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[Scene: Central Perk, Phoebe and Rachel are on the couch as Joey and Ross enter.]
セントラルパーク。フィービーとレイチェルがカウチにいて、そこにジョーイとロスが入ってくる。
レイチェル: Hey, what have you guys been up to? (ねぇ、あなたたち、何やってたの?)
ロス: Oh, we were helping Chandler write his vows, but he kicked us out because Joey kept making inappropriate suggestions. (あぁ、僕らはチャンドラーが誓いの言葉を書くのを手伝ってたんだ。でもチャンドラーに追い出されたよ、ジョーイが不適切な提案ばっかりし続けるもんだから。)
ジョーイ: How is "Monica, I love your sweet ass" inappropriate? (「モニカ、俺は君の可愛いお尻が大好きだ」がどれほど不適切なんだよ?)
ロス: How's Monica coming along with her vows? (モニカの誓いの言葉の具合はどうなってる?)
フィービー: Well let's just say it's lucky she has a sweet ass, ‘cause she's not so good at the writing. (うーんと、モニカが可愛いお尻の持ち主でラッキーね、と言っときましょう。だって彼女はライティングがあまり得意じゃないから。)
レイチェルはジョーイとロスに、「男性陣は何をやってたの?」みたいに尋ねています。
ロスは、「僕たちはチャンドラーが誓いの言葉を書くのを手伝っていたんだ」と説明していますね。
「人が〜するのを手伝う」と言いたい場合には、help someone to do のような to 不定詞を使うこともできますが、口語ではもっぱら今回のセリフのように、help someone do のような、原形不定詞 (to をつけない動詞の原形)を使うことの方が圧倒的に多いですね。
kick out は文字通り「蹴り出す、追い出す」。
チャンドラーのために手伝っていたのに追い出された理由として、「不適切な提案をし続けた」ことが挙げられています。
次の、How is "Monica, I love your sweet ass" inappropriate? について。
これは、引用符でくくられた部分が長いので構造がわかりにくく見えますが、それを "A" というセリフに短縮してみると、How is "A" inappropriate? になります。
本来であれば、How inappropriate is "A"? 「A (というセリフ・言葉)は、どれほど不適切か?」という語順になるように思うのですが、A に当たる部分が長すぎるために、イレギュラーな語順になった、ということかなと思います。
そのセリフから、ジョーイが誓いの言葉の例として、"Monica, I love your sweet ass" を挙げたこともわかりますね。
「モニカ、君の素敵な・かわいいお尻が大好きだ」みたいなことで、そんなことを結婚式の誓いの言葉で言うかぁ?ということになって、役に立たない助言をするなら出て行ってくれ、と追い出されたことがわかるわけです。
ちなみに、少々脱線になりますが、inappropriate 「不適切」という言葉を聞くと、ビル・クリントン元大統領のスキャンダルの時によく聞かれたフレーズ「不適切な関係」を思い出します。
そのフレーズ、英語では、inappropriate relationship と表現するのだとずっと私は思っていたのですが、今回調べてみてわかりました。
実際の大統領のスピーチで使われた表現は、"relationship ... that was not appropriate" だったようです。
とすると、正確には、「適切ではない関係」と訳す方が近いのでしょうね。
クリントン元大統領の日本語版ウィキペディアには、「スキャンダル」と「語録」の項目に、スピーチでの言葉が掲載されていますが、英語版ウィキペディアには載っていませんでした。
具体的に言うと、relationship という言葉は出てきますが、appropriate/inappropriate という単語は登場しておらず、その単語を意図的に避けているという印象を受けました(相手の女性の英語版ウィキペディアにはしっかり載っていますが…)。
当人にとっては不名誉なスキャンダルですから、英語版のウィキペディアにダイレクトにそのフレーズを載せるのはやはり抵抗がある、ということなのでしょう。
なので、私もここでその原文をそっくりそのまま引用するのはちょっと気が引けるので、相手の女性の名前部分を「...」と伏字にした上で、以下に紹介させていただきますと、
"I did have a relationship with Ms ... that was not appropriate."
というのが、大統領が使った表現であった、ということになります。
言葉が発せられた順番にイメージすると、「私は関係を持った、…さんと、それは適切ではないものだった」というニュアンスになるでしょうか。
「…と不適切な関係を持った」という日本語から想像されるような、I did have an inappropriate relationship with Ms ... というのとは随分印象が違う気がします。
述べている事実はほぼ同じでも、言い回しや語順で印象が変わることの好例である気がしましたので、ここで併せて紹介させていただきました。
フレンズ解説に戻ります。
How's Monica coming along with her vows? について。
come along with は「〜が進む、進行する、やっていく、はかどる」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
be coming along : (informal) to be developing or improving
with
例) How is Aaron coming along with his reading skills?
つまり、「(インフォーマル) 発展・成長している、進歩している」。例文は「アーロンの読解力(リーディングのスキル)はどんな風に進歩していますか?」
ロングマンの例文と同じように、ロスのセリフも、"How is 主語 coming along with...?" の形になっていますね。
come along with の使用例として典型的な形であると言えるでしょう。
フィービーはモニカの誓いの言葉の進行具合を具体的に言うのではなく、違った形でモニカの現状を伝えようとしています。
前半は、「モニカが可愛いお尻をしてて[可愛いお尻の持ち主で]ラッキーだとただ言っておきましょう」という感覚。
後半はその理由を説明していて、「だって彼女はライティングがあまり得意じゃないから」。
つまり、「お尻がきれい、という長所・褒めどころがあって良かったわ。ライティングに関しては褒められたところは全くないから」と言っていることになります。
「物を書くのは不得意でそれは彼女の欠点だけど、今の話でお尻が素敵という長所があることがわかったことはラッキーね、ってことにしときましょ」みたいに言って、お尻を褒められたのがせめてもの救い、それくらいライティングに関してはダメダメであることを表現していることになるのですね。
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