2014年04月04日

困った状況になったわね フレンズ8-10その4

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フィービーは、歌手のスティング(Sting。イギリスの人気バンド「ポリス」(The Police)のヴォーカル&ベース担当)の息子ジャックが、ロスの息子ベンと同じ小学校に通っていると知ります。
スティングのコンサートチケットが取れなかったフィービーは、ベンとジャックが喧嘩していると聞いて、ベンの保護者を装ってコンタクトを取り、話し合いをするために、スティングの家に来ています。
スティングの奥さんである、トゥルーディー・スタイラー(Trudie Styler。本人が演じています)と話していたフィービーですが、肝心の(笑)スティングが同席していないのを見て、
フィービー: Umm, I'm sorry. Won't-won't Jack's father be joining us? (あのー、ごめんなさい。ジャックのお父さんは私たちに加わらないの?)
トゥルーディー・スタイラー(スティングの妻): Oh, I'm sorry, Jack's father is not available. (あら、ごめんなさい。ジャックの父親は今は忙しいの。)
フィービー: Uh-hmm. Okay. Well then, could we reschedule for, say, Friday night, perhaps at 8 o'clock? (あぁ、いいわ。それじゃあ、予定を組み直しましょうか? 例えば、金曜の夜、多分、8時くらいに?)
トゥルーディー: Oh, no, I know that wouldn't work. My husband's in concert. (あぁ、だめね、それは無理だってわかるわ。夫はコンサートなの。)
フィービー: Concert. Yeah. That just put us in... quite a pickle. Because you see I'm very busy before and after the concert, and he's obviously busy during. (コンサート。そうね。それはちょっと困ったことになったわね。だってほら、私はそのコンサートの前と後が忙しいの。そして、彼(スティング)はどう考えてもコンサートの間、忙しいし。)
トゥルーディー: So, I guess you and I should talk about Jack and Ben right now. (だから、あなたと私が今、ジャックとベンのことで話し合うべきだと思うのよ。)
フィービー: Unless! Unless umm, okay I-I would be willing to go to the concert, umm, all the while thinking about the children, of course. (でもこれなら話は別よ! もし、ほら、私がそのコンサートに行くのを厭わない(いとわない)なら。その間ずっと、子供たちのことについて考えられるわよ、もちろん。)
トゥルーディー: Are you here for tickets? (あなたは、チケットのために来たの?)
フィービー: Oh, thank you. Four would be great. (あぁ、ありがとう。4枚ならありがたいわ。)

スティングが同席していないので、フィービーは「ジャックの父親(であるスティング)は、私たちに加わらないの? 同席しないの?」と尋ねています。
Jack's father is not available. の not available は「手があいていない」というニュアンスですね。
都合がつかなくて、他の用事で忙しくて、この話し合いに参加することができない、というような感覚です。

スティングがいないと知ってフィービーは、reschedule (再スケジュール)しましょう、つまり、この話し合いの日程を変更しましょう、再調整しましょう、と提案します。
「〜の日時に予定する」 は、schedule for のように for を使いますので、今回のような reschedule (re-schedule) の場合も同じく、for を使うことになります。
say は「例えば」というニュアンスの挿入句ですね。
フィービーは、コンサートの日時をわかっていて、わざとその日を、さも今思いついたように言ってみせたことになります。

I know that wouldn't work. の work は「うまくいく、正しく機能する」という自動詞なので、「その日程では、うまくいかないだろうって私にはわかるわ」ということ。
My husband's in concert. は、「私の夫は(その時間)、コンサートにいるの。コンサートに出演中なの」ということですね。

「コンサート」という言葉を聞いたフィービーは、残念そうなふりをして、That just put us in... quite a pickle. と言っています。
pickle は「ピクルス」のことで、日本語で「ピクルス」と言われているのは、pickles という「複数形」からなのですね。
また、pickle には「困った立場、窮境、苦境」という意味もあって、put someone in a pickle なら「人を困った立場にする」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
be in a (pretty) pickle : (old-fashioned) to be in a difficult or confusing situation
つまり、「(古風な表現) 難しい、またはややこしい状況にいること」。

ロングマンの説明によると、old-fashioned な表現のようです。
フィービーがこのセリフを言った後、ラフトラック(観客の笑い声)が起こっていますが、観客、そして視聴者は、フィービーが「スティングのコンサートのチケット目当てにやってきた」ことを知っているので、そんな古風で大袈裟な表現を使って、「私が提案した日時が、ちょうどコンサートに当たっちゃうなんて、随分と大変な苦境に追い込まれちゃったわねぇ」としらじらしく言ったその猿芝居(笑)に笑ってしまった、ということでしょう。

その後、「私はそのコンサートの前後が忙しいし、彼(スティング)は、どう考えても(明らかに)、その自分のコンサートの間、忙しいわよね」みたいに言っています。
その話の流れから、「そうなの、だから夫は忙しいので、私たち二人だけで、子供たちの問題に話し合うべきだと思うのよ」と、ごく当たり前のことをトゥルーディーは言うのですが、フィービーはまだあきらめず、Unless! と強く言っています。
こんな感じで、Unless! とか、Or! のように、「別のこんな案はどうかしら?」と続けるパターンは、フレンズにはよく出てきますね。
このような会話に出てくる unless は、「もし〜でなければ話は別だけど」と訳すと、しっくりくる場合が多いです。
今回のセリフも、「unless 以下のことが起こらなければ、今ここで、スティング抜きで話し合うべき、となるだろうけど」みたいなニュアンスなので、「二人で今、話し合うべきよ」と言ったトゥルーディーに対して、「もし、私が今から言うことが現実になれば、話は別だけど(今、ここで二人で話し合う必要はなくなるけれど)」と言っている感覚になります。

そして、「ほら、もしこんな風になったら、二人だけで話す必要がなくなるわよ」と言ったその条件が、「もし私がそのコンサートに行くのを厭わない(いとわない)なら」。
be willing to というのは、「厭わない」と訳したように、「(仮にやりたくないと思うことでも)求められれば進んで〜する」というニュアンスがありますね。

Macmillan Dictionary では、
willing : if you are willing to do something, you do it when someone askes you, sometimes when you do not want to
つまり、「be willing to do something というのは、誰かが自分に頼む時、時には自分がそれをしたくないと思う時、にそれをすること」。

今回も、フィービー自身は、そのコンサートに行きたくて行きたくてたまらない、だから、ベンの母親のふりをするという嘘をついてまで、この部屋にやって来たのですが、その「超、行きたい」という気持ちを伏せて、「私としては、例えばあなたがそう望むのなら、コンサートに行くのはやぶさかではないわよ、コンサートに行ってあげてもいいわよ、コンサートに足を運んであげよう、っていうつもりはあるわよ」みたいに言ったというニュアンスが、この be willing to というフレーズによく出ているように思うわけです。

「私はそのコンサートに行く意思はあるわよ、と言えば、そこにはスティングもいるから、みんなで一緒に、子供たちのことについて話し合えるでしょ」みたいに言うフィービーのセリフを聞いて、さすがにトゥルーディーにもフィービーの真の目的がわかったようで、Are you here for tickets? と言っています。
直訳すると、「チケットのために、あなたはここにいるの?」ということで、つまりは、「あなたはチケット欲しさにここに来たの? チケットが目的で、この家にやって来たの?」と言っていることになります。
「チケットのためにここにいるの?」と言われたフィービーは、悪びれた様子もなく、「まぁ、ありがとう。4枚なら(4枚もらえたら)素敵だわ、ありがたいわ」みたいに答えます。

この後、スティングの奥さんであるトゥルーディーが激怒することになるのですが、その続きは次回、といたします(^^)


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posted by Rach at 17:25| Comment(2) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月02日

サンドイッチはそのためにある フレンズ8-10その3

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「俺の妹ディーナはファッションに興味があるから、ファッション業界で働くレイチェルの話を聞きたい、って」と言われて、ジョーイの妹ディーナと話をしていたレイチェルですが、ディーナは突然、「私、妊娠したの。あなたも妊娠してるって聞いたから、相談に乗ってもらいたくて会いに来たの」とレイチェルに告げます。
その後、二人で、ディーナの妊娠のことをジョーイに告白しようとしているところ。
[Scene: The Hallway, Rachel is about to enter her apartment with Dina to tell Joey the news.]
廊下。レイチェルは、ジョーイにそのニュースを伝えるために、ディーナと一緒に自分のアパートメントに入ろうとしているところ。
ディーナ: I-I can't go in there. I can't tell him! (部屋の中には入れないわ。ジョーイ(兄さん)には言えない。)
レイチェル: Honey, it's going to be okay. He's been incredibly supportive of me. And if he gets a little upset, that's what the meatball sub is for. (She gives Dina a sandwich wrapped in aluminum foil.) (ハニー、大丈夫よ。ジョーイはこれまでずっと、ものすごく私に協力的だもの。それに、もしジョーイがちょっと怒ったら、ミートボール・サブはそのためにあるのよ。 [レイチェルはディーナにアルミホイルで包まれたサンドイッチを渡す])
ディーナ: Thank you. (ありがとう。)
レイチェル: Okay. (よし。)
(They enter.)
二人は中に入る。
ジョーイ: Hey! It's my fashion girls! (They don't react.) What's wrong? (やあ! 俺のファッション・ガールたち! [二人は反応しない] どうかしたの?)
レイチェル: Honey, why don't you sit down? Dina has something that she wants to tell you. (ハニー、座らない? ディーナはあなたに話したいことがあるのよ。)
ジョーイ: (concerned) Oh. What's, what's going on? Is it Mom? Is she sick? Is it Dad's heart? Is that a sandwich? ([心配そうな顔で] あぁ、何が、何が起こってるんだよ? ママか? ママは病気なのか? パパの心臓か? それはサンドイッチか?)
ディーナ: Joe, Mom and Dad are fine.... (ジョーイ、ママとパパは元気よ…)
ジョーイ: Is that a sandwich?! (それはサンドイッチか?(と聞いてるんだ))
レイチェル: Joey... there's something that you... should know. Dina? (ジョーイ… あなたが知っておくべきことがあるのよ。ディーナ?)
ディーナ: I'm pregnant. (私、妊娠してるの。)
ジョーイ: (angrily) What?! ([怒って] 何だって?)
レイチェル: (To Dina) Now! Give him the sandwich! Give him the sandwich! (She quickly sets the sandwich in front of him.) ([ディーナに] 今よ! 彼にサンドイッチを渡して! 彼にサンドイッチを渡して! [ディーナは素早く、ジョーイの前にサンドイッチを置く])
ジョーイ: Well, obviously, this is a mistake! You can't be pregnant! Because you have to have sex to get pregnant! (どう考えても、こんなのは何かの間違いだ! ディーナは妊娠するはずない! だって妊娠するにはエッチしないといけないんだから。)
ディーナ: Joe, I tried to wait until I was 25, like you did! (ジョーイ、私は25歳になるまで待とうと努力してみたわ、ジョーイがそうしたみたいに!)
レイチェル: What?! Dina-- (何ですって? ディーナ…)
ジョーイ: (to Rachel) Bub!!! (Points at her and quiets Rachel.) (To Dina) I can't believe this! You're the good one! You went to college! Both years! Who did this to you?! ([レイチェルに] おい! [レイチェルを指さして、黙らせる] [ディーナに] こんなの信じられないよ! お前はいい子なのに! 大学にも行ったのに! (1年だけじゃなくて)2年も! 誰がお前にこんなことをしたんだよ?)
ディーナ: Bobby Corso. But he's a real nice guy. I like him a lot. He's real funny. (ボビー・コーソよ。でも彼はほんとにいい人なの。彼のこと、すごく好きなの。彼はほんとに面白いのよ。)
ジョーイ: You got pregnant for "funny"?! Dina... if he's funny... laugh! All right, I'll be back in a little while! You stay here! (面白いってだけで、妊娠したのか? ディーナ、もし彼が面白いなら…笑えよ! よし、俺は少ししたら戻る! お前はここにいろ!)
ディーナ: Why? Where are you going? (どうして? どこに行くの?)
ジョーイ: I can't look at you right now! (Exits and slams the door behind him.) (今はお前(の顔)を見られないよ! [出て行って、ドアをバタンと閉める])
ディーナ: Wow. (わぉ。)
レイチェル: I know. (そうね。)
(Joey storms back in and covering his face so he doesn't see Dina grabs the sandwich and heads back out.)
ジョーイは勢いよく戻ってきて、ディーナを見ないように手で顔を隠しながら、サンドイッチを掴み、また出て行く。

ジョーイの妹ディーナは、自分が妊娠したことを兄ジョーイに話そうとやってきたのですが、やはり怖くて部屋に入るのを拒んでいます。
「大丈夫よ」と励ましたレイチェルは、He's been incredibly supportive of me. と言っていますね。
supportive は、サポーティブというカタカナでもイメージが湧くように、「サポートする、支えになる、支持・支援する、協力的である」という意味。
has been supportive と現在完了形が使われているので、「私の妊娠がわかってから、今までずっと、私の妊娠について協力的だった」、だから、妹のあなたが妊娠したことについても、同じように協力的でいてくれるわ、ということですね。

もしジョーイが少し怒ったら、と言った後、レイチェルは、that's what the meatball sub is for と言っています。
sub は、submarine sandwich 「サブマリン・サンドイッチ」のこと。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
sub : (informal) a long bread roll split open and filled with meat, cheese etc.

つまり、「細長いパンを切って開けて、肉、チーズなどを詰めたもの」。

Wikipedia 英語版 : Submarine sandwich には、おいしそうな写真も載っています^^

この文章を直訳すると、「そのミートボール・サブが何のためにあるかというのがそれだ」みたいな感じになるでしょうか。
もっと、自然な日本語にすると、「そのミートボール・サブは、そのためにあるんだ」ということになります。
that は、直前の he gets a little upset を指していて、what は、the meatball sub is for (something) の something が what として前に出た形ですね。
このような、That's what (主語) is for. という形は、よく使われるフレーズで、That's what friends are for. なら「友達はそのためにいるのよ。そういう時のために友達はいるのよ」という意味になります。
ジョーイが怒った時のために、彼の大好物のサンドイッチを用意してきたんだから、ということですね。

部屋に入ってきた二人を見て、ジョーイは、my fashion girls! と嬉しそうに声をかけています。
ファッションに興味があるから、レイチェルと話をしたい、と言ったことをまだ信じているので、そんな風に言ったわけですね。
ですが、リアクションがないので、どうしたの?と心配そうな顔をしています。
レイチェルが、深刻そうな顔で、「座らない? ディーナはあなたに話があるのよ」と言うので、さすがのジョーイもその雰囲気に気づいたようです。
それで、先回りして、「何が起こってるんだ? ママが病気なのか? パパの心臓か?」と尋ねます。
ジョーイの言い方だと、パパには心臓の持病があるようですね。
「親のどちらかが病気になったのか?」と、ジョーイがものすごくシリアスな話を持ち出すので、ジョーイ自身も何かショッキングな話を聞かされそうだと予感していることがわかるのですが、その後、同じような険しい顔のままで、Is that sandwich? と言ったのには、大笑いしてしまいました。
コメディーによくある、三段オチのパターンで、「ママが病気? それともパパが病気? それはサンドイッチ?」みたいに、最後の話だけ、やけに話が軽い(笑)のが、ジョークのオチになっているわけです。
親が病気なのか?と聞いたジョーイに対して、ディーナはビクビクしながら、「ママもパパも元気よ…」と返事するのですが、ジョーイはそれを遮るように、さらに強い調子で、「それはサンドイッチか?」と同じ質問を繰り返すのが、さらに面白いところですね。
「俺は、それはサンドイッチか?と聞いている! 質問に答えろ!」みたいな、強い口調の言い方になっているところが、余計に笑いを誘うわけです。
怒るところはそこ?みたいな面白さですね。

レイチェルは、「ジョーイが知っておくべきことがあるの」と言った後、ディーナに発言を促し、ディーナは正直に、「私、妊娠してるの」と告白します。
想像通り、What?! と怒って叫んだジョーイを見て、レイチェルが、「今よ。サンドイッチを渡して!」と言って、ディーナが、ささっとそのサンドイッチをジョーイの前に置くのも面白いですね。
猛獣に襲われそうになった時に、餌を与えて気をそらせる、、に近いものがあるので、ジョーイは動物かい!みたいにツッコミたくなるところ。

可愛がっていた一番下の妹が妊娠したと聞いて、兄ジョーイはパニック状態になっています。
「どう考えても(obviously)、こんなのは間違いだ。ディーナが妊娠できるわけがない、妊娠するはずがない」みたいに言った後、Because you have to have sex to get pregnant! と言っていますね。
この you は、目の前にいるディーナを指しているとも言えますし、一般の人のことを言っていると捉えることも可能ですね。
ディーナ個人を指しているとすると、「お前が妊娠するためには、お前は(誰かと)エッチしないといけない」になるでしょうし、一般論として、一般の人を表す you を使っているとすると、「人は(誰でも)、妊娠するためにはエッチしないといけない」と言っている感覚になるでしょう。
いずれにしても、「エッチしないで妊娠するなんてありえない」とジョーイは言いたいわけで、このセリフから、ジョーイは「ディーナがエッチなんかしたわけない」と思っていることがわかるわけです。
自分自身はプレイボーイで、tons of girls 「たくさんの女の子」と付き合って、エッチしてきたと豪語しているジョーイが、自分の妹のことになると、いきなり保守的な発言(笑)をするのが、何とも面白いですね。
歳の離れた妹を思う気持ちは、もはや、父親のそれ、のようになっています^^

「エッチもしてないのに、妊娠するわけない」というジョーイの発言で、「私がエッチしたと思いたくないんだ」ということに気づいたディーナは、エッチしたことを告白しようとするのですが、I tried to wait until I was 25, like you did. というセリフが、何とも面白いですね。
このセリフを聞いたレイチェルが、顔をしかめて、はぁ?みたいなあきれ顔をしているのですが、このセリフを聞いて、レイチェルと同じような反応ができた方は、英語のセリフを英語のまま理解した、と言えます。
まず、I tried to... というのは、「私は(頑張って)〜してみようとした」ということですが、I tried to というのは、たいていの場合、I tried to... but.... 「私は〜してみようとしたけど、でも無理だった」という文脈が続くことが多いフレーズです。
このセリフも、「私は25歳になるまで待ってみようと頑張って努力してみたわ、でも…」みたいなニュアンスであることが、I tried 「私はやってみようとした」という過去形でわかるわけです。
「25歳まで待とうとした」というのは、今よりもう少し年齢が上の妊娠適齢期(?)になるまで、妊娠しても構わないと思える年齢までエッチするのを待とうとした、ということですが、その後の like you did という部分が、このセリフの最大のポイントになります。
like you did を直訳すると、「あなたがしたように」。
つまりディーナは、「ジョーイが、エッチするのを25歳まで待ったように、私も25歳まで待とうと努力してみたのよ」と言っていることになるのですね。
ディーナが最後に、like you did と付け加えたことで、ジョーイは常々、「俺は25歳になるまでエッチをしなかった。だからディーナも俺と同じ年になるまで、自分を大切にするんだぞ」みたいなことを妹ディーナに言っていたらしいことが、like you did という言葉だけで想像できてしまうという仕組みです。

「ジョーイみたいに、私も25歳まではエッチしないように頑張ろうとした」という発言を聞いたレイチェルは、「プレイボーイのジョーイが25歳までエッチしたことなかった、なんて、冗談でしょ」と言いたげに、言葉を発しかけるのですが、ジョーイに黙れ!というように指を指されてしまって、それ以上言うことができなくなってしまいます。

ジョーイはディーナに、「こんなこと信じられないよ。お前はいい子(the good one)なのに」と言っています。
ジョーイが以前に「ディーナはトリビアーニ家で一番賢い子なんだ」と言っていたように、ここでもジョーイは、大学の話を持ち出していますね。
You went to college! Both years! の Both years! のセリフの後、ラフトラック(観客の笑い声)が起こっていますが、この both years というのは「両方の年、大学に行った」みたいなニュアンスでしょうね。
事実としては「2年間、大学に行った、通った」という意味でしょうが、two years ではなくて、both years と言ったのは、「1年だけ行けばいいところを、どちらか1年で良いところを、両年とも!2年も!通った」みたいなニュアンスが感じられる気がするのですね。
アメリカには2年制大学も多くあるようですが、ディーナがそういう大学に通っていたとすると、2年通うのが普通なのに、大学に進学しておらず大学のシステムをよく知らないジョーイが、「ディーナは勉強好きで、1年でいいところを2年も通った」と褒めている感じがするように思うわけです。
仮に、4年制大学だった場合には、「大学を2年も通った」と表現することで、ジョーイは褒めているつもりだろうけど実は中退だった、ということが他の人にはわかってしまう、、というオチになるのかもしれませんが、both は「2年のうち、両方とも」みたいなニュアンスが感じられるので、やはり、前者の解釈の方が合っているような気が、私にはしました。

「誰がお前にこんなことをしたんだ(誰がお前を妊娠させたんだ)」と聞かれて、ディーナは、ボビーという名前を出します。
「彼はほんとにいい人で、大好きで、彼は面白いの」とディーナは説明していますね。
セリフでは、a real nice guy, real funny のように、real という単語が使われていますが、このように、really の代わりに、real を副詞として使うことは、フレンズのようなセリフにはよく出てきます。

funny という言葉を聞いたジョーイは、さらに怒りを増しています。
すぐ戻るから、お前はここにいろ、と言って、ジョーイは部屋を出て行こうとしますね。
どこに行くの?と聞かれても、「今はお前の顔を見ることができない。見たくない」みたいに言って、ドアをバタンと閉めて出て行ってしまいます。
部屋にはディーナとレイチェルが残され、重い空気になってしまいますが、出て行ったはずのジョーイが、顔を手で覆いながら戻ってきて、手探りでサンドイッチを掴んだ後、また部屋を出て行きます。
I can't look at you right now! と言った手前、ディーナと顔を合わせることもできず、でも、置いてきてしまったミートボール・サブのこともあきらめきれず(笑)、こういう行動を取る結果となったわけですね。
ここで場面は暗転し、アドブレイク(CMブレイク)になるのですが、CM 前にしっかりオチをつけるところが、フレンズっぽくて楽しいですね。


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posted by Rach at 15:10| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする