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[Scene: The Baby Furniture Store, Ross and Rachel are checking out.]
赤ちゃん用品店。ロスとレイチェルは商品をチェックしているところ。
レジ係(Cashier): Do you uh, want these things delivered, Mr. and Mrs. Geller? (これらの商品は配達をご希望ですか? ゲラーご夫妻。)
レイチェル: Oh. (あぁ。)
ロス: Oh. (おぉ。)
レイチェル: No-no-no! No, no, no, we're not married. (違う違う違う! 違うわ、私たちは結婚していないの。)
ロス: We are having a baby together, but we're not involved. (The cashier, a very beautiful woman, looks confused) I mean, uh we-we were seeing each other a while ago, but then we were just friends, and then there was one drunken night.... (Rachel looks at him angrily) Or, yes, stranger, we'd like this delivered, please. (僕たちには子供が生まれるんだけど、僕らは付き合っていないんだ。[レジ係、その人はとても美しい女性なのだが、は、困惑した表情を見せる] つまり、僕たちは少し前に付き合ってたんだけど、その後、僕らはただの友達になって、それから、酔っ払った夜があってね… [レイチェルは怒った顔でロスを見る] または、そうだね、見知らぬ人[赤の他人さん]、僕たちはこれを配達して欲しいんだ、よろしく頼むよ。)
レジ係: Why don't you fill out this address card? (Hands him one.) (この住所カードに記入していただけますか? [彼にそのカードを手渡す])
ロス: Oh, okay. (あぁ、オッケー。)
レジ係: I notice you picked out a lot of our dinosaur items. (気づいたんですけれど、この店にある恐竜のアイテムをたくさん選ばれましたね。)
レイチェル: Oh yeah! Actually, that's one of the reasons why we're not a couple. (あぁ、そうね! 実際、それが私たちが夫婦でない理由の一つなのよ。)
ロス: I chose those. I'm a paleontologist. (その恐竜グッズは僕が選んだんだ。僕は古生物学者なんだよ。)
レジ係: Really?! That is so cool! (ほんとに? それってすっごく素敵!)
レイチェル: Oh. Oh yeah, don't get too worked up over it. I mean it-it sounds like he's a doctor, but he's not. (あぁ。あぁ、そうね、興奮[大騒ぎ]しすぎないで。つまり、彼は博士のように聞こえるけど、でも彼はそうじゃないの。)
レジ係: Oh no-no, I'm fascinated by paleontology. Have you read the new Walter Alvarez book? (あぁ、違うんです。私は古生物学に興味があるの。新しいウォルター・アルバレスの本は読みました?)
ロス: Yeah! I-I teach it in my class. (ああ! 僕は自分の授業でそれを教えてる。)
レイチェル: Oh my God! Standing at a cash register, I'm holding a credit card, and I'm bored. (なんてこと! レジで立ったまま、私はクレジットカードを持って、退屈してる。)
レジ係の店員さんが、ロスたちが買った商品について、「これらのものを配達して欲しいと思っていますか?」と尋ねています。
丁寧な店員さん口調の日本語にすると、「これらの商品は配達をご希望ですか?」というところですね。
「want+目的語+過去分詞」の形になっていて、「目的語が〜されることを欲する、望む」と言っていることになります。
そう尋ねた後に、Mr. and Mrs. Geller 「ゲラー(ご)夫妻」のように呼び掛けの言葉を言ったため、二人は「おぉ、それは…」みたいになって、レイチェルが先に「私たちは結婚していない、夫婦じゃない」と説明します。
その後、ロスが事情を説明するのですが、その説明が面白いですね。
We are having a baby together は、その1 の解説でも出てきた表現ですが、「僕たちは一緒に子供を持つ」ということから、「僕らの間には子供が生まれる」ということ。
we're not involved の involve は他動詞で「人を巻き込む、巻き添えにする」「人にかかわりを持たせる、関係させる」という意味。
そこから、それを過去分詞にした受動態 involved (with) は「(〜と)かかわり合いがあって、関係して」という意味で使われ、恋愛関係の話だと「性的な関係がある」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
be involved with somebody : to be having a sexual relationship with someone, especially someone you should not have a relationship with
例) Matt's involved with a married woman at work.
つまり、「ある人と性的な関係を持っていること、特に関係を持つべきではない人と」。
例文は、「マットは、職場の既婚女性と性的な関係にある」。
アカデミックな辞書である LAAD とは思えない例文ですがw 「特にそういう関係を持つべきではない人と」という語義を例文にしようと思うと、まぁ、こういう例文になってしまうということなのでしょうね^^
「特に」という記載はありますが、ロスとレイチェルは「そういう関係になってはいけない立場」でもないわけで、不適切な関係以外でも使うことはある、という理解で良いでしょう。
「二人の間には子供が生まれるんだけど、僕たちは恋愛関係にはないんだ」と説明されたので、美人のレジ係は困惑した表情を浮かべています。
それでロスは、二人の事情を説明することになります。
「しばらく前に僕たちは付き合っていた」→「でもそれから、僕たちはただの友達だった(友達関係になった)」→「そしてそれから、ある酔っ払った夜があった」みたいに説明したところで、ト書きのように「レイチェルは怒ってロスを見る」ことになるのですが、言わないでもいいことまで言ってしまって、ますます状況を悪くしてしまうのが、ロスらしいところです。
「昔付き合っていて、それから別れて友達になって、その後、二人はある晩、酔っ払って、その勢いで…」みたいな説明をしたら、レイチェルがにらんできたので、そこでロスはその話題をやめることになります。
Or, yes, stranger, we'd like this delivered, please. の stranger というのが面白いです。
stranger は「他人、見知らぬ人」ということですね。
初めて会った人に、「酔っぱらった勢いで子供ができちゃって」みたいなぶっちゃけ話をしてしまったので、「赤の他人さん、これを配達してくれるかな」と話題を変えて、「赤の他人の君に聞かせるような話じゃなかったね、本来の店員と客に戻って、商品の話をしよう」みたいに言った感覚になるでしょう。
fill out は「記入する」ですね。
レジ係は「お客様は、私たちの店の恐竜アイテム(グッズ)をたくさん選ばれましたね」みたいに言っています。
notice は「〜に気がつく」ですから、I notice you picked... は「あなたが…を選んだことに私は気づく」と言っていることになります。
that's one of the reasons why... は「それ(彼が恐竜グッズをたくさん選んだこと)が、私たちがカップル・夫婦ではない理由の一つだ」ということ。
That's why 「そういうことで〜なのだ、それが〜である理由だ」というフレーズはフレンズによく登場しますが、それは元々、That's the reason why ということで、その the reason を唯一の理由ではなく、one of the reasons 「(いくつかある)理由の一つ」と表現したのが、今回のセリフになります。
「理由の一つ」と表現することで、「他にもいろいろと理由はあるんだけど! とにかくそれは別れた理由の一つなの」という感じがよく出ていると思います。
ロスは「恐竜グッズは(二人でじゃなくて)僕が選んだんだ。僕は古生物学者なんだよ」と説明すると、レジ係は「それって素敵」と嬉しそうに反応しています。
それを見たレイチェルは、don't get too worked up over it. と言っていますね。
worked up は「興奮して、気持ちが高ぶって」という意味。
LAAD では、
worked up [adjective] [not before noun] : (informal) very upset or excited about something
about/over
例) You're getting all worked up over nothing.
つまり、「(インフォーマル) とても取り乱している、または何かに興奮している」。
例文は、「君は何でもないことにすっかり興奮して[大騒ぎして]いるね」。
この例文の、get worked up over という形は、今回のセリフ don't get too worked up over it と非常によく似ていますので、この形で使われることが多いと言うことができるでしょう。
「古生物学者なんだ」とロスが言うのを聞いて、店員がきゃあきゃあと過剰に反応していることから、レイチェルは、「そんなに騒ぐことじゃないわよ、それほど大したことでもないんだから」という意味で、don't get too worked up over it. 「その件で、あまり騒ぎ過ぎないで」と言っているわけですね。
it sounds like he's a doctor, but he's not. は、「彼がドクターであるように聞こえるけれど、彼は(実際には)そうではない」というところ。
「彼はドクターじゃない」とレイチェルは言っていますが、ロスは「博士号」(Ph.D = Doctor of Philosophy)を持っていることをいつも自慢にしているように、実際にロスは博士(doctor)ではあるんですよね。
Doctor Geller 「ドクター・ゲラー、ゲラー博士」のように人に呼ばれることもありますし、そういう意味では、レイチェルの「ロスはドクターじゃない」発言は間違いとも言える気がするのですが、レイチェルが言いたいのは、博士号を持っているというような経歴の話ではなくて、ロスは、「古生物学者」(paleontologist)といういかめしい名前から想像するような、いわゆる「博士」のイメージとはかけ離れた感じの人なのよ、みたいなことが言いたかったのだろうと思います。
「古生物学者って聞いて、”博士”みたいな人(頭脳明晰で研究一筋のような人?)を想像したのかもしれないけど、この人はそういうタイプじゃないのよ」みたいにレイチェルが言うのを聞いて、レジ係は、「私は古生物学に興味があるんです」と答えています。
fascinate は「〜を魅惑・魅了する、〜の心を奪う」という他動詞で、be fascinated という受け身の形では「…に魅了される、興味・関心を惹かれる」という意味で使われます。
「古生物学に興味がある」と言ったのは本当なようで、その後、「ウォルター・アルバレスの新しい本は読みました?」みたいに尋ねていますね。
それを聞いたロスは、「あぁ、僕はそれを自分のクラス・授業で教えてるんだよ!」と嬉しそうに答えています。
そんな風に盛り上がっているロスと店員を見て、レイチェルは、Standing at... というセリフを言っていますね。
Standing at... というのは分詞構文で、「(キャッシュ)レジのところで立ちながら」という感覚。
「レジのところに立った状態で、手にはクレジットカードを持って、私は退屈している」と言っているのはつまり、「支払いをしようと私はカードを手に持って待ってるっていうのに、私をほったらかして、二人が話に夢中になってるから、全然会計が進まないわ。私はすることもなく手持ちぶさたで退屈してるんだけど」ということですね。
「もしもし、すっかり話が盛り上がってるお二人さんは、会計すること、それに私の存在も忘れてない?」みたいに言いたいということですね。
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