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新婚旅行に行くチャンドラーとモニカは、飛行機の搭乗前に、同じような新婚旅行のカップルを目撃します。
ハネムーンだということで、その人たちにはファーストクラスが用意され、次に並んでいたチャンドラーたちも同じ待遇を受けられる、とわくわくしていたのですが、「残念ながら満席で」と断られてしまいました。
ファーストクラス専用ラウンジへの出入りも断られ、怒っていた二人ですが、その二人が、新婚旅行先のホテルに着いたところ。
モニカ: I can't believe we're here. (ここにいるなんて信じられないわ。)
チャンドラー: Oh, you've gotta be kidding. (あぁ、冗談だろ。)
モニカ: What? (Monica sees the first couple and gasps.) (何? [モニカは(フロントに並んでいる)最初のカップルを見て息を呑む])
フロントデスク事務員(Front Desk Clerk): As a wedding gift to you, the hotel would like to give you the Honeymoon Suite. (あなたがたへの結婚の贈物として、当ホテルはあなたがたにハネムーン・スイートをご用意したいと思います。)
モニカ: No!! You have been screwing us all day! (だめよ! あなたたちは一日中、私たちを台無しにしてきたのよ。)
男性: Who are you? (君たちは誰?)
チャンドラー: We're you. Just ten seconds later! (俺たちは君たちだよ。10秒遅いだけのね!)
モニカ: Yeah! You already got the first class tickets, you got the lounge! I mean we should get free stuff too! I mean you're not the only ones on your honeymoon! (そうよ! あなたたちはすでに(飛行機の)ファーストクラスのチケットをゲットして、ラウンジも使えた! つまり、私たちもタダのものをもらえるべきよ! ハネムーン中なのは、あなたたちだけじゃないのよ!)
女性: Well, you can have the suite if you want. We don't care about where we stay. We're here to celebrate our love for each other. We don't have to get free stuff. We just want to be together. (お望みなら、あなたたちがスイートを使っていいわ。私たちが過ごす場所はどこでも構わないもの。私たちはお互いに対する愛を祝うためにここにいるの。タダのものをもらう必要はないわ。私たちはただ、一緒にいたいだけよ。)
チャンドラー: (looks at Monica then at them) We need the stuff. ([モニカを見て、その後、彼らを見て] 俺たちはモノが欲しい[モノ(でもらう方)がいい]。)
素敵なホテルにやってきたので、モニカは感動したように、「ここに来たなんて、ここに今いるなんて信じられない」と言うのですが、チャンドラーは、何かを見て、「冗談だろ」と言っています。
その後、モニカもチャンドラーの言った言葉の意味に気づいて息を呑んでいますね。
フロント係の人が、チャンドラーたちより先にいるカップルに、「結婚のプレゼントとして、ホテルはあなたがたにハネムーン・スイートを用意します」と言っていて、それを見たモニカは、大声で抗議します。
You have been screwing us all day! の screw はフレンズによく出てくる俗語ですが、「だめにする、台無しにする、めちゃくちゃにする」という感覚。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
screw somebody also screw somebody over
: (slang) to cheat someone or treat them in a dishonest or unfair way
つまり、「人を騙すこと、または人を、誠意のない、またはフェアではないやり方で扱うこと」。
「あなたたちがいたせいで、私たちの一日はめちゃくちゃにされたのよ!」みたいな怒りですね。
知らない人にいきなり怒鳴られたので、相手は「君(たち)は誰?」と尋ねます。
それに対するチャンドラーの返事が面白いですね。
We're you. Just ten seconds later! を直訳すると、「俺たちは君たちだ。たった10秒後の!」みたいな感じになります。
「10秒遅れの君たち自身だよ」みたいなことで、チャンドラーとしては、「あと10秒俺たちが早ければ、俺たちは君たちになれたのに。君たちみたいな待遇を受けられたのに」と言いたい気持ちが込められているのですね。
「俺たちは、10秒後の君たちだ」という表現が、タイムパラドックスもののSFチックなセリフみたいにも聞こえるのが楽しいです。
モニカもその言葉に続いて、相手のことを非難しています。
You already got A, you got B. と、相手がゲットしたものを挙げています。
ファーストクラスのチケットをもらえて、ラウンジも使えて、、、ということですが、動詞を何にするか悩まなくても、have や got などを使っておけば、相手がその権利を「手に入れた」という感覚が表現できるということですね。
we should get free stuff too! は、「私たちも、無料の stuff をゲットすべきである」ということ。
この stuff は漠然と「もの」を指す感覚で、free stuff は日本語の「タダのもの」ということですね。
you're not the only ones on your honeymoon! は「あなたたちが、ハネムーン中である唯一の人たちではない」ということで、つまりは、「ハネムーン中なのは、何もあなたたちだけじゃないのよ!」という意味。
いつも先にいるあなたたちだけが、ハネムーンのメリットを独り占めしてずるいわ、とモニカは言いたいわけですね。
ものすごい剣幕でまくし立てられたそのカップルですが、女性は落ち着いた様子で、「もし欲しいのなら、あなたたちがスイートルームを持つことができる」と言っています。
「お望みなら、スイートルームをあなたたちが使えばいいわ」ということですね。
この後、いかにもハネムーンの人が言いそうなセリフが続きますので、これからハネムーンに行くことになる方は、是非参考になさって下さい^^
We don't care about where we stay. は「私たちがどこで過ごすかについては問題ではない、どこで過ごしても構わない」。
We're here to celebrate our love for each other. は「私たちのお互いに対する愛情を祝うために、私たちはここにいる」。
あなたたちは、「私たちも free stuff (タダのもの)をゲットすべきだ」と怒ってたけど、別に私たちはタダのものをゲットする必要なんかないわ。私たちはただ一緒にいたいだけだもの、、とも言っています。
そういうラブラブのセリフを言って、お互い寄り添って肩を抱いている目の前のカップルを見て、感動したような表情を浮かべていたチャンドラーとモニカ。
やはり、同じ新婚さん同士、気持ちがわかりあえたのね、、と思っていたら、モニカと視線と合わせた後のチャンドラーは真顔に戻って、We need the stuff. と言っています。
「俺たちは(そんな抽象的な愛情よりも)モノが欲しい」ということで、一瞬、同じ新婚ホヤホヤのカップルとして、愛し合う二人の言動に感動した様子を見せながらも、結局、チャンドラーとモニカの意見は揺るぎなく一致していて(だから、特に相談することもなく、視線を交わしただけで済んで)、二人が当たり前のように、「タダのものがもらえる方が僕らは嬉しい」と言ってみせた、その現実的な様子がいかにもチャンドラーとモニカっぽくて面白いと思いました。
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