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(Monica enters.)
(ウェディングドレスを着た)モニカが部屋に入ってくる。
ロス: Oh, my God! Monica! (わぁ! モニカ!)
モニカ: I know! Hey, how's Chandler doin'? (そうでしょ![わかってる!] ねぇ、チャンドラーはどうしてるの?)
ロス: Great. He's doing great. Don't you worry about Chandler. (バッチリだ。彼はいい感じだよ。チャンドラーのことは心配しないで。)
モニカ: Are you okay? (ロス、大丈夫?)
ロス: Uh-huh. (ああ。)
モニカ: Well, you're-you're sweating. (ロスは汗をかいてるわ。)
ロス: These-these are beads of joy. (これは、これは喜びのしずくだよ。)
モニカ: Oh, that's sweet. Don't touch me. (まあ、それって素敵ね。(でも)私には触らないで。)
ロス: Uh, Phoebe, can I see you for a second? (あの、フィービー。ちょっといいかな?)
フィービー: Yeah! (ええ!)
(They both go out into the hall.)
二人は廊下に出る。
フィービー: What's going on? (どうしたの?)
ロス: Chandler's gone again! (チャンドラーがまた逃げ出したんだ!)
フィービー: Oh, my God! Why would you play hide-and-seek with someone you know is a flight risk?! (なんてこと! どうしてあなたはかくれんぼなんかしたの? 逃亡の危険性があるとわかってる人と!)
(Ross just glares at her.)
ロスはただ、フィービーを見つめる。
ウェディングドレスを着たモニカを見て、兄のロスは感動したように、Oh, my God! と言っています。
I know! というのはモニカの口癖で、「知ってる、わかってる、そうでしょ!」みたいな感覚。
ここでは、モニカの美しいドレス姿に感動し、言葉が出ないロスの様子に、「ロスが言いたいことはわかってるわ、声も出ないほど感動してくれてるのよね」みたいな感じで、I know! と言っていることになります。
how's Chandler doin'? のようにチャンドラーの様子を尋ねるモニカに、ロスは、He's doing great. だと答えます。
「いい感じだよ、元気にやってるよ」ということですね。
そう言った後、わざわざ、Don't you worry about Chandler. とも付け加えています。
Don't you worry... という形になっていて、学校で習った文法事項で解釈しようとすると、「…を心配しないんですか?」のような否定疑問文のように思われる方もおられるかもしれませんが、これは否定疑問文ではなく、否定の命令文になります。(そのため、文章も最後に疑問符 ? がついていませんよね。)
Don't worry about Chanlder. 「チャンドラーのことは心配しないで」のような通常の Don't で始まる否定の命令文に、強調のための主語 you を加えて、You don't worry about Chanlder. の形にし、それをさらに強調のために倒置にした形、が、Don't you worry about Chandler. になります。
モニカはただ、挨拶代わりに「チャンドラーはどうしてる?」と尋ねただけなのに、「いやもう、チャンドラーのことは全然心配しないでいいからね!」と必要以上に Don't worry を強調しているところに、ロスの本音が見えているわけですね。
ロスの様子が何だかおかしいのを見て、モニカは Are you okay? とロスの気分や具合を尋ねています。
You're sweating. は「あなた、汗をかいてるわ」ということですね。
sweat は名詞で「汗」ということですが、熱い時に出る汗だけではなく、「冷や汗、心配」という意味にもなります。
No sweat. だと「楽勝。簡単」や「平気だよ。心配ないよ」という意味で使われます。
前者は「苦労のための汗をかく必要がない」、後者は「心配して汗をかく必要がない」という感覚ですね。
妹の結婚式というめでたい席で、妙な汗をかいている、とモニカは感じたようで、兄のロスはモニカを心配させまいと、「この汗は、beads of joy だよ」と説明しています。
bead はいわゆる「ビーズ、ガラス玉」のことで、「ビーズ」というカタカナ英語は、英語の beads という複数形から来たのですね。
またそういう「(ガラス)玉」のイメージから、「(露、汗、血などの)しずく、玉」という意味にもなります。
beads of sweat なら「玉の汗」、beads of dew なら「露(つゆ)のしずく」ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
bead : a small drop of liquid such as water or blood
例) Beads of sweat appeard on his forehead.
つまり、「水や血などの液体の小さなしずく」。例文は、「玉の汗が彼の額に浮かんだ」。
「汗をかいてるわよ」と指摘されて、「うん、玉のような汗をかいてるんだ」という代わりに、「これは、玉のような喜びのしずくだよ」と表現し、「あんまり嬉しくて、それが汗になっちゃった」と言ってみせたわけですが、beads of... とくれば、その後を joy だと言ってみても、汗だくのロスを見たら、beads of sweat を連想してしまいますよね。
「モニカの結婚が嬉しくて、それが喜びのしずくとなってるんだ」という言葉そのものには、モニカも「それって素敵ね」と感謝するものの、その後、容赦のない感じで、「(でも)私には触らないでね」と言っているのが、モニカっぽくて面白いなと思います。
私の結婚で喜んでくれるのは嬉しい、でも、汗まみれの手でドレス姿の私に触れないでね、と釘を刺している感じですね。
ロスはフィービーを廊下に呼び出し、「チャンドラーがまた逃げ出した」ことを説明します。
それを聞いた後のフィービーのセリフが面白いですね。
Why would you play hide-and-seek with... は「なぜあなたは…とかくれんぼなんかしたりしたの?」という感覚。
そのかくれんぼの相手のことを、someone you know is a flight risk と表現しています。
someone (you know) is a flight risk と表現するとわかりやすいかと思いますが、「フライトリスクであるとあなたが知っている[わかっている]人」という感覚になります。
「フライト」というと、「飛行機のフライト」のように「飛ぶこと、飛行、空の旅」みたいな意味がまずは頭に浮かびますが、この場合は「逃亡、逃走」という意味。
つまり、flight risk とは「逃亡する危険性」という意味になります。
研究社 新英和中辞典では、「飛行」の flight と、「逃亡」の flight が別の項目として載っていますが、「飛行」の方は、fly 「飛ぶ」の名詞形で、「逃亡」の方は、flee 「逃げる、逃亡する」の名詞形だと説明されています。
このセリフの flight risk は flee 「逃亡する」から来た方の flight だということですね。
さきほどロスが自分のパパに、「チャンドラーとかくれんぼをしてて」という話をしていたことをここで持ち出して、「チャンドラーがまた逃げた、だなんて、チャンドラーとかくれんぼしてたら、知らないうちに逃げ出しちゃう可能性あったじゃない。どうして、逃げた前科のある彼とかくれんぼなんかしてたのよ!」とフィービーは怒っていることになります。
パパに「僕たちかくれんぼをしてるんだ」と言ったのは、パパにチャンドラーが逃亡したことを知らせまいとしてのことだったのに、パパだけでなく、フィービーまでその話を真に受けて、「逃亡体質の人とかくれんぼするなんて、あなた、何考えてたのよ!」みたいに一人で怒っているフィービーを、ロスもあきれた顔で見つめるしかない、というオチになっているわけですね。
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2013年09月30日
2013年09月28日
人に尋ねたらズルになる フレンズ7-24その2
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オフィスに隠れていたのをロスたちに発見され、結婚式の会場に戻ってきたチャンドラーでしたが、「モニカは妊娠している」と話しているレイチェルとフィービーの会話を耳にした後、また行方不明になってしまいました。
[Scene: Monica's Hotel Room, Chandler and Monica's parents and Phoebe are there as Ross enters.]
モニカのホテルの部屋。チャンドラーとモニカの両親とフィービーがそこにいて、ロスが入ってくる。
ロス: Hi! (To Mrs. Bing) Hi! (Mr. Bing starts rubbing his arm.) Hi. Has umm, anyone seen Chandler? (どうも(こんにちは)! [ビング夫人(チャンドラーのママ)に] どうも! [ビング氏(チャンドラーのパパ)がロスの腕を撫で始める] どうも。あの、誰かチャンドラーを見た?)
ゲラーパパ: I thought he was with you. (チャンドラーはお前と一緒にいると思ってたんだが。)
ロス: He-he was with me umm, we're playing a little game, y'know? Hide-and-seek. (チャンドラーは確かに僕と一緒にいたんだよ。ちょっとしたゲームをしていてね。ほら、かくれんぼを。)
ゲラーパパ: You can't ask us, son. That's cheating. (私たちに尋ねちゃだめだぞ。それだとズルになる。)
ロス: (pause) You're right. Thanks for keeping me honest, Dad. ([間があって] そうだね。僕を正直でいさせてくれてありがとう、パパ。)
ゲラーパパ: Well, he better not come by here. He can't see the bride in the wedding dress. (チャンドラーはここに来ない方がいいよ。ウェディングドレスを着た花嫁を見ちゃいけないから。)
チャンドラーのママ: As I recall when we got married, I saw the groom in the wedding dress. (今思い出すと[そう言えば]、私たちが結婚した時、私はウェディングドレスを着た花婿を見たわ。)
チャンドラーのパパ: But that was after the wedding. It's not bad luck then. (でもそれは式の後だったわ。それなら不運じゃない。)
チャンドラーのママ: Honey, it isn't good luck. (ハニー、幸運でもないわよ。)
親族がいる部屋で、ロスは「誰かチャンドラーを見なかった?」と尋ねています。
I thought he was with you. は「チャンドラーはお前(ロス)と一緒にいるんだと、私は思っていたんだが」ということですね。
I thought と過去形にすることで、「そう思っていたんだが、実際は違う」というニュアンスが出ます。
ロスは、He WAS with me. のように、過去形の was を強調して話しています。
いや、確かにパパが言うように、実際、さっきまで一緒にいたんだけど、という感覚です。
ロスは、僕らはちょっとしたゲームをしてるんだよ、と言って、それは hide-and-seek だと言っています。
hide-and-seek は「かくれんぼ」のこと。「隠れる、そして、捜す」という言葉の通りの遊びですね。
新郎のチャンドラーが行方不明になったことを言えるはずもないので、「いや、ちょっとかくれんぼをしててさ、今、彼を捜してるところだから、どっかで見たかなぁ、と思って聞いてみたんだよ」というふりをしているわけです。
パパがその話を真に受けて返事しているセリフが面白いですね。
「お前は私たちに、彼の居場所を尋ねちゃだめだよ。それは cheating だ」と言っていますが、cheating は「不正行為」。
動詞 cheat が「だます」「ごまかしをする、不正をする、いかさまをする」という意味ですから、その動名詞が「不正行為(をすること)」になるわけですね。
フレンズでは、cheat は「浮気をする」という意味でよく登場しますね。
cheat on someone なら「(恋人・配偶者)に隠れて・内緒で浮気をする」という意味になります。
ちなみに、日本語の「(テストでの)カンニング」も、英語では cheating になります。
「カンニング」という和製英語は、形容詞で「ずるい」、名詞で「狡猾(こうかつ)、ずるさ、悪知恵」を意味する英単語 cunning から来たそうです。さらに、cunning の英語の発音は、「カンニング」というよりもむしろ「カニング」の方が近いですね。
cheat/cheating の英英辞典での語義を見てみます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cheat [verb] : to behave in a dishonest way in order to win or to get an advantage, especially in a competition, game, or test
例文1. He got caught cheating on the test.
例文2. You can't look - that's cheating.
つまり、「不正なやり方で行動すること、特に競技、試合(ゲーム)、テストで勝つ、または優勢になるために」。
例文1 は、「彼はテストで不正をしているのを[カンニングしているのを]見つかった」。例文2 は、「見ちゃだめだ。それはズルだよ」。
例文1 がテストで cheat をしているところを見つかった、という話で、まさにカンニングが見つかった話ですね。
例文2 は、今回のパパのセリフとよく似ていて、「〜しちゃだめだ。そんなことをしたらズルだぞ」というニュアンスになっているところも興味深いです。
「かくれんぼしている時に、相手がどこにいるかを尋ねちゃいけないぞ。そんなことしたらズルになる」と言ったパパに対して、ロスは、Thanks for keeping me honest. と言っています。
keep は「(〜の状態)を保つ、(〜の状態)にしておく」ということですが、意味を取る場合にはとりあえず「キープする」という言葉で解釈すると、雰囲気が掴みやすい気がします。
つまり、「僕を honest の状態にキープしてくれてありがとう」ということで、「僕がズルをしない、正直な人間であるように保ってくれてありがとう」と言っているわけですね。
パパは、he better not come by here. と言っています。
he better not は、he had better not の had が省略された形。
had better は「〜した方が良い」で、その否定形の had better not は「〜しない方が良い」という意味ですね。
had better do のように、had better の後には、原形不定詞(to do の形ではなく、do だけの to のない不定詞)が来ることになっているので、否定形にする場合には、had not better do ではなく、had better not do になることにも注意しましょう。
また、「〜した方が良い」という日本語訳で覚えている人が多いために、日本人が使い方を間違いやすい表現としても有名です。
研究社 新英和中辞典の用法の説明がわかりやすいので以下に引用させていただきます。
had better do
…するのがよい、…したほうがよい
用法
(1) 主語が1人称以外の時には忠告・命令、また時には威嚇の意味合いをもつので、特に2人称では目上の人には用いないほうがよい
(2) 《口語》 では had を略して I better go now. ともいい、さらに2人称では you を略して Better go now. ということもある
(1) の「忠告、命令、威嚇」のニュアンスがあることに注意したいですね。
今回の場合は、直接本人を目の前にして言っているセリフではなく、3人称(he)ではありますが、目上の人間であるロスのパパが、自分の娘の婿になる年下の人物の行動のことを言っているわけなので、had better で全く問題ないわけです。
(2) の説明にも、had better の had が省略されることが書かれていますね。
「チャンドラーはここに来ない方がいい」と言っている理由として、パパは「彼はドレス姿の花嫁を見ちゃいけないから」と言っています。
過去記事、花婿は花嫁のドレスを見てはいけない フレンズ4-20その6 で、
ロス: But I'm the groom, I'm not supposed to see the dress-- (でも、僕は花婿だろ。僕はそのドレスを見ちゃいけないことになってるから…)
というセリフがあったように、アメリカではそういう風習のようなものがあるのですね。
その話を聞いて、チャンドラーのママが、自分の結婚式を思い出す発言をしています。
日本語で「リコール」というと、「欠陥商品を回収する」「リコールで解任する」の方を思い浮かべる人が多いかもしれませんが(実際に、英語にもそういう意味がありますが)、ここでの recall は「〜を意識的に思い出す」という意味。
ですから、as I recall は「今思い出すと、そう言えば」というニュアンスになります。
ママは、隣に元夫がいるとわかっていてわざと、「そう言えば私たちが結婚した時、私は花嫁姿の花婿を見たわ」と言っています。
チャンドラーのパパはゲイなので、結婚式の時にも女装していたらしいことが、そのセリフでわかるわけですね。
皮肉を言われたとわかったパパは、「でもそれは結婚式の後だから、その場合は、bad luck じゃないわ」と返します。
「結婚式の前にドレス姿の花嫁を見てはいけない」と言われているのであって、後だから別に問題ないじゃない、と言いたいわけですね。
それに対するママの返しが面白いです。
二人の仲は険悪なものとなっているので、honey という呼び掛け語も心から愛しいと思ってのものではなく、イヤミっぽい感じです。
「結婚式前に見たんじゃないから、確かに bad luck じゃないかもしれない。でも、自分が結婚する相手が、ウェディングドレス姿で女装しているのを見るのが、good luck なはずもないでしょ」とママは言いたいわけですね。
「結婚式前にドレス姿を見てしまう」ことのジンクスうんぬんの話ではなく、「夫となる人が堂々と人前で女装している」という事実の運不運さの問題なんだけど、と、ママは言い返したことになるわけですね。
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[Scene: Monica's Hotel Room, Chandler and Monica's parents and Phoebe are there as Ross enters.]
モニカのホテルの部屋。チャンドラーとモニカの両親とフィービーがそこにいて、ロスが入ってくる。
ロス: Hi! (To Mrs. Bing) Hi! (Mr. Bing starts rubbing his arm.) Hi. Has umm, anyone seen Chandler? (どうも(こんにちは)! [ビング夫人(チャンドラーのママ)に] どうも! [ビング氏(チャンドラーのパパ)がロスの腕を撫で始める] どうも。あの、誰かチャンドラーを見た?)
ゲラーパパ: I thought he was with you. (チャンドラーはお前と一緒にいると思ってたんだが。)
ロス: He-he was with me umm, we're playing a little game, y'know? Hide-and-seek. (チャンドラーは確かに僕と一緒にいたんだよ。ちょっとしたゲームをしていてね。ほら、かくれんぼを。)
ゲラーパパ: You can't ask us, son. That's cheating. (私たちに尋ねちゃだめだぞ。それだとズルになる。)
ロス: (pause) You're right. Thanks for keeping me honest, Dad. ([間があって] そうだね。僕を正直でいさせてくれてありがとう、パパ。)
ゲラーパパ: Well, he better not come by here. He can't see the bride in the wedding dress. (チャンドラーはここに来ない方がいいよ。ウェディングドレスを着た花嫁を見ちゃいけないから。)
チャンドラーのママ: As I recall when we got married, I saw the groom in the wedding dress. (今思い出すと[そう言えば]、私たちが結婚した時、私はウェディングドレスを着た花婿を見たわ。)
チャンドラーのパパ: But that was after the wedding. It's not bad luck then. (でもそれは式の後だったわ。それなら不運じゃない。)
チャンドラーのママ: Honey, it isn't good luck. (ハニー、幸運でもないわよ。)
親族がいる部屋で、ロスは「誰かチャンドラーを見なかった?」と尋ねています。
I thought he was with you. は「チャンドラーはお前(ロス)と一緒にいるんだと、私は思っていたんだが」ということですね。
I thought と過去形にすることで、「そう思っていたんだが、実際は違う」というニュアンスが出ます。
ロスは、He WAS with me. のように、過去形の was を強調して話しています。
いや、確かにパパが言うように、実際、さっきまで一緒にいたんだけど、という感覚です。
ロスは、僕らはちょっとしたゲームをしてるんだよ、と言って、それは hide-and-seek だと言っています。
hide-and-seek は「かくれんぼ」のこと。「隠れる、そして、捜す」という言葉の通りの遊びですね。
新郎のチャンドラーが行方不明になったことを言えるはずもないので、「いや、ちょっとかくれんぼをしててさ、今、彼を捜してるところだから、どっかで見たかなぁ、と思って聞いてみたんだよ」というふりをしているわけです。
パパがその話を真に受けて返事しているセリフが面白いですね。
「お前は私たちに、彼の居場所を尋ねちゃだめだよ。それは cheating だ」と言っていますが、cheating は「不正行為」。
動詞 cheat が「だます」「ごまかしをする、不正をする、いかさまをする」という意味ですから、その動名詞が「不正行為(をすること)」になるわけですね。
フレンズでは、cheat は「浮気をする」という意味でよく登場しますね。
cheat on someone なら「(恋人・配偶者)に隠れて・内緒で浮気をする」という意味になります。
ちなみに、日本語の「(テストでの)カンニング」も、英語では cheating になります。
「カンニング」という和製英語は、形容詞で「ずるい」、名詞で「狡猾(こうかつ)、ずるさ、悪知恵」を意味する英単語 cunning から来たそうです。さらに、cunning の英語の発音は、「カンニング」というよりもむしろ「カニング」の方が近いですね。
cheat/cheating の英英辞典での語義を見てみます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cheat [verb] : to behave in a dishonest way in order to win or to get an advantage, especially in a competition, game, or test
例文1. He got caught cheating on the test.
例文2. You can't look - that's cheating.
つまり、「不正なやり方で行動すること、特に競技、試合(ゲーム)、テストで勝つ、または優勢になるために」。
例文1 は、「彼はテストで不正をしているのを[カンニングしているのを]見つかった」。例文2 は、「見ちゃだめだ。それはズルだよ」。
例文1 がテストで cheat をしているところを見つかった、という話で、まさにカンニングが見つかった話ですね。
例文2 は、今回のパパのセリフとよく似ていて、「〜しちゃだめだ。そんなことをしたらズルだぞ」というニュアンスになっているところも興味深いです。
「かくれんぼしている時に、相手がどこにいるかを尋ねちゃいけないぞ。そんなことしたらズルになる」と言ったパパに対して、ロスは、Thanks for keeping me honest. と言っています。
keep は「(〜の状態)を保つ、(〜の状態)にしておく」ということですが、意味を取る場合にはとりあえず「キープする」という言葉で解釈すると、雰囲気が掴みやすい気がします。
つまり、「僕を honest の状態にキープしてくれてありがとう」ということで、「僕がズルをしない、正直な人間であるように保ってくれてありがとう」と言っているわけですね。
パパは、he better not come by here. と言っています。
he better not は、he had better not の had が省略された形。
had better は「〜した方が良い」で、その否定形の had better not は「〜しない方が良い」という意味ですね。
had better do のように、had better の後には、原形不定詞(to do の形ではなく、do だけの to のない不定詞)が来ることになっているので、否定形にする場合には、had not better do ではなく、had better not do になることにも注意しましょう。
また、「〜した方が良い」という日本語訳で覚えている人が多いために、日本人が使い方を間違いやすい表現としても有名です。
研究社 新英和中辞典の用法の説明がわかりやすいので以下に引用させていただきます。
had better do
…するのがよい、…したほうがよい
用法
(1) 主語が1人称以外の時には忠告・命令、また時には威嚇の意味合いをもつので、特に2人称では目上の人には用いないほうがよい
(2) 《口語》 では had を略して I better go now. ともいい、さらに2人称では you を略して Better go now. ということもある
(1) の「忠告、命令、威嚇」のニュアンスがあることに注意したいですね。
今回の場合は、直接本人を目の前にして言っているセリフではなく、3人称(he)ではありますが、目上の人間であるロスのパパが、自分の娘の婿になる年下の人物の行動のことを言っているわけなので、had better で全く問題ないわけです。
(2) の説明にも、had better の had が省略されることが書かれていますね。
「チャンドラーはここに来ない方がいい」と言っている理由として、パパは「彼はドレス姿の花嫁を見ちゃいけないから」と言っています。
過去記事、花婿は花嫁のドレスを見てはいけない フレンズ4-20その6 で、
ロス: But I'm the groom, I'm not supposed to see the dress-- (でも、僕は花婿だろ。僕はそのドレスを見ちゃいけないことになってるから…)
というセリフがあったように、アメリカではそういう風習のようなものがあるのですね。
その話を聞いて、チャンドラーのママが、自分の結婚式を思い出す発言をしています。
日本語で「リコール」というと、「欠陥商品を回収する」「リコールで解任する」の方を思い浮かべる人が多いかもしれませんが(実際に、英語にもそういう意味がありますが)、ここでの recall は「〜を意識的に思い出す」という意味。
ですから、as I recall は「今思い出すと、そう言えば」というニュアンスになります。
ママは、隣に元夫がいるとわかっていてわざと、「そう言えば私たちが結婚した時、私は花嫁姿の花婿を見たわ」と言っています。
チャンドラーのパパはゲイなので、結婚式の時にも女装していたらしいことが、そのセリフでわかるわけですね。
皮肉を言われたとわかったパパは、「でもそれは結婚式の後だから、その場合は、bad luck じゃないわ」と返します。
「結婚式の前にドレス姿の花嫁を見てはいけない」と言われているのであって、後だから別に問題ないじゃない、と言いたいわけですね。
それに対するママの返しが面白いです。
二人の仲は険悪なものとなっているので、honey という呼び掛け語も心から愛しいと思ってのものではなく、イヤミっぽい感じです。
「結婚式前に見たんじゃないから、確かに bad luck じゃないかもしれない。でも、自分が結婚する相手が、ウェディングドレス姿で女装しているのを見るのが、good luck なはずもないでしょ」とママは言いたいわけですね。
「結婚式前にドレス姿を見てしまう」ことのジンクスうんぬんの話ではなく、「夫となる人が堂々と人前で女装している」という事実の運不運さの問題なんだけど、と、ママは言い返したことになるわけですね。
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2013年09月25日
ゲームの駒として使う フレンズ7-24その1
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シーズン7 第24話
The One With Monica and Chanlder's Wedding (ベスト”フレンズ”ウェディング -Part 2)
原題は「モニカとチャンドラーの結婚式の話」
行方不明になったチャンドラーを探しまわっていたフレンズたちですが、チャンドラーは実は勤務先のオフィスの部屋(個室)にいたことがわかります。
[Cut to an office building.]
あるオフィスビルに画面がカットする。
ロス: So this is your office? (それで、これが君のオフィスなの?)
チャンドラー: How did you guys find me? I knew I should've hid at the gym! (どうやって君らは俺を見つけたんだ? わかってたんだ、ジムに隠れとくべきだった、って!)
フィービー: What the hell are you doing?! (あなたは一体何してるのよ?)
チャンドラー: Panicking! And using the Internet to try to prove that I'm related to Monica. How is she? (パニクってるんだよ! そしてインターネットを使ってるところだ、俺がモニカと親戚関係にあることを証明しようとしてね。モニカはどう?)
ロス: She's fine. She doesn't know you're gone. And she doesn't have to know, okay? Now come on, we're going home. (モニカは元気だよ。彼女はお前が消えたことを知らない。そして知る必要もないんだ、いいか? さぁ、来いよ。僕たちは家に帰るんだ。)
チャンドラー: No! No! No! I can't do that! (だめだ、だめだ、だめだ! そんなことできないよ!)
フィービー: Why not?! (どうしてできないの?)
チャンドラー: Because if I go home, we're gonna become the Bings! I can't be the Bings! (だって、もし俺が家に帰ったら、俺たち(俺とモニカ)はビング夫妻になることになる! 俺はビング夫妻にはなれないよ!)
ロス: What's wrong with being the Bings? (ビング夫妻になることの何が問題なんだよ?)
チャンドラー: The Bings have horrible marriages! They yell, they fight, and they use the pool boy as a pawn in their sexual games! (ビング夫妻はひどい結婚をするんだ! 怒鳴って、喧嘩して、プールボーイを性的ゲームの駒として使うんだ!)
How did you guys find me? の how を使ったセリフは、「どうやって? どのようにして?」という手段を尋ねる疑問文ですね。
日本語で言うと、「どうして俺の居場所がわかったんだ?」みたいな感覚です。
I knew I should've hid at the gym! の I knew I should've p.p. (過去分詞)は、「俺は…すべきだった、ってわかってたよ」というニュアンス。
やっぱり、職場は隠れ場所にはならなかった、やっぱり、職場みたいな見つかりやすい場所じゃなくて、せめてスポーツジムにでも隠れとけば良かったよな、みたいな自分に対する反省の言葉になります。
オフィスにいるチャンドラーを見て、フィービーは、What the hell are you doing?! と言っています。
the hell という強調語が入っていることで、「結婚式当日に行方不明になって、会社のオフィスにこもってるなんて、一体全体あなたは何やってんのよ!」という非難の気持ちがより強く出ますね。
「全く何してんのよ!」みたいに言われたチャンドラーは、Panicking! と答えます。
「何してる?って、俺は今、パニクってるんだよ!」という感じですね。
And using... と続けて、パニクってて、それから…をするためにインターネットを使っているところだ、とも言っています。
to try to prove that I'm related to Monica の be related to について。
relate は、relate A to B の形で、「A と B を関係させる、関連づける」、related だと「関係ある、関連した」という形容詞になり、また、「親族・親戚関係にある」という意味にもなります。
be related to someone なら、「人と親戚関係にある」ということですね。
ですから、チャンドラーは、「俺がモニカと親戚関係にあることを証明しようと、インターネットを使ってるところだ」と言っていることになります。
極端な話をすると、「実は二人は血の繋がった兄妹だった」みたいなことが証明されれば、俺たちは結婚することができなくなる、そんな理由が見つかればいいなと思って、ネット検索してたんだよ、みたいなことですね。
「モニカと血が繋がってるって情報がないか、ネットを調べてた」、つまり、外的要因で結婚が取りやめになってくれたらいいのに、と願っていることがわかる何ともキツいジョークですが、チャンドラーが結婚に踏み切ることに怯えている様子もよくわかるように思います。
モニカの様子を尋ねたチャンドラーに、ロスは、She doesn't know you're gone. And she doesn't have to know, okay? と答えます。
お前が去ったことをモニカは知らないし、また知る必要もないんだ、ということですね。
日本語でも、「〜しないし、また〜する必要もない」みたいな言い方をしますので、ニュアンスはわかりやすいと思います。
Now come on, we're going home. は、「さぁ、来いよ。僕たちは家に帰るぞ」みたいなニュアンスですね。
チャンドラーの意向を尋ねることなく、「さぁ、俺たちは帰るぞ」と言った、その有無を言わさない感じが、We're going home. というセリフに出ているように思います。
それでもチャンドラーはまだ抵抗しています。
ロスたちと一緒に家に帰ることなんて、俺にはできない、と必死に否定するチャンドラーに理由を尋ねるフィービー。
チャンドラーは、「俺が家に帰ったら、俺たち(モニカと俺)は the Bings になっちまう。俺は the Bings になれないんだよ、なっちゃいけないんだよ」みたいに言っていますね。
the Bings は、少し前の記事で説明したように、ここでは「ビング夫妻」というニュアンス。
the Bings のように「the+名字の複数形」で、その名字の人複数を指すことになるんでしたね。
What's wrong with...? は、「…の何がいけないのか?」という決まり文句ですから、What's wrong with being the Bings? は、「the Bings でいることの何がいけないんだ、ビング夫妻になることに何の問題があるんだ?」と問うていることになります。
The Bings have horrible marriages! を直訳すると、「ビング夫妻はひどい結婚を持つ」というところですが、marriages のように複数形になっていることからもわかるように、ビングという名前の夫婦になったものたちは、代々、どれもひどい結婚をすることになるんだ、ビング夫妻となった者たちの結婚生活はひどいものとなるんだ、みたいな感覚ですね。
「The Bings となった者たちはひどい結婚をする、ひどい結婚生活となる」という、The Bings の「習性」を表す現在形だと言えるでしょう。
チャンドラーは、ビング家代々の結婚生活を知っているわけではないでしょうから、もちろんここでイメージしているのは、自分の両親の結婚についてのことですが、ビング家の人間が夫婦になると、その結婚生活はこんな風になっちゃうんだ、と言うように、結婚したビング夫妻は、怒鳴って、喧嘩して、use the pool boy as a pawn in their sexual games するんだ、とも言います。
この pawn は「(チェスの駒(こま)の)ポーン」のこと。将棋で言うところの「歩」に当たる駒になります。
その「ゲームでの駒」という意味から、「人の手先、人に操られるもの」という意味としても使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pawn :
1. one of the eight smallest and least valuable pieces which each player has in the game of chess
2. someone who is used by a more powerful person or group and has no control of the situation
in
例) The children became pawns in their parents' divorce battle.
つまり、1. は「チェスのゲームで各プレーヤーが持つ、最も小さく、最も価値のない8つの駒の1つ」。2. は「より力を持つ人またはグループによって使われ、その状況をコントロールすることができない[その状況をどうすることもできない]人」。
例文は、「その子供たちは、両親の離婚の争いで駒になった」。
つまりは離婚における親権争いなどで、親に行き先とかを決められてしまって、子供たちは自分たちの意志でそれをどうにかすることはできなかった、親の言いなりになって翻弄されるしかなかった、みたいなことを言っていることになるでしょう。
今回のチャンドラーのセリフでは、離婚の話ではなく、夫婦間の性的ゲームだと表現されています。
pool boy は言葉の通り「プールボーイ」で、プールを掃除する少年、みたいなもののようですね。
過去のフレンズのエピソードからは、幼少期のチャンドラーはお金持ちで、家には使用人もいた様子がわかっています。
そういう使用人の一人として、裕福な家庭に付き物の「自宅プール」を掃除、手入れする人として、そういう pool boy も雇っていたようですね。
Urban Dctionary という、ネット上の俗語辞典には以下の語義が載っていました。
個人が語義を投稿して、その語義に対する評価が、up (サムアップ、いいね)、down (サムダウン、だめだ)で示されるというオンライン辞典ですが、以下の語義は、267 up, 55 down という評価だったので、多くの人に賛同されている語義だと判断できるでしょう。
Urban Dictionary : pool boy
pool boy
267 up, 55 down
A sexy man that cleans the pools of the rich and famous. They are notoriously known for doing the trophy wives of the rich and famous. But then again, they're usually very hot.
Wife: Well the Pool boy is doing great today.
(gay)Husband: Hah. I know he was doing great last night.
つまり、「お金持ちで有名人のプールを掃除するセクシーな男性。彼らは、その有名なお金持ちの箔付け妻と性的関係を持つことで悪名高い。しかしまた、彼らはたいてい、非常にホット(セクシー)である」。
例文
妻: ねぇ、あのプールボーイ、今日、いい仕事してるわね[よくやってるわね、頑張ってるわね]。
(ゲイの)夫: はは。昨日の夜もいい仕事をしてたって僕は知ってるよ。
まず、are notoriously known for doing は、「…することで悪名高い」という感覚。
the rich and famous は「お金持ちで有名な人々」。
このように形容詞に the をつけると「(形容詞)である人々」という意味になりますね。
the trophy wives of the rich and famous の the trophy wife という言葉がまた面白いのですが、これは英辞郎の語義が非常にわかりやすいので以下に引用させていただきます。
trophy wife
箔つけワイフ、トロフィ−妻◆金や権力のある男性が自分の社会的地位を誇示するため迎えた(と思われている)若くて美人の妻のこと。
勝利した時にもらえるトロフィーのニュアンスで、「こんなに若くて美人な妻を迎えたんだぞー」と自慢し誇示するような、そういう奥さんのことを trophy wife と言うわけですね。
また、上の訳では「妻と性的関係を持つ」のようにおとなしめに訳してみましたが、are notoriously known for doing the trophy wives の do というのは、実際のところ、もっとお下品な感じの「ヤる」というニュアンスに近いでしょう。
「お金持ちの家のプールを掃除するセクシーボーイで、そこの若くて美人な奥さんとヤることで悪名高いやつ」みたいに説明されていることになります。
そして、Urban Dictionary の例文が、まさにチャンドラーが恐れている the Bings の会話そのものみたいになっているところが興味深いですね。
妻は、「プールボーイは今日も仕事を頑張ってたわよ、よくやってたわよ」みたいなことを言っているわけですが、それに対して、ゲイの夫が、「今日だけじゃなくて、昨日の夜も彼は頑張ってたのを、俺は知ってるよ」みたいに言っていることになります。
わざわざ、(gay)Husband と書いてあることからも、また、last night のように「夜」を強調しているところからも、そのゲイの夫は、昨日の晩、そのプールボーイとそっち系の行為をしていたことが、その夫のセリフからわかる、という仕組みですね。
普通(?)は、Urban Dictionary の語義説明にもあるように、そのお金持ちの”奥さん”と関係を持つ、と言われているプールボーイですが、この例文はさらにその上を行っていて、ゲイの夫とも関係がある、それがまさに、チャンドラーが言わんとしている「プールボーイを性的ゲームの駒として使う」ことを指すわけでしょう。
フレンズのセリフに戻りますと、DVDの日本語訳では、
字幕:使用人の男を取り合って
音声:使用人の男を相手に、三角関係にまでなっちゃうんだから
と訳されていましたが、プールボーイ本人の意志を超越したところで、夫婦間の争いの材料、駆け引きの駒として使われている様子が、そのチャンドラーの言ったセリフの意味になるわけですね。
私がこれまで見た映画やドラマの中で、その「プールボーイ」そのものを見かけたことはないのですが、「デスパレートな妻たち」(Desperate Housewives)にそれと似た感じのキャラクターがいたなぁ、、と思い出しました(デス妻のネタバレは困る、という方は以下を飛ばして下さい)。
ガブリエル(エヴァ・ロンゴリア)の家の庭師のアルバイトとして、ジョンという高校生が登場するのですが、彼はガブリエルと不倫関係にありました。
プールの掃除ではなくて、庭の芝刈りが仕事でしたが、ガブリエルもまさに、夫カルロス自慢の trophy wife だったわけですから、こういう感じの役回りのキャラクターが、チャンドラーの言う pool boy だと考えると、イメージしやすいですよね。
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シーズン7 第24話
The One With Monica and Chanlder's Wedding (ベスト”フレンズ”ウェディング -Part 2)
原題は「モニカとチャンドラーの結婚式の話」
行方不明になったチャンドラーを探しまわっていたフレンズたちですが、チャンドラーは実は勤務先のオフィスの部屋(個室)にいたことがわかります。
[Cut to an office building.]
あるオフィスビルに画面がカットする。
ロス: So this is your office? (それで、これが君のオフィスなの?)
チャンドラー: How did you guys find me? I knew I should've hid at the gym! (どうやって君らは俺を見つけたんだ? わかってたんだ、ジムに隠れとくべきだった、って!)
フィービー: What the hell are you doing?! (あなたは一体何してるのよ?)
チャンドラー: Panicking! And using the Internet to try to prove that I'm related to Monica. How is she? (パニクってるんだよ! そしてインターネットを使ってるところだ、俺がモニカと親戚関係にあることを証明しようとしてね。モニカはどう?)
ロス: She's fine. She doesn't know you're gone. And she doesn't have to know, okay? Now come on, we're going home. (モニカは元気だよ。彼女はお前が消えたことを知らない。そして知る必要もないんだ、いいか? さぁ、来いよ。僕たちは家に帰るんだ。)
チャンドラー: No! No! No! I can't do that! (だめだ、だめだ、だめだ! そんなことできないよ!)
フィービー: Why not?! (どうしてできないの?)
チャンドラー: Because if I go home, we're gonna become the Bings! I can't be the Bings! (だって、もし俺が家に帰ったら、俺たち(俺とモニカ)はビング夫妻になることになる! 俺はビング夫妻にはなれないよ!)
ロス: What's wrong with being the Bings? (ビング夫妻になることの何が問題なんだよ?)
チャンドラー: The Bings have horrible marriages! They yell, they fight, and they use the pool boy as a pawn in their sexual games! (ビング夫妻はひどい結婚をするんだ! 怒鳴って、喧嘩して、プールボーイを性的ゲームの駒として使うんだ!)
How did you guys find me? の how を使ったセリフは、「どうやって? どのようにして?」という手段を尋ねる疑問文ですね。
日本語で言うと、「どうして俺の居場所がわかったんだ?」みたいな感覚です。
I knew I should've hid at the gym! の I knew I should've p.p. (過去分詞)は、「俺は…すべきだった、ってわかってたよ」というニュアンス。
やっぱり、職場は隠れ場所にはならなかった、やっぱり、職場みたいな見つかりやすい場所じゃなくて、せめてスポーツジムにでも隠れとけば良かったよな、みたいな自分に対する反省の言葉になります。
オフィスにいるチャンドラーを見て、フィービーは、What the hell are you doing?! と言っています。
the hell という強調語が入っていることで、「結婚式当日に行方不明になって、会社のオフィスにこもってるなんて、一体全体あなたは何やってんのよ!」という非難の気持ちがより強く出ますね。
「全く何してんのよ!」みたいに言われたチャンドラーは、Panicking! と答えます。
「何してる?って、俺は今、パニクってるんだよ!」という感じですね。
And using... と続けて、パニクってて、それから…をするためにインターネットを使っているところだ、とも言っています。
to try to prove that I'm related to Monica の be related to について。
relate は、relate A to B の形で、「A と B を関係させる、関連づける」、related だと「関係ある、関連した」という形容詞になり、また、「親族・親戚関係にある」という意味にもなります。
be related to someone なら、「人と親戚関係にある」ということですね。
ですから、チャンドラーは、「俺がモニカと親戚関係にあることを証明しようと、インターネットを使ってるところだ」と言っていることになります。
極端な話をすると、「実は二人は血の繋がった兄妹だった」みたいなことが証明されれば、俺たちは結婚することができなくなる、そんな理由が見つかればいいなと思って、ネット検索してたんだよ、みたいなことですね。
「モニカと血が繋がってるって情報がないか、ネットを調べてた」、つまり、外的要因で結婚が取りやめになってくれたらいいのに、と願っていることがわかる何ともキツいジョークですが、チャンドラーが結婚に踏み切ることに怯えている様子もよくわかるように思います。
モニカの様子を尋ねたチャンドラーに、ロスは、She doesn't know you're gone. And she doesn't have to know, okay? と答えます。
お前が去ったことをモニカは知らないし、また知る必要もないんだ、ということですね。
日本語でも、「〜しないし、また〜する必要もない」みたいな言い方をしますので、ニュアンスはわかりやすいと思います。
Now come on, we're going home. は、「さぁ、来いよ。僕たちは家に帰るぞ」みたいなニュアンスですね。
チャンドラーの意向を尋ねることなく、「さぁ、俺たちは帰るぞ」と言った、その有無を言わさない感じが、We're going home. というセリフに出ているように思います。
それでもチャンドラーはまだ抵抗しています。
ロスたちと一緒に家に帰ることなんて、俺にはできない、と必死に否定するチャンドラーに理由を尋ねるフィービー。
チャンドラーは、「俺が家に帰ったら、俺たち(モニカと俺)は the Bings になっちまう。俺は the Bings になれないんだよ、なっちゃいけないんだよ」みたいに言っていますね。
the Bings は、少し前の記事で説明したように、ここでは「ビング夫妻」というニュアンス。
the Bings のように「the+名字の複数形」で、その名字の人複数を指すことになるんでしたね。
What's wrong with...? は、「…の何がいけないのか?」という決まり文句ですから、What's wrong with being the Bings? は、「the Bings でいることの何がいけないんだ、ビング夫妻になることに何の問題があるんだ?」と問うていることになります。
The Bings have horrible marriages! を直訳すると、「ビング夫妻はひどい結婚を持つ」というところですが、marriages のように複数形になっていることからもわかるように、ビングという名前の夫婦になったものたちは、代々、どれもひどい結婚をすることになるんだ、ビング夫妻となった者たちの結婚生活はひどいものとなるんだ、みたいな感覚ですね。
「The Bings となった者たちはひどい結婚をする、ひどい結婚生活となる」という、The Bings の「習性」を表す現在形だと言えるでしょう。
チャンドラーは、ビング家代々の結婚生活を知っているわけではないでしょうから、もちろんここでイメージしているのは、自分の両親の結婚についてのことですが、ビング家の人間が夫婦になると、その結婚生活はこんな風になっちゃうんだ、と言うように、結婚したビング夫妻は、怒鳴って、喧嘩して、use the pool boy as a pawn in their sexual games するんだ、とも言います。
この pawn は「(チェスの駒(こま)の)ポーン」のこと。将棋で言うところの「歩」に当たる駒になります。
その「ゲームでの駒」という意味から、「人の手先、人に操られるもの」という意味としても使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pawn :
1. one of the eight smallest and least valuable pieces which each player has in the game of chess
2. someone who is used by a more powerful person or group and has no control of the situation
in
例) The children became pawns in their parents' divorce battle.
つまり、1. は「チェスのゲームで各プレーヤーが持つ、最も小さく、最も価値のない8つの駒の1つ」。2. は「より力を持つ人またはグループによって使われ、その状況をコントロールすることができない[その状況をどうすることもできない]人」。
例文は、「その子供たちは、両親の離婚の争いで駒になった」。
つまりは離婚における親権争いなどで、親に行き先とかを決められてしまって、子供たちは自分たちの意志でそれをどうにかすることはできなかった、親の言いなりになって翻弄されるしかなかった、みたいなことを言っていることになるでしょう。
今回のチャンドラーのセリフでは、離婚の話ではなく、夫婦間の性的ゲームだと表現されています。
pool boy は言葉の通り「プールボーイ」で、プールを掃除する少年、みたいなもののようですね。
過去のフレンズのエピソードからは、幼少期のチャンドラーはお金持ちで、家には使用人もいた様子がわかっています。
そういう使用人の一人として、裕福な家庭に付き物の「自宅プール」を掃除、手入れする人として、そういう pool boy も雇っていたようですね。
Urban Dctionary という、ネット上の俗語辞典には以下の語義が載っていました。
個人が語義を投稿して、その語義に対する評価が、up (サムアップ、いいね)、down (サムダウン、だめだ)で示されるというオンライン辞典ですが、以下の語義は、267 up, 55 down という評価だったので、多くの人に賛同されている語義だと判断できるでしょう。
Urban Dictionary : pool boy
pool boy
267 up, 55 down
A sexy man that cleans the pools of the rich and famous. They are notoriously known for doing the trophy wives of the rich and famous. But then again, they're usually very hot.
Wife: Well the Pool boy is doing great today.
(gay)Husband: Hah. I know he was doing great last night.
つまり、「お金持ちで有名人のプールを掃除するセクシーな男性。彼らは、その有名なお金持ちの箔付け妻と性的関係を持つことで悪名高い。しかしまた、彼らはたいてい、非常にホット(セクシー)である」。
例文
妻: ねぇ、あのプールボーイ、今日、いい仕事してるわね[よくやってるわね、頑張ってるわね]。
(ゲイの)夫: はは。昨日の夜もいい仕事をしてたって僕は知ってるよ。
まず、are notoriously known for doing は、「…することで悪名高い」という感覚。
the rich and famous は「お金持ちで有名な人々」。
このように形容詞に the をつけると「(形容詞)である人々」という意味になりますね。
the trophy wives of the rich and famous の the trophy wife という言葉がまた面白いのですが、これは英辞郎の語義が非常にわかりやすいので以下に引用させていただきます。
trophy wife
箔つけワイフ、トロフィ−妻◆金や権力のある男性が自分の社会的地位を誇示するため迎えた(と思われている)若くて美人の妻のこと。
勝利した時にもらえるトロフィーのニュアンスで、「こんなに若くて美人な妻を迎えたんだぞー」と自慢し誇示するような、そういう奥さんのことを trophy wife と言うわけですね。
また、上の訳では「妻と性的関係を持つ」のようにおとなしめに訳してみましたが、are notoriously known for doing the trophy wives の do というのは、実際のところ、もっとお下品な感じの「ヤる」というニュアンスに近いでしょう。
「お金持ちの家のプールを掃除するセクシーボーイで、そこの若くて美人な奥さんとヤることで悪名高いやつ」みたいに説明されていることになります。
そして、Urban Dictionary の例文が、まさにチャンドラーが恐れている the Bings の会話そのものみたいになっているところが興味深いですね。
妻は、「プールボーイは今日も仕事を頑張ってたわよ、よくやってたわよ」みたいなことを言っているわけですが、それに対して、ゲイの夫が、「今日だけじゃなくて、昨日の夜も彼は頑張ってたのを、俺は知ってるよ」みたいに言っていることになります。
わざわざ、(gay)Husband と書いてあることからも、また、last night のように「夜」を強調しているところからも、そのゲイの夫は、昨日の晩、そのプールボーイとそっち系の行為をしていたことが、その夫のセリフからわかる、という仕組みですね。
普通(?)は、Urban Dictionary の語義説明にもあるように、そのお金持ちの”奥さん”と関係を持つ、と言われているプールボーイですが、この例文はさらにその上を行っていて、ゲイの夫とも関係がある、それがまさに、チャンドラーが言わんとしている「プールボーイを性的ゲームの駒として使う」ことを指すわけでしょう。
フレンズのセリフに戻りますと、DVDの日本語訳では、
字幕:使用人の男を取り合って
音声:使用人の男を相手に、三角関係にまでなっちゃうんだから
と訳されていましたが、プールボーイ本人の意志を超越したところで、夫婦間の争いの材料、駆け引きの駒として使われている様子が、そのチャンドラーの言ったセリフの意味になるわけですね。
私がこれまで見た映画やドラマの中で、その「プールボーイ」そのものを見かけたことはないのですが、「デスパレートな妻たち」(Desperate Housewives)にそれと似た感じのキャラクターがいたなぁ、、と思い出しました(デス妻のネタバレは困る、という方は以下を飛ばして下さい)。
ガブリエル(エヴァ・ロンゴリア)の家の庭師のアルバイトとして、ジョンという高校生が登場するのですが、彼はガブリエルと不倫関係にありました。
プールの掃除ではなくて、庭の芝刈りが仕事でしたが、ガブリエルもまさに、夫カルロス自慢の trophy wife だったわけですから、こういう感じの役回りのキャラクターが、チャンドラーの言う pool boy だと考えると、イメージしやすいですよね。
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2013年09月20日
検査は陽性 フレンズ7-23その6
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結婚式当日。チャンドラーが行方不明になったとも知らず、「結婚式の準備をしなきゃ!」と大はりきりのモニカを見て、レイチェルは涙ぐみます。
モニカに気づかれまいと、フィービーはレイチェルをバスルームに連れ込みます。
フィービー: Yeah, but you've got to pull yourself together! Monica can't see you like this! Then she'll know something's wrong! (そうね、でも、あなたは落ち着かなきゃ! あなたがこんな風なのをモニカが見てはいけないのよ! そしたらモニカは何かがおかしいってわかっちゃうもの!)
レイチェル: I know. I know. Oh God. (Looking around) There's no tissue! Can you grab me some toilet paper? (わかってる、わかってるわ。なんてこと。[まわりを見回して] ティッシュがない! トイレットペーパーをくれる?)
フィービー: Yeah. (Looks.) Oh, that's gone too. This is Monica's bathroom, right?! (ええ。[見て] まぁ、トイレットペーパーもないわ。ここはモニカのバスルームよね?)
レイチェル: Oh! (ああ!)
フィービー: No-no! I-I... I found one. (いえいえ、見つけたわ。)
レイチェル: Okay. (オッケー。)
(Phoebe reaches into the trash can, pulls one out, and hands it to Rachel.)
フィービーはゴミ箱に手を伸ばし、紙を引っ張り出し、それをレイチェルに手渡す。
レイチェル: Oh, thank you! (Wiping her nose.) Oh, God! (She throws it out.) Can I have another one? (あぁ、ありがとう! [紙で鼻をふく] なんてこと! [レイチェルは使った紙を捨てる] もうひとつもらえる?)
フィービー: (looking into the trash can) Sure. (Reaching into the trash can.) Do you need some floss? (Grabs a piece of it.) ([ゴミ箱を覗き込んで] もちろん。[ゴミ箱に手を伸ばす] フロスはいる? [デンタルフロスを掴む])
レイチェル: Oh, God, I just can not imagine what is gonna happen if Chandler doesn't show up! (あぁ、なんてこと、もしチャンドラーが現れなかったら、何が起こるか想像もつかないわ!)
フィービー: Oh, here's a whole bunch. ((紙の)かたまりがあるわ。)
レイチェル: Oh, I mean she's gonna be at the wedding waiting for him and people will be whispering, "Oh, that poor girl." Y'know? Then she'll have to come back here and live all alone. (あぁ、モニカは結婚式にいることになるの、チャンドラーを待ちながらね。そして人々はこうささやいてるのよ、「あぁ、あのかわいそうな子」って。でしょ? それからモニカはここに戻ってきて、ずっと一人で暮らさないといけないのよ。)
フィービー: (finding something interesting in the trash can) Oh, my God! ([ゴミ箱に興味深いものを見つけて] まぁ、なんてこと!)
レイチェル: What? (何?)
フィービー: There was a pregnancy test in the garbage, and it's positive. Monica's pregnant. (Rachel covers her mouth.) So I guess she won't be totally alone. (ゴミの中に、妊娠検査薬があったの、そしてそれは陽性よ。モニカは妊娠してる。[レイチェルは口を覆う] じゃあ私が思うに、モニカは全くの一人にはならないわね。)
pull oneself together は「落ち着く、自制心を取り戻す」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pull yourself together : to force yourself to stop behaving in a nervous, frightened, or disorganized way
例) Pull yourself together - you don't want him to see you crying like that.
つまり、「自分自身が、神経質な、おびえた、まとまりのない方法で行動するのをやめるようにすること」。
例文は、「落ち着け。そんな風に泣いているところを彼に見られたくないだろ」。
このロングマンの例文ですが、フィービーのセリフと似ているのが面白いですね。
フィービーのセリフは、Monica can't see you like this! で、ロングマンが、you don't want him to see you crying like that.
「あなたがこんな風にしているのを見る」と、「あなたがそんな風に泣いているのを見る」という微妙な違いはありますが、とにかくそんな風にパニクってるところを人に見られてもいいの? 見られちゃだめよ、だから早く落ち着きなさい、みたいな文脈になっているわけですね。
フィービーのセリフではさらに、「あなたがこんな風にしてるのを見たら、何かおかしいってモニカが気付くじゃない」みたいにも言っています。
パニクっている様子をモニカに気づかれないようにと、バスルームに入った二人。
「ティッシュがないから、トイレットペーパーをちょうだい」と言うレイチェルに、「(ティッシュだけじゃなくて)トイレットペーパーもないわ。ここはモニカのバスルームよね?」と言っています。
整理整頓好きのモニカの家だと言うのに、ティッシュもトイレットペーパーも切れてるなんておかしい、と言いたいわけです。
ちなみに、grab は「(ものを)ひっつかむ、捕らえる、わしづかみにする」という意味で、上のセリフでは、「grab+人+物」のように目的語を2つ取る形で、「人に物を取ってやる、つかんで渡してやる」のような感覚で使われていますが、手持ちの英和辞典、また、LAAD などの英英辞典にも、grab somebody something のような目的語を2つ取る形は載っていないんですよねぇ。
そういう意味では、「本来の正しい使い方」ではないのかもしれませんが、get somebody something 「人に物を取る、取ってやる」の get と同じニュアンスだと考えるとわかりやすいですね。
get の代わりに grab を使うことで、素早くそしてがしっと掴んで渡す感じが出るように思います。
その後、ゴミ箱を覗き込んだフィービーは、ゴミ箱に入っている使用後の(!)紙を拾い上げ、それをさも新品かのように渡したりしています。
「チャンドラーが現れなければ、何が起こるか想像もできないわ」と動揺しているレイチェルに、「ティッシュのかたまり、見っけ」みたいな呑気なことを言っているフィービー。
レイチェルは、チャンドラーが現れなかった場合を想定して、「モニカは結婚式にいてチャンドラーを待っていて、来客者の人々は口々に「あのかわいそうな子!」みたいに囁くのよ」と悲惨な状況を想像しています。
そうして新郎が式に現れず、モニカはここに戻って、一人で暮らすことになるのね、とも言います。
さきほどから、ゴミ箱漁り(あさり)を続けていたフィービーですが、ここで驚いた声を上げています。
見つけたものをフィービーが説明していますが、このフィービーのセリフを英語のままわかるかどうか、というのが大きなポイントになってきますね。
「英語で笑えるかどうか?」で理解力を測ることができるのが、シットコムで学ぶ意義の1つですが、このフィービーのセリフのような「衝撃の発言」を英語のまま理解できるかどうか、というのも、英語力のバロメーターになってくれると思います。
例えば、同時通訳がついている場合に、通訳の方が訳す前の本人の英語の発言で、「ええー?」と驚くことができる、みたいなことですね。
pregnancy は名詞で「妊娠」、pregnant なら形容詞で「妊娠した」ですね。
pregnancy test は「妊娠検査」、ここでは「妊娠検査薬」のことを言っています。
garbage は「ゴミ」、positive は「(検査の結果が)陽性の」。反意語は negative 「陰性の」ですね。
デジカメの時代にはあまり聞かなくなりましたが、写真のポジとネガというのも、positive 「陽画」、negative 「陰画」を指すんでしたね。
pregnancy/pregnant という「妊娠」を指す言葉、positive 「陽性」という言葉がしっかり聞き取れ理解できた方は、この衝撃発言を、ネイティブの観客と同時に理解できたことになるわけです。
そんな衝撃発言の後だと言うのに、フィービーのセリフのオチがいかにもフレンズぽいです。
セリフは、「そして私が思うに、モニカは全くの・完全な一人きりにはならないわ」ということ。
フィービーに言わせると、「レイチェルはさっき、”モニカはここに帰ってきて、一人で暮らすことになるのね”って言ってたけど、そうはならなくて済むみたいね。モニカには赤ちゃんができるので、少なくとも一人じゃないもの」みたいなことを言いたいわけです。
この状況で、感想がそれ?みたいなギャップの面白さですね。
ちなみに、改めて、positive という単語を LAAD で調べてみると、以下のような説明がされていました。
positive : MEDICAL/SCIENTIFIC TEST showing signs of what is being looked for (OPP: negative)
例) If he tests positive for steroids, he will be suspended for ten games.
come out/up positive
例) Phoebe's pregnancy test came out positive.
つまり、「医学的・科学的検査。予期・期待されていることの兆候を示している」。
例文は、「もし彼がステロイドの検査で陽性と出れば、彼は10試合、出場停止になるだろう」。
come out/up positive の例文は、「フィービーの妊娠検査は、陽性という結果が出た」。
、、、え? フィービー?! このロングマンの例文の主語、Phoebe になってる!!
まぁ、フィービーと言っても、フィービー・ケイツ(Phoebe Cates)という女優さんもいましたし、別にフレンズのフィービーをイメージしたとは限らないのですが、、、
フレンズ4-12その6 では、フィービーは、自分の弟フランクのために代理母になっていて、実際に妊娠検査薬でチェックするシーンが出て来ます。
その時には、positive という言葉は使われてはおらず、
フィービー: You guys! You guys! You're gonna have a baby. They're gonna have a baby! ([フランクとアリスに]あなたたち! あなたたち! あなたたちに赤ちゃんができるわ。[フレンズたちに]彼らに赤ちゃんができるのよ!)
というセリフで、妊娠検査薬が陽性と出たことがわかる仕組みになっていたのですが、この時の状況を文章で表現すると、まさにこのロングマンの例文の、
Phoebe's pregnancy test came out positive.
ということなので、フレンズファンには嬉しい例文だと思い、こちらで紹介させていただきました。
LAAD の編纂者の中に、フレンズファンがいたんですよ、きっと^^
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結婚式当日。チャンドラーが行方不明になったとも知らず、「結婚式の準備をしなきゃ!」と大はりきりのモニカを見て、レイチェルは涙ぐみます。
モニカに気づかれまいと、フィービーはレイチェルをバスルームに連れ込みます。
フィービー: Yeah, but you've got to pull yourself together! Monica can't see you like this! Then she'll know something's wrong! (そうね、でも、あなたは落ち着かなきゃ! あなたがこんな風なのをモニカが見てはいけないのよ! そしたらモニカは何かがおかしいってわかっちゃうもの!)
レイチェル: I know. I know. Oh God. (Looking around) There's no tissue! Can you grab me some toilet paper? (わかってる、わかってるわ。なんてこと。[まわりを見回して] ティッシュがない! トイレットペーパーをくれる?)
フィービー: Yeah. (Looks.) Oh, that's gone too. This is Monica's bathroom, right?! (ええ。[見て] まぁ、トイレットペーパーもないわ。ここはモニカのバスルームよね?)
レイチェル: Oh! (ああ!)
フィービー: No-no! I-I... I found one. (いえいえ、見つけたわ。)
レイチェル: Okay. (オッケー。)
(Phoebe reaches into the trash can, pulls one out, and hands it to Rachel.)
フィービーはゴミ箱に手を伸ばし、紙を引っ張り出し、それをレイチェルに手渡す。
レイチェル: Oh, thank you! (Wiping her nose.) Oh, God! (She throws it out.) Can I have another one? (あぁ、ありがとう! [紙で鼻をふく] なんてこと! [レイチェルは使った紙を捨てる] もうひとつもらえる?)
フィービー: (looking into the trash can) Sure. (Reaching into the trash can.) Do you need some floss? (Grabs a piece of it.) ([ゴミ箱を覗き込んで] もちろん。[ゴミ箱に手を伸ばす] フロスはいる? [デンタルフロスを掴む])
レイチェル: Oh, God, I just can not imagine what is gonna happen if Chandler doesn't show up! (あぁ、なんてこと、もしチャンドラーが現れなかったら、何が起こるか想像もつかないわ!)
フィービー: Oh, here's a whole bunch. ((紙の)かたまりがあるわ。)
レイチェル: Oh, I mean she's gonna be at the wedding waiting for him and people will be whispering, "Oh, that poor girl." Y'know? Then she'll have to come back here and live all alone. (あぁ、モニカは結婚式にいることになるの、チャンドラーを待ちながらね。そして人々はこうささやいてるのよ、「あぁ、あのかわいそうな子」って。でしょ? それからモニカはここに戻ってきて、ずっと一人で暮らさないといけないのよ。)
フィービー: (finding something interesting in the trash can) Oh, my God! ([ゴミ箱に興味深いものを見つけて] まぁ、なんてこと!)
レイチェル: What? (何?)
フィービー: There was a pregnancy test in the garbage, and it's positive. Monica's pregnant. (Rachel covers her mouth.) So I guess she won't be totally alone. (ゴミの中に、妊娠検査薬があったの、そしてそれは陽性よ。モニカは妊娠してる。[レイチェルは口を覆う] じゃあ私が思うに、モニカは全くの一人にはならないわね。)
pull oneself together は「落ち着く、自制心を取り戻す」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pull yourself together : to force yourself to stop behaving in a nervous, frightened, or disorganized way
例) Pull yourself together - you don't want him to see you crying like that.
つまり、「自分自身が、神経質な、おびえた、まとまりのない方法で行動するのをやめるようにすること」。
例文は、「落ち着け。そんな風に泣いているところを彼に見られたくないだろ」。
このロングマンの例文ですが、フィービーのセリフと似ているのが面白いですね。
フィービーのセリフは、Monica can't see you like this! で、ロングマンが、you don't want him to see you crying like that.
「あなたがこんな風にしているのを見る」と、「あなたがそんな風に泣いているのを見る」という微妙な違いはありますが、とにかくそんな風にパニクってるところを人に見られてもいいの? 見られちゃだめよ、だから早く落ち着きなさい、みたいな文脈になっているわけですね。
フィービーのセリフではさらに、「あなたがこんな風にしてるのを見たら、何かおかしいってモニカが気付くじゃない」みたいにも言っています。
パニクっている様子をモニカに気づかれないようにと、バスルームに入った二人。
「ティッシュがないから、トイレットペーパーをちょうだい」と言うレイチェルに、「(ティッシュだけじゃなくて)トイレットペーパーもないわ。ここはモニカのバスルームよね?」と言っています。
整理整頓好きのモニカの家だと言うのに、ティッシュもトイレットペーパーも切れてるなんておかしい、と言いたいわけです。
ちなみに、grab は「(ものを)ひっつかむ、捕らえる、わしづかみにする」という意味で、上のセリフでは、「grab+人+物」のように目的語を2つ取る形で、「人に物を取ってやる、つかんで渡してやる」のような感覚で使われていますが、手持ちの英和辞典、また、LAAD などの英英辞典にも、grab somebody something のような目的語を2つ取る形は載っていないんですよねぇ。
そういう意味では、「本来の正しい使い方」ではないのかもしれませんが、get somebody something 「人に物を取る、取ってやる」の get と同じニュアンスだと考えるとわかりやすいですね。
get の代わりに grab を使うことで、素早くそしてがしっと掴んで渡す感じが出るように思います。
その後、ゴミ箱を覗き込んだフィービーは、ゴミ箱に入っている使用後の(!)紙を拾い上げ、それをさも新品かのように渡したりしています。
「チャンドラーが現れなければ、何が起こるか想像もできないわ」と動揺しているレイチェルに、「ティッシュのかたまり、見っけ」みたいな呑気なことを言っているフィービー。
レイチェルは、チャンドラーが現れなかった場合を想定して、「モニカは結婚式にいてチャンドラーを待っていて、来客者の人々は口々に「あのかわいそうな子!」みたいに囁くのよ」と悲惨な状況を想像しています。
そうして新郎が式に現れず、モニカはここに戻って、一人で暮らすことになるのね、とも言います。
さきほどから、ゴミ箱漁り(あさり)を続けていたフィービーですが、ここで驚いた声を上げています。
見つけたものをフィービーが説明していますが、このフィービーのセリフを英語のままわかるかどうか、というのが大きなポイントになってきますね。
「英語で笑えるかどうか?」で理解力を測ることができるのが、シットコムで学ぶ意義の1つですが、このフィービーのセリフのような「衝撃の発言」を英語のまま理解できるかどうか、というのも、英語力のバロメーターになってくれると思います。
例えば、同時通訳がついている場合に、通訳の方が訳す前の本人の英語の発言で、「ええー?」と驚くことができる、みたいなことですね。
pregnancy は名詞で「妊娠」、pregnant なら形容詞で「妊娠した」ですね。
pregnancy test は「妊娠検査」、ここでは「妊娠検査薬」のことを言っています。
garbage は「ゴミ」、positive は「(検査の結果が)陽性の」。反意語は negative 「陰性の」ですね。
デジカメの時代にはあまり聞かなくなりましたが、写真のポジとネガというのも、positive 「陽画」、negative 「陰画」を指すんでしたね。
pregnancy/pregnant という「妊娠」を指す言葉、positive 「陽性」という言葉がしっかり聞き取れ理解できた方は、この衝撃発言を、ネイティブの観客と同時に理解できたことになるわけです。
そんな衝撃発言の後だと言うのに、フィービーのセリフのオチがいかにもフレンズぽいです。
セリフは、「そして私が思うに、モニカは全くの・完全な一人きりにはならないわ」ということ。
フィービーに言わせると、「レイチェルはさっき、”モニカはここに帰ってきて、一人で暮らすことになるのね”って言ってたけど、そうはならなくて済むみたいね。モニカには赤ちゃんができるので、少なくとも一人じゃないもの」みたいなことを言いたいわけです。
この状況で、感想がそれ?みたいなギャップの面白さですね。
ちなみに、改めて、positive という単語を LAAD で調べてみると、以下のような説明がされていました。
positive : MEDICAL/SCIENTIFIC TEST showing signs of what is being looked for (OPP: negative)
例) If he tests positive for steroids, he will be suspended for ten games.
come out/up positive
例) Phoebe's pregnancy test came out positive.
つまり、「医学的・科学的検査。予期・期待されていることの兆候を示している」。
例文は、「もし彼がステロイドの検査で陽性と出れば、彼は10試合、出場停止になるだろう」。
come out/up positive の例文は、「フィービーの妊娠検査は、陽性という結果が出た」。
、、、え? フィービー?! このロングマンの例文の主語、Phoebe になってる!!
まぁ、フィービーと言っても、フィービー・ケイツ(Phoebe Cates)という女優さんもいましたし、別にフレンズのフィービーをイメージしたとは限らないのですが、、、
フレンズ4-12その6 では、フィービーは、自分の弟フランクのために代理母になっていて、実際に妊娠検査薬でチェックするシーンが出て来ます。
その時には、positive という言葉は使われてはおらず、
フィービー: You guys! You guys! You're gonna have a baby. They're gonna have a baby! ([フランクとアリスに]あなたたち! あなたたち! あなたたちに赤ちゃんができるわ。[フレンズたちに]彼らに赤ちゃんができるのよ!)
というセリフで、妊娠検査薬が陽性と出たことがわかる仕組みになっていたのですが、この時の状況を文章で表現すると、まさにこのロングマンの例文の、
Phoebe's pregnancy test came out positive.
ということなので、フレンズファンには嬉しい例文だと思い、こちらで紹介させていただきました。
LAAD の編纂者の中に、フレンズファンがいたんですよ、きっと^^
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2013年09月17日
何をそんなに大騒ぎしてるんだか フレンズ7-23その5
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明日は結婚式だというのに姿を消したチャンドラーを探しに、コーヒーハウスのセントラルパークに来たロス。
ガンターもチャンドラーを見ていないというのでがっくりしているロスですが、店内に自分の両親がいるのを見てびっくり。
こんなところで何してるの?と両親に尋ねると、
ゲラーパパ: Well, you kids talk about this place so much, we thought we'd see what the fuss is all about. (お前らがこの場所のことをよく話してて、何をそんなに大騒ぎしてるのかがわかるかな、と思ったんでね。)
ゲラーママ: I certainly see why the girls like coming here. (なぜ女子たちがここに来るのが好きか、私はよくわかるわ。)
ロス: Why?! (なぜ?)
ゲラーママ: The sexy blond behind the counter. (She waves at Gunther who waves back.) (カウンターの後ろのあのセクシーなブロンドでしょ。[ママはガンターに手を振る。ガンターは手を振り返す])
ロス: (shocked) Gunther?! ([ショックを受けた様子で] ガンター?!)
ゲラーパパ: Your mother just added him to her list. (母さんは彼を自分のリストに加えたところだよ。)
ロス: What? Your-your list? (何だって? ママのリスト?)
ゲラーママ: Yeah, the list that-of people we're allowed to sleep-- (そうよ、リストよ、寝てもいい人の…)
ロス: Yes! No-no! I know, I know what the list is! (ああ! わかってる、そのリストが何かはわかってるよ!)
パパ: Come on, sit down. Have a cup of joe. (こっちに来て、座りなさい。コーヒーを1杯どうだい。)
ロス: No, I-- Dad. I, I, I can't. I'm sorry. Look, if you see Chandler, could you just let him know I'm looking for him? (いや、僕は… パパ、僕は飲めないよ。ごめん。ねぇ、もしパパがチャンドラーを見たら、僕が彼を探してるって彼に知らせてくれるかな?)
ゲラーパパ: And if you see Rita Moreno, let her know I'm looking for her. (それで、もしロスがリタ・モレノを見たら、私が彼女を探してるって彼女に知らせてくれ。)
(Ross points at him and exits.)
ロスは(「それ、面白いね」というように)パパを指差して、店を出る。
you kids talk about this place so much の you kids は、パパにとって子供に当たるロスとその友人たち、というニュアンスの「お前ら子供たちが」という感覚ですね。
子世代のお前たちがこの場所・この店の話をよくしてるから、私たちはこう思ったんだよ、みたいに言葉を続けています。
どう思ったか、の内容が、we'd see what the fuss is all about で、we'd は we would 、つまり、もしここに来たら、…がわかるだろうと思って、と言っていることになります。
fuss は「大騒ぎ、から騒ぎ、無用な騒ぎ」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
fuss :
1. [singular, uncountable] attention or excitement that makes something seem more serious or important than it is
つまり、「何かが、本来の姿よりも、より深刻に、またはより重要に見えるようにする留意、または興奮」。
そして、今回のセリフとよく似たフレーズが、ロングマンに載っていました。
4. not see/understand etc. what all the fuss was about : used to say that you do not understand why people are so excited about or interested in something
例) Until I heard her sing live, I didn't see what all the fuss was about.
つまり、not see/understand etc. what all the fuss was about とは、「どうして人が何かにそんなに興奮する、またはそんなに興味を持っているかがわからないと言う時に使われる」。例文は、「彼女がライブで歌うのを聞くまでは、何をそんなに大騒ぎしているのか[興奮しているのか]が私にはわからなかった」。
これはいわゆる、not until の構文で、until が前に出ているパターンですね。
つまりは、「彼女が実際に生で・ライブで歌うのを聞いて初めて、私はどうしてみんなが(彼女の歌に)大騒ぎしているのかがわかった」という意味です。
この not see/understand etc. what all the fuss was about を直訳すると、「その大騒ぎ全ては何についてであったかがわからない」ということで、自然な日本語で言うと、「みんなは一体何をそんなに大騒ぎしてるの? 私には全然わからないんだけど」みたいなことを言っていることになります。
このように、ロングマンでは「みんなが何を大騒ぎしてるのか私にはわからない」という否定フレーズとして紹介されているわけですが、その肯定バージョンが今回のパパのセリフになるのですね。
「お前らがよくこの店の話をしてて、何でそんなに大騒ぎしてるのか、この店の何がそんなに魅力的なのかがわかるかな、と思って来てみたんだよ」ということです。
その後、ママも「女子たちがここに来るのが好きな理由がはっきりわかったわ」みたいに言っています。
あえて girls のように女性陣に絞ったのがポイントで、ロスも不思議に思い、理由を尋ねます。
The sexy blond behind the counter. は「カウンターの後ろにいるあのセクシーなブロンド(男性)」。
ト書きにあるようにそれはあのガンターのことなのですが、あの白髪または銀髪のように見えるあの髪の色も、blond って言うのかぁ〜と私はそこに感心してしまいました^^ あれは「プラチナ・ブロンド」に該当するのでしょうかね?
ガンターのことをセクシーなブロンド男性のように呼んだ上に、嬉しそうに手を振っている自分のママを見て、ロスは驚きの声を上げています。
パパは、「ママはたった今、彼をママのリストに加えたところだよ」と言います。
「何? ママのリストだって?」と聞き返したロスに、ママは「寝ることを許されている人々のリストのことよ」みたいに答えるのですが、ロスは「そのリストが何かってことはよーくわかってるよ!」と怒っています。
ロスは驚いて、Your list? と叫んだだけで、わざわざそんなにはっきり言ってもらわなくても、リストの意味はわかってるよ、と言いたいわけです。
このリストは、フレンズ3-5その5 に出てきた、"freebie" list のことですね。
チャンドラーが当時の恋人ジャニスと取り決めをしたもので、チャンドラー自身の説明では、以下のように語られていました。
チャンドラー: Well, we have a deal, where we each pick five celebrities that we could sleep with, and the other one can't get mad. (あぁ、僕らは取り決めをしてるんだ。その取り決めでは自分が寝ることのできる5人のセレブ[有名人]をそれぞれ選んで、相手はそれで腹を立ててはいけない、っていうことになってる。)
それを聞いて、チャンドラー以外のフレンズメンバーたちもそれぞれ5人のリストを作る、という話だったのですが、そのリストをロスの両親たちも作ってたんかい!という面白さもあるわけです。
ロスが怒っているのを見て、「まぁまぁ、せっかくだからロスもここに座ってコーヒーでも飲んで行きなさい」みたいに誘うパパ。
joe はアメリカの俗語で「コーヒー」という意味。
明日は結婚式だと言うのに行方不明になってしまったチャンドラーを探しているロスは、お茶なんかしてる時間はない、という感じで断るのですが、パパに「娘のモニカの結婚相手であるチャンドラーが逃げ出したんだ」とも言えず、ただ、「チャンドラーを見かけたら、僕が探しているって彼に伝えてくれる?」みたいに言います。
それを聞いたパパは、ロスが使ったのと同じフレーズを使って、「それじゃあ、お前がリタ・モレノを見かけたら、私が探してるって伝えてくれ」みたいなジョークで返しています。
リタ・モレノは、プエルトリコ出身の女優。
以下のウィキペディアの説明がわかりやすいので引用します。
Wikipedia 日本語版: リタ・モレノ
『ウエスト・サイド物語』でアカデミー助演女優賞及びゴールデングローブ賞 助演女優賞を受賞した。彼女はアカデミー賞、トニー賞、グラミー賞、エミー賞を受賞した女優としてギネスブックにも載っている。
結婚式の前日ですし、普通なら、「チャンドラーを探してるって、何かあったのか?」みたいに尋ねても良さそうなものですが、有名女優の名前を出したジョークで一人ご満悦の様子のパパを見ると、まさかそんな深刻な事態になっているとは夢にも思っていないことがよくわかりますね。
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明日は結婚式だというのに姿を消したチャンドラーを探しに、コーヒーハウスのセントラルパークに来たロス。
ガンターもチャンドラーを見ていないというのでがっくりしているロスですが、店内に自分の両親がいるのを見てびっくり。
こんなところで何してるの?と両親に尋ねると、
ゲラーパパ: Well, you kids talk about this place so much, we thought we'd see what the fuss is all about. (お前らがこの場所のことをよく話してて、何をそんなに大騒ぎしてるのかがわかるかな、と思ったんでね。)
ゲラーママ: I certainly see why the girls like coming here. (なぜ女子たちがここに来るのが好きか、私はよくわかるわ。)
ロス: Why?! (なぜ?)
ゲラーママ: The sexy blond behind the counter. (She waves at Gunther who waves back.) (カウンターの後ろのあのセクシーなブロンドでしょ。[ママはガンターに手を振る。ガンターは手を振り返す])
ロス: (shocked) Gunther?! ([ショックを受けた様子で] ガンター?!)
ゲラーパパ: Your mother just added him to her list. (母さんは彼を自分のリストに加えたところだよ。)
ロス: What? Your-your list? (何だって? ママのリスト?)
ゲラーママ: Yeah, the list that-of people we're allowed to sleep-- (そうよ、リストよ、寝てもいい人の…)
ロス: Yes! No-no! I know, I know what the list is! (ああ! わかってる、そのリストが何かはわかってるよ!)
パパ: Come on, sit down. Have a cup of joe. (こっちに来て、座りなさい。コーヒーを1杯どうだい。)
ロス: No, I-- Dad. I, I, I can't. I'm sorry. Look, if you see Chandler, could you just let him know I'm looking for him? (いや、僕は… パパ、僕は飲めないよ。ごめん。ねぇ、もしパパがチャンドラーを見たら、僕が彼を探してるって彼に知らせてくれるかな?)
ゲラーパパ: And if you see Rita Moreno, let her know I'm looking for her. (それで、もしロスがリタ・モレノを見たら、私が彼女を探してるって彼女に知らせてくれ。)
(Ross points at him and exits.)
ロスは(「それ、面白いね」というように)パパを指差して、店を出る。
you kids talk about this place so much の you kids は、パパにとって子供に当たるロスとその友人たち、というニュアンスの「お前ら子供たちが」という感覚ですね。
子世代のお前たちがこの場所・この店の話をよくしてるから、私たちはこう思ったんだよ、みたいに言葉を続けています。
どう思ったか、の内容が、we'd see what the fuss is all about で、we'd は we would 、つまり、もしここに来たら、…がわかるだろうと思って、と言っていることになります。
fuss は「大騒ぎ、から騒ぎ、無用な騒ぎ」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
fuss :
1. [singular, uncountable] attention or excitement that makes something seem more serious or important than it is
つまり、「何かが、本来の姿よりも、より深刻に、またはより重要に見えるようにする留意、または興奮」。
そして、今回のセリフとよく似たフレーズが、ロングマンに載っていました。
4. not see/understand etc. what all the fuss was about : used to say that you do not understand why people are so excited about or interested in something
例) Until I heard her sing live, I didn't see what all the fuss was about.
つまり、not see/understand etc. what all the fuss was about とは、「どうして人が何かにそんなに興奮する、またはそんなに興味を持っているかがわからないと言う時に使われる」。例文は、「彼女がライブで歌うのを聞くまでは、何をそんなに大騒ぎしているのか[興奮しているのか]が私にはわからなかった」。
これはいわゆる、not until の構文で、until が前に出ているパターンですね。
つまりは、「彼女が実際に生で・ライブで歌うのを聞いて初めて、私はどうしてみんなが(彼女の歌に)大騒ぎしているのかがわかった」という意味です。
この not see/understand etc. what all the fuss was about を直訳すると、「その大騒ぎ全ては何についてであったかがわからない」ということで、自然な日本語で言うと、「みんなは一体何をそんなに大騒ぎしてるの? 私には全然わからないんだけど」みたいなことを言っていることになります。
このように、ロングマンでは「みんなが何を大騒ぎしてるのか私にはわからない」という否定フレーズとして紹介されているわけですが、その肯定バージョンが今回のパパのセリフになるのですね。
「お前らがよくこの店の話をしてて、何でそんなに大騒ぎしてるのか、この店の何がそんなに魅力的なのかがわかるかな、と思って来てみたんだよ」ということです。
その後、ママも「女子たちがここに来るのが好きな理由がはっきりわかったわ」みたいに言っています。
あえて girls のように女性陣に絞ったのがポイントで、ロスも不思議に思い、理由を尋ねます。
The sexy blond behind the counter. は「カウンターの後ろにいるあのセクシーなブロンド(男性)」。
ト書きにあるようにそれはあのガンターのことなのですが、あの白髪または銀髪のように見えるあの髪の色も、blond って言うのかぁ〜と私はそこに感心してしまいました^^ あれは「プラチナ・ブロンド」に該当するのでしょうかね?
ガンターのことをセクシーなブロンド男性のように呼んだ上に、嬉しそうに手を振っている自分のママを見て、ロスは驚きの声を上げています。
パパは、「ママはたった今、彼をママのリストに加えたところだよ」と言います。
「何? ママのリストだって?」と聞き返したロスに、ママは「寝ることを許されている人々のリストのことよ」みたいに答えるのですが、ロスは「そのリストが何かってことはよーくわかってるよ!」と怒っています。
ロスは驚いて、Your list? と叫んだだけで、わざわざそんなにはっきり言ってもらわなくても、リストの意味はわかってるよ、と言いたいわけです。
このリストは、フレンズ3-5その5 に出てきた、"freebie" list のことですね。
チャンドラーが当時の恋人ジャニスと取り決めをしたもので、チャンドラー自身の説明では、以下のように語られていました。
チャンドラー: Well, we have a deal, where we each pick five celebrities that we could sleep with, and the other one can't get mad. (あぁ、僕らは取り決めをしてるんだ。その取り決めでは自分が寝ることのできる5人のセレブ[有名人]をそれぞれ選んで、相手はそれで腹を立ててはいけない、っていうことになってる。)
それを聞いて、チャンドラー以外のフレンズメンバーたちもそれぞれ5人のリストを作る、という話だったのですが、そのリストをロスの両親たちも作ってたんかい!という面白さもあるわけです。
ロスが怒っているのを見て、「まぁまぁ、せっかくだからロスもここに座ってコーヒーでも飲んで行きなさい」みたいに誘うパパ。
joe はアメリカの俗語で「コーヒー」という意味。
明日は結婚式だと言うのに行方不明になってしまったチャンドラーを探しているロスは、お茶なんかしてる時間はない、という感じで断るのですが、パパに「娘のモニカの結婚相手であるチャンドラーが逃げ出したんだ」とも言えず、ただ、「チャンドラーを見かけたら、僕が探しているって彼に伝えてくれる?」みたいに言います。
それを聞いたパパは、ロスが使ったのと同じフレーズを使って、「それじゃあ、お前がリタ・モレノを見かけたら、私が探してるって伝えてくれ」みたいなジョークで返しています。
リタ・モレノは、プエルトリコ出身の女優。
以下のウィキペディアの説明がわかりやすいので引用します。
Wikipedia 日本語版: リタ・モレノ
『ウエスト・サイド物語』でアカデミー助演女優賞及びゴールデングローブ賞 助演女優賞を受賞した。彼女はアカデミー賞、トニー賞、グラミー賞、エミー賞を受賞した女優としてギネスブックにも載っている。
結婚式の前日ですし、普通なら、「チャンドラーを探してるって、何かあったのか?」みたいに尋ねても良さそうなものですが、有名女優の名前を出したジョークで一人ご満悦の様子のパパを見ると、まさかそんな深刻な事態になっているとは夢にも思っていないことがよくわかりますね。
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2013年09月12日
絶対に彼女に知られないように フレンズ7-23その4
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結婚式の前日のリハーサルディナーの席で、何度も「ビング夫妻」という言葉を聞いたチャンドラーは、以前の「コミットメント恐怖症、結婚恐怖症」が出てきてしまいます。
ジョーイの部屋にやってきたロスは、カウンターの上にチャンドラーの置き手紙を発見し、驚きの声を上げます。
ロスが、レイチェルとフィービーに、"Tell Monica I'm sorry." と書かれた手紙を見せた後のシーン。
[Scene: The Hallway, Ross, Phoebe, and Rachel are discussing the note.]
廊下。ロス、フィービー、レイチェルがその手紙について話し合っているところ。
フィービー: Oh, my God! Chandler just left, though? (なんてこと! でも、チャンドラーはただ去ったわけ?)
レイチェル: Yeah but, maybe it's not what we think. Maybe it's "Tell Monica I'm sorry I... drank the last of the milk." (えぇ、でも、多分、私たちが考えるのとは違うわ。多分、それは「モニカにごめんって言って。俺…最後の牛乳飲んじゃった」なのよ。)
フィービー: Or maybe he-he was writing to tell her that-that he's changed his name, y'know? "Tell Monica, I'm Sorry." (または、多分、彼はモニカにこう言うつもりで書いてたのよ。彼は自分の名前を変えた、って。でしょ? 「モニカに言って。僕はソーリーだよ」。)
ロス: I think it means he freaked out and left! (チャンドラーがパニクって去ったってことだと僕は思うよ!)
フィービー: Don't be so negative! Good God! Isn't it possible that "Sorry" is sitting in there (Joey and Rachel's apartment) right now?! (そんなにネガティブにならないでよ! なんてこと! 「ソーリー」がそこに[ジョーイとレイチェルの部屋に]まさに今、座ってるって可能性はないの?)
レイチェル: Okay. Phoebe, I-I think Ross is right. What are we gonna do? (いいわ、フィービー。私はロスが正しいと思う。私たちはどうすればいい?)
ロス: Look-Okay, I'm just gonna- I'm gonna have to go find him and bring him back! Okay? You-you make sure Monica does not find out, okay? (ねぇ、いいかい、僕はただ…僕は彼を見つけて連れて戻らないといけないことになる! いいか? 君らは、モニカが絶対にそのことに気づかないように[絶対にモニカに知られないように]してくれよ。いいね?)
チャンドラーが残した手紙 "Tell Monica I'm sorry." を見て、フレンズたちが話し合っています。
チャンドラーは理由も言わずに、こんなメモだけを残して、ただ去ったわけ?みたいに言うフィービーに対して、レイチェルは、「多分、私たちが思うのとは違う」みたいに答えます。
その後、チャンドラーが書いた、"Tell Monica I'm sorry." っていうのは、多分、こういうことよ、というように、it's ... で言い換えるように説明していますね。
it's 以下は、"Tell Monica I'm sorry I... drank the last of the milk." となっていて、「モニカに、ごめん、って言って」というごめんの内容が、みんなが想像するような、結婚するのが怖くなって俺は逃げ出すんだ、ごめん、ということではなく、「最後のミルクを俺が飲んじゃってごめん」とか、そういう深刻ではない何かを謝っているだけよ、と希望的観測を述べているのですね。
「残ってた最後のミルクを飲んじゃってごめん」とか、そういう軽い謝罪の話で、結婚をやめるとかの深刻な話じゃないわ、と言って、何とか最悪の事態は避けたい気持ちを出しているレイチェル。
その話に続いて、フィービーが、さらにありえない無理な話で、「それは実はこういう意味なんじゃないの?」と話を引っ張ろうとするところが、コメディーっぽいところと言えるでしょう。
he was writing to tell her that... は「チャンドラーはモニカに that 以下のことを言うためにそれを書いていたのよ」という感覚。
その内容は「彼は自分の名前を変えたのよ」で、その後、その説明として、「モニカに言って。俺はソーリーだ」って、と付け加えています。
英語字幕で Sorry のように大文字になっていたことからもわかるように、Sorry というのを人物の名前として扱っているわけですね。
I'm sorry. というのは「ごめんなさい」を表す言葉ですが、チャンドラーはモニカに謝ったわけじゃなくて、I am Sorry. すなわち、これまでは、I'm Chanlder. だったのが、ついさっき改名して、I'm Sorry. になったんだよ、みたいな、かなり無理のある(笑)説明を無理やりしていることになります。
コメディーにしても、あまりにもベタ過ぎるフィービーの解釈に、ロスは「僕はやっぱり、その言葉の意味は、チャンドラーがパニクって、立ち去ったんだと思う」と話を軌道修正しようとします。
それでもまだ食い下がるフィービーが、まぁ、フィービーっぽいと言えばぽい、ですね。
Don't be so negative! は直訳通り、「そんなにネガティブにならないで!」。
どうして何でもかんでも悪い方、悪い方に取るの? もっと前向きに、ポジティブに考えたらどうなのよ?という怒りの言葉になります。
「ネガティブにならないで」というのは日本語でも使う言い回しなので、英語で聞いてもピンと来た方は多かったかもしれませんね。
こういうポジティブな考え方はできないの?みたいに言いたいフィービーが次に言ったことは、「Sorry がそこの隣の部屋に、ちょうど今、座っているって可能性はないわけ?」。
フィービーはまだ、「チャンドラーがソーリーに改名した」説を譲る気がなく、そのネタでまだ頑張ろうとしているわけです。
「まだ、それを言うか?」というしつこさに対する面白さですね。
レイチェルまでもが、ロスに賛成し、「やっぱりロスの言う通りよ。チャンドラーは逃げ出したのよ」と認めます。
どうしたらいい?と言うレイチェルに、ロスは「僕は彼を見つけて連れ戻さないといけないことになるだろうね」と言い、その後、You make sure Monica does not find out, okay? と言います。
この make sure というフレーズは、人に何かを指示する、念押しする時によく使われる便利な表現なので、是非使いこなせるようになりたいところ。
私がこれまで見た他の作品の中では、「24 -TWENTY FOUR-」によく出てきたなぁ、というイメージがあります。
イメージしやすいセリフをいくつか挙げてみると、、、
Make sure he does not die. 「死なない程度に(痛めつけろ)」(いかにも 24 チックなセリフですね)
Make sure nothing can connect you to... 「〜に繋がる証拠はすべて抹消しなさい」
Make sure he has all the resources he needs. 「全面的に支援しろ」
などなど。
Make sure+文、の形で、「文の内容が sure (確か、確実)になるようにしろ」というニュアンスになるわけです。
自然な日本語にしようとすると、文の内容が肯定文の場合は「必ず A が B するようにしろ」、文の内容が否定文の場合は「絶対に A が B しないようにしろ」のようになるでしょうか。
A が B するように、もしくは、A が B しないように、ということを確実に実行しろ、のようなニュアンスなので、「24」のようなドラマのセリフに頻出することになるわけです。
会話をしている相手に対して「お前は〜しろ」「お前は〜するな」と言いたい場合は、命令文、または否定の命令文(Don't 〜)を使えばいいわけですが、「 A が 〜するように(or 〜しないように)」と命じたい場合には、この make sure を使えばいい、ということです。
ということで、上のセリフも、「チャンドラーが逃げ出したことを、絶対にモニカが find out 「気づく、知ってしまう」ことがないようにしてくれよ」と念押ししているニュアンスになるわけですね。
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結婚式の前日のリハーサルディナーの席で、何度も「ビング夫妻」という言葉を聞いたチャンドラーは、以前の「コミットメント恐怖症、結婚恐怖症」が出てきてしまいます。
ジョーイの部屋にやってきたロスは、カウンターの上にチャンドラーの置き手紙を発見し、驚きの声を上げます。
ロスが、レイチェルとフィービーに、"Tell Monica I'm sorry." と書かれた手紙を見せた後のシーン。
[Scene: The Hallway, Ross, Phoebe, and Rachel are discussing the note.]
廊下。ロス、フィービー、レイチェルがその手紙について話し合っているところ。
フィービー: Oh, my God! Chandler just left, though? (なんてこと! でも、チャンドラーはただ去ったわけ?)
レイチェル: Yeah but, maybe it's not what we think. Maybe it's "Tell Monica I'm sorry I... drank the last of the milk." (えぇ、でも、多分、私たちが考えるのとは違うわ。多分、それは「モニカにごめんって言って。俺…最後の牛乳飲んじゃった」なのよ。)
フィービー: Or maybe he-he was writing to tell her that-that he's changed his name, y'know? "Tell Monica, I'm Sorry." (または、多分、彼はモニカにこう言うつもりで書いてたのよ。彼は自分の名前を変えた、って。でしょ? 「モニカに言って。僕はソーリーだよ」。)
ロス: I think it means he freaked out and left! (チャンドラーがパニクって去ったってことだと僕は思うよ!)
フィービー: Don't be so negative! Good God! Isn't it possible that "Sorry" is sitting in there (Joey and Rachel's apartment) right now?! (そんなにネガティブにならないでよ! なんてこと! 「ソーリー」がそこに[ジョーイとレイチェルの部屋に]まさに今、座ってるって可能性はないの?)
レイチェル: Okay. Phoebe, I-I think Ross is right. What are we gonna do? (いいわ、フィービー。私はロスが正しいと思う。私たちはどうすればいい?)
ロス: Look-Okay, I'm just gonna- I'm gonna have to go find him and bring him back! Okay? You-you make sure Monica does not find out, okay? (ねぇ、いいかい、僕はただ…僕は彼を見つけて連れて戻らないといけないことになる! いいか? 君らは、モニカが絶対にそのことに気づかないように[絶対にモニカに知られないように]してくれよ。いいね?)
チャンドラーが残した手紙 "Tell Monica I'm sorry." を見て、フレンズたちが話し合っています。
チャンドラーは理由も言わずに、こんなメモだけを残して、ただ去ったわけ?みたいに言うフィービーに対して、レイチェルは、「多分、私たちが思うのとは違う」みたいに答えます。
その後、チャンドラーが書いた、"Tell Monica I'm sorry." っていうのは、多分、こういうことよ、というように、it's ... で言い換えるように説明していますね。
it's 以下は、"Tell Monica I'm sorry I... drank the last of the milk." となっていて、「モニカに、ごめん、って言って」というごめんの内容が、みんなが想像するような、結婚するのが怖くなって俺は逃げ出すんだ、ごめん、ということではなく、「最後のミルクを俺が飲んじゃってごめん」とか、そういう深刻ではない何かを謝っているだけよ、と希望的観測を述べているのですね。
「残ってた最後のミルクを飲んじゃってごめん」とか、そういう軽い謝罪の話で、結婚をやめるとかの深刻な話じゃないわ、と言って、何とか最悪の事態は避けたい気持ちを出しているレイチェル。
その話に続いて、フィービーが、さらにありえない無理な話で、「それは実はこういう意味なんじゃないの?」と話を引っ張ろうとするところが、コメディーっぽいところと言えるでしょう。
he was writing to tell her that... は「チャンドラーはモニカに that 以下のことを言うためにそれを書いていたのよ」という感覚。
その内容は「彼は自分の名前を変えたのよ」で、その後、その説明として、「モニカに言って。俺はソーリーだ」って、と付け加えています。
英語字幕で Sorry のように大文字になっていたことからもわかるように、Sorry というのを人物の名前として扱っているわけですね。
I'm sorry. というのは「ごめんなさい」を表す言葉ですが、チャンドラーはモニカに謝ったわけじゃなくて、I am Sorry. すなわち、これまでは、I'm Chanlder. だったのが、ついさっき改名して、I'm Sorry. になったんだよ、みたいな、かなり無理のある(笑)説明を無理やりしていることになります。
コメディーにしても、あまりにもベタ過ぎるフィービーの解釈に、ロスは「僕はやっぱり、その言葉の意味は、チャンドラーがパニクって、立ち去ったんだと思う」と話を軌道修正しようとします。
それでもまだ食い下がるフィービーが、まぁ、フィービーっぽいと言えばぽい、ですね。
Don't be so negative! は直訳通り、「そんなにネガティブにならないで!」。
どうして何でもかんでも悪い方、悪い方に取るの? もっと前向きに、ポジティブに考えたらどうなのよ?という怒りの言葉になります。
「ネガティブにならないで」というのは日本語でも使う言い回しなので、英語で聞いてもピンと来た方は多かったかもしれませんね。
こういうポジティブな考え方はできないの?みたいに言いたいフィービーが次に言ったことは、「Sorry がそこの隣の部屋に、ちょうど今、座っているって可能性はないわけ?」。
フィービーはまだ、「チャンドラーがソーリーに改名した」説を譲る気がなく、そのネタでまだ頑張ろうとしているわけです。
「まだ、それを言うか?」というしつこさに対する面白さですね。
レイチェルまでもが、ロスに賛成し、「やっぱりロスの言う通りよ。チャンドラーは逃げ出したのよ」と認めます。
どうしたらいい?と言うレイチェルに、ロスは「僕は彼を見つけて連れ戻さないといけないことになるだろうね」と言い、その後、You make sure Monica does not find out, okay? と言います。
この make sure というフレーズは、人に何かを指示する、念押しする時によく使われる便利な表現なので、是非使いこなせるようになりたいところ。
私がこれまで見た他の作品の中では、「24 -TWENTY FOUR-」によく出てきたなぁ、というイメージがあります。
イメージしやすいセリフをいくつか挙げてみると、、、
Make sure he does not die. 「死なない程度に(痛めつけろ)」(いかにも 24 チックなセリフですね)
Make sure nothing can connect you to... 「〜に繋がる証拠はすべて抹消しなさい」
Make sure he has all the resources he needs. 「全面的に支援しろ」
などなど。
Make sure+文、の形で、「文の内容が sure (確か、確実)になるようにしろ」というニュアンスになるわけです。
自然な日本語にしようとすると、文の内容が肯定文の場合は「必ず A が B するようにしろ」、文の内容が否定文の場合は「絶対に A が B しないようにしろ」のようになるでしょうか。
A が B するように、もしくは、A が B しないように、ということを確実に実行しろ、のようなニュアンスなので、「24」のようなドラマのセリフに頻出することになるわけです。
会話をしている相手に対して「お前は〜しろ」「お前は〜するな」と言いたい場合は、命令文、または否定の命令文(Don't 〜)を使えばいいわけですが、「 A が 〜するように(or 〜しないように)」と命じたい場合には、この make sure を使えばいい、ということです。
ということで、上のセリフも、「チャンドラーが逃げ出したことを、絶対にモニカが find out 「気づく、知ってしまう」ことがないようにしてくれよ」と念押ししているニュアンスになるわけですね。
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2013年09月09日
こんな日が来るとは思わなかった フレンズ7-23その3
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明日は結婚式、というリハーサルディナーの会場で。
ロス: (walks up) Wow, Monica! Hey, just so you know, I had my uh, older-brother talk with Chandler. ([歩いて近づいて来て] わぉ、モニカ! ねぇ、ほら、僕はチャンドラーに「兄としての話」をしたんだよ。)
モニカ: What is that? (それって何?)
ロス: Well I... I told him that if he ever hurt you I would hunt him down and kick his ass! (The girls all laugh.) What?! What?! What is the matter with everybody?! I am serious! I would kick his ass! (The laugh harder.) (えーっと、僕はチャンドラーに言ったんだよ。もしチャンドラーがモニカを傷つけたりしたら、僕は彼を追いかけて、彼の尻を蹴り上げる、って! [女性陣はみんな笑う] 何? 何? みんなどうしたんだよ? 僕は真剣なんだぞ! (もしそんなことになったら)僕はチャンドラーの尻を蹴り上げるんだ! [笑いはより激しくなる])
フィービー: Ross, please! My make-up! (He walks away angrily.) (ロス、お願いよ! 私のお化粧が! [ロスは怒って歩き去る])
Chanlder's Mom enters and Chandler meets her by the door.
チャンドラーのママ(Mrs. Bing、ノーラ・ビング)が入ってくる。チャンドラーはドアのそばで彼女と出会う。
チャンドラー: Hi. (はーい。)
ミセス・ビング: Chandler! (チャンドラー!)
チャンドラー: Mom. Thanks for wearing... something. (They hug.) (She's wearing a tight dress with a lot of cleavage showing.) (ママ。ありがとう…何かを着ててくれて。[二人はハグする] [ママは大きく胸の谷間を見せたタイトドレスを着ている])
ミセス・ビング: Oh, honey! This is so exciting! I thought we screwed you up so bad this day would never come. Oh and just think. Soon there'll be lots of little Bings. (He freaks out and loosens the tie again.) (あぁ、ハニー! これってすっごくエキサイティングよね! 私、思ってたのよ。私たちがあなたに対してひどいことをしちゃったから、この日は決して来ないだろう、って。あぁ、そしてちょっと考えてみてよ。もうすぐたくさんの小さなビングちゃんたちができるのよ。[チャンドラーはパニクって、またネクタイをゆるめる])
ロスは妹モニカを見つけて、「チャンドラーと older-brother talk をしてきた」と言っています。
英語では、兄、弟、のように年上か年下かをあまり明確にすることがなく、通常は、brother 「男の兄弟(兄または弟)」のように表現することが多いですが、特に「年上の兄」であることを言いたい場合は、このように、older brother と表現しますね。
「兄として、妹との夫となる彼と話をしてきた」みたいなことですが、それがちょっと漠然としているので、モニカは「それって何のこと?」みたいに問い返しています。
ロスは「チャンドラーがお前(モニカ)を傷つけるようなことがあれば、僕は彼の尻を蹴飛ばすよ、蹴り上げるぞ、って彼に言ったんだ」と得意気に説明するのですが、モニカを含め、そこにいたフレンズ女性陣たちはそれを聞いて大笑い。
「僕は大真面目で言ってるんだ!」と言った後、I would kick his ass! と言っていますが、この would は、さきほどの if he ever hurt you I would... と同じ感覚ですね。
もしそんなことが起きたら、僕はそうするよ、というニュアンスの would になります。
フィービーが涙を流さんばかりに大笑いしながら、"Ross, please! My make-up!" というのが面白いですね。
please! は「どうか、お願いだから」で、この場合は「頼むから、あんまり笑わせないで。笑って涙が出ちゃいそうなこと言わないで」と言っているニュアンス。
My make-up! は「私のお化粧が!」という感覚で、「そんなに笑わせたら、せっかくのお化粧が崩れちゃうじゃない」みたいに言っていることになります。
ロスが怒って立ち去った後、チャンドラーは自分のママとドアのところで顔を合わせます。
Thanks for wearing... something. というチャンドラーのセリフが楽しいです。
ト書きにあるように、ママ(ノーラ・ビング)は、胸の谷間を大きくみせたタイトなドレスを着ているのですが、その露出度の高過ぎるドレスを見た息子チャンドラーは、その服のことを何か言おうとして、「(とりあえず)何かを着ててくれてありがとう」みたいに言ったことになります。
露出度は高いけど、せめて裸じゃなくて助かったよ、みたいなことをそのセリフに込めているわけですね。
ト書きの cleavage は「女性の胸の谷間」のことで、動詞 cleave は「裂く、割る、分裂する」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cleavage : the space between a woman's breasts
つまり、「女性の両胸の間の空間」。
チャンドラーのママは This is so exciting! と言って、今回のチャンドラーの結婚のことを嬉しそうに話しています。
screw up は「〜をダメにする、めちゃめちゃにする、台無しにする」というニュアンス。
we screwed you up so bad の we は、チャンドラーの母親である自分(ノーラ)と、父親であるチャールズ(ベガスのショーでの芸名はヘレナ・ハンドバスケット)のこと。
自分たち(元)夫婦が、チャンドラーの両親として親らしいことをしてあげられなかった、めちゃくちゃな親だったせいで、あなたにひどい思いをさせたことを、we screwed you up so bad と表現していることになります。
あなたには結婚のひどい部分を見せちゃったから、あなたが誰かと結婚するような、今日という日が来るとは思ってなかったわ、みたいなことですね。
結婚式を迎えることを言った後、"Soon there'll be lots of little Bings." とも言っています。
lots of little Bings は「小さなビングさんたちがたくさん」みたいな感覚で、つまりは、「あなたたちが結婚したら、今度は、ビング姓を持つ子供が何人も生まれることなるのね」と言っていることになります。
今回のエピソードでは、乾杯の掛け声として、"To the Bings!" というのも出てきましたが、この場合は「ビング夫妻に!」というニュアンスですね。
the Bings のように「the+名字の複数形」で、その名字の人複数を指すことになります。
状況によって、「ビング家」「ビング夫妻」「ビング兄弟」「ビング家の子供たち」のような日本語に訳し分けることになりますが、とりあえず「ビングという名字の人を複数指す」場合は、the Bings と表現しておけばそれでオッケーということです。
loosen the tie は文字通り「ネクタイをゆるめる」。
これまでのエピソードでは、「かつては、特定の人との真剣な恋愛関係が苦手、という commitment 恐怖症だったチャンドラーが、モニカとの結婚を決意した」という部分が描かれていましたが、今回のエピソードでは、明日結婚式だ、という今になって、急に「ビング夫妻」と呼ばれることに恐怖を抱くようになってしまったチャンドラーの姿が描写されています。
ここで「再びネクタイをゆるめる」のように again が使われているのも、それまでに何度か「ビング夫妻」と呼ばれパニクっていたチャンドラーが、今度は「小さなビングちゃんたち」という子供のことまで言われて「また」パニクってしまった、ということを表しているわけですね。
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ロス: (walks up) Wow, Monica! Hey, just so you know, I had my uh, older-brother talk with Chandler. ([歩いて近づいて来て] わぉ、モニカ! ねぇ、ほら、僕はチャンドラーに「兄としての話」をしたんだよ。)
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ロス: Well I... I told him that if he ever hurt you I would hunt him down and kick his ass! (The girls all laugh.) What?! What?! What is the matter with everybody?! I am serious! I would kick his ass! (The laugh harder.) (えーっと、僕はチャンドラーに言ったんだよ。もしチャンドラーがモニカを傷つけたりしたら、僕は彼を追いかけて、彼の尻を蹴り上げる、って! [女性陣はみんな笑う] 何? 何? みんなどうしたんだよ? 僕は真剣なんだぞ! (もしそんなことになったら)僕はチャンドラーの尻を蹴り上げるんだ! [笑いはより激しくなる])
フィービー: Ross, please! My make-up! (He walks away angrily.) (ロス、お願いよ! 私のお化粧が! [ロスは怒って歩き去る])
Chanlder's Mom enters and Chandler meets her by the door.
チャンドラーのママ(Mrs. Bing、ノーラ・ビング)が入ってくる。チャンドラーはドアのそばで彼女と出会う。
チャンドラー: Hi. (はーい。)
ミセス・ビング: Chandler! (チャンドラー!)
チャンドラー: Mom. Thanks for wearing... something. (They hug.) (She's wearing a tight dress with a lot of cleavage showing.) (ママ。ありがとう…何かを着ててくれて。[二人はハグする] [ママは大きく胸の谷間を見せたタイトドレスを着ている])
ミセス・ビング: Oh, honey! This is so exciting! I thought we screwed you up so bad this day would never come. Oh and just think. Soon there'll be lots of little Bings. (He freaks out and loosens the tie again.) (あぁ、ハニー! これってすっごくエキサイティングよね! 私、思ってたのよ。私たちがあなたに対してひどいことをしちゃったから、この日は決して来ないだろう、って。あぁ、そしてちょっと考えてみてよ。もうすぐたくさんの小さなビングちゃんたちができるのよ。[チャンドラーはパニクって、またネクタイをゆるめる])
ロスは妹モニカを見つけて、「チャンドラーと older-brother talk をしてきた」と言っています。
英語では、兄、弟、のように年上か年下かをあまり明確にすることがなく、通常は、brother 「男の兄弟(兄または弟)」のように表現することが多いですが、特に「年上の兄」であることを言いたい場合は、このように、older brother と表現しますね。
「兄として、妹との夫となる彼と話をしてきた」みたいなことですが、それがちょっと漠然としているので、モニカは「それって何のこと?」みたいに問い返しています。
ロスは「チャンドラーがお前(モニカ)を傷つけるようなことがあれば、僕は彼の尻を蹴飛ばすよ、蹴り上げるぞ、って彼に言ったんだ」と得意気に説明するのですが、モニカを含め、そこにいたフレンズ女性陣たちはそれを聞いて大笑い。
「僕は大真面目で言ってるんだ!」と言った後、I would kick his ass! と言っていますが、この would は、さきほどの if he ever hurt you I would... と同じ感覚ですね。
もしそんなことが起きたら、僕はそうするよ、というニュアンスの would になります。
フィービーが涙を流さんばかりに大笑いしながら、"Ross, please! My make-up!" というのが面白いですね。
please! は「どうか、お願いだから」で、この場合は「頼むから、あんまり笑わせないで。笑って涙が出ちゃいそうなこと言わないで」と言っているニュアンス。
My make-up! は「私のお化粧が!」という感覚で、「そんなに笑わせたら、せっかくのお化粧が崩れちゃうじゃない」みたいに言っていることになります。
ロスが怒って立ち去った後、チャンドラーは自分のママとドアのところで顔を合わせます。
Thanks for wearing... something. というチャンドラーのセリフが楽しいです。
ト書きにあるように、ママ(ノーラ・ビング)は、胸の谷間を大きくみせたタイトなドレスを着ているのですが、その露出度の高過ぎるドレスを見た息子チャンドラーは、その服のことを何か言おうとして、「(とりあえず)何かを着ててくれてありがとう」みたいに言ったことになります。
露出度は高いけど、せめて裸じゃなくて助かったよ、みたいなことをそのセリフに込めているわけですね。
ト書きの cleavage は「女性の胸の谷間」のことで、動詞 cleave は「裂く、割る、分裂する」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cleavage : the space between a woman's breasts
つまり、「女性の両胸の間の空間」。
チャンドラーのママは This is so exciting! と言って、今回のチャンドラーの結婚のことを嬉しそうに話しています。
screw up は「〜をダメにする、めちゃめちゃにする、台無しにする」というニュアンス。
we screwed you up so bad の we は、チャンドラーの母親である自分(ノーラ)と、父親であるチャールズ(ベガスのショーでの芸名はヘレナ・ハンドバスケット)のこと。
自分たち(元)夫婦が、チャンドラーの両親として親らしいことをしてあげられなかった、めちゃくちゃな親だったせいで、あなたにひどい思いをさせたことを、we screwed you up so bad と表現していることになります。
あなたには結婚のひどい部分を見せちゃったから、あなたが誰かと結婚するような、今日という日が来るとは思ってなかったわ、みたいなことですね。
結婚式を迎えることを言った後、"Soon there'll be lots of little Bings." とも言っています。
lots of little Bings は「小さなビングさんたちがたくさん」みたいな感覚で、つまりは、「あなたたちが結婚したら、今度は、ビング姓を持つ子供が何人も生まれることなるのね」と言っていることになります。
今回のエピソードでは、乾杯の掛け声として、"To the Bings!" というのも出てきましたが、この場合は「ビング夫妻に!」というニュアンスですね。
the Bings のように「the+名字の複数形」で、その名字の人複数を指すことになります。
状況によって、「ビング家」「ビング夫妻」「ビング兄弟」「ビング家の子供たち」のような日本語に訳し分けることになりますが、とりあえず「ビングという名字の人を複数指す」場合は、the Bings と表現しておけばそれでオッケーということです。
loosen the tie は文字通り「ネクタイをゆるめる」。
これまでのエピソードでは、「かつては、特定の人との真剣な恋愛関係が苦手、という commitment 恐怖症だったチャンドラーが、モニカとの結婚を決意した」という部分が描かれていましたが、今回のエピソードでは、明日結婚式だ、という今になって、急に「ビング夫妻」と呼ばれることに恐怖を抱くようになってしまったチャンドラーの姿が描写されています。
ここで「再びネクタイをゆるめる」のように again が使われているのも、それまでに何度か「ビング夫妻」と呼ばれパニクっていたチャンドラーが、今度は「小さなビングちゃんたち」という子供のことまで言われて「また」パニクってしまった、ということを表しているわけですね。
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2013年09月06日
持ってるものは見せびらかせよ フレンズ7-23その2
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[Scene: Monica and Chandler's, Monica is standing in the kitchen ready to leave for the rehearsal dinner.]
モニカとチャンドラーの家。モニカは、リハーサルディナーに行く準備ができた状態で、台所に立っている。
モニカ: Honey, we gotta go! (ハニー、私たち、行かなくちゃ!)
チャンドラー: (entering from the bedroom) Okay. Here's a question you never wanna have to ask. My dad just called and wanted to know if he could borrow one of your pearl necklaces. ([バスルームからリビングに入ってきて] わかった。人が尋ねたいとは決して思わない質問があるんだけど。俺のパパがちょうど電話してきて、知りたがってるんだよ。君の真珠のネックレスを1つ、借りることができるかな、って。)
モニカ: Did he say what kind of neckline he'd be wearing? (パパが着るつもりの服は、どんな種類のネックラインか言ってた?)
チャンドラー: No. (いいや。)
モニカ: I just met him once, but I'm guessing... plunging? (私はあなたのパパに一度会っただけだけど、でも、思うに…胸元が深く開いてる?)
チャンドラー: Yeah, he is more of a if-you've-got-it-flaunt-it kind of... father. (そうだね。彼はむしろ、「持ってるもんは、見せびらかせよ」ってタイプの…父親だからね。)
リハーサルディナーというのは、フレンズ4-24 での、ロスとエミリーの結婚式の時にも出てきましたが、「結婚式の前の晩に親しい者が集う夕食会」のこと。
you never wanna have to ask は、「質問しなければならないことを決して欲しないような」質問がここにある、という感覚ですね。
こんなことを質問しなければならない立場・状況になんか絶対になりたくないような質問、というところでしょう。
My dad just called and wanted to know if... は「俺のパパがさっき電話してきて、…かどうか知りたがってた」。
何を知りたがっていたかと言うと、「モニカの真珠のネックレスの一つを自分(チャンドラーのパパ)が借りられるかどうか」ですね。
チャンドラーのパパはゲイで、いつも女装して、ドレスを着用しています。
「(女装の)パパがパールのネックレス貸してくれるかな、って言ってる」という質問は、誰もしたくないだろうけどね、という意味で、最初に前置きとして you never wanna have to ask の文章を言ったことになります。
neckline は「ネックライン」、つまり、首のラインということから想像できますが、「ドレスの襟ぐり(の線)」のこと。
パパが着ようとしているドレスの襟ぐりはどんな感じか言ってた?という質問ですね。
ネックレスを貸すにしても、襟ぐりが開いているものか、首元まで詰まっているものかによって、それに似合うネックレスの形も違ってくるから、それがわからないと貸しにくい、みたいなことになるでしょう。
どんなネックラインかは言ってなかった、というチャンドラーに、モニカは「私はあなたのパパにたった一度会っただけだけど…私が思うに… plunging かしら?」みたいに問うていますね。
neckline について、plunging と言っているわけですが、そのものズバリ、plunging neckline の意味が、研究社 新英和中辞典に載っていました。
plunging neckline=【名】【C】 プランジングネックライン 《婦人服の深くくられたV字型のネックライン》
まさに説明の通りで、「襟ぐりがV字型に深くなっている」を指すことがわかります。
英辞郎には、
plunging V-neck sweater=胸元の深く開いた V ネックセーター
という用例も載っています。
このように、plunging というのは、そういう形状・デザインを指す、とまずは理解した上で、plunge という動詞の意味とニュアンスも同時に覚えてしまいましょう。
plunge は動詞で「突っ込む、投げ込む、沈める」「(〜の状態に)陥る」「(株価などが)突然下がる」という意味があります。
そういう「ぐっと下がっている」というような感覚が、「襟ぐりが深く開いている」イメージに繋がるわけですね。
あなたのパパのことはよく知らないけど、多分、ぐっと胸元が開いたドレスよね?と言われたチャンドラーは、「そうだね、彼はむしろ…ってタイプの父親・親父だから」と言っています。
そのどういうタイプかという説明部分は、if-you've-got-it-flaunt-it と表現されていますが、このように単語をハイフンで繋いで、ある文章を一つの形容詞のように使う方法は、セリフなどの口語でよく出てくるパターンですね。
この場合は、"If you've got it, flaunt it." のような、if 節+命令文を表し、「もしそれを持ってるなら、それを flaunt しろ」というタイプの親父だと言っていることになります。
flaunt は「誇示する、見せびらかす」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、動詞 flaunt の意味と共に、まさにこのセリフに出てきたそのまんまのフレーズ、if you've got it, flaunt it も載っていました!
LAAD での説明は以下の通り。
flaunt :
1. to show your money, success, beauty etc. so that other people notice it
例) She's always flaunting her jewelry.
2. if you've got it, flaunt it : (spoken, humorous) used to tell someone not to hide their beauty, wealth, or abilities
つまり、1. は「他の人々がそれに気づくように、自分の金、成功、美を見せること」。例文は、「彼女はいつも自分の宝石を見せびらかしてばかりいる」。
2. の if you've got it, flaunt it は、「(口語、ユーモラスな表現) 誰かに、美、富、能力を隠すなと言うために使われる」。
ということで、ズバリそのものの説明がロングマンに載ってくれていたこと、とてもありがたいです^^
「持ってるもんは、遠慮せずに見せびらかせちゃえよ。別に無理して隠すことないじゃん」的なユーモラスな表現だということで、チャンドラーのパパも、そういうタイプの人間、つまり見せるべきところは見せたらいいじゃん、ってタイプだから、きっと胸元がざっくり開いたドレスを着るつもりなんだろうね、と言ってみせたことになります。
チャンドラーのパパは(実際には女優さんが演じているとは言え)、ドラマの設定上では、肉体的には男性であるゲイですよね。
そのゲイのパパが胸元をみせびらかす、というのは、「あるはずのないものを見せびらかそうとしている」ということになるかもしれないものの、心はすっかり女性なので、他の女性と同じように胸元を見せるドレスを着るだろうね、と言っているところに面白みがあるということでしょう。
実際の音声では、kind of... father. のように、father と言う前に少しの間(ま)があります。
「胸元見せちゃえばいいじゃん」ってタイプの女性…なら普通なのですが、そういうタイプの「父親」というところにこのセリフのオチがあり、「見せるところは見せちゃえば」ってタイプの人…とは言っても、まぁ男性なんだけども…みたいな風に、チャンドラーは言ってみせたわけですね。
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[Scene: Monica and Chandler's, Monica is standing in the kitchen ready to leave for the rehearsal dinner.]
モニカとチャンドラーの家。モニカは、リハーサルディナーに行く準備ができた状態で、台所に立っている。
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チャンドラー: (entering from the bedroom) Okay. Here's a question you never wanna have to ask. My dad just called and wanted to know if he could borrow one of your pearl necklaces. ([バスルームからリビングに入ってきて] わかった。人が尋ねたいとは決して思わない質問があるんだけど。俺のパパがちょうど電話してきて、知りたがってるんだよ。君の真珠のネックレスを1つ、借りることができるかな、って。)
モニカ: Did he say what kind of neckline he'd be wearing? (パパが着るつもりの服は、どんな種類のネックラインか言ってた?)
チャンドラー: No. (いいや。)
モニカ: I just met him once, but I'm guessing... plunging? (私はあなたのパパに一度会っただけだけど、でも、思うに…胸元が深く開いてる?)
チャンドラー: Yeah, he is more of a if-you've-got-it-flaunt-it kind of... father. (そうだね。彼はむしろ、「持ってるもんは、見せびらかせよ」ってタイプの…父親だからね。)
リハーサルディナーというのは、フレンズ4-24 での、ロスとエミリーの結婚式の時にも出てきましたが、「結婚式の前の晩に親しい者が集う夕食会」のこと。
you never wanna have to ask は、「質問しなければならないことを決して欲しないような」質問がここにある、という感覚ですね。
こんなことを質問しなければならない立場・状況になんか絶対になりたくないような質問、というところでしょう。
My dad just called and wanted to know if... は「俺のパパがさっき電話してきて、…かどうか知りたがってた」。
何を知りたがっていたかと言うと、「モニカの真珠のネックレスの一つを自分(チャンドラーのパパ)が借りられるかどうか」ですね。
チャンドラーのパパはゲイで、いつも女装して、ドレスを着用しています。
「(女装の)パパがパールのネックレス貸してくれるかな、って言ってる」という質問は、誰もしたくないだろうけどね、という意味で、最初に前置きとして you never wanna have to ask の文章を言ったことになります。
neckline は「ネックライン」、つまり、首のラインということから想像できますが、「ドレスの襟ぐり(の線)」のこと。
パパが着ようとしているドレスの襟ぐりはどんな感じか言ってた?という質問ですね。
ネックレスを貸すにしても、襟ぐりが開いているものか、首元まで詰まっているものかによって、それに似合うネックレスの形も違ってくるから、それがわからないと貸しにくい、みたいなことになるでしょう。
どんなネックラインかは言ってなかった、というチャンドラーに、モニカは「私はあなたのパパにたった一度会っただけだけど…私が思うに… plunging かしら?」みたいに問うていますね。
neckline について、plunging と言っているわけですが、そのものズバリ、plunging neckline の意味が、研究社 新英和中辞典に載っていました。
plunging neckline=【名】【C】 プランジングネックライン 《婦人服の深くくられたV字型のネックライン》
まさに説明の通りで、「襟ぐりがV字型に深くなっている」を指すことがわかります。
英辞郎には、
plunging V-neck sweater=胸元の深く開いた V ネックセーター
という用例も載っています。
このように、plunging というのは、そういう形状・デザインを指す、とまずは理解した上で、plunge という動詞の意味とニュアンスも同時に覚えてしまいましょう。
plunge は動詞で「突っ込む、投げ込む、沈める」「(〜の状態に)陥る」「(株価などが)突然下がる」という意味があります。
そういう「ぐっと下がっている」というような感覚が、「襟ぐりが深く開いている」イメージに繋がるわけですね。
あなたのパパのことはよく知らないけど、多分、ぐっと胸元が開いたドレスよね?と言われたチャンドラーは、「そうだね、彼はむしろ…ってタイプの父親・親父だから」と言っています。
そのどういうタイプかという説明部分は、if-you've-got-it-flaunt-it と表現されていますが、このように単語をハイフンで繋いで、ある文章を一つの形容詞のように使う方法は、セリフなどの口語でよく出てくるパターンですね。
この場合は、"If you've got it, flaunt it." のような、if 節+命令文を表し、「もしそれを持ってるなら、それを flaunt しろ」というタイプの親父だと言っていることになります。
flaunt は「誇示する、見せびらかす」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、動詞 flaunt の意味と共に、まさにこのセリフに出てきたそのまんまのフレーズ、if you've got it, flaunt it も載っていました!
LAAD での説明は以下の通り。
flaunt :
1. to show your money, success, beauty etc. so that other people notice it
例) She's always flaunting her jewelry.
2. if you've got it, flaunt it : (spoken, humorous) used to tell someone not to hide their beauty, wealth, or abilities
つまり、1. は「他の人々がそれに気づくように、自分の金、成功、美を見せること」。例文は、「彼女はいつも自分の宝石を見せびらかしてばかりいる」。
2. の if you've got it, flaunt it は、「(口語、ユーモラスな表現) 誰かに、美、富、能力を隠すなと言うために使われる」。
ということで、ズバリそのものの説明がロングマンに載ってくれていたこと、とてもありがたいです^^
「持ってるもんは、遠慮せずに見せびらかせちゃえよ。別に無理して隠すことないじゃん」的なユーモラスな表現だということで、チャンドラーのパパも、そういうタイプの人間、つまり見せるべきところは見せたらいいじゃん、ってタイプだから、きっと胸元がざっくり開いたドレスを着るつもりなんだろうね、と言ってみせたことになります。
チャンドラーのパパは(実際には女優さんが演じているとは言え)、ドラマの設定上では、肉体的には男性であるゲイですよね。
そのゲイのパパが胸元をみせびらかす、というのは、「あるはずのないものを見せびらかそうとしている」ということになるかもしれないものの、心はすっかり女性なので、他の女性と同じように胸元を見せるドレスを着るだろうね、と言っているところに面白みがあるということでしょう。
実際の音声では、kind of... father. のように、father と言う前に少しの間(ま)があります。
「胸元見せちゃえばいいじゃん」ってタイプの女性…なら普通なのですが、そういうタイプの「父親」というところにこのセリフのオチがあり、「見せるところは見せちゃえば」ってタイプの人…とは言っても、まぁ男性なんだけども…みたいな風に、チャンドラーは言ってみせたわけですね。
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2013年09月03日
ball and chain フレンズ7-23その1
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シーズン7 第23話
The One With Monica and Chanlder's Wedding (ベスト”フレンズ”ウェディング -Part 1)
原題は「モニカとチャンドラーの結婚式の話」
[Scene: Central Perk, everyone is there.]
セントラルパーク。みんながそこにいる。
モニカ: Do you realize this is probably the last time we'll all be here in the coffee house as six single people? (多分これが最後だってみんな気づいてる? 6人の独身者として、私たち全員がコーヒーハウスにいることが。)
フィービー: Why?! What's happening to the coffeehouse?! (Monica looks at her.) Oh! (Realizes.) Okay. (どうして? コーヒーハウスに何が起こるの?! [モニカはフィービーを見る] ああ! [気付いて] わかったわ。)
チャンドラー: Yep! From now on, its gonna be the four you guys and me and the missus. The little woman. The wife. The old ball and chain. (そうだよ! これからは、君ら4人と、俺と女房になるんだよね。家内。妻。(かかあ天下の)古女房。)
モニカ: Ha-ha. Old? (はは。古い[オールド]?)
チャンドラー: The young, hot ball and chain. (若くて、ホットなボール&チェーンです。)
モニカ: That's much better. (その方が、ずっといいわ。)
レイチェル: (checking her watch) Op! We gotta go! (The girls stand up.) ([自分の腕時計を見て] あら! 私たち、行かなくちゃ! [女性陣は立ち上がる])
ロス: Oh, where are you guys going? (おや、君らはどこに行くの?)
モニカ: We're gonna pick up the wedding dress then we're gonna have lunch with mom. (Joey stands up.) (ウェディングドレスを受け取りに行くのよ。それからママとランチするの。[ジョーイが立ち上がる])
ロス: Ah. Joey, you're-you're having lunch with my mom? (あぁ。ジョーイ、君は僕のママと一緒にランチするつもり?)
ジョーイ: No, I-I just heard "lunch." But yeah, I can go. Sure! (They all exit.) (いいや、俺はただ「ランチ」って聞こえたから。でも、そうだよ、俺、行けるよね。もちろん! [みんな出て行く])
realize は「気づく、悟る」なので、Do you realize...? は「ねえ、みんな、今から言うことに気づいてるかしら?」みたいな感覚。
realize 以下の文章は長いので、こういう場合はとにかく、前から順番にイメージしていくのが賢明です。
まずは、「これが多分、最後の時」、どういう最後の時かと言うと、「私たちがみんなここ、コーヒーハウスにいる(時)」、そして最後に状況を説明し、「(私たちが)6人の独身の人間として(いる時)」ということになります。
日本語っぽく訳すと、「これが、私たちが6人の独身者としてここにいる最後の時だってわかってる?」みたいなことですね。
それを聞いたフィービーは驚いた様子で、「どうして? コーヒーハウスに何かが起こるの? このコーヒーハウスがどうにかなっちゃうの?」みたいなことを尋ねています。
「コーヒーハウスに6人が揃う最後の瞬間」みたいに思ったフィービーは、この店がつぶれるとでも思ったようですが、モニカが一番訴えたかった(笑) single 「独身の」という部分を聞き洩らしたことが勘違いの原因だったのですね。
モニカは、「6人全員が独身の状態でここに集まるのはこれが最後」と言いたかった、つまり、自分たちは結婚してもうすぐ独身じゃなくなるのよ、と結婚自慢をしたかっただけのようです。
全員が独身という状態ではなくなる、という発言を受けて、チャンドラーは、「今から、six single people は、君たち4人(the four you guys)と、me and the missus (俺と女房)とになる」と説明し、その後、the missus 「女房」を他のいろいろな表現で言い換えています。
the little woman というのは、自分の妻を指す言葉で、研究社 新英和中辞典には、
little woman=【名】[the 〜] 《口語》 家内、女房、うちのやつ (注:時に軽蔑的と見なされる)
と出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
the little woman: (old-fashioned, informal) an expression meaning someone's wife, considered offensive by many people
つまり、「(古くさい表現、インフォーマル) 誰かの妻を意味する表現、多くの人によって侮辱的とみなされる」。
little というのは「大きさが小さい」という意味もありますが、この場合は「つまらない、ちっぽけな」という、少し悪いニュアンスが含まれているように思います。
日本語の謙称(けんしょう)、つまり、謙遜(けんそん)し、謙った(へりくだった)言い方で呼ぶ場合につける感覚と通じる部分があるでしょう。
英語で little を使うのは、日本語で自分のことを「小生(しょうせい)」、自分の会社を「小社(しょうしゃ)」と呼ぶ時に「小」という漢字を使うのと似ているものを感じますね。
日本語にはありませんが、漢字を当てはめると「小妻」みたいな感じで、「愚妻」ほどではないけれど、限りなくそれに近いニュアンスだと言えると思います。
The wife はまさに「妻」。
そしてその次の、The old ball and chain ですが、これが一番、妻を形容するひどい言い方になりそうですね。
まさに直訳通りの「古い(年をとった)球と鎖」ということで、球と鎖で想像される通り、牢獄などで逃げられないように足につける重たい鉄の球と太い鎖でできた「足枷(足かせ)」のイメージです。
あの「足かせの球」のイメージから、「行動を束縛するもの」「拘束、束縛」の意味ともなり、妻の場合だと、「かかあ天下の女房」のような夫を尻に敷く強い妻のイメージにも繋がるわけですね。
調子に乗って(笑)、妻を表す言葉をいくつも挙げたチャンドラーですが、最後の表現に引っかかったらしいモニカは、Ha-ha. と乾いた笑い声の後、Old? 「オールド、ですって?」みたいに聞き返しています。
女性に old 「古い、年老いた」という言葉はいかん!と気づいたチャンドラーは、ball and chain はそのままで、old を young に訂正し、さらには、hot 「ホット、セクシー、色っぽい」を追加した、The young, hot ball and chain. という表現に言い換えます。
「かかあ天下の女房」的意味の ball and chain はそのまま使われているのですが、モニカとしてはとりあえず、old が young & hot に訂正されたことを評価して、「その方がずっといいわね」と納得することになります。
俺を尻に敷く怖い女房と言われるのはいいけれど、「古い、老けた」という言葉を使われるのだけはごめん、という女心ですね。
そんな風に、「妻」の表現であれこれやり取りがあった後、レイチェルが「出かけなきゃ」と言って立ち上がります。
モニカが説明しているように、ドレスを受け取りに行って、ママとランチするの、ということですが、ジョーイも立ち上がるのでロスは驚き、「ジョーイもママとランチするのか?」と尋ねています。
I just heard "lunch." というのがジョーイらしいですね。
別に元々一緒に行く予定だったわけじゃないけど、「ランチ」って言葉が聞こえたから、耳に入ったから、つい一緒に立ち上がっちゃったわ、みたいなことです。
listen (to) は「意識的に耳を傾けて聞く」ことを指しますが、hear は「聞こえる、耳にする」というニュアンスになるため、ランチって言葉がふと耳に入ってきたから、条件反射的に立ち上がってしまった、ということに繋がるわけですね。
思わず立ち上がっちゃったけど、別に俺が行ってもいいじゃんね、みたいな感じで、女性陣と一緒にランチにでかけるジョーイも可愛いです。
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シーズン7 第23話
The One With Monica and Chanlder's Wedding (ベスト”フレンズ”ウェディング -Part 1)
原題は「モニカとチャンドラーの結婚式の話」
[Scene: Central Perk, everyone is there.]
セントラルパーク。みんながそこにいる。
モニカ: Do you realize this is probably the last time we'll all be here in the coffee house as six single people? (多分これが最後だってみんな気づいてる? 6人の独身者として、私たち全員がコーヒーハウスにいることが。)
フィービー: Why?! What's happening to the coffeehouse?! (Monica looks at her.) Oh! (Realizes.) Okay. (どうして? コーヒーハウスに何が起こるの?! [モニカはフィービーを見る] ああ! [気付いて] わかったわ。)
チャンドラー: Yep! From now on, its gonna be the four you guys and me and the missus. The little woman. The wife. The old ball and chain. (そうだよ! これからは、君ら4人と、俺と女房になるんだよね。家内。妻。(かかあ天下の)古女房。)
モニカ: Ha-ha. Old? (はは。古い[オールド]?)
チャンドラー: The young, hot ball and chain. (若くて、ホットなボール&チェーンです。)
モニカ: That's much better. (その方が、ずっといいわ。)
レイチェル: (checking her watch) Op! We gotta go! (The girls stand up.) ([自分の腕時計を見て] あら! 私たち、行かなくちゃ! [女性陣は立ち上がる])
ロス: Oh, where are you guys going? (おや、君らはどこに行くの?)
モニカ: We're gonna pick up the wedding dress then we're gonna have lunch with mom. (Joey stands up.) (ウェディングドレスを受け取りに行くのよ。それからママとランチするの。[ジョーイが立ち上がる])
ロス: Ah. Joey, you're-you're having lunch with my mom? (あぁ。ジョーイ、君は僕のママと一緒にランチするつもり?)
ジョーイ: No, I-I just heard "lunch." But yeah, I can go. Sure! (They all exit.) (いいや、俺はただ「ランチ」って聞こえたから。でも、そうだよ、俺、行けるよね。もちろん! [みんな出て行く])
realize は「気づく、悟る」なので、Do you realize...? は「ねえ、みんな、今から言うことに気づいてるかしら?」みたいな感覚。
realize 以下の文章は長いので、こういう場合はとにかく、前から順番にイメージしていくのが賢明です。
まずは、「これが多分、最後の時」、どういう最後の時かと言うと、「私たちがみんなここ、コーヒーハウスにいる(時)」、そして最後に状況を説明し、「(私たちが)6人の独身の人間として(いる時)」ということになります。
日本語っぽく訳すと、「これが、私たちが6人の独身者としてここにいる最後の時だってわかってる?」みたいなことですね。
それを聞いたフィービーは驚いた様子で、「どうして? コーヒーハウスに何かが起こるの? このコーヒーハウスがどうにかなっちゃうの?」みたいなことを尋ねています。
「コーヒーハウスに6人が揃う最後の瞬間」みたいに思ったフィービーは、この店がつぶれるとでも思ったようですが、モニカが一番訴えたかった(笑) single 「独身の」という部分を聞き洩らしたことが勘違いの原因だったのですね。
モニカは、「6人全員が独身の状態でここに集まるのはこれが最後」と言いたかった、つまり、自分たちは結婚してもうすぐ独身じゃなくなるのよ、と結婚自慢をしたかっただけのようです。
全員が独身という状態ではなくなる、という発言を受けて、チャンドラーは、「今から、six single people は、君たち4人(the four you guys)と、me and the missus (俺と女房)とになる」と説明し、その後、the missus 「女房」を他のいろいろな表現で言い換えています。
the little woman というのは、自分の妻を指す言葉で、研究社 新英和中辞典には、
little woman=【名】[the 〜] 《口語》 家内、女房、うちのやつ (注:時に軽蔑的と見なされる)
と出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
the little woman: (old-fashioned, informal) an expression meaning someone's wife, considered offensive by many people
つまり、「(古くさい表現、インフォーマル) 誰かの妻を意味する表現、多くの人によって侮辱的とみなされる」。
little というのは「大きさが小さい」という意味もありますが、この場合は「つまらない、ちっぽけな」という、少し悪いニュアンスが含まれているように思います。
日本語の謙称(けんしょう)、つまり、謙遜(けんそん)し、謙った(へりくだった)言い方で呼ぶ場合につける感覚と通じる部分があるでしょう。
英語で little を使うのは、日本語で自分のことを「小生(しょうせい)」、自分の会社を「小社(しょうしゃ)」と呼ぶ時に「小」という漢字を使うのと似ているものを感じますね。
日本語にはありませんが、漢字を当てはめると「小妻」みたいな感じで、「愚妻」ほどではないけれど、限りなくそれに近いニュアンスだと言えると思います。
The wife はまさに「妻」。
そしてその次の、The old ball and chain ですが、これが一番、妻を形容するひどい言い方になりそうですね。
まさに直訳通りの「古い(年をとった)球と鎖」ということで、球と鎖で想像される通り、牢獄などで逃げられないように足につける重たい鉄の球と太い鎖でできた「足枷(足かせ)」のイメージです。
あの「足かせの球」のイメージから、「行動を束縛するもの」「拘束、束縛」の意味ともなり、妻の場合だと、「かかあ天下の女房」のような夫を尻に敷く強い妻のイメージにも繋がるわけですね。
調子に乗って(笑)、妻を表す言葉をいくつも挙げたチャンドラーですが、最後の表現に引っかかったらしいモニカは、Ha-ha. と乾いた笑い声の後、Old? 「オールド、ですって?」みたいに聞き返しています。
女性に old 「古い、年老いた」という言葉はいかん!と気づいたチャンドラーは、ball and chain はそのままで、old を young に訂正し、さらには、hot 「ホット、セクシー、色っぽい」を追加した、The young, hot ball and chain. という表現に言い換えます。
「かかあ天下の女房」的意味の ball and chain はそのまま使われているのですが、モニカとしてはとりあえず、old が young & hot に訂正されたことを評価して、「その方がずっといいわね」と納得することになります。
俺を尻に敷く怖い女房と言われるのはいいけれど、「古い、老けた」という言葉を使われるのだけはごめん、という女心ですね。
そんな風に、「妻」の表現であれこれやり取りがあった後、レイチェルが「出かけなきゃ」と言って立ち上がります。
モニカが説明しているように、ドレスを受け取りに行って、ママとランチするの、ということですが、ジョーイも立ち上がるのでロスは驚き、「ジョーイもママとランチするのか?」と尋ねています。
I just heard "lunch." というのがジョーイらしいですね。
別に元々一緒に行く予定だったわけじゃないけど、「ランチ」って言葉が聞こえたから、耳に入ったから、つい一緒に立ち上がっちゃったわ、みたいなことです。
listen (to) は「意識的に耳を傾けて聞く」ことを指しますが、hear は「聞こえる、耳にする」というニュアンスになるため、ランチって言葉がふと耳に入ってきたから、条件反射的に立ち上がってしまった、ということに繋がるわけですね。
思わず立ち上がっちゃったけど、別に俺が行ってもいいじゃんね、みたいな感じで、女性陣と一緒にランチにでかけるジョーイも可愛いです。
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