2014年10月06日

私が呼ぶのに常に備えていて欲しい フレンズ8-21その6

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前回の続きです。ロスは、赤ちゃん用品店で知り合った美人の店員ケイティーとのデートから帰ってきました。
ケイティーとのデートはどうだった?と自分で尋ねておきながらも、一人でイライラしてロスに八つ当たりしているようなレイチェル。
「不機嫌なのは、妊娠ホルモンが出たせいかな?」と言うロスに、
レイチェル: No! It's just that, Katie bothered me. (違うわ! ただ、ケイティーが私を嫌な気持ちにさせるのよ。)
ロス: Why? What was wrong with her? (どうして? 彼女のどこが悪いの?)
レイチェル: There was nothing wrong with her! All right? She was perfectly lovely! (彼女に悪いところなんかないわ! いい? 彼女は完璧に愛らしかったわよ!)
ロス: Okay. So, what's the matter? (わかった。で、一体どうしたの?)
レイチェル: I don't want you to date her! (私は、あなたに彼女とデートして欲しくないの!)
ロス: (laughs) Why? What, what, are you jealous? ([笑って] どうして? 何、何? 君はヤキモチやいてるの?)
レイチェル: Yes! And not because I want you to go out with me. Because I don't want you to go out with anybody! Okay? I know it's a terrible thing to even think this, and it's completely inappropriate, but I want you to be at my constant beck and call, 24 hours a day! I'm very sorry, but that is just the way that I feel. (そうよ! そして(それは)あなたに私とデートして欲しいからじゃないわ。私はあなたに誰ともデートして欲しくないからなの! いい? こんなことを考えることさえ、ひどいことだと思うし、全く不適切だけど、でも、私はあなたに、私がひっきりなしに呼ぶことに常に備えていて欲しいのよ、四六時中ね! 本当に申し訳ないけど、でも、今のが、私の感じ方なのよ。)
ロス: Okay. (わかった。)
レイチェル: What?! (何?)
ロス: I won't date. I'll uh, I'll be here, with you, all the time. (僕はデートしないよ。僕はここにいるよ、君と一緒に、いつでも。)
レイチェル: Really? But I'm being so unreasonable. (ほんとに? でも私はすっごく理不尽になってるのに。)
ロス: True, but you're allowed to be unreasonable. You're having our baby. (そうだね。でも、君は理不尽でいてもいいんだよ。君は僕たちの赤ちゃんを産むんだから。)
(Pause.)
レイチェル: (starting to cry) Oh, Ross, thank you. Thank you. (They hug.) ([泣き始める] あぁ、ロス、ありがとう。ありがとう。[二人はハグする])

It's just that は「ただ〜なだけである」という感覚。
It's not that A, it's just B 「A ってわけじゃない、ただ B ってだけなんだ」という対比の形でよく使われますね。

「不機嫌で、何かと突っかかってくるのは、ホルモンバランスが悪いせい?」みたいに言われたので、「ホルモンとかのせいじゃなくて、ただケイティーが私を嫌な気持ちにさせるの、ケイティーに私はイライラするの」と言っていることになります。

ロスは「彼女のどこが・何が悪いの・いけないの?」と尋ねていますが、レイチェルは「彼女には悪いところはない。彼女は完璧にラブリーだった・愛らしかった」と言っています。
この過去形も、「自分が過去にケイティーに会った時の印象」を語っているということですね。

「彼女が私をいらいらさせる。でも彼女に悪いところはない」と言う説明にロスは納得できない様子で、「どうしたの?」と尋ねると、レイチェルは、「私はあなたに彼女とデートして欲しくないの! 私はあなたが彼女とデートするのがいやなの!」みたいに言っています。
それを聞いた観客はかすかにざわめいていますね。
「あなたが彼女とデートするのはいや!」という発言は、まさにヤキモチそのもので、フィービーに対しても「私はヤキモチなんかやいてない」と言っていたレイチェルが、本人のロスに対してそんな大胆なセリフを言ったため、観客も驚いているわけです。

ロスもそのセリフに驚き、動揺した様子で「何? 君はヤキモチやいてるの?」と尋ねると、レイチェルがはっきり、Yes! と断言するので、ロスはひるみ、観客からはかすかな笑い声も起こっています。
「私はあなたが他の女性とデートしたらいやなの。私はヤキモチをやいてるわ」と認めたことになるので、「それって、レイチェルはやっぱり今でもロスのことが好きだと認めたのと同じじゃないか」ということで、ロスも観客もそういう反応になるわけです。

ですがその後、レイチェルは、And not because A. Because B. のような文章で、「そしてそれは A だからという理由じゃなくて、B だからという理由である」と、「ヤキモチをやいている理由」を説明しています。
前半は、「あなたに私とデートして欲しいからじゃない」。後半は「私はあなたが誰ともデートして欲しくない」。
つまり、「あの子とデートなんかしないで私とデートして」と言ってるんじゃなくて、「私とデートして欲しいわけじゃないけど、とにかくあなたには誰ともデートして欲しくない」と言っていることになります。
かなり理不尽な発言ですが、その後、まだ説明は続きます。
前振りとして、「こんなことを考えることすらひどいことだし、全く不適切だけど」と言っているように、レイチェル自身も、「我ながらひどいことを言っていると思うし、他人が聞いたら不適切な発言だと思うだろうけど」とわかってはいる、ということです。

I want you to be at my constant beck and call, 24 hours a day! について。
at someone's beck and call というのは成句で、「人の言いなりになって」という意味。

beck というのは、beckon 「合図する、手招きする、手招きして呼ぶ」の短縮形になります。
この短縮形の beck は、この成句でしか使わないようで、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) でも、
beck [noun]
be at somebody's beck and call : to always be ready to do what someone wants

つまり、「誰かが望むことをすることにいつでも準備ができている・備えているということ」。

beck も call も「(人を)呼ぶ(こと)」というニュアンスなので、「”誰かが呼ぶこと”の地点・ポイントにいる」というような感覚が、be at someone's beck and call になるのでしょう。

レイチェルのセリフではさらに、constant 「コンスタント」「絶え間ない、休みなく続く、ひっきりなしの」がついていますね。
「私のコンスタントなベック&コールにいて欲しい」ということですから、この constant は、「レイチェルがロスを呼ぶことが絶え間ない、ひっきりなしに呼ぶ」という意味で、「レイチェルが(ロスを)呼ぶことがひっきりなしである、絶え間なく起こる」と言っていることになるでしょう。

24 hours a day は文字通り、「一日に24時間」、日本語で言うと、「四六時中」というニュアンスですね。
ここでもまた、「本当に申し訳ないと思うけど」と詫びを入れていますが、「今のがまさに私の感じ方なの、それが私の気持ちなの」と言っています。

興奮したようにまくし立てて、レイチェル自身も理不尽この上ないと思っているこの発言に対して、意外にもロスはあっさり、Okay. と言っています。
あまりにあっさり Okay. と言うので、逆にレイチェルの方が驚いていますね。

I won't date. I'll uh, I'll be here, with you, all the time. というロスのセリフはとても優しいですね。
「僕は(これから、今後は)デートしない。僕はここにいるよ、君と一緒に、いつでも」。
「他の人とデートなんかしないで、私があれやこれやとひっきりなしにあなたを呼ぶことに常に備えていて欲しいの」というレイチェルの願いを聞き入れ、「僕は誰ともデートしないで、ずっと君のそばにいて、四六時中ぶつけられるどんな無理難題にもちゃんと応じてあげるよ」と答えたことになるわけですね。

レイチェルは驚きを隠せないまま、「ほんとに? でも私はすごく理不尽になってるのに・理不尽なことを言ってるのに」と言います。
この I'm being so unreasonable. という、be動詞の進行形(be動詞+being)の形は、以下の過去記事にも出てきました。
フレンズ2-19その1
エディー: I don't think you're being fair! (お前の今の話はフェアじゃないと思うぞ!)
この水着はサポーティブ? フレンズ6-19その6
ロス: I'm just being supportive. (僕はただ協力的であるだけだよ。)
それぞれの記事でも、この be動詞の進行形(be動詞+being)のニュアンスを説明していますので、ご興味のある方は併せてお読みいただけると幸いです。

このような「be 動詞+being」を直訳すると、「〜であるという状態を今まさにしているところ」みたいな感覚になるでしょう。
I'm so unreasonable. という普通の現在形だと、「私は理不尽である」という「性格、普段の言動」を述べていることになりますが、それを進行形にして、I'm being so unreasonable. にすると、「この瞬間、一時的に、unreasonable な状態になっている」というニュアンスが出せる、ということですね。

True, but の true は「それは本当だね、それは事実だね」ということで、レイチェルの発言が理不尽であるということをロスも認めた上で、「でも君は理不尽になることが許されている、理不尽でいてもよい」と言っています。
その理由として、「君は僕たちの赤ちゃんを産むんだから」と言っていますね。
僕との間の子供を産むんだから、僕にわがまま言っても構わないんだよ、どんなに無理を言ってもいいんだよ、ということで、ロスの優しさが出た良いセリフになっていると思いました。


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posted by Rach at 14:40| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月05日

東京セミナー満席となり増席しました

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【満員御礼&増席】
10月12日、13日開催の東京セミナーですが、12日(日)に続き、13日(月祝)も定員の30名に達し、両日とも満員御礼となりました♪
お申込下さった皆様、本当にありがとうございました<(_ _)>
13日の会議室はあと少しだけ椅子を増やせますので、5席増席します。
(残念ながら、12日の会場は増席できません。申し訳ありません)

増席分のお申し込みも、以下の「こくちーず」で受け付けています。
こくちーず:私の先生は海外ドラマ 〜生きたセリフで英語4技能を伸ばす〜
どうかよろしくお願いいたします!

取り急ぎ、満席となりましたご報告及びお礼と、
増席のお知らせまで(^^)


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posted by Rach at 09:21| Comment(9) | セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月03日

インディと呼ばれたらゴリラとだってデートする フレンズ8-21その5

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赤ちゃん用品店で買い物中のロスに興味を持ったらしい美人の女性店員は、ロスの家に商品を届けに来た時に、「実はあなた(ロス)を誘いたくてここに来た」と言います。
古生物学に興味があり、ロスを「インディ・ジョーンズみたい」とまで言うその美人の店員(ケイティー)に誘われたロスは、まんざらでもない様子。
レイチェルははっきりとは言葉に出さないまでも、二人がデートに行くことにイライラしている様子がありありなのですが、結局、ロスとケイティーはデートに出かけてしまいました。
[Scene: Ross and Rachel's, Ross is returning from his date.]
ロスとレイチェルの家。ロスはデートから帰ってきたところ。
ロス: Hey. (やあ。)
レイチェル: Hi! You're back from your date! (はーい! あなたはデートから帰ってきたのね!)
ロス: How are you? (君はどう?[気分はどう?])
レイチェル: I'm fine. But that's not important. What's important is how was she? (私は元気よ。でもそんなことは重要じゃないわ。重要なことは彼女はどうだったか?ってことよ。)
ロス: Uhh, it was fun. We, we just had coffee. (あぁ、楽しかったよ。僕たちはただコーヒーを飲んだだけだ。)
レイチェル: Oh uh-huh, uh-huh, coffee, a little rub-rub-rub under the table? (あぁ、ふーん、ふーん、コーヒーね。テーブルの下で、ちょっと、すりすりすり、ってしたり?)
ロス: What's uh, what's going on? Do you not, do you not like Katie? (一体何が起こってるの? レイチェルは、レイチェルはケイティーが好きじゃないの?)
レイチェル: No! No, she's-She was nice. I mean, she's a little slutty, but who isn't? (いいえ! いいえ、彼女は素敵だったわ。ただ、彼女はちょっと、ふしだらね、でも、ふしだらじゃない人なんていないしね。)
ロス: Well, I liked her. (あぁ、僕も彼女をいいなと思ってたよ。)
レイチェル: Of course you did, Ross. You would date a gorilla if it called you Indiana Jones! (そりゃ、いいなと思ったでしょうよ、ロス。あなたはゴリラとでもデートするでしょうね、もし、それ(そのゴリラ)があなたをインディ・ジョーンズと呼べば。)
ロス: Did you get like a fresh batch of pregnancy hormones today?! (今日は、また新しい妊娠ホルモンが一気にまとめて出た、とかなの?)

デートから帰ってきたロスに、レイチェルは「あなたはデートから帰ってきたのね!」と声をかけています。
ロスが How are you? と尋ね、レイチェルが、I'm fine. と答えていますが、「典型的な挨拶」として習うこのようなやりとりは、実際の会話ではあまり見かけないですね。
今回の場合は、レイチェルが妊婦であり、なおかつ予定日も近いので、しばらく外に出かけていて帰ってきたロスが「調子・具合・気分はどう?」みたいな感じで尋ねていることになります。
「レイチェルはどう・どんな感じ?」と尋ねられて、「私はオッケーよ」のように I'm fine. と答えるまでは普通ですが、その後、「そんなことは重要じゃない。重要なことは、彼女がどうだったか?ということよ」と尋ねているところに、「私の調子なんかどうでもいいから、デート相手がどうだったかを早く聞きたいわ」というレイチェルの気持ちがよく出ていますね。

「彼女はどうだった?」みたいに聞かれて、「楽しかった。ただコーヒーを飲んだだけだ」とロスは説明しています。
「ただコーヒーを飲んだだけ」をそのまま受け取ると、日本語で言うと「ちょっとお茶しただけ」みたいなことで、その後、食事とか、または別の場所に繰り出したりしなかった、そんなにデートは盛り上がらなかったんだろうなということがわかりますね。
「ふーん、コーヒー飲んだだけだったんだー」みたいに言っていればいいものを、レイチェルは「テーブルの下で、a little rub-rub-rub (したの?)」みたいに言っています。
rub は「こする(こと)」ですね。
DVD の日本語訳も、
(字幕)テーブルの下で スリスリしたの?/(音声)スリスリ付きでしょ? テーブルの下で。
となっていましたが、まさにそういう「スリスリする」ニュアンスだと私も思いました。

お茶しただけだと言っているのに、テーブルの下でお触りとかしたんでしょ、みたいなことを言われたロスは、「一体、何が起こってるの? レイチェルはケイティーのことが好きじゃないの?」とダイレクトに尋ねています。
それに対してレイチェルは、「彼女はいい人だったわ」と言った後、「彼女はちょっと slutty だけど、でも、誰が slutty じゃないと言うの?」みたいなセリフを言っています。

She was nice. とレイチェルが過去形を使っているのは、レイチェルは店で買い物をした時と、ロスを誘いにこの家に来た時、というその「過去の時点での彼女」の姿しか知らないので、「私が会った時のケイティーは、いい人だった」と過去形で表現していることになるでしょう。
She is nice. 「彼女はいい人よ」と言えるほど彼女のことを知らない、彼女と過去に2回会っただけで、その時の印象は「彼女はいい人だった」と言っていることになるわけですね。

前回の記事で、トイザらスをもじった Sluts-R-Us という言葉が出てきたように、slut は「ふしだら女」で、slutty はその形容詞形で「ふしだらな」ということですね。
but who isn't? というのは、「でも誰がそうじゃないと言うの?」ということで、つまりは「そうじゃない人なんかいない。人はみんな slutty である」と言っている反語表現になります。
レイチェルは、「彼女はちょっとふしだらだけど、でも、みんなふしだらなところはあるし、ふしだらじゃない人なんかいないものね」みたいに言っているのですね。
人間誰しもふしだらな部分を持ってるから、彼女がちょっとふしだらだと言っても、それで彼女を責めるわけにはいかないわよね、という感覚になります。

その後、I liked her. とロスは言っていますが、これは「人間として、感じのいい人だと思う」くらいの軽いニュアンスでしょう。
それも、liked のように過去形になっているので、「彼女のことをいいなと思っていた」程度になるでしょうね。
I like her. 「彼女のこと、いいと思うよ。彼女が好きだよ」という現在形ではなく、わざわざ過去形が使われていることから、「デートしてる時はいいなと思ったけど、”彼女のことが気に入ってるからこの先にもまたデートする”ってことではない」感じも出ているように思います。
レイチェルがケイティーのことを言うのに過去形を使うのは、「過去に2回会っただけで、その時の印象を語っているから」で、ロスが過去形を使っているのは、「デートしようと思った時、デートしていた時はそう思っていたけれど、今もずっとそう思っているわけではない」と、今は彼女に対して特別な感情を抱いていない感が出ているのではないかな、ということです。

I liked her. と言ったことに対して、レイチェルは Of course you did 、つまり、Of course you liked her 「そりゃもちろん、あなたは彼女のことが好きだったでしょうよ、いいなと思ったでしょうよ」みたいに言っています。
そう思ったに決まってるわ、みたいな発言の後で、レイチェルがそのように思う理由を述べていますね。

You would date a gorilla if it called you Indiana Jones! は典型的な仮定法過去ですね。
直訳すると、「あなたはゴリラと(でも)デートするでしょう、もしそれ(ゴリラ)があなたをインディ・ジョーンズと呼ぶのなら」になるでしょう。
ゴリラはしゃべらないので^^ 「現実とは反対の仮定」である仮定法過去が使われているのですね。
これは、店の会計のシーンで、ロスがジムに通っていると聞いた後、
レジ係(ケイティー): I can tell you work out. A paleontologist who works out, you're like Indiana Jones. (あなたがワークアウト(運動)してるって私にはわかります。鍛えている古生物学者、、あなたはまるでインディ・ジョーンズ(インディアナ・ジョーンズ)みたいね。)
と言われてロスが喜んでいたのを、レイチェルが不満そうな顔で見ていた、というシーンがあったことに由来しています。

「あなたって、インディみたい」とか褒められたらどんな相手とだってデートするでしょうよ、例えゴリラがそう言ったとしても、あなたはそのゴリラとデートするに違いないわ、と言っていることになるのですね。

「あんな風に褒められれば、おだてられれば、誰とだって(人間じゃなくてゴリラとだって)デートする」というのは、典型的なヤキモチのセリフですね^^
ケイティーは美人だし、男性から見たら魅力的な女性であることはレイチェルにもわかる、それだけに「美人だからって、デレデレしちゃって」みたいにケイティーのルックスをあまり褒めたくない、それで、「インディ・ジョーンズみたい、とか言われて、いい気になっちゃってさ」みたいに、「インディみたいだと褒められたことが、ロスがデートを決めた要因」であるかのように言ってみせたわけでしょう。
「ゴリラ」の名前を出したところに、レイチェルのヤキモチ具合がよく表れていて、何だかとてもレイチェルが可愛らしいなぁ、と思います(^^)

その次の、Did you get like a fresh batch of pregnancy hormones today?! について。
直訳すると、「君は今日、新たな、ひとまとまりの妊娠ホルモンとかをゲットしたのか?」になるでしょう。
batch は「バッチ処理(一括処理)」のバッチで、「ひとまとまりの分」というニュアンス。
この場合は、「新たな、まとまった量の妊娠ホルモン」と言っていることになるでしょう。
DVDの日本語訳では、
(字幕)今日はイライラ・ホルモン過多?/(音声)今日は何? 妊婦のイライラ・ホルモンがドバーッと出ちゃってるの?
と訳されていましたが、まさに「ホルモンがドバーッと出る」感覚が近いと私も思いました。
a batch of 「ひとまとまりの」というところに、「まとめて、大量に、一気に、ドバーッと」という感じが出ていると思うのですね。

参考までに、hormone を英英辞典で見てみると、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hormone : (BIOLOGY) a chemical substance produced in one part of the body that causes a change or activity in another part of the body.
つまり、「体のある部分(一部分)で作られ、体の他の部分に変化または活動(働き)を起こす化学物質」。

get like a fresh batch of pregnancy hormones の get は、「ゲットする、得る」という感覚ですが、ある人の体の一部分で作られる(produce)ホルモンを、その人が受け取る、得る、という感覚が、この get のニュアンスだろうと思います。
ホルモンを作り出すのは体の部位であって、その人本人ではない、だから本人を主語にした場合には、人 get hormones という形になるのだろう、ということですね。


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posted by Rach at 17:58| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月01日

教会の長老に知らせなきゃ フレンズ8-21その4

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赤ちゃん用品を買いに行った店で、ロスと美人の店員が盛り上がっているのを見て、不満そうな顔をしていたレイチェル。
その後のシーン。
[Scene: Central Perk, Phoebe is there as Rachel enters.]
セントラルパーク。フィービーがそこにいて、レイチェルが入ってくる。
レイチェル: Hi, Pheebs! (はーい、フィービー!)
フィービー: Hey! Oh, how did baby shopping go? (はーい! あぁ、赤ちゃんのショッピングはどうだった?)
レイチェル: Oh, it was great! We got everything that we needed! Oh and Ross, almost got something that wasn't on the list. A whore. (あぁ、最高だったわよ! 必要なものは全部買ったし! あぁ、それからロスは、リストには(載って)なかったあるものをもう少しで買うところ[ゲットするところ]だったわよ。娼婦をね。)
フィービー: What?! (何ですって?)
レイチェル: Well, we were paying for our stuff and this sales woman just started flirting with him. Can you believe that? (えぇ、私たちは品物のお金を払っていたの。そしたら、あるセールスウーマン(販売員の女性)がロスにちょっかいかけ始めたの。それって信じられる?)
フィービー: Well, did she know you two weren't married? (そうねぇ、彼女はあなたたち二人が結婚してないって知ってたの?)
レイチェル: Yeah. (ええ(知ってたわ)。)
フィービー: Oh, my God! Well, the idea of a woman flirting with a-with a single man, we-we must alert the church elders! (なんてこと! ある女性がある独身の男性にちょっかいかけるっていう考え、教会の長老の注意を喚起しないといけないわね!)
レイチェル: No. You don't understand! You, you didn't see how brazen she was. (違うわ、フィービーはわかってないのよ! フィービーは彼女がどんなに厚かましいかを見てないんだもの。)
フィービー: Sounds like you're a little jealous. (レイチェルはちょっとヤキモチやいてるみたいね。)
レイチェル: No! I'm not! I-I-I just think it's wrong! It's-it's, I'm, Here I am about to pop and he's out picking up some shopgirl at Sluts-R-Us? (いいえ! 私はヤキモチなんかやいてないわ! 私はただ、間違ってるって思うだけよ。私は赤ちゃんを産もうとしていて[産もうとしているのに]、ロスは外に出て、「スラッツァらス」で店員の女の子をひっかけてるのよ。)
フィービー: Is that a real place? (Rachel's stunned) Are they hiring? (それって本当にある場所? [レイチェルは驚く] そこでは人を雇ってる[募集してる]?)

レイチェルが買物から帰ってきたのを見て、フィービーは、「赤ちゃん(用品)のショッピングはどうだった?」と尋ねています。
「〜はどうだった?」という意味で、How did .... go? と尋ねるパターンは、フレンズ頻出ですね。
ジョーイに対して、How did the audition go? 「オーディションはどうだった?」と尋ねるセリフもよく出てきます。

「どうだった?」と聞かれて、「最高だったわ。私たちは必要だったもの全てをゲットした・買えた」みたいに言った後、「そう言えばロスのことだけど、彼は、(買い物)リストに載っていなかったあるものを、almost got した」と表現しています。
この almost+過去形もフレンズ頻出で、「もう少しで〜するところだった」ですね。
ですから、「必要なものを買った上に、ロスはもう少しでリストに載っていなかったものまで買うところだった」と言っていることになるのですが、その「リストに載っていなかったあるもの」をその後、具体的な単語を使って言っていることになります。

whore というのは「娼婦」ですね。
フレンズでは、「娼婦」と言いたい時には、「引っかけるもの」という意味の hooker という単語を使うことが多いですが、whore は hooker よりもずっとダイレクトな表現になります。
過去記事、ホミサイドとバイス フレンズ5-16その5 では、映画「プリティ・ウーマン」(Pretty Woman)のセリフを例に取り、hooker と whore のニュアンスの違いについて説明しています。

「赤ちゃん用品の店で、ロスはもう少しで娼婦を買うところだった」と言った後、驚くフィービーに、レイチェルはその店での出来事を説明し始めます。
flirt も、これまでのフレンズに何度も出てきましたが、「異性にちょっかいをかける、ナンパする」というニュアンスですね。
「商品の支払いをしようとしたら、販売員がロスにちょっかいかけ始めちゃって。それって信じられる?」とフィービーに言うと、フィービーは「ロスとレイチェルが結婚していないことをその店員は知ってるの?」と尋ねます。
知ってると答えると、フィービーは大げさに、「なんてこと!」と言っていますが、必要以上にわざとらしく大げさに言っていることからもわかるように、これは皮肉ですね。

フィービーの言っている内容は、「ある女性が独身の男性にちょっかいをかけるという考え[かけるということ]。私たちは教会の長老たちの注意を喚起しないと・促さないといけない」と言っていることになります。
alert は「警報(を出す)」という単語で、この場合は「こんな大変なことが起こっていますよ、と人に注意を向けさせる」という感覚ですね。
教会の長老に教えなきゃ、というのは、それが「非倫理的な行い」であると言っていることになりますが、フィービー自身が言っているように、「ある女性が独身男性にちょっかいをかけること」は不倫ではない、つまり、倫理的に何ら問題はないですよね。
レイチェルがそのことを「その店員はこんな非常識なことをするのよ。信じられる?」みたいに言ったことに対して、大げさに「教会の長老に知らせないといけないような、反倫理的行為だわ」と言うことで、逆に「別に何も問題ないじゃない。それが倫理的に問題でもあるってレイチェルは言いたいわけ?」と皮肉っぽく言っていることになるという仕組みです。

フィービーのあからさまな皮肉に、レイチェルは「いいえ、(その場に居合わせなかった)フィービーにはわからないのよ。あなたは彼女がどれほど brazen だったかを見ていなかったんだから」と言っています。
brazen は「厚かましい」という形容詞。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
brazen : not embarrassed or ashamed about doing something or bahaving in a way that most people consider wrong or immoral.
例) She was so brazen she even brought her lover to church.

つまり、「たいていの人が間違っている、または不道徳だとみなすようなやり方で何かをする、または行動することについて、恥ずかしいと思わない」。
例文は、「彼女はとても厚かましかったので、教会に自分の恋人(愛人)を連れて来ることさえした」。

この例文でも、church 「教会」が登場しているのが興味深いですね。immoral な例えを出す際に、対立するイメージとして教会が出てくるのが、なるほどというところです。

「独身男性にちょっかいかけることが倫理的に問題ある?」「だってその店員、すっごく厚かましかったのよ」みたいな会話になった後、フィービーは、「レイチェルはちょっとヤキモチやいてるみたいね」と言っています。

ヤキモチと言われて、レイチェルは必死に否定するのですが、実際に、店で店員とロスが仲良く話しているシーンでは、誰がどう見てもレイチェルはヤキモチをやいていて不機嫌な様子でした。
その場におらず話を聞いているだけのフィービーさえも、「それってレイチェルがヤキモチやいてるだけなんじゃないの?」と思うほどで、「ヤキモチなんかじゃないわ」と主張しているのは、レイチェル本人ただ一人、という面白さでもあるのでしょう。

レイチェルは、「ヤキモチじゃなくて、それって悪いこと、良くないことだと思うだけよ」と言った後、Here I am... and he's out というセリフを言っています。
「ここで、今この時、私は〜しようとしていて、(一方)ロスは…している」という対比の形ですね。
pop という動詞は「ポン・パンと鳴る」「ポンと・ひょいと出る」みたいな感じのニュアンスですが、ここでの I'm going to pop は「私はポン!と出産しようとしている」みたいな感覚なのだろうと思います。
DVDの日本語訳は、
(字幕)私は身重なのに/私は出産を待ってるのに
となっていましたが、私もこの pop は「出産する」ことを指しているのだろうと思ったわけです。
pop の語義を、英和・英英ともに調べても、「出産する」的な意味は載っていないようですが、「私はもうすぐポコッと産む」みたいなニュアンスなんだろうなぁ、と。

後半の he's out picking up some shopgirl at Sluts-R-Us? について。
pick up は「拾い上げる」ということですが、ここでは「異性をナンパする、引っかける」という意味。
ですから、he's out picking up は、「ロスは外に出てナンパしている、ロスは外でナンパしている」という感覚になります。

Sluts-R-Us の部分、DVD英語字幕では Sluts-R-Us 、ネットスクリプトでは Sluts ‘R’ Us と表記されていたのですが、文字の雰囲気からわかるように、Toys"R"Us 「トイザらス」のもじりですね。
Wikipedia 日本語版: トイザらス にも説明があるように、ロゴは R の部分が左右逆(鏡像文字)になっていて、それで日本語の名前も「ら」だけひらがなにしているということですね。

その店は赤ちゃん用品の店だったので、おもちゃ用品店のトイザらスに例えたわけですが、そこで売っていたのは、toys ではなく、sluts (slut:ふしだらな女、尻軽女)だったと言うために、レイチェルは、Sluts-R-Us という言葉を作ったことになります。

「あの店は、おもちゃじゃなくて、ふしだら女を売ってるのよ」みたいにレイチェルが言うのを聞いて、フィービーは「それって本当の場所? 本当に存在する場所?」みたいに言った後、「その店の人たちは、店員を雇っている、募集しているかしら?」と言っています。
「雇ってる?」というのは、「もし募集中なら、私、そこで働きたい」と言っていることになります。
そこで働きたいと言うなんて、自分が slut だと認めているようなものですが(笑)、店員にちょっかいをかけることが仕事になるようなお店なら、私、是非ともそこで働いてみたいわ、私ならいい仕事しそうだしw みたいに言っているのが、フィービーらしくて面白いですね。


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posted by Rach at 15:14| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする