2013年03月04日

コーヒーのだしがらをこぼさないと思うけど フレンズ7-12その5

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チャンドラーとモニカは夜中に目が覚めてしまい、その後、エッチをしたのですが、エッチの途中でモニカが寝てしまったことをチャンドラーが指摘しています。
チャンドラー: I was giving you some of my best moves, and you missed it. So please wake up so we can do it right! (俺は君に俺の最高のテクを行なおうとしてたんだ。で君はそれを逃した。だから、それをちゃんとできるように、お願いだからもう一回起きてよ。)
モニカ: Okay. Okay, I'm ready. Come on, big fella! (いいわ、オッケー、準備はいいわよ。さあ来て、大物さん!)
チャンドラー: Okay. (オッケー。)
モニカ: Give me the good stuff. (最高のものをちょうだい。)
チャンドラー: Yeah! (Monica falls asleep) No! No! No! Don't fall asleep! Okay, I am going to make you some coffee. (Monica doesn't move as he gets out of bed and as he's heading for the door.) Well, I probably won't spill coffee grounds all over the kitchen floor. (よし! [モニカは眠りに落ちる] だめだめだめ! 寝ちゃだめだよ! よし、俺が君にコーヒーを作ってきてやるよ。[モニカは動かない、チャンドラーがベッドを出てドアに向かっている時に] そうだな、俺は多分、台所の床いっぱいにコーヒーの出しがらをこぼしたりはしないだろうけど。)
モニカ: Okay, I'm up! I'm up! (わかったわ、私、起きるわ! 起きる!)

エッチの途中で眠ってしまったモニカに、チャンドラーはその時のことを説明しています。
I was giving you... は「(その時)俺は君に…をあげようとしていた」という感じですね。
move は「動き」ですから、この場合は、エッチの時に行なう、あんなことやこんなこと(笑)の動きを指している感覚になるでしょう。
俺の最高の動きを君に与えようとしていた、ということですから、君に対してすごいテクを使おうとしてたんだよ、みたいに言っているのでしょう。

you missed it の miss は、「見逃す、逃す」という感覚。
この場合は、そういう俺の最高の moves を君は体験しそこねちゃったんだよ、と言っていることになります。
So please wake up so we can... は「俺たちが…できるように、お願いだから起きて」、もしくは、「お願いだから起きてよ、そうすれば俺たちは…できるから」のようなニュアンス。
do it right は「正しくそれをする」ということで、自然な日本語にすると、「ちゃんとする」みたいな感じですね。
本来あるべき状態であるように行う、という感覚になります。

「せっかく最高のものをあげようとしてたんだから、起きて、ちゃんとそれをしようよ」と言われたので、モニカもその気になるのですが、張り切っているチャンドラーを前にして、また眠りに落ちようとしています。
「寝ちゃだめだ!」とチャンドラーは言って、「モニカに(目が覚めるように)これからコーヒーを作ってあげるよ」とも言っていますね。
チャンドラーがベッドを出て、台所に向かおうとするのですが、モニカは起きる気配がありません。
ですが、その後のチャンドラーの一言がモニカの目を覚ますこととなり、I'm up! 「起きるわ!」と言って実際に飛び起きてしまう…というのがこのやり取りのオチになっています。

チャンドラーが言ったとどめの(?)セリフ、Well, I probably won't spill coffee grounds all over the kitchen floor. について。
spill ... all over the kitchen floor は「台所の床じゅうに…をこぼす」。
こぼすものは何かと言うと、coffee grounds だと言っていますね。
名詞の ground というと、「地面、グラウンド」をまずは思い浮かべてしまいますが、今回の coffee grounds は「コーヒーの出しがら」という意味になります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
ground [noun] : SMALL PIECES grounds [plural] : the small pieces of something such as coffee which sink to the bottom of a liquid
例) coffee grounds

つまり、「小さな破片。液体の底に沈む、例えばコーヒーのような小さな破片」。

Macmillan Dictionary では、
grounds [plural] : extremely small pieces of crushed coffee beans, especially after they have been used for making a drink of coffee
つまり、「砕いたコーヒー豆の非常に小さな破片、特に、飲み物のコーヒーを作るために使われた後の」。

ということで、チャンドラーが「台所中にぶちまけちゃったりはしないと思うけどなぁ〜」と言っているのは、コーヒーの出しがらのことで、それを聞いたモニカは、「本人はこぼさないって言ってるけど、もしこぼしたりしたら、後の掃除が大変じゃない! チャンドラーに任せてたらだめ、私が行かなきゃ」ということで、飛び起きたわけですね。
チャンドラーはモニカの几帳面できれい好きな性格を利用して、寝ちゃいられない状態になるようなセリフを言ったわけですが、Maybe I will spill... 「もしかして俺、こぼしちゃうかもしれないな」とダイレクトに脅すのではなくて、I probably won't spill... 「多分、こぼさないと思うんだけど(保証はできないからね)」みたいに言ってみせたのが、よりお茶目な感じがして、「相手のことをよくわかっている恋人」っぽい感じが出ているなと思いました。


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posted by Rach at 15:43| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月01日

私が理解できないジョークの一つ フレンズ7-12その4

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[Scene: Joey and Rachel's, Rachel and Tag are making out on the couch.]
ジョーイとレイチェルの家。レイチェルとタグはカウチの上でいちゃついている。
レイチェル: You wanna go in the bedroom? It's a little more comfortable. (寝室に行きたい? (寝室の方がカウチより)もう少し心地いいわよ。)
タグ: Sure. (そうだね。)
レイチェル: Okay. (They start to head for the bedroom) Oh, wait! Umm, did you send those contracts to Milan? (オッケー。[二人は寝室に向かおうとする] あぁ、待って! うーんと、あの契約書をミラノに送ってくれた?)
タグ: If this is your idea of sexy talk.... (Shakes his head that it's not working.) (これが君のセクシートークのアイデアなら… [それはうまく行ってないよ、と頭を振る])
レイチェル: No, seriously, y'know the contracts I gave you, did you overnight them? (いいえ、真剣な話、私があなたに渡した契約書よ。その契約書を翌日配達にしてくれた?)
タグ: What contracts? (何の契約書?)
レイチェル: Okay, please tell me that this is just one of your jokes that you do that I don't get. (わかった、お願いだからこう言って。これはただ、あなたがするジョーク、私が理解できない(ああいう)ジョークの一つだ、って。)
タグ: Like what? (どんな感じの?)
レイチェル: Y'know, like the thing when you put the phone in your pants? (He starts laughing.) Tag! I'm serious! This isn't funny! Those contracts absolutely had to go out today! (ほら、あなたが自分のパンツに電話を入れるようなやつよ。[タグは笑い始める] タグ! 私は真剣なの! これは笑いごとじゃないのよ! その契約書は絶対に今日、発送されないといけなかったのよ!)

恋人同士のレイチェルとタグは、カウチの上でいちゃいちゃしています。
ここじゃなくて、寝室に行きましょ、とレイチェルが言い、二人は寝室に行こうとするのですが、レイチェルは急に何かを思い出した様子。
Milan はイタリアの「ミラノ」ですね。サッカーチームの ACミランもありますから、ミランでもすっかりおなじみだと思います。
二人の職場はラルフ・ローレンですから、「ミラノに契約書を送ってくれた?」というセリフも、業界っぽい感じが出ています。

タグは、If this is your idea of sexy talk.... と言って、It's not working というように頭を振る、というト書きになっていますね。
「もしこれが、君のセクシートークのアイデアだとしたら…」ということですから、「今のは、セクシートークのつもりかな? もしそのつもりだったら…」と言って、そりゃだめだよ、みたいに首を振り、そんなのでは、そそられないよ、と言っていることになるでしょう。
二人は上司と部下(アシスタント)という関係なので、そういうシチュエーション(ロールプレイ)を設定して、これからいちゃつくつもりかい?みたいに言っているのでしょうね。

No, seriously は、「違うわ、真面目な話・真剣な話よ」という感覚。
相手が自分の発言を真に受けていない時に、「冗談じゃないんだってば、私は真面目な話をしてるのよ」と言いたい時に使いますね。
the contracts I gave you は「私があなたに渡した契約書よ」という感じ。

Did you overnight them? は、文章を見ればわかる通り、overnight が動詞として使われています。
通常、overnight という単語は、形容詞または副詞として使われます。
形容詞だと、「夜通しの、宵越しの、一泊の」、副詞だと「夜通し、夜のうちに」のような意味になります。
overnight delivery だと「翌日配達便」ですね。

The Free Dictionary には、動詞の意味が載っていました。
The Free Dictionary : overnight
overnight: (v.tr.) To send by mail or other courier for delivery the next day.
つまり、「(他動詞) 郵便で、または他の配達便で、翌日に送ること」。

語義の to send... the next day がポイントだと言うことですね。

レイチェルが詳しく説明しても、「何の契約書?」などと答えるタグに、レイチェルはだんだん不安になってきたようです。
please tell me that... は「どうかお願いだから、私に…と言って」というニュアンス。
this is just one of your jokes that you do that I don't get というのは、関係代名詞の that が2回出てくる、ちょっと珍しいパターンですが、先に言葉を言った後で、後からその内容を付け足しの形で説明する、という口語英語らしい形になっていると思います。

こういうものはとにかく最初からイメージすることが大切ですね。
これはただのあなたのジョークの一つである(とお願いだから言って)、ということですが、そのジョークをさらに説明するために、(jokes) that you do 「あなたがする(言う・行う)ジョーク」、(jokes) that I don't get 「私には理解できない・わからないジョーク」と that 以下の言葉を続けることになります。
自然な日本語だと、「ほら、あなたがよくやるジョークよ、私が理解できないやつ」みたいになるでしょうか。

その説明を聞いてもピンと来なかったらしいタグは、Like what? 「どんな感じの(ジョーク)?」と問うています。
like the thing when you do... という説明もまた、口語っぽい表現ですね。
直訳すると、「あなたが…する時のこと・ものみたいな」ということで、「あなたが…するようなそういうやつよ」と言っていることになります。
レイチェルの説明によると、タグはジョークとして、パンツの中に電話を入れて話す真似をするようです(笑)。
男子的にはウケそうな感じで、タグもそのジョークのことだとわかって、でへ!みたいに嬉しそうに笑っていますが、女子のレイチェルには意味不明、それの一体何が面白いの?という感じのようです。
このやりとりより後で、レイチェルが受話器を自分の胸に当てて、Hello? 「もしもし?」と電話の真似をするシーンも出てきます。
タグがやるように、自分も女性版にトライしてみたわけですが(笑)、それをやってみた後、I still don't get it. 「やっぱり(実際にやってみても)(このジョークの面白さが)わかんない」みたいにレイチェルが言うことになります。
このように、少し前のジョークをしばらく後からネタに使う、というのは、コメディの王道っぽくて楽しいですね。

ヘラヘラ笑っているタグに、レイチェルは真剣に怒っています。
absolutely had to go out today は、「今日、絶対に、外に行かなければならなかった」みたいなことですね。
contracts 「契約書」を主語にして、その契約書が、この社内から外に出て行かなければならなかった、つまり、契約書は今日中に発送されなければならなかった、と言っていることになります。
例えば、人を主語にして、You had to send those contracts today! と言うと、「”あなたが”今日中に発送しなければならなかった」という意味になりますが、レイチェルがここで言いたいのは、「誰が」発送しないといけなかったか、ではなくて、「その契約書が今日中に発送されなければならなかった」という、「契約書の締め切り」の話ですね。
「発送されなければならなかった」という日本語が先に浮かぶと、Those contracts absolutely had to be send (out) today. のように受動態をイメージしてしまいそうになりますが、それよりももっとシンプルに、contracts had to go out と表現しているところが英語っぽいなと思うし、意外と日本人英語学習者にはすっと出てこない感覚のような気がしました。


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posted by Rach at 15:29| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする