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自分だけ、男性ストリッパーを呼んで独身パーティー(バチェロレット・パーティー)を開いたことを反省したモニカは、チャンドラーのためにストリッパーを呼んであげることにしました。
チャンドラーとジョーイが家で待っていると、ある女性が来たのですが、その人はストリッパーではなく売春婦(hooker)であることがわかります。
一方、モニカの職場のシーンでは、ストリッパーだと思って雇ったのに、その人を紹介してくれた同僚の男性から「彼女は売春婦だよ」と聞いて、モニカが慌てて職場のレストランから出て行く様子が描かれていました。
その後のシーン。
[Scene: Monica and Chandler's, Joey and Chandler are still deciding what to do about the hooker.]
モニカとチャンドラーの家。ジョーイとチャンドラーはまだ(引き続き)、その売春婦についてどうすべきかについて決めようとしている。
ジョーイ: Maybe she meant to get you a hooker. (多分、モニカはわざとお前に売春婦を用意したんだよ。)
チャンドラー: Why would she do that? (どうしてモニカがそんなことをしたりするんだよ?)
ジョーイ: Maybe she wants you to learn something. Huh? Now is there anything you're really bad at y'know, sexually? (多分、モニカはお前に何かを学んで欲しいんだよ、な? ほら、お前がほんとに下手なことが何かあるだろ? 性的に[性的なやつで]。)
チャンドラー: This is the worst bachelor party ever! (こんなの、史上最低のバチェラー・パーティーだよ!)
売春婦: What's taking you boys so long? (君たち、何でそんなに時間かかってるの?)
ジョーイ: In a minute! (すぐだよ[すぐ行くよ]!)
チャンドラー: (To Joey) In a minute? What's gonna happen in a minute?! ([ジョーイに] すぐ、だって? すぐに何が起きるんだよ?)
ジョーイ: All right, all right maybe-maybe you should just ask her to leave. (よし、多分、お前が彼女に、帰って、って頼むべきだな。)
チャンドラー: Why me?! (どうして俺なんだよ?)
ジョーイ: Hey! It's your bachelor party. (おい! お前のバチェラー・パーティーだろ!)
チャンドラー: Which is why you should do it. (だったらお前がそうすべきだよ。)
ジョーイ: I don't want to. You do it! (俺はやりたくない。お前がやれ!)
チャンドラー: You do it! (お前がやれ!)
ジョーイ: You do it! (お前がやれ!)
チャンドラー: All right, Rock, paper, scissors for who has to tell the whore to leave! (Joey smirks.) What? (よし。誰があの娼婦に帰れって言わないといけないかで、じゃんけんだ! [ジョーイはニヤっと笑う] 何?)
ジョーイ: I miss this. (こういうの、懐かしいよ。)
チャンドラー: I don't think we've actually done this before! (実際に前にこんなことしたとは思わないんだけど!)
ジョーイ: No, I-I miss hanging out with you. (違うよ、俺は、お前と一緒にいる[お前と遊ぶ]のが懐かしいな、って。)
she meant to get you a hooker の meant to は、mean to 「〜するつもりである、故意に〜する」の過去形ですね。
get someone something は、「人に何かを取ってくる、持ってくる、買ってやる、用意する」という感覚ですから、こんな風にモニカがお前のために売春婦を呼んだのは、モニカが故意にやったことなんだよ、と言っていることになります。
何かの間違いじゃなくて、モニカは売春婦だとわかっていて呼んだんだ、ということですね。
チャンドラーが「どうしてモニカがそんなことしたりするんだよ?」と尋ねた後のジョーイの発言が、いかにもプレイボーイのジョーイらしいセリフになっています。
she wants you to learn something は、「モニカは(夫である)お前に何かを学んで欲しいと思ってる」。
Now is there anything you're really bad at y'know, sexually? は、最初に Now がついているので少し紛らわしいですが、Is there anything...? 「(…なことが)何かあるか?」という疑問文。
どんなことがあるか尋ねているかと言うと、「お前がほんとに下手なこと、不得手なこと、性的に」。
be good at だと「〜が得意である」で、例えば、She is good at cooking. なら「彼女は料理が上手だ、得意だ」ですよね。
その反対語の「〜が苦手だ、下手だ」が、be bad at になります。
つまり、「性的なこと、エッチ方面で、お前何か下手なことがあるんじゃないか?」ということで、だから妻のモニカは、お前にそっち系のテクニックなどを学んでもらおうと、売春婦を雇って寄こしたんだよ、と言っていることになります。
「売春婦から何かを学んでもらおうとモニカは思ってるんじゃないか? お前何か下手なことあるんじゃないの?」と言えば、そっち系の話だとわかるのに、わざわざ念押しのように、最後に sexually と付けているのに余計に笑ってしまいます。
言われたチャンドラーにしてみれば、「そこまで言わなくてもわかるよ!」と、余計に惨めな気持ちになってしまいそうですね^^
自分の妻が売春婦を雇って寄こした、その上、ジョーイには「お前が下手だからだよ」みたいに言われた、というこの状況に、チャンドラーは「こんなの史上最低最悪のバチェラー・パーティーだ」と言います。
家に入るなり、挨拶もそこそこにいきなり寝室に入って、そこでずっと待っていた売春婦でしたが、なかなか彼らが来ないので、しびれを切らした様子で、寝室の中から尋ねています。
What's taking you boys so long? を直訳すると、「何が、君たちボーイズに、そんなに長く時間をかけさせてるの?」みたいなことですね。
つまり、「何でそんなに時間かかってるの? 何もたもたしてるの?(早くこっちに来なさいよ)」みたいに言っていることになります。
「何、時間かかってるのよ?」と言われて、ジョーイはいらいらした様子で反射的に、In a minute! と答えるのですが、その答えにチャンドラーがオロオロするのが面白いですね。
In a minute. は文字通りの意味だと「1分後に」ということで、もちろん厳密に1分ではなくても「すぐに(行くよ)」というニュアンスで使います。
「すぐに行くから」とジョーイが返事したのを聞いて、「すぐに、だって? すぐに(1分後に)何が起きるんだよ?」とチャンドラーは言っています。
あの部屋に行っちゃったら終わりだろ、彼女が売春婦としての仕事を始めちゃうことになるんだぞ、ジョーイはそれがわかってるのか?と言っているのですね。
そんな「すぐ行くよ」みたいな軽はずみな返事を安易にするな、とチャンドラーは言いたいわけです。
you should just ask her to leave の leave は「立ち去る」ですから、「お前が彼女に立ち去るように・帰ってくれるように頼むべきだ」ということ。
「お前が帰れと言うべきだ」と言われたことに、チャンドラーは Why me?! 「どうして俺なんだよ、どうして俺が言うべきなんだよ?」と不満そうに返します。
ジョーイが「お前のバチェラー・パーティーなんだから」と言うと、チャンドラーは、Which is why you should do it. と言っていますね。
この which は、直前のジョーイの発言、It's your bachelor party. を指していると考えるとよいでしょう。
直訳すると、「それがお前がそうすべき理由だ」ということで、「チャンドラーの独身パーティーだ、って言うんなら、なおさら、ジョーイが帰れと言うべきだ。パーティーの主役の俺のために、お前が嫌な役目を負うべきだ」と言いたいのですね。
That's why you should do it. 「だからお前がそうすべきなんだ」というように、That's why の形が英会話ではよく登場しますが、今回はそれとほぼ同じニュアンスで、直前の発言を、that 「それ、今の」と表現する代わりに、前の文全体を受ける関係代名詞 which を使って表現したことになります。
その後も、You do it! 「お前がやれ!」と言い合う二人。
Do it! よりも、主語の You を前に付けた形の You do it! の方が、高圧的な命令口調が強まりますね。
まさに、ただ「やれよ!」と言うよりも、「お前がやれよ!」と言っている感じになりますし、今回の場合は、お互いが嫌なことを押し付け合っている(笑)状況でもあるので、なおさら、You do it! 「(俺じゃなくて)”お前が”やれ!」と言いたい気持ちになるわけですね。
これでは埒が明かないと思ったチャンドラーは「じゃんけん」で勝負を決めようとします。
Rock, paper, scissors は「石、紙、はさみ」ですよね。
アメリカのドラマでは、何かを決める時に、flip a coin 「コインを投げて表裏で決める」ことが多いですが、「じゃんけん」も時々見かけます。
過去記事、フレンズ2-18その16 では、1個しかないコンドームを巡って(笑)、モニカとレイチェルがじゃんけんする場面が出てきました。
その記事のコメント欄にも書いたのですが、海外ドラマ「メンタリスト」(The Mentalist)のシーズン1第2話「赤毛と銀色のテープ」(原題:Red Hair and Silver Tape)の冒頭シーンで、主人公のパトリック・ジェーンが、地元の保安官を相手にじゃんけんをして、ひたすら勝ち続ける、というシーンを見たこともあります。
ちなみに、チャンドラーはこのセリフで、the whore と言っていますが、hooker よりも whore の方が売春婦、娼婦を表すダイレクトな表現ですね。
過去記事、ホミサイドとバイス フレンズ5-16その5 では、映画「プリティ・ウーマン」(Pretty Woman)のセリフを例に取り、hooker と whore のニュアンスの違いについて説明しています。
今回のチャンドラーのセリフについては、それまでは多少婉曲な感じで、hooker と言っていたけれど、「えぇい、もう! あの娼婦に帰れって言うのがどっちかを決めるのに、じゃんけんだ!」と興奮気味に言う場合には、つい、ダイレクトな言葉の方を使ってしまった、ということなのでしょうね。
じゃんけんする気満々のチャンドラーを見て、ジョーイはニヤっと笑っています。
チャンドラーはバカにされたと思ったのか、何?と尋ねるのですが、ジョーイは、I miss this. と言っていますね。
miss の基本的な語義を当てはめると、「これがなくて寂しく思う」ということ。
miss は、少し前の過去記事、簡単になってるから試練が欲しい フレンズ8-7その4 で、I'm gonna miss you. というセリフが出てきた時に、英英辞典の語義をご紹介しました。
それは、feel sad about somebody という「人」に対する感情でしたが、今回は「人」ではなく「もの、ものごと」に対する気持ちですね。
そちらの語義をここでご紹介しておくと、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
miss : FEEL SAD ABOUT SOMETHING
to feel sad because you do not have something or cannot do something you had or did before.
つまり、「自分が以前に持っていたものや、していたことを、(今は)持っていない、することができないという理由で悲しく感じること」。
今回のジョーイのセリフについては、今まさに目の前にあるこの状況のことを、this と表現しているわけですから、「なくて寂しく思う」と表現するのもちょっと違和感があるように思うので、「これ(こういうの)懐かしいな」と表現するのがここではふさわしいでしょう。
実際、DVDの日本語も、
(字幕)懐かしい/(音声)懐かしくて
となっていました。
「これって懐かしいよな」と嬉しそうな顔をしているジョーイを見て、チャンドラーは、「前にこんなことを実際にしたことあるって思わないんだけど!」と言っています。
もう少し日本語っぽくすると、「こんなこと、前にしたことないだろ!」というところですね。
家に売春婦が来てしまって、どっちが帰ってくれと言うかでモメる、、なんて状況になったこと、今までないじゃん、この状況の、何がいったい懐かしいんだよ、ということですね。
ジョーイはその後、this の内容をきちんと説明しています。
ジョーイが懐かしいと思ったのは、hanging out with you 、つまり、「お前(チャンドラー)と一緒に過ごすこと、遊ぶこと」。
hang out (with) はフレンズ頻出表現で、彼らのような大人が友達と一緒に時間を過ごす、遊ぶことを意味しますよね。
改めて英英辞典の語義をご紹介しておくと、
LAAD では、
hang out [phrasal verb] : (informal) to spend a lot of time in a particular place or with particular people.
例) Who does she usually hang out with?
つまり、「ある場所で、または、ある人々と、多くの時間を過ごすこと」。例文は、「彼女はたいてい、誰と一緒に時間を過ごしますか?」
まさにこの例文の「誰かと一緒に時間を過ごす」のニュアンスが、ジョーイの言っている、hang out with you ということですね。
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2014年03月07日
2014年03月05日
be in love withとloveの違い フレンズ8-8その4
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前回の続きです。レイチェルの妊娠を知ったレイチェルのパパは、父親がロスだと知って、ロスの家に怒鳴り込んできます。
現在の恋人モナと一緒にいたロスは、モナの手前、「レイチェルとは一晩のことで意味なんかなかったんだ」と言い、それを聞いたレイチェルのパパは、「レイチェルはお前にとって無意味だと言うのか?」とさらに激怒。
ロスは「レイチェルは僕にとって大いに意味があります(大切な人です)」と言った後、I love Rachel. と言ったため、今度はモナが What?! と大声を上げることになった、、という泥沼の続き(笑)。
ロス: (to Mona) Oh, but not that way. I mean... I mean I'm not in love with her. I love her like a, like a friend. ([モナに] あぁ、でも、そんな風にじゃないよ。つまり、僕は彼女に恋してるんじゃない。僕は彼女を友達のように[友達として]愛してるんだ。)
レイチェルのパパ: Oh really? That's how you treat a friend? You get her in trouble and then refuse to marry her? (あぁ、そうなのか? お前はそんな風に友達を扱うのか? 彼女をトラブルに陥らせて、それから結婚するのを拒むのか?)
ロス: (to Dr. Green) Hey! I offered to marry her! ([レイチェルのパパに] ちょっと! 僕は彼女に結婚を申し出ました[申し込みました]よ!)
モナ: Wh.... (なに…?)
ロス: (To Mona) But I didn't want to. ([モナに] でも僕はそうしたくはなかったんだ。)
レイチェルのパパ: Well, why not? So you can spend your time with this tramp?! (ほう、どうしてしたくなかったんだ? この浮気女(誰とでも寝るような女)と時間を過ごせるようにか?)
モナ: Tramp?! (浮気女ですって?)
ロス: I'm sorry. Dr. Green, Mona. Mona, Dr. Green. (すみません。ドクター・グリーン、(こちらが)モナです。モナ、(こちらが)ドクター・グリーンだ。)
現在の恋人モナの前で、I love Rachel. と爆弾発言をしてしまったロスは、悪びれた様子もなく(笑)、but not that way 「でもそんな風じゃないんだ」とちょっと冗談っぽい感じでモナに笑いながら説明しています。
次の I'm not in love with her. I love her like a friend. という表現が、love という言葉のニュアンスを理解するのに興味深い事例と言えそうな気がします。
ロスの言い分によると、レイチェルのパパに対して、I love Rachel. と確かに僕は言ったけど、それは、I'm in love with her. ってことじゃなくて、I love her like a friend. ってことなんだ、みたいなことですね。
be not in love with 、つまり、be in love with という状態ではないけれど、love ... like a friend 、つまり、「友達のように愛してる」ってことだと言っているわけです。
この表現を見ると、be in love with と言ってしてしまうと、それはまさに「ロマンティックな恋愛の意味で愛している」という意味になってしまうけれど、love somebody と単に love を動詞として使った場合には、まだ(かなり無理があるとは言え^^)、「友達みたいに、友達として愛してるんだよ」と言い訳することも可能だ、と考えることができますね。
恋愛っぽい関係にある二人の間で、I love you. と言ってしまうと、それはやはり「(ロマンティックな意味で)愛している」という意味にズバリなってしまい、決定的なセリフとなりますが、恋愛とは別のエリアで、I love (somebody) みたいに言った場合には、友達として愛しているという意味でも理解されることは可能だ、ということです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) で、名詞 love の項目を見てみると、
love :
1. FOR FAMILY/FRIENDS
a strong feeling of caring about someone, especially a member of your family or a close friend
例) a mother's love for her child
2. ROMANTIC
a strong feeling of liking and caring about someone, especially combined with sexual attraction.
例1) He was in love with Mary.
例2) We fell in love on our first date.
つまり、1. は「家族、友達に対して。誰か、特に家族の一員や親友を大切に思う強い感情」。例文は、「子供への母の愛」。
2. は「ロマンティックな(恋愛の)。特に性的に惹かれることと結びついた、誰かを好きである、または大切に思うという強い感情」。例文1 は、「彼はメアリーに恋していた」。例文2 は、「私たちは最初のデートで恋に落ちた」。
上の例文を見ても、be in love with, fall in love という表現は、romantic な方、いわゆる「恋愛感情」の場合に使われることがよくわかりますね。
ですからロスは「 love という言葉を使ったけれど、それは男女の恋愛感情じゃない」と言うために、be in love with ではないと否定したわけです。
もしロスがレイチェルのパパに、I'm in love with Rachel. と言ってしまったとすると、それは「レイチェルに恋してます、レイチェルに惚れてます、レイチェルを(女性として)愛してます」と言ったことになってしまい、その後の言い訳は困難だったでしょう。
be in love with を使ってしまっていたら、I'm in love with her like a friend (/as a friend). 「友達みたいに彼女に恋してます」みたいな言い訳は無理だった、、ということですね^^
モナに言った言い訳の「レイチェルを愛してると言っても、友達として愛してるってことだ」という言葉に、またパパは噛みついています。
That's how you treat a friend? は、「それが、お前が友達を扱うやり方なのか? そんな風にお前は友達を扱うのか?」みたいな感じ。
that と表現したことを、その後、You get her in trouble and then refuse to marry her? と文章で表現しています。
「彼女をトラブルに陥らせて、(そうした上で)その後、結婚を拒む?」ということで、お前は友達をそうやって扱うんだな、という「そうやって」の内容を、パパが具体的に述べたことになります。
この言い回しのパターンは、前回の記事に出てきたパパのセリフ、That's what my daughter means to you? Nothing? とよく似ていますね。
「それが〜なのか? …っていうのが?!」みたいに、That's what/how SV. と先に言っておいてから、その that の内容を「つまりはこういうことか?」と念押しで確認するように続ける、というパターンになります。
refuse to marry her という言葉にカチンと来たロスは、かなり真剣に怒った顔で、声を荒げて、聞き捨てならないというように、「ちょっと! 僕はレイチェルに結婚を申し出ましたよ!」と言っています。
今、付き合っているはずの男性が、他人にプロポーズしたと知ったモナは、Wh-- という感じで絶句してしまいます。
そこでまた、ロスはモナをなだめる顔に戻って、「確かに申し出たけれど、そうしたくはなかったんだ。したくてそうしたんじゃないんだ」みたいに説明します。
「結婚は申し出たけれど、別にそれを心から望んだわけじゃなかった」みたいに言ったロスに、またパパは激怒し(笑)、「何で望まなかったんだ? 自分の時間をこの tramp と過ごすことができるようにか?」みたいに言います。
それを聞いたモナが、Tramp?! と大声を上げたことからも、もし tramp という単語の意味を知らなかったとしても、この tramp という表現が、かなり失礼でひどい表現だったことは想像できますね。
tramp は「浮浪者、放浪者」という意味があり、また俗語で「売春婦、浮気女」という意味もあります。
Macmillan Dictionary では、
tramp : (mainly American, offensive) a woman who likes to attract men and have sexual relations with them
つまり、「(主に米語。侮辱的) 男性を魅惑して、彼らと性的関係を持つのを好む女性」。
(ちなみに、アカデミックな辞書である LAAD には、tramp は「浮浪者」という意味では載っていましたが、「売春婦」という意味は載っていませんでした)
レイチェルのパパは、「誰とでも寝るような女」みたいな意味で、目の前のモナのことを tramp と呼んだので、モナもその侮辱的な言葉に対して怒ったわけですね。
その後、ロスは、ドクター・グリーンとモナをお互いに紹介していますが、パパがモナを「トランプ」を呼んだことで、「いや、この人の名前はモナ、、、あ、そう言えば、モナの名前も紹介しないままだった、、、」ということに今さら気づいたらしいことがわかる、というオチだということです。
今回のシーンは、、片方に対して言い訳すると、それを聞いたもう一方が怒る、というパターンがくどいくらい延々続く、というものでしたが、パパの方、モナの方と、あっち向いたりこっち向いたりしながら、それぞれに対しての顔と態度を使い分ける様子が、ロスの真骨頂だったと思います。
ロスのセリフを聞いていると、かなり不誠実な発言が多いのですが(笑)、それでもなぜか笑ってしまうのは、そういうロスのキャラがしっかり立っているから、なのでしょうね。
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前回の続きです。レイチェルの妊娠を知ったレイチェルのパパは、父親がロスだと知って、ロスの家に怒鳴り込んできます。
現在の恋人モナと一緒にいたロスは、モナの手前、「レイチェルとは一晩のことで意味なんかなかったんだ」と言い、それを聞いたレイチェルのパパは、「レイチェルはお前にとって無意味だと言うのか?」とさらに激怒。
ロスは「レイチェルは僕にとって大いに意味があります(大切な人です)」と言った後、I love Rachel. と言ったため、今度はモナが What?! と大声を上げることになった、、という泥沼の続き(笑)。
ロス: (to Mona) Oh, but not that way. I mean... I mean I'm not in love with her. I love her like a, like a friend. ([モナに] あぁ、でも、そんな風にじゃないよ。つまり、僕は彼女に恋してるんじゃない。僕は彼女を友達のように[友達として]愛してるんだ。)
レイチェルのパパ: Oh really? That's how you treat a friend? You get her in trouble and then refuse to marry her? (あぁ、そうなのか? お前はそんな風に友達を扱うのか? 彼女をトラブルに陥らせて、それから結婚するのを拒むのか?)
ロス: (to Dr. Green) Hey! I offered to marry her! ([レイチェルのパパに] ちょっと! 僕は彼女に結婚を申し出ました[申し込みました]よ!)
モナ: Wh.... (なに…?)
ロス: (To Mona) But I didn't want to. ([モナに] でも僕はそうしたくはなかったんだ。)
レイチェルのパパ: Well, why not? So you can spend your time with this tramp?! (ほう、どうしてしたくなかったんだ? この浮気女(誰とでも寝るような女)と時間を過ごせるようにか?)
モナ: Tramp?! (浮気女ですって?)
ロス: I'm sorry. Dr. Green, Mona. Mona, Dr. Green. (すみません。ドクター・グリーン、(こちらが)モナです。モナ、(こちらが)ドクター・グリーンだ。)
現在の恋人モナの前で、I love Rachel. と爆弾発言をしてしまったロスは、悪びれた様子もなく(笑)、but not that way 「でもそんな風じゃないんだ」とちょっと冗談っぽい感じでモナに笑いながら説明しています。
次の I'm not in love with her. I love her like a friend. という表現が、love という言葉のニュアンスを理解するのに興味深い事例と言えそうな気がします。
ロスの言い分によると、レイチェルのパパに対して、I love Rachel. と確かに僕は言ったけど、それは、I'm in love with her. ってことじゃなくて、I love her like a friend. ってことなんだ、みたいなことですね。
be not in love with 、つまり、be in love with という状態ではないけれど、love ... like a friend 、つまり、「友達のように愛してる」ってことだと言っているわけです。
この表現を見ると、be in love with と言ってしてしまうと、それはまさに「ロマンティックな恋愛の意味で愛している」という意味になってしまうけれど、love somebody と単に love を動詞として使った場合には、まだ(かなり無理があるとは言え^^)、「友達みたいに、友達として愛してるんだよ」と言い訳することも可能だ、と考えることができますね。
恋愛っぽい関係にある二人の間で、I love you. と言ってしまうと、それはやはり「(ロマンティックな意味で)愛している」という意味にズバリなってしまい、決定的なセリフとなりますが、恋愛とは別のエリアで、I love (somebody) みたいに言った場合には、友達として愛しているという意味でも理解されることは可能だ、ということです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) で、名詞 love の項目を見てみると、
love :
1. FOR FAMILY/FRIENDS
a strong feeling of caring about someone, especially a member of your family or a close friend
例) a mother's love for her child
2. ROMANTIC
a strong feeling of liking and caring about someone, especially combined with sexual attraction.
例1) He was in love with Mary.
例2) We fell in love on our first date.
つまり、1. は「家族、友達に対して。誰か、特に家族の一員や親友を大切に思う強い感情」。例文は、「子供への母の愛」。
2. は「ロマンティックな(恋愛の)。特に性的に惹かれることと結びついた、誰かを好きである、または大切に思うという強い感情」。例文1 は、「彼はメアリーに恋していた」。例文2 は、「私たちは最初のデートで恋に落ちた」。
上の例文を見ても、be in love with, fall in love という表現は、romantic な方、いわゆる「恋愛感情」の場合に使われることがよくわかりますね。
ですからロスは「 love という言葉を使ったけれど、それは男女の恋愛感情じゃない」と言うために、be in love with ではないと否定したわけです。
もしロスがレイチェルのパパに、I'm in love with Rachel. と言ってしまったとすると、それは「レイチェルに恋してます、レイチェルに惚れてます、レイチェルを(女性として)愛してます」と言ったことになってしまい、その後の言い訳は困難だったでしょう。
be in love with を使ってしまっていたら、I'm in love with her like a friend (/as a friend). 「友達みたいに彼女に恋してます」みたいな言い訳は無理だった、、ということですね^^
モナに言った言い訳の「レイチェルを愛してると言っても、友達として愛してるってことだ」という言葉に、またパパは噛みついています。
That's how you treat a friend? は、「それが、お前が友達を扱うやり方なのか? そんな風にお前は友達を扱うのか?」みたいな感じ。
that と表現したことを、その後、You get her in trouble and then refuse to marry her? と文章で表現しています。
「彼女をトラブルに陥らせて、(そうした上で)その後、結婚を拒む?」ということで、お前は友達をそうやって扱うんだな、という「そうやって」の内容を、パパが具体的に述べたことになります。
この言い回しのパターンは、前回の記事に出てきたパパのセリフ、That's what my daughter means to you? Nothing? とよく似ていますね。
「それが〜なのか? …っていうのが?!」みたいに、That's what/how SV. と先に言っておいてから、その that の内容を「つまりはこういうことか?」と念押しで確認するように続ける、というパターンになります。
refuse to marry her という言葉にカチンと来たロスは、かなり真剣に怒った顔で、声を荒げて、聞き捨てならないというように、「ちょっと! 僕はレイチェルに結婚を申し出ましたよ!」と言っています。
今、付き合っているはずの男性が、他人にプロポーズしたと知ったモナは、Wh-- という感じで絶句してしまいます。
そこでまた、ロスはモナをなだめる顔に戻って、「確かに申し出たけれど、そうしたくはなかったんだ。したくてそうしたんじゃないんだ」みたいに説明します。
「結婚は申し出たけれど、別にそれを心から望んだわけじゃなかった」みたいに言ったロスに、またパパは激怒し(笑)、「何で望まなかったんだ? 自分の時間をこの tramp と過ごすことができるようにか?」みたいに言います。
それを聞いたモナが、Tramp?! と大声を上げたことからも、もし tramp という単語の意味を知らなかったとしても、この tramp という表現が、かなり失礼でひどい表現だったことは想像できますね。
tramp は「浮浪者、放浪者」という意味があり、また俗語で「売春婦、浮気女」という意味もあります。
Macmillan Dictionary では、
tramp : (mainly American, offensive) a woman who likes to attract men and have sexual relations with them
つまり、「(主に米語。侮辱的) 男性を魅惑して、彼らと性的関係を持つのを好む女性」。
(ちなみに、アカデミックな辞書である LAAD には、tramp は「浮浪者」という意味では載っていましたが、「売春婦」という意味は載っていませんでした)
レイチェルのパパは、「誰とでも寝るような女」みたいな意味で、目の前のモナのことを tramp と呼んだので、モナもその侮辱的な言葉に対して怒ったわけですね。
その後、ロスは、ドクター・グリーンとモナをお互いに紹介していますが、パパがモナを「トランプ」を呼んだことで、「いや、この人の名前はモナ、、、あ、そう言えば、モナの名前も紹介しないままだった、、、」ということに今さら気づいたらしいことがわかる、というオチだということです。
今回のシーンは、、片方に対して言い訳すると、それを聞いたもう一方が怒る、というパターンがくどいくらい延々続く、というものでしたが、パパの方、モナの方と、あっち向いたりこっち向いたりしながら、それぞれに対しての顔と態度を使い分ける様子が、ロスの真骨頂だったと思います。
ロスのセリフを聞いていると、かなり不誠実な発言が多いのですが(笑)、それでもなぜか笑ってしまうのは、そういうロスのキャラがしっかり立っているから、なのでしょうね。
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2014年03月03日
彼女はお前にとって無意味だと言うのか? フレンズ8-8その3
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レイチェルは自分のパパ(ドクター・グリーン)に妊娠したことを話します。おじいちゃんになる、と言われて喜んでいたパパでしたが、父親であるロスと結婚しないと知って大激怒。
子供ができたと知ってロスは結婚するつもりだったけれど、レイチェルが「愛していないのに結婚するのはおかしい」と言って結婚を拒んだ、、というのが事実だったのですが、パパをこれ以上怒らせたくないレイチェルは、結婚を拒んだのはロスであるかのように嘘の説明をしてしまいました。
そのしばらく後のシーン。ロスが現在の恋人モナと部屋でいちゃついている時に、ノックの音がしてドアを開けると、そこにレイチェルのパパが立っていて、、、
レイチェルのパパ(ドクター・グリーン): You think you can knock up my daughter and then not marry her?! I'm gonna kill you!! (私の娘をはらませておいて、それで結婚しないなんてできると思ってるのか! お前を殺してやる!)
ロス: Y'know this is actually not a great time for me. (あの、今は僕にとって良いタイミングでは全くないんですけど。)
Commercial Break
CMブレイク
[Scene: Ross's Apartment, continued from earlier.]
ロスのアパートメント。少し前からの続き。
レイチェルのパパ: So? Come on! Explain yourself, Geller! First you get my Rachel pregnant! (それで? おい! 説明しろ、ゲラー! まず、お前が私のレイチェルを妊娠させて!)
モナ: You got Rachel pregnant?! (あなたはレイチェルを妊娠させたの?)
ロス: Who did?! (誰が(妊娠)させたんですか?)
レイチェルのパパ: You did! (お前だ!)
ロス: Yes. Yes, yes, I did. (To Mona) But-but it was, it was just a one-night thing. It meant nothing. (そうです、そうです、そうです、僕です。[モナに] でも、それはただの一夜の出来事(一晩きりのこと)だったんだ。意味なんて何もなかったんだ。)
レイチェルのパパ: Oh? Really? That's what my daughter means to you? Nothing? (おぉ? そうかい? それがお前にとっての私の娘の意味か? 意味がない?)
ロス: No! No, sir, umm, she means a lot to me. I mean, I care-I-I love Rachel. (いいえ! いいえ、違います。彼女は僕にとってすごく意味があります(大事な人です)。つまり、僕は彼女を気にかけてます…僕はレイチェルを愛してます。)
モナ: What?! (何ですって?)
モナといちゃついているところに、レイチェルのパパが怒鳴り込んできます。
knock up は、過去記事、どうやって仕事をやりくりするつもり? フレンズ8-1その3 の以下のセリフに出てきました。
レイチェル: Uh-hmm. I'm just thinking about Phoebe, poor, knocked-up Phoebe. (えぇ。私はただ、フィービーのことを、かわいそうな、はらまされたフィービーのことを考えてただけよ。)
これは、「妊娠したのはフィービーだ」と思い込んでいたモニカに対して言ったセリフでしたね。
その記事でも説明しましたが、knock up は「妊娠させる、はらませる」というニュアンスになります。
まさに日本語の「はらませる」という感じのネガティブな言い方ですが、娘を妊娠させられたパパが、妊娠させた男に怒鳴るセリフに使われるのが、knock up の典型例と言えそうですね。
あまりの剣幕に唖然としたロスは、「(恋人モナがいるこの状況は)タイミングが悪いんですけど、、」みたいに小さな声で言うのが精一杯。
そこで暗転し、CMブレイク後に、その修羅場の続き(笑)が始まります。
explain は「説明する」で、explain oneself は「自分が言おうとしていることをはっきり言う。弁明する」という感覚。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
explain yourself
a) to tell someone who is angry or upset with you the reasons why you did something
例) I think you'd better explain yourself.
b) to say clearly what you mean
例) I'm sorry. I guess I didn't explain myself very well.
つまり、a) は、「自分に対して怒っている、いらいらしている人に、自分がなぜそれをしたかの理由を説明すること」。例文は、「君はどうして自分が相手を怒らせるようなことをしたかの理由を説明した方がいいと思うよ」。
b) は、「自分の意図することをはっきりと言う」。例文は、「ごめんなさい。私の意図をうまく説明できてなかったと思う」。
今回の場合は、レイチェルのパパが怒っているという、まさに、angry or upset の状態なので、「どうしてこんなことをしたのか、こんなことになったのか、ちゃんと説明しろ」というニュアンスである、a) の語義が近いですね。
get my Rachel pregnant は「私のレイチェルを妊娠させる」ということですが、my Rachel 「私のレイチェル」という表現が、「うちの娘を妊娠させて」という感じのパパっぽい発言になっていると言えるでしょう。
それを聞いたモナは、その事実を知らなかったため、驚いた様子で「あなたはレイチェルを妊娠させたの?」と叫んでいますが、その後の、「え、誰が?」「お前だ!」「そうです、僕です」という、畳みかけるようなセリフがフレンズっぽくて面白いですね。
今回のこのエピソードは、オープニング・クレジットで、Directed by David Schwimmer と出ていたことからもわかるように、ロスを演じている俳優さん、デヴィッド・シュワイマー(正しい発音は、シュウィマーだそうです)が、このエピソードの監督(Director)をしています。
IMDb (Internet Movie Database)で調べたところ、フレンズでは、10エピソードほど監督しているようです。(こんな風に出演者の一人が監督をする、というのは連続ドラマでは時々ありますね。私の好きな新スタートレックでも、いろんな人が監督をやっていました^^)
今日の記事で取り上げたやりとりは、「いかにもロスっぽい」セリフと態度がとても面白く、ロスというキャラを長年演じてきて、ロスという人を誰よりもわかっているデヴィッドが監督、というのも頷ける気がしました。
「妊娠させたのは僕です」とパパに対して認めたロスですが、その後、モナの方を向いて、「一晩きりのことだったんだ、意味なんてない」と言っています。
いい感じで仲が進展している現在の恋人モナに対して、そうやって言い訳しているわけですが、レイチェルのパパに聞こえるところでそんなことを言ったため、パパをますます激怒させることになります。
That's what my daughter means to you? Nothing? という言い方が、実に英語っぽい言い回しですね。
過去記事、クリスマスってそういうものでしょ フレンズ6-10その1 で、「スヌーピーのメリークリスマス」の中のセリフ、"That's what Christmas is all about." をご紹介しましたが、That's what... という構造が今回のセリフと同じだということです。
that というのは、直前のロスの発言 It meant nothing. の、特に nothing の部分を指します。
my daughter means *** to you の *** が、what として前に来た形になっていて、「それ(nothing という言葉)が、私の娘がお前にとって意味することなのか? Nothing という言葉が?」というニュアンスになるでしょう。
先に that 「それ」と言っておいて、後から、「お前は nothing と言ったよな?」と念押ししながら非難するような感じですね。
「今、お前は nothing という言葉を使ったな? お前にとって私の娘は means nothing 、意味がないものだと言うんだな?」と、直前の発言を怒っているわけです。
パパにそんな風に怒られると、今度はパパの方を向いて、弁解を始めるロス。
相手が年長者なので、No, sir のように「目下から目上に対して使う呼び掛け語である sir 」を使っているところにも軽く注目しておきましょう。
mean a lot to me は、mean nothing to me と全く反対の言葉ですね。
「僕にとって多くの意味がある」ということで、「僕にとって重要です、意味のある人です、大切な人です」と言っていることになります。
I care と言いかけて、I love Rachel. と言い直しますが、care はまず、「気にかける」という動詞ですね。
care about になると「〜を気にかける、大事に思う、好意を持つ」という意味になります。
多分、ロスは「レイチェルが僕にとって意味がない、だなんてとんでもない。彼女は僕にとってものすごく意味があって、僕は彼女のことを気にかけています」とでも、まずは言おうとしたのでしょう。
ですが、えらい剣幕で怒っているパパの怒りを鎮めるには、care (about) くらいではダメだと思って、それで、love という言葉に言い換えたのでしょうね。
ロスはパパに対してはっきりと、I love Rachel. 「僕はレイチェルを愛してます」と言うことになります。
しかし! その発言はまた、すぐ後ろにいるモナに聞かれることとなり(自分が今、どういう状況でしゃべっているのか早く気づけよ、というところですが^^)、モナが「何ですって?」と言うので、今度はまた、モナに対しての弁解やら言い訳やらが始まる、、という泥沼状態(笑)。
この後も、パパに対してはパパへの顔、モナに対してはモナへの顔、と表情や口調を見事に使い分けるシーンが続くのですが、続きは次回といたします(^^)
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レイチェルは自分のパパ(ドクター・グリーン)に妊娠したことを話します。おじいちゃんになる、と言われて喜んでいたパパでしたが、父親であるロスと結婚しないと知って大激怒。
子供ができたと知ってロスは結婚するつもりだったけれど、レイチェルが「愛していないのに結婚するのはおかしい」と言って結婚を拒んだ、、というのが事実だったのですが、パパをこれ以上怒らせたくないレイチェルは、結婚を拒んだのはロスであるかのように嘘の説明をしてしまいました。
そのしばらく後のシーン。ロスが現在の恋人モナと部屋でいちゃついている時に、ノックの音がしてドアを開けると、そこにレイチェルのパパが立っていて、、、
レイチェルのパパ(ドクター・グリーン): You think you can knock up my daughter and then not marry her?! I'm gonna kill you!! (私の娘をはらませておいて、それで結婚しないなんてできると思ってるのか! お前を殺してやる!)
ロス: Y'know this is actually not a great time for me. (あの、今は僕にとって良いタイミングでは全くないんですけど。)
Commercial Break
CMブレイク
[Scene: Ross's Apartment, continued from earlier.]
ロスのアパートメント。少し前からの続き。
レイチェルのパパ: So? Come on! Explain yourself, Geller! First you get my Rachel pregnant! (それで? おい! 説明しろ、ゲラー! まず、お前が私のレイチェルを妊娠させて!)
モナ: You got Rachel pregnant?! (あなたはレイチェルを妊娠させたの?)
ロス: Who did?! (誰が(妊娠)させたんですか?)
レイチェルのパパ: You did! (お前だ!)
ロス: Yes. Yes, yes, I did. (To Mona) But-but it was, it was just a one-night thing. It meant nothing. (そうです、そうです、そうです、僕です。[モナに] でも、それはただの一夜の出来事(一晩きりのこと)だったんだ。意味なんて何もなかったんだ。)
レイチェルのパパ: Oh? Really? That's what my daughter means to you? Nothing? (おぉ? そうかい? それがお前にとっての私の娘の意味か? 意味がない?)
ロス: No! No, sir, umm, she means a lot to me. I mean, I care-I-I love Rachel. (いいえ! いいえ、違います。彼女は僕にとってすごく意味があります(大事な人です)。つまり、僕は彼女を気にかけてます…僕はレイチェルを愛してます。)
モナ: What?! (何ですって?)
モナといちゃついているところに、レイチェルのパパが怒鳴り込んできます。
knock up は、過去記事、どうやって仕事をやりくりするつもり? フレンズ8-1その3 の以下のセリフに出てきました。
レイチェル: Uh-hmm. I'm just thinking about Phoebe, poor, knocked-up Phoebe. (えぇ。私はただ、フィービーのことを、かわいそうな、はらまされたフィービーのことを考えてただけよ。)
これは、「妊娠したのはフィービーだ」と思い込んでいたモニカに対して言ったセリフでしたね。
その記事でも説明しましたが、knock up は「妊娠させる、はらませる」というニュアンスになります。
まさに日本語の「はらませる」という感じのネガティブな言い方ですが、娘を妊娠させられたパパが、妊娠させた男に怒鳴るセリフに使われるのが、knock up の典型例と言えそうですね。
あまりの剣幕に唖然としたロスは、「(恋人モナがいるこの状況は)タイミングが悪いんですけど、、」みたいに小さな声で言うのが精一杯。
そこで暗転し、CMブレイク後に、その修羅場の続き(笑)が始まります。
explain は「説明する」で、explain oneself は「自分が言おうとしていることをはっきり言う。弁明する」という感覚。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
explain yourself
a) to tell someone who is angry or upset with you the reasons why you did something
例) I think you'd better explain yourself.
b) to say clearly what you mean
例) I'm sorry. I guess I didn't explain myself very well.
つまり、a) は、「自分に対して怒っている、いらいらしている人に、自分がなぜそれをしたかの理由を説明すること」。例文は、「君はどうして自分が相手を怒らせるようなことをしたかの理由を説明した方がいいと思うよ」。
b) は、「自分の意図することをはっきりと言う」。例文は、「ごめんなさい。私の意図をうまく説明できてなかったと思う」。
今回の場合は、レイチェルのパパが怒っているという、まさに、angry or upset の状態なので、「どうしてこんなことをしたのか、こんなことになったのか、ちゃんと説明しろ」というニュアンスである、a) の語義が近いですね。
get my Rachel pregnant は「私のレイチェルを妊娠させる」ということですが、my Rachel 「私のレイチェル」という表現が、「うちの娘を妊娠させて」という感じのパパっぽい発言になっていると言えるでしょう。
それを聞いたモナは、その事実を知らなかったため、驚いた様子で「あなたはレイチェルを妊娠させたの?」と叫んでいますが、その後の、「え、誰が?」「お前だ!」「そうです、僕です」という、畳みかけるようなセリフがフレンズっぽくて面白いですね。
今回のこのエピソードは、オープニング・クレジットで、Directed by David Schwimmer と出ていたことからもわかるように、ロスを演じている俳優さん、デヴィッド・シュワイマー(正しい発音は、シュウィマーだそうです)が、このエピソードの監督(Director)をしています。
IMDb (Internet Movie Database)で調べたところ、フレンズでは、10エピソードほど監督しているようです。(こんな風に出演者の一人が監督をする、というのは連続ドラマでは時々ありますね。私の好きな新スタートレックでも、いろんな人が監督をやっていました^^)
今日の記事で取り上げたやりとりは、「いかにもロスっぽい」セリフと態度がとても面白く、ロスというキャラを長年演じてきて、ロスという人を誰よりもわかっているデヴィッドが監督、というのも頷ける気がしました。
「妊娠させたのは僕です」とパパに対して認めたロスですが、その後、モナの方を向いて、「一晩きりのことだったんだ、意味なんてない」と言っています。
いい感じで仲が進展している現在の恋人モナに対して、そうやって言い訳しているわけですが、レイチェルのパパに聞こえるところでそんなことを言ったため、パパをますます激怒させることになります。
That's what my daughter means to you? Nothing? という言い方が、実に英語っぽい言い回しですね。
過去記事、クリスマスってそういうものでしょ フレンズ6-10その1 で、「スヌーピーのメリークリスマス」の中のセリフ、"That's what Christmas is all about." をご紹介しましたが、That's what... という構造が今回のセリフと同じだということです。
that というのは、直前のロスの発言 It meant nothing. の、特に nothing の部分を指します。
my daughter means *** to you の *** が、what として前に来た形になっていて、「それ(nothing という言葉)が、私の娘がお前にとって意味することなのか? Nothing という言葉が?」というニュアンスになるでしょう。
先に that 「それ」と言っておいて、後から、「お前は nothing と言ったよな?」と念押ししながら非難するような感じですね。
「今、お前は nothing という言葉を使ったな? お前にとって私の娘は means nothing 、意味がないものだと言うんだな?」と、直前の発言を怒っているわけです。
パパにそんな風に怒られると、今度はパパの方を向いて、弁解を始めるロス。
相手が年長者なので、No, sir のように「目下から目上に対して使う呼び掛け語である sir 」を使っているところにも軽く注目しておきましょう。
mean a lot to me は、mean nothing to me と全く反対の言葉ですね。
「僕にとって多くの意味がある」ということで、「僕にとって重要です、意味のある人です、大切な人です」と言っていることになります。
I care と言いかけて、I love Rachel. と言い直しますが、care はまず、「気にかける」という動詞ですね。
care about になると「〜を気にかける、大事に思う、好意を持つ」という意味になります。
多分、ロスは「レイチェルが僕にとって意味がない、だなんてとんでもない。彼女は僕にとってものすごく意味があって、僕は彼女のことを気にかけています」とでも、まずは言おうとしたのでしょう。
ですが、えらい剣幕で怒っているパパの怒りを鎮めるには、care (about) くらいではダメだと思って、それで、love という言葉に言い換えたのでしょうね。
ロスはパパに対してはっきりと、I love Rachel. 「僕はレイチェルを愛してます」と言うことになります。
しかし! その発言はまた、すぐ後ろにいるモナに聞かれることとなり(自分が今、どういう状況でしゃべっているのか早く気づけよ、というところですが^^)、モナが「何ですって?」と言うので、今度はまた、モナに対しての弁解やら言い訳やらが始まる、、という泥沼状態(笑)。
この後も、パパに対してはパパへの顔、モナに対してはモナへの顔、と表情や口調を見事に使い分けるシーンが続くのですが、続きは次回といたします(^^)
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