラーがみんなを追い返した後、モニカはチャンドラーにお礼を言っています。
モニカ: (To Chandler) Thank you. ([チャンドラーに] ありがとう。)
チャンドラー: You're welcome. (They kiss.) (どういたしまして。[二人はキスする])
モニカ: Did you smoke? (あなた、タバコ吸った?)
チャンドラー: No, smokes-a-lot lady blew smoke directly into my mouth. Eh-uh-are you okay? (いや、タバコをいっぱい吸う女が、直接俺の口の中に煙を吐いたんだ。あー、君は大丈夫?)
モニカ: I'm fine now, but it was really scary there for a while. I mean, someone slipped a-a threatening note under the door. (今は私は大丈夫よ。でもさっきは本当に怖かった。誰かがドアの下に脅迫状をこっそり入れてたの。)
ジョーイ: (with his mouth full) Oh, yeah, sorry about that. Mob mentality or whatever, I don't know.... (Grabs the note.) ([キャンディーで口をいっぱいにしながら] あぁ、そうだ、その件はごめんよ。集団心理とか何とかってやつだ、よくわかんないけど… [そのメモを掴む])
モニカの気持ちを代弁した後、廊下で待つ人たちを追い返したチャンドラー。
モニカはチャンドラーにお礼を言ってキスするのですが、タバコのにおいに気づいたようで、「あなた、タバコ吸った?」と尋ねていますね。
廊下の人だかりの中に、スパスパとタバコを吸っている女性(smokes-a-lot lady)がいて、「ここでタバコを吸っちゃだめだ」と注意しながら、自分も一服吸ってしまったチャンドラーでしたが、それがモニカにバレてしまったのですね。
「その女性が俺の口の中に煙を吐いたんだよ」と嘘っぽい理由を言いながらも、チャンドラーはモニカの様子を尋ねています。
「今は大丈夫だけど、さっきはほんとに怖かった」と言いながら、「誰かがドアの下に、a threatening note を slip した」と言っています。
a threatening note は「脅迫状」。note というのは、日本語のノート(notebook)ではなく、メモのニュアンスですね。
slip は「車がスリップ」のように、まずは「滑る」というイメージが浮かびますが、「滑るように(そっと)動く」というニュアンスから、この場合の他動詞だと、「…をそっと入れる・出す」という意味としても使われます。
ですから、someone slipped a threatening note under the door. は、「誰かがドアの下から、脅迫状をそっと(こっそり)差し入れた」みたいな感じですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
slip : PUT SOMETHING SOMEWHERE
to put something somewhere or give someone something quietly, secretly, or smoothly, especially by sliding it
つまり、「静かに、密かに、またはなめらかに、特にそれをスライドすることで、何かをどこかに置く、または誰かに何かを与えること」。
quietly, secretly, or smoothly という副詞が、slip のニュアンスをよく表しているように思います。
気付かない間に、そんなものがドアの下に置いてあったの、というところでしょう。
荒々しく誰かが置いて行ったよりも、気づいたらドアの下に脅迫状があった…という方が「誰がいつの間に…」と、より不気味な感じが出ますよね。
その話を聞いていたジョーイは、キャンディーを口いっぱいに頬張りながら、「あぁ、そのことはごめん」みたいに謝っています。
mob は「群れ、暴徒」。アニメでたくさんの人が描かれる群衆シーンをモブシーンなどと言ったりもしますが、mob は mobile 「可動性の、動く、モバイル」の関連語ですね。
LAAD では、
mob : a large noisy crowd, especially one that is angry and violent
つまり、「大きな騒がしい集団、特に怒っていて乱暴なもの」。
mentality は「精神性」「考え方、ものの見方、心理」。
LAAD では、
mentality : a particular type of attitude or way of thinking, often one that you think is wrong or stupid
例) the get-rich-quick mentality
つまり、「ある態度や考え方のタイプ、しばしば自分で間違っている、または愚かだと思うもの」。例は、「早く金持ちになるという(一攫千金の)考え方」。
なので、mob mentality は「群れの考え方」、いわゆる「集団心理」のことですね。
つまりジョーイは、「あぁ、その脅迫状のことはごめん。ほら、集団心理みたいなものが働いちゃってさぁ、つい、そんなものをつられて書いちゃったんだよ」みたいに言っているわけです。
集団心理、とか言いながら、他の人はそこまでしてないのに、友人であるジョーイが書いてどーすんの?!とツッコミたくなるところですが、「あ、わりぃわりぃ、集団心理とかそんなやつかな」みたいに、全く反省の色がないところが、ジョーイらしいオチだとも言えますね。
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「モニカはご近所さんとお近づきになりたくて、ホリデー・キャンディー(チョコレート)を作ったのに、それを欲しくて押し寄せてきている君らは、作っている人の名前さえ知らないだろ?」と言うチャンドラー。
チャンドラーがみんなを追い返した後、モニカはチャンドラーにお礼を言っています。
モニカ: (To Chandler) Thank you. ([チャンドラーに] ありがとう。)
チャンドラー: You're welcome. (They kiss.) (どういたしまして。[二人はキスする])
モニカ: Did you smoke? (あなた、タバコ吸った?)
チャンドラー: No, smokes-a-lot lady blew smoke directly into my mouth. Eh-uh-are you okay? (いや、タバコをいっぱい吸う女が、直接俺の口の中に煙を吐いたんだ。あー、君は大丈夫?)
モニカ: I'm fine now, but it was really scary there for a while. I mean, someone slipped a-a threatening note under the door. (今は私は大丈夫よ。でもさっきは本当に怖かった。誰かがドアの下に脅迫状をこっそり入れてたの。)
ジョーイ: (with his mouth full) Oh, yeah, sorry about that. Mob mentality or whatever, I don't know.... (Grabs the note.) ([キャンディーで口をいっぱいにしながら] あぁ、そうだ、その件はごめんよ。集団心理とか何とかってやつだ、よくわかんないけど… [そのメモを掴む])
モニカの気持ちを代弁した後、廊下で待つ人たちを追い返したチャンドラー。
モニカはチャンドラーにお礼を言ってキスするのですが、タバコのにおいに気づいたようで、「あなた、タバコ吸った?」と尋ねていますね。
廊下の人だかりの中に、スパスパとタバコを吸っている女性(smokes-a-lot lady)がいて、「ここでタバコを吸っちゃだめだ」と注意しながら、自分も一服吸ってしまったチャンドラーでしたが、それがモニカにバレてしまったのですね。
「その女性が俺の口の中に煙を吐いたんだよ」と嘘っぽい理由を言いながらも、チャンドラーはモニカの様子を尋ねています。
「今は大丈夫だけど、さっきはほんとに怖かった」と言いながら、「誰かがドアの下に、a threatening note を slip した」と言っています。
a threatening note は「脅迫状」。note というのは、日本語のノート(notebook)ではなく、メモのニュアンスですね。
slip は「車がスリップ」のように、まずは「滑る」というイメージが浮かびますが、「滑るように(そっと)動く」というニュアンスから、この場合の他動詞だと、「…をそっと入れる・出す」という意味としても使われます。
ですから、someone slipped a threatening note under the door. は、「誰かがドアの下から、脅迫状をそっと(こっそり)差し入れた」みたいな感じですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
slip : PUT SOMETHING SOMEWHERE
to put something somewhere or give someone something quietly, secretly, or smoothly, especially by sliding it
つまり、「静かに、密かに、またはなめらかに、特にそれをスライドすることで、何かをどこかに置く、または誰かに何かを与えること」。
quietly, secretly, or smoothly という副詞が、slip のニュアンスをよく表しているように思います。
気付かない間に、そんなものがドアの下に置いてあったの、というところでしょう。
荒々しく誰かが置いて行ったよりも、気づいたらドアの下に脅迫状があった…という方が「誰がいつの間に…」と、より不気味な感じが出ますよね。
その話を聞いていたジョーイは、キャンディーを口いっぱいに頬張りながら、「あぁ、そのことはごめん」みたいに謝っています。
mob は「群れ、暴徒」。アニメでたくさんの人が描かれる群衆シーンをモブシーンなどと言ったりもしますが、mob は mobile 「可動性の、動く、モバイル」の関連語ですね。
LAAD では、
mob : a large noisy crowd, especially one that is angry and violent
つまり、「大きな騒がしい集団、特に怒っていて乱暴なもの」。
mentality は「精神性」「考え方、ものの見方、心理」。
LAAD では、
mentality : a particular type of attitude or way of thinking, often one that you think is wrong or stupid
例) the get-rich-quick mentality
つまり、「ある態度や考え方のタイプ、しばしば自分で間違っている、または愚かだと思うもの」。例は、「早く金持ちになるという(一攫千金の)考え方」。
なので、mob mentality は「群れの考え方」、いわゆる「集団心理」のことですね。
つまりジョーイは、「あぁ、その脅迫状のことはごめん。ほら、集団心理みたいなものが働いちゃってさぁ、つい、そんなものをつられて書いちゃったんだよ」みたいに言っているわけです。
集団心理、とか言いながら、他の人はそこまでしてないのに、友人であるジョーイが書いてどーすんの?!とツッコミたくなるところですが、「あ、わりぃわりぃ、集団心理とかそんなやつかな」みたいに、全く反省の色がないところが、ジョーイらしいオチだとも言えますね。
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2013年01月18日
パイプ・ダウン フレンズ7-9その5
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モニカがご近所さんのために作った、ホリデー・キャンディー(チョコレート)は大変好評だったのですが、評判になりすぎて、モニカの部屋の前に人だかりができる事態となってしまっています。
その中に混じって、ジョーイまでもが「キャンディーくれ〜!」と叫んでいるのに笑ってしまうのですが…
モニカ: (opening the door and frantically) Okay, guys! The candy is coming! I just need another 15 minutes for the chocolate to cool! ([ドアを開けながら、半狂乱で] わかったわ、みんな! キャンディーができるわ! ただチョコレートが冷えるのにあと15分必要なの!)
みんな: We want candy! We want candy now! (And other general commotion sounds.) (俺たちはキャンディーが欲しいんだ! 今欲しいんだよ! [他の一般的な騒ぎの音])
チャンドラー: All right, everybody! Just be quiet! Be quiet! Be quiet!! Pipe-pipe-pipe down! (They settle down) What is the matter with you people?! This woman was trying to do a nice thing for you. She was making candy so she could try to get to know all of you, and I'll bet that not one of you can tell me her name! Am I right? (いいか、みんな! とにかく静かにしろ! 静かに! 静かに! 黙れよ! [おとなしくなる] 君らはいったいどうしたっていうんだ? この女性は君たちにいいことをしようとしてるんだぞ。君らみんなと知り合いになろうとして彼女はキャンディーを作ってたんだ。で、俺は思うね、君らのうち一人も彼女の名前を言える人間はいないだろうって! 俺は正しいか?)
男性(The Man): (from earlier) Candy Lady? (キャンディー・レディー?)
チャンドラー: No, not (imitating) "Candy Lady." (いや、「キャンディー・レディー」じゃないよ。)
ジョーイ: (stepping in and knocking the man over) Hey, if we know it, can we have candy?!! ([割って入ってきて、その男性を倒して] なあ、もし俺がそれ(彼女の名前)を知ってたら、俺たちはキャンディーをもらえる?)
キャンディーを待つ人が、廊下で大騒ぎしているので、モニカはドアを開けて、The candy is coming! と叫んでいます。
あなたたちが待っている「その」キャンディーが(もうすぐ)やってくる、という感覚ですね。
その後、I just need と言って、まだ少し時間がかかることも追加で説明しています。
need another 15 minutes は「あともう15分間必要」ですね。
another は「もう一つの」と訳されることが多いですが、この場合は、15分を1つのまとまりと考えて、15分をあと1回分という感覚で、「あと15分間必要」と言っているニュアンスになります。
for the chocolate to cool は「チョコレートが冷えるために」。
出来上がってるんだけど、まだ熱いから、冷めるまであと15分だけ待って、と言っているわけです。
モニカがそう説明しても、そんなに待てないよ、とばかりに、We want candy now! 「俺たちは、今、キャンディーが欲しいんだ!」とさらに騒ぎは大きくなってしまいます。
会社から帰ってきて、キャンディーを待つ人たちを驚きの目で見ていたチャンドラーは、ここでモニカの婚約者らしく、「静かに!」とその場を落ち着かせようとしています。
pipe down は、命令文 Pipe down! の形で使われ、「静かに! 黙れ!」という意味になります。
pipe は「パイプ」から想像されるように、「笛、管楽器」という意味がありますね。
「キャンディ・キャンディ」の丘の上の王子様が持っていた、バグパイプ(bagpipe)というスコットランドなどの民族楽器もあったよなぁ〜とか思い出したのは、今回のエピソードに candy という単語が連発するせいだろうか…^^
Anyway(とにかく)、そのように、音の出る楽器のパイプの意味があるので、動詞の pipe には「笛を吹く」という意味があり、そこから「(人)がかん高い声で言う・歌う」という意味にもなるのですね。それを down しろ、ボリュームを下げろ、ということだから、「黙れ」になるわけです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pipe down : [phrasal verb] (spoken) to stop talking or making a noise, and become calmer and less excited
例) Pipe down! I'm trying to study.
つまり、「話をやめる、または音を出すのをやめること、そしてより静かになり、より興奮を抑えること」。例文は、「静かにしろ! 俺は勉強しようとしてるんだよ!」
「君らは一体どうしたんだよ?」みたいに言って、チャンドラーは「この女性は君らのために良いことをしようとしていたんだ」「君らみんなと知り合えるようにって、キャンディーを作ってたんだぞ」とも言っています。
I'll bet that は「俺は…だと思う」。not one of you can は「君らのうち一人も…できない」という感覚ですね。
お近づきになりたいと彼女はキャンディーを作ってたのに、彼女の名前を言えるやつがこの中に一人でもいるか?という感じですね。
「キャンディー・レディー?」みたいに言う人がいて、やっぱり誰もモニカの名前を知らない…というのは想定されるリアクションですが、その男性を突き飛ばす形で割り込んできたジョーイが、「もし俺たちがそれ(キャンディーを作っている女性の名前)を知ってたら、俺たちはキャンディーをもらえる? 食べられる?」みたいに言っているのに笑ってしまいます。
ジョーイにしてみたら、「俺、その人の名前知ってるぞ。名前をモニカだって当てたら、キャンディーくれるか?」と言いたいようですが、ジョーイは一体どっち側の人間なんだよっ!?とツッコミたいところですね。
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モニカがご近所さんのために作った、ホリデー・キャンディー(チョコレート)は大変好評だったのですが、評判になりすぎて、モニカの部屋の前に人だかりができる事態となってしまっています。
その中に混じって、ジョーイまでもが「キャンディーくれ〜!」と叫んでいるのに笑ってしまうのですが…
モニカ: (opening the door and frantically) Okay, guys! The candy is coming! I just need another 15 minutes for the chocolate to cool! ([ドアを開けながら、半狂乱で] わかったわ、みんな! キャンディーができるわ! ただチョコレートが冷えるのにあと15分必要なの!)
みんな: We want candy! We want candy now! (And other general commotion sounds.) (俺たちはキャンディーが欲しいんだ! 今欲しいんだよ! [他の一般的な騒ぎの音])
チャンドラー: All right, everybody! Just be quiet! Be quiet! Be quiet!! Pipe-pipe-pipe down! (They settle down) What is the matter with you people?! This woman was trying to do a nice thing for you. She was making candy so she could try to get to know all of you, and I'll bet that not one of you can tell me her name! Am I right? (いいか、みんな! とにかく静かにしろ! 静かに! 静かに! 黙れよ! [おとなしくなる] 君らはいったいどうしたっていうんだ? この女性は君たちにいいことをしようとしてるんだぞ。君らみんなと知り合いになろうとして彼女はキャンディーを作ってたんだ。で、俺は思うね、君らのうち一人も彼女の名前を言える人間はいないだろうって! 俺は正しいか?)
男性(The Man): (from earlier) Candy Lady? (キャンディー・レディー?)
チャンドラー: No, not (imitating) "Candy Lady." (いや、「キャンディー・レディー」じゃないよ。)
ジョーイ: (stepping in and knocking the man over) Hey, if we know it, can we have candy?!! ([割って入ってきて、その男性を倒して] なあ、もし俺がそれ(彼女の名前)を知ってたら、俺たちはキャンディーをもらえる?)
キャンディーを待つ人が、廊下で大騒ぎしているので、モニカはドアを開けて、The candy is coming! と叫んでいます。
あなたたちが待っている「その」キャンディーが(もうすぐ)やってくる、という感覚ですね。
その後、I just need と言って、まだ少し時間がかかることも追加で説明しています。
need another 15 minutes は「あともう15分間必要」ですね。
another は「もう一つの」と訳されることが多いですが、この場合は、15分を1つのまとまりと考えて、15分をあと1回分という感覚で、「あと15分間必要」と言っているニュアンスになります。
for the chocolate to cool は「チョコレートが冷えるために」。
出来上がってるんだけど、まだ熱いから、冷めるまであと15分だけ待って、と言っているわけです。
モニカがそう説明しても、そんなに待てないよ、とばかりに、We want candy now! 「俺たちは、今、キャンディーが欲しいんだ!」とさらに騒ぎは大きくなってしまいます。
会社から帰ってきて、キャンディーを待つ人たちを驚きの目で見ていたチャンドラーは、ここでモニカの婚約者らしく、「静かに!」とその場を落ち着かせようとしています。
pipe down は、命令文 Pipe down! の形で使われ、「静かに! 黙れ!」という意味になります。
pipe は「パイプ」から想像されるように、「笛、管楽器」という意味がありますね。
「キャンディ・キャンディ」の丘の上の王子様が持っていた、バグパイプ(bagpipe)というスコットランドなどの民族楽器もあったよなぁ〜とか思い出したのは、今回のエピソードに candy という単語が連発するせいだろうか…^^
Anyway(とにかく)、そのように、音の出る楽器のパイプの意味があるので、動詞の pipe には「笛を吹く」という意味があり、そこから「(人)がかん高い声で言う・歌う」という意味にもなるのですね。それを down しろ、ボリュームを下げろ、ということだから、「黙れ」になるわけです。
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pipe down : [phrasal verb] (spoken) to stop talking or making a noise, and become calmer and less excited
例) Pipe down! I'm trying to study.
つまり、「話をやめる、または音を出すのをやめること、そしてより静かになり、より興奮を抑えること」。例文は、「静かにしろ! 俺は勉強しようとしてるんだよ!」
「君らは一体どうしたんだよ?」みたいに言って、チャンドラーは「この女性は君らのために良いことをしようとしていたんだ」「君らみんなと知り合えるようにって、キャンディーを作ってたんだぞ」とも言っています。
I'll bet that は「俺は…だと思う」。not one of you can は「君らのうち一人も…できない」という感覚ですね。
お近づきになりたいと彼女はキャンディーを作ってたのに、彼女の名前を言えるやつがこの中に一人でもいるか?という感じですね。
「キャンディー・レディー?」みたいに言う人がいて、やっぱり誰もモニカの名前を知らない…というのは想定されるリアクションですが、その男性を突き飛ばす形で割り込んできたジョーイが、「もし俺たちがそれ(キャンディーを作っている女性の名前)を知ってたら、俺たちはキャンディーをもらえる? 食べられる?」みたいに言っているのに笑ってしまいます。
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2013年01月16日
惜しかったからもう一度トライ フレンズ7-9その4
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フィービーが自転車に乗れないと知ったロスは、公園で自転車の練習をさせるのですが、「後ろを持っててくれると言ったのに、手を放した!」と言って、フィービーは怒って自転車に乗るのをやめてしまいます。
[Cut to Phoebe's room, Phoebe has put her helmet on one of her teddy bears and is playing around with it. Ross knocks and pokes his head in the door.]
フィービーの部屋に画面がカット。フィービーは自分のテディベアに自分の(自転車用)ヘルメットをかぶせていて、そのベアと遊んでいる。ロスは部屋をノックし、ドアから顔を突き出す。
フィービー: (seeing him) Oh, hello, liar. ([ロスを見ながら] あぁ、はーい、嘘つきさん。)
ロス: (entering) Look, I-I'm really sorry I let go of the bike. ([部屋に入りながら] ねぇ、本当にごめんよ、僕が自転車から手を放しちゃって。)
フィービー: I could've been killed, you know! (私は死んじゃってたかもしれないわ、でしょ!)
ロス: I know. I know. But, can we please try it again? Huh? I mean, you were so close, Phoebe! (そうだね、そうだね。でも、お願いだから、僕たちもう一度トライしようよ、ね? ほら、君はすっごく惜しかった(もうちょっとだった)んだよ、フィービー!)
フィービー: Well, I would love to but... the bike got stolen and the police have no suspects. (Ross just happens to have his hand on a sheet that is covering something that suspiciously looks like a bike.) (うーん、私もそうしたいけど、でも… あの自転車は盗まれて、警察は容疑者を見つけてないの。[ロスはたまたま手をあるシーツの上に置いている、それは何かを覆っていて、その何かは、自転車じゃないの?という見かけをしている])
ロス: Phoebe. (フィービー。)
フィービー: What?! (Ross rings the bell.) What the hell?! (何? [ロスは自転車のベルを鳴らす] (その音は)一体何なの?!)
ドアから顔をのぞかせたロスに、フィービーは冷たい顔で liar と挨拶をしています。
文字通り「嘘つき(さん)」ということで、「手を放さない、って約束してね」と言ったのに、手を離したロスのことを嘘つき呼ばわりしているわけですね。
ロスも、フィービーがそのことで怒っているのはわかっているので、それについてちゃんと詫びています。
let go of は「〜から手を放す」ですね。
I could've been killed を直訳すると、「私は殺されていた可能性もあった」というような感覚。
kill は日本語では「殺す」と訳されることが多いので、「殺されてたかもしれないのよ」とは物騒な言い方ですが、英語では、事故などで死亡する場合にも、kill という単語が使われます。
「殺された」と言うと、悪意のある誰かに殺された、みたいに聞こえるので、「事故で死亡した」と訳した方が良いでしょう。
初心者の私の自転車から手を放すなんて、それで死んじゃってたかもしれないのよ!とちょっと大げさに言っているわけですが、初めての自転車の怖さもわかるロスは、その発言をそのまま受け入れ、「死ぬかもしれないほど怖かったの、よくわかってるよ」という感じで、I know と言った後、can we please try it again? と言っています。
「僕たち、それにもう一度トライできるよね」ということで、もう一回やってみようよ、頑張ってみようよ、と促していることになります。
you were so close の close は「近い、惜しい」。
実際、フィービーが一瞬乗れたために、ロスが手を放したわけなので、「すっごく惜しかったんだよ」というのは事実。
ロスは「もうちょっとだったんだよ、だから頑張ろう」と励ましているわけですね。
ですが、フィービーは練習に乗り気ではない様子。
I would love to but... 「そうしたいんだけど、でも…」というのは、「したいのはやまやまだけど、ちょっとできない事情があって…」という感じのお決まりフレーズですね。
私の自転車が盗まれてしまって、警察は have no suspects だと説明しています。
suspect は動詞では「…ではないかと疑う」。名詞では「容疑者、被疑者」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
suspect [noun] : someone who is thought to be guilty of a crime
つまり、「ある犯罪を犯したと考えられている人」。
自転車が盗まれたんだけど、容疑者もまだ見つかってないの、見つかる手がかりがないのよ、ということですね。
ですが、そのシーンでは、カメラが引いていって、ロスが手を置いている白い大きな物体を映し出しています。
その形状から(笑)、明らかにそれは「自転車を隠すためにシーツをかぶせたもの」だとわかるので、ロスも絶句してしまって、「えーっと、じゃあ、僕が今、手を置いてるものは、一体何だって言うのかなぁ?」みたいな顔をしています。
自転車が盗まれちゃって、練習したくでもできないのよ、と、大嘘をつくフィービーにあきれたロスは、シーツをかぶせた上から、自転車のベルをチリンチリンと鳴らせてみせます。
それを聞いて、「一体今のは何?」みたいに大げさに驚いて見せるフィービーにも笑ってしまいますね。
ト書きで、シーツをかぶせた自転車についての説明が書かれていますが、こういう長いト書きも、前から順番にイメージしていく癖をつけることが大切ですね。
最初からイメージしていくと、「ロスはちょうどたまたま自分の手をあるシーツの上に置いている」→「そのシーツはあるものを覆っている」→「そのあるものは、疑わしい感じで自転車に見える[自転車ではないかと疑う感じの見かけになっている]」という感じになるでしょう。
このように、大きな SV を先に言っておいて、その後、手を乗せているシーツは…、シーツが覆っている何かは…とその内容を詳しく付け足す感覚が、非常に英語っぽいところだと思いますので、そういう部分も映像と組み合わせて表現を理解しておくと、自分がアウトプットする際の描写力が身に付くと思います。
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フィービーが自転車に乗れないと知ったロスは、公園で自転車の練習をさせるのですが、「後ろを持っててくれると言ったのに、手を放した!」と言って、フィービーは怒って自転車に乗るのをやめてしまいます。
[Cut to Phoebe's room, Phoebe has put her helmet on one of her teddy bears and is playing around with it. Ross knocks and pokes his head in the door.]
フィービーの部屋に画面がカット。フィービーは自分のテディベアに自分の(自転車用)ヘルメットをかぶせていて、そのベアと遊んでいる。ロスは部屋をノックし、ドアから顔を突き出す。
フィービー: (seeing him) Oh, hello, liar. ([ロスを見ながら] あぁ、はーい、嘘つきさん。)
ロス: (entering) Look, I-I'm really sorry I let go of the bike. ([部屋に入りながら] ねぇ、本当にごめんよ、僕が自転車から手を放しちゃって。)
フィービー: I could've been killed, you know! (私は死んじゃってたかもしれないわ、でしょ!)
ロス: I know. I know. But, can we please try it again? Huh? I mean, you were so close, Phoebe! (そうだね、そうだね。でも、お願いだから、僕たちもう一度トライしようよ、ね? ほら、君はすっごく惜しかった(もうちょっとだった)んだよ、フィービー!)
フィービー: Well, I would love to but... the bike got stolen and the police have no suspects. (Ross just happens to have his hand on a sheet that is covering something that suspiciously looks like a bike.) (うーん、私もそうしたいけど、でも… あの自転車は盗まれて、警察は容疑者を見つけてないの。[ロスはたまたま手をあるシーツの上に置いている、それは何かを覆っていて、その何かは、自転車じゃないの?という見かけをしている])
ロス: Phoebe. (フィービー。)
フィービー: What?! (Ross rings the bell.) What the hell?! (何? [ロスは自転車のベルを鳴らす] (その音は)一体何なの?!)
ドアから顔をのぞかせたロスに、フィービーは冷たい顔で liar と挨拶をしています。
文字通り「嘘つき(さん)」ということで、「手を放さない、って約束してね」と言ったのに、手を離したロスのことを嘘つき呼ばわりしているわけですね。
ロスも、フィービーがそのことで怒っているのはわかっているので、それについてちゃんと詫びています。
let go of は「〜から手を放す」ですね。
I could've been killed を直訳すると、「私は殺されていた可能性もあった」というような感覚。
kill は日本語では「殺す」と訳されることが多いので、「殺されてたかもしれないのよ」とは物騒な言い方ですが、英語では、事故などで死亡する場合にも、kill という単語が使われます。
「殺された」と言うと、悪意のある誰かに殺された、みたいに聞こえるので、「事故で死亡した」と訳した方が良いでしょう。
初心者の私の自転車から手を放すなんて、それで死んじゃってたかもしれないのよ!とちょっと大げさに言っているわけですが、初めての自転車の怖さもわかるロスは、その発言をそのまま受け入れ、「死ぬかもしれないほど怖かったの、よくわかってるよ」という感じで、I know と言った後、can we please try it again? と言っています。
「僕たち、それにもう一度トライできるよね」ということで、もう一回やってみようよ、頑張ってみようよ、と促していることになります。
you were so close の close は「近い、惜しい」。
実際、フィービーが一瞬乗れたために、ロスが手を放したわけなので、「すっごく惜しかったんだよ」というのは事実。
ロスは「もうちょっとだったんだよ、だから頑張ろう」と励ましているわけですね。
ですが、フィービーは練習に乗り気ではない様子。
I would love to but... 「そうしたいんだけど、でも…」というのは、「したいのはやまやまだけど、ちょっとできない事情があって…」という感じのお決まりフレーズですね。
私の自転車が盗まれてしまって、警察は have no suspects だと説明しています。
suspect は動詞では「…ではないかと疑う」。名詞では「容疑者、被疑者」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
suspect [noun] : someone who is thought to be guilty of a crime
つまり、「ある犯罪を犯したと考えられている人」。
自転車が盗まれたんだけど、容疑者もまだ見つかってないの、見つかる手がかりがないのよ、ということですね。
ですが、そのシーンでは、カメラが引いていって、ロスが手を置いている白い大きな物体を映し出しています。
その形状から(笑)、明らかにそれは「自転車を隠すためにシーツをかぶせたもの」だとわかるので、ロスも絶句してしまって、「えーっと、じゃあ、僕が今、手を置いてるものは、一体何だって言うのかなぁ?」みたいな顔をしています。
自転車が盗まれちゃって、練習したくでもできないのよ、と、大嘘をつくフィービーにあきれたロスは、シーツをかぶせた上から、自転車のベルをチリンチリンと鳴らせてみせます。
それを聞いて、「一体今のは何?」みたいに大げさに驚いて見せるフィービーにも笑ってしまいますね。
ト書きで、シーツをかぶせた自転車についての説明が書かれていますが、こういう長いト書きも、前から順番にイメージしていく癖をつけることが大切ですね。
最初からイメージしていくと、「ロスはちょうどたまたま自分の手をあるシーツの上に置いている」→「そのシーツはあるものを覆っている」→「そのあるものは、疑わしい感じで自転車に見える[自転車ではないかと疑う感じの見かけになっている]」という感じになるでしょう。
このように、大きな SV を先に言っておいて、その後、手を乗せているシーツは…、シーツが覆っている何かは…とその内容を詳しく付け足す感覚が、非常に英語っぽいところだと思いますので、そういう部分も映像と組み合わせて表現を理解しておくと、自分がアウトプットする際の描写力が身に付くと思います。
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2013年01月14日
自転車を押して歩く フレンズ7-9その3
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は4位、「にほんブログ村」は8位です。
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これまで自分の自転車を持ったことがないの…というフィービーの話を聞いて、ショックを受けたロスは、フィービーが憧れていたのと同じ形の自転車をフィービーにプレゼント。
大喜びのフィービーは、その自転車を大事にしている様子。
[Scene: Central Perk, Joey, Monica, Ross, and Chandler are watching Phoebe polish the daisies on her bike outside.]
セントラルパーク。ジョーイ、モニカ、ロス、チャンドラーは、外でフィービーが自分の自転車についているデイジーを磨いているのを見ている。
モニカ: Ross! That is so sweet of you to get Phoebe that bike! When I heard the story, I almost cried. (ロス! フィービーに自転車を買ってあげたなんて優しいのね! その話を聞いた時、私はほとんど泣きそうだったわ。)
ジョーイ: Almost cried, huh? Hear that, Chandler? "Almost" cried. (ほとんど泣きそうだった、だろ? 今の聞いたか、チャンドラー? ”ほとんど”泣いた(泣きそうだった)、って。)
チャンドラー: Hey, you cry every time somebody talks about Titanic! (おい、お前は誰かがタイタニックの話をするたびに泣くだろ。)
ジョーイ: (about to cry) Those two had only each other! ([泣きそうになって] あの二人はお互いしかいなかったんだ!)
ロス: Phoebe really likes the bike, huh? (フィービーは本当にあの自転車が好きだよねぇ?)
モニカ: Oh yeah! I saw her walkin' it down the street the other day. She had uh, these flowers in the basket. It was so cute. (ええそうよ! 私はこないだ、フィービーが通りを自転車を押して歩いてるのを見た。バスケットにお花を入れて。すっごくかわいかったわ。)
ジョーイ: Yeah, I saw her this morning, walkin' it by the park. (あぁ、俺は今朝フィービーを見た。公園のそばを自転車押して歩いてた。)
ロス: Wait a minute, she was walking the bike? Both times? (ちょっと待ってよ、フィービーは自転車を押して歩いてた? 二度とも?)
That is so sweet of you to get Phoebe that bike! は、"It is 形容詞 of 人 to do" 「人が〜するとは(形容詞)だ」という構文ですね。
通常は、It is の形が使われますが、今回は it ではなく、that が使われています。
「話に聞いた例のあれ」みたいな感じで、先に that が出てきて、「あれってすっごくスイートだわ、ほら、あなた(ロス)がフィービーに自転車を買ってあげた、ってことよ」みたいなニュアンスで理解すれば良いのかな、と思います。
ロスがフィービーに自転車を買ってあげた話を聞いた時、モニカは、I almost cried. だと言っています。
almost+過去形は、フレンズに何度も出てきましたが、「ほとんど・もう少しで〜するところだった」という意味。
実際には、cry してないけど、もうちょっとで泣いちゃうとこだった、泣いちゃう寸前だった、と言っていることになります。
その話を聞いたジョーイは、嬉しそうな顔を向けてチャンドラーを見ています。
「もう少しで泣くところだった、ってよ」みたいに言っているのは、チャンドラーがその話を聞いた時に、実際に涙ぐんでしまったことをからかっているのです。
「お前は almost じゃなくて、実際にほんとに泣いちまったもんなー」みたいにからかわれたので、チャンドラーも反撃しています。
you cry every time somebody talks about Titanic! という文の現在形は、「習慣、習性」を表すと考えれば良いでしょう。
「お前は、誰かがタイタニックの話をするたびに泣く。タイタニックの話を聞いて毎回泣いてしまう人間だ」と言っている感覚になります。
そう言われたジョーイは、それだけでほとんど泣きそうな顔になって(笑)、Those two had only each other! と言っています。
過去記事、フレンズ2-20その21 で、モニカとリチャードが付き合っていた時に、リチャードがジョーイ&チャンドラーと一緒にあちこち出掛けることに対して、以下のセリフがありました。
モニカ: I appreciate this, but you don't have to hang out with them for me. They have each other. (このこと[リチャードがジョーイやチャンドラーと遊んでいること]にはとても感謝してるわ。でも、私のために彼らと遊ぶ必要はないのよ。彼らは二人で遊ぶから。)
They have each other. は「彼らは、お互いを相手として持っている」ということですから、この二人で言うと、「ジョーイにはチャンドラーという友達(相手)がいて、チャンドラーにはジョーイという友達がいる」という感じですね。
「彼らにはお互いがいる(存在する)。遊ぶ相手がいる」ということになります。
そんな風に「同性の(遊び)友達、友人」のニュアンスでも使われるようですが、タイタニックの話だと、男女の恋愛において「君には俺がいて、俺には君がいる」という感覚になりますね。
今回のセリフでは、Those two had only each other! と表現されていますので、「あの二人(ジャックとローズ)は、お互いだけしかいなかった」ということになるでしょう。
DVDの日本語訳では、「運命の恋なんだぞ」のように「運命の恋」という言葉が使われていましたが、まさにジョーイも、「ジャックにはローズしかいなかった、ローズにはジャックしかいなかった」というニュアンスでその言葉を使っているわけですね。
自分がプレゼントした自転車を、外で磨いているフィービーを見て、ロスは嬉しそうに、「フィービーはあの自転車、大好きなんだな」と言っています。
モニカやジョーイもそれに同意して、それぞれ、「フィービーがこんなことをしてる様子を見た」と語っています。
モニカのセリフ、I saw her walkin' it down the street the other day. は、see+人+doing 「人が〜しているところを見る」の構文。
walk は自動詞の「歩く」という意味でよく使われますが、この場合は it (自転車)が目的語に来ている他動詞で「歩かせる」と言う意味になることから、「(自転車)を押して歩く」というニュアンスになります。
自転車に乗っている、自転車をこいでいる、のではなく、横に立って歩きながら自転車を動かしている、ということですね。
ちなみに、walk+人だと、「人を歩いて送る、案内する」、walk+犬だと、「犬を散歩させる」という意味になります。
それらもすべて、いちいち目的語とセットで日本語訳を覚えるような話ではなく、自動詞で「歩く」、他動詞で「歩かせる」になるから、自転車、人、犬を歩かせる、というイメージから、それぞれ「自転車を押す、人を送る、犬を散歩させる」という日本語が自然に連想される、というだけのことですね。
逆に日本語の「自転車を押して歩く」という言葉が先にイメージされてしまうと、英訳する際に、押すという動詞が必要なのかな?と思ってしまいそうですが、それを他動詞 walk で「自転車を歩かせる」と表現するという発想があることに気づくことが、語学習得には必要なのだと思います。
次にジョーイも、目撃談を語っています。
I saw her this morning, walkin' it by the park. は、さっきのモニカの発言と形が似ていますが、厳密に言うと微妙に違いますね。
ジョーイの場合は、「俺は今朝、フィービーを見た」と先に言っておいて、後から、分詞構文を使って、「公園のそばを自転車を押して歩いてるのを」と付け加える形になっています。
モニカと同じ構文にすると、I saw her walkin' it by the park this morning. になるわけですが、それだとセリフとして単調ですし、ジョーイのような言い方をした方が、「あぁ、俺も今朝見たよ、公園のそばを押して歩いてたな」みたいになって、話し言葉っぽい感じ、頭にその様子を思い浮かべながら話している感じが出て、より生き生きしたニュアンスが出ますよね。
それまでニコニコと嬉しそうに聞いていたロスですが、モニカもジョーイも、walk it (= the bike) という言葉を使ったので、「ちょっと待って、二人が目撃した二度とも、両方とも、フィービーは自転車を(乗らずに)押して歩いてたのか?」と問い返すことになります。
その後、フレンズたちは外のフィービーのところに行って、「フィービーって自転車の乗り方知ってるよねぇ? フィービーが乗ってるとこ、見たいなぁ」と言うのですが、乗ってみせたフィービーは案の定(笑)、自転車に乗れずにすぐにコケてしまうことになり、それが CMブレイク前のオチになります。
我々英語学習者が英語のリスニングとして聞いている場合に、walk it という表現を聞いて、「フィービーは自転車を押して歩いてる? 自転車に乗ってない?」ということがわかるかどうか、が笑えるかどうかの大きなポイントになるわけです。
walk のように中1で習うような簡単な単語も、あなどることなかれ、ですよ、皆さん^^
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これまで自分の自転車を持ったことがないの…というフィービーの話を聞いて、ショックを受けたロスは、フィービーが憧れていたのと同じ形の自転車をフィービーにプレゼント。
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[Scene: Central Perk, Joey, Monica, Ross, and Chandler are watching Phoebe polish the daisies on her bike outside.]
セントラルパーク。ジョーイ、モニカ、ロス、チャンドラーは、外でフィービーが自分の自転車についているデイジーを磨いているのを見ている。
モニカ: Ross! That is so sweet of you to get Phoebe that bike! When I heard the story, I almost cried. (ロス! フィービーに自転車を買ってあげたなんて優しいのね! その話を聞いた時、私はほとんど泣きそうだったわ。)
ジョーイ: Almost cried, huh? Hear that, Chandler? "Almost" cried. (ほとんど泣きそうだった、だろ? 今の聞いたか、チャンドラー? ”ほとんど”泣いた(泣きそうだった)、って。)
チャンドラー: Hey, you cry every time somebody talks about Titanic! (おい、お前は誰かがタイタニックの話をするたびに泣くだろ。)
ジョーイ: (about to cry) Those two had only each other! ([泣きそうになって] あの二人はお互いしかいなかったんだ!)
ロス: Phoebe really likes the bike, huh? (フィービーは本当にあの自転車が好きだよねぇ?)
モニカ: Oh yeah! I saw her walkin' it down the street the other day. She had uh, these flowers in the basket. It was so cute. (ええそうよ! 私はこないだ、フィービーが通りを自転車を押して歩いてるのを見た。バスケットにお花を入れて。すっごくかわいかったわ。)
ジョーイ: Yeah, I saw her this morning, walkin' it by the park. (あぁ、俺は今朝フィービーを見た。公園のそばを自転車押して歩いてた。)
ロス: Wait a minute, she was walking the bike? Both times? (ちょっと待ってよ、フィービーは自転車を押して歩いてた? 二度とも?)
That is so sweet of you to get Phoebe that bike! は、"It is 形容詞 of 人 to do" 「人が〜するとは(形容詞)だ」という構文ですね。
通常は、It is の形が使われますが、今回は it ではなく、that が使われています。
「話に聞いた例のあれ」みたいな感じで、先に that が出てきて、「あれってすっごくスイートだわ、ほら、あなた(ロス)がフィービーに自転車を買ってあげた、ってことよ」みたいなニュアンスで理解すれば良いのかな、と思います。
ロスがフィービーに自転車を買ってあげた話を聞いた時、モニカは、I almost cried. だと言っています。
almost+過去形は、フレンズに何度も出てきましたが、「ほとんど・もう少しで〜するところだった」という意味。
実際には、cry してないけど、もうちょっとで泣いちゃうとこだった、泣いちゃう寸前だった、と言っていることになります。
その話を聞いたジョーイは、嬉しそうな顔を向けてチャンドラーを見ています。
「もう少しで泣くところだった、ってよ」みたいに言っているのは、チャンドラーがその話を聞いた時に、実際に涙ぐんでしまったことをからかっているのです。
「お前は almost じゃなくて、実際にほんとに泣いちまったもんなー」みたいにからかわれたので、チャンドラーも反撃しています。
you cry every time somebody talks about Titanic! という文の現在形は、「習慣、習性」を表すと考えれば良いでしょう。
「お前は、誰かがタイタニックの話をするたびに泣く。タイタニックの話を聞いて毎回泣いてしまう人間だ」と言っている感覚になります。
そう言われたジョーイは、それだけでほとんど泣きそうな顔になって(笑)、Those two had only each other! と言っています。
過去記事、フレンズ2-20その21 で、モニカとリチャードが付き合っていた時に、リチャードがジョーイ&チャンドラーと一緒にあちこち出掛けることに対して、以下のセリフがありました。
モニカ: I appreciate this, but you don't have to hang out with them for me. They have each other. (このこと[リチャードがジョーイやチャンドラーと遊んでいること]にはとても感謝してるわ。でも、私のために彼らと遊ぶ必要はないのよ。彼らは二人で遊ぶから。)
They have each other. は「彼らは、お互いを相手として持っている」ということですから、この二人で言うと、「ジョーイにはチャンドラーという友達(相手)がいて、チャンドラーにはジョーイという友達がいる」という感じですね。
「彼らにはお互いがいる(存在する)。遊ぶ相手がいる」ということになります。
そんな風に「同性の(遊び)友達、友人」のニュアンスでも使われるようですが、タイタニックの話だと、男女の恋愛において「君には俺がいて、俺には君がいる」という感覚になりますね。
今回のセリフでは、Those two had only each other! と表現されていますので、「あの二人(ジャックとローズ)は、お互いだけしかいなかった」ということになるでしょう。
DVDの日本語訳では、「運命の恋なんだぞ」のように「運命の恋」という言葉が使われていましたが、まさにジョーイも、「ジャックにはローズしかいなかった、ローズにはジャックしかいなかった」というニュアンスでその言葉を使っているわけですね。
自分がプレゼントした自転車を、外で磨いているフィービーを見て、ロスは嬉しそうに、「フィービーはあの自転車、大好きなんだな」と言っています。
モニカやジョーイもそれに同意して、それぞれ、「フィービーがこんなことをしてる様子を見た」と語っています。
モニカのセリフ、I saw her walkin' it down the street the other day. は、see+人+doing 「人が〜しているところを見る」の構文。
walk は自動詞の「歩く」という意味でよく使われますが、この場合は it (自転車)が目的語に来ている他動詞で「歩かせる」と言う意味になることから、「(自転車)を押して歩く」というニュアンスになります。
自転車に乗っている、自転車をこいでいる、のではなく、横に立って歩きながら自転車を動かしている、ということですね。
ちなみに、walk+人だと、「人を歩いて送る、案内する」、walk+犬だと、「犬を散歩させる」という意味になります。
それらもすべて、いちいち目的語とセットで日本語訳を覚えるような話ではなく、自動詞で「歩く」、他動詞で「歩かせる」になるから、自転車、人、犬を歩かせる、というイメージから、それぞれ「自転車を押す、人を送る、犬を散歩させる」という日本語が自然に連想される、というだけのことですね。
逆に日本語の「自転車を押して歩く」という言葉が先にイメージされてしまうと、英訳する際に、押すという動詞が必要なのかな?と思ってしまいそうですが、それを他動詞 walk で「自転車を歩かせる」と表現するという発想があることに気づくことが、語学習得には必要なのだと思います。
次にジョーイも、目撃談を語っています。
I saw her this morning, walkin' it by the park. は、さっきのモニカの発言と形が似ていますが、厳密に言うと微妙に違いますね。
ジョーイの場合は、「俺は今朝、フィービーを見た」と先に言っておいて、後から、分詞構文を使って、「公園のそばを自転車を押して歩いてるのを」と付け加える形になっています。
モニカと同じ構文にすると、I saw her walkin' it by the park this morning. になるわけですが、それだとセリフとして単調ですし、ジョーイのような言い方をした方が、「あぁ、俺も今朝見たよ、公園のそばを押して歩いてたな」みたいになって、話し言葉っぽい感じ、頭にその様子を思い浮かべながら話している感じが出て、より生き生きしたニュアンスが出ますよね。
それまでニコニコと嬉しそうに聞いていたロスですが、モニカもジョーイも、walk it (= the bike) という言葉を使ったので、「ちょっと待って、二人が目撃した二度とも、両方とも、フィービーは自転車を(乗らずに)押して歩いてたのか?」と問い返すことになります。
その後、フレンズたちは外のフィービーのところに行って、「フィービーって自転車の乗り方知ってるよねぇ? フィービーが乗ってるとこ、見たいなぁ」と言うのですが、乗ってみせたフィービーは案の定(笑)、自転車に乗れずにすぐにコケてしまうことになり、それが CMブレイク前のオチになります。
我々英語学習者が英語のリスニングとして聞いている場合に、walk it という表現を聞いて、「フィービーは自転車を押して歩いてる? 自転車に乗ってない?」ということがわかるかどうか、が笑えるかどうかの大きなポイントになるわけです。
walk のように中1で習うような簡単な単語も、あなどることなかれ、ですよ、皆さん^^
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2013年01月11日
なら、覚えてただろうに フレンズ7-9その2
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モニカは、感謝祭からクリスマスまでのホリデーシーズンのこの時期に、隣人さんに配るための holiday candy を作っているところ。
ドアに下げたバスケットにキャンディー(candy)を入れておいて、近所の人と知り合いになりたいの、とモニカは説明しています。(candy の具体的な内容については、解説中で触れます)
その後、バスケットに入れておいたキャンディーがなくなっているのを見て、「ご近所さんが食べてくれた!」と大喜びのモニカ。その後のシーン。
[Scene: Monica, Chandler, and Phoebe's, the middle of the night, there is someone knocking on the door and Monica and Chandler get up to answer it.]
モニカ、チャンドラー、フィービーの家。夜中にドアをノックする人がいるので、モニカとチャンドラーはそれに応対するために起きる。
モニカ: (turning a light on) Who is that?! ([電気をつけて] あれは誰?)
チャンドラー: Don't worry, I'm brave! I am brave! I-- I am brave! (They get to the door and Monica goes to open it.) No-no-no-no!! (He stops her.) (Through the door.) Can you tell me who is there, please? (心配しないで。俺は勇敢だから! 俺は勇敢だ! 俺は勇敢なんだ! [二人はドアのところに行き、モニカがドアを開けようとする] だめだめだめ! [チャンドラーはモニカを止める] [ドア越しに] そこにいるのはどちら様か教えてもらえますか?)
ノックしている人(The Knocker): My name's Gary, I live upstairs. (俺の名前はゲイリー。上の階に住んでる。)
(Monica opens the door.)
モニカはドアを開ける。
ゲイリー: Hi! (やあ。)
モニカ: Hi. Do you know what time it is? (どうも。今何時かわかってる?)
ゲイリー: It's candy time! My roommate says that they taste like little drops of heaven. (キャンディー・タイムだよ! 俺のルームメイトが言ってるんだ、そのキャンディーは天国の小さなしずく(ドロップ)みたいな味だって。)
モニカ: Oh, please! (To Chandler) Did you hear that? "Little drops of heaven." (もう、やめてよ! [チャンドラーに] 今の聞いた? 「小さな天国のしずく」だって。)
チャンドラー: (laughs) 4:00 A.M. ([笑って] 午前4時だぞ。)
ゲイリー: So, can I get some candy? (それで、キャンディーもらえる?)
チャンドラー: I am sorry, but some of us have to get up early and go to work! (Monica looks at him) (To Monica) He does not know that I am not "some of us." (悪いけど、俺たちの中には、早起きして仕事に行かなきゃいけないやつもいるんだよ! [モニカはチャンドラーを見る] [モニカに] 俺が「俺たちの中の誰か」じゃないって、彼(ゲイリー)は知らないんだから。)
モニカ: Umm, listen I am sorry, but I'll put some out first thing in the morning. (ねぇ、聞いて。ごめんなさい、でも明日の朝一番に、キャンディーを出しとくわ。)
ゲイリー: Well okay, I'll swing by later. You live in this building? (そっか、オッケー。後で立ち寄るわ。君、このビルに住んでるの?)
モニカ: Um-hmm. (まあね。)
ゲイリー: (looking at Monica.) Mm! Seems like I would've remembered you! ([モニカを見て] ンー! (もしそうなら)覚えてただろうに、って感じだな[実際には見覚えなかったけど]。)
チャンドラー: Mm! Night Gar! (Monica closes the door.) (ンー! おやすみ、ゲイリーくん。[モニカはドアを閉める])
今回のエピソードに頻出の candy という単語ですが、日本語の「キャンディー」から想像されるような「アメ」だけを指す単語ではありません。
研究社 新英和中辞典では、
candy 【名】【U】 [種類・個々には 【C】] 《米》 キャンディー、砂糖菓子 (《英》 sweets) 《ドロップ・キャラメル・トフィー・チョコレートの類》
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
candy : [countable, uncountable] a sweet food made of sugar or chocolate, or a piece of this
例) a piece of candy, chocolate candies
つまり、「砂糖やチョコレートでできた甘い食べ物、またはこの一片」。
実際、このエピソードの中でモニカが作っているものを見ると、アメというよりは、やはりチョコレートっぽいもののように見えます。
なので、大阪のおばちゃんのカバンの中には必ず入っていると言われる(笑)あの「アメちゃん」ではなく、チョコレートをイメージしてセリフを聞いていただけると良いでしょう。
夜の寝ている時間だというのに、ドアを、コココンコン!という感じでしつこくノックする音が聞こえるので、チャンドラーとモニカが起きてきます。
「あれは誰?」というモニカにチャンドラーは男らしいところを見せようと、「心配しないで。俺は勇敢なんだ!」と何度も言いながら、ドアの前に立ちます。
ですが、モニカがドアを開けようとするとそれを制して、"Can you tell me who is there, please?" と尋ねるのに笑ってしまいますね。
このセリフを直訳すると、「そこにいるのは誰か、どうか私に教えてもらえますか?」という感覚。
Could you..., please? 「…していただけますか?」ほど丁寧ではないにしても、can を使った疑問文の形で、相手に「名前を言うことが可能かどうか問うている」という形式ですから、「教えてもらうことはできる? (良かったら)教えてくれる?」というニュアンスになるわけですね。
「俺は男で勇敢なんだから、俺に任せろ!」とばかりにドアのところまで来たのに、いざ、その時になると、「あのー、そこにいる人、名前を教えてもらえるかな?」と弱気になってしまっているのが、チャンドラーらしいところだと言えるでしょう。
ゲイリーという知らない男性が夜に訪ねてきたと知り、モニカは「あなた、今何時かわかってるの?」と怒った様子で聞いています。
ゲイリーは悪びれた様子もなく、「今、何時って、今はキャンディー・タイムさ。俺のルームメイトが、そのキャンディーは、little drops of heaven みたいな味だって言ってる」と説明します。
その言葉を聞いて、モニカは嬉しそうな顔で、Oh, please! と言っていますね。
これは、「もう、お願いだから(そんなお世辞はよしてよ)」という感じの照れたニュアンス。
drop は「しずく(滴)」「一滴、少量、微量」「しずく状のもの(あめ玉、ドロップ)」などを指しますね。
今回、モニカは、チョコレート(キャンディー)のようなものを、1粒ずつ作って、それをカゴに入れているわけですが、その数粒のキャンディーのことを、「小さな、天国のしずく・一粒・ドロップ」みたいに表現したわけです。
天国で味わうような、究極の味、みたいに表現されたので、褒められるのにとにかく弱いモニカは、「もう、そんなこと言ってくれちゃって〜」みたいに喜んでいるわけですね。
喜ぶモニカを見ながら、チャンドラーは乾いた笑い声をあげて、「午前4時だぞ」と言っています。
いくらキャンディーを褒められたって、こんな非常識な時間に来られちゃ困るだろ、ということですね。
キャンディーもらえるかな?とゲイリーに言われたチャンドラーは、「申し訳ないんだけど、俺たちの中の何人かは朝早く起きて、会社に行かなくちゃいけないんだよ」と言っています。
それを聞いたモニカは、「え? それってあなたのこと? あなたは別に早起きして会社に行ったりしないじゃない」みたいな顔で見ていますね。
これでも一応(笑)、大きなビルに会社が入っている、多国籍企業に勤務しているはずのチャンドラーですが、確かにそんなに朝早くから出勤しているというイメージはありません。
あなた、自分が「朝早い勤勉ビジネスマン」みたいに言うつもり?というような顔をされたので、その後、チャンドラーは、He does not know that I am not "some of us." と言っています。
これは、「俺が(今言った)”俺たちのうちの何人か”じゃない、ってことを、彼(ゲイリー)は知らない」ということ。
初対面の彼は、俺の仕事ぶりを知らないんだから、今の発言が俺自身のことを言ってるかどうかなんてわからないじゃん、だから、適当に言っても問題ないんだよ、さも自分のことのように言ってもバレないんだよ、みたいなことですね。
モニカは、今の時間にはキャンディーがないことを詫びて、明日、キャンディーを(いくつか)出しておくからと言っています。
first thing in the morning は「朝の最初のこと」ですから、日本語の「朝いち」のこと。
英語でもやはり、「朝の一番目のこと」みたいに言うのは同じなのですね。
swing by は「立ち寄る」。swing は「スイング」というカタカナからもわかる通り、「揺れる、揺れ動く」「行き来する、行ったり来たりする」という意味があります。
swing by の by は、stop by などと同じ感覚ですね。
モニカの顔をじっと見ていたゲイリーは、「君はこのビルに住んでるの?」と聞いています。
こんな時間に部屋にいるのですから、当然、このビルの住人に決まっているわけですが、その質問から、ゲイリーはこれまでモニカのことを知らなかった、同じビルのご近所さんだとは知らなかったことがわかります。
Seems like I would've remembered you! について。
seems like は「…のように見える、思える」。
I would've remembered you つまり、would have remembered you は、「would+have+完了形」の形で、「(もしそうなら)…しただろう」というような感覚。
これは、「もし君がこのビルの住人だったら、君のことを知ってただろうにな」というニュアンスで、それはつまり、「同じビルの住人だから、君のことを知っててもおかしくないのに、実際には今まで君のことを全然知らなかったわ」と言っていることになるでしょう。
助動詞に have+過去分詞(p.p. = past perfect)がつく形は、他にも、should've p.p. や、could've p.p. などがありますね。
should've p.p. だと「…すべきだったのに(実際には…しなかった)」、could've p.p. だと「…できたのに(実際には…しなかった)」のような「過去に実現しなかったこと」を表すことになります。
should や could が使われたものよりも、would のニュアンスを掴むのは難しくなってしまうのですが、この流れに沿うと、would've p.p. は「…しただろうに(実際には…しなかった)」と言っていることになると言えますね。
つまり、I would've remembered you. は、(I'm afraid) I didn't remember you. 「(悪いけど)君のことを全然覚えていなかった(今、初めて知った)」と言っていることになるでしょう。
午前4時にキャンディーをくれよ、とやって来ておいて、あげく、「ふーん、君、ここに住んでるんだー。君のこと、知っててもおかしくなかったのにね。どういうわけか君のこと、全く知らなかったわ。全く見覚えなかったわ」みたいに言っている、という大変失礼な発言をしていることになります。
それでチャンドラーは、ムッとした様子で、オウム返しのように、同じ Mm! という言葉を真似しながら、Night Gar! と挨拶をしています。
Gar は Gary (ゲイリー)という名前を、短くニックネーム風に呼んでいる感覚になるでしょう。
「おやすみ」は普通、Good night. ですが、親しい間柄だと、Night. だけで済ませる場合も多いですね。「おはよう」を、Mornin'! と言うのと似た感覚です。
チャンドラーにとっては、このゲイリーという男性は、全くの初対面で、本来であれば、こんな気安い挨拶をする間柄ではありませんが、相手のゲイリーがあまりにも礼儀知らずの無礼者なので、目には目を、という感じで、「んじゃな、早く寝ろよ、お前」みたいなぞんざいな挨拶を返した感覚になるでしょう。
日本語であんまり知らない人に、「お前、何やってんだよ」みたいに言われた場合に、「そういうお前もな」のように、同じレベルの言葉で言い返すことがありますが、今回のやり取りもそれと似た感じがするように思いました。
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モニカは、感謝祭からクリスマスまでのホリデーシーズンのこの時期に、隣人さんに配るための holiday candy を作っているところ。
ドアに下げたバスケットにキャンディー(candy)を入れておいて、近所の人と知り合いになりたいの、とモニカは説明しています。(candy の具体的な内容については、解説中で触れます)
その後、バスケットに入れておいたキャンディーがなくなっているのを見て、「ご近所さんが食べてくれた!」と大喜びのモニカ。その後のシーン。
[Scene: Monica, Chandler, and Phoebe's, the middle of the night, there is someone knocking on the door and Monica and Chandler get up to answer it.]
モニカ、チャンドラー、フィービーの家。夜中にドアをノックする人がいるので、モニカとチャンドラーはそれに応対するために起きる。
モニカ: (turning a light on) Who is that?! ([電気をつけて] あれは誰?)
チャンドラー: Don't worry, I'm brave! I am brave! I-- I am brave! (They get to the door and Monica goes to open it.) No-no-no-no!! (He stops her.) (Through the door.) Can you tell me who is there, please? (心配しないで。俺は勇敢だから! 俺は勇敢だ! 俺は勇敢なんだ! [二人はドアのところに行き、モニカがドアを開けようとする] だめだめだめ! [チャンドラーはモニカを止める] [ドア越しに] そこにいるのはどちら様か教えてもらえますか?)
ノックしている人(The Knocker): My name's Gary, I live upstairs. (俺の名前はゲイリー。上の階に住んでる。)
(Monica opens the door.)
モニカはドアを開ける。
ゲイリー: Hi! (やあ。)
モニカ: Hi. Do you know what time it is? (どうも。今何時かわかってる?)
ゲイリー: It's candy time! My roommate says that they taste like little drops of heaven. (キャンディー・タイムだよ! 俺のルームメイトが言ってるんだ、そのキャンディーは天国の小さなしずく(ドロップ)みたいな味だって。)
モニカ: Oh, please! (To Chandler) Did you hear that? "Little drops of heaven." (もう、やめてよ! [チャンドラーに] 今の聞いた? 「小さな天国のしずく」だって。)
チャンドラー: (laughs) 4:00 A.M. ([笑って] 午前4時だぞ。)
ゲイリー: So, can I get some candy? (それで、キャンディーもらえる?)
チャンドラー: I am sorry, but some of us have to get up early and go to work! (Monica looks at him) (To Monica) He does not know that I am not "some of us." (悪いけど、俺たちの中には、早起きして仕事に行かなきゃいけないやつもいるんだよ! [モニカはチャンドラーを見る] [モニカに] 俺が「俺たちの中の誰か」じゃないって、彼(ゲイリー)は知らないんだから。)
モニカ: Umm, listen I am sorry, but I'll put some out first thing in the morning. (ねぇ、聞いて。ごめんなさい、でも明日の朝一番に、キャンディーを出しとくわ。)
ゲイリー: Well okay, I'll swing by later. You live in this building? (そっか、オッケー。後で立ち寄るわ。君、このビルに住んでるの?)
モニカ: Um-hmm. (まあね。)
ゲイリー: (looking at Monica.) Mm! Seems like I would've remembered you! ([モニカを見て] ンー! (もしそうなら)覚えてただろうに、って感じだな[実際には見覚えなかったけど]。)
チャンドラー: Mm! Night Gar! (Monica closes the door.) (ンー! おやすみ、ゲイリーくん。[モニカはドアを閉める])
今回のエピソードに頻出の candy という単語ですが、日本語の「キャンディー」から想像されるような「アメ」だけを指す単語ではありません。
研究社 新英和中辞典では、
candy 【名】【U】 [種類・個々には 【C】] 《米》 キャンディー、砂糖菓子 (《英》 sweets) 《ドロップ・キャラメル・トフィー・チョコレートの類》
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
candy : [countable, uncountable] a sweet food made of sugar or chocolate, or a piece of this
例) a piece of candy, chocolate candies
つまり、「砂糖やチョコレートでできた甘い食べ物、またはこの一片」。
実際、このエピソードの中でモニカが作っているものを見ると、アメというよりは、やはりチョコレートっぽいもののように見えます。
なので、大阪のおばちゃんのカバンの中には必ず入っていると言われる(笑)あの「アメちゃん」ではなく、チョコレートをイメージしてセリフを聞いていただけると良いでしょう。
夜の寝ている時間だというのに、ドアを、コココンコン!という感じでしつこくノックする音が聞こえるので、チャンドラーとモニカが起きてきます。
「あれは誰?」というモニカにチャンドラーは男らしいところを見せようと、「心配しないで。俺は勇敢なんだ!」と何度も言いながら、ドアの前に立ちます。
ですが、モニカがドアを開けようとするとそれを制して、"Can you tell me who is there, please?" と尋ねるのに笑ってしまいますね。
このセリフを直訳すると、「そこにいるのは誰か、どうか私に教えてもらえますか?」という感覚。
Could you..., please? 「…していただけますか?」ほど丁寧ではないにしても、can を使った疑問文の形で、相手に「名前を言うことが可能かどうか問うている」という形式ですから、「教えてもらうことはできる? (良かったら)教えてくれる?」というニュアンスになるわけですね。
「俺は男で勇敢なんだから、俺に任せろ!」とばかりにドアのところまで来たのに、いざ、その時になると、「あのー、そこにいる人、名前を教えてもらえるかな?」と弱気になってしまっているのが、チャンドラーらしいところだと言えるでしょう。
ゲイリーという知らない男性が夜に訪ねてきたと知り、モニカは「あなた、今何時かわかってるの?」と怒った様子で聞いています。
ゲイリーは悪びれた様子もなく、「今、何時って、今はキャンディー・タイムさ。俺のルームメイトが、そのキャンディーは、little drops of heaven みたいな味だって言ってる」と説明します。
その言葉を聞いて、モニカは嬉しそうな顔で、Oh, please! と言っていますね。
これは、「もう、お願いだから(そんなお世辞はよしてよ)」という感じの照れたニュアンス。
drop は「しずく(滴)」「一滴、少量、微量」「しずく状のもの(あめ玉、ドロップ)」などを指しますね。
今回、モニカは、チョコレート(キャンディー)のようなものを、1粒ずつ作って、それをカゴに入れているわけですが、その数粒のキャンディーのことを、「小さな、天国のしずく・一粒・ドロップ」みたいに表現したわけです。
天国で味わうような、究極の味、みたいに表現されたので、褒められるのにとにかく弱いモニカは、「もう、そんなこと言ってくれちゃって〜」みたいに喜んでいるわけですね。
喜ぶモニカを見ながら、チャンドラーは乾いた笑い声をあげて、「午前4時だぞ」と言っています。
いくらキャンディーを褒められたって、こんな非常識な時間に来られちゃ困るだろ、ということですね。
キャンディーもらえるかな?とゲイリーに言われたチャンドラーは、「申し訳ないんだけど、俺たちの中の何人かは朝早く起きて、会社に行かなくちゃいけないんだよ」と言っています。
それを聞いたモニカは、「え? それってあなたのこと? あなたは別に早起きして会社に行ったりしないじゃない」みたいな顔で見ていますね。
これでも一応(笑)、大きなビルに会社が入っている、多国籍企業に勤務しているはずのチャンドラーですが、確かにそんなに朝早くから出勤しているというイメージはありません。
あなた、自分が「朝早い勤勉ビジネスマン」みたいに言うつもり?というような顔をされたので、その後、チャンドラーは、He does not know that I am not "some of us." と言っています。
これは、「俺が(今言った)”俺たちのうちの何人か”じゃない、ってことを、彼(ゲイリー)は知らない」ということ。
初対面の彼は、俺の仕事ぶりを知らないんだから、今の発言が俺自身のことを言ってるかどうかなんてわからないじゃん、だから、適当に言っても問題ないんだよ、さも自分のことのように言ってもバレないんだよ、みたいなことですね。
モニカは、今の時間にはキャンディーがないことを詫びて、明日、キャンディーを(いくつか)出しておくからと言っています。
first thing in the morning は「朝の最初のこと」ですから、日本語の「朝いち」のこと。
英語でもやはり、「朝の一番目のこと」みたいに言うのは同じなのですね。
swing by は「立ち寄る」。swing は「スイング」というカタカナからもわかる通り、「揺れる、揺れ動く」「行き来する、行ったり来たりする」という意味があります。
swing by の by は、stop by などと同じ感覚ですね。
モニカの顔をじっと見ていたゲイリーは、「君はこのビルに住んでるの?」と聞いています。
こんな時間に部屋にいるのですから、当然、このビルの住人に決まっているわけですが、その質問から、ゲイリーはこれまでモニカのことを知らなかった、同じビルのご近所さんだとは知らなかったことがわかります。
Seems like I would've remembered you! について。
seems like は「…のように見える、思える」。
I would've remembered you つまり、would have remembered you は、「would+have+完了形」の形で、「(もしそうなら)…しただろう」というような感覚。
これは、「もし君がこのビルの住人だったら、君のことを知ってただろうにな」というニュアンスで、それはつまり、「同じビルの住人だから、君のことを知っててもおかしくないのに、実際には今まで君のことを全然知らなかったわ」と言っていることになるでしょう。
助動詞に have+過去分詞(p.p. = past perfect)がつく形は、他にも、should've p.p. や、could've p.p. などがありますね。
should've p.p. だと「…すべきだったのに(実際には…しなかった)」、could've p.p. だと「…できたのに(実際には…しなかった)」のような「過去に実現しなかったこと」を表すことになります。
should や could が使われたものよりも、would のニュアンスを掴むのは難しくなってしまうのですが、この流れに沿うと、would've p.p. は「…しただろうに(実際には…しなかった)」と言っていることになると言えますね。
つまり、I would've remembered you. は、(I'm afraid) I didn't remember you. 「(悪いけど)君のことを全然覚えていなかった(今、初めて知った)」と言っていることになるでしょう。
午前4時にキャンディーをくれよ、とやって来ておいて、あげく、「ふーん、君、ここに住んでるんだー。君のこと、知っててもおかしくなかったのにね。どういうわけか君のこと、全く知らなかったわ。全く見覚えなかったわ」みたいに言っている、という大変失礼な発言をしていることになります。
それでチャンドラーは、ムッとした様子で、オウム返しのように、同じ Mm! という言葉を真似しながら、Night Gar! と挨拶をしています。
Gar は Gary (ゲイリー)という名前を、短くニックネーム風に呼んでいる感覚になるでしょう。
「おやすみ」は普通、Good night. ですが、親しい間柄だと、Night. だけで済ませる場合も多いですね。「おはよう」を、Mornin'! と言うのと似た感覚です。
チャンドラーにとっては、このゲイリーという男性は、全くの初対面で、本来であれば、こんな気安い挨拶をする間柄ではありませんが、相手のゲイリーがあまりにも礼儀知らずの無礼者なので、目には目を、という感じで、「んじゃな、早く寝ろよ、お前」みたいなぞんざいな挨拶を返した感覚になるでしょう。
日本語であんまり知らない人に、「お前、何やってんだよ」みたいに言われた場合に、「そういうお前もな」のように、同じレベルの言葉で言い返すことがありますが、今回のやり取りもそれと似た感じがするように思いました。
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2013年01月09日
パパがお古の自転車をくれた フレンズ7-9その1
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シーズン7 第9話
The One With All the Candy (フィービー 夢の自転車)
原題は「キャンディばっかりの話」
フレンズたちは、ロスの息子のベンが公園で自転車の練習をしているのを微笑ましく見ています。
モニカが「私の初めての自転車」のことを語った後、
フィービー: I never had a bike of my own. (私は自分自身の自転車を持ったことなかったの。)
ロス: (shocked) What?! ([ショックを受けて] 何だって?)
フィービー: Well, we didn't have a lot of money. But the girl across the street had the best bike! It was pink and it had rainbow-colored tassels hanging off the handle grips, and-and-and a bell and this big, white wicker basket with those plastic daisies stuck on. (私たち(の家族)は、お金があんまりなかったから。でも、通りの向こうの女の子が、最高の自転車を持ってたの! ピンクで、虹色の房がハンドルの握りの部分から垂れ下がってるの。それで、それで、ベルと、大きくて白い籐(とう)のカゴ、プラスチックのデイジー(ヒナギク)が(カゴに)つけてあるのよ。)
チャンドラー: That sounds like my first bike. (They all turn and look at him.) My dad gave me his old one. (それって俺の最初の自転車みたいだな。[みんなは振り返ってチャンドラーを見る] 俺のパパが自分のお古をくれたんだよ。)
ロス: Ohh. (おぉ。)
モニカ: Did the girl ever let you ride it? (その女の子はフィービーに、その自転車を乗らせてあげた?)
フィービー: No! But she gave me the box that it came in. It had a picture of the bike on the front. (They're all speechless) So I would sit on it and my stepdad would drag me around the backyard. (いいえ! でも(買った時に)その自転車が入ってた箱を私にくれたわ。前に自転車の絵があるの。[みんなは言葉をなくしてしまう] だから私はその箱の上に座って、私の継父が(箱に乗っている)私を、裏庭中、引っ張ってくれたものだったわ。)
ロス: That is so unfair! (そんなのすっごく不公平だよ!)
フィービー: Not really, I got to drag him around too! (They all nod, "Oh.") (そうでもないのよ、私も継父を引っ張って回ることになったから! [全員、おぉ、とうなづく])
今回は自転車の話です。
セリフに何度も登場する、bike が「自転車」ですね。
日本語で「バイク」と言うと、「オートバイ」がまずは頭に浮かんでしまいますが、「自転車」の意味を表すのに、英語では bicycle の短縮形の bike がよく使われます。
of my own は「自分自身の」なので、a bike of my own は「自分自身の自転車」。
「私、自分の自転車って持ったことがなかったの」と言うので、ロスはショックを受けたように、何だって?と言っています。
フィービーは、自分の家はお金持ちじゃなかったから…みたいに理由を説明していますね。
「でも、通りの向かいの女の子が、最高の自転車を持ってたの!」と言って、その子の自転車がどんなに素敵かを描写しています。
It was pink... 以下がその自転車の描写ですが、ものを描写する際、ノンネイティブではなかなかこんな風に表現することが難しいと思うので、いろいろと参考にしたいところですね。
まずは、It was pink 「ピンクだったの」と色を説明しておいて、it had... 「その自転車には…がついてるの」と説明を続けています。
rainbow-colored は文字通り「虹色の」。「虹の色のついた、虹の色で彩色された」というニュアンスから、colored という過去分詞形が使われていますね。
tassel は「房(ふさ)、飾り房」。handle grip は文字通り「ハンドルのグリップ、握り部分」」なので、it had 以下を直訳すると、「自転車は、ハンドルグリップから垂れ下がった虹色の房がついている」ということになります。
日本語では、房という言葉を言う前に「ハンドルグリップから垂れ下がった、虹色の」という修飾語を乗っける形になりますが、英語の場合は、色などの簡単な形容詞は前に置き、その物体の状態を表すような修飾語は、後置修飾として後ろに付け加えることが多いですね。
今回の場合も、「自転車には、虹色の房がある」と先に言っておいて、その房の説明として、「垂れ下がっている、ハンドルグリップから」のように後置修飾の形を取っています。
こういう「後から説明を付け足す感覚」に馴染んでおくことが、スピーキング力の上達にも繋がりますよね。
その後、and a bell and (this big white) wicker basket と言っています。
虹色の房がついてて、の後に、ベルと籐(とう)カゴのことも言っているのですね。
バスケットについては、大きくて白い wicker 「籐(とう)の、枝編み細工の」という形容詞で説明した後、with... stuck on を使って、「…が上にくっついてる、くっついた状態である」とも言っています。
何がついているかと言うと、プラスチックのデイジー(ヒナギクの花)で、この場合も上の房の説明と同じように、大きさや色は最初に言っておいて、その後、「こういうものが上にくっついてるの」という説明を付け足している感覚になります。
その説明を聞いたチャンドラーは、「それって、俺の最初の自転車みたいだな」と言っています。
sound like は「〜のように聞こえる、思われる」ということで、フィービーの説明を聞いていると、それって俺の最初の自転車みたいに思えるよ、と言っていることになります。
フィービーが説明した自転車は、「虹色の房、お花のついた白いバスケット」という、何ともファンシーでガーリーな自転車が想像されるので、「チャンドラーはそんな女の子っぽい自転車に乗ってたのか?!」みたいに、みんなが一斉にチャンドラーの方を見ていますね。
それに対してチャンドラーは、さらに自虐的なことを言っています。
My dad gave me his old one. は「俺のパパは、彼の古い自転車を俺にくれた」。
つまりその女の子っぽい自転車は、パパのお古だった、ということがここでわかるわけです。
「チャンドラーは女の子用の自転車を買ってもらったのかよっ!」とまずはツッコミが入りそうなところを、「…って、それは元々はパパのものだったのかよっ!」というダブルでツッコミを入れたくなるジョークになっているところがポイントなわけですね。
チャンドラーのパパはゲイである、というネタがフレンズの随所に出てきますが、これもそのお約束のジョークの一環だということです。
let you ride it は「あなた(フィービー)にその自転車に乗ることを許す、乗らせてあげる」」という感覚。
自転車がなかったフィービーのために、その子は自分の自転車を貸してくれた?ということですね。
フィービーは一言、No! と言うことで、その自転車に乗らせてもらうことはできなかった、と言った後、その子は箱をくれた、と言っています。
she gave me the box that it came in は「自転車がその中に入ってやって来た、その箱を彼女は私にくれた」と言っている感覚。
つまりは「自転車が入っていた箱」ということですが、それを英語では、the box that it came in と表現しているわけですね。
The bike came in the box. 「その自転車は、その箱に入った状態で(その子の家に)やって来た」の the box を前に出した形になります。
箱の説明として、「前にその自転車の絵がある」とも言っていますね。
「その可愛い自転車には乗せてもらえなかったけど、それが描いてある箱をもらったのよ」と説明しているフィービーがあまりにも不憫だ…というように、フレンズたちは絶句してしまっています。その絶句の様子が、ト書きの speechless ですね。「言葉にできない、言葉にならない」という感覚です。
次に、So I would ... and my stepdad would ... のように、would を使って、当時の様子を語っています。
こういう場合の would は、過去の習慣などを回想する would ですね。「(よく)…したものだった」と訳すと良いでしょう。
小さな私はその箱の上に座って、stepdad 「継父」、(自分の実の父ではない、母と再婚した父)が、私を裏庭中ぐるぐると引っ張り回してくれたものよ、と説明していますね。
貧乏で自転車が買ってもらえなかったから、箱をもらって自転車代わりに乗ってた、というだけでもかなり切ないのですが、それを引っ張ってくれてたのが実父ではなくて継父、というのがまた、フィービーの悲しい幼少期を語るエピソードによく登場する事柄なので、フレンズたちはますます「フィービー、大変だったね…」みたいに同情することになるわけです。
切ない話を聞かされたロスは思わず、That is so unfair! 「そんなのすっごく不公平だよ!」と叫んでいます。ものすごくアンフェアだ!ということですね。
それを聞いたフィービーは、Not really. 「そんなにすごくアンフェアってことでもないのよ」みたいに軽く否定しています。
I got to drag him around too! は、「私も彼を drag around することになった」ということ。
継父が私を箱に乗せて、裏庭を引っ張って回ってた、と言ったけど、私も継父を箱に乗せて、引っ張って回ってあげることになったから、おあいこで別にアンフェアじゃない、みたいに言っていることになります。
つまりフィービーは、ロスの「そんなの不公平だ」発言を、「義理のお父さんは、重い箱を引っ張り回さないといけなかったなんて大変だったよな、フィービーは乗っかって喜んでるだけだから楽だったろうけどさ」みたいに言ったと勘違いしたわけですね。
引っ張る人、乗ってる人、という連想から不公平だと言われたのだと思って、「そんな不公平ってことでもないのよ。私が引っ張る側に回ることもあったから」と平然とした顔で言っているわけです。
みんなもその話を聞いて、一応「なるほどね」みたいにうなづいていますが、実際のところは「不公平って言ったのは、そういうことじゃないんだけど…でも、フィービーが不幸だってことをことさら強調しなくてもいいか、そっちだと勘違いしてるなら、そうしとこっか」みたいにうなづいていることになるでしょうね。
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シーズン7 第9話
The One With All the Candy (フィービー 夢の自転車)
原題は「キャンディばっかりの話」
フレンズたちは、ロスの息子のベンが公園で自転車の練習をしているのを微笑ましく見ています。
モニカが「私の初めての自転車」のことを語った後、
フィービー: I never had a bike of my own. (私は自分自身の自転車を持ったことなかったの。)
ロス: (shocked) What?! ([ショックを受けて] 何だって?)
フィービー: Well, we didn't have a lot of money. But the girl across the street had the best bike! It was pink and it had rainbow-colored tassels hanging off the handle grips, and-and-and a bell and this big, white wicker basket with those plastic daisies stuck on. (私たち(の家族)は、お金があんまりなかったから。でも、通りの向こうの女の子が、最高の自転車を持ってたの! ピンクで、虹色の房がハンドルの握りの部分から垂れ下がってるの。それで、それで、ベルと、大きくて白い籐(とう)のカゴ、プラスチックのデイジー(ヒナギク)が(カゴに)つけてあるのよ。)
チャンドラー: That sounds like my first bike. (They all turn and look at him.) My dad gave me his old one. (それって俺の最初の自転車みたいだな。[みんなは振り返ってチャンドラーを見る] 俺のパパが自分のお古をくれたんだよ。)
ロス: Ohh. (おぉ。)
モニカ: Did the girl ever let you ride it? (その女の子はフィービーに、その自転車を乗らせてあげた?)
フィービー: No! But she gave me the box that it came in. It had a picture of the bike on the front. (They're all speechless) So I would sit on it and my stepdad would drag me around the backyard. (いいえ! でも(買った時に)その自転車が入ってた箱を私にくれたわ。前に自転車の絵があるの。[みんなは言葉をなくしてしまう] だから私はその箱の上に座って、私の継父が(箱に乗っている)私を、裏庭中、引っ張ってくれたものだったわ。)
ロス: That is so unfair! (そんなのすっごく不公平だよ!)
フィービー: Not really, I got to drag him around too! (They all nod, "Oh.") (そうでもないのよ、私も継父を引っ張って回ることになったから! [全員、おぉ、とうなづく])
今回は自転車の話です。
セリフに何度も登場する、bike が「自転車」ですね。
日本語で「バイク」と言うと、「オートバイ」がまずは頭に浮かんでしまいますが、「自転車」の意味を表すのに、英語では bicycle の短縮形の bike がよく使われます。
of my own は「自分自身の」なので、a bike of my own は「自分自身の自転車」。
「私、自分の自転車って持ったことがなかったの」と言うので、ロスはショックを受けたように、何だって?と言っています。
フィービーは、自分の家はお金持ちじゃなかったから…みたいに理由を説明していますね。
「でも、通りの向かいの女の子が、最高の自転車を持ってたの!」と言って、その子の自転車がどんなに素敵かを描写しています。
It was pink... 以下がその自転車の描写ですが、ものを描写する際、ノンネイティブではなかなかこんな風に表現することが難しいと思うので、いろいろと参考にしたいところですね。
まずは、It was pink 「ピンクだったの」と色を説明しておいて、it had... 「その自転車には…がついてるの」と説明を続けています。
rainbow-colored は文字通り「虹色の」。「虹の色のついた、虹の色で彩色された」というニュアンスから、colored という過去分詞形が使われていますね。
tassel は「房(ふさ)、飾り房」。handle grip は文字通り「ハンドルのグリップ、握り部分」」なので、it had 以下を直訳すると、「自転車は、ハンドルグリップから垂れ下がった虹色の房がついている」ということになります。
日本語では、房という言葉を言う前に「ハンドルグリップから垂れ下がった、虹色の」という修飾語を乗っける形になりますが、英語の場合は、色などの簡単な形容詞は前に置き、その物体の状態を表すような修飾語は、後置修飾として後ろに付け加えることが多いですね。
今回の場合も、「自転車には、虹色の房がある」と先に言っておいて、その房の説明として、「垂れ下がっている、ハンドルグリップから」のように後置修飾の形を取っています。
こういう「後から説明を付け足す感覚」に馴染んでおくことが、スピーキング力の上達にも繋がりますよね。
その後、and a bell and (this big white) wicker basket と言っています。
虹色の房がついてて、の後に、ベルと籐(とう)カゴのことも言っているのですね。
バスケットについては、大きくて白い wicker 「籐(とう)の、枝編み細工の」という形容詞で説明した後、with... stuck on を使って、「…が上にくっついてる、くっついた状態である」とも言っています。
何がついているかと言うと、プラスチックのデイジー(ヒナギクの花)で、この場合も上の房の説明と同じように、大きさや色は最初に言っておいて、その後、「こういうものが上にくっついてるの」という説明を付け足している感覚になります。
その説明を聞いたチャンドラーは、「それって、俺の最初の自転車みたいだな」と言っています。
sound like は「〜のように聞こえる、思われる」ということで、フィービーの説明を聞いていると、それって俺の最初の自転車みたいに思えるよ、と言っていることになります。
フィービーが説明した自転車は、「虹色の房、お花のついた白いバスケット」という、何ともファンシーでガーリーな自転車が想像されるので、「チャンドラーはそんな女の子っぽい自転車に乗ってたのか?!」みたいに、みんなが一斉にチャンドラーの方を見ていますね。
それに対してチャンドラーは、さらに自虐的なことを言っています。
My dad gave me his old one. は「俺のパパは、彼の古い自転車を俺にくれた」。
つまりその女の子っぽい自転車は、パパのお古だった、ということがここでわかるわけです。
「チャンドラーは女の子用の自転車を買ってもらったのかよっ!」とまずはツッコミが入りそうなところを、「…って、それは元々はパパのものだったのかよっ!」というダブルでツッコミを入れたくなるジョークになっているところがポイントなわけですね。
チャンドラーのパパはゲイである、というネタがフレンズの随所に出てきますが、これもそのお約束のジョークの一環だということです。
let you ride it は「あなた(フィービー)にその自転車に乗ることを許す、乗らせてあげる」」という感覚。
自転車がなかったフィービーのために、その子は自分の自転車を貸してくれた?ということですね。
フィービーは一言、No! と言うことで、その自転車に乗らせてもらうことはできなかった、と言った後、その子は箱をくれた、と言っています。
she gave me the box that it came in は「自転車がその中に入ってやって来た、その箱を彼女は私にくれた」と言っている感覚。
つまりは「自転車が入っていた箱」ということですが、それを英語では、the box that it came in と表現しているわけですね。
The bike came in the box. 「その自転車は、その箱に入った状態で(その子の家に)やって来た」の the box を前に出した形になります。
箱の説明として、「前にその自転車の絵がある」とも言っていますね。
「その可愛い自転車には乗せてもらえなかったけど、それが描いてある箱をもらったのよ」と説明しているフィービーがあまりにも不憫だ…というように、フレンズたちは絶句してしまっています。その絶句の様子が、ト書きの speechless ですね。「言葉にできない、言葉にならない」という感覚です。
次に、So I would ... and my stepdad would ... のように、would を使って、当時の様子を語っています。
こういう場合の would は、過去の習慣などを回想する would ですね。「(よく)…したものだった」と訳すと良いでしょう。
小さな私はその箱の上に座って、stepdad 「継父」、(自分の実の父ではない、母と再婚した父)が、私を裏庭中ぐるぐると引っ張り回してくれたものよ、と説明していますね。
貧乏で自転車が買ってもらえなかったから、箱をもらって自転車代わりに乗ってた、というだけでもかなり切ないのですが、それを引っ張ってくれてたのが実父ではなくて継父、というのがまた、フィービーの悲しい幼少期を語るエピソードによく登場する事柄なので、フレンズたちはますます「フィービー、大変だったね…」みたいに同情することになるわけです。
切ない話を聞かされたロスは思わず、That is so unfair! 「そんなのすっごく不公平だよ!」と叫んでいます。ものすごくアンフェアだ!ということですね。
それを聞いたフィービーは、Not really. 「そんなにすごくアンフェアってことでもないのよ」みたいに軽く否定しています。
I got to drag him around too! は、「私も彼を drag around することになった」ということ。
継父が私を箱に乗せて、裏庭を引っ張って回ってた、と言ったけど、私も継父を箱に乗せて、引っ張って回ってあげることになったから、おあいこで別にアンフェアじゃない、みたいに言っていることになります。
つまりフィービーは、ロスの「そんなの不公平だ」発言を、「義理のお父さんは、重い箱を引っ張り回さないといけなかったなんて大変だったよな、フィービーは乗っかって喜んでるだけだから楽だったろうけどさ」みたいに言ったと勘違いしたわけですね。
引っ張る人、乗ってる人、という連想から不公平だと言われたのだと思って、「そんな不公平ってことでもないのよ。私が引っ張る側に回ることもあったから」と平然とした顔で言っているわけです。
みんなもその話を聞いて、一応「なるほどね」みたいにうなづいていますが、実際のところは「不公平って言ったのは、そういうことじゃないんだけど…でも、フィービーが不幸だってことをことさら強調しなくてもいいか、そっちだと勘違いしてるなら、そうしとこっか」みたいにうなづいていることになるでしょうね。
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