2013年07月03日

これを悪化させるような言葉なんてない フレンズ7-19その6

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ロスは自分の部屋で、いとこのキャシーと映画を観ています。デニス・リチャーズ演じるセクシーなキャシーを意識しまくりのロス。
ロス: (in his head) She's your cousin. She's your cousin! If she knew what was going on in your head, she'd think you were sick! (She grabs some popcorn.) Or would she? Let's back up a second. She was the one who suggested opening a bottle of wine. She was the one who turned down the lights. She was the one that wanted to rent Logan's Run, the sexiest movie ever. (She grabs the blanket from behind him and looks at him.) Oh, I know that look. Forget it. I want it. She wants it. I'm going in. ([頭の中で] 彼女は僕のいとこだ。彼女は僕のいとこなんだ! もしお前の頭の中で何が起こっているかを彼女が知ったら、彼女はお前を病気だと思うぞ! [キャシーはポップコーンを掴む] いや、彼女はそう思うか? 少し戻ってみよう。ワインのボトルを開けるのを勧めたのは彼女だ。明かりを落としたのは彼女だ。「ローガンズ・ラン」を借りたいと言ったのは彼女だ。これまでで最高にセクシーな映画を、だぞ。[キャシーはロスの後ろからブランケットを掴み、彼を見る] あぁ、あの表情、僕にはわかる。忘れろ。僕は求めてる。彼女は求めてる。行くぞ。)
(They exchange looks, smile, and shrug their shoulders before Ross suddenly lunges forward in an attempt to kiss her, but she expertly backs away.)
二人は、目つき、微笑みを交わし、肩をすくめる、その後に、ロスは突然、彼女にキスをしようと突進するが、彼女は巧妙に後ろに下がる。
キャシー: Hey! What the hell are you doing?! (They sit back up.) (ちょっと! 一体あなた何やってるのよ?! [二人は椅子に深く座る])
ロス: (in his head) Say something clever! (Pause.) Okay, doesn't have to be clever, it just has to be words. Say some words. (Pause) Any words will do. (Pause) Oh, my God! This is the longest that anyone has not talked ever! (Pause) There is nothing you can say to make this worse!! So just say something!! (Pause.) (To her) I-I, I uh haven't had sex in a very long time. (She leaves.) (In his head) Yeah, you really shouldn't have said anything. ([頭の中で] 何か気の利いたことを言え! [間があって] よし、気の利いたことでなくてもいい、ただ言葉であればいい。何か言葉を言え。[間] どんな言葉でもいい。[間] なんてこった! これは、これまで人が話さなかった最長だ! [間] これを悪化させるように言えることなんてない[これを悪化させるような言葉なんてない]! だからただ何か話せよ! [間] [キャシーに] 僕は、すっごく長い間、エッチしてないんだ。[キャシーは去る] [頭の中で] そうだよ、ほんとに何も言うべきじゃなかったのに。)

セクシーないとこのキャシーを自分の家に泊めることになったロスは、映画を観ながら、頭の中で独り言を言っています。
「キャシーは僕のいとこなんだ」と自分に言い聞かせて、If she knew what was going on in your head, she'd think you were sick! と言っています。
これは、典型的な仮定法過去ですね。
you が使われているのは、ロスが自分の頭の中で自分自身に呼び掛けているニュアンスで、what was going on in your head は、「お前の頭の中で進行中のこと」。
人の頭の中で起こっている出来事を他人が知ることはできませんが、もしそれを知ったら、という「現実では不可能な仮定」なので、仮定法過去の knew が使われているわけです。
もし、お前(ロス自身のこと)の頭の中で進行中の出来事を知ったら、キャシーはお前を病気だと思うだろう、というのが、そのセリフの意味になります。
つまり、「あなた、ビョーキ?」と言われてしまいそうなこと、この場合は頭の中でキャシーとエッチなことをしているのを連想していること、がロスの独り言のセリフからわかるのですね。
Or would she? というのは、前の文、she'd think you were sick! を受けてのもので、「彼女はお前を病気だと思うぞ! いや、ほんとにそう思うか?」と自問自答していることになります。
病気だと思われそう…と自分で思ってしまったけど、そう思われるとは限らない、別の可能性もあるんじゃないか?みたいなことですね。

Let's back up a second. は「1秒戻ってみよう」という感じで、ちょっと戻って、振り返って、改めて考えてみようじゃないか、というところ。
その後、She was the one who... という文章が3回続いていますね。
「ワインのボトルを開けようと勧めたのも、明かりを落としたのも、「ローガンズ・ラン」を借りたいと言ったのも彼女だ」というニュアンスになります。
彼女が A した、B した、C した、と表現するのではなく、「彼女が、A をした人、B をした人、C をした人(その人)じゃないか」みたいな強調のニュアンス。
今、ムーディな雰囲気になっているけど、その状況にしたのは、僕じゃなくて、彼女自身じゃないか、僕はエッチな想像を頭の中でしてるけど、そういう雰囲気に持ってきたのは彼女なんだぞ、というところです。

そのキャシーが見たいと言った映画は、1976年のアメリカ映画「Logan's Run」(邦題:2300年未来への旅)。
私はこの作品を見たことないのですが、以下のアマゾンのレビューを見ていると、ヒロイン役の女優ジェニー・アガターの美貌、セクシーさがかなり魅力的なようです(笑)。
Amazon.co.jp: 2300年未来への旅 [DVD]

SF作品なんだけど、女優さんのセクシーさに目が入ってしまう、という意味で、Logan's Run, the sexiest movie ever とロスは言ったわけですね。
そういう感じの映画だと知っていると、余計に笑えるセリフ、ということになるのでしょう。

ブランケットを取ったキャシーが自分を見るので、ロスは、I know that look. と言っています。
あの顔つき、目つきを僕は知ってるぞ、みたいなことで、ロスはその表情、目つきを見て、彼女も自分と同じ気持ちだ、と感じたようです。
Forget it. は、今まで自分があれこれ悩んでいたことを忘れろ、という感じ。
I want it. She wants it. は、僕はそれを欲してる。彼女もそれを欲してる、というところで、it というのは、ロスが頭に描いているエッチなことを指していることになります。
I'm going in. は「行くぞ」というところでしょう。

二人は顔を見合わせ、肩をすくめたりするのですが、その後、ロスは急に、キャシーにキスしようと突進します。
ト書きの、lunge というのは、「〜を突く」「〜に向かって突進する」。
過去記事、フレンズ3-2その28 では、ジョーイがチャンドラーの服を着れるだけ着込んで、
ジョーイ: Yeah. Whew, it's hot with all of this stuff on. I ah, I better not do any, I don't know, lunges. (starts doing lunges) (あぁ。ふぅ。こんなの全部着てたら暑いな。こんなことしない方がいいんだろうな、ほら、ランジ[突き出し運動]とか。)
というセリフを言いながら、足を突き出す運動をしていましたが、その「ランジ(突き出し運動)」という単語が、lunge でした。

彼女も僕と同じようにしたいと思ってるんだ、と思い、キスをしようとしたロスですが、キャシーに巧妙に(expertly)避けられた上、「一体何やってるの?」みたいに怒られてしまいます。
その後の、ロスの困った独り言が、実にロスっぽくて面白いですね。
clever は「利口な、賢い」ということで、今回だと「冴えた、気の利いた」ことを何か言え、と自分自身に言っている感覚。
何か気の利いたことを…と思っても思いつかないので、「気の利いたことである必要はない。言葉であればいい」みたいに思い直して、「何か言葉を言え」と自分を促します。
Any words will do. は、「どんな言葉でもいい、足りる、役に立つ、間に合う」。

This is the longest that anyone has not talked ever! は「これは、誰かがこれまで話さなかった、最長だ」という感覚。
今、僕は言葉が出て来なくて長い間沈黙してるけど、こんな沈黙は人類最長だ、みたいに言っていることになるでしょう。

There is nothing you can say to make this worse!! を直訳すると、「これ(この状況)をより悪くする(悪化する)ために言えることはない」みたいになるでしょうか。
つまり、今の状況は最悪で、何を言っても、この状況が悪化することないんだから、内容なんか気にせずとにかく沈黙を破って何か言えよ、と自分自身に言い聞かせているわけですね。

そしてやっとのことで出た言葉が、I haven't had sex in a very long time. つまり、「僕はすっごく長い間、エッチしてないんだ」。
キャシーはあきれた顔をして、部屋を立ち去ることになります。

you really shouldn't have said anything. は、「お前は本当に、何も言うべきじゃなかったのに・何も言わないべきだったのに(余計なことを言ってしまって)」という感じですね。
相手にその気がないのに、勝手に誤解して迫ってしまい、相手にあきれられた…そんなひどい状況は、何を言っても悪化しないんだからとにかく何か一言を…と思って口から出た言葉が、よりにもよって、「超長い間、エッチしてなくて」。
それでは「長らくエッチしてないから、誰でもいいからエッチしたくて」みたいに聞こえてしまうわけで、悪化できないと思っていたこの状況をさらに悪化してしまったことになります。

shouldn't have said は「言うべきじゃなかった(のに言ってしまった)」というニュアンス。
「とにかく何か言え」と自分を促してみたものの、何も言わない方がいいことだってある、今の言葉なら何も言わない方がましだった…という反省の言葉が、you really shouldn't have said anything. 「何も言うべきじゃなかったのに、余計なことを言ってしまった」になるわけですね。


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posted by Rach at 13:47| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月01日

ウエハース並みの薄氷 フレンズ7-19その5

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ロスとモニカのいとこである、キャシー(演じるは、ボンドガールのデニス・リチャーズ)を、いやらしい目で見ていたと、モニカに非難されたチャンドラーは、必死に弁解しているところ。
チャンドラー: I was not staring at her. Okay? I was just listening intently. It's called being a good conversationalist. Watch. (Stares at Monica's eyes.) Say something. (俺は彼女を見つめたりしてないよ。いいか? 俺はただ、熱心に聞いてただけだ。会話上手な人だってことだよ。見てて。[モニカの目を見つめる] 何か言ってよ。)
モニカ: You were staring about eight inches south of there. (あなたは(キャシーの時は)、今のより約8インチ南[下]くらいを見てたわよ。)
ロス: Fine, she can stay at my place. By the way, what-what does Cassie even look like now? (いいよ、キャシーは僕のところに泊まればいい。ところで、今のキャシーの見かけはどんな感じなの?)
モニカ: She looks exactly like Aunt Marilyn. (まさに、マリリンおばさんそっくりよ。)
チャンドラー: Umm, so this Aunt Marilyn, is-is-is-is she coming to the wedding? (うーん、それじゃあ、このマリリンおばさんって人、彼女は結婚式に来る予定なの?)
モニカ: Wafer-thin ice. (極薄の氷よ[あなたは今、ものすごく危険な状態よ]。)

「俺は、キャシーをじっと見てた、凝視してたんじゃない、ただ熱心に話を聞いてただけだ」とチャンドラーは言っています。
It's called being a good conversationalist. の conversationalist は、conversation 「会話」の関連語で、「話し好きな人、話し上手な人、座談家」という意味。
今回のセリフのように、a good conversationalist の形で使われることが多いです。
It's called は「〜と呼ばれている」という感覚ですね。
人の話を熱心に聞く、それが、会話上手な人であると言われていることだろ?みたいなニュアンスでしょう。

俺はただこんな風にしていただけだ、というように、モニカに、Watch. 「見てて」と言って、モニカの目を見つめるのですが、モニカが反応しないので、何か言ってよ、とチャンドラーは言います。

モニカの、You were staring about eight inches south of there. について。
You were staring のように「過去進行形」になっているのは、「今、あなたが私を見ているのとは違って、あなたがキャシーと話していたというあの過去の時点では、あなたは(こんな風に)見つめていた」と言っていることになります。
about eight inches south of there は「そこの約8インチ南」という感覚。
この「南」というのは「下(方向)」のことですね。
上が北の地図だと、南は下に当たることから、下のことを south と表現することが英語ではよくあります。
過去記事、フレンズ7-4その3 でも、「南」=「下」を意味する以下のやりとりがありました。
モニカ: Oh, my God. He threw up? (なんてこと。ロスは吐いたの?)
チャンドラー: No, he visited a town a little south of throw up. (いや、ロスは「吐く」の少し南の町を訪れたんだよ。)
このセリフも、「口からじゃなくて、下から出ちゃった」「吐く代わりに、大の方をおもらししちゃった」と言っているわけですね。

今回のモニカのセリフは、モニカの目をじっと見ているチャンドラーに対して、「キャシーの時は、目よりも8インチ下を見てたけど」と表現することで、「キャシーの胸に視線が釘付けになってたくせに」と、a good conversationalist だなんて聞いてあきれるわ、みたいに言ってみせたことになります。

ロスは、「キャシーは僕の家に泊まればいいよ」と快諾した後、what does Cassie even look like now? と尋ねています。
Cassie looks like ○○ now. 「キャシーは今、○○のように見える、○○のような見かけである、(見た目が)○○に似ている」の○○を what で尋ねた形の疑問文ですね。
ずっと昔に会ったきり、最近は会っていないので、「今の彼女の見た目はどんな感じなのかな?」と尋ねているわけです。
look exactly like は「〜と全く同じに見える」。exactly 「正確に、ぴったり」が使われているので、ただ似ているだけではなく、「非常にそっくり、瓜二つ」的なほどよく似ている感じを表します。
キャシーはいとこということなので、そのマリリンおばさんはキャシーのお母さんなのでしょう。
そのおばさんがキャシーに瓜二つと聞いて、チャンドラーは「そのおばさんも結婚式に来るのかな?」と言っています。

キャシーをいやらしい目で見たことを非難されたのに、さらに「キャシーにそっくりっていうそのおばさんも式に来るの?」とおばさんにまで興味津々のチャンドラーに、モニカはカチンと来たようで、親指と人差し指で、狭い幅を示しながら、Wafer-thin ice. と言います。
wafer は日本語で「ウエハース」と呼ばれている、薄い焼き菓子のこと。
カタカナではそんな風に「ウエハース」と書きますが、英語の発音は「ウェイファー」です。
ですから、wafer-thin は「ウエハースのように薄い」ということで「非常に薄い」という意味になります。
また、thin ice は文字通り、「薄い氷、薄氷(はくひょう)」ですね。
thin ice という言葉は、be skating on thin ice の形でよく使われます。
「薄い氷の上をスケートする」ということから、「薄氷を踏む、危険な状態にある」という意味になるのですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
be (skating) on thin ice : to be in a situation in which you do something risky that is likely to upset someone or cause trouble
つまり、「誰かを怒らせたり、トラブルを起こしたりしそうな危険なことをする状況にあること」。

まさに日本語の「薄氷を踏む」と同じニュアンスですよね。
広辞苑では以下のように出ています。
薄氷を履(ふ)む[詩経]=極めて危険な場合にのぞむことのたとえ。「薄氷を履む思い」。
(ちなみに、三省堂の新明解国語辞典では、「薄氷を踏む」のように「踏む」という漢字が使われていて、私もそちらが標準だと思っていたのですが、広辞苑では「履む」の漢字が使われていて、おや?と思いました。また、出典は四書五経の1つである詩経だったんですね。)

ということで、thin ice は be (skating) on thin ice の形でよく使われ、「危険な状態である」ことを示す言葉になります。
今回はその thin が「ウエハース並みに薄い、超薄、極薄」のような wafer-thin と表現されていますので、モニカが指の幅で示したような非常に薄い幅、「そんな超薄い氷の上にあなたは今いる状態ね」という意味で、しぐさをまじえて、wafer-thin ice と言ったわけです。
キャシーに色目を使うだけではなく、似てるおばさんにも興味を示すって、婚約者である私をそんなに怒らせたいの? あなたはいつ落っこちてもおかしくない、極薄の氷の上にいるんだからね!と言ってみせたということですね。


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posted by Rach at 13:30| Comment(9) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする