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モニカが結婚前に、男性ストリッパーを呼んで独身パーティー(バチェロレット・パーティー)をしていたことを知ったチャンドラーは、「そういうバカなことはお互いにしない、って約束したのに」と怒っていました。それからしばらく後のシーン。
モニカ: (entering) Oh, my God! You are gonna love me so much! I felt really bad about the whole bachelorette party thing, so tonight you're gonna have a bachelor party. ([セントラルパークに入ってきて] なんてこと! 私のこと大好きになるわよ! 例のバチェロレット・パーティーのこと、本当に申し訳ないと思ったの。だから今夜、あなたはバチェラー・パーティーができるわ!)
チャンドラー: What? (何だって?)
モニカ: Yeah, I got this number from this guy at work and I hired a stripper to come dance for you. Am I going in the wife hall of fame or what?! (ええ、職場のある男性から、ある電話番号をゲットしたの。それで私はあなたのためにダンスをしに来るように、ストリッパーを雇ったのよ。私って妻の殿堂入りしそうよね?)
チャンドラー: Honey! That's crazy! I don't want you to get me a stripper.... (ハニー! そんなのクレイジーだよ! 君には俺にストリッパーを用意するとかしてほしくない…)
ジョーイ: Will you let the lady talk?! (そのレディー(ご婦人)に話をさせてやれよ!)
モニカ: Come on! Come on, it'll be fun! It'll make me feel so much better. (ねえ! いいでしょ、楽しいわ! 私の気持ちがずっと楽になるのよ。)
チャンドラー: Look, I appreciate it, but uh, it's a little creepy. Y'know? I'm not a bachelor anymore. (ねぇ、その気持ちはありがたいけど、でもちょっと気味が悪いよ。だろ? 俺はもう独身じゃないんだから。)
モニカ: So don't think of it as a bachelor party, think of it as a... a two-month anniversary present. (じゃあ、バチェラー・パーティーだと思わないで、それを…結婚2か月記念のプレゼントだと思って。)
ロス: Sure. One year is paper, but two months is lap dance! (Joey nods his agreement.) (そうだね。1年目は紙婚式だけど、2か月はラップ・ダンス婚式だ! [ジョーイは同意してうなずく])
You are gonna love me so much! を直訳すると、「あなたは私をものすごく愛することになるわ!」というところですね。
この後の話を聞いたら、きっと私が大好きになるわよ、という感覚で、聞いた人が喜ぶニュースを持ってきた、と言っていることになります。
I felt really bad about the whole bachelorette party thing の felt really bad about は、「〜についてものすごく申し訳ないと思った」ですね。
the whole bachelorette party thing は、「バチェロレット・パーティーのこと全体」というニュアンスで、このような、the whole ... thing 「〜のこと全部」という表現は、フレンズでもよく登場します。
つまり、女性の自分だけ、そういう独身パーティーを開いちゃったことについて、悪かったと思ったから、今夜あなたは、同じような独身パーティーが持てる、開くことができる、と言っているわけです。
ちなみに、bachelorette というのは「独身女性」のことで、bachelor 「独身男性」の女性形ですね。
ですから、「結婚前の独身さよならパーティー」のことを、男性の場合は、bachelor party、女性の場合は、bachelorette party と呼んでいることになります。
I got this number from this guy at work では、2回も this が登場していますが、これは「この」ではなく、「ある」という意味、つまり、不定冠詞 a のニュアンスの this ですね。
こういう this も、フレンズ頻出で、非常に口語英語っぽい、英会話っぽい表現になります。
I hired a stripper to come dance for you. の hire someone to do は「人を雇って〜させる、〜させるために人を雇う」という感覚。
この場合は、「あなたのために踊りに来るようにと、あるストリッパーを雇った」ということになるでしょう。
Am I going in the wife hall of fame or what?! について。
まず、hall of fame は「名声のホール」ということで、「栄誉の殿堂」のことですね。
「ロックの殿堂」は、英語では、The Rock and Roll Hall of Fame and Museum です。
2014年には、ニルヴァーナ(Nirvana)やキッス(KISS)が受賞したのも記憶に新しいところですね。
ですから、モニカのセリフの go in the wife hall of fame は、「ロックの殿堂入りする」のような表現をもじって、「妻の殿堂入りする」と言った感覚になるでしょう。
Am I going... or what?! は直訳すると、「私は妻の殿堂入りするかしら、それとも何?」というところですね。
or what? は直訳すると「…か、それとも何?」になりますが、この場合の「それとも何?」というのは、純粋な疑問ではなく反語の感覚で、「それとも何だって言うの? それじゃないとしたら一体何なの?」→「まさにそれよね」みたいなニュアンスになるようです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
... or what?
b) used after a description of someone or something to emphasize it
つまり、「誰かや何かの描写の後に、それを強調するために使われる」。
「妻の殿堂」入りしそうなくらい、私って妻の鑑(かがみ)よね、そうでしょ?みたいに自分で言っている感覚なのでしょう。
「夫のために、ストリッパーを手配してあげるなんて、私って何ていい奥さんなのかしら(^^)」みたいに自分で言っているわけですね。
あなたのためにストリッパーを雇ったの、とやけに誇らしげ(笑)なモニカに、チャンドラーは、「ハニー、そんなことクレイジーだよ。君が俺のためにストリッパーをゲットする(用意する)なんてこと、俺はして欲しくない」と言いかけるのですが、ジョーイがさえぎるように、Will you let the lady talk?! と言うのが面白いですね。
lady は「レディー」で、「女性、婦人」のことですが、一般的に「女性」という場合は、woman を使うことが多いですね。
研究社 新英和中辞典では、
lady 【名】【C】
1. 貴婦人 《身分の高い婦人》
2. 淑女 (類語:lady は礼儀をわきまえたしとやかな婦人のことであるが、最近ではこの意味としてはあまり用いられなくなっている。通例女性を表わす一般的語としては woman のほうが用いられる)
ここで、the woman ではなく、the lady と表現しているのは、woman よりも、「貴婦人、淑女」のイメージで使っているのでしょう。
話をしているのは、ジョーイの友達でもあるモニカなので、通常なら、Will you let her talk? でいいわけですよね。
それを her ではなくて、the lady 「そのご婦人」みたいに表現することで、まずは距離感を出しているのだと思います。
そしてそのモニカの話している内容が、「夫のためにストリッパーを用意する」という話で、とても「貴婦人がなさること」w とは思えないところも面白いわけですね。
貴婦人の行ないとは程遠い内容をしゃべっているのに、それを遮ろうとした夫に対して、「このご婦人に話をさせろ」と言うのが面白さになっている、ということです。
乗り気でなさそうなチャンドラーに、モニカは「そうすることで、私の気持ちがもっとずっと良くなるから」と言っています。
自分だけそんなパーティーをした罪悪感がましになるから、ということですね。
creepy は「気味悪い、ぞっとする」ということで、俺はもう a bachelor (独身)じゃないし、と言っています。
それに対してモニカは、「それじゃあ、バチェラー・パーティーだとは思わないで、2か月のアニバーサリー、つまり、結婚2か月記念のプレゼントだと思ってよ」みたいに言います。
独身パーティーじゃなくて、結婚2か月記念だと思えば、違和感ないでしょ、みたいなことですね。
その話を聞いていたロスは、One year is paper... 以下のセリフを言っています。
この paper というのは、「紙婚式」のことですね。
Wikipedia 日本語版: 結婚記念日 に、何周年が何婚式か、という一覧が載っていて、わかりやすいです(英語表記も載っています)。
その説明にあるように、1周年:紙婚式 (アメリカ、イギリスでは Paper)なのですが、日本でも既に有名な銀婚式(25周年)、金婚式(50周年)の「銀」「金」という重厚感に比べて、1周年の「紙」というペラペラ感(笑)がどうにも気になってしまいますね。
これについては、そのウィキペディアの説明にあるように、
「最初のうちは廉価で柔らかく日常的な物から始まり、徐々に高価で硬い貴重品へと変わる。」
とのこと。確かに紙は「廉価で柔らかく日常的な物」の典型だなぁ、と^^
lap dance の lap は「ひざ」。a laptop computer は「ラップトップ・コンピューター」で、「ひざの上に載る程度の小型のコンピューター」という意味ですよね。
lap dance というのは、「ストリッパーなどが、客のひざの上に乗って踊るダンス」のことです。
アカデミックな辞書 LAAD には(やっぱり)載っていませんでしたが、マクミランには載っていました。
Macmillan Dictionary では、
lapdance : a dance with sexual movements close to someone or in someone's lap, usually by a dancer at a nightclub
つまり、「誰かに接近して、または誰かのひざの上での、セクシャルな動きのダンス、たいていはナイトクラブのダンサーによる(ダンス)」。
「ストリッパーのダンスを結婚2か月記念だと思って」と言ったモニカのセリフを受けて、「そうそう! 1周年記念は紙(婚式)だけど、2か月記念はラップ・ダンス婚式だもんね」と言ってみせて、モニカの発言に悪乗りした感じですね。
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