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前回の続きです。デート相手の女性に「君とは前にも寝たことある」と言ったジョーイですが、相手の女性ヘイリーは全く覚えていない様子。「もしあなたと寝たとしたら、私はきっと覚えてると思うわ」とまで言われ、
ジョーイ: Come on, come on. Search your brain, all right? It was (thinks) a certain amount of time ago. Okay? I was here. You were here. We had sex (starts pointing out the places) here, here, here. NOT there. Anything? (おいおい。脳みそをサーチしてみろよ、いいか? それは [(ちょっと)考えて] ある程度前のことだ。いいか? 俺はここにいた。君はここにいた。俺たちはエッチした。[場所場所を指さし始める] ここと、ここと、ここだ。あそこは違う。何か思い出した?)
ヘイリー: No, it's not ringing any bells. (いいえ、何も思い出さないわ。)
ジョーイ: My God, woman! How many people do you have to have been with not to remember any of this? (なんてこった、(女)! こういうことを何も覚えていない(ようになる)ためには、君は何人の人間と付き合わないといけないんだ?)
ヘイリーのルームメイト: Hey, Hayley. You've really gotta fix that doorknob. Joey! (はーい、ヘイリー。あのドアノブ、修理しなきゃだめよ。[ジョーイがいるのに気付いて] ジョーイ!)
ジョーイ: Ooooooooooh, I slept with you! And you obviously remember me. Hey! I still got it. (Turns back to Hayley) So we're good. (She just glares at him) I'll let myself out. (おぉぉぉぉ〜、俺は君と寝た! で、君は明らかに(間違いなく)俺を覚えてる。ああ、俺ってまだ(性的魅力を)持ってるぞ(俺ってまだまだイケてるぞ)。[ヘイリーの方に向き直って] じゃあ俺たちは問題ないね。[ヘイリーはただジョーイをにらむ] 俺は退散するよ。)
「ほんとに寝たなら私はきっと覚えているはずだもの」と言われたジョーイは、Search your brain, all right? と言っています。
サーチは「調べる、検索する、捜す」という意味で日本語になっているので、「君の脳をサーチしろ」でもニュアンスはよくわかりますね。
「君の脳みその中をよーく調べてみなよ」みたいに言ったことになります。
「君のそのおつむでよーっく考えてみな」みたいに偉そうに言った後、It was (thinks) a certain amount of time ago. と言っているのが面白いです。
(thinks) というのはト書きで、It was... まで言った後、ジョーイが少し考えて、それから a certain 以下のセリフを続けたことを表しています。
It was... と言い始めたのは、It was a year ago. 「(それは)1年前(のこと)だった」みたいに、「二人が寝た」という出来事があった時期を述べようとしたからですね。
相手が何かを忘れている場合には、まずはその時期を言って思い出させるのが通例なので、ジョーイもそれを試みようとしたわけですが、前回の記事で、「いつよ?」「知らないよ」と言っていたことからわかるように、ジョーイもいつの出来事だったかを覚えていませんので、「君の脳をサーチしてみなよ、ほらあれは…ある程度前のことだ」のように、「偉そうに言っていたのが、尻すぼみ(尻つぼみ)になっている感じ」が出ていることになります。
時期は思い出せないジョーイですが、この部屋のどの場所でエッチしたかだけはしっかり覚えているのも、ジョーイらしくて楽しいですね。
「ここでエッチした、ここと、ここと、ここで」みたいに言った後、サボテン近くのソファについては、「あそこではしてない」みたいに細かい話を言っているのも面白いです。
以前の記事で取り上げたように、「ここは最適な場所みたいなのに、何でここではしなかったんだろ?」と疑問に思ったジョーイが、お尻にサボテンが刺さったことで「だからここではしなかったんだ」と気づいたシーンを受けてのこのセリフになっているわけですね。
「少し前に出てきた話題を、後でまたネタにする」というコメディーのセオリー通りのオチになるでしょう。
Anything? を直訳すると、「何か(ある)?」という感じですから、「今、俺が当時の状況をいろいろ説明したことで、何か思い出したことはある?」と尋ねている感覚になります。
そう聞かれたヘイリーは、it's not ringing any bells. 「何のベルも鳴らしていない」みたいに答えていますね。
ring a bell は「ベルを鳴らす」ということで、「ピンとくる、思い当たる」という意味になります。
ring a bell という表現は、フレンズ1-21その2 にも出てきました。
イタリア系ではないジョーイの芸名を考えている時、
チャンドラー: Joe, Joe, Joe... Stalin? (ジョー、ジョー、ジョー… スターリンは?)
ジョーイ: Stalin. Do I know that name? That sounds familiar. (スターリン。俺、その名前知ってるのかなぁ? なんか聞き覚えがあるけど。)
チャンドラー: Well, it does not ring a bell with me. (さぁ、俺にはピンと来ないけど。)
歴史上の人物であるスターリンのことを知りつつ名前を提案したのに、「そんな名前の人を俺は知らないけどね」みたいにすっとぼけているチャンドラーのセリフが、it does not ring a bell with me になるわけですね。
My God, woman! の woman! は呼び掛け語ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
woman : WAY OF TALKING TO SOMEBODY (spoken, old-fashioned) a rude way of talking to a woman when you are annoyed
例) Stop talking, woman.
つまり、「(口語、古い表現) いらいらしている時に、女性に話しかける無礼な方法」。例文は「話をやめろ、(女)!」
「女」とか「このアマ」みたいな日本語にしてしまうと、ちょっとやりすぎになるとは思うのですが、気持ち的にはそういう「いらいら」が出ている「女性に対しての呼び掛け語」ということですね。
How many people do you have to have been with not to remember any of this? はちょっと長いので、前から順番にイメージしていくと、with までが前半部分で、「君は何人の人間と付き合わないといけないんだ?」、後半部分は、「このことを何も覚えていないために」になるでしょうか。
ジョーイがエッチをした場所までを細かく説明して、ヘイリーにその時のことを思い出させようとしているのに、ヘイリーには何一つ思い出す気配すらない。そのことにいらいらしたジョーイは、「こういうこと全部を忘れてしまうなんて、君はあの時俺と寝た後、一体何人の男と付き合ったんだ(寝たんだ)?」みたいに言っていることになるでしょう。
「この件をすっかり忘れてるんなんて、その後、ずいぶんたくさんの男と寝たんだろうな、君は」みたいに言っているわけです。
そんな話をしていると、ヘイリーのルームメイトが家に入ってきて、ヘイリーに「あのドアノブを修理しなきゃだめよ」と言います。
そしてジョーイを見たそのルームメイトは、ジョーイ! と言っていますね。
ジョーイの方も、おぉぉぉぉ〜、と言っていることからわかるように、二人は顔見知りで、つまりは、ジョーイがこの部屋で寝たという女性は、ヘイリーではなくて、ヘイリーのルームメイトであるその彼女だったことがここで判明したことになります。(まぁ、予想されたオチではありましたが^^)
お互いを認識し合った後、ジョーイははっきりと、「俺は君と寝た!」と言っています。「俺が寝たのはヘイリーじゃなくて、君の方だった!」ということですね。
その後、And you obviously remember me. 「そして君は明らかに俺のことを覚えてる」と言っています。
「ヘイリーと寝たのに、ヘイリーがそのことを忘れている」と思っていたジョーイは、プレイボーイとしての自信をなくしかけていたのでしょう(笑)、本当に寝た相手であるそのルームメイトが、一目見るなり自分の名前を言ったことで、自分のことを覚えてくれていたことがわかったので、「君は間違いなく俺を覚えてるよね」と喜んだことになります。
次の I still got it. について。この部分、DVDの日本語訳では「さすが俺だ」となっていましたが、私もそういう感じの意味だろうと思いました。
I got it. というのは、「俺はそれをゲットした」みたいなことから、「わかった」とか「了解」みたいな意味で使われることが多いですが、今回のセリフは、still 「まだ、今でも」のような単語が入っていますね。
この still がなければ、「(これまでどういうことかと悩んでいたけど、そういうことで)納得した、わかった」という意味に捉えることも可能だろうと思うのですが、still ありでその意味だと考えるのはちょっと無理があるようにも思えます。
got it は、get it のような意味だったり、have got it から have it みたいな意味にもなったりしますが、今回の場合は、have it みたいなニュアンスのような気がするのですね。
英辞郎の have it の語義に、
have it=【4】〈俗〉性的魅力がある
というのが載っていたのですが、それが近いかなぁ、と。
it というのは本当にいろんなものを示唆する言葉ですが、この場合は「俺は(それを)持ってる」みたいな感覚になるでしょうか。
そして、今のジョーイが頭の中にイメージしている it は何か? を考えることになりますね。
「相手の女性が俺と寝たことを忘れている」ということが、ずーっとジョーイの中でくすぶっていた、その疑問が無事解消されたことで、「俺は本来持つべきものをちゃんと持っている」という意味で、「俺はまだ(今でも)ちゃんと本来のプレイボーイとしての魅力を持っている」と言った。そういうニュアンスで、DVDの日本語訳も「さすが俺だ」になっていると思うわけです。
「相手の女性は俺と寝たことをちゃんと覚えてた」→「俺はまだ(男性としての魅力を)ちゃんと持ってるぞ」という「俺はまだまだイケてる」感が「さすが俺だ」だと思うのですね。
「相手はちゃんと覚えてた」ことが判明した後、ジョーイはヘイリーの方を向いて、So we're good. と言っています。
これは、「それじゃあ、俺たちはオッケーだね、大丈夫だね、問題ないね」みたいな感覚になるでしょう。
ヘイリーが忘れたと思って、一人怒っていたジョーイでしたが、その件が解決したので、俺たちが喧嘩することもなくなったね、みたいなことですね。
ですが、ヘイリーにしてみれば、「ジョーイが寝たのは自分のルームメイト。この部屋でエッチしたってことだけ覚えていて、相手の女性の顔とか全然覚えてないわけ?」という気持ちになるのは当然です。
明らかに怒った様子のヘイリーを見て、この後、いい雰囲気になりそうもないとわかったジョーイは、I'll let myself out. と言って、ヘイリーの部屋を出て行くことになります。
I'll let myself out. は「俺は俺自身を外に行かせる」ということですから、この気まずい空間から、自分は退場・退散するね、と言っている感覚になります。
自分の意志でここを出る、というよりも、俺はここにいない方が良さそうだから、この身を外に出すね、みたいなニュアンスになるわけですね。
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2015年01月30日
2015年01月28日
もしそうなら覚えているでしょうね フレンズ9-4その5
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デートした相手の女性ヘイリーとは前にもデートし、寝たこともあると思い出したジョーイでしたが、ヘイリーは全くジョーイのことを覚えている様子がありません。
そのことで怒っていたジョーイでしたが、「お互い忘れていたんだから、二人は似た者同士でお似合いよ」などとフレンズ女性陣たちに言われ、またデートすることにしました。
その2回目のデートを終え、ヘイリーの家に二人で戻ってきた後、会話しているシーン。
ヘイリー: So it was really a shock after 25 years of marriage, my parents, a perfect couple, getting divorced. I kinda took it the hardest cause I was the youngest. (それで、本当にショックだったのよ、25年の結婚の後、私の両親が、パーフェクトな夫婦だったのに、その両親が離婚してしまったことはね。私が一番そのことをつらく受け止めたの、だって私は一番年下だったから。)
ジョーイ: Uh huh, sure, yeah. How can you not remember me? (ふーん、そうだね。そうだよ。どうして君は俺のことを覚えてないんだ?)
ヘイリー: What? (何?)
ジョーイ: How could you not remember that we slept together? (どうして俺たちが寝たことを君は覚えてないんだ?)
ヘイリー: What! When? (何ですって? いつ?)
ジョーイ: I dunno! (知らないよ!)
ヘイリー: I really, really think I would remember sleeping with you. (私はほんとにほんとにこう思うわ、(もしあなたと寝ていたら)私はあなたと寝たことを覚えているでしょうね、って。)
ヘイリーのセリフは、So it was really a shock... で始まっています。
それまでに何かしらの会話があって、会話の途中から、このシーンが始まっている感覚ですね。
「それですごくショックだったのよ」みたいに言っていることから、その後、何がショックであったかの内容の説明があるだろうことが想像できますので、それを待ち構える感じで聞けると良いでしょう。
その内容を前から順番にイメージしていくと、
25年の結婚の後、私の両親、完璧な夫婦、(が)離婚したこと、のようになるでしょうか。
my parents, a perfect couple は、カンマで区切った同格のニュアンスですね。
「私の両親、っていうのは、完璧な夫婦だったんだけどね」という感覚です。
I kinda took it the hardest は、take it hard 「(それを)ハードに受ける・受け止める」ということですから、「つらく受け止める、ショックを受ける」という感じになるでしょう。
人が何かの物事を受け止める場合には、このように take が使われますね。
take it seriously なら「真剣に受け止める、真に受ける、本気にする」になります。
ヘイリーはその文章の前半と後半で最上級を使っています。
「私はそれ(25年間連れ添った後での両親の離婚)を最もつらく受け止めた、なぜなら私が一番若かったから」ということなので、「私は末っ子だったから、両親の離婚が一番私には堪えた(こたえた)わ」と言っていることになります。
そんな風に自分の身の上話をしているヘイリーですが、その話を聞いているジョーイは「この女は俺と寝たことを忘れてる」ということに対してまだ怒りが収まらないようで、ヘイリーの話はそっちのけで、「忘れていること」を話題に出します。
How can you not remember me? を直訳すると、「どのようにして俺のことを覚えていないことが可能なんだ?」というところでしょうか。
ジョーイはその次のセリフでも、How could you not remember that we slept together? のように、How could/can の形を使っていますね。
How can/could の形を使うことで、「どうして〜なんてことが可能なわけ?」というニュアンスが出て、「俺のことを、俺と寝たことを忘れるなんてありうるの? 俺には理解できないよ」みたいに言っている感覚になるでしょう。
「何で俺のことを覚えてないの? 何で俺たちが寝たことを覚えてないの?」と矢継ぎ早に言われたヘイリーは驚いた様子で、「何ですって? いつのことよ?」みたいに問い返すのですが、怒っているジョーイが I dunno! (= I don't know!) と言っているのも面白いですね。
「何で忘れてるんだよ!」とか怒っておきながら、自分だっていつのことか覚えてないじゃん、みたいな面白さになるでしょう。
I really, really think I would remember sleeping with you. について。
このセリフは、would が大きなポイントですね。
その would のニュアンスを理解するために、would がない文章をまずは考えてみましょう。
would なしの文章だと、
I really, really think I remember sleeping with you.
となり、その場合は、「私は本当に本当に思う、私はあなたと寝たことを覚えていると」のようになるでしょう。
自然な日本語にすると、「私はあなたと寝たことを覚えていると確かに思うわ」みたいな感じでしょうか。
これが、remembered のように過去形になっている場合も同時に考えてみると、「私はあなたと寝たことを覚えていたと確かに思う」になりますが、would なしの remember でも、remembered の場合でも、話の流れとして、「あなたと寝たことを覚えている」という内容はおかしいですよね。
今回のこのセリフの would は「もし私が(本当に)あなたと寝ていたとしたら(寝たことがあったら)私は間違いなくそのこと(あなたと寝たこと)を覚えていたでしょう(ね)」というニュアンスになります。
つまり、この would には「仮定の推量(もし〜なら…するだろう)」という感覚が入っているということですね。
ジョーイが「俺と君は以前に寝たことがある」ということを大前提にして話しているので、If we had slept together 「もし私たちが(過去に)寝ていたとしたら」という仮定のニュアンスを込めて、I would remember 「(もしそうなら)覚えているでしょうね」と語っていることになります。
ネイティブがさらっと挿入する would などの助動詞は、日本人にとっては非常にニュアンスの掴みにくい部分ですが、「この would よくわからないな、、」とか思って、その would をなかったものにして、取り除いた文章で訳そうとすると、「あなたと寝たことを覚えていると思う」という正反対の意味になってしまうこともある、ということです。
ヘイリーは「もし寝たなら覚えているはず」と言っているので、それはつまり、「私が覚えてないってことは、あなたとは寝ていないはずよ」という内容を言っていることになるわけですね。
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デートした相手の女性ヘイリーとは前にもデートし、寝たこともあると思い出したジョーイでしたが、ヘイリーは全くジョーイのことを覚えている様子がありません。
そのことで怒っていたジョーイでしたが、「お互い忘れていたんだから、二人は似た者同士でお似合いよ」などとフレンズ女性陣たちに言われ、またデートすることにしました。
その2回目のデートを終え、ヘイリーの家に二人で戻ってきた後、会話しているシーン。
ヘイリー: So it was really a shock after 25 years of marriage, my parents, a perfect couple, getting divorced. I kinda took it the hardest cause I was the youngest. (それで、本当にショックだったのよ、25年の結婚の後、私の両親が、パーフェクトな夫婦だったのに、その両親が離婚してしまったことはね。私が一番そのことをつらく受け止めたの、だって私は一番年下だったから。)
ジョーイ: Uh huh, sure, yeah. How can you not remember me? (ふーん、そうだね。そうだよ。どうして君は俺のことを覚えてないんだ?)
ヘイリー: What? (何?)
ジョーイ: How could you not remember that we slept together? (どうして俺たちが寝たことを君は覚えてないんだ?)
ヘイリー: What! When? (何ですって? いつ?)
ジョーイ: I dunno! (知らないよ!)
ヘイリー: I really, really think I would remember sleeping with you. (私はほんとにほんとにこう思うわ、(もしあなたと寝ていたら)私はあなたと寝たことを覚えているでしょうね、って。)
ヘイリーのセリフは、So it was really a shock... で始まっています。
それまでに何かしらの会話があって、会話の途中から、このシーンが始まっている感覚ですね。
「それですごくショックだったのよ」みたいに言っていることから、その後、何がショックであったかの内容の説明があるだろうことが想像できますので、それを待ち構える感じで聞けると良いでしょう。
その内容を前から順番にイメージしていくと、
25年の結婚の後、私の両親、完璧な夫婦、(が)離婚したこと、のようになるでしょうか。
my parents, a perfect couple は、カンマで区切った同格のニュアンスですね。
「私の両親、っていうのは、完璧な夫婦だったんだけどね」という感覚です。
I kinda took it the hardest は、take it hard 「(それを)ハードに受ける・受け止める」ということですから、「つらく受け止める、ショックを受ける」という感じになるでしょう。
人が何かの物事を受け止める場合には、このように take が使われますね。
take it seriously なら「真剣に受け止める、真に受ける、本気にする」になります。
ヘイリーはその文章の前半と後半で最上級を使っています。
「私はそれ(25年間連れ添った後での両親の離婚)を最もつらく受け止めた、なぜなら私が一番若かったから」ということなので、「私は末っ子だったから、両親の離婚が一番私には堪えた(こたえた)わ」と言っていることになります。
そんな風に自分の身の上話をしているヘイリーですが、その話を聞いているジョーイは「この女は俺と寝たことを忘れてる」ということに対してまだ怒りが収まらないようで、ヘイリーの話はそっちのけで、「忘れていること」を話題に出します。
How can you not remember me? を直訳すると、「どのようにして俺のことを覚えていないことが可能なんだ?」というところでしょうか。
ジョーイはその次のセリフでも、How could you not remember that we slept together? のように、How could/can の形を使っていますね。
How can/could の形を使うことで、「どうして〜なんてことが可能なわけ?」というニュアンスが出て、「俺のことを、俺と寝たことを忘れるなんてありうるの? 俺には理解できないよ」みたいに言っている感覚になるでしょう。
「何で俺のことを覚えてないの? 何で俺たちが寝たことを覚えてないの?」と矢継ぎ早に言われたヘイリーは驚いた様子で、「何ですって? いつのことよ?」みたいに問い返すのですが、怒っているジョーイが I dunno! (= I don't know!) と言っているのも面白いですね。
「何で忘れてるんだよ!」とか怒っておきながら、自分だっていつのことか覚えてないじゃん、みたいな面白さになるでしょう。
I really, really think I would remember sleeping with you. について。
このセリフは、would が大きなポイントですね。
その would のニュアンスを理解するために、would がない文章をまずは考えてみましょう。
would なしの文章だと、
I really, really think I remember sleeping with you.
となり、その場合は、「私は本当に本当に思う、私はあなたと寝たことを覚えていると」のようになるでしょう。
自然な日本語にすると、「私はあなたと寝たことを覚えていると確かに思うわ」みたいな感じでしょうか。
これが、remembered のように過去形になっている場合も同時に考えてみると、「私はあなたと寝たことを覚えていたと確かに思う」になりますが、would なしの remember でも、remembered の場合でも、話の流れとして、「あなたと寝たことを覚えている」という内容はおかしいですよね。
今回のこのセリフの would は「もし私が(本当に)あなたと寝ていたとしたら(寝たことがあったら)私は間違いなくそのこと(あなたと寝たこと)を覚えていたでしょう(ね)」というニュアンスになります。
つまり、この would には「仮定の推量(もし〜なら…するだろう)」という感覚が入っているということですね。
ジョーイが「俺と君は以前に寝たことがある」ということを大前提にして話しているので、If we had slept together 「もし私たちが(過去に)寝ていたとしたら」という仮定のニュアンスを込めて、I would remember 「(もしそうなら)覚えているでしょうね」と語っていることになります。
ネイティブがさらっと挿入する would などの助動詞は、日本人にとっては非常にニュアンスの掴みにくい部分ですが、「この would よくわからないな、、」とか思って、その would をなかったものにして、取り除いた文章で訳そうとすると、「あなたと寝たことを覚えていると思う」という正反対の意味になってしまうこともある、ということです。
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2015年01月26日
むくんでても、たいていの奴よりはいい フレンズ9-4その4
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前回の記事の続きの部分に当たるのですが、今回のシーンに関係のあるあらすじを先に紹介しておきます。
タルサに単身赴任中のチャンドラーを喜び驚かせるために、モニカはチャンドラーに内緒で、チャンドラーが泊まっているホテルを訪ねます。
一人で退屈だったチャンドラーが、エッチなビデオを見ながら一人エッチをしていたところ、モニカが急に現れたため、チャンドラーは慌ててチャンネルを変えました。
チャンドラーが一人エッチをしていたことに気付いたモニカは、チャンドラーの見ていたものが「サメの映像」だったことに驚愕。「チャンドラーはサメでエッチな気持ちになるの?」と心配し、そのことをレイチェルに相談したりもしていました。
「ジョーイは、今回デートした相手の女性と前に寝たことがある、と気付いたけれど、相手の女性がそのことを全く覚えていないようなので怒っている」という前回のシーンの続きから。
モニカ: What's the big deal? You forgot, she forgot. Maybe you were having an off night. (何が大ごとなの? あなたは忘れた、彼女も忘れた。多分、調子が悪い夜だったのよ。)
ジョーイ: HEY! I never have an off night. Okay? Although, sometimes if I'm a little bloated, I don't feel that sexy. But even then, I'm better than most! (おい! 俺には調子が悪い夜なんかないの! いいか? そりゃあ、時々、ちょっと(体が)むくんでる時は、そんなにセクシーに感じないけどさ。でもその時でさえ、たいていのやつよりは俺の方がいいよ!)
モニカ: Honey, why don't you just let it go and ask her out again? (ハニー、そんなことはただ忘れて、彼女をもう一度デートに誘ったらどう?)
レイチェル: Yeah, you're both so slutty, you don't even remember who you've slept with. You're made for each other. (そうよ、あなたたち二人ともふしだらで、寝た相手を覚えてすらいないんだから。あなたたちはお似合いなのよ。)
ジョーイ: Interesting. All right, well, I'll go out with her again and I'll try to get past it. (reaches for the chips) No salt! Bloaty! (面白いね。わかった、俺は彼女ともう一度デートする、そしてその件は忘れるようにするよ。[チップスに手を伸ばす] 塩はダメだ! むくむぞ!)
モニカ: Joey? Joey. (ジョーイ? ねぇ、ジョーイ。)
ジョーイ: What? (何?)
モニカ: You don't think sharks are sexy, do you? (サメがセクシーだって、あなたは思わないわよね?)
ジョーイ: No. (Pause) Wait a minute. Wait, what was the Little Mermaid? (いいや(思わないよ)。[間があって] ちょっと待って、待って。リトル・マーメイドって何だったっけ?)
(Monica just looks at him, and Rachel wants to laugh)
モニカはただジョーイを見て、レイチェルは笑いそうになる。
「エッチしたのに俺のことを忘れるなんて」と何度も言うのにうんざりした様子のモニカは、「何が大ごとだっていうの?」と言って、「あなたは忘れた、彼女も忘れた」と言った後、Maybe you were having an off night. と言っています。
直訳すると、「多分、あなたは、オフの夜を持っていた」になるでしょうか。
つまり、「前にその彼女と寝た夜は、あなたはオフ状態だったのね」みたいに言っていることになるでしょう。
この部分、DVDの日本語訳では、「その夜は不調だったのかも」となっていました。
オン・オフのオフのニュアンスからだと、「休んでいる」とか「止まっている、切れている」という感覚が想像できますが、今回のニュアンスは「調子が狂って」という感じが近いような気がしました。
研究社 新英和中辞典では、
off=《口語》 〈人が〉(調子が)狂って
I'm feeling a bit off today. きょうは少々(気分が)変だ。
と出ています。
LAAD では、
off [adjective] : [not before noun] not as good as usual
例) Our performance is way off (= much worse than usual).
つまり、「いつもほど良くない」。例文は「我々の演技はいつもよりかなり悪かった」。
DVD日本語訳の「不調」という訳の通り、「その晩は調子が悪かった、いつもほど(エッチが)良くなかったんじゃないの」という感じだと思います。
そんな風にモニカに決めつけられたジョーイは、「おい!」と抗議の口調で、「俺にはオフの夜(調子の悪い夜)なんか絶対にない」と言っています。
I've never had an off night. なら、「これまで、オフの夜なんて一度もあったことがない」というような、「そんな経験は全くない」ことを言っていることになりますが、今回のセリフは、I never have an off night. という「現在形」ですので、「今まで一度も〜したことない」というよりは、「俺は決して〜しない」という「俺という人間の特性・習性」みたいなものを述べている感覚になるだろうと思います。
その後もずっと現在形のセリフが続いていますが、それも「俺はこうである。こういう人間である」という性質を語っているニュアンスになるでしょう。
「俺には不調の夜なんかないの!」みたいに言った後、「そりゃあ時々は、俺がちょっと bloated な場合は、そんなにセクシーに感じないけど。でもその時ですら、俺は most よりもいいんだ!」と言っています。
先に most の方を見てみると、これは代名詞で「たいていの人々」という意味になります。
研究社 新英和中辞典では、
most=【代】[通例無冠詞で; 複数扱い] たいていの[多くの]人々
A few people were killed in the accident, but most were saved. その事故で死んだ人も何人かいたが、ほとんどの人は救出された。
つまり、この場合は、most = most people ということですね。
bloated というのはあまり聞き慣れない単語だと思いますが、「そういう場合はセクシーに感じないけど、その時すら、他のやつよりはずっといいんだからな」みたいに言っていることから、どちらかと言うと、ネガティブな意味であることが想像されますね。
実際に辞書を調べてみると、bloated は「むくんだ、ふくれた」という意味が出ています。
LAAD では、
bloated [adjective] : much larger than usual because of being too full of water, gas, food etc. (SYN: swollen)
つまり、「いつもよりもかなり大きい、水、ガス、食べ物などがいっぱい過ぎるという理由で。同義語:swollen」
同義語が swollen とあるように、これまでのフレンズでは「むくんだ」という意味だと、swollen が使われることが多かったですね。
ジョーイもシーズン1の頃はスリムでしたが、シーズンが経過するにつれて、だんだん太ってきた感じがあります。
そういうことも踏まえて、「ちょっとむくんだりすることもあるけど」みたいにジョーイが言っているのを考えると面白いですね。
Honey, why don't you just let it go and ask her out again? の let it go は「それが行くのを許す、それを行かせる」ということですから、この場合は「忘れる」というニュアンス。
つい1か月ほど前に、let that goする準備がある フレンズ9-2その1 という記事を書いたばかりでしたが、そこに出てきた let that go という表現に関連して、フレズ1-3 の
ジョーイ: Let it go, Ross. (もう忘れろよ、ロス。)
というセリフを併せて紹介しました。
今回の let it go も、フレンズ1-3 のニュアンスと全く同じですね。
「あなたたちは二人ともふしだらで、寝た相手を覚えていないんだから、二人はお似合いなのよ」とレイチェルは言っています。
You're made for each other. は「あなたたち(二人は)お互いのために作られた」ということなので「二人はお似合い」という意味になるのですね。
そう言われたジョーイは、気を取り直して、「また彼女を誘う。その件は忘れるようにする」と言っています。
そして、話しながらチップスに手を伸ばすのですが、「塩はダメ! むくんじゃう」みたいに言っているのも面白いです。
そんなやりとりをした後、モニカはジョーイに質問しています。
モニカは、チャンドラーがサメを見てエッチな気持ちになっていたと勘違いしているので、ジョーイもそんな気持ちになることがあるか尋ねていることになります。
「そんなこと思うわけないじゃん」なら、それで話が終わるところですが、「ちょっと待って。リトル・マーメイドって何だったっけ?」みたいに尋ねているのがジョーイっぽくて面白いですね。
リトル・マーメイドって名前なんだから、人魚(mermaid)に決まってるわけですが、それを「リトル・マーメイドってもしかしてサメの仲間? ああいうのならセクシーに感じちゃうけどな」みたいに言ったところが、フレンズっぽいオチになっていると思いました。
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前回の記事の続きの部分に当たるのですが、今回のシーンに関係のあるあらすじを先に紹介しておきます。
タルサに単身赴任中のチャンドラーを喜び驚かせるために、モニカはチャンドラーに内緒で、チャンドラーが泊まっているホテルを訪ねます。
一人で退屈だったチャンドラーが、エッチなビデオを見ながら一人エッチをしていたところ、モニカが急に現れたため、チャンドラーは慌ててチャンネルを変えました。
チャンドラーが一人エッチをしていたことに気付いたモニカは、チャンドラーの見ていたものが「サメの映像」だったことに驚愕。「チャンドラーはサメでエッチな気持ちになるの?」と心配し、そのことをレイチェルに相談したりもしていました。
「ジョーイは、今回デートした相手の女性と前に寝たことがある、と気付いたけれど、相手の女性がそのことを全く覚えていないようなので怒っている」という前回のシーンの続きから。
モニカ: What's the big deal? You forgot, she forgot. Maybe you were having an off night. (何が大ごとなの? あなたは忘れた、彼女も忘れた。多分、調子が悪い夜だったのよ。)
ジョーイ: HEY! I never have an off night. Okay? Although, sometimes if I'm a little bloated, I don't feel that sexy. But even then, I'm better than most! (おい! 俺には調子が悪い夜なんかないの! いいか? そりゃあ、時々、ちょっと(体が)むくんでる時は、そんなにセクシーに感じないけどさ。でもその時でさえ、たいていのやつよりは俺の方がいいよ!)
モニカ: Honey, why don't you just let it go and ask her out again? (ハニー、そんなことはただ忘れて、彼女をもう一度デートに誘ったらどう?)
レイチェル: Yeah, you're both so slutty, you don't even remember who you've slept with. You're made for each other. (そうよ、あなたたち二人ともふしだらで、寝た相手を覚えてすらいないんだから。あなたたちはお似合いなのよ。)
ジョーイ: Interesting. All right, well, I'll go out with her again and I'll try to get past it. (reaches for the chips) No salt! Bloaty! (面白いね。わかった、俺は彼女ともう一度デートする、そしてその件は忘れるようにするよ。[チップスに手を伸ばす] 塩はダメだ! むくむぞ!)
モニカ: Joey? Joey. (ジョーイ? ねぇ、ジョーイ。)
ジョーイ: What? (何?)
モニカ: You don't think sharks are sexy, do you? (サメがセクシーだって、あなたは思わないわよね?)
ジョーイ: No. (Pause) Wait a minute. Wait, what was the Little Mermaid? (いいや(思わないよ)。[間があって] ちょっと待って、待って。リトル・マーメイドって何だったっけ?)
(Monica just looks at him, and Rachel wants to laugh)
モニカはただジョーイを見て、レイチェルは笑いそうになる。
「エッチしたのに俺のことを忘れるなんて」と何度も言うのにうんざりした様子のモニカは、「何が大ごとだっていうの?」と言って、「あなたは忘れた、彼女も忘れた」と言った後、Maybe you were having an off night. と言っています。
直訳すると、「多分、あなたは、オフの夜を持っていた」になるでしょうか。
つまり、「前にその彼女と寝た夜は、あなたはオフ状態だったのね」みたいに言っていることになるでしょう。
この部分、DVDの日本語訳では、「その夜は不調だったのかも」となっていました。
オン・オフのオフのニュアンスからだと、「休んでいる」とか「止まっている、切れている」という感覚が想像できますが、今回のニュアンスは「調子が狂って」という感じが近いような気がしました。
研究社 新英和中辞典では、
off=《口語》 〈人が〉(調子が)狂って
I'm feeling a bit off today. きょうは少々(気分が)変だ。
と出ています。
LAAD では、
off [adjective] : [not before noun] not as good as usual
例) Our performance is way off (= much worse than usual).
つまり、「いつもほど良くない」。例文は「我々の演技はいつもよりかなり悪かった」。
DVD日本語訳の「不調」という訳の通り、「その晩は調子が悪かった、いつもほど(エッチが)良くなかったんじゃないの」という感じだと思います。
そんな風にモニカに決めつけられたジョーイは、「おい!」と抗議の口調で、「俺にはオフの夜(調子の悪い夜)なんか絶対にない」と言っています。
I've never had an off night. なら、「これまで、オフの夜なんて一度もあったことがない」というような、「そんな経験は全くない」ことを言っていることになりますが、今回のセリフは、I never have an off night. という「現在形」ですので、「今まで一度も〜したことない」というよりは、「俺は決して〜しない」という「俺という人間の特性・習性」みたいなものを述べている感覚になるだろうと思います。
その後もずっと現在形のセリフが続いていますが、それも「俺はこうである。こういう人間である」という性質を語っているニュアンスになるでしょう。
「俺には不調の夜なんかないの!」みたいに言った後、「そりゃあ時々は、俺がちょっと bloated な場合は、そんなにセクシーに感じないけど。でもその時ですら、俺は most よりもいいんだ!」と言っています。
先に most の方を見てみると、これは代名詞で「たいていの人々」という意味になります。
研究社 新英和中辞典では、
most=【代】[通例無冠詞で; 複数扱い] たいていの[多くの]人々
A few people were killed in the accident, but most were saved. その事故で死んだ人も何人かいたが、ほとんどの人は救出された。
つまり、この場合は、most = most people ということですね。
bloated というのはあまり聞き慣れない単語だと思いますが、「そういう場合はセクシーに感じないけど、その時すら、他のやつよりはずっといいんだからな」みたいに言っていることから、どちらかと言うと、ネガティブな意味であることが想像されますね。
実際に辞書を調べてみると、bloated は「むくんだ、ふくれた」という意味が出ています。
LAAD では、
bloated [adjective] : much larger than usual because of being too full of water, gas, food etc. (SYN: swollen)
つまり、「いつもよりもかなり大きい、水、ガス、食べ物などがいっぱい過ぎるという理由で。同義語:swollen」
同義語が swollen とあるように、これまでのフレンズでは「むくんだ」という意味だと、swollen が使われることが多かったですね。
ジョーイもシーズン1の頃はスリムでしたが、シーズンが経過するにつれて、だんだん太ってきた感じがあります。
そういうことも踏まえて、「ちょっとむくんだりすることもあるけど」みたいにジョーイが言っているのを考えると面白いですね。
Honey, why don't you just let it go and ask her out again? の let it go は「それが行くのを許す、それを行かせる」ということですから、この場合は「忘れる」というニュアンス。
つい1か月ほど前に、let that goする準備がある フレンズ9-2その1 という記事を書いたばかりでしたが、そこに出てきた let that go という表現に関連して、フレズ1-3 の
ジョーイ: Let it go, Ross. (もう忘れろよ、ロス。)
というセリフを併せて紹介しました。
今回の let it go も、フレンズ1-3 のニュアンスと全く同じですね。
「あなたたちは二人ともふしだらで、寝た相手を覚えていないんだから、二人はお似合いなのよ」とレイチェルは言っています。
You're made for each other. は「あなたたち(二人は)お互いのために作られた」ということなので「二人はお似合い」という意味になるのですね。
そう言われたジョーイは、気を取り直して、「また彼女を誘う。その件は忘れるようにする」と言っています。
そして、話しながらチップスに手を伸ばすのですが、「塩はダメ! むくんじゃう」みたいに言っているのも面白いです。
そんなやりとりをした後、モニカはジョーイに質問しています。
モニカは、チャンドラーがサメを見てエッチな気持ちになっていたと勘違いしているので、ジョーイもそんな気持ちになることがあるか尋ねていることになります。
「そんなこと思うわけないじゃん」なら、それで話が終わるところですが、「ちょっと待って。リトル・マーメイドって何だったっけ?」みたいに尋ねているのがジョーイっぽくて面白いですね。
リトル・マーメイドって名前なんだから、人魚(mermaid)に決まってるわけですが、それを「リトル・マーメイドってもしかしてサメの仲間? ああいうのならセクシーに感じちゃうけどな」みたいに言ったところが、フレンズっぽいオチになっていると思いました。
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2015年01月22日
二巡目に入ったのね フレンズ9-4その3
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モニカの家。モニカとレイチェルが話しているところに、ジョーイが入ってきます。
ジョーイ: (enters) Hey. ([入ってきて] やあ。)
レイチェル: (sits down) Hi. ([座って] はーい。)
ジョーイ: Listen to this. I went out with this girl last night. Halfway through our date I realized I already slept with her. (聞いてくれよ。昨日の晩、ある女の子とデートしたんだ。デートの途中で俺は気付いたんだよ、すでにこの子とは寝た、って。)
(Monica makes a strange face and sits down)
モニカは変な顔をして、座る。
レイチェル: So basically you've slept with all the woman in New York and now you're just going around again? (それじゃあ、基本的に、あなたはニューヨークの全ての女性と寝て、今はもう一度それを繰り返しているところ[二巡目に入っているところ]なのね。)
ジョーイ: Well, that's not even the weird part. I don't think she remembered sleeping with me! (いや、それは変なところですらないんだよ。(変だと思うのは)彼女が俺と寝たことを覚えているとは思えないんだ!)
モニカ: But you don't remember sleeping with her! (でもあなたは[あなたも]彼女と寝たことを覚えてないんでしょ?)
ジョーイ: Yeah, but she should remember sleeping with me. I am very memorable! You guys know. (あぁ、でも彼女は俺と寝たことを覚えているべきなんだよ。俺はすごく忘れられない[記憶に残る](男な)んだから! 知ってるだろ。)
レイチェル: What, how do we know? We've never slept with you. (え? どうやって私たちがそれを知るっていうの? 私たち、あなたと一度も寝たことないのに。)
ジョーイ: And whose fault is that? (で、それは誰のせいなのかな?)
ジョーイは、モニカとレイチェルに、デートした女性のことを話しています。
I went out with this girl last night. の this girl は、a girl 「ある女性」というニュアンスですね。
自分に起こった出来事を物語調に語る場合に、こういう this がよく使われます。
Halfway through our date の halfway through は「〜の途中で」という意味。
I was halfway through my breakfast. 「私は朝食の途中だった」という形でも使われます。
今回の場合は、「彼女とデートしている途中で、俺はあることに気付いたんだ」と言っていることになります。
何に気付いたかというと、前回の記事で説明したように、「俺は彼女とデートしたことがある。彼女と寝たことがある」ということですね。
「今回デートした相手とは、既に一度寝たことがある、って、デートの途中に気付いた」などと話し出すので、「会った時じゃなくて、デートの途中で気付いたの?」と女性陣はあきれたのでしょう、レイチェルは皮肉っぽく、So basically 以下のセリフを言っています。
そのセリフを直訳すると、「それじゃあ基本的に、あなたはニューヨークの全ての女性と寝てしまって、今はただそれをもう一度繰り返しているところなのね?」という感じ。
go around は「周回する」ということですから、go around again は、何かを一通り終えた後、現在二巡目に入っている、という感じが出ますよね。
NY中の女性とデートしまくった結果、もう初めての女性っていなくなったのね、みたいにプレイボーイのジョーイをからかっている感覚になるでしょう。
that's not even the weird part. は「そのことは変な部分ですらない」。
つまりジョーイは、「デートに誘った人とは前にも寝ていたとわかった」ということが変なんじゃなくて、もっと変な・奇妙なことがあったんだよ、と言っていることになります。
そして、ジョーイが変だと思ったこととして、I don't think she remembered... と言っていますね。
「彼女が俺と寝たことを覚えているようには思えない」→「彼女は俺と寝たことを覚えてないと俺には思える」になるでしょう。
英語ではこのように最初に、I don't think... 「…とは思わない」と否定語を言っておいてから、「どんな風に思わないのか」という内容を続けることが多いですね。
このやり取りでは、remember sleeping という表現が3回出てきますが、このような remember doing の形は「〜したことを覚えている」というような「過去にしたことの言及」を表します。
remember to do のように不定詞が続いた場合は、「忘れずに〜する」という、「未来に行なう予定の言及」を表しますね。
「覚えている」の反意語の「忘れる」(forget)の場合でも、doing が「過去」で、to do が「未来」を指すという関係は同じになります。
「ヘンなのはさぁ、彼女が俺と寝たことを覚えてないみたいってことなんだよ」と言うジョーイにモニカは、「デートの途中で気付いたと言っていた、あなただって寝たことを忘れてたわけでしょ?」と返しています。
モニカにしたら「あなただって忘れてたんだから、お互い様じゃない」と言いたいところですが、ジョーイは、「ああ(確かに俺も覚えてなかったけど)、彼女は俺と寝たことを覚えているべきだ」と言っています。
なぜ「覚えているべきか」という理由が、I am very memorable! 「俺ってすごく忘れられない・記憶に残る(男だ)から!」
改めて英英辞典で語義を見てみると、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
memorable : very good, enjoyable, or unusual, and worth remembering
つまり、「非常に良い、楽しめる、普段と違う、そして覚えておく価値がある」。
ジョーイは「俺はすっごくいい男で、覚えておく価値のある男だ」と自ら言っているわけですね。
ことさら、「彼女は俺と寝たことを覚えてないらしい」と「寝たこと」ばかりを言っているので、俺はエッチがうまいから、俺とエッチしたことを忘れるわけないよ、と「そっち方面で忘れられない男」であることを強調している感覚になるでしょう。
「俺とのエッチを忘れるはずない。わかるだろ」とジョーイは女性陣に言うのですが、レイチェルは、how do we know? 「どのようにして私たちが(それを)知るの・わかるの?」と返しています。
その次のセリフで説明しているように、「私たち(モニカとレイチェル)は、あなたと一度も寝たことないのに」、「エッチしたら忘れられなくなるとか言われても、経験したことないからわかんないわよ」と言ったことになります。
その次の、And whose fault is that? というセリフが、ちょっと面白いですね。
「で、それは誰の責任・誰のせいかな?」ということですが、レイチェルが「あなたとは一度も寝たことないのにわかるわけない」と言ったことを受けて、「俺は君に告白したのに、君は断った。寝たことないからわかんない、って言うけど、寝たことないような状況にしたのは、レイチェル、君なんだけど」みたいにジョーイは言ってみせたわけです。
自分が振られた話は、ジョーイにとっては嬉しくないことなので、その件を大々的に蒸し返すつもりもなかったでしょうが、「俺とのエッチを忘れる子がいるなんて信じられない」と言っているのに、「寝たことないのに知るわけないじゃない」と冷たく一蹴されたため、ちょっといじわるっぽくそう言い返した感じになるでしょうね。
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モニカの家。モニカとレイチェルが話しているところに、ジョーイが入ってきます。
ジョーイ: (enters) Hey. ([入ってきて] やあ。)
レイチェル: (sits down) Hi. ([座って] はーい。)
ジョーイ: Listen to this. I went out with this girl last night. Halfway through our date I realized I already slept with her. (聞いてくれよ。昨日の晩、ある女の子とデートしたんだ。デートの途中で俺は気付いたんだよ、すでにこの子とは寝た、って。)
(Monica makes a strange face and sits down)
モニカは変な顔をして、座る。
レイチェル: So basically you've slept with all the woman in New York and now you're just going around again? (それじゃあ、基本的に、あなたはニューヨークの全ての女性と寝て、今はもう一度それを繰り返しているところ[二巡目に入っているところ]なのね。)
ジョーイ: Well, that's not even the weird part. I don't think she remembered sleeping with me! (いや、それは変なところですらないんだよ。(変だと思うのは)彼女が俺と寝たことを覚えているとは思えないんだ!)
モニカ: But you don't remember sleeping with her! (でもあなたは[あなたも]彼女と寝たことを覚えてないんでしょ?)
ジョーイ: Yeah, but she should remember sleeping with me. I am very memorable! You guys know. (あぁ、でも彼女は俺と寝たことを覚えているべきなんだよ。俺はすごく忘れられない[記憶に残る](男な)んだから! 知ってるだろ。)
レイチェル: What, how do we know? We've never slept with you. (え? どうやって私たちがそれを知るっていうの? 私たち、あなたと一度も寝たことないのに。)
ジョーイ: And whose fault is that? (で、それは誰のせいなのかな?)
ジョーイは、モニカとレイチェルに、デートした女性のことを話しています。
I went out with this girl last night. の this girl は、a girl 「ある女性」というニュアンスですね。
自分に起こった出来事を物語調に語る場合に、こういう this がよく使われます。
Halfway through our date の halfway through は「〜の途中で」という意味。
I was halfway through my breakfast. 「私は朝食の途中だった」という形でも使われます。
今回の場合は、「彼女とデートしている途中で、俺はあることに気付いたんだ」と言っていることになります。
何に気付いたかというと、前回の記事で説明したように、「俺は彼女とデートしたことがある。彼女と寝たことがある」ということですね。
「今回デートした相手とは、既に一度寝たことがある、って、デートの途中に気付いた」などと話し出すので、「会った時じゃなくて、デートの途中で気付いたの?」と女性陣はあきれたのでしょう、レイチェルは皮肉っぽく、So basically 以下のセリフを言っています。
そのセリフを直訳すると、「それじゃあ基本的に、あなたはニューヨークの全ての女性と寝てしまって、今はただそれをもう一度繰り返しているところなのね?」という感じ。
go around は「周回する」ということですから、go around again は、何かを一通り終えた後、現在二巡目に入っている、という感じが出ますよね。
NY中の女性とデートしまくった結果、もう初めての女性っていなくなったのね、みたいにプレイボーイのジョーイをからかっている感覚になるでしょう。
that's not even the weird part. は「そのことは変な部分ですらない」。
つまりジョーイは、「デートに誘った人とは前にも寝ていたとわかった」ということが変なんじゃなくて、もっと変な・奇妙なことがあったんだよ、と言っていることになります。
そして、ジョーイが変だと思ったこととして、I don't think she remembered... と言っていますね。
「彼女が俺と寝たことを覚えているようには思えない」→「彼女は俺と寝たことを覚えてないと俺には思える」になるでしょう。
英語ではこのように最初に、I don't think... 「…とは思わない」と否定語を言っておいてから、「どんな風に思わないのか」という内容を続けることが多いですね。
このやり取りでは、remember sleeping という表現が3回出てきますが、このような remember doing の形は「〜したことを覚えている」というような「過去にしたことの言及」を表します。
remember to do のように不定詞が続いた場合は、「忘れずに〜する」という、「未来に行なう予定の言及」を表しますね。
「覚えている」の反意語の「忘れる」(forget)の場合でも、doing が「過去」で、to do が「未来」を指すという関係は同じになります。
「ヘンなのはさぁ、彼女が俺と寝たことを覚えてないみたいってことなんだよ」と言うジョーイにモニカは、「デートの途中で気付いたと言っていた、あなただって寝たことを忘れてたわけでしょ?」と返しています。
モニカにしたら「あなただって忘れてたんだから、お互い様じゃない」と言いたいところですが、ジョーイは、「ああ(確かに俺も覚えてなかったけど)、彼女は俺と寝たことを覚えているべきだ」と言っています。
なぜ「覚えているべきか」という理由が、I am very memorable! 「俺ってすごく忘れられない・記憶に残る(男だ)から!」
改めて英英辞典で語義を見てみると、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
memorable : very good, enjoyable, or unusual, and worth remembering
つまり、「非常に良い、楽しめる、普段と違う、そして覚えておく価値がある」。
ジョーイは「俺はすっごくいい男で、覚えておく価値のある男だ」と自ら言っているわけですね。
ことさら、「彼女は俺と寝たことを覚えてないらしい」と「寝たこと」ばかりを言っているので、俺はエッチがうまいから、俺とエッチしたことを忘れるわけないよ、と「そっち方面で忘れられない男」であることを強調している感覚になるでしょう。
「俺とのエッチを忘れるはずない。わかるだろ」とジョーイは女性陣に言うのですが、レイチェルは、how do we know? 「どのようにして私たちが(それを)知るの・わかるの?」と返しています。
その次のセリフで説明しているように、「私たち(モニカとレイチェル)は、あなたと一度も寝たことないのに」、「エッチしたら忘れられなくなるとか言われても、経験したことないからわかんないわよ」と言ったことになります。
その次の、And whose fault is that? というセリフが、ちょっと面白いですね。
「で、それは誰の責任・誰のせいかな?」ということですが、レイチェルが「あなたとは一度も寝たことないのにわかるわけない」と言ったことを受けて、「俺は君に告白したのに、君は断った。寝たことないからわかんない、って言うけど、寝たことないような状況にしたのは、レイチェル、君なんだけど」みたいにジョーイは言ってみせたわけです。
自分が振られた話は、ジョーイにとっては嬉しくないことなので、その件を大々的に蒸し返すつもりもなかったでしょうが、「俺とのエッチを忘れる子がいるなんて信じられない」と言っているのに、「寝たことないのに知るわけないじゃない」と冷たく一蹴されたため、ちょっといじわるっぽくそう言い返した感じになるでしょうね。
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2015年01月19日
だからだ!のThat's why フレンズ9-4その2
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ヘイリーという女性とデートしたジョーイは、その女性といい感じになり、そのまま彼女のアパートメントに来ています。
ヘイリーがコーヒーを入れるために台所に行っている間、ジョーイは彼女の部屋を見回しながら、心の中で独り言を言っているところ。
(ずっとジョーイだけの独り言のセリフが続くのですが、全体として長いセリフになっているので、以下ではところどころ区切りつつ、日本語訳を入れています)
ジョーイの心の声: (Walks over to a painting on the wall) Oh now there's a scary painting. Wait a minute, I think I've been scared by that painting before. (Looks around) You know what? This whole place looks familiar. I have definitely been in this apartment. ([壁の絵のところに歩いて行く] おぉ、不気味な絵があるぞ。ちょっと待てよ、あの絵、前にも不気味だって感じた気がする。[見回して] この場所、全部、見覚えがある。俺、このアパートメントに絶対来たことあるぞ。)
ジョーイの心の声: I know I've seen this weird plant before (it's a cactus and he touch's it) OUCH! It did that the last time! Oh, my God. I've gone out with this girl before. Yeah! We had sex on this couch! And then on that chair, and-- No. No, we didn't do it here, which is weird, because it seems like a perfectly good place. (前にこの変な植物、見たことあるもん。[それはサボテンで、ジョーイはそれに触れる] いてっ! 前にも今みたいなことあった! なんてこった。俺はこの子と前にもデートしたことあるんだ。そうだよ! あのカウチで俺たちエッチしたもん! それからあの椅子でも(エッチしたし)、それから… いや。いや、ここではエッチしなかったぞ。それってヘンだよな、だって完璧なほど(エッチするのに)いい場所みたいなのに。)
ジョーイ: (bends down to see and the cactus pricks him in the ass) OUCH! That's why. ([かがんで見ようとして、サボテンがジョーイのお尻に突き刺さる] いてっ! だからだ。)
ジョーイは部屋を見ながら、引き続き心の中でいろいろ考えています。
「怖い・恐ろしい絵がある」と言った後、「待てよ。前にあの絵を怖いと思った気がする」みたいに言っていますね。
be scared は I'm scared. 「怖いよ」のように訳されることが多いですが、「(人)を怖がらせる、おびえさせる」という他動詞 scare のニュアンスを出して訳すと、「俺は以前、あの絵におびえさせられたことがあるって思う」のようになるでしょう。
自然な日本語にすると、「あの絵を怖いと思ったことがあると思う」になるでしょうが、英語の感覚で捉えようとするならば、また、そういう英語を今後自分で発信したいと思う場合には、その他動詞を意識して意味を取る方が効果的だと思います。
「怖い絵がある。あの絵を怖いと思ったことがある」というよりも、「怖い絵がある。あの絵に怖がらされた・びびらされたことがある」のニュアンスが、英語的にはより近いということですね。
そしてジョーイは部屋を見回して、「この場所全部が見覚えある」と言っています。
look familiar が「見覚えある」という意味であることは、一つ前のエピソードの記事、
だから君のこと見覚えあるんだ フレンズ9-3その3 で解説したばかりでしたね。
その後ジョーイは、「俺は絶対、この部屋にいたことがあるぞ」と言い、さらに、「この変な植物を前に見たことある(ってわかってる)」みたいに言っていますね。
ト書きにあるように、その「変な植物」は、サボテン(cactus)で、それに触れて、アウチ!と叫んでいます。
It did that the last time! を直訳すると、「それ(この植物)は前の時に(も)それをした」というところですね。
did that は「ジョーイを痛がらせたこと、ジョーイに痛い思いをさせたこと」という感覚でしょう。
言っている内容としては、「俺はこの前もこの植物を触って、痛い!って思った」ということですが、英語本来の意味は、「この植物は前にも俺に同じことをした、俺を痛がらせた」と言っていることになります。
不気味な絵に怯えた経験を思い出し、アパートにも見覚えがある、変な植物でイテッ! となった記憶もある、、と思ったジョーイは、「俺、この女の子と前にもデートしたことがある」と気付いたようです。
Yeah! We had sex on this couch! は、「そうだよ! 俺たちはこのカウチの上でエッチしたもん!」みたいなことですね。
And then on that chair はもちろん、And then we had sex on that chair ということで、「このカウチの上でエッチして、それから、あの椅子の上でもエッチして」みたいに、その時のエッチの流れ(笑)を思い出しているようですが、その後、No, we didn't do it here 「いや、ここでは俺たちはエッチしてない」と言っています。
do it は話の流れから、have sex であるとわかりますが、直前に have sex という言葉がなくても、do it だけでもその意味で使われますね。
which is weird の which は、その前の文を指し、「ここではエッチしていない、ということは変だ」という意味。
そして、「どうして変だと思うのかの理由」として、「完璧に(エッチに)良い・適した場所だと思えるから」と言っています。
そう言ってジョーイがかがむと、お尻の部分にあるサボテンが、ジョーイのお尻にチクッと突き刺さり、ジョーイはまた、アウチ! と言うことになります。
そして、That's why. と言っていますね。
That's why... は、フレンズ頻出表現で、「それが〜の理由である、だから〜なのだ」という感覚。
That's the reason why... の the reason が省略されたと考えるとわかりやすいでしょう。
「それ(今、起こった出来事)が、なぜ〜なのかの理由である」ということから、今回のセリフの場合だと、That's the reason why we didn't do it here. 「サボテンがお尻に刺さる、ということが、俺たちがこの場所でエッチしなかった理由だ」と言っていることになります。
That's why SV のように、why の後に文章が続く場合も多いですが、後に続く文章が明白な場合には、このように省略してしまう場合もあるわけですね。
この That's why. は、DVD日本語訳では、「だからだ」と訳されていました。
That's why... 「だから〜なのだ」の「〜」の部分が省略されているわけですから、why 以下の SV が省略された That's why. のニュアンスは、まさにその「だからだ」がぴったりだと思います。
この位置にサボテンが置いてあるから、ここはエッチには不向きだと気付いたわけですね。
私はこの That's why. というフレーズを聞くと、必ず思い出すシーンがあります。
それが、映画「インデペンデンス・デイ」(ID4)のワンシーン。
独立記念日は休暇の予定だったのに、基地に行かなければならないと言って出発しようとするヒラー大尉。
恋人のジャスミンは「あなたは休暇を取るって言ったじゃない」と、ヒラー大尉が基地に行くのを引き止めようと必死。
恋人が動揺している様子を見て、
ヒラー大尉: Look, why are you acting like this? (なぁ、なぜ、君はこんな風に振る舞ってるんだ?[どうしてこんなに必死に俺を止めようとするんだ?])
ジャスミン: Why? That's why! (なぜ、ですって? あれが理由よ!)
ヒラー大尉に、Why? と理由を尋ねられたジャスミンは、ムッとした顔で「ちょっと待って」というしぐさをしながら、窓のところまで行き、両手でバッとカーテンを開けて、外の上空に見えている巨大な異星人の円盤を両手で示して、That's why! と言っていました。
この場合はまさに、ジャスミンが手で示している「あれ」(円盤)が、「私がこんな風に振る舞っている、あなたを行かせたくないと必死で止めている”理由”よ」と言っている感覚になります。
この場合だと、今回のジョーイのような「だからだ/だからよ」よりも、「あれよ! あれが理由よ! あれのせいよ!」のように訳した方が自然になるでしょう。
今回のジョーイのセリフの場合は、「That's why=だからだ」という丸暗記で良いとも言えますが、その英文の構造を理解した上で、「直訳するとこういう意味になる。だからこの流れでは”だからだ”という訳がふさわしい」という理解の仕方をしていた方が、別のシチュエーションで出てきた時にも応用が効きやすいと言える気がします。
ID4 の場合は、(あそこに見えている)あれ=理由、つまり、「私が示している「あれ」が、私が今パニクっている理由よ」と言っている感覚になるわけですね。
理由を言葉で説明することなく、円盤を示すことで、「あんな巨大な円盤がやって来てるっていうのに、それと戦闘するかもしれないとわかっていて、あなたを黙って送り出せると思うの?」みたいな気持ちが、That's why! という一言で瞬時に理解されるわけです。
ID4 は、私がDVD学習法を始めたばかりのかなり初期に見た作品で、出てくるセリフやフレーズの全てが新鮮で、それぞれのシーンも強く記憶に残っています。
そのため、ブログ内でも時折思い出したように、フレーズの例として挙げることも多いのですが、「あの時、円盤を示しながら、That's why! って言ってたな」みたいな映像の記憶とのリンクは、本当に英語のニュアンスを理解するのに役立つと実感します。
英語で理由を問われた場合、あれこれ「言葉」で説明しないといけない気になってしまうものですが、「あれを見ればわかるでしょ!」的に「理由=(私が指している)あれ」と一言言うだけで、十分説明できてしまう、、それが、お互いに状況を共有している人との「会話」というものなのだと思うわけですね。
フレンズから脱線してしまいましたが、この映画を見た方なら記憶に残っているかも、と思ったので、併せてご紹介してみました。
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ヘイリーという女性とデートしたジョーイは、その女性といい感じになり、そのまま彼女のアパートメントに来ています。
ヘイリーがコーヒーを入れるために台所に行っている間、ジョーイは彼女の部屋を見回しながら、心の中で独り言を言っているところ。
(ずっとジョーイだけの独り言のセリフが続くのですが、全体として長いセリフになっているので、以下ではところどころ区切りつつ、日本語訳を入れています)
ジョーイの心の声: (Walks over to a painting on the wall) Oh now there's a scary painting. Wait a minute, I think I've been scared by that painting before. (Looks around) You know what? This whole place looks familiar. I have definitely been in this apartment. ([壁の絵のところに歩いて行く] おぉ、不気味な絵があるぞ。ちょっと待てよ、あの絵、前にも不気味だって感じた気がする。[見回して] この場所、全部、見覚えがある。俺、このアパートメントに絶対来たことあるぞ。)
ジョーイの心の声: I know I've seen this weird plant before (it's a cactus and he touch's it) OUCH! It did that the last time! Oh, my God. I've gone out with this girl before. Yeah! We had sex on this couch! And then on that chair, and-- No. No, we didn't do it here, which is weird, because it seems like a perfectly good place. (前にこの変な植物、見たことあるもん。[それはサボテンで、ジョーイはそれに触れる] いてっ! 前にも今みたいなことあった! なんてこった。俺はこの子と前にもデートしたことあるんだ。そうだよ! あのカウチで俺たちエッチしたもん! それからあの椅子でも(エッチしたし)、それから… いや。いや、ここではエッチしなかったぞ。それってヘンだよな、だって完璧なほど(エッチするのに)いい場所みたいなのに。)
ジョーイ: (bends down to see and the cactus pricks him in the ass) OUCH! That's why. ([かがんで見ようとして、サボテンがジョーイのお尻に突き刺さる] いてっ! だからだ。)
ジョーイは部屋を見ながら、引き続き心の中でいろいろ考えています。
「怖い・恐ろしい絵がある」と言った後、「待てよ。前にあの絵を怖いと思った気がする」みたいに言っていますね。
be scared は I'm scared. 「怖いよ」のように訳されることが多いですが、「(人)を怖がらせる、おびえさせる」という他動詞 scare のニュアンスを出して訳すと、「俺は以前、あの絵におびえさせられたことがあるって思う」のようになるでしょう。
自然な日本語にすると、「あの絵を怖いと思ったことがあると思う」になるでしょうが、英語の感覚で捉えようとするならば、また、そういう英語を今後自分で発信したいと思う場合には、その他動詞を意識して意味を取る方が効果的だと思います。
「怖い絵がある。あの絵を怖いと思ったことがある」というよりも、「怖い絵がある。あの絵に怖がらされた・びびらされたことがある」のニュアンスが、英語的にはより近いということですね。
そしてジョーイは部屋を見回して、「この場所全部が見覚えある」と言っています。
look familiar が「見覚えある」という意味であることは、一つ前のエピソードの記事、
だから君のこと見覚えあるんだ フレンズ9-3その3 で解説したばかりでしたね。
その後ジョーイは、「俺は絶対、この部屋にいたことがあるぞ」と言い、さらに、「この変な植物を前に見たことある(ってわかってる)」みたいに言っていますね。
ト書きにあるように、その「変な植物」は、サボテン(cactus)で、それに触れて、アウチ!と叫んでいます。
It did that the last time! を直訳すると、「それ(この植物)は前の時に(も)それをした」というところですね。
did that は「ジョーイを痛がらせたこと、ジョーイに痛い思いをさせたこと」という感覚でしょう。
言っている内容としては、「俺はこの前もこの植物を触って、痛い!って思った」ということですが、英語本来の意味は、「この植物は前にも俺に同じことをした、俺を痛がらせた」と言っていることになります。
不気味な絵に怯えた経験を思い出し、アパートにも見覚えがある、変な植物でイテッ! となった記憶もある、、と思ったジョーイは、「俺、この女の子と前にもデートしたことがある」と気付いたようです。
Yeah! We had sex on this couch! は、「そうだよ! 俺たちはこのカウチの上でエッチしたもん!」みたいなことですね。
And then on that chair はもちろん、And then we had sex on that chair ということで、「このカウチの上でエッチして、それから、あの椅子の上でもエッチして」みたいに、その時のエッチの流れ(笑)を思い出しているようですが、その後、No, we didn't do it here 「いや、ここでは俺たちはエッチしてない」と言っています。
do it は話の流れから、have sex であるとわかりますが、直前に have sex という言葉がなくても、do it だけでもその意味で使われますね。
which is weird の which は、その前の文を指し、「ここではエッチしていない、ということは変だ」という意味。
そして、「どうして変だと思うのかの理由」として、「完璧に(エッチに)良い・適した場所だと思えるから」と言っています。
そう言ってジョーイがかがむと、お尻の部分にあるサボテンが、ジョーイのお尻にチクッと突き刺さり、ジョーイはまた、アウチ! と言うことになります。
そして、That's why. と言っていますね。
That's why... は、フレンズ頻出表現で、「それが〜の理由である、だから〜なのだ」という感覚。
That's the reason why... の the reason が省略されたと考えるとわかりやすいでしょう。
「それ(今、起こった出来事)が、なぜ〜なのかの理由である」ということから、今回のセリフの場合だと、That's the reason why we didn't do it here. 「サボテンがお尻に刺さる、ということが、俺たちがこの場所でエッチしなかった理由だ」と言っていることになります。
That's why SV のように、why の後に文章が続く場合も多いですが、後に続く文章が明白な場合には、このように省略してしまう場合もあるわけですね。
この That's why. は、DVD日本語訳では、「だからだ」と訳されていました。
That's why... 「だから〜なのだ」の「〜」の部分が省略されているわけですから、why 以下の SV が省略された That's why. のニュアンスは、まさにその「だからだ」がぴったりだと思います。
この位置にサボテンが置いてあるから、ここはエッチには不向きだと気付いたわけですね。
私はこの That's why. というフレーズを聞くと、必ず思い出すシーンがあります。
それが、映画「インデペンデンス・デイ」(ID4)のワンシーン。
独立記念日は休暇の予定だったのに、基地に行かなければならないと言って出発しようとするヒラー大尉。
恋人のジャスミンは「あなたは休暇を取るって言ったじゃない」と、ヒラー大尉が基地に行くのを引き止めようと必死。
恋人が動揺している様子を見て、
ヒラー大尉: Look, why are you acting like this? (なぁ、なぜ、君はこんな風に振る舞ってるんだ?[どうしてこんなに必死に俺を止めようとするんだ?])
ジャスミン: Why? That's why! (なぜ、ですって? あれが理由よ!)
ヒラー大尉に、Why? と理由を尋ねられたジャスミンは、ムッとした顔で「ちょっと待って」というしぐさをしながら、窓のところまで行き、両手でバッとカーテンを開けて、外の上空に見えている巨大な異星人の円盤を両手で示して、That's why! と言っていました。
この場合はまさに、ジャスミンが手で示している「あれ」(円盤)が、「私がこんな風に振る舞っている、あなたを行かせたくないと必死で止めている”理由”よ」と言っている感覚になります。
この場合だと、今回のジョーイのような「だからだ/だからよ」よりも、「あれよ! あれが理由よ! あれのせいよ!」のように訳した方が自然になるでしょう。
今回のジョーイのセリフの場合は、「That's why=だからだ」という丸暗記で良いとも言えますが、その英文の構造を理解した上で、「直訳するとこういう意味になる。だからこの流れでは”だからだ”という訳がふさわしい」という理解の仕方をしていた方が、別のシチュエーションで出てきた時にも応用が効きやすいと言える気がします。
ID4 の場合は、(あそこに見えている)あれ=理由、つまり、「私が示している「あれ」が、私が今パニクっている理由よ」と言っている感覚になるわけですね。
理由を言葉で説明することなく、円盤を示すことで、「あんな巨大な円盤がやって来てるっていうのに、それと戦闘するかもしれないとわかっていて、あなたを黙って送り出せると思うの?」みたいな気持ちが、That's why! という一言で瞬時に理解されるわけです。
ID4 は、私がDVD学習法を始めたばかりのかなり初期に見た作品で、出てくるセリフやフレーズの全てが新鮮で、それぞれのシーンも強く記憶に残っています。
そのため、ブログ内でも時折思い出したように、フレーズの例として挙げることも多いのですが、「あの時、円盤を示しながら、That's why! って言ってたな」みたいな映像の記憶とのリンクは、本当に英語のニュアンスを理解するのに役立つと実感します。
英語で理由を問われた場合、あれこれ「言葉」で説明しないといけない気になってしまうものですが、「あれを見ればわかるでしょ!」的に「理由=(私が指している)あれ」と一言言うだけで、十分説明できてしまう、、それが、お互いに状況を共有している人との「会話」というものなのだと思うわけですね。
フレンズから脱線してしまいましたが、この映画を見た方なら記憶に残っているかも、と思ったので、併せてご紹介してみました。
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2015年01月16日
ヴィクトリアズ・シークレットが愛読書 フレンズ9-4その1
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シーズン9 第4話
The One With The Sharks (”サメフェチ”チャンドラー)
原題は「サメの話」
ジョーイはセントラルパークで、ある女性に声を掛けデートします。
その女性といい雰囲気になったジョーイは、その女性(ヘイリー)のアパートメントに来ています。
ヘイリー: What a great dinner. (とっても素敵なディナーだったわ。)
ジョーイ: Yeah and, hey, thanks again for letting me having that last piece of cake at the restaurant. (そうだね、それに、ほら、もう一度ありがとうって言わせて、レストランでケーキの最後の一口を俺に(食べさせて)くれて。)
ヘイリー: (laughs) You're welcome again. I'm gonna make some coffee. Can I get you anything? ([笑って] もう一度言うわ、どういたしまして。コーヒーを入れるわね。何か持ってきましょうか?)
ジョーイ: Do you have any cake? (ケーキはある?)
(Hayley laughs and goes into the kitchen thinking it's a joke, Joey doesn't see what's so funny about it)
ヘイリーは笑い、それがジョークだと思いながら台所に行く。ジョーイはそれの何がおかしいのかわからない。)
ヘイリーが台所に行った後、ジョーイは心の中で独り言を言っています。
ジョーイの心の声: So this is going pretty good. Dinner was nice. Got a lot in common. (Sees a magazine) Victoria's Secret. Huh. We even like the same books. (で、これはなかなかいい感じに進んでるぞ。ディナーは良かったし。共通点も多い。[ある雑誌を見て] ヴィクトリアズ・シークレット。ほぉ。俺たちは本まで同じのが好きなんだな。)
いいムードで、デート相手の女性ヘイリーの家にやってきたジョーイ。
ジョーイはまず、「レストランで、ケーキの最後のピースを俺に食べさせてくれてありがとう」とお礼を言っています。
ケーキの残った最後の一切れをねだったらヘイリーがくれた、ということのようですね。
thanks again とジョーイが言い、ヘイリーも You're welcome again と言っていますが、それぞれ again がついていることで、「ケーキの最後の一口、くれてありがとね」「どういたしまして」という会話が以前にも交わされていたことが想像されます。
ケーキをもらったその時にまずは言ったのでしょうが、それをまた、こうして彼女の家に帰ってからも再度礼を言っているところに、「ジョーイにとってディナーの時に一番嬉しかったのが、ケーキをくれたことだった」みたいな感じが出ています。
ジョーイの子供っぽい感じが出ているとも言えますね。
ですから、ヘイリーもそのジョーイの子供のような発言に笑って、自分も「どういたしまして」の後に同じように again をつけたわけでしょう。
ヘイリーはとりあえず家に着いたということで、「コーヒーでも入れるわ。何か食べるもの持ってきましょうか?」のように尋ねています。
そこでジョーイが「ケーキはある?」と聞いているのもまた、ジョーイっぽくていいですね。
ヘイリーはそれをジョークだと思って、笑いながら台所に向かうのですが、言った当人のジョーイはト書きにあるように、「その発言の何が面白いのかわからない」という顔をしています。
大食漢のジョーイは、常に腹ペコ少年みたいな感じで、コーヒーと聞くとケーキも食べたい、と純粋に思ったようですが、ヘイリーは、「さっきはケーキありがとね。ところでここにもケーキある?」と、ケーキ繋がりのジョークを言ったものと思って笑っているわけです。
観客もそれをジョークだと思ったでしょうが、言った当人のジョーイだけが、「俺、何か面白いこと言った?」みたいな顔をしているのがここでのポイントなわけですね。
先ほど、again の話をしましたが、「レストランで言ったはずのお礼をここでもまた言う」ことで、ジョーイの子供っぽい部分を出すのと同時に、「部屋に帰ってからもまたケーキが欲しいと言う」(どんだけケーキが好きやねん!)ということの前振りにもなっていた、ということで、その前振りが唐突に聞こえないように、「さっきも言ったけど、もう一度言わせて」というニュアンスを込めて、(脚本の流れ上からも) again を挿入した、とも言える気がします。
ヘイリーが台所に行った後、ジョーイは心の中で独り言を言っています。
「これはなかなかいい感じに進んでる。ディナーも良かったし、共通点も多い・通じる・似たところがある」と言っていますね。
Got a lot in common. は、We have a lot in common. ということ。
have は have got とも表現され、have のない got だけでも、have の意味で使われることが口語ではよくあります。
in common は「共通に」という意味で、have something in common なら、「共通点がある」、have nothing in common なら、「共通点がない」ですね。
今回の got (= have) a lot in common は「共通にたくさん持っている」ということなので、「共通点が・通じるところが多い」という意味になります。
そして、その部屋に置いてある雑誌を見て、雑誌名を Victoria's Secret だと言った後、We even like the same books. と言っています。
「俺と彼女は、同じ本が好きでさえある」→「俺たちは、本まで同じものが好き。本の好みまで同じ」ということになるでしょう。
「俺も同じ本が好きだ」と言った、その雑誌 Victoria's Secret は、フレンズ1-7 にも名前が登場していました。
NYが停電になり、銀行のATMコーナーに女性と二人で閉じ込められたチャンドラー。その女性に見覚えがあって、名前を思い出そうとしているシーン。
チャンドラー: (心の声で) Oh, my God! It's her. It's that Victoria Secret model. Something, something Goodacre. (なんてこった! 彼女だ。あのヴィクトリア・シークレットのモデルだ。なんとか、なんとか・グッドエーカーだ。)
[Jill is on her mobile phone]
ジルは携帯で電話中。
ジル: Hi, Mom, it's Jill. (はい、ママ。ジルよ。)
チャンドラー: She's right. It's Jill. Jill Goodacre. (彼女の言う通りだ。ジルだ。ジル・グッドエーカーだ。)
フレンズ1-7 のDVD英語字幕には、Victoria Secret と書いてあり、Victoria's という「アポストロフィー+s」(所有格)の形にはなっていませんが、同じ雑誌を指しているのは明らかですよね。
Wikipedia 日本語版: ヴィクトリアズ・シークレット によると、
アメリカのリミテッド・ブランズ社の傘下のリテールブランドで、婦人服・下着・香水・美容用品などを扱っている。
店舗はピンクを基調としたセクシーなデザインで、下着や水着をはじめとする同社の取り扱い商品の多くはセクシー路線であるのが特徴である。また、ファッションショーやカタログ通信販売に力を入れており、これらにトップモデルを登場させるスタイルも話題を呼んでいる。
とあります。
本来、そのカタログは、下着を買いたい女性が見るものだと思われますが、「セクシー路線であり、カタログにトップモデルを登場させる」ことから、セクシーな女性を見たい殿方(笑)がそれを見ることもある、みたいなことでしょう。
それで、フレンズ1-7 のチャンドラーもジルを見て、「ヴィクトリアズ・シークレットのモデルだ」と気づいたし、ジョーイも「ヘイリーが読んでるヴィクトリアズ・シークレットは俺も好きな本だ」と言ったわけです。
言葉だけ聞いていると、愛読書が同じ、本の趣味も似てる、みたいに言っているけれども、注目しているポイントは若干違うんじゃない? という面白さになるでしょうね。
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シーズン9 第4話
The One With The Sharks (”サメフェチ”チャンドラー)
原題は「サメの話」
ジョーイはセントラルパークで、ある女性に声を掛けデートします。
その女性といい雰囲気になったジョーイは、その女性(ヘイリー)のアパートメントに来ています。
ヘイリー: What a great dinner. (とっても素敵なディナーだったわ。)
ジョーイ: Yeah and, hey, thanks again for letting me having that last piece of cake at the restaurant. (そうだね、それに、ほら、もう一度ありがとうって言わせて、レストランでケーキの最後の一口を俺に(食べさせて)くれて。)
ヘイリー: (laughs) You're welcome again. I'm gonna make some coffee. Can I get you anything? ([笑って] もう一度言うわ、どういたしまして。コーヒーを入れるわね。何か持ってきましょうか?)
ジョーイ: Do you have any cake? (ケーキはある?)
(Hayley laughs and goes into the kitchen thinking it's a joke, Joey doesn't see what's so funny about it)
ヘイリーは笑い、それがジョークだと思いながら台所に行く。ジョーイはそれの何がおかしいのかわからない。)
ヘイリーが台所に行った後、ジョーイは心の中で独り言を言っています。
ジョーイの心の声: So this is going pretty good. Dinner was nice. Got a lot in common. (Sees a magazine) Victoria's Secret. Huh. We even like the same books. (で、これはなかなかいい感じに進んでるぞ。ディナーは良かったし。共通点も多い。[ある雑誌を見て] ヴィクトリアズ・シークレット。ほぉ。俺たちは本まで同じのが好きなんだな。)
いいムードで、デート相手の女性ヘイリーの家にやってきたジョーイ。
ジョーイはまず、「レストランで、ケーキの最後のピースを俺に食べさせてくれてありがとう」とお礼を言っています。
ケーキの残った最後の一切れをねだったらヘイリーがくれた、ということのようですね。
thanks again とジョーイが言い、ヘイリーも You're welcome again と言っていますが、それぞれ again がついていることで、「ケーキの最後の一口、くれてありがとね」「どういたしまして」という会話が以前にも交わされていたことが想像されます。
ケーキをもらったその時にまずは言ったのでしょうが、それをまた、こうして彼女の家に帰ってからも再度礼を言っているところに、「ジョーイにとってディナーの時に一番嬉しかったのが、ケーキをくれたことだった」みたいな感じが出ています。
ジョーイの子供っぽい感じが出ているとも言えますね。
ですから、ヘイリーもそのジョーイの子供のような発言に笑って、自分も「どういたしまして」の後に同じように again をつけたわけでしょう。
ヘイリーはとりあえず家に着いたということで、「コーヒーでも入れるわ。何か食べるもの持ってきましょうか?」のように尋ねています。
そこでジョーイが「ケーキはある?」と聞いているのもまた、ジョーイっぽくていいですね。
ヘイリーはそれをジョークだと思って、笑いながら台所に向かうのですが、言った当人のジョーイはト書きにあるように、「その発言の何が面白いのかわからない」という顔をしています。
大食漢のジョーイは、常に腹ペコ少年みたいな感じで、コーヒーと聞くとケーキも食べたい、と純粋に思ったようですが、ヘイリーは、「さっきはケーキありがとね。ところでここにもケーキある?」と、ケーキ繋がりのジョークを言ったものと思って笑っているわけです。
観客もそれをジョークだと思ったでしょうが、言った当人のジョーイだけが、「俺、何か面白いこと言った?」みたいな顔をしているのがここでのポイントなわけですね。
先ほど、again の話をしましたが、「レストランで言ったはずのお礼をここでもまた言う」ことで、ジョーイの子供っぽい部分を出すのと同時に、「部屋に帰ってからもまたケーキが欲しいと言う」(どんだけケーキが好きやねん!)ということの前振りにもなっていた、ということで、その前振りが唐突に聞こえないように、「さっきも言ったけど、もう一度言わせて」というニュアンスを込めて、(脚本の流れ上からも) again を挿入した、とも言える気がします。
ヘイリーが台所に行った後、ジョーイは心の中で独り言を言っています。
「これはなかなかいい感じに進んでる。ディナーも良かったし、共通点も多い・通じる・似たところがある」と言っていますね。
Got a lot in common. は、We have a lot in common. ということ。
have は have got とも表現され、have のない got だけでも、have の意味で使われることが口語ではよくあります。
in common は「共通に」という意味で、have something in common なら、「共通点がある」、have nothing in common なら、「共通点がない」ですね。
今回の got (= have) a lot in common は「共通にたくさん持っている」ということなので、「共通点が・通じるところが多い」という意味になります。
そして、その部屋に置いてある雑誌を見て、雑誌名を Victoria's Secret だと言った後、We even like the same books. と言っています。
「俺と彼女は、同じ本が好きでさえある」→「俺たちは、本まで同じものが好き。本の好みまで同じ」ということになるでしょう。
「俺も同じ本が好きだ」と言った、その雑誌 Victoria's Secret は、フレンズ1-7 にも名前が登場していました。
NYが停電になり、銀行のATMコーナーに女性と二人で閉じ込められたチャンドラー。その女性に見覚えがあって、名前を思い出そうとしているシーン。
チャンドラー: (心の声で) Oh, my God! It's her. It's that Victoria Secret model. Something, something Goodacre. (なんてこった! 彼女だ。あのヴィクトリア・シークレットのモデルだ。なんとか、なんとか・グッドエーカーだ。)
[Jill is on her mobile phone]
ジルは携帯で電話中。
ジル: Hi, Mom, it's Jill. (はい、ママ。ジルよ。)
チャンドラー: She's right. It's Jill. Jill Goodacre. (彼女の言う通りだ。ジルだ。ジル・グッドエーカーだ。)
フレンズ1-7 のDVD英語字幕には、Victoria Secret と書いてあり、Victoria's という「アポストロフィー+s」(所有格)の形にはなっていませんが、同じ雑誌を指しているのは明らかですよね。
Wikipedia 日本語版: ヴィクトリアズ・シークレット によると、
アメリカのリミテッド・ブランズ社の傘下のリテールブランドで、婦人服・下着・香水・美容用品などを扱っている。
店舗はピンクを基調としたセクシーなデザインで、下着や水着をはじめとする同社の取り扱い商品の多くはセクシー路線であるのが特徴である。また、ファッションショーやカタログ通信販売に力を入れており、これらにトップモデルを登場させるスタイルも話題を呼んでいる。
とあります。
本来、そのカタログは、下着を買いたい女性が見るものだと思われますが、「セクシー路線であり、カタログにトップモデルを登場させる」ことから、セクシーな女性を見たい殿方(笑)がそれを見ることもある、みたいなことでしょう。
それで、フレンズ1-7 のチャンドラーもジルを見て、「ヴィクトリアズ・シークレットのモデルだ」と気づいたし、ジョーイも「ヘイリーが読んでるヴィクトリアズ・シークレットは俺も好きな本だ」と言ったわけです。
言葉だけ聞いていると、愛読書が同じ、本の趣味も似てる、みたいに言っているけれども、注目しているポイントは若干違うんじゃない? という面白さになるでしょうね。
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2015年01月13日
俺のことはお見通しだな フレンズ9-3その6
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チャンドラーと一緒に私もタルサに行くわ、と言っていたモニカでしたが、タルサでシェフの仕事を探そうと、知り合いのヘッドハンターに電話したところ、NYの有名レストランのジャヴー(Javu)がシェフを募集中と聞いて、その魅力に抗えず、ジャヴーの仕事を引き受ける! と返事してしまいました。
妻のモニカが一緒にタルサについて来てくれる、と喜んでいたチャンドラーでしたが、あれこれ理由をつけてNYに残りたがっているモニカを見て、最後には「君はそのジャヴーの仕事を引き受けるべきだよ(NYに残ればいいよ)」と言います。
そうして、チャンドラーだけがタルサに旅立つ時がやってきました。
フレンズたちとハグして、別れを言うチャンドラーでしたが、ジョーイにもハグしようとすると、ジョーイは腕を組んだままで、そっぽを向いています。
チャンドラー: (Tries to hug Joey but J. moves away) What's the matter, Joe? ([ジョーイをハグしようとするも、ジョーイはそっぽを向く] どうしたんだ、ジョーイ?)
ジョーイ: I'm mad at you for leaving! You know, you're nothing but a big leaver. Big leaver with a stupid suitcase. (俺は、お前が行っちまうことに怒ってんだよ! ほら、お前はただの「大去り師」だよ。おバカなスーツケースを持った、大去り師野郎だ。)
チャンドラー: Any chance you're trying to pick a fight to make all this easier? (ひょっとして、このことが少しでも楽になるように、喧嘩をふっかけようとしたりしてるわけ?)
ジョーイ: Dude, you see right thru me!! (They hug) (Joey heads for the door and pushes Chandler's suitcase on the way out.) (おぉ、俺のことはまさにお見通しだな! [二人はハグする] [ジョーイはドアに歩いて行き、去り際にチャンドラーのスーツケースを押す[押して倒す])
チャンドラー: Okay, well.... Bye, Mon. Bye, Ross. Rachel. Bye, Emma! (わかった。で… さよならモニカ。さよならロス。レイチェル。さよならエマ!)
フィービー: Okay, bye-bye! (Pushes Chandler out the door.) Have a good trip! Okay. (Slams the door) Oh, my God. (オッケー、バイバイ! [チャンドラーをドアから押し出す] いい旅をね! よし。[ドアをバタンと閉める] なんてこと。)
モニカ: (Runs out to the hallway) Chandler. Wait. It goes: Old job, (Raises her hand) new job, (Raises her hand really high) you. This is just something I have to do. ([廊下に走り出てきて] チャンドラー、待って。こうよ: 前の仕事。[手の位置を上げて] 新しい仕事。[手を思いっきり高く上げて] あなた。私がしなければならないことがこれよ[今これを言わなければいけなかったから]。)
チャンドラー: I know. (わかってるよ。)
モニカ: I love you so much. (ものすごく愛してる。)
チャンドラー: I know that too. (They kiss) (それもわかってるよ。[二人はキスする])
(Joey opens the door and takes Chandler's suitcase into his own apartment.)
ジョーイは(廊下を挟んだ隣の部屋の)ドアを開けて、チャンドラーのスーツケースを自分のアパートの中に引き入れる。
フレンズみんなにさよならを言っているのに、ジョーイだけ様子がおかしいので、チャンドラーは「どうしたんだ?」と尋ねています。
I'm mad at you for leaving. は「お前が行ってしまうことに俺は怒っている」という感覚ですね。
you're nothing but a big leaver の nothing but は「〜以外には何もない」→「ただ〜だけ」という意味。
a big leaver の leaver は、動詞 leave 「去る、発つ(たつ)」に人を表す接尾辞 -er がついたもので、「去る人」ということですね。
a big -er は「非常に・大いに(〜する人)」という感覚で、a big liar なら「大うそつき」になります。
leaver 「去る人」という言葉自体が、造語っぽい感覚で使われているので、「大いに去る人」と訳してしまうと、イミフ(意味不明)な感じですが、「威張った、偉そうな〜さんよ」的な感じで、big と皮肉っぽくつけている感じがするので、上では「大去り師(野郎)」みたいに訳してみました。
日本語で「去り師」と書くと、「詐欺師(さぎし)ならわかるけど、去り師(さりし)って何やねん!」的な造語っぽさが出るかな、と思ったのですが、ジョーイのセリフの leaver もそういう感じの「変な言い回し感」があるような気がした、ということですね。
DVDの日本語訳も、「この”出てき屋”め」となっていましたが、「出てき屋って何?」みたいに周りを「??」という気分にさせるジョーイ特有の造語だということになるでしょう。
そんな風に一人でプリプリ怒っているジョーイを見て、チャンドラーは Any chance 以下のセリフを言っています。
pick a fight は「喧嘩をふっかける・売る、いちゃもん・因縁をつける」という感覚ですね。
to make all this easier は「このこと全てをよりイージーに・簡単に・容易にするために」。
つまり、「俺と別れるのが辛いから、その辛さを少しでも紛らわせようと、俺に喧嘩をふっかけようとしてるわけ?」と尋ねていることになります。
ジョーイはそれを否定するのかと思いきや、Dude, you see right thru me!! と言うのが面白いですね。
thru は through の略語で、時々、ドライブスルーを、Drive Thru と書いてあるのも見かけます。
see right thru me は、see (right) through me ということで、see through は「シースルー、透けて見える」ことですね。
「〜を通して見る」ということから「透けて見える」という意味にもなるわけです。
今回の場合は、「通して見る」という日本語に通ずる「お見通し」のニュアンスですね。
「お前には俺の外面を通して、俺の中身が全部見えてしまう」みたいな感覚で、俺がこんなことを言っている本当の気持ちが、チャンドラーには全部わかっちゃうんだな、全部お見通しなんだな、さすがは俺の親友だ、みたいなことをジョーイは言いたいわけですね。
「〜を通して見る、見通す」という英語が、日本語の「お見通しだ」という意味になるというのは、実に興味深く、日英の共通のニュアンスを感じられる瞬間だと思います。
ハグした後、ジョーイは自分の部屋に戻って行くのですが、そうやって仲直りしたはずなのに、帰り際にチャンドラーのスーツケースに手を伸ばし、それを倒してから出ていくのが面白いですね。
ジョーイは子供かっ! とツッコミたくなる部分です。
それぞれに Bye と呼び掛けるチャンドラーですが、それが続いたのにうんざりしたらしいフィービーは、「もう、ちんたら挨拶してないで、さっさと行きなさいよ!」とばかりに、チャンドラーにバイバイ! と言ってドアから押し出し、めんどくさそうに「いい旅を!」と言った後、ドアをバタンと閉めています。
フィービーはなぜかいつもチャンドラーには厳しく、その代わりにジョーイをえこひいきしたりする、という傾向があるのですが、今回のこのシーンはそれが顕著に出ていますね。
一人旅立つチャンドラーに対して、それはあまりにも可哀想だろう、、とも思うのですが、このフィービーの「いつもと変わらぬチャンへの仕打ち」があるからこそ、あまりしんみりし過ぎずに、チャンドラーを送り出せたりする、という(ドラマ演出上の)効果もあるのかもしれません。
そんな風に、フィービーにひどい扱いを受けた(笑)チャンドラーではありますが、妻のモニカは、廊下にチャンドラーを追って出てきて、言葉を掛けています。
It goes は、It goes like this. / It goes something like this. 「こんな感じです。こんな感じになります」というフレーズで使われることが多いですね。
宣伝になってしまいますが、拙著「読むだけ なるほど! 英文法」の p.333 にも、It goes like this. のような go の説明を書いていますので、併せてお読みいただけると幸いです。
今回の場合は、like this のように言葉で説明するのではなく、It goes: と言った後、しぐさで内容を説明しています。
Old job, new job, you の3つの項目を、手の位置の高さを変えることで、その重要度を示していることになります。
これは(解説では飛ばしてしまったのですが)、あなたと一緒にタルサに行くわ、と言っていたモニカが、NYのジャヴーという有名レストランでの職をゲットしたことでNYに留まりたいと言った時に、チャンドラーが以下のセリフを言っていたことに由来しています。
チャンドラー: And you're thinking of taking it? (Pause) So before, you said that being with me was more important than any job. But I guess now it's old job, (Raises his hand) me, (Raises his hand) new job. (それでモニカはその(ジャヴーの)仕事を受けることを考えてるの? [間があって] それじゃあ以前は、俺と一緒にいることがどんな仕事よりも大事って君は言ってたけど、でも今は、前の仕事、[手の位置を上げる] 俺、[手の位置を上げる] 新しい仕事、ってことみたいだな。)
前の仕事、俺、新しい仕事と言うたびに、手の高さを上げることで、モニカにとっての今の優先順位の1位は新しい仕事で、俺は2位なんだな、と言っていたわけです。
そういうやりとりが以前にあったことから、モニカは、NYでの仕事を選んでしまった今でも、自分の気持ちの中での優先順位はこうよ、と、手の高さの位置で説明したことになります。
ト書きにあるように、3番目に言った you のところで、手をものすごく高い位置に置いて、順番で言うと、あなたがダントツいちばんなんだから、みたいに言ったことにになりますね。
This is just something I have to do. を直訳すると、「これはまさに私がしなければならないことである」というところでしょうか。
チャンドラーが旅立ってしまう今、これをしないといけないと思ったから、みたいなことで、DVDの日本語訳も「これだけは言いたかった」と訳されていましたが、まさにそういうことでしょうね。
「今の私がしないといけないことはこれなの」と言って、一緒にタルサについて行ってあげられないけど、あなたのことが何よりも大事だから、という気持ちを伝えたことになります。
I know! 「そうでしょ! 知ってる!」と叫ぶのはモニカのキャッチフレーズですが、今回はチャンドラーが優しく、I know. 「わかってるよ」と言っています。
そして、モニカが I love you so much. 「とっても愛してる」と言うと、I know that too. 「それもわかってるよ」というのが、愛し合う二人の会話っぽくていいですね。
"I love you." "I know." と聞くと、どうしても私は、スター・ウォーズのレイア姫とハン・ソロを思い出してしまうのですが、その件については、過去記事、愛してる。分かってる。 フレンズ8-16その4 で書きました。(2015年12月公開の「スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒」のCM(2015年 STAR WARS YEAR 始動−)、最近よく見ますね。その新作でもファンサービスで言ってくれるだろうか^^)
チャンドラーとモニカがキスして、そのままエンドクレジット、、かと思いきや、向かいのジョーイの部屋のドアが開いて、廊下に置いてあるチャンドラーのスーツケースを、ジョーイが自分の部屋に引き入れて隠してしまう、というオチもついています。
「ジョーイは子供かっ! パート2」というところですが、これがまたフレンズっぽい楽しさとも言えそうですね。
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チャンドラーと一緒に私もタルサに行くわ、と言っていたモニカでしたが、タルサでシェフの仕事を探そうと、知り合いのヘッドハンターに電話したところ、NYの有名レストランのジャヴー(Javu)がシェフを募集中と聞いて、その魅力に抗えず、ジャヴーの仕事を引き受ける! と返事してしまいました。
妻のモニカが一緒にタルサについて来てくれる、と喜んでいたチャンドラーでしたが、あれこれ理由をつけてNYに残りたがっているモニカを見て、最後には「君はそのジャヴーの仕事を引き受けるべきだよ(NYに残ればいいよ)」と言います。
そうして、チャンドラーだけがタルサに旅立つ時がやってきました。
フレンズたちとハグして、別れを言うチャンドラーでしたが、ジョーイにもハグしようとすると、ジョーイは腕を組んだままで、そっぽを向いています。
チャンドラー: (Tries to hug Joey but J. moves away) What's the matter, Joe? ([ジョーイをハグしようとするも、ジョーイはそっぽを向く] どうしたんだ、ジョーイ?)
ジョーイ: I'm mad at you for leaving! You know, you're nothing but a big leaver. Big leaver with a stupid suitcase. (俺は、お前が行っちまうことに怒ってんだよ! ほら、お前はただの「大去り師」だよ。おバカなスーツケースを持った、大去り師野郎だ。)
チャンドラー: Any chance you're trying to pick a fight to make all this easier? (ひょっとして、このことが少しでも楽になるように、喧嘩をふっかけようとしたりしてるわけ?)
ジョーイ: Dude, you see right thru me!! (They hug) (Joey heads for the door and pushes Chandler's suitcase on the way out.) (おぉ、俺のことはまさにお見通しだな! [二人はハグする] [ジョーイはドアに歩いて行き、去り際にチャンドラーのスーツケースを押す[押して倒す])
チャンドラー: Okay, well.... Bye, Mon. Bye, Ross. Rachel. Bye, Emma! (わかった。で… さよならモニカ。さよならロス。レイチェル。さよならエマ!)
フィービー: Okay, bye-bye! (Pushes Chandler out the door.) Have a good trip! Okay. (Slams the door) Oh, my God. (オッケー、バイバイ! [チャンドラーをドアから押し出す] いい旅をね! よし。[ドアをバタンと閉める] なんてこと。)
モニカ: (Runs out to the hallway) Chandler. Wait. It goes: Old job, (Raises her hand) new job, (Raises her hand really high) you. This is just something I have to do. ([廊下に走り出てきて] チャンドラー、待って。こうよ: 前の仕事。[手の位置を上げて] 新しい仕事。[手を思いっきり高く上げて] あなた。私がしなければならないことがこれよ[今これを言わなければいけなかったから]。)
チャンドラー: I know. (わかってるよ。)
モニカ: I love you so much. (ものすごく愛してる。)
チャンドラー: I know that too. (They kiss) (それもわかってるよ。[二人はキスする])
(Joey opens the door and takes Chandler's suitcase into his own apartment.)
ジョーイは(廊下を挟んだ隣の部屋の)ドアを開けて、チャンドラーのスーツケースを自分のアパートの中に引き入れる。
フレンズみんなにさよならを言っているのに、ジョーイだけ様子がおかしいので、チャンドラーは「どうしたんだ?」と尋ねています。
I'm mad at you for leaving. は「お前が行ってしまうことに俺は怒っている」という感覚ですね。
you're nothing but a big leaver の nothing but は「〜以外には何もない」→「ただ〜だけ」という意味。
a big leaver の leaver は、動詞 leave 「去る、発つ(たつ)」に人を表す接尾辞 -er がついたもので、「去る人」ということですね。
a big -er は「非常に・大いに(〜する人)」という感覚で、a big liar なら「大うそつき」になります。
leaver 「去る人」という言葉自体が、造語っぽい感覚で使われているので、「大いに去る人」と訳してしまうと、イミフ(意味不明)な感じですが、「威張った、偉そうな〜さんよ」的な感じで、big と皮肉っぽくつけている感じがするので、上では「大去り師(野郎)」みたいに訳してみました。
日本語で「去り師」と書くと、「詐欺師(さぎし)ならわかるけど、去り師(さりし)って何やねん!」的な造語っぽさが出るかな、と思ったのですが、ジョーイのセリフの leaver もそういう感じの「変な言い回し感」があるような気がした、ということですね。
DVDの日本語訳も、「この”出てき屋”め」となっていましたが、「出てき屋って何?」みたいに周りを「??」という気分にさせるジョーイ特有の造語だということになるでしょう。
そんな風に一人でプリプリ怒っているジョーイを見て、チャンドラーは Any chance 以下のセリフを言っています。
pick a fight は「喧嘩をふっかける・売る、いちゃもん・因縁をつける」という感覚ですね。
to make all this easier は「このこと全てをよりイージーに・簡単に・容易にするために」。
つまり、「俺と別れるのが辛いから、その辛さを少しでも紛らわせようと、俺に喧嘩をふっかけようとしてるわけ?」と尋ねていることになります。
ジョーイはそれを否定するのかと思いきや、Dude, you see right thru me!! と言うのが面白いですね。
thru は through の略語で、時々、ドライブスルーを、Drive Thru と書いてあるのも見かけます。
see right thru me は、see (right) through me ということで、see through は「シースルー、透けて見える」ことですね。
「〜を通して見る」ということから「透けて見える」という意味にもなるわけです。
今回の場合は、「通して見る」という日本語に通ずる「お見通し」のニュアンスですね。
「お前には俺の外面を通して、俺の中身が全部見えてしまう」みたいな感覚で、俺がこんなことを言っている本当の気持ちが、チャンドラーには全部わかっちゃうんだな、全部お見通しなんだな、さすがは俺の親友だ、みたいなことをジョーイは言いたいわけですね。
「〜を通して見る、見通す」という英語が、日本語の「お見通しだ」という意味になるというのは、実に興味深く、日英の共通のニュアンスを感じられる瞬間だと思います。
ハグした後、ジョーイは自分の部屋に戻って行くのですが、そうやって仲直りしたはずなのに、帰り際にチャンドラーのスーツケースに手を伸ばし、それを倒してから出ていくのが面白いですね。
ジョーイは子供かっ! とツッコミたくなる部分です。
それぞれに Bye と呼び掛けるチャンドラーですが、それが続いたのにうんざりしたらしいフィービーは、「もう、ちんたら挨拶してないで、さっさと行きなさいよ!」とばかりに、チャンドラーにバイバイ! と言ってドアから押し出し、めんどくさそうに「いい旅を!」と言った後、ドアをバタンと閉めています。
フィービーはなぜかいつもチャンドラーには厳しく、その代わりにジョーイをえこひいきしたりする、という傾向があるのですが、今回のこのシーンはそれが顕著に出ていますね。
一人旅立つチャンドラーに対して、それはあまりにも可哀想だろう、、とも思うのですが、このフィービーの「いつもと変わらぬチャンへの仕打ち」があるからこそ、あまりしんみりし過ぎずに、チャンドラーを送り出せたりする、という(ドラマ演出上の)効果もあるのかもしれません。
そんな風に、フィービーにひどい扱いを受けた(笑)チャンドラーではありますが、妻のモニカは、廊下にチャンドラーを追って出てきて、言葉を掛けています。
It goes は、It goes like this. / It goes something like this. 「こんな感じです。こんな感じになります」というフレーズで使われることが多いですね。
宣伝になってしまいますが、拙著「読むだけ なるほど! 英文法」の p.333 にも、It goes like this. のような go の説明を書いていますので、併せてお読みいただけると幸いです。
今回の場合は、like this のように言葉で説明するのではなく、It goes: と言った後、しぐさで内容を説明しています。
Old job, new job, you の3つの項目を、手の位置の高さを変えることで、その重要度を示していることになります。
これは(解説では飛ばしてしまったのですが)、あなたと一緒にタルサに行くわ、と言っていたモニカが、NYのジャヴーという有名レストランでの職をゲットしたことでNYに留まりたいと言った時に、チャンドラーが以下のセリフを言っていたことに由来しています。
チャンドラー: And you're thinking of taking it? (Pause) So before, you said that being with me was more important than any job. But I guess now it's old job, (Raises his hand) me, (Raises his hand) new job. (それでモニカはその(ジャヴーの)仕事を受けることを考えてるの? [間があって] それじゃあ以前は、俺と一緒にいることがどんな仕事よりも大事って君は言ってたけど、でも今は、前の仕事、[手の位置を上げる] 俺、[手の位置を上げる] 新しい仕事、ってことみたいだな。)
前の仕事、俺、新しい仕事と言うたびに、手の高さを上げることで、モニカにとっての今の優先順位の1位は新しい仕事で、俺は2位なんだな、と言っていたわけです。
そういうやりとりが以前にあったことから、モニカは、NYでの仕事を選んでしまった今でも、自分の気持ちの中での優先順位はこうよ、と、手の高さの位置で説明したことになります。
ト書きにあるように、3番目に言った you のところで、手をものすごく高い位置に置いて、順番で言うと、あなたがダントツいちばんなんだから、みたいに言ったことにになりますね。
This is just something I have to do. を直訳すると、「これはまさに私がしなければならないことである」というところでしょうか。
チャンドラーが旅立ってしまう今、これをしないといけないと思ったから、みたいなことで、DVDの日本語訳も「これだけは言いたかった」と訳されていましたが、まさにそういうことでしょうね。
「今の私がしないといけないことはこれなの」と言って、一緒にタルサについて行ってあげられないけど、あなたのことが何よりも大事だから、という気持ちを伝えたことになります。
I know! 「そうでしょ! 知ってる!」と叫ぶのはモニカのキャッチフレーズですが、今回はチャンドラーが優しく、I know. 「わかってるよ」と言っています。
そして、モニカが I love you so much. 「とっても愛してる」と言うと、I know that too. 「それもわかってるよ」というのが、愛し合う二人の会話っぽくていいですね。
"I love you." "I know." と聞くと、どうしても私は、スター・ウォーズのレイア姫とハン・ソロを思い出してしまうのですが、その件については、過去記事、愛してる。分かってる。 フレンズ8-16その4 で書きました。(2015年12月公開の「スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒」のCM(2015年 STAR WARS YEAR 始動−)、最近よく見ますね。その新作でもファンサービスで言ってくれるだろうか^^)
チャンドラーとモニカがキスして、そのままエンドクレジット、、かと思いきや、向かいのジョーイの部屋のドアが開いて、廊下に置いてあるチャンドラーのスーツケースを、ジョーイが自分の部屋に引き入れて隠してしまう、というオチもついています。
「ジョーイは子供かっ! パート2」というところですが、これがまたフレンズっぽい楽しさとも言えそうですね。
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2015年01月09日
本物ならそんなこと妨げにならない フレンズ9-3その5
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ダブルデートで、ジョーイが「高校からの友人」だと紹介したマイクは、ジョーイとその日会ったばかりの赤の他人だとわかったことで、フィービーは激怒し、ダブルデートの場から立ち去ってしまいました。
フィービーがセントラルパークに入って来た時、そこにはそのマイクがいて、
マイク: Excuse me. Hi. I was hoping I would run into you. Can we talk? (すみません。やあ。君とばったり会うのを、僕は願ってたんだ。話せるかな?)
フィービー: Sure. (もちろん。)
マイク: I'm sorry, really, I'm so embarrassed... that our.... Really, I'm a pretty nice guy. Just ask my parole officer. Apparently, I'm not a funny guy. (ごめんね、ほんとに、僕はすっごく恥ずかしいよ。僕たちの… 本当に、僕はすっごくいい人間なんだ。とにかく僕の保護観察官に聞いてみてよ。[フィービーは冷たい顔のまま] どうやら、僕は面白い人間じゃないみたいだね。)
フィービー: Well, why did you go along with that? ([フィービーはその発言に少し笑って] どうしてあの話に乗ったの?)
マイク: Because I was told that I'd get a free dinner, which I didn't. And that I'd meet a pretty girl, which I did. (それはただでディナーが食べられるって言われたから。でもそれは食べられなかった。それから可愛い女の子に会えるって言われた。それは実際に会えた。)
フィービー: That's true. (Pause) Well, is anything you told me about yourself true? (それはほんとね。[間があって] 自分のことについて話したことで他に何か本当のことはあるの?)
マイク: My name is Mike. And I do play piano. (僕の名前は(本当に)マイクだ。それから(本当に)ピアノを弾くよ。)
フィービー: Prove it. (証明して。)
マイク: There isn't a piano here. (ここにはピアノがないよ。)
フィービー: That wouldn't stand in the way of a true pianist. (そんなことは、本当のピアニストなら何の妨げ(さまたげ)にもならないわ。)
マイク: Okay. (Plays 'air piano') (わかった。[エア・ピアノを演奏する])
フィービー: You are really good! I play a little guitar myself. (あなたってほんとに上手ね! 私もちょっとギターを弾くのよ。)
マイク: Really? (ほんとに?)
フィービー: Uhuh. (ええ。)
マイク: That's great. What kind of music do you play? (それはすごいね。どんな音楽を演奏するの?)
フィービー: Well, like acoustic, folksy stuff, you know? But right now I'm working on a couple Iron Maiden covers. (そうねぇ、アコースティックなフォークっぽいやつ、とか。でも今は、アイアン・メイデンのカバーを2、3曲練習中よ。)
マイクはフィービーに声を掛けています。
I was hoping (that) I would は「〜できるかなぁ、と願っていたんだけど」みたいなニュアンス。
過去進行形で「〜と願っていた」と表現することで距離感が出るために、「こうなるといいなぁ、と思ったりしてたんだけど」みたいな婉曲表現になります。
run into は「偶然・ばったり、出会う・出くわす」。
話せるかな? と言われたフィービーは、断ることなくそれを承諾し、マイクは、自分の気持ちを話し始めます。
「すっごく恥ずかしい気持ちだよ」みたいに、ジョーイの友人だと大嘘をついた、ダブルデートでの最初の出会いを恥じながら、I'm a pretty nice guy. だと言っています。
文字通り「ナイスガイ」のことで、あんなことがあったけど、実際の僕はいい人間、いい男なんだよ、悪い人間じゃないんだよ、と言っていることになります。
その後、とにかく(ただ)、僕の parole officer に尋ねてくれ、聞いてみてくれ、のように言っていますが、フィービーには笑顔がなく、冷たい表情のままなので、マイクは、「どうやら僕は(いい男ではあるんだけど)面白い男ではないみたいだ」と自虐的な発言をすることになります。
parole officer という単語は聞き慣れない方も多いかもしれないので、意味が瞬時にわからなかった方もいるかもしれませんが、前後の話の流れから、「マイクは面白いことを言ってフィービーの心を溶かそうとしたけれども、失敗し、今のジョーク面白くなかったよね、と自分で認めた」ということはわかるかな、と思います。
単語の意味がわからないにしても、とりあえずは「何かしらのジョークを言った」ことがわかれば、まずは良しとしたいところですね。
その上で、parole officer という単語の意味を調べてみると、「保護観察官」と出ています。
parole は「仮釈放、仮出所、執行猶予」という意味なので、parole officer は、執行猶予中の人の生活の監督・指導を行う人のこと。
「僕の保護観察官に、僕がいい人間かどうか聞いてみてよ」と言っていることになるのですが、「僕の保護観察官」という人物が存在する、ということは、自分が過去に何らかの犯罪を犯したことがある、と言っていることになるので、「いい人と言いながら、犯罪の前科がある人間」だと自分で言っていることになるわけですね。
「僕はいい人間なんだよ、とか言いながら、犯罪を起こしたことがあるんかいっ!」とツッコミを入れたくなるようなジョークだったわけですが、ダブルデートの時に嘘をつかれたことで気分を害しているフィービーを笑わせることはできず、「君を笑わせようとジョークを言ったけど、僕はジョークのセンスはないみたいだね」と言ったことになります。
「保護観察官に僕がどれだけいい人が聞いてみて」というジョークは不発に終わりましたが、「僕、ジョークのセンスはないみたい」と言った発言にはフィービーも少しウケたようで、フィービーは率直に、「どうしてあなたはあんな(嘘)話に乗ったの?」と尋ねています。
go along with は「〜と一緒に行く」が基本語義で、この場合は「〜に合わせる、同調する、足並みを揃える、話に乗る」などの訳が当てはまるでしょう。
Why? と聞かれたマイクは Because を使って、理由を述べています。
Because I was told that..., which I didn't. And that..., which I did. という言い回しが、非常に「生きた英語」っぽくて面白いなと思います。
最初の文は、「ただのディナーがゲットできる(食べられる)って言われたから」。which はその前の文章の get a free dinner の部分を指していると考えたら良いでしょう。
通常の文章的に書くと、Because I was told that I'd get a free dinner, but I didn't do that. (= I didn't get a free dinnder.) になるでしょうか。
but I didn't do that と表現する代わりに、接続詞 but と代名詞 that を関係代名詞 which でまとめて表現したのが、which I didn't. になるという感覚だろうと思います。
その次の、And that... も同じパターンですね。
that は、I was told that の that で、that 以下が言われた内容を指しています。
「可愛い女の子に会う(会える)と言われた」ということで、which I did は、and I did that. (= I met a pretty girl.) と言っていることになります。
つまり、「ジョーイの話に乗ったのは、タダ飯を食べられて、可愛い女の子に会えるって言われたからなんだけど、その約束のうち、前者は実現しなくて、後者は実現した」と言っていることになるでしょう。
「可愛い子に会えるって言われてホイホイ話に乗ったんだけど、可愛い子にはほんとに会えたんだ」と表現することで、フィービーが話に聞いていた通りの a pretty girl だったと言っていることになるので、褒められたフィービーは悪い気がしなかったのでしょう、さらに態度を和らげることになります。
Is anything you told me about yourself true? をシンプルな構造にすると、Is anything... true? になります。
「何かが本当? 本当なことは何かある?」という感覚で、その何かを詳しく説明するものとして、「あなたが自分自身のことについて、私に話した何か」と表現していることになります。
自己紹介としてあなたが語ったことのうちで、本当のことはあるの? ということですね。
「僕の名前はマイクだ」というのは、マイクという名前は偽名ではなく本名であった、ということで、その後の、I do play piano. の do は「確かに・実際に僕はピアノを弾くんだ」という強調の do になります。
ダブルデートで最初に自己紹介した時に、「ピアニストになりたくて、弁護士をやめた」と語っていたのですが、ピアノを弾く、という話は本当だった、と言っているわけですね。
それを聞いたフィービーは、Prove it. 「(それを)証明して」と言います。
証明しろと言われても、この場にピアノはないし、、とマイクは言うのですが、それに対するフィービーのセリフが、英語の表現としてなかなか興味深い文章になっています。
That wouldn't stand in the way of a true pianist. の stand in the way of は直訳で「〜の道の中に立つ」になることから想像できるように、「〜の通り道に立つ・立ちはだかる。行く手をふさぐ、邪魔をする」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stand/get in the way of something : to prevent someone from doing something, or prevent something from happening
つまり、「誰かが何かをすることを妨げること、または何かが起こるのを妨げること」。
ですから、フィービーのセリフを直訳すると、「そんなこと(ここにはピアノがない、ってこと)は、本当のピアニストの邪魔をしたりしない・ピアニストの妨げになったりはしない」になるでしょう。
日本語だと「本当のピアニストなら、そんなことは何の妨げにもならないわ」になるでしょうが、英語の場合、「妨げるものが存在して、何かが妨げられる」というような感覚から、このように That 「そのこと、そんなこと」を主語にした文章になっている、ということになります。
そう言われたマイクは、ト書きにあるように「エア・ピアノ」を演奏します。
ひとしきり演奏したマイクを見て、フィービーは「すごく良かったわ」と言って、「私も少しギターを演奏するの」と言います。
「それはすごいね。どんな曲を演奏するの?」と聞かれたフィービーは、アコースティックで、フォークっぽい音楽、と説明しつつも、「今は、アイアン・メイデンのカバーを練習中なの」と言っています。
Iron Maiden (アイアン・メイデン)は、イギリスのヘビーメタルバンドですね。
Aces High などが有名でしょうか。(iTunes Store で人気順に並べてみても、Aces High がトップでした^^)
テンポが速い激しい曲調なので、「アコースティックで、フォークっぽい曲が好きだけど」という前振りとは正反対の流れになっているのが、オチになっているということですね。
バンドをやっているならともかく、フィービーは一人でアイアン・メイデンを歌ってるわけ? というそのギャップもポイントということになるのでしょうね。
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フィービーがセントラルパークに入って来た時、そこにはそのマイクがいて、
マイク: Excuse me. Hi. I was hoping I would run into you. Can we talk? (すみません。やあ。君とばったり会うのを、僕は願ってたんだ。話せるかな?)
フィービー: Sure. (もちろん。)
マイク: I'm sorry, really, I'm so embarrassed... that our.... Really, I'm a pretty nice guy. Just ask my parole officer. Apparently, I'm not a funny guy. (ごめんね、ほんとに、僕はすっごく恥ずかしいよ。僕たちの… 本当に、僕はすっごくいい人間なんだ。とにかく僕の保護観察官に聞いてみてよ。[フィービーは冷たい顔のまま] どうやら、僕は面白い人間じゃないみたいだね。)
フィービー: Well, why did you go along with that? ([フィービーはその発言に少し笑って] どうしてあの話に乗ったの?)
マイク: Because I was told that I'd get a free dinner, which I didn't. And that I'd meet a pretty girl, which I did. (それはただでディナーが食べられるって言われたから。でもそれは食べられなかった。それから可愛い女の子に会えるって言われた。それは実際に会えた。)
フィービー: That's true. (Pause) Well, is anything you told me about yourself true? (それはほんとね。[間があって] 自分のことについて話したことで他に何か本当のことはあるの?)
マイク: My name is Mike. And I do play piano. (僕の名前は(本当に)マイクだ。それから(本当に)ピアノを弾くよ。)
フィービー: Prove it. (証明して。)
マイク: There isn't a piano here. (ここにはピアノがないよ。)
フィービー: That wouldn't stand in the way of a true pianist. (そんなことは、本当のピアニストなら何の妨げ(さまたげ)にもならないわ。)
マイク: Okay. (Plays 'air piano') (わかった。[エア・ピアノを演奏する])
フィービー: You are really good! I play a little guitar myself. (あなたってほんとに上手ね! 私もちょっとギターを弾くのよ。)
マイク: Really? (ほんとに?)
フィービー: Uhuh. (ええ。)
マイク: That's great. What kind of music do you play? (それはすごいね。どんな音楽を演奏するの?)
フィービー: Well, like acoustic, folksy stuff, you know? But right now I'm working on a couple Iron Maiden covers. (そうねぇ、アコースティックなフォークっぽいやつ、とか。でも今は、アイアン・メイデンのカバーを2、3曲練習中よ。)
マイクはフィービーに声を掛けています。
I was hoping (that) I would は「〜できるかなぁ、と願っていたんだけど」みたいなニュアンス。
過去進行形で「〜と願っていた」と表現することで距離感が出るために、「こうなるといいなぁ、と思ったりしてたんだけど」みたいな婉曲表現になります。
run into は「偶然・ばったり、出会う・出くわす」。
話せるかな? と言われたフィービーは、断ることなくそれを承諾し、マイクは、自分の気持ちを話し始めます。
「すっごく恥ずかしい気持ちだよ」みたいに、ジョーイの友人だと大嘘をついた、ダブルデートでの最初の出会いを恥じながら、I'm a pretty nice guy. だと言っています。
文字通り「ナイスガイ」のことで、あんなことがあったけど、実際の僕はいい人間、いい男なんだよ、悪い人間じゃないんだよ、と言っていることになります。
その後、とにかく(ただ)、僕の parole officer に尋ねてくれ、聞いてみてくれ、のように言っていますが、フィービーには笑顔がなく、冷たい表情のままなので、マイクは、「どうやら僕は(いい男ではあるんだけど)面白い男ではないみたいだ」と自虐的な発言をすることになります。
parole officer という単語は聞き慣れない方も多いかもしれないので、意味が瞬時にわからなかった方もいるかもしれませんが、前後の話の流れから、「マイクは面白いことを言ってフィービーの心を溶かそうとしたけれども、失敗し、今のジョーク面白くなかったよね、と自分で認めた」ということはわかるかな、と思います。
単語の意味がわからないにしても、とりあえずは「何かしらのジョークを言った」ことがわかれば、まずは良しとしたいところですね。
その上で、parole officer という単語の意味を調べてみると、「保護観察官」と出ています。
parole は「仮釈放、仮出所、執行猶予」という意味なので、parole officer は、執行猶予中の人の生活の監督・指導を行う人のこと。
「僕の保護観察官に、僕がいい人間かどうか聞いてみてよ」と言っていることになるのですが、「僕の保護観察官」という人物が存在する、ということは、自分が過去に何らかの犯罪を犯したことがある、と言っていることになるので、「いい人と言いながら、犯罪の前科がある人間」だと自分で言っていることになるわけですね。
「僕はいい人間なんだよ、とか言いながら、犯罪を起こしたことがあるんかいっ!」とツッコミを入れたくなるようなジョークだったわけですが、ダブルデートの時に嘘をつかれたことで気分を害しているフィービーを笑わせることはできず、「君を笑わせようとジョークを言ったけど、僕はジョークのセンスはないみたいだね」と言ったことになります。
「保護観察官に僕がどれだけいい人が聞いてみて」というジョークは不発に終わりましたが、「僕、ジョークのセンスはないみたい」と言った発言にはフィービーも少しウケたようで、フィービーは率直に、「どうしてあなたはあんな(嘘)話に乗ったの?」と尋ねています。
go along with は「〜と一緒に行く」が基本語義で、この場合は「〜に合わせる、同調する、足並みを揃える、話に乗る」などの訳が当てはまるでしょう。
Why? と聞かれたマイクは Because を使って、理由を述べています。
Because I was told that..., which I didn't. And that..., which I did. という言い回しが、非常に「生きた英語」っぽくて面白いなと思います。
最初の文は、「ただのディナーがゲットできる(食べられる)って言われたから」。which はその前の文章の get a free dinner の部分を指していると考えたら良いでしょう。
通常の文章的に書くと、Because I was told that I'd get a free dinner, but I didn't do that. (= I didn't get a free dinnder.) になるでしょうか。
but I didn't do that と表現する代わりに、接続詞 but と代名詞 that を関係代名詞 which でまとめて表現したのが、which I didn't. になるという感覚だろうと思います。
その次の、And that... も同じパターンですね。
that は、I was told that の that で、that 以下が言われた内容を指しています。
「可愛い女の子に会う(会える)と言われた」ということで、which I did は、and I did that. (= I met a pretty girl.) と言っていることになります。
つまり、「ジョーイの話に乗ったのは、タダ飯を食べられて、可愛い女の子に会えるって言われたからなんだけど、その約束のうち、前者は実現しなくて、後者は実現した」と言っていることになるでしょう。
「可愛い子に会えるって言われてホイホイ話に乗ったんだけど、可愛い子にはほんとに会えたんだ」と表現することで、フィービーが話に聞いていた通りの a pretty girl だったと言っていることになるので、褒められたフィービーは悪い気がしなかったのでしょう、さらに態度を和らげることになります。
Is anything you told me about yourself true? をシンプルな構造にすると、Is anything... true? になります。
「何かが本当? 本当なことは何かある?」という感覚で、その何かを詳しく説明するものとして、「あなたが自分自身のことについて、私に話した何か」と表現していることになります。
自己紹介としてあなたが語ったことのうちで、本当のことはあるの? ということですね。
「僕の名前はマイクだ」というのは、マイクという名前は偽名ではなく本名であった、ということで、その後の、I do play piano. の do は「確かに・実際に僕はピアノを弾くんだ」という強調の do になります。
ダブルデートで最初に自己紹介した時に、「ピアニストになりたくて、弁護士をやめた」と語っていたのですが、ピアノを弾く、という話は本当だった、と言っているわけですね。
それを聞いたフィービーは、Prove it. 「(それを)証明して」と言います。
証明しろと言われても、この場にピアノはないし、、とマイクは言うのですが、それに対するフィービーのセリフが、英語の表現としてなかなか興味深い文章になっています。
That wouldn't stand in the way of a true pianist. の stand in the way of は直訳で「〜の道の中に立つ」になることから想像できるように、「〜の通り道に立つ・立ちはだかる。行く手をふさぐ、邪魔をする」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stand/get in the way of something : to prevent someone from doing something, or prevent something from happening
つまり、「誰かが何かをすることを妨げること、または何かが起こるのを妨げること」。
ですから、フィービーのセリフを直訳すると、「そんなこと(ここにはピアノがない、ってこと)は、本当のピアニストの邪魔をしたりしない・ピアニストの妨げになったりはしない」になるでしょう。
日本語だと「本当のピアニストなら、そんなことは何の妨げにもならないわ」になるでしょうが、英語の場合、「妨げるものが存在して、何かが妨げられる」というような感覚から、このように That 「そのこと、そんなこと」を主語にした文章になっている、ということになります。
そう言われたマイクは、ト書きにあるように「エア・ピアノ」を演奏します。
ひとしきり演奏したマイクを見て、フィービーは「すごく良かったわ」と言って、「私も少しギターを演奏するの」と言います。
「それはすごいね。どんな曲を演奏するの?」と聞かれたフィービーは、アコースティックで、フォークっぽい音楽、と説明しつつも、「今は、アイアン・メイデンのカバーを練習中なの」と言っています。
Iron Maiden (アイアン・メイデン)は、イギリスのヘビーメタルバンドですね。
Aces High などが有名でしょうか。(iTunes Store で人気順に並べてみても、Aces High がトップでした^^)
テンポが速い激しい曲調なので、「アコースティックで、フォークっぽい曲が好きだけど」という前振りとは正反対の流れになっているのが、オチになっているということですね。
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2015年01月07日
私の名前を言えたらここにいてあげる フレンズ9-3その4
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は3位、「にほんブログ村」は6位です。
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「俺の高校時代からの友人なんだ」と言って、ダブルデートにマイクという男性を連れてきたジョーイでしたが、「ジョーイの姉妹の数」を正しく答えられなかったマイクの様子を見て、「友達なんかじゃない、赤の他人」だと確信したフィービー。
フィービー: Joey, why did you set me up with a stranger? (ジョーイ、どうして私に見知らぬ人をセッティングしたの?)
ジョーイ: Because I forgot about our date. I'm so sorry. (俺たちの(ダブル)デートのことを忘れてたんだ。ほんとにごめんよ。)
マイク: I'm sorry too. And just to be clear, I didn't hit his mother with a car. (僕もごめん。それで、ちょっとはっきりさせておくけど、僕は車で彼のママをひいてないよ。)
フィービー: (To Joey) You are unbelievable! I spent so much time finding the perfect girl for you, you know? Mary Ellen is really smart and cute and loose. ([ジョーイに] あなたって信じられない! 私はあなたに完璧な女の子を見つけるのに、ものすごく時間をかけたのよ? メリー・エレンはほんとに頭が良くて可愛くてルーズ(ふしだら)なんだから。)
メリー・エレン: Hey! (ちょっと!)
フィービー: Who are you kidding? (To Joey) You just find some guy off the street for me? God! This is humiliating! (誰を騙そうと[からかおうと]してるの? [ジョーイに] あなたは私のために、ただ通りから(適当な)男を見つけてくるわけ? なんてこと! こんなの屈辱的だわ!)
ジョーイ: Look, Phoebe, I'm so sorry! Hey, look, if you don't like this guy, I can find you a better one. (Looks around) Mike? Mike? (ねぇ、フィービー、ほんとにごめんよ! ねぇ、もし君がこいつを好きじゃないのなら、君にもっといい男を探してあげられるよ。[見回して] マイク? マイク?)
フィービー: I'm out of here. (She leaves) (私はここを出ていくわ。[フィービーは立ち去る])
マイク: It was nice meeting you! (君に会えて良かったよ!)
ジョーイ: (To Mary Ellen) You're leaving too? ([メリー・エレンに] 君も行っちゃうの?)
メリー・エレン: I'll stay if you can tell me my name. (私は残るわ[ここにいるわ]、もしあなたが私の名前を言えたらね。)
ジョーイ: Have a good night! (おやすみ!)
フィービーは、「どうしてジョーイは、私に見知らぬ人・赤の他人をセットアップしたの? セッティングしたの?」と尋ねます。
ジョーイは正直に、「ダブルデートのことを忘れていた」と言って謝罪し、ジョーイと共にフィービーを騙していたマイクも、フィービーに謝っています。
謝りながらも、「僕は車でジョーイのママをひいてないよ」と付け加えているのが面白いですね。
just to be clear は「はっきりさせるために」「ちょっとはっきりさせておきたいんだけど」というニュアンスになるでしょう。
フィービーは、「あなたって信じられない。私はあなたに完璧な女の子を探すのに、たくさんの時間をかけたのに」と怒っています。
そして、メリーエレンが、あなたにとってどれほど完璧であるかを語っています。
本当に頭が良くて可愛くて、まではいいとして、最後の loose がオチになっていますね。
loose は日本語の「ルーズ」という言葉になっていますが(ただし、英語の発音は「ルース」)、英語の意味は「身持ちが悪い、だらしない、ふしだらな」という感覚になります。
研究社 新英和中辞典の以下の説明がわかりやすいかと思います。
loose=〈人・言動が〉(道徳的に)ずぼらな、不身持ちな (比較:日本語の「ルーズ」は生活態度のだらしなさにいうが、英語の loose は道徳的な意味に用いる)
「道徳的にだらしない」ということなので、女性の場合だと「誰とでも寝る」ようなふしだらなイメージになります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
loose : IMMORAL (old-fashioned) behaving in a way that is considered to be sexually immoral
つまり、「(古い表現) 性的に不道徳だと見なされるような方法でふるまう」。
Macmillan Dictionary でも、
loose : (old-fashioned) sexually immoral
のように、「(古い表現) 性的に不道徳」と説明されています。
どちらの英英辞典でも、old-fashioned と書かれていることから、「ふしだらな」という意味で loose を使うのは、やや古臭い表現のようですね。
フレンズで「ふしだらな」という意味を表現したい場合には、slut 「ふしだら女」の形容詞形の slutty が使われることが多い気がします。
隣にいる自分の友人を、slutty と表現するのはさすがに気が引けて、ちょっと古めかしい表現の loose にしてみた、というような「遠慮」があるようにも思いました。
「ジョーイに完璧な女の子を用意したのよ」と言って、絶賛するのかと思いきや、最後にルーズ(ふしだら)という悪口を言われたので、そう言われたメリー・エレンは抗議のニュアンスで、Hey! 「ちょっと!(なんてこと言うの!)」と怒るのですが、フィービーは悪びれた風もなく、Who are you kidding? と言っています。
動詞 kid は「(人を)からかう、冗談を言う、(人を)かつぐ」。
直訳すると、「あなたは誰をからかってるの?」みたいになるでしょうか。
DVDの日本語訳は、「(字幕)ぶらないで/(音声)ぶることないじゃん」となっていましたが、まさにそういうニュアンスでしょうね。
「ふしだら、と言われて、抗議したりして、自分はふしだらじゃないって主張するつもり? 実際ふしだらなのに、そうじゃないふりをして誰かを騙すつもり? 清楚ぶるつもり?」みたいに言ったことになるだろうと思います。
そう言われたメリー・エレンが、まあね、という顔をして、カクテルのオリーブを食べるのも面白いですね。
ま、尻軽なのはほんとだから、もうぶるのはやめるわ、みたいにあっさり認め、開き直っているような感じです。
ジョーイがそれを見て、いやらしい感じの笑顔をしているのにも笑えますね。
フィービーはまだ、ジョーイに対しての怒りが収まらない様子で、You just find some guy off the street for me? と言っています。
直訳すると、「あなたはただ、私のために、通りからある男を見つけるの?」
off the street の off がちょっと気になりました。
find some guy on the street なら「通りで(路上で、町中で)、ある男を見つける」になると思うのですが、ここでの off the street の off は「分離」のニュアンスかなぁ、と思います。
直訳すると、「通りにいた人間を一人分離させて見つけてくる」みたいなニュアンスで、それが「通りにいたそこらへんの男を、一人適当に見繕って引っ張ってくる」みたいな感覚に繋がる気が私にはしました。
DVDの日本語訳は
(字幕)あなたは街で男を拾ったの?/(音声)なのに、あなたは適当に街で拾ってきたわけー?
となっていましたが、「街で(男を)拾う」という感覚が、find some guy off the street の off に出ている気がするのですね。
また、このセリフは、You just found という「過去形」ではなく、find という「現在形」になっています。
ですからこのセリフは、「(マイクという)適当な男を見つけてきた」という過去の事実を非難しているのではなくて、「親友の私に対して、あなたはろくに考えもせず、通りで適当な男を探すわけ?」という、ジョーイの方針や態度に怒っているセリフであるように思います。
実際に行った今回の行為を怒っているのではなくて、「友達の私に対して、あなたはそういうことをするわけ?」という、ジョーイの「友達に対する姿勢や態度全般」に怒っているニュアンスが感じられる気がするのですね。
「こんなの屈辱的だわ」と怒るフィービーに、ジョーイはまた謝って、「もしこの男が気に入らないのなら、もっといい男を見つけてあげられるから」と言って、そのレストランを見回しながら、「マイク! マイク!」と叫んでいます。
ダブルデートの相手の名前をうっかり「マイク」だと言ってしまったことで、セントラルパークで「マイク!」と呼んで振り向いたマイクを連れてきたわけですが、その「マイクその1」がダメらしいとわかって、「マイクその2」をまた同じ方法で見つけようとしている面白さですね。
「マイクというジョーイの友人など存在しない」とわかったので、もう名前がマイクである必要もないのに、ここでもまだ「マイクという名前の人」を見つけようとしているというそのジョーイのズレ具合に笑ってしまうわけです。
あきれたフィービーは立ち去ります。
怒っているのを承知で、マイクは「君に会えて良かったよ」と言っていますね。
Nice to meet you. が「初めまして。お会いできて嬉しいです」という「会った時の挨拶」であることに対して、(It was) nice meeting you. は「会えて嬉しかったです」という「別れ際の挨拶」になることにも注意しましょう。
フィービーと一緒に帰ろうとするメリー・エレンを見て、ジョーイは、君も行っちゃうの? 君も帰っちゃうつもり? と尋ねています。
それに対してメリー・エレンは、I'll stay if... 「もし〜なら私は残るわ」と、ある条件を満たせば残る、というような条件付きの発言をしています。
その条件はと言うと、「もしあなたが私に、私の名前を言うことができたら」。
つまり、「私の名前が何かを言うことができたら、私は残るけど」と言っていることになるのですが、それを聞いたジョーイは、彼女の名前が何かを考えようともせずに、即答で「良い夜を!(おやすみ!)」と言っています。
このデートの間、ジョーイは「マイクを自分の友人に見せようとすること」にばかり気を取られ、メリー・エレンのことを気に掛ける様子もありませんでしたから、メリー・エレンはそれをわかった上で、「もし私の名前が何か覚えてたら、残ってあげてもいいわよ」と言ったのですね。
案の定、ジョーイは彼女の名前を覚えておらず、即座に「さよなら。おやすみ」と言ったことになるわけです。
フィービーはメリー・エレンのことを smart 「頭がいい、賢い」と言っていましたが、「興味を示さなかったくせに、帰り際に引き止めようとした」ジョーイに「私の名前を覚えていたら残ってあげるけど(あなた、私の名前すら覚えてないでしょ?)」とぴしゃりと言ってのけたところに、その smart さが出ているように思いました。
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「俺の高校時代からの友人なんだ」と言って、ダブルデートにマイクという男性を連れてきたジョーイでしたが、「ジョーイの姉妹の数」を正しく答えられなかったマイクの様子を見て、「友達なんかじゃない、赤の他人」だと確信したフィービー。
フィービー: Joey, why did you set me up with a stranger? (ジョーイ、どうして私に見知らぬ人をセッティングしたの?)
ジョーイ: Because I forgot about our date. I'm so sorry. (俺たちの(ダブル)デートのことを忘れてたんだ。ほんとにごめんよ。)
マイク: I'm sorry too. And just to be clear, I didn't hit his mother with a car. (僕もごめん。それで、ちょっとはっきりさせておくけど、僕は車で彼のママをひいてないよ。)
フィービー: (To Joey) You are unbelievable! I spent so much time finding the perfect girl for you, you know? Mary Ellen is really smart and cute and loose. ([ジョーイに] あなたって信じられない! 私はあなたに完璧な女の子を見つけるのに、ものすごく時間をかけたのよ? メリー・エレンはほんとに頭が良くて可愛くてルーズ(ふしだら)なんだから。)
メリー・エレン: Hey! (ちょっと!)
フィービー: Who are you kidding? (To Joey) You just find some guy off the street for me? God! This is humiliating! (誰を騙そうと[からかおうと]してるの? [ジョーイに] あなたは私のために、ただ通りから(適当な)男を見つけてくるわけ? なんてこと! こんなの屈辱的だわ!)
ジョーイ: Look, Phoebe, I'm so sorry! Hey, look, if you don't like this guy, I can find you a better one. (Looks around) Mike? Mike? (ねぇ、フィービー、ほんとにごめんよ! ねぇ、もし君がこいつを好きじゃないのなら、君にもっといい男を探してあげられるよ。[見回して] マイク? マイク?)
フィービー: I'm out of here. (She leaves) (私はここを出ていくわ。[フィービーは立ち去る])
マイク: It was nice meeting you! (君に会えて良かったよ!)
ジョーイ: (To Mary Ellen) You're leaving too? ([メリー・エレンに] 君も行っちゃうの?)
メリー・エレン: I'll stay if you can tell me my name. (私は残るわ[ここにいるわ]、もしあなたが私の名前を言えたらね。)
ジョーイ: Have a good night! (おやすみ!)
フィービーは、「どうしてジョーイは、私に見知らぬ人・赤の他人をセットアップしたの? セッティングしたの?」と尋ねます。
ジョーイは正直に、「ダブルデートのことを忘れていた」と言って謝罪し、ジョーイと共にフィービーを騙していたマイクも、フィービーに謝っています。
謝りながらも、「僕は車でジョーイのママをひいてないよ」と付け加えているのが面白いですね。
just to be clear は「はっきりさせるために」「ちょっとはっきりさせておきたいんだけど」というニュアンスになるでしょう。
フィービーは、「あなたって信じられない。私はあなたに完璧な女の子を探すのに、たくさんの時間をかけたのに」と怒っています。
そして、メリーエレンが、あなたにとってどれほど完璧であるかを語っています。
本当に頭が良くて可愛くて、まではいいとして、最後の loose がオチになっていますね。
loose は日本語の「ルーズ」という言葉になっていますが(ただし、英語の発音は「ルース」)、英語の意味は「身持ちが悪い、だらしない、ふしだらな」という感覚になります。
研究社 新英和中辞典の以下の説明がわかりやすいかと思います。
loose=〈人・言動が〉(道徳的に)ずぼらな、不身持ちな (比較:日本語の「ルーズ」は生活態度のだらしなさにいうが、英語の loose は道徳的な意味に用いる)
「道徳的にだらしない」ということなので、女性の場合だと「誰とでも寝る」ようなふしだらなイメージになります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
loose : IMMORAL (old-fashioned) behaving in a way that is considered to be sexually immoral
つまり、「(古い表現) 性的に不道徳だと見なされるような方法でふるまう」。
Macmillan Dictionary でも、
loose : (old-fashioned) sexually immoral
のように、「(古い表現) 性的に不道徳」と説明されています。
どちらの英英辞典でも、old-fashioned と書かれていることから、「ふしだらな」という意味で loose を使うのは、やや古臭い表現のようですね。
フレンズで「ふしだらな」という意味を表現したい場合には、slut 「ふしだら女」の形容詞形の slutty が使われることが多い気がします。
隣にいる自分の友人を、slutty と表現するのはさすがに気が引けて、ちょっと古めかしい表現の loose にしてみた、というような「遠慮」があるようにも思いました。
「ジョーイに完璧な女の子を用意したのよ」と言って、絶賛するのかと思いきや、最後にルーズ(ふしだら)という悪口を言われたので、そう言われたメリー・エレンは抗議のニュアンスで、Hey! 「ちょっと!(なんてこと言うの!)」と怒るのですが、フィービーは悪びれた風もなく、Who are you kidding? と言っています。
動詞 kid は「(人を)からかう、冗談を言う、(人を)かつぐ」。
直訳すると、「あなたは誰をからかってるの?」みたいになるでしょうか。
DVDの日本語訳は、「(字幕)ぶらないで/(音声)ぶることないじゃん」となっていましたが、まさにそういうニュアンスでしょうね。
「ふしだら、と言われて、抗議したりして、自分はふしだらじゃないって主張するつもり? 実際ふしだらなのに、そうじゃないふりをして誰かを騙すつもり? 清楚ぶるつもり?」みたいに言ったことになるだろうと思います。
そう言われたメリー・エレンが、まあね、という顔をして、カクテルのオリーブを食べるのも面白いですね。
ま、尻軽なのはほんとだから、もうぶるのはやめるわ、みたいにあっさり認め、開き直っているような感じです。
ジョーイがそれを見て、いやらしい感じの笑顔をしているのにも笑えますね。
フィービーはまだ、ジョーイに対しての怒りが収まらない様子で、You just find some guy off the street for me? と言っています。
直訳すると、「あなたはただ、私のために、通りからある男を見つけるの?」
off the street の off がちょっと気になりました。
find some guy on the street なら「通りで(路上で、町中で)、ある男を見つける」になると思うのですが、ここでの off the street の off は「分離」のニュアンスかなぁ、と思います。
直訳すると、「通りにいた人間を一人分離させて見つけてくる」みたいなニュアンスで、それが「通りにいたそこらへんの男を、一人適当に見繕って引っ張ってくる」みたいな感覚に繋がる気が私にはしました。
DVDの日本語訳は
(字幕)あなたは街で男を拾ったの?/(音声)なのに、あなたは適当に街で拾ってきたわけー?
となっていましたが、「街で(男を)拾う」という感覚が、find some guy off the street の off に出ている気がするのですね。
また、このセリフは、You just found という「過去形」ではなく、find という「現在形」になっています。
ですからこのセリフは、「(マイクという)適当な男を見つけてきた」という過去の事実を非難しているのではなくて、「親友の私に対して、あなたはろくに考えもせず、通りで適当な男を探すわけ?」という、ジョーイの方針や態度に怒っているセリフであるように思います。
実際に行った今回の行為を怒っているのではなくて、「友達の私に対して、あなたはそういうことをするわけ?」という、ジョーイの「友達に対する姿勢や態度全般」に怒っているニュアンスが感じられる気がするのですね。
「こんなの屈辱的だわ」と怒るフィービーに、ジョーイはまた謝って、「もしこの男が気に入らないのなら、もっといい男を見つけてあげられるから」と言って、そのレストランを見回しながら、「マイク! マイク!」と叫んでいます。
ダブルデートの相手の名前をうっかり「マイク」だと言ってしまったことで、セントラルパークで「マイク!」と呼んで振り向いたマイクを連れてきたわけですが、その「マイクその1」がダメらしいとわかって、「マイクその2」をまた同じ方法で見つけようとしている面白さですね。
「マイクというジョーイの友人など存在しない」とわかったので、もう名前がマイクである必要もないのに、ここでもまだ「マイクという名前の人」を見つけようとしているというそのジョーイのズレ具合に笑ってしまうわけです。
あきれたフィービーは立ち去ります。
怒っているのを承知で、マイクは「君に会えて良かったよ」と言っていますね。
Nice to meet you. が「初めまして。お会いできて嬉しいです」という「会った時の挨拶」であることに対して、(It was) nice meeting you. は「会えて嬉しかったです」という「別れ際の挨拶」になることにも注意しましょう。
フィービーと一緒に帰ろうとするメリー・エレンを見て、ジョーイは、君も行っちゃうの? 君も帰っちゃうつもり? と尋ねています。
それに対してメリー・エレンは、I'll stay if... 「もし〜なら私は残るわ」と、ある条件を満たせば残る、というような条件付きの発言をしています。
その条件はと言うと、「もしあなたが私に、私の名前を言うことができたら」。
つまり、「私の名前が何かを言うことができたら、私は残るけど」と言っていることになるのですが、それを聞いたジョーイは、彼女の名前が何かを考えようともせずに、即答で「良い夜を!(おやすみ!)」と言っています。
このデートの間、ジョーイは「マイクを自分の友人に見せようとすること」にばかり気を取られ、メリー・エレンのことを気に掛ける様子もありませんでしたから、メリー・エレンはそれをわかった上で、「もし私の名前が何か覚えてたら、残ってあげてもいいわよ」と言ったのですね。
案の定、ジョーイは彼女の名前を覚えておらず、即座に「さよなら。おやすみ」と言ったことになるわけです。
フィービーはメリー・エレンのことを smart 「頭がいい、賢い」と言っていましたが、「興味を示さなかったくせに、帰り際に引き止めようとした」ジョーイに「私の名前を覚えていたら残ってあげるけど(あなた、私の名前すら覚えてないでしょ?)」とぴしゃりと言ってのけたところに、その smart さが出ているように思いました。
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2015年01月05日
だから君のこと見覚えあるんだ フレンズ9-3その3
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ジョーイとフィービーは、お互いの友達を連れてくることで、4人でダブルデートをすることにします。
ですが、デート当日、フィービーから「あなたのために、メリー・エレンって子を見つけてきたから」と言われたジョーイは、ダブルデートの相手を用意するのを忘れていたことに気づき、とっさに「俺が連れてくる友人の名前はマイク」と言ってしまいます。
フィービーが帰った後、慌てて自分の手帳を見るものの、そこには女の子の名前ばかり(笑)。
結局、コーヒーハウスのセントラルパークで、「マイク!」と叫んで振り向いた男性を、「高校時代からの親友のマイク」ということで、ダブルデートに参加させます。
レストランで、ダブルデート中の4人のシーン。
フィービー: You know, it's so surprising that you and Joey have known each other for so long and I've never heard about you. (ねぇ、あなたとジョーイがそんなに長い間知り合いだったなんてすっごく驚きだわ。私はあなたのことを今まで聞いたことなかったもの。)
ジョーイ: Yeah, that's because we had a bit of a falling out. Mike hit my mom with a car. (あぁ、それは俺たちがちょっと喧嘩(仲たがい)してたからだよ。マイクが車で俺のママを轢いた(ひいた)んだ。)
マイク: No, I didn't. (いや、僕はひいてないよ。)
ジョーイ: That's okay, Mike. I have forgiven you. And now we're friends again, and everything's great! (それはいいんだよ、マイク。俺は君を許したんだ。[ジョーイはマイクにウインクする] それで今はまた俺たちは友達で、全てが最高さ!)
メリー・エレン: Well, wait. Is your mom okay? (ちょっと待って。あなたのママは大丈夫なの?)
ジョーイ: Please, we're trying to have a conversation. (Pushes the wine glass closer to Mary Ellen.) (頼むよ、俺たちは今、会話しようとしてるんだ。[ワイングラスをメリーエレンの方に押しやる])
メリー・エレン: Wow, you're a lot nicer on Days of Our Lives. (まぁ、あなたって、「デイズ・オブ・アワ・ライブズ(愛の病院日誌)」の時の方がもっといい人ね[実物はドラマの時ほどいい人じゃないのね]。)
マイク: Days of Our Lives! That's why you look so familiar! (「愛の病院日誌」か! だから君のこと、すごく見覚えあるんだ![どっかで見たことあると思ったのは、それ(そのせい)か!])
フィービー: What?! (何ですって?)
マイク: What?! (何?)
ジョーイ: What?! (何?)
フィービー: Do you not know each other? (あなたたち、知り合いじゃないの?)
ジョーイ: (Laughs) Of course we do! Mike is playing a game that we used to play in high school. Yeah, where we pretend we don't know each other. We played all kinds of games. (To Mike) Hey, remember the one where I punch you in the face for not being cool?! ([笑って] もちろん知り合いだよ! マイクはゲームをしてるんだ、俺たちが高校時代にやってたゲームをね。そうさ、そのゲームでは、お互いを知らないふりをするんだよ。俺たち、いろんなゲームをやったよな。[マイクに] なぁ、ヘマしたらお前の顔を殴るってゲーム、覚えてるよな?)
フィービー: Mike, let me ask you something: How many sisters does Joey have? (マイク、ちょっと質問させて。ジョーイには何人の姉妹がいる?)
マイク: (Joey holds up six fingers) Six! ([ジョーイは6本の指を立てる。(マイクはそれを見て)] 6人!)
ジョーイ: What are you doing? I said seven! (Holds up six fingers.) (Realizes his mistake) Argh!!! (何やってんだよ? 俺は7人って言ったろ? [ジョーイは6本の指を立てる][自分の間違いに気づいて] あー!)
フィービーは、ジョーイとマイクが高校時代からの友人だという話を聞いて、「あなたたち二人がそんなに長い間、知り合いだったなんてすごくびっくり。私はマイクについて今まで何も聞いたことなかったから」と言っています。
「ジョーイの古くからの友達なのに、ジョーイと親しい私が名前を聞いたこともないって驚きよね」と言われたので、ジョーイは「それは俺たちがちょっと falling out していたからだ」と理由を説明しています。
ここでの fall out は「(〜と)喧嘩する、仲たがいする」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
fall out [phrasal verb] : to have an argument with someone, so that you do not agree with them anymore or are not friendly with them anymore
つまり、「誰かと議論・口論した結果、その人にはもう同意しない、またはその人とはもう仲良くしないこと」。
次に仲たがいした理由として、「マイクが車で俺のママをひいた」と言っています。
hit は野球の「ヒット」の通り、「打つ」という意味が基本ですが、そこから「〜に当たる、ぶつかる」という意味にもなりますね。
日本語では、「車で人を轢く(ひく)、人が車に轢かれる(ひかれる)」のように「ひく」という動詞が使われますが、英語では「人を(車で)ひく」と表現する場合には、
hit someone, run someone over, knock someone down などが使われます。
それぞれ直訳すると、人にぶつかる、人の上を走る、人を(打ち)倒す、のようになるでしょう。
「ひく」という「日本語」から英語の動詞を連想しようとするのではなく、「車が人をひく」時の映像イメージを頭に思い浮かべることで、車が人にぶつかったり、人の上を通過したり、人に当たってその人を倒したり、、というそれぞれの英語のイメージとも関連付けやすくなるように思います。
「マイクが俺のママを車でひいたから、俺たち仲が悪くなっちゃって」みたいに説明されたマイクは慌てて「僕はそんなことしなかった」と言っています。
その場しのぎで「”ジョーイの親友マイク”のふりをしてくれ」と言われただけなのに、「親友のママを車でひいた人」扱いされたらたまらない、というところでしょう。
ジョーイはそれを軽く流して、「いいんだよ、俺はもう君を許した」と、心の広い人間のように自分を見せながら、今は俺たちは元の友達に戻って、全ては順調だ! と言います。
フィービーがジョーイのために連れて来た、ダブルデートの相手メリー・エレンは、その話に割って入って、「ちょっと待って。あなたのママは大丈夫なの?」と尋ねています。
「ママがマイクの車にひかれちゃってね」という話の流れから、ジョーイのママの具合を尋ねるのは、会話の流れとして自然なことなのですが、ジョーイにとっては、「フィービーがマイクのことを聞いたことなかったのはヘン」ということに対しての嘘の理由に過ぎないので、嘘にごちゃごちゃつっこまれてはたまらないとばかりに、話題を変えようとしています。
Please, we're trying to have a conversation. の Please は「どうか頼むから、お願いだから」というニュアンスで、この場合は、「そんな話はやめてよ、頼むよ」という感覚ですね。
we're trying to have a conversation は「俺たちは会話しようとしてるんだ、話をしようとしてるんだ」ということですから、「今、俺たちは大事な会話の途中なんで、邪魔するような発言は控えてくれるかな」と言っている感覚になります。
ママの事故の話を聞いて、ママの具合を尋ねただけなのに、話の邪魔をしたかのように言われたので、メリー・エレンはむっとしたのでしょうね、Wow, you're a lot nicer... 以下のセリフを言うことになります。
その Wow, you're a lot nicer on Days of Our Lives. について。
Days of Our Lives は、「デイズ・オブ・アワ・ライブズ(愛の病院日誌)」という、ジョーイが出演しているソープオペラのタイトルですね。
You're nice. 「あなたはいい人(である)」が、nicer と比較級になって、その比較級を a lot でさらに強調する形になっているので、You're a lot nicer は「あなたは、もっとずっといい人(である)」と言っていることになります。
on Days of Our Lives は「愛の病院日誌(というドラマ)で」なので、このセリフを直訳すると、「まぁ、あなたは「愛の病院日誌」で(は)、もっとずっといい人だわ」→「愛の病院日誌の時のあなたの方が、よりもっとずっといい人だ」と言っていることになります。
そして、nicer という「比較級」は、今、目の前にいる「現実のジョーイ」と比較しているわけですね。
あなたのママを気遣う発言をしてあげたのに、会話に入ってくるな、みたいに言ったジョーイのことを「ひどい人、性格悪い人」だとメリー・エレンは思ったので、「現実のあなたは、愛の病院日誌の時ほど、いい人じゃないのね」というのを、「あなたは愛の病院日誌の時の方が、いい人ね」と表現したことになります。
このセリフのように、nicer という「比較級」が出てきた場合には、「何と比較しているのか?」を意識することが大切ですね。
比較級+than の形になっているのが基本形ではありますが、何と比較しているかが自明の場合、もしくは今回のように皮肉っぽく「何と比較しているかはわかるでしょ」的に言いたい場合には、than 以下が省略されてしまっていることがあるので、「何と比較して、より〜」だと言っているのかを前後の文脈や流れから見極めるようにしましょう。
この場合も、「心配してあげたのに、逆に迷惑そうにされた」という流れがあるので、「あなたはドラマの時のほうがいい人ね」という意味だと自然に理解されることになるでしょう。
Days of Our Lives の名前を聞いたマイクは、そのタイトルを繰り返した後、That's why you look so familiar! と言っています。
That's why SV は、「それが S が V である理由だ」→「だから、S が V なんだ」という決まり文句ですね。
familiar は「知っている、見慣れて[聞き慣れて]いる、見覚え[聞き覚え]がある」なので、you look so familiar は「君のこと、すごく見覚えがある」と言っていることになります。
今日ジョーイと会ったばかりのマイクは、ジョーイのことを「どっかで見たことある気がするなぁ、、」とずっと思っていて、それがその「愛の病院日誌に出ている」発言で、「そうか、愛の病院日誌に出てる俳優か!」と気づいたことが、このセリフからわかるわけです。
思わずそう口走ってしまったマイクですが、「学生時代からの親友」がそんな発言をするのはなんともおかしいので、フィービーも What?! と叫び、マイク自身も自分が失言したことに気づきます。
「二人は知り合いじゃなかったの?」みたいに言われ、ジョーイは必死で言い訳をしています。
「マイクは俺たちが高校の時にやっていたゲームをしてるんだ」と言い、where 以下でそのゲームの内容を、「俺たちがお互いを知らないふりをする(ゲーム)」だと説明しています。
その後、「俺たちは(高校時代)、いろんなゲームをやったんだ」と言って、remember the one where... と続けていますね。
これは、the one = the game で、where は先ほどと同じく、the game の内容を説明していることになります。
その内容は、「クールじゃないこと、つまり、ヘマやドジをしたら、お前の顔を殴るっていうゲーム」ということで、先に「他にもいろんなゲームをやったよな」と言っておいて、「高校時代にやったゲームの中に、マズいことをしたら、お前の顔を殴るっていうゲームがあったのを覚えてるか?」のように表現して、「今みたいに、友達じゃないってバレるようなドジ発言をしたら、お前の顔を殴るからな!」と警告したことになります。
何とか嘘を取り繕おうとしたものの、フィービーはやはり変だと気づいたようで、「ジョーイには何人の姉妹がいる?」とマイクに質問します。
ジョーイに今日会ったばかりのマイクは、ジョーイの姉妹の数など当然知らないのですが、フィービーに見えないように、ジョーイがマイクに指を立てて数字を示すので、マイクはそれを見て「6人!」と答えます。
ジョーイは「何言ってんだよ! 俺は7人って言ったぞ!」と怒るのですが、自分が立てた指を見たら6本だったので(笑)、ジョーイは自らの失敗に、あっちゃー!という顔になっています。
あまりにもレベルの低い間違いで、さすがのフレンズでもジョーイ以外には成立しないオチですが、それがまたジョーイっぽくて楽しいなぁ、と思います。
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ジョーイとフィービーは、お互いの友達を連れてくることで、4人でダブルデートをすることにします。
ですが、デート当日、フィービーから「あなたのために、メリー・エレンって子を見つけてきたから」と言われたジョーイは、ダブルデートの相手を用意するのを忘れていたことに気づき、とっさに「俺が連れてくる友人の名前はマイク」と言ってしまいます。
フィービーが帰った後、慌てて自分の手帳を見るものの、そこには女の子の名前ばかり(笑)。
結局、コーヒーハウスのセントラルパークで、「マイク!」と叫んで振り向いた男性を、「高校時代からの親友のマイク」ということで、ダブルデートに参加させます。
レストランで、ダブルデート中の4人のシーン。
フィービー: You know, it's so surprising that you and Joey have known each other for so long and I've never heard about you. (ねぇ、あなたとジョーイがそんなに長い間知り合いだったなんてすっごく驚きだわ。私はあなたのことを今まで聞いたことなかったもの。)
ジョーイ: Yeah, that's because we had a bit of a falling out. Mike hit my mom with a car. (あぁ、それは俺たちがちょっと喧嘩(仲たがい)してたからだよ。マイクが車で俺のママを轢いた(ひいた)んだ。)
マイク: No, I didn't. (いや、僕はひいてないよ。)
ジョーイ: That's okay, Mike. I have forgiven you. And now we're friends again, and everything's great! (それはいいんだよ、マイク。俺は君を許したんだ。[ジョーイはマイクにウインクする] それで今はまた俺たちは友達で、全てが最高さ!)
メリー・エレン: Well, wait. Is your mom okay? (ちょっと待って。あなたのママは大丈夫なの?)
ジョーイ: Please, we're trying to have a conversation. (Pushes the wine glass closer to Mary Ellen.) (頼むよ、俺たちは今、会話しようとしてるんだ。[ワイングラスをメリーエレンの方に押しやる])
メリー・エレン: Wow, you're a lot nicer on Days of Our Lives. (まぁ、あなたって、「デイズ・オブ・アワ・ライブズ(愛の病院日誌)」の時の方がもっといい人ね[実物はドラマの時ほどいい人じゃないのね]。)
マイク: Days of Our Lives! That's why you look so familiar! (「愛の病院日誌」か! だから君のこと、すごく見覚えあるんだ![どっかで見たことあると思ったのは、それ(そのせい)か!])
フィービー: What?! (何ですって?)
マイク: What?! (何?)
ジョーイ: What?! (何?)
フィービー: Do you not know each other? (あなたたち、知り合いじゃないの?)
ジョーイ: (Laughs) Of course we do! Mike is playing a game that we used to play in high school. Yeah, where we pretend we don't know each other. We played all kinds of games. (To Mike) Hey, remember the one where I punch you in the face for not being cool?! ([笑って] もちろん知り合いだよ! マイクはゲームをしてるんだ、俺たちが高校時代にやってたゲームをね。そうさ、そのゲームでは、お互いを知らないふりをするんだよ。俺たち、いろんなゲームをやったよな。[マイクに] なぁ、ヘマしたらお前の顔を殴るってゲーム、覚えてるよな?)
フィービー: Mike, let me ask you something: How many sisters does Joey have? (マイク、ちょっと質問させて。ジョーイには何人の姉妹がいる?)
マイク: (Joey holds up six fingers) Six! ([ジョーイは6本の指を立てる。(マイクはそれを見て)] 6人!)
ジョーイ: What are you doing? I said seven! (Holds up six fingers.) (Realizes his mistake) Argh!!! (何やってんだよ? 俺は7人って言ったろ? [ジョーイは6本の指を立てる][自分の間違いに気づいて] あー!)
フィービーは、ジョーイとマイクが高校時代からの友人だという話を聞いて、「あなたたち二人がそんなに長い間、知り合いだったなんてすごくびっくり。私はマイクについて今まで何も聞いたことなかったから」と言っています。
「ジョーイの古くからの友達なのに、ジョーイと親しい私が名前を聞いたこともないって驚きよね」と言われたので、ジョーイは「それは俺たちがちょっと falling out していたからだ」と理由を説明しています。
ここでの fall out は「(〜と)喧嘩する、仲たがいする」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
fall out [phrasal verb] : to have an argument with someone, so that you do not agree with them anymore or are not friendly with them anymore
つまり、「誰かと議論・口論した結果、その人にはもう同意しない、またはその人とはもう仲良くしないこと」。
次に仲たがいした理由として、「マイクが車で俺のママをひいた」と言っています。
hit は野球の「ヒット」の通り、「打つ」という意味が基本ですが、そこから「〜に当たる、ぶつかる」という意味にもなりますね。
日本語では、「車で人を轢く(ひく)、人が車に轢かれる(ひかれる)」のように「ひく」という動詞が使われますが、英語では「人を(車で)ひく」と表現する場合には、
hit someone, run someone over, knock someone down などが使われます。
それぞれ直訳すると、人にぶつかる、人の上を走る、人を(打ち)倒す、のようになるでしょう。
「ひく」という「日本語」から英語の動詞を連想しようとするのではなく、「車が人をひく」時の映像イメージを頭に思い浮かべることで、車が人にぶつかったり、人の上を通過したり、人に当たってその人を倒したり、、というそれぞれの英語のイメージとも関連付けやすくなるように思います。
「マイクが俺のママを車でひいたから、俺たち仲が悪くなっちゃって」みたいに説明されたマイクは慌てて「僕はそんなことしなかった」と言っています。
その場しのぎで「”ジョーイの親友マイク”のふりをしてくれ」と言われただけなのに、「親友のママを車でひいた人」扱いされたらたまらない、というところでしょう。
ジョーイはそれを軽く流して、「いいんだよ、俺はもう君を許した」と、心の広い人間のように自分を見せながら、今は俺たちは元の友達に戻って、全ては順調だ! と言います。
フィービーがジョーイのために連れて来た、ダブルデートの相手メリー・エレンは、その話に割って入って、「ちょっと待って。あなたのママは大丈夫なの?」と尋ねています。
「ママがマイクの車にひかれちゃってね」という話の流れから、ジョーイのママの具合を尋ねるのは、会話の流れとして自然なことなのですが、ジョーイにとっては、「フィービーがマイクのことを聞いたことなかったのはヘン」ということに対しての嘘の理由に過ぎないので、嘘にごちゃごちゃつっこまれてはたまらないとばかりに、話題を変えようとしています。
Please, we're trying to have a conversation. の Please は「どうか頼むから、お願いだから」というニュアンスで、この場合は、「そんな話はやめてよ、頼むよ」という感覚ですね。
we're trying to have a conversation は「俺たちは会話しようとしてるんだ、話をしようとしてるんだ」ということですから、「今、俺たちは大事な会話の途中なんで、邪魔するような発言は控えてくれるかな」と言っている感覚になります。
ママの事故の話を聞いて、ママの具合を尋ねただけなのに、話の邪魔をしたかのように言われたので、メリー・エレンはむっとしたのでしょうね、Wow, you're a lot nicer... 以下のセリフを言うことになります。
その Wow, you're a lot nicer on Days of Our Lives. について。
Days of Our Lives は、「デイズ・オブ・アワ・ライブズ(愛の病院日誌)」という、ジョーイが出演しているソープオペラのタイトルですね。
You're nice. 「あなたはいい人(である)」が、nicer と比較級になって、その比較級を a lot でさらに強調する形になっているので、You're a lot nicer は「あなたは、もっとずっといい人(である)」と言っていることになります。
on Days of Our Lives は「愛の病院日誌(というドラマ)で」なので、このセリフを直訳すると、「まぁ、あなたは「愛の病院日誌」で(は)、もっとずっといい人だわ」→「愛の病院日誌の時のあなたの方が、よりもっとずっといい人だ」と言っていることになります。
そして、nicer という「比較級」は、今、目の前にいる「現実のジョーイ」と比較しているわけですね。
あなたのママを気遣う発言をしてあげたのに、会話に入ってくるな、みたいに言ったジョーイのことを「ひどい人、性格悪い人」だとメリー・エレンは思ったので、「現実のあなたは、愛の病院日誌の時ほど、いい人じゃないのね」というのを、「あなたは愛の病院日誌の時の方が、いい人ね」と表現したことになります。
このセリフのように、nicer という「比較級」が出てきた場合には、「何と比較しているのか?」を意識することが大切ですね。
比較級+than の形になっているのが基本形ではありますが、何と比較しているかが自明の場合、もしくは今回のように皮肉っぽく「何と比較しているかはわかるでしょ」的に言いたい場合には、than 以下が省略されてしまっていることがあるので、「何と比較して、より〜」だと言っているのかを前後の文脈や流れから見極めるようにしましょう。
この場合も、「心配してあげたのに、逆に迷惑そうにされた」という流れがあるので、「あなたはドラマの時のほうがいい人ね」という意味だと自然に理解されることになるでしょう。
Days of Our Lives の名前を聞いたマイクは、そのタイトルを繰り返した後、That's why you look so familiar! と言っています。
That's why SV は、「それが S が V である理由だ」→「だから、S が V なんだ」という決まり文句ですね。
familiar は「知っている、見慣れて[聞き慣れて]いる、見覚え[聞き覚え]がある」なので、you look so familiar は「君のこと、すごく見覚えがある」と言っていることになります。
今日ジョーイと会ったばかりのマイクは、ジョーイのことを「どっかで見たことある気がするなぁ、、」とずっと思っていて、それがその「愛の病院日誌に出ている」発言で、「そうか、愛の病院日誌に出てる俳優か!」と気づいたことが、このセリフからわかるわけです。
思わずそう口走ってしまったマイクですが、「学生時代からの親友」がそんな発言をするのはなんともおかしいので、フィービーも What?! と叫び、マイク自身も自分が失言したことに気づきます。
「二人は知り合いじゃなかったの?」みたいに言われ、ジョーイは必死で言い訳をしています。
「マイクは俺たちが高校の時にやっていたゲームをしてるんだ」と言い、where 以下でそのゲームの内容を、「俺たちがお互いを知らないふりをする(ゲーム)」だと説明しています。
その後、「俺たちは(高校時代)、いろんなゲームをやったんだ」と言って、remember the one where... と続けていますね。
これは、the one = the game で、where は先ほどと同じく、the game の内容を説明していることになります。
その内容は、「クールじゃないこと、つまり、ヘマやドジをしたら、お前の顔を殴るっていうゲーム」ということで、先に「他にもいろんなゲームをやったよな」と言っておいて、「高校時代にやったゲームの中に、マズいことをしたら、お前の顔を殴るっていうゲームがあったのを覚えてるか?」のように表現して、「今みたいに、友達じゃないってバレるようなドジ発言をしたら、お前の顔を殴るからな!」と警告したことになります。
何とか嘘を取り繕おうとしたものの、フィービーはやはり変だと気づいたようで、「ジョーイには何人の姉妹がいる?」とマイクに質問します。
ジョーイに今日会ったばかりのマイクは、ジョーイの姉妹の数など当然知らないのですが、フィービーに見えないように、ジョーイがマイクに指を立てて数字を示すので、マイクはそれを見て「6人!」と答えます。
ジョーイは「何言ってんだよ! 俺は7人って言ったぞ!」と怒るのですが、自分が立てた指を見たら6本だったので(笑)、ジョーイは自らの失敗に、あっちゃー!という顔になっています。
あまりにもレベルの低い間違いで、さすがのフレンズでもジョーイ以外には成立しないオチですが、それがまたジョーイっぽくて楽しいなぁ、と思います。
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