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ハロウィーン・パーティーで、恥ずかしいコスプレをしているロスとチャンドラーが、お互いの姿をけなしあっているのを見て、
ジョーイ: (To Monica) Hey-hey-hey, I think we might find out the answer to our question. ([モニカに] ねぇねぇ、俺たちの疑問への答えが見つかるかも、って思うんだけど。)
チャンドラー: What question? (疑問って何?)
ジョーイ: Monica and I were talking about who could kick whose ass in a fight, you or Ross? (モニカと俺は話してたんだよ。喧嘩で、どっちがどっちの尻を蹴ることができるか、って。お前かロスか。)
チャンドラー: There's no question. (疑問の余地はないよ[問題にもならないよ、答えはわかりきってるよ]。)
ジョーイ: So you think Ross too? (じゃあ、お前もロスだと思うのか?)
(Monica turns around slowly.)
モニカはゆっくりと顔をそむける。
チャンドラー: (To Monica) You picked Ross?! ([モニカに] モニカはロスを選んだのか?)
モニカ: Ross is really strong! Okay, he's the strongest out of all three of you! (Joey looks at her.) Except for Joey. (ロスはほんとに強いのよ! そうよ、ロスはあなたたち3人全員の中で一番強いのよ! [ジョーイがモニカを見る] ジョーイを除いてね。)
チャンドラー: I cannot believe you didn't pick me. (君が俺を選ばなかったなんて信じられないよ。)
ロス: Uh, in her defense, she's right. I am stronger. I would destroy you. (モニカを弁護させてもらうと、モニカは正しいよ。僕の方が(チャンドラーよりも)強い。僕は君を叩きのめすだろうね。)
チャンドラー: Oh, really?! You think you're stronger? Why don't you prove it? (He pushes Ross who starts to fall backwards until Mona catches him.) (へぇ、ほんとに? お前は自分の方が強いと思ってんの? 証明してみたらどうだ? [チャンドラーはロスを押し、ロスはモニカがつかむまで後ろに倒れそうになる[ロスが後ろに倒れそうになって、モニカが彼をつかむ]])
ロス: Oh, I'll prove it! I'll prove it like a theorem!! (あぁ、僕が証明してやるよ! 定理のように証明してやるよ!)
ロスとチャンドラーの二人が喧嘩しているのを見て、ジョーイは、「俺たちの疑問・質問への答えが見つかるかもしれないと俺は思う」と言っています。
その後、ジョーイ自身が説明していますが、このシーンより前に、「ロスとチャンドラーが喧嘩したらどっちが強いか?」というのを、ジョーイとモニカが話していたことがあったのですね。
その時のやり取りは以下のようになっていました。
ジョーイ: Okay, here's a good one for ya. Who do think would win in a fight between Ross and Chandler? (よし、モニカにいいのが[いい質問が]ある。ロスとチャンドラーの喧嘩では、誰が勝つだろうと思う?)
モニカ: I can't answer that! Chandler's my husband. (そんなの答えられないわ! チャンドラーは私の夫よ。)
ジョーイ: So Ross? (じゃあ、ロス?)
モニカ: Yeah. (ええ。)
「チャンドラーは私の夫なんだから、そんな質問には答えられないわ」という言い方も面白いですね。
「チャンドラーが負ける」とダイレクトに答えているわけではないものの、そう即答するということは、考えるまでもない、迷うこともない、ということで、妻のモニカは、夫チャンドラーが強いとは全く思っていないことがよくわかるセリフです。
そのやりとりをジョーイが思い出して、ここで話題として持ち出したことになります。
ちなみに、「質問への答え」という場合には、the answer to our question のように、前置詞は to が使われます。
(日本人の感覚だと、the answer of our question のように、「の」と聞くとすぐに "of" が浮かんでしまいがちな気がするので、注意喚起のため、説明してみました)
who could kick whose ass in a fight 「喧嘩で誰が誰の尻を蹴ることができるか」というのは、蹴った方が勝ち、蹴られた方が負け、という感覚ですね。
Who would win in a fight を別の表現で言い換えたことになります。
ロスとチャンドラーのどっちが喧嘩で勝つと思う?と聞かれたチャンドラー本人は、There's no question. 「疑問・質問はない」、つまり、「疑問・質問にもならない、問われるまでもない、疑問の余地がない」と答えます。
そんなの質問するまでもなく、答えはわかりきってるよ、という感覚ですね。
それで話が終われば良かったのですが、ジョーイはわざわざ(笑)、「それじゃあ、お前もロスだと思うの?」みたいに返します。
それを聞いて、モニカが気まずそうな顔をして、顔をそむけています。
今のジョーイの発言で、「モニカと話した時に、モニカ”も”、ロスだと思った」ことがわかってしまったからですね。
So you think Ross? 「それじゃあ、お前はロスだと思う?」だけでも、So 「それじゃあ、そういうことなら」という流れで、ジョーイとモニカの間で「ロスが勝つ」という話題になったらしいことは想像できますが、So you think Ross too? 「それじゃあ、お前”も”ロスだと思うのか?」のように、too が入ってしまっては、もうごまかしようもありません。
その too で、「モニカも」ロスだと思ったことに気づいたチャンドラーは、はっきりと、「君は(俺の妻なのに)ロスを選んだのか?」みたいに叫んでいます。
もうごまかせないと思ったモニカは、「だってロスはとっても強いのよ。あなたたち(男性)3人の中で一番強いわ」と言っています。
「ロスはとにかく絶対的に強いんだから、誰とも比べられないのよ」みたいに言うことで、「ロスが強いだけで、チャンドラーが弱い、って意味じゃない」と必死に言い訳していることになります。
「あなたたち男性3人の中で一番ロスが強い」みたいに言うのを聞いて、ジョーイはムっとした顔でモニカをにらんでいます。
モニカはジョーイの方を見ずに話しているものの、その視線を感じたのでしょう、それで慌てて、Except for Joey. 「男性3人と言っても、ジョーイを除いてね」と付け加えたわけですね。
ジョーイはそれを聞いて、「そうそう、それでよろしい」みたいににっこりすることになります。
「あなたたち3人全員で一番強い」と言った後、「ただしジョーイは除く」という条件がついたので、つまりは、「ジョーイを除いた2人のうち、ロスが一番強い」→「チャンドラーが一番弱い」と認める発言を、モニカがしたことになります。
「俺の奥さんなのに、俺を選ばばなかったなんて信じられないよ」と怒った様子のチャンドラー。
ロスのセリフの、in someone's defense は「(人)を守る・弁護するために」ということで、ここでは「彼女を弁護させてもらうと」という感覚になります。
I would destroy you. の would は「もし僕がその気になれば、そうなるだろう」という「仮定」の感覚でしょうね。
destroy は「破壊する」で、ここでは「やっつける、叩きのめす」という感じですね。
それを聞いたチャンドラーは、「お前の方が俺より強いだって? それなら証明してみたらどうだ?」と言います。
ロスの I'll prove it like a theorem!! の theorem は「(数学の)定理」。
「証明してみせろ」と言われたので、「あぁ、数学の定理のように証明してみせてやるさ」と返したことになります。
特に面白い返しだとも思わないのですが(笑)、科学者であることを誇りにしているロスっぽい返しであることは間違いないですね。
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2014年01月31日
2014年01月29日
flushedに見える フレンズ8-6その4
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ハロウィーン・パーティーのコスプレで、ロスは、ジャガイモの恰好をして、頭にアンテナを付けています。
ロスは人工衛星スプートニクのつもりなのですが(それについては後で説明します)、みんなからは「うんち」に見える、とばかにされてしまいます。
一方のチャンドラーは、ピンクのうさぎのコスプレをしていて(それについても後述します)、見た目的にはどっちもどっちw という感じなのですが、ロスと(ロスの現在のデート相手の)モナが、チャンドラーの前を通り過ぎる時に、チャンドラーはロスに声をかけます。
チャンドラー: Howdy, doodie. (ハウディー・ドゥディー[よお、うんちくん]。)
ロス: That's funny, yeah. Y'know you're the funniest man here in a pink bunny costume his wife made him wear. (それって面白いよね。ほら、君はここで一番面白いやつなんだから、奥さんに着せられたピンクウサギのコスチュームを着てさ。)
チャンドラー: Oh, relax, man, relax. You're looking a little "flushed." (なぁ、リラックスしろよ、リラックスだよ。お前、ちょっと「顔が赤い[流された]」ように見えてるぞ。)
ロスが着ているジャガイモのコスプレについては、その恰好で登場したシーンで彼自身が以下のように説明していました。(記事では解説しなかったので、ここで改めてご紹介します)
ロス: Remember the Russian satellite, Sputnik? (They all look at him.) Well, I'm a potato. Or a "spud". And these are my antenna. (Points to the colander with an old TV antenna glued on top that he's wearing.) So Sputnik, becomes.... (They're still confused) Spud-nik. Spudnik! (ロシアの衛星スプートニクを覚えてる? [全員がロスを見る] そうさ、僕はジャガイモだ。または、(別の単語では)"spud"(同じく「ジャガイモ」の意味)だ。そして、これは僕のアンテナだ。[自分の着ているものの上に古いテレビアンテナが接着された水切りボウルを指さす] だから、スプートニクが… [みんなはまだ困惑している]スパッド・ニク。スパッドニクになるんだよ!)
spud というのは「ジャガイモ」を意味する俗語で、スパッドにアンテナをつけているから、これは「スパッドニク(スプートニク)」を表現しているんだ、、という、かなり無理矢理な感じのダジャレだったのですね。
でも、ジャガイモ(spud)よりもウンチ(doodie)に見える、とみんなにさんざんバカにされてしまうことになります。
ちなみに、スプートニク(sputnik)とは、旧ソ連の人工衛星の名前です。
スプートニク1号は、1957年に打ち上げられた、世界最初の人工衛星になります。
Wikipedia 日本語版 : スプートニク1号 には、写真も載っており、また、ウィキペディアの「概要」には以下の説明があります。
スプートニク計画の最初の機体である。衛星の外形は、直径58cmのアルミニウム製の球であり、それに長さ2.4mのアンテナ4本が一方向についているものであった。
ロスは spud にアンテナをつけていたのですが、スプートニクの形状の特徴である「アンテナ」をちゃんとつけているのが、ロス的には自慢のポイント^^ だったのでしょうね。
チャンドラーは、ピンクのウサギのコスプレをしているのですが、それについては、これより前のシーンで以下のように説明されていました。
モニカ: What?! I thought he'd love it! His favorite kid's book was the Velveteen Rabbit! (何ですって? チャンドラーはそれが好きだと思ってたのに! 彼のお気に入りの絵本は「ビロードのうさぎ」だったのよ!)
チャンドラー: The Velveteen Rabbit was brown and white! (ビロードのうさぎは、茶色と白だったぞ!)
そのやりとりからもわかるように、チャンドラーが「ビロードのうさぎ」(原題:The Velveteen Rabbit)という絵本が好きだから、という理由で、モニカがウサギのコスプレを用意し、「ビロードうさぎ自体はピンクじゃなくて、茶色と白なんだけど、、」とチャンドラーは不満を言いながらも、それを着ているという状態なわけです。
ちなみに、「ビロードのうさぎ」は、チャンドラーが恋していた女性キャシーが好きだった本でもあって、彼女の誕生日にその本をプレゼントする、という話が、フレンズ4-6 に出てきました。
昔の小ネタを持ち出してくるのも、シリーズ物の楽しさとも言えますね。
そんな風に、「ウンチに見えるジャガイモ」と「全身ピンクのウサギ」のコスプレをした二人が、お互いの恰好をけなし合うことになるのですが、まず、チャンドラーがロスにした挨拶、Howdy, doodie. について。
これは、アメリカの子供番組に Howdy Doody というタイトルのものがあり、それを意識したもののようです。
Wikipedia 英語版: Howdy Doody
上のウィキペディアの画像には、腹話術の人形を持った男性の写真が載っています。
Howdy というのは元々、How do you do? を短縮した挨拶で、「よう! よお!」という感覚ですが、Howdy Doody も、Howdy の -dy の音に合わせて、do を doody にしてリズム感を出してみた、みたいな言葉遊びなのでしょうね。
チャンドラーが言った doodie は幼児語の「うんち」という意味で、子供番組のタイトルにも使われていた Howdy Doody と同じ「音」で Howdy Doodie と声を掛けることで、「よお、うんちくん」と言ってみせた、というジョークになるでしょう。
意味としては、Hey, doodie. と同じことですが、Howdy Doody という有名な子供番組があるからこそ、音が同じになって面白いダジャレみたいになるわけですね。
また、「うんちネタ」でからかわれたロスは、「それって面白いね。奥さんにピンクのウサギのコスプレをさせられてる、ここで君が一番面白いやつなのに」と返しています。
「奥さんに言われるままに、全身ピンクウサギになってる君に言われたくないね。君に衣装のことで言われるなんてちゃんちゃらおかしいね」みたいに言いたいわけでしょう。
そう言い返されたチャンドラーの、次の言葉が面白いです。
このチャンドラーのセリフでは、flushed が英語のダブルミーニングになっているのがポイントです。
まず、普通にこのセリフを聞いた場合には、この flushed は「顔が紅潮した、赤くなった」という意味になります。
flush という動詞は自動詞で「顔を赤らめる、紅潮する、(血が)顔にさっと上る」、そして他動詞で「(顔・頬などを)赤くさせる、紅潮させる」という意味もあります。
この他動詞は、be flushed (with...) のような受身形の形で使われて、「…で顔を赤くする」という意味になります。
Macmillan Dictionary では、
flushed [adjective] : looking red because you are hot or ill, or feel angry, embarrassed, or excited
つまり、「自分が暑い、または病気である、または怒っている、恥ずかしい、興奮しているなどの理由で(顔が)赤く見える」。
この語義で考えると、チャンドラーのセリフは、「なぁ、リラックスしろよ、リラックスだよ。お前ちょっと顔が赤らんで[紅潮して]見えてるぞ」という意味に理解できます。
「うんちと言われて、負けじと言い返そうとして、お前興奮してるだろ。顔が赤くなってるから、もっとリラックスしろよ」と言った感じになりますね。
「まぁ、そうむきになるなって」みたいに言われただけなら、喧嘩でよくある会話なのですが、ここでのポイントは flush のもう一つの意味にあります。
flush には「(トイレなどに)水を流す、水で洗い流す」という意味もあるのですね。
「トイレに水を流す」は、flush the toilet になります。
flush という単語のイメージは、「(水・液体を)どっと流す」という感覚で、「トイレに水をどっと流すことでトイレを洗う」のにも使われるし、「顔に血液がどっと流れる→顔が赤らむ、紅潮する」にも使われる、ということになります。
そのトイレの意味は、Macmillan Dictionary では以下のように説明されています。
flush : to make water pass through a toilet
つまり、「水をトイレに流すこと」。
オンライン辞典の Macmillan Dictionary の flush の項目 では、この「トイレに水を流す」の意味の部分に、♪マーク(音符マーク)がついており、そこをクリックすると、「トイレの水が流れる音」が聞こえます。
女性用トイレによく設置されている「音姫」(トイレ用擬音装置)を思い出させるサウンドw で、思わず笑ってしまいましたが、まぁ、この音を聞けば確かにイメージは湧きやすい、、などとちょっと感心したりもしました。
ということで、この「トイレに水を流す」という意味で解釈すると、「お前はちょっと”トイレに流された”ように見えてるぞ」と聞こえるわけですね。
「うんちだから、トイレに流される」という風に、ここでもまた、うんちネタでからかわれたことになります。
「おいおい、興奮しないで落ち着けよ、紅潮してるぞ」と言っているように見せて、紅潮してるぞ、の意味には、「トイレに流されてるぞ(何しろお前は、”うんちくん”なんだもんな)」というもう一つの意味を持たせている、というダブルミーニングのジョークであり、flushed にその2つの意味があると知っていた方は、いい感じで笑えたかなぁ、と思います。
観客の笑い声も、結構後を引く感じで笑いが続いていて、かすかに拍手も起こっているので、「うまく言った!」的な、絶妙なジョークだと言えそうですね。
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一方のチャンドラーは、ピンクのうさぎのコスプレをしていて(それについても後述します)、見た目的にはどっちもどっちw という感じなのですが、ロスと(ロスの現在のデート相手の)モナが、チャンドラーの前を通り過ぎる時に、チャンドラーはロスに声をかけます。
チャンドラー: Howdy, doodie. (ハウディー・ドゥディー[よお、うんちくん]。)
ロス: That's funny, yeah. Y'know you're the funniest man here in a pink bunny costume his wife made him wear. (それって面白いよね。ほら、君はここで一番面白いやつなんだから、奥さんに着せられたピンクウサギのコスチュームを着てさ。)
チャンドラー: Oh, relax, man, relax. You're looking a little "flushed." (なぁ、リラックスしろよ、リラックスだよ。お前、ちょっと「顔が赤い[流された]」ように見えてるぞ。)
ロスが着ているジャガイモのコスプレについては、その恰好で登場したシーンで彼自身が以下のように説明していました。(記事では解説しなかったので、ここで改めてご紹介します)
ロス: Remember the Russian satellite, Sputnik? (They all look at him.) Well, I'm a potato. Or a "spud". And these are my antenna. (Points to the colander with an old TV antenna glued on top that he's wearing.) So Sputnik, becomes.... (They're still confused) Spud-nik. Spudnik! (ロシアの衛星スプートニクを覚えてる? [全員がロスを見る] そうさ、僕はジャガイモだ。または、(別の単語では)"spud"(同じく「ジャガイモ」の意味)だ。そして、これは僕のアンテナだ。[自分の着ているものの上に古いテレビアンテナが接着された水切りボウルを指さす] だから、スプートニクが… [みんなはまだ困惑している]スパッド・ニク。スパッドニクになるんだよ!)
spud というのは「ジャガイモ」を意味する俗語で、スパッドにアンテナをつけているから、これは「スパッドニク(スプートニク)」を表現しているんだ、、という、かなり無理矢理な感じのダジャレだったのですね。
でも、ジャガイモ(spud)よりもウンチ(doodie)に見える、とみんなにさんざんバカにされてしまうことになります。
ちなみに、スプートニク(sputnik)とは、旧ソ連の人工衛星の名前です。
スプートニク1号は、1957年に打ち上げられた、世界最初の人工衛星になります。
Wikipedia 日本語版 : スプートニク1号 には、写真も載っており、また、ウィキペディアの「概要」には以下の説明があります。
スプートニク計画の最初の機体である。衛星の外形は、直径58cmのアルミニウム製の球であり、それに長さ2.4mのアンテナ4本が一方向についているものであった。
ロスは spud にアンテナをつけていたのですが、スプートニクの形状の特徴である「アンテナ」をちゃんとつけているのが、ロス的には自慢のポイント^^ だったのでしょうね。
チャンドラーは、ピンクのウサギのコスプレをしているのですが、それについては、これより前のシーンで以下のように説明されていました。
モニカ: What?! I thought he'd love it! His favorite kid's book was the Velveteen Rabbit! (何ですって? チャンドラーはそれが好きだと思ってたのに! 彼のお気に入りの絵本は「ビロードのうさぎ」だったのよ!)
チャンドラー: The Velveteen Rabbit was brown and white! (ビロードのうさぎは、茶色と白だったぞ!)
そのやりとりからもわかるように、チャンドラーが「ビロードのうさぎ」(原題:The Velveteen Rabbit)という絵本が好きだから、という理由で、モニカがウサギのコスプレを用意し、「ビロードうさぎ自体はピンクじゃなくて、茶色と白なんだけど、、」とチャンドラーは不満を言いながらも、それを着ているという状態なわけです。
ちなみに、「ビロードのうさぎ」は、チャンドラーが恋していた女性キャシーが好きだった本でもあって、彼女の誕生日にその本をプレゼントする、という話が、フレンズ4-6 に出てきました。
昔の小ネタを持ち出してくるのも、シリーズ物の楽しさとも言えますね。
そんな風に、「ウンチに見えるジャガイモ」と「全身ピンクのウサギ」のコスプレをした二人が、お互いの恰好をけなし合うことになるのですが、まず、チャンドラーがロスにした挨拶、Howdy, doodie. について。
これは、アメリカの子供番組に Howdy Doody というタイトルのものがあり、それを意識したもののようです。
Wikipedia 英語版: Howdy Doody
上のウィキペディアの画像には、腹話術の人形を持った男性の写真が載っています。
Howdy というのは元々、How do you do? を短縮した挨拶で、「よう! よお!」という感覚ですが、Howdy Doody も、Howdy の -dy の音に合わせて、do を doody にしてリズム感を出してみた、みたいな言葉遊びなのでしょうね。
チャンドラーが言った doodie は幼児語の「うんち」という意味で、子供番組のタイトルにも使われていた Howdy Doody と同じ「音」で Howdy Doodie と声を掛けることで、「よお、うんちくん」と言ってみせた、というジョークになるでしょう。
意味としては、Hey, doodie. と同じことですが、Howdy Doody という有名な子供番組があるからこそ、音が同じになって面白いダジャレみたいになるわけですね。
また、「うんちネタ」でからかわれたロスは、「それって面白いね。奥さんにピンクのウサギのコスプレをさせられてる、ここで君が一番面白いやつなのに」と返しています。
「奥さんに言われるままに、全身ピンクウサギになってる君に言われたくないね。君に衣装のことで言われるなんてちゃんちゃらおかしいね」みたいに言いたいわけでしょう。
そう言い返されたチャンドラーの、次の言葉が面白いです。
このチャンドラーのセリフでは、flushed が英語のダブルミーニングになっているのがポイントです。
まず、普通にこのセリフを聞いた場合には、この flushed は「顔が紅潮した、赤くなった」という意味になります。
flush という動詞は自動詞で「顔を赤らめる、紅潮する、(血が)顔にさっと上る」、そして他動詞で「(顔・頬などを)赤くさせる、紅潮させる」という意味もあります。
この他動詞は、be flushed (with...) のような受身形の形で使われて、「…で顔を赤くする」という意味になります。
Macmillan Dictionary では、
flushed [adjective] : looking red because you are hot or ill, or feel angry, embarrassed, or excited
つまり、「自分が暑い、または病気である、または怒っている、恥ずかしい、興奮しているなどの理由で(顔が)赤く見える」。
この語義で考えると、チャンドラーのセリフは、「なぁ、リラックスしろよ、リラックスだよ。お前ちょっと顔が赤らんで[紅潮して]見えてるぞ」という意味に理解できます。
「うんちと言われて、負けじと言い返そうとして、お前興奮してるだろ。顔が赤くなってるから、もっとリラックスしろよ」と言った感じになりますね。
「まぁ、そうむきになるなって」みたいに言われただけなら、喧嘩でよくある会話なのですが、ここでのポイントは flush のもう一つの意味にあります。
flush には「(トイレなどに)水を流す、水で洗い流す」という意味もあるのですね。
「トイレに水を流す」は、flush the toilet になります。
flush という単語のイメージは、「(水・液体を)どっと流す」という感覚で、「トイレに水をどっと流すことでトイレを洗う」のにも使われるし、「顔に血液がどっと流れる→顔が赤らむ、紅潮する」にも使われる、ということになります。
そのトイレの意味は、Macmillan Dictionary では以下のように説明されています。
flush : to make water pass through a toilet
つまり、「水をトイレに流すこと」。
オンライン辞典の Macmillan Dictionary の flush の項目 では、この「トイレに水を流す」の意味の部分に、♪マーク(音符マーク)がついており、そこをクリックすると、「トイレの水が流れる音」が聞こえます。
女性用トイレによく設置されている「音姫」(トイレ用擬音装置)を思い出させるサウンドw で、思わず笑ってしまいましたが、まぁ、この音を聞けば確かにイメージは湧きやすい、、などとちょっと感心したりもしました。
ということで、この「トイレに水を流す」という意味で解釈すると、「お前はちょっと”トイレに流された”ように見えてるぞ」と聞こえるわけですね。
「うんちだから、トイレに流される」という風に、ここでもまた、うんちネタでからかわれたことになります。
「おいおい、興奮しないで落ち着けよ、紅潮してるぞ」と言っているように見せて、紅潮してるぞ、の意味には、「トイレに流されてるぞ(何しろお前は、”うんちくん”なんだもんな)」というもう一つの意味を持たせている、というダブルミーニングのジョークであり、flushed にその2つの意味があると知っていた方は、いい感じで笑えたかなぁ、と思います。
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2014年01月27日
愛してると言われてすべてをあげた フレンズ8-6その3
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チャンドラーとモニカの家では、ハロウィーン・パーティーが開かれています。
(There's a knock on the door.)
ドアにノック。
少女: Trick or treat! (トリック・オア・トリート![お菓子をくれないといたずらするぞ!])
レイチェル: Oh! (Opens the door to reveal a ballerina) Well, you're just the prettiest ballerina I've ever seen. (まぁ。[ドアを開けると、バレリーナがあらわれる] あなたはまさに私が今まで見た中で一番かわいいバレリーナだわ!)
バレリーナ(の少女): Thank you. (Pirouettes.) (ありがとう。[つま先で回る])
レイチェル: Oh wow! That deserves another piece of candy. (まあ! 今のは、キャンディーもう1個に値するわね。)
バレリーナ(の少女): Thank you. (Does another ballerina move.) (ありがとう。[また別のバレリーナの動きをする])
レイチェル: Well, I have to say, that earns "two-two" pieces of candy. (こう言わなきゃいけないわね。今ので「2個、2個」キャンディーを稼いだわ。)
バレリーナ(の少女): I love you! (Hugs Rachel.) (大好き! [レイチェルをハグする])
レイチェル: Ohh.... Oh, honey here. Take it all. (Pours the entire large bowl into her bag and closes the door.) Monica! We need more candy? (まぁ…。ハニー、これ。全部取っていいわ。[少女のバッグに大きなボウルの中身全部を入れて[注いで]、ドアを閉める] モニカ! もっとキャンディーがいるんだけど?)
モニカ: What?! There's only been like four kids. (何ですって? 4人くらいの子供がいただけじゃないの。)
レイチェル: Yeah, I know, but one of them just said that she loved me so I just gave her everything. (そうね、わかってる。でも、そのうちの一人が、私のことを大好き[私を愛してる]って言ったのよ、だからその子に全部あげちゃった。)
フィービー: No wonder you're pregnant. (あなたが妊娠しているのも、無理もないわね。)
今回のエピソードは、ハロウィーン・パーティーの話なので、中で仮装パーティーをしている最中にも子供たちがやってきて、"Trick or treat!" と言いながら、お菓子をおねだりしています。
日本でも、ハロウィーンが浸透してきた感じで、「トリック・オア・トリート」という決まり文句も有名になりましたね。
これまでのフレンズでも、ハロウィーンの話は何度も出てきましたが、この Trick or treat. については、詳しく説明していなかったようなので、ここで改めて説明しておきます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、以下のように説明されていました。
trick of treat [interjection] : said by children when they go trick-or-treating, in order to say that they will play a trick on someone if they are not given a treat (= piece of candy)
つまり、「子供が trick-or-treating をしに行く時に、子供たちによって言われる(言葉)。もしトリート(キャンディー)をもらえなかったら、誰かにいたずらをする[しかける]ぞ、と言うために」。
語義の中にも、trick-or-treating という言葉が使われているので、意味が循環してしまいそうですが、その trick-or-treating は、LAAD では以下のように説明されています。
trick-or-treating : [noun, uncountable] an activity in which children dress in costumes on Halloween and go from house to house saying "trick or treat" in order to get candy.
つまり、「子供たちがハロウィーンにコスチュームを着て、キャンディーをゲットするために、「トリック・オア・トリート」と言いながら、家から家へと行く[家々を回る]という活動」。
語義の中で、何度も candy という単語が出てきますが、これは日本語のキャンディーからイメージされる「あめ」だけではなく、チョコレートやキャラメルも candy のカテゴリーに入ります。
上の日本語訳では「キャンディー」と訳しておきましたが、チョコなども含むというイメージで考えていて下さいね、ということです。
レイチェルがドアを開けると、バレリーナの衣装を着た女の子が立っていました。
「私が今まで見た中で、一番かわいいバレリーナだわ」と言われた女の子は、バレリーナっぽいしぐさで、つま先で回ってみせます。
ト書きの pirouette は「ピルエット」のように、エにアクセントが来ます。
バレエの用語で、「つま先旋回・ピルエット(をする)」という意味で、フランス語の「こま」の意味だそうです。
かわいい動きまで見せてくれたので、レイチェルは、"That deserves another piece of candy." と言って、さらにもう1個、キャンディーを渡しています。
deserve は、「…の価値がある、…に値する、…を受けるに足る」ですから、「今の(ピルエット)は、キャンディーもう1個に値する、キャンディーもう1個分の価値がある」と言っていることになります。
おまけにもう1個もらえた少女は、今度はまた別のバレリーナの動きを見せます。
それを見たレイチェルは、"I have to say, that earns "two-two" pieces of candy." と言っていますね。
two-two と言ったので、2個、もしくは、「2個+2個=4個」をあげるのかな、と思ったりもしたのですが、画面を見ている限りは、追加で少女の袋に入れたキャンディーは1個のように見えました。
そういうことなので、「two-two と個数との関係」はいまいちよくわからないのですが、ここで、two-two という言葉が出てきたのは、バレリーナの「チュチュ」(tutu)つながりのようです。
チュチュというのは、バレエ用の短いスカートのことです。
DVD の英語字幕では、that earns "two-two" pieces of candy. と表記されていましたが、ネットスクリプトでは、earns tutu pieces of candy. と書かれていました。
日本語では、「チュチュ」みたいに言いますが、英語の発音は、[tu:tu:] のように、「チュ」というよりは「トゥ」で、その [tu:] の発音は、英語の two と同じ発音になります。
ですから、バレエ用語の tutu を使って、two-two という数字に聞こえるように言ってみせたわけで、同じ音の単語を使った、いわゆるダジャレ^^ になるでしょう。
さらにキャンディーをたくさんもらえちゃった女の子は、I love you! と言いながら、レイチェルに抱きついています。
子供にそんな風に抱きつかれて、やはり嬉しかったのでしょう、レイチェルは「全部取って」と言って、ボウルに入っていたキャンディーをごっそり全部、少女のバッグに入れることになります。
ト書きの動詞 pour は「(液体などを)注ぐ(そそぐ)、つぐ」という意味で使われますが、今回のようなキャンディーという「液体ではない固体」の場合でも、使うことができるんですね。
ボウルから、ざらざら〜っと全部のキャンディーをバッグの中に入れるという行為は、確かに、ポットから水をそそぐ、の「そそぐ」に似た感覚がありますよね。
LAAD では、
pour : LIQUID [transitive] to make a liquid or a substance such as salt or sand flow out of or into something
つまり、「液体、または、塩や砂などのような物質が、何かから流れ出る、または何かに流し込まれるようにすること」。
make ... flow out of のように、使役動詞 make が使われているので、直訳すると回りくどくなってしまいましたが、要は、「液体や物質(塩・砂など)が流れ出る、流れ込む状態にする」ということになります。
語義にあるように、塩や砂などにも使えるのですね。
flow out of/flow into 「流し出す、流し込む」の flow にポイントがあるように思うのですが、固体であっても、それが全体としてまとまって液体のような動きをしながら「流れる」感覚がある場合に、pour が使われるということになるのでしょう。
バレリーナの女の子に、持っていたキャンディーをごっそりあげてしまったレイチェルは、奥にいるモニカに向かって、「もっとキャンディーいるんだけど(あるかしら)?」みたいに言っています。
まだ4人くらいの子供が訪れただけなのに、もうなくなっちゃったの?という感じでモニカは驚いていますね。
one of them just said that she loved me so I just gave her everything を直訳すると、「その4人の子供のうちの一人が、”愛してる[大好き]”って言ったのよ、だから私は彼女に全部あげちゃったの」というところですね。
それを聞いたフィービーは、No wonder you're pregnant. と言っています。
no wonder の wonder は「驚き」または「不思議」ですから、no wonder は「驚き・不思議がない」、つまり、「…は驚くに値しない、不思議ではない」「…も当然だ、無理もない、道理で・なるほど…なわけだ」というようなニュアンスになります。
つまりフィービーは、「あなたが(今)妊娠してるのも、何も不思議じゃないわね、無理もないわね」と言っていることになります。
これは、レイチェルの言った発言、「私を愛してるって言うから、私はその人に全部あげちゃった」ということを、エッチの意味で解釈してのセリフなんだろうと私は思いました。
バレリーナの子が言ったのは、「お姉さん、大好き!」という感じの I love you. ですが、その I love you. を男女の恋愛のセリフのように捉えて、「相手に”愛してるよ”って言われたら、その人にすべてをあげちゃう」、、ついそういうことをしてしまう性格だから、「愛してる」という言葉だけで相手にすべてを許してしまって、あげく妊娠しちゃうことになるわけね、、みたいにフィービーは言った、ということですね。
このフィービーのセリフに対して観客から笑い声(ラフトラック)が起こっていますが、「後から来るような笑い」というか、笑いが起こるまでにわずかながらの「間」がある感じがします。
聞いた瞬間に大爆笑というよりも、それってつまりこういうこと??と、観客の頭の中で、そのセリフに隠れた意味を知るのに少々時間がかかる、みたいなタイプのオチになっている気がしました。
笑いと同時にいくつか拍手も起こっていますが、それも「うまいこと言ったじゃん」的な拍手なんだろうなぁ、と。
そう言われたレイチェルも、「ん、、それってどういうこと?」みたいに、ちょっと考える表情をしているのも、それと同じことでしょう。
レイチェルは実際に起こった事実を述べているだけで、観客も視聴者の我々も、さっき見たばかりのバレリーナの女の子が抱きついてきたシーンを思い浮かべるわけなので、それ以外の意味に解釈することはないですよね。
それをフィービーがそんな風に言ったことで、「レイチェルが言った言葉っていうのは、違う視点で見ると、そんな風に聞こえてしまう」ということに気付ける面白さ、なんだろうと。
日本語でも、前後の文脈なしに単独で、「愛してると言われてすべてをあげちゃった」という「言葉」だけ聞くと、「彼にすべてをささげちゃった」みたいに、エッチ系の話のように聞こえてしまう、、ということを利用したオチになっているわけですね。
演出的には、このオチに持っていくために、「少女が I love you. と言って抱きつき、レイチェルが思わずキャンディーを全部あげてしまう」というシーンがあったということになるのでしょうが、それをわざとらしく何かの伏線のように感じさせずに、自然なドラマのように見せてしまうところが、フレンズの脚本のセンスの良さなんだろうなと思いました。
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チャンドラーとモニカの家では、ハロウィーン・パーティーが開かれています。
(There's a knock on the door.)
ドアにノック。
少女: Trick or treat! (トリック・オア・トリート![お菓子をくれないといたずらするぞ!])
レイチェル: Oh! (Opens the door to reveal a ballerina) Well, you're just the prettiest ballerina I've ever seen. (まぁ。[ドアを開けると、バレリーナがあらわれる] あなたはまさに私が今まで見た中で一番かわいいバレリーナだわ!)
バレリーナ(の少女): Thank you. (Pirouettes.) (ありがとう。[つま先で回る])
レイチェル: Oh wow! That deserves another piece of candy. (まあ! 今のは、キャンディーもう1個に値するわね。)
バレリーナ(の少女): Thank you. (Does another ballerina move.) (ありがとう。[また別のバレリーナの動きをする])
レイチェル: Well, I have to say, that earns "two-two" pieces of candy. (こう言わなきゃいけないわね。今ので「2個、2個」キャンディーを稼いだわ。)
バレリーナ(の少女): I love you! (Hugs Rachel.) (大好き! [レイチェルをハグする])
レイチェル: Ohh.... Oh, honey here. Take it all. (Pours the entire large bowl into her bag and closes the door.) Monica! We need more candy? (まぁ…。ハニー、これ。全部取っていいわ。[少女のバッグに大きなボウルの中身全部を入れて[注いで]、ドアを閉める] モニカ! もっとキャンディーがいるんだけど?)
モニカ: What?! There's only been like four kids. (何ですって? 4人くらいの子供がいただけじゃないの。)
レイチェル: Yeah, I know, but one of them just said that she loved me so I just gave her everything. (そうね、わかってる。でも、そのうちの一人が、私のことを大好き[私を愛してる]って言ったのよ、だからその子に全部あげちゃった。)
フィービー: No wonder you're pregnant. (あなたが妊娠しているのも、無理もないわね。)
今回のエピソードは、ハロウィーン・パーティーの話なので、中で仮装パーティーをしている最中にも子供たちがやってきて、"Trick or treat!" と言いながら、お菓子をおねだりしています。
日本でも、ハロウィーンが浸透してきた感じで、「トリック・オア・トリート」という決まり文句も有名になりましたね。
これまでのフレンズでも、ハロウィーンの話は何度も出てきましたが、この Trick or treat. については、詳しく説明していなかったようなので、ここで改めて説明しておきます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、以下のように説明されていました。
trick of treat [interjection] : said by children when they go trick-or-treating, in order to say that they will play a trick on someone if they are not given a treat (= piece of candy)
つまり、「子供が trick-or-treating をしに行く時に、子供たちによって言われる(言葉)。もしトリート(キャンディー)をもらえなかったら、誰かにいたずらをする[しかける]ぞ、と言うために」。
語義の中にも、trick-or-treating という言葉が使われているので、意味が循環してしまいそうですが、その trick-or-treating は、LAAD では以下のように説明されています。
trick-or-treating : [noun, uncountable] an activity in which children dress in costumes on Halloween and go from house to house saying "trick or treat" in order to get candy.
つまり、「子供たちがハロウィーンにコスチュームを着て、キャンディーをゲットするために、「トリック・オア・トリート」と言いながら、家から家へと行く[家々を回る]という活動」。
語義の中で、何度も candy という単語が出てきますが、これは日本語のキャンディーからイメージされる「あめ」だけではなく、チョコレートやキャラメルも candy のカテゴリーに入ります。
上の日本語訳では「キャンディー」と訳しておきましたが、チョコなども含むというイメージで考えていて下さいね、ということです。
レイチェルがドアを開けると、バレリーナの衣装を着た女の子が立っていました。
「私が今まで見た中で、一番かわいいバレリーナだわ」と言われた女の子は、バレリーナっぽいしぐさで、つま先で回ってみせます。
ト書きの pirouette は「ピルエット」のように、エにアクセントが来ます。
バレエの用語で、「つま先旋回・ピルエット(をする)」という意味で、フランス語の「こま」の意味だそうです。
かわいい動きまで見せてくれたので、レイチェルは、"That deserves another piece of candy." と言って、さらにもう1個、キャンディーを渡しています。
deserve は、「…の価値がある、…に値する、…を受けるに足る」ですから、「今の(ピルエット)は、キャンディーもう1個に値する、キャンディーもう1個分の価値がある」と言っていることになります。
おまけにもう1個もらえた少女は、今度はまた別のバレリーナの動きを見せます。
それを見たレイチェルは、"I have to say, that earns "two-two" pieces of candy." と言っていますね。
two-two と言ったので、2個、もしくは、「2個+2個=4個」をあげるのかな、と思ったりもしたのですが、画面を見ている限りは、追加で少女の袋に入れたキャンディーは1個のように見えました。
そういうことなので、「two-two と個数との関係」はいまいちよくわからないのですが、ここで、two-two という言葉が出てきたのは、バレリーナの「チュチュ」(tutu)つながりのようです。
チュチュというのは、バレエ用の短いスカートのことです。
DVD の英語字幕では、that earns "two-two" pieces of candy. と表記されていましたが、ネットスクリプトでは、earns tutu pieces of candy. と書かれていました。
日本語では、「チュチュ」みたいに言いますが、英語の発音は、[tu:tu:] のように、「チュ」というよりは「トゥ」で、その [tu:] の発音は、英語の two と同じ発音になります。
ですから、バレエ用語の tutu を使って、two-two という数字に聞こえるように言ってみせたわけで、同じ音の単語を使った、いわゆるダジャレ^^ になるでしょう。
さらにキャンディーをたくさんもらえちゃった女の子は、I love you! と言いながら、レイチェルに抱きついています。
子供にそんな風に抱きつかれて、やはり嬉しかったのでしょう、レイチェルは「全部取って」と言って、ボウルに入っていたキャンディーをごっそり全部、少女のバッグに入れることになります。
ト書きの動詞 pour は「(液体などを)注ぐ(そそぐ)、つぐ」という意味で使われますが、今回のようなキャンディーという「液体ではない固体」の場合でも、使うことができるんですね。
ボウルから、ざらざら〜っと全部のキャンディーをバッグの中に入れるという行為は、確かに、ポットから水をそそぐ、の「そそぐ」に似た感覚がありますよね。
LAAD では、
pour : LIQUID [transitive] to make a liquid or a substance such as salt or sand flow out of or into something
つまり、「液体、または、塩や砂などのような物質が、何かから流れ出る、または何かに流し込まれるようにすること」。
make ... flow out of のように、使役動詞 make が使われているので、直訳すると回りくどくなってしまいましたが、要は、「液体や物質(塩・砂など)が流れ出る、流れ込む状態にする」ということになります。
語義にあるように、塩や砂などにも使えるのですね。
flow out of/flow into 「流し出す、流し込む」の flow にポイントがあるように思うのですが、固体であっても、それが全体としてまとまって液体のような動きをしながら「流れる」感覚がある場合に、pour が使われるということになるのでしょう。
バレリーナの女の子に、持っていたキャンディーをごっそりあげてしまったレイチェルは、奥にいるモニカに向かって、「もっとキャンディーいるんだけど(あるかしら)?」みたいに言っています。
まだ4人くらいの子供が訪れただけなのに、もうなくなっちゃったの?という感じでモニカは驚いていますね。
one of them just said that she loved me so I just gave her everything を直訳すると、「その4人の子供のうちの一人が、”愛してる[大好き]”って言ったのよ、だから私は彼女に全部あげちゃったの」というところですね。
それを聞いたフィービーは、No wonder you're pregnant. と言っています。
no wonder の wonder は「驚き」または「不思議」ですから、no wonder は「驚き・不思議がない」、つまり、「…は驚くに値しない、不思議ではない」「…も当然だ、無理もない、道理で・なるほど…なわけだ」というようなニュアンスになります。
つまりフィービーは、「あなたが(今)妊娠してるのも、何も不思議じゃないわね、無理もないわね」と言っていることになります。
これは、レイチェルの言った発言、「私を愛してるって言うから、私はその人に全部あげちゃった」ということを、エッチの意味で解釈してのセリフなんだろうと私は思いました。
バレリーナの子が言ったのは、「お姉さん、大好き!」という感じの I love you. ですが、その I love you. を男女の恋愛のセリフのように捉えて、「相手に”愛してるよ”って言われたら、その人にすべてをあげちゃう」、、ついそういうことをしてしまう性格だから、「愛してる」という言葉だけで相手にすべてを許してしまって、あげく妊娠しちゃうことになるわけね、、みたいにフィービーは言った、ということですね。
このフィービーのセリフに対して観客から笑い声(ラフトラック)が起こっていますが、「後から来るような笑い」というか、笑いが起こるまでにわずかながらの「間」がある感じがします。
聞いた瞬間に大爆笑というよりも、それってつまりこういうこと??と、観客の頭の中で、そのセリフに隠れた意味を知るのに少々時間がかかる、みたいなタイプのオチになっている気がしました。
笑いと同時にいくつか拍手も起こっていますが、それも「うまいこと言ったじゃん」的な拍手なんだろうなぁ、と。
そう言われたレイチェルも、「ん、、それってどういうこと?」みたいに、ちょっと考える表情をしているのも、それと同じことでしょう。
レイチェルは実際に起こった事実を述べているだけで、観客も視聴者の我々も、さっき見たばかりのバレリーナの女の子が抱きついてきたシーンを思い浮かべるわけなので、それ以外の意味に解釈することはないですよね。
それをフィービーがそんな風に言ったことで、「レイチェルが言った言葉っていうのは、違う視点で見ると、そんな風に聞こえてしまう」ということに気付ける面白さ、なんだろうと。
日本語でも、前後の文脈なしに単独で、「愛してると言われてすべてをあげちゃった」という「言葉」だけ聞くと、「彼にすべてをささげちゃった」みたいに、エッチ系の話のように聞こえてしまう、、ということを利用したオチになっているわけですね。
演出的には、このオチに持っていくために、「少女が I love you. と言って抱きつき、レイチェルが思わずキャンディーを全部あげてしまう」というシーンがあったということになるのでしょうが、それをわざとらしく何かの伏線のように感じさせずに、自然なドラマのように見せてしまうところが、フレンズの脚本のセンスの良さなんだろうなと思いました。
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2014年01月24日
今も働いてることになってるんだけど フレンズ8-6その2
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[Scene: A Street, Phoebe is walking down it and passes Ursula.]
ストリート。フィービーが通りを歩いていて、アースラ(フィービーの双子の姉)とすれ違う。
フィービー: Ursula! (Ursula turns, smiles, and continues walking.) Wait! Err-err, it's me! Phoebe! (アースラ! [アースラは振り返り、微笑み、そのまま歩き続ける] 待って! あー、私よ! フィービーよ!)
アースラ: Oh, I thought there was a mirror there. Okay, bye-bye. (Starts to walk again.) (あぁ、そこに鏡があるのかと思った。オッケー、バイバイ。[再び歩き出す])
フィービー: Wait a second! So, what's new with you? (ちょっと待って! で、何か新しいニュースは?)
アースラ: Umm, nothing. I mean, I'm getting married next week. (あぁ、何もないわ。って言うか、来週結婚するけど。)
フィービー: What?! (何ですって?)
アースラ: Yeah! Yeah, it's gonna be a small ceremony. Just family. (Phoebe looks at her.) His. (そうよ! そうなの、小さな式になるわ。家族だけの。[フィービーはアースラを見る] 彼の家族よ。)
フィービー: Huh. Okay. Well, I'm really happy for you. (Starts to walk away.) (そう。わかった。あなたのこと本当に嬉しく思うわ。[歩き去ろうとする])
アースラ: Wait! If umm, if you want to come, I guess that'd be okay. (待って! もし、もしあなたが(式に)来たいなら、オッケーだと思うわ。)
フィービー: Really? (ほんとに?)
アースラ: Sure! Why not? You could be my sister for the day. (もちろん! だめなわけないわ。あなたは、”その日”私の妹になれるわよ。)
フィービー: Yeah. Okay. Umm, y'know, my friends are having a Halloween party tonight at my old apartment so, you could come. Maybe I could meet the guy you're marrying. (そうね。いいわ。ねぇ、私の友達が私の古いアパートメントでハロウィーン・パーティーを開くのよ。だから、あなたも来れるわ。多分、あなたが結婚する男性と会えるわよね。)
アースラ: Huh. Well, I'm supposed to be working at the restaurant tonight. I'm supposed to be working right now, so who cares! (うーん。私、今夜はレストランで働くことになってるのよね。今も働いてることになってるんだけど、だから、構わないわ!)
フィービー: By the way, it's a costume party. (ところで、コスチュームを着るパーティーだから。)
アースラ: Oh! Okay, so that's why you're.... (Motions to what she's wearing.) (ああ! わかった。だからあなたは… [フィービーが着ている服を示す動きをする])
フィービー: (looks down) No. But thanks. (Walks away.) ([下(の自分の服装)を見て] 違うわ。でもありがと。[歩き去る])
通りを歩いていたフィービーは、自分の双子の姉アースラとすれ違います。
アースラもフィービーに気付いて振り返ったのに、そのまま挨拶もせずに去って行こうとするので、フィービーは「私よ。フィービーよ!」と呼び止めます。
「あら、そこに鏡があるのかと思ったわ。じゃあね」と言って、またすたすた歩いて行こうとするアースラ、その相変わらずの悪女ぶりが面白いですね。
一卵性双生児なのですが、二人は仲が悪く、というか、アースラの性格が非常に悪く(笑)、二人のやりとりはいつもどこかズレていて、トンチンカンなのですが、今回もその「ズレ具合」を英語で楽しんでいただけると嬉しいなと思います。
双子と言っても普段は恐ろしく疎遠な二人。
仲が悪いことは自覚しつつも、久しぶりに会った姉と会話したいと思ったフィービーは、What's new with you? と尋ねています。
直訳すると、「あなたにとって、何が新しい?」みたいなことですから、「(最近)何かあった? 新しいこと[変わったこと]はあった?」と、相手の近況を尋ねる表現になります。
「何か近況ニュースはあるかしら?」みたいに聞かれたアースラは、nothing 「何もない」と言った後、I mean 「それはつまり、って言うか」のように言い足す形で、I'm getting married next week. と言っています。
フィービーは驚いて、What?! と叫んでいますが、それは「別に大したニュースはないわよ。っていうか、nothing とは言っても、結婚することにはなってるんだけどね」みたいにアースラが言ったからですね。
普通、I mean というのは、直前に言った自分の発言が相手にわかりにくかったかもと思って情報を付け足したり、違う言葉で言い換えたりする時に使うフレーズです。
直前に間違ったことを言った場合に「訂正」するニュアンスもありますが、このアースラの言い方を聞いていると、ついうっかり nothing と言ってしまったから慌てて訂正した、というより、あなたに話すほどの大したニュースじゃないんだけど、私は結婚することにはなってるわ、みたいに情報を「補足」した感じがするわけです。
「何か、ニュースある?」と聞かれて、「うん、私、結婚するの!」「うわ〜、それはビッグニュースね、おめでとう!」となるのが普通ですが、いったん、「ニュースは何もない」と言っておいてからの「結婚する予定よ」という発言は、普通の人の文脈ではありません(笑)。
「何もない、って超アリじゃん!」と言いたくなるようなその発言が、アースラっぽいわけですね。
双子の妹にすらその話を知らせていなかった、さらにはそれを大したニュースでもないようにおまけのように言ってみたところに、「アースラのフィービーに対する無関心さ」が出ているわけです。
驚いたフィービーに、「小さな式になる予定よ。ただ家族だけの」と答えるアースラですが、血を分けた肉親であるフィービーを前にしてのその発言に、フィービーは、「家族だけ、、って、私は結婚のことすら知らされていないんだけど」という気持ちを込めて、アースラの方を見ます。
それでアースラは、「家族と言っても、彼の家族よ」という意味で、His. と付け加えたわけですね。
この his はもちろん、his family ということで、文法的に言うと、his は「彼の」という所有格ではなく、「彼のもの」という「所有代名詞」になります。
ですから、ここで「私の家族よ」と言いたい場合には、my ではなく、mine という「所有代名詞」(私のもの、私の家族)という単語を使うことになる、ということです。
学校英語で習った、my と mine の関係は、mine がよく出てくる単語なので覚えている方も多いでしょうが、「彼の」という所有格も、「彼のもの」という所有代名詞も、どちらも his だということを忘れている方も多いかもしれない、、と思ったので、ここで改めて説明させていただきました(^^)
言葉だけ聞いていると、「家族だけの小さな式にする予定、、(だから、あなたには知らせてなかった)」という感じに聞こえるわけですが、フィービーが「実の双子の妹」というまさにその「家族」なのに、その彼女を目の前にしてそれを言うか?!みたいな面白さなわけですね。
「家族だけ、って彼の家族なんだけど」と言われても、「彼の家族は呼ぶのに、私には一言の知らせもないの?」と怒りたくなることに変わりはありません。
相変わらずの邪悪な姉さんだわ、みたいにフィービーも思ったのでしょう、I'm really happy for you というお祝いの言葉を残して、そのまま歩き去ろうとします。
I'm (realy) happy for you. というのは、「私はあなたに対して、幸せで嬉しい気持ちでいます」という感覚でしょうね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) でも、
be/feel happy for somebody
例) Congratulations, I'm really happy for you.
のような例文が出ているように、相手におめでたいことがあった場合に、「おめでとう。良かったね(私も嬉しいわ)」というニュアンスで使われることになります。
今度はアースラがフィービーを呼び止めて、「もし式に来たいのなら、それってオッケーだと思うわ」みたいなことを言っています。
来たいなら来ても構わないわよ、みたいなことですね。
やはり、結婚式に来てもいいと言われたのは嬉しいようで、フィービーは「ほんとに?」と喜んでいる様子。
Sure! も Why not? も、どちらも「もちろん(いいわ)!」というニュアンスですね。
Why not? の場合は、「どうしていけないの?」→「もちろんいいに決まってる」という反語表現になります。
You could be my sister for the day. の could は「あなたがその気なら、なろうと思えばなれる」みたいな感覚でしょうが、for the day も何も、日々毎日間違いなく、フィービーはアースラの妹なわけで、それをまるで「じゃあ、その日だけ、私の妹ってことにしとくわね」みたいに言ってみせた、アースラっぽいセリフなわけですね。
その後、フィービーは、自分の友達が今夜ハロウィーン・パーティーをするから来ない?と言っています。
at my old apartment 「私の古いアパートメント」と言っていますが、これは後のシーンで、今の「チャンドラーとモニカの家」であることがわかります。
レイチェルがモニカの家に住むまでは、モニカが一人で住んでいた部屋ですが、その前は、この部屋に、モニカとフィービーが住んでいた時期があるのです。
それでフィービーはその部屋を「私の昔のアパートメント」と表現しているわけですね。
ハロウィーン・パーティーに来てくれたら、あなたが結婚する人(婚約者)にも会えるし、とフィービーは言います。
アースラは、うーん、、という感じで、「私は今夜、レストランで働くことになってるのよね」と言っています。
さらに、「今も働いていることになっているのよね」と言って、who cares? と言いながら、「どうでもいいわ」みたい感じで手を軽く万歳しています。
be supposed to はフレンズ頻出表現で、「〜することになっている」。
今夜は仕事することになっているから行けない、、と言おうとしたものの、実は今も仕事中でほんとは働いてないといけないんだった、、それもサボってるわけだから、「誰が気にするっての?」→「誰も気にしないわ。ま、いっか」みたいに、行くことを承諾したわけですね。
そのパーティーは、コスチュームを着ないといけないパーティーよ、とフィービーが説明すると、アースラは、so that's why you're... 「だからあなたは…」みたいに言って、フィービーの服に視線をやっています。
つまりアースラは、「今夜、衣装を着ないといけないパーティーがあるから、だからあなたは今、そんな恰好をしているのね」と言っていることになりますね。
フィービーは普通の服を着ていただけなのに、「そっか、だから今、あなたは衣装を着てるんだ」と、まるでその服が「変わった服、奇妙な服」みたいに言われたとわかり、「違うわ」と強く否定しながらも、とりあえず「ありがとう」と言って、二人は別れることになるわけです。
フィービーとアースラのやりとり、というのは、いつもこんな風ですが(笑)、アースラの邪悪ぶりと、それに翻弄されるフィービーのセリフが、英語で面白いと感じられるようになると、いい感じ^^ ですね。
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[Scene: A Street, Phoebe is walking down it and passes Ursula.]
ストリート。フィービーが通りを歩いていて、アースラ(フィービーの双子の姉)とすれ違う。
フィービー: Ursula! (Ursula turns, smiles, and continues walking.) Wait! Err-err, it's me! Phoebe! (アースラ! [アースラは振り返り、微笑み、そのまま歩き続ける] 待って! あー、私よ! フィービーよ!)
アースラ: Oh, I thought there was a mirror there. Okay, bye-bye. (Starts to walk again.) (あぁ、そこに鏡があるのかと思った。オッケー、バイバイ。[再び歩き出す])
フィービー: Wait a second! So, what's new with you? (ちょっと待って! で、何か新しいニュースは?)
アースラ: Umm, nothing. I mean, I'm getting married next week. (あぁ、何もないわ。って言うか、来週結婚するけど。)
フィービー: What?! (何ですって?)
アースラ: Yeah! Yeah, it's gonna be a small ceremony. Just family. (Phoebe looks at her.) His. (そうよ! そうなの、小さな式になるわ。家族だけの。[フィービーはアースラを見る] 彼の家族よ。)
フィービー: Huh. Okay. Well, I'm really happy for you. (Starts to walk away.) (そう。わかった。あなたのこと本当に嬉しく思うわ。[歩き去ろうとする])
アースラ: Wait! If umm, if you want to come, I guess that'd be okay. (待って! もし、もしあなたが(式に)来たいなら、オッケーだと思うわ。)
フィービー: Really? (ほんとに?)
アースラ: Sure! Why not? You could be my sister for the day. (もちろん! だめなわけないわ。あなたは、”その日”私の妹になれるわよ。)
フィービー: Yeah. Okay. Umm, y'know, my friends are having a Halloween party tonight at my old apartment so, you could come. Maybe I could meet the guy you're marrying. (そうね。いいわ。ねぇ、私の友達が私の古いアパートメントでハロウィーン・パーティーを開くのよ。だから、あなたも来れるわ。多分、あなたが結婚する男性と会えるわよね。)
アースラ: Huh. Well, I'm supposed to be working at the restaurant tonight. I'm supposed to be working right now, so who cares! (うーん。私、今夜はレストランで働くことになってるのよね。今も働いてることになってるんだけど、だから、構わないわ!)
フィービー: By the way, it's a costume party. (ところで、コスチュームを着るパーティーだから。)
アースラ: Oh! Okay, so that's why you're.... (Motions to what she's wearing.) (ああ! わかった。だからあなたは… [フィービーが着ている服を示す動きをする])
フィービー: (looks down) No. But thanks. (Walks away.) ([下(の自分の服装)を見て] 違うわ。でもありがと。[歩き去る])
通りを歩いていたフィービーは、自分の双子の姉アースラとすれ違います。
アースラもフィービーに気付いて振り返ったのに、そのまま挨拶もせずに去って行こうとするので、フィービーは「私よ。フィービーよ!」と呼び止めます。
「あら、そこに鏡があるのかと思ったわ。じゃあね」と言って、またすたすた歩いて行こうとするアースラ、その相変わらずの悪女ぶりが面白いですね。
一卵性双生児なのですが、二人は仲が悪く、というか、アースラの性格が非常に悪く(笑)、二人のやりとりはいつもどこかズレていて、トンチンカンなのですが、今回もその「ズレ具合」を英語で楽しんでいただけると嬉しいなと思います。
双子と言っても普段は恐ろしく疎遠な二人。
仲が悪いことは自覚しつつも、久しぶりに会った姉と会話したいと思ったフィービーは、What's new with you? と尋ねています。
直訳すると、「あなたにとって、何が新しい?」みたいなことですから、「(最近)何かあった? 新しいこと[変わったこと]はあった?」と、相手の近況を尋ねる表現になります。
「何か近況ニュースはあるかしら?」みたいに聞かれたアースラは、nothing 「何もない」と言った後、I mean 「それはつまり、って言うか」のように言い足す形で、I'm getting married next week. と言っています。
フィービーは驚いて、What?! と叫んでいますが、それは「別に大したニュースはないわよ。っていうか、nothing とは言っても、結婚することにはなってるんだけどね」みたいにアースラが言ったからですね。
普通、I mean というのは、直前に言った自分の発言が相手にわかりにくかったかもと思って情報を付け足したり、違う言葉で言い換えたりする時に使うフレーズです。
直前に間違ったことを言った場合に「訂正」するニュアンスもありますが、このアースラの言い方を聞いていると、ついうっかり nothing と言ってしまったから慌てて訂正した、というより、あなたに話すほどの大したニュースじゃないんだけど、私は結婚することにはなってるわ、みたいに情報を「補足」した感じがするわけです。
「何か、ニュースある?」と聞かれて、「うん、私、結婚するの!」「うわ〜、それはビッグニュースね、おめでとう!」となるのが普通ですが、いったん、「ニュースは何もない」と言っておいてからの「結婚する予定よ」という発言は、普通の人の文脈ではありません(笑)。
「何もない、って超アリじゃん!」と言いたくなるようなその発言が、アースラっぽいわけですね。
双子の妹にすらその話を知らせていなかった、さらにはそれを大したニュースでもないようにおまけのように言ってみたところに、「アースラのフィービーに対する無関心さ」が出ているわけです。
驚いたフィービーに、「小さな式になる予定よ。ただ家族だけの」と答えるアースラですが、血を分けた肉親であるフィービーを前にしてのその発言に、フィービーは、「家族だけ、、って、私は結婚のことすら知らされていないんだけど」という気持ちを込めて、アースラの方を見ます。
それでアースラは、「家族と言っても、彼の家族よ」という意味で、His. と付け加えたわけですね。
この his はもちろん、his family ということで、文法的に言うと、his は「彼の」という所有格ではなく、「彼のもの」という「所有代名詞」になります。
ですから、ここで「私の家族よ」と言いたい場合には、my ではなく、mine という「所有代名詞」(私のもの、私の家族)という単語を使うことになる、ということです。
学校英語で習った、my と mine の関係は、mine がよく出てくる単語なので覚えている方も多いでしょうが、「彼の」という所有格も、「彼のもの」という所有代名詞も、どちらも his だということを忘れている方も多いかもしれない、、と思ったので、ここで改めて説明させていただきました(^^)
言葉だけ聞いていると、「家族だけの小さな式にする予定、、(だから、あなたには知らせてなかった)」という感じに聞こえるわけですが、フィービーが「実の双子の妹」というまさにその「家族」なのに、その彼女を目の前にしてそれを言うか?!みたいな面白さなわけですね。
「家族だけ、って彼の家族なんだけど」と言われても、「彼の家族は呼ぶのに、私には一言の知らせもないの?」と怒りたくなることに変わりはありません。
相変わらずの邪悪な姉さんだわ、みたいにフィービーも思ったのでしょう、I'm really happy for you というお祝いの言葉を残して、そのまま歩き去ろうとします。
I'm (realy) happy for you. というのは、「私はあなたに対して、幸せで嬉しい気持ちでいます」という感覚でしょうね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) でも、
be/feel happy for somebody
例) Congratulations, I'm really happy for you.
のような例文が出ているように、相手におめでたいことがあった場合に、「おめでとう。良かったね(私も嬉しいわ)」というニュアンスで使われることになります。
今度はアースラがフィービーを呼び止めて、「もし式に来たいのなら、それってオッケーだと思うわ」みたいなことを言っています。
来たいなら来ても構わないわよ、みたいなことですね。
やはり、結婚式に来てもいいと言われたのは嬉しいようで、フィービーは「ほんとに?」と喜んでいる様子。
Sure! も Why not? も、どちらも「もちろん(いいわ)!」というニュアンスですね。
Why not? の場合は、「どうしていけないの?」→「もちろんいいに決まってる」という反語表現になります。
You could be my sister for the day. の could は「あなたがその気なら、なろうと思えばなれる」みたいな感覚でしょうが、for the day も何も、日々毎日間違いなく、フィービーはアースラの妹なわけで、それをまるで「じゃあ、その日だけ、私の妹ってことにしとくわね」みたいに言ってみせた、アースラっぽいセリフなわけですね。
その後、フィービーは、自分の友達が今夜ハロウィーン・パーティーをするから来ない?と言っています。
at my old apartment 「私の古いアパートメント」と言っていますが、これは後のシーンで、今の「チャンドラーとモニカの家」であることがわかります。
レイチェルがモニカの家に住むまでは、モニカが一人で住んでいた部屋ですが、その前は、この部屋に、モニカとフィービーが住んでいた時期があるのです。
それでフィービーはその部屋を「私の昔のアパートメント」と表現しているわけですね。
ハロウィーン・パーティーに来てくれたら、あなたが結婚する人(婚約者)にも会えるし、とフィービーは言います。
アースラは、うーん、、という感じで、「私は今夜、レストランで働くことになってるのよね」と言っています。
さらに、「今も働いていることになっているのよね」と言って、who cares? と言いながら、「どうでもいいわ」みたい感じで手を軽く万歳しています。
be supposed to はフレンズ頻出表現で、「〜することになっている」。
今夜は仕事することになっているから行けない、、と言おうとしたものの、実は今も仕事中でほんとは働いてないといけないんだった、、それもサボってるわけだから、「誰が気にするっての?」→「誰も気にしないわ。ま、いっか」みたいに、行くことを承諾したわけですね。
そのパーティーは、コスチュームを着ないといけないパーティーよ、とフィービーが説明すると、アースラは、so that's why you're... 「だからあなたは…」みたいに言って、フィービーの服に視線をやっています。
つまりアースラは、「今夜、衣装を着ないといけないパーティーがあるから、だからあなたは今、そんな恰好をしているのね」と言っていることになりますね。
フィービーは普通の服を着ていただけなのに、「そっか、だから今、あなたは衣装を着てるんだ」と、まるでその服が「変わった服、奇妙な服」みたいに言われたとわかり、「違うわ」と強く否定しながらも、とりあえず「ありがとう」と言って、二人は別れることになるわけです。
フィービーとアースラのやりとり、というのは、いつもこんな風ですが(笑)、アースラの邪悪ぶりと、それに翻弄されるフィービーのセリフが、英語で面白いと感じられるようになると、いい感じ^^ ですね。
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2014年01月22日
2年連続ではしない フレンズ8-6その1
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シーズン8 第6話
The One With the Halloween Party (恋の相手はショーン・ペン)
原題は「ハロウィーン・パーティーの話」
コーヒーハウスのセントラルパーク。フレンズたちがいるところに、チャンドラーとモニカが入ってきて、
モニカ: Hey, guys? Guess what? (ねえ、みんな。聞いて。(何だと思う?))
ロス: What? (何?)
モニカ: I know it's last minute, but we decided to have a Halloween party. (ギリギリだってわかってるけど、でも、私たち、ハロウィーンパーティーを開くことに決めたの。)
フィービー: Oh, good! (And there's general excitement.) (まぁ、素敵! [そして、みんなが盛り上がる])
モニカ: And everybody has to wear costumes. (And there's general disconcertment.) Come on! It'll be fun! (それで、みんな衣装を着ないといけないからね。[みんなが困惑する] いいでしょ! 楽しいわよ!)
ロス: Well, I'll-I'll be there. I mean I have to wear a costume to all my classes that day anyway so.... (うーんと、そのパーティーには行くよ。どの道、その日は、授業のために僕は衣装を着ないといけないからね、だから…)
レイチェル: Please tell me you're not gonna dress up like a dinosaur. (お願いだから、恐竜みたいな衣装を着たりはしない、って言ってちょうだい。)
ロス: (exhales sarcastically) Not two years in a row. ([皮肉っぽく息を吐き] 2年連続では着ないよ。)
ジョーイ: Look, I'll come to the party, but I'm not dressing up. (ねぇ、俺はそのパーティーに行くよ、でも、衣装は着ないからな。)
モニカ: You have to! (着なくちゃだめよ!)
ジョーイ: No way! Look, Halloween is so stupid! Dressing up, pretending to be someone you're not.... (絶対やだ! ほら、ハロウィーンなんてすっごくばかげてるよ! 衣装を着て、自分じゃない誰かであるふりをして…)
チャンドラー: You're an actor! (お前は俳優だろ!)
チャンドラーと二人でコーヒーハウスに入ってきたモニカは、「私たち(チャンドラーと私)は、ハロウィーン・パーティーを開くことに決めたの」と言っています。
I know it's last minute の last minute は、「最後の時」というところで、この場合は、「タイムリミット寸前の、土壇場の」というニュアンス。
つまり、ハロウィーンの日まで、ほとんど時間がないギリギリの今だけど、やっぱりパーティーをすることにしたの!と言っている感覚になります。
英英辞典の語義も確認しておきますと、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
last-minute : happening or done as late as possible within a process, event, or activity
例) a last-minute decision
つまり、「過程、イベント、活動の範囲内で、可能な限り遅く起こること、または行なわれること」。例は、「土壇場の(時間ギリギリの)決定」。
「可能な範囲内で、最終の時」ということですね。
パーティーをやると聞いて、みんなは一瞬盛り上がるのですが、その後、「みんな、コスチューム(衣装)を着ないといけないからね」みたいに言われて、ブツブツ不満を言い出すのが面白いです。
コスチュームを着る、というのは、いわゆる「コスプレをする」ということで、みんなはいちいちそんな衣装に着替えて参加するのとか、めんどくさいよ、、という気持ちのようです。
一瞬、わーっと盛り上がって、その後、ずーんと盛り下がる(笑)様子のト書き表現がなかなか興味深いですね。
盛り上がる方が、And there's general excitement. で、盛り下がった方が、And there's general disconcertment. と表現されています。
disconcert が「人を狼狽(ろうばい)させる、当惑させる」という他動詞なので、それを名詞形にした disconcertment が使われていることで、「狼狽、当惑状態になった」ことが示されていることになります。
さきほど、「コスプレ」という表現をしましたが、そのように、costume という言葉には、ただの「服」ということではなく、「特有の服装」というニュアンスがあります。
LAAD では、
costume [noun] :
1. an unusual set of clothes that you wear to an event such as a party, that makes you look like an animal, a character from a story, a ghost etc.
つまり、「パーティーなどのイベントで着なければならない、自分を動物やお話のキャラクターや幽霊などに見えるようにするような、普段とは違う服のセット(服一式)」。
えらく長い説明ですが(笑)、自分を別物に見せる「普段とは違う(unusual)」服、というのがポイントですね。
みんな不満そうな様子ながら、ロスは「パーティーに行くよ。僕はどの道、コスチュームを着ないといけないし」のように言っています。
that day つまり、ハロウィーン当日は、自分が大学で担当している授業に、コスチュームを着ていないといけないから、ということですね。
anyway という単語は、フレンズ頻出で、「とにかく」と話題を変える時によく使われる言葉ですが、日本語で言うところの、「どの道、どっちみち」というニュアンスもあります。
any+way 「どんな道」という直訳通りの日本語になるのが、面白いですね。
モニカのパーティーがあろうがなかろうが、どうせ大学で着なくちゃいけないんだから、僕は全然構わないよ、と言っていることになります。
「大学の授業の時にコスプレする」と聞いたレイチェルは、「どうか、恐竜みたいな服を着るって言わないで」と言っています。
古生物学者で恐竜オタクのロスならやりかねないと思って、「恐竜のコスプレとか、勘弁してよ!」と言っているわけですが、ここでは、wear a costume ではなく、dress up という言葉が使われていますね。
日本語で「ドレスアップ」というと、まさに「ドレスで正装する」ような様子が思い浮かぶわけですが、もちろんそういう「正装する、着飾る」という意味もあり、また、「特別な服装をする」という意味としても使われます。
LAAD では、
dress up [phrasal verb]
1. to wear special clothes, shoes etc. for fun. or to put such clothes on someone
例) We dressed the kids up as tigers for Halloween.
2. to wear clothes that are more formal than you would usually wear.
1. は、「楽しみのために、特別な服や靴を身につけること、または、そういう服を誰かに着せること」。例文は、「私たちは、ハロウィーンのために、子供たちに虎の衣装を着せた」。
2. は、「自分がいつも着ているよりも、よりフォーマルな服を着ること」。
2. の語義が、日本語の「ドレスアップ」のイメージである「フォーマルな服」のことですね。
1. の例文にも、「ハロウィーンのためにトラの衣装を着る」とあるように、dress up という句動詞とハロウィーンとは、よく使われる組み合わせだと言えるでしょう。
「恐竜のコスプレはやめてよね」みたいに言われたロスは、ト書きにあるように、皮肉っぽく息をプフッと吐いてみせます。
その様子を見ていると、「まさか、そんなことするわけないだろ」と言いたそうに見えるのですが、その後のセリフを聞いてみると、「2年連続ではしない」。
つまり、「2年連続で、恐竜のような衣装を着たりしない」と言っていることになり、それはつまり、「去年は大学の授業で、恐竜のコスプレをしたんだけど」と言っていることがわかる仕組みです。
Not two years in a row. という英語を聞いて、「2年連続では着ない、、って、じゃあ、去年は着たんかい?!」とツッコミを入れられるかどうか、がここでのポイントになるわけです。
続いてジョーイは、「パーティーには行くけど、それ用に衣装は着ない」と断言しています。
このように、「パーティーに”行く”」という場合には、日本語の「行く」から想定される go ではなく、come を使いますね。
「頭でイメージしている場所に向かう」という感覚が、come の基本的な意味になります。
「衣装は着なくちゃだめよ!」というモニカに、ジョーイは、No way! と言っていますね。
この場合の、No way! は「絶対だめだ。いやだ」という拒否のニュアンス。
ハロウィーンなんて stupid だ、と言ったジョーイはその後、「衣装を着て、自分じゃない誰かのふりをして…」と言っていますね。
その後、チャンドラーがあきれて、「お前は俳優だろ」とツッコミを入れるのも、ありがちなオチ(笑)とはいえ、やはり笑ってしまうところでしょう。
俳優を職業にしているジョーイが、「衣装を着て、他人のふりをするなんて、ばっかばかしい」と言っている面白さ、「まさにそれは、君がやってる仕事やん!」と全員から即座につっこまれそうなセリフの楽しさ、ということですね。
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The One With the Halloween Party (恋の相手はショーン・ペン)
原題は「ハロウィーン・パーティーの話」
コーヒーハウスのセントラルパーク。フレンズたちがいるところに、チャンドラーとモニカが入ってきて、
モニカ: Hey, guys? Guess what? (ねえ、みんな。聞いて。(何だと思う?))
ロス: What? (何?)
モニカ: I know it's last minute, but we decided to have a Halloween party. (ギリギリだってわかってるけど、でも、私たち、ハロウィーンパーティーを開くことに決めたの。)
フィービー: Oh, good! (And there's general excitement.) (まぁ、素敵! [そして、みんなが盛り上がる])
モニカ: And everybody has to wear costumes. (And there's general disconcertment.) Come on! It'll be fun! (それで、みんな衣装を着ないといけないからね。[みんなが困惑する] いいでしょ! 楽しいわよ!)
ロス: Well, I'll-I'll be there. I mean I have to wear a costume to all my classes that day anyway so.... (うーんと、そのパーティーには行くよ。どの道、その日は、授業のために僕は衣装を着ないといけないからね、だから…)
レイチェル: Please tell me you're not gonna dress up like a dinosaur. (お願いだから、恐竜みたいな衣装を着たりはしない、って言ってちょうだい。)
ロス: (exhales sarcastically) Not two years in a row. ([皮肉っぽく息を吐き] 2年連続では着ないよ。)
ジョーイ: Look, I'll come to the party, but I'm not dressing up. (ねぇ、俺はそのパーティーに行くよ、でも、衣装は着ないからな。)
モニカ: You have to! (着なくちゃだめよ!)
ジョーイ: No way! Look, Halloween is so stupid! Dressing up, pretending to be someone you're not.... (絶対やだ! ほら、ハロウィーンなんてすっごくばかげてるよ! 衣装を着て、自分じゃない誰かであるふりをして…)
チャンドラー: You're an actor! (お前は俳優だろ!)
チャンドラーと二人でコーヒーハウスに入ってきたモニカは、「私たち(チャンドラーと私)は、ハロウィーン・パーティーを開くことに決めたの」と言っています。
I know it's last minute の last minute は、「最後の時」というところで、この場合は、「タイムリミット寸前の、土壇場の」というニュアンス。
つまり、ハロウィーンの日まで、ほとんど時間がないギリギリの今だけど、やっぱりパーティーをすることにしたの!と言っている感覚になります。
英英辞典の語義も確認しておきますと、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
last-minute : happening or done as late as possible within a process, event, or activity
例) a last-minute decision
つまり、「過程、イベント、活動の範囲内で、可能な限り遅く起こること、または行なわれること」。例は、「土壇場の(時間ギリギリの)決定」。
「可能な範囲内で、最終の時」ということですね。
パーティーをやると聞いて、みんなは一瞬盛り上がるのですが、その後、「みんな、コスチューム(衣装)を着ないといけないからね」みたいに言われて、ブツブツ不満を言い出すのが面白いです。
コスチュームを着る、というのは、いわゆる「コスプレをする」ということで、みんなはいちいちそんな衣装に着替えて参加するのとか、めんどくさいよ、、という気持ちのようです。
一瞬、わーっと盛り上がって、その後、ずーんと盛り下がる(笑)様子のト書き表現がなかなか興味深いですね。
盛り上がる方が、And there's general excitement. で、盛り下がった方が、And there's general disconcertment. と表現されています。
disconcert が「人を狼狽(ろうばい)させる、当惑させる」という他動詞なので、それを名詞形にした disconcertment が使われていることで、「狼狽、当惑状態になった」ことが示されていることになります。
さきほど、「コスプレ」という表現をしましたが、そのように、costume という言葉には、ただの「服」ということではなく、「特有の服装」というニュアンスがあります。
LAAD では、
costume [noun] :
1. an unusual set of clothes that you wear to an event such as a party, that makes you look like an animal, a character from a story, a ghost etc.
つまり、「パーティーなどのイベントで着なければならない、自分を動物やお話のキャラクターや幽霊などに見えるようにするような、普段とは違う服のセット(服一式)」。
えらく長い説明ですが(笑)、自分を別物に見せる「普段とは違う(unusual)」服、というのがポイントですね。
みんな不満そうな様子ながら、ロスは「パーティーに行くよ。僕はどの道、コスチュームを着ないといけないし」のように言っています。
that day つまり、ハロウィーン当日は、自分が大学で担当している授業に、コスチュームを着ていないといけないから、ということですね。
anyway という単語は、フレンズ頻出で、「とにかく」と話題を変える時によく使われる言葉ですが、日本語で言うところの、「どの道、どっちみち」というニュアンスもあります。
any+way 「どんな道」という直訳通りの日本語になるのが、面白いですね。
モニカのパーティーがあろうがなかろうが、どうせ大学で着なくちゃいけないんだから、僕は全然構わないよ、と言っていることになります。
「大学の授業の時にコスプレする」と聞いたレイチェルは、「どうか、恐竜みたいな服を着るって言わないで」と言っています。
古生物学者で恐竜オタクのロスならやりかねないと思って、「恐竜のコスプレとか、勘弁してよ!」と言っているわけですが、ここでは、wear a costume ではなく、dress up という言葉が使われていますね。
日本語で「ドレスアップ」というと、まさに「ドレスで正装する」ような様子が思い浮かぶわけですが、もちろんそういう「正装する、着飾る」という意味もあり、また、「特別な服装をする」という意味としても使われます。
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dress up [phrasal verb]
1. to wear special clothes, shoes etc. for fun. or to put such clothes on someone
例) We dressed the kids up as tigers for Halloween.
2. to wear clothes that are more formal than you would usually wear.
1. は、「楽しみのために、特別な服や靴を身につけること、または、そういう服を誰かに着せること」。例文は、「私たちは、ハロウィーンのために、子供たちに虎の衣装を着せた」。
2. は、「自分がいつも着ているよりも、よりフォーマルな服を着ること」。
2. の語義が、日本語の「ドレスアップ」のイメージである「フォーマルな服」のことですね。
1. の例文にも、「ハロウィーンのためにトラの衣装を着る」とあるように、dress up という句動詞とハロウィーンとは、よく使われる組み合わせだと言えるでしょう。
「恐竜のコスプレはやめてよね」みたいに言われたロスは、ト書きにあるように、皮肉っぽく息をプフッと吐いてみせます。
その様子を見ていると、「まさか、そんなことするわけないだろ」と言いたそうに見えるのですが、その後のセリフを聞いてみると、「2年連続ではしない」。
つまり、「2年連続で、恐竜のような衣装を着たりしない」と言っていることになり、それはつまり、「去年は大学の授業で、恐竜のコスプレをしたんだけど」と言っていることがわかる仕組みです。
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ハロウィーンなんて stupid だ、と言ったジョーイはその後、「衣装を着て、自分じゃない誰かのふりをして…」と言っていますね。
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2014年01月20日
追加セミナー終了しました!
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神戸・住吉での「追加セミナー」(セミナーとしては2回目)
「私の先生は海外ドラマ」セミナー 〜生きたセリフで英語4技能を伸ばす〜
が、昨日、1月19日(日)に無事、終了いたしました。
この寒い時期に、外に出にくい中をご参加下さった皆様、本当にありがとうございました。
朝起きたら、雪がパラパラしていて、「雪なんかめったに降らないのに、今日に限って雪、、って!」みたいに思っていたのですが、交通機関に影響が出るほどの大雪にならなかったこと、本当にありがたかったです。
昨日のセミナーには、関西各地から、そして、神奈川県や北海道から来て下さった方もおられました。
私はこのブログを8年以上書き続けてきたわけですが、大阪の自宅で書いているこのブログが全国の方に読んでいただけているんだ、ということを改めて実感させていただくことができました。
ありがたいことに、昨日のセミナーのキャンセル待ちの方がおられたことから、4月20日(日)には、「追加セミナー第2弾」(セミナーとしては3回目)を開催することになっています。
それも「追加セミナー」ということで、初セミナー、追加セミナーと「同内容」になるため、今回もセミナーの内容について詳しく書かせていただくことができないながらも、昨日のセミナーについて少しお話させていただきますね。
前回の初セミナーの時と同様に、前半は「Rach流DVD学習法」や英語に対する考え方をお話しました。
後半は「フレンズ」を鑑賞しながら、私が実際に家でやっている様子を皆さんにお見せする形で、笑いのポイント、英語字幕で注目すべきポイントなどをお話させていただきました。
前回もそうだったのですが、フレンズを見ながら参加者の皆さんと「一緒に笑える」という瞬間は、何より嬉しいものでした。
皆さんにお尋ねすると、「フレンズ大好き!」という方もおられれば、「フレンズは見たことない」という方もおられたのですが、参加者の皆様それぞれが、ご自分の感覚で、「海外ドラマで英語を学ぶって楽しい」と感じていただけたとしたら、とても嬉しく思います。
フレンズの英語解説で熱くなりすぎたせいでしょうか(皆さんと一緒に見ていると思うとなおさら、あれもこれもと説明したくなってしまう…笑)、質疑応答の時間が(自分が予定していたよりも)短くなってしまったのですが、たくさんの方が次々と手を上げて質問して下さったこと、本当に嬉しく思いました。
自分のブログでも、読者の皆さん全員に向けて「記事」を書いている時よりも、いただいたコメントにお返事を書いている時の方が、(自分で言うのもなんですがw)「私らしさ、Rachらしさ」が出ている気がするのですね。
読者の皆さんが知りたいこと、というのが明白な分、お返事する私の意見もより明確になってくる、と言いますか。
セミナーの時もそれは同じで、質疑応答でいただいたご質問にお答えしている時は、より自分の考えがはっきりしてくるように思いました。
そのことが私にとってもとても勉強になり、そのことを今後のブログに生かしていきたい!と強く思いました。
セミナー終了後の懇親会でも、たくさんの方とお話させていただけて、本当に楽しかったです。
各テーブルを回らせていただいて、そこでもまた、皆さんからご質問などをいただきました。
セミナーの時よりも、もっと近い距離で、そういうお話をさせていただけたこと、皆さんが私の話を熱心に聞いて下さったこと、本当に嬉しかったです。
帰り際にも、「楽しかったです」「参加して良かったです」とおっしゃって下さったこと、本当に幸せでした。
皆様のお顔を思い出し、これからのブログ継続の励みにさせていただきますね。
以下のリンク先、セミナー主催の「つなぎすとサロンのブログ」にも、昨日のセミナーの報告記事がアップされています。
また、併せてお読みいただけると嬉しいです(^^)
つなぎすとサロンのブログ:報告☆つなぎすとサロン主催 追加セミナー第1弾【南谷三世の「私の先生は海外ドラマ」セミナー 〜生きたセリフで英語4技能を伸ばす〜】2014/1/19
寒い中、お忙しい中、ご参加下さった皆様、本当にありがとうございました。
皆様の今後の英語学習が面白く楽しいものとなりますように!
そして、少しでもそのお手伝いができるように、これからもブログを頑張ります!
↓セミナーのチラシです。画像をクリックしていただくと、チラシが別ウィンドウで拡大表示されます。
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「私の先生は海外ドラマ」セミナー 〜生きたセリフで英語4技能を伸ばす〜
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この寒い時期に、外に出にくい中をご参加下さった皆様、本当にありがとうございました。
朝起きたら、雪がパラパラしていて、「雪なんかめったに降らないのに、今日に限って雪、、って!」みたいに思っていたのですが、交通機関に影響が出るほどの大雪にならなかったこと、本当にありがたかったです。
昨日のセミナーには、関西各地から、そして、神奈川県や北海道から来て下さった方もおられました。
私はこのブログを8年以上書き続けてきたわけですが、大阪の自宅で書いているこのブログが全国の方に読んでいただけているんだ、ということを改めて実感させていただくことができました。
ありがたいことに、昨日のセミナーのキャンセル待ちの方がおられたことから、4月20日(日)には、「追加セミナー第2弾」(セミナーとしては3回目)を開催することになっています。
それも「追加セミナー」ということで、初セミナー、追加セミナーと「同内容」になるため、今回もセミナーの内容について詳しく書かせていただくことができないながらも、昨日のセミナーについて少しお話させていただきますね。
前回の初セミナーの時と同様に、前半は「Rach流DVD学習法」や英語に対する考え方をお話しました。
後半は「フレンズ」を鑑賞しながら、私が実際に家でやっている様子を皆さんにお見せする形で、笑いのポイント、英語字幕で注目すべきポイントなどをお話させていただきました。
前回もそうだったのですが、フレンズを見ながら参加者の皆さんと「一緒に笑える」という瞬間は、何より嬉しいものでした。
皆さんにお尋ねすると、「フレンズ大好き!」という方もおられれば、「フレンズは見たことない」という方もおられたのですが、参加者の皆様それぞれが、ご自分の感覚で、「海外ドラマで英語を学ぶって楽しい」と感じていただけたとしたら、とても嬉しく思います。
フレンズの英語解説で熱くなりすぎたせいでしょうか(皆さんと一緒に見ていると思うとなおさら、あれもこれもと説明したくなってしまう…笑)、質疑応答の時間が(自分が予定していたよりも)短くなってしまったのですが、たくさんの方が次々と手を上げて質問して下さったこと、本当に嬉しく思いました。
自分のブログでも、読者の皆さん全員に向けて「記事」を書いている時よりも、いただいたコメントにお返事を書いている時の方が、(自分で言うのもなんですがw)「私らしさ、Rachらしさ」が出ている気がするのですね。
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各テーブルを回らせていただいて、そこでもまた、皆さんからご質問などをいただきました。
セミナーの時よりも、もっと近い距離で、そういうお話をさせていただけたこと、皆さんが私の話を熱心に聞いて下さったこと、本当に嬉しかったです。
帰り際にも、「楽しかったです」「参加して良かったです」とおっしゃって下さったこと、本当に幸せでした。
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2014年01月16日
どうなったかを見届けないといけない フレンズ8-5その6
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ジョーイの共演者の俳優キャッシュとデートに出掛けたレイチェル。
ロスは、ジョーイとレイチェルの家にとどまり、彼女の帰りを待つつもりのようです。
ロス: I just... I have to find out how it went. (僕はただ…それがどうなったかを見届ける必要があるんだよ。)
ジョーイ: Why? (どうして?)
ロス: This guy could be my baby's stepfather! (この男(キャッシュ)は僕の子供の義理の父親になる可能性があるんだぞ!)
ジョーイ: They go on one date and you're worried about them getting married?! He's not you! (二人が一度デートに行って、お前は二人が結婚するのを心配してるのか?! キャッシュはお前じゃないんだぞ!)
ロス: I just-I-I can't believe she's-she's dating?! (僕はただ、信じられないんだよ、彼女がデートしてるなんて!)
ジョーイ: Well Ross, what did you think she was gonna do? (なぁ、ロス、彼女はどうすると、お前は思ってたんだ?)
ロス: I don't know! I guess I just can't believe any of this is happening. (わからないよ! ただこんなことはどれも、起こるのが信じられないんだ。)
ジョーイ: What do you mean? (どういう意味?)
ロス: It's just I always thought when I had another kid, it would be different. Now I-I love Ben. But every time I have to drop him off at Carol and Susan's, it's like-It breaks my heart a little. I mean I've always had this picture of me and my next wife in bed on Sunday and, my kid comes running in and leaps up onto the bed. And we all read the paper together. Y'know? Maybe fight over the science section. (ただこういうことなんだよ、僕はいつも思ってたんだ、もう一人子供ができたら、(状況は)違ったものになるだろう、って。僕はベンを愛してるよ。でもキャロルとスーザンの家に彼を置いていかないといかない時は毎回、心が少し傷む、って感じなんだよ。日曜日に僕と次の妻がベッドにいるイメージを僕はずっと想像してきたんだ。そして、僕の子供が駆け寄ってきて、ベッドに跳び乗るんだ。そして僕たちはみんなで新聞を一緒に読むんだよ。多分、科学面を取り合いしてね。)
ジョーイ: That's a nice picture. Maybe you can still have that! (それはいい光景じゃないか。多分お前はまだその想像ができるだろ。)
ロス: No! No, I can't. I mean Rachel's out with some guy. My baby went with her. If anything, that picture keeps moving further away. (いや、できないよ。レイチェルはどっかの男と出掛けて行った。僕の赤ちゃんもレイチェルと一緒に出掛けた。むしろ、その光景はどんどん遠くに離れて去って行っちゃうよ。)
I have to find out how it went. を直訳すると、「それがどのように go したかを知らなければならない」というところでしょう。
it というのは、レイチェルとキャッシュのデート(の状況)を指していて、過去形の went が使われていることから、二人のデートがどんな風に進んだか、どうなったかという「結果」を僕は知らないといけない、だからデートが終わってレイチェルが自宅に帰ってくるまで、僕はここで待ってる、と言っていることになります。
理由を尋ねるジョーイに、ロスは、This guy could be my baby's stepfather! と叫んでいますね。
could というのは「可能性」ですね。
stepfather というのは「義理の父、継父」のことで、レイチェルがロスの子供を今みごもっていることから、デート相手のキャッシュが、僕(ロス)の子供の義理の父親になるかもしれない、と言っていることになります。
They go on one date and you're worried about them getting married?! は、「彼ら(レイチェルとキャッシュの二人)がデートに行って、それでお前は二人が結婚するのを心配してるのか?」ということですね。
まだ、1回デートしただけなのに、結婚して自分の子供の父親になるかもしれないと心配するなんて、気が早いだろ、と言いたいわけです。
その後の、He's not you! というのがフレンズっぽくていいですね。
「彼(キャッシュ)はお前じゃない」というのは、誰も彼もが、お前みたいなやつばっかりじゃない、ということで、「デートしたら結婚を意識する」ような、ロスのような人間ばかりじゃないんだよ、と言っていることになります。
ロスは「バツ3」であることから、フレンズたちからは「結婚好き、結婚マニア」(笑)のようにからかわれ、それがフレンズにおける「ロスいじり」のお約束のようになっています。
ここでも、「デート、即、結婚、って、そんなこと考えるのは、ロス、お前だけだぞ」とツッコミを入れられた感じですね。
レイチェルがデートしてるなんて信じられない!と言うロスに、ジョーイは「(デートしてるのが信じられないって言うのなら)じゃあ、レイチェルはどうするとお前は考えてたんだ」みたいに問うています。
ジョーイにしてみれば、「レイチェルが、今、デートしてることは何も不思議なことじゃない。お前はレイチェルがデートすることなんかないって思ってたわけか?」という気持ちなのですね。
レイチェルがロスの子供を妊娠中だからと言っても、二人は結婚する意志がないことをお互い確認し合ったんだから、片方がデートしようが何しようが構わないはず、「結婚しないけど、他のやつとデートもしない」ってお前は考えてたのかよ、みたいに言っていることになるでしょう。
ロスはパニクった様子で、わからないよ、と言っています。
レイチェルはこうするはず、とか思っていたわけじゃないけど、今、起こっている出来事は、どれも想定外のことばかりなんだ、みたいな感じです。
それってどういう意味?とジョーイに聞かれたロスは、詳しいことを話し始めます。
It's just I always thought when I had another kid, it would be different. について。
It's just... というのは「ただ(…以下)なだけなんだ」という感覚。
I always 以下は、「僕はいつも思ってたんだ。僕にもう一人子供ができたら、(状況は)違っていただろう、って」ということ。
そして、ベンという一人息子がいる今の状況を説明します。
drop off は「(人を)(乗り物から)降ろす、(物を)置いていく」という感覚で、ここでは「キャロルとスーザンの家に彼を置いていく、残していく」というニュアンスですね。
息子のベンを愛してるけど、毎回、(ベンを育てている)キャロルとスーザンのところに預けなきゃいけないんだ、ずっと一緒にいられないんだ、ということです。
そのことで心が少し傷む、とも言っています。
I've always had this picture of... は「僕はこれまでいつも、あるイメージを(頭の中に)いだいてた」みたいなこと。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
picture : IDEA IN YOUR MIND
an idea or image in your mind of what something or someone is like
つまり、「何か、または誰かがどんな感じであるかという、心の中の考え、またはイメージ」。
まさに語義通りの、「こんな感じだろう、というイメージ」ということですね。
その映像というのは、日曜日に僕と僕の妻がベッドにいて、僕の子供が走ってきて、ベッドに飛び乗る姿なんだ、と説明しています。
leap up onto the bed という表現では、leap up 「ピョンと跳び上がる」、onto the bed 「ベッドの上に」という前置詞の使い方が、その動きをリアルに説明している気がしますね。
onto は on 「〜の上に」と to 「〜の方向に」が合わさった前置詞ですから、「ベッドの方に向かってジャンプして、ベッドの上に乗る」という、方向と接触の両方の感覚が良く出ていると思いました。
そして、僕らはみんなで the paper、つまり新聞を、一緒に読むんだ、とも言っています。
fight over は「〜のことで・〜をめぐって(言い)争う」、science section は「(新聞の)科学欄、科学面」。
ですから、僕と妻と子供の3人で、新聞の科学面を「僕が先に読む!」みたいに取り合いしている姿をロスは想像していることになります。
科学者(古生物学者)であることをいつも誇りにしているロスなので、全員が科学好きな家庭の情景を想像しているわけですね。
ジョーイ的には、「科学面? スポーツ面じゃなくて?」と言いたいところだったでしょうが(笑)、そんなささいなことにツッコミは入れず、素直に「それって、いい映像・風景だよ」と言います。
Maybe you can still have that! は、「多分、ロスはそれをまだ持つことができる」ですから、「ずっとこんな風に思ってた」と表現したロスに、「これからもそんな家庭を持つ想像を持ち続けたらいいじゃないか」と言っていることになります。
「まだできるよ」と言われたロスは、「いや、できない」と否定しています。
some guy は「ある男」のように「ボカした」表現ですね。
もちろん、男性の名前はキャッシュだとわかっているわけですが、ロスにしてみれば、それがキャッシュだろうが誰だろうが名前なんて関係ない、とにかく「どっかの男」と出掛けた、ということが納得できないわけですね。
ロスの子供がレイチェルのお腹にいるということで、「僕の赤ちゃんもレイチェルと一緒に出掛けた」と表現しています。
if anything は「どちらかと言えば、むしろ」。
直訳すると、「何かあるとすれば、(さらに)何か言うとすれば」という感じですね。
LAAD では、
if anything : used when adding a remark that changes what you have just said or makes it stronger
例) It was warm in L.A. If anything it was a little too warm.
つまり、「自分がたった今言ったことを変える、またはそれをより強める発言を加える時に使われる」。
例文は、「LA は暖かかった。むしろ、ちょっと暖かすぎるくらいだった」。
that picture keeps moving further away の keep moving は「move し続ける」。
move further away の further は、副詞 far 「遠くへ」の比較級ですね。
far away は「遠く離れたところへ」という感覚。
move far away 「遠く離れたところへ移動する・動く」を比較級の形にしたことになるので、「より遠く離れたところへ移動する」と言っていることになります。
家族で科学面を取り合うような、一家団欒の映像を頭にずっと描いていたけれど、レイチェルも自分の子供も、他の男と出掛けてしまった、、そんな状況では、そのイメージは、どんどん遠くなってしまうばかりだよ、と嘆いているわけですね。
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ジョーイの共演者の俳優キャッシュとデートに出掛けたレイチェル。
ロスは、ジョーイとレイチェルの家にとどまり、彼女の帰りを待つつもりのようです。
ロス: I just... I have to find out how it went. (僕はただ…それがどうなったかを見届ける必要があるんだよ。)
ジョーイ: Why? (どうして?)
ロス: This guy could be my baby's stepfather! (この男(キャッシュ)は僕の子供の義理の父親になる可能性があるんだぞ!)
ジョーイ: They go on one date and you're worried about them getting married?! He's not you! (二人が一度デートに行って、お前は二人が結婚するのを心配してるのか?! キャッシュはお前じゃないんだぞ!)
ロス: I just-I-I can't believe she's-she's dating?! (僕はただ、信じられないんだよ、彼女がデートしてるなんて!)
ジョーイ: Well Ross, what did you think she was gonna do? (なぁ、ロス、彼女はどうすると、お前は思ってたんだ?)
ロス: I don't know! I guess I just can't believe any of this is happening. (わからないよ! ただこんなことはどれも、起こるのが信じられないんだ。)
ジョーイ: What do you mean? (どういう意味?)
ロス: It's just I always thought when I had another kid, it would be different. Now I-I love Ben. But every time I have to drop him off at Carol and Susan's, it's like-It breaks my heart a little. I mean I've always had this picture of me and my next wife in bed on Sunday and, my kid comes running in and leaps up onto the bed. And we all read the paper together. Y'know? Maybe fight over the science section. (ただこういうことなんだよ、僕はいつも思ってたんだ、もう一人子供ができたら、(状況は)違ったものになるだろう、って。僕はベンを愛してるよ。でもキャロルとスーザンの家に彼を置いていかないといかない時は毎回、心が少し傷む、って感じなんだよ。日曜日に僕と次の妻がベッドにいるイメージを僕はずっと想像してきたんだ。そして、僕の子供が駆け寄ってきて、ベッドに跳び乗るんだ。そして僕たちはみんなで新聞を一緒に読むんだよ。多分、科学面を取り合いしてね。)
ジョーイ: That's a nice picture. Maybe you can still have that! (それはいい光景じゃないか。多分お前はまだその想像ができるだろ。)
ロス: No! No, I can't. I mean Rachel's out with some guy. My baby went with her. If anything, that picture keeps moving further away. (いや、できないよ。レイチェルはどっかの男と出掛けて行った。僕の赤ちゃんもレイチェルと一緒に出掛けた。むしろ、その光景はどんどん遠くに離れて去って行っちゃうよ。)
I have to find out how it went. を直訳すると、「それがどのように go したかを知らなければならない」というところでしょう。
it というのは、レイチェルとキャッシュのデート(の状況)を指していて、過去形の went が使われていることから、二人のデートがどんな風に進んだか、どうなったかという「結果」を僕は知らないといけない、だからデートが終わってレイチェルが自宅に帰ってくるまで、僕はここで待ってる、と言っていることになります。
理由を尋ねるジョーイに、ロスは、This guy could be my baby's stepfather! と叫んでいますね。
could というのは「可能性」ですね。
stepfather というのは「義理の父、継父」のことで、レイチェルがロスの子供を今みごもっていることから、デート相手のキャッシュが、僕(ロス)の子供の義理の父親になるかもしれない、と言っていることになります。
They go on one date and you're worried about them getting married?! は、「彼ら(レイチェルとキャッシュの二人)がデートに行って、それでお前は二人が結婚するのを心配してるのか?」ということですね。
まだ、1回デートしただけなのに、結婚して自分の子供の父親になるかもしれないと心配するなんて、気が早いだろ、と言いたいわけです。
その後の、He's not you! というのがフレンズっぽくていいですね。
「彼(キャッシュ)はお前じゃない」というのは、誰も彼もが、お前みたいなやつばっかりじゃない、ということで、「デートしたら結婚を意識する」ような、ロスのような人間ばかりじゃないんだよ、と言っていることになります。
ロスは「バツ3」であることから、フレンズたちからは「結婚好き、結婚マニア」(笑)のようにからかわれ、それがフレンズにおける「ロスいじり」のお約束のようになっています。
ここでも、「デート、即、結婚、って、そんなこと考えるのは、ロス、お前だけだぞ」とツッコミを入れられた感じですね。
レイチェルがデートしてるなんて信じられない!と言うロスに、ジョーイは「(デートしてるのが信じられないって言うのなら)じゃあ、レイチェルはどうするとお前は考えてたんだ」みたいに問うています。
ジョーイにしてみれば、「レイチェルが、今、デートしてることは何も不思議なことじゃない。お前はレイチェルがデートすることなんかないって思ってたわけか?」という気持ちなのですね。
レイチェルがロスの子供を妊娠中だからと言っても、二人は結婚する意志がないことをお互い確認し合ったんだから、片方がデートしようが何しようが構わないはず、「結婚しないけど、他のやつとデートもしない」ってお前は考えてたのかよ、みたいに言っていることになるでしょう。
ロスはパニクった様子で、わからないよ、と言っています。
レイチェルはこうするはず、とか思っていたわけじゃないけど、今、起こっている出来事は、どれも想定外のことばかりなんだ、みたいな感じです。
それってどういう意味?とジョーイに聞かれたロスは、詳しいことを話し始めます。
It's just I always thought when I had another kid, it would be different. について。
It's just... というのは「ただ(…以下)なだけなんだ」という感覚。
I always 以下は、「僕はいつも思ってたんだ。僕にもう一人子供ができたら、(状況は)違っていただろう、って」ということ。
そして、ベンという一人息子がいる今の状況を説明します。
drop off は「(人を)(乗り物から)降ろす、(物を)置いていく」という感覚で、ここでは「キャロルとスーザンの家に彼を置いていく、残していく」というニュアンスですね。
息子のベンを愛してるけど、毎回、(ベンを育てている)キャロルとスーザンのところに預けなきゃいけないんだ、ずっと一緒にいられないんだ、ということです。
そのことで心が少し傷む、とも言っています。
I've always had this picture of... は「僕はこれまでいつも、あるイメージを(頭の中に)いだいてた」みたいなこと。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
picture : IDEA IN YOUR MIND
an idea or image in your mind of what something or someone is like
つまり、「何か、または誰かがどんな感じであるかという、心の中の考え、またはイメージ」。
まさに語義通りの、「こんな感じだろう、というイメージ」ということですね。
その映像というのは、日曜日に僕と僕の妻がベッドにいて、僕の子供が走ってきて、ベッドに飛び乗る姿なんだ、と説明しています。
leap up onto the bed という表現では、leap up 「ピョンと跳び上がる」、onto the bed 「ベッドの上に」という前置詞の使い方が、その動きをリアルに説明している気がしますね。
onto は on 「〜の上に」と to 「〜の方向に」が合わさった前置詞ですから、「ベッドの方に向かってジャンプして、ベッドの上に乗る」という、方向と接触の両方の感覚が良く出ていると思いました。
そして、僕らはみんなで the paper、つまり新聞を、一緒に読むんだ、とも言っています。
fight over は「〜のことで・〜をめぐって(言い)争う」、science section は「(新聞の)科学欄、科学面」。
ですから、僕と妻と子供の3人で、新聞の科学面を「僕が先に読む!」みたいに取り合いしている姿をロスは想像していることになります。
科学者(古生物学者)であることをいつも誇りにしているロスなので、全員が科学好きな家庭の情景を想像しているわけですね。
ジョーイ的には、「科学面? スポーツ面じゃなくて?」と言いたいところだったでしょうが(笑)、そんなささいなことにツッコミは入れず、素直に「それって、いい映像・風景だよ」と言います。
Maybe you can still have that! は、「多分、ロスはそれをまだ持つことができる」ですから、「ずっとこんな風に思ってた」と表現したロスに、「これからもそんな家庭を持つ想像を持ち続けたらいいじゃないか」と言っていることになります。
「まだできるよ」と言われたロスは、「いや、できない」と否定しています。
some guy は「ある男」のように「ボカした」表現ですね。
もちろん、男性の名前はキャッシュだとわかっているわけですが、ロスにしてみれば、それがキャッシュだろうが誰だろうが名前なんて関係ない、とにかく「どっかの男」と出掛けた、ということが納得できないわけですね。
ロスの子供がレイチェルのお腹にいるということで、「僕の赤ちゃんもレイチェルと一緒に出掛けた」と表現しています。
if anything は「どちらかと言えば、むしろ」。
直訳すると、「何かあるとすれば、(さらに)何か言うとすれば」という感じですね。
LAAD では、
if anything : used when adding a remark that changes what you have just said or makes it stronger
例) It was warm in L.A. If anything it was a little too warm.
つまり、「自分がたった今言ったことを変える、またはそれをより強める発言を加える時に使われる」。
例文は、「LA は暖かかった。むしろ、ちょっと暖かすぎるくらいだった」。
that picture keeps moving further away の keep moving は「move し続ける」。
move further away の further は、副詞 far 「遠くへ」の比較級ですね。
far away は「遠く離れたところへ」という感覚。
move far away 「遠く離れたところへ移動する・動く」を比較級の形にしたことになるので、「より遠く離れたところへ移動する」と言っていることになります。
家族で科学面を取り合うような、一家団欒の映像を頭にずっと描いていたけれど、レイチェルも自分の子供も、他の男と出掛けてしまった、、そんな状況では、そのイメージは、どんどん遠くなってしまうばかりだよ、と嘆いているわけですね。
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2014年01月14日
もらってないと言い張る フレンズ8-5その5
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は3位、「にほんブログ村」は7位です。
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チャンドラーの上司のフランクリン氏は、チームの人員を増やさないと大変だ、とボヤいています。
フランクリン氏: But we really do need to find someone up here. The work is starting to pile up. I've got a stack of documents on my desk this high. (Holds his hand at shoulder level.) (しかし、我々はこの(上の)階で本当に誰かを見つけないといけない。仕事が山積みになり始めてる。私の机の上では、このくらいの高さに書類の山があるんだよ。[自分の手を肩の高さに上げる])
チャンドラー: Y'know what you should do, just toss ‘em in the shredder and claim you never got ‘em. (すべきことは、ただ、それをシュレッダーに放り込んで、そんな書類は受け取ってなかったって言い張ることですよ。)
フランクリン氏: (laughs) That's a good one, Bing. (Walks away.) ([笑って] それはいいな、ビング。[歩き去る])
チャンドラー: What does a guy have to do to be taken seriously around here?! (この辺りで、真面目に受け止めてもらうためには、どうしたらいいのかな?)
ボブの異動はなしだと決めた上司でしたが、それでも人手が足りない、書類が机の上にこんなに山積みになってる、、みたいな話をしています。
チャンドラーは、「そんな時はどうすればいいかご存知ですか?」みたいに言って、just toss ‘em... という文章を言っています。
「ただ、その書類をシュレッダーの中にトスして、そんな書類は受け取っていなかった、と claim すればいいんですよ」というところですね。
toss は「ボールをトスする」のトスで、「軽く(ぞんざいに)ぽいと投げる」という感覚。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
toss:
1. THROW ; to throw something, especially something light, without much force
2. THROW AWAY ; to get rid of something you do not want (SYN: toss out)
つまり、1. は「投げる。何か、特に何か軽いものを、力を入れずに投げること」。2. は「捨てる。自分が必要でないものを処分する」。
ロングマンの 2. の語義の「捨てる、処分する」という感覚を考えると、ただ「シュレッダーにぽいと投げ入れる」というよりは、「投げ込んで処分しちゃう」的なニュアンスまで込められている感じがしますね。
claim は「主張する、言い張る」。
日本語の「クレーム」は、「苦情」みたいな意味で使われていますが、それは和製英語で、それに該当する英語は、complain になります。
英語 claim の本来の意味は、「(当然のこととして)要求する」です。
baggage claim は「(空港の)手荷物受取所」のことですが、これも、手荷物の件でクレームを言うところ、とかではなく(笑)、自分が受け取る権利がある手荷物を自分のものだと請求して受け取るところ、ということですね。
今回のセリフでは「要求する」というよりは、「主張する、言い張る」という感覚になります。
LAAD では、
claim : to state that something is true, even though it has not been proven
例) He claimed to have discovered the ruins of a lost city.
つまり、「何かが正しいと述べること、例えそれが証明されていなかったにしても」。例文は、「彼は滅びた都市の遺跡を発見したと主張した」。
「証明されていなかったとしても」の部分がポイントで、そこから「言い張る」みたいな日本語訳にもなるわけですね。
ですから、チャンドラーは、「山積みになってる書類を全部、シュレッダーに放り込んじゃって、そんな書類もらってないぞ、って言い張ればいいんですよ」とアドバイスしていることになります。
実際には受け取って山積みになっていたものを「もらってないと主張する」わけですから、確かにその主張は真実ではない、だから、「主張する側が一方的にそう言い張っている」ニュアンスの claim という単語を使うことになるわけです。
That's a good one. は「それはいいな、いいわ」みたいな感じで、「お前、なかなか面白いこと言うじゃないか」という感覚。
笑いながら去って行った上司を見て、チャンドラーは、What does a guy have to do... というセリフを言っています。
around here は「この辺りで」なので、「このオフィスでは」と言っていることになるでしょう。
take ... seriously は「…をまじめに・真剣に受け止める」ですから、直訳すると、「ある男が、この辺り・このオフィスで真面目に受け止めてもらうためには、何をしなければならないか?」ということ。
今回、自分の発言を冗談と取られてしまったので、「冗談だと思われないようにするには何をしたらいいんだ?」というのを、「ある一人の男はどうすべきか?」のように、抽象的に表現してみた感覚なのでしょう。
仕事の書類が溜まってしまってね、、と言っている上司に、「そんなの全部シュレッダーにかけちゃって、知らんぷりしとけばいいんですよ」みたいにアドバイスしたという発言は、誰が聞いても冗談にしか聞こえないわけですが、「ここでは誰も発言を真に受けてくれない、そんな時はどうすればいい?」みたいに言ったということは、チャンドラーはこの発言を「冗談ではなく、マジで」言った、ということになります。
「そのジョーク、面白いな」と言いながら上司が去った後に、「俺、大真面目で言ってるのに、誰も俺の話をまともに聞いてくれない」みたいに言ってみせた面白さ、「今のマジで言ってたんか、チャンドラー!?」みたいなツッコミを入れたくなるオチ、ということになります。
今回のエピソードでは、オープニング・クレジットの後にも、上司と会話するシーンがありました。
そのやりとりは以下のようなものでした。
チャンドラー: You know me, sir. Oh ah, I do have a question for ya. Do you know how I get around the office computer network so I can access the really good Internet porn? (私のことをよくおわかりで。ああ、質問があるんですが。すごくいい、インターネット・ポルノにアクセスできるように、オフィスのコンピューター・ネットワークをどうやって回避するか、ご存知ですか?)
フランクリン氏: You're a joker, Bing. (お前は面白いやつ[ジョーク好き]だな、ビング。)
チャンドラー: What's funny about that? ([上司が立ち去った後] 今の(俺の)発言で、何が面白いんだ?)
チャンドラーが大真面目な顔で「会社の PC で、エッチなサイトにアクセスできるようにするには、どうしたらいいですかねぇ?」みたいに言ったのを、上司は「そのジョーク、面白いな」とウケて去り、チャンドラーは「俺は真剣に質問したのに、、」みたいに言っているという面白さです。
そういうシーンが最初の方にあったことで、今回のこのシーンも、「また同じパターンのオチ」だと気づいて笑える、という仕組みになっているわけですね。
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チャンドラーの上司のフランクリン氏は、チームの人員を増やさないと大変だ、とボヤいています。
フランクリン氏: But we really do need to find someone up here. The work is starting to pile up. I've got a stack of documents on my desk this high. (Holds his hand at shoulder level.) (しかし、我々はこの(上の)階で本当に誰かを見つけないといけない。仕事が山積みになり始めてる。私の机の上では、このくらいの高さに書類の山があるんだよ。[自分の手を肩の高さに上げる])
チャンドラー: Y'know what you should do, just toss ‘em in the shredder and claim you never got ‘em. (すべきことは、ただ、それをシュレッダーに放り込んで、そんな書類は受け取ってなかったって言い張ることですよ。)
フランクリン氏: (laughs) That's a good one, Bing. (Walks away.) ([笑って] それはいいな、ビング。[歩き去る])
チャンドラー: What does a guy have to do to be taken seriously around here?! (この辺りで、真面目に受け止めてもらうためには、どうしたらいいのかな?)
ボブの異動はなしだと決めた上司でしたが、それでも人手が足りない、書類が机の上にこんなに山積みになってる、、みたいな話をしています。
チャンドラーは、「そんな時はどうすればいいかご存知ですか?」みたいに言って、just toss ‘em... という文章を言っています。
「ただ、その書類をシュレッダーの中にトスして、そんな書類は受け取っていなかった、と claim すればいいんですよ」というところですね。
toss は「ボールをトスする」のトスで、「軽く(ぞんざいに)ぽいと投げる」という感覚。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
toss:
1. THROW ; to throw something, especially something light, without much force
2. THROW AWAY ; to get rid of something you do not want (SYN: toss out)
つまり、1. は「投げる。何か、特に何か軽いものを、力を入れずに投げること」。2. は「捨てる。自分が必要でないものを処分する」。
ロングマンの 2. の語義の「捨てる、処分する」という感覚を考えると、ただ「シュレッダーにぽいと投げ入れる」というよりは、「投げ込んで処分しちゃう」的なニュアンスまで込められている感じがしますね。
claim は「主張する、言い張る」。
日本語の「クレーム」は、「苦情」みたいな意味で使われていますが、それは和製英語で、それに該当する英語は、complain になります。
英語 claim の本来の意味は、「(当然のこととして)要求する」です。
baggage claim は「(空港の)手荷物受取所」のことですが、これも、手荷物の件でクレームを言うところ、とかではなく(笑)、自分が受け取る権利がある手荷物を自分のものだと請求して受け取るところ、ということですね。
今回のセリフでは「要求する」というよりは、「主張する、言い張る」という感覚になります。
LAAD では、
claim : to state that something is true, even though it has not been proven
例) He claimed to have discovered the ruins of a lost city.
つまり、「何かが正しいと述べること、例えそれが証明されていなかったにしても」。例文は、「彼は滅びた都市の遺跡を発見したと主張した」。
「証明されていなかったとしても」の部分がポイントで、そこから「言い張る」みたいな日本語訳にもなるわけですね。
ですから、チャンドラーは、「山積みになってる書類を全部、シュレッダーに放り込んじゃって、そんな書類もらってないぞ、って言い張ればいいんですよ」とアドバイスしていることになります。
実際には受け取って山積みになっていたものを「もらってないと主張する」わけですから、確かにその主張は真実ではない、だから、「主張する側が一方的にそう言い張っている」ニュアンスの claim という単語を使うことになるわけです。
That's a good one. は「それはいいな、いいわ」みたいな感じで、「お前、なかなか面白いこと言うじゃないか」という感覚。
笑いながら去って行った上司を見て、チャンドラーは、What does a guy have to do... というセリフを言っています。
around here は「この辺りで」なので、「このオフィスでは」と言っていることになるでしょう。
take ... seriously は「…をまじめに・真剣に受け止める」ですから、直訳すると、「ある男が、この辺り・このオフィスで真面目に受け止めてもらうためには、何をしなければならないか?」ということ。
今回、自分の発言を冗談と取られてしまったので、「冗談だと思われないようにするには何をしたらいいんだ?」というのを、「ある一人の男はどうすべきか?」のように、抽象的に表現してみた感覚なのでしょう。
仕事の書類が溜まってしまってね、、と言っている上司に、「そんなの全部シュレッダーにかけちゃって、知らんぷりしとけばいいんですよ」みたいにアドバイスしたという発言は、誰が聞いても冗談にしか聞こえないわけですが、「ここでは誰も発言を真に受けてくれない、そんな時はどうすればいい?」みたいに言ったということは、チャンドラーはこの発言を「冗談ではなく、マジで」言った、ということになります。
「そのジョーク、面白いな」と言いながら上司が去った後に、「俺、大真面目で言ってるのに、誰も俺の話をまともに聞いてくれない」みたいに言ってみせた面白さ、「今のマジで言ってたんか、チャンドラー!?」みたいなツッコミを入れたくなるオチ、ということになります。
今回のエピソードでは、オープニング・クレジットの後にも、上司と会話するシーンがありました。
そのやりとりは以下のようなものでした。
チャンドラー: You know me, sir. Oh ah, I do have a question for ya. Do you know how I get around the office computer network so I can access the really good Internet porn? (私のことをよくおわかりで。ああ、質問があるんですが。すごくいい、インターネット・ポルノにアクセスできるように、オフィスのコンピューター・ネットワークをどうやって回避するか、ご存知ですか?)
フランクリン氏: You're a joker, Bing. (お前は面白いやつ[ジョーク好き]だな、ビング。)
チャンドラー: What's funny about that? ([上司が立ち去った後] 今の(俺の)発言で、何が面白いんだ?)
チャンドラーが大真面目な顔で「会社の PC で、エッチなサイトにアクセスできるようにするには、どうしたらいいですかねぇ?」みたいに言ったのを、上司は「そのジョーク、面白いな」とウケて去り、チャンドラーは「俺は真剣に質問したのに、、」みたいに言っているという面白さです。
そういうシーンが最初の方にあったことで、今回のこのシーンも、「また同じパターンのオチ」だと気づいて笑える、という仕組みになっているわけですね。
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2014年01月11日
追加セミナー第2弾
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は2位、「にほんブログ村」は4位です。
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******************************************
(追記)
おかげさまで満席となりました。
これ以降はキャンセル待ちのみの受付とさせていただきます。
たくさんのお申し込み、ありがとうございました!
******************************************
追加セミナー第2弾の受付を開始します
4月20日(日)に「追加セミナー第2弾」(セミナーとしては3回目)を開催することを、先日お知らせしましたが、本日 1月11日(土)よりお申し込みの一般受付をさせていただきます。
セミナーの定員は 30名ですが、前回、前々回のキャンセル待ちの方の優先お申し込みで、現在、残席は 18 となっています。
ご興味のある方は、是非お申し込みくださいませ。
以下のリンク先、セミナー主催の「つなぎすとサロンのブログ」で、セミナーお申し込み要領を説明しています。
つなぎすとサロンのブログ:1/11受付開始します![追加セミナー第2弾]第55回つなぎすとサロン主催【南谷三世の「私の先生は海外ドラマ」セミナー 〜生きたセリフで英語4技能を伸ばす〜】
なお、私のブログでも、以下にお申し込みの概要を書かせていただきますね。
******************************************
[追加セミナー第2弾決定!]
第55回つなぎすとサロン主催
【南谷三世の「私の先生は海外ドラマ」セミナー
〜生きたセリフで英語4技能を伸ばす〜】
★日時:2014年4月20日(日) 14:00〜16:00
★会場:東灘区民センターうはらホール8F会議室2(神戸市東灘区住吉東町5丁目1‐16)
JR・六甲ライナー「住吉駅」南側より徒歩2分
会場のアクセス情報は、以下の公式サイトをご覧下さい。
東灘区民センター 公式サイト
★セミナー概要:
「海外ドラマ」のセリフを題材にして学ぶことで、留学にも匹敵するほどの「生きた英語」を大量に浴びることができ、日本でも自宅でも、高い英語力を身につけることが可能になります。
「海外ドラマ」を教材の中心として、「読む、聴く、書く、話す」の4技能を正しく伸ばすための方法を、楽しくわかりやすく解説します。
★受講料:2,500円
★定員:先着 30名
★備考:セミナー終了後に(16:30〜18:00予定)、講師を交えた懇親会(別途実費)を行います。
セミナーお申し込みの際は、懇親会の参加不参加もあわせてお知らせ下さい。
★主催:つなぎすとサロン 代表 米田りり子
★お申し込み方法:
件名を「4/20南谷セミナー」とし、
「氏名(フリガナ)」
「性別」
「電話番号」
「メールアドレス」
「懇親会の参加可否」
をご明記の上、下記までメールにてお申し込みください。追って振り込み案内を送らせていただきます。
48時間以内に返信がない場合は、迷惑メールをご確認の上、再度お問い合わせください。
★お問い合わせ&お申し込み:つなぎすとサロン
tsunagist@yahoo.co.jp
******************************************
追加セミナー第2弾の概要については以上です。
1週間後の 1月19日には「追加セミナー第1弾」(セミナーとしては2回目)を開催することになっています。
そのセミナーがおかげさまで満席となった後も、キャンセル待ちのお申し込みが増えてきて、今回、こうして「追加セミナー第2弾」を開催できることとなりました。
セミナーに申し込んで下さった皆様、キャンセル待ちをして下さった皆様、本当にありがとうございました!
今回のセミナーの日程は(会場の抽選の関係で)1月5日に決定したのですが、その前日の 1月4日には、日経新聞土曜日版「日経プラス1」で、私の英語学習法が紹介される、という嬉しいニュースがありました。
(その掲載記事は以下の日経新聞ウェブ版でお読みいただけます。)
日本経済新聞>洋画・海外ドラマで英会話学習 長続きするコツ
「日経プラス1」の掲載記事で説明させていただいた私の学習法を、セミナーでは「より詳しく、より具体的に」解説させていただくつもりです。
「海外ドラマで英語を学ぶって楽しい!」と思っていただけるような楽しいセミナーにしたいと思います。
また、たくさんの方にお会いできるのを楽しみにしています。
どうかよろしくお願いいたします!(^^)
↓追加セミナー第2弾用に、春っぽいピンクのチラシを作っていただきました(^^)
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(追記)
おかげさまで満席となりました。
これ以降はキャンセル待ちのみの受付とさせていただきます。
たくさんのお申し込み、ありがとうございました!
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追加セミナー第2弾の受付を開始します
4月20日(日)に「追加セミナー第2弾」(セミナーとしては3回目)を開催することを、先日お知らせしましたが、本日 1月11日(土)よりお申し込みの一般受付をさせていただきます。
セミナーの定員は 30名ですが、前回、前々回のキャンセル待ちの方の優先お申し込みで、現在、残席は 18 となっています。
ご興味のある方は、是非お申し込みくださいませ。
以下のリンク先、セミナー主催の「つなぎすとサロンのブログ」で、セミナーお申し込み要領を説明しています。
つなぎすとサロンのブログ:1/11受付開始します![追加セミナー第2弾]第55回つなぎすとサロン主催【南谷三世の「私の先生は海外ドラマ」セミナー 〜生きたセリフで英語4技能を伸ばす〜】
なお、私のブログでも、以下にお申し込みの概要を書かせていただきますね。
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[追加セミナー第2弾決定!]
第55回つなぎすとサロン主催
【南谷三世の「私の先生は海外ドラマ」セミナー
〜生きたセリフで英語4技能を伸ばす〜】
★日時:2014年4月20日(日) 14:00〜16:00
★会場:東灘区民センターうはらホール8F会議室2(神戸市東灘区住吉東町5丁目1‐16)
JR・六甲ライナー「住吉駅」南側より徒歩2分
会場のアクセス情報は、以下の公式サイトをご覧下さい。
東灘区民センター 公式サイト
★セミナー概要:
「海外ドラマ」のセリフを題材にして学ぶことで、留学にも匹敵するほどの「生きた英語」を大量に浴びることができ、日本でも自宅でも、高い英語力を身につけることが可能になります。
「海外ドラマ」を教材の中心として、「読む、聴く、書く、話す」の4技能を正しく伸ばすための方法を、楽しくわかりやすく解説します。
★受講料:2,500円
★定員:先着 30名
★備考:セミナー終了後に(16:30〜18:00予定)、講師を交えた懇親会(別途実費)を行います。
セミナーお申し込みの際は、懇親会の参加不参加もあわせてお知らせ下さい。
★主催:つなぎすとサロン 代表 米田りり子
★お申し込み方法:
件名を「4/20南谷セミナー」とし、
「氏名(フリガナ)」
「性別」
「電話番号」
「メールアドレス」
「懇親会の参加可否」
をご明記の上、下記までメールにてお申し込みください。追って振り込み案内を送らせていただきます。
48時間以内に返信がない場合は、迷惑メールをご確認の上、再度お問い合わせください。
★お問い合わせ&お申し込み:つなぎすとサロン
tsunagist@yahoo.co.jp
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追加セミナー第2弾の概要については以上です。
1週間後の 1月19日には「追加セミナー第1弾」(セミナーとしては2回目)を開催することになっています。
そのセミナーがおかげさまで満席となった後も、キャンセル待ちのお申し込みが増えてきて、今回、こうして「追加セミナー第2弾」を開催できることとなりました。
セミナーに申し込んで下さった皆様、キャンセル待ちをして下さった皆様、本当にありがとうございました!
今回のセミナーの日程は(会場の抽選の関係で)1月5日に決定したのですが、その前日の 1月4日には、日経新聞土曜日版「日経プラス1」で、私の英語学習法が紹介される、という嬉しいニュースがありました。
(その掲載記事は以下の日経新聞ウェブ版でお読みいただけます。)
日本経済新聞>洋画・海外ドラマで英会話学習 長続きするコツ
「日経プラス1」の掲載記事で説明させていただいた私の学習法を、セミナーでは「より詳しく、より具体的に」解説させていただくつもりです。
「海外ドラマで英語を学ぶって楽しい!」と思っていただけるような楽しいセミナーにしたいと思います。
また、たくさんの方にお会いできるのを楽しみにしています。
どうかよろしくお願いいたします!(^^)
↓追加セミナー第2弾用に、春っぽいピンクのチラシを作っていただきました(^^)
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2014年01月10日
stay put=そのままでいる フレンズ8-5その4
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チャンドラーのオフィス。チャンドラーの同僚ボブは、チャンドラーのことを Toby (トビー)という名前だと思い込んでいます。そのボブとチャンドラーが話しているのを見たチャンドラーの上司が、チャンドラーに声を掛けます。
フランクリン氏(Mr. Franklin): Hey-hey! Bing? Was that Bob from six you were just talking to? (おいおい! ビング? お前が今ちょうど話していたのは、6階のボブだったよな?)
チャンドラー: Yeah! (ええ!)
フランクリン氏: Oh, then you know each other. (あぁ、それなら君らはお互いを知ってるんだな[知り合いなんだな]。)
チャンドラー: We're on a semi-first name basis. (半分(やや)ファースト・ネーム・ベースで。)
フランクリン氏: What do you think of adding him to our team? (彼をうちのチームに加えることについて君はどう思う?)
チャンドラー: Bob? Ooh, working here with us? Every day? Yeah, I don't know if he has what it takes. (ボブをですか? 僕らと一緒にここで働く? 毎日? 彼が必要なもの[必要とされるもの]を持っているのかどうなのか、僕にはわからないです。)
フランクリン氏: Really? They love him down on six. (そうか? 下の6階ではみんな彼を気に入ってるぞ。)
チャンドラー: But this is eleven. It's almost twice as hard up here. (でもここは11階ですよ。上のここはほぼ2倍大変です。)
フランクリン氏: Okay, I hear you loud and clear. Bob will stay put. (わかった、君の話ははっきり聞こえるよ[よくわかるよ]。ボブはそのままだ[異動なしだ]。)
チャンドラー: I think it's best, sir. (それがベストだと思います。)
ボブとチャンドラーが会話しているのを見て、チャンドラーの上司らしいフランクリン氏は、「お前がたった今話していた相手は6階のボブか?」とチャンドラーに質問しています。
それを肯定したチャンドラーに、「じゃあお前たち二人はお互いを知ってるんだな、知り合いなんだな」と上司が尋ねると、チャンドラーは、We're on a semi-first name basis. と答えます。
on a ... basis というのは、「…ベースで、…方式で」という感覚ですね。
on a commercial basis なら「商業ベースで」になります。
semi- がない、on a first name basis なら、「名前(ファースト・ネーム)ベースで」ということになり、「知り合いと言っても、お互いのファーストネームを知っている程度の知り合いです」と言っていることになるでしょう。→(追記:この部分に関して、少し後に、追記と訂正があります)
今回のセリフでは、first name に semi- がついていますね。
semi- は「セミファイナル(準決勝)」のように既に日本語化していますが、基本的な意味は「半…、…の半分」という意味で、また正確に半分ではなくても完全・全部ではない、という意味で「やや…、いくぶん…」という意味にもなります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
semi- [prefix]
1. exactly half
例) a semicircle
2. partly but not completely
例1) a semi-invalid (= someone who is not well enough to go out very much)
例2) semi-literate people (= who can only read a little)
つまり、1. は「ちょうど半分の」、例は「半円」。2. は「部分的で完全ではない」、例1は、「半病人 (よく外出するほどに十分健康ではない人)」。例2は、「やや読み書きできる人 (少しだけ文字が読める人)」。
a semi-invalid の invalid というのは名詞ですね。
invalid というのは「無効な」という意味の形容詞もありますが、ここでは「病人、病弱者」という意味の名詞になります。
半分、と言っても、半円のように正確に真半分なわけではなく、完全に寝たきりになっているわけでもないが、元気に外出できるほどにも回復しているわけでもない、という意味の「半病人」という意味ですね。
チャンドラーのセリフの semi- も「ちょうど半分、真半分」という感じではなく、「完全ではない、完全に正しいわけではない」というニュアンスでしょう。
first name で呼び合っていると言っても、その名前が正しくない間違った名前なので、first name basis とは言い難い、だから、「やや」みたいな言葉を付け加えたことになります。
(2014.1.10 17:30 追記)
Twitter でご指摘いただきました。
上の記事中で、on a first name basis について、「first name を知っている程度の仲」と訳してしまいましたが、「first name で呼び合うくらい仲が良い」が正解です。
ファーストネームで呼び合う、ということは、親しい証(あかし)ですものね。
研究社 新英和中辞典でも、
first-name 【形】【A】
ファーストネームで呼び合えるほどに親しい
We're on a first-name basis [on first-name terms]. 我々は(名で呼び合う)親しい間柄だ
と出ていますし、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) でも、
be on a first-name basis : to know someone well enough to call them by their first name
つまり、「ファーストネームで呼ぶほどに、よく誰かを知っていること」と説明されています。
その語義のように、on a first-name basis は「親しい」ことを表していて、そのフレーズを利用しながらも、そこに semi- を付けることで、「親しいように見えるけど、実はそうでもない」感を出している、「ファーストネームで呼び合ってる仲だけど、実は名前を間違われてて、、」みたいな感じを出している、、のが、on a semi-first name basis と表現した面白さになっている、ということでしょう。
貴重なご指摘ありがとうございました!
(追記はここまで)
チャンドラーの semi- という表現に特に引っ掛かる様子もなく(笑)、上司は二人が知り合いだと知って、「彼を我々のチームに加えることについて君はどう思う?」と尋ねています。
さきほどから「上司」と説明していましたが、彼のこの発言で「フランクリン氏はチャンドラーと同じチームで働いている」ということがはっきりしましたね。
「ボブを我々のチームに加える」ことについて話していることからも、人事権を持つ地位にいることも想像できます。
Bob? Ooh, working here with us? Every day? というチャンドラーの不満そうな返事(笑)で、彼がボブを同じチームに入れたがっていないことがよくわかります。
I don't know if he has what it takes. について。
I don't know if he... で、「彼が…かどうか僕にはわからない」。
take という基本動詞には実にいろんな意味がありますが、この場合は「(時間・労力・金などを)必要とする、かかる」という意味の「必要とする」ニュアンス。
he has what it takes を直訳すると、「それが必要とするものを彼が持っている」になるでしょう。
つまり、ボブが我々と同じチームで働けるかどうかについて、「同じチームで働くのに必要とされる能力が彼にあるかどうか、僕にはわからないですね」とネガティブな返事をしたことになるわけです。
「どうですかねぇ〜、彼にはこのチームで働く能力ありますかねぇ〜」みたいに答えたので、上司は意外そうに、They love him down on six. と言っています。
down on six のように down が前に付く感覚が、「いかにも英語」っぽい感じですね。
on six は「6階」で、今、二人が話しているのが(その後のセリフでわかるように)上の階の11階なので、「ここから見て下の階である6階では」という感覚から、down on six のように、down が自然に付くわけです。
日本語で「下の6階では」と訳すと、ちょっとわざとらしい感じもしますが、英語の場合は、階の上下の場所を指す場合に、このように自然に up/down が付くことが多いですね。
頭でその場所をイメージしていると、up/down という言葉がすっと挿入されるのでしょう。
They love him の they は6階で一緒に働いている同僚たちを指し、love 「愛してる」というのは、同僚として彼の能力を認めている、「彼は気に入られている」みたいなこと。
「力があるかどうか、、」みたいにチャンドラーが否定的なことを言ったので、「あれ? ボブがいる6階では、彼は仕事ができるって評判がいいぞ」みたいに上司は返したことになります。
「6階では」と言われたのでチャンドラーは、「でもここは11階ですよ」と言って、It's almost twice as hard up here. と続けます。
almost twice as hard は「ほぼ2倍大変」ですね。
up here は、さきほどの down on six 「下の6階では」に対応する形で、自分たちの方が上に当たるのでこれも自然に「上のここでは、こちらの上では」のように、up が挿入されるわけです。
「6階では評判いいと言っても、ここは階が違います。11と6という数字は、ほぼ2倍違うから、大変さも2倍ですよ」みたいに、何だかわけのわからない理由を言ったことになりますね。
上司もその「ほぼ2倍大変」の話を真に受けたわけでもないでしょうが、ボブと知り合いらしいチャンドラーが、二度も否定的な返事をしたことから、上司はチャンドラーの意見を尊重することを決めたようです。
loud and clear を直訳すると、「大声でそしてはっきりと」になることから想像される通り、hear you loud and clear は「君の言うことははっきりと・明瞭に聞こえる、よくわかる」という意味になります。
stay put は「そのままでいる、動かずにいる、その場所にとどまる」という意味。
一見、動詞の原形が2つ並んでいるように見えますが、後ろの put は過去分詞形で、stay+補語の形、つまり、「put された(そこに置かれた)状態でとどまる、状態でいる」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stay put : (spoken) to remain in one place and not move
例) Stay put until I get back.
つまり、「(口語) ある場所にとどまり、動かないこと」。例文は「私が戻るまでそこにいなさい。」
このような、stay+補語(過去分詞)の形のものだと、stay seated 「座ったままでいる」というのもあります。
また、「チャンネルはそのままで」という決まり文句の、Stay tuned. も「tune された状態(テレビ受信機の周波数が合わされた状態)にしておく」という感覚になるわけですね。
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チャンドラーのオフィス。チャンドラーの同僚ボブは、チャンドラーのことを Toby (トビー)という名前だと思い込んでいます。そのボブとチャンドラーが話しているのを見たチャンドラーの上司が、チャンドラーに声を掛けます。
フランクリン氏(Mr. Franklin): Hey-hey! Bing? Was that Bob from six you were just talking to? (おいおい! ビング? お前が今ちょうど話していたのは、6階のボブだったよな?)
チャンドラー: Yeah! (ええ!)
フランクリン氏: Oh, then you know each other. (あぁ、それなら君らはお互いを知ってるんだな[知り合いなんだな]。)
チャンドラー: We're on a semi-first name basis. (半分(やや)ファースト・ネーム・ベースで。)
フランクリン氏: What do you think of adding him to our team? (彼をうちのチームに加えることについて君はどう思う?)
チャンドラー: Bob? Ooh, working here with us? Every day? Yeah, I don't know if he has what it takes. (ボブをですか? 僕らと一緒にここで働く? 毎日? 彼が必要なもの[必要とされるもの]を持っているのかどうなのか、僕にはわからないです。)
フランクリン氏: Really? They love him down on six. (そうか? 下の6階ではみんな彼を気に入ってるぞ。)
チャンドラー: But this is eleven. It's almost twice as hard up here. (でもここは11階ですよ。上のここはほぼ2倍大変です。)
フランクリン氏: Okay, I hear you loud and clear. Bob will stay put. (わかった、君の話ははっきり聞こえるよ[よくわかるよ]。ボブはそのままだ[異動なしだ]。)
チャンドラー: I think it's best, sir. (それがベストだと思います。)
ボブとチャンドラーが会話しているのを見て、チャンドラーの上司らしいフランクリン氏は、「お前がたった今話していた相手は6階のボブか?」とチャンドラーに質問しています。
それを肯定したチャンドラーに、「じゃあお前たち二人はお互いを知ってるんだな、知り合いなんだな」と上司が尋ねると、チャンドラーは、We're on a semi-first name basis. と答えます。
on a ... basis というのは、「…ベースで、…方式で」という感覚ですね。
on a commercial basis なら「商業ベースで」になります。
semi- がない、on a first name basis なら、「名前(ファースト・ネーム)ベースで」ということになり、「知り合いと言っても、お互いのファーストネームを知っている程度の知り合いです」と言っていることになるでしょう。→(追記:この部分に関して、少し後に、追記と訂正があります)
今回のセリフでは、first name に semi- がついていますね。
semi- は「セミファイナル(準決勝)」のように既に日本語化していますが、基本的な意味は「半…、…の半分」という意味で、また正確に半分ではなくても完全・全部ではない、という意味で「やや…、いくぶん…」という意味にもなります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
semi- [prefix]
1. exactly half
例) a semicircle
2. partly but not completely
例1) a semi-invalid (= someone who is not well enough to go out very much)
例2) semi-literate people (= who can only read a little)
つまり、1. は「ちょうど半分の」、例は「半円」。2. は「部分的で完全ではない」、例1は、「半病人 (よく外出するほどに十分健康ではない人)」。例2は、「やや読み書きできる人 (少しだけ文字が読める人)」。
a semi-invalid の invalid というのは名詞ですね。
invalid というのは「無効な」という意味の形容詞もありますが、ここでは「病人、病弱者」という意味の名詞になります。
半分、と言っても、半円のように正確に真半分なわけではなく、完全に寝たきりになっているわけでもないが、元気に外出できるほどにも回復しているわけでもない、という意味の「半病人」という意味ですね。
チャンドラーのセリフの semi- も「ちょうど半分、真半分」という感じではなく、「完全ではない、完全に正しいわけではない」というニュアンスでしょう。
first name で呼び合っていると言っても、その名前が正しくない間違った名前なので、first name basis とは言い難い、だから、「やや」みたいな言葉を付け加えたことになります。
(2014.1.10 17:30 追記)
Twitter でご指摘いただきました。
上の記事中で、on a first name basis について、「first name を知っている程度の仲」と訳してしまいましたが、「first name で呼び合うくらい仲が良い」が正解です。
ファーストネームで呼び合う、ということは、親しい証(あかし)ですものね。
研究社 新英和中辞典でも、
first-name 【形】【A】
ファーストネームで呼び合えるほどに親しい
We're on a first-name basis [on first-name terms]. 我々は(名で呼び合う)親しい間柄だ
と出ていますし、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) でも、
be on a first-name basis : to know someone well enough to call them by their first name
つまり、「ファーストネームで呼ぶほどに、よく誰かを知っていること」と説明されています。
その語義のように、on a first-name basis は「親しい」ことを表していて、そのフレーズを利用しながらも、そこに semi- を付けることで、「親しいように見えるけど、実はそうでもない」感を出している、「ファーストネームで呼び合ってる仲だけど、実は名前を間違われてて、、」みたいな感じを出している、、のが、on a semi-first name basis と表現した面白さになっている、ということでしょう。
貴重なご指摘ありがとうございました!
(追記はここまで)
チャンドラーの semi- という表現に特に引っ掛かる様子もなく(笑)、上司は二人が知り合いだと知って、「彼を我々のチームに加えることについて君はどう思う?」と尋ねています。
さきほどから「上司」と説明していましたが、彼のこの発言で「フランクリン氏はチャンドラーと同じチームで働いている」ということがはっきりしましたね。
「ボブを我々のチームに加える」ことについて話していることからも、人事権を持つ地位にいることも想像できます。
Bob? Ooh, working here with us? Every day? というチャンドラーの不満そうな返事(笑)で、彼がボブを同じチームに入れたがっていないことがよくわかります。
I don't know if he has what it takes. について。
I don't know if he... で、「彼が…かどうか僕にはわからない」。
take という基本動詞には実にいろんな意味がありますが、この場合は「(時間・労力・金などを)必要とする、かかる」という意味の「必要とする」ニュアンス。
he has what it takes を直訳すると、「それが必要とするものを彼が持っている」になるでしょう。
つまり、ボブが我々と同じチームで働けるかどうかについて、「同じチームで働くのに必要とされる能力が彼にあるかどうか、僕にはわからないですね」とネガティブな返事をしたことになるわけです。
「どうですかねぇ〜、彼にはこのチームで働く能力ありますかねぇ〜」みたいに答えたので、上司は意外そうに、They love him down on six. と言っています。
down on six のように down が前に付く感覚が、「いかにも英語」っぽい感じですね。
on six は「6階」で、今、二人が話しているのが(その後のセリフでわかるように)上の階の11階なので、「ここから見て下の階である6階では」という感覚から、down on six のように、down が自然に付くわけです。
日本語で「下の6階では」と訳すと、ちょっとわざとらしい感じもしますが、英語の場合は、階の上下の場所を指す場合に、このように自然に up/down が付くことが多いですね。
頭でその場所をイメージしていると、up/down という言葉がすっと挿入されるのでしょう。
They love him の they は6階で一緒に働いている同僚たちを指し、love 「愛してる」というのは、同僚として彼の能力を認めている、「彼は気に入られている」みたいなこと。
「力があるかどうか、、」みたいにチャンドラーが否定的なことを言ったので、「あれ? ボブがいる6階では、彼は仕事ができるって評判がいいぞ」みたいに上司は返したことになります。
「6階では」と言われたのでチャンドラーは、「でもここは11階ですよ」と言って、It's almost twice as hard up here. と続けます。
almost twice as hard は「ほぼ2倍大変」ですね。
up here は、さきほどの down on six 「下の6階では」に対応する形で、自分たちの方が上に当たるのでこれも自然に「上のここでは、こちらの上では」のように、up が挿入されるわけです。
「6階では評判いいと言っても、ここは階が違います。11と6という数字は、ほぼ2倍違うから、大変さも2倍ですよ」みたいに、何だかわけのわからない理由を言ったことになりますね。
上司もその「ほぼ2倍大変」の話を真に受けたわけでもないでしょうが、ボブと知り合いらしいチャンドラーが、二度も否定的な返事をしたことから、上司はチャンドラーの意見を尊重することを決めたようです。
loud and clear を直訳すると、「大声でそしてはっきりと」になることから想像される通り、hear you loud and clear は「君の言うことははっきりと・明瞭に聞こえる、よくわかる」という意味になります。
stay put は「そのままでいる、動かずにいる、その場所にとどまる」という意味。
一見、動詞の原形が2つ並んでいるように見えますが、後ろの put は過去分詞形で、stay+補語の形、つまり、「put された(そこに置かれた)状態でとどまる、状態でいる」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stay put : (spoken) to remain in one place and not move
例) Stay put until I get back.
つまり、「(口語) ある場所にとどまり、動かないこと」。例文は「私が戻るまでそこにいなさい。」
このような、stay+補語(過去分詞)の形のものだと、stay seated 「座ったままでいる」というのもあります。
また、「チャンネルはそのままで」という決まり文句の、Stay tuned. も「tune された状態(テレビ受信機の周波数が合わされた状態)にしておく」という感覚になるわけですね。
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