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ロスは自分の部屋で、いとこのキャシーと映画を観ています。デニス・リチャーズ演じるセクシーなキャシーを意識しまくりのロス。
ロス: (in his head) She's your cousin. She's your cousin! If she knew what was going on in your head, she'd think you were sick! (She grabs some popcorn.) Or would she? Let's back up a second. She was the one who suggested opening a bottle of wine. She was the one who turned down the lights. She was the one that wanted to rent Logan's Run, the sexiest movie ever. (She grabs the blanket from behind him and looks at him.) Oh, I know that look. Forget it. I want it. She wants it. I'm going in. ([頭の中で] 彼女は僕のいとこだ。彼女は僕のいとこなんだ! もしお前の頭の中で何が起こっているかを彼女が知ったら、彼女はお前を病気だと思うぞ! [キャシーはポップコーンを掴む] いや、彼女はそう思うか? 少し戻ってみよう。ワインのボトルを開けるのを勧めたのは彼女だ。明かりを落としたのは彼女だ。「ローガンズ・ラン」を借りたいと言ったのは彼女だ。これまでで最高にセクシーな映画を、だぞ。[キャシーはロスの後ろからブランケットを掴み、彼を見る] あぁ、あの表情、僕にはわかる。忘れろ。僕は求めてる。彼女は求めてる。行くぞ。)
(They exchange looks, smile, and shrug their shoulders before Ross suddenly lunges forward in an attempt to kiss her, but she expertly backs away.)
二人は、目つき、微笑みを交わし、肩をすくめる、その後に、ロスは突然、彼女にキスをしようと突進するが、彼女は巧妙に後ろに下がる。
キャシー: Hey! What the hell are you doing?! (They sit back up.) (ちょっと! 一体あなた何やってるのよ?! [二人は椅子に深く座る])
ロス: (in his head) Say something clever! (Pause.) Okay, doesn't have to be clever, it just has to be words. Say some words. (Pause) Any words will do. (Pause) Oh, my God! This is the longest that anyone has not talked ever! (Pause) There is nothing you can say to make this worse!! So just say something!! (Pause.) (To her) I-I, I uh haven't had sex in a very long time. (She leaves.) (In his head) Yeah, you really shouldn't have said anything. ([頭の中で] 何か気の利いたことを言え! [間があって] よし、気の利いたことでなくてもいい、ただ言葉であればいい。何か言葉を言え。[間] どんな言葉でもいい。[間] なんてこった! これは、これまで人が話さなかった最長だ! [間] これを悪化させるように言えることなんてない[これを悪化させるような言葉なんてない]! だからただ何か話せよ! [間] [キャシーに] 僕は、すっごく長い間、エッチしてないんだ。[キャシーは去る] [頭の中で] そうだよ、ほんとに何も言うべきじゃなかったのに。)
セクシーないとこのキャシーを自分の家に泊めることになったロスは、映画を観ながら、頭の中で独り言を言っています。
「キャシーは僕のいとこなんだ」と自分に言い聞かせて、If she knew what was going on in your head, she'd think you were sick! と言っています。
これは、典型的な仮定法過去ですね。
you が使われているのは、ロスが自分の頭の中で自分自身に呼び掛けているニュアンスで、what was going on in your head は、「お前の頭の中で進行中のこと」。
人の頭の中で起こっている出来事を他人が知ることはできませんが、もしそれを知ったら、という「現実では不可能な仮定」なので、仮定法過去の knew が使われているわけです。
もし、お前(ロス自身のこと)の頭の中で進行中の出来事を知ったら、キャシーはお前を病気だと思うだろう、というのが、そのセリフの意味になります。
つまり、「あなた、ビョーキ?」と言われてしまいそうなこと、この場合は頭の中でキャシーとエッチなことをしているのを連想していること、がロスの独り言のセリフからわかるのですね。
Or would she? というのは、前の文、she'd think you were sick! を受けてのもので、「彼女はお前を病気だと思うぞ! いや、ほんとにそう思うか?」と自問自答していることになります。
病気だと思われそう…と自分で思ってしまったけど、そう思われるとは限らない、別の可能性もあるんじゃないか?みたいなことですね。
Let's back up a second. は「1秒戻ってみよう」という感じで、ちょっと戻って、振り返って、改めて考えてみようじゃないか、というところ。
その後、She was the one who... という文章が3回続いていますね。
「ワインのボトルを開けようと勧めたのも、明かりを落としたのも、「ローガンズ・ラン」を借りたいと言ったのも彼女だ」というニュアンスになります。
彼女が A した、B した、C した、と表現するのではなく、「彼女が、A をした人、B をした人、C をした人(その人)じゃないか」みたいな強調のニュアンス。
今、ムーディな雰囲気になっているけど、その状況にしたのは、僕じゃなくて、彼女自身じゃないか、僕はエッチな想像を頭の中でしてるけど、そういう雰囲気に持ってきたのは彼女なんだぞ、というところです。
そのキャシーが見たいと言った映画は、1976年のアメリカ映画「Logan's Run」(邦題:2300年未来への旅)。
私はこの作品を見たことないのですが、以下のアマゾンのレビューを見ていると、ヒロイン役の女優ジェニー・アガターの美貌、セクシーさがかなり魅力的なようです(笑)。
Amazon.co.jp: 2300年未来への旅 [DVD]
SF作品なんだけど、女優さんのセクシーさに目が入ってしまう、という意味で、Logan's Run, the sexiest movie ever とロスは言ったわけですね。
そういう感じの映画だと知っていると、余計に笑えるセリフ、ということになるのでしょう。
ブランケットを取ったキャシーが自分を見るので、ロスは、I know that look. と言っています。
あの顔つき、目つきを僕は知ってるぞ、みたいなことで、ロスはその表情、目つきを見て、彼女も自分と同じ気持ちだ、と感じたようです。
Forget it. は、今まで自分があれこれ悩んでいたことを忘れろ、という感じ。
I want it. She wants it. は、僕はそれを欲してる。彼女もそれを欲してる、というところで、it というのは、ロスが頭に描いているエッチなことを指していることになります。
I'm going in. は「行くぞ」というところでしょう。
二人は顔を見合わせ、肩をすくめたりするのですが、その後、ロスは急に、キャシーにキスしようと突進します。
ト書きの、lunge というのは、「〜を突く」「〜に向かって突進する」。
過去記事、フレンズ3-2その28 では、ジョーイがチャンドラーの服を着れるだけ着込んで、
ジョーイ: Yeah. Whew, it's hot with all of this stuff on. I ah, I better not do any, I don't know, lunges. (starts doing lunges) (あぁ。ふぅ。こんなの全部着てたら暑いな。こんなことしない方がいいんだろうな、ほら、ランジ[突き出し運動]とか。)
というセリフを言いながら、足を突き出す運動をしていましたが、その「ランジ(突き出し運動)」という単語が、lunge でした。
彼女も僕と同じようにしたいと思ってるんだ、と思い、キスをしようとしたロスですが、キャシーに巧妙に(expertly)避けられた上、「一体何やってるの?」みたいに怒られてしまいます。
その後の、ロスの困った独り言が、実にロスっぽくて面白いですね。
clever は「利口な、賢い」ということで、今回だと「冴えた、気の利いた」ことを何か言え、と自分自身に言っている感覚。
何か気の利いたことを…と思っても思いつかないので、「気の利いたことである必要はない。言葉であればいい」みたいに思い直して、「何か言葉を言え」と自分を促します。
Any words will do. は、「どんな言葉でもいい、足りる、役に立つ、間に合う」。
This is the longest that anyone has not talked ever! は「これは、誰かがこれまで話さなかった、最長だ」という感覚。
今、僕は言葉が出て来なくて長い間沈黙してるけど、こんな沈黙は人類最長だ、みたいに言っていることになるでしょう。
There is nothing you can say to make this worse!! を直訳すると、「これ(この状況)をより悪くする(悪化する)ために言えることはない」みたいになるでしょうか。
つまり、今の状況は最悪で、何を言っても、この状況が悪化することないんだから、内容なんか気にせずとにかく沈黙を破って何か言えよ、と自分自身に言い聞かせているわけですね。
そしてやっとのことで出た言葉が、I haven't had sex in a very long time. つまり、「僕はすっごく長い間、エッチしてないんだ」。
キャシーはあきれた顔をして、部屋を立ち去ることになります。
you really shouldn't have said anything. は、「お前は本当に、何も言うべきじゃなかったのに・何も言わないべきだったのに(余計なことを言ってしまって)」という感じですね。
相手にその気がないのに、勝手に誤解して迫ってしまい、相手にあきれられた…そんなひどい状況は、何を言っても悪化しないんだからとにかく何か一言を…と思って口から出た言葉が、よりにもよって、「超長い間、エッチしてなくて」。
それでは「長らくエッチしてないから、誰でもいいからエッチしたくて」みたいに聞こえてしまうわけで、悪化できないと思っていたこの状況をさらに悪化してしまったことになります。
shouldn't have said は「言うべきじゃなかった(のに言ってしまった)」というニュアンス。
「とにかく何か言え」と自分を促してみたものの、何も言わない方がいいことだってある、今の言葉なら何も言わない方がましだった…という反省の言葉が、you really shouldn't have said anything. 「何も言うべきじゃなかったのに、余計なことを言ってしまった」になるわけですね。
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