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シーズン8 第12話
The One Where Joey Dates Rachel (ジョーイの新しい恋)
原題は「ジョーイがレイチェルとデートする話」
コーヒーハウスのセントラル・パークで。
ジョーイ: Oh! Hey, Rach, listen umm.... (あぁ。ねぇ、レイチェル、聞いてよ。)
レイチェル: Yeah. (ええ。)
ジョーイ: I got a big date coming up. Do you know a good restaurant? (大事なデートがあるんだ。いいレストラン知ってる?)
レイチェル: Uh, Paul's Café. It's got great food and it's really romantic. (あぁ、ポールズ・カフェよ。素敵な料理があるし、とってもロマンティックなの。)
ジョーイ: Ooh, great! Thanks! (あぁ、いいね! ありがと!)
レイチェル: Yeah! Oh, and then afterwards you can take her to the Four Seasons for drinks. Or you go downtown and listen to some jazz. Or dancing-Oh! Take her dancing! (そうね! あぁ、それからその後、お酒を飲みに、フォーシーズンズ(ホテル)に連れて行けるわ。もしくは、ダウンタウンに行って、ジャズを聴くの。それか、ダンスね。あぁ、彼女をダンスに連れて行きなさいよ!)
ジョーイ: You sure are naming a lot of ways to postpone sex, I'll tell ya.... (君はまさにエッチを後回しにするためのたくさんの方法を挙げてるね、全く…。)
レイチェル: Ooh, I miss dating. Gettin' all dressed up and going to a fancy restaurant. I'm not gonna be able to do that for so long. And it's so much fun! I mean not that sitting at home worrying about giving birth to a sixteen pound baby is not fun. (あぁ、デートするのが恋しいわ。すっかりドレスアップして、高級レストランに行くの。そんなこと、長い間、できないことになるわ。それに、すっごく楽しいんだもの! 16ポンドの赤ちゃんを産むことを心配しながら家で座っているのは楽しくないわ。)
ジョーイ: Hey, y'know what? (ねぇ。)
レイチェル: Huh? (なに?)
ジョーイ: Why don't I take you out? (俺が君をデートに誘うっていうのはどう?)
レイチェル: What?! Joey, you don't want to go on a date with a pregnant lady. (何? ジョーイ、あなたは妊婦とデートなんてしたくないでしょ?)
ジョーイ: Yes, I do! And we're gonna go out, we're gonna have a good time, and take your mind off of childbirth, and C-sections and-and giant baby heads stretching out-- (デートしたいよ! で、二人で出かけて、楽しい時間を過ごすんだ。そして出産のことなんか忘れるんだ。それから、帝王切開とか、それから巨大児の頭が(…を)広げるとか(も忘れて)…。)
レイチェル: (interrupting) Okay, okay! I'll go with ya! I'll go! I'll go with ya. ([さえぎって] わかった、わかった! あなたと一緒に行くわ! 行くわ。あなたと行くわ!)
ジョーイは、I got a big date coming up. と言っています。
この got は have のようなニュアンスで、I have a big date coming up. を直訳すると、「大きな(大事な)デートが近づいてくる(coming up)状態を持っている」みたいな感じですね。
ですから、「(もうすぐ)大事なデートがあるんだ」と言っている感覚になります。
いいレストラン知ってる?と聞かれたレイチェルは、Paul's Café の名前を出し、It's got great food and it's really romantic. と言っています。
It's got は、It has got で、has got = have の意味となり、「その店は良い料理がある、その店の料理は素敵」と言っていることになります。
afterwards は「その後で、のちに」。
ドリンクのため、つまり、お酒を飲むために、彼女を、フォーシーズンズ(ホテル)に連れて行くことができる、連れていけばいいわ、みたいなことですね。
その後も、Or 「または、もしくは」と言って、ジャズを聴きにダウンタウンへ行く、ダンスよ、ダンスに連れて行きなさいよ、と次々アドバイスしています。
Or! 「それか、こういうのはどう?」を二度も使っているところに、次から次へと素敵なプランのアイディアが浮かんでしまうレイチェルの様子がよく出ています。
それを聞いていたジョーイの、You sure are naming a lot of ways to postpone sex というセリフがプレイボーイのジョーイらしくて面白いですね。
sure は「確かに、本当に、まさに」のように、意味を強調する副詞。
name は「名前を挙げる」、postpone は「延期する、後回しにする」なので、「君はまさに、エッチを後回しにするためのたくさんの方法を挙げてるんだねぇ」と言っているニュアンス。
プレイボーイのジョーイとしては、とりあえず良いレストランで食事して女性を楽しい気持ちにさせておいて、その後はすぐに家に帰ってエッチだな、、みたいにプランを立てていたのでしょうが、良いレストランに行った後も、ホテルでお酒、ジャズやダンス、と候補を次々と挙げられたので、なかなかエッチにたどり着けない(笑)という意味で、「エッチを後回しにする方法をたくさん挙げる」と表現したことになります。
レイチェルは、自分でいろいろなプランをお勧めした後、I miss dating. と言っています。
miss は「〜がなくて、〜しなくて寂しく思う」という感覚ですから、「デートすることがなくて寂しい、デートするのが恋しい」ということですね。
その次の文章は、getting ... and going のように -ing が続いていますが、それも、I miss doing の doing を他の言葉で言い換えたことになるでしょう。
「デートすることが恋しい」と言った後で、すっかりドレスアップすることが恋しい、a fancy restaurant に行くことが恋しい、と続けている感覚になり、そういうことを長い間していないから、そういうことを今すっごくしてみたい、と言っていることになるのですね。
ちなみに、a fancy restaurant の fancy は「上等の、高級な、豪華な」という意味で、女子が「いいレストランで食事しましょ」と言う場合には、よくこの fancy という形容詞が使われます。
I'm not gonna be able to do that for so long. は、「私はこれから長い間、そんなことをすることができないだろう、できないことになるだろう」。
そんな風に、「ドレスアップして、素敵なレストランに行くようなデートは、すっごく楽しい(so much fun)」と言った後、is not fun 「楽しくない」ものの例として、sitting at... 以下のことを言っていますね。
sitting at home worrying about giving birth to a sixteen pound baby は長いので前から順番にイメージしていくと、「家に座って、〜について悩む」→「(悩みの内容は)〜を出産すること」→「(出産するものは)16ポンドの赤ちゃん」という流れになります。
ちなみに、「〜を産む」という場合には、give birth to... のように、前置詞には to が使われることにも注目しておきましょう。
Google の検索ボックスに「16ポンド」と入れると、自動でキロに換算してくれるのですが、それによると、「16ポンド = 7.25747792 キログラム」、つまり、7キロ強、と言っていることになりますね。
日本人が赤ちゃんを出産する場合には、3キロ前後くらいが平均だと思うのですが、7キロという数字は、アメリカ人的にはどうなんだろう、、?と思って、ちょっと調べてみました。
Wikipedia 英語版: Infant の Weight の項目 に、新生児の体重について、以下の記載がありました。
Weight
In developed countries, the average birth weight of a full-term newborn is approximately 3.4 kg.(7 ½ lbs), and is typically in the range of 2.7–4.6 kg (5.5–10 pounds).
つまり、「体重: 先進国では、臨月で生まれた新生児の出生体重の平均は、約 3.4キログラム(7.5ポンド)で、一般的に、2.7キロから4.6キログラムの間である」。
ということなので、先進国の平均値は、3.4キロということですね。
ですから、日本人の赤ちゃんの出生体重よりやや重い程度で、そんなに変わらない気がしますので、やはり、16ポンド(7キロ)というのは、「大袈裟な表現」として使っていることになるでしょう。
この部分、DVDの日本語訳でも、「7,000グラムの巨大児を産む心配をしてるのは、楽しくない」のように訳されていましたし、レイチェルはわざと「平均とはかけ離れた大きな数字」を言ったということでしょうね。
このエピソードでのレイチェルは妊娠4か月頃で、まだお腹もそれほど大きくないので、出産時の赤ちゃんの体重が予想されるほどの時期ではありません。
ですから、レイチェルは「このまま赤ちゃんがお腹の中ですくすく育って、もしかしたら7キロもあるようなすっごく大きな赤ちゃんを産むことになるかもしれない、、」と、まだどうなるかわからない先のことを心配するのがいやだ、と言っているわけですね。
そんな風に、赤ちゃんの体重を大袈裟に表現することで、「ドレスアップして素敵なレストランで食事するデート」のイメージと、妊婦としての現実とのギャップがこんなにあるのよ、と訴えたいのでしょう。
その話を聞いていたジョーイは、「俺が君を take out するのはどう?」と提案しています。
take someone out は「人を外に連れ出す」ということで、この場合は、「デートに連れ出す、デートに誘う」ということですね。
Why don't we have a date? なら「俺たちがデートするっていうのはどう? 二人でデートしようよ」というニュアンスになるでしょうが、ジョーイは take you out という表現を使っているので、「俺がレイチェルをデートに連れ出してあげる、っていうのはどうかな?」と言っている感覚になるでしょう。
「妊婦の私はデートなんかできないわ。生まれてくる赤ちゃんの体重を心配して家で座ってるだけしかできないのよ」とレイチェルは言っているので、「一緒にデートしようよ」というよりも、「じゃあ、俺が君を誘ってあげるよ、連れ出してあげるよ」と言う方が、「家にこもっているのが当然」と思っているらしいレイチェルに対しては、素敵な誘い文句になる気がします。
そんなジョーイの発言を聞いて、レイチェルは驚いた声を上げて、Joey, you don't want to go on a date with a pregnant lady. と言っています。
you don't want to は「あなたはそんなことをしない方がいい」というアドバイスのニュアンスで使うことがよくありますが、今回のセリフは、そのままの意味の、「あなたはそんなことをしたくないでしょ(したくないだろうとだろうと私は思うわ)」という感覚だろうと思います。
プレイボーイのあなたが、妊婦とデートしたいなんて思うはずないわ、みたいなことですね。
You don't want to... と言われたことに対して、ジョーイは、Yes, I do! と返事していますが、これは、Yes, I want to go on a date with a pregnant lady. ということ。
日本語的に言うと、「妊婦とデートなんかしたくないでしょ」「いいや、したいさ!」みたいになるところでしょうが、相手が否定文で言ってきた内容を、肯定文で返していることから、「No じゃなくて、Yes」という意味で、Yes が使われていることに注意しましょう。
その後もジョーイは、「二人でデートに出かけて、楽しい時間を過ごすんだ」と言ってから、take your mind off of childbirth と言っています。
take one's mind off of は「〜から人の心を離す」という感覚なので、「(いやなこと・心配ごとなどを)忘れる、〜から気を紛らわせる」という意味になります。
C-section は、Caesarean [Caesarian] section のことで、「帝王切開、開腹分娩法(子宮を切開し胎児を取り出す方法)」のこと。
deliver a baby by Caesarean section なら「帝王切開で出産する」になります。
Caesarean は「ローマ皇帝の、シーザーの」という意味で、Caesar は「ローマ皇帝」または、歴史上の人物である (Gaius) Julius Caesar 「ジュリアス・シーザー(or ガイウス・ユリウス・カエサル)」のこと。
なぜ、帝王切開にシーザーの名前が付いているか?については、「シーザーがその開腹分娩法で生まれたから」という説が有名で、私もずっとそう信じていたのですが、
Wikipedia 日本語版: 帝王切開 の「語源」 に、興味深いことが書いてありました。
興味がおありの方は、そのウィキペディアの記事を読んでいただければと思うのですが、「実際にカエサルが帝王切開で生まれた可能性は極めて低い」とのことで、大プリニウスが1世紀に書いた著書「博物誌」での文言が、その伝説の元になっていること、などが説明されています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) の語義説明では、
cesarean also cesarean section [noun, countable] : an operation in which a woman's body is cut open to take a baby out
つまり、「赤ちゃんを取り出すために、女性の体を切り開く手術」。
とあります。また、その語源(Etymology)を見てみると、
Word Origin
cesarean : 1600-1700 Julius Caesar (100-44 BC),
Roman soldier and political leader, who is said to have been born in this way
「ローマの戦士で政治指導者であるジュリアス・シーザー。彼がこの方法で生まれたと言われている」
と出ています。
is said to 「と言われている、と伝えられている」ということなので、「そういう言い伝えがある」と言っているだけで、それが真実だと主張しているわけでもないですが、この語源を見ると、やはり「帝王切開」の語源は一般的にそう信じられているということもわかるし、それが実際には違うんだよ、というウィキペディアの話も、歴史的になかなか興味深く面白い話だなと思います。
and giant baby heads stretching out-- について。
ここで、giant baby という言葉が出てきましたね。
ジャイアント・ベイビー、すなわち「巨大児」ということで、さっきレイチェルが心配していたのような、7キロくらいありそうな赤ちゃんのイメージを、ダイレクトに「巨大児」と言っていることになるでしょう。
stretch out の stretch は、「ストレッチ」という日本語にもなっているように、「伸ばす、広げる」ということですね。
out がついた、stretch out で、さらに「外の方向に向かって大きく広げる、伸ばす」という感じが出ていると思います。
つまり、巨大児の頭が何かを大きく広げて伸ばして…みたいに言いかけたわけですが、レイチェルはそれを遮るように、「わかった。あなたと行くわ! あなたと行くから!(だからもうその話はやめて)」みたいに言っています。
大きな赤ちゃんが生まれてくるかも、、と考えるだけでも心配なのに、それをジョーイが、「大きな赤ちゃんの頭が、出口を思いっきり広げて出てくるんだぞ」みたいにリアルにイメージさせようとしたので、慌ててそれを止めたわけですね。
ちなみに、giant baby heads stretching out の -ing は、動名詞の感覚でしょうね。
giant baby heads は、stretching out という動名詞の意味上の主語になっており、このように、セリフのような口語では、「動名詞の主語は、(所有格ではなくて)目的格を用いる」ことが多いです。
take your mind off of A, B and C の形になっていて、A と B がそれぞれ名詞で、それに合わせて、C も 動詞に -ing をつけた動名詞の形になっているという理解で良いでしょう。
ちなみに、このセリフでは、giant baby heads のように「複数形」が使われていますね。
仮に双子ちゃんであったとしても、二つの頭が並んで出てくることはないのですが(笑)、このように、heads という「複数形」になっているのは、一般的に赤ちゃんの頭はみんなそんな風にして出てくるという「一般論」を語っているからなんだろうなと思います。
または、stretching out の部分を、heads を後置修飾している現在分詞と捉えて、「stretch out している(〜を広げている、広げようとしている)巨大児の頭」のことを忘れる、、と解釈することも可能は可能だと思うのですが、ここでのイメージは「頭」という物体・対象よりも、「その頭が stretch out しているという”行為・動作”」の方にポイントがあると思うので、「出産(のこと)、帝王切開(のこと)、巨大児の頭が(ある部分を)広げて伸ばすこと」のように、動名詞として解釈した方がいいように私は思いました。
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