2014年06月06日

他人の存在が自分を意識させる フレンズ8-14その2

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は4位、「にほんブログ村」は8位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


フィービーはマッサージ師(masseuse)なのですが、モニカがフィービーに内緒で、他の女性(名前はアレキザンドラ)にマッサージをしてもらっていることを知り、フィービーは大激怒。
その少し後のシーン。
フィービー: (entering) Hello, Chandler. Lovely day, huh? (To Monica) You! ([チャンドラーとモニカの家に入ってきて] こんにちは、チャンドラー。素敵な日ね? [モニカに] あんた!)
チャンドラー: Phoebe, if it helps, Alexandra's only been massaging Monica for like three years. (Phoebe rolls her eyes and walks away and Monica glares at him.) If! I said, "If it helps!" (Goes to the bedroom.) (フィービー、もし何かの助けになるならだけど、アレキザンドラは、モニカを3年ほどマッサージしてきただけなんだよ。[フィービーは、あきれたように目をむき、歩き去る。モニカはチャンドラーをにらむ] もし!だよ。俺は、「もし何かの助けになるなら」って言ったぞ! [寝室に行く])
フィービー: Why won't you let me massage you? (どうしてあなたは、私にあなたをマッサージさせないの?)
モニカ: Well, it's... I mean I'd just-I'd be self-conscious. You're my friend. I'd be naked. (うーんと、それは…ほら、(そういう状況では)人前であることを気にしてしまうから。あなたは私の友達でしょ。私は(その時)裸なのよ。)
フィービー: Monica! We lived together for years! I've seen you naked! (モニカ! 私たちは何年も一緒に住んでたのよ! あなたが裸なのを見たことあるわ!)
モニカ: That's different. We were roommates! And when?! (それとは別よ。私たちはルームメイトだったんだから! で、(私の裸を見たって)いつよ?!)
フィービー: I'm curious about the human body. (私は人体に興味があるのよ。)

いつもは(なぜか)チャンドラーに厳しい(笑)フィービーですが、マッサージ師である友人の自分を差し置いて、別の女性にマッサージさせていたモニカへの怒りが最高潮なため、これみよがしに、チャンドラーに愛想よく挨拶しています。
その後、モニカをにらみながら、You! と強い口調で言っていますが、その憎々しい感じを出そうとすると、「あなた!」よりも「あんた!」の方がふさわしい感じですね。

怒っているフィービーに、チャンドラーは、if it helps と言って、モニカのマッサージをしていたアレキザンドラの情報を伝えています。
自動詞の help は「役立つ、助けになる、足しになる」なので、if it helps は、「これから俺の言うことが何かの役に立つのなら、何かの助けになるのなら、だけど」と前置きした感覚になります。
怒っているフィービーに対する言葉であることを考慮すると、「これで君の気が少しでも晴れれば、少しでもその怒りが収まれば」みたいな感じになるでしょう。
そんな前置きをした上で言った、アレクザンドラ情報は、「彼女はモニカを、3年間ぐらい、マッサージしてきただけ」。
チャンドラーは、only を使って「たった3年間」みたいに言っていますが、聞いたフィービーは、「つい最近からかと思ったら、3年もですって?」と思ったことは間違いなく、火に油を注ぐ形になってしまっています。
フィービーはあきれた顔をして、モニカは「何、余計なこと言ってくれちゃってるのよ!」のように夫チャンドラーをにらんでいます。
明らかに二人を敵に回したチャンドラーは、「”もしも”だよ。俺は”もしも助けになるなら”って言ったぞ」と言っているのも面白いですね。
「もしも、なんだから、助けになる場合もあれば、全く助けにならない場合だってあるさ」みたいな言い訳っぽいセリフになります。

フィービーは、Why won't you...? を使って、モニカに質問しています。
Why don't you...? という現在形の場合は、「〜したらどうですか?」という提案を表しますね。
今回の won't の場合は、相手の「意志」を尋ねているニュアンスになるでしょう。
「どうして〜しようとしないの? 〜しようと思わないの?」というところですね。
self-conscious は「自分自身を意識する」ということで、「自意識過剰」という言葉で訳されることもありますが、要は、「人前を気にする、人がいるということを気にする、他人の目・視線を気にする」みたいな感じになります。
自分一人の時には意識しないようなことを「他人がそばにいる」ことで意識してしまう、他人の存在が「自分、自我」を強く意識させる、ということですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
self-conscious : worried and embarrassed about what you look like or what other people think of you
つまり、「自分がどのように見えるか、または他人が自分のことどう思うか、などを心配したり、恥ずかしく思ったりする」。
言葉としては、「自分自身を意識する」ということですが、そこには必ず「他人の目から見てどう思われるか」という意識が働いている、ということですね。

モニカのセリフは、
I'd be self-conscious. You're my friend. I'd be naked.
のように、1) would be 2) are 3) would be
と変化しています。
2) の You're my friend. というのは、「フィービーは私の友達である」という事実を述べている感覚で、その前後の would be は、「もしフィービーが私をマッサージするという状況になったら」という仮定のニュアンスが込められていると考えると良いでしょう。
「きっとその時は、あなたがいることを強く意識しちゃうわ。だってあなたは私の友達だもの。その時、私は裸なのよ」のようなニュアンスですね。
友達であることは、現在未来に関わらず、変わらぬ事実なので、「もしあなたが私をマッサージすることになったら」という仮定の話でも、2) の部分は、are という現在形でオッケー、ということになるでしょう。

「あなたの前で裸になるなんて、恥ずかしくて意識しちゃうわ」と言うモニカに、「私たちは何年も一緒に住んでたのよ! あなたが裸なのを私は見たことあるわ!」とフィービーは言っています。
日本語だと「あなたの裸(所有格+”裸”という名詞)を見る」のように表現するので、nudity 「裸」という名詞が先に頭に浮かんでしまいそうですが、英語では、see you naked 「あなたが”裸である状態”を見る」のような形(see you 補語(形容詞))になることにも注意しましょう。
see someone naked という形は、恋愛コメディとも言えるフレンズには頻出で、ごく初期のエピソード、フレンズ1-3 でも、
モニカ: Uh, no. Loosely translated, "We should do this again," means: "You will never see me naked." (あぁ、違うわ。ざっと訳すと、「もう一度、こういうことしようよ[こんな風にデートしようよ]」は、「君は(これから先)俺の裸を見ることはないよ」って意味よ。)
という形で登場していましたよね。

モニカは、「それは別よ(それはまた別の話よ)。だって私たちはルームメイトだったんだから」と言って、ルームシェアしていて裸を見るのと、マッサージをしてもらうこととは全くの別物だ、と言うのですが、その後、改めて気づいたように、And when?! と尋ねています。
「そりゃあ、ルームメイトだから裸を見ることもあるだろうけど、、」と言いかけて、「でもルームメイトでも、お互いの前を裸でウロウロしていないのに、見たって一体、いつ見たのよ?」と驚いて尋ねているわけです。
フィービーは、「私は人体に興味があるの、好奇心があるの」みたいに言っています。
「ヒューマン」というカタカナでもニュアンスはわかりますが、改めて英英辞典で調べてみると、LAAD では、
human : belonging to or relating to people, especially as opposed to animals or machines
つまり、「人に属する、または人に関係する、特に動物や機械に対立するものとして[とは対照的なものとして]」。
女性としての裸のようなエッチな興味の対象ではなく、人間の体・人体(human body)に興味があるだけよ、と、さも科学的な興味から来たものであるかのように言って、はぐらかしている感じですね。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 14:37| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月04日

バルコニーから通りに返却 フレンズ8-14その1

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は3位、「にほんブログ村」は7位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


シーズン8 第14話
The One With the Secret Closet (見てはならないモニカの秘密)
原題は「秘密のクローゼットの話」


[Scene: Monica and Chandler's, Monica has opened another wedding present as Chandler enters.]
モニカとチャンドラーの家。モニカが別の結婚祝いを開けたところ、そこにチャンドラーが入ってくる。
チャンドラー: Hey, babe. (やぁ、ベイブ(ベイビー)。)
モニカ: Hi, honey. We just got a wedding gift from Bob and Faye Bing. They don't like us, do they? (They gave them a pok-a-dotted punch bowl.) (はーい、ハニー。ちょうど、ボブ&フェイ・ビング夫妻から結婚祝いのプレゼントをもらったところよ。あの人たちは私たちのこと、好きじゃないのね。[彼らは、チャンドラーとモニカにポルカドット(水玉模様)のパンチボウルを贈った])
チャンドラー: Who says you can't get a nice punch bowl for under six bucks? Maybe we can take it back? (6ドル未満で、ナイスなパンチボウルが手に入らないって誰が言った? 多分、俺たち、それを返品できるよね?)
モニカ: No, it doesn't say where it came from. Where would we return it? (いいえ、どこの店からかが、書いてないもの。それをどこに返品しようって言うの?)
チャンドラー: How about to the street, say, from the balcony? (通りに返すのはどう? ほら、そのバルコニーから。)
モニカ: Why don't we just find a place for it? (そのための[それをしまうための]場所を、ただ探しましょうよ?)
チャンドラー: Okay. How about in that cabinet? (オッケー。そのキャビネットの中はどう?)
モニカ: No! That's where we keep the canned goods! Have you completely forgotten everything you learned at orientation? (だめよ! そこは缶詰を置いておくところよ! オリエンテーションで習ったこと全てを、あなたは完璧に忘れちゃったの?)

モニカは、Bob and Faye Bing から、結婚祝いの贈り物をもらったわ、と言っています。
Bing という名字から、チャンドラー側の親戚(おじさんなど)であることがわかりますね。
They don't like us, do they? 「あの夫妻は、私たちのことが好きじゃないのね?」のように言っていることから、「こんな趣味の悪いものくれるなんて、私たちを嫌ってる?」のように、今、手にしているその贈り物が全く嬉しくない、ありがたくないと言っていることになります。

カラフルな水玉模様のガラス製パンチボウルのセットですが、ト書きには、a pok-a-dotted punch bowl とありますね。
辞書などには、pok-a-dotted という言葉は載っていないのですが、Google で検索してみると、よく似た言葉として、Polka dot という言葉が見つかりました。
検索結果の画像も、このボウルのデザインと似た感じの水玉なので、Polka dot のことを、pok-a-dot(ted) と表記しているようです。
Wikipedia 英語版: Polka dot

polka dot の方は、ロングマンにも載っていて、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
polka dot [noun, coutable] one of a number of round spots that form a pattern, especially on cloth
例) a green shirt with blue polka dots
polka-dot, polka-dotted [adjective]
例) a polka-dot dress

つまり、「特に(服の)生地で、模様を作る、たくさんの丸い点の1つ」。
例は、「青色の水玉模様の緑のシャツ」。
形容詞は、polka-dot または polka-dotted で、例は、「水玉模様のドレス」。

モニカが水玉のパンチボウルに文句を言っているのを聞いたチャンドラーは、Who says...? というセリフを言っています。
直訳すると、「6ドル未満で、ナイスなパンチボウルが手に入らない、と誰が言うんだ?」というところ。
「人が〜できないだなんて、誰がそんなこと言うんだよ」というニュアンスなので、「ほら、こんな風に〜できるじゃないか」と言っていることになります。
つまり、「6ドル未満の値段で、結構いい感じのボウルが買えちゃうもんだよな」と言っているわけですが、これは、チャンドラーっぽい皮肉ですね。
最後に、「6ドル未満(の値段)で」というフレーズが来ているので、「ナイスなボウルも買えるんじゃん、ほら、6ドル未満で」のようなオチになり、「このボウル、絶対6ドルもしないよな」と、趣味の悪い安物であることを、チャンドラーも言っていることになるでしょう。
日本語で同じようなオチにしようとすると、セリフの最後に「ほら、6ドル未満で」と「わざとらしく付け足した」感じが出てしまうのですが、英語の場合は、チャンドラーのセリフの語順で普通なので、自然なオチになるわけですね。
ちなみに、under は、厳密に言うと、「以下」ではなく「未満」になります。
「6ドルより下」であって、「6ドルは含まれない」ということです。

「多分、俺たち、それを返品できるよね?」と言ったチャンドラーに、モニカは、it doesn't say where it came from. と言っています。
it は the punch bowl のことで、このように主語が人ではなく物の場合、say は「〜と書いてある」という意味になりますね。
それがどこから来たかが書いてない、つまり、どのお店で買われたものか表示されていない、と言っていることになります。
これまでのフレンズにも何度か登場しましたが、贈り物などには「ギフト・レシート」というものが入っていて、もらった方の人間が、そのレシートと商品を持ってお店に行くと、同じ金額のものと交換できたりする、というシステムがあります。
(レイチェルは、もらったプレゼントをしょっちゅう交換するので有名ですね^^)
今回の場合は(そういうレシートが入っていないので)どこのお店で買ったものかがわからない、と言っていることになります。
買ったお店もわからないのに、どこに返品するって言うの?とモニカが尋ねると、チャンドラーは、How about to the street... と返します。
to というのは、return it to the street ということですね。
return 「返す、返却する」は、自動詞と他動詞の両方で使えますが、他動詞の場合は、return 物 to 人(元の持ち主)/場所(元々あった場所)という形を取ります。
ですから、「the street に返却する」という場所の話であれば、to が必要になってくるわけですね。
Where would we return it? というモニカの質問の方は、疑問副詞である where に、to などの意味「どこへ、どこに」が含まれているので、to は不要ということになります。

返品する場所として、「通り(the street)」を提案したチャンドラーですが、その後、付け足しのように、「ほら、そのバルコニーから」と言ったことで、「バルコニーから下の通りに、そのガラスボウルを落とす、ってのはどう?」と言っていることがわかる仕組みですね。
そんなもの、壊して捨てちゃおうよ、というところですが、それを「通りに返却する、バルコニーから」と表現しているのが、チャンドラーらしいジョークになっていると思います。

モニカは、チャンドラーのジョークを軽く受け流し(笑)、しまう(収納する)場所を探しましょ、と提案します。
チャンドラーは、「そのキャビネットはどう?」と、また How about...? を使って言っていますが、「〜はどう?」と提案する時の表現として、How about...? が便利であることが、よくわかると思います。
キャビネットを提案したチャンドラーに、モニカは強い口調で返しています。
That's where SV は、「そこは、S が V する場所である」ということ。
canned good は「缶詰(にされた製品)」ということで、そこは缶詰をキープする場所、缶詰置き場よ、と言っていることになります。
その後の、Have you completely... というセリフは、なんだか大仰(おおぎょう)しい言い回しですが、直訳すると、「あなたは完全に忘れてしまったの? オリエンテーションであなたが学んだすべてを」と言っている感覚になります。
オリエンテーションはもう日本語になっているので、ニュアンスはわかりますね。
せっかくなので、英英辞典で語義を確認しておくと、
LAAD では、
orientation : [uncountable] a short period of training and preparation for a new job or activity
つまり、「新しい仕事や活動に対しての、短期間のトレーニングや準備」。

このセリフのシーンでは、orientation と言った部分で、大きな笑い声が起こっています。
Have you completely forgotten what I said? 「私が言ったことを、すっかり忘れたの?」程度でも良いところを、「あなたがオリエンテーションで習ったすべてを」と表現したのが面白いですね。
同居にあたり、もしくは正式に結婚するにあたって、いろんなものの保管場所をモニカが懇切丁寧にチャンドラーにレクチャーしたであろうことが想像できるため、orientation という言葉に妙に納得しまうのが楽しいところです。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 15:00| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月02日

ベーブ・ルースとベイビー・ルース フレンズ8-13その6

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は3位、「にほんブログ村」は7位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


生まれてくる赤ちゃんの名前を何にするかで、ロスとレイチェルは議論するのですが、お互いが挙げた候補を却下することばかりが続いています。
また、ロスは、レイチェルがファイルを覗き見た時に、赤ちゃんの性別を見たはずだ、という自論も曲げません。
ロスが挙げたルースという女性名をいったんは却下したレイチェルが、またそれを候補に戻したりしたことで、ロスは、「レイチェルは男の子だと知ってるから、”女の子ならルースでもいい”と受け入れた? ルースという女性名の案を受け入れることで、男の子なら自分が付ける、と言うつもり? それとも…?」といろいろ勘ぐり始め、あげく、"Well, I'm not falling for that! Okay? Ruth is off the table!" 「レイチェルの策略には引っかからないぞ!じゃあ、ルースは候補から外す」と言い出す始末。
そのやりとりからしばらく経った後のシーン。
[Scene: Central Perk, Rachel is on the couch as Ross enters.]
セントラル・パーク。レイチェルはカウチにいて、そこにロスが入ってくる。
ロス: So, I uh.... I called the doctor. And now we both know the sex of the baby. (それで、僕は…僕はドクターに電話したんだ。だから今、僕らは二人とも、赤ちゃんの性別を知ってる。)
レイチェル: What? (何ですって?)
ロス: That's right. The student has become the master. (そうだよ。生徒は先生(師匠)になったんだ。)
レイチェル: Ross, I swear. I don't know. (ロス、誓うわ。私は知らないのよ。)
ロス: Oh, come on, you know it's a girl! (あぁ、もう、やめてくれよ。君は赤ちゃんが女の子(ア・ガール)だって知ってるだろ!)
レイチェル: A what?! (ア・何、ですって?)
ロス: You really didn't know? (君はほんとに知らなかったの?)
レイチェル: We're having a girl? (私たちには女の子が生まれるの?)
ロス: No. (いいや。)
レイチェル: That's what you just said! (あなたはたった今、そう言ったじゃない!)
ロス: No. (いいや。)
レイチェル: You said girl! (女の子って言ったわ!)
ロス: Yes. I'm... I'm sorry. I'm so sorry. (うん(言った)。ごめん。ほんとにごめん。)
レイチェル: I'm not! We're having a girl! Sometimes I can't believe it's with you, but still! We're having a girl! (私は残念には思わないわ。私たちには女の子が生まれる! 時々信じられないんだけどね、あなたとだってこと[あなたとの子供だってこと]が。でも、それでも! 私たちには女の子が生まれるのよ!)
ロス: I know! I know. You know what? I'm putting Ruth back on the table! (そうだよ! そうだよ。ねぇ? 僕はルース(という女の子の名前)を候補に戻すよ!)
レイチェル: Oh, yes! We'll have ourselves a little baby Ruth.... (ええ、そうね! 私たちには、ちっちゃなベイビー・ルースちゃんが生まれるのね…)
ロス: Permission to veto. (却下[拒否]の許可を。)
レイチェル: Yes, please. (ええ、お願い。)

セントラル・パークに入ってきたロスは、「僕はドクターに電話した。だから今は(君と僕の)二人ともが、赤ちゃんの性別を知ってるんだ」と言っています。
レイチェルは「私は赤ちゃんの性別は知らない」と何度も主張してきたのですが、このロスのセリフから、ロスはレイチェルが性別を知っていると信じ込んでいることがわかります。

驚いて、What? と言ったレイチェルに、ロスは「そうだよ。the student は the master になったところだ(たった今、なった)」のように言っています。
master には「ご主人様」とか、いろいろな意味がありますが、今回は、student 「生徒、学生」と対比する形で使われていることから、「先生、師匠」のような意味で使われていると考えれば良いでしょう。
「修士(号)」のことも master と言うので、「学生(大学生)」と「修士」という対比だと考えることもできそうですが、今回のマスターはやはり、ジェダイ・マスター(Jedi Master)のマスターのようなイメージだろうと思います。
僕が性別を知ったことで、教えてもらう側の「学生」ではなく、自分がそれを教えることができる「先生、師匠」になったんだ、みたいな感じでしょう。

「僕はもう君に聞かなくてもいい立場になったんだよ」みたいに言うロスに、レイチェルは「私はほんとに知らないのよ」と言うのですが、ロスは、「もう、しらばっくれるのはやめてくれよ。君は赤ちゃんが a girl だって知ってるだろ!」と返します。
その後のレイチェルの、A what?! について。
音だけ聞くと、「あ、何?」「え、何?」みたいに聞こえなくもないですが、DVD英語字幕でも、A what? と表記されていたように、a は「不定冠詞の a」になります。
これは、ロスが、you know it's a girl! と言ったことに対して、「ロス、あなた、今、”a 何”って言った?」のように、a の後に続く girl という「単語」を驚いた様子で聞き返している感覚になります。
ロスはレイチェルが性別を知っていると思って、さらっと a girl と言った、、
でも、性別を本当に知らなかったレイチェルにとっては、その girl というたった1つの単語がものすごい情報をもたらす言葉だったわけですよね。
ですから、A what?! を大げさに訳すと、「ア、の後の言葉は何? ア、の後に、あなた、何て言った?」ぐらいのニュアンスが込められている感覚になります。

そのレイチェルの反応から、ロスもようやく「レイチェルはほんとに性別を知らなかった」ということに気づくことになるわけです。
We're having a girl を直訳すると、「私たちは、女の子を持つことになる」ということで、この場合は、「私たち二人の間に、女の子ができる、女の子が生まれる」と言っている感覚。
妊娠しているのがわかった時に、We're having a baby! 「赤ちゃんができたの! 赤ちゃんが生まれるの!」と言うのは、ある意味、決まり文句ですが、その性別がわかった場合には「女の子(or 男の子)が生まれるの!」と表現する、ということですね。
失言したことに気づき、「言ってない」と頑張っていたロスですが、レイチェルに何度も「女の子って言ったでしょ」と追及され、ついには、Yes (I said). と認め、I'm so sorry. と謝っています。
それに対する、I'm not! は、I'm not sorry! ということですね。
ロスのセリフは「ごめん」という謝罪の言葉ですが、レイチェルの I'm not sorry! は「私は残念には思わない、遺憾に思わない」と言っているニュアンスになります。

その次のレイチェルのセリフ、Sometimes I can't believe it's with you, but still! We're having a girl! も面白いですね。
直訳すると、「時々、あなたと、ということが信じられないけど、それでも! 私たちには女の子が生まれるのね!」ということ。
「あなたとの間に子供が生まれるってことが時々信じられないって思うけど、それでも、女の子が生まれるってことは(全然、残念じゃなくて)すごく嬉しい」と言っていることになるでしょう。
子供のパパがあなただってことが信じられないけど、「それでも、それはそれとして、それにもかかわらず」、女の子が生まれることは嬉しいわ!と言っているのが、but still! のニュアンスなのですね。

二人とも性別が女の子だとわかったことで、ロスは「前に候補から外すと言った、ルースをまた候補に戻すよ」と言っています。
put ... back on the table は「〜をテーブルの上に戻す」ということですから、その日本語からも「候補に戻す」という意味であることは想像できますね。
これで二人とも納得して、その女の子の名前はルースに決定ね!、、、となりそうな流れだったのですが、次のレイチェルのセリフ、We'll have ourselves a little baby Ruth.... が、baby Ruth と言った後、何だか尻すぼみになっています。
盛り上がりかけたところが、自分自身の発言で何かに気づいて、テンションが下がってしまった、、という感じです。
Permission to veto. の permission は「許可、許し」、permission to do で「〜する許可」。
veto は名詞で「拒否権」、動詞で「(提案などを)拒否する」。
ですから、Permission to veto. は、「ルースという名前を拒否する許可を(くれ)」と言っていることになり、レイチェルも、「ええ、お願い」みたいに言っていることから、二人とも「ルースという名前は拒否、却下」することで、最後に意見が一致したことがわかります。

Ruth では問題なかったのに、それを「赤ちゃんルース(baby Ruth)」と表現した途端、却下になったことから、baby Ruth というネーミングが何かを連想させたことが想像できますね。
この部分、DVD日本語字幕では「私たちの ベイブ・ルースちゃんね」となっていましたし、私自身もこのセリフを初めて聞いた時は、野球選手のベーブ・ルースを連想させる名前になってしまうから却下した、と思っていたのですが、、、。

baby = babe であることは日本人でも知っていることですし、baby Ruth から、babe Ruth を想像するのは簡単なことなのですが、本当に野球選手の「ベーブ・ルース」ネタであるならば、ここはダイレクトに、a little 'babe' Ruth と表現しても良かったんじゃない?ということが、チラっと私の頭をかすめ、試しに Google 検索で、baby Ruth と検索してみたら、面白いことがわかりました。
Nestlé (ネスレ)の商品に、Baby Ruth 「ベイビー・ルース」というチョコバーがあるんですね。
Baby Ruth | Nestlé 公式サイト
Wikipedia 英語版: Baby Ruth

baby ruth で検索すると、とにかくヒットするのは、そのネスレのチョコバーの方で、ただ「こちらを検索する」として、野球選手の「ベーブ・ルース」のリンクも表示はされます。
その検索結果から、レイチェルが言った、baby Ruth というのは「チョコバー」のことで、ただ、野球選手の「ベーブ・ルース」も無関係とは言えない、ということがわかる気がするのですね。

まずは、野球選手のほうから。
Wikipedia 日本語版: ベーブ・ルース
「ベーブ・ルース」(Babe Ruth)というのは通称・愛称で、彼の本名は「ジョージ・ハーマン・ルース・ジュニア(George Herman Ruth, Jr.)」。
「ベーブ」という名前の由来については、日本語版ウィキペディアに以下の説明があります。

外部から隔離された全寮制の矯正学校での生活が長かったためか、世間知らずで子供じみた所のあったルースは、早速チームメイト達から「ジャック(・ダン)の新しいベーブ(赤ちゃん)」と揶揄されるようになる。この時の「ベーブ」というあだ名は、生涯残る事になり、以後「ベーブ・ルース」として周りから呼ばれるようになった。

そして、ネスレのチョコバーのほうについて。
Wikipedia 英語版: Baby Ruth | Etymology で、以下のように語源の説明がされています。

Although the name of the candy bar sounds like the name of the famous baseball player Babe Ruth, the Curtiss Candy Company traditionally claimed that it was named after President Grover Cleveland's daughter, Ruth Cleveland.

つまり、「そのキャンディバー(チョコバー)の名前は有名な野球選手ベーブ・ルースの名前に音が似ているが、カーティス・キャンディ・カンパニー(最初にこのバーを作った会社)は、グローバー・クリーブランドの娘ルース・クリーブランドにちなんで、その名前がつけられた、と慣例的に主張していた」。

その後も詳しい説明が書いてあるのですが、簡単にまとめますと、
「元々はクリーブランド大統領の娘ルースにちなんでネーミングされた。その後、野球選手のベーブ・ルースの活躍に伴い、ベイビー・ルースというチョコバーの認知度がさらに高まった。今では、大リーグのオフィシャル・キャンディバー(チョコバー)としても使われている」
ということのようです。
つまり、チョコバーの名前を付ける時は、野球選手のベーブ・ルースは無関係だったが、名前が似ていることから、彼を連想させるお菓子名だと認識されてきた、みたいなことですね。

ですから、今回のレイチェルのセリフは、「私のちっちゃなベイビー・ルースちゃん」と言ったら、ネスレのあのチョコバーの名前と一緒になっちゃう、、と気づいて絶句したことになるでしょうし、そのチョコバーは野球選手のベーブ・ルースへの連想にも繋がるので、女の子の赤ちゃんが、(いくら人気選手だったとはいえ)男性野球選手をも思い出させる名前になってしまうことは避けたい、、と思ったことにもなるでしょう。

私は、このエピソードをDVDで初めて見たのが2005年で(ブログを始める少し前でした)、その時からずーっと、「野球選手と一緒の名前になるから却下!」ということだと思っていたのですが、実は、Baby Ruth という有名なチョコバーがあることを今さらながら知って、何だか嬉しい気持ちです。
英語版ウィキペディアによると、大リーグの試合では、このチョコバーを使ったキャンペーンがいろいろ行われていたようで、大リーグに詳しい人はこのお菓子の存在をよくご存知だったのかもしれませんね。
ブログの記事として、セリフを取り上げなかったら、私はずっと気づかないままだったかもしれません。
また、こうして調べたことを、皆さんとシェアできることも、とても幸せだと思いました(^^)


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 16:02| Comment(2) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする