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モニカは、あるブーツをものすごく気に入って、とても高い値段にもかかわらず買ってしまいました。
チャンドラーは「そんな高い靴は返品しろ」と言うのですが、モニカは「どんな服にでも合うし、毎日履くから」と言って、チャンドラーの説得に成功します。
ところが、そのブーツが足に合わず、履くとものすごく痛いことが判明。
それでもチャンドラーに「毎日履くから」と言った手前、今さら、痛いの、とも言えず、家に帰る直前に、スニーカーからそのブーツに履き替えたりしています。
廊下で履き替えた後、あまりの痛さにうめいたのをチャンドラーに聞かれて、
チャンドラー: (opening the door) What's wrong? (どうしたの?)
モニカ: Oh, nothing I'm just-just was yawning. (Mimics the groan from before and stretches.) (あぁ、何でもない。ただ、あくびしただけよ。[少し前のうめき声を真似して、背伸びをする])
チャンドラー: Oh, don't forget, my office holiday party is tonight. (They go into the apartment.) (あぁ、忘れないで。俺の会社のホリデーパーティーは今夜だよ。[二人はアパートメントに入る])
モニカ: Honey, we don't really have to go to this thing tonight, do we? (ハニー、私たち、絶対に今夜のそれに行かないといけないってこと、ないわよね?)
チャンドラー: Now sweetie, I know that you don't like my office parties, but you can wear your new boots. See? Every cloud has a... supple leather lining. (ねぇ、スイーティー、君が俺の会社のパーティーが好きじゃないのはわかってる。でも、新しいブーツが履けるよ。だろ? どんな雲にも…しなやかな革の裏地が付いてるんだ。)
モニカ: I-I don't-I don't think that I'm gonna wear the boots tonight. (私は今夜はそのブーツを履こうとは思わないんだけど。)
チャンドラー: Why not? (どうして履かないの?)
モニカ: Well y'know, I'm just-I'm just worried that bosses will see them and think they pay you too much money. Or! Or your assistant will see them and-and want a raise! (ほら、私はただ心配してるのよ。上司たちがそのブーツを見て、あなたに給料を払い過ぎてるって思うんじゃないか、って。それか、あなたのアシスタントがブーツを見て、昇給を要求するんじゃないか、って。)
チャンドラー: Do you think I work at some kind of boot-pricing company? (俺がブーツの値付けをする会社とかに勤めてると、君は思ってる?)
廊下でブーツに履き替えて立ちあがった時に、Ahhhh! という声を出してしまったので、チャンドラーはどうしたんだ?と言って、ドアから顔を出しています。
yawn は「あくびをする」ですね。発音は「ヨーン」みたいな感じですが、単語自体の発音も、あくびの音を連想させるような音なのが面白いですね。
ト書きの通り、うめき声を真似した後、いかにもあくびである感じを出すように、stretch 「背伸びをする」ことになります。
チャンドラーは「今夜、会社のホリデー(シーズン)パーティーがあるよ」と言っています。
前回のエピソードが感謝祭の話だったように、今は、感謝祭からクリスマスにかけてのホリデーシーズンなのですね。
モニカは、「今夜、私たちは、このこと(会社のパーティー)に本当に・絶対に行かなければいけないということはない、わよね?」みたいに言っています。
「別に、どうしても行かないといけないってわけじゃないわよね?」みたいなニュアンスですね。
チャンドラーは、「君が俺の会社のパーティーが好きじゃないのは知ってるけど、君の新しいそのブーツが履けるよ」と言って、パーティーでそのブーツが披露できるんだから、それは君にとって嬉しいんじゃないの?みたいな話に持って行こうとしています。
その次の Every cloud has a... supple leather lining. について。
これは、Every cloud has a silver lining. という諺(ことわざ)をもじったものですね。
lining は「(衣服の)裏地」という意味で、Every cloud has a silver lining. は、「どんな雲も、銀の裏がある。どんな雲にも、銀の裏地がついている」ということで、
英辞郎では、「どんな悪いものにも良い面はある」
研究社 新英和中辞典では、「憂いの反面には喜びがある」
と訳されていました。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
every cloud has a silver lining : used to say that there is something good even in a situation that seems very sad or difficult
つまり、「非常に悲しい、または難しいと思われる状況であっても、何か良いことがある、と言う場合に用いられる」。
この諺の silver lining については、過去記事、フレンズ2-1その1 の以下のセリフにも登場していました。
チャンドラー: But the silver lining, if you wanna see it is that he made this decision all by himself without any outside help whatsoever. (でも、もし希望の光を見出したいのなら、それは、彼が他の誰の助けも全く借りずに、自分ひとりでジュリーと付き合う決心をした、ということだな。)
フレンズ2-1 では、silver lining を「希望の光、希望の兆し」という意味で使っていたことになります。「難しい状況においての、何か良いこと」ということですね。
そして今回のセリフでは、lining 「裏地」という言葉を使って、ブーツにかけたわけですね。
ブーツは革製品の靴だから、裏に裏地がついている、その裏地のことを、supple leather lining 「しなやかな革の裏地」と表現して、lining を使う有名な諺とかけてみた、ということになります。
モニカにとって、チャンドラーの会社のパーティーに行くのは「いやなこと」だけど、いやなことにも、良い面があるよ、と言う意味で、モニカがお気に入りのそのブーツのイメージで、「しなやかな革の裏地」という素敵な面もある、そのパーティーに行けば、その自慢のブーツをみんなにご披露できちゃうよ、と言ってみせたわけです。
supple という単語は、一瞬、supply に見えてしまいそうな(笑)、あまり見かけない単語ですが、上で説明したように、「しなやかな、柔軟な」という意味。
LAAD では、
supple : leather, skin, wood etc. that is supple is soft and bends easily
つまり、「supple な革、皮、木などは、柔らかくて、簡単に曲がるもの」。
語義にあるように、leather, skin のしなやかさを連想させる単語で、だからこそ、supple leather lining と言う言葉から、「銀の裏地」を「ブーツの裏地」に言い換えたな、ということがわかるわけです。
モニカの方は、足があまりにも痛くて、とてもじゃないけれど、人が大勢いるパーティーで履けそうにないとわかるので、「今夜はそのブーツを履こうとは思わない」と言うのですが、「モニカはそのブーツを大変気に入っている」と思っているチャンドラーは当然のごとく、「どうして履かないの?」と尋ねてきます。
そこでモニカは、理由を述べているのですが、その無理矢理な理由づけがなかなか面白いですね。
モニカのセリフを直訳すると、まず1文目は、「私はただ心配してるのよ。(あなたの)ボス(上司)たちがそれ(私の履いているブーツ)を見て、ボスたちがあなたに多すぎるお金を支払っていると思うだろう、って」。
2文目は、「それとも! あなたのアシスタントが私のブーツを見て、昇給を要求するだろう、って。」
つまり、モニカは、このブーツが高価なことがわかってしまうと、「ほぉ、チャンドラーは、奥さんにこんな高価なブーツを買ってやれる余裕があるんだ」と思われてしまい、上司の場合は「チャンドラーに給料を払い過ぎだな」と思うし、部下の場合は「あなたがそんなにお給料をもらってるなら、私だってもっと給料を上げて欲しい」と思うわよ、と言っているわけですね。
モニカ的には、「高価なブーツを会社の人に見せびらかすと、あなたの立場が危うくなるわよ」という展開に話を持って行きたかったわけですが、その後のチャンドラーのセリフも、チャンドラーらしくていいですね。
Do you think I work at some kind of boot-pricing company? は、「ブーツの価格を付ける(ある種の、そういう)会社に俺が勤めてると、モニカは思ってる?」ということですね。
price は名詞では「価格」で、動詞では、「値をつける、値段をつける、値踏みする、値段の比較をする」という意味で使われます。
「君が高価なブーツを履いていたら、会社の誰も彼もが、”ものすごく高価なブーツ”だとわかるみたいに君は言うけど、別に俺は「ブーツの価格を決める会社(または、ブーツの価格を比較する会社)」に勤めてるわけじゃないから、みんながみんな、ブーツの価値、ブーツの値段に詳しいわけじゃないよ、と言いたいのですね。
「誰もがそのブーツが高いとわかるわけじゃない」と言えばいいところを、「靴の値付け専門会社に俺が勤めてると思ってる?」みたいに言ってみせたところが、チャンドラーらしい言い回しで楽しいなと思いました。
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2014年03月31日
2014年03月28日
お願いを先回りして断る フレンズ8-10その1
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シーズン8 第10話
The One With Monica's Boots (モニカのブーツ)
原題は「モニカのブーツの話」
セントラルパークに入ってきたジョーイは、レイチェルに話しかけています。
ジョーイ: Umm, can you do me a favor? I was talkin' to my sister and she knows you work at Ralph Lauren-- (あのー、お願いがあるんだけど? 俺の妹と話してて、その妹が、レイチェルがラルフ・ローレンで働いてることを知ってて…)
レイチェル: No, forget it! No way! I am not sending anymore Ralph Lauren clothes to prison. It is a waste. (だめよ、その件は忘れて! 絶対にだめ! 私はもう二度と、ラルフ・ローレンの服を刑務所には送らないわ。無駄だもの。)
ジョーイ: No-no-no-no-no-no, not her, not her. My youngest sister, Dina, she's really interested in fashion, and she wants to talk to someone successful, y'know, to give her some advice. (違う違う違う、その妹じゃない、その妹じゃない。俺の一番下の妹、ディーナだよ。あの子はすっごくファッションに興味があって、成功した人と話したがってるんだ。ほら、アドバイスをもらうためにね。)
レイチェル: I guess I can talk to one of my supervisors.... (私の上司の一人と話をしてみることは可能だとは思うけど…)
ジョーイ: Oh no-no-no-no, she wants to talk to you! (あぁ、違う違う。妹は君と話したいんだよ!)
レイチェル: Really?! Oh, my God! I'm successful! (ほんとに? なんてこと! 私って成功してる!)
ジョーイ: Okay, so will you meet with her? (よし、じゃあ、彼女と会ってくれる?)
レイチェル: Yes! I'd love to! Have her come by the office. (ええ! 喜んで! 彼女をオフィスに来させて。)
ジョーイ: Great! Thanks! You're gonna love her so much. And-Oh, she's the smartest of all the Tribbiani children. Hey, y'know the SATs? (最高だよ! ありがと! レイチェルは妹をすごく気に入るよ。それに、あぁ、妹は、トリビアーニ家の子供の中で一番賢いんだ。ほら、SAT って(試験)知ってるだろ?)
レイチェル: Yeah. (ええ。)
ジョーイ: She took ‘em! (妹はそれを受けたんだ。)
ジョーイはレイチェルに、お願いがあるんだけど、と言って話しかけています。
ジョーイが「妹と話してて、妹は君がラルフ・ローレンに勤めてることを知ってて…」とまで言いかけたところで、レイチェルは最後まで聞くこともせず、No, forget it! No way! と、ジョーイが頼もうとしたお願いを、即座に却下しています。
その話の流れで、ジョーイが何をお願いするかがレイチェルには見当がついた、だから先回りして、頼まれる前に断った、みたいな感じですね。
だいたい、そういう有名ブランドに勤務しているというと、discount (社員割引)を使わせてもらいたい系の話になりそうなので、レイチェルはそれを見越して断ったのかな、と思ったら、その後のレイチェルのセリフで、それとは全く違う話であることがわかります。
レイチェルは、「私はもう二度と、刑務所にラルフ・ローレンの服を送らない」と言っていて、それを聞いたジョーイは、「違う違う、その彼女じゃない。一番下の妹ディーナだよ」と答えていますね。
ジョーイには姉妹が7人いるのですが、今、俺が話題に出したその妹は、レイチェルが想像したその妹(her)じゃないんだ、と説明したことになります。
つまり、その二人のやりとりから、「何人かいるジョーイの姉妹のうちの誰かのために、レイチェルは以前、刑務所にラルフ・ローレンの服を送ったことがある」ということになりますね。
すなわち、ジョーイの姉妹の誰かが、刑務所に服役中で、その子のために服を送ってあげたことがあるけど、刑務所で着れるわけもないから(そして多分、服役中の人に着てもらっても嬉しくないから)、そんな無駄なことはもうしない、とレイチェルは言ったわけです。
ジョーイの妹たちは、気の強そうな人が多いので(笑)、妹が刑務所にいる、という話もありえそう、、と思えるところがポイントなのでしょう。
過去記事、姉か妹かがわかる場合 フレンズ3-11その19 では、パーティーの飲み物コーナーで、ジョーイの妹クッキーが、隣にいたフィービーと交わしていた会話で、
クッキー: No kiddin'. That's the exact same drink I made myself right after I shot my husband. (冗談でしょ。それって、私が自分の夫を射殺した[銃で撃った]直後に自分で作った飲み物と全く同じよ。)
というセリフも出てきていました。
「夫を銃で撃った」という言葉自体は、初対面のフィービーをビビらせる(笑)キツい冗談だったかもしれないのですが、もしかしてそれほんとかも、と思わせるような勢いの人だったので、そういうイメージから考えても、服役中の妹、というのはありえるかも、と思えるわけですね。
ジョーイは、「俺が言ってるのは、一番下の妹ディーナのことなんだ」と言って、その妹はファッションに興味があって、自分にアドバイスをくれるように、(ファッション業界で)成功した人と話したがってる、と言っています。
someone successful 「成功している人」と聞いて、レイチェルは、自分の上司を連想したようで、「私の上司の一人にその件で話をしてみることはできそうだけど…」みたいに言うのですが、ジョーイはそれを否定して、「妹は、レイチェルの上司じゃなくて、レイチェル、君と話したがってるんだよ」と説明します。
それを聞いたレイチェルが、とても嬉しそうな顔で、I'm successful! 「私は成功してる! 私って成功者!」みたいに言っているのが楽しいですね。
アドバイスをもらうために話を聞きたいという someone successful が自分のことだとわかって、大喜びしているわけです。
良い感触をつかんだジョーイは、じゃあ、妹と会ってくれる?と言っています。
セリフでは、meet with (someone) の形が使われていますね。
meet は他動詞の形で使われることが多く、その場合には、meet someone で「人に会う」という意味になりますね。
また、今回のような、meet with という形も存在するようで、
研究社 新英和中辞典では、
meet with
《米》 (約束して)〈人〉に会う、…と会見する、…と会談する
例) meet with union leaders 組合幹部と話し合う。
と説明されています。
ただ、meet するというよりも、もう少し、ものものしい感じ、あらかじめ予定を立てて時間を決めて会う、みたいな感じがする、という感覚でしょうか。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
meet with somebody/something [phrasal verb] : to have a meeting with someone
例) Dodd will fly to Washington, D.C. to meet with the Secretary of State.
つまり、「ある人と会合を持つ」。例文は、「ドッドは、国務長官と会見するために、飛行機でワシントンDCへ行く」。
この例文からもわかるように、「ただ会う」というよりも、「双方の予定を合わせて、正式に約束をした上で会う」という感覚があるのでしょうね。
meet with を使ったジョーイの方も、「いつかそのうちに」というのではなく、「じゃあ、具体的に日時を決めて会ってやってもらってもいいかな」と会うことを正式にお願いしているニュアンスなのでしょう。
喜んで!と言ったレイチェルは、Have her come by the office. と言っています。
この have は使役動詞ですね。
come by は「やって来る、立ち寄る」という感覚ですから、直訳すると、「彼女を私の(ラルフ・ローレンの)オフィスに来させて」と言っていることになります。
日本語でも、「〜を私の部屋に来させて、よこして」みたいに言うことがありますので、使役の感覚は同じですね。
大感謝のジョーイは、「レイチェルは妹ディーナのことをすっごく好きになるよ、気に入るよ」と、妹思いのジョーイらしいことを言っています。
she's the smartest of all the Tribbiani children. は「トリビアーニ家の全ての子供の中で、いちばん賢い」。
その後、「レイチェルは、SATs を知ってるだろ?」と言っています。
SAT というのは、Scholastic Assessment Test の略で、アメリカの大学に進学する際に受験する全国統一試験、大学進学適性試験のこと。
SAT については、まさにそのまんまのタイトルの過去記事、アメリカの統一テストSAT フレンズ7-8その3 で説明しています。
その過去記事では、ロスが SAT で 1450点取った、と自慢して、妹のモニカに 1250点でしょ、と訂正されたりしていました。
その記事でウィキペディアの説明を引用させていただいた通り、SAT は「大学に進学する際に受験させる共通テスト」なので、今回のジョーイのように、「妹は賢いんだよ。ほら、SAT って試験あるだろ?」という話になれば、ロスのように、SAT で○○点取ったんだよ、みたいな自慢話になるのかな、と思いますよね。
ですがジョーイが、「妹はその試験を受けた」とだけ言ったので、さすがのレイチェルも「は?」みたいな顔をしています。
成績の良し悪しにはあまり興味がないであろう、そしておそらく、ロスがするような点数の自慢話もあまり好きではないであろうと思われるレイチェルですが、「俺の妹は賢いんだよ。だってほら、SATs を”受けた”んだぜ」と言ったことについては、「そのテストを受けたくらい賢いんだ、みたいに言われても、、大学に進学する人はみんな受けるテストなんだし、、、」という気持ちだったわけでしょう。
逆に、大学に進学していないジョーイは、そのテストのことを全然知らなくて、妹がそういうテストを受けたと知って、「へぇ〜、ディーナは賢いんだなぁ〜。我が家で唯一、そんな”すごい”テストを受けた自慢の子だ!」みたいに思ったことが想像できるわけですね。
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The One With Monica's Boots (モニカのブーツ)
原題は「モニカのブーツの話」
セントラルパークに入ってきたジョーイは、レイチェルに話しかけています。
ジョーイ: Umm, can you do me a favor? I was talkin' to my sister and she knows you work at Ralph Lauren-- (あのー、お願いがあるんだけど? 俺の妹と話してて、その妹が、レイチェルがラルフ・ローレンで働いてることを知ってて…)
レイチェル: No, forget it! No way! I am not sending anymore Ralph Lauren clothes to prison. It is a waste. (だめよ、その件は忘れて! 絶対にだめ! 私はもう二度と、ラルフ・ローレンの服を刑務所には送らないわ。無駄だもの。)
ジョーイ: No-no-no-no-no-no, not her, not her. My youngest sister, Dina, she's really interested in fashion, and she wants to talk to someone successful, y'know, to give her some advice. (違う違う違う、その妹じゃない、その妹じゃない。俺の一番下の妹、ディーナだよ。あの子はすっごくファッションに興味があって、成功した人と話したがってるんだ。ほら、アドバイスをもらうためにね。)
レイチェル: I guess I can talk to one of my supervisors.... (私の上司の一人と話をしてみることは可能だとは思うけど…)
ジョーイ: Oh no-no-no-no, she wants to talk to you! (あぁ、違う違う。妹は君と話したいんだよ!)
レイチェル: Really?! Oh, my God! I'm successful! (ほんとに? なんてこと! 私って成功してる!)
ジョーイ: Okay, so will you meet with her? (よし、じゃあ、彼女と会ってくれる?)
レイチェル: Yes! I'd love to! Have her come by the office. (ええ! 喜んで! 彼女をオフィスに来させて。)
ジョーイ: Great! Thanks! You're gonna love her so much. And-Oh, she's the smartest of all the Tribbiani children. Hey, y'know the SATs? (最高だよ! ありがと! レイチェルは妹をすごく気に入るよ。それに、あぁ、妹は、トリビアーニ家の子供の中で一番賢いんだ。ほら、SAT って(試験)知ってるだろ?)
レイチェル: Yeah. (ええ。)
ジョーイ: She took ‘em! (妹はそれを受けたんだ。)
ジョーイはレイチェルに、お願いがあるんだけど、と言って話しかけています。
ジョーイが「妹と話してて、妹は君がラルフ・ローレンに勤めてることを知ってて…」とまで言いかけたところで、レイチェルは最後まで聞くこともせず、No, forget it! No way! と、ジョーイが頼もうとしたお願いを、即座に却下しています。
その話の流れで、ジョーイが何をお願いするかがレイチェルには見当がついた、だから先回りして、頼まれる前に断った、みたいな感じですね。
だいたい、そういう有名ブランドに勤務しているというと、discount (社員割引)を使わせてもらいたい系の話になりそうなので、レイチェルはそれを見越して断ったのかな、と思ったら、その後のレイチェルのセリフで、それとは全く違う話であることがわかります。
レイチェルは、「私はもう二度と、刑務所にラルフ・ローレンの服を送らない」と言っていて、それを聞いたジョーイは、「違う違う、その彼女じゃない。一番下の妹ディーナだよ」と答えていますね。
ジョーイには姉妹が7人いるのですが、今、俺が話題に出したその妹は、レイチェルが想像したその妹(her)じゃないんだ、と説明したことになります。
つまり、その二人のやりとりから、「何人かいるジョーイの姉妹のうちの誰かのために、レイチェルは以前、刑務所にラルフ・ローレンの服を送ったことがある」ということになりますね。
すなわち、ジョーイの姉妹の誰かが、刑務所に服役中で、その子のために服を送ってあげたことがあるけど、刑務所で着れるわけもないから(そして多分、服役中の人に着てもらっても嬉しくないから)、そんな無駄なことはもうしない、とレイチェルは言ったわけです。
ジョーイの妹たちは、気の強そうな人が多いので(笑)、妹が刑務所にいる、という話もありえそう、、と思えるところがポイントなのでしょう。
過去記事、姉か妹かがわかる場合 フレンズ3-11その19 では、パーティーの飲み物コーナーで、ジョーイの妹クッキーが、隣にいたフィービーと交わしていた会話で、
クッキー: No kiddin'. That's the exact same drink I made myself right after I shot my husband. (冗談でしょ。それって、私が自分の夫を射殺した[銃で撃った]直後に自分で作った飲み物と全く同じよ。)
というセリフも出てきていました。
「夫を銃で撃った」という言葉自体は、初対面のフィービーをビビらせる(笑)キツい冗談だったかもしれないのですが、もしかしてそれほんとかも、と思わせるような勢いの人だったので、そういうイメージから考えても、服役中の妹、というのはありえるかも、と思えるわけですね。
ジョーイは、「俺が言ってるのは、一番下の妹ディーナのことなんだ」と言って、その妹はファッションに興味があって、自分にアドバイスをくれるように、(ファッション業界で)成功した人と話したがってる、と言っています。
someone successful 「成功している人」と聞いて、レイチェルは、自分の上司を連想したようで、「私の上司の一人にその件で話をしてみることはできそうだけど…」みたいに言うのですが、ジョーイはそれを否定して、「妹は、レイチェルの上司じゃなくて、レイチェル、君と話したがってるんだよ」と説明します。
それを聞いたレイチェルが、とても嬉しそうな顔で、I'm successful! 「私は成功してる! 私って成功者!」みたいに言っているのが楽しいですね。
アドバイスをもらうために話を聞きたいという someone successful が自分のことだとわかって、大喜びしているわけです。
良い感触をつかんだジョーイは、じゃあ、妹と会ってくれる?と言っています。
セリフでは、meet with (someone) の形が使われていますね。
meet は他動詞の形で使われることが多く、その場合には、meet someone で「人に会う」という意味になりますね。
また、今回のような、meet with という形も存在するようで、
研究社 新英和中辞典では、
meet with
《米》 (約束して)〈人〉に会う、…と会見する、…と会談する
例) meet with union leaders 組合幹部と話し合う。
と説明されています。
ただ、meet するというよりも、もう少し、ものものしい感じ、あらかじめ予定を立てて時間を決めて会う、みたいな感じがする、という感覚でしょうか。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
meet with somebody/something [phrasal verb] : to have a meeting with someone
例) Dodd will fly to Washington, D.C. to meet with the Secretary of State.
つまり、「ある人と会合を持つ」。例文は、「ドッドは、国務長官と会見するために、飛行機でワシントンDCへ行く」。
この例文からもわかるように、「ただ会う」というよりも、「双方の予定を合わせて、正式に約束をした上で会う」という感覚があるのでしょうね。
meet with を使ったジョーイの方も、「いつかそのうちに」というのではなく、「じゃあ、具体的に日時を決めて会ってやってもらってもいいかな」と会うことを正式にお願いしているニュアンスなのでしょう。
喜んで!と言ったレイチェルは、Have her come by the office. と言っています。
この have は使役動詞ですね。
come by は「やって来る、立ち寄る」という感覚ですから、直訳すると、「彼女を私の(ラルフ・ローレンの)オフィスに来させて」と言っていることになります。
日本語でも、「〜を私の部屋に来させて、よこして」みたいに言うことがありますので、使役の感覚は同じですね。
大感謝のジョーイは、「レイチェルは妹ディーナのことをすっごく好きになるよ、気に入るよ」と、妹思いのジョーイらしいことを言っています。
she's the smartest of all the Tribbiani children. は「トリビアーニ家の全ての子供の中で、いちばん賢い」。
その後、「レイチェルは、SATs を知ってるだろ?」と言っています。
SAT というのは、Scholastic Assessment Test の略で、アメリカの大学に進学する際に受験する全国統一試験、大学進学適性試験のこと。
SAT については、まさにそのまんまのタイトルの過去記事、アメリカの統一テストSAT フレンズ7-8その3 で説明しています。
その過去記事では、ロスが SAT で 1450点取った、と自慢して、妹のモニカに 1250点でしょ、と訂正されたりしていました。
その記事でウィキペディアの説明を引用させていただいた通り、SAT は「大学に進学する際に受験させる共通テスト」なので、今回のジョーイのように、「妹は賢いんだよ。ほら、SAT って試験あるだろ?」という話になれば、ロスのように、SAT で○○点取ったんだよ、みたいな自慢話になるのかな、と思いますよね。
ですがジョーイが、「妹はその試験を受けた」とだけ言ったので、さすがのレイチェルも「は?」みたいな顔をしています。
成績の良し悪しにはあまり興味がないであろう、そしておそらく、ロスがするような点数の自慢話もあまり好きではないであろうと思われるレイチェルですが、「俺の妹は賢いんだよ。だってほら、SATs を”受けた”んだぜ」と言ったことについては、「そのテストを受けたくらい賢いんだ、みたいに言われても、、大学に進学する人はみんな受けるテストなんだし、、、」という気持ちだったわけでしょう。
逆に、大学に進学していないジョーイは、そのテストのことを全然知らなくて、妹がそういうテストを受けたと知って、「へぇ〜、ディーナは賢いんだなぁ〜。我が家で唯一、そんな”すごい”テストを受けた自慢の子だ!」みたいに思ったことが想像できるわけですね。
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2014年03月26日
油絵で肖像画を描く時代の人 フレンズ8-9その6
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高校時代、レイチェルを憎んでいたウィルとロスが "I Hate Rachel" club (レイチェル大嫌いクラブ)というクラブを作っていたこと、そして二人で、「レイチェルは両性具有だ」(had both male and female reproductive parts)という噂まで流していたと知って、レイチェルは大激怒。
レイチェルは、「私は高校時代、ロスを傷つけるようなことは何もしなかったのに」と言うのですが、、、
モニカ: Well, you-you did start that rumor about Ross making out with Mrs. Altmann, our 50-year-old librarian. (えーっと、あなたはあの噂を広めた(始めた)でしょ、ロスが、ミセス・アルトマン、50歳の図書館司書とエッチしてるって噂を。)
ロス: (shocked) (To Rachel) How did you know that?!!!! ([ショックを受けて][レイチェルに] どうやってそれを知ったんだよ?[何でそれを知ってるの?])
モニカ: It's true?!! (それって本当なの?)
ロス: No. (いいや。)
レイチェル: Yes it is! I saw you guys going at it behind the card catalog! (本当よ! あなたたちがカード目録の後ろでやってるのを私は見たわ!)
(Ross is at a loss for words.)
ロスは言葉に詰まる。
ウィル: Mrs. Altmann? She also made out with Ta-Taka-Ki-Kek the night before he went back to Thailand. (ミセス・アルトマン? 彼女は、タ・タカ・キ・ケックともエッチしてたぞ、彼がタイに帰る前の夜に。)
チャンドラー: I'm sorry. When you were in high school you made out with a 50-year-old woman? (ちょっと待って。ロスは高校の時、50歳の女性とエッチしたのか?)
ロス: Hey! She didn't look 50! (おい! 彼女は50歳には見えなかったんだ!)
チャンドラー: Did she look 16? ((じゃあ)彼女は16歳に見えた?)
レイチェル: Ohh, there's a picture of her in the yearbook actually. (あぁ、彼女の写真が(実際に)卒業アルバムにあるわよ。)
フィービー: Oh! (They all look.) Wow! (まぁ! [全員が見る] ワオ!)
ロス: She didn't photograph well! (彼女は写真写りがよくなかったんだ。)
チャンドラー: Well, she probably wasn't familiar with the process, having spent most of her life sitting for oil paintings! (そうだな、彼女は多分、その(写真撮影の)プロセスに慣れてなかったんだよ。彼女の人生の大半を、油絵のために座る時間に費やしてきたから。)
フィービー: So how did this happen? Did she, did she lure you to an early-bird dinner? (それで、このこと(司書とロスとの関係)はどんな風に起こったの? 彼女はあなたをアーリー・バード・ディナーに誘ったの?)
you did start の did は、you started that rumor... を強調する表現ですね。
start that rumor は「噂を始める」ということですから、主語がその噂を始めた、広めた、噂の出どころはその主語だった、というニュアンス。
傷つけるようなことは何もしなかった、とかレイチェルは言ってるけど、あなたはロスに関するそういう噂を実際に・確かに広めたわ、と言っていることになります。
make out はフレンズによく出てくる表現で、「いちゃつく」というニュアンスですが、ここでは、ただ、いちゃついている、というよりも、もっとはっきり「エッチする」というニュアンスで使っていることになるでしょう。
つまり、モニカの発言によると、レイチェルは高校時代、「ロスが50歳の図書館司書である、ミセス・アルトマンとエッチしていたという噂を広めた」ということになります。
モニカの言い方だと、did start that rumor ということなので、「嫌がらせで、根も葉もない噂を広めた」という感じにも聞こえるのですが、それを聞いたロスが大きな声で、How did you know that?! と言っているのが面白いです。
How did you know that?! を直訳すると、「どのようにして、君はそのことを知ったのか?」ということで、日本語で言うところの「どうしてそれを知ってるの?」というニュアンスになります。
相手がそのことを知ってたなんてびっくりだ、という状況でよく使いますね。
「あの噂を広めたのは君だったのか?」(Did you start that rumor? または、Were you the one who started that rumor? になるでしょうか)と言ったなら、別に問題なかったのですが、「どうしてそれを知ってるの?」みたいに言ってしまったので、その噂が事実であることを自ら告白したかのような形になってしまったわけです。
モニカが「それってほんとなの?」と聞き返すと、ロスは「いいや」ととりあえず否定してみるのですが、How did you know that?! というロスの叫びを聞いた後では、みんなもその噂は本当だったんだ、、と思わざるを得ませんね。
さらにレイチェルに、「私はあなたたち二人(ロスとミセス・アルトマン)が…しているところを見た」と目撃証言をしたために、ロスはト書きのように、言葉に詰まり、噂を認めることになります。
I saw you guys going at it behind the card catalog! について。
go at someone だと、「(人)に襲いかかる、攻撃する」という意味として使われますが、go at it だと、「(仕事など)に(懸命に)取りかかる、せっせと頑張る、取り組む」というニュアンスにもなるようです。
at は「点」を表す前置詞なので、「人を点として、それに向かう」ということだと「攻撃する」という意味になるだろうし、「物事を点として、それに向かう」ということなら、「そのことに取りかかる、せっせと取り組む」というニュアンスになるわけでしょうね。
オンライン俗語辞典である、Urban Dictionary では、以下のように説明されています。
Urban Dictionary : go at it
go at it : what happens when things start to heat up between two people. these things may range from simple kissing to anything else your heart desires.
例) Steve and Charlotte started to go at it after their eyes met.
つまり、「二人の人間の間で、何かがヒートアップし始めた時に起こること。これは、シンプルにキスすることから、心がしたいと望む他のことまでに及ぶ」。例文は、「スティーブとシャーロットは、お互いの目が合った後、(気持ちが高まって)いちゃつき始めた(?)」。
はっきりと「エッチする」とまでは言わないけれど、それに近いようなことをしている、というような感覚なのでしょうね。
make out も、キスしたりタッチしたりするところから、エッチするところまで、そういうエッチに伴う行為全体をカバーしているようなニュアンスの言葉なので、go at it もそれと似た感覚なのだろうなと思います。
behind the card catalog は「カード目録の後ろで」ということで、いかにも図書館的な場所を挙げたところが、それっぽくて納得できちゃう感じです。
ロスがミセス・アルトマンとそういうことをしていた、と聞いて、ウィルは、「彼女は、タ・タカ・キ・ケックともエッチしてたぞ、彼がタイに帰る前の夜に」と口を挟みます。
タイに帰る前の夜に、と言っていることから、その長い名前の彼がタイからの留学生であったことが想像できるわけですが、実はこの留学生のことは、これより前のシーンで言及されていました。
ウィルとロスが「レイチェル大嫌いクラブ」に入っていたと知った後、
レイチェル: So who else was in this club? (それで、他には誰がこのクラブに入ってたの?)
ロス: Uh actually, there-there was also that exchange student from Thailand. But I-I don't think he-he knew what it was. (あぁ、実際には、タイからの交換留学生もいたんだ。でも彼はそのクラブが何であるかを知らなかったと思うよ。)
ウィルとロス以外にもう一人、タイからの留学生がメンバーだったけど、彼はクラブの意図や意味はわかってなかったと思う、みたいに言ったことになります。
留学生で、あまり英語も達者ではなかっただろうことを利用して、うまく丸め込んでまんまとメンバーに入れちゃった、みたいなことでしょう。
その時は、そのタイ人の彼の名前は出てこなかったのですが、しばらく後の今のシーンで、英語では発音しにくい長い名前を出してから、「彼がタイに帰る前の晩に」と付け加えることで、それがその「3人目のメンバーであったタイからの交換留学生」だとわかる仕組みですね。
その話をずっと聞いていたチャンドラーは、確認するように、「ロスは高校の時、50歳の女性とエッチしたのか?」と尋ねています。
みんなが50歳、50歳と、やたらとその年齢を強調したがるので、ロスは「彼女は50歳には見えなかった!」と力説するのですが、チャンドラーに、「じゃあ、彼女は16歳に見えたのか?」とツッコまれてしまうことになります。
「高校生が50歳の女性と関係を持った」という点に、フレンズたちは大いに反応していることが、このセリフからもよくわかりますね。
その後も、コメディーの定石(じょうせき)どおり、「年齢ネタ」が延々と続くことになります。
私ももう、40代半ばの人間ですので、「50歳の女性が年齢でイジられるネタ」には何とも複雑な気持ちを持ってしまうわけですが(笑)、アメリカでも日本でも「年齢でイジるネタ」というのは存在すること、年齢ネタをジョークにする場合には、「年齢が高いこと、低いことを極端に強調する」傾向にあることも意識しておくと良いでしょう。
例えば、相手の年齢が若い時には、まるで「子供、お子ちゃま、がきんちょ」であるかのように表現し、年齢が上の場合には「高齢者のおじいちゃん、おばあちゃん」であるかのように言ってみせる、ということですね。
フレンズ1-22 では、26歳のモニカが高校生のイーサンと付き合っていた時、フレンズたちはモニカに、「今度イーサンに、パワーレンジャー(戦隊モノ)で誰が一番強いか聞いといてよ」みたいに言って、まるでイーサンがちっちゃい子供であるかのようにからかっていました。
今回はその逆で、「相手がずっと年上」なので、相手が「すっごくおばあさん」であるかのような話に持っていくのが、コメディーの定番ジョークになる、ということです。
ミセス・アルトマンが何歳に見えるか、みたいな話になったので、ちょうど卒業アルバムを持ってきていたレイチェルは、ここに彼女の写真があるわ、と言って、それをみんなに見せます。
フィービーの反応が、「期待してたよりも悪い」と言いたそうな声だったので、ロスは必死に、She didn't photograph well! と言っていますね。
まさに日本語の「彼女は写真写りが良くない、悪い」というニュアンスになります。
photograph は名詞で「写真」、他動詞で「〜の写真を撮る、撮影する」という意味もあるのですが、自動詞として使うと、「写真写りのよしあし」を表現することもできるのですね。
研究社 新英和中辞典では、
photograph (自動詞)
[well, badly などの様態の副詞を伴って] 写真のうつりが(…)である
She photographs well [badly]. 彼女は写真うつりがいい[悪い]。
と出ています。
シンプルに「写真写りが悪い」と言う場合には、badly を使うことになるのですが、それだとあまりにもダイレクトすぎるので、ロスは「彼女は写真写りがよくなかった」と not photograph well の形を使ったわけです。
photographs well/badly というシンプルなフレーズで、「写真写りがいい・悪い」を表現することができるのは、何だかとても新鮮な気がしました。
「(主語は)写真が良く撮れている/悪く撮れている」と言えばいい、ということですね。
「写真写りがよくないだけだ。実物はもっといいんだよ」みたいにロスは言いたかったわけですが、その後のチャンドラーのセリフが、いかにもチャンドラーっぽくて面白いですね。
直訳すると、「多分、彼女はそのプロセス(写真撮影のプロセス)に慣れてなかったんだ。人生の大部分を、油絵のために座ることに費やしてきたから」みたいに言っていることになります。
「油絵のために座る」というのは、油絵で肖像画を書いてもらうために、画家の前で、動かないでずっと座っている、みたいなイメージですね。
人生の大半をそう過ごしてきた、というのは、彼女が生きてきた時代のほとんどは、写真がまだ発明されていない、もしくは写真が一般的なものではなくて、写真の代わりに油絵で肖像画を書いてもらっていた時代だった、と言っていることになります。
つまりチャンドラーは、「彼女は、油絵で肖像画を書いてもらう時代を長らく生きてきた人だから、カメラで写真を撮影する、っていうプロセスに慣れてない、だから不自然な写真になったんだよね」と言っていることになるのですね。
相手が自分よりもずっと年を取っていることを表現するのに、「写真のない、肖像画時代の人だもんね」みたいに言ってみせたわけです。
一体、いつの時代の話だよ!?とツッコミを入れるような「極端な例え」のジョークになるわけですね。
今度はフィービーが、「このこと(ロスとその司書との関係)はどんな風に起こったの?」と尋ねています。
そして、「彼女はあなたを、アーリー・バード・ディナーに誘ったの?」と言っていますね。
lure は名詞だと、釣りに使う「疑似餌、ルアー」という意味もありますね。基本的な意味は「誘惑するもの」ということで、動詞として、lure someone to の形で使うと、「人を〜に誘い込む、誘惑する」という意味になります。
彼女がロスを誘い出したという、early-bird dinner について。
early bird は文字通り、「早起きの鳥」ということから、「早起きの人」を指します。
The early bird catches the worm. は「早起きの鳥は虫を捕らえる」という諺(ことわざ)で、日本語で言うところの「早起きは三文の得」ですね。
反対に、「夜更かしする人、宵っぱり」のことを、英語では、night owl 「夜のフクロウ」と言います。
early-bird dinner は「早起きの人の夕食」ということですから、「朝早いから、夕食の時間帯も早い」ことが連想されますね。
その連想の通り、early-bird dinner は「通常の時間よりも早い時間帯のディナー」を指します。
Wikipedia 英語版: Early bird dinner では、以下のように説明されています。
Early bird dinner is a dinner served earlier than traditional dinner hours; particularly at a restaurant.
つまり、「アーリー・バード・ディナーは伝統的なディナーの時間よりも早い時間に給仕されるディナーのこと、特にレストランで」。
ウィキペディアの説明によると、価格の安いメニューを提供したり、「アーリー・バード・スペシャルズ」という特別メニューが用意されたりもするようです。
また、以下のような記述もありました。
Early bird dinners are often stereotypically associated with the elderly and.... (以下略)
つまり、「アーリー・バード・ディナーは、ステレオタイプ的に、高齢者・お年寄りにしばしば関連づけられる」。
日本人の感覚でも、「高齢者は早起き」というイメージは確かにありますよね。
コメディーの場合、「一つ、ツッコミどころを見つけると、みんなが順番にそのことでからかう」、、というパターンがよくあります。(吉本新喜劇でもよく見かけるパターンです^^)
ですから、今回の場合でも、仮に early-bird dinner という言葉を聞いたことがなくても、「年齢でイジるネタの一環だな」とわかることで、ある程度、意味の予測もつくだろうと思うわけです。
年齢ネタをこれでもか、これでもか、と出してくるそのバリエーションを、「まだ年齢の話を言うかぁ?」みたいに理解できるといい感じですね。
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高校時代、レイチェルを憎んでいたウィルとロスが "I Hate Rachel" club (レイチェル大嫌いクラブ)というクラブを作っていたこと、そして二人で、「レイチェルは両性具有だ」(had both male and female reproductive parts)という噂まで流していたと知って、レイチェルは大激怒。
レイチェルは、「私は高校時代、ロスを傷つけるようなことは何もしなかったのに」と言うのですが、、、
モニカ: Well, you-you did start that rumor about Ross making out with Mrs. Altmann, our 50-year-old librarian. (えーっと、あなたはあの噂を広めた(始めた)でしょ、ロスが、ミセス・アルトマン、50歳の図書館司書とエッチしてるって噂を。)
ロス: (shocked) (To Rachel) How did you know that?!!!! ([ショックを受けて][レイチェルに] どうやってそれを知ったんだよ?[何でそれを知ってるの?])
モニカ: It's true?!! (それって本当なの?)
ロス: No. (いいや。)
レイチェル: Yes it is! I saw you guys going at it behind the card catalog! (本当よ! あなたたちがカード目録の後ろでやってるのを私は見たわ!)
(Ross is at a loss for words.)
ロスは言葉に詰まる。
ウィル: Mrs. Altmann? She also made out with Ta-Taka-Ki-Kek the night before he went back to Thailand. (ミセス・アルトマン? 彼女は、タ・タカ・キ・ケックともエッチしてたぞ、彼がタイに帰る前の夜に。)
チャンドラー: I'm sorry. When you were in high school you made out with a 50-year-old woman? (ちょっと待って。ロスは高校の時、50歳の女性とエッチしたのか?)
ロス: Hey! She didn't look 50! (おい! 彼女は50歳には見えなかったんだ!)
チャンドラー: Did she look 16? ((じゃあ)彼女は16歳に見えた?)
レイチェル: Ohh, there's a picture of her in the yearbook actually. (あぁ、彼女の写真が(実際に)卒業アルバムにあるわよ。)
フィービー: Oh! (They all look.) Wow! (まぁ! [全員が見る] ワオ!)
ロス: She didn't photograph well! (彼女は写真写りがよくなかったんだ。)
チャンドラー: Well, she probably wasn't familiar with the process, having spent most of her life sitting for oil paintings! (そうだな、彼女は多分、その(写真撮影の)プロセスに慣れてなかったんだよ。彼女の人生の大半を、油絵のために座る時間に費やしてきたから。)
フィービー: So how did this happen? Did she, did she lure you to an early-bird dinner? (それで、このこと(司書とロスとの関係)はどんな風に起こったの? 彼女はあなたをアーリー・バード・ディナーに誘ったの?)
you did start の did は、you started that rumor... を強調する表現ですね。
start that rumor は「噂を始める」ということですから、主語がその噂を始めた、広めた、噂の出どころはその主語だった、というニュアンス。
傷つけるようなことは何もしなかった、とかレイチェルは言ってるけど、あなたはロスに関するそういう噂を実際に・確かに広めたわ、と言っていることになります。
make out はフレンズによく出てくる表現で、「いちゃつく」というニュアンスですが、ここでは、ただ、いちゃついている、というよりも、もっとはっきり「エッチする」というニュアンスで使っていることになるでしょう。
つまり、モニカの発言によると、レイチェルは高校時代、「ロスが50歳の図書館司書である、ミセス・アルトマンとエッチしていたという噂を広めた」ということになります。
モニカの言い方だと、did start that rumor ということなので、「嫌がらせで、根も葉もない噂を広めた」という感じにも聞こえるのですが、それを聞いたロスが大きな声で、How did you know that?! と言っているのが面白いです。
How did you know that?! を直訳すると、「どのようにして、君はそのことを知ったのか?」ということで、日本語で言うところの「どうしてそれを知ってるの?」というニュアンスになります。
相手がそのことを知ってたなんてびっくりだ、という状況でよく使いますね。
「あの噂を広めたのは君だったのか?」(Did you start that rumor? または、Were you the one who started that rumor? になるでしょうか)と言ったなら、別に問題なかったのですが、「どうしてそれを知ってるの?」みたいに言ってしまったので、その噂が事実であることを自ら告白したかのような形になってしまったわけです。
モニカが「それってほんとなの?」と聞き返すと、ロスは「いいや」ととりあえず否定してみるのですが、How did you know that?! というロスの叫びを聞いた後では、みんなもその噂は本当だったんだ、、と思わざるを得ませんね。
さらにレイチェルに、「私はあなたたち二人(ロスとミセス・アルトマン)が…しているところを見た」と目撃証言をしたために、ロスはト書きのように、言葉に詰まり、噂を認めることになります。
I saw you guys going at it behind the card catalog! について。
go at someone だと、「(人)に襲いかかる、攻撃する」という意味として使われますが、go at it だと、「(仕事など)に(懸命に)取りかかる、せっせと頑張る、取り組む」というニュアンスにもなるようです。
at は「点」を表す前置詞なので、「人を点として、それに向かう」ということだと「攻撃する」という意味になるだろうし、「物事を点として、それに向かう」ということなら、「そのことに取りかかる、せっせと取り組む」というニュアンスになるわけでしょうね。
オンライン俗語辞典である、Urban Dictionary では、以下のように説明されています。
Urban Dictionary : go at it
go at it : what happens when things start to heat up between two people. these things may range from simple kissing to anything else your heart desires.
例) Steve and Charlotte started to go at it after their eyes met.
つまり、「二人の人間の間で、何かがヒートアップし始めた時に起こること。これは、シンプルにキスすることから、心がしたいと望む他のことまでに及ぶ」。例文は、「スティーブとシャーロットは、お互いの目が合った後、(気持ちが高まって)いちゃつき始めた(?)」。
はっきりと「エッチする」とまでは言わないけれど、それに近いようなことをしている、というような感覚なのでしょうね。
make out も、キスしたりタッチしたりするところから、エッチするところまで、そういうエッチに伴う行為全体をカバーしているようなニュアンスの言葉なので、go at it もそれと似た感覚なのだろうなと思います。
behind the card catalog は「カード目録の後ろで」ということで、いかにも図書館的な場所を挙げたところが、それっぽくて納得できちゃう感じです。
ロスがミセス・アルトマンとそういうことをしていた、と聞いて、ウィルは、「彼女は、タ・タカ・キ・ケックともエッチしてたぞ、彼がタイに帰る前の夜に」と口を挟みます。
タイに帰る前の夜に、と言っていることから、その長い名前の彼がタイからの留学生であったことが想像できるわけですが、実はこの留学生のことは、これより前のシーンで言及されていました。
ウィルとロスが「レイチェル大嫌いクラブ」に入っていたと知った後、
レイチェル: So who else was in this club? (それで、他には誰がこのクラブに入ってたの?)
ロス: Uh actually, there-there was also that exchange student from Thailand. But I-I don't think he-he knew what it was. (あぁ、実際には、タイからの交換留学生もいたんだ。でも彼はそのクラブが何であるかを知らなかったと思うよ。)
ウィルとロス以外にもう一人、タイからの留学生がメンバーだったけど、彼はクラブの意図や意味はわかってなかったと思う、みたいに言ったことになります。
留学生で、あまり英語も達者ではなかっただろうことを利用して、うまく丸め込んでまんまとメンバーに入れちゃった、みたいなことでしょう。
その時は、そのタイ人の彼の名前は出てこなかったのですが、しばらく後の今のシーンで、英語では発音しにくい長い名前を出してから、「彼がタイに帰る前の晩に」と付け加えることで、それがその「3人目のメンバーであったタイからの交換留学生」だとわかる仕組みですね。
その話をずっと聞いていたチャンドラーは、確認するように、「ロスは高校の時、50歳の女性とエッチしたのか?」と尋ねています。
みんなが50歳、50歳と、やたらとその年齢を強調したがるので、ロスは「彼女は50歳には見えなかった!」と力説するのですが、チャンドラーに、「じゃあ、彼女は16歳に見えたのか?」とツッコまれてしまうことになります。
「高校生が50歳の女性と関係を持った」という点に、フレンズたちは大いに反応していることが、このセリフからもよくわかりますね。
その後も、コメディーの定石(じょうせき)どおり、「年齢ネタ」が延々と続くことになります。
私ももう、40代半ばの人間ですので、「50歳の女性が年齢でイジられるネタ」には何とも複雑な気持ちを持ってしまうわけですが(笑)、アメリカでも日本でも「年齢でイジるネタ」というのは存在すること、年齢ネタをジョークにする場合には、「年齢が高いこと、低いことを極端に強調する」傾向にあることも意識しておくと良いでしょう。
例えば、相手の年齢が若い時には、まるで「子供、お子ちゃま、がきんちょ」であるかのように表現し、年齢が上の場合には「高齢者のおじいちゃん、おばあちゃん」であるかのように言ってみせる、ということですね。
フレンズ1-22 では、26歳のモニカが高校生のイーサンと付き合っていた時、フレンズたちはモニカに、「今度イーサンに、パワーレンジャー(戦隊モノ)で誰が一番強いか聞いといてよ」みたいに言って、まるでイーサンがちっちゃい子供であるかのようにからかっていました。
今回はその逆で、「相手がずっと年上」なので、相手が「すっごくおばあさん」であるかのような話に持っていくのが、コメディーの定番ジョークになる、ということです。
ミセス・アルトマンが何歳に見えるか、みたいな話になったので、ちょうど卒業アルバムを持ってきていたレイチェルは、ここに彼女の写真があるわ、と言って、それをみんなに見せます。
フィービーの反応が、「期待してたよりも悪い」と言いたそうな声だったので、ロスは必死に、She didn't photograph well! と言っていますね。
まさに日本語の「彼女は写真写りが良くない、悪い」というニュアンスになります。
photograph は名詞で「写真」、他動詞で「〜の写真を撮る、撮影する」という意味もあるのですが、自動詞として使うと、「写真写りのよしあし」を表現することもできるのですね。
研究社 新英和中辞典では、
photograph (自動詞)
[well, badly などの様態の副詞を伴って] 写真のうつりが(…)である
She photographs well [badly]. 彼女は写真うつりがいい[悪い]。
と出ています。
シンプルに「写真写りが悪い」と言う場合には、badly を使うことになるのですが、それだとあまりにもダイレクトすぎるので、ロスは「彼女は写真写りがよくなかった」と not photograph well の形を使ったわけです。
photographs well/badly というシンプルなフレーズで、「写真写りがいい・悪い」を表現することができるのは、何だかとても新鮮な気がしました。
「(主語は)写真が良く撮れている/悪く撮れている」と言えばいい、ということですね。
「写真写りがよくないだけだ。実物はもっといいんだよ」みたいにロスは言いたかったわけですが、その後のチャンドラーのセリフが、いかにもチャンドラーっぽくて面白いですね。
直訳すると、「多分、彼女はそのプロセス(写真撮影のプロセス)に慣れてなかったんだ。人生の大部分を、油絵のために座ることに費やしてきたから」みたいに言っていることになります。
「油絵のために座る」というのは、油絵で肖像画を書いてもらうために、画家の前で、動かないでずっと座っている、みたいなイメージですね。
人生の大半をそう過ごしてきた、というのは、彼女が生きてきた時代のほとんどは、写真がまだ発明されていない、もしくは写真が一般的なものではなくて、写真の代わりに油絵で肖像画を書いてもらっていた時代だった、と言っていることになります。
つまりチャンドラーは、「彼女は、油絵で肖像画を書いてもらう時代を長らく生きてきた人だから、カメラで写真を撮影する、っていうプロセスに慣れてない、だから不自然な写真になったんだよね」と言っていることになるのですね。
相手が自分よりもずっと年を取っていることを表現するのに、「写真のない、肖像画時代の人だもんね」みたいに言ってみせたわけです。
一体、いつの時代の話だよ!?とツッコミを入れるような「極端な例え」のジョークになるわけですね。
今度はフィービーが、「このこと(ロスとその司書との関係)はどんな風に起こったの?」と尋ねています。
そして、「彼女はあなたを、アーリー・バード・ディナーに誘ったの?」と言っていますね。
lure は名詞だと、釣りに使う「疑似餌、ルアー」という意味もありますね。基本的な意味は「誘惑するもの」ということで、動詞として、lure someone to の形で使うと、「人を〜に誘い込む、誘惑する」という意味になります。
彼女がロスを誘い出したという、early-bird dinner について。
early bird は文字通り、「早起きの鳥」ということから、「早起きの人」を指します。
The early bird catches the worm. は「早起きの鳥は虫を捕らえる」という諺(ことわざ)で、日本語で言うところの「早起きは三文の得」ですね。
反対に、「夜更かしする人、宵っぱり」のことを、英語では、night owl 「夜のフクロウ」と言います。
early-bird dinner は「早起きの人の夕食」ということですから、「朝早いから、夕食の時間帯も早い」ことが連想されますね。
その連想の通り、early-bird dinner は「通常の時間よりも早い時間帯のディナー」を指します。
Wikipedia 英語版: Early bird dinner では、以下のように説明されています。
Early bird dinner is a dinner served earlier than traditional dinner hours; particularly at a restaurant.
つまり、「アーリー・バード・ディナーは伝統的なディナーの時間よりも早い時間に給仕されるディナーのこと、特にレストランで」。
ウィキペディアの説明によると、価格の安いメニューを提供したり、「アーリー・バード・スペシャルズ」という特別メニューが用意されたりもするようです。
また、以下のような記述もありました。
Early bird dinners are often stereotypically associated with the elderly and.... (以下略)
つまり、「アーリー・バード・ディナーは、ステレオタイプ的に、高齢者・お年寄りにしばしば関連づけられる」。
日本人の感覚でも、「高齢者は早起き」というイメージは確かにありますよね。
コメディーの場合、「一つ、ツッコミどころを見つけると、みんなが順番にそのことでからかう」、、というパターンがよくあります。(吉本新喜劇でもよく見かけるパターンです^^)
ですから、今回の場合でも、仮に early-bird dinner という言葉を聞いたことがなくても、「年齢でイジるネタの一環だな」とわかることで、ある程度、意味の予測もつくだろうと思うわけです。
年齢ネタをこれでもか、これでもか、と出してくるそのバリエーションを、「まだ年齢の話を言うかぁ?」みたいに理解できるといい感じですね。
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2014年03月24日
加入ではなく共同設立 フレンズ8-9その5
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高校時代にいじめられたことで、レイチェルを憎んでいるウィルは、「憎んでいるのは俺だけじゃなくて、"I Hate Rachel Green Club" というクラブまで存在したんだ」と説明します。
そのクラブのメンバーにロスも入っていたと知ったレイチェルは、
レイチェル: So Ross, we went out for two years and you never told me you were in an "I Hate Rachel" club. (それじゃあロス、私たちは2年間も付き合っていたのに、自分が「レイチェル大嫌いクラブ」に入っていたことを私に話さなかったの?)
ウィル: You went out with her?! We had a pact! (ロスはレイチェルと付き合ってたのか? 俺たちには協定があっただろ!)
ロス: That was in high school! It's not like it was binding forever. (それは高校時代の話だ! 永久に拘束力があるってことじゃないだろ。)
ウィル: Then why did it have the word "eternity" in it? (それじゃあ、どうしてその協定には「永遠」という言葉が入ってたんだ?)
レイチェル: Okay, Monica? Did you know about this?! (ねぇ、モニカ。あなたはこのことを知ってたの?)
モニカ: I swear I didn't. (To Ross and Will) Hey! Is that why you guys used to go up to your bedroom and lock the door? (誓って言う、私は知らなかったわ。[ロスとウィルに] ねぇ。あなたたち二人が、いつもロスの寝室に上がって、ドアに鍵をかけてたのは、そういう理由なの?)
ロスとウィル: Yeah. (そうだ。)
モニカ: Hmm, a little relieved, I gotta say. (ふーん、ちょっと安心したわ、っ言わなきゃね。)
ロス: Look, Rach, I-I'm sorry, okay? I... I was a stupid kid, okay? The only reason I joined-- (ねぇ、レイチェル、ごめんよ。僕はバカな子供だったんだよ、だろ? 僕が(そのクラブに)加入した唯一の理由は…)
ウィル: Co-founded! (共同設立した!)
ロス: ... co-founded. Co-founded the club was that I was insanely in love with you. Obviously I didn't handle it very well. But if you think about it, the "I Hate Rachel Club" was really the "I Love Rachel" Club. (…共同設立した、だ。そのクラブを共同設立したのは、僕が、気が変になりそうなほど、君に恋していたからだ。明らかに僕は、その気持ちをあまりうまく扱えていなかった。でも考えてみたら、「レイチェル大嫌いクラブ[レイチェルを憎んでるクラブ]」は本当は「レイチェル大好きクラブ[レイチェルを愛してるクラブ])だったんだよ。)
ウィル: Uh, except that it was really the "I Hate Rachel Club." (あー、それが本当に「レイチェル大嫌いクラブ」であったということを除いてはね。)
I Hate Rachel Green Club が存在していたこと、そしてそこに、元恋人のロスも在籍(笑)していたことを知ったレイチェルは、あきれた顔で、「私たちは2年間も付き合っていたのに、あなたはそのことを私に一度も言わなかったの?」と言っています。
go out は「外出する、出かける」ですが、恋愛の話になると「付き合う、交際する」という意味になりますね。
「付き合っていた」という言葉にウィルも反応し、「ロスはレイチェルと交際してたのか? 俺たちには pact があったのに!」と言っています。
pact は「協定。契約、約束」ですね。
それを聞いたロスは、「クラブ内の協定と言っても、それは高校時代の話だろ」と言った後、
It's not like it was binding forever. と言っています。
bind は「縛る、くくる」という動詞で、その -ing 形の binding は「縛っている」という意味から、「拘束力がある、拘束力を持つ」という意味になります。
It's not like は「…というわけではない」ですので、つまりロスは、「その協定が永久に・永遠に拘束力を持つってわけじゃない」と言っていることになります。
「たかが高校時代の約束なんだから、大人になったらそんなものは反故(ほご)にしてもいいだろ」と言いたいのですが、ウィルは引き下がることなく、「それじゃあどうして、その協定には、eternity 「永遠」という言葉が入ってたんだ?」と指摘します。
「永遠に〜しない(ことを誓う)」的な文言が、いかにも「高校生が結んだ協定」っぽくて面白いわけですね。
「このことを知ってたの?」と聞かれたモニカは、「私は知らなかった、誓って言うわ」と言っています。
その後、ロスとウィルに対して、Is that why...? 以下の文章を言っていますね。
Is that why...? は、Is that the reason why...? ということで、that は、少し前の話題、「ウィルとロスが、レイチェル大嫌いクラブに入っていた」ことを指します。
つまり、「二人がそのクラブに入っていたことが、二人でロスの寝室に行ってドアに鍵をかけてた理由なの?」と言っていることになりますね。
二人は声を揃えて肯定し、モニカは、「ちょっと安心した、って言わないとね」みたいに言っています。
高校時代、ロスとウィルの二人が、ロスの部屋に二人だけでこもって鍵までかけていたことで、モニカは「二人で何かヘンなことしてるんじゃないの?」と心配していたらしいことが、そのセリフからわかるという仕組みです。
「鍵をかけた部屋で二人がこそこそしてたのは、そのクラブのせいだったんだ、、」と、その話を聞いて安心したことを、モニカは言っていることになります。
元恋人なのに、そんなクラブに入ってたなんて、、と非難するレイチェルをなだめようと、ロスは「当時の僕はバカな子供だったんだよ」と言って、その後、The only reason I joined-- と言葉を続けるのですが、ウィルにすかさず、Co-founded! と訂正されるのが面白いですね。
ロスは、join という言葉を使っていて、それは「クラブに加入する」という意味ですが、ウィルは、「ロスはクラブに加入した、んじゃなくて、クラブを co-found した、つまり、共同設立した人間だろ!」と、みんなの前で暴露したことになります。
join だと、元々あったクラブに誘われて(場合によっては、しかたなく)加わった、加入したイメージに取ることもできますが、co-found だと、そのクラブをゼロから立ち上げた、ウィルとロスとが、co-founder 「共同設立者」であると言っていることになるため、ロスが積極的にそのクラブを作った、率先してそのクラブを立ち上げたことが、そのウィルの Co-founded! 「共同設立した、だろ?」という厳しいツッコミで明らかになってしまったわけです。
それを否定することもできず、ウィルの言うままに、co-founded という言葉で言い換えたロスは、レイチェル大嫌いクラブを「共同設立」した理由は、君に insanely に恋していたからだ、と説明します。
insane は「正気でない、狂気の、狂ったような」という意味で、副詞の insanely は「正気でないほど(ものすごく)」という意味になります。
「ものすごく」と強調する副詞は、他にもいろいろありますが、「君をあまりにも愛していたから、君を憎むクラブを設立してしまった」という正反対の行動を取ってしまったことを、「僕は尋常でないほど君に恋してた、気が変になりそうなほど君が大好きだった、だから、こんなおかしなことをしてしまったんだ」と説明するのに、insanely という副詞を使ってみたわけですね。
「私が好きなのに、大嫌いクラブに入ってたなんて、おかしいじゃない」と言われることを見越して、「そういう常軌を逸したことをしてしまうほど、正常な判断ができなくなるほど、君に恋してた」と表現したわけです。
ちなみに、insanely と同じような意味で、madly 「狂ったように」という副詞もありますが、これも、I'm madly in love with you. 「あなたを狂おしいほど愛してる」という形で使うことができますね。
Obviously I didn't handle it very well. の it は、「そういうレイチェルに対する狂おしいほどの気持ち」を指すでしょう。
handle は「(取り)扱う、処理する、対処する」なので、「大嫌いクラブ」を設立してしまったなんて、誰が見ても、明らかに、僕はその自分の気持ちをうまく扱えていなかった、と説明していることになります。
その後、「でも、その僕の複雑な気持ちを考えたら、「レイチェル大嫌いクラブ」っていうのは、実は「レイチェル大好きクラブ(レイチェルを愛してるクラブ)」だったってことなんだ」、と、何ともむりやりな説明をしていますね。
君を憎むような行動を取ったのは、君への愛の裏返しだよ、みたいなことが言いたいわけです。
そんな風に、何とか言い訳を試みるロスですが、そのロスの発言に「異議あり!」という感じで立ちあがったウィルは、except that it was really the "I Hate Rachel Club." というセリフを言っています。
こういう except は、フレンズに頻出ですが、「ただし、(except 以下の内容)を除いて」のように、除外条件を追加する感覚ですね。
この場合は、「それが本当に「レイチェル大嫌いクラブ」であったことを除いて」と言っていることになります。
ロスが、いろいろ理由を説明して、「結局のところ、「レイチェル大嫌いクラブ」は「レイチェル大好きクラブ」だった、ってことなんだよ」と、うまくまとめようと(笑)したのに、ウィルが、「それが本当に「レイチェル大嫌いクラブ」であった、という事実を除けば、ロスの言っていることは正しい」みたいな条件付けをしたことになるわけです。
except という言葉だけ見ると、「ただし、〜ということだけを除けば」と言っていることになりますが、その except の内容は、ロスが直前に言った発言とは全く真逆の内容なので、except で条件付けすることで、ロスのさっきの発言の内容を全否定したかのような、「それを除く」としたことで、ロスの話の内容をゼロにしてしまったかのようなことになるのですね。
ロスの発言は、「あれは大嫌いクラブじゃなかった」という点がポイントなのに、その一番大事なポイントを「あれは間違いなく、大嫌いクラブだった」と、ウィルに完全否定されたことになります。
この状況で、ロスの発言を否定するのに、言い方はいろいろあると思うのですね。
例えば、You're wrong. 「ロスは間違ってる」、You're lying. 「ロスは嘘をついている」、I don't agree with you. 「ロスには同意しない」などなど。
ただ、そんな風に、真っ向(まっこう)からロスの発言を否定するのではなくて、さも、「付け足しでこれだけは言わせて」みたいに条件を付け加えただけのような except... という単語を使って、「ほんとに・実際に、それは大嫌いクラブだった」とロスの発言を「ひっくり返した」したところが、セリフとして非常に面白いものになっていると思ったわけです。
ロス: A was really B.
ウィル: Except that it was really A.
という構造になっていて、ウィルがそういう除外条件を付け加えることで、やっぱり、A was really A. であったと言ったことになる、A was really B. と言ったロスの発言を完全にひっくり返したことになる、というのが、このやりとりの流れだということですね。
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高校時代にいじめられたことで、レイチェルを憎んでいるウィルは、「憎んでいるのは俺だけじゃなくて、"I Hate Rachel Green Club" というクラブまで存在したんだ」と説明します。
そのクラブのメンバーにロスも入っていたと知ったレイチェルは、
レイチェル: So Ross, we went out for two years and you never told me you were in an "I Hate Rachel" club. (それじゃあロス、私たちは2年間も付き合っていたのに、自分が「レイチェル大嫌いクラブ」に入っていたことを私に話さなかったの?)
ウィル: You went out with her?! We had a pact! (ロスはレイチェルと付き合ってたのか? 俺たちには協定があっただろ!)
ロス: That was in high school! It's not like it was binding forever. (それは高校時代の話だ! 永久に拘束力があるってことじゃないだろ。)
ウィル: Then why did it have the word "eternity" in it? (それじゃあ、どうしてその協定には「永遠」という言葉が入ってたんだ?)
レイチェル: Okay, Monica? Did you know about this?! (ねぇ、モニカ。あなたはこのことを知ってたの?)
モニカ: I swear I didn't. (To Ross and Will) Hey! Is that why you guys used to go up to your bedroom and lock the door? (誓って言う、私は知らなかったわ。[ロスとウィルに] ねぇ。あなたたち二人が、いつもロスの寝室に上がって、ドアに鍵をかけてたのは、そういう理由なの?)
ロスとウィル: Yeah. (そうだ。)
モニカ: Hmm, a little relieved, I gotta say. (ふーん、ちょっと安心したわ、っ言わなきゃね。)
ロス: Look, Rach, I-I'm sorry, okay? I... I was a stupid kid, okay? The only reason I joined-- (ねぇ、レイチェル、ごめんよ。僕はバカな子供だったんだよ、だろ? 僕が(そのクラブに)加入した唯一の理由は…)
ウィル: Co-founded! (共同設立した!)
ロス: ... co-founded. Co-founded the club was that I was insanely in love with you. Obviously I didn't handle it very well. But if you think about it, the "I Hate Rachel Club" was really the "I Love Rachel" Club. (…共同設立した、だ。そのクラブを共同設立したのは、僕が、気が変になりそうなほど、君に恋していたからだ。明らかに僕は、その気持ちをあまりうまく扱えていなかった。でも考えてみたら、「レイチェル大嫌いクラブ[レイチェルを憎んでるクラブ]」は本当は「レイチェル大好きクラブ[レイチェルを愛してるクラブ])だったんだよ。)
ウィル: Uh, except that it was really the "I Hate Rachel Club." (あー、それが本当に「レイチェル大嫌いクラブ」であったということを除いてはね。)
I Hate Rachel Green Club が存在していたこと、そしてそこに、元恋人のロスも在籍(笑)していたことを知ったレイチェルは、あきれた顔で、「私たちは2年間も付き合っていたのに、あなたはそのことを私に一度も言わなかったの?」と言っています。
go out は「外出する、出かける」ですが、恋愛の話になると「付き合う、交際する」という意味になりますね。
「付き合っていた」という言葉にウィルも反応し、「ロスはレイチェルと交際してたのか? 俺たちには pact があったのに!」と言っています。
pact は「協定。契約、約束」ですね。
それを聞いたロスは、「クラブ内の協定と言っても、それは高校時代の話だろ」と言った後、
It's not like it was binding forever. と言っています。
bind は「縛る、くくる」という動詞で、その -ing 形の binding は「縛っている」という意味から、「拘束力がある、拘束力を持つ」という意味になります。
It's not like は「…というわけではない」ですので、つまりロスは、「その協定が永久に・永遠に拘束力を持つってわけじゃない」と言っていることになります。
「たかが高校時代の約束なんだから、大人になったらそんなものは反故(ほご)にしてもいいだろ」と言いたいのですが、ウィルは引き下がることなく、「それじゃあどうして、その協定には、eternity 「永遠」という言葉が入ってたんだ?」と指摘します。
「永遠に〜しない(ことを誓う)」的な文言が、いかにも「高校生が結んだ協定」っぽくて面白いわけですね。
「このことを知ってたの?」と聞かれたモニカは、「私は知らなかった、誓って言うわ」と言っています。
その後、ロスとウィルに対して、Is that why...? 以下の文章を言っていますね。
Is that why...? は、Is that the reason why...? ということで、that は、少し前の話題、「ウィルとロスが、レイチェル大嫌いクラブに入っていた」ことを指します。
つまり、「二人がそのクラブに入っていたことが、二人でロスの寝室に行ってドアに鍵をかけてた理由なの?」と言っていることになりますね。
二人は声を揃えて肯定し、モニカは、「ちょっと安心した、って言わないとね」みたいに言っています。
高校時代、ロスとウィルの二人が、ロスの部屋に二人だけでこもって鍵までかけていたことで、モニカは「二人で何かヘンなことしてるんじゃないの?」と心配していたらしいことが、そのセリフからわかるという仕組みです。
「鍵をかけた部屋で二人がこそこそしてたのは、そのクラブのせいだったんだ、、」と、その話を聞いて安心したことを、モニカは言っていることになります。
元恋人なのに、そんなクラブに入ってたなんて、、と非難するレイチェルをなだめようと、ロスは「当時の僕はバカな子供だったんだよ」と言って、その後、The only reason I joined-- と言葉を続けるのですが、ウィルにすかさず、Co-founded! と訂正されるのが面白いですね。
ロスは、join という言葉を使っていて、それは「クラブに加入する」という意味ですが、ウィルは、「ロスはクラブに加入した、んじゃなくて、クラブを co-found した、つまり、共同設立した人間だろ!」と、みんなの前で暴露したことになります。
join だと、元々あったクラブに誘われて(場合によっては、しかたなく)加わった、加入したイメージに取ることもできますが、co-found だと、そのクラブをゼロから立ち上げた、ウィルとロスとが、co-founder 「共同設立者」であると言っていることになるため、ロスが積極的にそのクラブを作った、率先してそのクラブを立ち上げたことが、そのウィルの Co-founded! 「共同設立した、だろ?」という厳しいツッコミで明らかになってしまったわけです。
それを否定することもできず、ウィルの言うままに、co-founded という言葉で言い換えたロスは、レイチェル大嫌いクラブを「共同設立」した理由は、君に insanely に恋していたからだ、と説明します。
insane は「正気でない、狂気の、狂ったような」という意味で、副詞の insanely は「正気でないほど(ものすごく)」という意味になります。
「ものすごく」と強調する副詞は、他にもいろいろありますが、「君をあまりにも愛していたから、君を憎むクラブを設立してしまった」という正反対の行動を取ってしまったことを、「僕は尋常でないほど君に恋してた、気が変になりそうなほど君が大好きだった、だから、こんなおかしなことをしてしまったんだ」と説明するのに、insanely という副詞を使ってみたわけですね。
「私が好きなのに、大嫌いクラブに入ってたなんて、おかしいじゃない」と言われることを見越して、「そういう常軌を逸したことをしてしまうほど、正常な判断ができなくなるほど、君に恋してた」と表現したわけです。
ちなみに、insanely と同じような意味で、madly 「狂ったように」という副詞もありますが、これも、I'm madly in love with you. 「あなたを狂おしいほど愛してる」という形で使うことができますね。
Obviously I didn't handle it very well. の it は、「そういうレイチェルに対する狂おしいほどの気持ち」を指すでしょう。
handle は「(取り)扱う、処理する、対処する」なので、「大嫌いクラブ」を設立してしまったなんて、誰が見ても、明らかに、僕はその自分の気持ちをうまく扱えていなかった、と説明していることになります。
その後、「でも、その僕の複雑な気持ちを考えたら、「レイチェル大嫌いクラブ」っていうのは、実は「レイチェル大好きクラブ(レイチェルを愛してるクラブ)」だったってことなんだ」、と、何ともむりやりな説明をしていますね。
君を憎むような行動を取ったのは、君への愛の裏返しだよ、みたいなことが言いたいわけです。
そんな風に、何とか言い訳を試みるロスですが、そのロスの発言に「異議あり!」という感じで立ちあがったウィルは、except that it was really the "I Hate Rachel Club." というセリフを言っています。
こういう except は、フレンズに頻出ですが、「ただし、(except 以下の内容)を除いて」のように、除外条件を追加する感覚ですね。
この場合は、「それが本当に「レイチェル大嫌いクラブ」であったことを除いて」と言っていることになります。
ロスが、いろいろ理由を説明して、「結局のところ、「レイチェル大嫌いクラブ」は「レイチェル大好きクラブ」だった、ってことなんだよ」と、うまくまとめようと(笑)したのに、ウィルが、「それが本当に「レイチェル大嫌いクラブ」であった、という事実を除けば、ロスの言っていることは正しい」みたいな条件付けをしたことになるわけです。
except という言葉だけ見ると、「ただし、〜ということだけを除けば」と言っていることになりますが、その except の内容は、ロスが直前に言った発言とは全く真逆の内容なので、except で条件付けすることで、ロスのさっきの発言の内容を全否定したかのような、「それを除く」としたことで、ロスの話の内容をゼロにしてしまったかのようなことになるのですね。
ロスの発言は、「あれは大嫌いクラブじゃなかった」という点がポイントなのに、その一番大事なポイントを「あれは間違いなく、大嫌いクラブだった」と、ウィルに完全否定されたことになります。
この状況で、ロスの発言を否定するのに、言い方はいろいろあると思うのですね。
例えば、You're wrong. 「ロスは間違ってる」、You're lying. 「ロスは嘘をついている」、I don't agree with you. 「ロスには同意しない」などなど。
ただ、そんな風に、真っ向(まっこう)からロスの発言を否定するのではなくて、さも、「付け足しでこれだけは言わせて」みたいに条件を付け加えただけのような except... という単語を使って、「ほんとに・実際に、それは大嫌いクラブだった」とロスの発言を「ひっくり返した」したところが、セリフとして非常に面白いものになっていると思ったわけです。
ロス: A was really B.
ウィル: Except that it was really A.
という構造になっていて、ウィルがそういう除外条件を付け加えることで、やっぱり、A was really A. であったと言ったことになる、A was really B. と言ったロスの発言を完全にひっくり返したことになる、というのが、このやりとりの流れだということですね。
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2014年03月20日
二大天敵は彼女と炭水化物 フレンズ8-9その4
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ロスの高校時代の同級生ウィル(演じているのはブラッド・ピット)は、高校時代にものすごく太っていた時、レイチェルにものすごくいじめられたことを、今でも恨んでいます。
感謝祭のディナーにやってきたレイチェルを見て、怒りが爆発したウィルは、レイチェルをにらみながら、ロスに以下のようなことを言います。
ウィル: Look at her standing there with those yams! My two greatest enemies, Ross: Rachel Green and complex carbohydrates. (あの(感謝祭の)サツマイモ(料理)を持って、あそこに立っているあいつ(彼女)を見ろよ! 俺の二大天敵だ、ロス。レイチェル・グリーンと複合炭水化物だよ。)
モニカとロスは、「ウィルが高校時代、レイチェルにいじめられていたこと」を知っているのですが、レイチェルを含め、他のフレンズたちはそのことを知りません。
ウィルはレイチェルに怒りの視線を向けながらも、みんな一緒のテーブルについて、感謝祭の料理を食べることになった場面。
レイチェル: Oh y'know what? Can we please keep the chicken and the turkey and everything on the other side of the table? The smell is just yuck! (ねぇ、そのチキンやターキーとかをテーブルの向こう側に置いていいわよね? その匂いがもう、ウェ〜!なの![気持ち悪いの!])
ウィル: (sneeze talks) Typical. ([くしゃみで(くしゃみのふりをして)しゃべる] ティピカル[典型的だな・象徴的だな]!)
レイチェル: I'm sorry. What? (えーっと、何?)
ウィル: I said it was typical. Typical of you, Rachel Green, Queen Rachel does whatever she wants in little Rachel-land. (Does a fake hair flip.) (ティピカル(典型的だ)と俺は言ったんだ。君の典型だよ(いかにも君らしいよ)、レイチェル・グリーン、レイチェル女王様は、レイチェル・ランドで、したいことを何でもするんだ。[髪をさっとなびかせる真似をする])
ジョーイ: (To Monica) Seriously, who is this guy? ([モニカに] まじで、この男、誰?)
レイチェル: Umm, I'm sorry. Do you-do you have a problem with me? (あの、、申し訳ないんだけど、あなたは、あなたは私に何か問題があるの?)
ウィル: I don't know? Do I? Do I? (僕にはわからないねぇ。あるかな? あるかな?)
フィービー: I think you do. (あると思うけど。)
モニカ: (To Rachel) Apparently you were umm, a little mean to him in high school. ([レイチェルに] どうやら、あなたは、その、、高校時代、彼にちょっといじわるだったようなのよ。)
ウィル: A little mean? You made my life miserable! (ちょっといじわる? 君は俺の人生をみじめにしたんだ!)
レイチェル: I'm-I'm-I had no idea. I'm sorry. I.... (私は、私は…私は何のことかわからないわ。ごめんなさい、私は…)
ウィル: Well, you should be. Screw it! Bring on the yams! (あぁ、君は申し訳ないと思うべきだ。ちくしょう! イモを持ってこい!)
モニカ: Oh, Will. But you-you've worked so hard.... (あぁ、ウィル。でもあなたは一生懸命頑張って…)
ウィル: Yams!!!! (イモだ!!)
モニカ: Okay. (Chandler grabs the dish from Monica and hands it to Will who starts dishing out a large helping.) (わかったわ。[チャンドラーはモニカから皿を受け取り、それをウィルに手渡す。ウィルは自分の取り分をどっさり皿に入れ始める])
まず、最初に取り上げた「二大天敵」のセリフについて。
yam というのは、「ヤムイモ」のことですが、アメリカでは「サツマイモ」のことも yam と言います。
ここでは、感謝祭のサツマイモ料理のことを yam と呼んでいるのですね。
レイチェルが、その料理のお皿を手に持っているのをにらみつけながら、ウィルは、「あのイモを持って、あそこに立っているレイチェルを見ろよ」と言いながら、My two greatest enemies という言葉を言っています。
「俺の最も大きな2つの敵」なので、日本語だと「二大天敵」というところですね。
その2つの天敵が、コロン(:)以下で説明されているのですが、1つ目はレイチェル・グリーンで、2つ目は complex carbohydrates 、つまり、「複合炭水化物」(コメやイモ類など)になります。
complex carbohydrates のような専門用語を使っているのがこのセリフのポイントで、ダイエットの時、それらの食品の摂取を控えるようにと医師に何度も言われたらしいことが想像できるわけですね。
感謝祭の食卓で、レイチェルは、Can we please keep... 以下の文章を言っています。
keep 以下の目的語が長いので構造がわかりにくいですが、要は、Can we please keep 〜 on the other side of the table? ということで、「〜をテーブルの反対側にキープする、反対側に置いておくことが私たちはできるわよね?」という感覚。
チキンやターキーやあれやこれやを、テーブルの向こう側に置いてもいいわよね?みたいなことです。
The smell is just yuck! の yuck は「ウェ〜、オェ〜、ゲェ〜!」みたいな、気持ち悪さや嫌悪を表す間投詞。なので、「その(食べ物の)匂いが、ただ、ウェ〜!って感じなのよ」と言っていることになります。
少し前のやりとりに出てきた、レイチェルは家禽類が嫌いだ、という話からも、チキンやターキーを嫌がる理由はわかりますし、レイチェルは今、妊娠中ですから、特に匂いに対して敏感なのもうなずける話です。
そういう意味では、まぁ、それほど、わがまま発言なわけでもないのでしょうが、レイチェルを心の底から憎んでいる(笑)ウィルは、くしゃみをしたようなふりをしながら、Typical. という言葉を発しています。
typical は「典型的な、象徴的な」という意味ですが、確かに、くしゃみみたいな感じで発音しているのが面白いですね。
自分の発言の直後に、くしゃみのようだけど、Typical と聞こえる言葉(笑)が聞こえてきたので、やはりそこにはレイチェルも引っかかったようで、レイチェルは、I'm sorry. What? と尋ねています。
この I'm sorry. は謝罪の「ごめんなさい」ではなく、相手の発言を聞き返す、問い返す時の「すみませんが(失礼ですが)、もう一度言って下さい。何ですって?」みたいなニュアンス。
自分の発言にレイチェルが気づいたと知って、ウィルは「俺は、典型的だと言ったんだ」と言って、その後も、レイチェルに対する憎悪を隠そうともせず、言葉を続けています。
君の典型だよね、いかにも君らしいよね、と言って、「クイーン・レイチェルは、リトル・レイチェル・ランドで、やりたいことを何でもする」と言います。
little Rachel-land の little には、「ちょっとした、とるに足りない、くだらない」という非難のニュアンスが含まれているのでしょう。
「レイチェル女王様は、ちっぽけな・くだらないレイチェル王国で、したいことを何でもするんだもんな」と言った感覚になりますね。
その後のト書きの Does a fake hair flip の flip は、「はじくこと、ぴょんと動かすこと」という感覚で、高慢ちきでプライドの高そうな女性が、どや顔で髪の毛をさっとなびかせる様子(笑)を、ウィルが真似てみせたことになります。
ロスとモニカは、ウィルがレイチェルを憎んでいることを知っているのですが、レイチェルを含め、他のフレンズたちは、そのことを全く知りません。
何だか急に、レイチェルに対して悪意に満ち溢れた言葉を発したので、明らかに様子がおかしいとみんなにもわかったようで、ジョーイは、「まじで、こいつ、誰?」と聞いているわけですが、このセリフは、seriously の部分がポイントですね。
今回のエピソードで、ジョーイがウィルのいる部屋に入ってきた時、ジョーイはターキーを丸ごと1匹食べないといけないのに、スナック菓子を食べていたことで、モニカに怒られていました。
その後、以下のようなやりとりがあったのですね。
ジョーイ: Don't worry, Tribbianis never get full. (心配すんな、トリビアーニ家の人間は決して満腹にならない。)
ウィル: I actually know what you're talking about. I'm here to tell you something, my friend, you can eat and eat and eat, but nothing will ever fill that void. (実は俺は、君の言っていることがよくわかるよ。わが友よ、俺はここで君にこう言うよ。食べて食べて食べて、、をすることは可能だけど、なにものも、その空虚感(むなしさ)を埋めることはないんだ。)
その発言に、「そうそう!」みたいにウィルを指さして微笑むものの、モニカの方を振り返ってから、背後のウィルを指で示しながら、
ジョーイ: (To Monica) Who the hell is this guy? ([モニカに] 一体、こいつは誰なんだ?)
その後、モニカが「高校時代の友人のウィルよ」と紹介して、二人は挨拶を交わすことになります。
ジョーイはただ、「満腹になるかどうか」の話をしているだけなのに、ウィルの方は、昔、大食いでものすごく太っていたこと、その後、必死にダイエットして今のような姿になったこと、という過去があるために、「腹いっぱいにならない」という発言を聞いて、「俺もその気持ちはよくわかる。食べても食べてもむなしさ(void)を埋めることはできないんだ。いつまで経っても満足できないんだ」と口を挟んだわけです。
その時は、普通に紹介し合って、特に問題もなかったのですが、ジョーイとしては、部屋に入ってきていきなり、空虚がどうの、という小難しい話をされたことで、「何だこいつ?」という第一印象は間違いなくあったわけですね。
そのように、今回のエピソードのあるシーンで、"Who the hell is this guy?" と一度尋ねた経緯があるので、今回の「レイチェル女王様は、、」発言に対して、「俺、さっきも聞いたけど、ほんとにまじで、こいつは誰? 一体何者?」みたいに言ったのが、Seriously のニュアンスになります。
コメディーの定番である、「少し前に出たネタを、後でまた使う」というパターンですね。
その後、レイチェルは、「あなたは私に何か問題でもあるの?」と尋ねると、ウィルは、「わからないね」と言いながらも、かなり興奮した様子で、Do I? Do I? と逆に聞き返しています。
ウィルにしてみたら、「問題あるかだなんて、もう、大ありだよ!」と言いたいところなのですが、レイチェルが全くそれに気づいていない様子なので、余計に腹が立ってきているわけです。
Do I? Do I? は、直前のレイチェルの質問を受けた形で、「俺は君について・君に対して、何か問題があるかな? あるかな?」と聞き返すニュアンスですが、疑問文で言いながらも、ウィルの本音は「あるに決まってるだろ?! 自分のしたことも忘れて、そんなことを質問するなんて、信じられないやつだ!」という気持ちですよね。
隣にいるフィービーが、激高した様子のウィルを見ながら、I think you do. と言うのも面白いです。
ウィルが疑問文で「あるかな?」と言ったので、「(あなたの様子を見ていると、間違いなく)あなたはレイチェルのことで問題があると思うわ」と、ウィルの質問に回答したかのようなセリフになっているわけですね。
誰が見ても、問題ありで、聞くまでもないことなのに、わざわざ、「うん、あるかと聞かれたら、あると思う」みたいにご丁寧に答えているのが、ちょっとピント外れのフィービーらしいところ。
レイチェルは、まだ状況が呑み込めていないようなので、事情を知っているモニカが説明することになります。
「どうやら、レイチェルは、高校時代、ウィルにちょっといじわる(a little mean)だったようなのよね」と、ちょっとボカした感じで説明するのですが、その表現にまたウィルは怒り出し、「ちょっといじわる、だったって? ちょっとどころじゃない、君は俺の人生をみじめ(不幸)にしたんだ!」と叫んでいます。
「俺の人生をみじめにしやがって!」みたいに言われてしまったレイチェルは、オロオロして、I have no idea. 「私には何のことか全くわからない」みたいに言って、I'm sorry. と言っています。
今回とりあげたやりとりでは、レイチェルが何度も I'm sorry. と言っていますが、今回のこれは、日本人がイメージする「ごめんなさい」の謝罪の I'm sorry. だと考えれば良いでしょうね。
レイチェルはまだ、高校時代に彼をいじめた記憶が全くよみがえっていない様子ですから、高校時代にいじめてごめんね、という感覚よりは、ウィルがそんなに怒っているんだから、きっと何か私は悪いことをしたのね、何も覚えてないけど、すっかり忘れてしまっていることを含めて、とにかくごめんなさい、みたいな気持ちで、I'm sorry. と言った気がします。
you should be. は、you should be sorry. ということで、「そうさ、君は sorry と思うべきだ」みたいなこと。
その後の、Screw it! について。
英辞郎には、
Screw it. =ちくしょう。/えーい、もうどうでもいい。
と出ています。
この screw は俗語で、卑語の f*ck のような意味です。
ですから、Screw it. は、F*ck it. と同じようなニュアンスですね。
Wiktionary : screw it では、以下のように説明されています。
Interjection
screw it!
(idiomatic, vulgar) Expression of frustration or contempt.
例) This mathematical problem is really difficult. Oh, screw it! I can't be bothered.
Synonyms: f*ck it (vulgar), f*ck this (vulgar), screw this (coarse), whatever
(注:卑語の f*ck は、私が伏字にしました)
つまり、screw it! は、「間投詞(イディオマティック、卑語) フラストレーション(欲求不満)、または、侮辱の表現」。例文は、「この数学の問題はほんとに難しい。あぁ、ちくしょう! めんどくさい」。
同義語(類義語)として、f*ck の使われた表現も挙げられていますよね。
Screw it! というキツい表現で、イライラをあらわにした後、ウィルは、Bring on the yams! と大声で叫んでいます。
これは、「サツマイモを持ってこい! サツマイモを出せ!」みたいなニュアンスですね。
今回の記事の最初でとりあげたセリフにあったように、ウィルは、自分にとっての二大天敵(My two greatest enemies)を、高校時代に自分をいじめた Rachel Green と、complex carbohydrates (複合炭水化物)だと言っていました。
ですから本来なら、まだダイエット中のウィルは、そういう炭水化物は食べないのですが、イライラが募って、我慢できなくなった様子が、"Bring on the yams!" というセリフからわかるわけです。
少し前のシーンで、イモは天敵だ、と言ったセリフが出てきた後だからこそ、このウィルのセリフに笑ってしまうのですね。
同じくダイエットで苦労したモニカは、同志(笑)として、「あぁ、ウィル、でもあなたは一生懸命頑張って、ダイエットしたのに…」みたいに言いかけるのですが、ウィルはモニカの発言を遮るように、Yams!!!! と叫ぶことになります。
ト書きにあるように、モニカがチャンドラーに、チャンドラーがウィルに、サツマイモ料理の皿を手渡すのですが、スプーンで料理を自分のお皿に、ベチャ、ベチャっと入れながらも、ウィルはレイチェルから視線を離さず、怖い顔で睨んでいます。
ト書きの helping は「食べ物の一杯、ひと盛り。一人前」のことで、dish out a large helping は「一人前を大量に、皿に取り分ける」という感覚になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
helping : the amount of food that you are given or that you take
例) He took a huge helping of potatoes.
つまり、「人が与えられる、または自分で取る、食べ物の量」。例文は、「彼は、自分の分のポテトを大量に取った」。
今回のセリフとロングマンの例文を比較すると、同じようなイモ類(笑)であること、そして、a large helping / a huge helping と似たような表現が使われていることが興味深いですね。
レイチェル役のジェニファー・アニストンの夫(その当時の夫、then husband ですが)で、大スターのブラピが、レイチェルをものすごく憎悪する役で登場し、ジェニファーに対して、ものすごい形相で睨んでいる姿には、観客も視聴者も大喜びだったことでしょう。
フレンズファンにとっては、実に楽しいエピソードです(^^)
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ロスの高校時代の同級生ウィル(演じているのはブラッド・ピット)は、高校時代にものすごく太っていた時、レイチェルにものすごくいじめられたことを、今でも恨んでいます。
感謝祭のディナーにやってきたレイチェルを見て、怒りが爆発したウィルは、レイチェルをにらみながら、ロスに以下のようなことを言います。
ウィル: Look at her standing there with those yams! My two greatest enemies, Ross: Rachel Green and complex carbohydrates. (あの(感謝祭の)サツマイモ(料理)を持って、あそこに立っているあいつ(彼女)を見ろよ! 俺の二大天敵だ、ロス。レイチェル・グリーンと複合炭水化物だよ。)
モニカとロスは、「ウィルが高校時代、レイチェルにいじめられていたこと」を知っているのですが、レイチェルを含め、他のフレンズたちはそのことを知りません。
ウィルはレイチェルに怒りの視線を向けながらも、みんな一緒のテーブルについて、感謝祭の料理を食べることになった場面。
レイチェル: Oh y'know what? Can we please keep the chicken and the turkey and everything on the other side of the table? The smell is just yuck! (ねぇ、そのチキンやターキーとかをテーブルの向こう側に置いていいわよね? その匂いがもう、ウェ〜!なの![気持ち悪いの!])
ウィル: (sneeze talks) Typical. ([くしゃみで(くしゃみのふりをして)しゃべる] ティピカル[典型的だな・象徴的だな]!)
レイチェル: I'm sorry. What? (えーっと、何?)
ウィル: I said it was typical. Typical of you, Rachel Green, Queen Rachel does whatever she wants in little Rachel-land. (Does a fake hair flip.) (ティピカル(典型的だ)と俺は言ったんだ。君の典型だよ(いかにも君らしいよ)、レイチェル・グリーン、レイチェル女王様は、レイチェル・ランドで、したいことを何でもするんだ。[髪をさっとなびかせる真似をする])
ジョーイ: (To Monica) Seriously, who is this guy? ([モニカに] まじで、この男、誰?)
レイチェル: Umm, I'm sorry. Do you-do you have a problem with me? (あの、、申し訳ないんだけど、あなたは、あなたは私に何か問題があるの?)
ウィル: I don't know? Do I? Do I? (僕にはわからないねぇ。あるかな? あるかな?)
フィービー: I think you do. (あると思うけど。)
モニカ: (To Rachel) Apparently you were umm, a little mean to him in high school. ([レイチェルに] どうやら、あなたは、その、、高校時代、彼にちょっといじわるだったようなのよ。)
ウィル: A little mean? You made my life miserable! (ちょっといじわる? 君は俺の人生をみじめにしたんだ!)
レイチェル: I'm-I'm-I had no idea. I'm sorry. I.... (私は、私は…私は何のことかわからないわ。ごめんなさい、私は…)
ウィル: Well, you should be. Screw it! Bring on the yams! (あぁ、君は申し訳ないと思うべきだ。ちくしょう! イモを持ってこい!)
モニカ: Oh, Will. But you-you've worked so hard.... (あぁ、ウィル。でもあなたは一生懸命頑張って…)
ウィル: Yams!!!! (イモだ!!)
モニカ: Okay. (Chandler grabs the dish from Monica and hands it to Will who starts dishing out a large helping.) (わかったわ。[チャンドラーはモニカから皿を受け取り、それをウィルに手渡す。ウィルは自分の取り分をどっさり皿に入れ始める])
まず、最初に取り上げた「二大天敵」のセリフについて。
yam というのは、「ヤムイモ」のことですが、アメリカでは「サツマイモ」のことも yam と言います。
ここでは、感謝祭のサツマイモ料理のことを yam と呼んでいるのですね。
レイチェルが、その料理のお皿を手に持っているのをにらみつけながら、ウィルは、「あのイモを持って、あそこに立っているレイチェルを見ろよ」と言いながら、My two greatest enemies という言葉を言っています。
「俺の最も大きな2つの敵」なので、日本語だと「二大天敵」というところですね。
その2つの天敵が、コロン(:)以下で説明されているのですが、1つ目はレイチェル・グリーンで、2つ目は complex carbohydrates 、つまり、「複合炭水化物」(コメやイモ類など)になります。
complex carbohydrates のような専門用語を使っているのがこのセリフのポイントで、ダイエットの時、それらの食品の摂取を控えるようにと医師に何度も言われたらしいことが想像できるわけですね。
感謝祭の食卓で、レイチェルは、Can we please keep... 以下の文章を言っています。
keep 以下の目的語が長いので構造がわかりにくいですが、要は、Can we please keep 〜 on the other side of the table? ということで、「〜をテーブルの反対側にキープする、反対側に置いておくことが私たちはできるわよね?」という感覚。
チキンやターキーやあれやこれやを、テーブルの向こう側に置いてもいいわよね?みたいなことです。
The smell is just yuck! の yuck は「ウェ〜、オェ〜、ゲェ〜!」みたいな、気持ち悪さや嫌悪を表す間投詞。なので、「その(食べ物の)匂いが、ただ、ウェ〜!って感じなのよ」と言っていることになります。
少し前のやりとりに出てきた、レイチェルは家禽類が嫌いだ、という話からも、チキンやターキーを嫌がる理由はわかりますし、レイチェルは今、妊娠中ですから、特に匂いに対して敏感なのもうなずける話です。
そういう意味では、まぁ、それほど、わがまま発言なわけでもないのでしょうが、レイチェルを心の底から憎んでいる(笑)ウィルは、くしゃみをしたようなふりをしながら、Typical. という言葉を発しています。
typical は「典型的な、象徴的な」という意味ですが、確かに、くしゃみみたいな感じで発音しているのが面白いですね。
自分の発言の直後に、くしゃみのようだけど、Typical と聞こえる言葉(笑)が聞こえてきたので、やはりそこにはレイチェルも引っかかったようで、レイチェルは、I'm sorry. What? と尋ねています。
この I'm sorry. は謝罪の「ごめんなさい」ではなく、相手の発言を聞き返す、問い返す時の「すみませんが(失礼ですが)、もう一度言って下さい。何ですって?」みたいなニュアンス。
自分の発言にレイチェルが気づいたと知って、ウィルは「俺は、典型的だと言ったんだ」と言って、その後も、レイチェルに対する憎悪を隠そうともせず、言葉を続けています。
君の典型だよね、いかにも君らしいよね、と言って、「クイーン・レイチェルは、リトル・レイチェル・ランドで、やりたいことを何でもする」と言います。
little Rachel-land の little には、「ちょっとした、とるに足りない、くだらない」という非難のニュアンスが含まれているのでしょう。
「レイチェル女王様は、ちっぽけな・くだらないレイチェル王国で、したいことを何でもするんだもんな」と言った感覚になりますね。
その後のト書きの Does a fake hair flip の flip は、「はじくこと、ぴょんと動かすこと」という感覚で、高慢ちきでプライドの高そうな女性が、どや顔で髪の毛をさっとなびかせる様子(笑)を、ウィルが真似てみせたことになります。
ロスとモニカは、ウィルがレイチェルを憎んでいることを知っているのですが、レイチェルを含め、他のフレンズたちは、そのことを全く知りません。
何だか急に、レイチェルに対して悪意に満ち溢れた言葉を発したので、明らかに様子がおかしいとみんなにもわかったようで、ジョーイは、「まじで、こいつ、誰?」と聞いているわけですが、このセリフは、seriously の部分がポイントですね。
今回のエピソードで、ジョーイがウィルのいる部屋に入ってきた時、ジョーイはターキーを丸ごと1匹食べないといけないのに、スナック菓子を食べていたことで、モニカに怒られていました。
その後、以下のようなやりとりがあったのですね。
ジョーイ: Don't worry, Tribbianis never get full. (心配すんな、トリビアーニ家の人間は決して満腹にならない。)
ウィル: I actually know what you're talking about. I'm here to tell you something, my friend, you can eat and eat and eat, but nothing will ever fill that void. (実は俺は、君の言っていることがよくわかるよ。わが友よ、俺はここで君にこう言うよ。食べて食べて食べて、、をすることは可能だけど、なにものも、その空虚感(むなしさ)を埋めることはないんだ。)
その発言に、「そうそう!」みたいにウィルを指さして微笑むものの、モニカの方を振り返ってから、背後のウィルを指で示しながら、
ジョーイ: (To Monica) Who the hell is this guy? ([モニカに] 一体、こいつは誰なんだ?)
その後、モニカが「高校時代の友人のウィルよ」と紹介して、二人は挨拶を交わすことになります。
ジョーイはただ、「満腹になるかどうか」の話をしているだけなのに、ウィルの方は、昔、大食いでものすごく太っていたこと、その後、必死にダイエットして今のような姿になったこと、という過去があるために、「腹いっぱいにならない」という発言を聞いて、「俺もその気持ちはよくわかる。食べても食べてもむなしさ(void)を埋めることはできないんだ。いつまで経っても満足できないんだ」と口を挟んだわけです。
その時は、普通に紹介し合って、特に問題もなかったのですが、ジョーイとしては、部屋に入ってきていきなり、空虚がどうの、という小難しい話をされたことで、「何だこいつ?」という第一印象は間違いなくあったわけですね。
そのように、今回のエピソードのあるシーンで、"Who the hell is this guy?" と一度尋ねた経緯があるので、今回の「レイチェル女王様は、、」発言に対して、「俺、さっきも聞いたけど、ほんとにまじで、こいつは誰? 一体何者?」みたいに言ったのが、Seriously のニュアンスになります。
コメディーの定番である、「少し前に出たネタを、後でまた使う」というパターンですね。
その後、レイチェルは、「あなたは私に何か問題でもあるの?」と尋ねると、ウィルは、「わからないね」と言いながらも、かなり興奮した様子で、Do I? Do I? と逆に聞き返しています。
ウィルにしてみたら、「問題あるかだなんて、もう、大ありだよ!」と言いたいところなのですが、レイチェルが全くそれに気づいていない様子なので、余計に腹が立ってきているわけです。
Do I? Do I? は、直前のレイチェルの質問を受けた形で、「俺は君について・君に対して、何か問題があるかな? あるかな?」と聞き返すニュアンスですが、疑問文で言いながらも、ウィルの本音は「あるに決まってるだろ?! 自分のしたことも忘れて、そんなことを質問するなんて、信じられないやつだ!」という気持ちですよね。
隣にいるフィービーが、激高した様子のウィルを見ながら、I think you do. と言うのも面白いです。
ウィルが疑問文で「あるかな?」と言ったので、「(あなたの様子を見ていると、間違いなく)あなたはレイチェルのことで問題があると思うわ」と、ウィルの質問に回答したかのようなセリフになっているわけですね。
誰が見ても、問題ありで、聞くまでもないことなのに、わざわざ、「うん、あるかと聞かれたら、あると思う」みたいにご丁寧に答えているのが、ちょっとピント外れのフィービーらしいところ。
レイチェルは、まだ状況が呑み込めていないようなので、事情を知っているモニカが説明することになります。
「どうやら、レイチェルは、高校時代、ウィルにちょっといじわる(a little mean)だったようなのよね」と、ちょっとボカした感じで説明するのですが、その表現にまたウィルは怒り出し、「ちょっといじわる、だったって? ちょっとどころじゃない、君は俺の人生をみじめ(不幸)にしたんだ!」と叫んでいます。
「俺の人生をみじめにしやがって!」みたいに言われてしまったレイチェルは、オロオロして、I have no idea. 「私には何のことか全くわからない」みたいに言って、I'm sorry. と言っています。
今回とりあげたやりとりでは、レイチェルが何度も I'm sorry. と言っていますが、今回のこれは、日本人がイメージする「ごめんなさい」の謝罪の I'm sorry. だと考えれば良いでしょうね。
レイチェルはまだ、高校時代に彼をいじめた記憶が全くよみがえっていない様子ですから、高校時代にいじめてごめんね、という感覚よりは、ウィルがそんなに怒っているんだから、きっと何か私は悪いことをしたのね、何も覚えてないけど、すっかり忘れてしまっていることを含めて、とにかくごめんなさい、みたいな気持ちで、I'm sorry. と言った気がします。
you should be. は、you should be sorry. ということで、「そうさ、君は sorry と思うべきだ」みたいなこと。
その後の、Screw it! について。
英辞郎には、
Screw it. =ちくしょう。/えーい、もうどうでもいい。
と出ています。
この screw は俗語で、卑語の f*ck のような意味です。
ですから、Screw it. は、F*ck it. と同じようなニュアンスですね。
Wiktionary : screw it では、以下のように説明されています。
Interjection
screw it!
(idiomatic, vulgar) Expression of frustration or contempt.
例) This mathematical problem is really difficult. Oh, screw it! I can't be bothered.
Synonyms: f*ck it (vulgar), f*ck this (vulgar), screw this (coarse), whatever
(注:卑語の f*ck は、私が伏字にしました)
つまり、screw it! は、「間投詞(イディオマティック、卑語) フラストレーション(欲求不満)、または、侮辱の表現」。例文は、「この数学の問題はほんとに難しい。あぁ、ちくしょう! めんどくさい」。
同義語(類義語)として、f*ck の使われた表現も挙げられていますよね。
Screw it! というキツい表現で、イライラをあらわにした後、ウィルは、Bring on the yams! と大声で叫んでいます。
これは、「サツマイモを持ってこい! サツマイモを出せ!」みたいなニュアンスですね。
今回の記事の最初でとりあげたセリフにあったように、ウィルは、自分にとっての二大天敵(My two greatest enemies)を、高校時代に自分をいじめた Rachel Green と、complex carbohydrates (複合炭水化物)だと言っていました。
ですから本来なら、まだダイエット中のウィルは、そういう炭水化物は食べないのですが、イライラが募って、我慢できなくなった様子が、"Bring on the yams!" というセリフからわかるわけです。
少し前のシーンで、イモは天敵だ、と言ったセリフが出てきた後だからこそ、このウィルのセリフに笑ってしまうのですね。
同じくダイエットで苦労したモニカは、同志(笑)として、「あぁ、ウィル、でもあなたは一生懸命頑張って、ダイエットしたのに…」みたいに言いかけるのですが、ウィルはモニカの発言を遮るように、Yams!!!! と叫ぶことになります。
ト書きにあるように、モニカがチャンドラーに、チャンドラーがウィルに、サツマイモ料理の皿を手渡すのですが、スプーンで料理を自分のお皿に、ベチャ、ベチャっと入れながらも、ウィルはレイチェルから視線を離さず、怖い顔で睨んでいます。
ト書きの helping は「食べ物の一杯、ひと盛り。一人前」のことで、dish out a large helping は「一人前を大量に、皿に取り分ける」という感覚になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
helping : the amount of food that you are given or that you take
例) He took a huge helping of potatoes.
つまり、「人が与えられる、または自分で取る、食べ物の量」。例文は、「彼は、自分の分のポテトを大量に取った」。
今回のセリフとロングマンの例文を比較すると、同じようなイモ類(笑)であること、そして、a large helping / a huge helping と似たような表現が使われていることが興味深いですね。
レイチェル役のジェニファー・アニストンの夫(その当時の夫、then husband ですが)で、大スターのブラピが、レイチェルをものすごく憎悪する役で登場し、ジェニファーに対して、ものすごい形相で睨んでいる姿には、観客も視聴者も大喜びだったことでしょう。
フレンズファンにとっては、実に楽しいエピソードです(^^)
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2014年03月17日
ゲットオーバーできない フレンズ8-9その3
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ロスの高校時代の同級生ウィル・カルバート(演じているのはブラッド・ピット)が、感謝祭にやってきて、モニカは、フレンズたちに彼を紹介しているところ。
モニカ: This is Phoebe. (こちらがフィービーよ。)
フィービー: (nonchalantly glancing) Hey. (Turns back around.) Wow! (Looks up.) Well done. ([無関心そうに、ちらっと見る] はい。[元の方に顔を向ける] ワオ! [(空を)見上げて] よくやった![よくできました!])
モニカ: (to Will) Wanna give me a hand? ([ウィルに] 手伝ってくれる?)
ウィル: Sure! Monica, I can't get over how great you look! You look stunning! (もちろん! モニカ、君がどんなに素敵かには、もうびっくりだよ! とっても魅力的だ!)
モニカ: Well, you look incredible too! You're just-you're so fit! (まぁ、あなたも信じられないほど素敵よ! あなたって…すっごくセクシー(魅力的)ね!)
チャンドラー: I'm watching the game, but I'm not deaf! (俺は試合を見てるけど、耳は聞こえてるよ!)
モニカは、ウィルをチャンドラーに紹介した後、次はフィービーに紹介しています。
フィービーは、モニカの手伝いから逃れるために、テレビのアメフトを見ているふりをしているので、紹介されても、そっけない感じで、ちらっと見て、Hey. と言うだけ、、だったのですが、ちらっと見た後、顔をテレビの方向に戻してその状態のまま、静かに Wow! と言うのが面白いです。
なにげにちらっと見ただけだったけど、今の人、すっごくかっこ良かったじゃん!と気づいた顔ですね。
ト書きの nonchalantly glancing について改めて見ておくと、nonchalant は「無頓着な、無関心な」という意味で、フランス語が起源の言葉。発音は「ノンシャラント」という感じ。
glance は「ちらりと見る、ひと目見る、一瞥(いちべつ)する」ということなので、nonchalantly glancing はまさにフィービーがやったような「無関心な感じで、一瞥する」ことを指すわけですね。
その後、ト書きにあるように、Looks up 「上を見上げて」、両手でサムアップしながら(親指を立てながら)、Well done. と言っています。
Well done. は「よくやった。よくできました」という感じですが、ト書きの Looks up がポイントで、これは天国にいる神様に対してそう言った、という感覚ですね。
DVDの日本語訳も、
(字幕) よく創った/(音声) 神様、よくぞ、創った!
となっていましたが、まさにそういうニュアンスで、「これほどのハンサムをよくぞ創りたもうた!」みたいな気持ちの Well done! なわけです。
その後、モニカはウィルに手伝いをお願いすることになるのですが、その間もずっと、You look... という「外見、見かけに対する褒め言葉」が延々続きます。
ウィルもモニカも、高校時代ものすごく太っていた、そして二人ともダイエットに成功して魅力的になったことを、お互いたたえ合っているわけですね。
まず、I can't get over how great you look! の get over について。
get over は「乗り越える、乗り切る」「克服する、回復する」などの意味がありますが、can't get over の形になった場合には、「乗り越えることができない、克服することができない」という意味から、「…に全く驚いている」という意味になるようです。
「すっと流せない、こだわらずにはいられない」みたいなことでしょうか。
研究社 新英和中辞典では、以下のように出ています。
(4) [通例 I [we] can't 〜 over…で] 《口語》 …に(まったく)驚いている
I just can't get over Jane’s cheek [Jane behaving like that]. ジェーンの厚かましさ[あのふるまい]にはまったく驚くよ。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
somebody can't/couldn't get over something : (spoken) used to say that someone is very surprised, shocked, or amused by something
例) I can't get over how thin you are!
つまり、「人が何かにとても驚いている、ショックを受けている、または楽しんでいることを言うために使われる」。例文は、「あなたがすっごく痩せてることにびっくりよ!」
上のロングマンの例文は、偶然にも、今回のエピソードの「ダイエットに成功した人」に対するぴったりの例文になっていますが^^、ウィルのセリフと同じように、I can't get over how 形容詞 you 動詞! の形になっているのが、興味深いです。
「君がどんなに・どれほど〜であるかに、とても驚いているよ」という構造でよく使われるということでしょうね。
look に続く形容詞は、great の他に、stunning, incredible, (so) fit などが使われています。
stunning は、stun 「気絶させる」から来た言葉で、「気絶させるほど、ぼうっとさせるほど、非常に魅力的である」という意味。
stun は、stun gun 「スタンガン」のスタンですね。
incredible は「信じられない」で、褒め言葉だと「信じられないくらいすごい、素晴らしい」という意味になります。
fit も同じような褒め言葉で使われていることを考えると、以下の語義が当てはまりそうです。
Macmillan Dictionary では、
fit [adjective] : (INFORMAL) sexually attractive: used mainly by young people
つまり、「性的に魅力的。主に若い人々に使われる(言葉)」。
そんな風に、お互いの外見を褒め合っている二人ですが、チャンドラーはテレビの前に座りながら、I'm watching the game, but I'm not deaf! と言っています。
deaf は「耳の不自由な、耳が聞こえない」ということですから、I'm not deaf! は「俺は耳が聞こえないことはない。耳は聞こえてるよ。君らの会話は丸聞こえだよ」と言っていることになります。
「俺は試合に夢中だと言ったし、実際、こうしてテレビは見てるけど、耳はちゃんと聞こえてるんだからな!」と言って、夫の前で他の男性(しかも超イケメンw)と褒め合いっこをして仲良くしていることに、やきもちをやいて、怒っているわけですね。
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モニカ: This is Phoebe. (こちらがフィービーよ。)
フィービー: (nonchalantly glancing) Hey. (Turns back around.) Wow! (Looks up.) Well done. ([無関心そうに、ちらっと見る] はい。[元の方に顔を向ける] ワオ! [(空を)見上げて] よくやった![よくできました!])
モニカ: (to Will) Wanna give me a hand? ([ウィルに] 手伝ってくれる?)
ウィル: Sure! Monica, I can't get over how great you look! You look stunning! (もちろん! モニカ、君がどんなに素敵かには、もうびっくりだよ! とっても魅力的だ!)
モニカ: Well, you look incredible too! You're just-you're so fit! (まぁ、あなたも信じられないほど素敵よ! あなたって…すっごくセクシー(魅力的)ね!)
チャンドラー: I'm watching the game, but I'm not deaf! (俺は試合を見てるけど、耳は聞こえてるよ!)
モニカは、ウィルをチャンドラーに紹介した後、次はフィービーに紹介しています。
フィービーは、モニカの手伝いから逃れるために、テレビのアメフトを見ているふりをしているので、紹介されても、そっけない感じで、ちらっと見て、Hey. と言うだけ、、だったのですが、ちらっと見た後、顔をテレビの方向に戻してその状態のまま、静かに Wow! と言うのが面白いです。
なにげにちらっと見ただけだったけど、今の人、すっごくかっこ良かったじゃん!と気づいた顔ですね。
ト書きの nonchalantly glancing について改めて見ておくと、nonchalant は「無頓着な、無関心な」という意味で、フランス語が起源の言葉。発音は「ノンシャラント」という感じ。
glance は「ちらりと見る、ひと目見る、一瞥(いちべつ)する」ということなので、nonchalantly glancing はまさにフィービーがやったような「無関心な感じで、一瞥する」ことを指すわけですね。
その後、ト書きにあるように、Looks up 「上を見上げて」、両手でサムアップしながら(親指を立てながら)、Well done. と言っています。
Well done. は「よくやった。よくできました」という感じですが、ト書きの Looks up がポイントで、これは天国にいる神様に対してそう言った、という感覚ですね。
DVDの日本語訳も、
(字幕) よく創った/(音声) 神様、よくぞ、創った!
となっていましたが、まさにそういうニュアンスで、「これほどのハンサムをよくぞ創りたもうた!」みたいな気持ちの Well done! なわけです。
その後、モニカはウィルに手伝いをお願いすることになるのですが、その間もずっと、You look... という「外見、見かけに対する褒め言葉」が延々続きます。
ウィルもモニカも、高校時代ものすごく太っていた、そして二人ともダイエットに成功して魅力的になったことを、お互いたたえ合っているわけですね。
まず、I can't get over how great you look! の get over について。
get over は「乗り越える、乗り切る」「克服する、回復する」などの意味がありますが、can't get over の形になった場合には、「乗り越えることができない、克服することができない」という意味から、「…に全く驚いている」という意味になるようです。
「すっと流せない、こだわらずにはいられない」みたいなことでしょうか。
研究社 新英和中辞典では、以下のように出ています。
(4) [通例 I [we] can't 〜 over…で] 《口語》 …に(まったく)驚いている
I just can't get over Jane’s cheek [Jane behaving like that]. ジェーンの厚かましさ[あのふるまい]にはまったく驚くよ。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
somebody can't/couldn't get over something : (spoken) used to say that someone is very surprised, shocked, or amused by something
例) I can't get over how thin you are!
つまり、「人が何かにとても驚いている、ショックを受けている、または楽しんでいることを言うために使われる」。例文は、「あなたがすっごく痩せてることにびっくりよ!」
上のロングマンの例文は、偶然にも、今回のエピソードの「ダイエットに成功した人」に対するぴったりの例文になっていますが^^、ウィルのセリフと同じように、I can't get over how 形容詞 you 動詞! の形になっているのが、興味深いです。
「君がどんなに・どれほど〜であるかに、とても驚いているよ」という構造でよく使われるということでしょうね。
look に続く形容詞は、great の他に、stunning, incredible, (so) fit などが使われています。
stunning は、stun 「気絶させる」から来た言葉で、「気絶させるほど、ぼうっとさせるほど、非常に魅力的である」という意味。
stun は、stun gun 「スタンガン」のスタンですね。
incredible は「信じられない」で、褒め言葉だと「信じられないくらいすごい、素晴らしい」という意味になります。
fit も同じような褒め言葉で使われていることを考えると、以下の語義が当てはまりそうです。
Macmillan Dictionary では、
fit [adjective] : (INFORMAL) sexually attractive: used mainly by young people
つまり、「性的に魅力的。主に若い人々に使われる(言葉)」。
そんな風に、お互いの外見を褒め合っている二人ですが、チャンドラーはテレビの前に座りながら、I'm watching the game, but I'm not deaf! と言っています。
deaf は「耳の不自由な、耳が聞こえない」ということですから、I'm not deaf! は「俺は耳が聞こえないことはない。耳は聞こえてるよ。君らの会話は丸聞こえだよ」と言っていることになります。
「俺は試合に夢中だと言ったし、実際、こうしてテレビは見てるけど、耳はちゃんと聞こえてるんだからな!」と言って、夫の前で他の男性(しかも超イケメンw)と褒め合いっこをして仲良くしていることに、やきもちをやいて、怒っているわけですね。
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2014年03月14日
隣に立たない方がエゴのために良い フレンズ8-9その2
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モニカが感謝祭の準備をしているところに、ノックの音。ドアを開けると立っていたのは、ロスの高校時代の同級生だというウィル・カルバートだったのですが、そのウィルを演じているのは、あの(!)ブラッド・ピットです。
それで今回のエピソードの邦題が『ブラピの「ヘイト・クラブ」』になっているのですね。
「ヘイト・クラブ」という言葉は、後のシーンで、"I Hate ***(人物名) Club" という形で登場するものですが、この邦題は、ブラピの映画「ファイト・クラブ」(原題:Fight Club)をもじったものですね^^
このエピソード放映当時(2001年)は、ブラピはレイチェル役のジェニファー・アニストンと結婚していましたので(残念ながら、その後、離婚してしまいましたが、、)、アニストンの夫であり、大スターでもあるブラピのゲスト出演にはファンも大喜びで、登場した瞬間の歓声もひときわ大きくなっています。
ウィル: Happy Thanksgiving! (感謝祭おめでとう!)
モニカ: Aww thanks! God, Will, I'm so glad that you came! You just... You look great! You must've lost like-- (あぁ、ありがとう! あぁ、ウィル、あなたが来てくれてすごく嬉しいわ! 素敵よ! 体重を減らしたに違いないわね、そう、何ポンドくらいかしら…)
ウィル: 150 pounds. Yeah, I'm gonna be in one of those Subway sandwich commercials. (150ポンド[68キロ]だ。そうさ、俺は、例のサブウェイ・サンドイッチのコマーシャルに出ることになるね。)
モニカ: A pie! (Will brought a pie.) (パイね[パイを持ってきてくれたのね]! [ウィルはパイを持ってきた])
ウィル: Oh right. All right, it's no fat, it's no sugar, it's no dairy... it's no good. Throw it out. (あぁ、そうだよ。脂肪なし、砂糖なし、乳製品なし… 全然おいしくない。捨てちゃって。)
モニカ: You wanna meet some people? This is uh, this is my husband, Chandler. Chandler, this is Will. (みんなに紹介しましょうか? こちらが私の夫のチャンドラー。チャンドラー、こちらがウィルよ。)
ウィル: Hey. (やあ。)
チャンドラー: Oh, hey. I'd shake your hand but uh, I'm really into the game. Plus, I think it'd be better for my ego if we didn't stand right next to each other. (やあ。握手したいところだけど、でも、俺はすごく試合に熱中しててね。プラス、お互いが真横に立たない方が、俺のエゴのためには良いと思うんだ。)
モニカは、ドアの外に立っているウィル(ブラッド・ピット)を見て、「来てくれて嬉しいわ」と言っています。
You look great! を直訳すると、「あなたは great に見える、あなたの見た目は great である」ということですね。
You are great! なら、「あなたって素敵!」のように、相手の性格・人格を含めて、全体を褒めた感じですが、You look great! と look が使われている場合は、「相手がそう見える」という見た目、見かけ、外見の話をしていることになります。
この後のやりとりでも、モニカとウィルの間で、You look...! というフレーズが何度も何度も使われることになりますが、モニカとウィルは、高校時代、お互い、超太っていた(笑)、それが今は、二人ともスリムになって魅力的な外見になっている、という意識がものすごくあるために、You look...! という外見についての褒め言葉をお互い言いまくることになるわけですね。
You must've lost like-- は、「あなたは(そうね、〜キロぐらい)、体重を減らした・落としたに違いない」というニュアンス。
lose weight は「体重を減らす、減量する」という決まり文句なので、「(見た目が)すごく素敵!」というセリフの後に、「減らしたに違いない(must have lost)」とくれば、それが減量の話であることは明白ですよね。
like-- 「そうね、〜ポンドくらいかしら」と、落とした体重の数値がその後に続くような言い方をしたので、ウィルはそれを引き取る形で、「そう、150ポンド、減量したんだ」と答えることになります。
Google のサーチボックスに「150ポンド」と入れると、
150ポンド = 68.0388555 キログラム
と表示されました。(便利な世の中だw)
1pound は、約 0.454 kg ですね。
68キロも減量したんだ、と言った後、「俺は例の Subway sandwich commercials の一つに出ることになる」みたいに言っています。
そのコマーシャルそのものが具体的にどんなものか知らなくても、「ものすごく減量したから、あのCMに出られる」という話の流れから、「減量した人がフィーチャーされた、そういうCMが存在する」ということは想像できますね。
Subway というのは、日本にも展開している、サンドウィッチのチェーン、サブウェイ(SUBWAY)のこと。
Wikipedia 英語版: Subway (restaurant) の Advertising (宣伝)の項目のすぐ下に、See also: Jared Fogle というリンクがあります。
そのリンク先が、Wikipedia 英語版: Jared Fogle で、その最初の説明を以下に引用させていただくと、
Jared S. Fogle (born December 1, 1977), also known as the Subway Guy, is a spokesman employed by Subway in its advertising campaigns. He is known for his significant weight loss, now known as the "Subway diet," attributed to eating Subway sandwiches, which led to his role promoting the company.
以下に訳を書かせていただきますと、
「ジャレド・S・フォーグル(1977年12月1日生まれ)、別名サブウェイ・ガイ、は、広告キャンペーンでサブウェイに雇われたスポークスマンである。彼は、今は「サブウェイ・ダイエット」として知られている、サブウェイ・サンドイッチを食べることに起因した大幅な減量で有名である。そのことが、サブウェイという会社を宣伝するという彼の役目に繋がった。」
サブウェイの公式サイトには、Jared's Journey というジャレドのページも存在しています。
そんな風に、「サブウェイ・サンドイッチを食べて痩せた!」というジャレドのCMが有名なので、大幅に減量したというウィルも、「俺もあのCMに出られるね」と言ってみせたことになります。
ちなみに、このサブウェイ・ガイの名前は、ジャレド(Jared)だと説明しましたが、今回のエピソードのオープニング前のシーンで、以下のやりとりがありました。
モニカが、ウィルのことを説明した時に、
レイチェル: Wow! I don't remember him. Honey, are you sure you're not talking about your imaginary boyfriend. (まぁ! 彼(ウィル)のこと、私は覚えてないわ。ハニー、あなたの空想(上)のボーイフレンドのことを話してるんじゃないわよね?)
モニカ: No, that was Jared! Wow! Haven't thought about him in a long time.... (Stares off into the distance lost in thought.) (いいえ、それはジャレドだったわ! 彼のこと、長い間、思い出してなかったわ…。[遠くを見つめて、物思いにふける])
モニカが太っていた時のイマジナリィ・ボーイフレンドの名前が Jared だと言っていますが、今回、ウィルが話題に出した、サブウェイのCMの男性の名前も、Jared ですよね。
空想上の彼氏の名前ですから、どんな名前でもオッケーなわけですし、そこをあえて、Jared という名前にしたのは、「ダイエットつながり」のネタ、、というか、少し後で Jared のCMの話が出てくることの伏線なのかなぁ、と思ったりしました^^
ウィルは片手にパイを持っています。
「まぁ、パイを持ってきてくれたのね!」と喜ぶモニカに、ウィルはそのパイの説明をするのですが、fat, sugar, dairy 「脂肪、砂糖、乳製品」なしのパイで、no good 「全然良くない、おいしくない」、だから、Throw it out. 「捨てちゃって」みたいに言うのが面白いですね。
「ウィルは、減量したとはいえ、まだダイエットは継続中」であることが、そういうパイを持参したことからもよくわかります。
You wanna meet some people? を直訳すると、「ある何人かの人々に会いたい?」みたいなことですが、それはつまり、ここの人たちに会って挨拶したいわよね、だからみんなを紹介するわね、ということ。
まずは夫のチャンドラーを紹介したモニカですが、チャンドラーは、テレビの前のソファのところで立ち上がるものの、その場を動かずに、あるセリフを言っています。
そのチャンドラーのセリフ、I'd shake your hand but uh, I'm really into the game. について。
前半の、I'd shake your hand の would が、ノンネイティブにはなかなかトリッキーですね。
I'd は、I would ということですが、これは「(状況が許せば)俺は君と握手するだろう」みたいな仮定のニュアンスが入っていると考えると理解しやすいでしょうか。
「握手するつもりはあるんだけど、握手したいところだけど」、「でも俺は(今)すっごく(アメフトの)試合に熱中してるんで(そっちに挨拶に行けないんだ)」みたいな流れになります。
DVDの日本語訳も、
(字幕) 握手したいが 試合に夢中でね/(音声) 握手したいところだけど、試合に夢中でね
となっていました。
その後、Plus 「プラス、それに加えて」と言って、セリフを続けています。
I think it'd be better for my ego if we didn't stand right next to each other. は、最初に I think がついていますが、it'd be better... if we didn't... というのは仮定法過去ですね。
it'd be better 以下を直訳すると、「もし俺たち(君と俺)がお互いの真隣に(並んで)立たないなら、それは俺のエゴにとって、より良い」になるでしょう。
ego は「エゴ」と日本語にもなっていますが「自我」「自尊心、自負心」みたいなことですね。
Macmillan Dictionary では、
ego : the opinion that you have of yourself and your own importance
つまり、「自分が自分自身にについて、または自分自身の重要性について持っている意見(評価)」。
チャンドラーは、「俺は君のすぐ隣に並んだりしない方が、俺の自我・自尊心にとってはより良い」と言いたいのですね。
ブラピが演じるウィルのことを、男性のチャンドラーもイケメンだと思っていて、「君の隣に行って並ばない方が、俺のためだと思うから」と言って、テレビの前から動かずにいる、ということになります。
そう言いながら、チャンドラーはソファに座るのですが、目をむいてウィルの方をにらんでいます。
妻モニカが、ハンサムなウィルと仲良く話しているのが面白くない、、という顔ですね^^
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モニカが感謝祭の準備をしているところに、ノックの音。ドアを開けると立っていたのは、ロスの高校時代の同級生だというウィル・カルバートだったのですが、そのウィルを演じているのは、あの(!)ブラッド・ピットです。
それで今回のエピソードの邦題が『ブラピの「ヘイト・クラブ」』になっているのですね。
「ヘイト・クラブ」という言葉は、後のシーンで、"I Hate ***(人物名) Club" という形で登場するものですが、この邦題は、ブラピの映画「ファイト・クラブ」(原題:Fight Club)をもじったものですね^^
このエピソード放映当時(2001年)は、ブラピはレイチェル役のジェニファー・アニストンと結婚していましたので(残念ながら、その後、離婚してしまいましたが、、)、アニストンの夫であり、大スターでもあるブラピのゲスト出演にはファンも大喜びで、登場した瞬間の歓声もひときわ大きくなっています。
ウィル: Happy Thanksgiving! (感謝祭おめでとう!)
モニカ: Aww thanks! God, Will, I'm so glad that you came! You just... You look great! You must've lost like-- (あぁ、ありがとう! あぁ、ウィル、あなたが来てくれてすごく嬉しいわ! 素敵よ! 体重を減らしたに違いないわね、そう、何ポンドくらいかしら…)
ウィル: 150 pounds. Yeah, I'm gonna be in one of those Subway sandwich commercials. (150ポンド[68キロ]だ。そうさ、俺は、例のサブウェイ・サンドイッチのコマーシャルに出ることになるね。)
モニカ: A pie! (Will brought a pie.) (パイね[パイを持ってきてくれたのね]! [ウィルはパイを持ってきた])
ウィル: Oh right. All right, it's no fat, it's no sugar, it's no dairy... it's no good. Throw it out. (あぁ、そうだよ。脂肪なし、砂糖なし、乳製品なし… 全然おいしくない。捨てちゃって。)
モニカ: You wanna meet some people? This is uh, this is my husband, Chandler. Chandler, this is Will. (みんなに紹介しましょうか? こちらが私の夫のチャンドラー。チャンドラー、こちらがウィルよ。)
ウィル: Hey. (やあ。)
チャンドラー: Oh, hey. I'd shake your hand but uh, I'm really into the game. Plus, I think it'd be better for my ego if we didn't stand right next to each other. (やあ。握手したいところだけど、でも、俺はすごく試合に熱中しててね。プラス、お互いが真横に立たない方が、俺のエゴのためには良いと思うんだ。)
モニカは、ドアの外に立っているウィル(ブラッド・ピット)を見て、「来てくれて嬉しいわ」と言っています。
You look great! を直訳すると、「あなたは great に見える、あなたの見た目は great である」ということですね。
You are great! なら、「あなたって素敵!」のように、相手の性格・人格を含めて、全体を褒めた感じですが、You look great! と look が使われている場合は、「相手がそう見える」という見た目、見かけ、外見の話をしていることになります。
この後のやりとりでも、モニカとウィルの間で、You look...! というフレーズが何度も何度も使われることになりますが、モニカとウィルは、高校時代、お互い、超太っていた(笑)、それが今は、二人ともスリムになって魅力的な外見になっている、という意識がものすごくあるために、You look...! という外見についての褒め言葉をお互い言いまくることになるわけですね。
You must've lost like-- は、「あなたは(そうね、〜キロぐらい)、体重を減らした・落としたに違いない」というニュアンス。
lose weight は「体重を減らす、減量する」という決まり文句なので、「(見た目が)すごく素敵!」というセリフの後に、「減らしたに違いない(must have lost)」とくれば、それが減量の話であることは明白ですよね。
like-- 「そうね、〜ポンドくらいかしら」と、落とした体重の数値がその後に続くような言い方をしたので、ウィルはそれを引き取る形で、「そう、150ポンド、減量したんだ」と答えることになります。
Google のサーチボックスに「150ポンド」と入れると、
150ポンド = 68.0388555 キログラム
と表示されました。(便利な世の中だw)
1pound は、約 0.454 kg ですね。
68キロも減量したんだ、と言った後、「俺は例の Subway sandwich commercials の一つに出ることになる」みたいに言っています。
そのコマーシャルそのものが具体的にどんなものか知らなくても、「ものすごく減量したから、あのCMに出られる」という話の流れから、「減量した人がフィーチャーされた、そういうCMが存在する」ということは想像できますね。
Subway というのは、日本にも展開している、サンドウィッチのチェーン、サブウェイ(SUBWAY)のこと。
Wikipedia 英語版: Subway (restaurant) の Advertising (宣伝)の項目のすぐ下に、See also: Jared Fogle というリンクがあります。
そのリンク先が、Wikipedia 英語版: Jared Fogle で、その最初の説明を以下に引用させていただくと、
Jared S. Fogle (born December 1, 1977), also known as the Subway Guy, is a spokesman employed by Subway in its advertising campaigns. He is known for his significant weight loss, now known as the "Subway diet," attributed to eating Subway sandwiches, which led to his role promoting the company.
以下に訳を書かせていただきますと、
「ジャレド・S・フォーグル(1977年12月1日生まれ)、別名サブウェイ・ガイ、は、広告キャンペーンでサブウェイに雇われたスポークスマンである。彼は、今は「サブウェイ・ダイエット」として知られている、サブウェイ・サンドイッチを食べることに起因した大幅な減量で有名である。そのことが、サブウェイという会社を宣伝するという彼の役目に繋がった。」
サブウェイの公式サイトには、Jared's Journey というジャレドのページも存在しています。
そんな風に、「サブウェイ・サンドイッチを食べて痩せた!」というジャレドのCMが有名なので、大幅に減量したというウィルも、「俺もあのCMに出られるね」と言ってみせたことになります。
ちなみに、このサブウェイ・ガイの名前は、ジャレド(Jared)だと説明しましたが、今回のエピソードのオープニング前のシーンで、以下のやりとりがありました。
モニカが、ウィルのことを説明した時に、
レイチェル: Wow! I don't remember him. Honey, are you sure you're not talking about your imaginary boyfriend. (まぁ! 彼(ウィル)のこと、私は覚えてないわ。ハニー、あなたの空想(上)のボーイフレンドのことを話してるんじゃないわよね?)
モニカ: No, that was Jared! Wow! Haven't thought about him in a long time.... (Stares off into the distance lost in thought.) (いいえ、それはジャレドだったわ! 彼のこと、長い間、思い出してなかったわ…。[遠くを見つめて、物思いにふける])
モニカが太っていた時のイマジナリィ・ボーイフレンドの名前が Jared だと言っていますが、今回、ウィルが話題に出した、サブウェイのCMの男性の名前も、Jared ですよね。
空想上の彼氏の名前ですから、どんな名前でもオッケーなわけですし、そこをあえて、Jared という名前にしたのは、「ダイエットつながり」のネタ、、というか、少し後で Jared のCMの話が出てくることの伏線なのかなぁ、と思ったりしました^^
ウィルは片手にパイを持っています。
「まぁ、パイを持ってきてくれたのね!」と喜ぶモニカに、ウィルはそのパイの説明をするのですが、fat, sugar, dairy 「脂肪、砂糖、乳製品」なしのパイで、no good 「全然良くない、おいしくない」、だから、Throw it out. 「捨てちゃって」みたいに言うのが面白いですね。
「ウィルは、減量したとはいえ、まだダイエットは継続中」であることが、そういうパイを持参したことからもよくわかります。
You wanna meet some people? を直訳すると、「ある何人かの人々に会いたい?」みたいなことですが、それはつまり、ここの人たちに会って挨拶したいわよね、だからみんなを紹介するわね、ということ。
まずは夫のチャンドラーを紹介したモニカですが、チャンドラーは、テレビの前のソファのところで立ち上がるものの、その場を動かずに、あるセリフを言っています。
そのチャンドラーのセリフ、I'd shake your hand but uh, I'm really into the game. について。
前半の、I'd shake your hand の would が、ノンネイティブにはなかなかトリッキーですね。
I'd は、I would ということですが、これは「(状況が許せば)俺は君と握手するだろう」みたいな仮定のニュアンスが入っていると考えると理解しやすいでしょうか。
「握手するつもりはあるんだけど、握手したいところだけど」、「でも俺は(今)すっごく(アメフトの)試合に熱中してるんで(そっちに挨拶に行けないんだ)」みたいな流れになります。
DVDの日本語訳も、
(字幕) 握手したいが 試合に夢中でね/(音声) 握手したいところだけど、試合に夢中でね
となっていました。
その後、Plus 「プラス、それに加えて」と言って、セリフを続けています。
I think it'd be better for my ego if we didn't stand right next to each other. は、最初に I think がついていますが、it'd be better... if we didn't... というのは仮定法過去ですね。
it'd be better 以下を直訳すると、「もし俺たち(君と俺)がお互いの真隣に(並んで)立たないなら、それは俺のエゴにとって、より良い」になるでしょう。
ego は「エゴ」と日本語にもなっていますが「自我」「自尊心、自負心」みたいなことですね。
Macmillan Dictionary では、
ego : the opinion that you have of yourself and your own importance
つまり、「自分が自分自身にについて、または自分自身の重要性について持っている意見(評価)」。
チャンドラーは、「俺は君のすぐ隣に並んだりしない方が、俺の自我・自尊心にとってはより良い」と言いたいのですね。
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過去記事のリンク修正完了しました
事務的なお知らせとなりますが、このブログの各記事から張っている、過去記事へのリンクURL の修正が全て完了しました。
ちょうど1か月前の 2月14日に、au が提供するブログサービス「LOVELOG」から、現在の Seesaa ブログへの引っ越しを行ないました。
ブログの引っ越しそのものは、手続きを踏めば、ブログサービス側でほとんどの作業をしてくれるため、思ったよりもスムーズに作業は完了しました。
ただ、自分のブログの各記事から、自分の過去記事に向けて張っているリンクURL は、自動的に新しい URL に変わってくれるはずもなく(笑)、引っ越し後は、多くの方が目次代わりに使って下さっている、INDEX のリンク修正を最優先で行ないました。
それは、結構早く作業が終わったのですが、その後、一番最初の記事から順番に、各記事内に張ってあるリンクの URL をちまちまと(笑)修正していて、ようやく、引っ越しから1か月後の今日、3月14日に、すべてのリンクが修正されたことをこうしてご報告することができました、ということです。
なお、修正は完了したとは言うものの、URL を間違えているとか、修正漏れなども、いくつかあるかもしれません。
リンク先にジャンプしたら、表示のタイトルとは別の解説記事にジャンプしてしまった、、などの不具合が発見された場合には、お手数ですが、コメント欄なりで、私に教えていただけるとありがたいです。
「フレンズ」のような、何シーズンにも渡るシリーズ物のドラマで英語を学ぶ際には、「前にも同じような表現が出てきた」とか、「前にもこの単語を見たけど、ちょっと意味が違ってた」とか、そういう「以前の使用例と見比べること」が大切だと私は思っています。
ある単語、あるフレーズ、ある構文を、似たものと比較することで、よりそのイメージが強固になりますし、また意味の広がりや応用例を知ることもできるようになります。
そういう私のポリシーがあるために、やたらと「自分の過去記事へリンクを張る」ということをたくさんやってきた結果、思わぬ引っ越しのおかげで、その修正に時間がかかってしまったわけですが(笑)、これでようやく、前のブログと同じ状態に戻った、と言えることになります。
幸いなことに、前のブログと比べて、「ブログの動作が明らかに軽くなった、早くなった」ということを、引っ越し後はいつも感じています。
リンクも修正できたことですし、ブログが軽くなったことで、前よりももっと使い勝手の良いブログになってくれるといいな、と思っています。
個人的には、自分の過去記事を古い物から順番にチェックして行く中で、懐かしいコメントに出会えたり、自分の成長を感じられたり、、と、非常に良い経験をすることができました。
自分のブログを振り返る、良い機会を与えていただけたわけですから、今までの蓄積を無駄にすることなく、また、今までよりももっともっと良い記事が書けるように頑張りますね!
これからも、皆さま、どうかよろしくお願いします(^^)
取り急ぎ、リンク修正完了のお知らせまで。
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2014年03月12日
たまには言ってもバチは当たらない フレンズ8-9その1
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シーズン8 第9話
The One With the Rumor (ブラピの「ヘイト・クラブ」)
原題は「噂の話」
今回のエピソードは感謝祭のお話で、モニカはレイチェルに「同じ高校の、ウィル・カルバートも招待してるの」と説明します。
「ウィルはロスのクラスメートで、すっごく太ってた人よ」とモニカは説明するのですが、レイチェルは全く記憶にない様子。
モニカ: Oh, and by the way, he's lost a bunch of weight. I mean he looks goo-ood! Okay, I mean really, really gorgeous! (Joey clears his throat.) I still love Chandler. (あぁ、ところで、ウィルはすごく体重を落としたのよ。で、(今の)彼の見た目はイケてるの! そうよ、ほんとにほんとに、かっこいいの! [ジョーイが咳払いをする] 私は今でもチャンドラーを愛してるわよ!)
ジョーイ: Wouldn't hurt you to say it once in a while. (それをたまに言ってもいいんじゃないか?[言っても何も困らないだろ? 罰(バチ)は当たらないだろ? 言っても減るもんじゃなし])
モニカ: All right, okay, just so you know, I'm not gonna make a turkey this year. (いいわ、で、一言、言っとくけど、今年は、ターキー(七面鳥)を作らない(焼かない)からね。)
ジョーイ: What?! (何だって?)
モニカ: Well, Phoebe doesn't eat turkey.... (だって、フィービーはターキーを食べないし…)
ジョーイ: Phoebe! (フィービー!)
フィービー: Turkeys are beautiful, intelligent animals! (ターキーは、美しくて、賢い動物よ!)
ジョーイ: No, they're not! They're ugly and stupid and delicious! (いいや、違うね! ターキーは醜くて、愚かで、おいしいんだ!)
モニカ: All right! Okay, it's not just Phoebe. Will's still on a diet, Chandler doesn't eat Thanksgiving food, and Rachel's having her aversion to poultry. (わかった。フィービーだけのことじゃないのよ。ウィルはまだダイエット中だし、チャンドラーは感謝祭料理を食べないし、レイチェルは家禽類(鳥肉)が嫌い(苦手)だし。)
ジョーイ: She is? (レイチェルは鳥肉が嫌いなの?)
レイチェル: Yeah. Remember I had to leave the room the other day when you had that roast chicken? (そうよ。覚えてる? 私があの日、部屋を出ないといけなかったこと、ジョーイがあのローストチキンを食べた時よ。)
ジョーイ: Yeah. But I thought that was because I put the whole thing on my hand and made it walk across the table. (ああ(覚えてるよ)。でもそれは、俺が手にチキンを丸ごとつけて、テーブルの上を(横切るように)歩かせたからだと思ってた。)
モニカ: Anyway, it just doesn't seem worth it to make a whole turkey for just three people. Okay? It's a lot of work. (とにかく、たった3人のために、まるまる1匹のターキーを作る価値なんかない、って思えるの、いい? 大変な仕事なんだから。)
モニカは、「ウィルは昔、ものすごく太ってたけど、今はものすごく体重を減らした、落とした」と説明します。
痩せたおかげで、彼は、looks goo-ood! really, really gorgeous だと、モニカは嬉しそうに話していますね。
グッドを、グゥゥーッド!と大袈裟に言ったり、gorgeous という言葉を使ったりしていることからも、今のウィルってすっごくかっこいいのよ!と力説していることがわかります。
それを聞いていたジョーイが咳払いをしたのに気づいたモニカは、I still love Chandler. 「私は今も(今でもまだ)チャンドラーを愛してるわよ」と言います。
チャンドラーの親友であるジョーイが、「他の男のことをそんなにベタホメしてるけど、夫のチャンドラーのこと、モニカは忘れてない?」という感じで咳払いをしたことがわかったので、モニカは、「もちろん、チャンドラーのことは今でもちゃんと愛してるわよ」みたいに返事したのですね。
次のジョーイのセリフ、Wouldn't hurt you to say it once in a while. について。
これは、It wouldn't hurt you to say it once in a while. ということで、直訳すると、「それをたまに言うことが、君を傷つけることはないだろう」ということ。
say it の it は、モニカのセリフ、I (still) love Chandler. を指していて、「チャンドラーを愛してる、とモニカがたまに言うことで、モニカが傷つくことはないだろう」という感覚ですね。
つまり、「他の男ばかり褒めちぎって、チャンドラーへの言葉が全く出てこないけど、たまにはチャンドラーを愛してる、って言ってもいいんじゃないのか? 言っても罰(バチ)は当たらないだろ、そう言っても何も困らないだろ、言っても減るもんじゃなし」みたいに言ったことになります。
これと非常に良く似た表現は、すでにシーズン2のセリフに登場していました。
フレンズ2-16その14 で、ジョーイが引っ越しを考えているのではないか、とチャンドラーが指摘した時のセリフに、
チャンドラー: It wouldn't kill you to say it once in a while. (たまにそう言っても、命までは取られないよ。)
というのがありました。
この時は、hurt 「傷つける」ではなく、kill 「殺す」が使われていますので、「たまにそういうことを言っても、それがお前を殺すことはないよ」→「お前の命までは取られないよ」と言っている感覚になります。
このように、hurt や kill など、「使われている動詞のバージョン違いのセリフ」に出会うと、「生きたセリフを学べてる!」と思えて、個人的にはとても嬉しいです(^^)
モニカは、just so you know 「一言、言っておくけど」と言って、「今年はターキー(七面鳥)を作らない、七面鳥の丸焼きを焼かない」みたいに言っています。
make a turkey のように「一羽の七面鳥(を作る)」と表現しているところからも、「まるごと一匹、丸焼き」のニュアンスが出ていますね。
これまでのエピソードでも「感謝祭にはターキー」という話が何度も出てきたように、ターキーは感謝祭料理の定番です。
それでジョーイは「何だって?」と驚きの声を上げているわけですが、モニカは今年は作らないと決めた理由を説明しています。
Phoebe doesn't eat turkey の doesn't eat という現在形は、「フィービーはターキーを食べない人である」という、その人の習慣・習性を表す感覚。
フィービーはベジタリアンなので、お肉系を食べないから、ということですね。
ジョーイが、「おい、フィービー!」みたいに非難チックに叫ぶので、フィービーは、「だってターキーは、美しくて賢い動物よ」と、動物愛護者っぽいセリフで返しています。
ジョーイは、「いーや、そんなことはない」と否定し、フィービーが言ったのと正反対の形容詞を使って、「ターキーは、醜く、愚かだ」と言うのですが、最後に「しかも、おいしい」と付け加えるのが、食いしん坊のジョーイらしくて楽しいところ。
モニカは、「フィービーだけのことじゃない。(ゲストとして来る)ウィルも(今は痩せたとは言え)まだダイエット中だし(ダイエットを続けてるし)、チャンドラーは感謝祭の料理を食べないし」などと説明を続けます。
「チャンドラーは感謝祭料理を食べない」というのは、子供の頃、感謝祭の食卓で親の離婚話を切り出されたという辛い経験があって、それがトラウマになっているからで、そのことは、フレンズの感謝祭のエピソードでもたびたび話題にされてきましたよね。
Rachel's having her aversion to poultry. について。
poultry は「(鶏・七面鳥・ガチョウなどの)家禽(かきん)」のこと。
aversion は「嫌い、嫌悪(の感情)」という意味で、have an aversion to で「〜が嫌いである」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
aversion : a strong dislike of something or someone
例) These animals have an aversion to sunlight.
つまり、「何かや誰かへの強い嫌悪」。例文は、「これらの動物たちは、日光が嫌い(苦手)だ」。
「レイチェルって、トリが苦手なの?」みたいに言ったジョーイに、レイチェルは、「ジョーイがローストチキンを食べた時に、私が部屋から出ないといけない、ってことがあったでしょ、それ覚えてる?」みたいに言っています。
ジョーイは、「あぁ、覚えてるけど、それは俺が〜したからだと思ってた」と答えていますね。
その時、ジョーイがしたことの内容は、「自分の手に the whole thing (ローストチキン全体、全部)を付けて、そのチキンを、テーブルを横切るようにして歩かせたこと」。
「子供かっ!」と言いたくなるような行動ですが(笑)、手にチキンをはめて、「ほらほら、チキンが歩いてるぞ〜」みたいにしたことを気味悪がって出て行ったのかと思ってた、とジョーイは言っていることになります。
it just doesn't seem worth it to... は「〜することは、価値があるようには思えない」というニュアンス。
worth it が「価値がある、値打ちのある、やりがいのある」という意味なので、to 以下のことをする、この場合は、「たった3人の人間のために、まるまる1匹のターキー(の丸焼き)を作ること」は、「時間と手間をかけるだけの価値がある」ようには見えない・思えない(doesn't seem)と言っていることになりますね。
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シーズン8 第9話
The One With the Rumor (ブラピの「ヘイト・クラブ」)
原題は「噂の話」
今回のエピソードは感謝祭のお話で、モニカはレイチェルに「同じ高校の、ウィル・カルバートも招待してるの」と説明します。
「ウィルはロスのクラスメートで、すっごく太ってた人よ」とモニカは説明するのですが、レイチェルは全く記憶にない様子。
モニカ: Oh, and by the way, he's lost a bunch of weight. I mean he looks goo-ood! Okay, I mean really, really gorgeous! (Joey clears his throat.) I still love Chandler. (あぁ、ところで、ウィルはすごく体重を落としたのよ。で、(今の)彼の見た目はイケてるの! そうよ、ほんとにほんとに、かっこいいの! [ジョーイが咳払いをする] 私は今でもチャンドラーを愛してるわよ!)
ジョーイ: Wouldn't hurt you to say it once in a while. (それをたまに言ってもいいんじゃないか?[言っても何も困らないだろ? 罰(バチ)は当たらないだろ? 言っても減るもんじゃなし])
モニカ: All right, okay, just so you know, I'm not gonna make a turkey this year. (いいわ、で、一言、言っとくけど、今年は、ターキー(七面鳥)を作らない(焼かない)からね。)
ジョーイ: What?! (何だって?)
モニカ: Well, Phoebe doesn't eat turkey.... (だって、フィービーはターキーを食べないし…)
ジョーイ: Phoebe! (フィービー!)
フィービー: Turkeys are beautiful, intelligent animals! (ターキーは、美しくて、賢い動物よ!)
ジョーイ: No, they're not! They're ugly and stupid and delicious! (いいや、違うね! ターキーは醜くて、愚かで、おいしいんだ!)
モニカ: All right! Okay, it's not just Phoebe. Will's still on a diet, Chandler doesn't eat Thanksgiving food, and Rachel's having her aversion to poultry. (わかった。フィービーだけのことじゃないのよ。ウィルはまだダイエット中だし、チャンドラーは感謝祭料理を食べないし、レイチェルは家禽類(鳥肉)が嫌い(苦手)だし。)
ジョーイ: She is? (レイチェルは鳥肉が嫌いなの?)
レイチェル: Yeah. Remember I had to leave the room the other day when you had that roast chicken? (そうよ。覚えてる? 私があの日、部屋を出ないといけなかったこと、ジョーイがあのローストチキンを食べた時よ。)
ジョーイ: Yeah. But I thought that was because I put the whole thing on my hand and made it walk across the table. (ああ(覚えてるよ)。でもそれは、俺が手にチキンを丸ごとつけて、テーブルの上を(横切るように)歩かせたからだと思ってた。)
モニカ: Anyway, it just doesn't seem worth it to make a whole turkey for just three people. Okay? It's a lot of work. (とにかく、たった3人のために、まるまる1匹のターキーを作る価値なんかない、って思えるの、いい? 大変な仕事なんだから。)
モニカは、「ウィルは昔、ものすごく太ってたけど、今はものすごく体重を減らした、落とした」と説明します。
痩せたおかげで、彼は、looks goo-ood! really, really gorgeous だと、モニカは嬉しそうに話していますね。
グッドを、グゥゥーッド!と大袈裟に言ったり、gorgeous という言葉を使ったりしていることからも、今のウィルってすっごくかっこいいのよ!と力説していることがわかります。
それを聞いていたジョーイが咳払いをしたのに気づいたモニカは、I still love Chandler. 「私は今も(今でもまだ)チャンドラーを愛してるわよ」と言います。
チャンドラーの親友であるジョーイが、「他の男のことをそんなにベタホメしてるけど、夫のチャンドラーのこと、モニカは忘れてない?」という感じで咳払いをしたことがわかったので、モニカは、「もちろん、チャンドラーのことは今でもちゃんと愛してるわよ」みたいに返事したのですね。
次のジョーイのセリフ、Wouldn't hurt you to say it once in a while. について。
これは、It wouldn't hurt you to say it once in a while. ということで、直訳すると、「それをたまに言うことが、君を傷つけることはないだろう」ということ。
say it の it は、モニカのセリフ、I (still) love Chandler. を指していて、「チャンドラーを愛してる、とモニカがたまに言うことで、モニカが傷つくことはないだろう」という感覚ですね。
つまり、「他の男ばかり褒めちぎって、チャンドラーへの言葉が全く出てこないけど、たまにはチャンドラーを愛してる、って言ってもいいんじゃないのか? 言っても罰(バチ)は当たらないだろ、そう言っても何も困らないだろ、言っても減るもんじゃなし」みたいに言ったことになります。
これと非常に良く似た表現は、すでにシーズン2のセリフに登場していました。
フレンズ2-16その14 で、ジョーイが引っ越しを考えているのではないか、とチャンドラーが指摘した時のセリフに、
チャンドラー: It wouldn't kill you to say it once in a while. (たまにそう言っても、命までは取られないよ。)
というのがありました。
この時は、hurt 「傷つける」ではなく、kill 「殺す」が使われていますので、「たまにそういうことを言っても、それがお前を殺すことはないよ」→「お前の命までは取られないよ」と言っている感覚になります。
このように、hurt や kill など、「使われている動詞のバージョン違いのセリフ」に出会うと、「生きたセリフを学べてる!」と思えて、個人的にはとても嬉しいです(^^)
モニカは、just so you know 「一言、言っておくけど」と言って、「今年はターキー(七面鳥)を作らない、七面鳥の丸焼きを焼かない」みたいに言っています。
make a turkey のように「一羽の七面鳥(を作る)」と表現しているところからも、「まるごと一匹、丸焼き」のニュアンスが出ていますね。
これまでのエピソードでも「感謝祭にはターキー」という話が何度も出てきたように、ターキーは感謝祭料理の定番です。
それでジョーイは「何だって?」と驚きの声を上げているわけですが、モニカは今年は作らないと決めた理由を説明しています。
Phoebe doesn't eat turkey の doesn't eat という現在形は、「フィービーはターキーを食べない人である」という、その人の習慣・習性を表す感覚。
フィービーはベジタリアンなので、お肉系を食べないから、ということですね。
ジョーイが、「おい、フィービー!」みたいに非難チックに叫ぶので、フィービーは、「だってターキーは、美しくて賢い動物よ」と、動物愛護者っぽいセリフで返しています。
ジョーイは、「いーや、そんなことはない」と否定し、フィービーが言ったのと正反対の形容詞を使って、「ターキーは、醜く、愚かだ」と言うのですが、最後に「しかも、おいしい」と付け加えるのが、食いしん坊のジョーイらしくて楽しいところ。
モニカは、「フィービーだけのことじゃない。(ゲストとして来る)ウィルも(今は痩せたとは言え)まだダイエット中だし(ダイエットを続けてるし)、チャンドラーは感謝祭の料理を食べないし」などと説明を続けます。
「チャンドラーは感謝祭料理を食べない」というのは、子供の頃、感謝祭の食卓で親の離婚話を切り出されたという辛い経験があって、それがトラウマになっているからで、そのことは、フレンズの感謝祭のエピソードでもたびたび話題にされてきましたよね。
Rachel's having her aversion to poultry. について。
poultry は「(鶏・七面鳥・ガチョウなどの)家禽(かきん)」のこと。
aversion は「嫌い、嫌悪(の感情)」という意味で、have an aversion to で「〜が嫌いである」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
aversion : a strong dislike of something or someone
例) These animals have an aversion to sunlight.
つまり、「何かや誰かへの強い嫌悪」。例文は、「これらの動物たちは、日光が嫌い(苦手)だ」。
「レイチェルって、トリが苦手なの?」みたいに言ったジョーイに、レイチェルは、「ジョーイがローストチキンを食べた時に、私が部屋から出ないといけない、ってことがあったでしょ、それ覚えてる?」みたいに言っています。
ジョーイは、「あぁ、覚えてるけど、それは俺が〜したからだと思ってた」と答えていますね。
その時、ジョーイがしたことの内容は、「自分の手に the whole thing (ローストチキン全体、全部)を付けて、そのチキンを、テーブルを横切るようにして歩かせたこと」。
「子供かっ!」と言いたくなるような行動ですが(笑)、手にチキンをはめて、「ほらほら、チキンが歩いてるぞ〜」みたいにしたことを気味悪がって出て行ったのかと思ってた、とジョーイは言っていることになります。
it just doesn't seem worth it to... は「〜することは、価値があるようには思えない」というニュアンス。
worth it が「価値がある、値打ちのある、やりがいのある」という意味なので、to 以下のことをする、この場合は、「たった3人の人間のために、まるまる1匹のターキー(の丸焼き)を作ること」は、「時間と手間をかけるだけの価値がある」ようには見えない・思えない(doesn't seem)と言っていることになりますね。
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2014年03月10日
あとこれくらいで〜しちゃうわよ フレンズ8-8その6
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モニカがチャンドラーのためにストリッパーを雇ったのですが、それが売春婦とわかって、チャンドラーとジョーイはどうしようかと困っているところ。
「売春婦にどっちが帰るように言うか、じゃんけんで決めよう」というチャンドラーを見て、ジョーイは「こういうの懐かしいな。お前とこうして一緒に時間を過ごすのが」と言います。
チャンドラー: Well, we... we still hang out. (俺たち、今でも一緒にいるじゃないか。)
ジョーイ: Not like we used to. Remember? You and me used to be inseparable. Y'know, now it's like... things are different. (前みたいな感じじゃないよ。覚えてる? お前と俺はいつも一緒だった[切っても切れない仲だった]。今はほら…状況が違ってる。)
チャンドラー: Well, y'know, things are different. I'm... I'm married now. (あぁ、状況は(確かに)違うよな。俺は…今は結婚してるし。)
ジョーイ: Oh, sure-And hey, don't get me wrong, I am so happy for you guys. I just... I miss... hanging out.... Just-just us, y'know? (あぁ、そうだな。で、ほら、誤解するなよ。俺はお前たち二人のことをほんとに祝福してるんだ。俺はただ…一緒にいるのが懐かしいんだ。ただ俺たち(二人)だけで、ってのがね。わかるだろ?)
チャンドラー: Yeah, I miss that too. I tell you what; from now on, we'll make time to hang out with each other. (あぁ、俺だって恋しいよ。なぁ、これからは、二人で一緒に過ごす(遊ぶ)時間を作ろう!)
ジョーイ: You got it. Come here. (They hug and are observed by the hooker.) (了解! 来いよ! [二人はハグする、その二人を売春婦が見ている])
売春婦: Oh, God! Listen, I am this close to robbing you guys. (Does the close sign.) (なんてこと! ねぇ、あなたたちから泥棒するまで、あと、このくらいよ[あとこのくらいであなたたちのところから泥棒するわよ]。 [これくらい近い、というしぐさをする])
モニカ: (entering quickly) She's a hooker! She's a hooker! She's a-- (Stops as she sees her.) Hi! Uh, we spoke on the phone. (Goes and shakes the hooker's hand.) ([急いで入ってきて] 彼女は売春婦よ! 彼女は売春婦よ! 彼女は… [モニカは売春婦を見て黙る] はーい。あのー、私たち、電話で話したわよね。 [近づいて、売春婦と握手する])
お前と、hang out するのがなつかしい、と言われたチャンドラーは、ちょっと驚いた様子で、「俺たち、今でもまだ、一緒に時間を過ごして遊んでるぞ」と返します。
Not like we used to. は「俺たちが以前にそうしていたようにはしていない、以前にしていた感じとは違う」ということ。
確かに、昔も今も、hang out してるけど、今は以前の様子とは違ってる、と言いたいのですね。
You and me used to be inseparable. は「俺とお前とは、以前は(かつては)切り離すことができなかった」という感覚。
inseparable は、separate 「切り離す」という動詞に、in- 「不」、-able 「可能」をつけて、「切り離すことが不可能、切り離すことができない」という意味にしたもの。
人間関係で言うと、「離れることができない、切り離すことができない、離れがたい、切っても切れない」ような仲を表す言葉で、兄弟姉妹や、友人、恋人など、さまざまな人間関係で使うことができます。
ジョーイは、used to 「以前は〜だった」、now it's like 「今は…という感じだ」のように、過去と現在と対比する形でその変化を説明します。
things are different. の things は、漠然と「ものごと」を指す感覚なので、「状況が(いろいろと)違っている、変わってしまった」というニュアンスになるでしょう。
チャンドラーもそれに同意して、同じ言葉を言った後、「俺は今は結婚してるから」と言います。
ジョーイが言うように、俺が結婚したことで、確かにいろいろ変わっちゃったよな、とチャンドラー自身も改めて気づいた感覚です。
寂しそうにそう言ったチャンドラーを見て、「あ、誤解しないでくれよ。お前たち二人のことは、ほんとに心から祝福してる、嬉しいと思ってるけど」とジョーイは言って、「俺はただ、一緒にいるのが、ただ二人だけでいるのが恋しい」と言います。
チャンドラーの結婚後は、こんな風に二人きりで楽しく過ごすことがなくなった、それが懐かしくて恋しいんだよ、ということですね。
過去記事、ところどころに置いてある フレンズ6-22その1 では、フィービーが美術館のチケットを3枚持っていて、男性陣が全員断ったため、女性陣3人で行くことが決まった時に、
フィービー: Great! Okay then it's just us girls! (良かった! オッケー、それじゃあ、私たち、女性陣だけね!)
と言っていました。
この just us girls のニュアンスが、今回の Just us. 「俺たちだけ(で)」と同じだということです。
それを聞いたチャンドラーは、「俺も二人だけで遊んでたことが懐かしいよ、今はそれがなくなって寂しいよ」と答え、これからは二人で一緒に遊ぶ時間を作ろう、と提案します。
そして二人はハグすることになるのですが、ト書きにあるように、その様子を売春婦が見ています。
ト書きで observe が使われているのは「観察している」感覚ですね。
仕事で呼ばれたから来たのに、長い間ほったらかしにされて、様子を見に出てきてみたら、男二人が幸せそうに抱き合っている(笑)というその光景に、売春婦の女性が不満そうにセリフを言っているのですが、そのセリフの表現がなかなか面白いですね。
I am this close to robbing you guys. を直訳すると、「あなたたちを rob することまで[rob するところまで]、私はこれくらい近い、これくらいの近さの距離のところにいる」という感じ。
close to は「〜に近い」ということですから、「〜寸前で」という意味にもなります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
close [adjective] : LIKELY TO HAPPEN
seemingly likely to happen or to do something soon
close to doing something
例) The two countries are close to signing a peace agreement.
つまり、「一見(見たところ)、起こりそうである、または何かを間もなくしそうであること」。
例文は、「その二国は和平合意に調印しそうである」。
このセリフの this close の部分を言う時に、売春婦は「これくらいの近さ」という風に、指で短い長さを示しています。
ト書きの、Does the close sign. というのは、「”近い”のサイン、(これくらいの)近さというサイン・手真似・身振りをする」という感覚ですね。
rob you guys は「あなたたちから(金品を)強奪する、略奪する、奪う」ということで、このように、rob の目的語は「もの」ではなく「人」になります。
それについては、まさにそのまんまのタイトルの過去記事、強奪する、の目的語は人 フレンズ4-2その6 で解説しています。
つまり、彼女は「私を待たせてそっちで勝手に盛り上がってくれちゃって。私をほったらかしにしておいたら、あとちょっとで、あなたたちの持ち物をごっそり盗んでしまうわよ」みたいに言っているのですね。
もういい加減怒ってて、盗みを働く寸前のところまで来てるのよ、あとこれくらいで盗んじゃうわよ、というニュアンスです。
this close で「このくらい」と指で示すところが、生きた英語っぽい感じがして、こういう身振り付きのセリフは、映像付きのドラマだからこそ学べるんだよなぁ、と思ったりしました。
そんな話をしているところに、モニカが慌てて駆け込んできます。
ストリッパーだと思って雇ったのに、実は彼女は売春婦だった、と知って、慌てて家に帰って来たのですね。
部屋に入るなり、She's a hooker! 「彼女は売春婦よ!」と連呼しているのですが、まさにその She が正面に立っているのを見て、本人を目の前にしてさすがにそれは言えなくなってしまい、自分の今の発言がなかったかのように、挨拶をするモニカが面白いです。
We spoke on the phone. は「私たち、電話で話したわよね」ということ。
同僚の男性から彼女の電話番号を教えてもらった、とモニカは言っていましたので、確かに二人は電話で話したことがあるわけです。
バツの悪い状況になったので、ちょっと話題を変える感じで、さも今初めて彼女がいることに気づいたかのように、挨拶してみた感じですね。
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チャンドラー: Well, we... we still hang out. (俺たち、今でも一緒にいるじゃないか。)
ジョーイ: Not like we used to. Remember? You and me used to be inseparable. Y'know, now it's like... things are different. (前みたいな感じじゃないよ。覚えてる? お前と俺はいつも一緒だった[切っても切れない仲だった]。今はほら…状況が違ってる。)
チャンドラー: Well, y'know, things are different. I'm... I'm married now. (あぁ、状況は(確かに)違うよな。俺は…今は結婚してるし。)
ジョーイ: Oh, sure-And hey, don't get me wrong, I am so happy for you guys. I just... I miss... hanging out.... Just-just us, y'know? (あぁ、そうだな。で、ほら、誤解するなよ。俺はお前たち二人のことをほんとに祝福してるんだ。俺はただ…一緒にいるのが懐かしいんだ。ただ俺たち(二人)だけで、ってのがね。わかるだろ?)
チャンドラー: Yeah, I miss that too. I tell you what; from now on, we'll make time to hang out with each other. (あぁ、俺だって恋しいよ。なぁ、これからは、二人で一緒に過ごす(遊ぶ)時間を作ろう!)
ジョーイ: You got it. Come here. (They hug and are observed by the hooker.) (了解! 来いよ! [二人はハグする、その二人を売春婦が見ている])
売春婦: Oh, God! Listen, I am this close to robbing you guys. (Does the close sign.) (なんてこと! ねぇ、あなたたちから泥棒するまで、あと、このくらいよ[あとこのくらいであなたたちのところから泥棒するわよ]。 [これくらい近い、というしぐさをする])
モニカ: (entering quickly) She's a hooker! She's a hooker! She's a-- (Stops as she sees her.) Hi! Uh, we spoke on the phone. (Goes and shakes the hooker's hand.) ([急いで入ってきて] 彼女は売春婦よ! 彼女は売春婦よ! 彼女は… [モニカは売春婦を見て黙る] はーい。あのー、私たち、電話で話したわよね。 [近づいて、売春婦と握手する])
お前と、hang out するのがなつかしい、と言われたチャンドラーは、ちょっと驚いた様子で、「俺たち、今でもまだ、一緒に時間を過ごして遊んでるぞ」と返します。
Not like we used to. は「俺たちが以前にそうしていたようにはしていない、以前にしていた感じとは違う」ということ。
確かに、昔も今も、hang out してるけど、今は以前の様子とは違ってる、と言いたいのですね。
You and me used to be inseparable. は「俺とお前とは、以前は(かつては)切り離すことができなかった」という感覚。
inseparable は、separate 「切り離す」という動詞に、in- 「不」、-able 「可能」をつけて、「切り離すことが不可能、切り離すことができない」という意味にしたもの。
人間関係で言うと、「離れることができない、切り離すことができない、離れがたい、切っても切れない」ような仲を表す言葉で、兄弟姉妹や、友人、恋人など、さまざまな人間関係で使うことができます。
ジョーイは、used to 「以前は〜だった」、now it's like 「今は…という感じだ」のように、過去と現在と対比する形でその変化を説明します。
things are different. の things は、漠然と「ものごと」を指す感覚なので、「状況が(いろいろと)違っている、変わってしまった」というニュアンスになるでしょう。
チャンドラーもそれに同意して、同じ言葉を言った後、「俺は今は結婚してるから」と言います。
ジョーイが言うように、俺が結婚したことで、確かにいろいろ変わっちゃったよな、とチャンドラー自身も改めて気づいた感覚です。
寂しそうにそう言ったチャンドラーを見て、「あ、誤解しないでくれよ。お前たち二人のことは、ほんとに心から祝福してる、嬉しいと思ってるけど」とジョーイは言って、「俺はただ、一緒にいるのが、ただ二人だけでいるのが恋しい」と言います。
チャンドラーの結婚後は、こんな風に二人きりで楽しく過ごすことがなくなった、それが懐かしくて恋しいんだよ、ということですね。
過去記事、ところどころに置いてある フレンズ6-22その1 では、フィービーが美術館のチケットを3枚持っていて、男性陣が全員断ったため、女性陣3人で行くことが決まった時に、
フィービー: Great! Okay then it's just us girls! (良かった! オッケー、それじゃあ、私たち、女性陣だけね!)
と言っていました。
この just us girls のニュアンスが、今回の Just us. 「俺たちだけ(で)」と同じだということです。
それを聞いたチャンドラーは、「俺も二人だけで遊んでたことが懐かしいよ、今はそれがなくなって寂しいよ」と答え、これからは二人で一緒に遊ぶ時間を作ろう、と提案します。
そして二人はハグすることになるのですが、ト書きにあるように、その様子を売春婦が見ています。
ト書きで observe が使われているのは「観察している」感覚ですね。
仕事で呼ばれたから来たのに、長い間ほったらかしにされて、様子を見に出てきてみたら、男二人が幸せそうに抱き合っている(笑)というその光景に、売春婦の女性が不満そうにセリフを言っているのですが、そのセリフの表現がなかなか面白いですね。
I am this close to robbing you guys. を直訳すると、「あなたたちを rob することまで[rob するところまで]、私はこれくらい近い、これくらいの近さの距離のところにいる」という感じ。
close to は「〜に近い」ということですから、「〜寸前で」という意味にもなります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
close [adjective] : LIKELY TO HAPPEN
seemingly likely to happen or to do something soon
close to doing something
例) The two countries are close to signing a peace agreement.
つまり、「一見(見たところ)、起こりそうである、または何かを間もなくしそうであること」。
例文は、「その二国は和平合意に調印しそうである」。
このセリフの this close の部分を言う時に、売春婦は「これくらいの近さ」という風に、指で短い長さを示しています。
ト書きの、Does the close sign. というのは、「”近い”のサイン、(これくらいの)近さというサイン・手真似・身振りをする」という感覚ですね。
rob you guys は「あなたたちから(金品を)強奪する、略奪する、奪う」ということで、このように、rob の目的語は「もの」ではなく「人」になります。
それについては、まさにそのまんまのタイトルの過去記事、強奪する、の目的語は人 フレンズ4-2その6 で解説しています。
つまり、彼女は「私を待たせてそっちで勝手に盛り上がってくれちゃって。私をほったらかしにしておいたら、あとちょっとで、あなたたちの持ち物をごっそり盗んでしまうわよ」みたいに言っているのですね。
もういい加減怒ってて、盗みを働く寸前のところまで来てるのよ、あとこれくらいで盗んじゃうわよ、というニュアンスです。
this close で「このくらい」と指で示すところが、生きた英語っぽい感じがして、こういう身振り付きのセリフは、映像付きのドラマだからこそ学べるんだよなぁ、と思ったりしました。
そんな話をしているところに、モニカが慌てて駆け込んできます。
ストリッパーだと思って雇ったのに、実は彼女は売春婦だった、と知って、慌てて家に帰って来たのですね。
部屋に入るなり、She's a hooker! 「彼女は売春婦よ!」と連呼しているのですが、まさにその She が正面に立っているのを見て、本人を目の前にしてさすがにそれは言えなくなってしまい、自分の今の発言がなかったかのように、挨拶をするモニカが面白いです。
We spoke on the phone. は「私たち、電話で話したわよね」ということ。
同僚の男性から彼女の電話番号を教えてもらった、とモニカは言っていましたので、確かに二人は電話で話したことがあるわけです。
バツの悪い状況になったので、ちょっと話題を変える感じで、さも今初めて彼女がいることに気づいたかのように、挨拶してみた感じですね。
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