2013年06月03日

椅子の背に書いてあることとは異なり フレンズ7-18その2

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ニューヨーク大学で講義を終えたロスは、授業を受けていたモースという男子学生を呼んで、君はテストの点が足りないから落第だ、と告げます。
モース: Well, maybe you can cut me some slack. I'm sort of in love. (多分、大目に見てもらえますよね。僕は恋してるんです。)
ロス: Well, I'm sorry but, that-that's really not my problem. (申し訳ないけど、それは全く僕の問題じゃない。)
モース: I'm in love with you. (僕はあなたに恋してるんです。)
ロス: Well, that brings me in the loop a little. (それだと、ちょっと僕も関係者になるな。)
モース: You see, that's why I did so bad on this test. I'm having a hard time concentrating. When you're up there (Points to the podium) and you're teaching and your face gets all serious... you look so good. (In a sexy voice) When you wear that tight little turtleneck sweater-- (ほら、だから今回のテストがそんなに悪かったんですよ。集中するのが大変で。あなたがあそこに立っていて、[教壇を指さす] あなたが教えてて、あなたの顔がすっかり真剣になると…あなたはすっごく素敵に見えるんです。[セクシーな声で] あのタイトなタートルネックのセーターを着てる時には…)
ロス: Okay! (Walks away from him.) Umm, I uh, I'm your teacher. I'm sorry. You're, you're a student. And I-and I like women. In spite of what may be written on the backs of some of these chairs. (わかった! [彼から歩いて距離を取る] あのー、僕は君の先生だ。悪いけど、君は、君は生徒だ。そして、僕は女性が好きだ。ここらの椅子の後ろに書いてあるだろう内容にもかかわらずね。)

cut someone some slack は「人を勘弁してやる、人に理解を示す」という意味。
slack は「ゆるい、たるんだ、ゆるみ、たるみ」という意味で、「(人に)ゆるさを与える」、つまり、「厳しい(きつい)ことを言わずに、寛大になってやる」という意味になるようですね。
君は点数が足りないから落第だ、と先生のロスは言うのですが、「点数が悪いことは大目に見てもらえる、理解してもらえるはずです」みたいに生徒は言って、「僕は恋してるんです」と説明しています。

「君が恋してようが、それとテストの点数が悪いこととは関係ない」と言うように、ロスは「悪いけどそれは、全くもって僕の問題じゃないね。僕とは関係ないことだね」と切り捨てています。
それに対して、その男子学生は「僕はあなたに恋してるんです」と言い、それを聞いたロスは驚いた顔をして、that brings me in the loop a little. と返します。
このセリフを直訳すると、「そのこと(君が僕に恋してる、ということ)は、僕を少しループ(輪)の中に持ってくる・連れてくる」みたいになるでしょうか。
何となくその直訳でもイメージできる気がしますが、in the loop とは「(有力者の)仲間・グループに入って」という意味になります。まさに「輪の中に入って、輪の中にいて」というイメージですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
in the loop : part of a group of people that makes decisions or gets information
例) Keep me in the loop as you make plans.

つまり、「意思決定をする、または情報を得る人のグループの一部」。
例文は、「計画を立てる時は、私をグループに入れて下さい」。

逆の意味は、be out of the loop になります。
「グループのメンバーになれないで」ということで、日本語っぽい表現だと「中枢から外れて、蚊帳(かや)の外に置かれて」ということになりますね。

映画「インデペンデンス・デイ」で、ホワイトハウス主席報道官であるコンスタンスが、情報を教えてくれと詰め寄る人々に、
Guys, would I keep you out of the loop? (字幕:私が何か隠してるとでも?)
と返すセリフがありましたが、これも、「私があなたたちを蚊帳の外に置いてるって?」と言っている感覚なわけです。

ということで、「君の恋の話について、僕は全くの部外者で関係ないと言ったけど、恋してる相手が僕ってことになると、僕も部外者とは言えなくなるね」と言っていることになります。

僕は先生に恋してる、だからテストの点が悪かったんですよ、とモースは言って、集中するのに大変だったとも言っています。
ロス先生が教壇に立って教えてて、すっかりシリアスな顔つきになったら、あなたはとっても素敵だ、と言った後、ト書きにあるようにセクシーな言い方になって、「あなたがあのぴっちりしたタートルネックのセーターを着てる時は…」と言い始めるので、ロスは「もういい!」という感じで発言を止め、ちょっと彼から距離をとって離れます。
ロス先生のこういうところが素敵…みたいな話を男子学生から延々聞かされたらたまらん、という感じですね。
悪いけど、僕は君の先生で君は生徒だ、と現状を説明したロスは、「それに僕は女性が好きなんだ」と言っています。
男子学生の君に恋されても困る、と言いたいわけですが、その後の、In spite of のセリフがフレンズっぽくて面白いですね。

in spite of は「〜にもかかわらず」。
ですから直訳すると、「これらの椅子のいくつかの背中に書かれているかもしれないこと、にもかかわらず」になります。
つまり、椅子の背に、あることが書いてあるかもしれないけど、それは事実とは異なり、僕は女性が好きなんだよ、と言っていることになりますね。
ということは、椅子の後ろに書いてあることは、「ロス先生は女性が好きである」とは反対のことが書いてある、ということになり、「ロス先生は男が好き、ゲイだ」みたいなことが書いてあるかもしれないけど、とロス自らが言っていることになるわけで、それがジョークのオチになっています。

僕は(多くの男性のように)女性が好きなんだけど、と説明したものの、もしかしたら、椅子の背には、「ロスは男が好き」という落書きが書いてあるかもしれないけどね、それは事実じゃないんだよ、と言ってみせることで、ゲイと思われてるかもしれないと薄々気づいてたけど、ゲイだと誤解する人がたまにいるようだけど、ということまで一緒に説明した、というオチになっているわけですね。


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posted by Rach at 15:58| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする