ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。


シーズン7 第18話
The One With Joey's Award (ジョーイの授賞式)
原題は「ジョーイの賞の話」
[Scene: N.Y.U, Ross is giving a lecture.]
ニューヨーク大学。ロスは講義をしているところ。
ロス: ... and it was Ernst Muhlbrat who first hypothesized that the Velociraptor, when threatened, would expand its collar and emit a high-pitched noise to frighten off its predator. (A student raises his hand.) Yes, Mr. Lewis? (…そして、最初に以下の仮説を立てたのがアーネスト・モールブラットです。その仮説とは、ヴェラキラプトルは威嚇されると、えりを広げて、捕食者を脅して追い払うために甲高い音を発しただろう、という仮説です。 [ある学生が手を挙げる] はい、ルイスくん?)
ルイス: What kinda noise? (どんな種類の音?)
ロス: Just a high-pitched intimidating noise. (ただの甲高い、威嚇するような音だよ。)
ルイス: But like how? (でも、どんな風な?)
ロス: Well, we-we don't know for sure. But in my head, it-it sounded something like this. (He makes a high pitched noise and Alan doesn't know what to make of it.) Of course, this is just conjecture. Okay, that's uh, that's all for today. (えーっと、正確にはわからないんだけど。でも、僕の頭の中では、こんな感じに聞こえてたよ。[ロスは甲高い音を出す、そしてアランはそれをどう判断していいかわからない] もちろん、これはただの推測に過ぎない[推測の域を出ない]。よし、今日はこれでおしまい。)
ロスは講師として教えている大学で、講義をしているところ。
古生物学者であるロスは、恐竜の話をしているようで、Velociraptor は「ヴェロキラプトル」という恐竜の名前ですね。
Wikipedia 日本語版: ヴェロキラプトル には、
映画『ジュラシック・パーク』シリーズによって一般にも広く知られるようになったものの、
という記載もあります。
it was Ernst Muhlbrat who first hypothesized that... の文章は、it was 人 who did の形になっている強調構文で、「〜した人は(誰々)であった」という意味になります。
hypothesize は「仮説を立てる、仮定する」なので、that 以下で述べられる最初の仮説を立てたのは、その人物だったと言っているわけです。
when threatened は「そのヴェロキラプトルが脅かされた時、危機に瀕した時」。
expand its collar は「えりを広げる」。
ちなみに、このロスの話だと、ヴェロキラプトルには、えり(collar)があることになりますが、英語版ウィキペディアを調べてみても、この恐竜に collar がついている、という記述は見当たりませんでした。
ただ、外敵から身を守るために、えりを広げて自らの姿を大きく見せる、ということは自然界ではありそうな話なので、脚本的には、たまたま映画にも使われて有名な恐竜の名前を出してみた、というところ、でしょうか?
emit は「出す、放つ」。名詞形は emission 「放出、排気」で、「排出ゼロ」という意味の「ゼロ・エミッション」という言葉もありますね。
high-pitched は「甲高い、声の調子の高い」。
frighten off は「〜を脅かして追い払う」。frighten は「〜を脅かす」という意味で、off は「離れて」という分離のニュアンスがあることから、脅かして自分からの距離を離す、という感覚の「脅かして追い払う」という意味になるわけです。
その説明を聞いていた学生が、「音っていうけど、どんな種類の音?」と質問します。
ロスは「ただの甲高い、相手を怖がらせるような(intimidating な)音だよ」と説明するのですが、学生は、But like how? 「でも、どういう感じの?」としつこく食い下がってきます。
ロスは、「我々、古生物学者もはっきりとはわからないんだけど」と前振りした後、「でも僕の頭の中では、こんな感じのものが聞こえたね、こんな感じの音のイメージだったね」と言って、耳の横に手を置いて、えりを広げている様子も交えながら、ギャオスみたいな声(笑)を、たっぷり3回も聞かせてくれます。
「よくわからないんだけど」などと言いながらも、動きまでつけながら、大真面目な顔でいかにも恐竜っぽい声を出してみせるのが、恐竜オタク・ロスの真骨頂というところですね。
質問した学生の方は、周りをちょっと見たりして、「俺、どう反応したらいいんだろう?」みたいな困惑の表情を浮かべています。
教室が妙な空気になったのを察したロスは、Of course, this is just conjecture. と言っていますね。
conjecture は「推測, 憶測」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
conjecture : [noun] (formal)
the act of guessing about things when you do not have enough information
つまり、「十分な情報がない時に、物事について推測するという行為」。
なので、ロスのセリフは、「もちろん、これはただの推測・憶測に過ぎない」と言っていることになります。
もう少し日本語っぽく表現すると、「これは推測の域を出ない」という感じですね。
ドン引きしている学生に対して、「もちろん、ただの僕の推測に過ぎないけれど」と照れ隠しをしている感覚になるでしょう。
最後の That's all for today. は「今日はそれでおしまい」という、講義やレクチャーでの決まり文句であることもチェックしておきましょう。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。

