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他人が赤ちゃんを出産するビデオを見て茫然となってしまったチャンドラーとモニカ。
今日はバレンタインデーなので、二人はキスしようとするのですが、そのビデオの衝撃的な映像がどうしても頭から離れないらしく、ビクビクしてぎこちないキスしかできずにいます。
そこにノックの音がしたので、「助かった」と言ってホッとした様子を見せる二人。
ノックの主はレイチェルでした。
ロスはレイチェルと同居しているのですが、ロスはそのことを恋人モナに言いそびれて、それを言おうとした寸前にレイチェルの発言からそれがバレてしまう、、という修羅場になっていました。
レイチェル: (entering) Hi! I'm so sorry to barge in on your Valentine's, but I had to get away from all the yelling. Mona is dumping Ross. ([部屋に入ってきて] はーい! 二人のバレンタインデーを邪魔しちゃってごめんね。でもあの叫び声から逃げ出さないといけなかったの。モナがロスを振ってるとこなのよ。)
モニカ: Oh, my God. (なんてこと。)
チャンドラー: Poor Ross. (かわいそうなロス。)
(Monica and Chandler both look at each other and run over to the window to watch the action in Ross' apartment)
モニカとチャンドラーの二人は、お互いを見てから、窓に走って行く。ロスのアパートメントでの活動(振る舞い)を見るために。
チャンドラー: Oh, great. We have to watch him do yoga in his underwear, but for this he closes the drapes! (あぁ、最高だよ。俺たちはロスが下着姿でヨガをするのを見ないといけないってのに、こんな時にはロスはカーテンを閉めてるよ。)
モニカ: Rach, you know that birthing tape you wanted to see? It's here. (レイチェル、ほら、あなたが見たがってた出産ビデオなんだけど。ここにあるわ。)
チャンドラー: Oh, and we should warn you before you watch it. Don't watch it. (あぁ、で、レイチェルがそれを見る前に警告しとかなきゃな。それを見るな。)
レイチェル: Why? You saw it? Is it scary? (どうして? あなたちは見たの? 怖いの?)
チャンドラー: Well, let's just say it's ironic how footage of someone being born can make you want to kill yourself. (そうだな、誰かが生まれる映像がどんな風に人を自殺したい気持ちにさせるかってのは皮肉だな、と言っておこう。)
レイチェルは「バレンタインデーなのにごめんね」と言いながら、部屋に入ってきます。
barge in は「荒々しく入り込む、押し入る、乱入する」というニュアンス。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
barge in also barge into something [phrasal verb] : to enter or rush in rudely
つまり、「乱暴に入る、または突入する」。
その句動詞と並んで、以下の barge in on の形も載っていました。
barge in on somebody/something [phrasal verb]
to interrupt someone rudely, especially by coming in while they are doing something
例) She just barged in on Duncan and Jessica.
つまり、「誰かを乱暴に邪魔する、特に誰かが何かをしている最中に来ることで」。
例文は、「彼女はダンカンとジェシカの邪魔をした(ダンカンとジェシカがいるところに突然入ってきた)」。
今回のレイチェルのニュアンスは、barge in on の「突然入ってきて、邪魔をする」に近い気がしますね。
your Valentine's は、your Valentine's Day ということですから、on your Valentine's は、on Monday 「月曜日に」のような「曜日、日の前につく on 」だと捉えることも可能ですが、「あなたたちのバレンタインデーという日に、barge in 「乱入して」ごめんなさい」というよりも、「あなたたちがバレンタインデーを楽しんでいる真っ最中にお邪魔しちゃってごめんなさい」の方が近い気がするわけです。
部屋に入ってきて、バレンタインデーというイベントを台無しにしちゃってごめんなさい、みたいな感覚なんだろうなぁ、と。
この on は「不利益を表す on」のニュアンスだと思います。
それについては、過去記事、不利益を表すon フレンズ6-6その1 で解説したことがあるのですが、その記事で例に挙げた、move out on 「〜を残して引っ越す、引っ越して出て行く」、walk out on 「妻を置いて出て行く」、cheat on someone 「配偶者などに隠れて浮気する」などの on と同じ感覚の on になるだろうと思うわけですね。
ちなみに、barge という名詞には、「平底の荷船、はしけ」という意味もあり、ウィジャボードという霊感ボードゲーム フレンズ3-14その6 では、
You never run on a barge! (バージの上を走っちゃいけないのよ!)
などのセリフで登場していました。
I had to get away from all the yelling. を直訳すると、「あの叫び全てから逃げ出さなければならなかった」。
dump は「投げ捨てる」ですが、恋愛の話だと「(相手を)ふる」ですね。
モナが今、ロスをふっている最中、もしくはロスをふろうとしているところ、みたいな感覚になるでしょう。
それを考えると、all the yelling は、「元カノと同居して、それを私に黙ってたなんて信じられない」的なことを、怒りにまかせてたくさん叫んでいた、そういういろんなわめき声、叫び声ということで、それから逃げ出さなきゃいけなくて、悪いとは思ったけど、ここに来ちゃったのよ、ということですね。
チャンドラーは、Poor Ross. 「かわいそうなロス」と言って同情する様子を見せながらも、すぐにロスの部屋が見える窓に行って、中の様子をうかがっています。
友人の心配をしているのかと思いきや、ただのやじうまみたいになっている、という面白さです。
チャンドラーは、Oh, great. と言っていますが、その言い方や、その後の発言から、それは文字通りの、「あぁ、最高」という意味ではなく、「全くもう、最低、最悪だよ」的なニュアンスで皮肉っぽく使っていることがわかります。
We have to watch him do yoga in his underwear は、「ロスが下着(姿)で、ヨガをしているのを見なければならない」、but for this he closes the drapes! は、「でも、このために、ロスはドレープ(厚地のカーテン)を閉じている」になりますね。
つまり、「普段は、ロスの部屋に目をやると、”下着姿でヨガしてるロス”なんていう見たくもないものを見さされるはめになるのに、今回みたいに俺たちが見たいと思う時に限って、あんな風にドレープを閉じてやがるんだ」みたいに言っていることになります。
モニカは、「あなたが見たがってた出産ビデオがここにあるわ」と言うのですが、その後のチャンドラーのセリフが面白いですね。
we should warn you before you watch it. Don't watch it. は、「君がそれを見る前に俺たちは警告すべきだな(警告しないといけないな)。それを見るな」と言っていることになります。
「見る前に一言、言っとく。絶対に見るな」と言っているわけで、そのセリフを聞いている観客も、「見る前に警告しとく」と言うから、心構えしとけよ(Be prepared.)的なことを言うのかと思っていたら、もっとシンプルな「とにかく見ちゃだめだ」と続くところに笑ってしまうわけですね。
「見るな」という発言から、雰囲気を察したらしいレイチェルは、「見たの? 怖いの?」と尋ねています。
Well, let's just say it's ironic how footage of someone being born can make you want to kill yourself. について。
let's just say は、「〜だと言っておこう」という感覚。
ここでの footage は「(フィルム)映像、撮影場面」という意味。
LAAD では、
footage [noun, uncountable] : flim that shows a particular event
of
例) black-and-white footage of the 1936 Olympics
つまり、「あるイベントを示すフィルム」。例文は、「1936年のオリンピックの白黒映像」。
ちなみに、footage には「フィート数、長さ」という意味もあり、船頭多くして船山に上る フレンズ7-2その1 では、square footage 「平方フィート」「(平方フィート表示された)面積」という意味で出て来ていました。
it's ironic how... の文章の基本的な構造は、it's ironic how A can make you want to... ということですね。
「A がどんな風に(どのように)、人を…したい気持ちにさせることができるかっていうのは皮肉なことだよね」という感じ。
この how を that にして、it's ironic that A can make you want to... と表現することも可能ですが、that よりも how を使う方が、より口語チックな感じですね。
フレンズでも、You know that SV とほぼ同じ意味で、You know how SV が使われることがよくあります。
thatの代わりにhowを使うと フレンズ5-14その2 で、そのような how について解説しています。
「アナと雪の女王」(原題: Frozen)のテーマソング Let It Go (英語版)の歌詞に、
It's funny how some distance makes everything seem small
という部分がありますが、この how が、今回のチャンドラーのセリフと同じ how ですね。
チャンドラーのセリフ: It's ironic how A can make you want to...
レリゴー(笑)の歌詞: It's funny how A makes everything seem small
のように比較すると、使役動詞 make の使われ方も含めて、構造がよく似ていることがわかります。
(内容は全然違いますがw)
レリゴーの方は、「(いくらかの)距離が、どのように、全てを小さく見せるかということは面白いわね」→「距離が、物事全てを小さく見せるって、おかしいわね」→「離れたら、物事全てが小さく見えちゃうのね、笑っちゃうわ」みたいになるでしょう。
It's funny that A makes everything のように that を使って、「Sが〜するということは funny である」と表現しても、内容的にはあまり違いはないですが、that 「SがVすること」と表現するよりも、how 「Sがどんな風にVするか」と表現した方が、より口語チックだと言うことです。
footage of someone being born は、「誰か(人)が生まれる映像」、make you want to kill yourself は、「自殺したいという気にさせる」ですね。
チャンドラーは、あまりに映像が壮絶なものだったので、人生に絶望してしまいそうになる、と言いたいようです。
「人が生まれる映像を見て、死にたいって気持ちになるなんて皮肉だね」と言いたいわけですね。
「そこまで言うか」的な大げさな表現ですが、「出産ビデオ」が想像以上にショッキングだったことを、「生まれる」の反対の「死ぬ」という言葉を使って表現しているのが、チャンドラーのジョークっぽいな、という気がしました。
(Rach からのお知らせ)
前回の記事、スクリーンセーバーにできる フレンズ8-15その4 の、do tequila shots off という表現についての情報をいただきましたので、その記事に追記の形で、訂正と追加説明をさせていただいています。併せてお読みいただけると幸いです。
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2014年06月30日
2014年06月27日
スクリーンセーバーにできる フレンズ8-15その4
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出産を控えたレイチェルに見せてあげようと、友人の出産ビデオを持ってきたフィービー。
そのビデオテープがたまたま自宅のテーブルに置いてあったのを見たチャンドラーは、その日がバレンタインデーであったこともあり、以下のような反応をしていました。
チャンドラー: (picking up a video from the table) "Candy and Cookie"? "Candy and Cookie"?! Monica got me porn?! Girl-on-girl porn?! She really must love me!! ([テーブルからビデオテープを取り上げて] 「キャンディとクッキー」? 「キャンディとクッキー」?! モニカは俺にポルノをくれたのか? (それも)女の子と女の子のポルノ?! モニカが俺を愛してるのは、ほんとに間違いない!!)
しかし、チャンドラーの期待に反して、赤ちゃんの出産を撮影したビデオだったので、そのあまりのリアルさに、チャンドラーは茫然。
色っぽい下着で誘うモニカにもそそられる様子はなく、今度は一緒に見たモニカまでもが、その映像の壮絶さにパニクることになります。
二人が出産ビデオを見て、しばらく経ってからのシーン。
[Scene: Monica and Chandler's. Monica and Chandler are sitting on the couch still staring at the screen.]
モニカとチャンドラーの家。モニカとチャンドラーはカウチに座って、まだスクリーンをじっと見つめている。
モニカ: How long has it been this time? (今回は、どれくらい時間が経った?)
チャンドラー: 90 seconds. (90秒。)
モニカ: That's better. 90 seconds is a long time not to think about it. Except all I did was think about it. (それは前よりましね。そのことについて考えない時間としては、90秒は(十分)長いわ。ただし、私が(その90秒間に)したことは、それについて考えることだけだったけど。)
チャンドラー: You know. It haunts me. Up ‘til now, the worst thing I ever saw, was my father doing tequila shots off the naked houseboy. After this, I would gladly make that my screen saver! (ねえ。そのことが頭から離れないよ。今まで、俺が見た中で最悪だったのは、俺の親父が裸の使用人(ハウスボーイ)の体でテキーラを飲んでたことだ(注:下の解説内に訂正と追記があります)。これを見た後は、俺は喜んで、それ(親父と使用人の光景)をスクリーンセーバーにするだろうね!)
モニカ: Okay, well, we have to get past this. Why don't we get rid of the tape and pretend it never existed? (いいわ、そうね、私たちはこれを乗り越えないといけないわ。そのテープを処分して、そのテープが存在しなかったようなふりをする[存在しなかったことにする]のはどう?)
チャンドラー: I could do that. (それならできるね。)
モニカ: Okay. (オッケー。)
(Chandler takes the tape and sticks it under the chair cushion)
チャンドラーはテープを取り、それを椅子のクッションの下に差し込む。
チャンドラー: Okay. Now all we've got to do is get rid of this chair. (よし。じゃあ、俺たちがしなくちゃいけないのは、この椅子を処分することだな。)
チャンドラーが、置いてあった「出産ビデオ」を「エッチビデオ」だと誤解したところが面白かったので、その部分だけを、先に少し紹介させていただきました。
過去記事で説明したように、「産んだ母親がキャンディで、生まれた娘がクッキー」という出産ビデオなのですが、チャンドラーもそれを見て、2人の女性名がタイトルだったことから、「レズビアンもの」だと勘違いしたようですね。
Monica got me porn?! は、「モニカが俺にポルノをゲットしてくれた」ということですから、「バレンタインデーのプレゼントに、俺にエッチビデオを買ってくれた、用意してくれた」というニュアンス。
Girl-on-girl porn?! の girl-on-girl は文字通り、「女の子の上に女の子」みたいなイメージで、女の子同士が身体を重ねているようなレズビアンものをイメージしての言葉だと思います。
「モニカが俺にエッチビデオをプレゼント? それもレズビアンもの?!」みたいに喜んでいるチャンドラーは、She really must love me!! とも言っています。
「モニカは本当に俺を愛してるに違いない、俺を愛してるのは間違いない!」ということで、「バレンタインデーにこんなビデオをくれるなんて、俺のことほんとに愛してくれてるんだな」と言っていることになります(、、んなことで、愛の深さを測られても、、みたいな^^)。
チャンドラーが間違ってそれを見てしまったせいで、モニカも見るはめになってしまい、あまりの映像に二人は茫然とした表情になっています。
How long has it been this time? のように this time 「今回は」と言っているのは、見た後にいろいろとパニクってしまい、とりあえず落ち着こう、何も考えずしゃべらずに黙っていよう、と何度かトライしてきた上での「今回はどのくらい?」というニュアンスのようです。
90秒とチャンドラーが答えると、モニカは、「それは前より良いわね」と言っています。
90 seconds is a long time not to think about it. を直訳すると、「90秒は、それについて考えないのには、長い時間だ」みたいになるでしょうか。
この to は、研究社 新英和中辞典の以下の語義が当てはまるかなと思います。
to=[適応範囲を限定して] …するのに
Freshly caught fish are the best to eat. 捕りたての魚は食べていちばんうまい。
この例文も、「…するのに」という訳を当てはめて直訳してみると、「新鮮に捕まえられた魚は、食べるのにベストだ」になりますよね。
今回のセリフも、90秒という時間は、一般的に言って長い時間とは言えないながらも、「そのこと(出産ビデオのこと)を考えないということについては、(十分に)長い時間だ」と言っている感覚になるのだろうと思います。
その後、Except... とセリフを続けていますが、このように、「付け足しの Except」は、Except 以下を、「ただし、(except 以下の内容)を除いて」のように、除外条件を追加する感覚で理解するとわかりやすいですね。
この場合は、「(その90秒の間に)私がしたことは、それについて考えることだけだった、というのを除いて」という意味になり、つまり、「出産ビデオのことを考えないでいるのに、90秒は十分長い時間だわ。でも、その90秒の間、実は出産ビデオのことが頭を離れなかったんだけど」と言っていることになります。
90秒間、二人が沈黙していて、せめてその時間だけでも忘れられていたのなら良かったけれど、実は黙っている間も、出産の映像が二人の頭から離れることはなかった、ということですね。
「考えないのが90秒なら十分長い」(私たちよくやったわ) 「でもその90秒の間、(実際には)考えてたんだけど」(やっぱり無理ね、忘れることなんかできない)という感じで、「90秒考えずにいられた」かのような前文の発言を、Except で「ひっくり返した、全否定した」ような流れになっているということです。
ブラピが登場したエピソード、加入ではなく共同設立 フレンズ8-9その5 でも、ロスとウィル(ブラピ)の間で以下のようなやりとりがありました。
ロス: But if you think about it, the "I Hate Rachel Club" was really the "I Love Rachel" Club. (でも考えてみたら、「レイチェル大嫌いクラブ[レイチェルを憎んでるクラブ]」は本当は「レイチェル大好きクラブ[レイチェルを愛してるクラブ])だったんだよ。)
ウィル: Uh, except that it was really the "I Hate Rachel Club." (あー、それが本当に「レイチェル大嫌いクラブ」であったということを除いてはね。)
これも、後からウィルが Except で付け加えることで、ロスの発言を「完全否定」する形でひっくり返したセリフでしたね。
It haunts me. の haunt は、ここでは「(考えなどが)脳裏を去らない、付きまとう、絶えず思い浮かぶ、悩ませる」という感覚。
私は、haunt という単語を聞くと、ディズニーランドにある「ホーンテッドマンション(The Haunted Mansion)」を思い出すのですが、これは「お化け屋敷」という意味ですね。
haunt という動詞には「(幽霊が)がよく出る、取りつく」という意味があるので、「幽霊に取りつかれた大邸宅(屋敷)」→「お化け屋敷」になるわけです。
haunt という単語に、「幽霊が取りつく」という意味があるのを知っていると、「it が自分に haunt する」というのが、「それが取りついて脳裏を去らない」というイメージにもすぐに繋がるだろうと思います。
up ‘til now (up until now) は、「今まで」。
その後の、the worst thing I ever saw, was my father doing... について。
「俺が今まで見た中で最悪だったのは、俺の父親が〜していることだった」ということですが、その内容は、my father doing tequila shots off the naked houseboy になっています。
houseboy は「下働き、若い少年の使用人」ということ。
do tequila shots off という表現がちょっと漠然としてわかりにくいのですが、off the naked houseboy の off は「裸の若い使用人(の身体)から」というような「分離」のニュアンスが感じられます。
tequila shots の a shot は「(酒の)1杯」ということですね。
それらの意味を総合すると、do tequila shots off the naked houseboy は、「若い使用人の裸体で、テキーラを飲む」というイメージになりそうな気がします。
試しに、do tequila shots off で検索してみると、結構、その表現がヒットして、off の後に続く言葉は「体の部位」が多かったです。
となると、やはり「使用人の裸体でテキーラを飲んだ」という感覚が近いように思うのですね。
何だかちょっとハードな感じですが、エッチのプレイの種類として、「身体と食べ物を使ったプレイ」が、過去のフレンズにも何度も出てきました。
以下にそれをいくつか紹介させていただきますが、その流れで考えると、「今回のパパの話もそれらと同じようなプレイであり、フレンズ的にはよくあるパターン」だということがわかっていただけるかな、と思います。
フレンズ1-14 では、チャンドラーとジョーイがそれぞれ、ジャニス(!)とロレインという女性とダブルデートをしており、チャンドラーとジャニスを残して、ジョーイがロレインと帰りたがっているシーンがありました。
ジョーイ: She said she wants to slather my body with stuff and then lick it off. I'm not even sure what slathering is! But I definitely want to be a part of it! (ロレインが、俺の身体に何かを slather して(たっぷり塗って)、それからそれを舐め取りたい、って言ったんだ。slather するって何なのか俺にはわかんないんだけど! でも絶対にそれに参加したい!)
いったんは、チャンドラーに非難されて、残ろうとしたものの、
その後、ロレインが店の人に、
ロレイン: Uh, can we have three chocolate mousses to go, please? (あの、チョコレートムースを3つ、持ち帰りできるかしら?)
というのを聞いて、チャンドラーにクレジットカードを渡して、ジョーイはロレインとそそくさと帰って行った、、というシーンでした。
ジョーイは、slather という単語の意味がいまいちわからなかったようですが、「舐め取る」ものがチョコムースだとわかって、どんなプレイかわかった、みたいなことのようです。
フレンズ1-12 でも、テーブルを壊したのはジョーイだろ、とチャンドラーが言って、
チャンドラー: Well, I believe this piece of furniture was fine until your little breakfast adventure with Angela Delveccio. (そうだな、お前がアンジェラ・デルベキオとちょっとした朝食の冒険をするまでは、この家具は問題なかったはずだと思うからね。)
ジョーイ: You knew about that? (お前はそのことを知ってたのか?)
チャンドラー: Well, let's just say the impressions you made in the butter left little to the imagination. (そうだな、お前がバターに残した痕跡は、想像の余地がないほど一目瞭然だった、と言っておこう。)
というやりとりがありました。これも、lick it off 系のプレイだと思われます。
フレンズ3-21 では、肋骨が折れてるかもしれない、でも会社の大事なパーティーに行かなきゃいけないというレイチェルのために、元彼のロスが着替えを手伝うシーンで、
レイチェル: Umm, okay, just turn around. (うーん、じゃあ、ちょっとそっち向いてて。)
ロス: What? (何?)
レイチェル: I don't want you to see me naked. (あなたに私の裸を見られたくないの。)
ロス: Rachel, I've seen you naked a million times. I ate hot fudge off you naked. I-I sucked that mini-marshmallow out of your bellybutton. (レイチェル、僕は君の裸を、100万回くらい見てるよ。裸の君の身体から、ホットファッジ(注:アイスクリームにかけるチョコレートシロップ)を食べたし。君のおへそからあの小さなマシュマロを吸い込んだし。)
付き合っていた当時の二人は、こんなこともしてたのね ^^ 、、みたいな話ですが、実際にそういう行為をしているのを映像で見せるのではなく、特にこのように「今は付き合ってないけど、当時はこんなこともしてたろ? それで今さら恥らうわけ?」という例として挙げるところが、「セリフそのものは結構エッチなことを言っているけれど、映像でそれをダイレクトには見せない」という「フレンズ」っぽいところだなぁ、と思います。
上で挙げたようなそういうプレイと同じ流れが、今回のチャンドラーの言っている、do tequila shots off the naked houseboy だと思うのですね。
特に、フレンズ3-21 の、I ate hot fudge off you naked. とよく似ていると思うわけです。
tequila shots と聞くと、「テキーラ用の小さなショットグラス」で飲むイメージが浮かぶのですが、ここではそういう「ショットグラス」を使って飲むのではなく、ハウスボーイの身体そのものを使ってテキーラを味わっているというニュアンス(身体にテキーラをかけてそれを舐める的なプレイ)なんだろうなと思いました。
チャンドラーが「俺が今まで見た中で最悪の光景」みたいに言っているので、まぁ、それぐらいハードなものでないと、このセリフも成り立たないと思いますし。
(2014.6.28 追記)
「do tequila shots off とはどういうものか?」についての情報を教えていただきましたので、こちらで、訂正と追記をさせていただきます。
私は「身体に塗って舐める」みたいなものを想像していたのですが、「身体を使った、テキーラのセクシーな飲み方の定番」みたいなものがあるようです。
body shot と呼ばれる飲み方で、オンラインスラング辞典である、Urban Dictionary の語義の説明がわかりやすいので紹介させていただきますと、
Urban Dictionary : body shot
A body shot is a sexual way of doing shots of tequila. Your lime is held in your partner's mouth and the salt put on a body part (stomach, neck, breasts, etc) You lick the salt off of them, take your shot and then eat the lime out of their mouth.
つまり、「ボディ・ショットとは、テキーラを飲むセクシャルな方法。自分のライムを相手の口に持たせ(くわえさせ)、塩を身体の部分(腹、首、胸など)に付ける。相手から塩を舐め取って、テキーラを一口飲み、それから、相手の口からライムを食べる」。
「そうかぁ〜、テキーラには”ライムと塩”が付き物なのか!」と思って、Wikipedia 日本語版: テキーラ を見ると、
産地ではそのまま飲まれることが多く、食塩を舐めライムを口へ絞りながら楽しむのが正統な飲み方とされる。
とありました。
そういう「食塩とライムと一緒にテキーラを楽しむ」という飲み方を、相手のボディを使って行うところが、body shot という飲み方のポイントなわけですね。
私は最初、「テキーラを相手の身体に塗って舐める」みたいなことを想像していたわけですが、いくらキツいお酒だと言っても、舐めるぐらいでは量が知れているし、酔うほどには飲めないだろうとも思ったのです。
ですが、「テキーラにはライムと塩が付き物」だというイメージがあれば、この body shot の飲み方も納得できますよね。
相手の身体についた塩を舐め、テキーラをショットグラスでぐいと飲んで、相手が口にくわえたライムをかじる(または、ディープキスのようにして絞る)、、みたいなセクシーな飲み方のようです。
そういう「定番のエッチな飲み方」があると知ってから、今さらながら気づいたのですが、Wikipedia 英語版: Tequila | Ways to drink には、「テキーラの飲み方」の説明の中で、body shots という言葉も出ていたんですよね。
body shots のリンク先は、Food play に繋がっており、内容がさらにハードになってくるので、ここではそちらのリンクは貼りませんが(笑)、Wikipedia: Food play | Alcohol の中でも、lime と salt を使った body shot の方法が説明されています。
今思えば、do tequila shots off のように漠然とした動詞 do が使われていたことから考えても、具体的な動詞を使って動作や行為を説明する必要がないような「tequila shots の定番のやり方」みたいなものがあると察することもできたのかなぁ、と思ったりもします。
男女の恋人同士がそんな風な飲み方で楽しんだり、または、女の子二人にそういうセクシーな飲み方をさせて、男性が見て楽しむ、みたいなこともあるようです。
このセリフの前のシーンで、チャンドラーが「モニカが俺にレズビアンもののエッチビデオをくれた?!」と喜んでいましたが、まさにそういう「レズビアンもの」のビデオに出てきそうな感じのプレイですよね。
エッチビデオの中で女の子同士の body shot を見たのなら、チャンドラーも喜んでいたでしょうし、特にそういうものが大好きなジョーイなら泣いて喜びそう^^ なほどですが、「自分の父親と若い使用人」が、body shot をしている姿だったから、チャンドラーは「これまでの人生で最悪」だと言っていたことになるでしょう。
女の子同士ならいいけど、それが男同士で、しかも「自分の親父と、家にいる若い使用人の少年」とのそういうプレイを子供時代に見せられた、ということですから、トラウマになるのも無理はない、ということなんでしょうね。
そういうことを考えると、このチャンドラーの「テキーラショット」発言は、脚本的な流れを踏まえた上でのオチのような気もします。
「レズビアンもののエッチビデオだと思った」→「実際に見てみたら、出産のビデオだった」→「レズビアンもののエッチビデオによくあるような body shot を、親父と若い使用人がやっていた光景よりも最悪だった」みたいな流れで、「レズビアンもののビデオだと勘違いした」ことと無関係ではないというか、それが body shot に繋げるための伏線みたいなものでもあったのかなぁ、と思ったということです。
(追記はここまで)
そんな「史上最悪の光景」を前振りとして述べた後、After this, I would gladly make that my screen saver! とチャンドラーは言っています。
「これの後」は、「この出産ビデオの映像を見た後」ということですね。
I would gladly make that my screen saver は、「俺は喜んで、それ(父親とハウスボーイの光景)を(自分のPCの)スクリーンセーバーにするだろう」。
しょっちゅう目にするスクリーンセーバーにしてもいいと思えるくらい、「父親がテキーラを飲んでいる光景」は最悪のものではなくなった、だってこの出産ビデオの映像が、それよりもっと衝撃的だったから、と言いたいわけです。
we have to get past this の get past は「通り過ぎる、乗り越える、克服する」という感覚ですね。
Why don't we get rid of the tape and pretend it never existed? は、「テープを処分して、そのテープが存在しなかったかのようなふりをするのはどう?」ということ。
pretend to do だと「〜するふりをする」で、pretend (that) と後ろに文が続くと、「…であるというふりをする、…だということにする」というニュアンスになります。
「何かを処分して、それをなかったことにする」みたいに日本語でも言いますので、その場合には、pretend を使えばいいということですね。
I could do that. は、I can do that. よりも「仮定」のニュアンスが込められている感覚で、「そういうことならできそうだ」と言っていることになるでしょう。
チャンドラーは、とりあえずテープを椅子のクッションの下に隠すのですが、隠した後、「俺たちがすべきなのは、この椅子を処分することだ」と言っているのが面白いですね。
テープをしまったこの椅子ごと処分しちゃおう、と言っているわけで、どれだけこのテープを恐れているかがよくわかるわけですね。
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出産を控えたレイチェルに見せてあげようと、友人の出産ビデオを持ってきたフィービー。
そのビデオテープがたまたま自宅のテーブルに置いてあったのを見たチャンドラーは、その日がバレンタインデーであったこともあり、以下のような反応をしていました。
チャンドラー: (picking up a video from the table) "Candy and Cookie"? "Candy and Cookie"?! Monica got me porn?! Girl-on-girl porn?! She really must love me!! ([テーブルからビデオテープを取り上げて] 「キャンディとクッキー」? 「キャンディとクッキー」?! モニカは俺にポルノをくれたのか? (それも)女の子と女の子のポルノ?! モニカが俺を愛してるのは、ほんとに間違いない!!)
しかし、チャンドラーの期待に反して、赤ちゃんの出産を撮影したビデオだったので、そのあまりのリアルさに、チャンドラーは茫然。
色っぽい下着で誘うモニカにもそそられる様子はなく、今度は一緒に見たモニカまでもが、その映像の壮絶さにパニクることになります。
二人が出産ビデオを見て、しばらく経ってからのシーン。
[Scene: Monica and Chandler's. Monica and Chandler are sitting on the couch still staring at the screen.]
モニカとチャンドラーの家。モニカとチャンドラーはカウチに座って、まだスクリーンをじっと見つめている。
モニカ: How long has it been this time? (今回は、どれくらい時間が経った?)
チャンドラー: 90 seconds. (90秒。)
モニカ: That's better. 90 seconds is a long time not to think about it. Except all I did was think about it. (それは前よりましね。そのことについて考えない時間としては、90秒は(十分)長いわ。ただし、私が(その90秒間に)したことは、それについて考えることだけだったけど。)
チャンドラー: You know. It haunts me. Up ‘til now, the worst thing I ever saw, was my father doing tequila shots off the naked houseboy. After this, I would gladly make that my screen saver! (ねえ。そのことが頭から離れないよ。今まで、俺が見た中で最悪だったのは、俺の親父が裸の使用人(ハウスボーイ)の体でテキーラを飲んでたことだ(注:下の解説内に訂正と追記があります)。これを見た後は、俺は喜んで、それ(親父と使用人の光景)をスクリーンセーバーにするだろうね!)
モニカ: Okay, well, we have to get past this. Why don't we get rid of the tape and pretend it never existed? (いいわ、そうね、私たちはこれを乗り越えないといけないわ。そのテープを処分して、そのテープが存在しなかったようなふりをする[存在しなかったことにする]のはどう?)
チャンドラー: I could do that. (それならできるね。)
モニカ: Okay. (オッケー。)
(Chandler takes the tape and sticks it under the chair cushion)
チャンドラーはテープを取り、それを椅子のクッションの下に差し込む。
チャンドラー: Okay. Now all we've got to do is get rid of this chair. (よし。じゃあ、俺たちがしなくちゃいけないのは、この椅子を処分することだな。)
チャンドラーが、置いてあった「出産ビデオ」を「エッチビデオ」だと誤解したところが面白かったので、その部分だけを、先に少し紹介させていただきました。
過去記事で説明したように、「産んだ母親がキャンディで、生まれた娘がクッキー」という出産ビデオなのですが、チャンドラーもそれを見て、2人の女性名がタイトルだったことから、「レズビアンもの」だと勘違いしたようですね。
Monica got me porn?! は、「モニカが俺にポルノをゲットしてくれた」ということですから、「バレンタインデーのプレゼントに、俺にエッチビデオを買ってくれた、用意してくれた」というニュアンス。
Girl-on-girl porn?! の girl-on-girl は文字通り、「女の子の上に女の子」みたいなイメージで、女の子同士が身体を重ねているようなレズビアンものをイメージしての言葉だと思います。
「モニカが俺にエッチビデオをプレゼント? それもレズビアンもの?!」みたいに喜んでいるチャンドラーは、She really must love me!! とも言っています。
「モニカは本当に俺を愛してるに違いない、俺を愛してるのは間違いない!」ということで、「バレンタインデーにこんなビデオをくれるなんて、俺のことほんとに愛してくれてるんだな」と言っていることになります(、、んなことで、愛の深さを測られても、、みたいな^^)。
チャンドラーが間違ってそれを見てしまったせいで、モニカも見るはめになってしまい、あまりの映像に二人は茫然とした表情になっています。
How long has it been this time? のように this time 「今回は」と言っているのは、見た後にいろいろとパニクってしまい、とりあえず落ち着こう、何も考えずしゃべらずに黙っていよう、と何度かトライしてきた上での「今回はどのくらい?」というニュアンスのようです。
90秒とチャンドラーが答えると、モニカは、「それは前より良いわね」と言っています。
90 seconds is a long time not to think about it. を直訳すると、「90秒は、それについて考えないのには、長い時間だ」みたいになるでしょうか。
この to は、研究社 新英和中辞典の以下の語義が当てはまるかなと思います。
to=[適応範囲を限定して] …するのに
Freshly caught fish are the best to eat. 捕りたての魚は食べていちばんうまい。
この例文も、「…するのに」という訳を当てはめて直訳してみると、「新鮮に捕まえられた魚は、食べるのにベストだ」になりますよね。
今回のセリフも、90秒という時間は、一般的に言って長い時間とは言えないながらも、「そのこと(出産ビデオのこと)を考えないということについては、(十分に)長い時間だ」と言っている感覚になるのだろうと思います。
その後、Except... とセリフを続けていますが、このように、「付け足しの Except」は、Except 以下を、「ただし、(except 以下の内容)を除いて」のように、除外条件を追加する感覚で理解するとわかりやすいですね。
この場合は、「(その90秒の間に)私がしたことは、それについて考えることだけだった、というのを除いて」という意味になり、つまり、「出産ビデオのことを考えないでいるのに、90秒は十分長い時間だわ。でも、その90秒の間、実は出産ビデオのことが頭を離れなかったんだけど」と言っていることになります。
90秒間、二人が沈黙していて、せめてその時間だけでも忘れられていたのなら良かったけれど、実は黙っている間も、出産の映像が二人の頭から離れることはなかった、ということですね。
「考えないのが90秒なら十分長い」(私たちよくやったわ) 「でもその90秒の間、(実際には)考えてたんだけど」(やっぱり無理ね、忘れることなんかできない)という感じで、「90秒考えずにいられた」かのような前文の発言を、Except で「ひっくり返した、全否定した」ような流れになっているということです。
ブラピが登場したエピソード、加入ではなく共同設立 フレンズ8-9その5 でも、ロスとウィル(ブラピ)の間で以下のようなやりとりがありました。
ロス: But if you think about it, the "I Hate Rachel Club" was really the "I Love Rachel" Club. (でも考えてみたら、「レイチェル大嫌いクラブ[レイチェルを憎んでるクラブ]」は本当は「レイチェル大好きクラブ[レイチェルを愛してるクラブ])だったんだよ。)
ウィル: Uh, except that it was really the "I Hate Rachel Club." (あー、それが本当に「レイチェル大嫌いクラブ」であったということを除いてはね。)
これも、後からウィルが Except で付け加えることで、ロスの発言を「完全否定」する形でひっくり返したセリフでしたね。
It haunts me. の haunt は、ここでは「(考えなどが)脳裏を去らない、付きまとう、絶えず思い浮かぶ、悩ませる」という感覚。
私は、haunt という単語を聞くと、ディズニーランドにある「ホーンテッドマンション(The Haunted Mansion)」を思い出すのですが、これは「お化け屋敷」という意味ですね。
haunt という動詞には「(幽霊が)がよく出る、取りつく」という意味があるので、「幽霊に取りつかれた大邸宅(屋敷)」→「お化け屋敷」になるわけです。
haunt という単語に、「幽霊が取りつく」という意味があるのを知っていると、「it が自分に haunt する」というのが、「それが取りついて脳裏を去らない」というイメージにもすぐに繋がるだろうと思います。
up ‘til now (up until now) は、「今まで」。
その後の、the worst thing I ever saw, was my father doing... について。
「俺が今まで見た中で最悪だったのは、俺の父親が〜していることだった」ということですが、その内容は、my father doing tequila shots off the naked houseboy になっています。
houseboy は「下働き、若い少年の使用人」ということ。
do tequila shots off という表現がちょっと漠然としてわかりにくいのですが、off the naked houseboy の off は「裸の若い使用人(の身体)から」というような「分離」のニュアンスが感じられます。
tequila shots の a shot は「(酒の)1杯」ということですね。
それらの意味を総合すると、do tequila shots off the naked houseboy は、「若い使用人の裸体で、テキーラを飲む」というイメージになりそうな気がします。
試しに、do tequila shots off で検索してみると、結構、その表現がヒットして、off の後に続く言葉は「体の部位」が多かったです。
となると、やはり「使用人の裸体でテキーラを飲んだ」という感覚が近いように思うのですね。
何だかちょっとハードな感じですが、エッチのプレイの種類として、「身体と食べ物を使ったプレイ」が、過去のフレンズにも何度も出てきました。
以下にそれをいくつか紹介させていただきますが、その流れで考えると、「今回のパパの話もそれらと同じようなプレイであり、フレンズ的にはよくあるパターン」だということがわかっていただけるかな、と思います。
フレンズ1-14 では、チャンドラーとジョーイがそれぞれ、ジャニス(!)とロレインという女性とダブルデートをしており、チャンドラーとジャニスを残して、ジョーイがロレインと帰りたがっているシーンがありました。
ジョーイ: She said she wants to slather my body with stuff and then lick it off. I'm not even sure what slathering is! But I definitely want to be a part of it! (ロレインが、俺の身体に何かを slather して(たっぷり塗って)、それからそれを舐め取りたい、って言ったんだ。slather するって何なのか俺にはわかんないんだけど! でも絶対にそれに参加したい!)
いったんは、チャンドラーに非難されて、残ろうとしたものの、
その後、ロレインが店の人に、
ロレイン: Uh, can we have three chocolate mousses to go, please? (あの、チョコレートムースを3つ、持ち帰りできるかしら?)
というのを聞いて、チャンドラーにクレジットカードを渡して、ジョーイはロレインとそそくさと帰って行った、、というシーンでした。
ジョーイは、slather という単語の意味がいまいちわからなかったようですが、「舐め取る」ものがチョコムースだとわかって、どんなプレイかわかった、みたいなことのようです。
フレンズ1-12 でも、テーブルを壊したのはジョーイだろ、とチャンドラーが言って、
チャンドラー: Well, I believe this piece of furniture was fine until your little breakfast adventure with Angela Delveccio. (そうだな、お前がアンジェラ・デルベキオとちょっとした朝食の冒険をするまでは、この家具は問題なかったはずだと思うからね。)
ジョーイ: You knew about that? (お前はそのことを知ってたのか?)
チャンドラー: Well, let's just say the impressions you made in the butter left little to the imagination. (そうだな、お前がバターに残した痕跡は、想像の余地がないほど一目瞭然だった、と言っておこう。)
というやりとりがありました。これも、lick it off 系のプレイだと思われます。
フレンズ3-21 では、肋骨が折れてるかもしれない、でも会社の大事なパーティーに行かなきゃいけないというレイチェルのために、元彼のロスが着替えを手伝うシーンで、
レイチェル: Umm, okay, just turn around. (うーん、じゃあ、ちょっとそっち向いてて。)
ロス: What? (何?)
レイチェル: I don't want you to see me naked. (あなたに私の裸を見られたくないの。)
ロス: Rachel, I've seen you naked a million times. I ate hot fudge off you naked. I-I sucked that mini-marshmallow out of your bellybutton. (レイチェル、僕は君の裸を、100万回くらい見てるよ。裸の君の身体から、ホットファッジ(注:アイスクリームにかけるチョコレートシロップ)を食べたし。君のおへそからあの小さなマシュマロを吸い込んだし。)
付き合っていた当時の二人は、こんなこともしてたのね ^^ 、、みたいな話ですが、実際にそういう行為をしているのを映像で見せるのではなく、特にこのように「今は付き合ってないけど、当時はこんなこともしてたろ? それで今さら恥らうわけ?」という例として挙げるところが、「セリフそのものは結構エッチなことを言っているけれど、映像でそれをダイレクトには見せない」という「フレンズ」っぽいところだなぁ、と思います。
上で挙げたようなそういうプレイと同じ流れが、今回のチャンドラーの言っている、do tequila shots off the naked houseboy だと思うのですね。
特に、フレンズ3-21 の、I ate hot fudge off you naked. とよく似ていると思うわけです。
tequila shots と聞くと、「テキーラ用の小さなショットグラス」で飲むイメージが浮かぶのですが、ここではそういう「ショットグラス」を使って飲むのではなく、ハウスボーイの身体そのものを使ってテキーラを味わっているというニュアンス(身体にテキーラをかけてそれを舐める的なプレイ)なんだろうなと思いました。
チャンドラーが「俺が今まで見た中で最悪の光景」みたいに言っているので、まぁ、それぐらいハードなものでないと、このセリフも成り立たないと思いますし。
(2014.6.28 追記)
「do tequila shots off とはどういうものか?」についての情報を教えていただきましたので、こちらで、訂正と追記をさせていただきます。
私は「身体に塗って舐める」みたいなものを想像していたのですが、「身体を使った、テキーラのセクシーな飲み方の定番」みたいなものがあるようです。
body shot と呼ばれる飲み方で、オンラインスラング辞典である、Urban Dictionary の語義の説明がわかりやすいので紹介させていただきますと、
Urban Dictionary : body shot
A body shot is a sexual way of doing shots of tequila. Your lime is held in your partner's mouth and the salt put on a body part (stomach, neck, breasts, etc) You lick the salt off of them, take your shot and then eat the lime out of their mouth.
つまり、「ボディ・ショットとは、テキーラを飲むセクシャルな方法。自分のライムを相手の口に持たせ(くわえさせ)、塩を身体の部分(腹、首、胸など)に付ける。相手から塩を舐め取って、テキーラを一口飲み、それから、相手の口からライムを食べる」。
「そうかぁ〜、テキーラには”ライムと塩”が付き物なのか!」と思って、Wikipedia 日本語版: テキーラ を見ると、
産地ではそのまま飲まれることが多く、食塩を舐めライムを口へ絞りながら楽しむのが正統な飲み方とされる。
とありました。
そういう「食塩とライムと一緒にテキーラを楽しむ」という飲み方を、相手のボディを使って行うところが、body shot という飲み方のポイントなわけですね。
私は最初、「テキーラを相手の身体に塗って舐める」みたいなことを想像していたわけですが、いくらキツいお酒だと言っても、舐めるぐらいでは量が知れているし、酔うほどには飲めないだろうとも思ったのです。
ですが、「テキーラにはライムと塩が付き物」だというイメージがあれば、この body shot の飲み方も納得できますよね。
相手の身体についた塩を舐め、テキーラをショットグラスでぐいと飲んで、相手が口にくわえたライムをかじる(または、ディープキスのようにして絞る)、、みたいなセクシーな飲み方のようです。
そういう「定番のエッチな飲み方」があると知ってから、今さらながら気づいたのですが、Wikipedia 英語版: Tequila | Ways to drink には、「テキーラの飲み方」の説明の中で、body shots という言葉も出ていたんですよね。
body shots のリンク先は、Food play に繋がっており、内容がさらにハードになってくるので、ここではそちらのリンクは貼りませんが(笑)、Wikipedia: Food play | Alcohol の中でも、lime と salt を使った body shot の方法が説明されています。
今思えば、do tequila shots off のように漠然とした動詞 do が使われていたことから考えても、具体的な動詞を使って動作や行為を説明する必要がないような「tequila shots の定番のやり方」みたいなものがあると察することもできたのかなぁ、と思ったりもします。
男女の恋人同士がそんな風な飲み方で楽しんだり、または、女の子二人にそういうセクシーな飲み方をさせて、男性が見て楽しむ、みたいなこともあるようです。
このセリフの前のシーンで、チャンドラーが「モニカが俺にレズビアンもののエッチビデオをくれた?!」と喜んでいましたが、まさにそういう「レズビアンもの」のビデオに出てきそうな感じのプレイですよね。
エッチビデオの中で女の子同士の body shot を見たのなら、チャンドラーも喜んでいたでしょうし、特にそういうものが大好きなジョーイなら泣いて喜びそう^^ なほどですが、「自分の父親と若い使用人」が、body shot をしている姿だったから、チャンドラーは「これまでの人生で最悪」だと言っていたことになるでしょう。
女の子同士ならいいけど、それが男同士で、しかも「自分の親父と、家にいる若い使用人の少年」とのそういうプレイを子供時代に見せられた、ということですから、トラウマになるのも無理はない、ということなんでしょうね。
そういうことを考えると、このチャンドラーの「テキーラショット」発言は、脚本的な流れを踏まえた上でのオチのような気もします。
「レズビアンもののエッチビデオだと思った」→「実際に見てみたら、出産のビデオだった」→「レズビアンもののエッチビデオによくあるような body shot を、親父と若い使用人がやっていた光景よりも最悪だった」みたいな流れで、「レズビアンもののビデオだと勘違いした」ことと無関係ではないというか、それが body shot に繋げるための伏線みたいなものでもあったのかなぁ、と思ったということです。
(追記はここまで)
そんな「史上最悪の光景」を前振りとして述べた後、After this, I would gladly make that my screen saver! とチャンドラーは言っています。
「これの後」は、「この出産ビデオの映像を見た後」ということですね。
I would gladly make that my screen saver は、「俺は喜んで、それ(父親とハウスボーイの光景)を(自分のPCの)スクリーンセーバーにするだろう」。
しょっちゅう目にするスクリーンセーバーにしてもいいと思えるくらい、「父親がテキーラを飲んでいる光景」は最悪のものではなくなった、だってこの出産ビデオの映像が、それよりもっと衝撃的だったから、と言いたいわけです。
we have to get past this の get past は「通り過ぎる、乗り越える、克服する」という感覚ですね。
Why don't we get rid of the tape and pretend it never existed? は、「テープを処分して、そのテープが存在しなかったかのようなふりをするのはどう?」ということ。
pretend to do だと「〜するふりをする」で、pretend (that) と後ろに文が続くと、「…であるというふりをする、…だということにする」というニュアンスになります。
「何かを処分して、それをなかったことにする」みたいに日本語でも言いますので、その場合には、pretend を使えばいいということですね。
I could do that. は、I can do that. よりも「仮定」のニュアンスが込められている感覚で、「そういうことならできそうだ」と言っていることになるでしょう。
チャンドラーは、とりあえずテープを椅子のクッションの下に隠すのですが、隠した後、「俺たちがすべきなのは、この椅子を処分することだ」と言っているのが面白いですね。
テープをしまったこの椅子ごと処分しちゃおう、と言っているわけで、どれだけこのテープを恐れているかがよくわかるわけですね。
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2014年06月25日
彼ったら笑わせてくれるわ フレンズ8-15その3
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ロスは、実家のアトランティックシティから帰ってきた恋人モナに、「僕の赤ちゃんがママ(レイチェル)のお腹を蹴った時、僕はそばにいなかった。それがとても悲しかった」という話をした後、
ロス: Yeah, I was missing out on all this other stuff, too. So, Joey suggested Rachel move in with me. (あぁ、こういう他の件も全部、僕は見逃したんだ。だから、ジョーイが提案したんだよ、レイチェルが僕の家に引っ越したら、って。)
モナ: (laughing) Yeah, right! ([笑いながら] えぇ、そうね!)
ロス: What? (何?)
モナ: Joey cracks me up! It's like, "Yeah, why don't you have your ex-wife move in with you? That wouldn't be awkward at all!" (she laughs again) (ジョーイったら笑わせてくれるわ! まるでこんな感じよ。「あぁ、どうして元妻と一緒に住まないんだ? そんなことしたって、全然、気まずくないよ!」 [モナはまた笑う])
ロス: (not amused) Huh... uh-huh. ([不快な様子で] はぁ、うんうん。)
モナ: Huh, could you imagine? I go away for a few days, and I come back, and my boyfriend is living with some woman he got pregnant! (Mona laughs... yes... again!) (はっ、想像できたりする? 私が2、3日出かけてて、それで帰ってきて、そしたら私の恋人が彼が妊娠させたどこかの女性と一緒に暮らしてるのよ! [モナは笑う…そう、また!])
(Ross fake laughs, obviously not finding this funny, and he's starting to panic, so he shoves the whole saltwater taffy he's eating in his mouth)
ロスは作り笑いをする、明らかにこのことが面白くない様子で。そしてロスはパニクり始め、今、食べていて口の中にあるソフトウォーター・タフィーを全部、グイと飲み込む。)
モナ: So, what'd you tell him? (それで、あなたはジョーイに何て言ったの?)
ロス: (with his mouth full) Just a second! (he fake laughs, but turns his head and starts to break down) ([口いっぱいにほおばって] ちょっと待って! [ロスは作り笑いをする、そして頭を(モナに見えない角度に)回して、泣き出しそうになる])
I was missing out on all this other stuff, too. について。
miss out on は、「〜の機会を失う、チャンスを逃す、〜しそこなう」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
miss out [phrasal verb] : to not have the chance to do something that you enjoy
例) I feel I'm missing out on having fun with my kids.
つまり、「自分が楽しむ何かをするチャンスを持たないこと」。例文は、「私は子供たちと楽しむ機会を逃している気がする」。
ですから、ロスのセリフは、「僕は(赤ちゃんの胎動以外にも)他のこういうことも全部、チャンスを逃したんだ[体験しそこねたんだ]」と言っていることになります。
Joey suggested Rachel move in with me. の move in with me は、ルームシェアの多いフレンズの頻出表現で、この場合は、「ロスと一緒に住む形で、レイチェルがロスの家に引っ越してくる」ということですね。
move in が「引っ越してくる」で、move out が「引っ越して、そこを出て行く」という感覚になります。
「赤ちゃんのことを見逃してばかりだから、ってことで、ジョーイが提案してくれたんだよね、レイチェルが僕と一緒に住めばいい、って」と表現することで、今、自分がレイチェルと同居中だということを、恋人モナに説明しようとしたロスですが、それを聞いたモナは、ト書きにあるように笑いながら、Yeah, right! と言っています。
これは、言葉では、「ええ、そうね!」と言いながらも、その実は、「そんなばかな」と皮肉っている表現ですね。
つい最近も、シーズン1に出てきた、こういう Yeah, right! についてコメント欄でご質問を受けたばかりなのですが、フレンズでは、シーズン1の初期のエピソードだけでも、フレンズ1-2, 1-3, 1-8 に出てきたくらいの頻出フレーズです。
yeah と right という基本単語の組み合わせですから、わざわざ辞書で調べようとも思わないようなフレーズなのですが、実はこういう "Yeah, right." は、ちゃんと英英辞典に載っていたりもするので、ここで改めて紹介させていただくと、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
yeah, right : used to say you do not believe what someone has just told you
例) "She's just trying to help you." "Yeah, right."
つまり、「誰かがちょうど言ったばかりのことを信じられないと言うために使われる」。
例文は、「彼女はただ君を助けようとしているんだよ」「えーえ、そうよねぇ」
(本音は「そんなわけないじゃない」)
Macmillan Dictionary では、
yeah, right : (spoken) used for saying that you do not believe something that someone has just told you
例) 'I'll pay you tomorrow.' 'Yeah, right.'
つまり、「誰かがついさっき自分に言ったばかりの何かを、自分は信じることができないと言うために使われる」。
例文は、「明日、君に(金を)払うよ」「ああ、そうかい」。
(本音は「また嘘ばっかり。払う気なんかないくせに」)
ですが、「Yeah, right. は全て皮肉」ということでもなく、普通に、Yeah, right. と言った場合は、「ああ、そうだよ」という文字通りの意味になります。
俺はお笑い担当 フレンズ3-6その8 には、そういう「皮肉ではない、Yeah, right.」が出てきていました。
"Yeah, right." という文字だけを読んでいると、「ええ、そうね」と肯定しているように見えますが、モナのあきれたような笑い方と、その後、その反応に驚いたようなロスを見ていると、「レイチェルはロスと同居すべきだとジョーイが提案した」という話をモナが素直に受け止めていないことがよくわかります。
crack up は「人をゲラゲラ笑わせる、大笑いさせる」。
LAAD では、
crack up [phrasal verb] (informal)
crack somebody up : to laugh a lot at something, or to make someone laugh a lot
例) That joke still cracks me up.
つまり、「何かに大笑いする、または、誰かを大笑いさせる」。例文は、「そのジョークはまだ私を大笑いさせる(まだそのジョークに笑ってしまう)」。
You crack me up! なら「(君は)笑わせてくれるね! 笑わせてくれるじゃないか!」ということで、今回のセリフの場合は、「ジョーイったら笑わせてくれるわ! ジョーイのその発言には笑っちゃうわ!」と言っていることになります。
It's like 「だってこんな感じじゃない」と言葉を続けて、ジョーイがそう言ったってことは、つまりはこう言ったのと同じことよ、というように、別の表現で言い換えています。
why don't you have your ex-wife move in with you? について。
これは、使役動詞 have が使われており、your ex-wife を move in with you という状態にさせる、という感覚ですね。
使役動詞の使い分けとしては、目的語に対して強制的にそうさせるなら make を使い、目的語がそう望んでいることをさせる・許すというニュアンスなら let を使うことになりますが、今回の have は、強制でもなければ許可でもない、「そういう状態を持つ、そういう状態にさせる」という、中立のニュアンスの使役動詞になります。
くどいぐらいに直訳すると、「君の元妻を、君の家に引っ越してきて君と一緒に住む、という状態にさせたらどう? 君の元妻を君の家に引っ越させたらどう?」ということになりますね。
That wouldn't be awkward at all! の wouldn't (would) は、「もしそんな風に元妻が引っ越してきたとしたら、しても」のような「仮定」のニュアンスが込められています。
awkward は「気まずい、きまりが悪い、やっかいな」なので、「もしそうなったとしても、それって全然、気まずくなんかないよね」と言っていることになります。
「ジョーイったら笑わせてくれるわ、だってこんな風に言っているのと同じじゃない」というのは、「元妻を同居させたらどう? 全然、気まずくないじゃん」ってジョーイは言ってるのと同じよ、ということですね。
「こんなこと言うなんて、笑えるほどバカげてる」と言っているわけですから、「恋人がいるのに元妻が同居するなんて、誰がどう考えてもおかしいでしょ!」とモナは言っていることになります。
「そんなこと、ありえないわ、考えられないわよね」みたいに何度も笑うモナを見て、ロスは困った顔をしています。
モナは、また別の表現に言い換えて、「それがどんなに変なことか、妙なことか」を言い続けていますね。
「こんなこと、想像できたりするかしら?」みたいに言って、「私が2、3日、出かけてて、帰ってきたら、自分の彼氏が some woman he got pregnant と住んでいる、なんて」と表現しています。
some woman は「ある女性、どこかの女性」とあえて名前を言わずにボカす感覚になるでしょう。
(some) woman he got pregnant は、get someone pregnant 「(人を)妊娠させる」が使われている形ですね。
he (= my boyfriend) got a woman pregnant 「私の彼がある女性を妊娠させた」の a woman が some woman として前に出ている構造になっていて、「(私が数日家を空けて帰ってきたら)、私の彼氏は、彼が妊娠させたある女性と一緒に住んでいる」と表現していることになります。
最初の文では「元妻」、そして、次の文では「恋人の子供を妊娠している女性」と表現することで、「”恋人の子供を妊娠している元妻”と一緒に住むなんてありえない!」と、その非常識さを訴えているわけですね。
モナが興奮気味にそう語りながら、「信じられない、ありえない」というように何度も何度も笑うので、ロスはそれが真実であることを言い出せなくなっている様子が、ト書きからもよくわかりますね。
ト書きの fake laughs は「にせの笑い」という意味からわかるように、いわゆる「作り笑い」ですね。
「ジョーイがそんな信じられない提案をした時、ロスは何て返事したの?」みたいにモナに問われたロスは、口にタフィーをほおばりつつ、人差し指を立てて、「ちょっと待って」と言っています。
返事をしたいところだけど、今、タフィーが口の中にあって、話せないんだよね、みたいなポーズですね。
ト書きの break down は「がっくりする、泣き出す」みたいな意味で、実際のシーンでは、モナから見えない角度で、半泣きの顔になっています。
レイチェルが同居していることをさらっと言うつもりが、「ジョーイがそう提案してきた」と言っただけで、モナがものすごい拒絶反応を見せたため、ロスもどうしたらいいの?みたいな顔になっているわけですね。
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ロス: Yeah, I was missing out on all this other stuff, too. So, Joey suggested Rachel move in with me. (あぁ、こういう他の件も全部、僕は見逃したんだ。だから、ジョーイが提案したんだよ、レイチェルが僕の家に引っ越したら、って。)
モナ: (laughing) Yeah, right! ([笑いながら] えぇ、そうね!)
ロス: What? (何?)
モナ: Joey cracks me up! It's like, "Yeah, why don't you have your ex-wife move in with you? That wouldn't be awkward at all!" (she laughs again) (ジョーイったら笑わせてくれるわ! まるでこんな感じよ。「あぁ、どうして元妻と一緒に住まないんだ? そんなことしたって、全然、気まずくないよ!」 [モナはまた笑う])
ロス: (not amused) Huh... uh-huh. ([不快な様子で] はぁ、うんうん。)
モナ: Huh, could you imagine? I go away for a few days, and I come back, and my boyfriend is living with some woman he got pregnant! (Mona laughs... yes... again!) (はっ、想像できたりする? 私が2、3日出かけてて、それで帰ってきて、そしたら私の恋人が彼が妊娠させたどこかの女性と一緒に暮らしてるのよ! [モナは笑う…そう、また!])
(Ross fake laughs, obviously not finding this funny, and he's starting to panic, so he shoves the whole saltwater taffy he's eating in his mouth)
ロスは作り笑いをする、明らかにこのことが面白くない様子で。そしてロスはパニクり始め、今、食べていて口の中にあるソフトウォーター・タフィーを全部、グイと飲み込む。)
モナ: So, what'd you tell him? (それで、あなたはジョーイに何て言ったの?)
ロス: (with his mouth full) Just a second! (he fake laughs, but turns his head and starts to break down) ([口いっぱいにほおばって] ちょっと待って! [ロスは作り笑いをする、そして頭を(モナに見えない角度に)回して、泣き出しそうになる])
I was missing out on all this other stuff, too. について。
miss out on は、「〜の機会を失う、チャンスを逃す、〜しそこなう」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
miss out [phrasal verb] : to not have the chance to do something that you enjoy
例) I feel I'm missing out on having fun with my kids.
つまり、「自分が楽しむ何かをするチャンスを持たないこと」。例文は、「私は子供たちと楽しむ機会を逃している気がする」。
ですから、ロスのセリフは、「僕は(赤ちゃんの胎動以外にも)他のこういうことも全部、チャンスを逃したんだ[体験しそこねたんだ]」と言っていることになります。
Joey suggested Rachel move in with me. の move in with me は、ルームシェアの多いフレンズの頻出表現で、この場合は、「ロスと一緒に住む形で、レイチェルがロスの家に引っ越してくる」ということですね。
move in が「引っ越してくる」で、move out が「引っ越して、そこを出て行く」という感覚になります。
「赤ちゃんのことを見逃してばかりだから、ってことで、ジョーイが提案してくれたんだよね、レイチェルが僕と一緒に住めばいい、って」と表現することで、今、自分がレイチェルと同居中だということを、恋人モナに説明しようとしたロスですが、それを聞いたモナは、ト書きにあるように笑いながら、Yeah, right! と言っています。
これは、言葉では、「ええ、そうね!」と言いながらも、その実は、「そんなばかな」と皮肉っている表現ですね。
つい最近も、シーズン1に出てきた、こういう Yeah, right! についてコメント欄でご質問を受けたばかりなのですが、フレンズでは、シーズン1の初期のエピソードだけでも、フレンズ1-2, 1-3, 1-8 に出てきたくらいの頻出フレーズです。
yeah と right という基本単語の組み合わせですから、わざわざ辞書で調べようとも思わないようなフレーズなのですが、実はこういう "Yeah, right." は、ちゃんと英英辞典に載っていたりもするので、ここで改めて紹介させていただくと、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
yeah, right : used to say you do not believe what someone has just told you
例) "She's just trying to help you." "Yeah, right."
つまり、「誰かがちょうど言ったばかりのことを信じられないと言うために使われる」。
例文は、「彼女はただ君を助けようとしているんだよ」「えーえ、そうよねぇ」
(本音は「そんなわけないじゃない」)
Macmillan Dictionary では、
yeah, right : (spoken) used for saying that you do not believe something that someone has just told you
例) 'I'll pay you tomorrow.' 'Yeah, right.'
つまり、「誰かがついさっき自分に言ったばかりの何かを、自分は信じることができないと言うために使われる」。
例文は、「明日、君に(金を)払うよ」「ああ、そうかい」。
(本音は「また嘘ばっかり。払う気なんかないくせに」)
ですが、「Yeah, right. は全て皮肉」ということでもなく、普通に、Yeah, right. と言った場合は、「ああ、そうだよ」という文字通りの意味になります。
俺はお笑い担当 フレンズ3-6その8 には、そういう「皮肉ではない、Yeah, right.」が出てきていました。
"Yeah, right." という文字だけを読んでいると、「ええ、そうね」と肯定しているように見えますが、モナのあきれたような笑い方と、その後、その反応に驚いたようなロスを見ていると、「レイチェルはロスと同居すべきだとジョーイが提案した」という話をモナが素直に受け止めていないことがよくわかります。
crack up は「人をゲラゲラ笑わせる、大笑いさせる」。
LAAD では、
crack up [phrasal verb] (informal)
crack somebody up : to laugh a lot at something, or to make someone laugh a lot
例) That joke still cracks me up.
つまり、「何かに大笑いする、または、誰かを大笑いさせる」。例文は、「そのジョークはまだ私を大笑いさせる(まだそのジョークに笑ってしまう)」。
You crack me up! なら「(君は)笑わせてくれるね! 笑わせてくれるじゃないか!」ということで、今回のセリフの場合は、「ジョーイったら笑わせてくれるわ! ジョーイのその発言には笑っちゃうわ!」と言っていることになります。
It's like 「だってこんな感じじゃない」と言葉を続けて、ジョーイがそう言ったってことは、つまりはこう言ったのと同じことよ、というように、別の表現で言い換えています。
why don't you have your ex-wife move in with you? について。
これは、使役動詞 have が使われており、your ex-wife を move in with you という状態にさせる、という感覚ですね。
使役動詞の使い分けとしては、目的語に対して強制的にそうさせるなら make を使い、目的語がそう望んでいることをさせる・許すというニュアンスなら let を使うことになりますが、今回の have は、強制でもなければ許可でもない、「そういう状態を持つ、そういう状態にさせる」という、中立のニュアンスの使役動詞になります。
くどいぐらいに直訳すると、「君の元妻を、君の家に引っ越してきて君と一緒に住む、という状態にさせたらどう? 君の元妻を君の家に引っ越させたらどう?」ということになりますね。
That wouldn't be awkward at all! の wouldn't (would) は、「もしそんな風に元妻が引っ越してきたとしたら、しても」のような「仮定」のニュアンスが込められています。
awkward は「気まずい、きまりが悪い、やっかいな」なので、「もしそうなったとしても、それって全然、気まずくなんかないよね」と言っていることになります。
「ジョーイったら笑わせてくれるわ、だってこんな風に言っているのと同じじゃない」というのは、「元妻を同居させたらどう? 全然、気まずくないじゃん」ってジョーイは言ってるのと同じよ、ということですね。
「こんなこと言うなんて、笑えるほどバカげてる」と言っているわけですから、「恋人がいるのに元妻が同居するなんて、誰がどう考えてもおかしいでしょ!」とモナは言っていることになります。
「そんなこと、ありえないわ、考えられないわよね」みたいに何度も笑うモナを見て、ロスは困った顔をしています。
モナは、また別の表現に言い換えて、「それがどんなに変なことか、妙なことか」を言い続けていますね。
「こんなこと、想像できたりするかしら?」みたいに言って、「私が2、3日、出かけてて、帰ってきたら、自分の彼氏が some woman he got pregnant と住んでいる、なんて」と表現しています。
some woman は「ある女性、どこかの女性」とあえて名前を言わずにボカす感覚になるでしょう。
(some) woman he got pregnant は、get someone pregnant 「(人を)妊娠させる」が使われている形ですね。
he (= my boyfriend) got a woman pregnant 「私の彼がある女性を妊娠させた」の a woman が some woman として前に出ている構造になっていて、「(私が数日家を空けて帰ってきたら)、私の彼氏は、彼が妊娠させたある女性と一緒に住んでいる」と表現していることになります。
最初の文では「元妻」、そして、次の文では「恋人の子供を妊娠している女性」と表現することで、「”恋人の子供を妊娠している元妻”と一緒に住むなんてありえない!」と、その非常識さを訴えているわけですね。
モナが興奮気味にそう語りながら、「信じられない、ありえない」というように何度も何度も笑うので、ロスはそれが真実であることを言い出せなくなっている様子が、ト書きからもよくわかりますね。
ト書きの fake laughs は「にせの笑い」という意味からわかるように、いわゆる「作り笑い」ですね。
「ジョーイがそんな信じられない提案をした時、ロスは何て返事したの?」みたいにモナに問われたロスは、口にタフィーをほおばりつつ、人差し指を立てて、「ちょっと待って」と言っています。
返事をしたいところだけど、今、タフィーが口の中にあって、話せないんだよね、みたいなポーズですね。
ト書きの break down は「がっくりする、泣き出す」みたいな意味で、実際のシーンでは、モナから見えない角度で、半泣きの顔になっています。
レイチェルが同居していることをさらっと言うつもりが、「ジョーイがそう提案してきた」と言っただけで、モナがものすごい拒絶反応を見せたため、ロスもどうしたらいいの?みたいな顔になっているわけですね。
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2014年06月23日
初めての時そばにいなかった フレンズ8-15その2
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[Scene: Central Perk. Ross is sitting on the couch reading a magazine as Mona enters.]
セントラルパーク。ロスはカウチに座って雑誌を読んでいる。そこにモナが入ってくる。
モナ: Hi! (はーい!)
ロス: Hey! (they hug) So, how was Atlantic City? (やあ! [二人はハグする] それで、アトランティックシティはどうだった?)
モナ: Good. (良かったわ。)
ロス: Yeah? (そう?)
モナ: I brought you back a present. (あなたにお土産を買って帰ってきたの。)
ロス: Wha-? Oh, come on. You didn't have to-- Saltwater taffy?! (Mona laughs) Thanks! You know, it's interesting, most people think this is made with sea water, but it's actually made with, uh, salted fresh water. That's not interesting. (何? もう、ちょっとー。そんなことしてくれなくて良かったのに… ソルトウォーター・タフィー? [モナは笑う] ありがと! ねえ、面白いんだよ。たいていの人は、これが海水を使って作られていると思ってるけど、実はね、食塩水を使って作られてるんだよ。[モナの反応が薄かったので] そんな話、面白くないよね。)
モナ: I think it's interesting. (私は面白いと思うわ。)
ロス: I do too! I missed you! (僕もそう思うんだよ! 君が恋しかった!)
モナ: Oh, me too! So, how was your week? (あぁ、私もよ! それで、あなたは今週、どんな感じだった?)
ロス: Oh, it was good! It was good. Actually, the baby started kicking! (あぁ、良かったよ! 良かった。実はね、赤ちゃんが(お腹を)蹴り始めたんだよ!)
モナ: How exciting! (何て素敵なの!)
ロス: Yeah! I know! It was amazing. The only sad thing is I wasn't around when it happened for the first time. (ああ! そうだろ! 素晴らしかった。ただ一つ悲しかったのは、それが初めて起きた時に、僕はそばにいなかったことなんだ。)
モナ: Oh, no. (なんてこと。)
ロスの恋人モナが実家から帰ってきて、二人は再会を喜び合っています。
モナは「あなたにお土産を買ってきた」と言っていますね。
Oh, come on. You didn't have to-- は、「あぁ、もう。君はそんなことをする必要なかったのに…」ということで、日本語でもよく言うような、「わざわざ僕にお土産なんか買って来てくれなくても良かったのに、、、(そんなことまでしてくれて嬉しい、ありがたい。君って優しいね)」みたいな気持ちが込められた表現になります。
ロスがセリフで言っているように、そのお土産は、ソルトウォーター・タフィー(Saltwater taffy)でした。
ロスはそのタフィーについて、うんちくを語っていますね。
ロスは、it's interesting 「面白いんだよ、面白いことに」と言って、most people think... 以下のセリフを言っています。
ちょっと長い文章になっていますが、基本的な構造は、most people think A, but actually B 「たいていの人は A だと思っているけど、実は(本当は) B なんだよ」ということですね。
A の部分が、this is made with sea water (海水)で、B の部分が、it's made with salted fresh water (塩分が含まれた真水(まみず)→食塩水)ということですね。
ちなみに、今回のセリフでは、be made with が使われていますが、学校英語では、be made from と be made of の違いを習った気がします。
材料が原形をとどめていない場合は made from で、材料の形が残っている場合は made of だということでしたよね。
例1) Wine is made from grapes. 「ワイン(ぶどう酒)は、ぶどうから作られる(造られる)」。
例2) This table is made of wood. 「このテーブルは木でできている(木製である)」。
では、今回の be made with はどういうニュアンスかと言うと、with 「〜と一緒に、〜を伴って」ということですから、「(原料の一部として)〜を使って作られている」という感覚になるのでしょう。
saltwater をそのまま訳すと、「塩水」になりそうですが、「塩水」と共に、「海水」という意味もあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
saltwater : water that contains salt, especially naturally in the ocean
つまり、「塩を含む水、特に海の中で自然に(ある塩水)」。
「ソルトウォーター・タフィー」という名前から、「海水タフィー」というイメージを持って、海水が含まれているんだ、と思ってる人が多いんだけど、実は自然の海水じゃなくて、人工的に作られた「塩分が含まれた freshwater(真水:まみず)」、すなわち「食塩水」が使われているんだよ、とロスは語っているわけです。
ちなみに、今回、モナがお土産にくれた、タフィーですが、過去記事 フレンズ2-23その2 に、saltwater taffy という言葉が登場していました。
そのエピソードに登場するフィービーの恋人ライアン(演じるのは、チャーリー・シーン)との出会いを、フィービー自身が語っているシーン。
フィービー: Yeah, I met him when I was playing guitar in Washington Square Park. Ryan threw in saltwater taffy 'cause he didn't have any change. (そう、ワシントン・スクエア・パークでギターを演奏している時に彼と出会ったわ。ライアンは、小銭を持ってなかったから、代わりにソルトウォーター・タフィーを投げ入れてくれたの。)
ジョーイ: Hey, is that when you wrote "Saltwater Taffy Man"? (じゃあ、その時に、「ソルトウォーター・タフィーの男」っていう歌を書いたんだな?)
フィービー: No. No, he is my submarine guy. (違う、違う。ライアンは「潜水艦の彼」よ。)
その時の解説でも説明したのですが、Wikipedia 英語版: Salt water taffy に、ソルトウォーター・タフィは元々、ニュージャージー州アトランティックシティで生産、販売されたもの、という記載があります。
ですから、「アトランティックシティのお土産にタフィー」というのは定番なんですね。
今回のエピソードの、もう少し先のシーンで、ロスとフィービーがタフィーについて話しているシーンがあります。
今回のエピソードのブログ解説では、そのシーンを飛ばしてしまうので、ここでタフィーのやりとりだけ先に見ておきますと、、、
ロス: Um, plus, she, uh, she got me taffy! (あ、それプラス、モナは僕にタフィーを(買ってきて)くれたんだよ!)
フィービー: Taffy, really? I've never had any. (タフィー? ほんとに? 私、今まで一つも食べたことないわ。)
ロス: Ever?! (一度もないの?)
フィービー: Well, I think my mother was too busy planning her suicide to provide saltwater treats. (そうね、思うに、私のママは、自殺の計画に忙しくて、塩水のごちそうをくれる暇がなかったのね。)
そのように、今回のエピソード、フレンズ8-15 で、フィービーは「タフィーを今まで食べたことがない」というセリフを言うわけですが、上で説明させていただいたように、フレンズ2-23 で、「ライアンが小銭の代わりに、ソルトウォーター・タフィーを投げ入れてくれたの」と言っているので、その時にフィービーはソルトウォーター・タフィーを食べた可能性が高いのではないか、と思うわけです^^
まぁ、よくある「長期シリーズに付き物の、設定の不一致」というヤツでしょうがw、ソルトウォーター・タフィー繋がりネタとして紹介してみました。
モナは実家に1週間帰っていたので、その自分がいなかった1週間のロスの様子を尋ねています。
「この1週間、あなたはどうしてた? どんな感じだった?」と尋ねたいわけですが、それは、How was your week? 「あなたの週(1週間)はどうだった?」とシンプルに尋ねればいいわけですね。
ちなみに、今回取り上げたシーンの最初でも、So, how was Atlantic City? のように、How was...? を使って、「アトランティックシティはどうだった?」と尋ねる質問もありました。
このように、How was...? は、会話を切り出す決まり文句でもありますし、いろんな形に応用できる便利な表現ですね。
How was your week? のように、how 「どうであったか」を聞かれたロスは、これまたシンプルに、It was good! と答えています。
そして、「実はね、赤ちゃんが蹴り始めたんだ」と嬉しそうに話しています。
モナに「素敵ね」と言われ、「そうなんだ、素晴らしかったんだよ」と言いながらも、ロスは、The only sad thing is I wasn't around when it happened for the first time. と言葉を続けています。
前から順番にイメージしていくと、「ただ一つの悲しいことは、それが初めて起こった時に僕がそばに(近くに)いなかったこと」。
赤ちゃんがママのお腹を蹴ったのは素敵なことだったけど、残念ながら最初にその出来事が起こった時に、僕はその場所にいなかったんだよね、それが悲しくってさ、、と言っている感覚になります。
何か良いこと、素晴らしいことが起きた時に、それを直接体験できなくて残念だった、自分がそこにいなかったのが残念だった、という状況はよくありますが、そういう時には、このフレーズを応用できるということですね。
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ロス: Hey! (they hug) So, how was Atlantic City? (やあ! [二人はハグする] それで、アトランティックシティはどうだった?)
モナ: Good. (良かったわ。)
ロス: Yeah? (そう?)
モナ: I brought you back a present. (あなたにお土産を買って帰ってきたの。)
ロス: Wha-? Oh, come on. You didn't have to-- Saltwater taffy?! (Mona laughs) Thanks! You know, it's interesting, most people think this is made with sea water, but it's actually made with, uh, salted fresh water. That's not interesting. (何? もう、ちょっとー。そんなことしてくれなくて良かったのに… ソルトウォーター・タフィー? [モナは笑う] ありがと! ねえ、面白いんだよ。たいていの人は、これが海水を使って作られていると思ってるけど、実はね、食塩水を使って作られてるんだよ。[モナの反応が薄かったので] そんな話、面白くないよね。)
モナ: I think it's interesting. (私は面白いと思うわ。)
ロス: I do too! I missed you! (僕もそう思うんだよ! 君が恋しかった!)
モナ: Oh, me too! So, how was your week? (あぁ、私もよ! それで、あなたは今週、どんな感じだった?)
ロス: Oh, it was good! It was good. Actually, the baby started kicking! (あぁ、良かったよ! 良かった。実はね、赤ちゃんが(お腹を)蹴り始めたんだよ!)
モナ: How exciting! (何て素敵なの!)
ロス: Yeah! I know! It was amazing. The only sad thing is I wasn't around when it happened for the first time. (ああ! そうだろ! 素晴らしかった。ただ一つ悲しかったのは、それが初めて起きた時に、僕はそばにいなかったことなんだ。)
モナ: Oh, no. (なんてこと。)
ロスの恋人モナが実家から帰ってきて、二人は再会を喜び合っています。
モナは「あなたにお土産を買ってきた」と言っていますね。
Oh, come on. You didn't have to-- は、「あぁ、もう。君はそんなことをする必要なかったのに…」ということで、日本語でもよく言うような、「わざわざ僕にお土産なんか買って来てくれなくても良かったのに、、、(そんなことまでしてくれて嬉しい、ありがたい。君って優しいね)」みたいな気持ちが込められた表現になります。
ロスがセリフで言っているように、そのお土産は、ソルトウォーター・タフィー(Saltwater taffy)でした。
ロスはそのタフィーについて、うんちくを語っていますね。
ロスは、it's interesting 「面白いんだよ、面白いことに」と言って、most people think... 以下のセリフを言っています。
ちょっと長い文章になっていますが、基本的な構造は、most people think A, but actually B 「たいていの人は A だと思っているけど、実は(本当は) B なんだよ」ということですね。
A の部分が、this is made with sea water (海水)で、B の部分が、it's made with salted fresh water (塩分が含まれた真水(まみず)→食塩水)ということですね。
ちなみに、今回のセリフでは、be made with が使われていますが、学校英語では、be made from と be made of の違いを習った気がします。
材料が原形をとどめていない場合は made from で、材料の形が残っている場合は made of だということでしたよね。
例1) Wine is made from grapes. 「ワイン(ぶどう酒)は、ぶどうから作られる(造られる)」。
例2) This table is made of wood. 「このテーブルは木でできている(木製である)」。
では、今回の be made with はどういうニュアンスかと言うと、with 「〜と一緒に、〜を伴って」ということですから、「(原料の一部として)〜を使って作られている」という感覚になるのでしょう。
saltwater をそのまま訳すと、「塩水」になりそうですが、「塩水」と共に、「海水」という意味もあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
saltwater : water that contains salt, especially naturally in the ocean
つまり、「塩を含む水、特に海の中で自然に(ある塩水)」。
「ソルトウォーター・タフィー」という名前から、「海水タフィー」というイメージを持って、海水が含まれているんだ、と思ってる人が多いんだけど、実は自然の海水じゃなくて、人工的に作られた「塩分が含まれた freshwater(真水:まみず)」、すなわち「食塩水」が使われているんだよ、とロスは語っているわけです。
ちなみに、今回、モナがお土産にくれた、タフィーですが、過去記事 フレンズ2-23その2 に、saltwater taffy という言葉が登場していました。
そのエピソードに登場するフィービーの恋人ライアン(演じるのは、チャーリー・シーン)との出会いを、フィービー自身が語っているシーン。
フィービー: Yeah, I met him when I was playing guitar in Washington Square Park. Ryan threw in saltwater taffy 'cause he didn't have any change. (そう、ワシントン・スクエア・パークでギターを演奏している時に彼と出会ったわ。ライアンは、小銭を持ってなかったから、代わりにソルトウォーター・タフィーを投げ入れてくれたの。)
ジョーイ: Hey, is that when you wrote "Saltwater Taffy Man"? (じゃあ、その時に、「ソルトウォーター・タフィーの男」っていう歌を書いたんだな?)
フィービー: No. No, he is my submarine guy. (違う、違う。ライアンは「潜水艦の彼」よ。)
その時の解説でも説明したのですが、Wikipedia 英語版: Salt water taffy に、ソルトウォーター・タフィは元々、ニュージャージー州アトランティックシティで生産、販売されたもの、という記載があります。
ですから、「アトランティックシティのお土産にタフィー」というのは定番なんですね。
今回のエピソードの、もう少し先のシーンで、ロスとフィービーがタフィーについて話しているシーンがあります。
今回のエピソードのブログ解説では、そのシーンを飛ばしてしまうので、ここでタフィーのやりとりだけ先に見ておきますと、、、
ロス: Um, plus, she, uh, she got me taffy! (あ、それプラス、モナは僕にタフィーを(買ってきて)くれたんだよ!)
フィービー: Taffy, really? I've never had any. (タフィー? ほんとに? 私、今まで一つも食べたことないわ。)
ロス: Ever?! (一度もないの?)
フィービー: Well, I think my mother was too busy planning her suicide to provide saltwater treats. (そうね、思うに、私のママは、自殺の計画に忙しくて、塩水のごちそうをくれる暇がなかったのね。)
そのように、今回のエピソード、フレンズ8-15 で、フィービーは「タフィーを今まで食べたことがない」というセリフを言うわけですが、上で説明させていただいたように、フレンズ2-23 で、「ライアンが小銭の代わりに、ソルトウォーター・タフィーを投げ入れてくれたの」と言っているので、その時にフィービーはソルトウォーター・タフィーを食べた可能性が高いのではないか、と思うわけです^^
まぁ、よくある「長期シリーズに付き物の、設定の不一致」というヤツでしょうがw、ソルトウォーター・タフィー繋がりネタとして紹介してみました。
モナは実家に1週間帰っていたので、その自分がいなかった1週間のロスの様子を尋ねています。
「この1週間、あなたはどうしてた? どんな感じだった?」と尋ねたいわけですが、それは、How was your week? 「あなたの週(1週間)はどうだった?」とシンプルに尋ねればいいわけですね。
ちなみに、今回取り上げたシーンの最初でも、So, how was Atlantic City? のように、How was...? を使って、「アトランティックシティはどうだった?」と尋ねる質問もありました。
このように、How was...? は、会話を切り出す決まり文句でもありますし、いろんな形に応用できる便利な表現ですね。
How was your week? のように、how 「どうであったか」を聞かれたロスは、これまたシンプルに、It was good! と答えています。
そして、「実はね、赤ちゃんが蹴り始めたんだ」と嬉しそうに話しています。
モナに「素敵ね」と言われ、「そうなんだ、素晴らしかったんだよ」と言いながらも、ロスは、The only sad thing is I wasn't around when it happened for the first time. と言葉を続けています。
前から順番にイメージしていくと、「ただ一つの悲しいことは、それが初めて起こった時に僕がそばに(近くに)いなかったこと」。
赤ちゃんがママのお腹を蹴ったのは素敵なことだったけど、残念ながら最初にその出来事が起こった時に、僕はその場所にいなかったんだよね、それが悲しくってさ、、と言っている感覚になります。
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2014年06月20日
こびへつらうのはやめて フレンズ8-15その1
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シーズン8 第15話
The One With The Birthing Video (バレンタインに心乱れて)
原題は「出産ビデオの話」
レイチェルはロスの子供を妊娠中で、ジョーイに勧められて、レイチェルと同居することを決めたロスですが、ロスには現在モナという恋人がいます。
[Scene: Monica and Chandler's. Phoebe and Ross are sitting in the living room talking.]
モニカとチャンドラーの家。フィービーとロスはリビングに座って話をしているところ。
フィービー: So, how does Mona feel about you and Rachel living together? (それで、あなたとレイチェルが一緒に住むことについて、モナはどんな風に感じてるわけ?)
ロス: Oh, I'm actually on my way to tell her right now. Yeah, she's been away all week visiting her parents, but she'll be cool. I mean, she's been so supportive. She-she even got the baby a tiny T-shirt that says, "Fossils are my friends." (あぁ、実際、これから彼女にそれを言おうとしているところなんだよ。そう、彼女は実家に行ってて、1週間ずっといなかったんだ。でも彼女は大丈夫だよ。だって、モナはずっと応援してくれてるから。彼女は、「化石は私の友達」って書いてある小さなTシャツを、赤ちゃんに買ってさえくれたんだよ。)
フィービー: Ugh. Come on, Mona. Don't kiss ass. (あー。よしてよ、モナ。こびへつらわないで。)
ロス: Uh, I'm gonna take off. (あー、僕は行く(立ち去る)ことにするよ。)
フィービー: All right. Oh! Shoot! Oh shoot! Uh, Rachel wanted to see this tape! (わかった。ああ、しまった、しまった。レイチェルがこのテープを見たがってたんだった!)
ロス: What is it? (それ何?)
フィービー: It's a video of my friend giving birth. Could you just bring it back to your apartment? (私の友達が出産しているビデオなの。それをあなたのアパートメントに持って帰ってくれる?)
ロス: All right. (reading the label) "Candy and Cookie?" (わかった。[レーベルを見て] 「キャンディーとクッキー」?)
フィービー: Yeah. Candy's the mother, Cookie's the daughter. The father's name is also Cookie. Why am I friends with these people? (ええ。キャンディが母親で、クッキーが娘なの。その父親の名前もクッキーなの。私はどうしてこんな人たちと友達なの?)
I'm actually on my way to の be on my way to はまさに、「〜に行く道の途中で」ということですから、「〜にむかって進んでいる状態である」と言っていることになります。
「実際、今まさに、そのことを彼女に言おうとしてるとこなんだよね」みたいなことですね。
she's been away all week visiting her parents を前から順番にイメージすると、「彼女はここを離れている状態だった、1週間ずっと、自分の両親を訪れて」みたいなことですから、「実家に帰っていて、この1週間ずっと、こっちにはいなかったんだ」ということ。
she'll be cool の cool は、「平気な、冷静な、落ち着いた」という感覚で、レイチェルと僕が同居する話を聞いても、彼女は全然問題ない、大丈夫だよ、と言っていることになります。
その根拠として、「彼女はずっと、ものすごく協力的でいてくれる」と言った後、「〜をゲットしさえしてくれた」と説明しています。
そのセリフ、She-she even got the baby a tiny T-shirt that says, "Fossils are my friends." について。
前半部分は、got the baby a tiny T-shirt という形になっていますが、これは、got someone something 「人にものをゲットしてやった、買ってやった、用意してやった」という目的語を2つ取る構造ですね。
the baby はロスの赤ちゃんということです。
get にはいろんな意味がありますが、とりあえずの瞬時の理解としては、got =ゲットした、とイメージすればいいでしょう。
この場合は、「赤ちゃんのために買ってあげた」ということですが、その後の説明には、a tiny T-shirt that says, "Fossils are my friends." とありますね。
このように、「もの+say」となる場合には、「ものに〜と書いてある」という意味になり、「化石は私の友達」と書いてある小さなTシャツ、だと言っていることになります。
そんな文字やロゴが書いてあるようなTシャツが普通に売っているとは思えないので(笑)、そういう文字入れをしたTシャツを、ロスの赤ちゃんのために注文して作らせた、というのがより正確かもしれませんね。
その話を聞いたフィービーは、「よしてよ、モナ」みたいにあきれた声で言って、Don't kiss ass. とも言っています。
kiss someone's ass は、ass は卑語であることを踏まえて、あえてお下品に「ケツ」と訳してみると、「(人の)ケツにキスする」ということになりますね。
いかにも卑屈な感じが出ていますが、意味も「人にこびへつらう、おべっかを使う、へいこらする」などの意味になります。
ですから、Don't kiss ass. は、「そんなTシャツまで作って、ミエミエのおべっかを使わないで、そこまでこびへつらわないで」と言っていることになるでしょう。
ちなみに、過去記事、フレンズ2-23その26+brown-noserの話 で、同じく「こびへつらう」という意味の、brown-nose が出てきた時に、kiss someone's ass と似た表現が使われたセリフをご紹介しました。
映画「インデペンデンス・デイ」のジミー(ヒラー大尉の友人)のセリフで、
You need to, like, kiss some serious booty to get ahead in this world. (この世界で出世するには誰かのケツにキスしないといけないんだ。)
というものでした。(booty も「尻」という意味)
ロスは「僕はもう行くよ」という感じで行きかけるのですが、フィービーはふと何かに気づいた様子で、Oh! Shoot! Oh shoot! と大きな声で言っています。
shoot にはいろいろな意味があって、例えば、誰かが「質問があるんだけど」とか「お願いがあるの」と言ってきた場合に、"Okay, shoot!" などと返すとそれは、「わかった、じゃあ話して[言って]」のように、相手の発言を促す感じの言葉になります。
ただ、今回の場合は、ロスの発言を受けてのものではないので、「話して」という意味ではないですね。
Shoot! と言った後、フィービーが自分のバッグの横に置いてあったビデオテープを見つけて、「レイチェルがこのテープを見たがってたんだった」と言ったことからもわかるように、この Shoot! は「しまった(忘れてた)」というニュアンスになります。
「くそっ!」という意味の shit の婉曲語ですね。(音が似ていることから)
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
shoot [interjection] (informal) : used to show that you are annoyed or disappointed about something
例) Oh, shoot! I forgot to go to the bank.
つまり、「(間投詞、インフォーマル) 何かについていらいらしている、または失望していることを示すのに使われる」。例文は、「あぁ、しまった! 銀行に行くのを忘れてた」。
まさにこのロングマンの例文が「しまった(忘れてた)」という、今回のフィービーと同じニュアンスですね。
「それ何?」と聞かれたので、フィービーは「私の友達が出産しているビデオなの」と説明します。
このように「出産する」という行為を示す言葉は、give birth になります。
bring it back to は、「それを〜に持ち帰る」という感覚で、「今はロスはレイチェルと同居してるんだから、レイチェルのためにこのテープをあなたの家に持って帰って」と頼んでいることになります。
ビデオのレーベル(ラベル)に書いてあるタイトルを見て、「キャンディとクッキー?」とロスは驚いていますね。
お菓子の詰め合わせみたいな名前だからですが、フィービーは「キャンディは母親の名前で、クッキーは娘の名前なの」と説明しています。
さらに、「父親の名前もクッキーだわ」と言ってしばらく思案した後、「どうして私はこういう人たち(こんな名前の人たち)と友達なのかしら?」と言っていますね。
よくよく考えてみると、変な名前の家族だったのね、、と今さらながら気づいた感じになるでしょう。
フレンズ3-11 に出てきたジョーイの妹の一人が、Cookie という名前でしたね。
フィービーの話によると、子供の父親の名前もクッキーということですから、男性名にも Cookie という名前は使える、、、ということなんでしょうね。
とりあえず、俳優さんとかの名前で、クッキーという男性を思いつかないのですが、IMDb (Internet Movie Database)の検索ボックスに Cookie と入れて、Names で検索してみると、Cookie という名前の actor は何人かおられるようでした(名字から来たニックネームの場合もありますが)。
完全な脱線話になりますが、漫画「キャンディ・キャンディ」で、キャンディがアメリカに帰るために密航した船で出会った少年の名前がクッキーでした。
「よかった…… 道づれができて キャンディとクッキーなんて つめあわせとしても最高!」というセリフが(私の持っている愛蔵版第1巻 p.453 に)あったので、今回のフィービーのセリフを聞くと、やたらとそればかりが思い出されてしまいました^^
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シーズン8 第15話
The One With The Birthing Video (バレンタインに心乱れて)
原題は「出産ビデオの話」
レイチェルはロスの子供を妊娠中で、ジョーイに勧められて、レイチェルと同居することを決めたロスですが、ロスには現在モナという恋人がいます。
[Scene: Monica and Chandler's. Phoebe and Ross are sitting in the living room talking.]
モニカとチャンドラーの家。フィービーとロスはリビングに座って話をしているところ。
フィービー: So, how does Mona feel about you and Rachel living together? (それで、あなたとレイチェルが一緒に住むことについて、モナはどんな風に感じてるわけ?)
ロス: Oh, I'm actually on my way to tell her right now. Yeah, she's been away all week visiting her parents, but she'll be cool. I mean, she's been so supportive. She-she even got the baby a tiny T-shirt that says, "Fossils are my friends." (あぁ、実際、これから彼女にそれを言おうとしているところなんだよ。そう、彼女は実家に行ってて、1週間ずっといなかったんだ。でも彼女は大丈夫だよ。だって、モナはずっと応援してくれてるから。彼女は、「化石は私の友達」って書いてある小さなTシャツを、赤ちゃんに買ってさえくれたんだよ。)
フィービー: Ugh. Come on, Mona. Don't kiss ass. (あー。よしてよ、モナ。こびへつらわないで。)
ロス: Uh, I'm gonna take off. (あー、僕は行く(立ち去る)ことにするよ。)
フィービー: All right. Oh! Shoot! Oh shoot! Uh, Rachel wanted to see this tape! (わかった。ああ、しまった、しまった。レイチェルがこのテープを見たがってたんだった!)
ロス: What is it? (それ何?)
フィービー: It's a video of my friend giving birth. Could you just bring it back to your apartment? (私の友達が出産しているビデオなの。それをあなたのアパートメントに持って帰ってくれる?)
ロス: All right. (reading the label) "Candy and Cookie?" (わかった。[レーベルを見て] 「キャンディーとクッキー」?)
フィービー: Yeah. Candy's the mother, Cookie's the daughter. The father's name is also Cookie. Why am I friends with these people? (ええ。キャンディが母親で、クッキーが娘なの。その父親の名前もクッキーなの。私はどうしてこんな人たちと友達なの?)
I'm actually on my way to の be on my way to はまさに、「〜に行く道の途中で」ということですから、「〜にむかって進んでいる状態である」と言っていることになります。
「実際、今まさに、そのことを彼女に言おうとしてるとこなんだよね」みたいなことですね。
she's been away all week visiting her parents を前から順番にイメージすると、「彼女はここを離れている状態だった、1週間ずっと、自分の両親を訪れて」みたいなことですから、「実家に帰っていて、この1週間ずっと、こっちにはいなかったんだ」ということ。
she'll be cool の cool は、「平気な、冷静な、落ち着いた」という感覚で、レイチェルと僕が同居する話を聞いても、彼女は全然問題ない、大丈夫だよ、と言っていることになります。
その根拠として、「彼女はずっと、ものすごく協力的でいてくれる」と言った後、「〜をゲットしさえしてくれた」と説明しています。
そのセリフ、She-she even got the baby a tiny T-shirt that says, "Fossils are my friends." について。
前半部分は、got the baby a tiny T-shirt という形になっていますが、これは、got someone something 「人にものをゲットしてやった、買ってやった、用意してやった」という目的語を2つ取る構造ですね。
the baby はロスの赤ちゃんということです。
get にはいろんな意味がありますが、とりあえずの瞬時の理解としては、got =ゲットした、とイメージすればいいでしょう。
この場合は、「赤ちゃんのために買ってあげた」ということですが、その後の説明には、a tiny T-shirt that says, "Fossils are my friends." とありますね。
このように、「もの+say」となる場合には、「ものに〜と書いてある」という意味になり、「化石は私の友達」と書いてある小さなTシャツ、だと言っていることになります。
そんな文字やロゴが書いてあるようなTシャツが普通に売っているとは思えないので(笑)、そういう文字入れをしたTシャツを、ロスの赤ちゃんのために注文して作らせた、というのがより正確かもしれませんね。
その話を聞いたフィービーは、「よしてよ、モナ」みたいにあきれた声で言って、Don't kiss ass. とも言っています。
kiss someone's ass は、ass は卑語であることを踏まえて、あえてお下品に「ケツ」と訳してみると、「(人の)ケツにキスする」ということになりますね。
いかにも卑屈な感じが出ていますが、意味も「人にこびへつらう、おべっかを使う、へいこらする」などの意味になります。
ですから、Don't kiss ass. は、「そんなTシャツまで作って、ミエミエのおべっかを使わないで、そこまでこびへつらわないで」と言っていることになるでしょう。
ちなみに、過去記事、フレンズ2-23その26+brown-noserの話 で、同じく「こびへつらう」という意味の、brown-nose が出てきた時に、kiss someone's ass と似た表現が使われたセリフをご紹介しました。
映画「インデペンデンス・デイ」のジミー(ヒラー大尉の友人)のセリフで、
You need to, like, kiss some serious booty to get ahead in this world. (この世界で出世するには誰かのケツにキスしないといけないんだ。)
というものでした。(booty も「尻」という意味)
ロスは「僕はもう行くよ」という感じで行きかけるのですが、フィービーはふと何かに気づいた様子で、Oh! Shoot! Oh shoot! と大きな声で言っています。
shoot にはいろいろな意味があって、例えば、誰かが「質問があるんだけど」とか「お願いがあるの」と言ってきた場合に、"Okay, shoot!" などと返すとそれは、「わかった、じゃあ話して[言って]」のように、相手の発言を促す感じの言葉になります。
ただ、今回の場合は、ロスの発言を受けてのものではないので、「話して」という意味ではないですね。
Shoot! と言った後、フィービーが自分のバッグの横に置いてあったビデオテープを見つけて、「レイチェルがこのテープを見たがってたんだった」と言ったことからもわかるように、この Shoot! は「しまった(忘れてた)」というニュアンスになります。
「くそっ!」という意味の shit の婉曲語ですね。(音が似ていることから)
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
shoot [interjection] (informal) : used to show that you are annoyed or disappointed about something
例) Oh, shoot! I forgot to go to the bank.
つまり、「(間投詞、インフォーマル) 何かについていらいらしている、または失望していることを示すのに使われる」。例文は、「あぁ、しまった! 銀行に行くのを忘れてた」。
まさにこのロングマンの例文が「しまった(忘れてた)」という、今回のフィービーと同じニュアンスですね。
「それ何?」と聞かれたので、フィービーは「私の友達が出産しているビデオなの」と説明します。
このように「出産する」という行為を示す言葉は、give birth になります。
bring it back to は、「それを〜に持ち帰る」という感覚で、「今はロスはレイチェルと同居してるんだから、レイチェルのためにこのテープをあなたの家に持って帰って」と頼んでいることになります。
ビデオのレーベル(ラベル)に書いてあるタイトルを見て、「キャンディとクッキー?」とロスは驚いていますね。
お菓子の詰め合わせみたいな名前だからですが、フィービーは「キャンディは母親の名前で、クッキーは娘の名前なの」と説明しています。
さらに、「父親の名前もクッキーだわ」と言ってしばらく思案した後、「どうして私はこういう人たち(こんな名前の人たち)と友達なのかしら?」と言っていますね。
よくよく考えてみると、変な名前の家族だったのね、、と今さらながら気づいた感じになるでしょう。
フレンズ3-11 に出てきたジョーイの妹の一人が、Cookie という名前でしたね。
フィービーの話によると、子供の父親の名前もクッキーということですから、男性名にも Cookie という名前は使える、、、ということなんでしょうね。
とりあえず、俳優さんとかの名前で、クッキーという男性を思いつかないのですが、IMDb (Internet Movie Database)の検索ボックスに Cookie と入れて、Names で検索してみると、Cookie という名前の actor は何人かおられるようでした(名字から来たニックネームの場合もありますが)。
完全な脱線話になりますが、漫画「キャンディ・キャンディ」で、キャンディがアメリカに帰るために密航した船で出会った少年の名前がクッキーでした。
「よかった…… 道づれができて キャンディとクッキーなんて つめあわせとしても最高!」というセリフが(私の持っている愛蔵版第1巻 p.453 に)あったので、今回のフィービーのセリフを聞くと、やたらとそればかりが思い出されてしまいました^^
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2014年06月18日
どうしたらハグしてもらえるわけ? フレンズ8-14その6
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は3位、「にほんブログ村」は7位です。
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レイチェルはロスの子供を妊娠中なのですが、そのレイチェルは、ジョーイと同居(ルームシェア)しています。
初めての胎動を手で触れたのも、腹痛を訴えたレイチェルを病院に連れて行ったのも、ロスではなくジョーイの方だったので、ロスは自分がのけ者になったような気持ちでいます。
それを見かねたジョーイは、自分はまだレイチェルへの恋心を抱いているにもかかわらず、「レイチェルはロスと一緒に暮らした方がいいよ」とアドバイスし、二人は同居することに決めました。
その後のシーン。
[Scene: Joey and Rachel's, Joey is drinking a gallon of orange juice as Chandler enters.]
ジョーイとレイチェルの家。ジョーイは1ガロンのオレンジジュースを飲んでいる、そこにチャンドラーが入ってくる。
チャンドラー: Hey. (よお。)
ジョーイ: Hey. (よお。)
チャンドラー: So Rachel's all moved out, huh? How you taking it? (それで、レイチェルはすっかり引っ越したんだな? お前はどんな感じだ?)
ジョーイ: Well, uh, I wanted to have a few beers, but uh, I got rid of those because Rachel couldn't stand the smell of them. So.... I have thrown back a lot of orange juice with calcium though. And uh, it's a couple weeks past its expiration date, so it's got a bit of a kick. (うーん、ビールを2、3本飲みたかったんだけど、でも、全部、処分しちゃったんだよね、レイチェルがビールのにおいに耐えられないって言うから。それで… 俺は大量のオレンジジュースを一気飲みしたんだよ、カルシウム入りなんだけどね。で、賞味期限から2、3週間過ぎてたから、ちょっと、刺激がキツい。)
チャンドラー: Are you okay? (お前、大丈夫か?)
ジョーイ: You kidding me? Yeah, I'm great! Yeah, I'm uh; I'm better than great. I am good. And now that she's gone, I can uh, I can do all this stuff around here that I couldn't do before. Y'know? Like umm, I can walk around naked again. Y'know? I can uh, I can watch porn in the living room. Right? This is uh, this is good for me. Y'know? I like being on my own. I'm uh, better off this way. I'm uh, a lone wolf. Y'know? A loner. Alone. All alone. Forever. What's a wolf gotta do to get a hug around here?! (Chandler rushes over and hugs him.) (俺をからかってんのか?冗談だろ? あぁ、俺は最高だよ! あぁ、俺はグレートより上だよ。俺はグッドだ。それで今はレイチェルは行っちまって、俺は、前にはできなかったようなことが全部できるんだ。だろ? 例えば、俺はまた裸で歩き回れる。だろ? 俺はリビングでポルノを見られる。だろ? これは、これは俺にとっていいことなんだよ。だろ? 俺は、一人でいるのが好きだ。俺はこの方が幸せなんだよ。俺は一匹狼だ。だろ? 孤独好きなんだ。たった一人。完全に一人。永遠に。オオカミがここでハグをしてもらうためには、何をしたらいいって言うんだよ? [チャンドラーは慌ててジョーイの方に来て、彼をハグする])
「レイチェルはすっかり引っ越したんだな」と言った後の、How you taking it? について。
これは、How are you taking it? の are が省略されたものですね。
ジョーイのナンパの決め台詞、How you doin'? で、are が省略されているのと同じ感覚になります。
この take は「受け取る、受け入れる」という感覚。
Don't take it seriously. なら、「真面目に取らないで(真剣な話として受け取らないで)」、Don't take it personally. なら、「個人的なものとして受け取らないで(個人攻撃だと思わないで)」になりますね。
今回のセリフは、「お前は、どんな風に it (状況)を受け止めているんだ?」と尋ねていることになり、レイチェルが引っ越したことをお前はすんなり受け入れられたのか? それとも、なかなかそのことを受け入れられないでいるのか?など、言わば、「レイチェルが引っ越したことについて、今のお前はどんな感じだ? どんな気持ちだ?」と尋ねていることになるでしょう。
「(妊娠中の)レイチェルがビールのにおいが耐えられないって言うから処分した」と言った後、ジョーイは、I have thrown back... というセリフを言っています。
throw back は、「(飲み物を)さっと・一気に飲む」という感覚のようです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
throw something back, throw back something [phrasal verb] (informal) :
to drink something very quickly
例) Ted quickly threw back three shots of whiskey.
つまり、「何かを非常に早く飲むこと」。例文は、「テッドはウイスキー3杯を一気に飲んだ」。
ジョーイは、「ビールがないから、カルシウム入りオレンジジュースを大量に一気飲みしたところだ」と言っていることになります。
ジョーイが手に持っているオレンジ色のプラスチックボトルがそれですね。
妊娠すると酸っぱいものが欲しくなる、とよく言われますが、あれは本当です。
私は普段、コーヒー牛乳が大好きなのですが、つわりの頃はその後味が苦く感じるようになってしまい、冷蔵庫に並んでいたコーヒー牛乳が全部、オレンジジュースに置き換わっていた時期がありました^^
ジョーイが飲んでいるのは「カルシウム入り」とのことで、妊婦さんのレイチェルのために置いてあったものだということがよくわかりますね。
it's a couple weeks past its expiration date は、「それ(そのオレンジジュース)は、賞味期限を2、3週間過ぎている」。
it's got a bit of a kick. は、it has a bit of kick. ということで、この場合の kick は「刺激、ぐっとくる感じ」ですね。
LAAD では、
kick [noun] [singular] (informal) : the strong effect of a drug or an alcoholic drink, or the strong spicy taste of food
つまり、「薬物やアルコール飲料の強い効果、または食べ物の強いスパイシー味」。
ただでさえ酸っぱいオレンジジュースが、大幅な期限切れでさらに酸っぱくなっていた、、、みたいな刺激だったんでしょうか?(笑)
レイチェルが残していった期限切れのオレンジジュースをガブ飲みしているジョーイを見て、チャンドラーは「大丈夫か?」と尋ねています。
それに対するジョーイの答えは、一人の長台詞になっていますね。
You kidding me? Yeah, I'm great! は、「冗談だろ(お前、俺をからかってんのか?) ああ、俺は最高だよ!」というところ。
「俺のことを心配してるなんて、冗談じゃない。俺は全然大丈夫だよ」みたいなニュアンスです。
次の、I'm better than great. I am good. がちょっと、ジョーイっぽくてズレた感じで面白いですね。
先に自分で I'm great. と言ったので、そこからの流れで考えると、「俺はグレイトだ。(いやむしろ)俺はグレイトよりもベターだ。俺はグッドだ」と言っていることになります。
better than great と言ったので、その後、「もう、俺、今、最高だよ、絶好調だよ」という感じで、I am the best. とか、I am the greatest. などの最上級が続いたなら自然だったのですが、I am good. という「(比較級ではない)原級」に「ランクが下がった」みたいになっているところが、このセリフのポイントになるでしょう。
good 「良い(という原級)」だったら、全然、better than great 「グレイトより良い」じゃないじゃん、ベター(より良い)からグッド(普通に良い)に下がってるじゃん、という面白さですね。
「今はもう、レイチェルが出て行っちゃったから、俺はこのあたり(この部屋で)前にできなかったこんなことが全部できるんだ」と言って、その後、all this stuff の内容を説明しています。
その内容はと言うと、「裸で歩き回れる」と「リビングでポルノが見られる」。いかにもジョーイっぽい内容ですね^^
その後、「このこと(レイチェルが引っ越したこと)は俺にとって良いことなんだよ」と続きますが、このジョーイの長台詞の中で、Y'know? (You know?) 「だろ?(わかるだろ?)」が、何度も繰り返されているところにも、ジョーイの気持ちがよく表れているように思います。
Y'know? は、軽い感じの挿入句ではありますが、これだけ何度も挿入されているのは、「今の俺はこんなこともあんなこともできる。だからこれは俺にとって良いことなんだよ」と自分に言い聞かせているようなセリフを、チャンドラーにも同意してもらいたい、そうだよ、お前の言う通りだよと言ってもらいたい、という気持ちが込められているように思うのですね。
この自分のセリフに対して、チャンドラーがうんうんと頷いてくれたら、それで俺も気が休まる、納得できるようになる、というような感じでしょう。
on my own は「自分の力で、自力で、独力で」という意味もありますが、この場合は「一人で」という意味ですね。
LAAD にも、
(all) on you own
a) alone, b) without help という2つの意味が載っています。
ですから、I like being on my own. は、I like being alone. ということで、「一人でいるのが好き」と言っていることになります。
better off は「より良い状態になる、楽になる、幸せになる」。
「この方が(一人でいる方が)、俺はより幸せだ」ということですね。
lone wolf は文字通り、「一匹狼(オオカミ)」。loner は「一人で行動する人、一人でいたい人、孤独が好きな人」。
「俺は一匹狼だ。孤独が好きなんだ」と言ってみせていますが、その後は、「一人きり。完全に一人ぼっち。永遠に」とだんだん寂しいトーンになって行きます。
そしてついには、「オオカミがハグしてもらうにはどうしたらいいんだよ?」みたいに叫び、チャンドラーが慌ててジョーイをハグすることになるのですね。
What's a wolf gotta do to get a hug around here?! を直訳すると、「ここで(このあたりでは)、ある狼が、一つのハグをゲットするために、何をしなければならないか?」になりますね。
What's a wolf gotta do は、What has a wolf got to do ということで、has got to (has gotta) は、have to 「〜しなければならない」という意味になります。
このような表現は、過去記事、もらってないと言い張る フレンズ8-5その5 にも出てきました。
チャンドラー: What does a guy have to do to be taken seriously around here?! (この辺りで、真面目に受け止めてもらうためには、どうしたらいいのかな?)
自分は真面目に答えたつもりなのに、相手がジョークだと勘違いした後のセリフでした。
has gotta が have to になっているという些細な違いはありますが、「〜しなければならない」という意味は同じですし、around here という表現も含めて、「ここでは、〜するためには(主語)は何をしなければならないか?」という文の構造は全く同じですね。
「当然〜してもらえるはず」と思っていたことをしてもらえなかった場合、思ったような反応がなかった場合に、「ここでは、一体どうすれば、〜してもらえるわけ?」→「何で〜してくれないの?!」と言いたい場合に使えるフレーズだということですね。
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レイチェルはロスの子供を妊娠中なのですが、そのレイチェルは、ジョーイと同居(ルームシェア)しています。
初めての胎動を手で触れたのも、腹痛を訴えたレイチェルを病院に連れて行ったのも、ロスではなくジョーイの方だったので、ロスは自分がのけ者になったような気持ちでいます。
それを見かねたジョーイは、自分はまだレイチェルへの恋心を抱いているにもかかわらず、「レイチェルはロスと一緒に暮らした方がいいよ」とアドバイスし、二人は同居することに決めました。
その後のシーン。
[Scene: Joey and Rachel's, Joey is drinking a gallon of orange juice as Chandler enters.]
ジョーイとレイチェルの家。ジョーイは1ガロンのオレンジジュースを飲んでいる、そこにチャンドラーが入ってくる。
チャンドラー: Hey. (よお。)
ジョーイ: Hey. (よお。)
チャンドラー: So Rachel's all moved out, huh? How you taking it? (それで、レイチェルはすっかり引っ越したんだな? お前はどんな感じだ?)
ジョーイ: Well, uh, I wanted to have a few beers, but uh, I got rid of those because Rachel couldn't stand the smell of them. So.... I have thrown back a lot of orange juice with calcium though. And uh, it's a couple weeks past its expiration date, so it's got a bit of a kick. (うーん、ビールを2、3本飲みたかったんだけど、でも、全部、処分しちゃったんだよね、レイチェルがビールのにおいに耐えられないって言うから。それで… 俺は大量のオレンジジュースを一気飲みしたんだよ、カルシウム入りなんだけどね。で、賞味期限から2、3週間過ぎてたから、ちょっと、刺激がキツい。)
チャンドラー: Are you okay? (お前、大丈夫か?)
ジョーイ: You kidding me? Yeah, I'm great! Yeah, I'm uh; I'm better than great. I am good. And now that she's gone, I can uh, I can do all this stuff around here that I couldn't do before. Y'know? Like umm, I can walk around naked again. Y'know? I can uh, I can watch porn in the living room. Right? This is uh, this is good for me. Y'know? I like being on my own. I'm uh, better off this way. I'm uh, a lone wolf. Y'know? A loner. Alone. All alone. Forever. What's a wolf gotta do to get a hug around here?! (Chandler rushes over and hugs him.) (俺をからかってんのか?冗談だろ? あぁ、俺は最高だよ! あぁ、俺はグレートより上だよ。俺はグッドだ。それで今はレイチェルは行っちまって、俺は、前にはできなかったようなことが全部できるんだ。だろ? 例えば、俺はまた裸で歩き回れる。だろ? 俺はリビングでポルノを見られる。だろ? これは、これは俺にとっていいことなんだよ。だろ? 俺は、一人でいるのが好きだ。俺はこの方が幸せなんだよ。俺は一匹狼だ。だろ? 孤独好きなんだ。たった一人。完全に一人。永遠に。オオカミがここでハグをしてもらうためには、何をしたらいいって言うんだよ? [チャンドラーは慌ててジョーイの方に来て、彼をハグする])
「レイチェルはすっかり引っ越したんだな」と言った後の、How you taking it? について。
これは、How are you taking it? の are が省略されたものですね。
ジョーイのナンパの決め台詞、How you doin'? で、are が省略されているのと同じ感覚になります。
この take は「受け取る、受け入れる」という感覚。
Don't take it seriously. なら、「真面目に取らないで(真剣な話として受け取らないで)」、Don't take it personally. なら、「個人的なものとして受け取らないで(個人攻撃だと思わないで)」になりますね。
今回のセリフは、「お前は、どんな風に it (状況)を受け止めているんだ?」と尋ねていることになり、レイチェルが引っ越したことをお前はすんなり受け入れられたのか? それとも、なかなかそのことを受け入れられないでいるのか?など、言わば、「レイチェルが引っ越したことについて、今のお前はどんな感じだ? どんな気持ちだ?」と尋ねていることになるでしょう。
「(妊娠中の)レイチェルがビールのにおいが耐えられないって言うから処分した」と言った後、ジョーイは、I have thrown back... というセリフを言っています。
throw back は、「(飲み物を)さっと・一気に飲む」という感覚のようです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
throw something back, throw back something [phrasal verb] (informal) :
to drink something very quickly
例) Ted quickly threw back three shots of whiskey.
つまり、「何かを非常に早く飲むこと」。例文は、「テッドはウイスキー3杯を一気に飲んだ」。
ジョーイは、「ビールがないから、カルシウム入りオレンジジュースを大量に一気飲みしたところだ」と言っていることになります。
ジョーイが手に持っているオレンジ色のプラスチックボトルがそれですね。
妊娠すると酸っぱいものが欲しくなる、とよく言われますが、あれは本当です。
私は普段、コーヒー牛乳が大好きなのですが、つわりの頃はその後味が苦く感じるようになってしまい、冷蔵庫に並んでいたコーヒー牛乳が全部、オレンジジュースに置き換わっていた時期がありました^^
ジョーイが飲んでいるのは「カルシウム入り」とのことで、妊婦さんのレイチェルのために置いてあったものだということがよくわかりますね。
it's a couple weeks past its expiration date は、「それ(そのオレンジジュース)は、賞味期限を2、3週間過ぎている」。
it's got a bit of a kick. は、it has a bit of kick. ということで、この場合の kick は「刺激、ぐっとくる感じ」ですね。
LAAD では、
kick [noun] [singular] (informal) : the strong effect of a drug or an alcoholic drink, or the strong spicy taste of food
つまり、「薬物やアルコール飲料の強い効果、または食べ物の強いスパイシー味」。
ただでさえ酸っぱいオレンジジュースが、大幅な期限切れでさらに酸っぱくなっていた、、、みたいな刺激だったんでしょうか?(笑)
レイチェルが残していった期限切れのオレンジジュースをガブ飲みしているジョーイを見て、チャンドラーは「大丈夫か?」と尋ねています。
それに対するジョーイの答えは、一人の長台詞になっていますね。
You kidding me? Yeah, I'm great! は、「冗談だろ(お前、俺をからかってんのか?) ああ、俺は最高だよ!」というところ。
「俺のことを心配してるなんて、冗談じゃない。俺は全然大丈夫だよ」みたいなニュアンスです。
次の、I'm better than great. I am good. がちょっと、ジョーイっぽくてズレた感じで面白いですね。
先に自分で I'm great. と言ったので、そこからの流れで考えると、「俺はグレイトだ。(いやむしろ)俺はグレイトよりもベターだ。俺はグッドだ」と言っていることになります。
better than great と言ったので、その後、「もう、俺、今、最高だよ、絶好調だよ」という感じで、I am the best. とか、I am the greatest. などの最上級が続いたなら自然だったのですが、I am good. という「(比較級ではない)原級」に「ランクが下がった」みたいになっているところが、このセリフのポイントになるでしょう。
good 「良い(という原級)」だったら、全然、better than great 「グレイトより良い」じゃないじゃん、ベター(より良い)からグッド(普通に良い)に下がってるじゃん、という面白さですね。
「今はもう、レイチェルが出て行っちゃったから、俺はこのあたり(この部屋で)前にできなかったこんなことが全部できるんだ」と言って、その後、all this stuff の内容を説明しています。
その内容はと言うと、「裸で歩き回れる」と「リビングでポルノが見られる」。いかにもジョーイっぽい内容ですね^^
その後、「このこと(レイチェルが引っ越したこと)は俺にとって良いことなんだよ」と続きますが、このジョーイの長台詞の中で、Y'know? (You know?) 「だろ?(わかるだろ?)」が、何度も繰り返されているところにも、ジョーイの気持ちがよく表れているように思います。
Y'know? は、軽い感じの挿入句ではありますが、これだけ何度も挿入されているのは、「今の俺はこんなこともあんなこともできる。だからこれは俺にとって良いことなんだよ」と自分に言い聞かせているようなセリフを、チャンドラーにも同意してもらいたい、そうだよ、お前の言う通りだよと言ってもらいたい、という気持ちが込められているように思うのですね。
この自分のセリフに対して、チャンドラーがうんうんと頷いてくれたら、それで俺も気が休まる、納得できるようになる、というような感じでしょう。
on my own は「自分の力で、自力で、独力で」という意味もありますが、この場合は「一人で」という意味ですね。
LAAD にも、
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ですから、I like being on my own. は、I like being alone. ということで、「一人でいるのが好き」と言っていることになります。
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「この方が(一人でいる方が)、俺はより幸せだ」ということですね。
lone wolf は文字通り、「一匹狼(オオカミ)」。loner は「一人で行動する人、一人でいたい人、孤独が好きな人」。
「俺は一匹狼だ。孤独が好きなんだ」と言ってみせていますが、その後は、「一人きり。完全に一人ぼっち。永遠に」とだんだん寂しいトーンになって行きます。
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What's a wolf gotta do to get a hug around here?! を直訳すると、「ここで(このあたりでは)、ある狼が、一つのハグをゲットするために、何をしなければならないか?」になりますね。
What's a wolf gotta do は、What has a wolf got to do ということで、has got to (has gotta) は、have to 「〜しなければならない」という意味になります。
このような表現は、過去記事、もらってないと言い張る フレンズ8-5その5 にも出てきました。
チャンドラー: What does a guy have to do to be taken seriously around here?! (この辺りで、真面目に受け止めてもらうためには、どうしたらいいのかな?)
自分は真面目に答えたつもりなのに、相手がジョークだと勘違いした後のセリフでした。
has gotta が have to になっているという些細な違いはありますが、「〜しなければならない」という意味は同じですし、around here という表現も含めて、「ここでは、〜するためには(主語)は何をしなければならないか?」という文の構造は全く同じですね。
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2014年06月15日
ブログ9周年
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は3位、「にほんブログ村」は10位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
2005年6月15日に開始したこのブログ、今日で9周年を迎えることができました!
今日という日を迎えることができましたのは、いつもこのブログを読んで下さり応援して下さる、読者の皆様のお蔭です。
本当にありがとうございます!
今日のこの記事が、投稿件数にして、2,016件目になります。
2000件以上の記事を書けたこと、9年間ブログを続けてこられたこと、私は本当に幸せ者だと思います。
毎回の記事で、ランキングクリックの応援のお願いと、その日の順位を書かせていただいていますが、9周年を迎えた今もこうして、ブログランキングの上位にいさせていただけること、本当に感謝しています。
ランキングが安定していることで、「ブログをこれからもずっと続けていいよ」と言って下さっていると思えるのです。
8周年から9周年にかけての1年間の大きなニュースを時系列で挙げてみますと、、、
(1) 10月13日、初めてのセミナーを開催。その後、1月19日と4月20日にも追加セミナーをさせていただきました。
関連記事:初セミナー終了しました!
(2) 1月4日、日経新聞土曜日版「日経プラス1」で、私のDVDを使った英語学習法が紹介されました。
関連記事:今日の日経プラス1で紹介されました!
(3) 2月14日、長年使っていた、au 提供「LOVELOG」のサービス提供終了に伴い、現在の Seesaa ブログに引っ越しました。
関連記事:Seesaaブログに引っ越しました!
引っ越しについては全く予期していないことだったのですが、長年続けてきた自分のブログを見つめ直す良い機会を与えてくれた気がしています。
「日経プラス1」で、「ブログで海外ドラマを活用した英語学習法を発信している南谷三世さん」と紹介していただけたことは本当に嬉しかったですね。
9年前にブログを始めた時から、ずっと『シットコムで笑え! 海外ドラマ「フレンズ」英語攻略ガイド』というタイトルでやってきて、「海外ドラマで英語を学ぶ」ことの素晴らしさと楽しさをお伝えしてきて良かった!と心から思いました。
そして今年は「セミナー」という形で、読者の皆様にお会いする機会が持てたことは、本当に幸せなことでした。
キャンセル待ちをして下さる方がいて下さったおかげで、初セミナー以降も同内容の「追加セミナー」を開かせていただけること、本当にありがたいことだと思っています。
この後も、7月6日に神戸で追加セミナー第3弾(通算4回目)、そして、10月には初の東京セミナーを開催する予定です。
なお、7月6日(日)の神戸セミナーは、まだ満席にはなっておらず、現在もお申し込みを受け付けておりますので、ご興味がおありの方には、是非この機会にご参加していただけると嬉しいです(^^)
詳細はこちら → 7月神戸、秋東京セミナー決定!
「いちブロガー」の私が、セミナーを複数回も開催することができたのは、このブログを応援して下さった皆様のおかげです。本当にありがとうございます。
読者の皆様と、直接お会いして、お話させていただけることは、本当に本当に嬉しいことなのです。
私のブログのことをどのように思って下さっているか、などの評価のお言葉を直接いただけることで、もっともっとブログを頑張ろうと思えます。
セミナーで皆さんが積極的に手を挙げてご質問して下さる熱意が、私の記事やコメントの回答への情熱を高めてくれます。
現在は、フレンズ8-14 を解説中です。
これからも楽しくブログを続けて、できることなら、ファイナルのシーズン10まで到達したいと思っています。
読んで下さる方がいる!と感じられることで、迷いや不安はなくなります。
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セミナーで皆さんが積極的に手を挙げてご質問して下さる熱意が、私の記事やコメントの回答への情熱を高めてくれます。
現在は、フレンズ8-14 を解説中です。
これからも楽しくブログを続けて、できることなら、ファイナルのシーズン10まで到達したいと思っています。
読んで下さる方がいる!と感じられることで、迷いや不安はなくなります。
読者の皆様と一緒に、これからも楽しく英語を学んでいけたら、こんなに幸せなことはありません。
どうかこれからも、よろしくお願いいたします!(^^)
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2014年06月13日
きれい好きにもかかわらず フレンズ8-14その5
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は3位、「にほんブログ村」は8位です。
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[Scene: Monica and Chandler's, Chandler is pounding out the hinge pins on the closet door to get it open.]
モニカとチャンドラーの家。チャンドラーは(モニカが中身を教えてくれない、開かずの)クローゼットを開けるために、ちょうつがいの留め金を叩いているところ。
チャンドラー: Not too shabby. I got this all off myself... using my wife's tools. (He takes the door off the frame and we finally get to see what's behind the green door! It is stacked, floor to ceiling, with junk.) Oh, my God! (悪くない。これを全部一人で取り外せたぞ…妻の工具を使って。[チャンドラーはドアをフレームから外し、我々(視聴者)はその緑のドアの後ろにあるものをついに見ることになる! 床から天井まで、がらくたが積み上げられている] なんてこった!)
モニカ: (entering) (Gasps) How did you get in there?! ([入ってきて][息を呑んで] どうやってそこを開けたの?)
チャンドラー: (laughs) You're messy. ([(イヒヒと)笑って] 君って、グチャグチャだね[ちらかし放題だね]。)
モニカ: Oh, no! You weren't supposed to see this! (だめよ! あなたはこれを見ちゃいけないことになってたのに!)
チャンドラー: I married Fred Sanford! (俺は、フレッド・サンフォードと結婚したんだな。)
モニカ: No, Chandler, you don't understand! (Chandler starts singing the theme for Sanford and Son, an old TV show starring Redd Foxx.) Okay! Okay! Okay! Fine! Now you know. Okay? I'm, y'know... I'm sick. (いいえ、チャンドラー、あなたはわかってないのよ! [チャンドラーは、レッド・フォックス主演の古いテレビ番組「サンフォードと息子」のテーマ曲を歌い始める] わかった! わかった! わかった! いいわ! 今はもう、あなたに知られちゃった。でしょ? 私は、ほら…私は病気なのよ。)
チャンドラー: No, honey, you're not sick! Look, I don't love you because you're organized. I love you in spite of that. (違うよ、ハニー、君は病気なんかじゃない! ねぇ、俺は君がきっちりしてるから[整理整頓好きだから・きれい好きだから]愛してるんじゃない。俺はそれにもかかわらず君を愛してるんだ。)
Not too shabby の shabby は、「みすぼらしい」または「卑しい、ひどい、汚い」という意味があります。
直訳すると、「それほど shabby ってことじゃない」なので、「そんなにひどくない、悪くない」ということになりますが、この not too shabby はこれでひとまとまりの決まり文句になっています。
英辞郎では、
not too shabby
【1】〈米話〉素晴らしい、立派な、良い出来の◆shabby を強く発音
【2】〈米話〉全くお粗末な◆too を強く発音したとき皮肉として。◆【同】very shabby
と出ています。
【1】 の意味は、「そんなに悪くないよね」と表現することで、暗に「素晴らしいじゃん」と言っている感覚、【2】 の意味は、「悪くないけど」と言葉では言っているけれど、「やっぱりこりゃひどい」と言っている感覚になるでしょう。
今回は、開かずの扉を自分で開けた後のセリフなので、「俺ってなかなかやるじゃん!」という、自分に対する褒め言葉のニュアンスになりますね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にも、単語 shabby の項目に、something is not (too) shabby がちゃんと載っています。
something is not (too) shabby : (informal) used to show that you think something is very good
例) Our profits were up by 35% last year. That's not too shabby.
つまり、「(インフォーマル) 何かが非常に良いと思っていることを示すために使われる」。
例文は、「我々の利益は、昨年、35% アップした。それは悪くない[上出来だ]」。
日本語でも、「ほぅ… 悪くない…」(by リヴァイ兵長)と言った場合は、「なかなか、いいこと言うじゃねぇか」的なニュアンスになるでしょうし、「良い」という肯定的な言葉を素直に使うことに対する照れ隠し的な意味で、「悪くない」と表現するのは、日英同じだと言える気がします。
I got this all off myself は、「俺は、一人で[自分自身で] これを全部、off の状態にした」という感じですね。
この get off は、日本語で言うと、「〜を取り外す」という訳になるでしょうが、英語のままイメージする際には、「this をすべて、off (分離)の状態にした」のように考えたほうが、わかりやすいように思います。
「悪くない。俺はこれを全部一人で取り外せたぞ」と言っているのですが、その後、付け足しのように、using my wife's tools. と言っているのが、自虐的で面白いですね。
「…と言っても、使っているのは、(俺のじゃなくて)妻の工具なんだけどね」ということで、日曜大工(DIY)的なことをする場合にも、妻の工具を借りちゃってる自分がちょっと情けない、と言っている感覚になるでしょう。
ドアが開けられたクローゼットの中身は、まさにト書きにあるように「床から天井まで、がらくたが積み上がっている」状態でした。
チャンドラーがドアを開けているのを見て、モニカは、息を呑み、叫んでいます。
How did you get in there?! を直訳すると、「あなたはどうやって、その中に入ったの?」となりそうなところですが、実際にはクローゼットはぎゅうぎゅうで、「チャンドラーが中に入る」スペースもないし、実際にチャンドラーは、そのクローゼットの前に立っているだけです。
get in there というのは、get in the closet という意味ですが、今回の場合は、「チャンドラーの体がその中に入る」ということではなく、チャンドラーがクローゼットの中という空間に到達する(開けて中を見る、中に触れられる状態になる)ことを言っていることになるでしょう。
チャンドラーは、イヒヒ、、という感じで、いやらしそうに、でもとても嬉しそうな顔で笑いながら、You're messy. と言っています。
messy は「散らかった、取り散らかした、乱雑な」「(人が)だらしない」という意味。
LAAD では、
messy : dirty, not organized, or not neatly arranged (OPP: neat)
つまり、「汚い、または整理されていない、またはきれいに並べられていない」。
Your closet is messy. のように場所が主語なら、「君のクローゼットは、ぐちゃぐちゃに散らかってるね」ということになり、You're messy. のように人が主語なら、「君はだらしないね」と訳すのが自然なのかな、とは思うのですが、今回の場合は、「君って、ぐちゃぐちゃだね(君って、ぐちゃぐちゃに散らかってるね)」みたいに表現した方が、チャンドラーのセリフのニュアンスに合っているような気はしました。
モニカは、「お掃除大好き、片付け大好き」なキャラで、散らかっているのが大嫌いなタイプであると、これまでのフレンズでは描かれてきました。
そのモニカの内緒にしていたクローゼットの中がぐちゃぐちゃなので、チャンドラーは「モニカが隠したかった秘密を発見」したことが嬉しくてたまらないのですね。
be supposed to はフレンズ頻出で、You weren't supposed to see this! は、「あなたはこれを見ないことになっていた、見ちゃいけないことになっていた、見ちゃいけなかったのに」というニュアンス。
その次のチャンドラーのセリフ、I married Fred Sanford! について。
DVDの日本語訳では、
(字幕)がらくた屋のサンフォードか?/(音声)君は、がらくた屋のサンフォードか?
となっていました。
その後、チャンドラーは何やらメロディーを歌い出すのですが、ありがたいことに、そこのト書きに、the theme for Sanford and Son, an old TV show starring Redd Foxx と説明してくれています。(ちなみに、ネットスクリプトのト書きでは、Fox という綴りになっていたのですが、主演の俳優さんの正式な綴りは、Redd Foxx が正しいようです)
Redd Foxx 主演の古いテレビ番組「Sanford and Son」のテーマ曲だということなので、番組タイトルにあるそのサンフォードが、チャンドラーの言っているフレッド・サンフォードだということが想像できますね。
とりあえずの理解としては、日本語訳に「がらくた屋のサンフォード」とあるように、「そういう、がらくた屋が主役のドラマがあるんだな」と分かればいい話なのですが、せっかくなので紹介しておきましょう。
Wikipedia 英語版: Sanford and Son
IMDb: Sanford and Son (1972–1977)
フレッド・サンフォードと、その息子ラモント・サンフォードが主役の70年代のシットコムで、英語版ウィキペディアの Summary に、フレッド・サンフォードは、a widower and junk dealer だという説明があります。
つまり、「男やもめで、ジャンク屋(がらくた屋)」だということですね。
日本語訳では、「がらくた屋のサンフォード」とわざわざ説明してありましたが、アメリカ人なら Fred Sanford という名前を聞いただけで、a junk dealer であることを思い出せるということです。
テーマ曲を嬉しそうに歌って、モニカをからかい続けるチャンドラーに、「私は病気なのよ」とモニカは言います。
きれい好き、整理整頓好きで通っていたはずの私の「片づけられない一面」を見せてしまったことを、「病気」だと表現しているわけですね。
それを聞いたチャンドラーは、「君は病気なんかじゃないよ」と言って、I don't love you because... 以下の文章を言っています。
I don't love you because you're organized. は、「君が整理整頓好きだから愛してるんじゃない」。
I love you in spite of that. は、「それにもかかわらず、俺は君を愛してる」
になります。
organized は「整理整頓された」ですね。上で紹介した、messy の語義にも、not organized とあったように、messy の対極の言葉です。
in spite of that は、in spite of the fact that you're organized 「君が整理整頓好きだという事実にもかかわらず」というニュアンスですね。
日本語の「〜にもかかわらず」という言葉からもわかるように、チャンドラーが「モニカの整理整頓好き」を短所のように言っていることが、このセリフのオチになっています。
LAAD に以下の例文が載っていました。
She loves him in spite of the fact that he drinks too much.
つまり、「彼は飲み過ぎるという事実にもかからわず、彼女は彼を愛している」。
この例文にも love が使われていて、まさにチャンドラーのセリフと同じニュアンスですね。
「お酒を飲み過ぎる」という欠点にもかかわらず愛してる、と言っているわけですが、チャンドラーはそれと同じように、「整理整頓好きという”欠点・短所”があるにもかかわらず君を愛してるんだ」と言っていることになるわけですね。
モニカの整理整頓好きは時に病的で、フレンズたちがげんなりしているシーンもよく出てきますが、「クローゼットがぐちゃぐちゃなのは病気なのよ」と言ったモニカに、「俺は散らかってるのなんか気にしない。俺はむしろ、君の例の整理整頓好きを短所だと思ってるんだから」みたいに言って、「君の普段の整理整頓好きのほうが、よっぽど病気だよ」とからかったオチになっている、ということですね。
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[Scene: Monica and Chandler's, Chandler is pounding out the hinge pins on the closet door to get it open.]
モニカとチャンドラーの家。チャンドラーは(モニカが中身を教えてくれない、開かずの)クローゼットを開けるために、ちょうつがいの留め金を叩いているところ。
チャンドラー: Not too shabby. I got this all off myself... using my wife's tools. (He takes the door off the frame and we finally get to see what's behind the green door! It is stacked, floor to ceiling, with junk.) Oh, my God! (悪くない。これを全部一人で取り外せたぞ…妻の工具を使って。[チャンドラーはドアをフレームから外し、我々(視聴者)はその緑のドアの後ろにあるものをついに見ることになる! 床から天井まで、がらくたが積み上げられている] なんてこった!)
モニカ: (entering) (Gasps) How did you get in there?! ([入ってきて][息を呑んで] どうやってそこを開けたの?)
チャンドラー: (laughs) You're messy. ([(イヒヒと)笑って] 君って、グチャグチャだね[ちらかし放題だね]。)
モニカ: Oh, no! You weren't supposed to see this! (だめよ! あなたはこれを見ちゃいけないことになってたのに!)
チャンドラー: I married Fred Sanford! (俺は、フレッド・サンフォードと結婚したんだな。)
モニカ: No, Chandler, you don't understand! (Chandler starts singing the theme for Sanford and Son, an old TV show starring Redd Foxx.) Okay! Okay! Okay! Fine! Now you know. Okay? I'm, y'know... I'm sick. (いいえ、チャンドラー、あなたはわかってないのよ! [チャンドラーは、レッド・フォックス主演の古いテレビ番組「サンフォードと息子」のテーマ曲を歌い始める] わかった! わかった! わかった! いいわ! 今はもう、あなたに知られちゃった。でしょ? 私は、ほら…私は病気なのよ。)
チャンドラー: No, honey, you're not sick! Look, I don't love you because you're organized. I love you in spite of that. (違うよ、ハニー、君は病気なんかじゃない! ねぇ、俺は君がきっちりしてるから[整理整頓好きだから・きれい好きだから]愛してるんじゃない。俺はそれにもかかわらず君を愛してるんだ。)
Not too shabby の shabby は、「みすぼらしい」または「卑しい、ひどい、汚い」という意味があります。
直訳すると、「それほど shabby ってことじゃない」なので、「そんなにひどくない、悪くない」ということになりますが、この not too shabby はこれでひとまとまりの決まり文句になっています。
英辞郎では、
not too shabby
【1】〈米話〉素晴らしい、立派な、良い出来の◆shabby を強く発音
【2】〈米話〉全くお粗末な◆too を強く発音したとき皮肉として。◆【同】very shabby
と出ています。
【1】 の意味は、「そんなに悪くないよね」と表現することで、暗に「素晴らしいじゃん」と言っている感覚、【2】 の意味は、「悪くないけど」と言葉では言っているけれど、「やっぱりこりゃひどい」と言っている感覚になるでしょう。
今回は、開かずの扉を自分で開けた後のセリフなので、「俺ってなかなかやるじゃん!」という、自分に対する褒め言葉のニュアンスになりますね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にも、単語 shabby の項目に、something is not (too) shabby がちゃんと載っています。
something is not (too) shabby : (informal) used to show that you think something is very good
例) Our profits were up by 35% last year. That's not too shabby.
つまり、「(インフォーマル) 何かが非常に良いと思っていることを示すために使われる」。
例文は、「我々の利益は、昨年、35% アップした。それは悪くない[上出来だ]」。
日本語でも、「ほぅ… 悪くない…」(by リヴァイ兵長)と言った場合は、「なかなか、いいこと言うじゃねぇか」的なニュアンスになるでしょうし、「良い」という肯定的な言葉を素直に使うことに対する照れ隠し的な意味で、「悪くない」と表現するのは、日英同じだと言える気がします。
I got this all off myself は、「俺は、一人で[自分自身で] これを全部、off の状態にした」という感じですね。
この get off は、日本語で言うと、「〜を取り外す」という訳になるでしょうが、英語のままイメージする際には、「this をすべて、off (分離)の状態にした」のように考えたほうが、わかりやすいように思います。
「悪くない。俺はこれを全部一人で取り外せたぞ」と言っているのですが、その後、付け足しのように、using my wife's tools. と言っているのが、自虐的で面白いですね。
「…と言っても、使っているのは、(俺のじゃなくて)妻の工具なんだけどね」ということで、日曜大工(DIY)的なことをする場合にも、妻の工具を借りちゃってる自分がちょっと情けない、と言っている感覚になるでしょう。
ドアが開けられたクローゼットの中身は、まさにト書きにあるように「床から天井まで、がらくたが積み上がっている」状態でした。
チャンドラーがドアを開けているのを見て、モニカは、息を呑み、叫んでいます。
How did you get in there?! を直訳すると、「あなたはどうやって、その中に入ったの?」となりそうなところですが、実際にはクローゼットはぎゅうぎゅうで、「チャンドラーが中に入る」スペースもないし、実際にチャンドラーは、そのクローゼットの前に立っているだけです。
get in there というのは、get in the closet という意味ですが、今回の場合は、「チャンドラーの体がその中に入る」ということではなく、チャンドラーがクローゼットの中という空間に到達する(開けて中を見る、中に触れられる状態になる)ことを言っていることになるでしょう。
チャンドラーは、イヒヒ、、という感じで、いやらしそうに、でもとても嬉しそうな顔で笑いながら、You're messy. と言っています。
messy は「散らかった、取り散らかした、乱雑な」「(人が)だらしない」という意味。
LAAD では、
messy : dirty, not organized, or not neatly arranged (OPP: neat)
つまり、「汚い、または整理されていない、またはきれいに並べられていない」。
Your closet is messy. のように場所が主語なら、「君のクローゼットは、ぐちゃぐちゃに散らかってるね」ということになり、You're messy. のように人が主語なら、「君はだらしないね」と訳すのが自然なのかな、とは思うのですが、今回の場合は、「君って、ぐちゃぐちゃだね(君って、ぐちゃぐちゃに散らかってるね)」みたいに表現した方が、チャンドラーのセリフのニュアンスに合っているような気はしました。
モニカは、「お掃除大好き、片付け大好き」なキャラで、散らかっているのが大嫌いなタイプであると、これまでのフレンズでは描かれてきました。
そのモニカの内緒にしていたクローゼットの中がぐちゃぐちゃなので、チャンドラーは「モニカが隠したかった秘密を発見」したことが嬉しくてたまらないのですね。
be supposed to はフレンズ頻出で、You weren't supposed to see this! は、「あなたはこれを見ないことになっていた、見ちゃいけないことになっていた、見ちゃいけなかったのに」というニュアンス。
その次のチャンドラーのセリフ、I married Fred Sanford! について。
DVDの日本語訳では、
(字幕)がらくた屋のサンフォードか?/(音声)君は、がらくた屋のサンフォードか?
となっていました。
その後、チャンドラーは何やらメロディーを歌い出すのですが、ありがたいことに、そこのト書きに、the theme for Sanford and Son, an old TV show starring Redd Foxx と説明してくれています。(ちなみに、ネットスクリプトのト書きでは、Fox という綴りになっていたのですが、主演の俳優さんの正式な綴りは、Redd Foxx が正しいようです)
Redd Foxx 主演の古いテレビ番組「Sanford and Son」のテーマ曲だということなので、番組タイトルにあるそのサンフォードが、チャンドラーの言っているフレッド・サンフォードだということが想像できますね。
とりあえずの理解としては、日本語訳に「がらくた屋のサンフォード」とあるように、「そういう、がらくた屋が主役のドラマがあるんだな」と分かればいい話なのですが、せっかくなので紹介しておきましょう。
Wikipedia 英語版: Sanford and Son
IMDb: Sanford and Son (1972–1977)
フレッド・サンフォードと、その息子ラモント・サンフォードが主役の70年代のシットコムで、英語版ウィキペディアの Summary に、フレッド・サンフォードは、a widower and junk dealer だという説明があります。
つまり、「男やもめで、ジャンク屋(がらくた屋)」だということですね。
日本語訳では、「がらくた屋のサンフォード」とわざわざ説明してありましたが、アメリカ人なら Fred Sanford という名前を聞いただけで、a junk dealer であることを思い出せるということです。
テーマ曲を嬉しそうに歌って、モニカをからかい続けるチャンドラーに、「私は病気なのよ」とモニカは言います。
きれい好き、整理整頓好きで通っていたはずの私の「片づけられない一面」を見せてしまったことを、「病気」だと表現しているわけですね。
それを聞いたチャンドラーは、「君は病気なんかじゃないよ」と言って、I don't love you because... 以下の文章を言っています。
I don't love you because you're organized. は、「君が整理整頓好きだから愛してるんじゃない」。
I love you in spite of that. は、「それにもかかわらず、俺は君を愛してる」
になります。
organized は「整理整頓された」ですね。上で紹介した、messy の語義にも、not organized とあったように、messy の対極の言葉です。
in spite of that は、in spite of the fact that you're organized 「君が整理整頓好きだという事実にもかかわらず」というニュアンスですね。
日本語の「〜にもかかわらず」という言葉からもわかるように、チャンドラーが「モニカの整理整頓好き」を短所のように言っていることが、このセリフのオチになっています。
LAAD に以下の例文が載っていました。
She loves him in spite of the fact that he drinks too much.
つまり、「彼は飲み過ぎるという事実にもかからわず、彼女は彼を愛している」。
この例文にも love が使われていて、まさにチャンドラーのセリフと同じニュアンスですね。
「お酒を飲み過ぎる」という欠点にもかかわらず愛してる、と言っているわけですが、チャンドラーはそれと同じように、「整理整頓好きという”欠点・短所”があるにもかかわらず君を愛してるんだ」と言っていることになるわけですね。
モニカの整理整頓好きは時に病的で、フレンズたちがげんなりしているシーンもよく出てきますが、「クローゼットがぐちゃぐちゃなのは病気なのよ」と言ったモニカに、「俺は散らかってるのなんか気にしない。俺はむしろ、君の例の整理整頓好きを短所だと思ってるんだから」みたいに言って、「君の普段の整理整頓好きのほうが、よっぽど病気だよ」とからかったオチになっている、ということですね。
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2014年06月11日
落ち着け、カーク船長 フレンズ8-14その4
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チャンドラーは、もらい物の趣味の悪いパンチボウルをしまおうしている時に、鍵がかかっていて、中に何が入っているかわからないクローゼットを発見します。
モニカに尋ねても、中に何が入っているか教えてくれないので、モニカには内緒で、ジョーイと一緒に開けようとしているところ。
[Scene: Monica and Chandler's, Joey and Chandler are still working on the door.]
モニカとチャンドラーの家。ジョーイとチャンドラーはまだ(クローゼットの)ドアに取り組んでいる。
チャンドラー: There has got to be a way! (何か方法があるはずだ!)
ジョーイ: Easy there, Captain Kirk. Oh, do you have a bobby pin? (落ち着けよ、カーク船長。あぁ、お前、ヘアピン(ボビーピン)持ってる?)
チャンドラー: Yeah. (Checks his hair.) Oh, no, wait. I'm not an 9-year-old girl. (あぁ。[自分の髪の毛を調べる] あぁ、違う、待てよ。俺は9歳の女の子じゃないんだぞ。)
ジョーイ: Then why do you throw like one? (それじゃあ、どうしてお前は、9歳の女の子みたいに、さっと手を動かすんだよ[とっさにあんな行動をするんだよ]?)
チャンドラー: Maybe Monica has a bobby pin. (多分、モニカがヘアピンを持ってる。)
ジョーイ: Oh, sure, "Monica." (あぁ、そうだな、”モニカ”がね。)
チャンドラー: So, how's the hideously inappropriate crush on Rachel coming? (それで、忌まわしいほど不適切なレイチェルへの恋心はどんな風になってるの?)
ジョーイ: Uh, really good. Really good. Yeah, I should be ready to kill myself any day now. (あぁ、すごくいいよ。すごくいい。あぁ、俺は今すぐにでも自殺する準備をすべきだな。)
開かずのドアがなかなか開かないことにイライラしているチャンドラーは、「(何か)方法があるはずだ!」と叫んでいます。
それに対して、ジョーイが、Easy there, Captain Kirk. と言っていますが、Captain Kirk は、Star Trek (The Original Series、略称 TOS) (邦題:宇宙大作戦)の宇宙船エンタープライズ号(NCC-1701)の船長である、ジェームズ・T・カーク(James Tiberius Kirk)のこと。
私はスタートレックが好きなのですが、中でも特に好きなのは、新スタートレック(Star Trek: The Next Generation)という、ピカード艦長とデータ少佐が出てくるシリーズで、実はカーク船長の TOS は、残念ながらそれほど詳しくはないのです、、、。
ちなみに、日本語版では、Captain Kirk は「カーク船長」、Captain Picard は「ピカード艦長」(それ以降の時代の Captain もすべて艦長)と訳されたため、カークの場合だけ、「カーク船長」と訳すのが、トレッキーのお約束みたいになっています。
There has got to be a way! というチャンドラーのセリフを聞いて、ジョーイは「お前はカーク船長かよ」みたいに茶化したわけですが、実際にカーク船長がこれと似たセリフをどこかで言っていたら楽しいな、と思って調べてみたところ、似たようなセリフが、
テレビ版「宇宙大作戦」シーズン2第24話 「恐怖のコンピューターM-5」(原題:The Ultimate Computer)
映画「スタートレックV 新たなる未知へ」(原題:Star Trek V: The Final Frontier)
などに出てくるらしいことがわかりました。(トレッキーの方が、ネットスクリプトを公開して下さっていたおかげです。ありがとうございます)
その映画は見ていないのですが、宇宙大作戦のほうは、Hulu で見ることができる(音声は英語、字幕は英語と日本語)ので、早速確認してみました。
50分のエピソード中、37:25 あたりのシーン。
カーク: There's got to be a way of getting to the M-5. There's got to be a way! (日本語字幕:M5を停止できないのか)
M-5 というコンピューターを開発したデイストロム博士の腕をがしっと掴んで、熱い感じで語っているセリフでした。
論理的で冷静なスポックとは対照的に、カーク船長というのは「人間っぽくて熱い男」というイメージなので^^、その船長のイメージに合ったセリフだという気がしますね。
開かないドアにいらついているチャンドラーに対して、「落ち着けよ、熱くなるなよ」とジョーイも言っていますし、チャンドラーの "There has got to be a way!" は、2-24 のカーク船長のセリフのイメージに非常に近いと言える気がしました。
私の記憶にある限り、「フレンズにはスタートレックネタが5回出てきた」はずで、今回がその5回目になります。過去の4回は以下の記事で。
フレンズ1-2その2、フレンズ2-8その11、転送して、神様 フレンズ3-17その11、スポックの産児制限 フレンズ4-3その5
5回全部説明できるまで、ブログを続けられて良かった、、、^^
その後、ジョーイは、「お前、a bobby pin 持ってる?」と尋ねています。
bobby pin は「ヘアピン」のことですね。アメリカでは bobby pin で、イギリスでは hairgrip と言うそうです。
こういうものは、bobby pin で 「Google画像検索」すると、写真がたくさん表示されて、ああこれね!とすぐわかりますよね。
そういうものを、英英辞典ではどう説明しているのかを見てみると、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
bobby pin : a thin piece of metal bent into a narrow U shape that a woman uses to hold her hair in place
つまり、「女性が髪の毛の形を保つために使う、細いU字型に曲げられた金属の薄い部品」
Wikipedia 英語版: Bobby pin では、写真と共により詳しい説明が載っています。
bobby pin の bobby というのは、bob 「ショートヘア、ボブ(カット))」と関係あるようです。
上の英語版ウィキペディアにも、bobbed hair/hairstyles との関連性が書いてありますし、LAAD の Etymology (Word Origin) にも、1900-2000 Probably from BOB と書いてありました。
ヘアピン持ってる?と言われたチャンドラーは、「ああ」と言って自分の髪の毛を探るようにした後、「ちょっと待て。俺は9歳の女の子じゃないんだぞ」と言っています。
とりあえず自分の髪の毛を探してみるふりをするのは、「ひとまずボケてみて、その後、自分でツッコむ」という、一人ボケツッコミ(ノリツッコミ)みたいなものですね。
ちなみに、扉の鍵を開けるのにヘアピンを使おうとしているところは、日本の時代劇で、錠前を開ける時に、女性のかんざしを借りたりしている(そんなシーン、たまにありますよね?)のと似た雰囲気があるように思いました。
「俺は9歳の少女じゃないんだから、ボビーピンを頭にさしてるわけないだろ」と言いたげなチャンドラーに、ジョーイは、Then why do you throw like one? と言っています。
throw という動詞の基本的な意味は「投げる」ですね。
そこから、「さっと、すばやく〜する」のようなニュアンスで、文脈によっていろいろな意味で使われます。
その質問をしないことに全力を注いでる フレンズ8-2その4 では、throw our tuxes back on 「タキシードをまた、パッと羽織って(着込んで)」というフレーズも出てきました。
put on ではなく、throw on を使うことで、「さっと着る、すばやく着る」というニュアンスが出るわけですね。
ですから、今回のジョーイの場合、like one は、like an 9-year-old girl 「9歳の女の子のように」ということですから、「9歳の女の子じゃない、とか言いながら、9歳の女の子みたいに throw してるじゃないか」と言っている感覚になるでしょう。
「ヘアピン持ってる?」と言われて、うん、と躊躇なく髪の毛に手をやったその「素早い行動、とっさの行動」のことを、throw という動詞で表現しているのだろうと思います。
このように「さっと動く、動かす」というニュアンスは、英英辞典では以下のように出ています。
LAAD では、
throw: MOVE HANDS/HEAD ETC.
to suddenly and quickly move your body or a part of your body into a new position
つまり、「手や頭などを動かす。突然にまたは素早く、自分の体、または体の一部を新しい位置に動かすこと」。
今回はまさに、to quickly move your hands のニュアンスになるのでしょう。
そんな風にからかわれながらも、チャンドラーは、「モニカがボビーピンを持ってるかも」と言います。
それに対して、ジョーイは、Oh, sure, "Monica." と言いながら、Monica の部分で、手でカニバサミのようなしぐさをしていますね。
これは、これまでのフレンズにも何度も出てきたしぐさで、air quote などと言われますが、直訳の「エア引用」でイメージできるように、そのしぐさをしながら言った部分を、引用符でくくったイメージで話している、ということになります。
まさに、その引用符を文字化したような、「あぁ、そうだな、”モニカ”がね」というニュアンスになり、「モニカが持ってる、って言い張るんなら、まぁ、”モニカ”ってことにしといてやろう」的な感覚が出るわけですね。
「モニカが持ってるかも、とか言いながら、自分のを持ってくるつもりなんだろう?」という気持ちがその、"Monica" に出ていることになります。
そんな話をしながら、チャンドラーは、「ジョーイがレイチェルに恋心を抱いている」という件について、ジョーイ本人に尋ねています。
So, how's the hideously inappropriate crush on Rachel coming? について。
inappropriate は「不適切な」ですね。crush は「(一時的な)首ったけ、べたぼれ」。
hideously は「恐ろしいほど、ぞっとするほど、忌まわしいほど」。
ですから、「レイチェルへの忌まわしいほど不適切なべたぼれ(首ったけになっている恋心)は、どんな感じに進んでるの?」と尋ねている感覚になるでしょう。
恋心の状況を尋ねつつ、「友達であるレイチェルに恋心を抱くなんて、ぞっとするほど不適切だよね」みたいに言ってみせたわけで、言葉だけ見ていると、「悩んでいるであろうジョーイに対して、えらくひどい言いようだ」とも取れるのですが、ジョーイ自身が「こんな気持ちを抱いちゃいけないのに」と思っているのをよくわかっている親友だからこそ、言えた表現なのかな、とも思います。
ジョーイの辛い気持ちを知っているからこそ、ジョーイが自分の気持ちをどう表現したらいいかとためらう前に、先に言ってやった、みたいなところで、そんな風に話題を振られた方が逆に話しやすくなるだろ、というような。
「おぞましいほど不適切な恋心はどうなった?」などと、ちょっとキツい表現で聞かれたジョーイは、Uh, really good. Really good. と言っています。
これは文字だけ見ていると、「ほんとにいい、すごくいい」と肯定的な返事をしているように見えますが、その後のセリフを聞くと、自虐的に good と言っただけ、ということがわかります。
I should be ready to kill myself any day now. について。
any day now は「今すぐに(でも)」という感覚。
LAAD では、
any day/minute etc. now : very soon
と出ています。
つまり、「俺は今すぐにでも、自殺する準備をするべきだ」と言っていることになりますね。
その前に、really good と軽い感じで言っていたので、「もう彼女への恋心は落ち着いた、大丈夫だよ」という話が続くのかと思ったら、「いやもう最高なんだよ。そろそろ自殺の準備をしなきゃ」という話になっていて、自分の存在を消さない限り、この大変な状況から抜け出せない、というほど、気持ちがどんどん深くなっていっていることがわかるわけですね。
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チャンドラーは、もらい物の趣味の悪いパンチボウルをしまおうしている時に、鍵がかかっていて、中に何が入っているかわからないクローゼットを発見します。
モニカに尋ねても、中に何が入っているか教えてくれないので、モニカには内緒で、ジョーイと一緒に開けようとしているところ。
[Scene: Monica and Chandler's, Joey and Chandler are still working on the door.]
モニカとチャンドラーの家。ジョーイとチャンドラーはまだ(クローゼットの)ドアに取り組んでいる。
チャンドラー: There has got to be a way! (何か方法があるはずだ!)
ジョーイ: Easy there, Captain Kirk. Oh, do you have a bobby pin? (落ち着けよ、カーク船長。あぁ、お前、ヘアピン(ボビーピン)持ってる?)
チャンドラー: Yeah. (Checks his hair.) Oh, no, wait. I'm not an 9-year-old girl. (あぁ。[自分の髪の毛を調べる] あぁ、違う、待てよ。俺は9歳の女の子じゃないんだぞ。)
ジョーイ: Then why do you throw like one? (それじゃあ、どうしてお前は、9歳の女の子みたいに、さっと手を動かすんだよ[とっさにあんな行動をするんだよ]?)
チャンドラー: Maybe Monica has a bobby pin. (多分、モニカがヘアピンを持ってる。)
ジョーイ: Oh, sure, "Monica." (あぁ、そうだな、”モニカ”がね。)
チャンドラー: So, how's the hideously inappropriate crush on Rachel coming? (それで、忌まわしいほど不適切なレイチェルへの恋心はどんな風になってるの?)
ジョーイ: Uh, really good. Really good. Yeah, I should be ready to kill myself any day now. (あぁ、すごくいいよ。すごくいい。あぁ、俺は今すぐにでも自殺する準備をすべきだな。)
開かずのドアがなかなか開かないことにイライラしているチャンドラーは、「(何か)方法があるはずだ!」と叫んでいます。
それに対して、ジョーイが、Easy there, Captain Kirk. と言っていますが、Captain Kirk は、Star Trek (The Original Series、略称 TOS) (邦題:宇宙大作戦)の宇宙船エンタープライズ号(NCC-1701)の船長である、ジェームズ・T・カーク(James Tiberius Kirk)のこと。
私はスタートレックが好きなのですが、中でも特に好きなのは、新スタートレック(Star Trek: The Next Generation)という、ピカード艦長とデータ少佐が出てくるシリーズで、実はカーク船長の TOS は、残念ながらそれほど詳しくはないのです、、、。
ちなみに、日本語版では、Captain Kirk は「カーク船長」、Captain Picard は「ピカード艦長」(それ以降の時代の Captain もすべて艦長)と訳されたため、カークの場合だけ、「カーク船長」と訳すのが、トレッキーのお約束みたいになっています。
There has got to be a way! というチャンドラーのセリフを聞いて、ジョーイは「お前はカーク船長かよ」みたいに茶化したわけですが、実際にカーク船長がこれと似たセリフをどこかで言っていたら楽しいな、と思って調べてみたところ、似たようなセリフが、
テレビ版「宇宙大作戦」シーズン2第24話 「恐怖のコンピューターM-5」(原題:The Ultimate Computer)
映画「スタートレックV 新たなる未知へ」(原題:Star Trek V: The Final Frontier)
などに出てくるらしいことがわかりました。(トレッキーの方が、ネットスクリプトを公開して下さっていたおかげです。ありがとうございます)
その映画は見ていないのですが、宇宙大作戦のほうは、Hulu で見ることができる(音声は英語、字幕は英語と日本語)ので、早速確認してみました。
50分のエピソード中、37:25 あたりのシーン。
カーク: There's got to be a way of getting to the M-5. There's got to be a way! (日本語字幕:M5を停止できないのか)
M-5 というコンピューターを開発したデイストロム博士の腕をがしっと掴んで、熱い感じで語っているセリフでした。
論理的で冷静なスポックとは対照的に、カーク船長というのは「人間っぽくて熱い男」というイメージなので^^、その船長のイメージに合ったセリフだという気がしますね。
開かないドアにいらついているチャンドラーに対して、「落ち着けよ、熱くなるなよ」とジョーイも言っていますし、チャンドラーの "There has got to be a way!" は、2-24 のカーク船長のセリフのイメージに非常に近いと言える気がしました。
私の記憶にある限り、「フレンズにはスタートレックネタが5回出てきた」はずで、今回がその5回目になります。過去の4回は以下の記事で。
フレンズ1-2その2、フレンズ2-8その11、転送して、神様 フレンズ3-17その11、スポックの産児制限 フレンズ4-3その5
5回全部説明できるまで、ブログを続けられて良かった、、、^^
その後、ジョーイは、「お前、a bobby pin 持ってる?」と尋ねています。
bobby pin は「ヘアピン」のことですね。アメリカでは bobby pin で、イギリスでは hairgrip と言うそうです。
こういうものは、bobby pin で 「Google画像検索」すると、写真がたくさん表示されて、ああこれね!とすぐわかりますよね。
そういうものを、英英辞典ではどう説明しているのかを見てみると、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
bobby pin : a thin piece of metal bent into a narrow U shape that a woman uses to hold her hair in place
つまり、「女性が髪の毛の形を保つために使う、細いU字型に曲げられた金属の薄い部品」
Wikipedia 英語版: Bobby pin では、写真と共により詳しい説明が載っています。
bobby pin の bobby というのは、bob 「ショートヘア、ボブ(カット))」と関係あるようです。
上の英語版ウィキペディアにも、bobbed hair/hairstyles との関連性が書いてありますし、LAAD の Etymology (Word Origin) にも、1900-2000 Probably from BOB と書いてありました。
ヘアピン持ってる?と言われたチャンドラーは、「ああ」と言って自分の髪の毛を探るようにした後、「ちょっと待て。俺は9歳の女の子じゃないんだぞ」と言っています。
とりあえず自分の髪の毛を探してみるふりをするのは、「ひとまずボケてみて、その後、自分でツッコむ」という、一人ボケツッコミ(ノリツッコミ)みたいなものですね。
ちなみに、扉の鍵を開けるのにヘアピンを使おうとしているところは、日本の時代劇で、錠前を開ける時に、女性のかんざしを借りたりしている(そんなシーン、たまにありますよね?)のと似た雰囲気があるように思いました。
「俺は9歳の少女じゃないんだから、ボビーピンを頭にさしてるわけないだろ」と言いたげなチャンドラーに、ジョーイは、Then why do you throw like one? と言っています。
throw という動詞の基本的な意味は「投げる」ですね。
そこから、「さっと、すばやく〜する」のようなニュアンスで、文脈によっていろいろな意味で使われます。
その質問をしないことに全力を注いでる フレンズ8-2その4 では、throw our tuxes back on 「タキシードをまた、パッと羽織って(着込んで)」というフレーズも出てきました。
put on ではなく、throw on を使うことで、「さっと着る、すばやく着る」というニュアンスが出るわけですね。
ですから、今回のジョーイの場合、like one は、like an 9-year-old girl 「9歳の女の子のように」ということですから、「9歳の女の子じゃない、とか言いながら、9歳の女の子みたいに throw してるじゃないか」と言っている感覚になるでしょう。
「ヘアピン持ってる?」と言われて、うん、と躊躇なく髪の毛に手をやったその「素早い行動、とっさの行動」のことを、throw という動詞で表現しているのだろうと思います。
このように「さっと動く、動かす」というニュアンスは、英英辞典では以下のように出ています。
LAAD では、
throw: MOVE HANDS/HEAD ETC.
to suddenly and quickly move your body or a part of your body into a new position
つまり、「手や頭などを動かす。突然にまたは素早く、自分の体、または体の一部を新しい位置に動かすこと」。
今回はまさに、to quickly move your hands のニュアンスになるのでしょう。
そんな風にからかわれながらも、チャンドラーは、「モニカがボビーピンを持ってるかも」と言います。
それに対して、ジョーイは、Oh, sure, "Monica." と言いながら、Monica の部分で、手でカニバサミのようなしぐさをしていますね。
これは、これまでのフレンズにも何度も出てきたしぐさで、air quote などと言われますが、直訳の「エア引用」でイメージできるように、そのしぐさをしながら言った部分を、引用符でくくったイメージで話している、ということになります。
まさに、その引用符を文字化したような、「あぁ、そうだな、”モニカ”がね」というニュアンスになり、「モニカが持ってる、って言い張るんなら、まぁ、”モニカ”ってことにしといてやろう」的な感覚が出るわけですね。
「モニカが持ってるかも、とか言いながら、自分のを持ってくるつもりなんだろう?」という気持ちがその、"Monica" に出ていることになります。
そんな話をしながら、チャンドラーは、「ジョーイがレイチェルに恋心を抱いている」という件について、ジョーイ本人に尋ねています。
So, how's the hideously inappropriate crush on Rachel coming? について。
inappropriate は「不適切な」ですね。crush は「(一時的な)首ったけ、べたぼれ」。
hideously は「恐ろしいほど、ぞっとするほど、忌まわしいほど」。
ですから、「レイチェルへの忌まわしいほど不適切なべたぼれ(首ったけになっている恋心)は、どんな感じに進んでるの?」と尋ねている感覚になるでしょう。
恋心の状況を尋ねつつ、「友達であるレイチェルに恋心を抱くなんて、ぞっとするほど不適切だよね」みたいに言ってみせたわけで、言葉だけ見ていると、「悩んでいるであろうジョーイに対して、えらくひどい言いようだ」とも取れるのですが、ジョーイ自身が「こんな気持ちを抱いちゃいけないのに」と思っているのをよくわかっている親友だからこそ、言えた表現なのかな、とも思います。
ジョーイの辛い気持ちを知っているからこそ、ジョーイが自分の気持ちをどう表現したらいいかとためらう前に、先に言ってやった、みたいなところで、そんな風に話題を振られた方が逆に話しやすくなるだろ、というような。
「おぞましいほど不適切な恋心はどうなった?」などと、ちょっとキツい表現で聞かれたジョーイは、Uh, really good. Really good. と言っています。
これは文字だけ見ていると、「ほんとにいい、すごくいい」と肯定的な返事をしているように見えますが、その後のセリフを聞くと、自虐的に good と言っただけ、ということがわかります。
I should be ready to kill myself any day now. について。
any day now は「今すぐに(でも)」という感覚。
LAAD では、
any day/minute etc. now : very soon
と出ています。
つまり、「俺は今すぐにでも、自殺する準備をするべきだ」と言っていることになりますね。
その前に、really good と軽い感じで言っていたので、「もう彼女への恋心は落ち着いた、大丈夫だよ」という話が続くのかと思ったら、「いやもう最高なんだよ。そろそろ自殺の準備をしなきゃ」という話になっていて、自分の存在を消さない限り、この大変な状況から抜け出せない、というほど、気持ちがどんどん深くなっていっていることがわかるわけですね。
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2014年06月09日
ポテイトゥ、ポタートゥ フレンズ8-14その3
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フィービーがプロのマッサージ師だとはいえ、やっぱり自分の友達にマッサージしてしまうのは恥ずかしいし意識してしまう、というモニカ。
モニカ: Hey, come on, Phoebe, you can understand why this would be weird for me.(ねぇ、お願いよ、フィービー。わかるでしょ、これが私にとってどうして変な感じなのかを。)
フィービー: But I'm a professional! And I'm really good! Look, if you're uncomfortable, we can stop. Just give me a chance, okay. Please? (でも私はプロフェッショナルよ! それに私はすごく上手なのよ! ねぇ、もしあなたが不快なら、やめることができるわ。ただチャンスをちょうだい、いいでしょ?)
モニカ: Okay, if it means that much to you.... (いいわ、もしそれがあなたにとって、そんなに意味があることなら…)
フィービー: It does! How would you feel if you couldn't share your cooking? Or-or imagine how Ross would feel if he couldn't teach us about dragons. (意味はあるわ! もしあなたの料理をみんなに分けられないとしたら、あなたはどう感じる? それか、想像してみて、ロスが私たちにドラゴンについて教えられないとしたら、彼がどう感じると思うかを。)
モニカ: Dinosaurs. ((ドラゴンじゃなくて)恐竜(ダイナソー)よ。)
フィービー: Potato, potahtoe. (ポテイトゥ、ポタートゥよ[大して変わらない。似たようなもんよ]。)
モニカは、「どうして変な感じがするか、あなたにもわかるでしょ」と言うのですが、フィービーはあきらめず、「私はプロよ。それに腕もいいんだから」と言って、「もし不快に感じたら、やめられるわ(やめたらいいわ)。だから1回だけチャンスをちょうだい」と言っています。
モニカが、「それがあなたにとって、そんなに(それほどまでに)意味があることなら…」と言うと、フィービーは、It does! 「意味は大いにあるわ!」と言って、How would you feel if you... という文章を言っています。
これは、「もしあなたが…だとしたら、どんな風に感じる?」という質問ですね。
あなた(モニカ)のことと、ロスの話とで、2文連続で、would, (if) couldn't という組み合わせが使われていますが、これは「仮定法過去」ですね。
「現在の事実とは反対の仮定」で、「現実の毎日では〜できているけれど、もしも〜できなかったとしたら、どんな風に感じるかしら?」というニュアンス。
まずはモニカの話の方を見てみると、share your cooking は「あなたの料理をシェアする、分ける」ということで、シェフであるモニカ、つまり料理上手なモニカが作った料理を、みんなにふるまえなかったら、みんなに食べさせてあげることができなかったら、どう感じる?という問いですね。
自慢の料理を友人に味わってもらえなかったらどんな気持ちがするかしら?と言って、マッサージの腕には自信のあるフィービーが、友達にマッサージを施せない気持ちを理解させようとしているわけです。
モニカの料理の例えは、なかなかいい点を突いていて、そこで終わりなら「うん、納得」で済むのですが、その後のロスの話の流れが、このシーンのオチになっています。
ロスの例えは、「想像してみて、もしロスがドラゴン(龍)について私たちに教えることができなかったとしたら、ロスがどう感じるかを」。
ロスは恐竜の研究をしている古生物学者なので、フィービーが dinosaur (恐竜)を間違えて、dragon (ドラゴン・龍)と言っていることは明白です。
それをモニカは指摘するのですが、フィービーは、悪びれた様子もなく、Potato, potahtoe. と言っています。(この部分、ネットスクリプトでは、Potato, potaato. DVD英語字幕では、Potato, potahtoe. という表記になっています)
これは、potato という単語を2種類の音で発音してみせて、「ちょっと言い方が違うだけで、どっちでも同じじゃん」と言っているニュアンスですね。
potato と似たような発音は、tomato という単語にもありますね。
トマトの場合だと、「トメイトゥ、トマートゥ」みたいになります(トメイトゥがアメリカ式発音で、トマートゥがイギリス式発音)。
1937年の映画「Shall We Dance」の中で、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースが歌う、Let's Call the Whole Thing Off という歌があるのですが、歌詞の中に、potato や tomato など、異なった発音の単語がたくさん挙げられる歌として有名です。
Wikpedia 英語版: Let's Call the Whole Thing Off にも、以下のように説明されています。(発音記号部分は、もしかしたら文字化けしているかもしれません。)
The song is most famous for its “You like to-may-toes /təˈmeɪtoʊz/ and I like to-mah-toes /təˈmɑːtoʊz/” and other verses comparing their different regional dialects.
つまり、「その歌は、”君はトメイトゥズが好き、そして僕はトマートゥズが好き”や、異なる地域の方言を比較する他の節で大変有名である」。
そのように、今回のフィービーの "Potato, potahtoe." は、フレッド・アステアの歌にもあるように、「発音・読み方が違う単語」の例として挙げられやすいものだと言えるのですが、このフィービーのセリフを聞いて私が思い出した別の単語があります。
それは、data 「データ」という単語。
data という単語も、「デイタ」または「ダータ」のように、複数の発音があるのですが、それを使ったジョークのようなやりとりが、(私の大好きなw)スタートレックに出てきたんですよね^^
新スタートレック(Star Trek: The Next Generation)の、シーズン2エピソード1 「光から生まれた生命」(原題:The Child)でのワンシーン。
シーズン2 から新しく登場した医療部長キャサリン・ポラスキー(Katherine Pulaski)と、アンドロイドのデータ少佐(Lt. Commander Data)との会話。
ポラスキー: Dah-ta, look at this. (ダータ、これを見て。)
データ少佐: "Day-ta." (データ。)
ポラスキー: What? (何?)
データ少佐: My name-- it is pronunced "day-ta." (私の名前です。発音は”デイ・タ”です。)
ポラスキー: Oh? (で?)
データ少佐: You called me "dah-ta." (あなたは私を”ダー・タ”を呼びました。)
ポラスキー: What's the difference? (何が違うの?)
データ少佐: One is my name. The other is not. (1つは私の名前です。もう一方は違います。)
data という単語に「デイタ、ダータ」という2種類の発音があることから、ポラスキーはデータ少佐に「ダータ(少佐)」と呼び掛け、それを聞いたデータ少佐が、「私の名前はダータではなく、データです」と訂正するというシーンになっています。
ポラスキー的には、data って単語にはいろんな発音があるんだから別にどっちでもいいじゃない、大した違いないじゃない、と思っていることが、What's the difference? というセリフによく表れていますね。
そして、データ少佐の方は、アンドロイド(機械)なので、「私の名前の発音としては、dah-ta は正しくありません」と四角四面に訂正する、ということになります。
アンドロイドの几帳面さがよく出たセリフだと言えそうですね^^
このように、「複数の発音がある単語」を使ったやりとりというのは、結構出てくるものですが、その音の違いを「英語の音」から聴き取れて笑えたりすると、ネイティブにぐっと近づけた気がして嬉しいなぁ、と思います。
ということで、「恐竜」を「ドラゴン」と言い間違えるなんて、古生物学者のロスが聞いたら間違いなく文句を言うところですが、言った方のフィービーはなんとも思っておらず、「ポテイトゥとポタートゥ程度の違いしかない」と言っているのが、フィービーっぽいオチになっているわけですね。
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モニカ: Hey, come on, Phoebe, you can understand why this would be weird for me.(ねぇ、お願いよ、フィービー。わかるでしょ、これが私にとってどうして変な感じなのかを。)
フィービー: But I'm a professional! And I'm really good! Look, if you're uncomfortable, we can stop. Just give me a chance, okay. Please? (でも私はプロフェッショナルよ! それに私はすごく上手なのよ! ねぇ、もしあなたが不快なら、やめることができるわ。ただチャンスをちょうだい、いいでしょ?)
モニカ: Okay, if it means that much to you.... (いいわ、もしそれがあなたにとって、そんなに意味があることなら…)
フィービー: It does! How would you feel if you couldn't share your cooking? Or-or imagine how Ross would feel if he couldn't teach us about dragons. (意味はあるわ! もしあなたの料理をみんなに分けられないとしたら、あなたはどう感じる? それか、想像してみて、ロスが私たちにドラゴンについて教えられないとしたら、彼がどう感じると思うかを。)
モニカ: Dinosaurs. ((ドラゴンじゃなくて)恐竜(ダイナソー)よ。)
フィービー: Potato, potahtoe. (ポテイトゥ、ポタートゥよ[大して変わらない。似たようなもんよ]。)
モニカは、「どうして変な感じがするか、あなたにもわかるでしょ」と言うのですが、フィービーはあきらめず、「私はプロよ。それに腕もいいんだから」と言って、「もし不快に感じたら、やめられるわ(やめたらいいわ)。だから1回だけチャンスをちょうだい」と言っています。
モニカが、「それがあなたにとって、そんなに(それほどまでに)意味があることなら…」と言うと、フィービーは、It does! 「意味は大いにあるわ!」と言って、How would you feel if you... という文章を言っています。
これは、「もしあなたが…だとしたら、どんな風に感じる?」という質問ですね。
あなた(モニカ)のことと、ロスの話とで、2文連続で、would, (if) couldn't という組み合わせが使われていますが、これは「仮定法過去」ですね。
「現在の事実とは反対の仮定」で、「現実の毎日では〜できているけれど、もしも〜できなかったとしたら、どんな風に感じるかしら?」というニュアンス。
まずはモニカの話の方を見てみると、share your cooking は「あなたの料理をシェアする、分ける」ということで、シェフであるモニカ、つまり料理上手なモニカが作った料理を、みんなにふるまえなかったら、みんなに食べさせてあげることができなかったら、どう感じる?という問いですね。
自慢の料理を友人に味わってもらえなかったらどんな気持ちがするかしら?と言って、マッサージの腕には自信のあるフィービーが、友達にマッサージを施せない気持ちを理解させようとしているわけです。
モニカの料理の例えは、なかなかいい点を突いていて、そこで終わりなら「うん、納得」で済むのですが、その後のロスの話の流れが、このシーンのオチになっています。
ロスの例えは、「想像してみて、もしロスがドラゴン(龍)について私たちに教えることができなかったとしたら、ロスがどう感じるかを」。
ロスは恐竜の研究をしている古生物学者なので、フィービーが dinosaur (恐竜)を間違えて、dragon (ドラゴン・龍)と言っていることは明白です。
それをモニカは指摘するのですが、フィービーは、悪びれた様子もなく、Potato, potahtoe. と言っています。(この部分、ネットスクリプトでは、Potato, potaato. DVD英語字幕では、Potato, potahtoe. という表記になっています)
これは、potato という単語を2種類の音で発音してみせて、「ちょっと言い方が違うだけで、どっちでも同じじゃん」と言っているニュアンスですね。
potato と似たような発音は、tomato という単語にもありますね。
トマトの場合だと、「トメイトゥ、トマートゥ」みたいになります(トメイトゥがアメリカ式発音で、トマートゥがイギリス式発音)。
1937年の映画「Shall We Dance」の中で、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースが歌う、Let's Call the Whole Thing Off という歌があるのですが、歌詞の中に、potato や tomato など、異なった発音の単語がたくさん挙げられる歌として有名です。
Wikpedia 英語版: Let's Call the Whole Thing Off にも、以下のように説明されています。(発音記号部分は、もしかしたら文字化けしているかもしれません。)
The song is most famous for its “You like to-may-toes /təˈmeɪtoʊz/ and I like to-mah-toes /təˈmɑːtoʊz/” and other verses comparing their different regional dialects.
つまり、「その歌は、”君はトメイトゥズが好き、そして僕はトマートゥズが好き”や、異なる地域の方言を比較する他の節で大変有名である」。
そのように、今回のフィービーの "Potato, potahtoe." は、フレッド・アステアの歌にもあるように、「発音・読み方が違う単語」の例として挙げられやすいものだと言えるのですが、このフィービーのセリフを聞いて私が思い出した別の単語があります。
それは、data 「データ」という単語。
data という単語も、「デイタ」または「ダータ」のように、複数の発音があるのですが、それを使ったジョークのようなやりとりが、(私の大好きなw)スタートレックに出てきたんですよね^^
新スタートレック(Star Trek: The Next Generation)の、シーズン2エピソード1 「光から生まれた生命」(原題:The Child)でのワンシーン。
シーズン2 から新しく登場した医療部長キャサリン・ポラスキー(Katherine Pulaski)と、アンドロイドのデータ少佐(Lt. Commander Data)との会話。
ポラスキー: Dah-ta, look at this. (ダータ、これを見て。)
データ少佐: "Day-ta." (データ。)
ポラスキー: What? (何?)
データ少佐: My name-- it is pronunced "day-ta." (私の名前です。発音は”デイ・タ”です。)
ポラスキー: Oh? (で?)
データ少佐: You called me "dah-ta." (あなたは私を”ダー・タ”を呼びました。)
ポラスキー: What's the difference? (何が違うの?)
データ少佐: One is my name. The other is not. (1つは私の名前です。もう一方は違います。)
data という単語に「デイタ、ダータ」という2種類の発音があることから、ポラスキーはデータ少佐に「ダータ(少佐)」と呼び掛け、それを聞いたデータ少佐が、「私の名前はダータではなく、データです」と訂正するというシーンになっています。
ポラスキー的には、data って単語にはいろんな発音があるんだから別にどっちでもいいじゃない、大した違いないじゃない、と思っていることが、What's the difference? というセリフによく表れていますね。
そして、データ少佐の方は、アンドロイド(機械)なので、「私の名前の発音としては、dah-ta は正しくありません」と四角四面に訂正する、ということになります。
アンドロイドの几帳面さがよく出たセリフだと言えそうですね^^
このように、「複数の発音がある単語」を使ったやりとりというのは、結構出てくるものですが、その音の違いを「英語の音」から聴き取れて笑えたりすると、ネイティブにぐっと近づけた気がして嬉しいなぁ、と思います。
ということで、「恐竜」を「ドラゴン」と言い間違えるなんて、古生物学者のロスが聞いたら間違いなく文句を言うところですが、言った方のフィービーはなんとも思っておらず、「ポテイトゥとポタートゥ程度の違いしかない」と言っているのが、フィービーっぽいオチになっているわけですね。
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