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アルマジロのかっこうをしているロス、サンタのかっこうをしているチャンドラー、そしてモニカの3人は、今の状況を整理するために、台所で集まって話をしています。
[They walk to the kitchen; everyone is lowering their voices]
3人は台所に行く、みんな声をひそめている。
ロス: (to Chandler) What are you doing? ([チャンドラーに] 何やってんだよ?)
チャンドラー: You called everyone and said you were having trouble finding a Santa costume, so I borrowed one from a guy at work! (お前がみんなに電話して、サンタのコスチュームを探すのに苦労してるって言うから、職場の男からそれを借りたんだよ。)
ロス: Thank you, but, but you gotta leave. (ありがとう、でも君はここを出てくれなくちゃいけない。)
チャンドラー: Why? (どうして?)
ロス: Because, I'm finally getting him excited about Hanukkah, and, and you're-you're wrecking it. (だって、とうとう、ベンがハヌカーに興味を持つようになってきてるところなんだ、で、君はそれを壊してるんだよ。)
チャンドラー: But I didn't get to shake my belly like a bowlful of jelly. (でも俺は、俺の腹をボウル1杯のゼリーのように揺さぶる、っていうのをまだやってないんだよ。)
サンタを信じている子供のベンを傷つけないように、ロス、チャンドラー、モニカの3人は、ひそひそ声で話し合いをしています。
突然サンタのかっこうをして現れたチャンドラーに、ロスが「お前、何やってんだよ?」と尋ねると、チャンドラーはその理由をきちんと説明していますね。
call は「呼ぶ」ですが、この文脈では「電話する」になります。
have trouble finding は「find するのにトラブル・困難を持つ」ということですから、「探すのに・見つけるのに苦労する」ということですね。
I borrowed one の one は a Santa costume のことですね。
探している「何か」があって、「探している、そのもの」を借りた、ということであれば、it という代名詞が使われますが、この場合は、a Santa costume 「サンタの衣装1着」を探しているので、「それと同種のサンタの衣装」という意味で、one という代名詞を使っているわけですね。
お前がみんなに電話して、サンタの衣装を見つけられなくて困ってるんだー、って言うからさ、職場の男性から、サンタの衣装を借りてやったんだよ、と説明していることになります。
お前が探し回ってたから、俺が借りてきてやったのに…みたいに言われたロスは、素直に礼を言った後で、you gotta leave 「君はここを離れなければいけない」と言っています。
理由として、ロスは、I'm finally getting him excited about Hanukkah と言っていますね。
get him excited about を直訳すると、「彼(息子のベン)を、〜についてワクワクする状態にする」という感じになるでしょう。
finally は「ついに、とうとう」、am getting という現在進行形は、「今、彼をそういう状態にしているところである」という感覚ですね。
ベンにもユダヤ系としてハヌカーのことを知ってもらいたい、という父の願いがずっとあって、やっと、ベンがハヌカーに興味を持つような状態に今しているところなんだ、という感じになるでしょう。
wreck は「難破させる」「破壊する」「〜をめちゃくちゃにする、台無しにする」。
せっかく話を聞こうとしているところなのに、そこにサンタが現れちゃったら、全てが台無しになっちゃうんだよ、君がサンタとして現れたことで、ベンがハヌカーに興味を持っているというこの状態を台無しにしちゃってるんだよ、ということですね。
それを聞いて、すっと引き下がらずに、何か一言、言いたがるのが、いかにもチャンドラーらしいところです。
その彼の一言、But I didn't get to shake my belly like a bowlful of jelly. について。
文字通り直訳すると、「でも俺は、ボウル1杯のゼリーのように、俺の腹を揺らす・揺さぶるようにならなかった」になるでしょうか。
get to は「〜する状態になる」という感覚で、そのように腹を shake する状態にならなかった、その状態に到達しないままだった、という感じになるでしょう。
belly は「腹(はら)、お腹(おなか)」ですね。
a bowlful of は「ボウル1杯(分)の」、jelly は「ゼリー」。
音と文字だけでも、belly と jelly が韻を踏んでいる(押韻している)のがわかるので、それだけでも面白い表現であることはわかるのですが、実はこのフレーズは、有名な詩の一節の引用になっています。
"a bowlful of jelly" で検索すると、その詩がたくさんヒットします。
詳しくは以下のウィキペディアで。
Wikipedia 英語版: A Visit from St. Nicholas
Wikipedia 日本語版: サンタクロースがきた
ウィキペディア日本語版の以下の説明が大変わかりやすくまとめられていると思います。
『サンタクロースがきた』(英語:"A Visit from St. Nicholas")、別題『クリスマスの前の晩』("The Night Before Christmas" または "'Twas the Night Before Christmas")は、1823年に米国の新聞に無名で発表された英語の詩である。
アメリカにおけるクリスマスやサンタクロースのイメージ形成に多大な影響を与え、これが20世紀後半には歌・映画等を通じて世界中に伝えられ、現在、商業化されたクリスマスやサンタクロースのイメージとなっている。
英語版ウィキペディアの右上の四角で囲まれた部分、A visit from St. Nicholas がありますが、full poem [show] の show をクリックすると、その詩の全文が読めるようになっています。
下から14行目が以下のような文になっています。
He had a broad face, and a little round belly
That shook when he laugh'd, like a bowl full of jelly:
訳しますと、
「彼は幅の広い顔で、ちょっと丸いお腹をしていた。彼が笑うとそれは揺れた、ボウル1杯のゼリーのように」。
フレンズのセリフでは、bowlful という表記になっていて、ウィキペディアでは、bowl full のようになっている、という違いがあり、ネットでも、両方の表記が見つかりますが、ニュアンスは同じです。
「お腹がボウル1杯のゼリーのように揺れた」という例えは、日本語にしてもわかる感覚ですね。
ゼリーのあのぷるるん感のように、サンタさんのお腹がぷるるんと揺れた、という感じなわけです。(その昔、KCなかよしで、高橋千鶴さんの「プルルンコーヒーゼリー」という漫画があったのをご存じの方はいるだろうか…w)
でっぷり太ったサンタさんのイメージが浮かぶ、うまい描写ですよね。
この詩の描写から、今のあの「白いお髭で、でっぷりお腹の太ったサンタさん」のイメージができたわけで、チャンドラーはその有名な一節を使って、「ほら、サンタさんがよくやるように、ゼリーみたいにお腹をぷるるんって揺する(ゆする)やつ、俺、まだやってないんだけど」と言って、今すぐ立ち去るのは心残りだ、みたいにジョークを言ってみせたということですね。
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