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素敵なレストランでデートをしているジョーイとレイチェル。
ジョーイとルームシェアをしているレイチェルは、「あなたに家賃を払うのを忘れてたわ」と言うのですが、
ジョーイ: Oh, whoa-whoa-whoa, no roommate stuff. Okay? We're on a date. (あぁ、ちょっとちょっとちょっと。ルームメイトのことは無しだ、いい? 俺たちはデート中なんだよ。)
レイチェル: Okay. Wow! So I get to see what Joey Tribbiani is like on a date. So do you have any moves? (わかった。ワオ! それじゃあ私は、ジョーイ・トリビアーニがデートでどんな感じかを見られるのね。それであなたはどんな手を使うの?)
ジョーイ: No! No. I'm just myself, and if they don't like me for-- (Laughs.) I'm sorry, I couldn't even get through that. (ないよ! 手なんかない。俺はただ俺のままでいるだけで、もし相手が俺を好きじゃないなら… [笑って] ごめん、(自分で笑ってしまって)最後まで言い終えることができなかったよ。)
レイチェル: I knew it, I knew it. Come on, tell me your moves. (やっぱりね、そうだろうと思ったわ。ねぇ、あなたの手を教えてよ。)
ジョーイ: Uh, all right. Umm, well, okay, I usually start by having a bottle of wine sent to my table from a fan. (あぁ、わかった。うーんと、よし、俺はたいてい、俺のファンから1本のワインボトルを運ばせる[贈らせる]ってことから始める。)
レイチェル: Oh, my God. And that works?! (なんてこと。それでそんなのが効果あるの[効くの]?)
ジョーイ: Well, it does when you combine it with, "This is so embarrassing. I just want to have a normal life!" (うん、うまく行くよ、この言葉と組み合わせればね、「こんなのすっごく恥ずかしいよ。俺はただ、普通の生活がしたいのに」。)
レイチェル: Oh, you poor little famous man. (まぁ、ちょっとした有名人は大変なのね。)
ジョーイ: Oh, okay, how about this one? I was gonna wait until the end of the night to kiss you, but you're just so beautiful... I don't think I can. (よし。こんなのはどう? 今夜が終わるまで君にキスするのを待ってるつもりだったけど、君がただそんなにきれいだから…待てそうにないよ。)
レイチェル: (looks interested) Oh, my God! Wow! That was fantastic, I almost leaned in. I really almost did! (すっかり興味を引かれた様子で) なんてこと! ワオ! それって素敵ね、あなたの方に身を乗り出しそうに[顔を近づけそうに]なっちゃった。ほんとにもう少しでそうしそうだったわ!)
ジョーイ: Alright, so... so tell me one of your moves. (わかった、それじゃあ… じゃあ、君の手を一つ教えてよ。)
レイチェル: All right. So where'd you grow up? (わかったわ。それで、あなたはどこで育ったの?)
ジョーイ: That's your move? Boy, Rach, you're lucky you're hot. (それが君の手なの? なんてこった、レイチェル、君はホット(セクシー)で良かったね。)
"No roommate stuff. Okay?" の stuff は漠然と「こと、もの」を指す感覚。
「ルームメイトのこと、ルームメイトの件、ルームメイト的な話」は「なし」だよ、いいね?みたいなことです。
俺たちは今、デート中なんだから、ルームメイト的な話をしたら興醒めになるからやめようよ、と言っていることになります。
了解したレイチェルは、So I get to see what Joey Tribbiani is like on a date. と言っていますね。
get to see は「見ることになる」、what Joey Tribbiani is like on a date は、「ジョーイ・トリビアーニがデートでどんな感じであるか、どんな様子であるか」。
いつもは「仲の良い友達」としての面ばかりを見ているので、ジョーイがデートモードになると、どんな感じなのかをこれから見ることができちゃうのね、とわくわくしている感じが出ています。
So do you have any moves? の move は「動き、動作」ですね。
このように、恋愛の場面での話になると、デートではどんな手を使うの?のような「手」というニュアンスになります。
どんな「手、手段、アクション」があるの?みたいに聞かれたジョーイは、I'm just myself, and if they don't like me for-- みたいに言いかけた後、自分で笑っていますね。
「俺はただ俺自身でいるだけだ、そのことで相手が俺を好きじゃないと思うなら…」みたいに言いかけたことになるでしょう。
何か「手」を使ったりなんかしない、俺は素の俺のままでいるだけで、それで嫌われたらしょうがないと思ってるんだ、みたいなことを言おうとしたのですね。
I couldn't even get through that. の get through は「(最後まで)し終える」というニュアンスだろうと思います。
「俺は、今の話を最後まで言い終えることができなかった」みたいなことでしょう。
DVDの日本語訳も「言ってて笑っちゃった」となっていましたが、かっこをつけて「俺は俺のままでいるだけだ」と言おうとしたけれど、自分がそのセリフに笑ってしまって、最後までその話で押し通せなかった、みたいなことでしょうね。
I knew it. は「(私には)わかってた。やっぱりね」という感じ。
プレイボーイのジョーイのことだから、絶対に何か、女の子を落とすための「手、テクニック」を使ってるはずだと思ってたわ、何も手がないなんて絶対嘘だってわかってたわよ、というところ。
そこでジョーイは正直に、自分の moves をレイチェルに教えます。
start by doing は「〜することで(することから)始める」。
have a bottle of wine sent to my table from a fan の have は使役動詞で、「俺のテーブルに、1本のワインを、一人のファンから贈らせる」ということですね。
「贈らせる、届けさせる」と言っても、実際にあるファンにそれをさせるということではなく、「ファンからボトルが届いたかのように見せかける」ということ。
それを聞いたレイチェルは、「そんなのが上手くいくの? 効果あるの?」と尋ねるのですが、ジョーイは、it does when you combine it with... と答えています。
it does work when... ということで、「それ(ファンからだと言ってワインを運ばせること)と…を組み合わせる時には、うまくいく、効き目がある」と言っていることになります。
with 以下は引用符でセリフになっているので、ワインを運ばせた上で俺がこんな風に言えば、うまくいくんだよね、と言っていることになりますね。
そのセリフはというと、「こんなのすっごく恥ずかしいよ。俺はただ、普通の生活をしたいだけなのに」。
ファンがワインを贈ったように見せかけておいて、「こんなことされたら困るよ。俺はプライベートではスターであることを忘れたいのに」みたいにデート相手の前で言う、ということです。
それを聞いたレイチェルの返し、Oh, you poor little famous man. は、ちょっと辛辣で面白いですね。
poor は「かわいそうに」と同情する感覚ですが、little famous man の little には「つまらない、ちょっとした、大したことない」というニュアンスが入っているように思います。
you poor famous man なら、「あなたって、かわいそうな有名人ね、有名人でかわいそうね、有名人だから苦労するのね」みたいになるでしょうが、そこに little という「相手を軽んじる」感覚の単語が入っているために、直訳すると、「かわいそうな、ちょっとした有名人さん」のような、つまり、「ちょっとした有名人は大変なのね、苦労するのね」のようなニュアンスになると思います。
本当の大スターなら、それこそ本物のファンが本当にワインを贈ってくれたり、ファンに取り囲まれたりするところを、ジョーイの場合は自分でそれを「演出」しなければいけない、それを演出した上で、「俺は普通の生活がしたいのに」と大スターを気取って見せている、、というその様子を「ちょっとした有名人は、自分でいろいろ演出しないといけなくて大変ね」みたいに表現しているところが、何でも言い合える親友ならではの、辛辣だけれどもある意味微笑ましい発言だとも思えるわけです。
それからジョーイは、また別の手をレイチェルに説明しています。
レイチェルを見つめながら、真剣な表情で、I was gonna のセリフを言っていますね。
「俺は、今夜の終わり(最後)まで、君にキスするのを待つつもりだったけど、でも君がただ、すごくきれいだから…待てるとは思えないよ[とても待てそうにないよ]」。
ト書きの looks interested は「興味津々の顔でそれを聞いている」という感じですが、実際のレイチェルも、そのジョーイのセリフをうっとりした顔で聞いています。
そのセリフが終わった後も、しばらくうっとりしたままで、それから、ハッと我に返った様子で、「なんてこと! ワオ!」と言うことになります。
今のって素敵ね、の後の、I almost leaned in. I really almost did! がまた面白いですね。
この場合の lean は「体を乗り出す」というニュアンス。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
lean : to move or bend your body in a particular direction
forward/back/over etc.
例1) Celia leaned forward.
例2) Then he leaned over and kissed his wife.
つまり、「自分の体をある方向に動かす、または曲げる」。
例文1は、「セリアは身を乗り出した(前かがみになった)」。例文2は、「それから彼は、かがみこんで妻にキスをした」。
英辞郎にも、
lean over and kiss=かがみ腰で顔を近づけてキスをする
と出ていますので、lean over and kiss というのはよく使われる組み合わせのようですね。
over は「〜の上に」という感覚なので、背の高い男性が、自分より背の低い女性にキスする時に、腰をかがめる感じで(ちょっと大袈裟に言うと、相手に覆いかぶさるように)体を曲げる様子になるでしょう。
今回のレイチェルのセリフは、例文2の「相手の方に体を乗り出して、キスする」というニュアンスですね。
DVDの日本語訳も「顔を出しそうになっちゃったわ」となっていました。
セリフでは、lean in のように in が使われています。
「前方に傾く」なら、lean forward でも良いのでしょうが、in 「〜の中に」という前置詞には、目の前にある何かに「引き込まれるような」感じが出ているような気がしました。
「キスするのを待てそうにない(今すぐキスしたい)」と真顔で言われたので、ジョーイが友達であることも忘れて、キスする態勢に入っちゃいそうだった、チューして、みたいに顔を近づけそうになっちゃった、と言っていることになるわけです。
almost+過去形は、これまでにも何度も登場しましたが、「もう少しで〜してしまいそうだった、〜してしまうところだった」ですね。
ジョーイの moves にすっかり感心した様子のレイチェルを見て、今度はジョーイの方が「レイチェルの手を教えてよ」と言います。
「わかったわ」と言ったレイチェルは、いきなり、「それであなたはどこで育ったの?(出身はどこ?)」と質問します。
何か色っぽいことでも始まるのかとワクワクしていたであろうジョーイは、「それが君の手なの?」とあきれた顔で尋ねています。
その後の、Boy, Rach, you're lucky you're hot. は、「なんてこった、レイチェル、君はホット(セクシー)でラッキーだね」ということですね。
見た目がきれいでセクシーだから、そんなのが「手」として通用するんだねぇ、みたいなことで、そんな質問じゃ、男は全然そそられないんだけど、、みたいに言っていることになるでしょう。
「そんなのが君の move なの?」と聞き返すだけだと普通なのですが、そんな風にあきれながらも、you're lucky you're hot とさりげなく褒めているところが、さすがはプレイボーイのジョーイだなぁ、と思ったりもします^^
この後は、ちょっとやりとりが長くなるので割愛しますが、レイチェルは出身地を尋ねた後、相手の家族との関係を聞くように話を持って行き、相手がつらいことを話し始めると、同情したように相手の手を握る、、という move を披露することになります。
「出身地を尋ねるのが、君のテクなわけぇ?」みたいにあきれていたジョーイも、"Nice move! So simple!" 「すごい手だ! すっごくシンプルで!」と驚くことになるのですね。
その後も、「私、お手洗いに行ってくるわね」とレイチェルは席を立ち、
レイチェル: And now you're watching me walk away. (それで今、あなたは私が歩いて行くのを(歩いて行く後ろ姿を)見てるでしょう。)
ジョーイ: Yes, I am! Again so simple! (あぁ、見てるよ! またすっごくシンプルだ!)
のように、プレイボーイのジョーイが二度までも、「レイチェルのシンプルな手」に感心することになります。
これまでは友達としての面しか見ていなかった二人が、それぞれ、「デートでの異性に対する move」を披露して、すごいすごいと喜び合っている姿がなんだかとっても微笑ましいですね(^^)
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