皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は
3位、「にほんブログ村」は
9位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。

シーズン8 第4話
The One With the Videotape (セックスと嘘と二人のビデオテープ)
原題は「ビデオテープの話」
[Scene: Monica and Chandler's, Ross and Rachel are entering with the rest of the gang already inside.]
モニカとチャンドラーの家。残りのフレンズがすでに家の中にいる状態で、ロスとレイチェルが入ってくる。
レイチェル:
Hi! (はーい!)
みんな:
Hey! (やあ!)
ロス:
Hello! (やあ!)
レイチェル:
Welcome home. (おかえりなさい。)
ロス:
So, how was the honeymoon? (それで、ハネムーンはどうだったの?)
モニカ:
It was great! It was great! How about you?! I mean you're having a baby! (最高、最高だったわ! あなたたちはどう? だってあなたたちには赤ちゃんが生まれるのよ!)
レイチェル:
Oh! Look! I have a sonogram picture! (ええ! ねぇ、超音波写真があるの!)
モニカ:
Oh, good! (Shows them the picture.) (まぁ素敵! [二人にその写真を見せる])
チャンドラー:
Ross! It's got your wavy, black lines! (ロス! 波打った、黒いラインがお前にそっくりだ!)
モニカ:
All right, so now that Ross knows, can you tell us y'know how it happened? I mean, when did it happen? How many times did it happen? (いいわ、それでもうロスは知ってるんだから、どんな風にしてそれが起こったか、私たちに話して。つまり、いつ起こったの? 何回起こったの?(やったの?))
フィービー:
Monica! That's not right! Start with where. (モニカ! それは正しくないわ。どこで、から始めなきゃ。)
新婚旅行から帰って来たチャンドラーとモニカに、レイチェルは、Welcome home! と言っていますね。
いわゆる日本語の「おかえり」ということですが、日本語の「おかえり」のような毎日の挨拶ではなく、しばらく旅行に行っていた人が久しぶりに帰ってきた時などに言うフレーズです。
レイチェルが、お腹の中の赤ちゃんの超音波写真(sonogram picture)を見せた後、チャンドラーは、Ross! It's got your wavy, black lines! と言っていますね。
この部分、DVDの日本語訳では、「ロス。お前に似て、黒くうねってる」となっていて、私もまさにそういう意味だと思いました。
この部分の説明がちょっと長くなりますが、ご了承下さい。
まず、wavy は「ウェーブのかかった、波状・波形の」という意味ですね。
ですから、wavy 以下を直訳すると、「ウェーブのかかった、黒いライン」となります。
前半部分の It's got your... については、it は the baby のことで、まだ小さくて当然性別もわからないため、it と表現していることになります。
It's got は、It has got で、ここでは has got = has の意味で使っていると思います。
It has got your... または、It has your... で「その赤ちゃんは、お前(父親であるロス)の…を持っている」みたいな感覚になるでしょうか。
つまり、「父親から受け継いだ、その部分が父親に似ている」と言っていることになります。
このように、「子供が親に似ている」と表現したい場合には、got や have を使うことが多いですね。
映画「愛と青春の旅立ち」では、
I think I got her ears. (耳は母に似ている)
というセリフがありましたし、
映画「ターミネーター」(今、シュワちゃんが来日中でちょっとタイムリーですね^^)では、
サラ:
Tell me about my son. (私の息子のこと、話して。)
カイル:
He's about my height. He has your eyes. (背は僕と同じ。目は君に似てる。)
というやりとりもありました。
「母の耳を持っている」「君の目を持っている」がそれぞれ「似ている」という意味になるということで、「似てる」という日本語にこだわらなくても、have でシンプルに表現できるところが英語っぽいなと思います。
ハリポタ映画3作目「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」では、リーマスがハリーに、
The very first time I saw you, Harry, I recognized you immediately. Not by your scar, by your eyes. They're your mother, Lily's. (君を初めて見た時にね、ハリー、私は君だとすぐにわかった。君の傷で、じゃなくて、君の目で、ね。その目は、君の母親のリリーの目だ。)
と言っていました。
have や got ではありませんが、Your eyes are Lily's (eyes). ということで、be動詞でイコールで繋げている感覚になりますね。
またこの have someone's eyes のような形は、血の繋がった身内に限らず、「誰それの目に似ている」という場合でも使えるようです。
映画「グッドフェローズ」では、ヘンリー(レイ・リオッタ)がカレン(ロレイン・ブラッコ)が立ち去る時に、
She had these great eyes, like Liz Taylor's. (すてきな目だ。リズ・テーラーみたいだ。)
と言っていましたが、これも、She had Liz's eyes. の変形バージョンと言えるでしょう。
で、今回のフレンズのセリフでは、父親のどの部分が似ているか、についてが wavy, black lines になるわけですが、wavy, black まで聞くと、ロスは髪の毛が黒くて、しかも、「いつもセットするのが大変なんだ」とボヤいているようにくせ毛の傾向があるので、「ウェーブのかかった(波打った)黒い髪の毛」のことを言っているのかなぁ、とも思ったのですが、、、それなら普通に、your wavy, black hair と表現するように思うのですね。
髪の毛の連想と、line という言葉から、hairline という単語も頭に浮かんだのですが、hairline だと「頭髪の生え際」という意味があります。
hairline という単語が頭に浮かんだのは、過去記事、
フレンズ1-2その2 に、hairline という単語が、まさに「子供が親に似る」というセリフの中で出てきたからです。
電話でミンディに対して、
レイチェル: I hope they have his old hairline and your old nose! (赤ちゃんがバリーの本当の(植毛前の)生え際と、あなたの本当の(整形前の)鼻の形に似たらいいわね!)
と言っているセリフでした。
ですが、「波打った黒い生え際(はえぎわ)」というのもちょっと不思議な表現ですし、「生え際」と言いたいのなら、hairline を使うだろうし、やっぱりそのように「髪質が似ている」と言いたいのなら、ノーマルに wavy, black hair でいいんじゃないのかなぁ、と。というか、絶対に hair という単語は入れるだろうと。
ここで改めて、赤ちゃんのことを考えてみると、まだ妊娠6週間くらいで、写真に写っているのは豆粒程度。
髪の毛が生えているどころか、頭がどこかすらわからない状態なわけです。
そういう「まだ人型にすらなっていない」状態の超音波写真を見て、「ロス、この子、お前の〜を受け継いでるな」と言ってみせたことが「チャンドラーっぽいジョーク」なわけなので、まだ髪の毛も生えてないのに、「この子はお前の髪質にそっくりだな」と言っても、それはそれで十分ジョークになり得るとは思うのです。つまり、your wavy, black hair なら、「髪の毛、、って、まだ髪の毛なんか生えてないやん!」的なツッコミを入れられる、わりとシンプルなジョークになると思うのですね。
ただ、チャンドラーのセリフは、hair ではなくて、lines と言っていますので、これは、何かロスに似ている部分を言うのかな、と思わせておいて、超音波写真に写った謎の物体(笑)をそのまま描写した表現なのかな、と思いました。
今の赤ちゃんの写真が、「うねっていて、黒い、線の集まり」に見えたので、「この赤ちゃん、黒くてうねってるね。パパのお前にそっくりだね」みたいなジョーク、つまり、「今の段階で見せてもらっても、”ただのうねった黒い線”しか見えないんで、何とも感想を言いにくいんだけど」みたいなことを、「うねった黒い線の部分がお前にそっくりだわ」というジョークで表現したという気がしたわけです。
これだと、"Lines? What lines?!" みたいに、「線、って何だよ。僕のどこに、うねった黒い”線”があるんだよ」というツッコミが入れられそうな感じかなぁ、と。(説明が長くなりました。すみません)
モニカは、「もうロスも知ってるんだから、私たちに教えてよ」と言って、聞きたい内容をその後に続けています。
モニカが聞きたいことは、「どのようにしてそれは起こったか」「いつそれは起こったか」「何回それは起こったか」。
it 「それ」というのは、エッチ(行為)のことですね。
「どのようにしてエッチすることになったの? それはいつ?」、さらには「何回?」と回数まで(笑)モニカは尋ねています。
それをたしなめるような口調でフィービーが「モニカ、それは正しくないわ!」と言うのですが、「まずは”どこで”から始めなさいよ。始めるべきよ」みたいに言っています。
モニカが「何回?」みたいな露骨な質問をするのでそれを注意したのかと思いきや、「まずは、やった場所から聞くべきでしょ」みたいに言っているのがフィービーっぽいということですね。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。