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病室にいるレイチェルは、ジョーイが置いた指輪の箱を開け、Wow! と言いながら、自分の指にはめています。
そこにジョーイがやってきて、
ジョーイ: Hey uh, is it okay to come in? (ねぇ、俺、入ってもいい?)
レイチェル: Of course! Oh, Joey, this ring I-- It's beautiful. I love it! (もちろんよ! あぁ、ジョーイ、この指輪、きれいね。大好きよ[気に入ったわ]!)
ジョーイ: Yeah uh look, Rach, there's something I gotta tell ya. (あの、レイチェル、君に話さないといけないことがあるんだ。)
(There's a knock on the door and a nurse enters carrying Emma.)
ドアにノックがあり、エマを抱えた看護師が入ってくる。
レイチェル: Hey! (はーい!)
看護師: Hey! Are you ready to try nursing again? (はーい! もう一度、授乳にトライする準備はできてる?)
レイチェル: Yeah! Hi, Emma. Hey, why do you think she won't take my breast? (ええ! はーい、エマ。ねぇ、エマが私のおっぱいを受け入れないのはどうしてだと思う?)
看護師: It's all right, honey. It takes some babies a while to get it. But don't worry, it'll happen. (大丈夫よ、ハニー。おっぱいを飲むのに、時間がかかる子もいるわ。でも心配しないで、(じきに)そうなるわよ。)
レイチェル: Okay. (わかった。)
(レイチェルは授乳しようと、胸をはだけている様子)
ジョーイ: (watching) Yowsa! (Looks away.) ([それを見て] おっとー![ヤウザ!] [目をそらす])
レイチェル: Okay, sweetie, you can do it. Just open up and put it in your mouth. (いいわ、スウィーティ、あなたならできるわ。ただお口を開いて、それをあなたのお口に入れて。)
ジョーイ: Dear Lord. (なんてこった。)
レイチェル: I'm sorry, honey, what were you saying? (ごめんなさい、ハニー、あなたは何を言おうとしていたの?)
ジョーイ: Oh uh-uh yeah, I think that-- (あ、あのー、そう、俺思うんだけど…)
レイチェル: Oh look, she's pulling away again! Do you think my nipples are too big for her mouth? (Joey gets embarrassed.) She looks scared. Doesn't she look scared? (ねぇ、見て、エマがまた(お乳から)離れるの! エマの口には私の乳首が大きすぎる、ってあなたは思う? [ジョーイは恥ずかしがる] エマは怯えてるみたい。エマが怯えてるように見えない?)
ジョーイ: Y'know, I don't really know her. (ほら、俺はエマのことをよく知らないし。)
看護師: Why don't we try massaging the breast to stimulate the flow. (Does so.) (お乳の出を良くするために、お乳をマッサージしてみましょう。[そうする])
レイチェル: Okay. (オッケー。)
ジョーイ: (To God) Are you kidding me?! ([神様に向かって] 俺をからかってるんすか?)
レイチェル: This is so frustrating! Why doesn't she want my breast?! (こんなの、すっごくいらいらするわ。どうしてエマは私のおっぱいを欲しがらないの?)
ジョーイ: I don't know! Maybe she's crazy! (Storms out.) (さあね! 多分エマはおかしいんだよ! [勢いよく出ていく])
ジョーイが「入ってもいい?」と言い、レイチェルは「もちろん。この指輪きれいね。私、大好きよ[気に入ったわ」と言っています。
「ジョーイがくれた指輪」だと思い込んでいるレイチェルに、ジョーイは事情を説明しようとするのですが、そこに、エマを連れた看護師さんが入ってきて、Are you ready to try nursing again? と言います。
nurse は名詞では「看護師、ナース」で、動詞では「病人を看病する」という意味があります。
また、今回のように新生児の話だと、「赤ん坊に授乳する」という意味にもなります。
つまり、breast-feed と同じ意味ですね。
ですから、この看護師さんは、「もう一度、赤ちゃんに授乳しようとする(おっぱいをあげようとする)準備はできている?」と尋ねていることになります。
「もう一度、授乳にトライする準備はオッケー?」みたいなことですから、これまでトライしたけれども失敗に終わったこともそれで示唆されますね。
why do you think she won't take my breast? を直訳すると、「エマが私のおっぱいを take
しないのはなぜだとあなたは思いますか?」ということ。
この場合の take は「受け入れる」というニュアンスでしょう。
「どうして私のおっぱいを飲もうとしないの、嫌がるの? 拒絶するの?」ということで、「なぜエマは嫌がってると思う?」のように、看護師さんに意見を求めていることになります。
看護師さんは、プロらしい返事をしていますね。
「大丈夫よ、ハニー」とまずは安心させるための言葉をかけた後、It takes some babies a while to get it. と説明しています。
take+人+時間で、「人に時間がかかる、人に時間を必要とする」という意味になり、この場合は、「それをゲットするのに、何人かの赤ちゃんには、ある程度の時間を必要とする」と言っていることになります。
get it は漠然としていますが、「それを獲得すること」という感覚なので、「おっぱいを受け入れて、そこからお乳を飲めるようになること」を指すでしょう。
「何人かの赤ちゃんは、ある程度の時間を必要とする」、つまり、「お乳が飲めるようになるのに、時間のかかる赤ちゃんもいるわ」ということですね。
エマちゃんみたいに時間のかかる子は他にもいるのよ、のように言っておいて、But don't worry, it'll happen. と付け加えています。
it'll happen は、「それは(いつか)起こる」ですから、時間がかかっても、赤ちゃんがおっぱいに慣れる時は必ずやってくるから、心配しなくても大丈夫よ、ということですね。
そう励まされて、早速授乳にトライしようとするレイチェルは、隣にジョーイがいることも気にせず、胸をはだけて授乳させようとします。
画面では、レイチェルのその姿をはっきりとは見せていませんが、ジョーイがちらっと目をやった時に、レイチェルのはだけた胸を見てしまったらしいことが、ジョーイのリアクションからわかる仕組みになっています。
胸を見てしまい、驚いた顔で Yowsa! と言って、目をそらすのが可愛いですね^^
この部分、DVDの英語字幕では文字化されておらず、ネットスクリプトに Yowsa! と書いてあったのですが、確かに「ヤウザ!」みたいな音になっています。
驚きのあまり、つい口から意味不明な言葉が出てしまった、みたいにも聞こえるのですが、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) に、yowza というよく似た単語が載っているので、結構使われる言葉なのかもしれません。
その LAAD の説明では、
yowza [interjection] said when you think something is surprising or impressive
つまり、「(間投詞) 何かが驚くべきものである、または印象的であると思う時に使われる」。
LAAD の yowza の発音も同じく「ヤウザ」という感じですし、意味としても、今回のジョーイのセリフと同様のニュアンスが感じられますよね。
間投詞は「音を文字化した」タイプのものが多いので、表記としては、yowza でも yowsa でもどちらもオッケーみたいなことだろうと思います。
ドギマギしているジョーイに気づく様子もなく、レイチェルはエマにお乳を飲ませようと必死です。
エマに、「大丈夫よ、できるわ」と言い聞かせながら、「ただ(あなたのお口を)開けて、それをあなたのお口の中に入れて」と言っています。
授乳中の話なので、it = nipple 「乳首」ということになりますね。
恋心を抱いているレイチェルの胸を見てしまった後、恥ずかしくてずっと視線をそらせた状態のジョーイにとっては、「乳首を口に含んでちょうだい」みたいな「母と子の微笑ましい会話」が、「恋心を押さえないといけない自分を刺激する、拷問のようなセリフ」になっている、という面白さですね。
Dear Lord. の Lord は「神」で、Oh, my God. のような感嘆のニュアンスの言葉になります。
全くレイチェルの方を見ることができない状態になっているジョーイに対して、レイチェルは「ジョーイはさっき、私に何を話そうとしてたんだっけ?」と尋ねます。
ジョーイは、視線をそらしながらも、話し始めようとするのですが、エマがお乳を飲んでくれないことにイライラしたレイチェルは、また、お乳の話を始めます。
pull away (from) は「(〜から)離れる、引き離す」。
お乳を飲ませようとしてお乳を近づけても、赤ちゃんがそこから顔をそむけてしまう感じですね。
「エマがまた離れてるわ、離れようとするわ」と言った後、「エマの口に対して、私の乳首が大きすぎる、ってあなたは思う?」みたいに、ダイレクトに nipples という言葉を使って、レイチェルはジョーイに尋ねています。
breasts だの nipples だのと、男の子(笑)のジョーイにとっては、刺激の強い言葉が容赦なく、それも平然とした感じで次から次へと繰り出されるので、ジョーイはもう何も言えず、恥ずかしい、困った顔をするしかありません。
「エマは怯えているみたいに見えるわ。ほら、あなたにもそう見えるでしょ?」というように、ジョーイに意見を求めるのですが、エマの顔を覗き込むこと=レイチェルの胸をダイレクトに見てしまうこと、になるので、ジョーイはやはりそちらに視線を向けることができず、ただ、「ほら、俺はエマのことをよく知らないから、わかんない」みたいに答えをはぐらかすことになります。
生まれたばかりでまだジョーイにとっては付き合いの浅い(笑)赤ちゃんであっても、怖がっているかどうかというのはある程度はわかるはずですが、それを「いやぁ、俺はまだエマのことをよく知らないから」という理由で答えを逃げているのも笑いのポイントだということになるでしょう。
次の看護師さんのセリフ、Why don't we try massaging the breast to stimulate the flow. について。
stimulate the flow は「流れを刺激する」。
「流れを刺激するために、胸をマッサージするのはどうかしら?」と言っていることから、「流れを刺激する」=「お乳の出を良くする」ということだと想像できますね。
そう言いながら、看護師さんは実際に、レイチェルの胸に手を置いて、揉む(もむ)ようにマッサージしています。
そういう部分を揉む、というのは、ジョーイにとってはエッチな連想しか浮かばないわけで、それで、天国にいる神様を見上げるような様子で、Are you kidding me?! 「俺をからかってるんですか? ふざけてるんですか?」と言うことになるわけです。
「何で俺を動揺させるようなエッチな試練(笑)ばっかり与えるんすか?」という気持ちなのでしょう。
なかなかお乳を飲んでくれないエマに、「こんなのって、すっごくイライラするわ」とレイチェルは言い、「どうしてエマは私の胸(おっぱい)を欲しがらないの?」と言っています。
ジョーイはそれを見たい(触れたい)気持ちを必死に抑えているというのに、レイチェルがそんなことを言うものだから、「さあね、(レイチェルの胸を拒むなんて)多分、エマは変なんじゃないの[おかしいんじゃないの]?」と言い残して、部屋を飛び出して行くことになります。
次から次へと続く拷問状態に、もう耐えられないと出て行った感じですね。
「フレンズ」においては、ジョーイは「プレイボーイ」というキャラ設定がされていて、tons of girls 「ものすごくたくさんの女の子」と寝た、とか、出会ったばかりの子とすぐに寝た、みたいな話はしょっちゅう出てきます。
そういうプレイボーイのジョーイが、「惚れてしまったレイチェル」のことになると、ウブな少年みたいな反応をしてしまうのが、このシーンのポイントになるでしょう。
「フレンズ」というドラマは、アメリカでは子供も見られる時間帯に放送していたこともあって、「ちょっぴりエッチなんだけど、エッチが行き過ぎないギリギリの線を守っている」みたいな絶妙のバランス感覚があります。
今回のシーンも、ジョーイがニヤニヤしながらレイチェルの胸を見ていたり、もしくは欲望丸出しな感じで凝視していたりすると、「それはちょっとフレンズじゃないかも」という気がしてしまうようにも思うのですね。
「プレイボーイのはずなのに、レイチェルの胸で何でそこまで照れてんのよ、ジョーイ!」みたいにツッコミたくなるところが、まさに「フレンズ」っぽいバランスな気がして、ジョーイというキャラをさらに魅力的に見せる演出になっているんだろうな、と思いました。
「赤ちゃん」には「授乳」が付き物で、子供と向き合っている時の母親は、おっぱい=お乳をあげるもの、という発想しか浮かばなくなるのですが(出産した後は、3時間ごとに授乳のため起きないといけないので、自然とそういう発想にもなるわけです^^)、男性にとってはやはり、「エッチな対象物」であることに変わりはないのでしょうね。
レイチェルの方は、「エッチなニュアンスは全くなく、授乳についての事実を語っている」だけなのに、それを聞いているジョーイにとっては、「どれもこれもがエッチな話にしか聞こえない」という「二人の感じ方の違い」が、このシーンの笑いのポイントになっているということですね。
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