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フィービーは、エレベーターホールで足を骨折して車椅子に乗った男性と知り合います。いいムードになったのに、相手の名前や部屋番号を聞き損ねてしまったフィービーは、受付に行って、彼の情報を聞き出そうとしているところ。
フィービー: (to the nurse) Excuse me? Could you help me with something? The patient I'm looking for has a broken leg and he's in a wheelchair. And umm, he's like early to mid-30s, very attractive. ([看護師に] すみません。ちょっと助けてもらえますか? 私が捜している患者さんは、足を骨折してて、車椅子に乗ってるの。それから、彼は30代前半から半ばくらいで、とっても魅力的なのよ。)
看護師: I think I know who you're talking about. (あなたが誰のことを言っているのかわかりますよ。)
フィービー: Oh yay! Great! Okay, what room number is he in? (あぁ、やったー。最高! で、彼がいる部屋番号は何番?)
看護師: I'm sorry. That information is restricted to hospital staff.... (申し訳ありません。その情報は病院スタッフに制限されていまして…)
ジョーイ: (walks up) Uh, she's with me. (Introduces himself) Dr. Drake Remoray. ([歩いて近づいてきて] あぁ、彼女は私の連れなんだ。[自己紹介する] ドクター・ドレイク・ラモレーだ。)
看護師: Dr. Drake who? (ドクター・ドレイク・誰、ですって?)
ジョーイ: Remoray. It's Portuguese. We need that information. I'm a doctor. (ラモレーだ。ポルトガル系だよ。我々にはその情報が必要なんだ。私は医者だ。)
看護師: A doctor at this hospital? (この病院の医師ですか?)
ジョーイ: Damn it, woman! We're losing precious time! Now do you want this man's blood on your head? (おい、君! 我々は貴重な時間を失いつつあるんだ! さあ、この男の血を君の頭の上に欲しいかね?)
フィービー: Hands. (手よ。)
ジョーイ: Hands! It is absolutely essential that you tell me what room the man my assistant described is staying in. He's a patient of mine, I've been treating him for years! (手、だ! 私の助手が言った男性がどの部屋に滞在しているかを君が私に話すことは絶対的に不可欠なことだ。彼は私の患者だ。彼を何年も診てきているんだぞ。)
看護師: He's in room 816. (彼は816号室です。)
ジョーイ: 816. Thank you! (816号室ね。ありがとう!)
フィービー: Thank you. (Starts to exit.) (ありがとう。[出て行こうとする])
(Joey starts to leave, but stops.)
ジョーイは行こうとして、立ち止まる。
ジョーイ: And what is his name? (それで、彼の名前は何?)
フィービー: (coming back for Joey) No! (Grabs Joey and drags him away.) ([ジョーイのために戻ってきて] だめよ! [ジョーイを掴んで、彼を向こうに引っ張って行く])
せっかく素敵な男性とお知り合いになったのに、部屋番号などを聞きそびれたため、フィービーは受付に直接尋ねる手段を取っています。
The patient I'm looking for has a broken leg and he's in a wheelchair. は少し長めのセリフですが、The patient I'm looking for / has a broken leg という切れ目になりますね。
「私が捜しているその患者は、折れた・骨折した脚を持っている」ということですから、「私が捜している患者は、脚を骨折している」と言っていることになります。
wheelchair は「車椅子」ですね。
he's like early to mid-30s (mid-thirties) というのは、30(歳)代前半から半ば、ということですね。
英辞郎には、
mid to late thirties=《one's 〜》(人)の30(歳)代半ばから後半
というフレーズが載っていましたが、前半から半ばなら、early to mid で、半ばから後半なら、mid to late になるということですね。
フィービーの説明で、受付の看護師は誰のことだかわかったようで、「あなたが誰のことを言っているのかわかると思う」と言います。
それを聞いたフィービーは喜び、「彼がいる部屋番号は何番?」と尋ねるのですが、看護師は「その情報は、病院のスタッフに制限されている」と答えます。
規則で患者の個人情報は教えられない、というところですが、そこにジョーイが近づいてきて、「ドクター・ドレイク・ラモレーだ」と自己紹介して、医者のふりをしているのに笑えます。
自分が出演しているソープオペラ Days of Our Lives での役柄、医師のドレイク・ラモレーの演技をして、ここの病院のスタッフであるふりをしようとしているわけです。
受付の人は、Remoray という名前(英語の発音的には「ラモォレィ」という感じ)になじみや聞き覚えがなかったようで、その部分を、「ドクター・ドレーク・誰、ですって?」と who を使って聞き返しています。
It's Portuguese. というのは「ポルトガル系」ということで、「ポルトガル系の名前だ」と言いたいわけですね。
ジョーイはすっかり、ドレイク・ラモレー役になりきって、「我々にはその情報(彼の部屋番号)が必要だ」と言いますが、看護師はジョーイに見覚えがないと思ったのでしょう、「(あなたは)この病院の医師ですか?」と、結構、ダイレクトに尋ねています。
それを聞いたジョーイは、ばかなことを言うな、今はそれどころじゃない、とでも言うように、We're losing precious time! と怒った様子で言っています。
「貴重な時間を失う」が、現在進行形になっていますが、「失っている」と訳すよりも、「失いつつある」と訳した方がニュアンスが出る気がします。
その次のジョーイのセリフ、Now do you want this man's blood on your head? について。
そう言った直後に、フィービーに Hands. と訂正されていることから、ジョーイがイディオムか何かを言い間違えたらしいことが想像できます。
辞書で blood の項目を調べてみると、それらしいものがありました。
研究社 新英和中辞典では、
have a person's blood on one's hands=人の死[不幸]に責任がある
と出ています。
直訳すると、「ある人の血が、その人の手の上にある」ということで、似た感じの日本語で言うと、「誰かの生死がその人の手中にある、その人の手にかかっている」ということになるでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
have somebody's blood on your hands : to have caused someone's death
つまり、「誰かの死を引き起こしてしまうこと」。
フィービーに訂正されたようにジョーイのセリフを正しいものにすると、want this man's blood on your hands? ということになりますね。
このセリフでは、have ではなくて、want になっていますが、いわば、want to have this man's blood on your hands ということで、「この男の死の責任を君は持ちたいのかね?」と言っている感覚になるでしょう。
私が早く処置をしないと彼は死ぬかもしれない。部屋番号を教えないことで、君は彼の死の責任を持ちたいのかね?ということですね。
It is absolutely essential that... は「(that 以下が)絶対的に不可欠である」。
ジョーイがドクター・ラモレー役で使っているであろう、医者っぽい言い回しを多用している感じが出ていますね。
you tell me what room the man my assistant described is staying in. というのはちょっと長い文章ですが、こういうものはとにかく聞こえた順番にイメージして、その次に来る言葉を待ち構える気持ちで聞けるようになるといいですね。
you tell me what room は、「どの部屋かを私に言う」で、その後、その部屋を説明する言葉が続きます。
the man (my assistant described) is staying in. ということで、私のアシスタント(フィービーのこと)が述べた[言った]その男が(どの部屋に)現在滞在中であるか、ということになります。
I've been treating him for years! は継続を表す現在完了進行形ですね。
「ずーっと何年も私は彼を治療してきたんだ」と言っていることになります。
フィービーが言っていたように、その彼は「脚を骨折して車椅子に乗っている患者」ですから、何年間も医者が診察しないといけないような長期療養が必要な患者ではなさそうですし、長年彼を診ていたのなら、部屋番号を知らないのはおかしいし、、など、いろいろツッコミどころ満載(笑)なのですが、そういうつじつまの合わないことを飛び越えて、医者っぽい威圧的な態度でまくしたてているところに、昼メロで医者を演じてきたジョーイの熱演が見える気がして、面白いわけでしょう。
もっともらしいことを言わずにめちゃくちゃなことを言っているのがジョーイっぽい、ということですね。
ジョーイの権幕に押されてか、あるいは胡散臭いと思いつつもこんなめんどくさい人の相手をするのはいやだと思ったのか(笑)、看護師はその患者の部屋番号を教えることになります。
とにかくその情報だけが知りたかったフィービーは、ありがとう、と言って、これ以上怪しまれないうちにその場を立ち去ろうとするのですが、ジョーイはわざわざ立ち止まって、「それで彼の名前は何?」と受付の女性に尋ねます。
長年彼を診てきた医者が彼の名前を知らないのはあまりにもおかしいわけで、フィービーは慌ててジョーイを引っ張って行くことになります。
「普段、医者役を演じていることから、医者っぽい言い方で医者のふりをすることはできても、話の内容がどっか”ぬけている”」というところにジョーイっぽさが出ていて、それがこのシーンのポイントになっていることが、この最後のセリフから改めてわかる気がします。
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2014年10月31日
2014年10月29日
今じゃないといけないって言ってるわけじゃないけど フレンズ8-23その2
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レイチェルが出産のために来ている病院で、フレンズたちも一緒に出産を待っています。
[Scene: Outside the Nursery, Chandler is looking at the babies as Monica walks up.]
育児室の外。チャンドラーが赤ちゃんたちを見ていると、モニカが歩いて近づいてくる。
モニカ: Oh, good God! If you want a baby so bad, just go steal it! (まぁ、なんてこと! あなたが赤ちゃんをそんなに欲しいなら、ただ行って盗んできなさいよ!)
(The nurse attending to the babies hears this, turns and stares at Chandler. Chandler moves Monica to the side and away from the nurse.)
赤ちゃんの世話をしている看護師がこれを聞き、振り向いてチャンドラーをじっと見る。チャンドラーはモニカを脇に移動させ、看護師から離れる。
モニカ: What is going on with you? Since when are you so crazy about babies? (あなた、どうしたの? いつからそんなに赤ちゃんに夢中なの?)
チャンドラー: I'm not crazy about babies. I'm crazy about us. (赤ちゃんに夢中なんじゃない。俺は俺たち二人に夢中なんだよ。)
モニカ: What? (まぁ、なあに?)
チャンドラー: Look, we've always talked about having babies someday. I'm not saying it has to be right now, but I'm starting to think that we can handle it. We're good. We're really good. (ねぇ、いつか子供を持とうって、俺たちずっと話してきたよね。今じゃないといけないって言ってるわけじゃないけど、でも、そうすることができるようになったって思い始めてるんだ。俺たちは最高だ。俺たちってほんと最高だろ。)
モニカ: We are pretty good. (私たちはかなり最高よ。)
チャンドラー: But nothing has to happen until you're ready. (でも君の心の準備ができるまでは、何も起こらなくていい。)
モニカ: Well, maybe I'm ready now. I mean, it's a little scary, but maybe it's right. (そうね、多分、私は今、心の準備ができてるわ。ほら、ちょっと怖いけど、でも、多分、それって正しいわ。)
チャンドラー: What?! It's not right! We're not ready to have a kid now!! (何だって? そんなの正しくないよ! 俺たちは今、子供を持つ準備なんかできてないよ!!)
モニカ: What?!! (何ですって?)
チャンドラー: I'm kidding. This is going to be fun. (冗談だよ。こういうのは楽しくなるな[これからも楽しくなりそうだな]。)
モニカ: So we're gonna try? I mean, we're trying? (それじゃあ、私たち、トライすることになるの? ほら、私たちはトライするの?)
チャンドラー: We're trying to get pregnant. (They start kissing, but Chandler stops it.) Y'know I'm not really comfortable doing this in front of the babies. So when do you want to start trying? (俺たちは妊娠しようとトライするんだ。[二人はキスし始めるが、チャンドラーがそれをやめる] ほら、赤ちゃんたちの前でこんなことをしてるのって、あんまりいい気分じゃないな。で、いつトライを始めたいと思う?)
モニカ: All right, hold on a sec. (いいわ。ちょっと待って。)
チャンドラー: Period math? (生理日の計算?)
モニカ: Yeah. (ええ。)
チャンドラー: Yeah. (そうか。)
モニカ: Well, we could start trying... now. (そうね、私たちはトライを始めることができるわ…今。)
チャンドラー: Right here? (今ここで?)
モニカ: No, not here. Maybe here. (いいえ、ここでじゃないわ。(いえ)多分、ここね。)
チャンドラー: Wait a minute, it's perfect. We got a lot of time to kill and we're in a building that's full of beds! (ちょっと待って、完璧だよ。つぶす時間はたくさんあるし、俺たちはベッドがいっぱいのビルにいるんだ!)
モニカ: And it's so clean!! (それに、すっごく清潔だわ!)
(They run off in search of a bed.)
二人はベッドを探しに、足早に立ち去る。
病院の育児室の中にはたくさんの赤ちゃんが並んでいます。
チャンドラーがそれを見つめているのを見て、モニカは、「赤ちゃんをじーっと見つめるほど、そんなに赤ちゃんが欲しいなら、盗んじゃいなさいよ!」と冗談っぽく言っていますね。
ほんの冗談だったのですが、その声が聞こえた看護師は、チャンドラーを不審者でもあるかのような目でじっと見ることになります。
勘違いされたら困るとばかりに、看護師から離れたチャンドラー。
モニカにとっては、特定の異性とのコミットメント(深い付き合い)が苦手で、ましてや赤ちゃんも苦手だったはずのチャンドラーが赤ちゃんを見つめていたのがよほど不思議だったようで、ここでもまた、「あなた、どうしたの? いつから赤ちゃんに夢中なの?」と言っています。
それに対してのチャンドラーの返事がちょっとしゃれていますね。
「俺は赤ちゃんに夢中なんじゃない。俺は俺たちに夢中なんだ」と言っています。
言葉としては、ちょっと漠然とした感じもありますが、既婚者であるチャンドラーが赤ちゃんを見る時には、自然と「自分たちにもいつかこういう赤ちゃんが、、」という視点で見ているでしょうから、このセリフでは、「とにかく赤ちゃんなら何でもいい、みたいなことじゃなくて、俺たち二人のことを考えてると、自然と赤ちゃんに目が行っちゃうんだよ」みたいなことを言っているのだろうと想像できる気がします。
モニカが What? と聞き直したので、チャンドラーはその後、もう少し具体的に、赤ちゃんを見ていた理由を述べることになります。
「俺たちはいつか赤ちゃんを持とう・作ろうって、いつもずっと話してた。今でなければならない、って俺は言っているわけじゃないけど、でも、俺たちにもできる[赤ちゃんを持つということに対処できる・対応できる]って思い始めてきてる」ということですね。
「俺たちは good だ。本当に good だ」というのは、カップルとして、夫婦として、俺たち二人はいい感じじゃん、最高じゃん、と言っていることになるでしょう。
モニカがそれを受けて、「私たちって、かなりいい感じよね」と同意すると、チャンドラーは、「でも、何も起こる必要はない、君が(心の)準備ができるまでは」と言います。
つまり、「俺たちはもう、赤ちゃんを持つことを考えてもいいところにきたんじゃないかって俺は思ってるけど、モニカにまだそのつもりがない、まだ心構えができてない、っていうんなら、何も今すぐ何か行動を起こさないといけない、っていうことはないんだよ」のように、妻の意志を尊重し、無理強いはしないよ、と言っていることになります。
そのように言ってくれたチャンドラーに対して、モニカは「私は準備できてるわ。ちょっと怖いけど、でも多分それが正しいのよ」と返します。
自分の気持ちを尊重してくれようとしているチャンドラーに対しての感謝の気持ちもあり、嬉しそうにそう答えるモニカですが、それに対して、「何だって? 正しくないよ! 今、俺たちは子供を持つ準備なんかできてない!」と、昔のチャンドラーのような発言が飛び出したので、モニカは驚いています。
チャンドラーが「冗談だよ」と言っていることから、チャンドラーがわざと昔の「コミットメント恐怖症のチャンドラー」に戻ったかのようなセリフを言ってみせたことがわかりますね。
This is going to be fun. について。
これがシンプルな、This is fun. なら、「これって楽しいな」ということになりますが、ここでは、This is going to be fun. となっていますので、直訳すると「これは(これから)楽しいものとなる」と言っていることになるでしょう。
この部分、DVDの日本語音声(吹替)では、
これ使えるね。冗談だ
と訳されていたのですが、そういう「これ使えるね」的なニュアンスでこのセリフを言っているような気が私にもしました。
「この先も、こういうことしたら楽しくなるだろうね」というようなことで、こんな風に、「コミットメント恐怖症のチャンドラーが復活したふり」をすることで、モニカを今度も何度か驚かすことができそう、それって楽しいだろうね、と言っているように思うわけです。
チャンドラーの発言が冗談だとわかったところで、モニカは、So we're gonna try? I mean, we're trying? と言っています。
try というのは、「子作りにトライする、子作りを頑張ってみる」ということですね。
be gonna try = be going to try と、are trying というちょっと違った形が連続して使われていいて、I mean 「それってつまり」のように「より正しいニュアンスに言い直した」感じもあるため、we're gonna try というよりも、we're trying ってことかしら?と言っているニュアンスになります。
この2つのニュアンスの違いについて。
まず、are trying という現在完了形は「(今)〜しているところである、〜している最中である」という、現在行っている最中の行為を示す意味がありますね。
ですが、今の二人が子作りにトライしている「最中」ではないことは明らかなのでw ここでは、「少し先の(決まった)予定を表す」現在進行形だと考えるのが妥当だろうと思います。
ですから、are going to do 「〜する予定である、〜することになっている」よりも、are doing という現在進行形の方が、「実現可能性が(限りなく)高い、それもすぐに行われる予定である」というニュアンスが強まる気がするわけです。
are going to try 「トライすることになるのねー」という表現には少し先をイメージするような「距離感」があって、でもこんな風に話が盛り上がった状況では、もう今すぐにでもトライを始めましょう!というような「直近」の感覚がある、「もうトライするということに動き出している」「トライするという行為に対して、すでに何かが始まっている」感じが、この現在進行形に出ている気がする、ということですね。
この部分、DVDの日本語音声では、
んー。それじゃあ、、トライしてみる? ほんとに? トライするー?
と訳されていましたが、「トライしてみる?」と「トライする?」という言葉の変化に、2つのニュアンスの違いがうまく出ているような気がしました。
繰り返しになりますが、「トライする」という行為に対する、意識上での距離感が、are gonna try と are trying にはある、ということです。
チャンドラーも、モニカの現在進行形を受ける形で、We're trying to get pregnant. 「妊娠するようにトライしよう」と言い、二人はキスをします。
ですが、そのキスをやめたチャンドラーは、「こういうことを赤ちゃんの前でするのはあんまり居心地がいいとは言えないな」のように言っていますね。
「子供を作ろう」と言った上でキスしているので、その後の行為が連想されたのでしょう、生まれたばかりの無垢な赤ちゃんたちの前で、子作りを連想しながらキスしていることが「いけないこと」だと思えたようです。
チャンドラーが「いつ、トライを始めたい?」と尋ねると、モニカは何かを考えるように「ちょっと待って」と言っています。
Period math? は、ズバリ言ってしまうと、「生理日の計算?」ということ。
period は「期間」「ピリオド」などの意味がありますが、恋愛ドラマではよくこの「生理」の意味で出てきます。
過去記事、留守電応答メッセージの話 フレンズ3-2その31 では、
モニカ: Um, listen, I did something kind of crazy tonight. Um, maybe I'm getting my period or something. (ねぇ、聞いて。私、今夜、ちょっとバカなことをしちゃったの。多分、今、生理中だからとかそんなことだと思うわ。)
というセリフもありましたね。
「生理」とはつまり「月経」(menstruation)のことですが、日本語でも英語でも、他にいろんな意味で使われる単語である、period や生理(生理現象、生理的に嫌いw など) で表現するところに共通点があるなぁ、と私はいつも思っています。
女性側も、また男性側も、ダイレクトにその単語を言うのはちょっとはばかられるという思いが、そういう「複数の意味で使われる普遍的な単語」で表現することに繋がったのだろう、と。
生理日や排卵日などの日数計算を頭の中でしていたモニカは、「私たち、トライを始めることができるわ…今」と言っています。
「今」と言うので、チャンドラーも反射的に「今ここで?」と返し、モニカもまた「いいえ、(もちろん)ここでじゃないわ」と答えるのですが、ちょっと考えた後、「(いえ、ここじゃないって今言ったけど)多分、(今)ここで、ね」と答えを変えます。
そう言ったモニカの意図がわかった様子で、チャンドラーも、「(そうだよ、ここなら)完璧だよ」と言っています。
We got a lot of time to kill の kill は「殺す」ですが、時間の話になると、「時間をつぶす」という意味。
なので、「俺たちは、つぶす(べき)時間がたくさんある」と言っていることになります。
we're in a building that's full of beds! は、「ベッドでいっぱいの・ベッドで満たされた、ビルの中に俺たちはいる!」ですね。
「そして(病院だから)すっごく清潔だわ」とモニカも言っています。
レイチェルの赤ちゃんはなかなか生まれそうにないから、待ち時間が退屈、することもない。病院だから、あちこちにたくさんベッドがある。
そして、きれい好きのモニカとしては、消毒されて清潔なシーツが敷いてあるベッドがさらに理想的だったのでしょうね^^
「今すぐここで、なんてありえない」と一笑に付すところだったのに、「ちょっと待ってよ。実はここって、最高の条件が揃ってるんじゃない?」ということに気付いたという面白さで、いそいそとこの場を立ち去る二人が微笑ましいなと思いました。
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育児室の外。チャンドラーが赤ちゃんたちを見ていると、モニカが歩いて近づいてくる。
モニカ: Oh, good God! If you want a baby so bad, just go steal it! (まぁ、なんてこと! あなたが赤ちゃんをそんなに欲しいなら、ただ行って盗んできなさいよ!)
(The nurse attending to the babies hears this, turns and stares at Chandler. Chandler moves Monica to the side and away from the nurse.)
赤ちゃんの世話をしている看護師がこれを聞き、振り向いてチャンドラーをじっと見る。チャンドラーはモニカを脇に移動させ、看護師から離れる。
モニカ: What is going on with you? Since when are you so crazy about babies? (あなた、どうしたの? いつからそんなに赤ちゃんに夢中なの?)
チャンドラー: I'm not crazy about babies. I'm crazy about us. (赤ちゃんに夢中なんじゃない。俺は俺たち二人に夢中なんだよ。)
モニカ: What? (まぁ、なあに?)
チャンドラー: Look, we've always talked about having babies someday. I'm not saying it has to be right now, but I'm starting to think that we can handle it. We're good. We're really good. (ねぇ、いつか子供を持とうって、俺たちずっと話してきたよね。今じゃないといけないって言ってるわけじゃないけど、でも、そうすることができるようになったって思い始めてるんだ。俺たちは最高だ。俺たちってほんと最高だろ。)
モニカ: We are pretty good. (私たちはかなり最高よ。)
チャンドラー: But nothing has to happen until you're ready. (でも君の心の準備ができるまでは、何も起こらなくていい。)
モニカ: Well, maybe I'm ready now. I mean, it's a little scary, but maybe it's right. (そうね、多分、私は今、心の準備ができてるわ。ほら、ちょっと怖いけど、でも、多分、それって正しいわ。)
チャンドラー: What?! It's not right! We're not ready to have a kid now!! (何だって? そんなの正しくないよ! 俺たちは今、子供を持つ準備なんかできてないよ!!)
モニカ: What?!! (何ですって?)
チャンドラー: I'm kidding. This is going to be fun. (冗談だよ。こういうのは楽しくなるな[これからも楽しくなりそうだな]。)
モニカ: So we're gonna try? I mean, we're trying? (それじゃあ、私たち、トライすることになるの? ほら、私たちはトライするの?)
チャンドラー: We're trying to get pregnant. (They start kissing, but Chandler stops it.) Y'know I'm not really comfortable doing this in front of the babies. So when do you want to start trying? (俺たちは妊娠しようとトライするんだ。[二人はキスし始めるが、チャンドラーがそれをやめる] ほら、赤ちゃんたちの前でこんなことをしてるのって、あんまりいい気分じゃないな。で、いつトライを始めたいと思う?)
モニカ: All right, hold on a sec. (いいわ。ちょっと待って。)
チャンドラー: Period math? (生理日の計算?)
モニカ: Yeah. (ええ。)
チャンドラー: Yeah. (そうか。)
モニカ: Well, we could start trying... now. (そうね、私たちはトライを始めることができるわ…今。)
チャンドラー: Right here? (今ここで?)
モニカ: No, not here. Maybe here. (いいえ、ここでじゃないわ。(いえ)多分、ここね。)
チャンドラー: Wait a minute, it's perfect. We got a lot of time to kill and we're in a building that's full of beds! (ちょっと待って、完璧だよ。つぶす時間はたくさんあるし、俺たちはベッドがいっぱいのビルにいるんだ!)
モニカ: And it's so clean!! (それに、すっごく清潔だわ!)
(They run off in search of a bed.)
二人はベッドを探しに、足早に立ち去る。
病院の育児室の中にはたくさんの赤ちゃんが並んでいます。
チャンドラーがそれを見つめているのを見て、モニカは、「赤ちゃんをじーっと見つめるほど、そんなに赤ちゃんが欲しいなら、盗んじゃいなさいよ!」と冗談っぽく言っていますね。
ほんの冗談だったのですが、その声が聞こえた看護師は、チャンドラーを不審者でもあるかのような目でじっと見ることになります。
勘違いされたら困るとばかりに、看護師から離れたチャンドラー。
モニカにとっては、特定の異性とのコミットメント(深い付き合い)が苦手で、ましてや赤ちゃんも苦手だったはずのチャンドラーが赤ちゃんを見つめていたのがよほど不思議だったようで、ここでもまた、「あなた、どうしたの? いつから赤ちゃんに夢中なの?」と言っています。
それに対してのチャンドラーの返事がちょっとしゃれていますね。
「俺は赤ちゃんに夢中なんじゃない。俺は俺たちに夢中なんだ」と言っています。
言葉としては、ちょっと漠然とした感じもありますが、既婚者であるチャンドラーが赤ちゃんを見る時には、自然と「自分たちにもいつかこういう赤ちゃんが、、」という視点で見ているでしょうから、このセリフでは、「とにかく赤ちゃんなら何でもいい、みたいなことじゃなくて、俺たち二人のことを考えてると、自然と赤ちゃんに目が行っちゃうんだよ」みたいなことを言っているのだろうと想像できる気がします。
モニカが What? と聞き直したので、チャンドラーはその後、もう少し具体的に、赤ちゃんを見ていた理由を述べることになります。
「俺たちはいつか赤ちゃんを持とう・作ろうって、いつもずっと話してた。今でなければならない、って俺は言っているわけじゃないけど、でも、俺たちにもできる[赤ちゃんを持つということに対処できる・対応できる]って思い始めてきてる」ということですね。
「俺たちは good だ。本当に good だ」というのは、カップルとして、夫婦として、俺たち二人はいい感じじゃん、最高じゃん、と言っていることになるでしょう。
モニカがそれを受けて、「私たちって、かなりいい感じよね」と同意すると、チャンドラーは、「でも、何も起こる必要はない、君が(心の)準備ができるまでは」と言います。
つまり、「俺たちはもう、赤ちゃんを持つことを考えてもいいところにきたんじゃないかって俺は思ってるけど、モニカにまだそのつもりがない、まだ心構えができてない、っていうんなら、何も今すぐ何か行動を起こさないといけない、っていうことはないんだよ」のように、妻の意志を尊重し、無理強いはしないよ、と言っていることになります。
そのように言ってくれたチャンドラーに対して、モニカは「私は準備できてるわ。ちょっと怖いけど、でも多分それが正しいのよ」と返します。
自分の気持ちを尊重してくれようとしているチャンドラーに対しての感謝の気持ちもあり、嬉しそうにそう答えるモニカですが、それに対して、「何だって? 正しくないよ! 今、俺たちは子供を持つ準備なんかできてない!」と、昔のチャンドラーのような発言が飛び出したので、モニカは驚いています。
チャンドラーが「冗談だよ」と言っていることから、チャンドラーがわざと昔の「コミットメント恐怖症のチャンドラー」に戻ったかのようなセリフを言ってみせたことがわかりますね。
This is going to be fun. について。
これがシンプルな、This is fun. なら、「これって楽しいな」ということになりますが、ここでは、This is going to be fun. となっていますので、直訳すると「これは(これから)楽しいものとなる」と言っていることになるでしょう。
この部分、DVDの日本語音声(吹替)では、
これ使えるね。冗談だ
と訳されていたのですが、そういう「これ使えるね」的なニュアンスでこのセリフを言っているような気が私にもしました。
「この先も、こういうことしたら楽しくなるだろうね」というようなことで、こんな風に、「コミットメント恐怖症のチャンドラーが復活したふり」をすることで、モニカを今度も何度か驚かすことができそう、それって楽しいだろうね、と言っているように思うわけです。
チャンドラーの発言が冗談だとわかったところで、モニカは、So we're gonna try? I mean, we're trying? と言っています。
try というのは、「子作りにトライする、子作りを頑張ってみる」ということですね。
be gonna try = be going to try と、are trying というちょっと違った形が連続して使われていいて、I mean 「それってつまり」のように「より正しいニュアンスに言い直した」感じもあるため、we're gonna try というよりも、we're trying ってことかしら?と言っているニュアンスになります。
この2つのニュアンスの違いについて。
まず、are trying という現在完了形は「(今)〜しているところである、〜している最中である」という、現在行っている最中の行為を示す意味がありますね。
ですが、今の二人が子作りにトライしている「最中」ではないことは明らかなのでw ここでは、「少し先の(決まった)予定を表す」現在進行形だと考えるのが妥当だろうと思います。
ですから、are going to do 「〜する予定である、〜することになっている」よりも、are doing という現在進行形の方が、「実現可能性が(限りなく)高い、それもすぐに行われる予定である」というニュアンスが強まる気がするわけです。
are going to try 「トライすることになるのねー」という表現には少し先をイメージするような「距離感」があって、でもこんな風に話が盛り上がった状況では、もう今すぐにでもトライを始めましょう!というような「直近」の感覚がある、「もうトライするということに動き出している」「トライするという行為に対して、すでに何かが始まっている」感じが、この現在進行形に出ている気がする、ということですね。
この部分、DVDの日本語音声では、
んー。それじゃあ、、トライしてみる? ほんとに? トライするー?
と訳されていましたが、「トライしてみる?」と「トライする?」という言葉の変化に、2つのニュアンスの違いがうまく出ているような気がしました。
繰り返しになりますが、「トライする」という行為に対する、意識上での距離感が、are gonna try と are trying にはある、ということです。
チャンドラーも、モニカの現在進行形を受ける形で、We're trying to get pregnant. 「妊娠するようにトライしよう」と言い、二人はキスをします。
ですが、そのキスをやめたチャンドラーは、「こういうことを赤ちゃんの前でするのはあんまり居心地がいいとは言えないな」のように言っていますね。
「子供を作ろう」と言った上でキスしているので、その後の行為が連想されたのでしょう、生まれたばかりの無垢な赤ちゃんたちの前で、子作りを連想しながらキスしていることが「いけないこと」だと思えたようです。
チャンドラーが「いつ、トライを始めたい?」と尋ねると、モニカは何かを考えるように「ちょっと待って」と言っています。
Period math? は、ズバリ言ってしまうと、「生理日の計算?」ということ。
period は「期間」「ピリオド」などの意味がありますが、恋愛ドラマではよくこの「生理」の意味で出てきます。
過去記事、留守電応答メッセージの話 フレンズ3-2その31 では、
モニカ: Um, listen, I did something kind of crazy tonight. Um, maybe I'm getting my period or something. (ねぇ、聞いて。私、今夜、ちょっとバカなことをしちゃったの。多分、今、生理中だからとかそんなことだと思うわ。)
というセリフもありましたね。
「生理」とはつまり「月経」(menstruation)のことですが、日本語でも英語でも、他にいろんな意味で使われる単語である、period や生理(生理現象、生理的に嫌いw など) で表現するところに共通点があるなぁ、と私はいつも思っています。
女性側も、また男性側も、ダイレクトにその単語を言うのはちょっとはばかられるという思いが、そういう「複数の意味で使われる普遍的な単語」で表現することに繋がったのだろう、と。
生理日や排卵日などの日数計算を頭の中でしていたモニカは、「私たち、トライを始めることができるわ…今」と言っています。
「今」と言うので、チャンドラーも反射的に「今ここで?」と返し、モニカもまた「いいえ、(もちろん)ここでじゃないわ」と答えるのですが、ちょっと考えた後、「(いえ、ここじゃないって今言ったけど)多分、(今)ここで、ね」と答えを変えます。
そう言ったモニカの意図がわかった様子で、チャンドラーも、「(そうだよ、ここなら)完璧だよ」と言っています。
We got a lot of time to kill の kill は「殺す」ですが、時間の話になると、「時間をつぶす」という意味。
なので、「俺たちは、つぶす(べき)時間がたくさんある」と言っていることになります。
we're in a building that's full of beds! は、「ベッドでいっぱいの・ベッドで満たされた、ビルの中に俺たちはいる!」ですね。
「そして(病院だから)すっごく清潔だわ」とモニカも言っています。
レイチェルの赤ちゃんはなかなか生まれそうにないから、待ち時間が退屈、することもない。病院だから、あちこちにたくさんベッドがある。
そして、きれい好きのモニカとしては、消毒されて清潔なシーツが敷いてあるベッドがさらに理想的だったのでしょうね^^
「今すぐここで、なんてありえない」と一笑に付すところだったのに、「ちょっと待ってよ。実はここって、最高の条件が揃ってるんじゃない?」ということに気付いたという面白さで、いそいそとこの場を立ち去る二人が微笑ましいなと思いました。
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2014年10月27日
先に電話してくれたら良かったのに フレンズ8-23その1
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シーズン8 第23話
The One Where Rachel Has A Baby - Part 1 (ママにプロポーズを - part 1)
原題は「レイチェルが子供を産む話 パート1」
破水が起きたレイチェルは、ロスと一緒に病院にやってきました。
フレンズたちも集合して、みんなでレイチェルの出産を待つことになります。
個室を希望していたレイチェルでしたが、相部屋に入れられてしまい、隣に来ためんどくさい夫婦とのやり取りにうんざりしていた時、ロスのママがやってきたので、ロスはこれ幸いと、廊下に出ます。
[Scene: The Hallway, Ross comes out and hugs Mrs. Geller.]
廊下。ロスは部屋から出てきて、ミセス・ゲラー(ロスのママ)にハグする。
ロス: Hi! I'm so glad you're here, but it's gonna be a while. I-I wished you'd called first. (はーい! ママがここに来てくれて嬉しいよ。でも、もう少しかかりそうなんだ。先に電話してもらいたかったな。)
ゲラーママ: Oh that's all right, I'm coming back later with your father. (あぁ、それはいいのよ。後でパパと一緒にここに戻ってくるわ。)
ロス: Oh good. (あぁ、それはいい。)
ゲラーママ: I actually needed to talk to you before the birth. (実は、出産の前にあなたに話しておかなきゃと思って。)
ロス: Okay. What's up? (いいよ。どうしたの?)
ゲラーママ: I brought something that I want to give you. Assuming, of course, that you want it. (She holds up an engagement ring.) (あなたに渡したいものを持ってきたの。もちろん、あなたにはそれが必要だと仮定してね。[ママは婚約指輪を掲げる])
ロス: Ma, you're asking me to marry you? (ママ、僕に結婚を申し込むつもり?)
ゲラーママ: This is your grandmother's engagement ring, I want you to give it to Rachel. (これはあなたのおばあちゃんの婚約指輪よ。私は、あなたがそれをレイチェルに渡してほしいと思ってるの。)
ロス: Mom, no. Come on! Thank you.... (ママ、そんなことしないよ。ねぇ。ありがたいけど…)
ゲラーママ: Just hear me out-- (私の話をとりあえず最後まで聞いて。)
ロス: N-no! Okay? We've been through this! We're not gonna get married just because she's pregnant, okay? (だめだよ! いい? 僕たちはこの件については済んだんだよ。彼女が妊娠したからって理由だけで、僕たちは結婚したりしないよ。)
ゲラーママ: Honestly! Ross, this isn't just some girl you picked up in a bar and... humped. A child should have a family. (全くもう! ロス、これって、あなたがバーでナンパして、それで…ヤッたような、どこかの女の子じゃないのよ。子供は家族を持つべきよ。)
ロス: Mom, y'know what? I-I can't deal with this right now. I'm sorry.... (ママ、ねぇ。今はこの件についてどうすることもできないよ。悪いけど…)
ゲラーママ: Just... think about it. If you don't, I'll talk more about humping. (とりあえず考えてちょうだい。もしあなたが考えないなら、私はもっと、ハンピングについて話すわよ。)
ロス: Gimmie! (Takes the ring and puts it in his coat pocket as Rachel enters the hallway.) (貸して! [指輪を取って、ロスは自分のコートのポケットに入れる。その時、レイチェルが廊下に出てくる])
レイチェル: Hi! (はーい!)
ゲラーママ: Oh hi, dear! (あら、はーい、ディアー。)
レイチェル: Oh, thank you so much for coming. Ross, get in here! (まぁ、来て下さってほんとにありがとう。ロス、中に入って!)
(Mrs. Geller leaves as Ross re-enters the room.)
ゲラーママは去り、ロスは再び、部屋に入る。
相部屋の隣にいた夫婦が、必要以上に馴れ馴れしいのでうんざりしていたロスは、ママが来てくれたことで部屋を出られたこともあり、来てくれたことを喜んでいます。
「来てくれて嬉しいよ。でももうしばらくかかりそうなんだ」と言った後、I wished you'd called first. と言っていますね。
これは、「ママが(病院に直接来るより)先に電話をしてくれたら良かったのに。先に電話してもらいたかったな」というニュアンスですね。
実際には先に電話をせずに来たわけで、それを「過去の事実とは異なることを願望として述べている」ので仮定法過去完了(had called)が使われていることになります。
「先に電話してくれていたら、今の状況を説明できたはずだし、そしたらこんな風に、まだまだかかるかもしれない出産を、ここで待ってもらわなくても済んだのに、、」みたいなことですね。
それを聞いたママは、「すぐには生まれないってことならそれはそれでいいのよ。また後で、パパと一緒に来るから」と答えます。
そしてママは、 I actually needed to... というセリフを言っていますね。
直訳すると、「実は私は、出産の前にあなたに話さなければならない必要があった」。
出産前にあなたに話しておきたいことがあったから、すぐに出産するかどうかはともかく、とりあえず来てみたの、と言いたいことがわかります。
その後、ママは「あなたにあげたいものを持ってきた」と言います。
Assuming that... は「…と仮定して、…と仮定すれば」。
「もちろん、あなたにはそれが必要だと、あなたはそれが欲しいと仮定して」ということで、「あなたにはそれが必要だろうと思ったから、持ってきたの」と言っていることになるでしょう。
そう言って掲げてみせたのが、婚約指輪だったので、ロスは「ママは僕に、結婚して、って頼むつもり?」みたいに言っています。
アメリカのプロポーズでは、たいてい、自分が用意した指輪を相手に見せながら、片膝をついて、Will you marry me? と言うのがお決まりのパターンになっていますから、婚約指輪を見せたママのことを、「今、ママは僕にプロポーズしようとしてるわけ?」と言っていることになるわけですね。
ママは、「これはおばあちゃんの婚約指輪で、ロスからレイチェルに渡してほしい」と言います。
つまり、ママは、「これを使って、ロスはレイチェルにプロポーズしなさい」と言っていることになります。
ママの意図がわかったロスは、ノーと言って拒みます。
ママが Just hear me out 「とりあえず最後まで話を聞いて」と言っても、拒否する気持ちは変わらない様子。
We've been through this! の through は「終わって、済んで」というニュアンスですね。
この件については、もう終わったんだ、済んだことだ、という感覚になるでしょう。
We're not gonna get married just because she's pregnant, okay? のような、「否定文+just because... 」は、「ただ…だからっていうだけで、〜したりしない」という意味。
これを、「僕たちは結婚しない。ただ彼女が妊娠してるから」のように訳さないよう注意しましょう。
「妊娠してるから結婚しない」のではなくて、「妊娠してるからという理由だけでは結婚しない」という意味だということですね。
honestly は「正直に、率直に」という意味ですが、このように、Honestly! だけだと「全くもう!」というようなニュアンスとなり、「Honestly, 文」のように、文頭について、文全体を修飾する場合には、「正直に言って、正直なところ」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
honestly: (spoken) used when you are surprised or annoyed, or to emphasize that you are shocked that something could be true
つまり、「(口語) 自分が驚いている、またはうんざりしている時、または何かが真実かもしれないことにショックを受けていることを強調するために使われる」。
今回のママの場合はロスの発言にうんざりしていると捉えたらいいでしょう。
その後、ママは、this isn't just some girl... というセリフを言っています。
pick up は「拾い上げる」ということで、恋愛の話だと、「ナンパする、ひっかける」ですね。
this isn't just some girl you picked up in a bar は、「これは、あなたがバーでナンパした・ひっかけた、ただのある女の子じゃない」というのは、「レイチェルはあなたにとって、行きずりの女性とかじゃないでしょ」と言いたいわけですね。
そういう「行きずりの女性じゃない」と表現するために、「バーでナンパした」という表現を使っているのですが、それだけではインパクトに欠けると思ったのか、ママはさらに、ちょっと間を置いた後、and... humped. と言っています。
ママが言いよどんでからそう言ったこと、それを聞いたロスもちょっといやな顔をしたことからもわかるように、これはお下品な表現ということになります。
hump は「性交する」という意味の卑語。
hump は名詞だと、「(人の背の)こぶ」「ラクダなどの背こぶ」という意味があり、動詞では「背中を丸くする」という意味があります。
アカデミックな辞書である LAAD には、「エッチする」という意味が載っていませんでしたので、やはりその意味で使うのはかなりの俗語である、むやみに使うのは避けるべき、と判断できるでしょうね。
Macmillan Dictionary では、
hump [verb] : (impolite) to have sex with someone
とはっきり出ていました。
こういう「卑語」系の言葉を英英で調べると、LAAD には載っていないが、マクミランには載っている、ということがよくあります。
LAAD は、アメリカ英語に特化した辞書なので、アメリカのドラマを教材にしている私にとっては必需品と呼べる辞書なのですが、こういう卑語については潔いほどばっさりと(笑)収録を拒否しているようなところがあります。
英語学習者としては、ドラマで出てくる単語や表現であれば、卑語やスラングであるという注意書きを付けた上で、辞書にも収録しておいてほしい、、と思うこともあるのですが、こうして2つの英英辞典を調べた上で、LAAD に載っていないことを確認した卑語やスラングについては、「LAAD で収録するのをためらうような表現、つまり、使い方に気を付けた方がいい卑語表現なんだな」ということがわかるというメリットを感じられる気もするわけです。
今回の hump も、ママがその言葉を使うのに躊躇した、ロスが「そこまで言う?」みたいな顔をした、ということと、「やっぱり LAAD には載ってなかった」ということで、その言葉が卑語であることがはっきり確認できたと思います。
A child should have a family. は「子供は家庭を持つべきだ」ということですから、「子供には家庭が必要だ、家庭で育てられるべきだ」と言っていることになるでしょう。
そうやってママは、二人が結婚した上で子供を育てるようにと説得しているのですが、ロスは「今はそのことを扱うことができない」、つまり、「今はその件についてどうすることもできない」と言って、拒み続けます。
それでもママはあきらめず、「とりあえず考えて」と言って、「もしあなたが考えないのなら(考えもせずに私の提案を却下しようとするのなら)、humping について、もっと話すわよ」と言うことになります。
この発言からも、humping が卑語であることがさらによくわかりますね。
実の母親から、自分が hump するだのしないだの、というそんな言葉を聞きたくない、とロスも思ったのでしょう、ママが持っていた指輪を「貸して!」と言って、自分のコートのポケットに入れることになります。
二人がそんな会話を終えたところに、部屋からレイチェルが出てきて、来てくれたママにお礼の言葉を述べた後、ロスには「中に入って!」と強い調子で言っています。
隣の妙な夫婦に一人で対応するのは大変だから、あなたも廊下に逃げてないで、早く入ってきなさいよ、みたいに言っているわけですね。
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シーズン8 第23話
The One Where Rachel Has A Baby - Part 1 (ママにプロポーズを - part 1)
原題は「レイチェルが子供を産む話 パート1」
破水が起きたレイチェルは、ロスと一緒に病院にやってきました。
フレンズたちも集合して、みんなでレイチェルの出産を待つことになります。
個室を希望していたレイチェルでしたが、相部屋に入れられてしまい、隣に来ためんどくさい夫婦とのやり取りにうんざりしていた時、ロスのママがやってきたので、ロスはこれ幸いと、廊下に出ます。
[Scene: The Hallway, Ross comes out and hugs Mrs. Geller.]
廊下。ロスは部屋から出てきて、ミセス・ゲラー(ロスのママ)にハグする。
ロス: Hi! I'm so glad you're here, but it's gonna be a while. I-I wished you'd called first. (はーい! ママがここに来てくれて嬉しいよ。でも、もう少しかかりそうなんだ。先に電話してもらいたかったな。)
ゲラーママ: Oh that's all right, I'm coming back later with your father. (あぁ、それはいいのよ。後でパパと一緒にここに戻ってくるわ。)
ロス: Oh good. (あぁ、それはいい。)
ゲラーママ: I actually needed to talk to you before the birth. (実は、出産の前にあなたに話しておかなきゃと思って。)
ロス: Okay. What's up? (いいよ。どうしたの?)
ゲラーママ: I brought something that I want to give you. Assuming, of course, that you want it. (She holds up an engagement ring.) (あなたに渡したいものを持ってきたの。もちろん、あなたにはそれが必要だと仮定してね。[ママは婚約指輪を掲げる])
ロス: Ma, you're asking me to marry you? (ママ、僕に結婚を申し込むつもり?)
ゲラーママ: This is your grandmother's engagement ring, I want you to give it to Rachel. (これはあなたのおばあちゃんの婚約指輪よ。私は、あなたがそれをレイチェルに渡してほしいと思ってるの。)
ロス: Mom, no. Come on! Thank you.... (ママ、そんなことしないよ。ねぇ。ありがたいけど…)
ゲラーママ: Just hear me out-- (私の話をとりあえず最後まで聞いて。)
ロス: N-no! Okay? We've been through this! We're not gonna get married just because she's pregnant, okay? (だめだよ! いい? 僕たちはこの件については済んだんだよ。彼女が妊娠したからって理由だけで、僕たちは結婚したりしないよ。)
ゲラーママ: Honestly! Ross, this isn't just some girl you picked up in a bar and... humped. A child should have a family. (全くもう! ロス、これって、あなたがバーでナンパして、それで…ヤッたような、どこかの女の子じゃないのよ。子供は家族を持つべきよ。)
ロス: Mom, y'know what? I-I can't deal with this right now. I'm sorry.... (ママ、ねぇ。今はこの件についてどうすることもできないよ。悪いけど…)
ゲラーママ: Just... think about it. If you don't, I'll talk more about humping. (とりあえず考えてちょうだい。もしあなたが考えないなら、私はもっと、ハンピングについて話すわよ。)
ロス: Gimmie! (Takes the ring and puts it in his coat pocket as Rachel enters the hallway.) (貸して! [指輪を取って、ロスは自分のコートのポケットに入れる。その時、レイチェルが廊下に出てくる])
レイチェル: Hi! (はーい!)
ゲラーママ: Oh hi, dear! (あら、はーい、ディアー。)
レイチェル: Oh, thank you so much for coming. Ross, get in here! (まぁ、来て下さってほんとにありがとう。ロス、中に入って!)
(Mrs. Geller leaves as Ross re-enters the room.)
ゲラーママは去り、ロスは再び、部屋に入る。
相部屋の隣にいた夫婦が、必要以上に馴れ馴れしいのでうんざりしていたロスは、ママが来てくれたことで部屋を出られたこともあり、来てくれたことを喜んでいます。
「来てくれて嬉しいよ。でももうしばらくかかりそうなんだ」と言った後、I wished you'd called first. と言っていますね。
これは、「ママが(病院に直接来るより)先に電話をしてくれたら良かったのに。先に電話してもらいたかったな」というニュアンスですね。
実際には先に電話をせずに来たわけで、それを「過去の事実とは異なることを願望として述べている」ので仮定法過去完了(had called)が使われていることになります。
「先に電話してくれていたら、今の状況を説明できたはずだし、そしたらこんな風に、まだまだかかるかもしれない出産を、ここで待ってもらわなくても済んだのに、、」みたいなことですね。
それを聞いたママは、「すぐには生まれないってことならそれはそれでいいのよ。また後で、パパと一緒に来るから」と答えます。
そしてママは、 I actually needed to... というセリフを言っていますね。
直訳すると、「実は私は、出産の前にあなたに話さなければならない必要があった」。
出産前にあなたに話しておきたいことがあったから、すぐに出産するかどうかはともかく、とりあえず来てみたの、と言いたいことがわかります。
その後、ママは「あなたにあげたいものを持ってきた」と言います。
Assuming that... は「…と仮定して、…と仮定すれば」。
「もちろん、あなたにはそれが必要だと、あなたはそれが欲しいと仮定して」ということで、「あなたにはそれが必要だろうと思ったから、持ってきたの」と言っていることになるでしょう。
そう言って掲げてみせたのが、婚約指輪だったので、ロスは「ママは僕に、結婚して、って頼むつもり?」みたいに言っています。
アメリカのプロポーズでは、たいてい、自分が用意した指輪を相手に見せながら、片膝をついて、Will you marry me? と言うのがお決まりのパターンになっていますから、婚約指輪を見せたママのことを、「今、ママは僕にプロポーズしようとしてるわけ?」と言っていることになるわけですね。
ママは、「これはおばあちゃんの婚約指輪で、ロスからレイチェルに渡してほしい」と言います。
つまり、ママは、「これを使って、ロスはレイチェルにプロポーズしなさい」と言っていることになります。
ママの意図がわかったロスは、ノーと言って拒みます。
ママが Just hear me out 「とりあえず最後まで話を聞いて」と言っても、拒否する気持ちは変わらない様子。
We've been through this! の through は「終わって、済んで」というニュアンスですね。
この件については、もう終わったんだ、済んだことだ、という感覚になるでしょう。
We're not gonna get married just because she's pregnant, okay? のような、「否定文+just because... 」は、「ただ…だからっていうだけで、〜したりしない」という意味。
これを、「僕たちは結婚しない。ただ彼女が妊娠してるから」のように訳さないよう注意しましょう。
「妊娠してるから結婚しない」のではなくて、「妊娠してるからという理由だけでは結婚しない」という意味だということですね。
honestly は「正直に、率直に」という意味ですが、このように、Honestly! だけだと「全くもう!」というようなニュアンスとなり、「Honestly, 文」のように、文頭について、文全体を修飾する場合には、「正直に言って、正直なところ」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
honestly: (spoken) used when you are surprised or annoyed, or to emphasize that you are shocked that something could be true
つまり、「(口語) 自分が驚いている、またはうんざりしている時、または何かが真実かもしれないことにショックを受けていることを強調するために使われる」。
今回のママの場合はロスの発言にうんざりしていると捉えたらいいでしょう。
その後、ママは、this isn't just some girl... というセリフを言っています。
pick up は「拾い上げる」ということで、恋愛の話だと、「ナンパする、ひっかける」ですね。
this isn't just some girl you picked up in a bar は、「これは、あなたがバーでナンパした・ひっかけた、ただのある女の子じゃない」というのは、「レイチェルはあなたにとって、行きずりの女性とかじゃないでしょ」と言いたいわけですね。
そういう「行きずりの女性じゃない」と表現するために、「バーでナンパした」という表現を使っているのですが、それだけではインパクトに欠けると思ったのか、ママはさらに、ちょっと間を置いた後、and... humped. と言っています。
ママが言いよどんでからそう言ったこと、それを聞いたロスもちょっといやな顔をしたことからもわかるように、これはお下品な表現ということになります。
hump は「性交する」という意味の卑語。
hump は名詞だと、「(人の背の)こぶ」「ラクダなどの背こぶ」という意味があり、動詞では「背中を丸くする」という意味があります。
アカデミックな辞書である LAAD には、「エッチする」という意味が載っていませんでしたので、やはりその意味で使うのはかなりの俗語である、むやみに使うのは避けるべき、と判断できるでしょうね。
Macmillan Dictionary では、
hump [verb] : (impolite) to have sex with someone
とはっきり出ていました。
こういう「卑語」系の言葉を英英で調べると、LAAD には載っていないが、マクミランには載っている、ということがよくあります。
LAAD は、アメリカ英語に特化した辞書なので、アメリカのドラマを教材にしている私にとっては必需品と呼べる辞書なのですが、こういう卑語については潔いほどばっさりと(笑)収録を拒否しているようなところがあります。
英語学習者としては、ドラマで出てくる単語や表現であれば、卑語やスラングであるという注意書きを付けた上で、辞書にも収録しておいてほしい、、と思うこともあるのですが、こうして2つの英英辞典を調べた上で、LAAD に載っていないことを確認した卑語やスラングについては、「LAAD で収録するのをためらうような表現、つまり、使い方に気を付けた方がいい卑語表現なんだな」ということがわかるというメリットを感じられる気もするわけです。
今回の hump も、ママがその言葉を使うのに躊躇した、ロスが「そこまで言う?」みたいな顔をした、ということと、「やっぱり LAAD には載ってなかった」ということで、その言葉が卑語であることがはっきり確認できたと思います。
A child should have a family. は「子供は家庭を持つべきだ」ということですから、「子供には家庭が必要だ、家庭で育てられるべきだ」と言っていることになるでしょう。
そうやってママは、二人が結婚した上で子供を育てるようにと説得しているのですが、ロスは「今はそのことを扱うことができない」、つまり、「今はその件についてどうすることもできない」と言って、拒み続けます。
それでもママはあきらめず、「とりあえず考えて」と言って、「もしあなたが考えないのなら(考えもせずに私の提案を却下しようとするのなら)、humping について、もっと話すわよ」と言うことになります。
この発言からも、humping が卑語であることがさらによくわかりますね。
実の母親から、自分が hump するだのしないだの、というそんな言葉を聞きたくない、とロスも思ったのでしょう、ママが持っていた指輪を「貸して!」と言って、自分のコートのポケットに入れることになります。
二人がそんな会話を終えたところに、部屋からレイチェルが出てきて、来てくれたママにお礼の言葉を述べた後、ロスには「中に入って!」と強い調子で言っています。
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2014年10月24日
あなたが始めたんだから、あなたが終わらせて フレンズ8-22その6
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予定日を過ぎても、出産の兆しが見えないレイチェルは、「陣痛を誘発する」とお医者さんが勧めていたエッチをしようとロスに提案するのですが、ロスはなかなか応じようとしません。
ロスを誘惑しようとセクシーなポーズを取ろうとしても、でっかいお腹がつっかえたりして、レイチェルの試みもことごとく失敗しています。
ロス: Okay, enough! This is, this is not going to happen. (いいわ、もうたくさんだ! こんなこと、こんなこと、うまく行かないよ。)
レイチェル: Come on, Ross! I'm miserable here! Come on! You started this, now you finish it! Come on, wuss. Make love to me. (お願いよ、ロス! 私は今、みじめなの! お願い! あなたがこれを始めたんだから、今、あなたがそれを終わらせて! ねぇ、いくじなし! 私とメイク・ラブしてよ!)
ロス: Y'know what? (ねえ?)
レイチェル: What?! (何?)
ロス: Forget it. (いや、忘れて。)
レイチェル: Oh wow! What now, Ross, you're not gonna talk? How on earth will you ever annoy me? Oh, wait a minute, I know. (Mimics his breathing.) I mean you'd think the damn jalapeno would've cleared up your sinuses, but no!! That's not enough-- (Ross jumps over and kisses her.) What are you doing?! (まあ! 今のは何、ロス、話さないつもり? 一体全体、これからどんな風に私をイライラさせるつもり? あぁ、ちょっと待って、わかった。[彼の呼吸を真似て] つまり、あなたは、あのいまいましいハラペーニョがあなたの鼻腔をすっきりさせてくれるだろう、、って思ってたのね。それが十分じゃ(期待ほどじゃ)なかったから… [ロスは飛びついてきて、レイチェルにキスする] 何してるの?!)
ロス: I'm getting that baby out of you! (僕がその赤ちゃんを、君の中から出してやる!)
(They kiss again.)
二人はまたキスする。
レイチェル: (breaking the kiss) Oh, God! ([キスをやめて] あぁ!)
ロス: Oh, I know. (あぁ、わかってるよ。)
レイチェル: Oh no. No-no! I think my water just broke. (違うの。違うの違うの! 今、ちょうど破水したみたい。)
ロス: I am good! Okay! Okay! Uh, I got the pillow! I got the bag! You got the keys? (僕って最高だね! オッケー! オッケー! 僕は枕を持った。バッグを持った。君はキーを持った?)
レイチェル: Okay! I got the keys! Okay! Okay! (オッケー! キーを持ったわ! オッケー! オッケー!)
ロス: Hey! (ねぇ。)
レイチェル: Yeah. (ええ。)
ロス: We're having a baby. (僕たちに赤ちゃんが生まれる。)
(They hug and then kiss one more time.)
二人はハグし、それからもう一度キスする。
レイチェル: I didn't uh, really have time to read this part of the books, but do you think we have time to... (私、本のこの部分を読む時間があんまりなかったんだけど、でも、私たちには(…をする)時間があると思う…?)
ロス: Not so much. (そんなにはないね。)
レイチェル: Okay, let's go. (わかった、行きましょう。)
レイチェルがエッチに誘おうとしていることがわかったロスは、「もうこんなことうまく行かないからやめようよ」と言うのですが、レイチェルは「私は今、みじめなの」と言って、You started this... というセリフを言っています。
直訳すると、「あなたがこれを始めた。今、あなたはこれを終えなさい!」みたいなこと。
You finish it! は、Finish it! 「それを終わらせて!」という命令形に、省略されている You をつけてさらに強調している感覚ですね。
「そもそもあなたが始めたことなんだから、あなたが今ここで終わらせなさいよ!」みたいに言っていることになります。
ロスがレイチェルとエッチしたことで、妊娠という結果になったのだから、最後の瞬間もあなたが締めなさいよ、と言っている感じです。
前回の記事で、
レイチェル: We've done it before. We'll do it again. It'll be a nice way to bookend the pregnancy. (前にやったことあるし。それをまたするのよ。妊娠を最初と最後で(ブックエントみたいに)挟むのにいい方法になるわ。)
というセリフが出てきましたが、その bookend という動詞は、「(ブックエンドのように)〜を両側から挟む、同じ(ような)ことを最初と最後に行なう」という意味でした。
今回のセリフの、「あなたがこれを始めたんだから、あなたがこれを終わらせるのよ」というのも、「最初と最後をロスの行為で挟み込む」という感覚の bookend に近いものがあるように思います。
wuss は「弱虫、いくじなし」。
ここでレイチェルが、Make love to me. と言っているのも面白いですね。
前回の記事で、make love という言葉を使ったロスに対して、「メイク・ラブですって? あなたって女の子?」みたいに、その言葉を使ったことをバカにしていた様子だったのに、自分で言っているように「みじめ」で必死な状態のレイチェルは、自分がバカにしていた言葉を使ってまで、「あなたがさっき言っていた、make love をしましょうよ」と誘っていることになるわけです。
ロスは何かを言いかけてから言うのをやめたので、レイチェルは余計にイライラしています。
jelepeno は「ハラペーニョ」というメキシコ産唐辛子のことですね。
sinuses は、sinus の複数形で、sinus は「湾曲」「洞(とう)」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
sinus [noun] [plural: sinuses] [countable] :
BIOLOGY one of the hollow spaces in the bones of your face that are filled with air and are connected to the inside of your nose
つまり、「(生物学用語) 空気が満たされていて鼻の内部に繋がっている、顔の骨の中にある空洞の一つ」。
paranasal sinuses だと「副鼻腔」という訳語になるようです。
Wikipedia 日本語版: 副鼻腔 では、
副鼻腔(ふくびこう 医学用語:ふくびくう 英語:paranasal sinuses)とは、鼻腔に隣接した骨内に作られた空洞であり
と説明されています。
Wikipedia 英語版: Paranasal sinuses では、sinuses と呼ばれる部分がどこに当たるかのカラー図解も載っています。
DVDの日本語訳では、
(字幕)唐辛子で鼻づまりが治ると思ったのに ダメだったから…/(音声)ハラペーニョのおかげで、あなた、鼻づまりが治ると思ったんでしょ、残念ねー。
のようになっていましたが、まさにそういうニュアンスだろうと思います。
sinus のような医学的・解剖学的専門用語は(自分がそういう分野の専門でない限りは)「なんとなくそういうものらしい」程度に理解しておけばそれでいいわけで、DVD の日本語訳からおおよその意味がわかればそれでいい、というところ。
ロスの鼻息を大げさに真似ていることからも、「唐辛子を食べたら、この鼻づまりがすっきりするかと思ったけど、期待ほど効果がなかったから、イライラして、私をいじめてるのね」と、レイチェルは言いたいのですね。
そんな風にレイチェルがロスに突っかかっていた時、ロスは急にレイチェルに飛びついてキスします。
驚くレイチェルにロスが、「僕が君の中から赤ちゃんを出してやる!」と言うので、観客からは大喝采も起きています。
陣痛誘発のためとは言え(笑)、レイチェルがロスを誘っているのに、ロスはあれやこれやと理由をつけてエッチに持ち込まれまいと頑張っていたのですが、とうとうここで「エッチするぞ!」と宣言したことになるので、観客も大喜びなわけですね。
少し前にレイチェルはロスをエッチに誘おうとして、Make love to me. と言っていましたので、ロスはここで、I'm making love to you. と言っても良かっただろうと思います。
それをあえて、「君の中からその赤ちゃんを出してやる!」みたいに言っているのが、逆に妙にエッチっぽく聞こえる気がして、面白いなぁ、と思いました。
そうやって、キスし始めた二人ですが、レイチェルがキスから離れて、Oh, God! と言ったのを聞いて、ロスは、Oh, I know. と言っています。
これからエッチしようとしている二人は、情熱的なキスをしているのですが、二人がそんなことをするのはそれこそ約10ヶ月ぶり(笑)ですよね。
改めて自分のしている行為に気づいたレイチェルが、Oh, God! と思わず言ってしまった、という印象を受けますので、ロスも「(君の言いたいことは)わかってるよ」的な発言をしたということになります。
ですが、その後の I think my water just broke. という発言から、レイチェルが破水したことがわかります。
「フレンズ」ではこれまでにも何度か出産のエピソードがありましたので、「破水する」(one's water break)という表現も出てきました。
フレンズ1-23その1 では、キャロルの出産の時に、
モニカ: Has her water broken yet? (破水はしたの?)
というセリフがありましたね。
それを聞いたロスが、"I am good!" と言うのも面白いです。
エッチもしないうちに効果が出た(笑)ので、「僕がエッチを始めようとしただけで、反応があった。僕ってすごい。エッチの達人かも」的なことをロスは言っていることになるでしょう。
レイチェルの、Oh, God! という発言を、エッチのことを言っているのだと勘違いしたことに対する照れ隠しもあるような気がします。
ロスは枕とバッグを持ち、レイチェルにキーを持ったかを確認して、二人は早速病院に向かうことになります。
ロスの「僕たちに赤ちゃんが生まれるんだね」というセリフは感動的ですね。
あれだけ険悪なムードになっていた二人ですが、やはり二人の子供が生まれるとなると、喧嘩していたことも忘れ、恋人同士の頃のようにハグし、キスをしています。
その後、レイチェルは、「本のこの部分を読む時間が私にはあまりなかったんだけど、、…する時間が私たちにはあるかしら?」と言っています。
具体的な単語は全くありませんが、「今の破水後のような、出産の導入部分については、出産準備本でよく読んでなかったんだけど、エッチする時間はあるかしら?」と言っていることがわかりますね。
エッチしようとした時に破水が起きてしまったので、「この状態でさっきの続きをすることは可能? 本にそういうこと書いてあった?」みたいに尋ねていることになります。
それに対して、全否定の No. ではなくて、Not so much. 「そんなにはない」みたいに答えているのもちょっと面白い気がします。
レイチェルも「破水後にエッチは不可能だろう」くらいのことはわかっていて、あえてそう尋ねたらしいと想像できるので、「そんなバカな。無理に決まってるだろ!」的に全否定しなくても、「うーん、ちょっと無理っぽいね」くらいの返事で、相手に「今は無理だね」ということが伝わるからだ、という気がします。
これから二人の子供が生まれようとしている幸せな気分の時なので、あえてキツい言い方をする必要もない、だから、「エッチする時間、あったりするかしら?」「うーん、あんまりないと思うよ」とやんわりした表現を使った、ということなのだろうと思います。
いよいよ出産、ということで感動の空気で包まれているシーンですが、最後にオチがあるところが、やっぱりフレンズっぽくて楽しいですね。
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予定日を過ぎても、出産の兆しが見えないレイチェルは、「陣痛を誘発する」とお医者さんが勧めていたエッチをしようとロスに提案するのですが、ロスはなかなか応じようとしません。
ロスを誘惑しようとセクシーなポーズを取ろうとしても、でっかいお腹がつっかえたりして、レイチェルの試みもことごとく失敗しています。
ロス: Okay, enough! This is, this is not going to happen. (いいわ、もうたくさんだ! こんなこと、こんなこと、うまく行かないよ。)
レイチェル: Come on, Ross! I'm miserable here! Come on! You started this, now you finish it! Come on, wuss. Make love to me. (お願いよ、ロス! 私は今、みじめなの! お願い! あなたがこれを始めたんだから、今、あなたがそれを終わらせて! ねぇ、いくじなし! 私とメイク・ラブしてよ!)
ロス: Y'know what? (ねえ?)
レイチェル: What?! (何?)
ロス: Forget it. (いや、忘れて。)
レイチェル: Oh wow! What now, Ross, you're not gonna talk? How on earth will you ever annoy me? Oh, wait a minute, I know. (Mimics his breathing.) I mean you'd think the damn jalapeno would've cleared up your sinuses, but no!! That's not enough-- (Ross jumps over and kisses her.) What are you doing?! (まあ! 今のは何、ロス、話さないつもり? 一体全体、これからどんな風に私をイライラさせるつもり? あぁ、ちょっと待って、わかった。[彼の呼吸を真似て] つまり、あなたは、あのいまいましいハラペーニョがあなたの鼻腔をすっきりさせてくれるだろう、、って思ってたのね。それが十分じゃ(期待ほどじゃ)なかったから… [ロスは飛びついてきて、レイチェルにキスする] 何してるの?!)
ロス: I'm getting that baby out of you! (僕がその赤ちゃんを、君の中から出してやる!)
(They kiss again.)
二人はまたキスする。
レイチェル: (breaking the kiss) Oh, God! ([キスをやめて] あぁ!)
ロス: Oh, I know. (あぁ、わかってるよ。)
レイチェル: Oh no. No-no! I think my water just broke. (違うの。違うの違うの! 今、ちょうど破水したみたい。)
ロス: I am good! Okay! Okay! Uh, I got the pillow! I got the bag! You got the keys? (僕って最高だね! オッケー! オッケー! 僕は枕を持った。バッグを持った。君はキーを持った?)
レイチェル: Okay! I got the keys! Okay! Okay! (オッケー! キーを持ったわ! オッケー! オッケー!)
ロス: Hey! (ねぇ。)
レイチェル: Yeah. (ええ。)
ロス: We're having a baby. (僕たちに赤ちゃんが生まれる。)
(They hug and then kiss one more time.)
二人はハグし、それからもう一度キスする。
レイチェル: I didn't uh, really have time to read this part of the books, but do you think we have time to... (私、本のこの部分を読む時間があんまりなかったんだけど、でも、私たちには(…をする)時間があると思う…?)
ロス: Not so much. (そんなにはないね。)
レイチェル: Okay, let's go. (わかった、行きましょう。)
レイチェルがエッチに誘おうとしていることがわかったロスは、「もうこんなことうまく行かないからやめようよ」と言うのですが、レイチェルは「私は今、みじめなの」と言って、You started this... というセリフを言っています。
直訳すると、「あなたがこれを始めた。今、あなたはこれを終えなさい!」みたいなこと。
You finish it! は、Finish it! 「それを終わらせて!」という命令形に、省略されている You をつけてさらに強調している感覚ですね。
「そもそもあなたが始めたことなんだから、あなたが今ここで終わらせなさいよ!」みたいに言っていることになります。
ロスがレイチェルとエッチしたことで、妊娠という結果になったのだから、最後の瞬間もあなたが締めなさいよ、と言っている感じです。
前回の記事で、
レイチェル: We've done it before. We'll do it again. It'll be a nice way to bookend the pregnancy. (前にやったことあるし。それをまたするのよ。妊娠を最初と最後で(ブックエントみたいに)挟むのにいい方法になるわ。)
というセリフが出てきましたが、その bookend という動詞は、「(ブックエンドのように)〜を両側から挟む、同じ(ような)ことを最初と最後に行なう」という意味でした。
今回のセリフの、「あなたがこれを始めたんだから、あなたがこれを終わらせるのよ」というのも、「最初と最後をロスの行為で挟み込む」という感覚の bookend に近いものがあるように思います。
wuss は「弱虫、いくじなし」。
ここでレイチェルが、Make love to me. と言っているのも面白いですね。
前回の記事で、make love という言葉を使ったロスに対して、「メイク・ラブですって? あなたって女の子?」みたいに、その言葉を使ったことをバカにしていた様子だったのに、自分で言っているように「みじめ」で必死な状態のレイチェルは、自分がバカにしていた言葉を使ってまで、「あなたがさっき言っていた、make love をしましょうよ」と誘っていることになるわけです。
ロスは何かを言いかけてから言うのをやめたので、レイチェルは余計にイライラしています。
jelepeno は「ハラペーニョ」というメキシコ産唐辛子のことですね。
sinuses は、sinus の複数形で、sinus は「湾曲」「洞(とう)」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
sinus [noun] [plural: sinuses] [countable] :
BIOLOGY one of the hollow spaces in the bones of your face that are filled with air and are connected to the inside of your nose
つまり、「(生物学用語) 空気が満たされていて鼻の内部に繋がっている、顔の骨の中にある空洞の一つ」。
paranasal sinuses だと「副鼻腔」という訳語になるようです。
Wikipedia 日本語版: 副鼻腔 では、
副鼻腔(ふくびこう 医学用語:ふくびくう 英語:paranasal sinuses)とは、鼻腔に隣接した骨内に作られた空洞であり
と説明されています。
Wikipedia 英語版: Paranasal sinuses では、sinuses と呼ばれる部分がどこに当たるかのカラー図解も載っています。
DVDの日本語訳では、
(字幕)唐辛子で鼻づまりが治ると思ったのに ダメだったから…/(音声)ハラペーニョのおかげで、あなた、鼻づまりが治ると思ったんでしょ、残念ねー。
のようになっていましたが、まさにそういうニュアンスだろうと思います。
sinus のような医学的・解剖学的専門用語は(自分がそういう分野の専門でない限りは)「なんとなくそういうものらしい」程度に理解しておけばそれでいいわけで、DVD の日本語訳からおおよその意味がわかればそれでいい、というところ。
ロスの鼻息を大げさに真似ていることからも、「唐辛子を食べたら、この鼻づまりがすっきりするかと思ったけど、期待ほど効果がなかったから、イライラして、私をいじめてるのね」と、レイチェルは言いたいのですね。
そんな風にレイチェルがロスに突っかかっていた時、ロスは急にレイチェルに飛びついてキスします。
驚くレイチェルにロスが、「僕が君の中から赤ちゃんを出してやる!」と言うので、観客からは大喝采も起きています。
陣痛誘発のためとは言え(笑)、レイチェルがロスを誘っているのに、ロスはあれやこれやと理由をつけてエッチに持ち込まれまいと頑張っていたのですが、とうとうここで「エッチするぞ!」と宣言したことになるので、観客も大喜びなわけですね。
少し前にレイチェルはロスをエッチに誘おうとして、Make love to me. と言っていましたので、ロスはここで、I'm making love to you. と言っても良かっただろうと思います。
それをあえて、「君の中からその赤ちゃんを出してやる!」みたいに言っているのが、逆に妙にエッチっぽく聞こえる気がして、面白いなぁ、と思いました。
そうやって、キスし始めた二人ですが、レイチェルがキスから離れて、Oh, God! と言ったのを聞いて、ロスは、Oh, I know. と言っています。
これからエッチしようとしている二人は、情熱的なキスをしているのですが、二人がそんなことをするのはそれこそ約10ヶ月ぶり(笑)ですよね。
改めて自分のしている行為に気づいたレイチェルが、Oh, God! と思わず言ってしまった、という印象を受けますので、ロスも「(君の言いたいことは)わかってるよ」的な発言をしたということになります。
ですが、その後の I think my water just broke. という発言から、レイチェルが破水したことがわかります。
「フレンズ」ではこれまでにも何度か出産のエピソードがありましたので、「破水する」(one's water break)という表現も出てきました。
フレンズ1-23その1 では、キャロルの出産の時に、
モニカ: Has her water broken yet? (破水はしたの?)
というセリフがありましたね。
それを聞いたロスが、"I am good!" と言うのも面白いです。
エッチもしないうちに効果が出た(笑)ので、「僕がエッチを始めようとしただけで、反応があった。僕ってすごい。エッチの達人かも」的なことをロスは言っていることになるでしょう。
レイチェルの、Oh, God! という発言を、エッチのことを言っているのだと勘違いしたことに対する照れ隠しもあるような気がします。
ロスは枕とバッグを持ち、レイチェルにキーを持ったかを確認して、二人は早速病院に向かうことになります。
ロスの「僕たちに赤ちゃんが生まれるんだね」というセリフは感動的ですね。
あれだけ険悪なムードになっていた二人ですが、やはり二人の子供が生まれるとなると、喧嘩していたことも忘れ、恋人同士の頃のようにハグし、キスをしています。
その後、レイチェルは、「本のこの部分を読む時間が私にはあまりなかったんだけど、、…する時間が私たちにはあるかしら?」と言っています。
具体的な単語は全くありませんが、「今の破水後のような、出産の導入部分については、出産準備本でよく読んでなかったんだけど、エッチする時間はあるかしら?」と言っていることがわかりますね。
エッチしようとした時に破水が起きてしまったので、「この状態でさっきの続きをすることは可能? 本にそういうこと書いてあった?」みたいに尋ねていることになります。
それに対して、全否定の No. ではなくて、Not so much. 「そんなにはない」みたいに答えているのもちょっと面白い気がします。
レイチェルも「破水後にエッチは不可能だろう」くらいのことはわかっていて、あえてそう尋ねたらしいと想像できるので、「そんなバカな。無理に決まってるだろ!」的に全否定しなくても、「うーん、ちょっと無理っぽいね」くらいの返事で、相手に「今は無理だね」ということが伝わるからだ、という気がします。
これから二人の子供が生まれようとしている幸せな気分の時なので、あえてキツい言い方をする必要もない、だから、「エッチする時間、あったりするかしら?」「うーん、あんまりないと思うよ」とやんわりした表現を使った、ということなのだろうと思います。
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2014年10月22日
ブックエンドのように前後で挟む フレンズ8-22その5
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レイチェルとロスは、陣痛を誘発するための家庭療法として、唐辛子などの辛いものを食べているのですが、全く生まれる気配がありません。
レイチェルは最後の手段(笑)として、お医者さんに効果があると言われたエッチをしようとロスを誘うのですが、ロスは「僕たちには境界線が必要だ」と言って、応じようとしません。
レイチェル: Oh, come on, Ross. We've done it before. We'll do it again. It'll be a nice way to bookend the pregnancy. (ねぇ、お願いよ、ロス。前にやったことあるし。それをまたするのよ。妊娠を最初と最後で(ブックエントみたいに)挟むのにいい方法になるわ。)
ロス: This is insane. I'm not gonna make love to you just so you'll go into labor. (こんなの、おかしいよ。僕はただ君に陣痛が起こるからって、君と愛を交わしたりしないよ[君とメイク・ラブしたりしないよ]。)
レイチェル: Make love? What are you, a girl? (メイク・ラブ[愛を交わす]ですって? あなたって何? 女の子?)
ロス: Always a great way to get into a man's pants. ((そんな言い方は)男のパンツに入り込むのに、いつも最高の方法だね。)
レイチェル: But you will, you will be performing a service. Okay? Just-just think of me as a ketchup bottle, y'know? You sometimes you have to bang on the end of it just to get something to come out. (でもあなたは、あなたはご奉仕・サービスをするのよ。いい? ただ私をケチャップの瓶(ボトル)だと思って、ね? 何かをそこから出すのに、そのお尻を叩かないといけないこと、あるでしょ。)
ロス: I love when you talk dirty to me. (君が僕にエッチなトークをするのは好きだよ。)
レイチェル: Oh, I know it. You're right. That's not sexy. Oh... Oh! (Drops a fork on the floor.) Whoops! Oh, I seem to have dropped my fork. Let me just bend over and get it. (Tries too, but can't quite seem to make it.) Oh, God! (あぁ、そうね。あなたの言う通りよ。今のはセクシーじゃない。あぁ、ああ! [床にフォークを落とす] おっと! あぁ、どうやら私はフォークを落としたらしいわ。ちょっとかがませて、それを取らせてね。[それをしようとするが、どうもうまく行かないように見える] あぁ、なんてこと!)
レイチェルは、We've done it before. We'll do it again. と言っていますが、この do it は「エッチする」ということですね。
「前にもエッチしたことがある」というのは、今回の妊娠に繋がったエッチのことをとりあえずは言っているでしょうが、二人が恋人だった時代があることも含めての発言でもあるでしょう。
「前にしたことある、それをもう一度するだけよ」みたいに言った後、It'll be a nice way to bookend the pregnancy. と言っています。
「それは妊娠を bookend するのに良い方法になるわ」ということで、bookend はいわゆる「ブックエンド、本押さえ」のことですね。
ここでは動詞として使っていて、「ブックエンドのように〜を(両側から)はさむ」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
bookend [verb, transitive] : if two similar things bookend something such as an event, performance, movie etc., they come at the begenning and the end of it.
つまり、「2つの良く似たものが、イベントやパフォーマンス、映画などのようなものを bookend するというのは、それらが最初と最後に来るということ」。
レイチェルも、「エッチしたことで、この妊娠が始まった。妊娠の最後にもう一度エッチしたら、妊娠というイベントをブックエンドみたいに始めと終わりの両側からはさみこむのにいい方法になるわよ」と言ってみせたわけですね。
始まりがエッチだったから、最後もエッチで有終の美を飾りましょうよ、とでも言っている感じです。
それを聞いたロスは、「こんなのおかしいよ」と言った後、「ただ君が陣痛になるからって(理由で)、僕は君に対して make love しない」と言っています。
make love は、つまりは「エッチする」ということですね。
make love という言葉を使ったロスに対して、レイチェルは、「メイク・ラブですって? あなたって何? 女の子?」みたいに返します。
make love を辞書で調べると、英和でも英英でも、結構ダイレクトな意味が書いてあって、特に婉曲表現だという記載はないのですが、やはり、do it や、have sex with などと比べると、表現としては抽象的であることは間違いないだろうと思います。
レイチェルが、「make love だなんて言ったりして、、あなたって少女なわけ?」と言ったことからも、「普通、男性が使うような言葉ではない」ことが想像されると思います。
ちなみに、英辞郎に、make love について以下の記載がありました。
make love to [with] someone の用法は、9対1の割合で to の方が多い
つまり、「人と愛を交わす」と言う場合、make love with someone よりも、make love to someone の形の方が圧倒的に多いということですね。
実際、ロスのセリフも、make love to you と to を使っていますので、英辞郎の説明にも納得、というところ。
同じ意味の have sex の場合は、have sex with の形で with を使いますから、make love も with を使いそうになりますが、to の方が多い、ということを指摘してくれているわけですね。
「そんな少女みたいな言葉使って」と言われたロスは、Always a great way to get into a man's pants. と言っていますが、これは皮肉ですね。
直訳すると、「(それは、レイチェルの言い方は)男のパンツに入り込むために良い方法である」。
男のパンツに入り込む、というのは、エッチすることを指しますね。
「あなた、女の子なわけ?」と、相手の男性をバカにしたような発言をしたことに対して、「そんな言い方をしたら、相手の男もそそられちゃって、エッチしたくなっちゃうよねぇ」みたいに皮肉っぽく返したことになります。
逆に言うと、「エッチしようとか誘っておきながら、”あなた、女の子?”って発言はどうかと思うけど。そんなこと言われたら、男の気持ちが萎えちゃうよ」みたいに言っていることになるでしょう。
you will be performing a service の perform a service は「サービス・奉仕・世話・役立つことを行う」という感覚。
その後、「ただ私を、ケチャップの瓶(ボトル)だと考えて」と言って、その端を叩く(bang on the end of it)というセリフを続けています。
そのセリフを直訳すると、「時にはあなたは、瓶の端(尻)を叩かないといけない、ただ、何かを外に出すために」。
先にケチャップの瓶に例えたことから想像できるように、「ケチャップの瓶からケチャップが出ない時に、瓶のお尻をポンポン叩くことあるでしょ、今からやろうとしている service はそういうものよ」と言っていることになります。
それを聞いたロスは、またあきれたように、I love when you talk dirty to me. と言っています。
talk dirty は「エッチな・いやらしい話をする」。
dirty talk だと「エッチな話、猥談」ですね。
ねぇ、エッチしましょうよ〜ん、、とか誘っているわりには、「ケチャップの瓶の底をトントンするようなもんよ」などと、色気もへったくれもない(笑)発言をレイチェルがしているので、「いやぁ、君がエッチな話をするのは、僕は大好きだよ」と、相手の話が「エッチなもの」とはほど遠い状態になっていることを言っていることになります。
そう言われたレイチェルは、「そうよね、今の発言は全然セクシーじゃなかったわ」と言って、その後、わざとらしく床にフォークを落とします。
「フォークを落としちゃったみたいだから、ちょっとかがんでフォークを取らせてね」と言いながらかがんでいるレイチェルは、そういう姿勢を取ることでセクシーさを出してロスを誘おうとしている魂胆がミエミエですが、セクシーにかがむどころか、大きなお腹がつっかえて、体を曲げることができません。
レイチェルがエッチに誘い込もうとするも、ことごとく計画が失敗に終わるところが、フレンズっぽくて楽しいですね(^^)
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レイチェルとロスは、陣痛を誘発するための家庭療法として、唐辛子などの辛いものを食べているのですが、全く生まれる気配がありません。
レイチェルは最後の手段(笑)として、お医者さんに効果があると言われたエッチをしようとロスを誘うのですが、ロスは「僕たちには境界線が必要だ」と言って、応じようとしません。
レイチェル: Oh, come on, Ross. We've done it before. We'll do it again. It'll be a nice way to bookend the pregnancy. (ねぇ、お願いよ、ロス。前にやったことあるし。それをまたするのよ。妊娠を最初と最後で(ブックエントみたいに)挟むのにいい方法になるわ。)
ロス: This is insane. I'm not gonna make love to you just so you'll go into labor. (こんなの、おかしいよ。僕はただ君に陣痛が起こるからって、君と愛を交わしたりしないよ[君とメイク・ラブしたりしないよ]。)
レイチェル: Make love? What are you, a girl? (メイク・ラブ[愛を交わす]ですって? あなたって何? 女の子?)
ロス: Always a great way to get into a man's pants. ((そんな言い方は)男のパンツに入り込むのに、いつも最高の方法だね。)
レイチェル: But you will, you will be performing a service. Okay? Just-just think of me as a ketchup bottle, y'know? You sometimes you have to bang on the end of it just to get something to come out. (でもあなたは、あなたはご奉仕・サービスをするのよ。いい? ただ私をケチャップの瓶(ボトル)だと思って、ね? 何かをそこから出すのに、そのお尻を叩かないといけないこと、あるでしょ。)
ロス: I love when you talk dirty to me. (君が僕にエッチなトークをするのは好きだよ。)
レイチェル: Oh, I know it. You're right. That's not sexy. Oh... Oh! (Drops a fork on the floor.) Whoops! Oh, I seem to have dropped my fork. Let me just bend over and get it. (Tries too, but can't quite seem to make it.) Oh, God! (あぁ、そうね。あなたの言う通りよ。今のはセクシーじゃない。あぁ、ああ! [床にフォークを落とす] おっと! あぁ、どうやら私はフォークを落としたらしいわ。ちょっとかがませて、それを取らせてね。[それをしようとするが、どうもうまく行かないように見える] あぁ、なんてこと!)
レイチェルは、We've done it before. We'll do it again. と言っていますが、この do it は「エッチする」ということですね。
「前にもエッチしたことがある」というのは、今回の妊娠に繋がったエッチのことをとりあえずは言っているでしょうが、二人が恋人だった時代があることも含めての発言でもあるでしょう。
「前にしたことある、それをもう一度するだけよ」みたいに言った後、It'll be a nice way to bookend the pregnancy. と言っています。
「それは妊娠を bookend するのに良い方法になるわ」ということで、bookend はいわゆる「ブックエンド、本押さえ」のことですね。
ここでは動詞として使っていて、「ブックエンドのように〜を(両側から)はさむ」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
bookend [verb, transitive] : if two similar things bookend something such as an event, performance, movie etc., they come at the begenning and the end of it.
つまり、「2つの良く似たものが、イベントやパフォーマンス、映画などのようなものを bookend するというのは、それらが最初と最後に来るということ」。
レイチェルも、「エッチしたことで、この妊娠が始まった。妊娠の最後にもう一度エッチしたら、妊娠というイベントをブックエンドみたいに始めと終わりの両側からはさみこむのにいい方法になるわよ」と言ってみせたわけですね。
始まりがエッチだったから、最後もエッチで有終の美を飾りましょうよ、とでも言っている感じです。
それを聞いたロスは、「こんなのおかしいよ」と言った後、「ただ君が陣痛になるからって(理由で)、僕は君に対して make love しない」と言っています。
make love は、つまりは「エッチする」ということですね。
make love という言葉を使ったロスに対して、レイチェルは、「メイク・ラブですって? あなたって何? 女の子?」みたいに返します。
make love を辞書で調べると、英和でも英英でも、結構ダイレクトな意味が書いてあって、特に婉曲表現だという記載はないのですが、やはり、do it や、have sex with などと比べると、表現としては抽象的であることは間違いないだろうと思います。
レイチェルが、「make love だなんて言ったりして、、あなたって少女なわけ?」と言ったことからも、「普通、男性が使うような言葉ではない」ことが想像されると思います。
ちなみに、英辞郎に、make love について以下の記載がありました。
make love to [with] someone の用法は、9対1の割合で to の方が多い
つまり、「人と愛を交わす」と言う場合、make love with someone よりも、make love to someone の形の方が圧倒的に多いということですね。
実際、ロスのセリフも、make love to you と to を使っていますので、英辞郎の説明にも納得、というところ。
同じ意味の have sex の場合は、have sex with の形で with を使いますから、make love も with を使いそうになりますが、to の方が多い、ということを指摘してくれているわけですね。
「そんな少女みたいな言葉使って」と言われたロスは、Always a great way to get into a man's pants. と言っていますが、これは皮肉ですね。
直訳すると、「(それは、レイチェルの言い方は)男のパンツに入り込むために良い方法である」。
男のパンツに入り込む、というのは、エッチすることを指しますね。
「あなた、女の子なわけ?」と、相手の男性をバカにしたような発言をしたことに対して、「そんな言い方をしたら、相手の男もそそられちゃって、エッチしたくなっちゃうよねぇ」みたいに皮肉っぽく返したことになります。
逆に言うと、「エッチしようとか誘っておきながら、”あなた、女の子?”って発言はどうかと思うけど。そんなこと言われたら、男の気持ちが萎えちゃうよ」みたいに言っていることになるでしょう。
you will be performing a service の perform a service は「サービス・奉仕・世話・役立つことを行う」という感覚。
その後、「ただ私を、ケチャップの瓶(ボトル)だと考えて」と言って、その端を叩く(bang on the end of it)というセリフを続けています。
そのセリフを直訳すると、「時にはあなたは、瓶の端(尻)を叩かないといけない、ただ、何かを外に出すために」。
先にケチャップの瓶に例えたことから想像できるように、「ケチャップの瓶からケチャップが出ない時に、瓶のお尻をポンポン叩くことあるでしょ、今からやろうとしている service はそういうものよ」と言っていることになります。
それを聞いたロスは、またあきれたように、I love when you talk dirty to me. と言っています。
talk dirty は「エッチな・いやらしい話をする」。
dirty talk だと「エッチな話、猥談」ですね。
ねぇ、エッチしましょうよ〜ん、、とか誘っているわりには、「ケチャップの瓶の底をトントンするようなもんよ」などと、色気もへったくれもない(笑)発言をレイチェルがしているので、「いやぁ、君がエッチな話をするのは、僕は大好きだよ」と、相手の話が「エッチなもの」とはほど遠い状態になっていることを言っていることになります。
そう言われたレイチェルは、「そうよね、今の発言は全然セクシーじゃなかったわ」と言って、その後、わざとらしく床にフォークを落とします。
「フォークを落としちゃったみたいだから、ちょっとかがんでフォークを取らせてね」と言いながらかがんでいるレイチェルは、そういう姿勢を取ることでセクシーさを出してロスを誘おうとしている魂胆がミエミエですが、セクシーにかがむどころか、大きなお腹がつっかえて、体を曲げることができません。
レイチェルがエッチに誘い込もうとするも、ことごとく計画が失敗に終わるところが、フレンズっぽくて楽しいですね(^^)
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2014年10月20日
「パンドラの箱」の類似表現 フレンズ8-22その4
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予定日を過ぎても、赤ちゃんが生まれる気配もないレイチェル。
モニカとフィービーは、レイチェルの赤ちゃんがいつ生まれてくるかで賭けをして、モニカは今日生まれる方に賭けています。
[Scene: Central Perk, Ross and Rachel are there as Phoebe and Monica enter.]
セントラルパーク。ロスとレイチェルがそこにいて、フィービーとモニカが入ってくる。
モニカ: What did the doctor say? Any news on when the baby's gonna come? (ドクターは何て言ってた? 赤ちゃんがいつ生まれるかについて何かニュースはある?)
レイチェル: No. But she did give us some ideas on how to induce labor. (いいえ。でもドクターは私たちに、陣痛を誘発する方法についてアイディアをくれたわ。)
ロス: Yeah, we tried them all. We went for a walk, uh we tried a special tea, castor oil, spicy food. Nothing has worked. (そうなんだ、僕たちはそれを全部やってみたんだよ。僕らは散歩して、特別なお茶や、キャスターオイル、スパイシーフードも試した。どれも効かなかった。)
レイチェル: Well, there is one thing that we didn't try. But someone thinks that, (mimicking Ross) "That will open up a can of worms." (あぁ、私たちが試さなかったことが1つあるの。でも誰かさんがこんな風に思ってるのよね、[ロスの真似をしながら] 「そんなことをしたら、虫が(うじゃうじゃ)入ってる缶を開けることになる」。)
モニカ: Well, what is it? What is it? If it's gonna help bring the baby here, like today. I mean, I think you should do it. (それは何? それは何? 赤ちゃんがここに、例えば今日、生まれてくるのを助けることなら、ほら、あなたたちはそれをすべきだと私は思うわ。)
ロス: It's sex. (エッチなんだよ。)
モニカ: Do it! (やりなさいよ!)
ロス: Monica! (モニカ!)
モニカ: I'm just saying it's been a really long time for you. I mean, women have needs. Do it. Get yours! (私はただこう言ってるだけよ、あなたにとって本当に長い時間だったでしょう、って[あなたも随分長い間、待ったでしょう、って]。つまり、女が必要としているの。しなさいよ! (あなたも)あなたのニーズをゲットしなさいよ!)
フィービー: Oh, I don't, I don't know about that. No, I think that if the two of you had sex, the-the-the repercussions would be catastrophic. (あぁ、それはどうかしらね。もしあなたたち二人がエッチしたとしたら、その影響・余波が、悲惨になるだろうって思うの。)
モニカ: All right, let's be practical. If Ross isn't willing to do it, he's not the only guy in the world you can have sex with. You could borrow Chandler. Chandler is good! (わかったわ、現実的になりましょう! もしロスが乗り気じゃないなら、あなたがエッチできる男は世界に一人だけじゃないわ。チャンドラーを借りてもいいわよ。チャンドラーは、いいわよ〜。)
ロスとレイチェルが検査のために産婦人科に行っていたことを知っているモニカは、早速、「お医者さんは何て言ってた?」と尋ねています。
Any news on when SV...? は、「いつ主語が〜するかについてのニュースが何かある?」という感覚ですね。
赤ちゃんがいつ生まれるかの情報を、先生は何か言っていた?と尋ねていることになります。
次のセリフの、how to induce labor の induce は「引き起こす、誘発する」で、出産の話だと、「陣痛や分娩を人工的に起こす」という意味で使われます。
ここでも、some ideas on how to induce labor のように、前置詞 on が使われていますね。
on は「接触」を表す前置詞ですから、その「接触」のニュアンスが、「〜について、〜に関する」という「関係」を表すものとして使われることになるのですね。
ロスの we tried them all は、「それらを全部、僕らはやってみた、トライした」ということで、them = some ideas (on...) ですね。
全部やってみたんだ、と言いながら、その内容を知らないモニカたちに、「散歩して、スペシャルティー、キャスターオイル、スパイシーフードを試した」と具体的な事例を挙げて説明しています。
Nothing has worked. の work は「機能する、効き目がある、効果がある」なので、それが現在完了形になっていることから、「いろいろなものをやり始めてから、今に至るまで、どれも全く効果が出ていない」と言っていることになるでしょう。
ロスは、tried them all と言ったのですが、レイチェルは、「私たちがトライしなかった1つのことがある、まだトライしていないことが1つある」と言います。
その後、「でも、誰かさんがこんな風に思ってるのよね〜」と言いながら、ト書きにあるようにロスの口調を真似て、a can of worms のセリフを言うことになります。
can は「缶詰の缶(カン)」のことですね。
a can of worms は「虫の缶、虫がうじゃうじゃといっぱい入った缶」というニュアンスで、英辞郎では、
a can of worms は「釣り餌用の虫の入ったカン」のこと
と説明されていました。
That will open up a can of... というのは、「それが〜の缶を開けるだろう」ですから、「そんなことをしたら、〜の缶を開けることになる」と言っていることになります。
open up a can of worms 「虫の入った缶を開ける」というのはこのままの形で成句として使われていて、意味は「厄介な問題・収拾のつかない事態を引き起こす」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
a (whole) can of worms : a very complicated situation that causes a lot of problems when you start to deal with it
例) The investigations opened up a whole can of worms.
つまり、「取り組み始めた時に、多くの問題を引き起こす、非常に複雑な状況」。
例文は、「その捜査は、厄介な問題・収拾のつかない事態を引き起こした」。
open up a can of worms という成句と全く同じではないのですが、過去記事、フレンズ2-16その1 に、can, open, worms を使った以下のセリフがありました。
チャンドラー: You used my toothbrush? (お前、俺の歯ブラシを使ったのか?)
ジョーイ: Only because I used the red one to unclog the drain. (だって、赤いヤツは、排水溝を掃除するのに使ったから。)
チャンドラー: Mine is the red one! Oh, God! Can open. Worms everywhere! (赤いヤツが俺のだ! なんてこった! 缶を開けたら、虫がそこらじゅう、うじゃうじゃ!って感じだよ。)
この場合は、「缶の中身が何かを知らずに開けたら、中から虫がわんさか出てきた、俺が知らなかっただけで、現実にはそんなひどい状態になってたんだ、、」というニュアンスですね。
虫がぞろぞろ出てくるイメージからくる、「ゾッとする感じ」が共通していて面白いなと思います。
ちなみに、open up a can of worms は、英辞郎では「厄介な問題・収拾のつかない事態を引き起こす」という訳語と同時に、「パンドラの箱をあけてしまう」という訳も出ていました。
「開けてはいけないものを開けてしまって、取り返しのつかないことになる」というニュアンスであることを考えると、「パンドラの箱」という訳はピッタリな気がしますね。
実際、DVDの日本語音声(吹替)では、「誰かさんが、パンドラの箱を開けるようなことはしたくない、って」と訳されていました。
「パンドラの箱を開ける」という表現については、open (up) a Pandora's box というそのままの表現がもちろん存在するのですが、ギリシャ神話が元となった「パンドラの箱」よりも、「虫の入った缶を開ける」の方が、よりカジュアルで、フレンズにも似つかわしい感じはしますよね。
参考までに、「パンドラの箱を開ける」の語義は、LAAD では、
open (up) a Pandora's box : to do something that causes a lot of problems that did not exist before, without meaning to
つまり、「以前には存在していなかった多くの問題を引き起こす何かをする、そうする意図なしに」。
a can of worms も、Pandora's box も、どちらも語義に、causes a lot of problems という言葉が使われており、二つの意味がよく似たものであることが確認できますね。
レイチェルは、someone 「誰かさん」とわざと名前を伏せていますが、その話の流れから、someone = Ross であることは明白ですね。
まだ試していないアイディアがあるけど、それをすることは面倒を引き起こすことになるから、とロスが言っているらしいとわかったモニカは、「それは何?」と尋ね、「赤ちゃんが今日生まれることをそれが助けてくれるなら、やるべきよ」と言っています。
最初に説明したように、モニカは「赤ちゃんが今日生まれる」方に賭けているので、賭けのことは内緒にしながらも、「今日生まれるのに役立つことがあれば、やりなさいよ」と、親切心からのアドバイスのように言っていることになります。
ロスが、「(それって)エッチのことなんだよ」と言った途端に、モニカが間髪を入れず、Do it! 「やりなさい!」と言うのが面白いです。
ロスとレイチェルは驚いていますが、モニカが賭けをしていることを知っている観客は、「賭けに勝つためにそこまで言う」ところに、モニカらしさを感じることでしょう。
I'm just saying it's been a really long time for you. は「私はただこう言っているだけ、あなたにとって本当に長い時間だった、って」ということ。
「出産を促すためにエッチしろ!って私が勧めるのは変に聞こえるだろうけど、あなたも長すぎる時間、待ってきたんでしょ」のように、長く待ってきた人の気持ちを考えてアドバイスをしているんだ、というポーズを取っている感覚になります。
それを言い換える形で、women have needs. Do it. Get yours! とも言っていますね。
women have needs の needs は「必要なもの」、いわゆる「ニーズ」のことで、「女にはニーズがある」。yours はその needs を受けたもので、your needs を指すでしょう。
女がエッチすることをニーズとして持っているのだから、エッチして、あなたはあなたのニーズをゲットしなさい、みたいなことでしょうね。
ロスだってそれが嫌なわけじゃないでしょ、あなたはあなたのニーズを、欲求をそれで満たせばいいじゃない、みたいに言っていることになるでしょう。
モニカは今日生まれてほしいので、二人がすぐにでもエッチすることを勧めていますが、フィービーは「今日は生まれない」方に賭けているので、「二人がエッチするのはどうかしら、、」と懐疑的、否定的な意見を述べています。
フィービーは、私はこう思うわ、と言って、if the two of you had sex, the repercussions would be catastrophic. と仮定法を使って述べています。
「現実とは反対の仮定」である仮定法を使っているところに、「フィービーは二人にエッチをしてほしくないと思っている、エッチが陣痛を誘発してほしくないと思っている」ことが出ているように思います。
repercussion は「反響、後に残る影響、余波」、catastrophic は「カタストロフィック」と読めることからわかるように、「壊滅的な、破局の、悲惨な」という意味。
いろいろあって、難しい関係にある二人がエッチしたら、後々、大変なことになるわよ、とロスの意見に賛同していることになります。
モニカは、「わかった。現実的になりましょ」と言って、別の案を提案しています。
be willing to do は「〜するのを厭(いと)わない、〜しても構わない」というニュアンスで、「積極的に(進んで)〜する」という感覚とは異なります。
ここでは、isn't willing to do という否定形なので、「〜しても構わないとは思っていない」→「〜することに乗り気ではない」と言っていることになりますね。
「ロスがレイチェルとのエッチに前向きじゃないのなら、彼が、この世界の中で、あなた(レイチェル)とエッチすることができる唯一の男じゃないわ」とモニカが言っていることから、「ロス以外の男性とエッチしたらいい」と勧める展開になることは想像できますが、そのモニカが勧める相手が、モニカの夫であるチャンドラーなのが、この部分のオチになります。
「チャンドラーを借りることも可能よ。チャンドラーは(エッチの相手として)いいわよ〜」みたいに、妻のモニカが言っているのが面白いわけです。
いくら賭けに負けたくないとは言え、「レイチェルの陣痛を促すためのエッチの相手として、夫のチャンドラーを貸してあげるから、今すぐやりなさい」みたいに言っているところが、負けず嫌いのモニカらしくて、楽しいところですね。
(Rachからのお知らせ)
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予定日を過ぎても、赤ちゃんが生まれる気配もないレイチェル。
モニカとフィービーは、レイチェルの赤ちゃんがいつ生まれてくるかで賭けをして、モニカは今日生まれる方に賭けています。
[Scene: Central Perk, Ross and Rachel are there as Phoebe and Monica enter.]
セントラルパーク。ロスとレイチェルがそこにいて、フィービーとモニカが入ってくる。
モニカ: What did the doctor say? Any news on when the baby's gonna come? (ドクターは何て言ってた? 赤ちゃんがいつ生まれるかについて何かニュースはある?)
レイチェル: No. But she did give us some ideas on how to induce labor. (いいえ。でもドクターは私たちに、陣痛を誘発する方法についてアイディアをくれたわ。)
ロス: Yeah, we tried them all. We went for a walk, uh we tried a special tea, castor oil, spicy food. Nothing has worked. (そうなんだ、僕たちはそれを全部やってみたんだよ。僕らは散歩して、特別なお茶や、キャスターオイル、スパイシーフードも試した。どれも効かなかった。)
レイチェル: Well, there is one thing that we didn't try. But someone thinks that, (mimicking Ross) "That will open up a can of worms." (あぁ、私たちが試さなかったことが1つあるの。でも誰かさんがこんな風に思ってるのよね、[ロスの真似をしながら] 「そんなことをしたら、虫が(うじゃうじゃ)入ってる缶を開けることになる」。)
モニカ: Well, what is it? What is it? If it's gonna help bring the baby here, like today. I mean, I think you should do it. (それは何? それは何? 赤ちゃんがここに、例えば今日、生まれてくるのを助けることなら、ほら、あなたたちはそれをすべきだと私は思うわ。)
ロス: It's sex. (エッチなんだよ。)
モニカ: Do it! (やりなさいよ!)
ロス: Monica! (モニカ!)
モニカ: I'm just saying it's been a really long time for you. I mean, women have needs. Do it. Get yours! (私はただこう言ってるだけよ、あなたにとって本当に長い時間だったでしょう、って[あなたも随分長い間、待ったでしょう、って]。つまり、女が必要としているの。しなさいよ! (あなたも)あなたのニーズをゲットしなさいよ!)
フィービー: Oh, I don't, I don't know about that. No, I think that if the two of you had sex, the-the-the repercussions would be catastrophic. (あぁ、それはどうかしらね。もしあなたたち二人がエッチしたとしたら、その影響・余波が、悲惨になるだろうって思うの。)
モニカ: All right, let's be practical. If Ross isn't willing to do it, he's not the only guy in the world you can have sex with. You could borrow Chandler. Chandler is good! (わかったわ、現実的になりましょう! もしロスが乗り気じゃないなら、あなたがエッチできる男は世界に一人だけじゃないわ。チャンドラーを借りてもいいわよ。チャンドラーは、いいわよ〜。)
ロスとレイチェルが検査のために産婦人科に行っていたことを知っているモニカは、早速、「お医者さんは何て言ってた?」と尋ねています。
Any news on when SV...? は、「いつ主語が〜するかについてのニュースが何かある?」という感覚ですね。
赤ちゃんがいつ生まれるかの情報を、先生は何か言っていた?と尋ねていることになります。
次のセリフの、how to induce labor の induce は「引き起こす、誘発する」で、出産の話だと、「陣痛や分娩を人工的に起こす」という意味で使われます。
ここでも、some ideas on how to induce labor のように、前置詞 on が使われていますね。
on は「接触」を表す前置詞ですから、その「接触」のニュアンスが、「〜について、〜に関する」という「関係」を表すものとして使われることになるのですね。
ロスの we tried them all は、「それらを全部、僕らはやってみた、トライした」ということで、them = some ideas (on...) ですね。
全部やってみたんだ、と言いながら、その内容を知らないモニカたちに、「散歩して、スペシャルティー、キャスターオイル、スパイシーフードを試した」と具体的な事例を挙げて説明しています。
Nothing has worked. の work は「機能する、効き目がある、効果がある」なので、それが現在完了形になっていることから、「いろいろなものをやり始めてから、今に至るまで、どれも全く効果が出ていない」と言っていることになるでしょう。
ロスは、tried them all と言ったのですが、レイチェルは、「私たちがトライしなかった1つのことがある、まだトライしていないことが1つある」と言います。
その後、「でも、誰かさんがこんな風に思ってるのよね〜」と言いながら、ト書きにあるようにロスの口調を真似て、a can of worms のセリフを言うことになります。
can は「缶詰の缶(カン)」のことですね。
a can of worms は「虫の缶、虫がうじゃうじゃといっぱい入った缶」というニュアンスで、英辞郎では、
a can of worms は「釣り餌用の虫の入ったカン」のこと
と説明されていました。
That will open up a can of... というのは、「それが〜の缶を開けるだろう」ですから、「そんなことをしたら、〜の缶を開けることになる」と言っていることになります。
open up a can of worms 「虫の入った缶を開ける」というのはこのままの形で成句として使われていて、意味は「厄介な問題・収拾のつかない事態を引き起こす」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
a (whole) can of worms : a very complicated situation that causes a lot of problems when you start to deal with it
例) The investigations opened up a whole can of worms.
つまり、「取り組み始めた時に、多くの問題を引き起こす、非常に複雑な状況」。
例文は、「その捜査は、厄介な問題・収拾のつかない事態を引き起こした」。
open up a can of worms という成句と全く同じではないのですが、過去記事、フレンズ2-16その1 に、can, open, worms を使った以下のセリフがありました。
チャンドラー: You used my toothbrush? (お前、俺の歯ブラシを使ったのか?)
ジョーイ: Only because I used the red one to unclog the drain. (だって、赤いヤツは、排水溝を掃除するのに使ったから。)
チャンドラー: Mine is the red one! Oh, God! Can open. Worms everywhere! (赤いヤツが俺のだ! なんてこった! 缶を開けたら、虫がそこらじゅう、うじゃうじゃ!って感じだよ。)
この場合は、「缶の中身が何かを知らずに開けたら、中から虫がわんさか出てきた、俺が知らなかっただけで、現実にはそんなひどい状態になってたんだ、、」というニュアンスですね。
虫がぞろぞろ出てくるイメージからくる、「ゾッとする感じ」が共通していて面白いなと思います。
ちなみに、open up a can of worms は、英辞郎では「厄介な問題・収拾のつかない事態を引き起こす」という訳語と同時に、「パンドラの箱をあけてしまう」という訳も出ていました。
「開けてはいけないものを開けてしまって、取り返しのつかないことになる」というニュアンスであることを考えると、「パンドラの箱」という訳はピッタリな気がしますね。
実際、DVDの日本語音声(吹替)では、「誰かさんが、パンドラの箱を開けるようなことはしたくない、って」と訳されていました。
「パンドラの箱を開ける」という表現については、open (up) a Pandora's box というそのままの表現がもちろん存在するのですが、ギリシャ神話が元となった「パンドラの箱」よりも、「虫の入った缶を開ける」の方が、よりカジュアルで、フレンズにも似つかわしい感じはしますよね。
参考までに、「パンドラの箱を開ける」の語義は、LAAD では、
open (up) a Pandora's box : to do something that causes a lot of problems that did not exist before, without meaning to
つまり、「以前には存在していなかった多くの問題を引き起こす何かをする、そうする意図なしに」。
a can of worms も、Pandora's box も、どちらも語義に、causes a lot of problems という言葉が使われており、二つの意味がよく似たものであることが確認できますね。
レイチェルは、someone 「誰かさん」とわざと名前を伏せていますが、その話の流れから、someone = Ross であることは明白ですね。
まだ試していないアイディアがあるけど、それをすることは面倒を引き起こすことになるから、とロスが言っているらしいとわかったモニカは、「それは何?」と尋ね、「赤ちゃんが今日生まれることをそれが助けてくれるなら、やるべきよ」と言っています。
最初に説明したように、モニカは「赤ちゃんが今日生まれる」方に賭けているので、賭けのことは内緒にしながらも、「今日生まれるのに役立つことがあれば、やりなさいよ」と、親切心からのアドバイスのように言っていることになります。
ロスが、「(それって)エッチのことなんだよ」と言った途端に、モニカが間髪を入れず、Do it! 「やりなさい!」と言うのが面白いです。
ロスとレイチェルは驚いていますが、モニカが賭けをしていることを知っている観客は、「賭けに勝つためにそこまで言う」ところに、モニカらしさを感じることでしょう。
I'm just saying it's been a really long time for you. は「私はただこう言っているだけ、あなたにとって本当に長い時間だった、って」ということ。
「出産を促すためにエッチしろ!って私が勧めるのは変に聞こえるだろうけど、あなたも長すぎる時間、待ってきたんでしょ」のように、長く待ってきた人の気持ちを考えてアドバイスをしているんだ、というポーズを取っている感覚になります。
それを言い換える形で、women have needs. Do it. Get yours! とも言っていますね。
women have needs の needs は「必要なもの」、いわゆる「ニーズ」のことで、「女にはニーズがある」。yours はその needs を受けたもので、your needs を指すでしょう。
女がエッチすることをニーズとして持っているのだから、エッチして、あなたはあなたのニーズをゲットしなさい、みたいなことでしょうね。
ロスだってそれが嫌なわけじゃないでしょ、あなたはあなたのニーズを、欲求をそれで満たせばいいじゃない、みたいに言っていることになるでしょう。
モニカは今日生まれてほしいので、二人がすぐにでもエッチすることを勧めていますが、フィービーは「今日は生まれない」方に賭けているので、「二人がエッチするのはどうかしら、、」と懐疑的、否定的な意見を述べています。
フィービーは、私はこう思うわ、と言って、if the two of you had sex, the repercussions would be catastrophic. と仮定法を使って述べています。
「現実とは反対の仮定」である仮定法を使っているところに、「フィービーは二人にエッチをしてほしくないと思っている、エッチが陣痛を誘発してほしくないと思っている」ことが出ているように思います。
repercussion は「反響、後に残る影響、余波」、catastrophic は「カタストロフィック」と読めることからわかるように、「壊滅的な、破局の、悲惨な」という意味。
いろいろあって、難しい関係にある二人がエッチしたら、後々、大変なことになるわよ、とロスの意見に賛同していることになります。
モニカは、「わかった。現実的になりましょ」と言って、別の案を提案しています。
be willing to do は「〜するのを厭(いと)わない、〜しても構わない」というニュアンスで、「積極的に(進んで)〜する」という感覚とは異なります。
ここでは、isn't willing to do という否定形なので、「〜しても構わないとは思っていない」→「〜することに乗り気ではない」と言っていることになりますね。
「ロスがレイチェルとのエッチに前向きじゃないのなら、彼が、この世界の中で、あなた(レイチェル)とエッチすることができる唯一の男じゃないわ」とモニカが言っていることから、「ロス以外の男性とエッチしたらいい」と勧める展開になることは想像できますが、そのモニカが勧める相手が、モニカの夫であるチャンドラーなのが、この部分のオチになります。
「チャンドラーを借りることも可能よ。チャンドラーは(エッチの相手として)いいわよ〜」みたいに、妻のモニカが言っているのが面白いわけです。
いくら賭けに負けたくないとは言え、「レイチェルの陣痛を促すためのエッチの相手として、夫のチャンドラーを貸してあげるから、今すぐやりなさい」みたいに言っているところが、負けず嫌いのモニカらしくて、楽しいところですね。
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2014年10月16日
俺の提案を聞き入れなかった フレンズ8-22その3
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ジョーイが出演した第一次世界大戦の映画のプレミア。ジョーイ以外にゲスト1名だったため、ジョーイは、金銭面でいろいろサポートしてくれていたチャンドラーを同伴することを決めます。
ですが、そのチャンドラーが、映画上映中、爆睡しているのをジョーイは目撃してしまいます。
映画が終わった後の拍手で、目が覚めたチャンドラーは焦った顔で、
チャンドラー: Good job, Joe! Well done! Top-notch! (良かったよ、ジョーイ! よくやった! 最高だよ!)
ジョーイ: You liked it? You really liked it? (気に入った? お前、ほんとに気に入った?)
チャンドラー: Oh-ho-ho, yeah! (おぉー、もちろん!)
ジョーイ: Well, which part exactly? (じゃあ、正確にはどのパート(が気に入った)?)
チャンドラー: The whole thing! Can we go? (全部だよ! 行こう[出よう]か?)
ジョーイ: Oh no-no-no. Give me some specifics. (あぁ、だめだめだめ。詳細(具体的なこと)を教えろよ。)
チャンドラー: I love the specifics. The specifics were the best part! (具体的なことが良かった。具体的なところが最高のパートだった!)
ジョーイ: Hey, what about the scene with the kangaroo? Did-did you like that part? (なぁ、カンガルーが出てくるシーンはどうだった? あのパート、気に入ったか?)
チャンドラー: I was surprised to see a kangaroo in a World War I epic. (第一次世界大戦の(叙事詩的)長編映画でカンガルーを見るなんて驚いたよ。)
ジョーイ: You fell asleep!! There was no kangaroo! They didn't take any of my suggestions! Thanks a lot for coming, buddy. See you later. (Starts to walk out.) (お前は熟睡してた! カンガルーなんかいなかった! あいつらは俺の提案をどれ一つとして受け入れなかったんだ! 来てくれてほんとにありがとうな。じゃあ後で。[歩いて出て行こうとする])
チャンドラー: Don't go! I'm sorry. I'm so sorry! (Sees another guy who is still asleep.) Look! This guy fell asleep! He fell asleep too! Be mad at him! (Looks at him more closely.) Or call an ambulance! (行かないでよ! ごめん、ほんとにごめん! [まだ眠っている他の男性を見る] 見ろ! この男も熟睡してた! 彼も熟睡してたんだ! 彼に怒れよ! [(寝ている)彼をもっとじっくり見る] もしくは、救急車を呼べ!)
せっかくチャンドラーだけをプレミアに連れてきたというのに、チャンドラーは上映中に、熟睡してしまいます。
拍手の音でびっくりして起きたチャンドラーは、自分が寝ていたことをごまかすため、さも映画をずっと見ていたかのように、ジョーイのことを褒めています。
Good job. Well done! は、「よくやった!」と褒める時の決まり文句ですね。
top-notch は、「最高の、一流の」という意味になります。
notch は元々、「V字形の刻み目、切り目、くぼみ、切り込み」という意味で、そこから「段、級、段階、階級」という意味でも使われます。
top notch は「トップの段階・階級」ということで、「最高の、一流の」という意味になるわけですね。
topnotch という単語は、過去記事、墓場まで持って行く フレンズ3-11その35 に出てきました。
チャンドラー: Oh, would you just please.... give me your recipe, 'cause this is great! It's topnotch! (あぁ、どうかお願いだから…あなたのレシピをくれませんか? だって、これは最高だから。)
というセリフでしたね。
過去記事、もう一段階レベルを上げる フレンズ5-10その3 では、以下のように、notch を「段階」という意味で使っているセリフも出てきました。
ジョーイ: (jumping up) All right! But uh, listen, what do you say we, uh... crank it up a notch? ([椅子から飛び上がって] よし! でも、なぁ、もう一段階、そのゲームのレベル[刺激]を上げるっていうのはどう?)
ジョーイは、「気に入った?」と尋ねた後、which part exactly? 「正確にはどのパート[部分]?」としつこく尋ねています。
チャンドラーが、自分が眠っていたのをごまかすために、ベタ褒めのセリフを並べていることがわかったので、具体的なシーンを尋ねて困らせてやろう、寝ていたことを認めさせてやろう、というつもりでしょう。
どのシーンが、ということを答えられないチャンドラーが、The whole thing! 「全部だよ!」と返すのも面白いですね。
この話題はやめよう、とばかりに、「出ようか?」と劇場を出ることを促すのですが、ジョーイは食い下がります。
specific という単語は、まずは形容詞で「具体的な、特定の」という意味があります。
このセリフの specifics は名詞の複数形で、「詳細、具体的なこと」という意味になります。
ですから、Give me some specifics. は、「全部、とか大ざっぱな答えじゃなくて、具体的にどの部分が良かったか、という詳細を教えろよ」と言っていることになります。
爆睡していてとにかく内容がわからないチャンドラーは、ジョーイが specifics という言葉を使ったことを受けて、「具体的なことはいいよね。具体的なことがベストなパートだった」みたいに、抽象的な言葉で返します。
映画の描写が具体的であったこと、詳細に描かれていたことが良かった、みたいにごまかそうとしているわけです。
寝ていたことを認めず、ごまかし続けようとするチャンドラーに、ジョーイは「カンガルーのシーンはどうだった? あのシーン、気に入った?」のように尋ねています。
the scene with the kangaroo は「カンガルーがいるシーン、カンガルーが出てくるシーン」という感覚ですね。
カンガルーという言葉を聞いたチャンドラーは、「第一次大戦の映画でカンガルーを見るなんて驚いたよ」と返しています。
epic は「叙事詩」という意味で、叙事詩的な長編小説・映画なども指します。
ここでは、「叙事詩的長編映画」ということですね。
「カンガルー見て驚いた」というチャンドラーの答えを聞いたジョーイは、「お前は熟睡してた! カンガルーは(映画には)出てこなかった、いなかった!」と言っています。
つまり、「カンガルーのシーン、どうだった?」とありもしないシーンの話を持ち出して、「ああ、あれね、あれは良かった」と言わせ、「そんなシーンなかったのに、あるみたいに言って。やっぱりお前、見てなかったんじゃないか、寝てたんじゃないか!」とチャンドラーを追求するための作戦だったわけですね。
ジョーイにしてはちょっと、「できすぎ」な感じもありますが、相手が実際にそれを見たかどうかを確認するために、ありもしないシーンをでっち上げる、というのは、よくある引っかけパターンかと思います。
そうやって、ジョーイの罠に引っかかったところも面白いわけですが、このセリフの本当の面白さは次の、They didn't take any of my suggestions! にあります。
この they は、映画製作に携(たずさ)わる人たち、監督やスタッフなどを漠然と指すニュアンス。
直訳すると、「監督やスタッフは、俺の提案を何ひとつ[どれひとつとして]受け入れなかった」ということになります。
「あの映画にカンガルーなんか出てないよ」「スタッフは俺の提案を聞き入れなかった」という話の流れから、「俺は、”カンガルーを出したら、きっと面白いっすよ”って提案したのに、あいつらは俺のその提案を却下しやがったんだ!」という意味であることがわかるわけですね。
第一次大戦の舞台はヨーロッパですから、そんな映画にオーストラリア周辺にいるカンガルーが出てくるのはどうにもおかしい(笑)。
ですから、フレンズを見ている観客も、チャンドラーも、「カンガルーが出てくるシーンはどうだった?」とジョーイが聞くので、はぁ?となるわけですが、「お前は寝てた! カンガルーなんか出てこなかったよ!」というジョーイのセリフで、それがジョーイの引っかけだとわかるわけです。
そこで終わっていたら、「ジョーイ、なかなかうまくやるじゃん」となるところですが、実は「第一次大戦の映画にカンガルーが出る」というトンデモ話は、ジョーイがスタッフに提案して却下されていたことがわかる、というオチなわけですね。
さきほど、”ジョーイにしてはちょっと、「できすぎ」な感じもありますが”と書きましたが、実はできすぎのように見せておいて、やっぱりジョーイはジョーイだった、、と後でわかるような、非常にフレンズっぽいオチになっていると思います。
すっかり怒ってしまったジョーイは、「来てくれてほんとにありがとな、バディ。じゃ、後で」みたいに皮肉っぽい言い方をして去ろうとします。
チャンドラーは、それを引き止めようとして、「行くなよ。ほんとにごめん」と謝っているのですが、座席に座ったまま寝ている男性を発見して、「見ろよ! この男も寝てた! 彼も寝てた!」と言って、「(俺にも怒るなら)彼にも怒れよ!」のように言います。
チャンドラーが大声でそう叫んでも、その男性が起きる気配がないので、チャンドラーはその人をじーっと見た後、「(こいつを怒るか)もしくは、救急車を呼べ!」と言うことになります。
つまり、「寝ていると思っていたら、死んでいた」とまでは言わないまでも、意識を失っている状態であるとわかった、ということですね。
このセリフのポイントは、Or にあるように思います。
「こいつにも怒れよ!」と命令形で言った後、男性が意識不明なのに気づいて、「救急車を呼べ」と言っているわけですが、そこに Or が入ることで、「A しろ。もしくは B しろ」という意味になり、「彼を怒れ、と言ったけれど、お前に何かをしろと命じるのであればむしろ今は、救急車を呼べ、だ」のように、相手にこれをしろ、と言った内容が「変化した」ことを or で表現していることになります。
or rather 「いやむしろ」というニュアンスに近い or だと言えるでしょうね。
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ジョーイが出演した第一次世界大戦の映画のプレミア。ジョーイ以外にゲスト1名だったため、ジョーイは、金銭面でいろいろサポートしてくれていたチャンドラーを同伴することを決めます。
ですが、そのチャンドラーが、映画上映中、爆睡しているのをジョーイは目撃してしまいます。
映画が終わった後の拍手で、目が覚めたチャンドラーは焦った顔で、
チャンドラー: Good job, Joe! Well done! Top-notch! (良かったよ、ジョーイ! よくやった! 最高だよ!)
ジョーイ: You liked it? You really liked it? (気に入った? お前、ほんとに気に入った?)
チャンドラー: Oh-ho-ho, yeah! (おぉー、もちろん!)
ジョーイ: Well, which part exactly? (じゃあ、正確にはどのパート(が気に入った)?)
チャンドラー: The whole thing! Can we go? (全部だよ! 行こう[出よう]か?)
ジョーイ: Oh no-no-no. Give me some specifics. (あぁ、だめだめだめ。詳細(具体的なこと)を教えろよ。)
チャンドラー: I love the specifics. The specifics were the best part! (具体的なことが良かった。具体的なところが最高のパートだった!)
ジョーイ: Hey, what about the scene with the kangaroo? Did-did you like that part? (なぁ、カンガルーが出てくるシーンはどうだった? あのパート、気に入ったか?)
チャンドラー: I was surprised to see a kangaroo in a World War I epic. (第一次世界大戦の(叙事詩的)長編映画でカンガルーを見るなんて驚いたよ。)
ジョーイ: You fell asleep!! There was no kangaroo! They didn't take any of my suggestions! Thanks a lot for coming, buddy. See you later. (Starts to walk out.) (お前は熟睡してた! カンガルーなんかいなかった! あいつらは俺の提案をどれ一つとして受け入れなかったんだ! 来てくれてほんとにありがとうな。じゃあ後で。[歩いて出て行こうとする])
チャンドラー: Don't go! I'm sorry. I'm so sorry! (Sees another guy who is still asleep.) Look! This guy fell asleep! He fell asleep too! Be mad at him! (Looks at him more closely.) Or call an ambulance! (行かないでよ! ごめん、ほんとにごめん! [まだ眠っている他の男性を見る] 見ろ! この男も熟睡してた! 彼も熟睡してたんだ! 彼に怒れよ! [(寝ている)彼をもっとじっくり見る] もしくは、救急車を呼べ!)
せっかくチャンドラーだけをプレミアに連れてきたというのに、チャンドラーは上映中に、熟睡してしまいます。
拍手の音でびっくりして起きたチャンドラーは、自分が寝ていたことをごまかすため、さも映画をずっと見ていたかのように、ジョーイのことを褒めています。
Good job. Well done! は、「よくやった!」と褒める時の決まり文句ですね。
top-notch は、「最高の、一流の」という意味になります。
notch は元々、「V字形の刻み目、切り目、くぼみ、切り込み」という意味で、そこから「段、級、段階、階級」という意味でも使われます。
top notch は「トップの段階・階級」ということで、「最高の、一流の」という意味になるわけですね。
topnotch という単語は、過去記事、墓場まで持って行く フレンズ3-11その35 に出てきました。
チャンドラー: Oh, would you just please.... give me your recipe, 'cause this is great! It's topnotch! (あぁ、どうかお願いだから…あなたのレシピをくれませんか? だって、これは最高だから。)
というセリフでしたね。
過去記事、もう一段階レベルを上げる フレンズ5-10その3 では、以下のように、notch を「段階」という意味で使っているセリフも出てきました。
ジョーイ: (jumping up) All right! But uh, listen, what do you say we, uh... crank it up a notch? ([椅子から飛び上がって] よし! でも、なぁ、もう一段階、そのゲームのレベル[刺激]を上げるっていうのはどう?)
ジョーイは、「気に入った?」と尋ねた後、which part exactly? 「正確にはどのパート[部分]?」としつこく尋ねています。
チャンドラーが、自分が眠っていたのをごまかすために、ベタ褒めのセリフを並べていることがわかったので、具体的なシーンを尋ねて困らせてやろう、寝ていたことを認めさせてやろう、というつもりでしょう。
どのシーンが、ということを答えられないチャンドラーが、The whole thing! 「全部だよ!」と返すのも面白いですね。
この話題はやめよう、とばかりに、「出ようか?」と劇場を出ることを促すのですが、ジョーイは食い下がります。
specific という単語は、まずは形容詞で「具体的な、特定の」という意味があります。
このセリフの specifics は名詞の複数形で、「詳細、具体的なこと」という意味になります。
ですから、Give me some specifics. は、「全部、とか大ざっぱな答えじゃなくて、具体的にどの部分が良かったか、という詳細を教えろよ」と言っていることになります。
爆睡していてとにかく内容がわからないチャンドラーは、ジョーイが specifics という言葉を使ったことを受けて、「具体的なことはいいよね。具体的なことがベストなパートだった」みたいに、抽象的な言葉で返します。
映画の描写が具体的であったこと、詳細に描かれていたことが良かった、みたいにごまかそうとしているわけです。
寝ていたことを認めず、ごまかし続けようとするチャンドラーに、ジョーイは「カンガルーのシーンはどうだった? あのシーン、気に入った?」のように尋ねています。
the scene with the kangaroo は「カンガルーがいるシーン、カンガルーが出てくるシーン」という感覚ですね。
カンガルーという言葉を聞いたチャンドラーは、「第一次大戦の映画でカンガルーを見るなんて驚いたよ」と返しています。
epic は「叙事詩」という意味で、叙事詩的な長編小説・映画なども指します。
ここでは、「叙事詩的長編映画」ということですね。
「カンガルー見て驚いた」というチャンドラーの答えを聞いたジョーイは、「お前は熟睡してた! カンガルーは(映画には)出てこなかった、いなかった!」と言っています。
つまり、「カンガルーのシーン、どうだった?」とありもしないシーンの話を持ち出して、「ああ、あれね、あれは良かった」と言わせ、「そんなシーンなかったのに、あるみたいに言って。やっぱりお前、見てなかったんじゃないか、寝てたんじゃないか!」とチャンドラーを追求するための作戦だったわけですね。
ジョーイにしてはちょっと、「できすぎ」な感じもありますが、相手が実際にそれを見たかどうかを確認するために、ありもしないシーンをでっち上げる、というのは、よくある引っかけパターンかと思います。
そうやって、ジョーイの罠に引っかかったところも面白いわけですが、このセリフの本当の面白さは次の、They didn't take any of my suggestions! にあります。
この they は、映画製作に携(たずさ)わる人たち、監督やスタッフなどを漠然と指すニュアンス。
直訳すると、「監督やスタッフは、俺の提案を何ひとつ[どれひとつとして]受け入れなかった」ということになります。
「あの映画にカンガルーなんか出てないよ」「スタッフは俺の提案を聞き入れなかった」という話の流れから、「俺は、”カンガルーを出したら、きっと面白いっすよ”って提案したのに、あいつらは俺のその提案を却下しやがったんだ!」という意味であることがわかるわけですね。
第一次大戦の舞台はヨーロッパですから、そんな映画にオーストラリア周辺にいるカンガルーが出てくるのはどうにもおかしい(笑)。
ですから、フレンズを見ている観客も、チャンドラーも、「カンガルーが出てくるシーンはどうだった?」とジョーイが聞くので、はぁ?となるわけですが、「お前は寝てた! カンガルーなんか出てこなかったよ!」というジョーイのセリフで、それがジョーイの引っかけだとわかるわけです。
そこで終わっていたら、「ジョーイ、なかなかうまくやるじゃん」となるところですが、実は「第一次大戦の映画にカンガルーが出る」というトンデモ話は、ジョーイがスタッフに提案して却下されていたことがわかる、というオチなわけですね。
さきほど、”ジョーイにしてはちょっと、「できすぎ」な感じもありますが”と書きましたが、実はできすぎのように見せておいて、やっぱりジョーイはジョーイだった、、と後でわかるような、非常にフレンズっぽいオチになっていると思います。
すっかり怒ってしまったジョーイは、「来てくれてほんとにありがとな、バディ。じゃ、後で」みたいに皮肉っぽい言い方をして去ろうとします。
チャンドラーは、それを引き止めようとして、「行くなよ。ほんとにごめん」と謝っているのですが、座席に座ったまま寝ている男性を発見して、「見ろよ! この男も寝てた! 彼も寝てた!」と言って、「(俺にも怒るなら)彼にも怒れよ!」のように言います。
チャンドラーが大声でそう叫んでも、その男性が起きる気配がないので、チャンドラーはその人をじーっと見た後、「(こいつを怒るか)もしくは、救急車を呼べ!」と言うことになります。
つまり、「寝ていると思っていたら、死んでいた」とまでは言わないまでも、意識を失っている状態であるとわかった、ということですね。
このセリフのポイントは、Or にあるように思います。
「こいつにも怒れよ!」と命令形で言った後、男性が意識不明なのに気づいて、「救急車を呼べ」と言っているわけですが、そこに Or が入ることで、「A しろ。もしくは B しろ」という意味になり、「彼を怒れ、と言ったけれど、お前に何かをしろと命じるのであればむしろ今は、救急車を呼べ、だ」のように、相手にこれをしろ、と言った内容が「変化した」ことを or で表現していることになります。
or rather 「いやむしろ」というニュアンスに近い or だと言えるでしょうね。
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2014年10月14日
東京セミナー終了しました!
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は3位、「にほんブログ村」は8位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
10月12日(日)、13日(月祝)に行なわれた、私の初の東京セミナー(セミナーとしては通算5回目、6回目)、
「私の先生は海外ドラマ」セミナー 〜生きたセリフで英語4技能を伸ばす〜
が、無事、終了いたしました。
ご参加下さった皆様、本当にありがとうございました!
台風19号が心配ではありましたが、交通網に影響が出ることもなく、2つのセミナーを開催することができたこと、本当に嬉しく思っております。
今回の東京セミナーは、これまで関西で合計4回のセミナーを行なって来たものと内容は同じになります。
前半は「Rach流DVD学習法」や英語に対する考え方をお話し、後半は「フレンズ」を鑑賞しながら、私が実際に家でやっている様子を皆さんにお見せする形で、笑いのポイント、英語字幕で注目すべきポイントなどをお話させていただきました。
やはりいつも思うのは、「私のやり方を実演してみせることで、いろんなことが瞬時にわかっていただける」ということです。
Rach流DVD学習法については、ブログや拙著で「文字として」説明してきているわけですが、実際にどんな感じになるのか?というのは、「お見せするのがやっぱり一番手っ取り早い」ということなのですね^^
「ネタバレ禁止、英語音声、字幕なし」という「ネイティブが見ている方法で見る」という段階が、「どれほどわからないものか、そこから学べる情報がどれほど少ないか」ということをまずは実感していただき、その後、両方を日本語にして「答え合わせ」をすることで内容を一気に掴み、それを頭に入れた状態で、英語字幕を解釈し、「どうしてそういう意味になるのかをじっくり考える」という流れとその意義を、皆さんに体感していただきたかったのです。
「DVD学習は、決して、留学に劣るものではない」という私の持論が皆様に少しでも伝わったとしたら、とても嬉しく思います。
セミナー後に行なわれた懇親会にも、たくさんの方にご参加いただけたこと、とても嬉しかったです。
皆様のテーブルを私が回る形でお話させていただくこととなり、時間も限られてしまいましたが、非常に近い距離で、皆様と直接お話しできたこと、本当に楽しかったです。
また、質疑応答の時間や、その後の懇親会でも、皆様からたくさんのご質問をいただくことができました。
毎回いただくご質問は、「次はこの部分をもっと詳しく説明しよう」というように、よりよいセミナーにするために非常に役立ってくれています。ありがとうございます。
「フレンズ」が大好きな方には、もっともっとフレンズを好きになってほしいですし、「フレンズ」はまだ見たことない、という方が、フレンズに興味を持って下さったり、見た後、好きになって下さったりすると、とても嬉しいな、と思っています(^^)
ずっとブロガーとして活動してきた私が、初めてセミナーを開催したのが、ちょうど1年前の 2013年10月13日でした。
その後、同内容の追加セミナーを含め、関西で4回のセミナーを行なった後、今回、初めての東京セミナーとなったわけです。
東京セミナーも、内容は関西の時と同じ、、とは言うものの、ご参加下さる方の「地域性」の違いのようなものもあるかもしれないし、、などと少し心配もしていたのですが、関西の時と同様、皆様、温かく私を受け入れて下さり、笑うところでは楽しく笑って下さり^^ 本当に楽しいセミナーと懇親会となりました。
関西の時とちょっと違うかも、、と感じたのは、「関西弁(大阪弁)の語尾、もしくはイントネーション」が時折出てしまった時の皆さんの「反応」ですね^^
別に「ネタ」としてわざと盛り込んでいるわけではない、でも、無理して抑えようとしているわけでもない、、という状態だったのですが、皆さんの反応を感じると、「あ、私、今、東京にいてるんやなぁ〜」と、しみじみ感じるわけです(^^)
本当に楽しく幸せな東京2デイズでした。
関西で初セミナーを開催すると決めた時は、参加者が集まって下さるだろうか、、と、とても不安だったことを思い出します。
それが今こうして、初セミナーからちょうど1年後に、東京で2回のセミナーを開催することができたこと、本当に嬉しく光栄に思っています。
お忙しい中、ご参加下さった皆様、本当にありがとうございました。
これからも、「海外ドラマを先生」にした学習法の楽しさと素晴らしさを頑張って伝えて行きたいと思います。
今後とも、どうかよろしくお願いいたします!(^^)
(追記)
以下のリンク先、セミナー主催の「つなぎすとサロンのブログ」にも、今回の東京セミナーの報告記事がアップされています。
また、併せてお読みいただけると嬉しいです(^^)
つなぎすとサロンのブログ:東京報告その5☆10/12〜13【「私の先生は海外ドラマ」セミナー 〜生きたセリフで英語4技能を伸ばす〜】
↓セミナーのチラシです。画像をクリックしていただくと、チラシが別ウィンドウで拡大表示されます。
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前半は「Rach流DVD学習法」や英語に対する考え方をお話し、後半は「フレンズ」を鑑賞しながら、私が実際に家でやっている様子を皆さんにお見せする形で、笑いのポイント、英語字幕で注目すべきポイントなどをお話させていただきました。
やはりいつも思うのは、「私のやり方を実演してみせることで、いろんなことが瞬時にわかっていただける」ということです。
Rach流DVD学習法については、ブログや拙著で「文字として」説明してきているわけですが、実際にどんな感じになるのか?というのは、「お見せするのがやっぱり一番手っ取り早い」ということなのですね^^
「ネタバレ禁止、英語音声、字幕なし」という「ネイティブが見ている方法で見る」という段階が、「どれほどわからないものか、そこから学べる情報がどれほど少ないか」ということをまずは実感していただき、その後、両方を日本語にして「答え合わせ」をすることで内容を一気に掴み、それを頭に入れた状態で、英語字幕を解釈し、「どうしてそういう意味になるのかをじっくり考える」という流れとその意義を、皆さんに体感していただきたかったのです。
「DVD学習は、決して、留学に劣るものではない」という私の持論が皆様に少しでも伝わったとしたら、とても嬉しく思います。
セミナー後に行なわれた懇親会にも、たくさんの方にご参加いただけたこと、とても嬉しかったです。
皆様のテーブルを私が回る形でお話させていただくこととなり、時間も限られてしまいましたが、非常に近い距離で、皆様と直接お話しできたこと、本当に楽しかったです。
また、質疑応答の時間や、その後の懇親会でも、皆様からたくさんのご質問をいただくことができました。
毎回いただくご質問は、「次はこの部分をもっと詳しく説明しよう」というように、よりよいセミナーにするために非常に役立ってくれています。ありがとうございます。
「フレンズ」が大好きな方には、もっともっとフレンズを好きになってほしいですし、「フレンズ」はまだ見たことない、という方が、フレンズに興味を持って下さったり、見た後、好きになって下さったりすると、とても嬉しいな、と思っています(^^)
ずっとブロガーとして活動してきた私が、初めてセミナーを開催したのが、ちょうど1年前の 2013年10月13日でした。
その後、同内容の追加セミナーを含め、関西で4回のセミナーを行なった後、今回、初めての東京セミナーとなったわけです。
東京セミナーも、内容は関西の時と同じ、、とは言うものの、ご参加下さる方の「地域性」の違いのようなものもあるかもしれないし、、などと少し心配もしていたのですが、関西の時と同様、皆様、温かく私を受け入れて下さり、笑うところでは楽しく笑って下さり^^ 本当に楽しいセミナーと懇親会となりました。
関西の時とちょっと違うかも、、と感じたのは、「関西弁(大阪弁)の語尾、もしくはイントネーション」が時折出てしまった時の皆さんの「反応」ですね^^
別に「ネタ」としてわざと盛り込んでいるわけではない、でも、無理して抑えようとしているわけでもない、、という状態だったのですが、皆さんの反応を感じると、「あ、私、今、東京にいてるんやなぁ〜」と、しみじみ感じるわけです(^^)
本当に楽しく幸せな東京2デイズでした。
関西で初セミナーを開催すると決めた時は、参加者が集まって下さるだろうか、、と、とても不安だったことを思い出します。
それが今こうして、初セミナーからちょうど1年後に、東京で2回のセミナーを開催することができたこと、本当に嬉しく光栄に思っています。
お忙しい中、ご参加下さった皆様、本当にありがとうございました。
これからも、「海外ドラマを先生」にした学習法の楽しさと素晴らしさを頑張って伝えて行きたいと思います。
今後とも、どうかよろしくお願いいたします!(^^)
(追記)
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2014年10月10日
最も効果的だと証明されていることがある フレンズ8-22その2
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レイチェルは予定日が過ぎても赤ちゃんが生まれる兆しがありません。
今、レイチェルとロスは検査のため、産婦人科の診察室に来ているのですが、ロスがするちょっとしたしぐさにまでイラついて、レイチェルはロスに当り散らしています。
あまりにレイチェルが突っかかってくるので、「悪魔(君、レイチェル)と人間(僕、ロス)との間の子供が生まれてくることになるね!」とロスが言い、二人が険悪なムードになったところに、担当医の Dr. Long が入ってきます。
レイチェル: Hi, Dr. Long. How are you? (はーい、ロング先生。ご機嫌いかが?)
ロス: (to Rachel) Oh, you're nice to her. ([レイチェルに] おや、君は先生には優しいんだね[いい人になるんだね]。)
レイチェル: She has the drugs! (彼女は薬を持ってるのよ!)
ドクター・ロング: We'll do a quick check. (さっとチェックしましょう。)
レイチェル: Okay. (Rachel lies back.) (オッケー。[レイチェルは仰向けに横たわる])
ドクター・ロング: So, eight days late, huh? (それで、8日遅れなのよね?)
レイチェル: Yeah. (そうです。)
ドクター・ロング: You must be getting a little uncomfortable. (ちょっと不快になってるに違いないわ。)
レイチェル: Eh, just a tad. (えぇ、ちょっとだけ。)
ドクター・ロング: You're about 80 percent effaced. So you're on your way. It still could last a little while longer. If you're anxious there are a few ways to help things along. (約80% (子宮頸管が)展退しているわ。だから今は途中なの。まだもう少し続く可能性があるわ。もし心配なら、ことの進行を助けるいくつかの方法があるの。)
ロス: Do them!! (それをして下さい!!)
ドクター・ロング: Actually, they're things you can do. Just some home remedies. But in my experience, I've found that some of them are very effective. (実際、その方法は、あなたができることなの。ちょっとした家庭療法よ。でも、私の経験では、そのうちのいくつかは非常に効果的であると思ったわ。)
レイチェル: Well, we are ready to try anything. (えぇ、私たちは何でもトライする準備があります。)
ドクター・ロング: Okay, there's an herbal tea you can drink. (オッケー。ハーブティーを飲む。)
レイチェル: Okay. (オッケー。)
ドクター・ロング: You can take some castor oil. There's eating spicy foods.... (キャスターオイルを取る。スパイシーな食べ物を食べること…)
レイチェル: Great! We will do all of those. (いいですね! それ全部やります!)
ドクター・ロング: Taking a long walk. (長い散歩をすること。)
レイチェル: Good. Done. (いいわ。了解。)
ドクター・ロング: And there's the one that's proved most effective: sex. (そして、最も効果的だと証明されていることがあるの。エッチよ。)
(Rachel turns and looks at Ross.)
レイチェルは向きを変え、(どう?という顔で)ロスを見る。
ロス: You've got to be kidding me! (冗談だろ!)
険悪なムードになっていたロスとレイチェルですが、ロング先生が入ってくると、一転、愛想の良い対応をしたレイチェル。
ロスは不機嫌そうに、「君は先生には良い対応をするんだね」みたいに言うのですが、レイチェルは、「彼女(先生)は薬を持ってるのよ!」と言っています。
先生なら、陣痛促進剤などの出産を促す薬を持ってるだろうから、先生を怒らせるわけにはいかない、ご機嫌を取っていい薬があればもらわなきゃ、ということですね。
先生は検査をしながら、「8日遅れなのね?」と言い、「ちょっと不快な感じになっているに違いないわね」とも言っています。
just a tad の tad は「少量、わずか、ちょっと」という意味。
このように、(just) a tad 〜のような形で使うようです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
tad [noun] (spoken, old-fashioned)
a tad : a small amount, or to a small degree
例) It's a tad expensive.
つまり、「少量、またはわずか」。例文は、「それは少々高価である」。
You're about 80 percent effaced. の efface は「消す、消去する」という他動詞なのですが、この場合の efface というのは、cervical effacement, effacement of cervix 「子宮頸管展退(けいかん・てんたい)」として使われるような「展退する」という動詞のようです。
この場合も、産婦人科医が臨月のレイチェルを検査して、「あなたは約 80% efface された状態になっている」ということですから、「あなたの子宮頸管展退度は 80% ね」とか、「あなたの子宮頸管は 80% 展退しているわね」みたいに表現することになるのでしょう。
effaced という単語がわからなくても、「あなたは約 80% 〜している(されている)状態。だからあなたは on your way にいる。まだもう少し長く続く可能性がある」という医師の言葉から、出産に至る過程がちゃんと進行中であり、今はその途中であることが推測できるように思います。
「心配なら、進展・進行を助ける方法がいくつかある」とも言っていますね。
help ... along は「〜の進展・進行を助ける・支援する」という意味。
along は「沿って、進んで、先へ」というようなニュアンスがありますから、「物事が進展・進行する方向に沿って助ける」という意味で、「進展を助ける」という意味になるのですね。
LAAD では、
help something along, help along something [phrasal verb]:
to make a process or activity happen more quickly or easily
例) She asked a few questions to help the conversation along.
つまり、「ある過程や活動が、より早く、またはより簡単に起こるようにすること」。例文は、「会話が進むように、彼女は2、3の質問をした」。
「出産の進行を助ける方法がある」と言われて、妊婦のレイチェルよりも先にロスの方が「それ(その方法)をして(下さい)!」みたいに言っているのが面白いです。
陣痛がこなくてイライラしているレイチェルに八つ当たりされるのにうんざりしている様子がよくわかりますね。
ロング先生は、「あなたができることよ」と言って、ちょっとした home remedies だと言っています。
私の経験で、それらの方法のいくつかは非常に効果的であると私にはわかった、ということも言っていますね。
経験というのは、ロング先生が実際に自分で試してみたというよりも、患者がこの方法を使って実際に効果を上げるのを見てきた、ということだろうと思います。
a home remedy は「民間療法」(a folk remedy)と考えることもできそうですが、この場合は「医者がいなくても、一人で家でできる方法」みたいな意味での「家庭治療法、家庭療法」と捉える方がいいような気がします。
レイチェルは「私たちは何でもやってみる心の準備はできています」と答え、先生は順番に項目を挙げていきます。
ハーブティー、キャスターオイル、スパイシーフードとなっていますが、キャスターオイルは日本では「ひまし油」と呼ばれているもののようです。下剤として使われることもあるらしいですね。
その他には、長い散歩をする、など、一般的に想像できそうなタイプの療法を説明しているので、レイチェルも「それやります! 了解です」と前向きな様子。
いろいろな方法を挙げた後、ロング先生は And there's the one that's proved most effective 「最も効果的だと証明されたものがある」と、もったいつけたように言っています。
その方法が sex だと聞いたレイチェルは、ロスの方を向いて、いたずらっぽいような顔をして、どうかしら?みたいな表情をロスに向けています。
それを見たロスは、You've got to be KIDDING me! のように、kidding の部分を強く発音して、あきれた顔をしていますね。
直訳すると、「君は僕に冗談を言っているに違いない!」ということですが、相手があまりに信じられないことを言った場合に、「冗談だろ!」というニュアンスでよく使われるフレーズです。
あれだけ僕に突っかかっておいて、陣痛や出産を促すのにエッチが効果的だと聞いた途端に、「どう、試してみない?」みたいな顔するかぁ?と、そのレイチェルの豹変ぶりにあきれているということですね。
★ Rach からのお知らせとご挨拶 ★
10月12日(日)と13日(月祝)の私の初の東京セミナー(セミナーとしては通算5回目と6回目)が、いよいよ、明後日(あさって)、明々後日(しあさって)となりました!
おかげさまで両日とも満席となり、セミナー当日を迎えられますこと、心より感謝申し上げます。ありがとうございます<(_ _)>
「海外ドラマで英語を学ぶ楽しさと面白さ」を、私の言葉でしっかりお伝えしたいと思っています。
「猛烈な」「非常に強い」と形容されている台風19号の今後の進路が気になります。
ご参加して下さる皆様、どうか、どうか、お気をつけてお越し下さいませ。
参加者の皆様とお会いできるのを、お話させていただけるのを、とても楽しみにしていますね!
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レイチェルは予定日が過ぎても赤ちゃんが生まれる兆しがありません。
今、レイチェルとロスは検査のため、産婦人科の診察室に来ているのですが、ロスがするちょっとしたしぐさにまでイラついて、レイチェルはロスに当り散らしています。
あまりにレイチェルが突っかかってくるので、「悪魔(君、レイチェル)と人間(僕、ロス)との間の子供が生まれてくることになるね!」とロスが言い、二人が険悪なムードになったところに、担当医の Dr. Long が入ってきます。
レイチェル: Hi, Dr. Long. How are you? (はーい、ロング先生。ご機嫌いかが?)
ロス: (to Rachel) Oh, you're nice to her. ([レイチェルに] おや、君は先生には優しいんだね[いい人になるんだね]。)
レイチェル: She has the drugs! (彼女は薬を持ってるのよ!)
ドクター・ロング: We'll do a quick check. (さっとチェックしましょう。)
レイチェル: Okay. (Rachel lies back.) (オッケー。[レイチェルは仰向けに横たわる])
ドクター・ロング: So, eight days late, huh? (それで、8日遅れなのよね?)
レイチェル: Yeah. (そうです。)
ドクター・ロング: You must be getting a little uncomfortable. (ちょっと不快になってるに違いないわ。)
レイチェル: Eh, just a tad. (えぇ、ちょっとだけ。)
ドクター・ロング: You're about 80 percent effaced. So you're on your way. It still could last a little while longer. If you're anxious there are a few ways to help things along. (約80% (子宮頸管が)展退しているわ。だから今は途中なの。まだもう少し続く可能性があるわ。もし心配なら、ことの進行を助けるいくつかの方法があるの。)
ロス: Do them!! (それをして下さい!!)
ドクター・ロング: Actually, they're things you can do. Just some home remedies. But in my experience, I've found that some of them are very effective. (実際、その方法は、あなたができることなの。ちょっとした家庭療法よ。でも、私の経験では、そのうちのいくつかは非常に効果的であると思ったわ。)
レイチェル: Well, we are ready to try anything. (えぇ、私たちは何でもトライする準備があります。)
ドクター・ロング: Okay, there's an herbal tea you can drink. (オッケー。ハーブティーを飲む。)
レイチェル: Okay. (オッケー。)
ドクター・ロング: You can take some castor oil. There's eating spicy foods.... (キャスターオイルを取る。スパイシーな食べ物を食べること…)
レイチェル: Great! We will do all of those. (いいですね! それ全部やります!)
ドクター・ロング: Taking a long walk. (長い散歩をすること。)
レイチェル: Good. Done. (いいわ。了解。)
ドクター・ロング: And there's the one that's proved most effective: sex. (そして、最も効果的だと証明されていることがあるの。エッチよ。)
(Rachel turns and looks at Ross.)
レイチェルは向きを変え、(どう?という顔で)ロスを見る。
ロス: You've got to be kidding me! (冗談だろ!)
険悪なムードになっていたロスとレイチェルですが、ロング先生が入ってくると、一転、愛想の良い対応をしたレイチェル。
ロスは不機嫌そうに、「君は先生には良い対応をするんだね」みたいに言うのですが、レイチェルは、「彼女(先生)は薬を持ってるのよ!」と言っています。
先生なら、陣痛促進剤などの出産を促す薬を持ってるだろうから、先生を怒らせるわけにはいかない、ご機嫌を取っていい薬があればもらわなきゃ、ということですね。
先生は検査をしながら、「8日遅れなのね?」と言い、「ちょっと不快な感じになっているに違いないわね」とも言っています。
just a tad の tad は「少量、わずか、ちょっと」という意味。
このように、(just) a tad 〜のような形で使うようです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
tad [noun] (spoken, old-fashioned)
a tad : a small amount, or to a small degree
例) It's a tad expensive.
つまり、「少量、またはわずか」。例文は、「それは少々高価である」。
You're about 80 percent effaced. の efface は「消す、消去する」という他動詞なのですが、この場合の efface というのは、cervical effacement, effacement of cervix 「子宮頸管展退(けいかん・てんたい)」として使われるような「展退する」という動詞のようです。
この場合も、産婦人科医が臨月のレイチェルを検査して、「あなたは約 80% efface された状態になっている」ということですから、「あなたの子宮頸管展退度は 80% ね」とか、「あなたの子宮頸管は 80% 展退しているわね」みたいに表現することになるのでしょう。
effaced という単語がわからなくても、「あなたは約 80% 〜している(されている)状態。だからあなたは on your way にいる。まだもう少し長く続く可能性がある」という医師の言葉から、出産に至る過程がちゃんと進行中であり、今はその途中であることが推測できるように思います。
「心配なら、進展・進行を助ける方法がいくつかある」とも言っていますね。
help ... along は「〜の進展・進行を助ける・支援する」という意味。
along は「沿って、進んで、先へ」というようなニュアンスがありますから、「物事が進展・進行する方向に沿って助ける」という意味で、「進展を助ける」という意味になるのですね。
LAAD では、
help something along, help along something [phrasal verb]:
to make a process or activity happen more quickly or easily
例) She asked a few questions to help the conversation along.
つまり、「ある過程や活動が、より早く、またはより簡単に起こるようにすること」。例文は、「会話が進むように、彼女は2、3の質問をした」。
「出産の進行を助ける方法がある」と言われて、妊婦のレイチェルよりも先にロスの方が「それ(その方法)をして(下さい)!」みたいに言っているのが面白いです。
陣痛がこなくてイライラしているレイチェルに八つ当たりされるのにうんざりしている様子がよくわかりますね。
ロング先生は、「あなたができることよ」と言って、ちょっとした home remedies だと言っています。
私の経験で、それらの方法のいくつかは非常に効果的であると私にはわかった、ということも言っていますね。
経験というのは、ロング先生が実際に自分で試してみたというよりも、患者がこの方法を使って実際に効果を上げるのを見てきた、ということだろうと思います。
a home remedy は「民間療法」(a folk remedy)と考えることもできそうですが、この場合は「医者がいなくても、一人で家でできる方法」みたいな意味での「家庭治療法、家庭療法」と捉える方がいいような気がします。
レイチェルは「私たちは何でもやってみる心の準備はできています」と答え、先生は順番に項目を挙げていきます。
ハーブティー、キャスターオイル、スパイシーフードとなっていますが、キャスターオイルは日本では「ひまし油」と呼ばれているもののようです。下剤として使われることもあるらしいですね。
その他には、長い散歩をする、など、一般的に想像できそうなタイプの療法を説明しているので、レイチェルも「それやります! 了解です」と前向きな様子。
いろいろな方法を挙げた後、ロング先生は And there's the one that's proved most effective 「最も効果的だと証明されたものがある」と、もったいつけたように言っています。
その方法が sex だと聞いたレイチェルは、ロスの方を向いて、いたずらっぽいような顔をして、どうかしら?みたいな表情をロスに向けています。
それを見たロスは、You've got to be KIDDING me! のように、kidding の部分を強く発音して、あきれた顔をしていますね。
直訳すると、「君は僕に冗談を言っているに違いない!」ということですが、相手があまりに信じられないことを言った場合に、「冗談だろ!」というニュアンスでよく使われるフレーズです。
あれだけ僕に突っかかっておいて、陣痛や出産を促すのにエッチが効果的だと聞いた途端に、「どう、試してみない?」みたいな顔するかぁ?と、そのレイチェルの豹変ぶりにあきれているということですね。
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10月12日(日)と13日(月祝)の私の初の東京セミナー(セミナーとしては通算5回目と6回目)が、いよいよ、明後日(あさって)、明々後日(しあさって)となりました!
おかげさまで両日とも満席となり、セミナー当日を迎えられますこと、心より感謝申し上げます。ありがとうございます<(_ _)>
「海外ドラマで英語を学ぶ楽しさと面白さ」を、私の言葉でしっかりお伝えしたいと思っています。
「猛烈な」「非常に強い」と形容されている台風19号の今後の進路が気になります。
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2014年10月08日
居眠りした人は負け フレンズ8-22その1
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シーズン8 第22話
The One Where Rachel is Late (カモン! ベイビー!)
原題は「レイチェルが遅れている話」
レイチェルは、出産予定日を過ぎても、赤ちゃんが生まれる気配がありません。
妊娠中でなくなるのが寂しいわ、などと言っていたレイチェルですが、いつまで経っても生まれてこない赤ちゃんにイライラしている様子で、セントラルパークにいる時も不機嫌です。
また、冒頭シーンでは、ジョーイが出演した第一次世界大戦の映画のプレミアがあって、それにみんなを招待するよ、とジョーイは言っていたのですが、ジョーイのエージェントのエステルから電話が掛かってきます。
(Joey's cell phone rings and he answers it.)
ジョーイの携帯電話が鳴り、ジョーイはそれに出る。
ジョーイ: Hello? (もしもし?)
エステル: Joey! It's Estelle! Great news. I was able to get you and one guest tickets to your premiere. (ジョーイ! エステルよ! いいニュース。あなたのプレミアに、あなたとゲスト一人分のチケットをゲットしたわ。)
ジョーイ: One guest? You told me I can have six tickets! (ゲスト1人? 俺には6枚のチケットがあるって言ってたじゃないですか。)
エステル: Well, I sold four of them on eBay. You'll be sitting next to HotGuy372. (そのうちの4枚を私は eBay(イーベイ)で売ったの。あなたは HotGuy372 の隣に座ることになるわ。)
ジョーイ: Oh, my God. So that's it?! I only get to bring one guest? (なんてこった。で、それだけ? 俺はゲスト一人を連れて行くことになるだけなの?)
エステル: Yeah. What time do you wanna pick me up? (Joey hangs up on her.) Hello? (そうよ。何時に私を車で迎えにきてくれる? [ジョーイはエステルの電話を切る] もしもし?)
ジョーイ: (to Monica, Chandler, and Phoebe) You hear that? I only get one extra ticket to my premiere. So somehow I have to pick between you three and Ross. ([モニカ、チャンドラー、フィービーに] 今の聞いた? 俺のプレミアへのチケットは余分に1枚だけだ。だから、どうにかして、君ら3人とロスの中から俺は選ばないといけない。)
レイチェル: (overhearing that) What-what about me? ([その会話を耳に挟んで] 私はどうなの?)
ジョーイ: You said you didn't want to go. (レイチェルは行きたくないって言ってたじゃないか。)
レイチェル: I don't. But I would still like to be acknowledged. What? Just because I'm pregnant, I'm invisible? (行きたくないわ。でも、それでも(存在を)認められたい[認識されたい]と思うもの。何? 私がただ妊娠してるってだけで、私は目に見えないの?)
ジョーイ: Definitely not invisible. (目に見えない、ってことは絶対にない。)
モニカ: Well, you know, Ross didn't care enough to be here, so I think he's out. You know, you snooze, you lose. (ねぇ、ほら、ロスはこの場にいるほどにはそのことを気にしてなかったわ。だから彼は除外ね。ほら、居眠りした人は負けよ。)
チャンドラー: He's not snoozing. He's teaching a class. (ロスは居眠りしてないよ。ロスは授業を教えてるんだ。)
モニカ: Well, then somebody's snoozing. (あぁ、それなら、誰かが居眠りしてるわね。)
エステルは Great news. と言っていますが、内容を聞いてみると、「あなたの映画のプレミア、あなたと、一人のゲスト分のチケットをゲットすることができた」と言っています。
ジョーイが言っているように、エステルは以前、6人分のチケットがあると言っていて、ジョーイもそれを見越してフレンズ全員を招待すると言っていたのに、自分以外にはゲスト一人のみ、と聞いて驚き怒っています。
その後のエステルの話を聞くと、実際には6枚のチケットがあったようですが、そのうちの4枚をエステルが売ってしまったことがわかります。
eBay (イーベイ)は、ネットオークションサイトの名前ですね。
eBay で売った、と説明した後、「あなたは HotGuy372 の隣に座ることになる」と言っているのが、いかにもネットオークションがらみのセリフで面白いです。
エステルが売ったチケットをオークションで競り落としたのが、ハンドルネーム HotGuy372 という人物だったということで、その人が当日、あなたの席の隣に座ることになるわ、と言っているわけですね。
hot は「セクシーな」という意味があるので、「セクシー男/セクシー野郎372」みたいなハンドルを自分で名乗っている面白さです。
That's it? は「それだけ? それでおしまい?」という感覚。
get to は「〜することになる」というニュアンスで、「俺はただ、一人のゲストを連れて行くだけになる?」と言っていることになります。
フレンズ全員を連れて行けると思っていたのに、たった一人だけなの?という失望感が出ていますね。
6枚あると言っておきながら、4枚分を売り払ってしまったエステルは、悪びれた様子もなく^^ 「何時に私を迎えに来てくれる?」みたいに言っています。
pick up は「車で拾う、車で迎えに来る」というニュアンスですね。
そんな図々しいことをいうエステルの電話を、話にならないとばかりに切った後、ジョーイは「今の電話の話、聞いた? 俺はプレミアへのチケットを1枚だけしかゲットできないんだ」と言って、「だから、どうにかして・何とかして、君ら3人と、この場にいないロスも含めた4人の中から、連れて行く人を一人選ばないといけない」と言います。
そばでその話を聞いていたレイチェルは、「4人」と聞いて、「私はどうなるの?」と言っています。
ジョーイは、「君は行きたくないって言ってたじゃないか」と言いますが、それは、最初にそのプレミアの話を聞いた時に、「私は出産があるから無理だわ」と言っていたことに由来します。
それに対してレイチェルは、I don't. But I would still like to be acknowledged. と返します。
I don't. は、I don't want to go. 「私は行きたくない」ということですね。
これが、I didn't. なら、I didn't say I didn't want to go. 「私は行きたくないなんて言ってない」になるだろうと思います。
You said you didn't want to go. は、You said you don't want to go. 「行きたくない、と言った」が、時制の一致で you didn't になっているということですから、I don't. という「現在形」が指すものと言えば、「言ったか言わなかったか」という you said の方ではなく、「行きたいと思っているかそうではないか」という you didn't/don't want to go の方になる、ということです。
I would still like to be acknowledged. の acknowledge は「〜の存在を認める」という意味。
ですからレイチェルは、「プレミアには行きたくないけど、それでも、(人に)存在を認められたいと思ってるわ」と言っていることになります。
「行きたいから数に入れて、って言っているわけじゃないけれど、存在を無視されるのはいやだわ」ということですね。
Just because 以下は、「私が妊娠してるから、ってだけで、私は目に見えないの? 透明人間なの?」みたいに言っているニュアンス。
Definitely not invisible. の definitely 「絶対に、確実に」は、not という否定を強調しており、「目に見えないっていうことは全くない」と、「透明であるかのように、目に見えない」なんてことは全くないよ、と否定していることになります。
レイチェルは今、臨月の妊婦さんだということで、お腹も巨大になっており、視界の大きな部分を占領している(笑)感じだから、透明人間みたいに目に見えないなんてとんでもないよ、と言っていることになります。
Ross didn't care enough to be here, so I think he's out. について。
ジョーイは between you three and Ross と表現しましたが、「君ら3人」は目の前にいる3人を指していて、and Ross と言われたロスは、この場にいない、ということですね。
その「ここにいないロス」について、妹のモニカが発言しているわけですが、enough to do は「〜するのに十分な、〜するのに足る」という意味で使われます。
ここでは、be 動詞が使われているので、care enough to be here というのは、「ここにいるのに十分なほど気にかけている」というニュアンスになります。
プレミアに行きたいのならここにいるべきなのに、ここにいないってことは、そんなにプレミアに行きたいわけでもないのよ、みたいにモニカは言っていることになるでしょう。
he's out の out は「はずれて」というニュアンスから「彼は除外ね」ということですね。
snooze は「居眠りする、うたた寝する」。
目覚まし時計のスヌーズ機能のスヌーズです。
You snooze, you lose. は決まり文句のようで、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) に、そのままの形で載っていました。
you snooze, you lose: used to tell someone that they will miss something if they do not pay attention and act quickly
つまり、「もし注意を払わない、またはすぐに行動しないと、何かを逃すだろうと、人に言うために使われる」。
直訳すると、「人が居眠りすると、人は負ける」、つまり、「居眠りした人は負け」ということですよね。
居眠りしている、つまり、対話に参加しない状態でいると、戦わずして負けよ、というところで、「十分な注意を払わない、すぐに行動しないでもたもたしている」ことを、「居眠りする」と表現しているのが面白い部分だと思います。
日本語で言うと、「ぼんやりしてる、ぼやぼやしてる」みたいな感じでしょう。
元々、プレミアへのチケットは6人分あるはずでしたし、それが「ジョーイ以外に一人だけ」となったことをロスはもちろん知るはずがありません。
「チケットが1枚だけになったから、プレミアに参加したい人は、セントラルパークに集合!」という号令があったわけでもないのに、「この場にいないってことは、そんなにプレミアに行きたいわけでもないのよ」みたいに言っているモニカの言い分はかなり無理があることがよくわかりますね。
モニカの夫のチャンドラーは、妻のモニカが実兄ロスに対して非情なことw を言っているので、「ロスは居眠りしてるんじゃない。ロスは授業を教えてるんだ」と、ロスをかばいます。
それを聞いたモニカが、「それじゃあ、誰かは居眠りしてるわね」と言っているのが面白いです。
フレンズたちは、ロスの専門的な恐竜(オタク)話を聞かされている時、退屈したり、眠ったふりをしたりすることがよくありますね。
「ロスは別に居眠りしてサボってるわけじゃないよ。今、彼は大学の先生っていう仕事をしてる最中だろ」とチャンドラーが言うのを聞いて、「ロスが今、恐竜の講義をしているとしたら、確かにロスは居眠りしていないかもしれないけど、講義を聞いている学生の誰かがきっと居眠りしてるわね」と言うところに、容赦のない妹モニカの感じがよく出ていると思いました。
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The One Where Rachel is Late (カモン! ベイビー!)
原題は「レイチェルが遅れている話」
レイチェルは、出産予定日を過ぎても、赤ちゃんが生まれる気配がありません。
妊娠中でなくなるのが寂しいわ、などと言っていたレイチェルですが、いつまで経っても生まれてこない赤ちゃんにイライラしている様子で、セントラルパークにいる時も不機嫌です。
また、冒頭シーンでは、ジョーイが出演した第一次世界大戦の映画のプレミアがあって、それにみんなを招待するよ、とジョーイは言っていたのですが、ジョーイのエージェントのエステルから電話が掛かってきます。
(Joey's cell phone rings and he answers it.)
ジョーイの携帯電話が鳴り、ジョーイはそれに出る。
ジョーイ: Hello? (もしもし?)
エステル: Joey! It's Estelle! Great news. I was able to get you and one guest tickets to your premiere. (ジョーイ! エステルよ! いいニュース。あなたのプレミアに、あなたとゲスト一人分のチケットをゲットしたわ。)
ジョーイ: One guest? You told me I can have six tickets! (ゲスト1人? 俺には6枚のチケットがあるって言ってたじゃないですか。)
エステル: Well, I sold four of them on eBay. You'll be sitting next to HotGuy372. (そのうちの4枚を私は eBay(イーベイ)で売ったの。あなたは HotGuy372 の隣に座ることになるわ。)
ジョーイ: Oh, my God. So that's it?! I only get to bring one guest? (なんてこった。で、それだけ? 俺はゲスト一人を連れて行くことになるだけなの?)
エステル: Yeah. What time do you wanna pick me up? (Joey hangs up on her.) Hello? (そうよ。何時に私を車で迎えにきてくれる? [ジョーイはエステルの電話を切る] もしもし?)
ジョーイ: (to Monica, Chandler, and Phoebe) You hear that? I only get one extra ticket to my premiere. So somehow I have to pick between you three and Ross. ([モニカ、チャンドラー、フィービーに] 今の聞いた? 俺のプレミアへのチケットは余分に1枚だけだ。だから、どうにかして、君ら3人とロスの中から俺は選ばないといけない。)
レイチェル: (overhearing that) What-what about me? ([その会話を耳に挟んで] 私はどうなの?)
ジョーイ: You said you didn't want to go. (レイチェルは行きたくないって言ってたじゃないか。)
レイチェル: I don't. But I would still like to be acknowledged. What? Just because I'm pregnant, I'm invisible? (行きたくないわ。でも、それでも(存在を)認められたい[認識されたい]と思うもの。何? 私がただ妊娠してるってだけで、私は目に見えないの?)
ジョーイ: Definitely not invisible. (目に見えない、ってことは絶対にない。)
モニカ: Well, you know, Ross didn't care enough to be here, so I think he's out. You know, you snooze, you lose. (ねぇ、ほら、ロスはこの場にいるほどにはそのことを気にしてなかったわ。だから彼は除外ね。ほら、居眠りした人は負けよ。)
チャンドラー: He's not snoozing. He's teaching a class. (ロスは居眠りしてないよ。ロスは授業を教えてるんだ。)
モニカ: Well, then somebody's snoozing. (あぁ、それなら、誰かが居眠りしてるわね。)
エステルは Great news. と言っていますが、内容を聞いてみると、「あなたの映画のプレミア、あなたと、一人のゲスト分のチケットをゲットすることができた」と言っています。
ジョーイが言っているように、エステルは以前、6人分のチケットがあると言っていて、ジョーイもそれを見越してフレンズ全員を招待すると言っていたのに、自分以外にはゲスト一人のみ、と聞いて驚き怒っています。
その後のエステルの話を聞くと、実際には6枚のチケットがあったようですが、そのうちの4枚をエステルが売ってしまったことがわかります。
eBay (イーベイ)は、ネットオークションサイトの名前ですね。
eBay で売った、と説明した後、「あなたは HotGuy372 の隣に座ることになる」と言っているのが、いかにもネットオークションがらみのセリフで面白いです。
エステルが売ったチケットをオークションで競り落としたのが、ハンドルネーム HotGuy372 という人物だったということで、その人が当日、あなたの席の隣に座ることになるわ、と言っているわけですね。
hot は「セクシーな」という意味があるので、「セクシー男/セクシー野郎372」みたいなハンドルを自分で名乗っている面白さです。
That's it? は「それだけ? それでおしまい?」という感覚。
get to は「〜することになる」というニュアンスで、「俺はただ、一人のゲストを連れて行くだけになる?」と言っていることになります。
フレンズ全員を連れて行けると思っていたのに、たった一人だけなの?という失望感が出ていますね。
6枚あると言っておきながら、4枚分を売り払ってしまったエステルは、悪びれた様子もなく^^ 「何時に私を迎えに来てくれる?」みたいに言っています。
pick up は「車で拾う、車で迎えに来る」というニュアンスですね。
そんな図々しいことをいうエステルの電話を、話にならないとばかりに切った後、ジョーイは「今の電話の話、聞いた? 俺はプレミアへのチケットを1枚だけしかゲットできないんだ」と言って、「だから、どうにかして・何とかして、君ら3人と、この場にいないロスも含めた4人の中から、連れて行く人を一人選ばないといけない」と言います。
そばでその話を聞いていたレイチェルは、「4人」と聞いて、「私はどうなるの?」と言っています。
ジョーイは、「君は行きたくないって言ってたじゃないか」と言いますが、それは、最初にそのプレミアの話を聞いた時に、「私は出産があるから無理だわ」と言っていたことに由来します。
それに対してレイチェルは、I don't. But I would still like to be acknowledged. と返します。
I don't. は、I don't want to go. 「私は行きたくない」ということですね。
これが、I didn't. なら、I didn't say I didn't want to go. 「私は行きたくないなんて言ってない」になるだろうと思います。
You said you didn't want to go. は、You said you don't want to go. 「行きたくない、と言った」が、時制の一致で you didn't になっているということですから、I don't. という「現在形」が指すものと言えば、「言ったか言わなかったか」という you said の方ではなく、「行きたいと思っているかそうではないか」という you didn't/don't want to go の方になる、ということです。
I would still like to be acknowledged. の acknowledge は「〜の存在を認める」という意味。
ですからレイチェルは、「プレミアには行きたくないけど、それでも、(人に)存在を認められたいと思ってるわ」と言っていることになります。
「行きたいから数に入れて、って言っているわけじゃないけれど、存在を無視されるのはいやだわ」ということですね。
Just because 以下は、「私が妊娠してるから、ってだけで、私は目に見えないの? 透明人間なの?」みたいに言っているニュアンス。
Definitely not invisible. の definitely 「絶対に、確実に」は、not という否定を強調しており、「目に見えないっていうことは全くない」と、「透明であるかのように、目に見えない」なんてことは全くないよ、と否定していることになります。
レイチェルは今、臨月の妊婦さんだということで、お腹も巨大になっており、視界の大きな部分を占領している(笑)感じだから、透明人間みたいに目に見えないなんてとんでもないよ、と言っていることになります。
Ross didn't care enough to be here, so I think he's out. について。
ジョーイは between you three and Ross と表現しましたが、「君ら3人」は目の前にいる3人を指していて、and Ross と言われたロスは、この場にいない、ということですね。
その「ここにいないロス」について、妹のモニカが発言しているわけですが、enough to do は「〜するのに十分な、〜するのに足る」という意味で使われます。
ここでは、be 動詞が使われているので、care enough to be here というのは、「ここにいるのに十分なほど気にかけている」というニュアンスになります。
プレミアに行きたいのならここにいるべきなのに、ここにいないってことは、そんなにプレミアに行きたいわけでもないのよ、みたいにモニカは言っていることになるでしょう。
he's out の out は「はずれて」というニュアンスから「彼は除外ね」ということですね。
snooze は「居眠りする、うたた寝する」。
目覚まし時計のスヌーズ機能のスヌーズです。
You snooze, you lose. は決まり文句のようで、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) に、そのままの形で載っていました。
you snooze, you lose: used to tell someone that they will miss something if they do not pay attention and act quickly
つまり、「もし注意を払わない、またはすぐに行動しないと、何かを逃すだろうと、人に言うために使われる」。
直訳すると、「人が居眠りすると、人は負ける」、つまり、「居眠りした人は負け」ということですよね。
居眠りしている、つまり、対話に参加しない状態でいると、戦わずして負けよ、というところで、「十分な注意を払わない、すぐに行動しないでもたもたしている」ことを、「居眠りする」と表現しているのが面白い部分だと思います。
日本語で言うと、「ぼんやりしてる、ぼやぼやしてる」みたいな感じでしょう。
元々、プレミアへのチケットは6人分あるはずでしたし、それが「ジョーイ以外に一人だけ」となったことをロスはもちろん知るはずがありません。
「チケットが1枚だけになったから、プレミアに参加したい人は、セントラルパークに集合!」という号令があったわけでもないのに、「この場にいないってことは、そんなにプレミアに行きたいわけでもないのよ」みたいに言っているモニカの言い分はかなり無理があることがよくわかりますね。
モニカの夫のチャンドラーは、妻のモニカが実兄ロスに対して非情なことw を言っているので、「ロスは居眠りしてるんじゃない。ロスは授業を教えてるんだ」と、ロスをかばいます。
それを聞いたモニカが、「それじゃあ、誰かは居眠りしてるわね」と言っているのが面白いです。
フレンズたちは、ロスの専門的な恐竜(オタク)話を聞かされている時、退屈したり、眠ったふりをしたりすることがよくありますね。
「ロスは別に居眠りしてサボってるわけじゃないよ。今、彼は大学の先生っていう仕事をしてる最中だろ」とチャンドラーが言うのを聞いて、「ロスが今、恐竜の講義をしているとしたら、確かにロスは居眠りしていないかもしれないけど、講義を聞いている学生の誰かがきっと居眠りしてるわね」と言うところに、容赦のない妹モニカの感じがよく出ていると思いました。
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