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チャンドラーとモニカの家にジョーイが入ってきます。
ジョーイ: (entering) Hey! ([入ってきて] よぉ!)
レイチェル: Hi. (はーい。)
モニカ: Uh, I really don't know what to tell you, Rach, I really don't. I mean, maybe Joey could help you out with your, with your big work problem. (あぁ、ほんとに、あなたに何て言ったらいいかわからないわ、レイチェル。ほら、多分、ジョーイがあなたを助けてくれるかも、あなたの仕事の大問題のことでね。)
レイチェル: What? (何?)
モニカ: Yeah, Joey, she's... Rachel's got this really big work problem, and it is a head-scratcher. Wow! (To Chandler) Y'know what, if we're gonna make dinner, we're gonna have to leave. Yeah. (She and Chandler exit.) (そうなのよ、ジョーイ、彼女は…レイチェルは本当に大きな仕事の問題を抱えてるの。頭を悩ますものよ。ワォ! [チャンドラーに] ねぇ、私たちが夕食を作るなら、私たちは行かないと。そうよね。[モニカとチャンドラーは部屋を出る])
ジョーイ: So you uh, have a... big work problem? (それじゃあ、レイチェルは…仕事の大問題を抱えてるの?)
レイチェル: Yeah. It's umm... Yeah, it's uh... It-it's y'know-It's nothing. (えぇ。それは…そうなの、それは…大したことじゃないわ。)
ジョーイ: Huh. Okay. (Awkward silence.) So uh, I think I'm gonna take off. (そうか。わかった。[気まずい沈黙] それじゃあ、俺は行くことにするね。)
レイチェル: Yeah-No, wait! Joey, no, wait, it is. It's something. It's-it's umm... it's my boss. (そうね、いえ、待って! ジョーイ、違うの、待って。重要なことなの。それは… 私の上司(ボス)なの[私の上司のことなの]。)
ジョーイ: Yeah? (そうなの?)
レイチェル: Yeah, and umm my baby. (そうよ、そして私の赤ちゃんのこと。)
ジョーイ: Yeah? (そうなの?)
レイチェル: My boss wants to buy my baby! (私の上司が私の赤ちゃんを買いたがってるの!)
ジョーイ: What?! Oh my-oh my God! (何? なんて、なんてこった!)
レイチェル: I know, I told you, it's a really big problem! (そうなのよ、言ったでしょ、本当に大問題だ、って!)
ジョーイ: What, he wants to buy your baby?! (何? 君の上司は君の赤ちゃんを買いたい、って?)
レイチェル: Can you believe that?! (信じられる?)
ジョーイ: That's crazy! (そんなのクレイジーだよ!)
レイチェル: That's what I told him! (私も上司にそう言ったのよ!)
ジョーイ: Okay, how did this even happen? (わかった、で、どうして[どんな風にして]こんなことが起こったの?)
レイチェル: Well, I'll tell ya! (Pause) See, uh my-my boss and his wife-They-they can't have children. So umm, and that-we were at the Christmas party, and he got drunk and he said to me, "Rachel, I want to buy your baby." (そうね、今から言うわね! [間があって] ほら、私の上司とその奥さんは…二人には子供ができないの。それで、私たちはクリスマスパーティーにいて、上司が酔っぱらって、彼は私に言ったのよ。「レイチェル、君の赤ちゃんを買いたい」って。)
ジョーイ: Man! When you said it was a problem about your boss and the baby I figured it was something about maternity leave. (なんてこった! レイチェルが、君の上司と君の赤ちゃんのことで問題があるって言った時、俺は産休の話かと思ったのに。)
レイチェル: Ohh! Yeah! (Pause) Yeah, that-that would've been a much simpler problem. (ああ! そうねぇ〜! [(かなり長い)間(ま)があって] そうね、それならもっとずっとシンプルな問題だっただろうにね。)
ジョーイが入って来たのを見たモニカは、少し前に自分がレイチェルに言ったアドバイス「ジョーイに仕事の件で相談したら?」を実行しています。
ジョーイが入ってくる前に、レイチェルが仕事の問題をモニカに相談していたかのようなふりをして、「何て言ったらいいか私にはわからないわ」と言った後、今気づいたかのように、「そうだ、今来たジョーイなら助けてくれるかも」みたいに話を進めています。
help you out with... は、「…の件であなたを助ける」という感覚。
ちょっとわざとらしい感じながらも、your big work problem 「あなたの大きな、仕事の問題」のように表現することで、その話題を続けてジョーイとの会話を始めさせようとしているわけです。
ですが、レイチェルは、モニカがさっきくれたアドバイスをすっかり忘れているようで、間の抜けた声(笑)で、What? と返していますね。
せっかく話を振ったのに、それに合わせてくれないことにいらいらした感じで、モニカは「レイチェルは仕事での大問題を抱えてるのよ」のように言った後、it is a head-scratcher. と言っています。
まず、scratch という動詞は、スクラッチというカタカナ英語にもなっていますが、「かく、ひっかく」ということですね。
そして、scratch one's head だと「頭をかく」になりますが、これは「困って頭をかく、途方に暮れる」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
scratch your head : (informal) to not know the answer or solution to something, and to have to think hard about it
例1) The last question really left us scratching our heads.
例2) Budget directors are scratching their heads about how to deal with the shortfall.
つまり、「何かに対する解答や解決策がわからないこと、そして、それについてよく考えないといけないこと」。
例文1は、「最後の質問は本当に私たちを途方に暮れさせた」。
例文2は、「予算管理者(予算担当役員)たちは、不足額をどう扱うかで途方に暮れている(困っている・悩んでいる)」。
scratch your head が「困って頭をかく」ということですから、head scratcher は「頭をかくという状態にさせるもの」ということで、「頭を悩ませるもの」という意味になるでしょう。
実際、英辞郎には、
head scratcher=難問、難題
と出ていました。
英英辞典では、Merriam-Webster Dictionary: head-scratcher で以下のように説明されています。
head-scratcher [noun] : something hard to understand or explain
例) why he chose to sink all of his money into a failing business is a real head-scratcher
つまり、「理解したり説明したりするのが難しい何か」。
例文は、「彼がなぜ、自分の金の全て(全財産)を、業績が悪化しているビジネスにつぎ込む[投資する]ことを選んだのかは、本当に難問だ(説明も理解もできない)」。
モニカはとりあえず、「レイチェルがジョーイに相談しなければいけないような仕事上の大問題がある」ということだけを、大袈裟に言ってみせているわけですね。
具体的な内容は、レイチェルが考えるとして、その会話を始めるきっかけだけをモニカが与えた感じになります。
その後、モニカは「夕食を作るのに、ここを出なくちゃ」みたいに言って、チャンドラーと共に部屋を出て行きます。
ここはチャンドラーとモニカの家なので、夕食を作るならなおさら、自宅のキッチンにいないといけないわけですが、何か理由をつけて、ジョーイとレイチェルの二人きりにしてあげないといけないために、トンチンカンな理由を言って部屋を出て行った感じですね。
「仕事で大問題を抱えてるの?」と、ジョーイは予定通りの反応をしてくれていますが、レイチェルは何を相談したらいいか決めていなかったらしく、「たいしたことないの」と言っています。
それを聞いたジョーイが、「大問題じゃないなら、俺は行くね」みたいに出て行こうとするので、レイチェルは nothing ではなく、something 「大したこと、重要なこと」だと言って、とりあえず、it's my boss. 「(その問題っていうのは)ボスなの。ボスのことなの」と言っています。
その後、and my baby 「そして、私の赤ちゃん(のこと)」と言ってから、「私の上司(ボス)が私の赤ちゃんを買いたがってるの、買いたいって言ってるの!」と言っています。
非現実的で突拍子もない話ですが、どんな問題を相談するか考えておらず、またジョーイと話すチャンスをつかめずに終わってしまいそうと焦ったレイチェルの様子がよく出ていますね。
思いがけない話に、ジョーイも oh, my God! と言い、口から出まかせに適当なことを言ってしまったレイチェルも、「そうでしょ! 私はあなたに言ったでしょ、本当に大きな問題だって!」と言っています。
how did this even happen? は、「この件・このことは一体どんな風にして起こったの?」というところ。
why で理由を問うのではなく、how 「どのようにしてそれは起こったか?」という顛末(てんまつ)を聞いていることになるので、聞かれたレイチェルは、because 「なぜなら〜だから」というような「理由」を答えるのではなく、そういうことになった事情を順序立てて説明することになるのですね。
I'll tell ya! は、「これから言うわね」的なニュアンスで、普通は何か言いたいことがある場合の前振りの言葉として使うものなので、I'll tell ya の後には、すぐに言いたい内容が続くのが自然です。
ですが、今回の場合は、レイチェルが「とにかく何かジョーイに相談できるような問題を考えなきゃ」ととっさに口から出た話だったので、「どうしてこんなことになったわけ?」と聞かれても、その事情まで詳しく練っていなかったので、言葉に詰まっていることになります。
しばらく沈黙した後、レイチェルなりに何とか話を考えて、「上司夫妻には子供ができなくて、パーティーで酔っぱらった上司に、”君の赤ちゃんを買いたい”って言われたの」と説明しています。
その後のジョーイのセリフ、When you said it was a problem about your boss and the baby I figured it was something about maternity leave. について。
まず、maternity leave は「産休、出産休暇」のことですね。
このジョーイのセリフを直訳すると、「君の上司と(君の)赤ちゃんについての問題だと君が言った時、産休に関する何かだと思ったのに」みたいになります。
I figured 「俺は…だと思った」という「過去形」は、聞いた瞬間はそうだと思ったんだけど、実際には違ってたんだね、本当はそんな問題だったんだね、というニュアンスになります。
それを聞いたレイチェルは、あぁ、そうねぇ〜みたいに言葉を伸ばした感じで、自分でも何度か軽くうなずいています。
そしてかなり長い間沈黙した後、that would've been a much simpler problem. と言っていますね。
would have been は「(もしそうなら)…だっただろう」という感覚。
ジョーイが「産休の話かと思ってた」と言ったのを受けて、「もし今回の問題が、赤ちゃんを買いたい、ではなく、産休の話だったなら、問題はもっとずっとシンプルだっただろうに」ということになります。
つまりレイチェルは、仕事上の大問題を何か思いつこうとする時に、「上司と赤ちゃん」にまつわる問題として「上司が私の赤ちゃんを買いたがってる」という問題をでっち上げたわけですが、「上司と赤ちゃん」の問題であれば、産休の話をすればそっちの方がもっと普通でずっとシンプルだったのに、、ということに、ジョーイの発言で気づいたということですね。
「あぁ、そうか、そう言えば良かったんだ、そうよね、うんうん」みたいに、かすかにうなずいているレイチェルも面白いですね。
ジョーイは普段は「人より何かに気付くのが遅い」という描写が多いキャラですが、そんなジョーイに、「産休の問題かと思ってたら、そんな思いがけない問題だったんだね」と言われてしまった面白さ、今回はジョーイの方がまともなことを言っている面白さ、ということですね。
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2014年07月30日
2014年07月28日
配ってた、金と引き換えに フレンズ8-17その3
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レイチェルはまだ、ジョーイと気まずい状態が続いています。
どうしたらいい?とレイチェルがモニカやチャンドラーに相談するものの、いいアイデアも浮かびません。
そんな会話の後、
モニカ: Honey, why is the Bruce Springsteen CD in the Kat Stevens case? (ハニー、どうしてブルース・スプリングスティーンのCDが、キャット・スティーブンズのケースに入ってるの?)
チャンドラー: Let's just say if I can't find the right CD case I just put it in the nearest one. (とりあえずこう言っておこう。俺はもし正しいCDケースが見つからなかったら、一番近くにあるケースに(ただ)CDを入れるんだ。)
モニカ: Okay, where is the Cat Stevens CD? (わかった、で、キャット・スティーブンズのCDはどこにあるの?)
チャンドラー: In the James Taylor case. (ジェームズ・タイラーのケースの中。)
モニカ: Where is the James Taylor CD? (ジェームズ・タイラーのCDはどこにあるの?)
チャンドラー: Honey, I'm gonna save you some time. 200 CDs, not one of them in the right case. (ハニー、君の時間を節約してあげるよ[無駄な時間を省いてあげるよ]。200枚のCD、その中のどの1つも正しいケースの中にはない。)
モニカ: Okay. No need to panic. Deep breaths, everyone. Okay umm uh, we're just gonna have to spend some time and put the CDs in the right cases. (いいわ。パニクる必要はない。深呼吸して、みんな。よし、私たちは時間をかけて、そのCDを正しいケースに入れないといけないことになるわ。)
チャンドラー: Well, if we're gonna do that, we should come up with some kind of order. Y'know alphabetically or by genre? (うーん、もし俺たちがそうすることになるのなら、ある種の順番を考えるべきだよ。ほら、アルファベット順? それともジャンルで?)
モニカ: Hmm, I don't know. We really have to talk this through. (うーん、わからないわ。このことについては、本当にじっくり話し合わないといけないわね。)
レイチェル: Oh, my God!! You guys have such problems!! I feel so terrible for you! (なんてこと! あなたたちはそんな問題を抱えてるのね! 本当にあなたたちに同情するわ!)
モニカ: Okay, I-I'm sorry. Look, you and Joey, you're both focusing on this uncomfortable thing. What you need to do is change the subject. Next time you see him, try to get him talking about something else. (わかった、ごめんなさい。ねぇ、あなた(レイチェル)とジョーイ、あなたたち二人は、この居心地が悪いことばかり考えてるわ。あなたがすべきことは、話題を変えることよ。次に彼に会う時は、彼が何か別のことを話すように仕向けてみるのよ。)
レイチェル: Oh, yeah. That makes sense. (あぁ、そうね。それは言えてる。)
モニカ: Yeah, like I don't know, maybe you have a work problem that you need his advice on. (そうね、わからないけど、多分、彼のアドバイスが必要になるような仕事の問題があるでしょ。)
レイチェル: Ooh, I could do that. (うー、それならできそうね。)
モニカ: Good. (To Chandler) Uh honey, the Miami Vice soundtrack? Really? (よし。[チャンドラーに] あ、ハニー、マイアミ・バイスのサントラ? ほんとに?)
チャンドラー: They were just giving those away at the store (off Monica's look) in exchange for money. (店でただ、そのCDを配っていたんだよ、[モニカの視線から外れるようにして] 金と引き換えにね。)
モニカは、CDケースと中身のCDが不一致になっていることに気付き、その理由をチャンドラーに尋ねています。
Let's just say 「とりあえず…とだけ言っておこう」と言って、チャンドラーは、「もし俺が正しいCDケース(本来収納すべきケース)を見つけられなかったら、俺はただCDを一番近いケースに入れるんだ」と説明しています。
CDをしまおうと思って、そのケースが見当たらない時は、近くにある適当な別のケースに入れちゃうんだ、ということですね。
その後、このCDはどのケースに? じゃあ、そのケースに入っているはずのCDはどのケースに?と、モニカは矢継ぎ早に質問しています。
こんな質問が延々続きそうに思えたのでしょう、チャンドラーは、I'm gonna save you some time. と言っていますね。
この save は「save+人+時間」の形で、「人に時間を省かせる」という意味になります。
直訳すると、「俺は君に(いくらかの)時間を省かせてあげるよ」ということで、つまりは、「君が(無駄な)時間を費やすのを俺が省いてあげよう」と言っていることになりますね。
そして、200 CDs, not one of them in the right case. 「200枚のCD、そのうちのどれ一つも正しい(本来の)ケースの中にない」と説明しています。
どれ一つとして、正しいケースに入っているものはない、中身とケースはどれも一致していない、ということですね。
それを聞いた後、No need to panic. Deep breaths, everyone. 「パニックになる(パニクる)必要はない。みんな、深呼吸して」と言っているのが、モニカらしいですね。
整理整頓好きで、几帳面なモニカにとっては、よほどショックな事実だったようです。
モニカ以外は誰もパニクっていないのですが(笑)、「みんな、心配いらないわ。まずは深呼吸しましょう」と言っているのは、みんなに対して言っているようで、実は自分自身に対して言い聞かせているニュアンスです。
そして、「(ある程度の)時間をかけて、正しいケースに入れなくちゃ」とも言っています。
入れ替えるなら、some kind of order、つまり「ある種の順番」を考え出す(come up with)べきだとチャンドラーは言っています。
alphabetically は「アルファベット順」、by genre は「ジャンルで、ジャンル別に」ということですね。genre の英語の発音は「ジャーンラ」みたいな感じになります。
「この件について私たち話し合わないと」などと言っているモニカたちを見て、レイチェルは「あなたたちはそんな問題を抱えてるのね! あなたたちに同情するわ」みたいに大袈裟に言っていますが、これは皮肉ですね。
レイチェルはジョーイに告白されて以来、ずっと気まずい状態が続いていて、真剣に悩んでいるというのに、バラバラになったCDとケースをどうやって正しい状態に直すかについての、くだらないw 議論を繰り広げている二人を見て、イライラしたことによる皮肉です。
「私の気も知らないで、そんなささいなことをさも大問題みたいに言って」という感じのレイチェルに、モニカは素直に謝り、アドバイスを言っています。
focus on は「〜に焦点を合わせる」ということで、「〜に(注意・関心・意識を)集中させる」という感覚ですね。
つまり、you're both focusing on this uncomfortable thing. は、「快適でない、居心地が悪い、っていうことばかりに意識を向けすぎよ」と言っていることになります。
二人に必要なのは、話題を変える(change the subject)ことよ、と言って、次に彼に会う時には、彼に何か別のことを話すようにさせなさい、とアドバイスすることになります。
try to get him talking about something else を厳密に直訳すると、「ジョーイが何か別のことについて話している(という)状態にさせるように、頑張りなさい(トライしてみなさい、やってみなさい)」という感覚になるでしょうか。
レイチェルに対して、「あなたが何か違う話題を話しなさいよ」と言っているのではなく、「ジョーイが別の話題を話すような状態になるように仕向けなさい」と言っている「使役」のニュアンスですね。
That makes sense. 「言えてる。なるほどと思える。道理にかなっている」とその意見に賛同したレイチェルに、モニカはその話題についてのヒントを与えてあげています。
you have a work problem that you need his advice on. の that は関係代名詞で、直訳すると、「(その問題に対して)ジョーイのアドバイスが必要なような、(ある)仕事の問題をあなたは持っている(でしょ)」みたいなことになるでしょう。
関係代名詞で補足説明した感じを、和訳にも出そうとすると、「あなたも仕事の問題とか1つぐらいあるでしょ。ジョーイのアドバイスを必要とするような仕事の問題よ」みたいになるかなと思います。
告白された後、気まずくなってしまったので、恋愛とは無関係の仕事の話題を持ち出して、アドバイスが欲しいの、、と相談する感じで話のきっかけをつかんでみたら?ということですね。
レイチェルが、それならできそうね、と納得した後、モニカはチャンドラーに「あなた、マイアミ・バイスのサントラを持ってるの? まじで?」みたいな調子で尋ねています。
その言い方から、「チャンドラーはそんなCDまで持ってるの?」とあきれているのがわかりますね。
そんな風にモニカはあきれた様子ですが、Wikipedia 日本語版: 特捜刑事マイアミ・バイス には、「異例とも言えるテーマソングの大ヒット」の項目で、サントラが大ヒットとなった話が載っています。
Amazon の「ミュージック」カテゴリーで「マイアミ・バイス」を検索してみたところ、サントラが何枚もヒットしましたし、チャンドラーが持っているのも不思議ではない、むしろ、チャンドラーの世代の人間が持っているのは、いかにもそれっぽい、という描写なのかな、とも思います。
過去記事、マイアミ・バイスの真似 フレンズ5-8その4 では、ロスとチャンドラーがマイアミ・バイスの登場人物のような服装をして登場するシーンもありましたね。
モニカとしてはあまり興味がなかったのでしょうね、「こんなの持ってるんだ、、」みたいに言われたチャンドラーは、言い訳のようなセリフを言っているのですが、それがなかなか面白いです。
そのセリフ、They were just giving those away at the store in exchange for money. について。
give away は「(ただで)人に与える、贈る」という感覚。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
give something away (or give away something)
to give something to someone without asking for any money, rather than selling it to them.
例) The store is giving away a toaster to the first 50 customers.
つまり、「何かを誰かに売るというよりもむしろ、お金を求めることなく、誰かに何かを与えること」。
例文は、「その店は、最初の50人の客(先着50人の客)に、トースターを1個(ずつ)配る(無料配布する)予定である」。
ですから、They were just giving those away at the store. だと、「ただ、そのCDを店で(無料で)配ってたんだ」みたいなことになりますね。
they というのは、お店の定員さんを漠然と指す感覚になります。
store. で文章が終わっていたなら、まさにそういう意味になりますが、その後、モニカの視線を外すようにして、in exchange for money と付け加えていますね。
in exchange for... は「…と引き換えに、交換に」。
ですから、「店で配ってたんだよ、お金と引き換えにね」と言っていることになります。
最初の部分だけだと、「モニカは文句があるみたいだけど、これは店で(無料)配布してたもんだったんだよ」ということになり、無駄使いしたわけじゃない、という言い訳になりそうなわけですが、「配ってたんだよね、金と引き換えに」と付け加えたことで、「金と引き換えに配っていた」、つまりは「商品として(普通に)売っていた。それをチャンドラーは買った」ことを認めたことになる、というオチになります。
日本語でそういうオチをつけようとすると、上に書いたように「店で配ってたんだよ、お金と引き換えにね」のように、ちょっとわざとらしい感じで文の最後にオチを持ってくる風になりますが、英語では、in exchange for money のような副詞句は、元々、この位置に配置される言葉なので、「わざとらしく付け加えた」感じにはならず、「最後まで話を聞いたら結局そういうことだった」という自然なオチになるわけですね。
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どうしたらいい?とレイチェルがモニカやチャンドラーに相談するものの、いいアイデアも浮かびません。
そんな会話の後、
モニカ: Honey, why is the Bruce Springsteen CD in the Kat Stevens case? (ハニー、どうしてブルース・スプリングスティーンのCDが、キャット・スティーブンズのケースに入ってるの?)
チャンドラー: Let's just say if I can't find the right CD case I just put it in the nearest one. (とりあえずこう言っておこう。俺はもし正しいCDケースが見つからなかったら、一番近くにあるケースに(ただ)CDを入れるんだ。)
モニカ: Okay, where is the Cat Stevens CD? (わかった、で、キャット・スティーブンズのCDはどこにあるの?)
チャンドラー: In the James Taylor case. (ジェームズ・タイラーのケースの中。)
モニカ: Where is the James Taylor CD? (ジェームズ・タイラーのCDはどこにあるの?)
チャンドラー: Honey, I'm gonna save you some time. 200 CDs, not one of them in the right case. (ハニー、君の時間を節約してあげるよ[無駄な時間を省いてあげるよ]。200枚のCD、その中のどの1つも正しいケースの中にはない。)
モニカ: Okay. No need to panic. Deep breaths, everyone. Okay umm uh, we're just gonna have to spend some time and put the CDs in the right cases. (いいわ。パニクる必要はない。深呼吸して、みんな。よし、私たちは時間をかけて、そのCDを正しいケースに入れないといけないことになるわ。)
チャンドラー: Well, if we're gonna do that, we should come up with some kind of order. Y'know alphabetically or by genre? (うーん、もし俺たちがそうすることになるのなら、ある種の順番を考えるべきだよ。ほら、アルファベット順? それともジャンルで?)
モニカ: Hmm, I don't know. We really have to talk this through. (うーん、わからないわ。このことについては、本当にじっくり話し合わないといけないわね。)
レイチェル: Oh, my God!! You guys have such problems!! I feel so terrible for you! (なんてこと! あなたたちはそんな問題を抱えてるのね! 本当にあなたたちに同情するわ!)
モニカ: Okay, I-I'm sorry. Look, you and Joey, you're both focusing on this uncomfortable thing. What you need to do is change the subject. Next time you see him, try to get him talking about something else. (わかった、ごめんなさい。ねぇ、あなた(レイチェル)とジョーイ、あなたたち二人は、この居心地が悪いことばかり考えてるわ。あなたがすべきことは、話題を変えることよ。次に彼に会う時は、彼が何か別のことを話すように仕向けてみるのよ。)
レイチェル: Oh, yeah. That makes sense. (あぁ、そうね。それは言えてる。)
モニカ: Yeah, like I don't know, maybe you have a work problem that you need his advice on. (そうね、わからないけど、多分、彼のアドバイスが必要になるような仕事の問題があるでしょ。)
レイチェル: Ooh, I could do that. (うー、それならできそうね。)
モニカ: Good. (To Chandler) Uh honey, the Miami Vice soundtrack? Really? (よし。[チャンドラーに] あ、ハニー、マイアミ・バイスのサントラ? ほんとに?)
チャンドラー: They were just giving those away at the store (off Monica's look) in exchange for money. (店でただ、そのCDを配っていたんだよ、[モニカの視線から外れるようにして] 金と引き換えにね。)
モニカは、CDケースと中身のCDが不一致になっていることに気付き、その理由をチャンドラーに尋ねています。
Let's just say 「とりあえず…とだけ言っておこう」と言って、チャンドラーは、「もし俺が正しいCDケース(本来収納すべきケース)を見つけられなかったら、俺はただCDを一番近いケースに入れるんだ」と説明しています。
CDをしまおうと思って、そのケースが見当たらない時は、近くにある適当な別のケースに入れちゃうんだ、ということですね。
その後、このCDはどのケースに? じゃあ、そのケースに入っているはずのCDはどのケースに?と、モニカは矢継ぎ早に質問しています。
こんな質問が延々続きそうに思えたのでしょう、チャンドラーは、I'm gonna save you some time. と言っていますね。
この save は「save+人+時間」の形で、「人に時間を省かせる」という意味になります。
直訳すると、「俺は君に(いくらかの)時間を省かせてあげるよ」ということで、つまりは、「君が(無駄な)時間を費やすのを俺が省いてあげよう」と言っていることになりますね。
そして、200 CDs, not one of them in the right case. 「200枚のCD、そのうちのどれ一つも正しい(本来の)ケースの中にない」と説明しています。
どれ一つとして、正しいケースに入っているものはない、中身とケースはどれも一致していない、ということですね。
それを聞いた後、No need to panic. Deep breaths, everyone. 「パニックになる(パニクる)必要はない。みんな、深呼吸して」と言っているのが、モニカらしいですね。
整理整頓好きで、几帳面なモニカにとっては、よほどショックな事実だったようです。
モニカ以外は誰もパニクっていないのですが(笑)、「みんな、心配いらないわ。まずは深呼吸しましょう」と言っているのは、みんなに対して言っているようで、実は自分自身に対して言い聞かせているニュアンスです。
そして、「(ある程度の)時間をかけて、正しいケースに入れなくちゃ」とも言っています。
入れ替えるなら、some kind of order、つまり「ある種の順番」を考え出す(come up with)べきだとチャンドラーは言っています。
alphabetically は「アルファベット順」、by genre は「ジャンルで、ジャンル別に」ということですね。genre の英語の発音は「ジャーンラ」みたいな感じになります。
「この件について私たち話し合わないと」などと言っているモニカたちを見て、レイチェルは「あなたたちはそんな問題を抱えてるのね! あなたたちに同情するわ」みたいに大袈裟に言っていますが、これは皮肉ですね。
レイチェルはジョーイに告白されて以来、ずっと気まずい状態が続いていて、真剣に悩んでいるというのに、バラバラになったCDとケースをどうやって正しい状態に直すかについての、くだらないw 議論を繰り広げている二人を見て、イライラしたことによる皮肉です。
「私の気も知らないで、そんなささいなことをさも大問題みたいに言って」という感じのレイチェルに、モニカは素直に謝り、アドバイスを言っています。
focus on は「〜に焦点を合わせる」ということで、「〜に(注意・関心・意識を)集中させる」という感覚ですね。
つまり、you're both focusing on this uncomfortable thing. は、「快適でない、居心地が悪い、っていうことばかりに意識を向けすぎよ」と言っていることになります。
二人に必要なのは、話題を変える(change the subject)ことよ、と言って、次に彼に会う時には、彼に何か別のことを話すようにさせなさい、とアドバイスすることになります。
try to get him talking about something else を厳密に直訳すると、「ジョーイが何か別のことについて話している(という)状態にさせるように、頑張りなさい(トライしてみなさい、やってみなさい)」という感覚になるでしょうか。
レイチェルに対して、「あなたが何か違う話題を話しなさいよ」と言っているのではなく、「ジョーイが別の話題を話すような状態になるように仕向けなさい」と言っている「使役」のニュアンスですね。
That makes sense. 「言えてる。なるほどと思える。道理にかなっている」とその意見に賛同したレイチェルに、モニカはその話題についてのヒントを与えてあげています。
you have a work problem that you need his advice on. の that は関係代名詞で、直訳すると、「(その問題に対して)ジョーイのアドバイスが必要なような、(ある)仕事の問題をあなたは持っている(でしょ)」みたいなことになるでしょう。
関係代名詞で補足説明した感じを、和訳にも出そうとすると、「あなたも仕事の問題とか1つぐらいあるでしょ。ジョーイのアドバイスを必要とするような仕事の問題よ」みたいになるかなと思います。
告白された後、気まずくなってしまったので、恋愛とは無関係の仕事の話題を持ち出して、アドバイスが欲しいの、、と相談する感じで話のきっかけをつかんでみたら?ということですね。
レイチェルが、それならできそうね、と納得した後、モニカはチャンドラーに「あなた、マイアミ・バイスのサントラを持ってるの? まじで?」みたいな調子で尋ねています。
その言い方から、「チャンドラーはそんなCDまで持ってるの?」とあきれているのがわかりますね。
そんな風にモニカはあきれた様子ですが、Wikipedia 日本語版: 特捜刑事マイアミ・バイス には、「異例とも言えるテーマソングの大ヒット」の項目で、サントラが大ヒットとなった話が載っています。
Amazon の「ミュージック」カテゴリーで「マイアミ・バイス」を検索してみたところ、サントラが何枚もヒットしましたし、チャンドラーが持っているのも不思議ではない、むしろ、チャンドラーの世代の人間が持っているのは、いかにもそれっぽい、という描写なのかな、とも思います。
過去記事、マイアミ・バイスの真似 フレンズ5-8その4 では、ロスとチャンドラーがマイアミ・バイスの登場人物のような服装をして登場するシーンもありましたね。
モニカとしてはあまり興味がなかったのでしょうね、「こんなの持ってるんだ、、」みたいに言われたチャンドラーは、言い訳のようなセリフを言っているのですが、それがなかなか面白いです。
そのセリフ、They were just giving those away at the store in exchange for money. について。
give away は「(ただで)人に与える、贈る」という感覚。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
give something away (or give away something)
to give something to someone without asking for any money, rather than selling it to them.
例) The store is giving away a toaster to the first 50 customers.
つまり、「何かを誰かに売るというよりもむしろ、お金を求めることなく、誰かに何かを与えること」。
例文は、「その店は、最初の50人の客(先着50人の客)に、トースターを1個(ずつ)配る(無料配布する)予定である」。
ですから、They were just giving those away at the store. だと、「ただ、そのCDを店で(無料で)配ってたんだ」みたいなことになりますね。
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store. で文章が終わっていたなら、まさにそういう意味になりますが、その後、モニカの視線を外すようにして、in exchange for money と付け加えていますね。
in exchange for... は「…と引き換えに、交換に」。
ですから、「店で配ってたんだよ、お金と引き換えにね」と言っていることになります。
最初の部分だけだと、「モニカは文句があるみたいだけど、これは店で(無料)配布してたもんだったんだよ」ということになり、無駄使いしたわけじゃない、という言い訳になりそうなわけですが、「配ってたんだよね、金と引き換えに」と付け加えたことで、「金と引き換えに配っていた」、つまりは「商品として(普通に)売っていた。それをチャンドラーは買った」ことを認めたことになる、というオチになります。
日本語でそういうオチをつけようとすると、上に書いたように「店で配ってたんだよ、お金と引き換えにね」のように、ちょっとわざとらしい感じで文の最後にオチを持ってくる風になりますが、英語では、in exchange for money のような副詞句は、元々、この位置に配置される言葉なので、「わざとらしく付け加えた」感じにはならず、「最後まで話を聞いたら結局そういうことだった」という自然なオチになるわけですね。
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2014年07月24日
東京セミナーの受付を開始します
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は4位、「にほんブログ村」は9位です。
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(追記)【満員御礼&増席】
おかげさまで、10月12日(日)、13日(月祝)、両日とも満席となりました♪
13日の会議室はあと少しだけ椅子を増やせますので、5席増席します。
(残念ながら、12日の会場は増席できません。申し訳ありません)
どうかよろしくお願いいたします!(^^)
**************************************************************
2014年10月12日(日)と10月13日(月祝)に、初の「東京セミナー」を開催することを、先日お知らせしましたが、本日 7月24日(木)よりお申し込みの受付をさせていただきます。
ご興味のある方は、是非お申し込みくださいませ。
セミナーのお申し込みは、以下のリンク先の「こくちーず」で受け付けています。
こくちーず:私の先生は海外ドラマ 〜生きたセリフで英語4技能を伸ばす〜
私のブログでも、以下にセミナー概要を書かせていただきますね。
******************************************
第102、103回つなぎすとサロン主催
【南谷三世の「私の先生は海外ドラマ」セミナー 〜生きたセリフで英語4技能を伸ばす〜】
■日時:
2014年10月12日(日) 18:30〜20:30
2014年10月13日(月祝) 9:30〜11:30
■会場:「きゅりあん」(品川区立総合区民会館)
※東京都品川区東大井5-18-1 (JR/東急線 大井町駅前)
きゅりあん 公式サイト
■セミナー概要:
「海外ドラマ」のセリフを題材にして学ぶことで、留学にも匹敵するほどの「生きた英語」を大量に浴びることができ、日本でも自宅でも、高い英語力を身につけることが可能になります。
「海外ドラマ」を教材の中心として、「読む、聴く、書く、話す」の4技能を正しく伸ばすための方法を、楽しくわかりやすく解説します。
■受講料:3,000円
■定員:各回先着30名
■備考:セミナー終了後に、講師を交えた懇親会(別途実費)を行います。
セミナーお申し込みの際は、懇親会の参加不参加もあわせてお知らせ下さい。
■主催:つなぎすとサロン 代表 米田りり子
■お問い合わせ:つなぎすとサロン
tsunagist@yahoo.co.jp
■お申し込み方法:こくちーず。下記リンク先の「こくちーず」よりお申込みください。
こくちーず:私の先生は海外ドラマ 〜生きたセリフで英語4技能を伸ばす〜
******************************************
東京セミナーの概要については以上です。
私が初のセミナーを開催させていただいたのは、2013年10月13日でした。
ですから、今日、受付を開始させていただいた、2014年10月12日と13日の東京セミナーは、初セミナーから「ちょうど1年後」になります。
去年の10月の初セミナーが満席となり、キャンセル待ちもいただいたことから、その後、2014年1月19日、4月20日、7月6日と、同内容の追加セミナーを合計3回、関西(神戸)で開催させていただくことができました。
初セミナーから9か月の間に、関西で通算4回のセミナーを開かせていただくことができたこと、そしてちょうど1年後に東京セミナーを連続で2回開催させていただけること、本当にありがたく思っております。
これまでのセミナーにご出席いただいた皆様、いつもブログを読み応援して下さっている皆様のおかげです。ありがとうございます。私は本当に幸せ者です。
セミナーを開催させていただくたびに、新しい方々との素敵な出会いがあります。
直接、皆様にお会いして、私の口から私の言葉でメッセージを伝えることができること、それに対して、質疑応答やその後の懇親会の場で、皆様のご感想やご意見を直接お伺いできること、英語に関するあらゆる話を参加者の皆様と楽しく語り合うことができること、、それは、これまでずっとブログという形で、「”文字で”メッセージを伝える」ということをやってきたブロガーの私にとっては、新鮮で刺激的なことでした。
セミナー参加者の皆様と一緒に過ごさせていただく時間は、とても楽しく、本当に幸せなひとときです。
「海外ドラマで英語を学ぶって楽しい!」と思っていただけるような楽しいセミナーにしたいと思います。
また、たくさんの方にお会いできるのを楽しみにしています。
どうかよろしくお願いいたします!(^^)
↓東京セミナーのチラシです。気分はすっかり秋になっております(^^)
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2014年10月13日(月祝) 9:30〜11:30
■会場:「きゅりあん」(品川区立総合区民会館)
※東京都品川区東大井5-18-1 (JR/東急線 大井町駅前)
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■セミナー概要:
「海外ドラマ」のセリフを題材にして学ぶことで、留学にも匹敵するほどの「生きた英語」を大量に浴びることができ、日本でも自宅でも、高い英語力を身につけることが可能になります。
「海外ドラマ」を教材の中心として、「読む、聴く、書く、話す」の4技能を正しく伸ばすための方法を、楽しくわかりやすく解説します。
■受講料:3,000円
■定員:各回先着30名
■備考:セミナー終了後に、講師を交えた懇親会(別途実費)を行います。
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去年の10月の初セミナーが満席となり、キャンセル待ちもいただいたことから、その後、2014年1月19日、4月20日、7月6日と、同内容の追加セミナーを合計3回、関西(神戸)で開催させていただくことができました。
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昇進か非業の死か フレンズ8-17その2
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[Scene: Central Perk, Phoebe is holding a book as she, Rachel, and Monica drink some tea as Chandler looks on.]
セントラルパーク。フィービーは本を持っていて、フィービー、レイチェル、モニカは紅茶を飲んでいる。それをチャンドラーが見ている。
フィービー: Okay, so when you're done with your tea I'll look at your leaves and tell you your fortune. (よし、それじゃあ、あなたたちが紅茶を飲み終わったら、紅茶の葉を見て、運勢を占ってあげる。)
チャンドラー: I didn't know you read tea leaves. (君が紅茶の葉を読める(茶葉で占いできる)なんて知らなかったよ。)
フィービー: Oh yeah, I've done it for years. I actually stopped because I was so accurate. Y'know, and-and y'know, one of the great joys of life is its-its wondrous unpredictability, y'know? And also, tea tends to give me the trots. (ええ、そうよ、私は何年も、その占いをしてきたの。実はやめてたんだけどね、ものすごく当たるから。ほら、人生の最も素晴らしい喜びの一つは、驚くほどの予測不可能さでしょ。それに、私、紅茶を飲むと下痢になりがちなの。)
モニカ: Okay, I'm done. Read mine. (よし、飲み終わったわ。私のを読んで[占って]。)
フィービー: Okay. (Looks at the leaves.) Ooh, I see a ladder. (Checks the book) Which can mean either a promotion or a violent death. (オッケー。[茶葉を見る] あぁ、はしごが見えるわ。[本をチェックして] それは、昇進か、または非業の死かのどちらかね。)
モニカ: (stunned) I-I'm the head chef. I-I can't get promoted. ([驚いて] 私はヘッドシェフ(料理長、コック長)よ。(これ以上)昇進することはできないわ[昇進はありえないわ]。)
フィービー: Uh-hmm. Uh-hmm, who's next? (ふーん、ふーん。次は誰?)
レイチェル: Okay, I'm done. Do mine. (オッケー、飲み終わった。私のを見て。)
フィービー: Okay. (Reads the leaves) Umm, oh! Okay, I see a circle. (わかった。[茶葉を読む] まぁ! 円が見えるわ。)
レイチェル: Ah. (あぁ。)
フィービー: Oh! (Checking the book) Which can either mean you're having a baby or you're gonna make a scientific discovery! (まぁ! [本をチェックして] それはあなたに子供が生まれるか、または科学的発見をするか、って意味ね。)
レイチェル: Well, I have been spending a lot of time in the lab. (そうねぇ、私はラボで長い時間を過ごしてきたから。)
チャンドラー: What does yours say, Pheebs? (君のは何て出てるの、フィービー。)
フィービー: Umm.... Wow, all right. (Checks the book.) Wow! Yay! Ooh, I'm gonna meet a guy! And really soon! And he's gonna be the man of my dreams. Probably not the guy I had a dream about last night. (Points at Chandler.) (うーんと、まぁ! [本をチェックする] ワオ! イェイ! あぁ、私はある男性に会うの! それもほんとにすぐに! そして、その人は、私の夢の人になるのね。多分、昨日夢に出てきた人じゃないけどね。[チャンドラーを指さす])
コーヒーハウスのセントラルパークで、フィービーは本を手に持ちながら、「紅茶を飲み終えたら、茶葉を見て、運勢を占ってあげる」というようなことを言っています。
この後も、be done (with...) という言葉が何度も出て来ますが、これは「済んで、終了して。〜を済ませて、〜(の用事)を終えて」という意味ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
done : someone who is done has finished doing or using something
例1) Well, I'm done. I'm going home.
be done with something
例2) Do you want to read this magazine? I'm done with it.
つまり、「be done する人というのは、何かをする、または何かを使うのを終えたばかり、ということ」。
例文1は、「よし、終わった。家に帰ろう」。例文2は、「この雑誌、読みたい? 僕は読み終わったから」。
こういう done の使い方は、フレンズ1-1 に既に出てきていました。
ロスのために本棚を組み立てているチャンドラーとジョーイの会話で、
ジョーイ: What's this? (この部品、何?)
チャンドラー: I have no idea. (さっぱりわかんない。)
(JOEY CHECKS ROSS IS NOT LOOKING AND DUMPS IT IN A PLANT POT)
ジョーイはロスが見ていないのを確認して、部品を植木鉢に放り込む。
ジョーイ: Done with the bookcase. (本棚(を組み立てる仕事)、終わり!)
チャンドラー: All finished. (全部完了した。)
このジョーイのセリフは主語が省略されていますが、We're done with the bookcase. ということですね。
この後、フィービーが行う紅茶占いですが、映画「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」でも、紅茶占いの授業のシーンがありました。
トレローニー教授(Professor Trelawney)という先生が、その担当で、
教授: Together we shall cast ourselves into the future. This term, we'll focus on Tasseomancy, the art of reading tea leaves. (皆さん一緒に、自分を未来に投じましょう[向けましょう]。今学期は、占い術(tasseomancy)、紅茶の葉を読むという技術(技)に取り組みます。)
というセリフもありました。
その教授の言葉にある、tasseomancy というのは、ちょっと聞き慣れない単語ですが、tasseography とも呼ばれる、占い法(fortune-telling method)のことで、以下のウィキペディアにも詳しい説明があります。
Wikipedia 英語版: Tasseography
つまり、ハリポタの世界の専門用語ではなく、一般的に通用する言葉、ということですね^^
フィービーはまさに今、the art of reading tea leaves を行なおうとしているということになります。
「フィービーが紅茶の葉を読める[紅茶の葉で占いできる]なんて知らなかった」というチャンドラーに、フィービーは、I've done it for years. と答えています。
ここでもまた、done が出てきましたが、これは、I have done it for years. 「私は今までそれを何年もやってきた」という現在完了形ですね。
I actually stopped because I was so accurate. を直訳すると、「実は私は(その占いをするのを)ストップしてた。なぜなら私はとても正確・的確だったから」。
つまり、占いがあまりにも当たりすぎちゃうので、ちょっとやめてた時期があったのよね、と言っていることになります。
one of the great joys of life is its wondrous unpredictability について。
これも直訳すると、「人生の最も素晴らしい喜びの一つは、その驚くほどの予測不可能さである」。
unpredictability という名詞をそのまま訳すと、何ともいかつい日本語になってしまいますが、要は、「予測できないっていうことが、人生の素晴らしい喜びの一つでしょ」ということですね。
何でもかんでも占いで予測できちゃったらつまんない、何が起こるかわからない、それが人生の喜びであり楽しみってもんじゃないの、みたいなことをフィービーは言いたいわけです。
なるほど、、と思えるようなことを言ったフィービーですが、その後に、ちょっとしたオチがついてくるのもフレンズっぽいところですね。
tea tends to give me the trots の tend to は「〜する傾向がある、〜しがちである」、the trots はここでは「下痢」という意味。
have the trots なら「お腹をこわしている、下痢である」ということ。
元々、trot は「(馬の)速足(はやあし)」という意味なのですが、それに関連して、英辞郎に面白い語源が載っていました。
trot=【名-2】《trots》〈俗〉下痢になること◆小走りでトイレに行く様子から
LAAD にも、
the trots [plural] : (informal, humorous) diarrhea
つまり、「(インフォーマル、ユーモラス) 下痢」と出ていますので、おトイレに駆け込む様子を馬の速足のようだと例えている、ユーモラスな表現だということですね。
「当たり過ぎる占いなんてつまらない。だって人生は予測不可能なところがいいんだから」とポジティブな人生論を語った後に、「それに私、紅茶を飲み過ぎると下痢になりがちなのよね」みたいなおトイレネタになってしまっているところが、ここでのオチとなるわけです。
フィービーは、まずはモニカの紅茶占いをしています。
はしごが見えるわ、と言った後、紅茶占いの本をチェックして、Which can mean either A or B. という文章で、その意味を説明しています。
あとで、レイチェルの占いをする時も、Which can either mean A or B と同じような表現が出てきますが、この which はそれそれ、前文の、I see a ladder/circle. 「はしごが/円が見える」ということを指しています。
「はしごや円が見えるということは、A または B という意味になりうる」という感覚になります。
モニカのを見て、「はしごが見える」と言った後の、フィービーのセリフが面白いですね。
promotion は「(仕事などの)昇進」で、a violent death はいわゆる「非業(ひごう)の死」というニュアンス。
それを聞いたモニカは、ショックを受けた顔で、「私は料理長よ。これ以上昇進できないわ」と言っています。
A か B かと言われたけれど、A の昇進はあり得ない、、となると、残った私の運命は「非業の死」ってことになるじゃない!ということで、モニカはそんな顔をしているわけですね。
「ねぇ、私は死ぬってこと?!」みたいに尋ねているモニカには構わず(笑)、フィービーは、次は誰?と言って、今度はレイチェルの占いをしています。
「円が見えるわ」と言って、「あなたは子供を産むか、科学的発見をするかのどちらかね」と言っています。
今、レイチェルは妊娠中なので、「子供を産む」方が当たりなわけですが、レイチェルはわかりきったことをさも正当な占いの結果であるかのように言われたからでしょう、わざと出産とは違う方の占いについて反応しています。
lab は laboratory 「実験室」の略ですね。今は日本語でも「ラボ」というので、この部分はわかった方も多いでしょうか。
勉強や研究とは無縁ぽい(笑)レイチェルに対して、「科学的発見をする」なんて、まぁあり得ない占いなわけですが、そんな突拍子もないことを言われたことに対して、「私、長い間、ラボで時間を過ごしていたもの」と言ってみせたわけですね。
What does yours say? は、What does your leaves say? ということで、この say は「何と出ている? 何と書いてある? 何を表している?」というニュアンスですね。
人の占いばっかりしてるけど、フィービー本人の茶葉は何て出てるの?という質問になります。
そう言われたフィービーは自分の茶葉をチェックし、「ある男性に会うわ。それもすぐに!」と言っています。
それから、「その男性は私の夢の男性になるのね」みたいに言った後、「(夢の男性とは言っても)多分、昨日の夢に出てきた人ではないけどね」と付け加え、いたずらっぽい顔でチャンドラーを指さしながら、声には出さず口の形だけで "You." と言っています。(ちなみに、このように、「声には出さず口の動きで〜という」場合、英語では、mouth という動詞を使います)
「夢の男性」と言っても、多分、昨日の夢に出てきた人じゃないと思う。その昨日の夢に出てきたっていうのは、チャンドラー、あなただったんだけどね、みたいに言っているわけですね。
その発言で、チャンドラーが、フィービーの昨日の夢に出てきたことがわかるのですが、この話の流れから考えると、どうやらロマンティックな夢の中に登場したわけではないことが想像されます。
フィービーは、にこやかな顔でチャンドラーを指さしているのですが、チャンドラーが、勝手に話題に出されて、勝手にオチに使われたみたいな形になっているところがポイントだと言えそうですね。
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フィービー: Okay, so when you're done with your tea I'll look at your leaves and tell you your fortune. (よし、それじゃあ、あなたたちが紅茶を飲み終わったら、紅茶の葉を見て、運勢を占ってあげる。)
チャンドラー: I didn't know you read tea leaves. (君が紅茶の葉を読める(茶葉で占いできる)なんて知らなかったよ。)
フィービー: Oh yeah, I've done it for years. I actually stopped because I was so accurate. Y'know, and-and y'know, one of the great joys of life is its-its wondrous unpredictability, y'know? And also, tea tends to give me the trots. (ええ、そうよ、私は何年も、その占いをしてきたの。実はやめてたんだけどね、ものすごく当たるから。ほら、人生の最も素晴らしい喜びの一つは、驚くほどの予測不可能さでしょ。それに、私、紅茶を飲むと下痢になりがちなの。)
モニカ: Okay, I'm done. Read mine. (よし、飲み終わったわ。私のを読んで[占って]。)
フィービー: Okay. (Looks at the leaves.) Ooh, I see a ladder. (Checks the book) Which can mean either a promotion or a violent death. (オッケー。[茶葉を見る] あぁ、はしごが見えるわ。[本をチェックして] それは、昇進か、または非業の死かのどちらかね。)
モニカ: (stunned) I-I'm the head chef. I-I can't get promoted. ([驚いて] 私はヘッドシェフ(料理長、コック長)よ。(これ以上)昇進することはできないわ[昇進はありえないわ]。)
フィービー: Uh-hmm. Uh-hmm, who's next? (ふーん、ふーん。次は誰?)
レイチェル: Okay, I'm done. Do mine. (オッケー、飲み終わった。私のを見て。)
フィービー: Okay. (Reads the leaves) Umm, oh! Okay, I see a circle. (わかった。[茶葉を読む] まぁ! 円が見えるわ。)
レイチェル: Ah. (あぁ。)
フィービー: Oh! (Checking the book) Which can either mean you're having a baby or you're gonna make a scientific discovery! (まぁ! [本をチェックして] それはあなたに子供が生まれるか、または科学的発見をするか、って意味ね。)
レイチェル: Well, I have been spending a lot of time in the lab. (そうねぇ、私はラボで長い時間を過ごしてきたから。)
チャンドラー: What does yours say, Pheebs? (君のは何て出てるの、フィービー。)
フィービー: Umm.... Wow, all right. (Checks the book.) Wow! Yay! Ooh, I'm gonna meet a guy! And really soon! And he's gonna be the man of my dreams. Probably not the guy I had a dream about last night. (Points at Chandler.) (うーんと、まぁ! [本をチェックする] ワオ! イェイ! あぁ、私はある男性に会うの! それもほんとにすぐに! そして、その人は、私の夢の人になるのね。多分、昨日夢に出てきた人じゃないけどね。[チャンドラーを指さす])
コーヒーハウスのセントラルパークで、フィービーは本を手に持ちながら、「紅茶を飲み終えたら、茶葉を見て、運勢を占ってあげる」というようなことを言っています。
この後も、be done (with...) という言葉が何度も出て来ますが、これは「済んで、終了して。〜を済ませて、〜(の用事)を終えて」という意味ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
done : someone who is done has finished doing or using something
例1) Well, I'm done. I'm going home.
be done with something
例2) Do you want to read this magazine? I'm done with it.
つまり、「be done する人というのは、何かをする、または何かを使うのを終えたばかり、ということ」。
例文1は、「よし、終わった。家に帰ろう」。例文2は、「この雑誌、読みたい? 僕は読み終わったから」。
こういう done の使い方は、フレンズ1-1 に既に出てきていました。
ロスのために本棚を組み立てているチャンドラーとジョーイの会話で、
ジョーイ: What's this? (この部品、何?)
チャンドラー: I have no idea. (さっぱりわかんない。)
(JOEY CHECKS ROSS IS NOT LOOKING AND DUMPS IT IN A PLANT POT)
ジョーイはロスが見ていないのを確認して、部品を植木鉢に放り込む。
ジョーイ: Done with the bookcase. (本棚(を組み立てる仕事)、終わり!)
チャンドラー: All finished. (全部完了した。)
このジョーイのセリフは主語が省略されていますが、We're done with the bookcase. ということですね。
この後、フィービーが行う紅茶占いですが、映画「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」でも、紅茶占いの授業のシーンがありました。
トレローニー教授(Professor Trelawney)という先生が、その担当で、
教授: Together we shall cast ourselves into the future. This term, we'll focus on Tasseomancy, the art of reading tea leaves. (皆さん一緒に、自分を未来に投じましょう[向けましょう]。今学期は、占い術(tasseomancy)、紅茶の葉を読むという技術(技)に取り組みます。)
というセリフもありました。
その教授の言葉にある、tasseomancy というのは、ちょっと聞き慣れない単語ですが、tasseography とも呼ばれる、占い法(fortune-telling method)のことで、以下のウィキペディアにも詳しい説明があります。
Wikipedia 英語版: Tasseography
つまり、ハリポタの世界の専門用語ではなく、一般的に通用する言葉、ということですね^^
フィービーはまさに今、the art of reading tea leaves を行なおうとしているということになります。
「フィービーが紅茶の葉を読める[紅茶の葉で占いできる]なんて知らなかった」というチャンドラーに、フィービーは、I've done it for years. と答えています。
ここでもまた、done が出てきましたが、これは、I have done it for years. 「私は今までそれを何年もやってきた」という現在完了形ですね。
I actually stopped because I was so accurate. を直訳すると、「実は私は(その占いをするのを)ストップしてた。なぜなら私はとても正確・的確だったから」。
つまり、占いがあまりにも当たりすぎちゃうので、ちょっとやめてた時期があったのよね、と言っていることになります。
one of the great joys of life is its wondrous unpredictability について。
これも直訳すると、「人生の最も素晴らしい喜びの一つは、その驚くほどの予測不可能さである」。
unpredictability という名詞をそのまま訳すと、何ともいかつい日本語になってしまいますが、要は、「予測できないっていうことが、人生の素晴らしい喜びの一つでしょ」ということですね。
何でもかんでも占いで予測できちゃったらつまんない、何が起こるかわからない、それが人生の喜びであり楽しみってもんじゃないの、みたいなことをフィービーは言いたいわけです。
なるほど、、と思えるようなことを言ったフィービーですが、その後に、ちょっとしたオチがついてくるのもフレンズっぽいところですね。
tea tends to give me the trots の tend to は「〜する傾向がある、〜しがちである」、the trots はここでは「下痢」という意味。
have the trots なら「お腹をこわしている、下痢である」ということ。
元々、trot は「(馬の)速足(はやあし)」という意味なのですが、それに関連して、英辞郎に面白い語源が載っていました。
trot=【名-2】《trots》〈俗〉下痢になること◆小走りでトイレに行く様子から
LAAD にも、
the trots [plural] : (informal, humorous) diarrhea
つまり、「(インフォーマル、ユーモラス) 下痢」と出ていますので、おトイレに駆け込む様子を馬の速足のようだと例えている、ユーモラスな表現だということですね。
「当たり過ぎる占いなんてつまらない。だって人生は予測不可能なところがいいんだから」とポジティブな人生論を語った後に、「それに私、紅茶を飲み過ぎると下痢になりがちなのよね」みたいなおトイレネタになってしまっているところが、ここでのオチとなるわけです。
フィービーは、まずはモニカの紅茶占いをしています。
はしごが見えるわ、と言った後、紅茶占いの本をチェックして、Which can mean either A or B. という文章で、その意味を説明しています。
あとで、レイチェルの占いをする時も、Which can either mean A or B と同じような表現が出てきますが、この which はそれそれ、前文の、I see a ladder/circle. 「はしごが/円が見える」ということを指しています。
「はしごや円が見えるということは、A または B という意味になりうる」という感覚になります。
モニカのを見て、「はしごが見える」と言った後の、フィービーのセリフが面白いですね。
promotion は「(仕事などの)昇進」で、a violent death はいわゆる「非業(ひごう)の死」というニュアンス。
それを聞いたモニカは、ショックを受けた顔で、「私は料理長よ。これ以上昇進できないわ」と言っています。
A か B かと言われたけれど、A の昇進はあり得ない、、となると、残った私の運命は「非業の死」ってことになるじゃない!ということで、モニカはそんな顔をしているわけですね。
「ねぇ、私は死ぬってこと?!」みたいに尋ねているモニカには構わず(笑)、フィービーは、次は誰?と言って、今度はレイチェルの占いをしています。
「円が見えるわ」と言って、「あなたは子供を産むか、科学的発見をするかのどちらかね」と言っています。
今、レイチェルは妊娠中なので、「子供を産む」方が当たりなわけですが、レイチェルはわかりきったことをさも正当な占いの結果であるかのように言われたからでしょう、わざと出産とは違う方の占いについて反応しています。
lab は laboratory 「実験室」の略ですね。今は日本語でも「ラボ」というので、この部分はわかった方も多いでしょうか。
勉強や研究とは無縁ぽい(笑)レイチェルに対して、「科学的発見をする」なんて、まぁあり得ない占いなわけですが、そんな突拍子もないことを言われたことに対して、「私、長い間、ラボで時間を過ごしていたもの」と言ってみせたわけですね。
What does yours say? は、What does your leaves say? ということで、この say は「何と出ている? 何と書いてある? 何を表している?」というニュアンスですね。
人の占いばっかりしてるけど、フィービー本人の茶葉は何て出てるの?という質問になります。
そう言われたフィービーは自分の茶葉をチェックし、「ある男性に会うわ。それもすぐに!」と言っています。
それから、「その男性は私の夢の男性になるのね」みたいに言った後、「(夢の男性とは言っても)多分、昨日の夢に出てきた人ではないけどね」と付け加え、いたずらっぽい顔でチャンドラーを指さしながら、声には出さず口の形だけで "You." と言っています。(ちなみに、このように、「声には出さず口の動きで〜という」場合、英語では、mouth という動詞を使います)
「夢の男性」と言っても、多分、昨日の夢に出てきた人じゃないと思う。その昨日の夢に出てきたっていうのは、チャンドラー、あなただったんだけどね、みたいに言っているわけですね。
その発言で、チャンドラーが、フィービーの昨日の夢に出てきたことがわかるのですが、この話の流れから考えると、どうやらロマンティックな夢の中に登場したわけではないことが想像されます。
フィービーは、にこやかな顔でチャンドラーを指さしているのですが、チャンドラーが、勝手に話題に出されて、勝手にオチに使われたみたいな形になっているところがポイントだと言えそうですね。
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2014年07月22日
減量キャンプで振られた フレンズ8-17その1
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シーズン8 第17話
The One With the Tea Leaves (紅茶占いの人)
原題は「紅茶の葉の話」
前回のエピソードで、「レイチェルに恋してるんだ」と告白したジョーイでしたが、レイチェルの答えは、「ジョーイ、私もジョーイが大好きよ、でも…」というものでした。
気まずくなったジョーイが立ち去ろうとするのを引き止めたレイチェルは、「(大切な友達の)あなたを失いたくない」と言い、ジョーイも「俺はずっとそばにいるから」と約束して、二人はかたくハグし合います。
ですがやはりジョーイはその後、レイチェルに会うのが気まずいらしく、チャンドラーとモニカの家にいる時に、レイチェルが「ジョーイはいる?」と訪ねてくると、「俺はここにはいない、って言って」(Don't tell her I'm here!)と頼んで、隠れようとします。
その際、皿からベーグルを床に落としてしまい、「そのベーグルを食べるなよ!」(Don't eat that!)と言って、ジョーイが寝室に隠れた後、レイチェルが部屋に入ってきます。
レイチェル: Well, I haven't seen him since that night that he told me how he y'know.... I don't know, I think he's avoiding me. Why is that bagel on the floor? (うーんと、ジョーイが私に、ほら、(例のことを)言ったあの夜から、私はジョーイを見てないのよ。わからないけど、ジョーイは私を避けているように思えるの。そのベーグルは、どうして床の上にあるの?)
モニカ: We were playing a game. (私たちは、ゲームをしてたのよ。)
レイチェル: Ew, was Chandler naked? Sort of like a, like a ring-toss kind of situation? (まぁ、チャンドラーが裸だった、ってこと? 輪投げみたいな状況の(種類の)ゲーム?)
モニカ: Sure! (ええ!)
チャンドラー: What?! No! No! (何? 違う!違うよ!)
レイチェル: All right. Well listen, if you see Joey, will you just tell him that uh... tell him I miss him. (Exits and Joey enters.) (いいわ。じゃあ、もしジョーイを見かけたら、彼に言ってくれる? 私が寂しがってる、って。[レイチェルは出て行き、ジョーイが(リビングに)入ってくる])
モニカ: (To Joey) Okay. Did you hear that? ([ジョーイに] オッケー。今の聞いた?)
ジョーイ: Yeah. A naked bagel game? (Picks up his dropped bagel.) (To Chandler) Dude, I don't know. That's a pretty small hole. (あぁ。裸のベーグル・ゲーム? [落ちていたベーグルを拾い上げる] [チャンドラーに] なぁ、わかんないんだけど。それってかなり小さい穴だぞ。)
モニカ: Honey, you gotta talk to her. (ハニー、ジョーイはレイチェルに話をしないといけないわ。)
ジョーイ: I can't! Y'know? You guys don't know what it's like to put yourself out there like that and just get shot down. (できないよ! だろ? あんな風に頑張って自分をさらけ出して、ただ撃ち落とされたのがどんな感じか、お前らにはわからないよ。)
チャンドラー: (incredulous) I don't know what that's like?! Up until I was 25, I thought the only response to "I love you" was "Oh, crap!" ([懐疑的な顔で] それがどんなものか、俺にわからない、だって? 25歳まで、「愛してる」に対する唯一の返答は「あぁ、最低!」だと、俺は思ってたんだぞ。)
モニカ: Hello? No rejection? I got shot down at fat camp! Boy, kids are mean when they're hungry. (もしもし? 拒絶されたことないの? 私は、ファット・キャンプ(ダイエットするためのキャンプ)で撃墜された[振られた]のよ。あぁ、子供って意地悪[残酷]なのよね、お腹が減ってる時には。)
ジョーイ: All right, so, so what do I do? (わかったよ、それで、それで、俺はどうすればいい?)
モニカ: This is Rachel. I mean, what are you gonna do, never going to talk to her again? I mean I know it's weird, it's awkward, but you gotta at least try. (これはレイチェルよ。ほら、あなたはどうするの? レイチェルに二度と話しかけないつもり? 変な感じで、気まずいのはわかるけど、でも少なくともやってみなくちゃ。)
ジョーイ: Yeah. Okay. (Goes to take a bite out of the previously mentioned bagel.) Whoa! (Stops.) I almost forgot this was on your-- (そうだね。わかったよ。[その前に話題に上がっていたベーグルを一口食べようとして] おっと! [食べるのをやめる] もう少しで忘れちゃうところだったよ、これは乗ってた[触れてた]んだよな、お前の…に…)
チャンドラー: (interrupting him) We didn't play it!! ([ジョーイの言葉を遮って] 俺たちはそんなゲーム、してなかった!)
ジョーイを捜しにやってきたレイチェルは、チャンドラーとモニカに状況を説明しています。
I haven't seen him since... というのは、「〜して以来(今までずっと)彼を見ていない」という典型的な現在完了形ですね。
いつ以来か、という説明がその後に続いていますが、that night that he told me how he y'know.... を前からイメージしていくと、「あの夜、(その夜というのは)ジョーイが私に、どんな風に彼が…かを言った(夜)」という感じになるでしょう。
ジョーイがレイチェルに、I'm falling in love with you. と告白した話は、フレンズたちももう当然知っているでしょうし、そのことを知っているからこそ、y'know 「ほら、(彼が何て言ったか)わかるでしょ、知ってるでしょ」と言うだけで良い、ということになるわけですね。
I think he's avoiding me. は、文字通り、「彼は私を避けているように思える」。
その後、床にベーグルが落ちているのに気付いて、「そのベーグルはどうして床の上にあるの?」と尋ねています。
慌てて隠れたジョーイが落とした、とも言えず、モニカは「私たち、あるゲームをしてたのよ」みたいにごまかそうとしています。
それを聞いたレイチェルは、Ew といやそうな声を出し、「(そのゲームをしてる時)チャンドラーは裸だった?」みたいに言っています。
つまり、「チャンドラーが裸になった状態でするゲーム?」みたいなことですね。
その後、sort of like a ... kind of situation? は、「…みたいな状況のような種類の(ゲーム)?」というところ。
ring は「輪」、toss は「トスする、ぽいと軽く投げる」ということですから、ring-toss は「輪投げ」のこと。
そう聞かれたモニカは、「ええ、そうよ!」と肯定し、チャンドラーは「違うよ!」と否定していますが、それは、レイチェルが想像しているようなゲームだとすると、チャンドラーにとってすごく恥ずかしいものだからですね。
輪投げ、(輪のようになった)ベーグル、裸のチャンドラー、、という言葉で、どんなゲームかは察しがつきますが(笑)、つまりは、チャンドラーの身体のある部分を棒に見立てて、それにベーグルを輪投げのように投げるというゲームをしていたとレイチェルは誤解した、ということです。
「私たちはゲームをしてたのよ」とモニカが言った時点で、モニカ自身がそのゲームをイメージしていたかどうかはわかりません。
恐らく、モニカは深く考えず、ただ「変なところにベーグルが置いてあるけど、それはちょっとしたゲームなのよ」程度に言っただけだったのを、レイチェルが「夫婦間のゲーム」なので、そういうエッチ系のものを勝手に想像した、ということなんだろうと思います。
モニカはとにかく、「ジョーイが隠れていることを悟られないように」ということを優先させて、そのレイチェルの誤解に乗っかる形で「そうそう、それよ!」みたいに返事しているのですが、チャンドラーとしては、そういう自分の姿を想像されたくないのでしょうね^^ 必死に「違う違う」と否定することになります。
レイチェルは、二人がそういうゲームをしていたと誤解したまま、「もしジョーイを見かけたら、I miss him. と言っておいて」と言い残して出て行きます。
この I miss him. は「ジョーイがいなくて・ジョーイに会えなくて寂しく思う」という意味ですね。
レイチェルが出て行った後、ジョーイは寝室から出てきます。
「今の聞いた?」というのは、レイチェルがジョーイを捜していたこと、I miss him. と言っていたのも聞こえたでしょ?ということですね。
ジョーイは、「ああ、聞いたよ」と言うのですが、その後、レイチェルの発言について何かを語るのかと思いきや、「裸のベーグル・ゲーム?」と言っています。
「反応するのはそっち?!」というところですが、ジョーイは自分が落としたベーグルを拾い上げて、「それはかなり小さい穴だ」と言っています。
「ベーグルの穴ってこんなに小さいのに、それがお前のには入っちゃうわけ?」みたいに言っているわけで、プレイボーイのジョーイ的には「俺だったら、こんな小さな穴には入らないよ」と言っていることにもなるでしょう。
「今のレイチェルの言葉、聞いたでしょ。ジョーイはレイチェルを避けてないで、ちゃんと話さなきゃだめよ」みたいにモニカは諭しています。
「レイチェルに話をするなんて俺にはできないよ!」と強く否定した後、You guys don't know what it's like to... と言っていますね。
これは、「…することがどんな感じかは、お前らにはわからない」ということ。
put oneself out は英和辞典では「わざわざ〜をする、苦労する、骨を折る」のような語義が出ています。
これはおそらく、「(何かのために頑張って)自分自身を差し出す」というようなニュアンスから来たのでしょう。
今回の put yourself out there like that を直訳すると、「あんな風にあそこで自分を出す」というところなので、「あんな風に決死の覚悟で、必死の思いで、自分を頑張ってさらけ出してきたのに」みたいな感覚が感じられるように思います。
get shot down は「撃ち落とされる、撃墜される」ということですから、「告白して振られる」ことを指しますね。
「お前らには、告白して振られた人間の気持ちなんかわからないだろ」みたいに言われたことに対して、チャンドラーもモニカも、「わからないはずがない!」みたいに返事しているのが面白いです。
まずチャンドラーの、「それ(告白して振られること)がどんな感じか、俺にはわからない、だって?」という発言は、「告白して振られるってことがどんなことか、俺にはよーくわかってるよ」ということですね。
その後、「25歳まで、俺は…だと思ってた」と言っていますが、その思っていた内容はというと、「”愛してる”に対する唯一の返答は、”あぁ、最低”(Oh, crap!)である」ということ。
つまり、25歳になるまでは、女性に告白した時の返事は必ず、Oh, crap! だったんだ、と、またチャンドラーらしい自虐的なことを言っていることになるわけですね。
Oh, crap! は何かひどいこと、嫌なことがあった時に、「最低!」というニュアンスで使われる言葉ですが、元々、crap というのは「うんち」という意味なので、I love you. に対しての返事として使われるとすれば、これ以上ないくらい、ひどいものになるでしょう。
実際にチャンドラーがそこまでひどい言葉で拒絶されたわけでもないでしょうが、チャンドラー的には、「ジョーイは、"Joey, Joey, I love you so much. But I--" って言われたんだろ? 俺なんか振られる時は、それはもう、ひどい言葉で振られたもんだよ、、」と表現することで、「俺はお前よりずっとたくさん振られてきたんだから、振られた人間の気持ちがお前らにわかるか、なんて、振られた回数のずっと少ないお前が言うなよな」という気持ちだということですね。
夫のチャンドラーが自虐的なセリフを述べる中、妻のモニカまで(笑)、同じように悲惨な振られ方の話をしています。
Hello? No rejection? は、「もしもし? 拒絶されたことがない、ですって?」みたいな感じですね。
私がこれまで拒絶されたことがないみたいに言わないでよ、振られたことなんていっぱいあるわよ、みたいなところです。
そして、「私は、fat camp で撃墜されたわ」みたいに言っています。
fat camp は「減量キャンプ」ですね。
肥満の人たちが集められて、そこで食事制限や痩せるための運動を課せられる、というイメージでしょう。
減量するために参加したキャンプで、同じく減量しないといけない太った他の男子に、私は振られたのよ、みたいなことになります。
その後、当時を思い出すように、Boy, kids are mean when they're hungry. と言っています。
「あぁ、子供って意地悪・残酷なのよね、空腹の時に」ということで、お腹が減ってイライラしている時だったから、それはもうひどい言葉で振られたのよ、と言いたいことがわかります。
高嶺の花だとか、かっこいい男の子に告白して振られたのならまだしも、(当時の)自分と同じように太っていることがコンプレックスとなっているような男子にまで振られたことあるんだから、と自分の暗い過去を語っていることになります。
「俺はどうすればいい?」と言うジョーイに、「これはレイチェルよ、あなたがずっと長年友達であるレイチェルよ」みたいに言って、「どうするつもりなの? レイチェルに二度と話しかけないつもりなの?」と問うています。
それは、「相手はレイチェルなんだから、これからもしょっちゅう顔を合わせる。それで今後一切、話をしないつもり? そんなことができると思うの?」みたいに言っているわけですね。
weird で awkward 、つまり、「変な感じで、気まずい」ってわかるけど、少なくとも、話しかけようとトライはしてみなきゃ、とも言います。
「このままずっと話をしないなんて不可能なんだから、気まずい気持ちを抑えて、まずは話してみなくちゃ」とアドバイスされたジョーイはそれを受け入れる気持ちになったようです。
落とした直後に、"Don't eat that!" と言っていたことからもわかるように、ジョーイは落としてしまったベーグルを拾って食べようとしています。
が、何かに気づいたようで、食べようとした動きを止めていますね。
I almost forgot this was on your-- の「almost+過去形」は、「もう少しで〜するところだった」。
つまり、「このベーグルがお前の…にあったのを、俺はもう少しで忘れるところだった」ということ。
on your-- に続く言葉を言いかけた時に、チャンドラーは慌ててそれを制して、「俺たちはそれ(そんなゲーム)をしてなかったんだってば!」みたいに言っています。
your の後に来る、チャンドラーの身体の部位の単語をジョーイが言う前に、それを遮った形ですね。
そもそもこのベーグルは、ジョーイが落としたもので、その後、すぐにレイチェルが入ってきたわけですから、その間に二人が「裸のベーグル輪投げ」をしていたはずもないのですが、少し前にそういう輪投げの話題が出ていたことを反射的にふと思い出して、「そういや、これって、その輪投げで使ってたんだっけ? てことは、チャンドラーのあの部分に乗っかってた、くっついてた、ってことだよな」と言ってみせて、「危ない、危ない、そのことを忘れて、もう少しでこれを食べちゃうとこだった」みたいに言ったことになります。
on というのは「接触」を表す前置詞なので、あえて your 以下の単語を言わなくても、this was on your-- だけで、ジョーイの言わんとしていることがわかるわけですね。
上で取り上げたシーンでは、
1. モニカがゲームと言ったのを、レイチェルがその手のエッチ系の輪投げゲームだと誤解した。
2. 輪投げゲームだと聞いて、ジョーイは、「輪が小さすぎないか」と言った。
3. ベーグルを食べようとして、「そう言えば、これはゲームの輪として使ってたんだっけ?」と言って食べるのをやめた。
のように、「ベーグル輪投げ」ネタが、飛び飛びで3回出てきたことになります。
それぞれの部分で笑えるためには、ring-toss や、naked という言葉から、そーゆー感じのゲームであることが連想できていないといけませんね。
そういうキーワードがわからないと、シーンに何度も出てくる「輪投げネタ」に反応できないわけで、英語がわかるかわからないか、というのはそういう部分で決まるということがよくわかる例だと思いました(^^)
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The One With the Tea Leaves (紅茶占いの人)
原題は「紅茶の葉の話」
前回のエピソードで、「レイチェルに恋してるんだ」と告白したジョーイでしたが、レイチェルの答えは、「ジョーイ、私もジョーイが大好きよ、でも…」というものでした。
気まずくなったジョーイが立ち去ろうとするのを引き止めたレイチェルは、「(大切な友達の)あなたを失いたくない」と言い、ジョーイも「俺はずっとそばにいるから」と約束して、二人はかたくハグし合います。
ですがやはりジョーイはその後、レイチェルに会うのが気まずいらしく、チャンドラーとモニカの家にいる時に、レイチェルが「ジョーイはいる?」と訪ねてくると、「俺はここにはいない、って言って」(Don't tell her I'm here!)と頼んで、隠れようとします。
その際、皿からベーグルを床に落としてしまい、「そのベーグルを食べるなよ!」(Don't eat that!)と言って、ジョーイが寝室に隠れた後、レイチェルが部屋に入ってきます。
レイチェル: Well, I haven't seen him since that night that he told me how he y'know.... I don't know, I think he's avoiding me. Why is that bagel on the floor? (うーんと、ジョーイが私に、ほら、(例のことを)言ったあの夜から、私はジョーイを見てないのよ。わからないけど、ジョーイは私を避けているように思えるの。そのベーグルは、どうして床の上にあるの?)
モニカ: We were playing a game. (私たちは、ゲームをしてたのよ。)
レイチェル: Ew, was Chandler naked? Sort of like a, like a ring-toss kind of situation? (まぁ、チャンドラーが裸だった、ってこと? 輪投げみたいな状況の(種類の)ゲーム?)
モニカ: Sure! (ええ!)
チャンドラー: What?! No! No! (何? 違う!違うよ!)
レイチェル: All right. Well listen, if you see Joey, will you just tell him that uh... tell him I miss him. (Exits and Joey enters.) (いいわ。じゃあ、もしジョーイを見かけたら、彼に言ってくれる? 私が寂しがってる、って。[レイチェルは出て行き、ジョーイが(リビングに)入ってくる])
モニカ: (To Joey) Okay. Did you hear that? ([ジョーイに] オッケー。今の聞いた?)
ジョーイ: Yeah. A naked bagel game? (Picks up his dropped bagel.) (To Chandler) Dude, I don't know. That's a pretty small hole. (あぁ。裸のベーグル・ゲーム? [落ちていたベーグルを拾い上げる] [チャンドラーに] なぁ、わかんないんだけど。それってかなり小さい穴だぞ。)
モニカ: Honey, you gotta talk to her. (ハニー、ジョーイはレイチェルに話をしないといけないわ。)
ジョーイ: I can't! Y'know? You guys don't know what it's like to put yourself out there like that and just get shot down. (できないよ! だろ? あんな風に頑張って自分をさらけ出して、ただ撃ち落とされたのがどんな感じか、お前らにはわからないよ。)
チャンドラー: (incredulous) I don't know what that's like?! Up until I was 25, I thought the only response to "I love you" was "Oh, crap!" ([懐疑的な顔で] それがどんなものか、俺にわからない、だって? 25歳まで、「愛してる」に対する唯一の返答は「あぁ、最低!」だと、俺は思ってたんだぞ。)
モニカ: Hello? No rejection? I got shot down at fat camp! Boy, kids are mean when they're hungry. (もしもし? 拒絶されたことないの? 私は、ファット・キャンプ(ダイエットするためのキャンプ)で撃墜された[振られた]のよ。あぁ、子供って意地悪[残酷]なのよね、お腹が減ってる時には。)
ジョーイ: All right, so, so what do I do? (わかったよ、それで、それで、俺はどうすればいい?)
モニカ: This is Rachel. I mean, what are you gonna do, never going to talk to her again? I mean I know it's weird, it's awkward, but you gotta at least try. (これはレイチェルよ。ほら、あなたはどうするの? レイチェルに二度と話しかけないつもり? 変な感じで、気まずいのはわかるけど、でも少なくともやってみなくちゃ。)
ジョーイ: Yeah. Okay. (Goes to take a bite out of the previously mentioned bagel.) Whoa! (Stops.) I almost forgot this was on your-- (そうだね。わかったよ。[その前に話題に上がっていたベーグルを一口食べようとして] おっと! [食べるのをやめる] もう少しで忘れちゃうところだったよ、これは乗ってた[触れてた]んだよな、お前の…に…)
チャンドラー: (interrupting him) We didn't play it!! ([ジョーイの言葉を遮って] 俺たちはそんなゲーム、してなかった!)
ジョーイを捜しにやってきたレイチェルは、チャンドラーとモニカに状況を説明しています。
I haven't seen him since... というのは、「〜して以来(今までずっと)彼を見ていない」という典型的な現在完了形ですね。
いつ以来か、という説明がその後に続いていますが、that night that he told me how he y'know.... を前からイメージしていくと、「あの夜、(その夜というのは)ジョーイが私に、どんな風に彼が…かを言った(夜)」という感じになるでしょう。
ジョーイがレイチェルに、I'm falling in love with you. と告白した話は、フレンズたちももう当然知っているでしょうし、そのことを知っているからこそ、y'know 「ほら、(彼が何て言ったか)わかるでしょ、知ってるでしょ」と言うだけで良い、ということになるわけですね。
I think he's avoiding me. は、文字通り、「彼は私を避けているように思える」。
その後、床にベーグルが落ちているのに気付いて、「そのベーグルはどうして床の上にあるの?」と尋ねています。
慌てて隠れたジョーイが落とした、とも言えず、モニカは「私たち、あるゲームをしてたのよ」みたいにごまかそうとしています。
それを聞いたレイチェルは、Ew といやそうな声を出し、「(そのゲームをしてる時)チャンドラーは裸だった?」みたいに言っています。
つまり、「チャンドラーが裸になった状態でするゲーム?」みたいなことですね。
その後、sort of like a ... kind of situation? は、「…みたいな状況のような種類の(ゲーム)?」というところ。
ring は「輪」、toss は「トスする、ぽいと軽く投げる」ということですから、ring-toss は「輪投げ」のこと。
そう聞かれたモニカは、「ええ、そうよ!」と肯定し、チャンドラーは「違うよ!」と否定していますが、それは、レイチェルが想像しているようなゲームだとすると、チャンドラーにとってすごく恥ずかしいものだからですね。
輪投げ、(輪のようになった)ベーグル、裸のチャンドラー、、という言葉で、どんなゲームかは察しがつきますが(笑)、つまりは、チャンドラーの身体のある部分を棒に見立てて、それにベーグルを輪投げのように投げるというゲームをしていたとレイチェルは誤解した、ということです。
「私たちはゲームをしてたのよ」とモニカが言った時点で、モニカ自身がそのゲームをイメージしていたかどうかはわかりません。
恐らく、モニカは深く考えず、ただ「変なところにベーグルが置いてあるけど、それはちょっとしたゲームなのよ」程度に言っただけだったのを、レイチェルが「夫婦間のゲーム」なので、そういうエッチ系のものを勝手に想像した、ということなんだろうと思います。
モニカはとにかく、「ジョーイが隠れていることを悟られないように」ということを優先させて、そのレイチェルの誤解に乗っかる形で「そうそう、それよ!」みたいに返事しているのですが、チャンドラーとしては、そういう自分の姿を想像されたくないのでしょうね^^ 必死に「違う違う」と否定することになります。
レイチェルは、二人がそういうゲームをしていたと誤解したまま、「もしジョーイを見かけたら、I miss him. と言っておいて」と言い残して出て行きます。
この I miss him. は「ジョーイがいなくて・ジョーイに会えなくて寂しく思う」という意味ですね。
レイチェルが出て行った後、ジョーイは寝室から出てきます。
「今の聞いた?」というのは、レイチェルがジョーイを捜していたこと、I miss him. と言っていたのも聞こえたでしょ?ということですね。
ジョーイは、「ああ、聞いたよ」と言うのですが、その後、レイチェルの発言について何かを語るのかと思いきや、「裸のベーグル・ゲーム?」と言っています。
「反応するのはそっち?!」というところですが、ジョーイは自分が落としたベーグルを拾い上げて、「それはかなり小さい穴だ」と言っています。
「ベーグルの穴ってこんなに小さいのに、それがお前のには入っちゃうわけ?」みたいに言っているわけで、プレイボーイのジョーイ的には「俺だったら、こんな小さな穴には入らないよ」と言っていることにもなるでしょう。
「今のレイチェルの言葉、聞いたでしょ。ジョーイはレイチェルを避けてないで、ちゃんと話さなきゃだめよ」みたいにモニカは諭しています。
「レイチェルに話をするなんて俺にはできないよ!」と強く否定した後、You guys don't know what it's like to... と言っていますね。
これは、「…することがどんな感じかは、お前らにはわからない」ということ。
put oneself out は英和辞典では「わざわざ〜をする、苦労する、骨を折る」のような語義が出ています。
これはおそらく、「(何かのために頑張って)自分自身を差し出す」というようなニュアンスから来たのでしょう。
今回の put yourself out there like that を直訳すると、「あんな風にあそこで自分を出す」というところなので、「あんな風に決死の覚悟で、必死の思いで、自分を頑張ってさらけ出してきたのに」みたいな感覚が感じられるように思います。
get shot down は「撃ち落とされる、撃墜される」ということですから、「告白して振られる」ことを指しますね。
「お前らには、告白して振られた人間の気持ちなんかわからないだろ」みたいに言われたことに対して、チャンドラーもモニカも、「わからないはずがない!」みたいに返事しているのが面白いです。
まずチャンドラーの、「それ(告白して振られること)がどんな感じか、俺にはわからない、だって?」という発言は、「告白して振られるってことがどんなことか、俺にはよーくわかってるよ」ということですね。
その後、「25歳まで、俺は…だと思ってた」と言っていますが、その思っていた内容はというと、「”愛してる”に対する唯一の返答は、”あぁ、最低”(Oh, crap!)である」ということ。
つまり、25歳になるまでは、女性に告白した時の返事は必ず、Oh, crap! だったんだ、と、またチャンドラーらしい自虐的なことを言っていることになるわけですね。
Oh, crap! は何かひどいこと、嫌なことがあった時に、「最低!」というニュアンスで使われる言葉ですが、元々、crap というのは「うんち」という意味なので、I love you. に対しての返事として使われるとすれば、これ以上ないくらい、ひどいものになるでしょう。
実際にチャンドラーがそこまでひどい言葉で拒絶されたわけでもないでしょうが、チャンドラー的には、「ジョーイは、"Joey, Joey, I love you so much. But I--" って言われたんだろ? 俺なんか振られる時は、それはもう、ひどい言葉で振られたもんだよ、、」と表現することで、「俺はお前よりずっとたくさん振られてきたんだから、振られた人間の気持ちがお前らにわかるか、なんて、振られた回数のずっと少ないお前が言うなよな」という気持ちだということですね。
夫のチャンドラーが自虐的なセリフを述べる中、妻のモニカまで(笑)、同じように悲惨な振られ方の話をしています。
Hello? No rejection? は、「もしもし? 拒絶されたことがない、ですって?」みたいな感じですね。
私がこれまで拒絶されたことがないみたいに言わないでよ、振られたことなんていっぱいあるわよ、みたいなところです。
そして、「私は、fat camp で撃墜されたわ」みたいに言っています。
fat camp は「減量キャンプ」ですね。
肥満の人たちが集められて、そこで食事制限や痩せるための運動を課せられる、というイメージでしょう。
減量するために参加したキャンプで、同じく減量しないといけない太った他の男子に、私は振られたのよ、みたいなことになります。
その後、当時を思い出すように、Boy, kids are mean when they're hungry. と言っています。
「あぁ、子供って意地悪・残酷なのよね、空腹の時に」ということで、お腹が減ってイライラしている時だったから、それはもうひどい言葉で振られたのよ、と言いたいことがわかります。
高嶺の花だとか、かっこいい男の子に告白して振られたのならまだしも、(当時の)自分と同じように太っていることがコンプレックスとなっているような男子にまで振られたことあるんだから、と自分の暗い過去を語っていることになります。
「俺はどうすればいい?」と言うジョーイに、「これはレイチェルよ、あなたがずっと長年友達であるレイチェルよ」みたいに言って、「どうするつもりなの? レイチェルに二度と話しかけないつもりなの?」と問うています。
それは、「相手はレイチェルなんだから、これからもしょっちゅう顔を合わせる。それで今後一切、話をしないつもり? そんなことができると思うの?」みたいに言っているわけですね。
weird で awkward 、つまり、「変な感じで、気まずい」ってわかるけど、少なくとも、話しかけようとトライはしてみなきゃ、とも言います。
「このままずっと話をしないなんて不可能なんだから、気まずい気持ちを抑えて、まずは話してみなくちゃ」とアドバイスされたジョーイはそれを受け入れる気持ちになったようです。
落とした直後に、"Don't eat that!" と言っていたことからもわかるように、ジョーイは落としてしまったベーグルを拾って食べようとしています。
が、何かに気づいたようで、食べようとした動きを止めていますね。
I almost forgot this was on your-- の「almost+過去形」は、「もう少しで〜するところだった」。
つまり、「このベーグルがお前の…にあったのを、俺はもう少しで忘れるところだった」ということ。
on your-- に続く言葉を言いかけた時に、チャンドラーは慌ててそれを制して、「俺たちはそれ(そんなゲーム)をしてなかったんだってば!」みたいに言っています。
your の後に来る、チャンドラーの身体の部位の単語をジョーイが言う前に、それを遮った形ですね。
そもそもこのベーグルは、ジョーイが落としたもので、その後、すぐにレイチェルが入ってきたわけですから、その間に二人が「裸のベーグル輪投げ」をしていたはずもないのですが、少し前にそういう輪投げの話題が出ていたことを反射的にふと思い出して、「そういや、これって、その輪投げで使ってたんだっけ? てことは、チャンドラーのあの部分に乗っかってた、くっついてた、ってことだよな」と言ってみせて、「危ない、危ない、そのことを忘れて、もう少しでこれを食べちゃうとこだった」みたいに言ったことになります。
on というのは「接触」を表す前置詞なので、あえて your 以下の単語を言わなくても、this was on your-- だけで、ジョーイの言わんとしていることがわかるわけですね。
上で取り上げたシーンでは、
1. モニカがゲームと言ったのを、レイチェルがその手のエッチ系の輪投げゲームだと誤解した。
2. 輪投げゲームだと聞いて、ジョーイは、「輪が小さすぎないか」と言った。
3. ベーグルを食べようとして、「そう言えば、これはゲームの輪として使ってたんだっけ?」と言って食べるのをやめた。
のように、「ベーグル輪投げ」ネタが、飛び飛びで3回出てきたことになります。
それぞれの部分で笑えるためには、ring-toss や、naked という言葉から、そーゆー感じのゲームであることが連想できていないといけませんね。
そういうキーワードがわからないと、シーンに何度も出てくる「輪投げネタ」に反応できないわけで、英語がわかるかわからないか、というのはそういう部分で決まるということがよくわかる例だと思いました(^^)
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2014年07月21日
東京セミナーの日程決まりました
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10月に初の東京セミナーを行なうことをお伝えしていましたが、その日程が正式に決定いたしましたので、お知らせいたします。
セミナーは、同内容のものを、2回開催します。
日時は、
1回目:2014年10月12日(日) 18:30〜
2回目:2014年10月13日(月祝) 9:30〜
会場は、JR大井町の「きゅりあん」 です。
セミナーの概要や、お申し込み方法などにつきましては、後日改めて、ブログにて告知させていただきますね。
まずは、日程のご連絡まで。
どうか皆様、よろしくお願いいたします!(^^)
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日時は、
1回目:2014年10月12日(日) 18:30〜
2回目:2014年10月13日(月祝) 9:30〜
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2014年07月18日
冗談だ。うまい冗談だったわ フレンズ8-16その6
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前回の続きです。
食事の席で、レイチェルに自分の気持ちを告げようとした時に、ウェイターに邪魔されてしまったジョーイ。
「何を言おうとしてたか忘れた」みたいに言ってごまかそうとしたところ、レイチェルがさっきの会話はこんな感じだったわ、とその話を続けさせようとしているシーンから。
ジョーイ: Yeah. Here we are. Uhh... I... I think I'm... falling in love with you. (あぁ、そうだね。(そういうことで)今に至る、だね。えーっと… 俺は、君に恋してると思う。)
レイチェル: (stunned) What? ([驚いて] 何?)
ジョーイ: I'm falling in love with you. (君に恋してるんだ。)
レイチェル: (looking around) Who are you talking to? Oh, you're kidding! Oh, it's a joke! (Laughs.) It's funny. It's funny. I don't get it. (Joey doesn't say any thing and Rachel realizes it's not a joke.) Oh. (Pause) Okay. Umm... I-I... uh, wow. Are you uh...? How did umm...? When? ([まわりを見回して] あなた、誰に話してるの? あぁ、冗談言ってるのね。ジョークなのね! [笑って] 面白い、面白いわ。[困惑した顔になって]わからないんだけど。[ジョーは何も言わず、レイチェルはそれがジョークではないと悟る] まぁ。[間] いいわ、あの… あなたが…? どうして(どんな風に)…? いつ?)
ジョーイ: Does it really matter? (そんなこと、関係ある?)
レイチェル: Wow! Wow. Wow. Wow, it is hot in here. (まあ! まあ。まあ。まあ。ここ、暑いわ。)
ジョーイ: Okay, look, Rach, I know this is a lot. You don't have to say anything. You-you uh, you take as much time as you need. (Long pause as Rachel says nothing.) Okay, you gotta say something! (ねえ、レイチェル、これって大きなことだってわかってる。君は何も言う必要ないよ。必要なだけ時間をかけて。[長い間があり、レイチェルは何も言わない] よし、何か言って!)
レイチェル: Joey, Joey, I love you so much. But I-- (ジョーイ、ジョーイ、あなたのことをとっても愛してるわ[大好きよ]。でも私は…)
ジョーイ: But. (Hangs his head down.) (でも、か。[頭を垂れる])
レイチェル: Joey? (ジョーイ?)
ジョーイ: Yeah-yeah right. That's okay. That's fine. That's uh, pretty much what I was expecting. So uh, it's no big deal, all right? I think I'm gonna go. (Stands up.) (あぁ、あぁ、そうだよね。それでいい。それで構わないよ。それはだいたい俺が想像していたことだから。だから、全然大したことじゃない。いいね? 俺は行くよ。[立ち上がる])
レイチェル: No! Joey, please! Please don't! Please don't leave like this! Now come on, you cannot do this to a pregnant woman! (Starts to cry.) (だめよ! ジョーイ、お願いよ! お願いだから行かないで! こんな風に立ち去らないで! ねぇ、あなたは妊婦に対してこんなことできないはずよ[こんなことしちゃだめよ、こんなことしないでよ]! [泣き始める])
ジョーイ: Don't start doing that. You can't do that, Rach, ‘cause then you're gonna make me do that. (Starts to cry.) Oh, there we go! (Sits down next to her.) (そんな風にしないでよ[泣かないでよ]。そんなことしちゃだめだ[泣いちゃだめだ]、レイチェル。だって、君がそんなことしたら、俺までそんな風になってしまうから。[(ジョーイも)泣き始める] あぁ、ほら、もう(こんな風になっちゃった)! [レイチェルの隣に座る])
レイチェル: Can I? (Hug him.) ([ハグしてもいい?というように手を出して] (ハグ)してもいい? [レイチェルはジョーイにハグする])
ジョーイ: Sure! (ああ!)
(They hug.)
二人はハグする。
レイチェル: Oh, Joey, honey, I don't... I don't want to lose-- (あぁ、ジョーイ、ハニー、私は… 私は(あなたを)失いたくない…)
ジョーイ: Hey-hey-hey, hey! You can't, okay? Ever! (ちょっと、ちょっと、ちょっと! レイチェルが俺を失うことなんてない[あり得ない]、いい? 絶対にだ!)
レイチェル: I'm so sorry. (本当にごめんなさい。)
ジョーイ: Oh no-no, Rach, please don't be sorry. Okay? Don't be sorry. (They hug again.) Y'know, I was only kidding you. (あぁ、もう、レイチェル、お願いだから謝らないで。いい? 謝っちゃだめだ。[二人はまたハグする] ほら、俺はただ、君に冗談を言っただけだよ。)
レイチェル: Yeah, that was a real good one. (そうね、今のは本当にうまい冗談だったわ。)
いったんは告白をあきらめかけたジョーイでしたが、「ジョーイが私にこんな話をしていた時に、ウェイターがやってきたのよね」と、話の流れを戻してくれたので、ジョーイは告白する勇気が出たようです。
I think I'm... falling in love with you. は文字通り、「俺は君に恋していると思う」ですね。
レイチェルが What? と言うので、ジョーイはもう一度はっきりと、I'm falling in love with you. と言っています。
その後、誰か後ろにでもいるのかと確認するように、レイチェルがそろーっと後ろを振り向いた後、「そのセリフ、誰に言ってるの?」と言うのも面白いです。
別の誰かに対しての言葉ではないとわかったレイチェルは、「そっか、ジョーイは冗談を言ってるんだ、それ、面白いわぁ」みたいに笑ってみせるのですが、その後、困惑した様子の顔になって、I don't get it. 「わからない」と言います。
「冗談よね〜」と言っても、ジョーイが真剣な顔で自分を見つめたままなので、「それってどういうこと? 一体どういうことなの?」という意味で、I don't get it. 「わからない、理解できない(んだけど)」という言葉になって出てきた感じです。
ジョーイは、少し笑って、違うよ、ジョークじゃないよ、という風に首を横に振っているので、レイチェルもようやくジョーイの言葉が本気のものだとわかったようです。
言葉も切れ切れに、ジョーイに質問している様子から、レイチェルもかなり動揺していることがよくわかりますね。
Are you uh...? How did umm...? When? と、文章にならない感じのセリフになっていますが、レイチェルが言いたかったことは、以下のようになるでしょう。
Are you falling in love with me? 「ジョーイは私に恋してるの?(私に恋してるっていうのはほんとなの?)」
How did you fall in love with me? 「どんな風に私を好きになったの?」→「なぜ好きになったの?」という「理由」ではなく、「どんな風にして、どんな感じで」私のことを(女性として)好きだと思うようになったのか、という「経緯やきっかけ」を尋ねている感覚。
「ずっと仲の良い友達だった男友達のジョーイが、自分のことを女性として好きだと、自分に恋してると言ってくれている」ということが、レイチェルにはまだにわかには信じられない、という感じなのでしょうね、それで、Are you...? How did...? までは口に出せても、「ほんとに? まさか?」と思っているから、fall in love with me という言葉を言うことができない、というのが、質問が途切れてしまっているところによく出ていると思います。
When? は、When did you fall in love with me? ですね。
「あなたはいつ、私に対してそういう恋心を抱くようになったの?」ということですが、それも、When? と一言、言うのが今のレイチェルには精一杯という感じです。
次の、Does it really matter? というセリフがほんとに切ないですね。
直訳すると、「それって本当に重要? それって大事なこと?」みたいなことで、「いつレイチェルに恋したかという時期の話はここでは大切なことじゃない。そんなの関係ない」と言っていることになります。
ずっと友達だと思っていた人に急に告白されたら、誰しも、「いつからそんな風に私のことを思ってくれてたの?」と聞きたくなってしまうだろうと思うので、レイチェルのその問いはごく自然なものですが、ジョーイは「いつからとかそんなことはどうでもいい。とにかく今の俺はレイチェルのことがものすごく好きなんだ、ってことが大事なことで、そのことをレイチェルにはわかってほしい」と言っている感覚になるでしょう。
そんな風に言われたレイチェルは、とにかく、Wow. と言うしか言葉が出ないようです。
この Wow. は、まさに「ワオ!」としか表現できないのですが、日本語で「ワオ」や「わお」と書いてしまうと何だかすごく「軽い」感じに見えてしまい、この場面の緊張感とどうもそぐわない感じがしたので、とりあえずは「まあ!」と訳してみました。
その実際のニュアンスは、強い感情が巻き起こって言葉が出なくなってしまう感覚(speechless)に近く、言葉で気持ちを表現するのではなく、Wow. という感嘆詞しか出てこない、という感じですね。
告白前にジョーイが、Is it hot in here? と言っていたのを受けて、今度はレイチェルが、「ここ、(ほんとに)暑いわね」みたいに言うことにもなります。
告白されて言葉が出てこないレイチェルを思って、ジョーイは「これって大変なこと(大きなこと・重大なこと)だってわかってる。君は何も言う必要はないよ。君が必要なだけ十分時間をかけていいよ」と優しく言います。
そう言われたレイチェルは、何と答えていいかやはりまだわからない様子で、ずっと黙っているのですが、「何も言わなくてもいいよ」と言ったジョーイの方が、この沈黙に耐えられなくなってしまって、「やっぱり、何か言ってよ、とにかく何かしゃべってよ」みたいに言うのも面白いですね。
そう言われたレイチェルは、ジョーイの手を握り、Joey, Joey, I love you so much. と言うのですが、その後に、But I-- が続いたことで、ジョーイはがっかりしたように、"But." と言って、下を向きます。
決死の覚悟で告白したけれど、振られてしまった瞬間、ということになってしまいますね。
その返事で、「レイチェルは俺のことを大好きだ、愛してると言ってくれたけど、それは友達としてで、男性として愛してるんじゃない」ということを悟ったジョーイは、Yeah-yeah right. That's okay. That's fine. 「あぁ、そうだよね。それでいい。それで構わないよ」と言います。
pretty much は「だいたい、ほとんど」ということなので、That's pretty much what I was expecting. は、「今の返事は、だいたい、俺が想像してた(通りの)ものである」ということ。
it's no big deal. は、「全然、big deal (大ごと・一大事)じゃない」なので、「大したことじゃないよ」になります。
気まずい雰囲気に耐えられなくなったジョーイは、ここを立ち去ろうとするのですが、レイチェルはそれを引き止めています。
男性として愛してると返事することはできない、でも、傷心のジョーイをこのまま黙って帰してしまうわけにはいかない、という気持ちから、今のレイチェルには、とにかく「行かないで」と言うしかないのでしょうね。
you cannot do this to a pregnant woman! は、「あなたは、妊婦に対してこんなことできないはずよ」みたいなことで、「こんな状態で、妊婦の私を一人残して、帰っちゃうつもり?」みたいなこと。
レイチェルが「ジョーイを振った」立場であることを考えると、レイチェルの言い分はかなりむちゃくちゃなのですが(笑)、”わがままを言うんだけど憎めないレイチェル”らしいセリフのように私は思いました。
ジョーイは、Don't start doing that. 以下のセリフで、do that というセリフを合計3回使っていますね。
「そんなことをする」というのは、レイチェルが泣く、泣き始めるということを指しています。
女の子がつらい時、悲しい時にそうやって泣くことを、cry という言葉ではなく、do that 「そうする」と表現しているわけですね。
‘cause then you're gonna make me do that. は、「(何でレイチェルが泣いちゃいけないかっていうと)その理由は、君が俺を(君と同じように)そうさせる(泣かせる)からだ」。
意味としては、「泣かないで。泣いちゃだめだ。君が泣いたら俺まで泣いてしまうから」ということですが、男ジョーイとしては、ここで泣いちゃいけない、と思っているのでしょうね、だからあえて、cry という言葉を使うのを避けて、「そんな風にしないで。そんなことしちゃだめだ。君がそうしたら、俺までそうなってしまうから」と do that を使って表現していることになるでしょう。
そう言いながらも、泣いているレイチェルを見たジョーイは、結局泣いてしまっています。
There we go! を直訳すると、「俺たちはそこに行く!」みたいなことで、ここでは、「ほら見ろ、やっぱりこんな風になっちゃったじゃないか」というニュアンスでしょう。
「ほら言わんこっちゃない。君が泣くから俺までこんな風に泣いちゃったじゃないか」と、「今、こんな状態になってしまったこと」を There we go! と表現しているのだと思います。
立ち去れなくなったジョーイはレイチェルの隣の席に座ります。
レイチェルは、手をジョーイの方に差し出して、Can I? と言っていますね。
そのしぐさから、レイチェルがハグのことを言っていることがわかります。
自分が求めていることをしぐさや動作で示すことで、Can I? だけで意味が通じてしまう好例ですが、何でもかんでも「完全な文章」でコミュニケーションを取ろうと頑張らなくても、こんな風にしぐさや表情とうまく組み合わせれば、Can I? だけで十分意思の疎通は計れるということでもあります。
このセリフ、こんな風に手を伸ばして、Could you? だったら、Could you give me a hug? 「私をハグしてくれる? 私をハグしてもらってもいい?」ということになりそうです。
今回は、Can I? なので、そのニュアンスはどちらかと言うと、「ハグしてもらってもいい?」というよりは、「私があなたをハグしてもいい? 私からあなたを抱きしめてもいい?」(Can I hug you? または、Can I give you a hug?)の方が正しい気がしました。
ハグという行為は通常、二人が抱きしめ合う行為なので、「ハグしてもらう」でも「ハグする」でも、最終形(笑)は同じ形になるわけですが、今回の場合は特に、ジョーイの告白に対して、レイチェルが振ったような形になってしまったけど、ジョーイのことは今でも大好きだと思ってる、その気持ちを伝えるために、私からハグしてもいい? 構わない?というニュアンスが感じられる気がするわけです。
泣いている私を慰めて、という意味の「ハグしてくれる?」ではなく、私があなたを大切に思っているという気持ちは変わらないから、ということを伝えるための「ハグしてもいい?」だと思えるということですね。
実際、Can I? Sure! の後、レイチェルはジョーイにしっかり抱きついてハグしていますが、ジョーイの方は、レイチェルの背中に手を回せずに、レイチェルが座っている椅子の背もたれに手を置いています。
いつもの友達同士の二人なら、お互いぎゅっとハグし合うのですが、レイチェルに告白して、「あなたのことは愛してるわ、でも、、」と返事されてしまったジョーイは、レイチェルへの想いをあきらめないといけない、だからレイチェルの背中にしっかり手を回してきつくハグすることができない、そんなことをしたらレイチェルを忘れるのがますます辛くなってしまうから、、というような描写だと言えるでしょう。
カリ城(ルパン三世 カリオストロの城)で、「泥棒はまだできないけど、きっと覚えます」と言ったクラリスを、思わず抱きしめそうになったルパンが、必死にこらえてこらえて、クラリスの肩に優しく手を置いた、というシーンもありましたが、「ここで抱きしめてしまってはいけない」という葛藤が、何よりもその人の気持ちを表す映像表現になっているというところは、日英で共通するものなんだなぁ、と。
ジョーイをハグしながら、レイチェルは、I don't want to lose-- と言っています。
最後が切れていますが、I don't want to lose you. 「あなたを失いたくない」ということですね。
ジョーイの告白にあんな返事をしてしまったせいで、大切な友達であるあなたを失うことになったらいや、という気持ちです。
そんな風に言いかけたレイチェルの顔を、ジョーイはしっかりと見つめて、You can't, okay? Ever! と言っています。
You can't lose me ever. ということで、つまりは、You can never lose me. 「レイチェルが俺を失うっていうことは絶対にあり得ない」ということですね。
今回のことで、レイチェルが俺という友達をなくしたりすることはない、俺はこれからもずっとレイチェルのそばにいて、これまで通りずっと友達でいるんだから、ということです。
「本当にごめんなさい」と言うしかないレイチェルにも、ジョーイは優しく、「お願いだから、謝らないで」と言っています。
その後、ト書きにあるように、二人はまたハグするのですが、今度はジョーイはレイチェルの背中に手を回してしっかりハグしています。
このハグには、「これからもレイチェルの良き友達であり続けることを決心した」ジョーイの気持ちがよく出ているように思いました。
この時点ではまだ「ふっきれた」ところまでは到底行けていないと思うのですが、レイチェルに「(大切な)あなたを失いたくない」と言われたことで、俺はずっと友達として君のそばにいるから、と言う覚悟ができた、と言うんでしょうか。
そうして、以前の友達のようにしっかりハグし合っている二人ですが、そこでジョーイは、Y'know, I was only kidding you. と言い、それに合わせるようにレイチェルも、Yeah, that was a real good one. と答えているのが、「お互いをよくわかっている友達」っぽくて、とても素敵だな、と思いました。
ジョーイの告白はもちろん本気だったわけですが、それを断ってしまったレイチェルの心の負担にならないように、「俺はただ、君をからかっただけだ、君に冗談を言っただけだ」と言ってみせたわけですね。
レイチェルの方も、そのジョーイの優しさに感謝して、「ええ、そうよね、(私のことが好き、っていう、あなたの)さっきの冗談は、ほんとにうまい冗談だったわ」と言って、「冗談が上手だから、私も本気に取りそうになっちゃったわ、すっかり騙されるところだったわ」と言ってみせたことになります。
この後、画面が暗転して、エンドクレジットになるのですが、このシーンが Don't be sorry. で終わってしまうと、見ている方もちょっとつらいところがありますね。
こうやってこのシーンの最後に、「今のは冗談だってば」「うん、私も騙されるとこだった」みたいに言って、お互いが苦しくならないように気遣っているところに「本当の友達」が感じられて、ホッとした気持ちになれるんだろうなと思いました。
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食事の席で、レイチェルに自分の気持ちを告げようとした時に、ウェイターに邪魔されてしまったジョーイ。
「何を言おうとしてたか忘れた」みたいに言ってごまかそうとしたところ、レイチェルがさっきの会話はこんな感じだったわ、とその話を続けさせようとしているシーンから。
ジョーイ: Yeah. Here we are. Uhh... I... I think I'm... falling in love with you. (あぁ、そうだね。(そういうことで)今に至る、だね。えーっと… 俺は、君に恋してると思う。)
レイチェル: (stunned) What? ([驚いて] 何?)
ジョーイ: I'm falling in love with you. (君に恋してるんだ。)
レイチェル: (looking around) Who are you talking to? Oh, you're kidding! Oh, it's a joke! (Laughs.) It's funny. It's funny. I don't get it. (Joey doesn't say any thing and Rachel realizes it's not a joke.) Oh. (Pause) Okay. Umm... I-I... uh, wow. Are you uh...? How did umm...? When? ([まわりを見回して] あなた、誰に話してるの? あぁ、冗談言ってるのね。ジョークなのね! [笑って] 面白い、面白いわ。[困惑した顔になって]わからないんだけど。[ジョーは何も言わず、レイチェルはそれがジョークではないと悟る] まぁ。[間] いいわ、あの… あなたが…? どうして(どんな風に)…? いつ?)
ジョーイ: Does it really matter? (そんなこと、関係ある?)
レイチェル: Wow! Wow. Wow. Wow, it is hot in here. (まあ! まあ。まあ。まあ。ここ、暑いわ。)
ジョーイ: Okay, look, Rach, I know this is a lot. You don't have to say anything. You-you uh, you take as much time as you need. (Long pause as Rachel says nothing.) Okay, you gotta say something! (ねえ、レイチェル、これって大きなことだってわかってる。君は何も言う必要ないよ。必要なだけ時間をかけて。[長い間があり、レイチェルは何も言わない] よし、何か言って!)
レイチェル: Joey, Joey, I love you so much. But I-- (ジョーイ、ジョーイ、あなたのことをとっても愛してるわ[大好きよ]。でも私は…)
ジョーイ: But. (Hangs his head down.) (でも、か。[頭を垂れる])
レイチェル: Joey? (ジョーイ?)
ジョーイ: Yeah-yeah right. That's okay. That's fine. That's uh, pretty much what I was expecting. So uh, it's no big deal, all right? I think I'm gonna go. (Stands up.) (あぁ、あぁ、そうだよね。それでいい。それで構わないよ。それはだいたい俺が想像していたことだから。だから、全然大したことじゃない。いいね? 俺は行くよ。[立ち上がる])
レイチェル: No! Joey, please! Please don't! Please don't leave like this! Now come on, you cannot do this to a pregnant woman! (Starts to cry.) (だめよ! ジョーイ、お願いよ! お願いだから行かないで! こんな風に立ち去らないで! ねぇ、あなたは妊婦に対してこんなことできないはずよ[こんなことしちゃだめよ、こんなことしないでよ]! [泣き始める])
ジョーイ: Don't start doing that. You can't do that, Rach, ‘cause then you're gonna make me do that. (Starts to cry.) Oh, there we go! (Sits down next to her.) (そんな風にしないでよ[泣かないでよ]。そんなことしちゃだめだ[泣いちゃだめだ]、レイチェル。だって、君がそんなことしたら、俺までそんな風になってしまうから。[(ジョーイも)泣き始める] あぁ、ほら、もう(こんな風になっちゃった)! [レイチェルの隣に座る])
レイチェル: Can I? (Hug him.) ([ハグしてもいい?というように手を出して] (ハグ)してもいい? [レイチェルはジョーイにハグする])
ジョーイ: Sure! (ああ!)
(They hug.)
二人はハグする。
レイチェル: Oh, Joey, honey, I don't... I don't want to lose-- (あぁ、ジョーイ、ハニー、私は… 私は(あなたを)失いたくない…)
ジョーイ: Hey-hey-hey, hey! You can't, okay? Ever! (ちょっと、ちょっと、ちょっと! レイチェルが俺を失うことなんてない[あり得ない]、いい? 絶対にだ!)
レイチェル: I'm so sorry. (本当にごめんなさい。)
ジョーイ: Oh no-no, Rach, please don't be sorry. Okay? Don't be sorry. (They hug again.) Y'know, I was only kidding you. (あぁ、もう、レイチェル、お願いだから謝らないで。いい? 謝っちゃだめだ。[二人はまたハグする] ほら、俺はただ、君に冗談を言っただけだよ。)
レイチェル: Yeah, that was a real good one. (そうね、今のは本当にうまい冗談だったわ。)
いったんは告白をあきらめかけたジョーイでしたが、「ジョーイが私にこんな話をしていた時に、ウェイターがやってきたのよね」と、話の流れを戻してくれたので、ジョーイは告白する勇気が出たようです。
I think I'm... falling in love with you. は文字通り、「俺は君に恋していると思う」ですね。
レイチェルが What? と言うので、ジョーイはもう一度はっきりと、I'm falling in love with you. と言っています。
その後、誰か後ろにでもいるのかと確認するように、レイチェルがそろーっと後ろを振り向いた後、「そのセリフ、誰に言ってるの?」と言うのも面白いです。
別の誰かに対しての言葉ではないとわかったレイチェルは、「そっか、ジョーイは冗談を言ってるんだ、それ、面白いわぁ」みたいに笑ってみせるのですが、その後、困惑した様子の顔になって、I don't get it. 「わからない」と言います。
「冗談よね〜」と言っても、ジョーイが真剣な顔で自分を見つめたままなので、「それってどういうこと? 一体どういうことなの?」という意味で、I don't get it. 「わからない、理解できない(んだけど)」という言葉になって出てきた感じです。
ジョーイは、少し笑って、違うよ、ジョークじゃないよ、という風に首を横に振っているので、レイチェルもようやくジョーイの言葉が本気のものだとわかったようです。
言葉も切れ切れに、ジョーイに質問している様子から、レイチェルもかなり動揺していることがよくわかりますね。
Are you uh...? How did umm...? When? と、文章にならない感じのセリフになっていますが、レイチェルが言いたかったことは、以下のようになるでしょう。
Are you falling in love with me? 「ジョーイは私に恋してるの?(私に恋してるっていうのはほんとなの?)」
How did you fall in love with me? 「どんな風に私を好きになったの?」→「なぜ好きになったの?」という「理由」ではなく、「どんな風にして、どんな感じで」私のことを(女性として)好きだと思うようになったのか、という「経緯やきっかけ」を尋ねている感覚。
「ずっと仲の良い友達だった男友達のジョーイが、自分のことを女性として好きだと、自分に恋してると言ってくれている」ということが、レイチェルにはまだにわかには信じられない、という感じなのでしょうね、それで、Are you...? How did...? までは口に出せても、「ほんとに? まさか?」と思っているから、fall in love with me という言葉を言うことができない、というのが、質問が途切れてしまっているところによく出ていると思います。
When? は、When did you fall in love with me? ですね。
「あなたはいつ、私に対してそういう恋心を抱くようになったの?」ということですが、それも、When? と一言、言うのが今のレイチェルには精一杯という感じです。
次の、Does it really matter? というセリフがほんとに切ないですね。
直訳すると、「それって本当に重要? それって大事なこと?」みたいなことで、「いつレイチェルに恋したかという時期の話はここでは大切なことじゃない。そんなの関係ない」と言っていることになります。
ずっと友達だと思っていた人に急に告白されたら、誰しも、「いつからそんな風に私のことを思ってくれてたの?」と聞きたくなってしまうだろうと思うので、レイチェルのその問いはごく自然なものですが、ジョーイは「いつからとかそんなことはどうでもいい。とにかく今の俺はレイチェルのことがものすごく好きなんだ、ってことが大事なことで、そのことをレイチェルにはわかってほしい」と言っている感覚になるでしょう。
そんな風に言われたレイチェルは、とにかく、Wow. と言うしか言葉が出ないようです。
この Wow. は、まさに「ワオ!」としか表現できないのですが、日本語で「ワオ」や「わお」と書いてしまうと何だかすごく「軽い」感じに見えてしまい、この場面の緊張感とどうもそぐわない感じがしたので、とりあえずは「まあ!」と訳してみました。
その実際のニュアンスは、強い感情が巻き起こって言葉が出なくなってしまう感覚(speechless)に近く、言葉で気持ちを表現するのではなく、Wow. という感嘆詞しか出てこない、という感じですね。
告白前にジョーイが、Is it hot in here? と言っていたのを受けて、今度はレイチェルが、「ここ、(ほんとに)暑いわね」みたいに言うことにもなります。
告白されて言葉が出てこないレイチェルを思って、ジョーイは「これって大変なこと(大きなこと・重大なこと)だってわかってる。君は何も言う必要はないよ。君が必要なだけ十分時間をかけていいよ」と優しく言います。
そう言われたレイチェルは、何と答えていいかやはりまだわからない様子で、ずっと黙っているのですが、「何も言わなくてもいいよ」と言ったジョーイの方が、この沈黙に耐えられなくなってしまって、「やっぱり、何か言ってよ、とにかく何かしゃべってよ」みたいに言うのも面白いですね。
そう言われたレイチェルは、ジョーイの手を握り、Joey, Joey, I love you so much. と言うのですが、その後に、But I-- が続いたことで、ジョーイはがっかりしたように、"But." と言って、下を向きます。
決死の覚悟で告白したけれど、振られてしまった瞬間、ということになってしまいますね。
その返事で、「レイチェルは俺のことを大好きだ、愛してると言ってくれたけど、それは友達としてで、男性として愛してるんじゃない」ということを悟ったジョーイは、Yeah-yeah right. That's okay. That's fine. 「あぁ、そうだよね。それでいい。それで構わないよ」と言います。
pretty much は「だいたい、ほとんど」ということなので、That's pretty much what I was expecting. は、「今の返事は、だいたい、俺が想像してた(通りの)ものである」ということ。
it's no big deal. は、「全然、big deal (大ごと・一大事)じゃない」なので、「大したことじゃないよ」になります。
気まずい雰囲気に耐えられなくなったジョーイは、ここを立ち去ろうとするのですが、レイチェルはそれを引き止めています。
男性として愛してると返事することはできない、でも、傷心のジョーイをこのまま黙って帰してしまうわけにはいかない、という気持ちから、今のレイチェルには、とにかく「行かないで」と言うしかないのでしょうね。
you cannot do this to a pregnant woman! は、「あなたは、妊婦に対してこんなことできないはずよ」みたいなことで、「こんな状態で、妊婦の私を一人残して、帰っちゃうつもり?」みたいなこと。
レイチェルが「ジョーイを振った」立場であることを考えると、レイチェルの言い分はかなりむちゃくちゃなのですが(笑)、”わがままを言うんだけど憎めないレイチェル”らしいセリフのように私は思いました。
ジョーイは、Don't start doing that. 以下のセリフで、do that というセリフを合計3回使っていますね。
「そんなことをする」というのは、レイチェルが泣く、泣き始めるということを指しています。
女の子がつらい時、悲しい時にそうやって泣くことを、cry という言葉ではなく、do that 「そうする」と表現しているわけですね。
‘cause then you're gonna make me do that. は、「(何でレイチェルが泣いちゃいけないかっていうと)その理由は、君が俺を(君と同じように)そうさせる(泣かせる)からだ」。
意味としては、「泣かないで。泣いちゃだめだ。君が泣いたら俺まで泣いてしまうから」ということですが、男ジョーイとしては、ここで泣いちゃいけない、と思っているのでしょうね、だからあえて、cry という言葉を使うのを避けて、「そんな風にしないで。そんなことしちゃだめだ。君がそうしたら、俺までそうなってしまうから」と do that を使って表現していることになるでしょう。
そう言いながらも、泣いているレイチェルを見たジョーイは、結局泣いてしまっています。
There we go! を直訳すると、「俺たちはそこに行く!」みたいなことで、ここでは、「ほら見ろ、やっぱりこんな風になっちゃったじゃないか」というニュアンスでしょう。
「ほら言わんこっちゃない。君が泣くから俺までこんな風に泣いちゃったじゃないか」と、「今、こんな状態になってしまったこと」を There we go! と表現しているのだと思います。
立ち去れなくなったジョーイはレイチェルの隣の席に座ります。
レイチェルは、手をジョーイの方に差し出して、Can I? と言っていますね。
そのしぐさから、レイチェルがハグのことを言っていることがわかります。
自分が求めていることをしぐさや動作で示すことで、Can I? だけで意味が通じてしまう好例ですが、何でもかんでも「完全な文章」でコミュニケーションを取ろうと頑張らなくても、こんな風にしぐさや表情とうまく組み合わせれば、Can I? だけで十分意思の疎通は計れるということでもあります。
このセリフ、こんな風に手を伸ばして、Could you? だったら、Could you give me a hug? 「私をハグしてくれる? 私をハグしてもらってもいい?」ということになりそうです。
今回は、Can I? なので、そのニュアンスはどちらかと言うと、「ハグしてもらってもいい?」というよりは、「私があなたをハグしてもいい? 私からあなたを抱きしめてもいい?」(Can I hug you? または、Can I give you a hug?)の方が正しい気がしました。
ハグという行為は通常、二人が抱きしめ合う行為なので、「ハグしてもらう」でも「ハグする」でも、最終形(笑)は同じ形になるわけですが、今回の場合は特に、ジョーイの告白に対して、レイチェルが振ったような形になってしまったけど、ジョーイのことは今でも大好きだと思ってる、その気持ちを伝えるために、私からハグしてもいい? 構わない?というニュアンスが感じられる気がするわけです。
泣いている私を慰めて、という意味の「ハグしてくれる?」ではなく、私があなたを大切に思っているという気持ちは変わらないから、ということを伝えるための「ハグしてもいい?」だと思えるということですね。
実際、Can I? Sure! の後、レイチェルはジョーイにしっかり抱きついてハグしていますが、ジョーイの方は、レイチェルの背中に手を回せずに、レイチェルが座っている椅子の背もたれに手を置いています。
いつもの友達同士の二人なら、お互いぎゅっとハグし合うのですが、レイチェルに告白して、「あなたのことは愛してるわ、でも、、」と返事されてしまったジョーイは、レイチェルへの想いをあきらめないといけない、だからレイチェルの背中にしっかり手を回してきつくハグすることができない、そんなことをしたらレイチェルを忘れるのがますます辛くなってしまうから、、というような描写だと言えるでしょう。
カリ城(ルパン三世 カリオストロの城)で、「泥棒はまだできないけど、きっと覚えます」と言ったクラリスを、思わず抱きしめそうになったルパンが、必死にこらえてこらえて、クラリスの肩に優しく手を置いた、というシーンもありましたが、「ここで抱きしめてしまってはいけない」という葛藤が、何よりもその人の気持ちを表す映像表現になっているというところは、日英で共通するものなんだなぁ、と。
ジョーイをハグしながら、レイチェルは、I don't want to lose-- と言っています。
最後が切れていますが、I don't want to lose you. 「あなたを失いたくない」ということですね。
ジョーイの告白にあんな返事をしてしまったせいで、大切な友達であるあなたを失うことになったらいや、という気持ちです。
そんな風に言いかけたレイチェルの顔を、ジョーイはしっかりと見つめて、You can't, okay? Ever! と言っています。
You can't lose me ever. ということで、つまりは、You can never lose me. 「レイチェルが俺を失うっていうことは絶対にあり得ない」ということですね。
今回のことで、レイチェルが俺という友達をなくしたりすることはない、俺はこれからもずっとレイチェルのそばにいて、これまで通りずっと友達でいるんだから、ということです。
「本当にごめんなさい」と言うしかないレイチェルにも、ジョーイは優しく、「お願いだから、謝らないで」と言っています。
その後、ト書きにあるように、二人はまたハグするのですが、今度はジョーイはレイチェルの背中に手を回してしっかりハグしています。
このハグには、「これからもレイチェルの良き友達であり続けることを決心した」ジョーイの気持ちがよく出ているように思いました。
この時点ではまだ「ふっきれた」ところまでは到底行けていないと思うのですが、レイチェルに「(大切な)あなたを失いたくない」と言われたことで、俺はずっと友達として君のそばにいるから、と言う覚悟ができた、と言うんでしょうか。
そうして、以前の友達のようにしっかりハグし合っている二人ですが、そこでジョーイは、Y'know, I was only kidding you. と言い、それに合わせるようにレイチェルも、Yeah, that was a real good one. と答えているのが、「お互いをよくわかっている友達」っぽくて、とても素敵だな、と思いました。
ジョーイの告白はもちろん本気だったわけですが、それを断ってしまったレイチェルの心の負担にならないように、「俺はただ、君をからかっただけだ、君に冗談を言っただけだ」と言ってみせたわけですね。
レイチェルの方も、そのジョーイの優しさに感謝して、「ええ、そうよね、(私のことが好き、っていう、あなたの)さっきの冗談は、ほんとにうまい冗談だったわ」と言って、「冗談が上手だから、私も本気に取りそうになっちゃったわ、すっかり騙されるところだったわ」と言ってみせたことになります。
この後、画面が暗転して、エンドクレジットになるのですが、このシーンが Don't be sorry. で終わってしまうと、見ている方もちょっとつらいところがありますね。
こうやってこのシーンの最後に、「今のは冗談だってば」「うん、私も騙されるとこだった」みたいに言って、お互いが苦しくならないように気遣っているところに「本当の友達」が感じられて、ホッとした気持ちになれるんだろうなと思いました。
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2014年07月16日
チップを半分にしたのは彼自身 フレンズ8-16その5
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ジョーイと話したロスは、ジョーイがレイチェルのことを真剣に思っていることを知り、「それほど思っているなら、レイチェルに自分の気持ちを伝えるべきだ」とアドバイスします。
ジョーイは、レイチェルの家に行って、気持ちを告白しようとしますが、レイチェルが急いでいたこともあり、「今夜、食事しよう」と約束するのが精一杯。
その後、二人がレストランで話しているシーン。
レイチェル: ... and I know Chandler is kidding but it happens every time he touches my stomach. I mean I'm really worried the baby's not going to like him. (Joey is staring at the table.) Are you okay? (…それで、チャンドラーは冗談を言ってるってわかるけど、でもそれって、チャンドラーが私のお腹を触るたびに起きるのよ。私、ほんとに心配してるの、(お腹の)赤ちゃんが彼を好きにならないんじゃないかって。[ジョーイはテーブルを見つめている] 大丈夫?)
ジョーイ: What? Yeah! Sure! Uh, look, uh, the reason... (Exhales slowly)-Is it hot in here? (何? ああ! もちろん! それは[俺の様子がちょっと変な理由は]… [ゆっくり息を吐いて] ここ、暑くない?)
レイチェル: No. Not-not for me, but why don't you take off your sweater? (いいえ、私には暑くないわ。でも、(それならあなたは)セーターを脱いだらどう?)
ジョーイ: I would, but this is a nice place and my T-shirt has a picture of Calvin doing Hobbes. (そうしたいんだけど、でも、ここは高級な店だろ。それで、俺のTシャツは、カルヴィンがホッブズをヤッてる絵が書いてあるんだよ。)
レイチェル: Oh, my God! Really?! Can I see it? (なんてこと! ほんとに? 見てもいい?)
ジョーイ: Yeah. Sure. (They both half stand up, Joey pulls the neck of his sweater out, and Rachel looks down it to see his T-shirt.) (あぁ、もちろん。[二人とも半分立ち上がって、ジョーイはセーターの首を引っ張り、レイチェルはTシャツを見るためにそれを覗き込む])
レイチェルl: Huh. Wow, I wouldn't think Hobbes would like that so much. (はぁ。まぁ。私には、ホッブズはそういうのあんまり好きじゃないように思えるけどね。)
ジョーイ: Uh... How long have we known each other? (あー… 俺たち、知り合って何年かな?)
レイチェル: Um, seven... e-e-eight, eight years. Wow. (うーん、7年、8、8年ね。わぉ。)
ジョーイ: Uh-huh, long time. (あぁ、長いよね。)
レイチェル: Yeah. (そうね。)
ジョーイ: But over the past few weeks, I-- (でも、この数週間、俺は…)
(A waiter runs over interrupting Joey.)
一人のウェイターがこちらに走ってきて、ジョーイの邪魔をする。
ウェイター: Okay. Hah, sorry about the wait, but it is mega-jammed in here! We have a couple of specials tonight-- (はーい、お待たせしてすみません。でもここは超、混み合ってて! 今夜のお薦めは2つで…)
ジョーイ: Actually uh, could you give us a second? (実はその… ちょっとだけ(1秒)時間をもらえる?)
ウェイター: Sure. Sure. (Turns away, then turns back) Second's up! (Joey glares at him.) Not... that kind of table. (He walks away.) (もちろん、もちろんです。[違う方向を向いて、またこちらを振り返って] ちょっとの時間(1秒)、終わり! [ジョーイは彼をにらむ] そういう[その手の]テーブルじゃない、ですね。[ウェイターは歩いて去る])
レイチェル: So you were saying? (それで、あなたは何を言おうとしてたの?)
ジョーイ: I'm not quite sure. (よくわかんないや。)
レイチェル: Okay, well, you had asked me how long we knew each other, and I said, "Eight years." And the um, waiter came over and cut his tip in half, and umm... now here we are. (いいわ、そうね、あなたは私に、私たちがどれくらい知り合いかを尋ねて、私が「8年」って言った。それから、ウェイターがやってきて、自らのチップを半分にした。それで、うーん… 今に至る。)
レイチェルは、「チャンドラーが私のお腹に触るたびに起きること」について話をしていますが、これは、これより前のシーンに出てきた、以下のやりとりを踏まえての話になっています。
ブログの解説ではカットしてしまった部分なので、ここで説明しておくと、
[Scene: Central Perk, Rachel and Chandler are on the couch.]
セントラルパーク。レイチェルとチャンドラーはカウチに座っている。
レイチェル: Oh-oh! Okay, she's kicking! (ああ! ほら、この子(お腹の赤ちゃん)が蹴ってるわ!)
チャンドラー: Oh! (Puts his hand on her belly.) She's growing inside you. (おぉ! [チャンドラーはレイチェルのお腹に手を当てる] この子は君の中で育ってるんだね。)
レイチェル: Whoa!! (うわ!)
チャンドラー: Oh! (Pulls his hand away.) (おお! [手を引っ込める])
レイチェル: Wow, that was a big one. (わぉ、今のは大きかったわ。)
チャンドラー: I think that's the youngest girl ever to reject me. (今のは、これまで俺を拒絶した女の子の中で最年少だと思うよ。)
チャンドラーがレイチェルのお腹を触ったら、中の赤ちゃんが思いっきり蹴ってきたので、チャンドラーはそれを「俺を嫌がって蹴った」ように冗談を言ってみせたわけですね。
まだ生まれてもない女の子に、ケリを入れられるなんて、俺を拒否・拒絶した女性の最年少じゃん、と自虐的に言ったことになります。
そのシーンを覚えている観客は、「チャンドラーが私のお腹を触るたびにそれは起こる」というセリフで、レイチェルがそのことについて話しているのがわかるので、「赤ちゃんが(チャンドラーを)蹴る」という説明をしなくても、笑えてしまうわけですね。
チャンドラーは自虐的な冗談っぽく「俺を拒絶した最年少の女だ」と言ってたけど、私、ほんとに心配してるのよ、この子がチャンドラーを好きにならないんじゃないかって、とレイチェルは言って、「たまたまじゃなくて、ほんとにこの子はチャンドラーに対して何かしら違うものを感じてるのかもしれない」と言ってみせているわけですね。
そういう話を聞いたら、いつものジョーイなら、ウケたり笑ったりと、もう少し楽しそうな反応をしそうなのに、ジョーイが無言でテーブルを見つめているので、レイチェルは心配そうに尋ねます。
the reason... というのは、「俺がちょっといつもと様子が違う理由は」みたいなことですね。
レイチェルに告白しようとして緊張しているとも言えず、ジョーイは、「ここ暑くない?」と言っています。
「私は暑くないけど、暑いならそのセーター脱いだら?」とレイチェルが言うと、ジョーイは、「脱げるものなら脱ぎたいところだけど、ここは、良い場所(つまり高級店)だろ」と言って、my T-shirt has a picture of Calvin doing Hobbes. とセリフを続けています。
「俺のTシャツは、誰々が何々している絵が載っている」ということで、「暑いけど、セーターの下にこんな絵の描いてあるTシャツを着ているから、こんな高級店では上のセーターを脱げない」と言っていることがわかるので、その絵がこういう店にはふさわしくない、お下品なものであろうことが想像できます。
今回の、A do B. のような、「do+目的語(人)」は、「人に対してエッチな行為をする」という意味で、もっとお下品な感じで表現すると、「B をヤる」みたいなニュアンスですね。
過去記事、何をしたかではなく誰としたか フレンズ7-11その5 では、do something の代わりに、do someone と表現することで、「その人とエッチする」という意味になることを使ったジョークも出てきました。
A が B とヤってる絵、という時点で、こういう店にふさわしくない絵柄だということは想像できるのですが、そこで使われている二人の名前がまた、アメリカのサブカルネタ的に面白いものとなっています。
ここに出てきた二人の名前は、新聞の連載漫画である「カルビンとホッブス」(原題:Calvin and Hobbes)のこと。
Wikipedia 日本語版: カルビンとホッブス
カルビンが6歳の男の子で、ホッブスはぬいぐるみのトラだそうです。
Calvin and Hobbes で画像検索すると、かわいらしい絵柄の少年とトラの画像がたくさんヒットしますね。
ウィキペディアの「作品の概要」に以下の説明がありました。
作者ワターソンは、反商業主義的な感情を持つとともに、注目を浴びることを嫌がったため、本作品にまつわる商品は、単行本の他にほとんど存在していない。しかしながら、作品への大々的な人気は、多数の「海賊版」グッズを産み出した。これらの多くは猥褻な言葉などを伴っており、ワターソンの作品精神と相容れないものである。
その「猥褻な言葉などを伴う海賊版グッズ」が、まさにジョーイが今着ているTシャツ、ということですね。
絵の中で行われている行為そのものがお下品なだけではなく、それが「作者が認めていない下品な海賊版」という意味で倫理的にも褒められたものではない、というダブルの意味で、このTシャツは見せられないんだよね、と言っている感覚になるのでしょう。
レイチェルはそのジョーイの説明を聞いて、嬉しそうに「見せて!」と言って、ジョーイはレイチェルに見えるように、セーターの首を広げています。
その絵を見た後のレイチェルのセリフ、I wouldn't think Hobbes would like that so much. について。
レイチェルがその絵を見た時の反応は、大喜びしているというよりも、ほぅ、そういう絵なのね、なるほど、、みたいな感じに見えます。
このセリフを直訳しようとすると、「ホッブズがそれをものすごく好きであるようには私には思えない(私なら思わない)」みたいになるのかなぁ、と思います。
「〜であるとは思わない」は、自然な日本語にすると、「〜ではないと思う」ということになるので、ここにもその「自然な日本語への変換」を当てはめてみると、「ホッブズはそれがあまり好きじゃないように私には思える」ということになるでしょう。
ジョーイの説明では、「カルヴィンがホッブズをヤッている」みたいな表現になっていましたから、男女の行為で言うと、少年カルヴィンが男役、トラのホッブズが女役、みたいな状況なわけですね。
それを考えると、レイチェルのセリフは、「そういうエッチな行為を”されている”側のホッブズは、あまり喜んでないみたい、楽しんでないみたいだけど」と言っていることになるんだろうと思います。
海賊版の下品な絵柄、ということで、もちろんテレビにはその画像は映らないわけですが、ジョーイとレイチェルのやりとりから、「少年の方は喜んでいて、トラのほうは嫌がっているらしいエッチの絵」なんだろうなと想像されるわけですね。
トラの表情からそう思えるのか、その行為が受け手のトラにとって嬉しくないタイプのプレイなのかはわかりませんが、とにかく、可愛らしいはずのカルヴィンとホッブズの絵柄で、そんなえげつない(笑)エッチの絵が描かれているらしいところに、このジョークのポイントはある、ということですね。
そんな話をした後、ジョーイは本題に入る決心をしたようで、「俺たちはお互いをどれぐらいの長さ(の期間)知ってる?」みたいに尋ねています。
もっと自然な日本語で言うと、「俺たちが知り合ってからどのくらい経つ?」ということですね。
「7年、いえ8年ね」みたいにレイチェルは返事していますが、現在シーズン8ですから^^ 確かに二人は7〜8年、お互いを知っていることになります。
「そんなに長い間一緒だったけど、ここんとこの数週間は…」と、その気持ちの変化を語ろうとした時に、ウェイターが飛んできて、specials 「今日のお薦め」を説明しようとします。
mega-jammed のように、jammed 「混んでいる、混雑している」にメガを付けて強調しているのが表現的に面白いですね。
メガマック(Mega Mac)などのメガのニュアンスですが、そういうメガという言葉の感覚は、日本人にもなじみがあるので、理解しやすいところだと思います。
やっと告白しようと話し始めたところを邪魔されたので、ジョーイはムッとしたように、「ちょっと時間をもらえる?」と言っています。
ウェイターは、了解しました!と言うように、後ろを向くのですが、すぐに振り向いて嬉しそうに手をパッと開きながら、Second's up! と言っています。
この up は「終わって」というニュアンスですね。
Time's up. 「時間切れだ」というフレーズでよく使われます。
ジョーイは、「ちょっと時間をくれ」という意味で、a second という言葉を使ったのですが、a second というのは「1秒」という意味なので、ウェイター的には、「はーい、1秒、終わりましたー」というジョークでなごませようと思ったわけです。
ですが、ジョーイは明らかに怒った顔をしているので、「このテーブルは、そういうジョークを喜ぶような類のテーブルじゃないみたいですね」と言いながら、ウェイターは去ることになります。
ウェイターに話を邪魔されたので、レイチェルは「で、ジョーイは何を話してたの? 何を話そうとしてたの?」と尋ねるのですが、話が中断されたことで気が弱ってしまったらしいジョーイは、「よくわかんないや」とはぐらかそうとしています。
そこでレイチェルは、少し前の会話の様子を自ら説明していますね。
「あなたが知り合って何年?って尋ねるから私が8年と答えた」と言った後のセリフが面白いです。
And the um, waiter came over and cut his tip in half は、「そしてウェイターがやってきて、彼のチップを半分にカットした」。
and cut は、and he [the waiter] cut で、主語が同じだから省略されているわけですね。
この後半部分、意味としては、「彼がくだらないことを言って客を怒らせたせいで、チップが半分になってしまった」ということで、「チップが半分になった」ということなら、and his tip was cut in half. のような受動態で表現することも可能だったろうと思うのですが、ここではそれを、he [the waiter] cut his tip in half. のように、ウェイターを主語にした能動態で表現しているのが(日本人英語学習者的には)ポイントかなぁ、と思いました。
つまり、「ウェイターがやってきて、彼自らがチップを半分にした」というようなことで、彼が行った行為のせいで、自分のチップを半分にしてしまった、という、「チップを半分にした行為者(主語)は彼である」というのがこの能動態のニュアンスだと思うわけです。
his tip was cut in half. のような受動態だと、カットしたのは誰かという行為者が明白ではなく、ただ「チップが半分にカットされた」という状態を説明するだけになるので、面白さが半減してしまう気がするのですね。
「あのウェイターがやってきて、自分のチップを半分にして帰って行った」みたいに表現することで、「ウェイターがチップを半減させられるような失敗をした」ことがわかるわけです。
DVDの日本語字幕では、「ウェイターがチップを半額にするヘマを」と訳されていましたが、その「ヘマをする」というニュアンスが、「ウェイター(自身)が自分のもらうべきチップを半額にした」という「能動態」に出ているということです。
now here we are. は「(そして)今、私たちはここにいる」なので、会話の経緯を説明している流れでいうと、「で、今に・現在に至る」という感覚になります。
Where were we? 「(話は)どこまでいってたっけ?」というのもよく使われますね。
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ジョーイと話したロスは、ジョーイがレイチェルのことを真剣に思っていることを知り、「それほど思っているなら、レイチェルに自分の気持ちを伝えるべきだ」とアドバイスします。
ジョーイは、レイチェルの家に行って、気持ちを告白しようとしますが、レイチェルが急いでいたこともあり、「今夜、食事しよう」と約束するのが精一杯。
その後、二人がレストランで話しているシーン。
レイチェル: ... and I know Chandler is kidding but it happens every time he touches my stomach. I mean I'm really worried the baby's not going to like him. (Joey is staring at the table.) Are you okay? (…それで、チャンドラーは冗談を言ってるってわかるけど、でもそれって、チャンドラーが私のお腹を触るたびに起きるのよ。私、ほんとに心配してるの、(お腹の)赤ちゃんが彼を好きにならないんじゃないかって。[ジョーイはテーブルを見つめている] 大丈夫?)
ジョーイ: What? Yeah! Sure! Uh, look, uh, the reason... (Exhales slowly)-Is it hot in here? (何? ああ! もちろん! それは[俺の様子がちょっと変な理由は]… [ゆっくり息を吐いて] ここ、暑くない?)
レイチェル: No. Not-not for me, but why don't you take off your sweater? (いいえ、私には暑くないわ。でも、(それならあなたは)セーターを脱いだらどう?)
ジョーイ: I would, but this is a nice place and my T-shirt has a picture of Calvin doing Hobbes. (そうしたいんだけど、でも、ここは高級な店だろ。それで、俺のTシャツは、カルヴィンがホッブズをヤッてる絵が書いてあるんだよ。)
レイチェル: Oh, my God! Really?! Can I see it? (なんてこと! ほんとに? 見てもいい?)
ジョーイ: Yeah. Sure. (They both half stand up, Joey pulls the neck of his sweater out, and Rachel looks down it to see his T-shirt.) (あぁ、もちろん。[二人とも半分立ち上がって、ジョーイはセーターの首を引っ張り、レイチェルはTシャツを見るためにそれを覗き込む])
レイチェルl: Huh. Wow, I wouldn't think Hobbes would like that so much. (はぁ。まぁ。私には、ホッブズはそういうのあんまり好きじゃないように思えるけどね。)
ジョーイ: Uh... How long have we known each other? (あー… 俺たち、知り合って何年かな?)
レイチェル: Um, seven... e-e-eight, eight years. Wow. (うーん、7年、8、8年ね。わぉ。)
ジョーイ: Uh-huh, long time. (あぁ、長いよね。)
レイチェル: Yeah. (そうね。)
ジョーイ: But over the past few weeks, I-- (でも、この数週間、俺は…)
(A waiter runs over interrupting Joey.)
一人のウェイターがこちらに走ってきて、ジョーイの邪魔をする。
ウェイター: Okay. Hah, sorry about the wait, but it is mega-jammed in here! We have a couple of specials tonight-- (はーい、お待たせしてすみません。でもここは超、混み合ってて! 今夜のお薦めは2つで…)
ジョーイ: Actually uh, could you give us a second? (実はその… ちょっとだけ(1秒)時間をもらえる?)
ウェイター: Sure. Sure. (Turns away, then turns back) Second's up! (Joey glares at him.) Not... that kind of table. (He walks away.) (もちろん、もちろんです。[違う方向を向いて、またこちらを振り返って] ちょっとの時間(1秒)、終わり! [ジョーイは彼をにらむ] そういう[その手の]テーブルじゃない、ですね。[ウェイターは歩いて去る])
レイチェル: So you were saying? (それで、あなたは何を言おうとしてたの?)
ジョーイ: I'm not quite sure. (よくわかんないや。)
レイチェル: Okay, well, you had asked me how long we knew each other, and I said, "Eight years." And the um, waiter came over and cut his tip in half, and umm... now here we are. (いいわ、そうね、あなたは私に、私たちがどれくらい知り合いかを尋ねて、私が「8年」って言った。それから、ウェイターがやってきて、自らのチップを半分にした。それで、うーん… 今に至る。)
レイチェルは、「チャンドラーが私のお腹に触るたびに起きること」について話をしていますが、これは、これより前のシーンに出てきた、以下のやりとりを踏まえての話になっています。
ブログの解説ではカットしてしまった部分なので、ここで説明しておくと、
[Scene: Central Perk, Rachel and Chandler are on the couch.]
セントラルパーク。レイチェルとチャンドラーはカウチに座っている。
レイチェル: Oh-oh! Okay, she's kicking! (ああ! ほら、この子(お腹の赤ちゃん)が蹴ってるわ!)
チャンドラー: Oh! (Puts his hand on her belly.) She's growing inside you. (おぉ! [チャンドラーはレイチェルのお腹に手を当てる] この子は君の中で育ってるんだね。)
レイチェル: Whoa!! (うわ!)
チャンドラー: Oh! (Pulls his hand away.) (おお! [手を引っ込める])
レイチェル: Wow, that was a big one. (わぉ、今のは大きかったわ。)
チャンドラー: I think that's the youngest girl ever to reject me. (今のは、これまで俺を拒絶した女の子の中で最年少だと思うよ。)
チャンドラーがレイチェルのお腹を触ったら、中の赤ちゃんが思いっきり蹴ってきたので、チャンドラーはそれを「俺を嫌がって蹴った」ように冗談を言ってみせたわけですね。
まだ生まれてもない女の子に、ケリを入れられるなんて、俺を拒否・拒絶した女性の最年少じゃん、と自虐的に言ったことになります。
そのシーンを覚えている観客は、「チャンドラーが私のお腹を触るたびにそれは起こる」というセリフで、レイチェルがそのことについて話しているのがわかるので、「赤ちゃんが(チャンドラーを)蹴る」という説明をしなくても、笑えてしまうわけですね。
チャンドラーは自虐的な冗談っぽく「俺を拒絶した最年少の女だ」と言ってたけど、私、ほんとに心配してるのよ、この子がチャンドラーを好きにならないんじゃないかって、とレイチェルは言って、「たまたまじゃなくて、ほんとにこの子はチャンドラーに対して何かしら違うものを感じてるのかもしれない」と言ってみせているわけですね。
そういう話を聞いたら、いつものジョーイなら、ウケたり笑ったりと、もう少し楽しそうな反応をしそうなのに、ジョーイが無言でテーブルを見つめているので、レイチェルは心配そうに尋ねます。
the reason... というのは、「俺がちょっといつもと様子が違う理由は」みたいなことですね。
レイチェルに告白しようとして緊張しているとも言えず、ジョーイは、「ここ暑くない?」と言っています。
「私は暑くないけど、暑いならそのセーター脱いだら?」とレイチェルが言うと、ジョーイは、「脱げるものなら脱ぎたいところだけど、ここは、良い場所(つまり高級店)だろ」と言って、my T-shirt has a picture of Calvin doing Hobbes. とセリフを続けています。
「俺のTシャツは、誰々が何々している絵が載っている」ということで、「暑いけど、セーターの下にこんな絵の描いてあるTシャツを着ているから、こんな高級店では上のセーターを脱げない」と言っていることがわかるので、その絵がこういう店にはふさわしくない、お下品なものであろうことが想像できます。
今回の、A do B. のような、「do+目的語(人)」は、「人に対してエッチな行為をする」という意味で、もっとお下品な感じで表現すると、「B をヤる」みたいなニュアンスですね。
過去記事、何をしたかではなく誰としたか フレンズ7-11その5 では、do something の代わりに、do someone と表現することで、「その人とエッチする」という意味になることを使ったジョークも出てきました。
A が B とヤってる絵、という時点で、こういう店にふさわしくない絵柄だということは想像できるのですが、そこで使われている二人の名前がまた、アメリカのサブカルネタ的に面白いものとなっています。
ここに出てきた二人の名前は、新聞の連載漫画である「カルビンとホッブス」(原題:Calvin and Hobbes)のこと。
Wikipedia 日本語版: カルビンとホッブス
カルビンが6歳の男の子で、ホッブスはぬいぐるみのトラだそうです。
Calvin and Hobbes で画像検索すると、かわいらしい絵柄の少年とトラの画像がたくさんヒットしますね。
ウィキペディアの「作品の概要」に以下の説明がありました。
作者ワターソンは、反商業主義的な感情を持つとともに、注目を浴びることを嫌がったため、本作品にまつわる商品は、単行本の他にほとんど存在していない。しかしながら、作品への大々的な人気は、多数の「海賊版」グッズを産み出した。これらの多くは猥褻な言葉などを伴っており、ワターソンの作品精神と相容れないものである。
その「猥褻な言葉などを伴う海賊版グッズ」が、まさにジョーイが今着ているTシャツ、ということですね。
絵の中で行われている行為そのものがお下品なだけではなく、それが「作者が認めていない下品な海賊版」という意味で倫理的にも褒められたものではない、というダブルの意味で、このTシャツは見せられないんだよね、と言っている感覚になるのでしょう。
レイチェルはそのジョーイの説明を聞いて、嬉しそうに「見せて!」と言って、ジョーイはレイチェルに見えるように、セーターの首を広げています。
その絵を見た後のレイチェルのセリフ、I wouldn't think Hobbes would like that so much. について。
レイチェルがその絵を見た時の反応は、大喜びしているというよりも、ほぅ、そういう絵なのね、なるほど、、みたいな感じに見えます。
このセリフを直訳しようとすると、「ホッブズがそれをものすごく好きであるようには私には思えない(私なら思わない)」みたいになるのかなぁ、と思います。
「〜であるとは思わない」は、自然な日本語にすると、「〜ではないと思う」ということになるので、ここにもその「自然な日本語への変換」を当てはめてみると、「ホッブズはそれがあまり好きじゃないように私には思える」ということになるでしょう。
ジョーイの説明では、「カルヴィンがホッブズをヤッている」みたいな表現になっていましたから、男女の行為で言うと、少年カルヴィンが男役、トラのホッブズが女役、みたいな状況なわけですね。
それを考えると、レイチェルのセリフは、「そういうエッチな行為を”されている”側のホッブズは、あまり喜んでないみたい、楽しんでないみたいだけど」と言っていることになるんだろうと思います。
海賊版の下品な絵柄、ということで、もちろんテレビにはその画像は映らないわけですが、ジョーイとレイチェルのやりとりから、「少年の方は喜んでいて、トラのほうは嫌がっているらしいエッチの絵」なんだろうなと想像されるわけですね。
トラの表情からそう思えるのか、その行為が受け手のトラにとって嬉しくないタイプのプレイなのかはわかりませんが、とにかく、可愛らしいはずのカルヴィンとホッブズの絵柄で、そんなえげつない(笑)エッチの絵が描かれているらしいところに、このジョークのポイントはある、ということですね。
そんな話をした後、ジョーイは本題に入る決心をしたようで、「俺たちはお互いをどれぐらいの長さ(の期間)知ってる?」みたいに尋ねています。
もっと自然な日本語で言うと、「俺たちが知り合ってからどのくらい経つ?」ということですね。
「7年、いえ8年ね」みたいにレイチェルは返事していますが、現在シーズン8ですから^^ 確かに二人は7〜8年、お互いを知っていることになります。
「そんなに長い間一緒だったけど、ここんとこの数週間は…」と、その気持ちの変化を語ろうとした時に、ウェイターが飛んできて、specials 「今日のお薦め」を説明しようとします。
mega-jammed のように、jammed 「混んでいる、混雑している」にメガを付けて強調しているのが表現的に面白いですね。
メガマック(Mega Mac)などのメガのニュアンスですが、そういうメガという言葉の感覚は、日本人にもなじみがあるので、理解しやすいところだと思います。
やっと告白しようと話し始めたところを邪魔されたので、ジョーイはムッとしたように、「ちょっと時間をもらえる?」と言っています。
ウェイターは、了解しました!と言うように、後ろを向くのですが、すぐに振り向いて嬉しそうに手をパッと開きながら、Second's up! と言っています。
この up は「終わって」というニュアンスですね。
Time's up. 「時間切れだ」というフレーズでよく使われます。
ジョーイは、「ちょっと時間をくれ」という意味で、a second という言葉を使ったのですが、a second というのは「1秒」という意味なので、ウェイター的には、「はーい、1秒、終わりましたー」というジョークでなごませようと思ったわけです。
ですが、ジョーイは明らかに怒った顔をしているので、「このテーブルは、そういうジョークを喜ぶような類のテーブルじゃないみたいですね」と言いながら、ウェイターは去ることになります。
ウェイターに話を邪魔されたので、レイチェルは「で、ジョーイは何を話してたの? 何を話そうとしてたの?」と尋ねるのですが、話が中断されたことで気が弱ってしまったらしいジョーイは、「よくわかんないや」とはぐらかそうとしています。
そこでレイチェルは、少し前の会話の様子を自ら説明していますね。
「あなたが知り合って何年?って尋ねるから私が8年と答えた」と言った後のセリフが面白いです。
And the um, waiter came over and cut his tip in half は、「そしてウェイターがやってきて、彼のチップを半分にカットした」。
and cut は、and he [the waiter] cut で、主語が同じだから省略されているわけですね。
この後半部分、意味としては、「彼がくだらないことを言って客を怒らせたせいで、チップが半分になってしまった」ということで、「チップが半分になった」ということなら、and his tip was cut in half. のような受動態で表現することも可能だったろうと思うのですが、ここではそれを、he [the waiter] cut his tip in half. のように、ウェイターを主語にした能動態で表現しているのが(日本人英語学習者的には)ポイントかなぁ、と思いました。
つまり、「ウェイターがやってきて、彼自らがチップを半分にした」というようなことで、彼が行った行為のせいで、自分のチップを半分にしてしまった、という、「チップを半分にした行為者(主語)は彼である」というのがこの能動態のニュアンスだと思うわけです。
his tip was cut in half. のような受動態だと、カットしたのは誰かという行為者が明白ではなく、ただ「チップが半分にカットされた」という状態を説明するだけになるので、面白さが半減してしまう気がするのですね。
「あのウェイターがやってきて、自分のチップを半分にして帰って行った」みたいに表現することで、「ウェイターがチップを半減させられるような失敗をした」ことがわかるわけです。
DVDの日本語字幕では、「ウェイターがチップを半額にするヘマを」と訳されていましたが、その「ヘマをする」というニュアンスが、「ウェイター(自身)が自分のもらうべきチップを半額にした」という「能動態」に出ているということです。
now here we are. は「(そして)今、私たちはここにいる」なので、会話の経緯を説明している流れでいうと、「で、今に・現在に至る」という感覚になります。
Where were we? 「(話は)どこまでいってたっけ?」というのもよく使われますね。
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2014年07月14日
愛してる。分かってる。 フレンズ8-16その4
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は4位、「にほんブログ村」は6位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
「モニカの運命の人」に出会った、と言っていたフィービーは、そのドンという名前の男性をセントラルパークに連れて来て、モニカとドンはすっかり意気投合してしまいます。
どちらも食品関係の仕事をしていて、チーズの話で盛り上がったりと楽しそうに話が弾んでいる二人を見た(モニカの夫の)チャンドラーは気が気でない様子で、変な言動を繰り返しています。
その後のシーン。
[Scene: Monica and Chandler's, Monica and Chandler are entering.]
モニカとチャンドラーの家。モニカとチャンドラーが入ってくる。
モニカ: I'd like to have Don and Phoebe over. Wouldn't that be nice? (ドンとフィービーを家に招きたいわ。それって素敵じゃない?)
チャンドラー: Sure, why don't you set it up. I'll just be over here, browsing through the personals. (そうだね、セッティングしたらどう? 俺はただこっちにいて、(新聞の)個人広告に目を通してるからさ。)
モニカ: Are you okay? You've been acting weird all afternoon. (大丈夫? あなた、午後はずっと、様子が変よ。)
チャンドラー: Yeah. Fine. Fine. Not perfect!! But good enough. (あぁ、大丈夫。大丈夫。完全じゃないけどね! でも十分に大丈夫だ。)
モニカ: Jeez! What is with you? (なんてこと! ほんとにあなた、どうしたの?)
チャンドラー: I'm sorry, did you say "cheese"? (えっと、今、チーズって言った?)
モニカ: All right, what's going on? (ねぇ、何が起こってるの?)
チャンドラー: Phoebe thinks you and Don are soul mates, and I don't believe in that kind of stuff. But then you two totally get along. So look, I won't stand in your way if you want to run off with Don and live in a house of cheese. (君とドンがソウルメイトだってフィービーは思ってて、俺はその手のこと(ソウルメイトの存在)は信じてない。でも、君ら二人はすっかり意気投合してる。だから、俺は邪魔したりしないよ。もしモニカがドンと駆け落ちして、チーズの家に住みたいと思ってるんならね。)
モニカ: Chandler, you don't believe in soul mates? (チャンドラー、あなた、ソウルメイトを信じてないの?)
チャンドラー: No. But I'm sure (mimics Don) "tomatoes" does. (信じてない。でも間違いなく、[ドンの真似をして] ”トマートゥズ”は(ソウルメイトを)信じてるって思うよ。)
モニカ: I don't believe in soul mates, either. (私もソウルメイトは信じてないわ。)
チャンドラー: You don't? (信じてないの?)
モニカ: Nope. I don't think that you and I were destined to end up together. I think that we fell in love and work hard at our relationship. Some days we work really hard. (信じてないわ。あなたと私は結ばれる運命だったって思ってないもの。私たちは恋に落ちた、そして、私たちの関係において、私たちは一生懸命努力してる。ものすごく努力する日もあるわ。)
チャンドラー: So you... you don't want to live with Don in a cheese house? (それじゃあ、君は…君はドンと一緒にチーズの家に住みたくはないの?)
モニカ: No, I've had second thoughts about that. Do you realize how hard that would be to clean? (いいえ(住みたくないわ)、(あの後)それについて考え直してみたの。掃除するのがどれほど大変かわかる?)
チャンドラー: I love you. (愛してる。)
モニカ: I know. (分かってる。)
I'd like to have Don and Phoebe over. の have someone over は、「人を家に呼ぶ」という意味。
over there という言葉もあるように、over には「あちらに、向こうに」という意味もありますが、「(話し手側の)こちらに」という意味でも使えます。
come over なら「こちらにやってくる」。
over の基本的な意味は、「〜を越えて」ということですから、ある程度の距離を越える感覚で、「むこうへ」でも「こっちに」でも両方使えるわけですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
have somebody over [phrasal verb]
if you have someone over, they come to your house for a meal, a drink etc. because you have invited them
つまり、「あなたが誰かを have over するというのは、ある人が食事や飲み物などのためにあなたの家を訪れること、あなたがその人を招待した、という理由で」。
つまり、「誰かを食事などで家に招く」ことが、have someone over だということですね。
二人を家に招待したい、というモニカに、チャンドラーは、セットアップ、つまり、その招待をセッティングしたらどう?と言っています。
それだけ聞くと、招待を歓迎しているように聞こえますが、その後のセリフを聞くと、「モニカがその気なら招待してもいいけど、俺はそれに参加したくない」と言っていることがわかる仕組みになっています。
その後半のセリフ、I'll just be over here, browsing through the personals. について。
「俺はただこっちにいるよ」というのは、食事から離れた別の場所にいる、食事には同席しない、というニュアンスですね。
browse through は「ざっと目を通す、拾い読みする」という感覚。
Internet Explorer や Google Chrome などのインターネット閲覧ソフトを「ブラウザ(browser)」と言いますが、それはこの browse 「拾い読みする」という動詞から来た言葉ですよね。
personals はここでは「(新聞の)個人広告」という意味で、つまりは、personal ads のこと。
英辞郎にも、
personals=【名】パーソナルズ◆アメリカでは「出会い募集」のようなコーナーをこう呼ぶ。
と出ています。
フレンズ1-20その3 では、
ロス: Desperate? Needy? Pathetic? (死に物狂い? もの欲しそう? みじめ?)
チャンドラー: You obviously saw my personal ad. (ロスが俺の個人広告を見たのは明らかだな。)
という、チャンドラーお得意の自虐的なセリフもありました。
「パーソナル=個人の」という意味は日本人もよく知っているところですが、形容詞であるはずの personal に、複数形の -s がついているのを見て、あれ?と思った方もおられるかもしれません。
personals を persons (人々、people)のような意味に捉えてしまうと、俺以外の盛り上がっている3人をちらちら見る、みたいに解釈してしまう可能性もありますが、この personals は、personal (noun)s のように、パーソナルの後の複数形の名詞が省略されたものと考えると、わかりやすいかなと思います。
personals は、ちゃんと英英辞典にも載っていて、LAAD では、以下のように説明されています。
personals [noun]
the personals : a part of a newspaper in which people can have private or personal messages printed
つまり、「人がプライベートな、または個人的なメッセージを印刷する、新聞の欄」。
ですから、「君らが3人楽しく食事をしている間、俺は新聞の(出会い募集系の)個人広告欄を見てるから」と言ったことになるので、「モニカが彼らを招待しても、俺は席を外させてもらうからな」と宣言したことになるわけです。
ですからモニカも、「大丈夫? 午後はずっと様子が変よ」と尋ねることになります。
「ファインだけど、パーフェクトじゃない。でも十分にグッドだ」のように、「全く問題がないわけじゃないけど、まあ大丈夫だよ」みたいなどこか引っかかる言い方をチャンドラーがするので、モニカはまた、「あなた、どうしたの?」と尋ねています。
What is with you? を、1語ずつ、明瞭に発音していることからも、「ほんとにまじな話、あなた一体、どうしちゃったのよ?」というモニカの心境がよく伝わってきますね。
その前の Jeez! は、「ジーズ」という発音で、Oh, my God! と同じような、驚きやあきれを表す言葉。
Jesus! (発音はジーザス)という言葉に音が似ていることから、Jesus! の婉曲語として使われる言葉です。
Jesus というのは、イエス・キリスト(Jesus Christ)のことで、そのような驚きの言葉として、むやみに God や Jesus を使わない方が良い、ということから、God なら、gosh や goodness、Jesus なら jeez という、似た音の言葉で代用される、ということですね。
驚きのニュアンスで、jeez が使われることはこれまでのフレンズにもありましたが、フレンズの場合は圧倒的に、Oh, my God! の使用例が多いですね。
今回は「いつもの Oh, my God!」ではなかった理由が、次のチャンドラーのセリフでわかることになります。
I'm sorry, did you say "cheese"? の I'm sorry は、「ごめんなさい」と謝っているわけではなくて、「今、なんて言った?」と聞き返したい時の言葉ですね。
相手に問い返す時に、Excuse me? を使うこともありますが、それと同じニュアンスになります。
あえて訳すと、「(聞こえなかったので)すみませんがもう一度言って下さい」みたいなことになりますが、そこまで訳すと大げさになってしまうので、聞き返す時の反射的な言葉として理解しておくと良いでしょう。
仮に、「ごめん、今、〜って言った?」と訳す場合でも、「謝罪している、謝っているわけではない」ということを意識したいということです。
チャンドラーは、「今、チーズって言った?」と聞き返したことになりますが、そのセリフを言わせるために(脚本上)、「いつもの Oh, my God」ではなく、cheese に似た音の jeez を使った、ということになるわけです。
この後、チャンドラーは「チーズの家」という言葉を出していますが、モニカとドンが「チーズ大好き。チーズの家に住んでもいい!」と二人で超盛り上がっていたのを、チャンドラーが気に食わない顔で見ていた、というシーンがこれより前にあったため、観客は、「チャンドラーは、チーズの話で盛り上がったことを怒ってる、やきもち妬いてる」ということがわかって笑えてしまうわけですね。
「一体(今)何が起こってるの? どうなってるの?」と聞かれたチャンドラーは、今の自分の気持ちを話しています。
「フィービーはモニカとドンがソウルメイトだと思ってる。俺はソウルメイトは信じてない。そして、モニカとドンはすっかり意気投合している」ということを述べた後、I won't stand in your way if... のセリフを言っています。
stand in one's way は、「人の道に立ちはだかる」ということですから、「人の邪魔をする」。
run off with は「人と一緒に走り去る」ということですから、「駆け落ちする」というニュアンスですね。
「モニカはドンとすっかり意気投合してたから、モニカがドンと駆け落ちして、チーズの家に住みたけりゃそうすればいい、(夫である)俺は邪魔したりしないから」と言っていることになります。
その言葉に対して、モニカはまず、「ソウルメイトを信じてないの?」と尋ねています。
それに対するチャンドラーの返事について。
"tomatoes" は、”トマートゥズ”のように「イギリス式」で発音されていますが、それはト書きにあるように、イギリス人ドンの真似ですね。
モニカとドンが盛り上がっていた話の中で、ドンは、"What is with all the sun-dried tomatoes at that place?" 「あの店の、乾燥トマトは一体何?」と話していました。
1か月ほど前の過去記事、ポテイトゥ、ポタートゥ フレンズ8-14その3 で、tomato は「トメイトゥがアメリカ式発音で、トマートゥがイギリス式発音」と書きました。
そのように tomato は「米英の発音の違いが顕著な単語」で、かつ、「モニカとドンが盛り上がっていた(チャンドラー的には面白くない)話題」でもあったので、「彼(ドン)」と表現する代わりに、「あの、トマートゥズって発音するイギリス人(野郎)」的なニュアンスで使っているわけですね。
本当に「トマト(複数形)」が主語なら、I'm sure SV の SV に当たる部分は、"tomatoes" does ではなく、tomatoes do になるはずです。
he (Don) does のつもりで言っているから、"tomatoes" does になっているのですね。
does と簡略化されていますが、you don't believe in soul mates? に対するチャンドラーの返事ですから、
No. But I'm sure "tomatoes" does. は、
No, I don't believe in soul mates. But I'm sure Don believes in soul mates.
と答えていることになります。
「あなた、ソウルメイトを信じてないの?」という質問が、「私は信じてるのに、チャンドラーは信じてないんだ、、」的なニュアンスに聞こえたのでしょうね、「俺は信じてないけど、そんなことは別にどうでもいいんだろ? (モニカのソウルメイトらしい)ドンは、ソウルメイトを信じてるって、俺は確信してるからさ。ソウルメイトの存在を信じる二人が、お互いをソウルメイトだと認識したら完璧で、俺の入り込む隙はないよ」みたいなニュアンスが、彼のセリフから感じ取れる気がしました。
ですが、モニカの返事は、チャンドラーの予想に反して、「私もソウルメイトの存在は信じてない」。
チャンドラーをなだめるために、口先だけでそう言ったのではないらしいこと、モニカは本当にソウルメイトの存在を信じていないらしいことが、その後のセリフでわかるのですが、、。
何度も同じ話を持ち出して恐縮なのですが、よしとする、のsettle for フレンズ8-16その1 で触れたように、フレンズ7-24 のチャンドラーとモニカの結婚式のシーンで、モニカが自分の誓いの言葉の中で、soul mate という言葉を使っていたんですよねぇ。
"My prince. My soul mate. My friend." (私の王子様。私のソウルメイト。私の友達。)とチャンドラーに呼び掛けていたというのに、soul mate という言葉を自分で選んだはずのモニカが「存在を信じていない」とこうもはっきり断言されるとですね、記事の中で書かずにはいられないという気持ちにもなってしまうわけです。
「ツッコミどころトリビア」みたいなものとして覚えておくと、フレンズファンとしてはちょっと楽しいですね^^
ソウルメイトを信じてない、という話は、「あれ?」と思ってしまう部分ですが、その後に続く、モニカのセリフはなかなか感動的です。
I don't think that you and I were destined to end up together. について。
end up は「最後には〜になる、結局〜になる」なので、be destined to end up together は、「最後には一緒になる・結ばれる運命にある」。
I think that we fell in love and... について。
「私はこう思う」という I think that 以下の文章が、we fell... and work のように、最初は過去形、次が現在形になっていますね。
「私たちは恋に落ちた。そして、(今)、私たちは、私たちのこの関係において(日頃、日常的に)頑張っている・努力している」という感覚になるでしょう。
Some days we work really hard. は、「本当にものすごく頑張る日もある」みたいなこと。
ソウルメイトみたいな、運命で決まった相手だから今一緒にいる、ってことじゃなくて、恋に落ちた後、二人がこの関係において頑張っているからこうして今でも一緒にいられているんだ、ということで、おまけのように付け加えられた work really hard は、「時にはほんとに、ものすごく頑張らないといけないこともあるんだけどね」というところで、関係を続けていくってことは「運命」という言葉で片付けられるほど簡単なものじゃない、私もいろいろと大変な思いをしてるのよ、みたいに、ちょっといじわるっぽく言っている感覚になるでしょう。
それを聞いたチャンドラーは、再確認するように、「ドンとチーズの家に住みたくないの?」と聞いています。
モニカは「住みたくない。あれから考え直してみたんだけど」と言って、Do you realize... 以下の文章を言っています。
how hard that would be to clean? の that は、a cheese house を指すでしょう。
「〜するのが難しい」という文章は、It's hard to clean a cheese house. 「チーズの家を掃除するのは難しい」と書くことができますが、別の構文を使うと、A cheese house is hard to clean. 「チーズの家は掃除するのが難しい」という文章でも表現できますね。
モニカのセリフは、その hard が前に出て、「チーズの家を掃除するのがどんなに大変だろうかってことがわかる?」という疑問文になっていることになります。
「ほら、想像してみてよ。全部がチーズでできた家なんて、お掃除大変そうでしょ?」と言ってみせて、お掃除大好きモニカとしては、そんな家に住めっこない、チャンドラーは何も心配することなんかないのよ、と言ってあげた感覚になるでしょう。
そんな風に「お掃除ネタ」でチャンドラーの不安を一掃したモニカに、チャンドラーは嬉しそうな顔で、I love you. 「愛してる」と言い、モニカは、I know. 「分かってる。知ってる」と返しています。
人に褒められたりした時に、I know! 「そうでしょ! 知ってる!」と叫ぶ(笑)のは、モニカお決まりのセリフで、まわりの人はそれを聞いてカチンときたりするわけですが^^ 今回はそのキャッチフレーズである I know. がいつもとは違った雰囲気で使われているのが面白いなと思います。
"I love you." "I know." というやりとりは、スターウォーズで有名ですね。
まずは、「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」で、炭素冷凍(carbon freeze)される直前のハン・ソロに、レイアが "I love you." と言い、それを聞いたハン・ソロが、"I know." と返すシーンがありました。
次の「エピソード6/ジェダイの帰還」では、ハン・ソロ: I love you. レイア: I know. という逆パターンが出てくるのが、ファンとしては、くすっと笑えてしまうところ^^
"I love you." "I know." というのは、お互いの愛情を確信できている恋人同士のセリフとして自然なものなので、今回のチャンドラーとモニカのセリフが「スター・ウォーズへのオマージュである」と言い切ることはできないかもしれませんが、世代的に考えても、また、"The One With the Princess Leia Fantasy" 「レイア姫の幻想の話」という、スター・ウォーズネタ満載のエピソード(フレンズ3-1)があったことなどを考えても、ハン・ソロとレイア姫のやりとりを「意識した」ものと考えることは可能だろうと思います。
I know. というのが、モニカがよく使うフレーズであるということも含め、今回の I love you. I know. という二人のセリフは、何だかとっても微笑ましく可愛らしいな、と思いました(^^)
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「モニカの運命の人」に出会った、と言っていたフィービーは、そのドンという名前の男性をセントラルパークに連れて来て、モニカとドンはすっかり意気投合してしまいます。
どちらも食品関係の仕事をしていて、チーズの話で盛り上がったりと楽しそうに話が弾んでいる二人を見た(モニカの夫の)チャンドラーは気が気でない様子で、変な言動を繰り返しています。
その後のシーン。
[Scene: Monica and Chandler's, Monica and Chandler are entering.]
モニカとチャンドラーの家。モニカとチャンドラーが入ってくる。
モニカ: I'd like to have Don and Phoebe over. Wouldn't that be nice? (ドンとフィービーを家に招きたいわ。それって素敵じゃない?)
チャンドラー: Sure, why don't you set it up. I'll just be over here, browsing through the personals. (そうだね、セッティングしたらどう? 俺はただこっちにいて、(新聞の)個人広告に目を通してるからさ。)
モニカ: Are you okay? You've been acting weird all afternoon. (大丈夫? あなた、午後はずっと、様子が変よ。)
チャンドラー: Yeah. Fine. Fine. Not perfect!! But good enough. (あぁ、大丈夫。大丈夫。完全じゃないけどね! でも十分に大丈夫だ。)
モニカ: Jeez! What is with you? (なんてこと! ほんとにあなた、どうしたの?)
チャンドラー: I'm sorry, did you say "cheese"? (えっと、今、チーズって言った?)
モニカ: All right, what's going on? (ねぇ、何が起こってるの?)
チャンドラー: Phoebe thinks you and Don are soul mates, and I don't believe in that kind of stuff. But then you two totally get along. So look, I won't stand in your way if you want to run off with Don and live in a house of cheese. (君とドンがソウルメイトだってフィービーは思ってて、俺はその手のこと(ソウルメイトの存在)は信じてない。でも、君ら二人はすっかり意気投合してる。だから、俺は邪魔したりしないよ。もしモニカがドンと駆け落ちして、チーズの家に住みたいと思ってるんならね。)
モニカ: Chandler, you don't believe in soul mates? (チャンドラー、あなた、ソウルメイトを信じてないの?)
チャンドラー: No. But I'm sure (mimics Don) "tomatoes" does. (信じてない。でも間違いなく、[ドンの真似をして] ”トマートゥズ”は(ソウルメイトを)信じてるって思うよ。)
モニカ: I don't believe in soul mates, either. (私もソウルメイトは信じてないわ。)
チャンドラー: You don't? (信じてないの?)
モニカ: Nope. I don't think that you and I were destined to end up together. I think that we fell in love and work hard at our relationship. Some days we work really hard. (信じてないわ。あなたと私は結ばれる運命だったって思ってないもの。私たちは恋に落ちた、そして、私たちの関係において、私たちは一生懸命努力してる。ものすごく努力する日もあるわ。)
チャンドラー: So you... you don't want to live with Don in a cheese house? (それじゃあ、君は…君はドンと一緒にチーズの家に住みたくはないの?)
モニカ: No, I've had second thoughts about that. Do you realize how hard that would be to clean? (いいえ(住みたくないわ)、(あの後)それについて考え直してみたの。掃除するのがどれほど大変かわかる?)
チャンドラー: I love you. (愛してる。)
モニカ: I know. (分かってる。)
I'd like to have Don and Phoebe over. の have someone over は、「人を家に呼ぶ」という意味。
over there という言葉もあるように、over には「あちらに、向こうに」という意味もありますが、「(話し手側の)こちらに」という意味でも使えます。
come over なら「こちらにやってくる」。
over の基本的な意味は、「〜を越えて」ということですから、ある程度の距離を越える感覚で、「むこうへ」でも「こっちに」でも両方使えるわけですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
have somebody over [phrasal verb]
if you have someone over, they come to your house for a meal, a drink etc. because you have invited them
つまり、「あなたが誰かを have over するというのは、ある人が食事や飲み物などのためにあなたの家を訪れること、あなたがその人を招待した、という理由で」。
つまり、「誰かを食事などで家に招く」ことが、have someone over だということですね。
二人を家に招待したい、というモニカに、チャンドラーは、セットアップ、つまり、その招待をセッティングしたらどう?と言っています。
それだけ聞くと、招待を歓迎しているように聞こえますが、その後のセリフを聞くと、「モニカがその気なら招待してもいいけど、俺はそれに参加したくない」と言っていることがわかる仕組みになっています。
その後半のセリフ、I'll just be over here, browsing through the personals. について。
「俺はただこっちにいるよ」というのは、食事から離れた別の場所にいる、食事には同席しない、というニュアンスですね。
browse through は「ざっと目を通す、拾い読みする」という感覚。
Internet Explorer や Google Chrome などのインターネット閲覧ソフトを「ブラウザ(browser)」と言いますが、それはこの browse 「拾い読みする」という動詞から来た言葉ですよね。
personals はここでは「(新聞の)個人広告」という意味で、つまりは、personal ads のこと。
英辞郎にも、
personals=【名】パーソナルズ◆アメリカでは「出会い募集」のようなコーナーをこう呼ぶ。
と出ています。
フレンズ1-20その3 では、
ロス: Desperate? Needy? Pathetic? (死に物狂い? もの欲しそう? みじめ?)
チャンドラー: You obviously saw my personal ad. (ロスが俺の個人広告を見たのは明らかだな。)
という、チャンドラーお得意の自虐的なセリフもありました。
「パーソナル=個人の」という意味は日本人もよく知っているところですが、形容詞であるはずの personal に、複数形の -s がついているのを見て、あれ?と思った方もおられるかもしれません。
personals を persons (人々、people)のような意味に捉えてしまうと、俺以外の盛り上がっている3人をちらちら見る、みたいに解釈してしまう可能性もありますが、この personals は、personal (noun)s のように、パーソナルの後の複数形の名詞が省略されたものと考えると、わかりやすいかなと思います。
personals は、ちゃんと英英辞典にも載っていて、LAAD では、以下のように説明されています。
personals [noun]
the personals : a part of a newspaper in which people can have private or personal messages printed
つまり、「人がプライベートな、または個人的なメッセージを印刷する、新聞の欄」。
ですから、「君らが3人楽しく食事をしている間、俺は新聞の(出会い募集系の)個人広告欄を見てるから」と言ったことになるので、「モニカが彼らを招待しても、俺は席を外させてもらうからな」と宣言したことになるわけです。
ですからモニカも、「大丈夫? 午後はずっと様子が変よ」と尋ねることになります。
「ファインだけど、パーフェクトじゃない。でも十分にグッドだ」のように、「全く問題がないわけじゃないけど、まあ大丈夫だよ」みたいなどこか引っかかる言い方をチャンドラーがするので、モニカはまた、「あなた、どうしたの?」と尋ねています。
What is with you? を、1語ずつ、明瞭に発音していることからも、「ほんとにまじな話、あなた一体、どうしちゃったのよ?」というモニカの心境がよく伝わってきますね。
その前の Jeez! は、「ジーズ」という発音で、Oh, my God! と同じような、驚きやあきれを表す言葉。
Jesus! (発音はジーザス)という言葉に音が似ていることから、Jesus! の婉曲語として使われる言葉です。
Jesus というのは、イエス・キリスト(Jesus Christ)のことで、そのような驚きの言葉として、むやみに God や Jesus を使わない方が良い、ということから、God なら、gosh や goodness、Jesus なら jeez という、似た音の言葉で代用される、ということですね。
驚きのニュアンスで、jeez が使われることはこれまでのフレンズにもありましたが、フレンズの場合は圧倒的に、Oh, my God! の使用例が多いですね。
今回は「いつもの Oh, my God!」ではなかった理由が、次のチャンドラーのセリフでわかることになります。
I'm sorry, did you say "cheese"? の I'm sorry は、「ごめんなさい」と謝っているわけではなくて、「今、なんて言った?」と聞き返したい時の言葉ですね。
相手に問い返す時に、Excuse me? を使うこともありますが、それと同じニュアンスになります。
あえて訳すと、「(聞こえなかったので)すみませんがもう一度言って下さい」みたいなことになりますが、そこまで訳すと大げさになってしまうので、聞き返す時の反射的な言葉として理解しておくと良いでしょう。
仮に、「ごめん、今、〜って言った?」と訳す場合でも、「謝罪している、謝っているわけではない」ということを意識したいということです。
チャンドラーは、「今、チーズって言った?」と聞き返したことになりますが、そのセリフを言わせるために(脚本上)、「いつもの Oh, my God」ではなく、cheese に似た音の jeez を使った、ということになるわけです。
この後、チャンドラーは「チーズの家」という言葉を出していますが、モニカとドンが「チーズ大好き。チーズの家に住んでもいい!」と二人で超盛り上がっていたのを、チャンドラーが気に食わない顔で見ていた、というシーンがこれより前にあったため、観客は、「チャンドラーは、チーズの話で盛り上がったことを怒ってる、やきもち妬いてる」ということがわかって笑えてしまうわけですね。
「一体(今)何が起こってるの? どうなってるの?」と聞かれたチャンドラーは、今の自分の気持ちを話しています。
「フィービーはモニカとドンがソウルメイトだと思ってる。俺はソウルメイトは信じてない。そして、モニカとドンはすっかり意気投合している」ということを述べた後、I won't stand in your way if... のセリフを言っています。
stand in one's way は、「人の道に立ちはだかる」ということですから、「人の邪魔をする」。
run off with は「人と一緒に走り去る」ということですから、「駆け落ちする」というニュアンスですね。
「モニカはドンとすっかり意気投合してたから、モニカがドンと駆け落ちして、チーズの家に住みたけりゃそうすればいい、(夫である)俺は邪魔したりしないから」と言っていることになります。
その言葉に対して、モニカはまず、「ソウルメイトを信じてないの?」と尋ねています。
それに対するチャンドラーの返事について。
"tomatoes" は、”トマートゥズ”のように「イギリス式」で発音されていますが、それはト書きにあるように、イギリス人ドンの真似ですね。
モニカとドンが盛り上がっていた話の中で、ドンは、"What is with all the sun-dried tomatoes at that place?" 「あの店の、乾燥トマトは一体何?」と話していました。
1か月ほど前の過去記事、ポテイトゥ、ポタートゥ フレンズ8-14その3 で、tomato は「トメイトゥがアメリカ式発音で、トマートゥがイギリス式発音」と書きました。
そのように tomato は「米英の発音の違いが顕著な単語」で、かつ、「モニカとドンが盛り上がっていた(チャンドラー的には面白くない)話題」でもあったので、「彼(ドン)」と表現する代わりに、「あの、トマートゥズって発音するイギリス人(野郎)」的なニュアンスで使っているわけですね。
本当に「トマト(複数形)」が主語なら、I'm sure SV の SV に当たる部分は、"tomatoes" does ではなく、tomatoes do になるはずです。
he (Don) does のつもりで言っているから、"tomatoes" does になっているのですね。
does と簡略化されていますが、you don't believe in soul mates? に対するチャンドラーの返事ですから、
No. But I'm sure "tomatoes" does. は、
No, I don't believe in soul mates. But I'm sure Don believes in soul mates.
と答えていることになります。
「あなた、ソウルメイトを信じてないの?」という質問が、「私は信じてるのに、チャンドラーは信じてないんだ、、」的なニュアンスに聞こえたのでしょうね、「俺は信じてないけど、そんなことは別にどうでもいいんだろ? (モニカのソウルメイトらしい)ドンは、ソウルメイトを信じてるって、俺は確信してるからさ。ソウルメイトの存在を信じる二人が、お互いをソウルメイトだと認識したら完璧で、俺の入り込む隙はないよ」みたいなニュアンスが、彼のセリフから感じ取れる気がしました。
ですが、モニカの返事は、チャンドラーの予想に反して、「私もソウルメイトの存在は信じてない」。
チャンドラーをなだめるために、口先だけでそう言ったのではないらしいこと、モニカは本当にソウルメイトの存在を信じていないらしいことが、その後のセリフでわかるのですが、、。
何度も同じ話を持ち出して恐縮なのですが、よしとする、のsettle for フレンズ8-16その1 で触れたように、フレンズ7-24 のチャンドラーとモニカの結婚式のシーンで、モニカが自分の誓いの言葉の中で、soul mate という言葉を使っていたんですよねぇ。
"My prince. My soul mate. My friend." (私の王子様。私のソウルメイト。私の友達。)とチャンドラーに呼び掛けていたというのに、soul mate という言葉を自分で選んだはずのモニカが「存在を信じていない」とこうもはっきり断言されるとですね、記事の中で書かずにはいられないという気持ちにもなってしまうわけです。
「ツッコミどころトリビア」みたいなものとして覚えておくと、フレンズファンとしてはちょっと楽しいですね^^
ソウルメイトを信じてない、という話は、「あれ?」と思ってしまう部分ですが、その後に続く、モニカのセリフはなかなか感動的です。
I don't think that you and I were destined to end up together. について。
end up は「最後には〜になる、結局〜になる」なので、be destined to end up together は、「最後には一緒になる・結ばれる運命にある」。
I think that we fell in love and... について。
「私はこう思う」という I think that 以下の文章が、we fell... and work のように、最初は過去形、次が現在形になっていますね。
「私たちは恋に落ちた。そして、(今)、私たちは、私たちのこの関係において(日頃、日常的に)頑張っている・努力している」という感覚になるでしょう。
Some days we work really hard. は、「本当にものすごく頑張る日もある」みたいなこと。
ソウルメイトみたいな、運命で決まった相手だから今一緒にいる、ってことじゃなくて、恋に落ちた後、二人がこの関係において頑張っているからこうして今でも一緒にいられているんだ、ということで、おまけのように付け加えられた work really hard は、「時にはほんとに、ものすごく頑張らないといけないこともあるんだけどね」というところで、関係を続けていくってことは「運命」という言葉で片付けられるほど簡単なものじゃない、私もいろいろと大変な思いをしてるのよ、みたいに、ちょっといじわるっぽく言っている感覚になるでしょう。
それを聞いたチャンドラーは、再確認するように、「ドンとチーズの家に住みたくないの?」と聞いています。
モニカは「住みたくない。あれから考え直してみたんだけど」と言って、Do you realize... 以下の文章を言っています。
how hard that would be to clean? の that は、a cheese house を指すでしょう。
「〜するのが難しい」という文章は、It's hard to clean a cheese house. 「チーズの家を掃除するのは難しい」と書くことができますが、別の構文を使うと、A cheese house is hard to clean. 「チーズの家は掃除するのが難しい」という文章でも表現できますね。
モニカのセリフは、その hard が前に出て、「チーズの家を掃除するのがどんなに大変だろうかってことがわかる?」という疑問文になっていることになります。
「ほら、想像してみてよ。全部がチーズでできた家なんて、お掃除大変そうでしょ?」と言ってみせて、お掃除大好きモニカとしては、そんな家に住めっこない、チャンドラーは何も心配することなんかないのよ、と言ってあげた感覚になるでしょう。
そんな風に「お掃除ネタ」でチャンドラーの不安を一掃したモニカに、チャンドラーは嬉しそうな顔で、I love you. 「愛してる」と言い、モニカは、I know. 「分かってる。知ってる」と返しています。
人に褒められたりした時に、I know! 「そうでしょ! 知ってる!」と叫ぶ(笑)のは、モニカお決まりのセリフで、まわりの人はそれを聞いてカチンときたりするわけですが^^ 今回はそのキャッチフレーズである I know. がいつもとは違った雰囲気で使われているのが面白いなと思います。
"I love you." "I know." というやりとりは、スターウォーズで有名ですね。
まずは、「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」で、炭素冷凍(carbon freeze)される直前のハン・ソロに、レイアが "I love you." と言い、それを聞いたハン・ソロが、"I know." と返すシーンがありました。
次の「エピソード6/ジェダイの帰還」では、ハン・ソロ: I love you. レイア: I know. という逆パターンが出てくるのが、ファンとしては、くすっと笑えてしまうところ^^
"I love you." "I know." というのは、お互いの愛情を確信できている恋人同士のセリフとして自然なものなので、今回のチャンドラーとモニカのセリフが「スター・ウォーズへのオマージュである」と言い切ることはできないかもしれませんが、世代的に考えても、また、"The One With the Princess Leia Fantasy" 「レイア姫の幻想の話」という、スター・ウォーズネタ満載のエピソード(フレンズ3-1)があったことなどを考えても、ハン・ソロとレイア姫のやりとりを「意識した」ものと考えることは可能だろうと思います。
I know. というのが、モニカがよく使うフレーズであるということも含め、今回の I love you. I know. という二人のセリフは、何だかとっても微笑ましく可愛らしいな、と思いました(^^)
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2014年07月11日
私ならこうするという助言 フレンズ8-16その3
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ジョーイがレイチェルのことを女性として好きだ、ということを知った(レイチェルの元彼の)ロスは、すっかりパニクってしまっています。
ジョーイは女性にモテるから、ジョーイが告白したら、レイチェルも拒まないかも、、と心配するロスに、
モニカ: Joey... he's not even thinking about going after Rachel! (ジョーイは…彼はレイチェルを追いかけようとすら考えてないわ。)
ロス: He's not? (考えてないの?)
モニカ: No! All he's thinking about is how you're taking this! I mean, listen, it's completely freaking him out. He's talking about moving to Vermont. (考えてないわ! 彼が考えているのは、ロスがこのことをどう受け止めているか、ってことだけよ。このことでジョーイは完全にパニクってるわ。彼はバーモントに引っ越すって話をしてるのよ。)
ロス: Why? (どうして?)
モニカ: He says he wants to leave the country. (Pause) He thinks you hate him. (ジョーイは、アメリカを出たいって言ってるの。[間] 彼はあなたが彼を嫌ってると思ってるのよ。)
ロス: Hate him? I... No, I don't hate him. (Pause) It's just, it's Rachel. Y'know? (彼を嫌ってる、だって? いや、僕はジョーイを嫌ってないよ。[間] ただ、レイチェルだっていうのが…わかるだろ?)
モニカ: Honey, I can't even imagine how hard this must be for you. But I don't want you to lose Joey over it. And right now, he just needs to know that you're still his friend. (ハニー、このことがあなたにとって、どれほどつらいに違いないか、ってことは想像すらできないわ。でもそのことで、あなたにジョーイを失ってほしくないの。そしてジョーイは、今まさに、ロスがまだジョーイの友達だっていうことをただ知る必要があるのよ。)
ロス: Okay. Okay, I'll talk to him. (わかった、わかった、僕は彼と話すよ。)
モニカ: Okay. I'd do it soon. He just asked me how to convert his dollars into Vermont money. (私ならすぐにそうするわ。ジョーイはさっき私に尋ねてたばかりだもの、ドルをバーモントのお金に換金する方法をね。)
あれこれ心配しているロスに、「ジョーイはレイチェルを追いかけることを考えてすらいない」と言っています。
驚いたようにロスが、He's not? 「彼は(そのことを)考えてないの?」と尋ね、モニカが、No! と返事していますが、これは、No, he's not (even) thinking about... という意味ですね。
日本語的に訳すと、「そうよ、彼はそんなこと、考えてもいないの」のように、No! に対して「そうよ」という言葉を当てはめた方がしっくりくるわけですが、No! と一言、言うことで、その後に否定文が続くことが連想される、さきほど言った否定文の内容を引き続き正しいと言っているという意味の No! である、という理解を忘れないようにしたいところです。
All he's thinking about is how you're taking this! を直訳すると、「彼が考えていることのすべては、あなたがこのことをどのように受け止めているか、ということ」。
「ジョーイがレイチェルに恋してる」という事実を、レイチェルの元彼のロスがどう感じているか、どう思っているか、それだけがジョーイは心配なのよ、ということですね。
it's completely freaking him out. は、「そのことが完全に彼をパニクらせている」→「そのことで彼は完全にパニクっている」。
その後、唐突な感じで、He's talking about moving to Vermont. 「ジョーイはバーモントに引っ越すことを話している」と言ったので、ロスが「何で(バーモントに)?」と聞き返していますね。
ちなみに、日本人が「バーモント」と言う場合には、バーの方にアクセントが置かれがち(♪ハウスバーモントカレーだよ〜♪ みたいにw)ですが、英語のアクセントは mont の方にあり、極端に書くと、「ヴァ・マント」のような発音になります。最初の部分は、「バー」よりも、あいまい母音で「ヴァ」と軽く発音する感じです。
なぜジョーイがバーモントに引っ越すことを考えているのかの理由が、その後のモニカのセリフからわかりますが、ジョーイらしくて面白いですね。
その He says he wants to leave the country. について。
country は「国」ですが、この場合は「本国、故国、祖国」のような、「ジョーイがずっと生きてきたこの国」というニュアンスですね。
leave は「去る、立ち去る」なので、「ジョーイは、この国を去りたいと言っているの」ということになるのですが、そのモニカの発言から、「バーモントに引っ越すこと=アメリカを去ること」だとジョーイが思っている、つまり、ジョーイは、「バーモントは外国だと思っている」ということがわかるわけですね。
バーモント州は、アメリカ北東部にあり、北側がカナダに接しているので、ジョーイはバーモントを(アメリカではなく)カナダだと思っているみたいだな、ということも想像できるわけです。(ちなみに、次のシーズンの、9-19 では、バーモントを舞台にした話も出てきます。)
「ロスがジョーイを嫌ってる、ってジョーイは思ってるのよ」とモニカが言うので、ロスは、「嫌ってなんかいないよ。でも、ただ、レイチェルだから(レイチェルのことだから)」と、モニカに理解を求めます。
I can't even imagine... を直訳すると、「このことがあなたにとって、どれほどつらいに違いないかということは、想像すらできない」。
つらいだろうって想像はつくけど、きっと私の想像以上に、ロスはものすごくつらいに違いないわよね、という感じですね。
I don't want you to lose Joey over it. の over は、「〜のことで」というニュアンス。
fight over 「〜のことで言い争う」などの over と同じ感覚で、このことで、ロスにジョーイという友達を失ってほしくない、と言っていることになります。
「ジョーイは今、ロスがまだ友達でいてくれるかを知りたいと思ってる」と言われて、ロスは「じゃあ、彼に話をするよ」と答えるのですが、その後のモニカのセリフが面白いですね。
まず、I'd do it soon. について。
この部分、ネットスクリプトでは、Now do it soon, と書かれていて、DVD英語字幕では、I'd do it soon. になっていました。
実際の音声を聞いてみたのですが、私には、I'd do it soon. と言っているように聞こえましたので、そちらが正しいセリフとして、以下の話を進めていきたいと思います。
ちなみに、、、
DVDの英語字幕は、はしょられていたり、実際のセリフとは単語が異なったものに言い換えられていることもありますが、細かい部分に目をつぶると、「意味はほぼ同じ」ものになっています。
つまり、実際に発音されたセリフがどうであったかにかかわらず、英語字幕の I'd do it soon. でも、必ず文脈は成立する、ということですね。
特に今回の、ネットスクリプトとDVD英語字幕とのずれは、一方は命令形で、一方は I'd と「主語が I になっている」という点で、見た目が全然違います。
ネットスクリプトを書き起こしたネイティブの方は、その音と前後の文脈から、Now do it soon. だと判断されたわけですが、DVD英語字幕の I'd do it soon. でも、同じように前後の文脈が成り立つのだ、ということを以下で語って行きたいと思います。
I'd do it soon. の do it は、talk to him (Joey) ということですが、ここで注目したいのは、I'd の部分です。
このモニカのセリフがもし、"(No,) I'll do it." のように will が使われていて、かつ、I 「私が」の部分が強めに発音されていたとしたら、「僕はジョーイと話すよ」と言ったロスに対して、「(いいえ)(ロスの代わりに)私が話すわ!」みたいな意味になるでしょう。
今回の I'd do it soon. というセリフが、主語が I になっているということで、上に書いたような I'll do it (soon). 的な意味(私がジョーイに話すわ)だと捉えてしまうと、話の流れがおかしくなってしまいますよね。
モニカは「ロスが直接ジョーイと話し合ってほしい」と思っているのに、「私が話すわ」というのは明らかに変だということは気づいていただけると思います。
この I'd (I would) は、I'll (I will) とは全くニュアンスが異なるもので、このモニカのセリフは、「もし私がロスの立場なら(If I were you)、私なら〜する(I would)」という仮定のニュアンスをこめた「私ならこうする」というアドバイスになっています。
ロスが、「じゃあ、僕からジョーイに話すね」と言ったのを受けて、「もし私なら、すぐにジョーイに話すわ」と表現して、「話すなら、早く話したほうがいい」と言っている感覚になるわけです。
I'd do it soon. のセリフのポイントは、soon 「すぐに」の部分にあって、実際の音声でも、はっきり聞こえるのは、do と soon の部分です。
ですから、弱く発音されている do より前の部分が、Now なのか、I'd なのか聞き分けしにくい、みたいなことにもなるのですね。
「私ならこうする」というアドバイスであるということから、ネットスクリプトに Now do it soon, 「じゃあ、すぐに彼に話して」と書かれてあったのとも、意味的にはさほど変わらないことになるわけです。
私なら今すぐ話すわ、と言った理由がその後に続いていますが、その文章を直訳すると、「ジョーイはさっき私に質問していた。彼のドルをバーモントのお金に交換する(換金する)方法を」になりますね。
さきほど出てきた、「ジョーイはバーモントを外国(おそらくカナダ)だと思っている」という話の続きが、シーンの最後でまたオチとして使われているということです。
バーモントで使われている通貨にどうやって交換したらいいのかな?って聞いてたぐらいだから、バーモントに行こうと思ってる話はかなりマジで、ぼやぼやしてるとバーモントに旅立っちゃいそうな勢いだった、だから、「私ならすぐに話すわ」と表現して、早くジョーイに話した方がいいわよ、とロスの背中を押していることになる、ということですね。
ちなみに、このように「私なら〜する」と表現してアドバイスするというセリフは、過去のフレンズにも何度も登場しています。
その中でも、過去記事、私なら彼女に近づかない フレンズ7-4その6 の以下のやりとりが、例としてわかりやすいと思ったので、併せてご紹介しておきますね。
ロス: Okay, (gets up) if you'll excuse me, I-I'm gonna go hang out with some people who don't know the Space Mountain story. (よし、[立ち上がる] 失礼させてもらえるなら、僕はこれから、スペース・マウンテンの話を知らない人たちと一緒に過ごしに行くよ。)
モニカ: Then I'd steer clear of Phoebe. (そういうことなら、私ならフィービーに近づかないわ。)
「スペース・マウンテンの話」というのは、ロスにとっては人に知られたくない恥ずかしい話で、さんざんその話でイジられたことに疲れたロスは、「その話を知らない人と遊んでくるね」みたいに言うのですが、モニカは「私ならフィービーに近づかない」、つまり、「ロスはフィービーに近づかない方がいい」と言ったことで、フィービーにもその話が伝わっていること、モニカがフィービーにそのことを話してしまったことがわかる、という仕組みです。
日本人にとって、would は本当にクセモノ(笑)ですね。
ネイティブの人はこの would を実にさらっと使うのですが、そういう would は辞書の定義を見ても、いまいちピンと来ないことも多いので、would の様々なニュアンスを学ぶのに、前後の文脈があるセリフで理解することは、非常に効果的だと思っています。
このエピソードを、DVDの英語字幕で鑑賞している時に、
ロス: I'll talk to him.
モニカ: I'd do it soon.
というやりとりを見て、どうして主語が「僕が」「私が」になっているんだろう、モニカは自分で言うつもりはないはずなのに、、と「引っ掛かる」ことが、そういう would を学ぶ糸口になっていると私は思っています。
DVDで学び始めた初期の頃には、気付かずスルーしてしまいがちな部分でもありますが、このシンプルな2文を並べて比較することで、will と would の違いを意識していただけたら嬉しいな、と思いました(^^)
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ジョーイがレイチェルのことを女性として好きだ、ということを知った(レイチェルの元彼の)ロスは、すっかりパニクってしまっています。
ジョーイは女性にモテるから、ジョーイが告白したら、レイチェルも拒まないかも、、と心配するロスに、
モニカ: Joey... he's not even thinking about going after Rachel! (ジョーイは…彼はレイチェルを追いかけようとすら考えてないわ。)
ロス: He's not? (考えてないの?)
モニカ: No! All he's thinking about is how you're taking this! I mean, listen, it's completely freaking him out. He's talking about moving to Vermont. (考えてないわ! 彼が考えているのは、ロスがこのことをどう受け止めているか、ってことだけよ。このことでジョーイは完全にパニクってるわ。彼はバーモントに引っ越すって話をしてるのよ。)
ロス: Why? (どうして?)
モニカ: He says he wants to leave the country. (Pause) He thinks you hate him. (ジョーイは、アメリカを出たいって言ってるの。[間] 彼はあなたが彼を嫌ってると思ってるのよ。)
ロス: Hate him? I... No, I don't hate him. (Pause) It's just, it's Rachel. Y'know? (彼を嫌ってる、だって? いや、僕はジョーイを嫌ってないよ。[間] ただ、レイチェルだっていうのが…わかるだろ?)
モニカ: Honey, I can't even imagine how hard this must be for you. But I don't want you to lose Joey over it. And right now, he just needs to know that you're still his friend. (ハニー、このことがあなたにとって、どれほどつらいに違いないか、ってことは想像すらできないわ。でもそのことで、あなたにジョーイを失ってほしくないの。そしてジョーイは、今まさに、ロスがまだジョーイの友達だっていうことをただ知る必要があるのよ。)
ロス: Okay. Okay, I'll talk to him. (わかった、わかった、僕は彼と話すよ。)
モニカ: Okay. I'd do it soon. He just asked me how to convert his dollars into Vermont money. (私ならすぐにそうするわ。ジョーイはさっき私に尋ねてたばかりだもの、ドルをバーモントのお金に換金する方法をね。)
あれこれ心配しているロスに、「ジョーイはレイチェルを追いかけることを考えてすらいない」と言っています。
驚いたようにロスが、He's not? 「彼は(そのことを)考えてないの?」と尋ね、モニカが、No! と返事していますが、これは、No, he's not (even) thinking about... という意味ですね。
日本語的に訳すと、「そうよ、彼はそんなこと、考えてもいないの」のように、No! に対して「そうよ」という言葉を当てはめた方がしっくりくるわけですが、No! と一言、言うことで、その後に否定文が続くことが連想される、さきほど言った否定文の内容を引き続き正しいと言っているという意味の No! である、という理解を忘れないようにしたいところです。
All he's thinking about is how you're taking this! を直訳すると、「彼が考えていることのすべては、あなたがこのことをどのように受け止めているか、ということ」。
「ジョーイがレイチェルに恋してる」という事実を、レイチェルの元彼のロスがどう感じているか、どう思っているか、それだけがジョーイは心配なのよ、ということですね。
it's completely freaking him out. は、「そのことが完全に彼をパニクらせている」→「そのことで彼は完全にパニクっている」。
その後、唐突な感じで、He's talking about moving to Vermont. 「ジョーイはバーモントに引っ越すことを話している」と言ったので、ロスが「何で(バーモントに)?」と聞き返していますね。
ちなみに、日本人が「バーモント」と言う場合には、バーの方にアクセントが置かれがち(♪ハウスバーモントカレーだよ〜♪ みたいにw)ですが、英語のアクセントは mont の方にあり、極端に書くと、「ヴァ・マント」のような発音になります。最初の部分は、「バー」よりも、あいまい母音で「ヴァ」と軽く発音する感じです。
なぜジョーイがバーモントに引っ越すことを考えているのかの理由が、その後のモニカのセリフからわかりますが、ジョーイらしくて面白いですね。
その He says he wants to leave the country. について。
country は「国」ですが、この場合は「本国、故国、祖国」のような、「ジョーイがずっと生きてきたこの国」というニュアンスですね。
leave は「去る、立ち去る」なので、「ジョーイは、この国を去りたいと言っているの」ということになるのですが、そのモニカの発言から、「バーモントに引っ越すこと=アメリカを去ること」だとジョーイが思っている、つまり、ジョーイは、「バーモントは外国だと思っている」ということがわかるわけですね。
バーモント州は、アメリカ北東部にあり、北側がカナダに接しているので、ジョーイはバーモントを(アメリカではなく)カナダだと思っているみたいだな、ということも想像できるわけです。(ちなみに、次のシーズンの、9-19 では、バーモントを舞台にした話も出てきます。)
「ロスがジョーイを嫌ってる、ってジョーイは思ってるのよ」とモニカが言うので、ロスは、「嫌ってなんかいないよ。でも、ただ、レイチェルだから(レイチェルのことだから)」と、モニカに理解を求めます。
I can't even imagine... を直訳すると、「このことがあなたにとって、どれほどつらいに違いないかということは、想像すらできない」。
つらいだろうって想像はつくけど、きっと私の想像以上に、ロスはものすごくつらいに違いないわよね、という感じですね。
I don't want you to lose Joey over it. の over は、「〜のことで」というニュアンス。
fight over 「〜のことで言い争う」などの over と同じ感覚で、このことで、ロスにジョーイという友達を失ってほしくない、と言っていることになります。
「ジョーイは今、ロスがまだ友達でいてくれるかを知りたいと思ってる」と言われて、ロスは「じゃあ、彼に話をするよ」と答えるのですが、その後のモニカのセリフが面白いですね。
まず、I'd do it soon. について。
この部分、ネットスクリプトでは、Now do it soon, と書かれていて、DVD英語字幕では、I'd do it soon. になっていました。
実際の音声を聞いてみたのですが、私には、I'd do it soon. と言っているように聞こえましたので、そちらが正しいセリフとして、以下の話を進めていきたいと思います。
ちなみに、、、
DVDの英語字幕は、はしょられていたり、実際のセリフとは単語が異なったものに言い換えられていることもありますが、細かい部分に目をつぶると、「意味はほぼ同じ」ものになっています。
つまり、実際に発音されたセリフがどうであったかにかかわらず、英語字幕の I'd do it soon. でも、必ず文脈は成立する、ということですね。
特に今回の、ネットスクリプトとDVD英語字幕とのずれは、一方は命令形で、一方は I'd と「主語が I になっている」という点で、見た目が全然違います。
ネットスクリプトを書き起こしたネイティブの方は、その音と前後の文脈から、Now do it soon. だと判断されたわけですが、DVD英語字幕の I'd do it soon. でも、同じように前後の文脈が成り立つのだ、ということを以下で語って行きたいと思います。
I'd do it soon. の do it は、talk to him (Joey) ということですが、ここで注目したいのは、I'd の部分です。
このモニカのセリフがもし、"(No,) I'll do it." のように will が使われていて、かつ、I 「私が」の部分が強めに発音されていたとしたら、「僕はジョーイと話すよ」と言ったロスに対して、「(いいえ)(ロスの代わりに)私が話すわ!」みたいな意味になるでしょう。
今回の I'd do it soon. というセリフが、主語が I になっているということで、上に書いたような I'll do it (soon). 的な意味(私がジョーイに話すわ)だと捉えてしまうと、話の流れがおかしくなってしまいますよね。
モニカは「ロスが直接ジョーイと話し合ってほしい」と思っているのに、「私が話すわ」というのは明らかに変だということは気づいていただけると思います。
この I'd (I would) は、I'll (I will) とは全くニュアンスが異なるもので、このモニカのセリフは、「もし私がロスの立場なら(If I were you)、私なら〜する(I would)」という仮定のニュアンスをこめた「私ならこうする」というアドバイスになっています。
ロスが、「じゃあ、僕からジョーイに話すね」と言ったのを受けて、「もし私なら、すぐにジョーイに話すわ」と表現して、「話すなら、早く話したほうがいい」と言っている感覚になるわけです。
I'd do it soon. のセリフのポイントは、soon 「すぐに」の部分にあって、実際の音声でも、はっきり聞こえるのは、do と soon の部分です。
ですから、弱く発音されている do より前の部分が、Now なのか、I'd なのか聞き分けしにくい、みたいなことにもなるのですね。
「私ならこうする」というアドバイスであるということから、ネットスクリプトに Now do it soon, 「じゃあ、すぐに彼に話して」と書かれてあったのとも、意味的にはさほど変わらないことになるわけです。
私なら今すぐ話すわ、と言った理由がその後に続いていますが、その文章を直訳すると、「ジョーイはさっき私に質問していた。彼のドルをバーモントのお金に交換する(換金する)方法を」になりますね。
さきほど出てきた、「ジョーイはバーモントを外国(おそらくカナダ)だと思っている」という話の続きが、シーンの最後でまたオチとして使われているということです。
バーモントで使われている通貨にどうやって交換したらいいのかな?って聞いてたぐらいだから、バーモントに行こうと思ってる話はかなりマジで、ぼやぼやしてるとバーモントに旅立っちゃいそうな勢いだった、だから、「私ならすぐに話すわ」と表現して、早くジョーイに話した方がいいわよ、とロスの背中を押していることになる、ということですね。
ちなみに、このように「私なら〜する」と表現してアドバイスするというセリフは、過去のフレンズにも何度も登場しています。
その中でも、過去記事、私なら彼女に近づかない フレンズ7-4その6 の以下のやりとりが、例としてわかりやすいと思ったので、併せてご紹介しておきますね。
ロス: Okay, (gets up) if you'll excuse me, I-I'm gonna go hang out with some people who don't know the Space Mountain story. (よし、[立ち上がる] 失礼させてもらえるなら、僕はこれから、スペース・マウンテンの話を知らない人たちと一緒に過ごしに行くよ。)
モニカ: Then I'd steer clear of Phoebe. (そういうことなら、私ならフィービーに近づかないわ。)
「スペース・マウンテンの話」というのは、ロスにとっては人に知られたくない恥ずかしい話で、さんざんその話でイジられたことに疲れたロスは、「その話を知らない人と遊んでくるね」みたいに言うのですが、モニカは「私ならフィービーに近づかない」、つまり、「ロスはフィービーに近づかない方がいい」と言ったことで、フィービーにもその話が伝わっていること、モニカがフィービーにそのことを話してしまったことがわかる、という仕組みです。
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ネイティブの人はこの would を実にさらっと使うのですが、そういう would は辞書の定義を見ても、いまいちピンと来ないことも多いので、would の様々なニュアンスを学ぶのに、前後の文脈があるセリフで理解することは、非常に効果的だと思っています。
このエピソードを、DVDの英語字幕で鑑賞している時に、
ロス: I'll talk to him.
モニカ: I'd do it soon.
というやりとりを見て、どうして主語が「僕が」「私が」になっているんだろう、モニカは自分で言うつもりはないはずなのに、、と「引っ掛かる」ことが、そういう would を学ぶ糸口になっていると私は思っています。
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