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前回の続きです。
ジョーイは、「俺は子供たちのメンター(ロールモデル)でもあるんだ」と言おうとして、a mentor ではなく、間違って a mento と言っています。
a mento だと、お菓子のメントス(mentos)の単数形になってしまうので、インタビュアーは、"A mento?" 「メントーなの?」と聞き返すのですが、ジョーイは間違いに気づく様子もなく、"Right." と答えた続きのシーン。
インタビュアー: Like the candy? (キャンディーみたいなもの?)
ジョーイ: Matter of fact, I do. (実は、俺はキャンディーは好きなんだよ。)
(Chandler tries to jump over the couch but everyone stops him.)
チャンドラーはカウチを乗り越えようとするが、みんなが彼を止める。
インタビュアー: Well umm, another thing our readers always want to know is how soap stars stay in such great shape. Do you have some kind of fitness regime? (えーっと、読者がいつも知りたいと思う、もう一つのことは、ソープ(オペラ)のスターは、どうやってそんな素晴らしい体型(or 体調)を維持してるのかってことなの。何か、フィットネスの方法があるの?)
ジョーイ: Uh, we stars usually just try to eat right and get lots of exercise. (あぁ、俺たちスターはいつも、きちんと食事して、エクササイズをたくさんするようにしてるよ。)
前回からのメントー(メントス)の話の続きとなっている、"Like the candy?" "Matter of fact, I do." というやりとりはなかなか面白いですね。
これは、like という単語に2つの意味があることを利用したオチになっています。
インタビュアーが、"Like the candy?" と尋ねたのは、"A mento is (something) like the candy?" 「メントーっていうのは、キャンディーみたいなもの?」という意味。
それに対してジョーイが、"Matter of fact, I do." と答えていますが、これを省略しないで完全な文で言おうとすると、"As a matter of fact, I like the candy." と言っていることになるでしょう。
I do. という返事の do は、直前のインタビュアーが使った「一般動詞」の言い換えになりますから、そのジョーイの返事から、ジョーイは like を「(一般)動詞」だと捉えて、I do. (= I like the candy.) と答えたということになるわけです。
ですからジョーイは、インタビュアーの Like the candy? を、Do you like the candy? 「あなたはキャンディーが好き?」という質問だと勘違いした、ということですね。
ジョーイが、I do. と答える前に、もったいぶった感じで、(as a) matter of fact 「実は、実を言うと、実際のところ」という言葉が挿入されているのも、「君は意外に思うかもしれないけど、何を隠そうこの俺は、キャンディーが大好きなんだよ」のように答えた感じを出すのに一役買っていると思います。
インタビュアーは、a mento の話の続きとして、「それって、キャンディーみたいなもの?」と尋ねたわけですが、ジョーイの中では、a role model の話はすでに終わっていて、唐突に「(あなた、)キャンディーは好き?」と尋ねられたと思ったため、「そんな質問をわざわざするくらいだから、俺はキャンディーとか嫌いに見えるのかもしれないけど、実のところ俺は、キャンディーは大好きだよ」と答えた感じが、Matter of fact, I do. のニュアンスだと思われるということです。
前回の記事でも説明したように、インタビュアーは、このやりとりの中では一切、a mentor (メンター)という正しい単語を口に出してはいません。
ですが、"A mento?" と尋ねることで、「a mento っていうのはメントスってキャンディーのことで、それを言うなら、a mentor じゃないの?」というニュアンスで助け舟を出したようになっていたのに、そのヒントにも気付かない上に、「キャンディーみたいな?」と尋ねた質問を「キャンディーは好き?」だと勘違いして、トンチンカンな答えをしているジョーイが、「まだ、わかってないのか!」的に面白いわけです。
a mentor という正しい単語で訂正することなく、a mento で(脚本上)話を続けたからこそ、この Like the candy? ネタのオチを作ることもできた、ということですね。
そんなジョーイを見かねて、「あぁ、もう俺が止めてくる!」みたいにカウチを乗り越えようとするチャンドラー、それを必死に止めるフレンズたちも楽しいです。
話がちぐはぐなまま、インタビュアーは次の質問に進みます。
another thing our readers always want to know is how soap stars stay in such great shape. は長いセリフですが、とにかくこういうものは、文の最後まで待たずに、聞こえた順番でイメージしていくことが大切で、前からイメージしてみると、「もう一つ別のこと、私たちの読者がいつも知りたいと思う、は、どんな風に、ソープ(オペラ)のスターが、そんな素晴らしい shape を維持するのか」になるでしょう。
ラフに訳すと、「読者が知りたいと思っていることがもう一つあるんだけど、あなたたちスターは、どんな風に素晴らしい shape を維持してるわけ?」みたいなことですね。
stay in such great shape という表現について。
in good shape に代表されるような、shape が使われているこういうフレーズを英英辞典で調べると、もっぱら「良い体調(健康状態)」という意味で説明されています(後で詳しく述べます)。
また、英和辞典では「良い体調」という意味以外に、「良い体型」という意味も載っています。
英辞郎では、
stay in good shape=体形[体調]を保つ
体型を保つ=keep [stay] in shape [fit]
また、
研究社 新英和中辞典では、
She has a slender shape. 彼女はすらりとした体つきをしている。
という例文も出ています。
shape の基本語義は「形、かっこう」で、「姿、外見、様子」という意味もあることから、「体型」という意味で理解するのは受け入れやすいですが、「体調」を表すのにも使えるということです。
ですから、stay in great shape というフレーズ自体は、「素晴らしい体型を維持する」または「素晴らしい体調・健康状態を維持する」のどちらにも解釈できる、ということになりますね。
今回のセリフについては、DVDの日本語訳では、
(字幕)読者の関心が強いのは スターの体型維持のコツよ
(音声)それから、うちの読者が特に知りたがってるのが、昼メロのスターは、どうやって体形を維持してるのか、ってことなの。
となっていました。
その質問をしている時のインタビュアーは、ジョーイの体の方にチラッと視線を向けているような気がしますし、ファンが知りたいと思う質問としては、「どうして体調が良いのか?」よりも、「どうしてそんな体型をキープできるのか」の方がもっともらしい気はしますよね。
テレビで見ている視聴者は、体調が良いなどという内面のことはわからないから、きっと見た目の話をしているのだろう、と。
また、ファンが興味があるのも、体調管理ではなく、体型キープの方法だろうと思われるので^^
なので、このセリフの意味としては、「スターはどうやって体型を維持しているのか?」という話だと解釈するのが自然だろうと思いました。
ただ、今回はそっち(体型の話)だろうとは思うのですが、英英辞典では、stay in shape, in great shape というフレーズの意味は、「体調」の意味で説明されているので、そのことを以下で少し説明させていただきますね。
日本人は「シェイプアップ」のような言葉のイメージから、good shape, great shape と聞くと、「良い体型・スタイル」しか逆に浮かばないだろうと思うので、「体型、スタイル」という見た目の話ではない、「コンディション、健康が良い」という意味もあるということを、この機会に確認しておいた方がいいかな、と思ったわけです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、「体調」の意味で以下のような様々なフレーズが紹介されていました。
2. in good/bad/poor etc. shape : in good, bad etc. condition, or in good, bad etc. health
3. in shape/out of shape : in a good or bad state of physical fitness
keep/stay in shape
He plays basketball to keep in shape.
in good/awful/great etc. shape
Eddie is in better shape than anyone else on the team.
つまり、2. の in good/bad shape は「体調(コンディション)や健康が良い・悪い」。
3. の in shape/out of shape は「体の健康が良い・悪い」。
例文は、「彼は体調維持のために、バスケットボールをする」。「エディーはチームの誰よりも体調・調子が良い」。
stay in shape と in great shape という例がロングマンに出ていますが、それを組み合わせると、今回のセリフの、stay in (such) great shape になるわけで、そういう意味でも今回のセリフは、英英の語義をそっくり当てはめると、「素晴らしい体調を維持する」という風に解釈することも十分可能だと思うわけです。
ただ、今回のセリフについて言うと、話の流れと内容から、「体型維持」の話をしているのだろうと判断できる、ということですね。
その後に続く質問、Do you have some kind of fitness regime? について。
fitness は「フィットネス」という日本語になっていますが、元々は「フィットすること」→「適合、適合性」という意味で、そこから「健康状態の良好・健康」という意味としても使われます。
改めて、英英辞典の語義を見ておくと、
fitness : the condition of being healthy and strong enough to do hard work or sports
つまり、「健康であり、重労働やスポーツをするのに十分に強い体調」。
regime という単語は「体制、政権」という意味で、a puppet regime なら「傀儡(かいらい)政権」、the ancient regime なら「旧制度、旧体制」という意味になります。
世界史で「アンシャン・レジーム」(ancien regime)という言葉が出てきたのですが、それも、1789年フランス革命以前の「旧社会・政治体制」を指す言葉でした。
そのように regime は政治・制度の話では「体制、政権」という意味でよく使われるのですが、今回のセリフの regime は、regimen の意味で使われています。
英和辞典でも、英英辞典でも、regime の語義説明として、= regimen という記載があります。
その regimen の意味を見てみると、研究社 新英和中辞典では、
regimen 【名】【C】 〔医〕 (ダイエット・運動などによる)摂生、養生法、食養生
keep to a prescribed regimen 処方された養生法を守る。
と出ています。
LAAD では、
regimen : (formal) a special plan for food, exercise etc. that is intended to improve your health
例) a fitness regimen
つまり、「健康を促進することを目的とする食べ物や運動(エクササイズ)の特別なプラン」。
例は、「健康養生(ようじょう)法」。
「養生(ようじょう)」と表現すると、何だか古めかしい感じがしてしまいますが、要は、健康維持・体型維持のためのフィットネスプランみたいなものはあるのか?と尋ねていることになるでしょう。
その質問に対して、we stars usually 「俺たちスターは、たいてい…」みたいに答えているのも面白いですね。
インタビュアーが、soap stars と表現したことに気を良くして、「そうだね、俺たち、ソープオペラのスターたちは」と得意げに答えたことになるでしょう。
eat right は「正しい食事をする、きちんと食べる」、get lots of exercise は「たくさんエクササイズをする」ですね。
えらく、かっこいいことを言っているのですが、その後に続く回想シーンでは、ジョーイはそれと正反対なことをしているシーンが次々と登場することになるのも、コメディーのお約束的展開で面白いなと思いました。
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2014年08月29日
2014年08月27日
メントスとメンター フレンズ8-19その2
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ジョーイは、コーヒーハウスのセントラルパークで、女性のインタビュアーから質問を受けています。
フレンズたちは、他人のふりをしながらも、すぐそばのソファに座って、ジョーイが失言しないかを心配しながら、二人の話を耳をそばだてて聞いています。
インタビュアー(The Interviewer): Okay, how about when you're not working. What do you do in your spare time? (それじゃあ、あなたが仕事をしていない時はどう? 空いた時間には何をするの?)
(ここに、過去エピソードの回想シーンが入りますが、ブログ解説では省略します)
ジョーイ: In my spare time, I uh, read to the blind. And I'm also a mento for kids. (The gang shake their heads.) ((仕事のない)空いた時間には、俺は目の見えない人に本を読んでる。それから子供たちのメントー[メントス]でもあるよ。[フレンズたちは首を振る(と、ト書きには書いてありますが、実際には「え?」という顔をする程度)])
インタビュアー: A mento? (メントー?)
ジョーイ: Y'know, a mento. A role model. (Chandler bites his fist to keep from talking.) (ほら、メントー。ロールモデル(手本・模範になる人)のことだよ。[チャンドラーはしゃべりたいのを我慢するのにこぶしを噛む])
インタビュアー: A mento? (メントーなの?)
ジョーイ: Right. (そうだ。)
spare time は「空き時間、余暇」ですね。
「仕事をしていない余暇(空き時間)には、あなたは何をするの?」ということで、「暇な時とかは、普段は何をしているのかしら?」と尋ねている感覚になります。
ジョーイは、I read to the blind. と答えています。
the blind は「盲目の人、目が見えない・目の不自由な人」ということですね。
the+形容詞で、「(形容詞の状態)の人」を指すことになります。
read to someone は「人に(何かを)読んで聞かせる」という意味で、「人に何かを読んで聞かせる」という場合には、read someone something という、SVOO の形を取ることもできます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
read : READ AND SPEAK
to say the written words in a book, newspaper etc. so that people can hear them
read somebody something
例1) Daddy, will you read me a story?
read (something) to somebody
例2) Mom always read to us at bedtime.
つまり、「本や新聞などに書かれた文字を口に出す。そうすることで人がそれを聞くことができるように」。
例文1は、「パパ、私にお話を読んで(聞かせて)くれる?」。例文2は、「ママはいつも寝る前に、私たちに(本を)読んで聞かせてくれた」。
(ちなみに、例文2の read は過去形(発音は [red](レッド))。「いつも読んで聞かせてくれる」という現在形なら、reads のように3単現の -s がつくことになります。)
文字が読めない目の不自由な人のために、本を読み聞かせるボランティアをしている、とジョーイは言いたいのですね。
雑誌の読者に良い印象を持ってもらうために、そういう活動をしていると言っていることになります。
次の、And I'm also a mento for kids. について。
ジョーイがそう言った後、フレンズたちは「え?」という感じで固まり、インタビュアーも、「あなた、今、a mento って言った?」のように聞き返していますね。
その後、ジョーイが、"Y'know, a mento. A role model." 「ほら、メントーだよ。ロール・モデル(のこと)」と答えたことで、ジョーイが言葉を間違って使っていたことがわかる仕組みです。
ジョーイは、a mento (発音は「メントウ、メントゥ」という感じで、語尾の o は二重母音の「オウ、オゥ」[ou])と言っていますが、それだと、mentos 「メントス」というお菓子の「単数形」を指すことになってしまいます。
メントスは日本でも売っているのでご存知の方も多いでしょう。
Wikipedia 日本語版: メントス
「メントゥ?(メントスの単数形?)」みたいに聞き返されたジョーイは、その単語が間違っていることに気づかず、「a mento だよ。A role model のことだよ」と別の言葉で言い換えています。
a role model 「ロールモデル。お手本・模範となる人」という意味で、a mento と間違えそうな単語と言えば、それは、a mentor になります。
意味は「良き指導者・助言者」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
mentor : an experienced person who advises, encourages, and helps a less experienced person
つまり、「より経験の少ない人にアドバイスしたり、励ましたり、助けたりする、経験豊かな人」。
日本語でも「メンター」のようなカタカナの言葉で使われることがありますが、英語の mentor の発音は、「メントァ または メンター」のようになります。
Merriam-Webster Dictionary : mentor では、その2種類の発音記号が表示されています。
ジョーイはどこかで、a role model と同じ意味である、a mentor という言葉を聞いたことがあって、知的な感じでそれをインタビューの答えに使おうとして、間違ってお菓子の名前を言ってしまった、ということになります。
そのジョーイの発言を聞いた後の、チャンドラーのト書きが面白いですね。
keep from doing は「〜することを避ける、〜しないようにする」という感覚。
「お前が言おうとしているのは、a mentor だろ!」と言ってしまいたくなるのを我慢して、こぶしをぐぐっと噛んでいることになります。
ジョーイが言い間違いに気づかないので、インタビュアーはもう一度、「あなたが言いたいのは、本当に a mento なの?」と聞き返していますが、ジョーイはその質問を不思議に思うことなく、「そうだ」と答えます。
インタビュアーが "A mento?" と聞き返すセリフは、DVDの日本語訳では「メンターじゃなくて?」と訳されていました。
これは、訳者の方が、日本人にわかりやすいように、「情報を補足する形で訳した」ことになりますね。
今回の英語のやりとりでは、本来ジョーイが使うべき言葉だった mentor という正しい単語は、実は一度も登場しません。
"You mean a mento? Not a mentor?" 「あなたが言っているのは、メントー[メントス]? メンター(ロールモデル)じゃなくて?」のように、「正しい単語」を出して、丁寧に聞き返してしまうと、さすがのジョーイも気づいてしまう、、というか、「ジョーイはずっと、メンターをメントーだと勘違いしている」ということで笑いを取るのが難しくなってしまいます。
ずっとジョーイに勘違いさせたままにするためにも mentor という正しい単語は使えないし、また、英語圏の人は、ジョーイが、a role model だと言い換えたことで、ジョーイは本当はメンターと言いたかったことがわかるので、わざわざ説明チックに、「それって、mentor の間違いよね」とセリフで言わせる必要もないわけです。
ですが! その「あえて mentor という言葉を使わない」という英語のセリフをそのまま日本語に訳すと、role model の意味を持つ、mentor という単語を知っている人以外は、「ジョーイはメントスを何と勘違いしてるの?」となってしまいますよね。
だから、英語では「メントー?(メントス?)」みたいにおうむ返しに聞き返したセリフを、「メンターじゃなくて?」と「正しい言葉はこっちよね?」と聞き返した風に訳さないと、日本人には説明不足になってしまうわけです。
英語では一切、mentor という単語を出していないという「面白さ」は、やはり「英語で見る」ことでしか気づけないということで、そこが「英語のコメディーを英語で理解する楽しさ、面白さ」ということにもなるでしょう。
また、今回のように「よく似た音の英単語を使ったジョーク」は、日本語でカタカナ表記にするのも難しい部分です。
英語のセリフでは、a mento と a mentor とを間違っていることになっていますが、DVDの日本語訳ではそれぞれ、「メントス」「メンター」と訳されていました。
日本人は「メントス」という複数形なら、あのお菓子の名前だとわかるけれど、ジョーイの言った通りの単数形で「メントゥ(メントー)」とカタカナにしてしまうと、それが「メントス」のことだとわかりませんよね。
ただ、実際の英語のセリフでは、「メントス」の単数形である「ア・メントゥ」と言っているから、それとよく似た a mentor 「ア・メントァ」と間違っているのが瞬時にわかって面白いわけで、日本語訳の「メントス」と「メンター」ほどには、実際の英語の発音は違わない、というのがポイントでもあるわけです。
こういう英語のダジャレ的な部分は、やはり原語である英語を確認しないことには、脚本家が意図した本当の面白さはわからないのだな、ということがよくわかります。
「メントス」と複数形にしてしまうと「よく似た発音」であることがわかりにくくなる、でも「メントゥ」としてしまうと「メントス」というお菓子だとわからなくなる、、というところが、「英語のセリフの面白さを、100%、日本語訳に反映することはできない」という葛藤であるとも言えそうですね。
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インタビュアー(The Interviewer): Okay, how about when you're not working. What do you do in your spare time? (それじゃあ、あなたが仕事をしていない時はどう? 空いた時間には何をするの?)
(ここに、過去エピソードの回想シーンが入りますが、ブログ解説では省略します)
ジョーイ: In my spare time, I uh, read to the blind. And I'm also a mento for kids. (The gang shake their heads.) ((仕事のない)空いた時間には、俺は目の見えない人に本を読んでる。それから子供たちのメントー[メントス]でもあるよ。[フレンズたちは首を振る(と、ト書きには書いてありますが、実際には「え?」という顔をする程度)])
インタビュアー: A mento? (メントー?)
ジョーイ: Y'know, a mento. A role model. (Chandler bites his fist to keep from talking.) (ほら、メントー。ロールモデル(手本・模範になる人)のことだよ。[チャンドラーはしゃべりたいのを我慢するのにこぶしを噛む])
インタビュアー: A mento? (メントーなの?)
ジョーイ: Right. (そうだ。)
spare time は「空き時間、余暇」ですね。
「仕事をしていない余暇(空き時間)には、あなたは何をするの?」ということで、「暇な時とかは、普段は何をしているのかしら?」と尋ねている感覚になります。
ジョーイは、I read to the blind. と答えています。
the blind は「盲目の人、目が見えない・目の不自由な人」ということですね。
the+形容詞で、「(形容詞の状態)の人」を指すことになります。
read to someone は「人に(何かを)読んで聞かせる」という意味で、「人に何かを読んで聞かせる」という場合には、read someone something という、SVOO の形を取ることもできます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
read : READ AND SPEAK
to say the written words in a book, newspaper etc. so that people can hear them
read somebody something
例1) Daddy, will you read me a story?
read (something) to somebody
例2) Mom always read to us at bedtime.
つまり、「本や新聞などに書かれた文字を口に出す。そうすることで人がそれを聞くことができるように」。
例文1は、「パパ、私にお話を読んで(聞かせて)くれる?」。例文2は、「ママはいつも寝る前に、私たちに(本を)読んで聞かせてくれた」。
(ちなみに、例文2の read は過去形(発音は [red](レッド))。「いつも読んで聞かせてくれる」という現在形なら、reads のように3単現の -s がつくことになります。)
文字が読めない目の不自由な人のために、本を読み聞かせるボランティアをしている、とジョーイは言いたいのですね。
雑誌の読者に良い印象を持ってもらうために、そういう活動をしていると言っていることになります。
次の、And I'm also a mento for kids. について。
ジョーイがそう言った後、フレンズたちは「え?」という感じで固まり、インタビュアーも、「あなた、今、a mento って言った?」のように聞き返していますね。
その後、ジョーイが、"Y'know, a mento. A role model." 「ほら、メントーだよ。ロール・モデル(のこと)」と答えたことで、ジョーイが言葉を間違って使っていたことがわかる仕組みです。
ジョーイは、a mento (発音は「メントウ、メントゥ」という感じで、語尾の o は二重母音の「オウ、オゥ」[ou])と言っていますが、それだと、mentos 「メントス」というお菓子の「単数形」を指すことになってしまいます。
メントスは日本でも売っているのでご存知の方も多いでしょう。
Wikipedia 日本語版: メントス
「メントゥ?(メントスの単数形?)」みたいに聞き返されたジョーイは、その単語が間違っていることに気づかず、「a mento だよ。A role model のことだよ」と別の言葉で言い換えています。
a role model 「ロールモデル。お手本・模範となる人」という意味で、a mento と間違えそうな単語と言えば、それは、a mentor になります。
意味は「良き指導者・助言者」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
mentor : an experienced person who advises, encourages, and helps a less experienced person
つまり、「より経験の少ない人にアドバイスしたり、励ましたり、助けたりする、経験豊かな人」。
日本語でも「メンター」のようなカタカナの言葉で使われることがありますが、英語の mentor の発音は、「メントァ または メンター」のようになります。
Merriam-Webster Dictionary : mentor では、その2種類の発音記号が表示されています。
ジョーイはどこかで、a role model と同じ意味である、a mentor という言葉を聞いたことがあって、知的な感じでそれをインタビューの答えに使おうとして、間違ってお菓子の名前を言ってしまった、ということになります。
そのジョーイの発言を聞いた後の、チャンドラーのト書きが面白いですね。
keep from doing は「〜することを避ける、〜しないようにする」という感覚。
「お前が言おうとしているのは、a mentor だろ!」と言ってしまいたくなるのを我慢して、こぶしをぐぐっと噛んでいることになります。
ジョーイが言い間違いに気づかないので、インタビュアーはもう一度、「あなたが言いたいのは、本当に a mento なの?」と聞き返していますが、ジョーイはその質問を不思議に思うことなく、「そうだ」と答えます。
インタビュアーが "A mento?" と聞き返すセリフは、DVDの日本語訳では「メンターじゃなくて?」と訳されていました。
これは、訳者の方が、日本人にわかりやすいように、「情報を補足する形で訳した」ことになりますね。
今回の英語のやりとりでは、本来ジョーイが使うべき言葉だった mentor という正しい単語は、実は一度も登場しません。
"You mean a mento? Not a mentor?" 「あなたが言っているのは、メントー[メントス]? メンター(ロールモデル)じゃなくて?」のように、「正しい単語」を出して、丁寧に聞き返してしまうと、さすがのジョーイも気づいてしまう、、というか、「ジョーイはずっと、メンターをメントーだと勘違いしている」ということで笑いを取るのが難しくなってしまいます。
ずっとジョーイに勘違いさせたままにするためにも mentor という正しい単語は使えないし、また、英語圏の人は、ジョーイが、a role model だと言い換えたことで、ジョーイは本当はメンターと言いたかったことがわかるので、わざわざ説明チックに、「それって、mentor の間違いよね」とセリフで言わせる必要もないわけです。
ですが! その「あえて mentor という言葉を使わない」という英語のセリフをそのまま日本語に訳すと、role model の意味を持つ、mentor という単語を知っている人以外は、「ジョーイはメントスを何と勘違いしてるの?」となってしまいますよね。
だから、英語では「メントー?(メントス?)」みたいにおうむ返しに聞き返したセリフを、「メンターじゃなくて?」と「正しい言葉はこっちよね?」と聞き返した風に訳さないと、日本人には説明不足になってしまうわけです。
英語では一切、mentor という単語を出していないという「面白さ」は、やはり「英語で見る」ことでしか気づけないということで、そこが「英語のコメディーを英語で理解する楽しさ、面白さ」ということにもなるでしょう。
また、今回のように「よく似た音の英単語を使ったジョーク」は、日本語でカタカナ表記にするのも難しい部分です。
英語のセリフでは、a mento と a mentor とを間違っていることになっていますが、DVDの日本語訳ではそれぞれ、「メントス」「メンター」と訳されていました。
日本人は「メントス」という複数形なら、あのお菓子の名前だとわかるけれど、ジョーイの言った通りの単数形で「メントゥ(メントー)」とカタカナにしてしまうと、それが「メントス」のことだとわかりませんよね。
ただ、実際の英語のセリフでは、「メントス」の単数形である「ア・メントゥ」と言っているから、それとよく似た a mentor 「ア・メントァ」と間違っているのが瞬時にわかって面白いわけで、日本語訳の「メントス」と「メンター」ほどには、実際の英語の発音は違わない、というのがポイントでもあるわけです。
こういう英語のダジャレ的な部分は、やはり原語である英語を確認しないことには、脚本家が意図した本当の面白さはわからないのだな、ということがよくわかります。
「メントス」と複数形にしてしまうと「よく似た発音」であることがわかりにくくなる、でも「メントゥ」としてしまうと「メントス」というお菓子だとわからなくなる、、というところが、「英語のセリフの面白さを、100%、日本語訳に反映することはできない」という葛藤であるとも言えそうですね。
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2014年08月25日
その単語のスペルは負け犬? フレンズ8-19その1
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シーズン8 第19話
The One With Joey's Interview (ジョーイのインタビュー大作戦!)
原題は「ジョーイのインタビューの話」
[Scene: Monica and Chandler's, everyone except Phoebe is there as Rachel enters carrying a magazine.]
モニカとチャンドラーの家。フィービー以外のみんながそこにいて、そこにレイチェルが雑誌を持って入ってくる。
レイチェル: Hi! (はーい!)
ロス: Hey! (やあ!)
モニカ: Hey! (はーい!)
レイチェル: So I'm in my apartment doing the Soap Opera Digest crossword puzzle, and guess who is the clue for three down? (She hands the magazine to Joey.) (それでね、私は自分のアパートメントで、「ソープオペラ・ダイジェスト」のクロスワードをやってるのよ。で、タテの3のカギ(ヒント)は誰だと思う? [レイチェルはその雑誌をジョーイに手渡す])
ジョーイ: (reading) Three down, "Days Of Our Lives star, blank Tribbiani." That's me!! I'm blank!! ([読んで] タテの3、「デイズ・オブ・アワ・ライブズ(愛の病院日誌)のスター、「空白」トリビアーニ」。それって俺だ! 俺が空白だ!)
モニカ: How cool is this?! We know three down! I'm touching three down! (She has her hand on his shoulder.) (これってなんてかっこいいの! 私たちは「タテの3」を知ってるのよ! 私(今)、タテの3に触ってる! [モニカは自分の手をジョーイの肩に置く])
ジョーイ: Yeah, you are, baby. (あぁ、そうだね、ベイビー。)
モニカ: Three down knows I'm married. What's three down doin'? (タテの3は私が既婚だって知ってるわよね。タテの3は(一体)何やってるの?)
ジョーイ: Sorry. (ごめん。)
レイチェル: So do they call you to tell you your name's gonna be in this? (それで、あなたの名前がこの(クロスワードの)中に入ることになるって、(出版社から)あなたに電話はあるの?)
ジョーイ: No. They really like me over there. They wanted to do a big profile on me, but I said no. (いいや(電話はないよ)。あそこの人(出版社の人たち)は、俺をほんとに気に入っててね。俺を大きく紹介する記事を書きたいって言ってたんだけど、でも、俺は断った。)
ロス: Why'd you say no? (どうして断ったの?)
ジョーイ: Remember what happened the last time I did an interview for them? I said I write a lot of my own lines, and then the writers got mad and made my character fall down the elevator shaft. So who knows what I might say this time. (ソープオペラ・ダイジェストのインタビューを、俺が前に受けた時に、何が起こったか覚えてるだろ? 俺が俺のセリフの大部分を書いてるって言ったら、脚本家が怒って、俺のキャラクター(ドクター・ラモレー)をエレベーター・シャフトに落としたんだ。だから、今回も俺がどんなことを言うかもしれないってことは誰にもわからないだろ?)
チャンドラー: If only there was something in your head to control the things you say. (Joey nods his agreement.) (お前の頭に、お前が言うことをコントロールするものがあればねぇ。[ジョーイは同意してうなずく])
レイチェル: Oh, come on, Joey! You will totally keep it in check this time. And plus, y'know the publicity would be really good for your career! And you deserve that! And if you do the interview, you can mention, oh I don't know, "gal pal Rachel Green?" (ねぇ、お願いよ、ジョーイ! あなたは今回はちゃんと制御できるわ。それに、ほら、宣伝(人に知ってもらうこと)はあなたのキャリアにとって本当に良いことになるもの! そしてあなたにはその資格があるもの! それにもし、あなたがインタビューを受けたら、こんな風に言えるでしょ、ほら、よくわからないけど、「ギャルパル(女友達)のレイチェル・グリーン」とか?)
チャンドラー: Is that "gal pal" spelled L-O-S-E-R? (その”ギャル・パル”のスペルは、LOSER(負け犬)かな?)
レイチェル: Okay, don't listen to him. Please? (もう、チャンドラーの言うことなんか聞かないで。いいでしょ?)
レイチェルは、I'm in my apartment doing... というセリフを言っています。
今、モニカとチャンドラーの家に入って来たところなので、「私は(今)自分のアパートメントで〜をしているところ」というのはちょっと不思議な感じがしますが、これは「さっき、自分のアパートでしていたことを、臨場感を持って語っている」というニュアンスになるでしょう。
guess who の guess は「推測する、推量する」なので、Guess who...? なら「誰だと思う? 誰だか当ててみて」というクイズを出している感覚になります。
そのような言葉が後から続くことからも、まるで日本語のクイズの前振りのように、「私は今、アパートでクロスワードをしています。さてそのクロスワードに出てきた人は誰でしょう?」という感じで、現在形が使われているのもわかりやすい気がしますね。
「ソープオペラ・ダイジェスト」は、ソープオペラ、つまり昼メロの情報が載っている雑誌。
クロスワードの話なので、the clue for three down は、「タテの3のカギ・ヒント」になります。タテは down で、ヨコは across になります。
それを聞いたジョーイは、ソープオペラ・ダイジェストのクロスワードを声に出して読んでいます。
blank は「空白、空欄」ですね。
「デイズ・オブ・アワ・ライブズ(愛の病院日誌)のスター、○○(空白)・トリビアーニ」と書いてあるのを読んで、「それって俺(のこと)じゃん! 俺がブランク(空白)だ!」と喜んでいるのが微笑ましいです。
自分の友人であるジョーイが、クロスワードの「タテの3」になっていることをモニカは喜んでいます。
ジョーイのことを何度も「タテの3」と表現して、「私はタテの3と知り合いで、今もこうしてタッチしてるのよ」と面白がっている様子。
ジョーイの Yeah, you are, baby. は、Yeah, you are touching three down, baby. ということで、「あぁ、そうだね、君は今、「タテの3」(=俺)に触ってるんだよ、ベイビー」と、モニカの発言を繰り返している感覚になります。
プレイボーイのジョーイっぽく、ちょっと、くどきモードでそう言ったので、モニカはまた「タテの3」という言葉を使って、「タテの3は、私が結婚してるって知ってるのに、そんな色目使って、一体何やってるのよ」とからかうことになります。
次のレイチェルの質問、So do they call you to tell you your name's gonna be in this? について。
これは、「で、あなたの名前がこのクロスワードに載ることになる、ってことを言うために、彼らはあなたに電話するの?」という感じですね。
they は「この雑誌社の人」を漠然と指す感覚になります。
ジョーイは、No. と言って、「いや、電話連絡はないんだ」と答えた後、They really like me over there. と言っています。
over there は「あそこでは、むこうでは」という感覚なので、「その出版社では、彼ら(そこで働いている人たち)が、俺のことを本当に気に入っているんだ」と言っていることになるでしょう。
They wanted to do a big profile on me の profile は日本語の「プロフィール」の感覚、つまり「人物紹介」ということですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
profile [noun] : a short description that gives important details about a person, a group of people, or a place
つまり、「ある人、人々のグループ、場所に関する重要な詳細を説明する短い記述(解説)」。
do a big profile on me を直訳すると、「俺について、大きな人物紹介をする」という感じなので、「俺を大きく紹介する(記事を書く)」ということになるでしょう。
その後ジョーイは、「でも俺はノーと言った、それを断った」と言っていますね。
ロスに理由を問われたジョーイは、「彼ら(ソープオペラ・ダイジェスト)のために、俺がインタビューを受けた時に、何が起こったか覚えてるだろ?」と言っています。
その後、続けて、その時のことを、ジョーイ自ら説明していますね。
「俺が俺のセリフの多くを書いてる、って俺は言って、そしたらライター(脚本家)が怒って、俺のキャラクター(ドクター・ラモレー)をエレベーターシャフトに落ちるようにした」ということになります。
これは、フレンズ2-18その8 に出てきたお話ですね。
脚本家が実際に、キャラを突き落すわけではないので(笑)、「そういう展開になるように脚本を書くことで、ラモレーがエレベーターシャフトに落ちるようにした」という使役の感覚になります。
Who knows...? は、「誰が…を知っているのか? 知っていると言うのか?」→「いや、誰も知らない、誰にもわからない」という修辞疑問。
「今回、俺が何を言うかもしれないかは誰にもわからない」ということで、前にあんなことがあったから、今回もマズいことを言っちゃうかもしれない、だからインタビューされる前に断っちゃったんだよ、と言っていることになります。
If only there was something... について。
この if only は、「ただ〜でありさえすればいいのに」という感覚。
LAAD では、
if only : used to express a strong wish, especially when you know what you want cannot happen
例) If only I could be 18 again!
つまり、「強い願いを表現するのに使われる。特に望むことが起こることはありえないとわかっている時」。例文は、「もう一度、18歳になれさえすればいいのに!」
ちなみに、上の語義と例文は、単語 if の欄に載っていたものですが、LAAD では、単語 only の項目にも、同じく if only の意味が載っていて、そちらの例文は、
If only I could be 15 again!
になっていました。
あの頃に戻りたい!という年齢が2つの例文で異なっているのが面白かったのと同時に、どちらも10代なのね、、ということには、妙に納得したりもします^^
語義にあるように「願っていることが起こらないとわかっている」ことから、「現実とは反対の仮定」を表す「仮定法過去」を使うことになるので、ロングマンの例文は could 、そして、チャンドラーのセリフも was という過去形が使われていることになります。
つまりチャンドラーは、「お前が言うことをコントロールするものがお前の頭にあればいいのになぁ」と言っていることになります。
「仮定法過去」で、「それがありさえすればなぁ」と言われているということは、「実際にはそれは存在しない」と言っていることになり、つまり、「お前、自分の発言を、頭でコントロールできてないぞ」とバカにされていることになるのですが、それに対して「うん、発言をコントロールするものが頭にあればいいと思う」みたいに、チャンドラーの皮肉に怒ることなく、うんうんとうなずいているのもジョーイらしいですね。
ジョーイがインタビューを断ったと聞いて、レイチェルは「ねぇ、お願いよ、ジョーイ!」みたいに言って、You will totally keep it in check this time. と言います。
check は「チェック」「検査」みたいな意味が真っ先に浮かぶかと思いますが、keep ... in check というフレーズは、「〜を抑制・防止する」という意味で、この check は「抑制、防止」というニュアンスになります。
LAAD では、
keep/hold something in check : to keep someone or something under control
例) The law is designed to keep rents in check.
つまり、「誰かや何かを、コントロールすること[制御下に置くこと]」。例文は、「その法は家賃のコントロールを目的として作られたものである」。
「発言をコントロールするものが頭にない」みたいにチャンドラーに言われてしまったことに対して、「今度はコントロールできるわよ」と言っているニュアンスですね。
publicity は「宣伝、広告」「世間の注目、広く一般に知れ渡ること」なので、そうやって雑誌に載せてもらって人に知られることは、あなたのキャリアにとっても良いことよと説得していることになります。
deserve は「〜の価値がある、〜を受けるに値する」なので、「あなたはそんな風に雑誌に掲載してもらえる価値がある、その資格は十分にあるわ」と言っていることになるでしょう。
その辺りまでは、「友人として、ジョーイの俳優としてのキャリアを思って言っている」感が出ていますが、その次のセリフは、レイチェルっぽいですね。
「もしあなたがインタビューを受けたら、こんな風に言えるわよ」と言っていますが、その内容はと言うと、gal pal Rachel Green。
gal は「ギャル」で、girl が変形した言葉ですね。pal は「友達」なので、gal pal は「女友達」ということになりますが、-al で韻を踏んだ感じはするものの、その後のチャンドラーがツッコミを入れていることからも、あまりしゃれた表現ではないように思えます。
読者は、ソープオペラ(昼メロ)好きな人なので、そういう人が使いそうな(一昔前の?)言葉みたいなことでしょうか。
それを聞いたチャンドラーの反応は、「今、レイチェルが言った、gal pal っていうのは、LOSER っていう綴りで書くのかな?」ということですね。
「A の単語のスペルは B?」と尋ねるのは、「A は B って意味?」と言っているのと同じことなので、「そのギャルパルっていうのは、負け犬のこと?」とチャンドラーは返していることになります。
友人に雑誌に載るように薦めて、そこで自分が「女友達のレイチェル」のように名前を出してもらおうとしていること、つまり「ジョーイのためになるように言っておいて、実は自分の名前を出して欲しいだけ、という本音がミエミエ」なことを、負け犬っぽい行動だと言っていることになるのでしょう。
チャチャを入れてきたチャンドラーのことを、「彼の言うことなんて聞かないで。お願いだからインタビューを受けてよ」とレイチェルが頼むので、結局、ジョーイはこの後、インタビューを受けることになります。
今回のお話は、この後、実際にインタビューされているジョーイのシーンの間に、「インタビューで質問されて、昔の自分を思い出す」という、過去エピソードの回想シーンが挿入されるパターンのエピソードになっています。
ブログの記事は、回想シーン以外の「新作」部分を解説することになりますが、実際にこのエピソードをご覧になっている方は、回想シーンも思い出して懐かしんでいただけると嬉しいなと思います。
回想シーンで表わされるような「過去の言動」の積み重ねで、今のジョーイというキャラクターが出来上がっているわけですよね。
今回取り上げたシーンも、「その雑誌のインタビューで、昔マズいことを言って、役を降ろされた」ことがネタとして使われていますが、そういう過去の経緯もひっくるめて楽しめるのが、複数のシーズンを重ねたドラマの楽しみとも言えるでしょうね。
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シーズン8 第19話
The One With Joey's Interview (ジョーイのインタビュー大作戦!)
原題は「ジョーイのインタビューの話」
[Scene: Monica and Chandler's, everyone except Phoebe is there as Rachel enters carrying a magazine.]
モニカとチャンドラーの家。フィービー以外のみんながそこにいて、そこにレイチェルが雑誌を持って入ってくる。
レイチェル: Hi! (はーい!)
ロス: Hey! (やあ!)
モニカ: Hey! (はーい!)
レイチェル: So I'm in my apartment doing the Soap Opera Digest crossword puzzle, and guess who is the clue for three down? (She hands the magazine to Joey.) (それでね、私は自分のアパートメントで、「ソープオペラ・ダイジェスト」のクロスワードをやってるのよ。で、タテの3のカギ(ヒント)は誰だと思う? [レイチェルはその雑誌をジョーイに手渡す])
ジョーイ: (reading) Three down, "Days Of Our Lives star, blank Tribbiani." That's me!! I'm blank!! ([読んで] タテの3、「デイズ・オブ・アワ・ライブズ(愛の病院日誌)のスター、「空白」トリビアーニ」。それって俺だ! 俺が空白だ!)
モニカ: How cool is this?! We know three down! I'm touching three down! (She has her hand on his shoulder.) (これってなんてかっこいいの! 私たちは「タテの3」を知ってるのよ! 私(今)、タテの3に触ってる! [モニカは自分の手をジョーイの肩に置く])
ジョーイ: Yeah, you are, baby. (あぁ、そうだね、ベイビー。)
モニカ: Three down knows I'm married. What's three down doin'? (タテの3は私が既婚だって知ってるわよね。タテの3は(一体)何やってるの?)
ジョーイ: Sorry. (ごめん。)
レイチェル: So do they call you to tell you your name's gonna be in this? (それで、あなたの名前がこの(クロスワードの)中に入ることになるって、(出版社から)あなたに電話はあるの?)
ジョーイ: No. They really like me over there. They wanted to do a big profile on me, but I said no. (いいや(電話はないよ)。あそこの人(出版社の人たち)は、俺をほんとに気に入っててね。俺を大きく紹介する記事を書きたいって言ってたんだけど、でも、俺は断った。)
ロス: Why'd you say no? (どうして断ったの?)
ジョーイ: Remember what happened the last time I did an interview for them? I said I write a lot of my own lines, and then the writers got mad and made my character fall down the elevator shaft. So who knows what I might say this time. (ソープオペラ・ダイジェストのインタビューを、俺が前に受けた時に、何が起こったか覚えてるだろ? 俺が俺のセリフの大部分を書いてるって言ったら、脚本家が怒って、俺のキャラクター(ドクター・ラモレー)をエレベーター・シャフトに落としたんだ。だから、今回も俺がどんなことを言うかもしれないってことは誰にもわからないだろ?)
チャンドラー: If only there was something in your head to control the things you say. (Joey nods his agreement.) (お前の頭に、お前が言うことをコントロールするものがあればねぇ。[ジョーイは同意してうなずく])
レイチェル: Oh, come on, Joey! You will totally keep it in check this time. And plus, y'know the publicity would be really good for your career! And you deserve that! And if you do the interview, you can mention, oh I don't know, "gal pal Rachel Green?" (ねぇ、お願いよ、ジョーイ! あなたは今回はちゃんと制御できるわ。それに、ほら、宣伝(人に知ってもらうこと)はあなたのキャリアにとって本当に良いことになるもの! そしてあなたにはその資格があるもの! それにもし、あなたがインタビューを受けたら、こんな風に言えるでしょ、ほら、よくわからないけど、「ギャルパル(女友達)のレイチェル・グリーン」とか?)
チャンドラー: Is that "gal pal" spelled L-O-S-E-R? (その”ギャル・パル”のスペルは、LOSER(負け犬)かな?)
レイチェル: Okay, don't listen to him. Please? (もう、チャンドラーの言うことなんか聞かないで。いいでしょ?)
レイチェルは、I'm in my apartment doing... というセリフを言っています。
今、モニカとチャンドラーの家に入って来たところなので、「私は(今)自分のアパートメントで〜をしているところ」というのはちょっと不思議な感じがしますが、これは「さっき、自分のアパートでしていたことを、臨場感を持って語っている」というニュアンスになるでしょう。
guess who の guess は「推測する、推量する」なので、Guess who...? なら「誰だと思う? 誰だか当ててみて」というクイズを出している感覚になります。
そのような言葉が後から続くことからも、まるで日本語のクイズの前振りのように、「私は今、アパートでクロスワードをしています。さてそのクロスワードに出てきた人は誰でしょう?」という感じで、現在形が使われているのもわかりやすい気がしますね。
「ソープオペラ・ダイジェスト」は、ソープオペラ、つまり昼メロの情報が載っている雑誌。
クロスワードの話なので、the clue for three down は、「タテの3のカギ・ヒント」になります。タテは down で、ヨコは across になります。
それを聞いたジョーイは、ソープオペラ・ダイジェストのクロスワードを声に出して読んでいます。
blank は「空白、空欄」ですね。
「デイズ・オブ・アワ・ライブズ(愛の病院日誌)のスター、○○(空白)・トリビアーニ」と書いてあるのを読んで、「それって俺(のこと)じゃん! 俺がブランク(空白)だ!」と喜んでいるのが微笑ましいです。
自分の友人であるジョーイが、クロスワードの「タテの3」になっていることをモニカは喜んでいます。
ジョーイのことを何度も「タテの3」と表現して、「私はタテの3と知り合いで、今もこうしてタッチしてるのよ」と面白がっている様子。
ジョーイの Yeah, you are, baby. は、Yeah, you are touching three down, baby. ということで、「あぁ、そうだね、君は今、「タテの3」(=俺)に触ってるんだよ、ベイビー」と、モニカの発言を繰り返している感覚になります。
プレイボーイのジョーイっぽく、ちょっと、くどきモードでそう言ったので、モニカはまた「タテの3」という言葉を使って、「タテの3は、私が結婚してるって知ってるのに、そんな色目使って、一体何やってるのよ」とからかうことになります。
次のレイチェルの質問、So do they call you to tell you your name's gonna be in this? について。
これは、「で、あなたの名前がこのクロスワードに載ることになる、ってことを言うために、彼らはあなたに電話するの?」という感じですね。
they は「この雑誌社の人」を漠然と指す感覚になります。
ジョーイは、No. と言って、「いや、電話連絡はないんだ」と答えた後、They really like me over there. と言っています。
over there は「あそこでは、むこうでは」という感覚なので、「その出版社では、彼ら(そこで働いている人たち)が、俺のことを本当に気に入っているんだ」と言っていることになるでしょう。
They wanted to do a big profile on me の profile は日本語の「プロフィール」の感覚、つまり「人物紹介」ということですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
profile [noun] : a short description that gives important details about a person, a group of people, or a place
つまり、「ある人、人々のグループ、場所に関する重要な詳細を説明する短い記述(解説)」。
do a big profile on me を直訳すると、「俺について、大きな人物紹介をする」という感じなので、「俺を大きく紹介する(記事を書く)」ということになるでしょう。
その後ジョーイは、「でも俺はノーと言った、それを断った」と言っていますね。
ロスに理由を問われたジョーイは、「彼ら(ソープオペラ・ダイジェスト)のために、俺がインタビューを受けた時に、何が起こったか覚えてるだろ?」と言っています。
その後、続けて、その時のことを、ジョーイ自ら説明していますね。
「俺が俺のセリフの多くを書いてる、って俺は言って、そしたらライター(脚本家)が怒って、俺のキャラクター(ドクター・ラモレー)をエレベーターシャフトに落ちるようにした」ということになります。
これは、フレンズ2-18その8 に出てきたお話ですね。
脚本家が実際に、キャラを突き落すわけではないので(笑)、「そういう展開になるように脚本を書くことで、ラモレーがエレベーターシャフトに落ちるようにした」という使役の感覚になります。
Who knows...? は、「誰が…を知っているのか? 知っていると言うのか?」→「いや、誰も知らない、誰にもわからない」という修辞疑問。
「今回、俺が何を言うかもしれないかは誰にもわからない」ということで、前にあんなことがあったから、今回もマズいことを言っちゃうかもしれない、だからインタビューされる前に断っちゃったんだよ、と言っていることになります。
If only there was something... について。
この if only は、「ただ〜でありさえすればいいのに」という感覚。
LAAD では、
if only : used to express a strong wish, especially when you know what you want cannot happen
例) If only I could be 18 again!
つまり、「強い願いを表現するのに使われる。特に望むことが起こることはありえないとわかっている時」。例文は、「もう一度、18歳になれさえすればいいのに!」
ちなみに、上の語義と例文は、単語 if の欄に載っていたものですが、LAAD では、単語 only の項目にも、同じく if only の意味が載っていて、そちらの例文は、
If only I could be 15 again!
になっていました。
あの頃に戻りたい!という年齢が2つの例文で異なっているのが面白かったのと同時に、どちらも10代なのね、、ということには、妙に納得したりもします^^
語義にあるように「願っていることが起こらないとわかっている」ことから、「現実とは反対の仮定」を表す「仮定法過去」を使うことになるので、ロングマンの例文は could 、そして、チャンドラーのセリフも was という過去形が使われていることになります。
つまりチャンドラーは、「お前が言うことをコントロールするものがお前の頭にあればいいのになぁ」と言っていることになります。
「仮定法過去」で、「それがありさえすればなぁ」と言われているということは、「実際にはそれは存在しない」と言っていることになり、つまり、「お前、自分の発言を、頭でコントロールできてないぞ」とバカにされていることになるのですが、それに対して「うん、発言をコントロールするものが頭にあればいいと思う」みたいに、チャンドラーの皮肉に怒ることなく、うんうんとうなずいているのもジョーイらしいですね。
ジョーイがインタビューを断ったと聞いて、レイチェルは「ねぇ、お願いよ、ジョーイ!」みたいに言って、You will totally keep it in check this time. と言います。
check は「チェック」「検査」みたいな意味が真っ先に浮かぶかと思いますが、keep ... in check というフレーズは、「〜を抑制・防止する」という意味で、この check は「抑制、防止」というニュアンスになります。
LAAD では、
keep/hold something in check : to keep someone or something under control
例) The law is designed to keep rents in check.
つまり、「誰かや何かを、コントロールすること[制御下に置くこと]」。例文は、「その法は家賃のコントロールを目的として作られたものである」。
「発言をコントロールするものが頭にない」みたいにチャンドラーに言われてしまったことに対して、「今度はコントロールできるわよ」と言っているニュアンスですね。
publicity は「宣伝、広告」「世間の注目、広く一般に知れ渡ること」なので、そうやって雑誌に載せてもらって人に知られることは、あなたのキャリアにとっても良いことよと説得していることになります。
deserve は「〜の価値がある、〜を受けるに値する」なので、「あなたはそんな風に雑誌に掲載してもらえる価値がある、その資格は十分にあるわ」と言っていることになるでしょう。
その辺りまでは、「友人として、ジョーイの俳優としてのキャリアを思って言っている」感が出ていますが、その次のセリフは、レイチェルっぽいですね。
「もしあなたがインタビューを受けたら、こんな風に言えるわよ」と言っていますが、その内容はと言うと、gal pal Rachel Green。
gal は「ギャル」で、girl が変形した言葉ですね。pal は「友達」なので、gal pal は「女友達」ということになりますが、-al で韻を踏んだ感じはするものの、その後のチャンドラーがツッコミを入れていることからも、あまりしゃれた表現ではないように思えます。
読者は、ソープオペラ(昼メロ)好きな人なので、そういう人が使いそうな(一昔前の?)言葉みたいなことでしょうか。
それを聞いたチャンドラーの反応は、「今、レイチェルが言った、gal pal っていうのは、LOSER っていう綴りで書くのかな?」ということですね。
「A の単語のスペルは B?」と尋ねるのは、「A は B って意味?」と言っているのと同じことなので、「そのギャルパルっていうのは、負け犬のこと?」とチャンドラーは返していることになります。
友人に雑誌に載るように薦めて、そこで自分が「女友達のレイチェル」のように名前を出してもらおうとしていること、つまり「ジョーイのためになるように言っておいて、実は自分の名前を出して欲しいだけ、という本音がミエミエ」なことを、負け犬っぽい行動だと言っていることになるのでしょう。
チャチャを入れてきたチャンドラーのことを、「彼の言うことなんて聞かないで。お願いだからインタビューを受けてよ」とレイチェルが頼むので、結局、ジョーイはこの後、インタビューを受けることになります。
今回のお話は、この後、実際にインタビューされているジョーイのシーンの間に、「インタビューで質問されて、昔の自分を思い出す」という、過去エピソードの回想シーンが挿入されるパターンのエピソードになっています。
ブログの記事は、回想シーン以外の「新作」部分を解説することになりますが、実際にこのエピソードをご覧になっている方は、回想シーンも思い出して懐かしんでいただけると嬉しいなと思います。
回想シーンで表わされるような「過去の言動」の積み重ねで、今のジョーイというキャラクターが出来上がっているわけですよね。
今回取り上げたシーンも、「その雑誌のインタビューで、昔マズいことを言って、役を降ろされた」ことがネタとして使われていますが、そういう過去の経緯もひっくるめて楽しめるのが、複数のシーズンを重ねたドラマの楽しみとも言えるでしょうね。
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2014年08月22日
それにノーというのは難しかったでしょうね フレンズ8-18その6
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[Scene: Ross and Rachel's, they're returning from the party.]
ロスとレイチェルの家。二人はパーティーから帰ってきたところ。
(二人は結婚している、とパーティー会場で嘘をついていたロスとレイチェルは、そこで話したありもしない結婚式のホラ話の続きをしています)
ロス: ...and then, we could've gone from the ceremony to the reception with you in the sidecar! (…その後、結婚式から披露宴へ、君をサイドカーに乗せて行った、というのもありえたね。)
レイチェル: Ross, it just wouldn't have been feasible. (ロス、それは、もっともらしくなかっただろうけど。)
ロス: But having a dove place the ring on your finger would've been no problem. (でも、ハトに、君の指に指輪をはめさせたってこと[はめさせたって話]だったら、何の問題もなかったんだろうにね。)
レイチェル: It was really fun being married to you tonight. (今夜、あなたと結婚していたことは本当に楽しかったわ。)
ロス: Yeah! And! And, it was the easiest 400 bucks I've ever made. (そうだね! それに! それに僕がこれまで稼いだうち、一番楽に稼げた 400ドルだったよ。)
レイチェル: Okay, Ross, can I uh, can I ask you something? (そうね、ロス。あなたに質問していい?)
ロス: Yeah. (うん。)
レイチェル: That proposal at the planetarium? (プラネタリウムでのあのプロポーズ(のこと)。)
ロス: I know, I know. It was stupid. (わかってる、わかってるよ。バカげてたよね。)
レイチェル: Are you kidding?! With the, with the lilies, and-and the song, and the stars? It was... really wonderful! Did you just make that up? (冗談でしょ? あのユリの花と、あの歌と、あの星(で書かれた言葉)よ。ほんとに素晴らしかったわ! ただ(即興で)話を作ったの?)
ロス: No, actually I thought about it when, when we were going out. That's how I imagined I uh, I would ask you to marry me. (いや、実はそれを考えてたんだよ、僕らがデートしていた頃に。あんな風に、僕は君に結婚を申し込もうと思っていたんだ。)
レイチェル: Wow. Well, that would've been very hard to say no to. (わぉ。あのプロポーズなら、それにノーと言うのはすごく難しかったでしょうね。)
ロス: It's a good thing I didn't do it, because it sounds like it would've been a very expensive wedding. (Rachel laughs) Okay, good night. (そうしなくて(そんなプロポーズしなくて)良かったよ。だってものすごくお金のかかる結婚式になっただろうって思えるからね。[レイチェルは笑う] それじゃあ、おやすみ。)
レイチェル: Good night. (おやすみ。)
(They go off to their bedrooms)
二人はそれぞれの寝室に向かう。
ロス: Even if the sidecar had a, had a windscreen so your hair wouldn't get messed up? (あのサイドカーにフロントガラス(風よけガラス)がついていて、君の髪の毛がぐしゃぐしゃにならなかったとしても?)
レイチェル: I will think about it. (考えとく。)
ロス: That's all I'm askin'. (それで十分だ。)
パーティーの会場で、他人の手前、「結婚している」と嘘をつくことになったロスとレイチェルでしたが、その時にでっちあげた様々なホラ話が面白かったようで、同じ家に戻ってきてからも、その話の続きをしています。
このシーンでは、「would/could have+過去分詞」の形が何回も登場しているのに注目したいところ。
would have+過去分詞なら「〜した・〜だっただろうに」
could have+過去分詞なら「〜できただろうに」「〜した可能性もあっただろうに」
という感覚になります。
「過去の時点でもしそうだったのなら、〜だっただろうに」というニュアンスですね。
最初の、we could've gone from the ceremony to the reception with you in the sidecar! について。
「結婚式(ceremony)から披露宴(reception)へ、君をサイドカーに乗せて(君がサイドカーに乗った状態で)行く」という話をしています。(サイドカーと聞くと、いまだに「キカイダー」のイメージしか浮かばないのですがw)
we could have gone というのは、「行くということもできただろうに」(可能)か「行ったということもありうる」(可能性)かのどちらかになるでしょうが、この場合は可能性を述べているような気がします。
「君をサイドカーに乗せて移動した」っていうのも、話としてはアリだったね、という感じだろうと思います。
ロスとレイチェルがでっちあげた偽の結婚式の話の中で、「式場から披露宴会場まで、レイチェルをサイドカーに乗せて行った、とかいうのもアリだったよね。そんな風に言っても良かったよね」みたいなことになるでしょう。
それに対して、レイチェルも、wouldn't have+過去分詞の形で返事をしています。
feasible は「ありそうな、もっともらしい」なので、「そのロスのサイドカーの話は、もっともらしくなかっただろう」と言っていることになりますね。
この場合は、「もしロスがそういうことをみんなの前で言っていたら、それはもっともらしく聞こえなかっただろう」と言っていることになるでしょう。
もっともらしくない、人に信じてもらえない、みたいにレイチェルが言ったので、ロスは、レイチェルの発言を比較として持ち出しています。
But having a dove place the ring on your finger would've been no problem. の、would've been no problem は、「主語は、問題なしだったんだろうのにね」という感覚だろうと思います。
主語は「(一羽の)ハトが指輪を君の指に place するようにさせること」という使役の意味ですね。
この place は名詞では「場所、所」で、動詞の一般的な意味は「(ものを)(…に)置く」になります。
ですから、「置く」と訳すと、「レイチェルの指の上に指輪を置く」になりそうなのですが、結婚式の指輪の話だと、place the ring on someone's finger は「人の指に指輪をはめる」という意味で使われていると考えるのが妥当な気がします。
フレンズでは過去に何度か結婚式のエピソードがありましたが、過去記事、与えられた権限によって宣言する フレンズ7-24その6 では、チャンドラーとモニカの指輪交換のシーンで、以下のト書きがありました。
(Chandler and Monica both turn, take the rings from Ross and Rachel respectively, and place them on each other's fingers.)
チャンドラーとモニカは向きを変え、それぞれ、ロスとレイチェルから指輪を受け取る。そしてお互いの指にはめる。
その記事で、指輪交換シーンの比較として、フレンズ5-1 のセリフも紹介しているのですが、それは以下のようになっていました。
司祭(Minister): Do you have the rings? (He is given the rings) Emily, place this ring on Ross' finger as a symbol of your bond everlasting. (She jams the ring onto his finger) Ross, place this ring in Emily's hand as a symbol of the love that encircles you forever. (指輪はありますか? [司祭は指輪を渡される] エミリー、あなたたちの絆が永遠に続く象徴として、この指輪をロスの指にはめなさい。[エミリーはロスの指に指輪を押し込む] ロス、あなたの周りを永遠に回る愛の象徴として、この指輪をエミリーの手にはめなさい。)
これは司祭が「相手の指に指輪をはめなさい」と言っているセリフで、
エミリーには、place this ring on Ross' finger
ロスには、place this ring in Emily's hand
という表現を使っていますね。
「ロスの指に」「エミリーの手に」という違いはありますが、どちらも動詞は place が使われていることがよくわかります。
フレンズ5-1 でも、フレンズ7-24 でも、place the ring on someone's finger の形が使われていることからも、「結婚式で相手の指に指輪をはめる」というお決まりフレーズの動詞は、place が使われると言ってよいでしょう。
ですから今回も、「ハトがレイチェルの指の”上に”指輪を”置く”」と言っているのではなくて、「ハトがレイチェルの指に(接触の on)指輪をはめる」という意味で言っていると考えるのが自然だと思いました。
ハトがパタパタ飛んできて、手の上に指輪を置く、とかだけでもかなり無理がある話なのに、あろうことか、ハトがそのくちばしを使って(?)、ロスの代わりにレイチェルに指輪をはめさせる、みたいな話を言っているという面白さだろうと思うわけです。
「サイドカーの話は非現実的で無理があるわよ」と言ったレイチェルに対して、レイチェルがロスに「こんなのはどう?」と披露した案である「ハトが指輪をはめてくれる」という話だったら、何の問題もなかっただろうにね、とロスが皮肉っぽく言っているセリフだということですね。
皮肉っぽく、というのはつまり、「何の問題もなかっただろうにねぇ、、」→「そっちの方がよほど変だと思われるんじゃない?」というニュアンスで言ったんだろう、ということです。
would have been no problem のように would have+過去分詞を使っていることから、その発言は、みんなの前で実際に話されたものではない、という気がします。
恐らく、家に帰ってくるまでの間に、「ハトが指輪をはめてくれる」みたいな案をレイチェルがロスに話していたことがあって、そんな話をしていた君が、それよりはずっとありうる話のサイドカーの話を非現実的だとか言うつもり?みたいなことだろうと思います。
その後、レイチェルは、It was really fun being married to you tonight. と言っています。
直訳すると、「今夜、あなたと結婚していたことは本当に楽しかった」。
前後の話の流れもなく、この一文だけ聞いていると、「今夜、あなたと結婚していた」という表現に、「は?」となってしまうところですが、今夜のパーティーの時だけ、「二人は結婚している」というふりをしていたというドラマの状況がわかっていると、微笑ましいと思ってしまえるセリフですね。
今夜のパーティーの間だけ、私たちは結婚しているってことになっていた、その時間がとっても楽しかったわ、と言っていることになります。
それに賛同したロスは、同時にお金の話もしています。
it was the easiest 400 bucks I've ever made. を直訳すると、「僕が今までに作った(稼いだ)最も簡単な 400ドルだった」ということになります。
結婚したということで、多くの親戚にお祝い金をもらえたことをそう表現しているのですね。
「結婚しました」ということにしただけで、何の苦労もなく、400ドルも稼げちゃったよ、ということです。
その後、レイチェルは、プラネタリウムでのプロポーズのことを質問しています。
そのことを問われて即座にロスは、「わかってるよ。ばかげてたよね」と言うのですが、レイチェルは本心から、「あの(部屋いっぱいの)ユリに、あのフレッド・アステアの歌に、あの星で書かれたプロポーズの言葉。本当に素晴らしかったわ」と言っています。
そして、「あれは、ただ(その場で)即興で作ったの?」のように尋ねていますね。
make up は、一般的に「作り上げる」という意味ですが、「作り話をする、話をでっちあげる」という意味としても使われます。
今回は「でっちあげる」というような悪い意味ではなくて、「実際にあったわけでもないプロポーズの話を、あの場で即興で作り上げたの? あの場で瞬時に作り話をしたの?」と尋ねる感覚になるでしょう。
ロスは正直に、「実は、そのこと(プロポーズ)について、前に考えていたんだよね、僕たちがデートしていた時・付き合っていた時に」と言っています。
そして、「あんな風に君に結婚してほしいと申し込もう、って僕は想像してたんだよ」とも言っています。
それを聞いたレイチェルは、that would've been very hard to say no to. と言います。
ここでもまた、would've been という、would have+過去分詞が出てきましたが、これは、「もしあなたが想像してくれていた通りに実際にプロポーズされていたら、そのプロポーズに対してノーと言うことはとても難しかったでしょうね」と言っていることになります。
「(それ)に対してノーと言う」(say no to (that))ということなので、文の最後に to が残っているのにも注目したいところ。
レイチェルは、そう言ってロスを見つめ、少し微笑んでいます。
そう言われたロスは冗談ぽく、「僕がそれをしなかった[そんなプロポーズをしなかった]ことは良いことだ」と言って、「だって、(もし実行されていたら)ものすごく高価な結婚式になっていただろうって思えるから」と言います。
sounds like は「聞いた感じからそう思う」という感想を述べる時に使うフレーズで、今回の結婚式の話は全部、「口で語られた話」であったことから、言葉で語られた結婚式の内容を考えると、随分と高価な結婚式になりそうだって思えるから、と言っていることになるでしょう。
何だかお互い、いい雰囲気になった状態で、ロスはレイチェルのお腹に手を当てて、おやすみ、と言い、レイチェルもおやすみ、と言ってそれぞれの寝室に向かいます。
部屋に入る前に、ふと思い出したようにロスは、windscreen の話をしていますね。
windscreen は一般的には「車のフロントガラス」のこと。辞書を見ると、windscreen はイギリス英語で、アメリカ英語では、windshield というようです。
ここではサイドカーの話をしているので、「フロント」ガラスというよりは、「風よけ」ガラスという感覚で使っていることになるでしょう。
Even if... は「たとえ…だとしても」なので、「君が乗るのを拒んで(笑)いるそのサイドカーに、もし風よけガラスがついていて、君の髪の毛が風で乱れなかったとしても、それでもやっぱり君は乗りたくない、って言うのかな?」とロスは言っていることになりますね。
I will think about it. /I'll think about it. は「考えておきます。考えておきましょう」という決まり文句。
文字通りに「それについて考えておくわ。これから考えてみるわ」というニュアンスにもなりますし、日本語の「考えておきます」に近いような「とりあえず、考えます、と言っておくけれど、事実上はやんわりした断り」のニュアンスにもなります。
今回の場合は、「まあ考えておくわ」のように、「ここで即答ではっきりノーとは言わないでおくわ」というニュアンスが近いように思います。
それに対するロスの返事、That's all I'm asking. について。
この ask は「求める、頼む、請う」のニュアンスでしょうね。
LAAD では、demand/expect の意味に、All I ask is というフレーズが載っていました。
ask : DEMAND/EXPECT if you ask something of someone, you expect them to do it
例) All I ask is (= the only thing I expect from you is) that you get here on time.
つまり、「要求する・期待する。誰かに何かを ask するというのは、その人にそれをするように期待すること」。例文は、「私が求めることのすべては(=私が君に期待する唯一のことは)君が時間通りにここに着くこと(だけ)だ」。
ここでは、「考えておきましょう」みたいに言ったレイチェルの返事のことを、that と表現しているので、「それが僕が君に期待していることの全てだ」と言っている感覚になるでしょう。
「話にならないと拒んでいたサイドカーの件を、考えときましょ、と言ってくれただけで、僕には十分だよ。その返事で僕は満足だ」と言っている感じになるように思います。
「あんなプロポーズされたら断れなかったわね」みたいに、いいムードになりかけていた二人ですが、最後のこのシーンは、いつもの「友達のロスとレイチェル」に戻っている感じがあります。
二人の口調も、この最後の部分だけは、あまり気持ちが入った感じではなく、「考えとく」「それで十分」とぶっきらぼうに訳す感じのイメージで、あぁ、やっぱりいつもの二人に戻ってる、、と安心させて笑わせて終わる、というエンディングが「フレンズ」らしくていいなぁ、と思いました。
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[Scene: Ross and Rachel's, they're returning from the party.]
ロスとレイチェルの家。二人はパーティーから帰ってきたところ。
(二人は結婚している、とパーティー会場で嘘をついていたロスとレイチェルは、そこで話したありもしない結婚式のホラ話の続きをしています)
ロス: ...and then, we could've gone from the ceremony to the reception with you in the sidecar! (…その後、結婚式から披露宴へ、君をサイドカーに乗せて行った、というのもありえたね。)
レイチェル: Ross, it just wouldn't have been feasible. (ロス、それは、もっともらしくなかっただろうけど。)
ロス: But having a dove place the ring on your finger would've been no problem. (でも、ハトに、君の指に指輪をはめさせたってこと[はめさせたって話]だったら、何の問題もなかったんだろうにね。)
レイチェル: It was really fun being married to you tonight. (今夜、あなたと結婚していたことは本当に楽しかったわ。)
ロス: Yeah! And! And, it was the easiest 400 bucks I've ever made. (そうだね! それに! それに僕がこれまで稼いだうち、一番楽に稼げた 400ドルだったよ。)
レイチェル: Okay, Ross, can I uh, can I ask you something? (そうね、ロス。あなたに質問していい?)
ロス: Yeah. (うん。)
レイチェル: That proposal at the planetarium? (プラネタリウムでのあのプロポーズ(のこと)。)
ロス: I know, I know. It was stupid. (わかってる、わかってるよ。バカげてたよね。)
レイチェル: Are you kidding?! With the, with the lilies, and-and the song, and the stars? It was... really wonderful! Did you just make that up? (冗談でしょ? あのユリの花と、あの歌と、あの星(で書かれた言葉)よ。ほんとに素晴らしかったわ! ただ(即興で)話を作ったの?)
ロス: No, actually I thought about it when, when we were going out. That's how I imagined I uh, I would ask you to marry me. (いや、実はそれを考えてたんだよ、僕らがデートしていた頃に。あんな風に、僕は君に結婚を申し込もうと思っていたんだ。)
レイチェル: Wow. Well, that would've been very hard to say no to. (わぉ。あのプロポーズなら、それにノーと言うのはすごく難しかったでしょうね。)
ロス: It's a good thing I didn't do it, because it sounds like it would've been a very expensive wedding. (Rachel laughs) Okay, good night. (そうしなくて(そんなプロポーズしなくて)良かったよ。だってものすごくお金のかかる結婚式になっただろうって思えるからね。[レイチェルは笑う] それじゃあ、おやすみ。)
レイチェル: Good night. (おやすみ。)
(They go off to their bedrooms)
二人はそれぞれの寝室に向かう。
ロス: Even if the sidecar had a, had a windscreen so your hair wouldn't get messed up? (あのサイドカーにフロントガラス(風よけガラス)がついていて、君の髪の毛がぐしゃぐしゃにならなかったとしても?)
レイチェル: I will think about it. (考えとく。)
ロス: That's all I'm askin'. (それで十分だ。)
パーティーの会場で、他人の手前、「結婚している」と嘘をつくことになったロスとレイチェルでしたが、その時にでっちあげた様々なホラ話が面白かったようで、同じ家に戻ってきてからも、その話の続きをしています。
このシーンでは、「would/could have+過去分詞」の形が何回も登場しているのに注目したいところ。
would have+過去分詞なら「〜した・〜だっただろうに」
could have+過去分詞なら「〜できただろうに」「〜した可能性もあっただろうに」
という感覚になります。
「過去の時点でもしそうだったのなら、〜だっただろうに」というニュアンスですね。
最初の、we could've gone from the ceremony to the reception with you in the sidecar! について。
「結婚式(ceremony)から披露宴(reception)へ、君をサイドカーに乗せて(君がサイドカーに乗った状態で)行く」という話をしています。(サイドカーと聞くと、いまだに「キカイダー」のイメージしか浮かばないのですがw)
we could have gone というのは、「行くということもできただろうに」(可能)か「行ったということもありうる」(可能性)かのどちらかになるでしょうが、この場合は可能性を述べているような気がします。
「君をサイドカーに乗せて移動した」っていうのも、話としてはアリだったね、という感じだろうと思います。
ロスとレイチェルがでっちあげた偽の結婚式の話の中で、「式場から披露宴会場まで、レイチェルをサイドカーに乗せて行った、とかいうのもアリだったよね。そんな風に言っても良かったよね」みたいなことになるでしょう。
それに対して、レイチェルも、wouldn't have+過去分詞の形で返事をしています。
feasible は「ありそうな、もっともらしい」なので、「そのロスのサイドカーの話は、もっともらしくなかっただろう」と言っていることになりますね。
この場合は、「もしロスがそういうことをみんなの前で言っていたら、それはもっともらしく聞こえなかっただろう」と言っていることになるでしょう。
もっともらしくない、人に信じてもらえない、みたいにレイチェルが言ったので、ロスは、レイチェルの発言を比較として持ち出しています。
But having a dove place the ring on your finger would've been no problem. の、would've been no problem は、「主語は、問題なしだったんだろうのにね」という感覚だろうと思います。
主語は「(一羽の)ハトが指輪を君の指に place するようにさせること」という使役の意味ですね。
この place は名詞では「場所、所」で、動詞の一般的な意味は「(ものを)(…に)置く」になります。
ですから、「置く」と訳すと、「レイチェルの指の上に指輪を置く」になりそうなのですが、結婚式の指輪の話だと、place the ring on someone's finger は「人の指に指輪をはめる」という意味で使われていると考えるのが妥当な気がします。
フレンズでは過去に何度か結婚式のエピソードがありましたが、過去記事、与えられた権限によって宣言する フレンズ7-24その6 では、チャンドラーとモニカの指輪交換のシーンで、以下のト書きがありました。
(Chandler and Monica both turn, take the rings from Ross and Rachel respectively, and place them on each other's fingers.)
チャンドラーとモニカは向きを変え、それぞれ、ロスとレイチェルから指輪を受け取る。そしてお互いの指にはめる。
その記事で、指輪交換シーンの比較として、フレンズ5-1 のセリフも紹介しているのですが、それは以下のようになっていました。
司祭(Minister): Do you have the rings? (He is given the rings) Emily, place this ring on Ross' finger as a symbol of your bond everlasting. (She jams the ring onto his finger) Ross, place this ring in Emily's hand as a symbol of the love that encircles you forever. (指輪はありますか? [司祭は指輪を渡される] エミリー、あなたたちの絆が永遠に続く象徴として、この指輪をロスの指にはめなさい。[エミリーはロスの指に指輪を押し込む] ロス、あなたの周りを永遠に回る愛の象徴として、この指輪をエミリーの手にはめなさい。)
これは司祭が「相手の指に指輪をはめなさい」と言っているセリフで、
エミリーには、place this ring on Ross' finger
ロスには、place this ring in Emily's hand
という表現を使っていますね。
「ロスの指に」「エミリーの手に」という違いはありますが、どちらも動詞は place が使われていることがよくわかります。
フレンズ5-1 でも、フレンズ7-24 でも、place the ring on someone's finger の形が使われていることからも、「結婚式で相手の指に指輪をはめる」というお決まりフレーズの動詞は、place が使われると言ってよいでしょう。
ですから今回も、「ハトがレイチェルの指の”上に”指輪を”置く”」と言っているのではなくて、「ハトがレイチェルの指に(接触の on)指輪をはめる」という意味で言っていると考えるのが自然だと思いました。
ハトがパタパタ飛んできて、手の上に指輪を置く、とかだけでもかなり無理がある話なのに、あろうことか、ハトがそのくちばしを使って(?)、ロスの代わりにレイチェルに指輪をはめさせる、みたいな話を言っているという面白さだろうと思うわけです。
「サイドカーの話は非現実的で無理があるわよ」と言ったレイチェルに対して、レイチェルがロスに「こんなのはどう?」と披露した案である「ハトが指輪をはめてくれる」という話だったら、何の問題もなかっただろうにね、とロスが皮肉っぽく言っているセリフだということですね。
皮肉っぽく、というのはつまり、「何の問題もなかっただろうにねぇ、、」→「そっちの方がよほど変だと思われるんじゃない?」というニュアンスで言ったんだろう、ということです。
would have been no problem のように would have+過去分詞を使っていることから、その発言は、みんなの前で実際に話されたものではない、という気がします。
恐らく、家に帰ってくるまでの間に、「ハトが指輪をはめてくれる」みたいな案をレイチェルがロスに話していたことがあって、そんな話をしていた君が、それよりはずっとありうる話のサイドカーの話を非現実的だとか言うつもり?みたいなことだろうと思います。
その後、レイチェルは、It was really fun being married to you tonight. と言っています。
直訳すると、「今夜、あなたと結婚していたことは本当に楽しかった」。
前後の話の流れもなく、この一文だけ聞いていると、「今夜、あなたと結婚していた」という表現に、「は?」となってしまうところですが、今夜のパーティーの時だけ、「二人は結婚している」というふりをしていたというドラマの状況がわかっていると、微笑ましいと思ってしまえるセリフですね。
今夜のパーティーの間だけ、私たちは結婚しているってことになっていた、その時間がとっても楽しかったわ、と言っていることになります。
それに賛同したロスは、同時にお金の話もしています。
it was the easiest 400 bucks I've ever made. を直訳すると、「僕が今までに作った(稼いだ)最も簡単な 400ドルだった」ということになります。
結婚したということで、多くの親戚にお祝い金をもらえたことをそう表現しているのですね。
「結婚しました」ということにしただけで、何の苦労もなく、400ドルも稼げちゃったよ、ということです。
その後、レイチェルは、プラネタリウムでのプロポーズのことを質問しています。
そのことを問われて即座にロスは、「わかってるよ。ばかげてたよね」と言うのですが、レイチェルは本心から、「あの(部屋いっぱいの)ユリに、あのフレッド・アステアの歌に、あの星で書かれたプロポーズの言葉。本当に素晴らしかったわ」と言っています。
そして、「あれは、ただ(その場で)即興で作ったの?」のように尋ねていますね。
make up は、一般的に「作り上げる」という意味ですが、「作り話をする、話をでっちあげる」という意味としても使われます。
今回は「でっちあげる」というような悪い意味ではなくて、「実際にあったわけでもないプロポーズの話を、あの場で即興で作り上げたの? あの場で瞬時に作り話をしたの?」と尋ねる感覚になるでしょう。
ロスは正直に、「実は、そのこと(プロポーズ)について、前に考えていたんだよね、僕たちがデートしていた時・付き合っていた時に」と言っています。
そして、「あんな風に君に結婚してほしいと申し込もう、って僕は想像してたんだよ」とも言っています。
それを聞いたレイチェルは、that would've been very hard to say no to. と言います。
ここでもまた、would've been という、would have+過去分詞が出てきましたが、これは、「もしあなたが想像してくれていた通りに実際にプロポーズされていたら、そのプロポーズに対してノーと言うことはとても難しかったでしょうね」と言っていることになります。
「(それ)に対してノーと言う」(say no to (that))ということなので、文の最後に to が残っているのにも注目したいところ。
レイチェルは、そう言ってロスを見つめ、少し微笑んでいます。
そう言われたロスは冗談ぽく、「僕がそれをしなかった[そんなプロポーズをしなかった]ことは良いことだ」と言って、「だって、(もし実行されていたら)ものすごく高価な結婚式になっていただろうって思えるから」と言います。
sounds like は「聞いた感じからそう思う」という感想を述べる時に使うフレーズで、今回の結婚式の話は全部、「口で語られた話」であったことから、言葉で語られた結婚式の内容を考えると、随分と高価な結婚式になりそうだって思えるから、と言っていることになるでしょう。
何だかお互い、いい雰囲気になった状態で、ロスはレイチェルのお腹に手を当てて、おやすみ、と言い、レイチェルもおやすみ、と言ってそれぞれの寝室に向かいます。
部屋に入る前に、ふと思い出したようにロスは、windscreen の話をしていますね。
windscreen は一般的には「車のフロントガラス」のこと。辞書を見ると、windscreen はイギリス英語で、アメリカ英語では、windshield というようです。
ここではサイドカーの話をしているので、「フロント」ガラスというよりは、「風よけ」ガラスという感覚で使っていることになるでしょう。
Even if... は「たとえ…だとしても」なので、「君が乗るのを拒んで(笑)いるそのサイドカーに、もし風よけガラスがついていて、君の髪の毛が風で乱れなかったとしても、それでもやっぱり君は乗りたくない、って言うのかな?」とロスは言っていることになりますね。
I will think about it. /I'll think about it. は「考えておきます。考えておきましょう」という決まり文句。
文字通りに「それについて考えておくわ。これから考えてみるわ」というニュアンスにもなりますし、日本語の「考えておきます」に近いような「とりあえず、考えます、と言っておくけれど、事実上はやんわりした断り」のニュアンスにもなります。
今回の場合は、「まあ考えておくわ」のように、「ここで即答ではっきりノーとは言わないでおくわ」というニュアンスが近いように思います。
それに対するロスの返事、That's all I'm asking. について。
この ask は「求める、頼む、請う」のニュアンスでしょうね。
LAAD では、demand/expect の意味に、All I ask is というフレーズが載っていました。
ask : DEMAND/EXPECT if you ask something of someone, you expect them to do it
例) All I ask is (= the only thing I expect from you is) that you get here on time.
つまり、「要求する・期待する。誰かに何かを ask するというのは、その人にそれをするように期待すること」。例文は、「私が求めることのすべては(=私が君に期待する唯一のことは)君が時間通りにここに着くこと(だけ)だ」。
ここでは、「考えておきましょう」みたいに言ったレイチェルの返事のことを、that と表現しているので、「それが僕が君に期待していることの全てだ」と言っている感覚になるでしょう。
「話にならないと拒んでいたサイドカーの件を、考えときましょ、と言ってくれただけで、僕には十分だよ。その返事で僕は満足だ」と言っている感じになるように思います。
「あんなプロポーズされたら断れなかったわね」みたいに、いいムードになりかけていた二人ですが、最後のこのシーンは、いつもの「友達のロスとレイチェル」に戻っている感じがあります。
二人の口調も、この最後の部分だけは、あまり気持ちが入った感じではなく、「考えとく」「それで十分」とぶっきらぼうに訳す感じのイメージで、あぁ、やっぱりいつもの二人に戻ってる、、と安心させて笑わせて終わる、というエンディングが「フレンズ」らしくていいなぁ、と思いました。
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2014年08月20日
こんな風に言っていた人もいた フレンズ8-18その5
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ロスのママに、「結婚せずに子供を持つことに抵抗がある人もいるから、二人は結婚したと言っといたわ」と言われたロスとレイチェルは、そのパーティー会場では「二人は結婚している」ということで他の人と話を合わせています。
最初は嘘をつくことに抵抗があった二人ですが、お祝い金をもらったり、素敵ねと褒められたりしているうちに、結婚式にまつわるありもしないホラ話をするようになります。
ロスとレイチェルの二人に画面がカットすると、レイチェルのまわりには人だかりができていて、レイチェルのホラ話がますますヒートアップしていることが一目瞭然な状態になっています。
レイチェル: And my veil was lace, made by blind Belgian nuns. (そして私のベールはレースだったんです。目の不自由なベルギー人の修道女たちが作ったんですよ。)
女性: Blind? (目の不自由な?)
レイチェル: Well, not at first, but it was very intricate work and they said even though they lost their sight, it was all worth it. (えぇ、最初は、目が不自由ではなかったんです。でもすごく複雑で細かい仕事で、例え視力を失うことになっても、その価値があるって、彼女たちは言っていましたわ。)
リサおばさん(Aunt Lisa): I bet you looked beautiful. (あなたはきれいだったでしょうね。)
レイチェル: Oh, well, I don't know about that. But there were some people that said I looked like a floating angel. (えぇ、まぁ、それについては何とも言えないですね。でも、私のことを、天使が浮かんでいるようだって言った人もいましたわ。)
女性: (To Ross) How did you propose? ([ロスに] あなたはどうやって(彼女に)プロポーズしたの?)
レイチェル: Oh, yeah, that's a great story. (えぇ、それは素敵な話なんです。)
ロス: Well, um, actually, I-I took her to the planetarium. That's-that's where we had our first date. Um, she walked in and I had the room filled with lilies, her favorite flower. (えーっと、実は、僕はレイチェルをプラネタリウムに連れて行ったんです。そこは僕たちが最初のデートをした場所で。彼女がそこに入って来ると、僕はその部屋をユリでいっぱいにしておいたんです、彼女のお気に入りの花なんですよ。)
リサおばさん: Oh, that is so sweet! (まぁ、それってすっごく素敵!)
レイチェル: Shhh! I want to hear the rest! (シーッ! 私は残りの(続きの)話を聞きたいの!)
ロス: Then Fred Astaire singing, "The Way You Look Tonight" came on the sound system, and the lights came down. And I got down on one knee and written across the dome in the stars, were the words: "Will you marry me?" (それから、「今宵の君は」を歌うフレッド・アステア(の声)がサウンドシステムから流れてきて、ライトが落ちるんです。それから僕が片膝をつくと、ドームいっぱいに、星でこの文字が書かれてるんです。「僕と結婚してくれる?」)
(Various oohs and ahhs)
さまざまな、おぉ、あぁ、という声(ため息)が起こる。
レイチェル: And the ring was the size of my fist! (makes a fist) (そして指輪は私のこぶしのサイズだったんですよ! [手でこぶしを作る])
レイチェルは(ありもしなかった)結婚式のベール自慢をしています。
nun は「尼僧、修道女」ということですね。
盲目の修道女たちが作った、と言うので、聞いている人は「盲目の人が作ったの?」と驚き聞き返すのですが、レイチェルは、「最初は盲目ではなかったけれど、とても複雑で入り組んだ(intricate)仕事だったから」と説明しています。
その後の文章、they said even though they lost their sight, it was all worth it. について。
they/their は nuns (そのベールを作った修道女たち)を指します。
worth it は「それだけの価値がある」。
彼女たちが言った内容を引用符でくくって表現すると、
they said, "Even though we lost our sight, it was all worth it."
になるでしょう。
「たとえ私たちが視力を失ったとしても、(ベールを作る・編むことは)それだけの価値が十分ある」と修道女たちは言った。
ということですね。
何人もの修道女がそれで目を悪くしてしまうほどの、とても細かく複雑な模様でできた、非常に手の込んだ素晴らしいベールだった、と言っていることになります。
「レイチェル、あなたはきっと美しかったでしょうね」とおばさんに言われたレイチェルは、まずは、I don't know about that. 「それについては私にはわかりませんわ。どうでしょうか?」みたいに自分ではイエスと言うのを避けています。
ですがその後に、But there were some people that said 「でも、〜だと言った人もいましたわ」と付け加えるのが、レイチェルらしいですね。
その言った内容が、I looked like a floating angel. 「私(レイチェル)は、浮かんでいる天使のように見えた」。
日本語的には「天使が浮かんでいるように見えた」の方が、表現としては美しいでしょうか。
いずれにしても、「結婚式のレイチェルはまるで天使がフワフワと浮いているようだった」と言ってくれた人もいましたわ、と自分で言っているわけですね。
先に「きれいだったかどうかは私にはわかりませんわ」みたいに言っておいて、「人には天使みたいだと言われましたけれど」などと付け加えているところに、「きれいだと褒められたい女心」が見えていて面白い、しかもこの場合は、実際に人にそう言われたわけでもないところを、自分で「天使のようだった」と表現しているのもポイントだということですね。
「自分ではよくわかりませんが、私のことをこんな風に言ってくれる人もいました」という表現は、自分の長所をアピールするのが苦手な日本人には、利用価値が高い表現かなと思います^^
女性がロスに「どうやって・どのようにして、ロスはレイチェルにプロポーズしたの?」と質問します。
ロスが説明する前にレイチェルが、「それはもう素敵な話なんですよ」みたいに言うので、ロスには変なプレッシャーがかかってしまいそうなところですが、意外にもロスは、言葉に詰まることなく、その「実際にはなかった」プロポーズの話をリアルに説明しているのも面白いです。
ロスは、「実は僕は、彼女をプラネタリウムに連れて行ったんです。そこは僕たちが最初のデートをした場所だったんです」と説明しています。
そのプラネタリウムのデートは、フレンズ2-15その18 に出てきましたね。
ここで、フレンズトリビア的な話をすると、今回のセリフで、ロスはそのプラネタリウムのデートを「二人の初デート」だと言っていますが、プラネタリウムのデートは実は2回目のデートで、本当の1回目のデートは、フレンズ2-15その11 に出てきた、「字幕付きの外国映画を見に行ったけれど、レイチェルは眼鏡をかけたくなくて、字幕が読めず、内容がわからなかった」というものです。
その後、レイチェルの部屋で良いムードになるものの、レイチェルが笑ってしまって、先に進めなかった、、というのが、本当のファーストデートでした。
とはいえ、二人が初めて結ばれたのが、その2回目のプラネタリウムだったのは間違いないので、今回ロスが「プラネタリウム」のことを言ったのは、フレンズファンにとって嬉しいことだったと言えるでしょう。
I had the room filled with lilies は、「その部屋(プラネタリウムの部屋)をユリで満たされた状態にした」という感覚ですね。
ユリ(lily, lilies)がレイチェルのお気に入りの花である、という話は、彼に手を出さないようにするのが大変だろ? フレンズ8-12その2 にも出てきましたね。
ジョーイがレイチェルをデートに誘いに来た時に、持ってきた花がユリでした。
ユリでいっぱいのプラネタリウム、、というロマンチックな話に、聞いていたおばさんは「それってすっごく素敵ね!」と感動したように言っているのですが、この話の続きが聞きたいレイチェルは、年上のおばさんに向かって、シーッ!と言い、言われたおばさんはムッとした顔をしています。
ロスはその後も話を続けています。
Then Fred Astaire singing, "The Way You Look Tonight" came on the sound system を直訳すると、「それから、”今宵の君は”を歌うフレッド・アステアがサウンド(音響)システムに出てきて」みたいな感じですね。
もっと日本語っぽく言うと、「”今宵の君は”を歌うフレッド・アステアの歌声が、スピーカーから流れてきて」ということになるでしょう。
"The Way You Look Tonight" という歌は、今宵の君は、を入れたテープ フレンズ6-17その4 にも出てきたことがあります。
チャンドラーがモニカにあげたプレゼントのカセットテープに入っていた曲ですが、実はそれは昔、ジャニスがチャンドラーに贈ったテープだった、ということが、ジャニスのメッセージが入っていたことでバレてしまう、、というものでしたね。
その曲に関して、その記事より1つ前の記事、望むものを何でも、こっちとあっちで フレンズ6-17その3 のコメント欄 で、
「この曲は映画「有頂天時代」のために書かれた曲なんですが,フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースがこの曲に乗って踊るシーンは,ミュージカル映画の中でも一,二を争うロマンチックなダンスナンバーなんです.」
という情報を教えていただいたことがありました。
過去のフレンズでもそのように「ロマンチックな曲」として使われたものが、今回もプロポーズの時に流す曲として使われたということになりますね。
アステアのロマンチックな曲が流れる中、ライトが落ちて、僕は片膝をついて、、とロスは説明を続けています。
片膝をついて、Will you marry me? と言うのは、プロポーズの定番ですね。
ロスの場合は、そのセリフを「自分の口で言った」のではなく、「文字として書かれた」のがポイントだと言えるでしょう。
その「書かれた」ことが説明されたセリフ、written across the dome in the stars, were the words: "Will you marry me?" が、長めの文章になっているので、構造の説明をさせて下さい。
これは、通常のSVの文章にすると、
The words: "Will you marry me?" were written across the dome in the stars.
になるでしょう。
それを、このセリフの最大のポイントとなる "Will you marry me?" を最後に持ってきた倒置の形が、ロスのセリフになるわけですね。
ロスのセリフを聞いたままにイメージすると、
written across the dome in the stars 「書かれていた、ドームを横切って(ドームいっぱいに)、星々で」
were the words: "Will you marry me?" 「(書かれていたのは)”僕と結婚してくれる?”という言葉だった」
になるでしょう。
途中に、across the dome という言葉が挿入されていますが、written in the stars の in は、「筆記体で書く」(write in cursive letters)のように、「〜で書く」のニュアンスだと思われます。
「星々の中に書かれていた」のではなく、「星々で(文字が)書かれていた」ということだと思うのですね。
ですから、その文全体のイメージは、
「僕は片膝をつきました。そして、ドームいっぱいに、星で書かれていたその言葉は「僕と結婚してくれる?」だったんです」
ということになり、「そこに書かれていた言葉は〜だった」と表現する倒置になっていたということです。
ト書きの Various oohs and ahhs という表現が、なかなか面白いですね。
聞いている人たちが口々に、Ooh, Ahh と言っている感じで、どよめきのようなため息があちこちから聞こえてくる様子がよく出ていると思います。
シーンのオチとして、「指輪の宝石の大きさ」のことを言っているのも面白いですね。
レイチェルの説明は文字通りの、「指輪(の宝石)は、こぶし大の大きさだった」ということで、それはいくらなんでも大げさだろ!と言いたいところですが、ロスのロマンチックなプロポーズの話に感動しつつも、「私の話も聞いてよ」的に、「金銭的な自慢話」を盛り込んで、レイチェルの見栄っ張りな部分も見せているのが、フレンズっぽくて楽しいなと思いました。
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ロスのママに、「結婚せずに子供を持つことに抵抗がある人もいるから、二人は結婚したと言っといたわ」と言われたロスとレイチェルは、そのパーティー会場では「二人は結婚している」ということで他の人と話を合わせています。
最初は嘘をつくことに抵抗があった二人ですが、お祝い金をもらったり、素敵ねと褒められたりしているうちに、結婚式にまつわるありもしないホラ話をするようになります。
ロスとレイチェルの二人に画面がカットすると、レイチェルのまわりには人だかりができていて、レイチェルのホラ話がますますヒートアップしていることが一目瞭然な状態になっています。
レイチェル: And my veil was lace, made by blind Belgian nuns. (そして私のベールはレースだったんです。目の不自由なベルギー人の修道女たちが作ったんですよ。)
女性: Blind? (目の不自由な?)
レイチェル: Well, not at first, but it was very intricate work and they said even though they lost their sight, it was all worth it. (えぇ、最初は、目が不自由ではなかったんです。でもすごく複雑で細かい仕事で、例え視力を失うことになっても、その価値があるって、彼女たちは言っていましたわ。)
リサおばさん(Aunt Lisa): I bet you looked beautiful. (あなたはきれいだったでしょうね。)
レイチェル: Oh, well, I don't know about that. But there were some people that said I looked like a floating angel. (えぇ、まぁ、それについては何とも言えないですね。でも、私のことを、天使が浮かんでいるようだって言った人もいましたわ。)
女性: (To Ross) How did you propose? ([ロスに] あなたはどうやって(彼女に)プロポーズしたの?)
レイチェル: Oh, yeah, that's a great story. (えぇ、それは素敵な話なんです。)
ロス: Well, um, actually, I-I took her to the planetarium. That's-that's where we had our first date. Um, she walked in and I had the room filled with lilies, her favorite flower. (えーっと、実は、僕はレイチェルをプラネタリウムに連れて行ったんです。そこは僕たちが最初のデートをした場所で。彼女がそこに入って来ると、僕はその部屋をユリでいっぱいにしておいたんです、彼女のお気に入りの花なんですよ。)
リサおばさん: Oh, that is so sweet! (まぁ、それってすっごく素敵!)
レイチェル: Shhh! I want to hear the rest! (シーッ! 私は残りの(続きの)話を聞きたいの!)
ロス: Then Fred Astaire singing, "The Way You Look Tonight" came on the sound system, and the lights came down. And I got down on one knee and written across the dome in the stars, were the words: "Will you marry me?" (それから、「今宵の君は」を歌うフレッド・アステア(の声)がサウンドシステムから流れてきて、ライトが落ちるんです。それから僕が片膝をつくと、ドームいっぱいに、星でこの文字が書かれてるんです。「僕と結婚してくれる?」)
(Various oohs and ahhs)
さまざまな、おぉ、あぁ、という声(ため息)が起こる。
レイチェル: And the ring was the size of my fist! (makes a fist) (そして指輪は私のこぶしのサイズだったんですよ! [手でこぶしを作る])
レイチェルは(ありもしなかった)結婚式のベール自慢をしています。
nun は「尼僧、修道女」ということですね。
盲目の修道女たちが作った、と言うので、聞いている人は「盲目の人が作ったの?」と驚き聞き返すのですが、レイチェルは、「最初は盲目ではなかったけれど、とても複雑で入り組んだ(intricate)仕事だったから」と説明しています。
その後の文章、they said even though they lost their sight, it was all worth it. について。
they/their は nuns (そのベールを作った修道女たち)を指します。
worth it は「それだけの価値がある」。
彼女たちが言った内容を引用符でくくって表現すると、
they said, "Even though we lost our sight, it was all worth it."
になるでしょう。
「たとえ私たちが視力を失ったとしても、(ベールを作る・編むことは)それだけの価値が十分ある」と修道女たちは言った。
ということですね。
何人もの修道女がそれで目を悪くしてしまうほどの、とても細かく複雑な模様でできた、非常に手の込んだ素晴らしいベールだった、と言っていることになります。
「レイチェル、あなたはきっと美しかったでしょうね」とおばさんに言われたレイチェルは、まずは、I don't know about that. 「それについては私にはわかりませんわ。どうでしょうか?」みたいに自分ではイエスと言うのを避けています。
ですがその後に、But there were some people that said 「でも、〜だと言った人もいましたわ」と付け加えるのが、レイチェルらしいですね。
その言った内容が、I looked like a floating angel. 「私(レイチェル)は、浮かんでいる天使のように見えた」。
日本語的には「天使が浮かんでいるように見えた」の方が、表現としては美しいでしょうか。
いずれにしても、「結婚式のレイチェルはまるで天使がフワフワと浮いているようだった」と言ってくれた人もいましたわ、と自分で言っているわけですね。
先に「きれいだったかどうかは私にはわかりませんわ」みたいに言っておいて、「人には天使みたいだと言われましたけれど」などと付け加えているところに、「きれいだと褒められたい女心」が見えていて面白い、しかもこの場合は、実際に人にそう言われたわけでもないところを、自分で「天使のようだった」と表現しているのもポイントだということですね。
「自分ではよくわかりませんが、私のことをこんな風に言ってくれる人もいました」という表現は、自分の長所をアピールするのが苦手な日本人には、利用価値が高い表現かなと思います^^
女性がロスに「どうやって・どのようにして、ロスはレイチェルにプロポーズしたの?」と質問します。
ロスが説明する前にレイチェルが、「それはもう素敵な話なんですよ」みたいに言うので、ロスには変なプレッシャーがかかってしまいそうなところですが、意外にもロスは、言葉に詰まることなく、その「実際にはなかった」プロポーズの話をリアルに説明しているのも面白いです。
ロスは、「実は僕は、彼女をプラネタリウムに連れて行ったんです。そこは僕たちが最初のデートをした場所だったんです」と説明しています。
そのプラネタリウムのデートは、フレンズ2-15その18 に出てきましたね。
ここで、フレンズトリビア的な話をすると、今回のセリフで、ロスはそのプラネタリウムのデートを「二人の初デート」だと言っていますが、プラネタリウムのデートは実は2回目のデートで、本当の1回目のデートは、フレンズ2-15その11 に出てきた、「字幕付きの外国映画を見に行ったけれど、レイチェルは眼鏡をかけたくなくて、字幕が読めず、内容がわからなかった」というものです。
その後、レイチェルの部屋で良いムードになるものの、レイチェルが笑ってしまって、先に進めなかった、、というのが、本当のファーストデートでした。
とはいえ、二人が初めて結ばれたのが、その2回目のプラネタリウムだったのは間違いないので、今回ロスが「プラネタリウム」のことを言ったのは、フレンズファンにとって嬉しいことだったと言えるでしょう。
I had the room filled with lilies は、「その部屋(プラネタリウムの部屋)をユリで満たされた状態にした」という感覚ですね。
ユリ(lily, lilies)がレイチェルのお気に入りの花である、という話は、彼に手を出さないようにするのが大変だろ? フレンズ8-12その2 にも出てきましたね。
ジョーイがレイチェルをデートに誘いに来た時に、持ってきた花がユリでした。
ユリでいっぱいのプラネタリウム、、というロマンチックな話に、聞いていたおばさんは「それってすっごく素敵ね!」と感動したように言っているのですが、この話の続きが聞きたいレイチェルは、年上のおばさんに向かって、シーッ!と言い、言われたおばさんはムッとした顔をしています。
ロスはその後も話を続けています。
Then Fred Astaire singing, "The Way You Look Tonight" came on the sound system を直訳すると、「それから、”今宵の君は”を歌うフレッド・アステアがサウンド(音響)システムに出てきて」みたいな感じですね。
もっと日本語っぽく言うと、「”今宵の君は”を歌うフレッド・アステアの歌声が、スピーカーから流れてきて」ということになるでしょう。
"The Way You Look Tonight" という歌は、今宵の君は、を入れたテープ フレンズ6-17その4 にも出てきたことがあります。
チャンドラーがモニカにあげたプレゼントのカセットテープに入っていた曲ですが、実はそれは昔、ジャニスがチャンドラーに贈ったテープだった、ということが、ジャニスのメッセージが入っていたことでバレてしまう、、というものでしたね。
その曲に関して、その記事より1つ前の記事、望むものを何でも、こっちとあっちで フレンズ6-17その3 のコメント欄 で、
「この曲は映画「有頂天時代」のために書かれた曲なんですが,フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースがこの曲に乗って踊るシーンは,ミュージカル映画の中でも一,二を争うロマンチックなダンスナンバーなんです.」
という情報を教えていただいたことがありました。
過去のフレンズでもそのように「ロマンチックな曲」として使われたものが、今回もプロポーズの時に流す曲として使われたということになりますね。
アステアのロマンチックな曲が流れる中、ライトが落ちて、僕は片膝をついて、、とロスは説明を続けています。
片膝をついて、Will you marry me? と言うのは、プロポーズの定番ですね。
ロスの場合は、そのセリフを「自分の口で言った」のではなく、「文字として書かれた」のがポイントだと言えるでしょう。
その「書かれた」ことが説明されたセリフ、written across the dome in the stars, were the words: "Will you marry me?" が、長めの文章になっているので、構造の説明をさせて下さい。
これは、通常のSVの文章にすると、
The words: "Will you marry me?" were written across the dome in the stars.
になるでしょう。
それを、このセリフの最大のポイントとなる "Will you marry me?" を最後に持ってきた倒置の形が、ロスのセリフになるわけですね。
ロスのセリフを聞いたままにイメージすると、
written across the dome in the stars 「書かれていた、ドームを横切って(ドームいっぱいに)、星々で」
were the words: "Will you marry me?" 「(書かれていたのは)”僕と結婚してくれる?”という言葉だった」
になるでしょう。
途中に、across the dome という言葉が挿入されていますが、written in the stars の in は、「筆記体で書く」(write in cursive letters)のように、「〜で書く」のニュアンスだと思われます。
「星々の中に書かれていた」のではなく、「星々で(文字が)書かれていた」ということだと思うのですね。
ですから、その文全体のイメージは、
「僕は片膝をつきました。そして、ドームいっぱいに、星で書かれていたその言葉は「僕と結婚してくれる?」だったんです」
ということになり、「そこに書かれていた言葉は〜だった」と表現する倒置になっていたということです。
ト書きの Various oohs and ahhs という表現が、なかなか面白いですね。
聞いている人たちが口々に、Ooh, Ahh と言っている感じで、どよめきのようなため息があちこちから聞こえてくる様子がよく出ていると思います。
シーンのオチとして、「指輪の宝石の大きさ」のことを言っているのも面白いですね。
レイチェルの説明は文字通りの、「指輪(の宝石)は、こぶし大の大きさだった」ということで、それはいくらなんでも大げさだろ!と言いたいところですが、ロスのロマンチックなプロポーズの話に感動しつつも、「私の話も聞いてよ」的に、「金銭的な自慢話」を盛り込んで、レイチェルの見栄っ張りな部分も見せているのが、フレンズっぽくて楽しいなと思いました。
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2014年08月18日
君がどれだけ聞いたかによる フレンズ8-18その4
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ロスとモニカの両親の結婚記念パーティー会場。
フィービーが連れてきたデート相手のパーカーは、何を見ても大げさに反応するので、フィービー以外のフレンズたちはすっかりうんざりしている様子。
パーカーとフィービーがお手洗いに行っている間、残ったフレンズたちがパーカーのことを話しています。
チャンドラー: Somewhere there is someone with a tranquilizer gun and a huge butterfly net looking for that man. (どこかに麻酔銃と大きな虫取り網を持って、あの男を捜しているやつが(きっと)いるな。)
ジョーイ: I have to go to the bathroom too, but I don't want him complimenting my thing. (俺もトイレに行かないといけないんだけど、でも彼に俺のモノを褒められたくないよ。)
ロス: So glad we weren't in the car! Did he ever let up? (僕と彼が同じ車でなくて良かったよ。彼(のあの勢い)が弱まることはあった?)
モニカ: He called the Long Island Expressway a "concrete miracle." (パーカーはロングアイランドの高速道路を「コンクリートの奇跡」って呼んでたわ。)
ロス: (imitating Parker) This room! This night! That waiter! His shoes! I must take a mental picture! (He backs into someone.) Ooh sorry... (He looks behind him then notices it's Phoebe then stops his impression.) ([パーカーの真似をして] この部屋! この夜! あのウェイター! 彼の靴! 僕は心の写真を撮らないといけないね! [ロスは後ろに下がって誰かにぶつかる] あぁ、すみません… [彼は自分の後ろを見て、それからそれがフィービーだと気づいて、パーカーの真似をやめる])
フィービー: Were you guys making fun of Parker? (あなたたちはパーカーをバカにしてたの?)
ロス: That depends, how much did you hear? (状況によるね、フィービーは(僕の話を)どれくらい聞いたかな?)
チャンドラーの Somewhere で始まるセリフについて。
「どこかに」を強調する感じで、somewhere が文頭に来ていますが、構造をシンプルにすると、There is someone... somewhere. 「…(する)誰かが、どこかにいる」ということですね。
a tranquilizer gun は「麻酔銃」、a butterfly net は「蝶のネット」ということですから「捕虫網、虫取り網」。
someone with A looking for that man ということで、「A を持ちながら、あの男を捜している誰か」と言っていることになります。
「麻酔銃と虫取り網を持って、あの男(パーカー)を(捕まえてやろうと)捜しているやつがどこかにいる」と言いたいわけですが、通常は文の最後に位置する somewhere をこうして文頭に出すことで、「”どこかに”必ずいる(に違いない)」という強調の感覚が出ているように思います。
「麻酔銃と網」のように、まるで猛獣か害虫みたいに言っているのが面白いわけですね。
ジョーイは「俺もトイレに行かないといけないんだけど、トイレに行きたいんだけど」と言った後、「でも彼に俺の thing を compliment してもらいたくない」みたいに言っていますね。
thing は「もの、こと」で、ジョーイがトイレでパーカーに見られたくない部分(笑)のことを、「俺のモノ」みたいに表現していることになります。
compliment は、Thank you for your compliment. 「お褒めいただきありがとうございます」の決まり文句で使われるように、名詞では「褒め言葉」、動詞では「褒める」ですね。
また、このセリフは、I don't want him doing の形になっています。
「人に〜してもらいたくない、〜しないでもらいたい」と言いたい場合には、
I don't want him to compliment my thing.
I want him not to compliment my thing.
などのように、want to を not と組み合わせることが可能ですが、「してもらいたくない」という否定文の場合には、今回のセリフのような「don't want 人 doing」の形を取ることもできるようです。
研究社 新英和中辞典では、以下のように説明されています。
want (他動詞)
(5) 〔+目+doing〕[否定文で] 〈人が〉〈人に〉〈…して〉もらいた(くな)い (注:この doing は現在分詞)
I don't want others interfering. 他人に干渉されたくない。
ただ、英英辞典には、そういう want somebody doing という形は載っていないんですよねぇ、、。(want something done という、過去分詞の例は載っていますが)
英英辞典に載っていないのは残念ですが、研究社の英和にそう出ていることと、実際にジョーイがこのように使っていることから、こういう構文もアリ、ということで良い、とは思います。
構文の説明ばかりになりましたが、要は、「パーカーとトイレで一緒になったら、”君のモノはなんてすごいんだ!”などと絶賛されそうでいやだ」という、ジョーイらしいセリフになっているということです。
ロスとレイチェルは、パーカーと一緒の車に乗りたくなくて、別のタクシーで会場に来ていました。
なので、「僕と彼が同じ車じゃなかったことは嬉しかった」のように言っているのですね。
Did he ever let up? の let up は、「やめる、休める、やむ」「静まる、弱まる、和らぐ」のような感覚。
LAAD では、
let up [phrasal verb] if something, such as bad weather or a bad situation, lets up, it stops or becomes less serious.
つまり、「悪天候や悪い状態などが let up するというのは、それが止まる、またはより深刻でなくなる、ということ」。
ですから、Did he ever let up? は、「彼のあのハイテンションで大げさな状態・勢いが、やむ・弱まることがあった?」と聞いていることになります。
それに対してモニカは、「彼はロングアイランドの高速道路を”コンクリートの奇跡”と呼んだ」と答え、車の中でもずっとあの調子で、何かを絶賛し続けていたことを言っています。
ロスはついにはパーカーの大げさな言動の真似をし始めます。
見るもの全てを褒めちぎり、「心の写真を撮らなきゃ」と言っている時に、ト書きにあるように、誰かに当たり、すみません、と謝ったところ、それがフィービーであることがわかる、という流れになっています。
ト書きの back into は「後ろに下がって・後退して〜にぶつかる」という感覚。
bump into 「人にばったり出くわす」という表現もありますが、その into と似た感じですね。
impression は「印象」と訳されることが多いですが、この場合は「(人の)物真似(ものまね)」。
フレンズ1-3 では、
チャンドラー: I'd marry him just for his David Hasselhoff impression alone. (彼(アラン)のデビッド・ハッセルホフの物真似だけで、俺は彼と結婚するね。)
というセリフもありましたね。
ロスがパーカーの物真似をしているのを見て、フィービーは気を悪くした様子で、「あなたたち、パーカーをばかにしてたの?」と怒っています。
それに対するロスの返事が、辛い立場ながらも面白いですね。
That depends, how much did you hear? の That depends. というのは「状況による、時と場合による」という決まり文句。
how much did you hear? は、「(僕がしていたこと・僕の発言を)どのくらいの量・どの程度、君は聞いた?」ということで、どこから聞いていたかによって状況は変わるね、少しだけしか聞いていないのなら、「全然ばかになんかしてないよ」ってごまかすこともできるかもしれないけど、かなりの部分を聞かれていたのなら、きっと言い訳できないよね、、みたいな、ロスの本音が見えるセリフになっているということですね。
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ロスとモニカの両親の結婚記念パーティー会場。
フィービーが連れてきたデート相手のパーカーは、何を見ても大げさに反応するので、フィービー以外のフレンズたちはすっかりうんざりしている様子。
パーカーとフィービーがお手洗いに行っている間、残ったフレンズたちがパーカーのことを話しています。
チャンドラー: Somewhere there is someone with a tranquilizer gun and a huge butterfly net looking for that man. (どこかに麻酔銃と大きな虫取り網を持って、あの男を捜しているやつが(きっと)いるな。)
ジョーイ: I have to go to the bathroom too, but I don't want him complimenting my thing. (俺もトイレに行かないといけないんだけど、でも彼に俺のモノを褒められたくないよ。)
ロス: So glad we weren't in the car! Did he ever let up? (僕と彼が同じ車でなくて良かったよ。彼(のあの勢い)が弱まることはあった?)
モニカ: He called the Long Island Expressway a "concrete miracle." (パーカーはロングアイランドの高速道路を「コンクリートの奇跡」って呼んでたわ。)
ロス: (imitating Parker) This room! This night! That waiter! His shoes! I must take a mental picture! (He backs into someone.) Ooh sorry... (He looks behind him then notices it's Phoebe then stops his impression.) ([パーカーの真似をして] この部屋! この夜! あのウェイター! 彼の靴! 僕は心の写真を撮らないといけないね! [ロスは後ろに下がって誰かにぶつかる] あぁ、すみません… [彼は自分の後ろを見て、それからそれがフィービーだと気づいて、パーカーの真似をやめる])
フィービー: Were you guys making fun of Parker? (あなたたちはパーカーをバカにしてたの?)
ロス: That depends, how much did you hear? (状況によるね、フィービーは(僕の話を)どれくらい聞いたかな?)
チャンドラーの Somewhere で始まるセリフについて。
「どこかに」を強調する感じで、somewhere が文頭に来ていますが、構造をシンプルにすると、There is someone... somewhere. 「…(する)誰かが、どこかにいる」ということですね。
a tranquilizer gun は「麻酔銃」、a butterfly net は「蝶のネット」ということですから「捕虫網、虫取り網」。
someone with A looking for that man ということで、「A を持ちながら、あの男を捜している誰か」と言っていることになります。
「麻酔銃と虫取り網を持って、あの男(パーカー)を(捕まえてやろうと)捜しているやつがどこかにいる」と言いたいわけですが、通常は文の最後に位置する somewhere をこうして文頭に出すことで、「”どこかに”必ずいる(に違いない)」という強調の感覚が出ているように思います。
「麻酔銃と網」のように、まるで猛獣か害虫みたいに言っているのが面白いわけですね。
ジョーイは「俺もトイレに行かないといけないんだけど、トイレに行きたいんだけど」と言った後、「でも彼に俺の thing を compliment してもらいたくない」みたいに言っていますね。
thing は「もの、こと」で、ジョーイがトイレでパーカーに見られたくない部分(笑)のことを、「俺のモノ」みたいに表現していることになります。
compliment は、Thank you for your compliment. 「お褒めいただきありがとうございます」の決まり文句で使われるように、名詞では「褒め言葉」、動詞では「褒める」ですね。
また、このセリフは、I don't want him doing の形になっています。
「人に〜してもらいたくない、〜しないでもらいたい」と言いたい場合には、
I don't want him to compliment my thing.
I want him not to compliment my thing.
などのように、want to を not と組み合わせることが可能ですが、「してもらいたくない」という否定文の場合には、今回のセリフのような「don't want 人 doing」の形を取ることもできるようです。
研究社 新英和中辞典では、以下のように説明されています。
want (他動詞)
(5) 〔+目+doing〕[否定文で] 〈人が〉〈人に〉〈…して〉もらいた(くな)い (注:この doing は現在分詞)
I don't want others interfering. 他人に干渉されたくない。
ただ、英英辞典には、そういう want somebody doing という形は載っていないんですよねぇ、、。(want something done という、過去分詞の例は載っていますが)
英英辞典に載っていないのは残念ですが、研究社の英和にそう出ていることと、実際にジョーイがこのように使っていることから、こういう構文もアリ、ということで良い、とは思います。
構文の説明ばかりになりましたが、要は、「パーカーとトイレで一緒になったら、”君のモノはなんてすごいんだ!”などと絶賛されそうでいやだ」という、ジョーイらしいセリフになっているということです。
ロスとレイチェルは、パーカーと一緒の車に乗りたくなくて、別のタクシーで会場に来ていました。
なので、「僕と彼が同じ車じゃなかったことは嬉しかった」のように言っているのですね。
Did he ever let up? の let up は、「やめる、休める、やむ」「静まる、弱まる、和らぐ」のような感覚。
LAAD では、
let up [phrasal verb] if something, such as bad weather or a bad situation, lets up, it stops or becomes less serious.
つまり、「悪天候や悪い状態などが let up するというのは、それが止まる、またはより深刻でなくなる、ということ」。
ですから、Did he ever let up? は、「彼のあのハイテンションで大げさな状態・勢いが、やむ・弱まることがあった?」と聞いていることになります。
それに対してモニカは、「彼はロングアイランドの高速道路を”コンクリートの奇跡”と呼んだ」と答え、車の中でもずっとあの調子で、何かを絶賛し続けていたことを言っています。
ロスはついにはパーカーの大げさな言動の真似をし始めます。
見るもの全てを褒めちぎり、「心の写真を撮らなきゃ」と言っている時に、ト書きにあるように、誰かに当たり、すみません、と謝ったところ、それがフィービーであることがわかる、という流れになっています。
ト書きの back into は「後ろに下がって・後退して〜にぶつかる」という感覚。
bump into 「人にばったり出くわす」という表現もありますが、その into と似た感じですね。
impression は「印象」と訳されることが多いですが、この場合は「(人の)物真似(ものまね)」。
フレンズ1-3 では、
チャンドラー: I'd marry him just for his David Hasselhoff impression alone. (彼(アラン)のデビッド・ハッセルホフの物真似だけで、俺は彼と結婚するね。)
というセリフもありましたね。
ロスがパーカーの物真似をしているのを見て、フィービーは気を悪くした様子で、「あなたたち、パーカーをばかにしてたの?」と怒っています。
それに対するロスの返事が、辛い立場ながらも面白いですね。
That depends, how much did you hear? の That depends. というのは「状況による、時と場合による」という決まり文句。
how much did you hear? は、「(僕がしていたこと・僕の発言を)どのくらいの量・どの程度、君は聞いた?」ということで、どこから聞いていたかによって状況は変わるね、少しだけしか聞いていないのなら、「全然ばかになんかしてないよ」ってごまかすこともできるかもしれないけど、かなりの部分を聞かれていたのなら、きっと言い訳できないよね、、みたいな、ロスの本音が見えるセリフになっているということですね。
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2014年08月15日
私たちほど心が広くない人もいる フレンズ8-18その3
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ゲラー夫妻(ロスとモニカの両親)の結婚記念のパーティー会場。
ゲラーママ(ロスとモニカのママ): Can we talk to you for just a moment? (ちょっと二人に話せるかしら?)
レイチェル: Yeah. (はい。)
ゲラーママ: It's just a little thing. While we think it's simply marvelous that you're having this baby out of wedlock, some of our friends are less open-minded. Which is why we've told them all that you're married. (ちょっとしたことなの。あなたたちが結婚せずに子供を持つことは、ただ素晴らしいことだと私たちは思ってるんだけど、私の友達の中には、私たちより心が狭い人もいるの。だから私たちはその人全員に言ったのよ、あなたたちは結婚してる、って。)
ロスとレイチェル: What?! (何?)
ゲラーママ: Thanks for going along with this. (この件について同調してくれてありがとう。)
ロス: Dad, what, we have to pretend that we're married? (パパ、何? 僕たちは結婚してるふりをしないといけないの?)
ゲラーパパ: Son, I had to shave my ears for tonight. You can do this. (息子よ、今夜のために私は耳の毛を剃らないといけなかった。(それに比べたら)お前はこのくらいのことできるだろ(簡単だよ)。)
ロス: Can you believe that? (今の発言、信じられる?)
レイチェル: Yeah, I know. If you're going to do the ears, you may as well take a pass at the nasal [nosal] area. (そうよ、わかってる。もし耳をやる(する)のなら、鼻のエリアにも手を出した方がいいわ。)
ロス: No, no, I don't want to have to lie about us being married. (違う、違うよ。僕たちが結婚してるなんて嘘をつかないといけないなんて嫌だ、ってこと。)
レイチェル: Oh, no, I know, I don't either. But ya know what, it's their party, and it's one night. And we don't even have to lie. We just won't say anything. If it comes up again, we'll just... smile, we'll nod along.... (あぁ、そうね。私もそれは嫌だわ。でもほら、ご両親のパーティーだし、一晩だけのことよ。それに私たちは嘘をつく必要さえないわ。私たちはただ何も言わないようにするの。またその話題が出ても、私たちはただ…微笑んで、(相手の話に)合わせてうなずくの…)
ロスとモニカの両親の結婚記念パーティー会場で、ロスとレイチェルは、ママに声を掛けられます。
It's just a little thing. は「ちょっとしたことなの」というところですね。
「大した話じゃないんだけど」と最初に前置きしている感じですが、わざわざそんな前振りをする時ほど、大ごとだったりしますよね^^
ママの次のセリフ、While we think it's simply marvelous... について。
構造をシンプルにすると、while we think A, some of our friends are B ということになるでしょう。
私たち(ロスとモニカの両親)が A だと思う一方で、私たちの友人には、B である人もいる、という感覚です。
前半の文章を前から順番にイメージすると、
「私たちは思ってるの、ただ・とにかく(simply)素晴らしい(marvelous)って」。
何が「ただ素晴らしい」ことかというのが、that 以下で語られていて、それは、
「あなたたち(ロスとレイチェル)が子供を持つこと(二人に子供が生まれること)」
なのですが、「子供を持つこと」の後に、副詞句 out of wedlock が続いています。
wedlock は「結婚している状態、婚姻」という意味。
研究社 新英和中辞典では、
born in lawful wedlock 嫡出の
born out of wedlock 庶出の
という表現も出ています。
born out of wedlock を直訳すると、「婚姻(関係)の外で生まれる」ということで、法律上の婚姻関係にない男女から生まれた婚外子ということになります。
今回のセリフでは、have this baby out of wedlock となっているので、婚外子の子供を持つ、婚姻関係にない状態で子供を産む、という感覚になりますね。
英辞郎には、
Wedlock is a padlock. 《諺》婚姻は監禁。
ということわざも出ています。
padlock は「南京錠(なんきんじょう)」のこと。lock が韻を踏んでいますね。
ネットで調べてみると、Laura Lee(ローラ・リー)という人の Wedlock Is A Padlock という歌もあるようです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
wedlock [noun, uncountable] (old use) : the state of being married
be born out of wedlock : be born to parents who are not married
つまり、wedlock は「結婚しているという状態・状況」。
be born out of wedlock は、「結婚していない両親(の家庭)に生まれる」。
ロスとレイチェルにはもうすぐ子供が生まれるけれど、二人は結婚しないことを決めたので、そのことをママは言っていることになります。
後半の some of our friends are less open-minded. について。
open-minded は「心が広い、偏見のない」なので、「私たちほど心が広くない、私たちより心が狭い友人もいる」と言っていることになりますね。
Which is why は、That's why 「だから〜なのよ。それが(why 以下のことをする・した)理由なのよ」の that の代わりに、前の文全体を受ける関係代名詞 which を使った形です。
「私がその友人たち全員に、ロスとレイチェルは結婚したと言った理由がそれよ。心の狭い人もいるから、あなたたち二人は結婚したって言ったの」ということになります。
ママに言わせると、「私たち(パパとママ)は理解があって心が広い」ということですが、「とにかく素晴らしいことだと思っているのよ」と言いながら、その後に、「婚外子の子供を持つこと」のようなダイレクトでシビアな表現を使っているところに、ママ本人もそのことについては、やはり今でもこだわりがある、抵抗があることが示されているように思います。
simply marvelous という称賛と、have this baby out of wedlock という「あなたたちがやっていることは世間から見ればこういうことなのよ」と現実を突き付けているような冷淡な表現との落差が、ママのセリフのポイントだという気がするのですね。
そういうことを受け入れている私たちはほんとに心が広いと思うわ、みたいな感じで、よく皮肉を言うママらしいセリフになっていると思います。
それを聞いたロスとレイチェルは驚くのですが、ママはしれっとした風で、Thanks for going along with this. と言いながら去って行きます。
go along with は、「〜と一緒に行く」ということですから、「〜に同調する、従う、賛成する、〜の話に乗る」という意味になります。
え?とただ驚いているばかりの二人に、「話に乗ってくれてありがとうね」と言って去って行く感覚は、「この件にちゃんと話を合わせてちょうだいね。よろしくね。助かるわ」みたいに先に言うことで、相手に有無を言わさず強引に従わせる感じですね。
ロスは隣にいるパパに、「僕たち二人は結婚してるふりをしなくちゃいけないの?」と言っています。
それに対するパパの返事がパパらしくて面白いです。
直訳すると、「息子よ、私は今夜(の結婚記念パーティー)のために、耳(の毛)を剃らないといけなかった。お前はこんなことぐらいできるよ」というところでしょうか。
日本語っぽく言うと、「私なんかパーティーのために耳の毛まで剃らないといけなかったんだぞ。それを思えば、お前がこんなことをする(結婚していると嘘をつく)なんて簡単だろ」ということになりますね。
パパの発言にあきれて「今のパパの言ったこと、信じられる?」とロスがレイチェルに言うと、レイチェルは、「ええ、そうね」と言うのですが、その後、ロスの意図とは違う、トンチンカンな返事をしているのが笑いのポイントになるでしょう。
ネットスクリプトには、the nosal area と書いてありましたが、「鼻の」という形容詞の綴りは、正確には nasal になります。
nasal の発音は、「ネイゾゥ(ネイゾル)」のようになりますが、レイチェルのセリフを聞いていると、「ノウゾゥ」と言っているように聞こえますので、それを文字にすると、nosal が近いような気はします。
日本人にとっても、nose の形容詞は nosal であってくれた方が理解しやすいのですが^^
正確には、「鼻の」という形容詞は、nasal であることを注意として書いてみました。
do the ears というのは漠然とした表現ですが、その前に「耳(の毛)を剃る」という話が出ているので、その流れから「耳をする」のようにシンプルに表現した感じですね。
may as well は「〜した方がよい・よさそうだ」。
take a pass at というフレーズは、辞書にもあまり見当たらないのですが、make a pass at というのは、「言い寄る、モーションをかける、ナンパする、ちょっかいをかける」という意味で、フレンズ1-12 でも、
フィービー: Paolo made a pass at me. (パウロが私にモーションかけてきたの。)
というセリフで登場しました。
LAAD では、
pass [noun] : SEX an attempt to kiss or touch another person with the intention of starting a sexual relationship with them
例) Her boss made a pass at her.
つまり、「ある人と性的関係を始めようという意図を持って、その人にキスしたりタッチしたりしようとすること」。例文は、「彼女の上司は彼女にモーションをかけた」。
日本人が、pass という単語を見ても、そういう連想はあまり働かないと思いますが、アカデミックな辞書である LAAD でもこのように随分と「性的な」語義になっていることからも、性的なアプローチの言葉として広く一般的に使われていることがわかります。
今回の take a pass at が make a pass at となっていたら、そういう性的なアプローチの意味で解釈することに何も問題はないのですが、take が使われていることで、何か別の意味になるのかどうか?が正直よくわかりません。
英辞郎には、
take a pass on=〜を見送る
という意味が載っているのですが、これは at ではなく、on になっていますよね。
この take a pass on の場合は、「トランプでパスをする(棄権する)」のパスに近い感覚だろうと思います。
ただ、そういう「見送る、棄権する、辞退する、遠慮する」のような意味だと考えると、「耳をしようと思うのなら、鼻のエリアは見送る方がいい」になり、セリフのつじつまが合わなくなる気がするのですね。
DVDの日本語訳も、
(字幕)耳毛を切るなら 鼻毛も切るべきよ/(音声)ええ、ほんとよねぇ、耳毛を剃るぐらいなら、鼻毛も全部、チェックすればいいのに
となっていて、「耳をするなら鼻も(同じように)すべき」の方が話の流れ的にも合っている気がするわけです。
LAAD の語義にあったように、pass という名詞に「(性的関係を期待して)キスしたりタッチしたりすること」という意味があるとしたら、そういう行為を make するでも、take するでも、どちらの動詞でも使えるような気はするのですね。
make と take を LAAD で調べると、どちらにも2番目の語義に、do something という意味が出ています。
make なら、make a decision/call など、take なら take a shower/walk などの例が載っています。
make の1番目の語義は produce、take の1番目の語義は move で、それぞれ日本語にすると「作る」と「動かす」ということになるでしょうが、make/take 以下に続く名詞の行為を「作り出す、生み出す」「動かす、行動を起こす」のように考えると、make/take a pass at はどちらも、at 以下の対象物に a pass という行為をする、という意味で、同じように使える気がするわけです。
話が長くなってしまいましたが、レイチェルのセリフの take a pass at が、make a pass at と同じニュアンスだと考えると、「鼻のエリアにちょっかいをかける、手を出す」みたいなことになるでしょう。
レイチェルが言いたいことは、「耳の毛を剃ったのなら、鼻の毛も剃った方が良かったのに」みたいなことで、「耳毛は剃ったようだけど、鼻毛の手入れができてないわ」とレイチェルが思ったらしいことがわかります。
また、このセリフで、レイチェルが、do と take a pass at という動詞と句動詞を使ったことについては、ちょっと恋愛絡みの連想も働く表現で言ってみた、という感覚があるようにも思いました。
(これも、あくまで、take a pass at が、make a pass at と同じニュアンスがある、という解釈の続きの話になりますので、その点はご了承下さいませ)
具体的な内容としては、「耳毛・鼻毛を剃る・手入れする」ということですが、その部分に手を入れる、その部分を手入れする、という意味で、do the ears のように最初は do を使い、鼻のエリアにも手を出す、という意味で take a pass at と表現したことで、do+人 「人とエッチする」、take/make a pass at 「人に言い寄る、ちょっかい・モーションをかける」という言葉のイメージと重ねている気がした、ということです。
ちょっとお下品に言うと、「耳をヤるのなら、鼻エリアにも手を出せばいいのに」みたいな感じでしょうか。
レイチェルのセリフは、「耳毛を剃るなら、まずは鼻毛を剃るべきだったんじゃない?」と鼻毛の手入れがなっていないことを指摘するという意味でも面白いのですが、それを shave という単語で表現するのではなく、わざわざ do & take a pass at というコンビネーションを使って、異性に対するアプローチのように表現しているのが、このセリフの面白さなんだろうなと思ったわけです。
ロスは「結婚したと嘘をつくくらい簡単だろ」というパパの発言にあきれていたのに、レイチェルが「耳の毛を剃る」という部分に対してのみ反応しているので、ロスは「僕たちが結婚しているって嘘をつくなんて嫌だ」と言っています。
レイチェルは、「わかるわ。私も嫌よ」と言いながらも、「でもほら、ご両親のパーティーだし、一晩だけのことだし」と言います。
それから、「私たちは嘘をつく必要さえない。私たちはただ何も言わない。その話題がまた出たら、私たちはただ微笑んで、それにうなずくのよ」と言っています。
自分から「結婚しました」と言うことなんかない、人がそのことを言ったら、ただ笑ってうなずいていれば、嘘をついたことにはならないわ、ということですね。
it comes up は「来る+上がる」ということですから、「話題に上がる、話題に出る、言及される」という感覚。
このやりとりの直後に、実際に「結婚おめでとう」と言われた二人が、「ただ微笑んで、ん〜ん〜ん、と大きくうなずいているだけ」の姿を見せるのも、コメディーっぽくて面白いですね。
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ゲラー夫妻(ロスとモニカの両親)の結婚記念のパーティー会場。
ゲラーママ(ロスとモニカのママ): Can we talk to you for just a moment? (ちょっと二人に話せるかしら?)
レイチェル: Yeah. (はい。)
ゲラーママ: It's just a little thing. While we think it's simply marvelous that you're having this baby out of wedlock, some of our friends are less open-minded. Which is why we've told them all that you're married. (ちょっとしたことなの。あなたたちが結婚せずに子供を持つことは、ただ素晴らしいことだと私たちは思ってるんだけど、私の友達の中には、私たちより心が狭い人もいるの。だから私たちはその人全員に言ったのよ、あなたたちは結婚してる、って。)
ロスとレイチェル: What?! (何?)
ゲラーママ: Thanks for going along with this. (この件について同調してくれてありがとう。)
ロス: Dad, what, we have to pretend that we're married? (パパ、何? 僕たちは結婚してるふりをしないといけないの?)
ゲラーパパ: Son, I had to shave my ears for tonight. You can do this. (息子よ、今夜のために私は耳の毛を剃らないといけなかった。(それに比べたら)お前はこのくらいのことできるだろ(簡単だよ)。)
ロス: Can you believe that? (今の発言、信じられる?)
レイチェル: Yeah, I know. If you're going to do the ears, you may as well take a pass at the nasal [nosal] area. (そうよ、わかってる。もし耳をやる(する)のなら、鼻のエリアにも手を出した方がいいわ。)
ロス: No, no, I don't want to have to lie about us being married. (違う、違うよ。僕たちが結婚してるなんて嘘をつかないといけないなんて嫌だ、ってこと。)
レイチェル: Oh, no, I know, I don't either. But ya know what, it's their party, and it's one night. And we don't even have to lie. We just won't say anything. If it comes up again, we'll just... smile, we'll nod along.... (あぁ、そうね。私もそれは嫌だわ。でもほら、ご両親のパーティーだし、一晩だけのことよ。それに私たちは嘘をつく必要さえないわ。私たちはただ何も言わないようにするの。またその話題が出ても、私たちはただ…微笑んで、(相手の話に)合わせてうなずくの…)
ロスとモニカの両親の結婚記念パーティー会場で、ロスとレイチェルは、ママに声を掛けられます。
It's just a little thing. は「ちょっとしたことなの」というところですね。
「大した話じゃないんだけど」と最初に前置きしている感じですが、わざわざそんな前振りをする時ほど、大ごとだったりしますよね^^
ママの次のセリフ、While we think it's simply marvelous... について。
構造をシンプルにすると、while we think A, some of our friends are B ということになるでしょう。
私たち(ロスとモニカの両親)が A だと思う一方で、私たちの友人には、B である人もいる、という感覚です。
前半の文章を前から順番にイメージすると、
「私たちは思ってるの、ただ・とにかく(simply)素晴らしい(marvelous)って」。
何が「ただ素晴らしい」ことかというのが、that 以下で語られていて、それは、
「あなたたち(ロスとレイチェル)が子供を持つこと(二人に子供が生まれること)」
なのですが、「子供を持つこと」の後に、副詞句 out of wedlock が続いています。
wedlock は「結婚している状態、婚姻」という意味。
研究社 新英和中辞典では、
born in lawful wedlock 嫡出の
born out of wedlock 庶出の
という表現も出ています。
born out of wedlock を直訳すると、「婚姻(関係)の外で生まれる」ということで、法律上の婚姻関係にない男女から生まれた婚外子ということになります。
今回のセリフでは、have this baby out of wedlock となっているので、婚外子の子供を持つ、婚姻関係にない状態で子供を産む、という感覚になりますね。
英辞郎には、
Wedlock is a padlock. 《諺》婚姻は監禁。
ということわざも出ています。
padlock は「南京錠(なんきんじょう)」のこと。lock が韻を踏んでいますね。
ネットで調べてみると、Laura Lee(ローラ・リー)という人の Wedlock Is A Padlock という歌もあるようです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
wedlock [noun, uncountable] (old use) : the state of being married
be born out of wedlock : be born to parents who are not married
つまり、wedlock は「結婚しているという状態・状況」。
be born out of wedlock は、「結婚していない両親(の家庭)に生まれる」。
ロスとレイチェルにはもうすぐ子供が生まれるけれど、二人は結婚しないことを決めたので、そのことをママは言っていることになります。
後半の some of our friends are less open-minded. について。
open-minded は「心が広い、偏見のない」なので、「私たちほど心が広くない、私たちより心が狭い友人もいる」と言っていることになりますね。
Which is why は、That's why 「だから〜なのよ。それが(why 以下のことをする・した)理由なのよ」の that の代わりに、前の文全体を受ける関係代名詞 which を使った形です。
「私がその友人たち全員に、ロスとレイチェルは結婚したと言った理由がそれよ。心の狭い人もいるから、あなたたち二人は結婚したって言ったの」ということになります。
ママに言わせると、「私たち(パパとママ)は理解があって心が広い」ということですが、「とにかく素晴らしいことだと思っているのよ」と言いながら、その後に、「婚外子の子供を持つこと」のようなダイレクトでシビアな表現を使っているところに、ママ本人もそのことについては、やはり今でもこだわりがある、抵抗があることが示されているように思います。
simply marvelous という称賛と、have this baby out of wedlock という「あなたたちがやっていることは世間から見ればこういうことなのよ」と現実を突き付けているような冷淡な表現との落差が、ママのセリフのポイントだという気がするのですね。
そういうことを受け入れている私たちはほんとに心が広いと思うわ、みたいな感じで、よく皮肉を言うママらしいセリフになっていると思います。
それを聞いたロスとレイチェルは驚くのですが、ママはしれっとした風で、Thanks for going along with this. と言いながら去って行きます。
go along with は、「〜と一緒に行く」ということですから、「〜に同調する、従う、賛成する、〜の話に乗る」という意味になります。
え?とただ驚いているばかりの二人に、「話に乗ってくれてありがとうね」と言って去って行く感覚は、「この件にちゃんと話を合わせてちょうだいね。よろしくね。助かるわ」みたいに先に言うことで、相手に有無を言わさず強引に従わせる感じですね。
ロスは隣にいるパパに、「僕たち二人は結婚してるふりをしなくちゃいけないの?」と言っています。
それに対するパパの返事がパパらしくて面白いです。
直訳すると、「息子よ、私は今夜(の結婚記念パーティー)のために、耳(の毛)を剃らないといけなかった。お前はこんなことぐらいできるよ」というところでしょうか。
日本語っぽく言うと、「私なんかパーティーのために耳の毛まで剃らないといけなかったんだぞ。それを思えば、お前がこんなことをする(結婚していると嘘をつく)なんて簡単だろ」ということになりますね。
パパの発言にあきれて「今のパパの言ったこと、信じられる?」とロスがレイチェルに言うと、レイチェルは、「ええ、そうね」と言うのですが、その後、ロスの意図とは違う、トンチンカンな返事をしているのが笑いのポイントになるでしょう。
ネットスクリプトには、the nosal area と書いてありましたが、「鼻の」という形容詞の綴りは、正確には nasal になります。
nasal の発音は、「ネイゾゥ(ネイゾル)」のようになりますが、レイチェルのセリフを聞いていると、「ノウゾゥ」と言っているように聞こえますので、それを文字にすると、nosal が近いような気はします。
日本人にとっても、nose の形容詞は nosal であってくれた方が理解しやすいのですが^^
正確には、「鼻の」という形容詞は、nasal であることを注意として書いてみました。
do the ears というのは漠然とした表現ですが、その前に「耳(の毛)を剃る」という話が出ているので、その流れから「耳をする」のようにシンプルに表現した感じですね。
may as well は「〜した方がよい・よさそうだ」。
take a pass at というフレーズは、辞書にもあまり見当たらないのですが、make a pass at というのは、「言い寄る、モーションをかける、ナンパする、ちょっかいをかける」という意味で、フレンズ1-12 でも、
フィービー: Paolo made a pass at me. (パウロが私にモーションかけてきたの。)
というセリフで登場しました。
LAAD では、
pass [noun] : SEX an attempt to kiss or touch another person with the intention of starting a sexual relationship with them
例) Her boss made a pass at her.
つまり、「ある人と性的関係を始めようという意図を持って、その人にキスしたりタッチしたりしようとすること」。例文は、「彼女の上司は彼女にモーションをかけた」。
日本人が、pass という単語を見ても、そういう連想はあまり働かないと思いますが、アカデミックな辞書である LAAD でもこのように随分と「性的な」語義になっていることからも、性的なアプローチの言葉として広く一般的に使われていることがわかります。
今回の take a pass at が make a pass at となっていたら、そういう性的なアプローチの意味で解釈することに何も問題はないのですが、take が使われていることで、何か別の意味になるのかどうか?が正直よくわかりません。
英辞郎には、
take a pass on=〜を見送る
という意味が載っているのですが、これは at ではなく、on になっていますよね。
この take a pass on の場合は、「トランプでパスをする(棄権する)」のパスに近い感覚だろうと思います。
ただ、そういう「見送る、棄権する、辞退する、遠慮する」のような意味だと考えると、「耳をしようと思うのなら、鼻のエリアは見送る方がいい」になり、セリフのつじつまが合わなくなる気がするのですね。
DVDの日本語訳も、
(字幕)耳毛を切るなら 鼻毛も切るべきよ/(音声)ええ、ほんとよねぇ、耳毛を剃るぐらいなら、鼻毛も全部、チェックすればいいのに
となっていて、「耳をするなら鼻も(同じように)すべき」の方が話の流れ的にも合っている気がするわけです。
LAAD の語義にあったように、pass という名詞に「(性的関係を期待して)キスしたりタッチしたりすること」という意味があるとしたら、そういう行為を make するでも、take するでも、どちらの動詞でも使えるような気はするのですね。
make と take を LAAD で調べると、どちらにも2番目の語義に、do something という意味が出ています。
make なら、make a decision/call など、take なら take a shower/walk などの例が載っています。
make の1番目の語義は produce、take の1番目の語義は move で、それぞれ日本語にすると「作る」と「動かす」ということになるでしょうが、make/take 以下に続く名詞の行為を「作り出す、生み出す」「動かす、行動を起こす」のように考えると、make/take a pass at はどちらも、at 以下の対象物に a pass という行為をする、という意味で、同じように使える気がするわけです。
話が長くなってしまいましたが、レイチェルのセリフの take a pass at が、make a pass at と同じニュアンスだと考えると、「鼻のエリアにちょっかいをかける、手を出す」みたいなことになるでしょう。
レイチェルが言いたいことは、「耳の毛を剃ったのなら、鼻の毛も剃った方が良かったのに」みたいなことで、「耳毛は剃ったようだけど、鼻毛の手入れができてないわ」とレイチェルが思ったらしいことがわかります。
また、このセリフで、レイチェルが、do と take a pass at という動詞と句動詞を使ったことについては、ちょっと恋愛絡みの連想も働く表現で言ってみた、という感覚があるようにも思いました。
(これも、あくまで、take a pass at が、make a pass at と同じニュアンスがある、という解釈の続きの話になりますので、その点はご了承下さいませ)
具体的な内容としては、「耳毛・鼻毛を剃る・手入れする」ということですが、その部分に手を入れる、その部分を手入れする、という意味で、do the ears のように最初は do を使い、鼻のエリアにも手を出す、という意味で take a pass at と表現したことで、do+人 「人とエッチする」、take/make a pass at 「人に言い寄る、ちょっかい・モーションをかける」という言葉のイメージと重ねている気がした、ということです。
ちょっとお下品に言うと、「耳をヤるのなら、鼻エリアにも手を出せばいいのに」みたいな感じでしょうか。
レイチェルのセリフは、「耳毛を剃るなら、まずは鼻毛を剃るべきだったんじゃない?」と鼻毛の手入れがなっていないことを指摘するという意味でも面白いのですが、それを shave という単語で表現するのではなく、わざわざ do & take a pass at というコンビネーションを使って、異性に対するアプローチのように表現しているのが、このセリフの面白さなんだろうなと思ったわけです。
ロスは「結婚したと嘘をつくくらい簡単だろ」というパパの発言にあきれていたのに、レイチェルが「耳の毛を剃る」という部分に対してのみ反応しているので、ロスは「僕たちが結婚しているって嘘をつくなんて嫌だ」と言っています。
レイチェルは、「わかるわ。私も嫌よ」と言いながらも、「でもほら、ご両親のパーティーだし、一晩だけのことだし」と言います。
それから、「私たちは嘘をつく必要さえない。私たちはただ何も言わない。その話題がまた出たら、私たちはただ微笑んで、それにうなずくのよ」と言っています。
自分から「結婚しました」と言うことなんかない、人がそのことを言ったら、ただ笑ってうなずいていれば、嘘をついたことにはならないわ、ということですね。
it comes up は「来る+上がる」ということですから、「話題に上がる、話題に出る、言及される」という感覚。
このやりとりの直後に、実際に「結婚おめでとう」と言われた二人が、「ただ微笑んで、ん〜ん〜ん、と大きくうなずいているだけ」の姿を見せるのも、コメディーっぽくて面白いですね。
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2014年08月12日
歴史が深くしみ込んでいる フレンズ8-18その2
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前回のエピソードの終わり近く、ドライクリーニング店で、フィービーはパーカーという男性と知り合いました。
演じているのは、アレック・ボールドウィン。「レッド・オクトーバーを追え!」などで有名な俳優さんですね。
フレンズは、大物がゲスト出演することで有名ですが、今回のアレック・ボールドウィンのゲスト出演もその一つだと言えるでしょう。
フレンズたちは、ロスとモニカの両親の結婚記念パーティーに出掛けようとしているところ。
そこにフィービーがパーカーと一緒に入ってきて、フィービーはフレンズたちに、パーカーを紹介しようとしています。
フィービー: Everybody, this is Parker. Parker, this is-- (みんな、こちらがパーカーよ。パーカー、こちらが…)
パーカー: No, no, no, wait! Don't tell me. Let me guess: (Points as he says their names) Joey, Monica, Ross, Rachel and... I'm sorry, Phoebe didn't mention you. (Chandler makes a face) Chandler, I'm kidding! Already you're my favorite! (いやいやいや、待って! 僕に言わないで。当てさせて。[名前を言って指差す] ジョーイ、モニカ、ロス、レイチェル、それから…ごめん、フィービーは君のことを言ってなかった。[チャンドラーはいやな顔をする] チャンドラー、冗談だよ! すでに君は僕のお気に入りだ!)
チャンドラー: Ha! (はは!)
パーカー: Why don't each of you tell me a little about yourselves? (君たち一人一人が、自分のことについてちょっと話してくれるかな?)
ロス: Ah, actually, I'm sorry we-we probably should get going. (あ、実は、申し訳ない、多分、僕たちはもう行かなきゃならないんだ。)
パーカー: (laughs) Classic Ross! Rachel, Rachel, look how you glow! May I? (Puts hand on her stomach) ([笑って] 典型的なロスだ[いかにもロスだ]! レイチェル、レイチェル、君はどんなに輝いているか! よろしいかな[いいかな]? [レイチェルのお腹に手を置く])
レイチェル: I, uh, think you already are. (すでに触ってるみたいだけど。)
パーカー: Rachel, you have life growing inside you. Is there anything in this world more miraculous than-- Oh, a picture of a dog! Whose is this? (レイチェル、君の中で命が育ってるんだね。この世でこれ以上、奇跡的なことがあるだろうか… あぁ、犬の写真だね。これは誰の犬?)
モニカ: That's my old dog. He, he passed away years ago. (それは私の昔の[昔、飼ってた]犬よ。彼は数年前に亡くなったわ。)
パーカー: Oh well, at least you were lucky to have him. Bow-wow, old friend, bow-wow. So where's the party? (あぁ、少なくとも君は彼がいてラッキーだったね。バウワウ、古き友よ、バウワウ。それで、パーティーはどこであるの?)
モニカ: It's out on the island. It's in Massapequa. (ロングアイランドの端よ。マサピクアであるの。)
パーカー: Maaaassapequa, sounds like a magical place. Tell me about Massapequa, is it steeped in Native American history? {Transcriber's Note: Interestingly Alec Baldwin was born in Massapequa.} (マーサピークアー、魅惑的な場所のように聞こえるね。マサピクアについて教えてよ、ネイティブ・アメリカンの歴史が深くしみ込んでる?)
ロス: Well, there is an Arby's in the shape of a tepee. (そうだな、ティーピー(ネイティブアメリカンのテント)の形をしたアービーズ(ファーストフードチェーン)があるよ。)
フィービーが5人のフレンズたちの名前をパーカーに紹介しようとすると、パーカーはそれをとどめて、「待って。(名前を)言わないで。僕に当てさせて」と言ってから、フレンズを一人一人指さして、名前を言っています。
すでにフィービーからいろんな話を聞いていて、紹介されなくても名前を当てることができる、ということを見せているわけですね。
4人のフレンズの名前を続けて言った後、チャンドラーを見たパーカーは、「ごめん、フィービーは君のことを言ってなかったんだよ」みたいに言って、チャンドラーの名前だけ当てられない様子。
それを聞いたチャンドラーはがっかりした顔をするのですが、パーカーはころっと様子を変えて、「チャンドラー、冗談だよ! すでに君は僕のお気に入りだ!」と言っています。
パーカーは「いやぁ、君のことはフィービーから聞いてなかったなぁ〜」と言って、ちょっとからかってみせたわけですね。
Already you're my favorite! というのは、チャンドラーの話をフィービーからいろいろ聞いていて、君に会う前からすでに僕の中では、チャンドラーが一番のお気に入りになってるよ、みたいなことになります。
それぞれが自分のことを話してくれるかな?みたいに言うパーカーですが、これからロスとモニカの両親の結婚記念パーティーに行かないといけないので、ロスは「実はね、申し訳ないんだけど、多分僕らはそろそろ行かないといけないから」みたいに言っています。
それを聞いたパーカーは面白そうに笑って、Classic Ross! と言っています。
この classic は「典型的な」というニュアンスですね。
つまりパーカーは、ロスの今の言葉が「ロスっぽい典型的な発言」だと言ったことになります。
「自分のことを話してくれる?」というお願いを、「申し訳ないんだけど、僕らは出かけなきゃならないんだ」みたいにお堅いことを言って断る様子を、「ロスの典型」だと言っている感覚ですね。
知り合ったばかりなのに、「今のセリフって、いかにもロスって感じだね」と言ったようなことで、「どんだけ長い付き合いやねん」とツッコみたくなるような、馴れ馴れしい感じがよく出ていると思います。
ロスに「今のはロスの典型だね」みたいに言った後、その会話も終わらないうちに、今度はレイチェルに話しかけています。
glow は「輝く」が基本語義ですが、ここでは「人が光り輝く」というイメージですね。
お腹の大きな妊婦さんであるレイチェルに対して、今の君は輝いているね、と褒めていることになります。
少し後に、grow 「育つ」という単語が出てきますので、それとの区別を意識しておくようにもしましょう。
May I? は「〜してもよろしいですか?」という丁寧な言葉で、レイチェルのお腹に触れながらそう言っているので、「君の大きなお腹を触ってもいいかな?」と言っていることになります。
普通は、「触れようとするそぶり」を見せて、「こんな風に触ってもいいかな?」と言うものですが、パーカーの場合は、May I? と言いながら、すでにレイチェルのお腹に手を触れているので、触られた方のレイチェルも、「(いいかな?と許可をもらうように言いながら)あなたはもうすでに触ってるみたいだけど」と言うことになります。
パーカーは感動した様子で、「君の中で生命・命(life)が育っている。この世でそれ以上、奇跡的なことがあるだろうか…」と言っているのですが、今度は、モニカが持っていた犬の写真に気づいて、急に犬の話題に話を変えています。
何かの話題に大げさに笑ったり感動したりしつつ、そんなことをすっかり忘れたかのように、次々と別の人と新しい会話を始める、というパーカーの一風変わった様子が印象的ですね。
「これは誰の犬?」と聞かれたモニカは、「私が昔飼っていた犬よ。何年も前に亡くなったの」と答えます。
パーカーが犬の写真を見ながら、bow-wow と言っているのも面白いです。
bowwow は「バウワウ」というような音で、英語での犬の鳴き声、つまり「ワンワン」の英語版。
それからまた急に、「パーティーはどこであるの?」と話題を変えるパーカーに、モニカは「マサピクア(Massapequa)」だと答えています。
パーカーはマサピクアを大げさに発音してみせて、マジカルな場所みたいな響きだねぇ、と言っていますが、Transcriber's Note 「(セリフを)筆記した人のメモ」に、「興味深いことに、アレック・ボールドウィンはマサピクアで生まれた」という注意書きがありますね。
珍しい名前だねぇ、と感心した様子を見せている彼の出身地がマサピクアだ、という楽屋落ちだったということになります。
パーカーのセリフ、Tell me about Massapequa, is it steeped in Native American history? について。
最初の部分は、「マサピクアについて話してよ」ということですが、後半の be steeped in という表現に注目したいところ。
steep は「急勾配(こうばい)の、険(けわ)しい」という形容詞で覚えている方も多いと思いますが、今回の steep は動詞で、「〜を液体に浸す(ひたす)、つける」という意味。
研究社 新英和中辞典では、
steep tea in boiling water お茶の葉を湯に入れる。
steep vegetables in vinegar 野菜を酢につける。
という例文が出ています。
そのように「液体に浸す」という意味から、「深くしみ(染み・浸み)込ませる」という意味にもなり、be steeped in だと「〜が深くしみ込んでいる」という意味になります。
同じく、研究社 新英和中辞典では、
steeped in evil 悪に染まった
a university steeped in tradition 伝統が深くしみ込んだ大学
という例が出ています。
steeped in tradition が「伝統が深くしみ込んだ」という意味だとすると、steeped in Native American history は、「ネイティブアメリカンの歴史が深くしみ込んだ」ということになりますね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
be steeped in history/tradition/politics etc. : to have a lot of a particular quality
例) The town is steeped in history.
つまり、「あるクオリティーを多く持っていること」。例文は「その町は歴史がしみ込んでいる」。
ロングマンの英文語義の to have a lot of a particular quality という表現があまりにも漠然としているのですが、要は「それにどっぷり浸かっているから、それがしみ込んでいる」→「(歴史や伝統についての話であれば)主語には多くの歴史や伝統がある」と言っていることになるでしょう。
今回のパーカーのセリフも、「ネイティブアメリカンの歴史が深くしみ込んでる?」→「その町には、ネイティブアメリカンにまつわる歴史が多く存在する?」と言っている感覚になりますね。
それに対してのロスの答えについて。
まず、Arby's というのは、アメリカのファーストフードチェーンの名前。
Wikipedia 日本語版: アービーズ
そして、tepee (発音はティーピー)は、ネイティブアメリカンの円錐形をしたテントのこと。
LAAD にも、以下のように出ています。
tepee, teepee, tipi [noun] : a round tent with a pointed top, used by some Native Americans
つまり、「ネイティブアメリカンによって使われる、尖った先端を持つ、まるいテント」。
ロスは「マサピクアには、ネイティブアメリカンのテントの形をしたアービーズがある」と答えたことになります。
ネイティブアメリカンの歴史と関係の深い場所であることから、そういう形状をした店舗が存在する、ということでしょうが、「ネイティブアメリカンの歴史が深くしみ込んでいる?」という問いに対しての答えとしては、かなり「軽い」答えになっていますね。
自分の知識を披露する(ひけらかすw)のが好きなロスのことですから、相手によっては、ネイティブアメリカンの歴史におけるマサピクアの役割みたいなことを大いに語ることもあり得た気もするのですが、「ファーストフードの店舗がそういう形」的な、おおよそ「歴史」とは言い難い、かる〜い話で済ましたところに、ロスはパーカーとあまり話をしたくないと思っている、パーカーが各話題に大げさに反応しては、話題をコロコロと変えることにロスもうんざりしている、、ということがありありと出ている気がしました。
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前回のエピソードの終わり近く、ドライクリーニング店で、フィービーはパーカーという男性と知り合いました。
演じているのは、アレック・ボールドウィン。「レッド・オクトーバーを追え!」などで有名な俳優さんですね。
フレンズは、大物がゲスト出演することで有名ですが、今回のアレック・ボールドウィンのゲスト出演もその一つだと言えるでしょう。
フレンズたちは、ロスとモニカの両親の結婚記念パーティーに出掛けようとしているところ。
そこにフィービーがパーカーと一緒に入ってきて、フィービーはフレンズたちに、パーカーを紹介しようとしています。
フィービー: Everybody, this is Parker. Parker, this is-- (みんな、こちらがパーカーよ。パーカー、こちらが…)
パーカー: No, no, no, wait! Don't tell me. Let me guess: (Points as he says their names) Joey, Monica, Ross, Rachel and... I'm sorry, Phoebe didn't mention you. (Chandler makes a face) Chandler, I'm kidding! Already you're my favorite! (いやいやいや、待って! 僕に言わないで。当てさせて。[名前を言って指差す] ジョーイ、モニカ、ロス、レイチェル、それから…ごめん、フィービーは君のことを言ってなかった。[チャンドラーはいやな顔をする] チャンドラー、冗談だよ! すでに君は僕のお気に入りだ!)
チャンドラー: Ha! (はは!)
パーカー: Why don't each of you tell me a little about yourselves? (君たち一人一人が、自分のことについてちょっと話してくれるかな?)
ロス: Ah, actually, I'm sorry we-we probably should get going. (あ、実は、申し訳ない、多分、僕たちはもう行かなきゃならないんだ。)
パーカー: (laughs) Classic Ross! Rachel, Rachel, look how you glow! May I? (Puts hand on her stomach) ([笑って] 典型的なロスだ[いかにもロスだ]! レイチェル、レイチェル、君はどんなに輝いているか! よろしいかな[いいかな]? [レイチェルのお腹に手を置く])
レイチェル: I, uh, think you already are. (すでに触ってるみたいだけど。)
パーカー: Rachel, you have life growing inside you. Is there anything in this world more miraculous than-- Oh, a picture of a dog! Whose is this? (レイチェル、君の中で命が育ってるんだね。この世でこれ以上、奇跡的なことがあるだろうか… あぁ、犬の写真だね。これは誰の犬?)
モニカ: That's my old dog. He, he passed away years ago. (それは私の昔の[昔、飼ってた]犬よ。彼は数年前に亡くなったわ。)
パーカー: Oh well, at least you were lucky to have him. Bow-wow, old friend, bow-wow. So where's the party? (あぁ、少なくとも君は彼がいてラッキーだったね。バウワウ、古き友よ、バウワウ。それで、パーティーはどこであるの?)
モニカ: It's out on the island. It's in Massapequa. (ロングアイランドの端よ。マサピクアであるの。)
パーカー: Maaaassapequa, sounds like a magical place. Tell me about Massapequa, is it steeped in Native American history? {Transcriber's Note: Interestingly Alec Baldwin was born in Massapequa.} (マーサピークアー、魅惑的な場所のように聞こえるね。マサピクアについて教えてよ、ネイティブ・アメリカンの歴史が深くしみ込んでる?)
ロス: Well, there is an Arby's in the shape of a tepee. (そうだな、ティーピー(ネイティブアメリカンのテント)の形をしたアービーズ(ファーストフードチェーン)があるよ。)
フィービーが5人のフレンズたちの名前をパーカーに紹介しようとすると、パーカーはそれをとどめて、「待って。(名前を)言わないで。僕に当てさせて」と言ってから、フレンズを一人一人指さして、名前を言っています。
すでにフィービーからいろんな話を聞いていて、紹介されなくても名前を当てることができる、ということを見せているわけですね。
4人のフレンズの名前を続けて言った後、チャンドラーを見たパーカーは、「ごめん、フィービーは君のことを言ってなかったんだよ」みたいに言って、チャンドラーの名前だけ当てられない様子。
それを聞いたチャンドラーはがっかりした顔をするのですが、パーカーはころっと様子を変えて、「チャンドラー、冗談だよ! すでに君は僕のお気に入りだ!」と言っています。
パーカーは「いやぁ、君のことはフィービーから聞いてなかったなぁ〜」と言って、ちょっとからかってみせたわけですね。
Already you're my favorite! というのは、チャンドラーの話をフィービーからいろいろ聞いていて、君に会う前からすでに僕の中では、チャンドラーが一番のお気に入りになってるよ、みたいなことになります。
それぞれが自分のことを話してくれるかな?みたいに言うパーカーですが、これからロスとモニカの両親の結婚記念パーティーに行かないといけないので、ロスは「実はね、申し訳ないんだけど、多分僕らはそろそろ行かないといけないから」みたいに言っています。
それを聞いたパーカーは面白そうに笑って、Classic Ross! と言っています。
この classic は「典型的な」というニュアンスですね。
つまりパーカーは、ロスの今の言葉が「ロスっぽい典型的な発言」だと言ったことになります。
「自分のことを話してくれる?」というお願いを、「申し訳ないんだけど、僕らは出かけなきゃならないんだ」みたいにお堅いことを言って断る様子を、「ロスの典型」だと言っている感覚ですね。
知り合ったばかりなのに、「今のセリフって、いかにもロスって感じだね」と言ったようなことで、「どんだけ長い付き合いやねん」とツッコみたくなるような、馴れ馴れしい感じがよく出ていると思います。
ロスに「今のはロスの典型だね」みたいに言った後、その会話も終わらないうちに、今度はレイチェルに話しかけています。
glow は「輝く」が基本語義ですが、ここでは「人が光り輝く」というイメージですね。
お腹の大きな妊婦さんであるレイチェルに対して、今の君は輝いているね、と褒めていることになります。
少し後に、grow 「育つ」という単語が出てきますので、それとの区別を意識しておくようにもしましょう。
May I? は「〜してもよろしいですか?」という丁寧な言葉で、レイチェルのお腹に触れながらそう言っているので、「君の大きなお腹を触ってもいいかな?」と言っていることになります。
普通は、「触れようとするそぶり」を見せて、「こんな風に触ってもいいかな?」と言うものですが、パーカーの場合は、May I? と言いながら、すでにレイチェルのお腹に手を触れているので、触られた方のレイチェルも、「(いいかな?と許可をもらうように言いながら)あなたはもうすでに触ってるみたいだけど」と言うことになります。
パーカーは感動した様子で、「君の中で生命・命(life)が育っている。この世でそれ以上、奇跡的なことがあるだろうか…」と言っているのですが、今度は、モニカが持っていた犬の写真に気づいて、急に犬の話題に話を変えています。
何かの話題に大げさに笑ったり感動したりしつつ、そんなことをすっかり忘れたかのように、次々と別の人と新しい会話を始める、というパーカーの一風変わった様子が印象的ですね。
「これは誰の犬?」と聞かれたモニカは、「私が昔飼っていた犬よ。何年も前に亡くなったの」と答えます。
パーカーが犬の写真を見ながら、bow-wow と言っているのも面白いです。
bowwow は「バウワウ」というような音で、英語での犬の鳴き声、つまり「ワンワン」の英語版。
それからまた急に、「パーティーはどこであるの?」と話題を変えるパーカーに、モニカは「マサピクア(Massapequa)」だと答えています。
パーカーはマサピクアを大げさに発音してみせて、マジカルな場所みたいな響きだねぇ、と言っていますが、Transcriber's Note 「(セリフを)筆記した人のメモ」に、「興味深いことに、アレック・ボールドウィンはマサピクアで生まれた」という注意書きがありますね。
珍しい名前だねぇ、と感心した様子を見せている彼の出身地がマサピクアだ、という楽屋落ちだったということになります。
パーカーのセリフ、Tell me about Massapequa, is it steeped in Native American history? について。
最初の部分は、「マサピクアについて話してよ」ということですが、後半の be steeped in という表現に注目したいところ。
steep は「急勾配(こうばい)の、険(けわ)しい」という形容詞で覚えている方も多いと思いますが、今回の steep は動詞で、「〜を液体に浸す(ひたす)、つける」という意味。
研究社 新英和中辞典では、
steep tea in boiling water お茶の葉を湯に入れる。
steep vegetables in vinegar 野菜を酢につける。
という例文が出ています。
そのように「液体に浸す」という意味から、「深くしみ(染み・浸み)込ませる」という意味にもなり、be steeped in だと「〜が深くしみ込んでいる」という意味になります。
同じく、研究社 新英和中辞典では、
steeped in evil 悪に染まった
a university steeped in tradition 伝統が深くしみ込んだ大学
という例が出ています。
steeped in tradition が「伝統が深くしみ込んだ」という意味だとすると、steeped in Native American history は、「ネイティブアメリカンの歴史が深くしみ込んだ」ということになりますね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
be steeped in history/tradition/politics etc. : to have a lot of a particular quality
例) The town is steeped in history.
つまり、「あるクオリティーを多く持っていること」。例文は「その町は歴史がしみ込んでいる」。
ロングマンの英文語義の to have a lot of a particular quality という表現があまりにも漠然としているのですが、要は「それにどっぷり浸かっているから、それがしみ込んでいる」→「(歴史や伝統についての話であれば)主語には多くの歴史や伝統がある」と言っていることになるでしょう。
今回のパーカーのセリフも、「ネイティブアメリカンの歴史が深くしみ込んでる?」→「その町には、ネイティブアメリカンにまつわる歴史が多く存在する?」と言っている感覚になりますね。
それに対してのロスの答えについて。
まず、Arby's というのは、アメリカのファーストフードチェーンの名前。
Wikipedia 日本語版: アービーズ
そして、tepee (発音はティーピー)は、ネイティブアメリカンの円錐形をしたテントのこと。
LAAD にも、以下のように出ています。
tepee, teepee, tipi [noun] : a round tent with a pointed top, used by some Native Americans
つまり、「ネイティブアメリカンによって使われる、尖った先端を持つ、まるいテント」。
ロスは「マサピクアには、ネイティブアメリカンのテントの形をしたアービーズがある」と答えたことになります。
ネイティブアメリカンの歴史と関係の深い場所であることから、そういう形状をした店舗が存在する、ということでしょうが、「ネイティブアメリカンの歴史が深くしみ込んでいる?」という問いに対しての答えとしては、かなり「軽い」答えになっていますね。
自分の知識を披露する(ひけらかすw)のが好きなロスのことですから、相手によっては、ネイティブアメリカンの歴史におけるマサピクアの役割みたいなことを大いに語ることもあり得た気もするのですが、「ファーストフードの店舗がそういう形」的な、おおよそ「歴史」とは言い難い、かる〜い話で済ましたところに、ロスはパーカーとあまり話をしたくないと思っている、パーカーが各話題に大げさに反応しては、話題をコロコロと変えることにロスもうんざりしている、、ということがありありと出ている気がしました。
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2014年08月07日
できる俳優はキューで泣ける フレンズ8-18その1
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シーズン8 第18話
The One in Massapequa (ロスはスピーチ上手)
原題は「マサピクアでの話」
ロスとモニカの両親の結婚記念パーティーについて話しているところ。
モニカ: (To Ross) Oh, by the way. Would it be okay if I give the toast to Mom and Dad this year? ([ロスに] あぁ、ところで。今年は私がパパとママに乾杯の挨拶をしてもいい?)
ロス: Uh, yeah, you sure you want to after what happened at their 20th? (あぁ、いいよ。パパとママの20周年にあんなことがあった後で、モニカは本当に乾杯の挨拶をしたいの?)
モニカ: Yeah, I'd really like to. (えぇ、ほんとうにやりたいの。)
ロス: Okay, hopefully this time Mom won't boo you. (わかったよ。うまくいけば、今回はママがモニカにブーイングしないだろうね。)
モニカ: Yes! Every year Ross makes the toast, and it's always really moving, and always makes them cry. Well, this year I'm gonnna make them cry. (そうよ! 毎年ロスが乾杯の挨拶をするの。そしてその挨拶はいつもほんとに感動的なのよ、いつもみんなを泣かせるの。今年は私がみんなを泣かせるわ。)
チャンドラー: And you, you wonder why Ross is their favorite? (それで君は、どうしてロスが親のお気に入りなんだろう、って思ってるわけ?)
モニカ: No! Really! Any time Ross makes a toast, everyone cries, and hugs him, and pats him on the back and they all come up to me and say, "God, your brother." Know what they're gonna say this year? "God, you." (いいえ! ほんとに! ロスが乾杯の挨拶をする時はいつでも、みんな泣いて、ロスにハグするの。そしてロスの背中を叩いて、みんな私にところに来てこう言うの、「まぁ、あなたのお兄さんたら」。今年はみんなが何て言うかわかる? 「まぁ、あなたったら」)
ジョーイ: Well, I can promise you, at least one person will be crying. (Points to himself) I'm an actor, and any actor worth his salt can cry on cue. (snaps fingers) (モニカに約束するよ。少なくとも一人は泣くだろう、ってね。[自分自身を指さし] 俺は俳優だ、そして有能な(できる)俳優は誰でもキューで泣くことができるんだよ。[指を鳴らす])
モニカ: Really? You can do that? (ほんとに? そんなことできるの?)
ジョーイ: Oh, you kidding me? Watch! (Makes funny faces trying to cry) Well, I can't do it with you guys watching me! (あぁ、冗談言うなよ。見てろ! [泣こうとして変な顔を作る] あぁ、できないじゃないか、お前らが俺を見てたら!)
toast は「乾杯、乾杯の挨拶」のことで、モニカは「今年は私がパパとママに乾杯の挨拶をしてもいい?」と言っています。
ロスは、Uh, yeah 「あぁ、そうだね」という感じで肯定した後、you sure you want to after what happened at their 20th? と尋ねています。
直訳すると、「モニカは間違いなく、乾杯の挨拶をしたいと思ってるの? 両親の20周年パーティーで起こったことの後で?」みたいになるでしょう。
つまり、「20周年のパーティーであんなことが起こったのに、それでもまだ、今回のパーティーで乾杯の挨拶をしたいわけ? それって本気?」みたいな感じですね。
20周年のパーティーで起こった出来事が何であるかは語られていませんが、その時も乾杯で何か失敗した、それなのにまた懲りずにやるつもりなの?とロスが言っていることが想像できます。
その次の hopefully this time Mom won't boo you. について。
hopefully は「うまくいけば、願わくは(〜だとよいのだが)」というニュアンス。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hopefully [sentence adverb] (spoken) a word used when you are saying what you hope will happen, which some people consider incorrest
例) Hopefully, I'll be home by nine tonight.
つまり、「(文を修飾する副詞。口語) 起こるだろうと自分が願っていることを言っている時に使われる単語、それが正しくないと考える人もいるようなこと」。
例文は、「うまくいけば、今夜は9時までに帰宅できるだろう」。
語義を直訳しすぎましたが、要は、「そんな風にならないんじゃないか、と思う人もいるようなことを、自分がそうなるように願っている」と表現したい場合に、hopefully を使う、ということですね。
その語義を当てはめると、「ママがブーイングすると思う人もいるかもしれないけど、僕は今回はそうならないように願ってるよ」みたいなことになるでしょう。
そのロスのセリフから、20周年の時には、モニカが乾杯の挨拶をして、ママがモニカにブーイングした、ということが想像されるわけです。
招かれた他の客からのブーイングならまだしも、お祝いパーティーの主役であるママ本人からブーイングされた、って、一体どんな挨拶だったのか、、とさらに想像は膨らみますね。
モニカは「毎年、ロスが乾杯の挨拶をして、いつもとっても感動的で、いつもみんなを泣かせるの」と説明しています。
その後、「今年は私がみんなを泣かせるわ(みんなを泣かせることになるわ)」と宣言していますね。
その次のチャンドラーのセリフ、And you, you wonder why Ross is their favorite? について。
直訳すると、「それで君は、君は、なぜ・どうしてロスが両親のお気に入りなんだろう?って思ってるの?」というところ。
wonder why は「なぜ・どうして〜なんだろう? 〜なのかな?と(不思議に)思う」という感覚なので、このセリフでは、「モニカは、ロスが両親のお気に入りである理由をよくわかっていない」ことを言っていることになります。
これは、チャンドラーっぽい皮肉表現のようですね。
毎年のロスの乾杯の挨拶は感動的でみんなを泣かせる。それに対して、モニカが20周年の時に行なった乾杯の挨拶はママ本人からブーイングされるようなものだった。
そんな状態で、「今年は私がみんなを泣かせるわ」と、負けず嫌いのモニカらしく、兄に対する対抗意識丸出しの発言をしているのを聞いて、「モニカはそんな調子だから、両親はロスばっかり可愛がるんだよ。ロスが親のお気に入りになってるのはある意味当然だろ」とチャンドラーは言いたいのだろうと思います。
and you wonder why の and に、「そういう状態で、その上で君は、どうして親はロスばっかり可愛がるの?とか思ってるわけ?」みたいなニュアンスが感じられるように思うわけです。
自分の言動を振り返ってみれば、モニカよりもロスをひいきしたがる親の気持ちもわかるだろ、ということですね。
ですがモニカは、そんなチャンドラーの皮肉に気付かない様子で、「違うわ! ほんとなのよ!」みたいに言っています。
ロスが親のお気に入りかどうかは関係ない、つまり、挨拶をする人の問題じゃなくて、スピーチの中身の問題なのよ、とモニカは言いたいようです。
ロスがスピーチすると、必ずみんなが泣く。そしてロスをハグして、ロスの背中をポンポンして、それからみんなが私のところに来てこう言うの、と続けています。
みんながモニカに言う言葉、それは、"God, your brother." 「もう、あなたのお兄さんったら」。
感動して何と表現していいかわからず、「あなたのお兄さん(のスピーチ)ときたらもう、、」という感じの言葉を妹のモニカはかけられる、ということですね。
毎回、「あなたのお兄さんったら(本当にすごいわ)」みたいに言われ続けていたけれど、今年は何て言われると思う?と言ってから、モニカは、"God, you." 「もう、あなたったら」と言っています。
このあたりにも、負けず嫌いで勝ち気なモニカの性格がよく出ていますが、みんなが私のところに来ては兄のロスのことばかりを褒め、絶賛するのはもううんざりよ、今度こそ、私自身が褒められる番よ!とモニカは考えているのですね。
それを聞いていたジョーイは、「モニカに約束できるよ。少なくとも一人の人間が泣いていることになるだろう、って」と言って、自分自身を指さしています。
俺は俳優だから、と言った後の、and any actor worth his salt can cry on cue. について。
まず、cue は「きっかけ、合図」という意味で、演劇の分野では「俳優の登場やセリフのきっかけ」を指します。
研究社 新英和中辞典では、
cue=〔演劇〕 きっかけ、キュー 《せりふの最後の文句またはしぐさ。他の俳優の登場または発言の合図となる》
LAAD では、
cue : a word or action that is a signal for someone to speak or act in a play, movie etc.
つまり、「演劇や映画で、誰かが話す、または演技するためのシグナルである、言葉や行動」。
worth one's salt について。
直訳すると、「自分の塩の価値がある」というところですね。
研究社 新英和中辞典の説明がわかりやすいので引用させていただくと、
worth one's salt=[しばしば否定文で] 給料分だけの働きはある、有能な、役に立つ (由来:昔は給料として塩が支給されたことから)
やはり、「給料として支給された塩に見合った価値がある」というような意味だということですね。
LAAD では、
worth your salt : doing your job well or deserving respect
例) A cop with his salt wouldn't take a bribe.
つまり、「自分の仕事をよく(うまく)やっている、または、尊敬を受けるに値する」。
例文は、「有能な(尊敬に値する)警官は、賄賂を受け取ろうとはしない」。
ジョーイのセリフも、「(仕事の)できる有能な俳優は、キューの合図で泣くことができる」ということになります。
こんな風に指パッチンの合図で、すぐに泣けちゃうよ、ということですね。
「できるの?」と言われ、「冗談言うなよ(当たり前じゃないか)」という感じで、見てろ!と言ったジョーイですが、泣こうとして変な顔になるばかりで、全然涙は出てきません。
with you guys watching me は、「お前らが俺を(じっと)見ている状態で」という付帯状況を表しています。
actor worth his salt などと言っておいて、「お前らが見てるから泣けない」などと「できる俳優」とは程遠いことを言っているのが、ジョーイらしくて面白いですね。
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The One in Massapequa (ロスはスピーチ上手)
原題は「マサピクアでの話」
ロスとモニカの両親の結婚記念パーティーについて話しているところ。
モニカ: (To Ross) Oh, by the way. Would it be okay if I give the toast to Mom and Dad this year? ([ロスに] あぁ、ところで。今年は私がパパとママに乾杯の挨拶をしてもいい?)
ロス: Uh, yeah, you sure you want to after what happened at their 20th? (あぁ、いいよ。パパとママの20周年にあんなことがあった後で、モニカは本当に乾杯の挨拶をしたいの?)
モニカ: Yeah, I'd really like to. (えぇ、ほんとうにやりたいの。)
ロス: Okay, hopefully this time Mom won't boo you. (わかったよ。うまくいけば、今回はママがモニカにブーイングしないだろうね。)
モニカ: Yes! Every year Ross makes the toast, and it's always really moving, and always makes them cry. Well, this year I'm gonnna make them cry. (そうよ! 毎年ロスが乾杯の挨拶をするの。そしてその挨拶はいつもほんとに感動的なのよ、いつもみんなを泣かせるの。今年は私がみんなを泣かせるわ。)
チャンドラー: And you, you wonder why Ross is their favorite? (それで君は、どうしてロスが親のお気に入りなんだろう、って思ってるわけ?)
モニカ: No! Really! Any time Ross makes a toast, everyone cries, and hugs him, and pats him on the back and they all come up to me and say, "God, your brother." Know what they're gonna say this year? "God, you." (いいえ! ほんとに! ロスが乾杯の挨拶をする時はいつでも、みんな泣いて、ロスにハグするの。そしてロスの背中を叩いて、みんな私にところに来てこう言うの、「まぁ、あなたのお兄さんたら」。今年はみんなが何て言うかわかる? 「まぁ、あなたったら」)
ジョーイ: Well, I can promise you, at least one person will be crying. (Points to himself) I'm an actor, and any actor worth his salt can cry on cue. (snaps fingers) (モニカに約束するよ。少なくとも一人は泣くだろう、ってね。[自分自身を指さし] 俺は俳優だ、そして有能な(できる)俳優は誰でもキューで泣くことができるんだよ。[指を鳴らす])
モニカ: Really? You can do that? (ほんとに? そんなことできるの?)
ジョーイ: Oh, you kidding me? Watch! (Makes funny faces trying to cry) Well, I can't do it with you guys watching me! (あぁ、冗談言うなよ。見てろ! [泣こうとして変な顔を作る] あぁ、できないじゃないか、お前らが俺を見てたら!)
toast は「乾杯、乾杯の挨拶」のことで、モニカは「今年は私がパパとママに乾杯の挨拶をしてもいい?」と言っています。
ロスは、Uh, yeah 「あぁ、そうだね」という感じで肯定した後、you sure you want to after what happened at their 20th? と尋ねています。
直訳すると、「モニカは間違いなく、乾杯の挨拶をしたいと思ってるの? 両親の20周年パーティーで起こったことの後で?」みたいになるでしょう。
つまり、「20周年のパーティーであんなことが起こったのに、それでもまだ、今回のパーティーで乾杯の挨拶をしたいわけ? それって本気?」みたいな感じですね。
20周年のパーティーで起こった出来事が何であるかは語られていませんが、その時も乾杯で何か失敗した、それなのにまた懲りずにやるつもりなの?とロスが言っていることが想像できます。
その次の hopefully this time Mom won't boo you. について。
hopefully は「うまくいけば、願わくは(〜だとよいのだが)」というニュアンス。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hopefully [sentence adverb] (spoken) a word used when you are saying what you hope will happen, which some people consider incorrest
例) Hopefully, I'll be home by nine tonight.
つまり、「(文を修飾する副詞。口語) 起こるだろうと自分が願っていることを言っている時に使われる単語、それが正しくないと考える人もいるようなこと」。
例文は、「うまくいけば、今夜は9時までに帰宅できるだろう」。
語義を直訳しすぎましたが、要は、「そんな風にならないんじゃないか、と思う人もいるようなことを、自分がそうなるように願っている」と表現したい場合に、hopefully を使う、ということですね。
その語義を当てはめると、「ママがブーイングすると思う人もいるかもしれないけど、僕は今回はそうならないように願ってるよ」みたいなことになるでしょう。
そのロスのセリフから、20周年の時には、モニカが乾杯の挨拶をして、ママがモニカにブーイングした、ということが想像されるわけです。
招かれた他の客からのブーイングならまだしも、お祝いパーティーの主役であるママ本人からブーイングされた、って、一体どんな挨拶だったのか、、とさらに想像は膨らみますね。
モニカは「毎年、ロスが乾杯の挨拶をして、いつもとっても感動的で、いつもみんなを泣かせるの」と説明しています。
その後、「今年は私がみんなを泣かせるわ(みんなを泣かせることになるわ)」と宣言していますね。
その次のチャンドラーのセリフ、And you, you wonder why Ross is their favorite? について。
直訳すると、「それで君は、君は、なぜ・どうしてロスが両親のお気に入りなんだろう?って思ってるの?」というところ。
wonder why は「なぜ・どうして〜なんだろう? 〜なのかな?と(不思議に)思う」という感覚なので、このセリフでは、「モニカは、ロスが両親のお気に入りである理由をよくわかっていない」ことを言っていることになります。
これは、チャンドラーっぽい皮肉表現のようですね。
毎年のロスの乾杯の挨拶は感動的でみんなを泣かせる。それに対して、モニカが20周年の時に行なった乾杯の挨拶はママ本人からブーイングされるようなものだった。
そんな状態で、「今年は私がみんなを泣かせるわ」と、負けず嫌いのモニカらしく、兄に対する対抗意識丸出しの発言をしているのを聞いて、「モニカはそんな調子だから、両親はロスばっかり可愛がるんだよ。ロスが親のお気に入りになってるのはある意味当然だろ」とチャンドラーは言いたいのだろうと思います。
and you wonder why の and に、「そういう状態で、その上で君は、どうして親はロスばっかり可愛がるの?とか思ってるわけ?」みたいなニュアンスが感じられるように思うわけです。
自分の言動を振り返ってみれば、モニカよりもロスをひいきしたがる親の気持ちもわかるだろ、ということですね。
ですがモニカは、そんなチャンドラーの皮肉に気付かない様子で、「違うわ! ほんとなのよ!」みたいに言っています。
ロスが親のお気に入りかどうかは関係ない、つまり、挨拶をする人の問題じゃなくて、スピーチの中身の問題なのよ、とモニカは言いたいようです。
ロスがスピーチすると、必ずみんなが泣く。そしてロスをハグして、ロスの背中をポンポンして、それからみんなが私のところに来てこう言うの、と続けています。
みんながモニカに言う言葉、それは、"God, your brother." 「もう、あなたのお兄さんったら」。
感動して何と表現していいかわからず、「あなたのお兄さん(のスピーチ)ときたらもう、、」という感じの言葉を妹のモニカはかけられる、ということですね。
毎回、「あなたのお兄さんったら(本当にすごいわ)」みたいに言われ続けていたけれど、今年は何て言われると思う?と言ってから、モニカは、"God, you." 「もう、あなたったら」と言っています。
このあたりにも、負けず嫌いで勝ち気なモニカの性格がよく出ていますが、みんなが私のところに来ては兄のロスのことばかりを褒め、絶賛するのはもううんざりよ、今度こそ、私自身が褒められる番よ!とモニカは考えているのですね。
それを聞いていたジョーイは、「モニカに約束できるよ。少なくとも一人の人間が泣いていることになるだろう、って」と言って、自分自身を指さしています。
俺は俳優だから、と言った後の、and any actor worth his salt can cry on cue. について。
まず、cue は「きっかけ、合図」という意味で、演劇の分野では「俳優の登場やセリフのきっかけ」を指します。
研究社 新英和中辞典では、
cue=〔演劇〕 きっかけ、キュー 《せりふの最後の文句またはしぐさ。他の俳優の登場または発言の合図となる》
LAAD では、
cue : a word or action that is a signal for someone to speak or act in a play, movie etc.
つまり、「演劇や映画で、誰かが話す、または演技するためのシグナルである、言葉や行動」。
worth one's salt について。
直訳すると、「自分の塩の価値がある」というところですね。
研究社 新英和中辞典の説明がわかりやすいので引用させていただくと、
worth one's salt=[しばしば否定文で] 給料分だけの働きはある、有能な、役に立つ (由来:昔は給料として塩が支給されたことから)
やはり、「給料として支給された塩に見合った価値がある」というような意味だということですね。
LAAD では、
worth your salt : doing your job well or deserving respect
例) A cop with his salt wouldn't take a bribe.
つまり、「自分の仕事をよく(うまく)やっている、または、尊敬を受けるに値する」。
例文は、「有能な(尊敬に値する)警官は、賄賂を受け取ろうとはしない」。
ジョーイのセリフも、「(仕事の)できる有能な俳優は、キューの合図で泣くことができる」ということになります。
こんな風に指パッチンの合図で、すぐに泣けちゃうよ、ということですね。
「できるの?」と言われ、「冗談言うなよ(当たり前じゃないか)」という感じで、見てろ!と言ったジョーイですが、泣こうとして変な顔になるばかりで、全然涙は出てきません。
with you guys watching me は、「お前らが俺を(じっと)見ている状態で」という付帯状況を表しています。
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2014年08月05日
PhDを持っていると自慢 フレンズ8-17その6
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ジムという男性と知り合って、レストランでデート中のフィービー。ジムはフィービーに対して、いやらしい目つきで「君は素敵な目をしてるね。それに君のその胸!」のように、下心ミエミエの雰囲気で話をしてくるので、フィービーも少し困っている様子。
フィービー: Okay. Umm look, you're coming on a little strong. But I'm going to give you the benefit of the doubt, because it seems the universe really wants us to be together. So, why don't we just start over, okay? And you can just tell me about yourself. (よし。ねぇ、あなたは、あからさまに迫(せま)りすぎよ。でも私はあなたに対して「疑わしきは罰せず」とするわね。だって、宇宙が本当に私たちを一緒にしたがっているように思えるから。だから、もう一度始めからやり直しましょ、いいでしょ? そしてあなたが自分のことを私に話すの。)
ジム: All right. (いいよ。)
フィービー: Okay. (オッケー。)
ジム: I write erotic novels, for children. (僕はエロ小説を書くんだ、子供向けの。)
フィービー: What?! (何ですって?)
ジム: They're wildly unpopular. (その小説はものすごく不人気なんだ。)
フィービー: Oh, my God! (まぁ、なんてこと。)
ジム: Oh also, you might be interested to know that I have a Ph.D. (あぁ、それに、君は興味があるかもしれないね、僕は、Ph.D.(博士号)を持ってるんだ。)
フィービー: Wow! You do? (わぉ! そうなの?)
ジム: Yep. (looks at his crotch) A pretty huge-- (そうだよ。[自分の股間を見て] かなり巨大な…)
フィービー: All right. (Gets up and walks out.) (もういいわ。[立ち上がり、歩き去る])
you're coming on a little strong. について。
a little は「少し」ということで、「あなたは、少し・ちょっと、come on strong している」と言っていることになるのですが、come on strong は、研究社 新英和中辞典には以下のように出ています。
come on strong=《口語》 積極的[強引]にふるまう
直訳すると、「強く来る」みたいなことですから、「強引に来る」という感覚になるわけですが、英英辞典で調べてみると、この come on strong というフレーズは、特に「性的なアプローチ」で使われる言葉のようです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
come on strong/fast : (informal) to make it very clear to someone that you think they are sexually attractive
つまり、「(インフォーマル) 自分が相手のことを性的に魅力的だと思っていることを、その相手に非常にはっきりと明らかにすること」。
Macmillan Dictionary では、
come on strong: (informal) to show very clearly that you are determined to do something, especially to start a sexual relationship with someone
つまり、「自分が何かをしようと決意していることを非常にはっきり示すこと、特に誰かとの性的関係を始めようと決意していることを」。
ロングマンもマクミランも同じようなことを言っていますが、つまりは、「相手を性的に魅力的だと感じ、その相手と性的関係を始めたいと思っていることをはっきり示すこと」という意味なのですね。
「君とエッチしたいと思っている、ということを露骨なほど見せる」みたいなことになりそうです。
私は come on strong という表現を、今回、辞書できちんと調べるまで知らなかったのですが、フィービーの you're coming on a little strong. というセリフを聞いた時には、直訳したままのような「強く来すぎよ、強く出過ぎよ」みたいなイメージは頭に浮かびました。
ですが、英英辞典の語義に、sexual/sexually という言葉が使われているのを見ると、「強く来る」という幅の広い意味よりは、もっとはっきり「性的アプローチ」に限定したイメージの強い言葉だということになりそうですね。
「あなたはあからさまに迫りすぎよ」と言った後、でも、私はあなたに、the benefit of the doubt を与えることにするわ、と言っています。
この give someone the benefit of the doubt というのは、これ全体が決まり文句で、
研究社 新英和中辞典では、
give a person the benefit of the doubt=疑わしい点を〈相手に〉有利に解釈してやる
英辞郎では、
give someone the benefit of the doubt=容疑はあるが証拠不十分で(人)を無罪にする、(人)に対して「疑わしきは罰せず」とする、疑わしいときは(人)を罰しない、疑わしい点を(人)に有利[善意・好意的]に解釈する、(人)を大目に見る
と出ています。
LAAD では、
the benefit of the doubt : the act of accepting what someone tells you even though you think they may be lying
例) I was willing to give her the benefit of the doubt.
つまり、「その人が嘘を言っているかもしれないと思っていても、その人が自分に言うことを受け入れるという行為」。
例文は、「私は、彼女の言うことが嘘だとしても、それを受け入れる意思がある」。
直訳すると、「疑いの利益を相手に与える」みたいなことなので、疑ってはいるがとりあえず相手に有利なように対応してやる、みたいなことですね。
because it seems the universe really wants us to be together. は、「なぜなら、宇宙が本当に私たちを一緒にしたいと思っているように見えるから」。
何度も出くわしたりするのは運命だと思うから、みたいなことですね。
start over は「もう一度やり直す」。
ジョン・レノンの楽曲に、(Just Like) Starting Over というタイトルの歌もありますし、宇多田ヒカルの Distance という曲にも、We can start over という歌詞がありましたよね。
あなたのことを話して、と言われたジムは、自分のことを話し始めるのですが、いきなり「僕はエロティックな小説を書いてる」と言い、さらには for children 「子供向けの」とまで言っています。
誰もが「何ですって?」と返すしかない発言ですが、その小説について、wildly に不人気だ、と言っています。
この wildly は「激しく、ものすごく」というニュアンスですね。
前回の記事の中のやりとりで、
ジム: You're wild, aren't ya? (君ってワイルドなんだろ?)
フィービー: Yeah I guess. A little. (えぇ、そうね。ちょっとはね。)
ジム: Ain't no thing. I'm wild too. (いいんだよ。僕もワイルドだ。)
というのがあったように、ジムは、wild という言葉が好きらしい(笑)ので、何かを強調する副詞も、very や so の代わりに、wildly を使っていることになるでしょう。
「荒れた、乱れた、激しい、乱暴な、興奮した」のようなイメージの言葉なので、やらしい雰囲気のジムが多用したがる言葉としてはぴったりということですね。
フィービーはその発言にあきれた様子ですが、ジムが、you might be interested to know that I have a Ph.D. と言ったことに対しては、「あら、そうなの?」と反応しています。
ジムのセリフを直訳すると、「君は僕が Ph.D. を持っていると知ることに興味があるかもしれない」というところ。
もっと自然な日本語で言うと、「君は興味があるかもしれないね。僕は Ph.D. を持ってるんだよ」という感じになります。
Ph.D. というのは、Doctor of Philosophy のことで「博士号」のこと。
古生物学者のロスは、自分が博士号を持っていることをいつも自慢しているので、「フレンズ」ファンの方にはおなじみの単語ですね。
"Wow! You do?" 「わぉ! あなた、博士号持ってるの」のように興味を示したフィービーですが、ト書きにあるように、ジムは自分の crotch 「股(また)」を見て、A pretty huge-- と言葉を途中まで言いかけ、そこまで聞いたフィービーは、「もういいわ!」と怒ったように立ち上がっています。
pretty は「プリティ、かわいい」という訳語が浮かぶ方も多いでしょうが、今回の pretty は、「かなり、ずいぶん」という副詞。
この場合も、huge 「巨大な」という形容詞を強めていることになります。
ですから、A pretty huge-- は、「(1つの)かなり巨大な…」何かを言いかけたことになるのですが、自分の股を見て、大きいことを自慢していることからも、(はっきり書いてしまいますと^^)penis を指していることがわかりますね。
ただ、penis という言葉が続くのだとしたら、Ph.D. という略語になりません。
penis の意味で使われる d で始まる単語と言えば、、それは dick になります。
アカデミックな辞書である、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には載っていませんでしたが、Macmillan Dictionary には以下のようにはっきり出ていました。
dick : (impolite) a man's penis (=sex organ)
ですから、ジムは自分が、Doctor of Philosophy 「博士号」を持っているように思わせておいて、実は、A pretty huge dick 「かなり巨大な penis」を持ってるんだ、と自慢したことになるわけです。
エロ小説を書いているというジムの「自己紹介の時のつかみのネタ」(笑)みたいなものでしょうね^^
このやりとりでは、ジムが、d が何の略かを言う前に、フィービーが席を立っています。
ネイティブは、ジムが自分の股間を見た瞬間に、d は dick の略だとピンと来る、ということでもあります。
今回のセリフでは、あえて dick だと言っていないので、そこで笑えるかどうかは、dick = penis という俗語を知っているかどうかで決まるわけですね。
「〜を持ってるんだ」という「持っているもの自慢」として、「博士号」のような高尚なものだと思わせておいて、その実、penis だった、、というその落差が、このジムという変質者っぽいキャラにあまりにもハマっていたので、お下品ネタを承知で^^ 解説させていただきました。
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ジムという男性と知り合って、レストランでデート中のフィービー。ジムはフィービーに対して、いやらしい目つきで「君は素敵な目をしてるね。それに君のその胸!」のように、下心ミエミエの雰囲気で話をしてくるので、フィービーも少し困っている様子。
フィービー: Okay. Umm look, you're coming on a little strong. But I'm going to give you the benefit of the doubt, because it seems the universe really wants us to be together. So, why don't we just start over, okay? And you can just tell me about yourself. (よし。ねぇ、あなたは、あからさまに迫(せま)りすぎよ。でも私はあなたに対して「疑わしきは罰せず」とするわね。だって、宇宙が本当に私たちを一緒にしたがっているように思えるから。だから、もう一度始めからやり直しましょ、いいでしょ? そしてあなたが自分のことを私に話すの。)
ジム: All right. (いいよ。)
フィービー: Okay. (オッケー。)
ジム: I write erotic novels, for children. (僕はエロ小説を書くんだ、子供向けの。)
フィービー: What?! (何ですって?)
ジム: They're wildly unpopular. (その小説はものすごく不人気なんだ。)
フィービー: Oh, my God! (まぁ、なんてこと。)
ジム: Oh also, you might be interested to know that I have a Ph.D. (あぁ、それに、君は興味があるかもしれないね、僕は、Ph.D.(博士号)を持ってるんだ。)
フィービー: Wow! You do? (わぉ! そうなの?)
ジム: Yep. (looks at his crotch) A pretty huge-- (そうだよ。[自分の股間を見て] かなり巨大な…)
フィービー: All right. (Gets up and walks out.) (もういいわ。[立ち上がり、歩き去る])
you're coming on a little strong. について。
a little は「少し」ということで、「あなたは、少し・ちょっと、come on strong している」と言っていることになるのですが、come on strong は、研究社 新英和中辞典には以下のように出ています。
come on strong=《口語》 積極的[強引]にふるまう
直訳すると、「強く来る」みたいなことですから、「強引に来る」という感覚になるわけですが、英英辞典で調べてみると、この come on strong というフレーズは、特に「性的なアプローチ」で使われる言葉のようです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
come on strong/fast : (informal) to make it very clear to someone that you think they are sexually attractive
つまり、「(インフォーマル) 自分が相手のことを性的に魅力的だと思っていることを、その相手に非常にはっきりと明らかにすること」。
Macmillan Dictionary では、
come on strong: (informal) to show very clearly that you are determined to do something, especially to start a sexual relationship with someone
つまり、「自分が何かをしようと決意していることを非常にはっきり示すこと、特に誰かとの性的関係を始めようと決意していることを」。
ロングマンもマクミランも同じようなことを言っていますが、つまりは、「相手を性的に魅力的だと感じ、その相手と性的関係を始めたいと思っていることをはっきり示すこと」という意味なのですね。
「君とエッチしたいと思っている、ということを露骨なほど見せる」みたいなことになりそうです。
私は come on strong という表現を、今回、辞書できちんと調べるまで知らなかったのですが、フィービーの you're coming on a little strong. というセリフを聞いた時には、直訳したままのような「強く来すぎよ、強く出過ぎよ」みたいなイメージは頭に浮かびました。
ですが、英英辞典の語義に、sexual/sexually という言葉が使われているのを見ると、「強く来る」という幅の広い意味よりは、もっとはっきり「性的アプローチ」に限定したイメージの強い言葉だということになりそうですね。
「あなたはあからさまに迫りすぎよ」と言った後、でも、私はあなたに、the benefit of the doubt を与えることにするわ、と言っています。
この give someone the benefit of the doubt というのは、これ全体が決まり文句で、
研究社 新英和中辞典では、
give a person the benefit of the doubt=疑わしい点を〈相手に〉有利に解釈してやる
英辞郎では、
give someone the benefit of the doubt=容疑はあるが証拠不十分で(人)を無罪にする、(人)に対して「疑わしきは罰せず」とする、疑わしいときは(人)を罰しない、疑わしい点を(人)に有利[善意・好意的]に解釈する、(人)を大目に見る
と出ています。
LAAD では、
the benefit of the doubt : the act of accepting what someone tells you even though you think they may be lying
例) I was willing to give her the benefit of the doubt.
つまり、「その人が嘘を言っているかもしれないと思っていても、その人が自分に言うことを受け入れるという行為」。
例文は、「私は、彼女の言うことが嘘だとしても、それを受け入れる意思がある」。
直訳すると、「疑いの利益を相手に与える」みたいなことなので、疑ってはいるがとりあえず相手に有利なように対応してやる、みたいなことですね。
because it seems the universe really wants us to be together. は、「なぜなら、宇宙が本当に私たちを一緒にしたいと思っているように見えるから」。
何度も出くわしたりするのは運命だと思うから、みたいなことですね。
start over は「もう一度やり直す」。
ジョン・レノンの楽曲に、(Just Like) Starting Over というタイトルの歌もありますし、宇多田ヒカルの Distance という曲にも、We can start over という歌詞がありましたよね。
あなたのことを話して、と言われたジムは、自分のことを話し始めるのですが、いきなり「僕はエロティックな小説を書いてる」と言い、さらには for children 「子供向けの」とまで言っています。
誰もが「何ですって?」と返すしかない発言ですが、その小説について、wildly に不人気だ、と言っています。
この wildly は「激しく、ものすごく」というニュアンスですね。
前回の記事の中のやりとりで、
ジム: You're wild, aren't ya? (君ってワイルドなんだろ?)
フィービー: Yeah I guess. A little. (えぇ、そうね。ちょっとはね。)
ジム: Ain't no thing. I'm wild too. (いいんだよ。僕もワイルドだ。)
というのがあったように、ジムは、wild という言葉が好きらしい(笑)ので、何かを強調する副詞も、very や so の代わりに、wildly を使っていることになるでしょう。
「荒れた、乱れた、激しい、乱暴な、興奮した」のようなイメージの言葉なので、やらしい雰囲気のジムが多用したがる言葉としてはぴったりということですね。
フィービーはその発言にあきれた様子ですが、ジムが、you might be interested to know that I have a Ph.D. と言ったことに対しては、「あら、そうなの?」と反応しています。
ジムのセリフを直訳すると、「君は僕が Ph.D. を持っていると知ることに興味があるかもしれない」というところ。
もっと自然な日本語で言うと、「君は興味があるかもしれないね。僕は Ph.D. を持ってるんだよ」という感じになります。
Ph.D. というのは、Doctor of Philosophy のことで「博士号」のこと。
古生物学者のロスは、自分が博士号を持っていることをいつも自慢しているので、「フレンズ」ファンの方にはおなじみの単語ですね。
"Wow! You do?" 「わぉ! あなた、博士号持ってるの」のように興味を示したフィービーですが、ト書きにあるように、ジムは自分の crotch 「股(また)」を見て、A pretty huge-- と言葉を途中まで言いかけ、そこまで聞いたフィービーは、「もういいわ!」と怒ったように立ち上がっています。
pretty は「プリティ、かわいい」という訳語が浮かぶ方も多いでしょうが、今回の pretty は、「かなり、ずいぶん」という副詞。
この場合も、huge 「巨大な」という形容詞を強めていることになります。
ですから、A pretty huge-- は、「(1つの)かなり巨大な…」何かを言いかけたことになるのですが、自分の股を見て、大きいことを自慢していることからも、(はっきり書いてしまいますと^^)penis を指していることがわかりますね。
ただ、penis という言葉が続くのだとしたら、Ph.D. という略語になりません。
penis の意味で使われる d で始まる単語と言えば、、それは dick になります。
アカデミックな辞書である、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には載っていませんでしたが、Macmillan Dictionary には以下のようにはっきり出ていました。
dick : (impolite) a man's penis (=sex organ)
ですから、ジムは自分が、Doctor of Philosophy 「博士号」を持っているように思わせておいて、実は、A pretty huge dick 「かなり巨大な penis」を持ってるんだ、と自慢したことになるわけです。
エロ小説を書いているというジムの「自己紹介の時のつかみのネタ」(笑)みたいなものでしょうね^^
このやりとりでは、ジムが、d が何の略かを言う前に、フィービーが席を立っています。
ネイティブは、ジムが自分の股間を見た瞬間に、d は dick の略だとピンと来る、ということでもあります。
今回のセリフでは、あえて dick だと言っていないので、そこで笑えるかどうかは、dick = penis という俗語を知っているかどうかで決まるわけですね。
「〜を持ってるんだ」という「持っているもの自慢」として、「博士号」のような高尚なものだと思わせておいて、その実、penis だった、、というその落差が、このジムという変質者っぽいキャラにあまりにもハマっていたので、お下品ネタを承知で^^ 解説させていただきました。
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