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シーズン8 第2話
The One With the Red Sweater (探せ! 赤いセーターの男)
原題は「赤いセーターの話」
チャンドラーとモニカの結婚披露宴も終わり、その翌朝の話。
[Scene: The Hotel Lobby, Rachel and Phoebe are at the front desk checking out.]
ホテルのロビー。レイチェルとフィービーはフロントデスクでチェックアウトしているところ。
レイチェル: Listen y'know what, sir? For the last time, I don't care what the computer says. We did not take a bag of Mashuga nuts from the mini-bar and we did not watch Dr. Do-Me-A-Little! (ねぇ、きっぱり言うわよ、そのコンピューターが何て言おうが関係ないわ。私たちはミニバーからマシューガナッツの袋を取らなかったし、私たちは「ドクター・ドゥ・ミー・ア・リトル」なんか見なかったわ!)
ジョーイ: (entering) Hey! ([入ってきて] やあ!)
フィービー: Oh! Joey uh, were you in our room last night? (まあ! ジョーイ、あなた、昨日の晩、私たちの部屋にいた?)
ジョーイ: No. (Phoebe grabs the receipt and shows it to Joey who gets mad.) I was told the name of the movie would not appear on the bill! (いいや。[フィービーはレシートを掴んで、それをジョーイに見せる、ジョーイは怒る] 映画の名前は請求書には出ないって俺は聞いたんだけど!)
(Chandler and Monica enter.)
チャンドラーとモニカが入ってくる。
チャンドラー: (to the front desk clerk) Hi! We're checking out of the bridal suite. ([フロントデスクの係に] やあ! 俺たち、ブライダル・スイートをチェックアウトするよ。)
モニカ: (depressed) That's right. I'm no longer a bride. I'll never be a bride again. Now, I'm just someone's wife! ([落ち込んで] その通りね。私はもう花嫁さんじゃないのよ。私はもう二度と花嫁さんになれないの。今、私はただ、誰かの妻なだけ。)
チャンドラー: And I'm the happiest guy in the world! (Monica goes and sits down in a huff.) Oh, come on, honey, don't be upset. We still have so much to look forward to! (そして俺は世界で一番幸せな男だ! [モニカはムッとした様子で座る] あぁ、ねぇ、ハニー、怒らないでよ。俺たちにはまだ、楽しみなことがいっぱいあるじゃないか。)
モニカ: Oh yeah, right. (Rolls her eyes.) (あぁ、ええ、そうね。[モニカはあきれたように目を回す])
レイチェルとフィービーは、ホテルのフロントの会計でモメている様子です。
for the last time は、「(それを終わりとして)最後に」という感覚。
for the first time 「初めて」はよく知られていますが、その対極のニュアンスですね。
それまでさんざんモメていたのでしょう、とにかく最後にこれだけ言わせてもらうけど、私の言い分はこうで、それはもう変わることはないわ、みたいなことで、「最後にきっぱりこう言うけど」という感覚なわけですね。
「そのコンピューターが何を言おうが関係ない、構わない」みたいに言うレイチェル。
say は「言う」でも雰囲気はわかりますが、この場合は、コンピューター上のデータがどう言っているか、どう表示されているかなんかどうでもいいの、ということ。
その後、私たちはミニバーからマシューガナッツの袋を取らなかったし(つまり、マシューガナッツを食べなかったし)、Dr. Do-Me-A-Little (という作品)も見なかった、と強く主張しています。
その話から、パソコン上ではナッツを食べ、その作品を見たことになっているので料金を請求されている、でもレイチェルたちは身に覚えのないことだから抗議している、ということがわかるわけです。
その作品のタイトルですが、do me a little の do は「エッチする」という意味。
もっと下品に言うと、「ちょっと私をヤッて」みたいな感じなので、「ちょっと私をヤッて先生」みたいなタイトルになります。
do me みたいなフレーズが使われているので、エッチなビデオのタイトルだと言うことがわかるのですが、このタイトルは、エディ・マーフィ主演の1998年の映画「ドクター・ドリトル」のもじりです。
Wikipedia 日本語版: ドクター・ドリトル
カタカナで書くと、「ドゥ・ミー・ア・リトル」と「ドリトル」にはかなり違いがあるように思いますが、「ドクター・ドリトル」の原題は、Dr. Dolittle なので、英語の文字で比較すると、Dr. Dolittle と Dr. Do me a little がよく似ていることがわかると思います。
有名な作品のタイトルをもじって、エッチなビデオのタイトルにする、というのはよくある話で、これもその一例ですね。
「こんなビデオ、見てないわよ」と怒っているところにジョーイがやってきたので、フィービーは「ジョーイ、あなた、昨日の晩、私たちの部屋にいた?」と尋ねます。
否定するジョーイですが、レシートを見せられて急に怒り出すジョーイ。
フロントに対して、I was told... 以下の文章を言っています。
I was told the name of the movie would not appear on the bill! について。
「俺は(ホテルの人に)こう言われたんだ」と言っていて、言われた内容が the name of 以下になります。
「その映画の名前は請求書にあらわれない、出ないと言われた」と言っていることになり、このセリフから、その映画を見た犯人はジョーイだったことがわかるのですね。
「部屋で有料で映画を見た場合、請求書にタイトルまでは出ません」って俺言われたのに、、みたいなことで、ジョーイ的には、映画のタイトルが出なければ、「私たち、何か映画を見たのかもね。酔っぱらってたから記憶にないけど、、」とごまかせるとでも思った、などのことでしょう。
その後、結婚式を無事終えたチャンドラーとモニカがフロントにやってきます。
ブライダル・スイートをチェックアウトすると言うチャンドラーですが、新妻であるはずのモニカは浮かない顔をしています。
「ブライダル・スイートをチェックアウトしたら、私はもうブライド(花嫁)じゃないわ。二度と花嫁さんになれない」と落ち込んでいて、「今や私は、ただの”誰かの妻”なのよ」と言っています。
「花嫁さん」にものすごく憧れていたモニカは、花嫁さんでなくなることがよほどいやなようですね(笑)。
自分の妻に、「今はただ、”誰かの妻”でしかない」みたいに、さもつまらないものになったかのように言われてしまったチャンドラーですが、めげることなく、「(君は誰かの妻。) そしてこの俺は世界で一番幸せな男だ!」と言います。
もちろんこれは自虐的なセリフで、自分の新妻に「ただの奥さんになっちゃった」みたいに落ち込まれている夫の俺って一体、、と言いたいところを、全く正反対のこと、「奥さんにそんな風に言われてる俺って、世界で一番幸せだよね!」と言ってみせたということです。
不機嫌そうに椅子に座ったモニカに、チャンドラーは、don't be upset. と言っています。
upset という単語は、ちょうど前回の記事、ありもしなかったものに動揺するなんて フレンズ8-1その6 に、
How could I be upset over something I never had? (ありもしなかったものにどうしてこんなに動揺することができるの?)
というセリフの中で登場したばかりでした。
その時にも説明したように、基本的な意味は「ひっくり返す」で、be upset は「ひっくり返された(状態)」、つまり、「落ち着いた状態ではない、平穏・穏便な状態とは反対の状態」になります。
今回のモニカの場合は、「動揺している」というよりは、「怒っている」というご不満な感じが近い気がします。
We still have so much to look forward to! の look forward to は、I'm looking forward to seeing you. 「あなたにお会いできるのを楽しみにしています」という決まり文句で有名なフレーズですね。
「俺たちには、楽しみにすべきことがまだたくさんある」という意味になります。
Oh yeah, right. というのは皮肉っぽい返事。
文字通りの「はい、そうですね」という完全肯定ではなくて、ちょっとあきれた感じで言う Yeah, right. は「はいはい、おっしゃる通りでございますねぇ」的な、相手の言うことを否定したい気持ちで言葉だけ「そうよね」と言っている感覚になります。
ト書きの、Rolls her eyes も、最近の記事に出てきたばかりですね。
シーズン8に突入! フレンズ8-1その1 で、妊娠したレイチェルをかばうためにフィービーが妊娠したふりをしていて、「父親の名前は言えないの。彼は有名人だから」と言った後に、
レイチェル: Oh, my God. Who is it?! (Phoebe rolls her eyes.) (まぁ、なんてこと。それは誰? [フィービーはあきれたように目をむく])
というシーンがありました。
そこでも説明したように、「目を回す」というのは、「あきれたように目をむく」という感覚で、今回のモニカの顔もまさにそんな感じです。
私はもう花嫁さんじゃないのよ。子供の頃からずっと夢見てた結婚式も終わっちゃって、この先、楽しみなことが何があるっていうの?みたいな気持ちから、そんな顔をしているわけですね。
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