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ミンスクからNYに一時的に戻ってきたデビッドは、元恋人のフィービーのアパートメントを訪れました。
デビッドがフィービーに嬉しい言葉をいくつも言ってくれるので、フィービーは、「今、マイクという男性と付き合っている」ことをデビッドに言えずにいました。
翌日、ワイン持参でフィービーのアパートにやってきたデビッドを中に入れるフィービー。
キスしようとするデビッドを止めたフィービーは、
フィービー: Uhm... Remember when you asked me if I was seeing someone and I said no? Well, uhm... I am. His ... his name's Mike. (あの… あなたが私に、誰か付き合っている人はいる? って聞いて、私がいいえって言ったのを覚えてる? あの… 私、付き合ってるの。彼の、彼の名前はマイクよ。)
デビッド: Oh... oh... (おぉ… おぉ…)
フィービー: Yeah, I should've told you. (そうよね、私はあなたに(そのことを)言うべきだったのに。)
デビッド: No. Well, yeah. (いや。まぁ、そうだね。)
フィービー: I'm sorry, I'm sorry. (ごめんなさい。ごめんなさい。)
デビッド: Well, i-it's okay. I-I-I understand. Well, s... well, are you happy with this guy? (あぁ、いいんだよ。わかった。えーっと、君はこの男性といて幸せかい?)
フィービー: I am happy. (幸せよ。)
デビッド: Damn it! I-I'm sorry. I-I don't mean that. I-I want you to be happy. But only with me. No, uhm... that's not fair. Uh, who cares. Leave him! Oh, I don't mean that. Yes, I do. I'm sorry Uhm, I... I think I should probably uhm... go. (ちくしょう! ごめん。そういうつもりじゃないんだ。僕は君に幸せでいてほしい。でも、僕だけと。違う、えーっと、それってフェアじゃないよね。いや、構うもんか。彼を捨てて! あぁ、そういうつもりじゃない。いや、そういうつもりで言ったんだ。ごめん。えーっと、僕は多分、出ていくべきだよね。)
Remember when you asked me if... は、「あなたが私に「付き合ってる人はいるの?」と尋ねて、私が「いいえ」と言った時のことを覚えてる?」ということですね。
その後、言いにくそうに、Well, uhm... I am. と言っていますが、I am. = I am seeing someone. ということで、「あの時はいいえって否定したけど、(実は、本当は)私はある人と付き合っているの」と告白したことになります。
「その彼の名前はマイクっていうの」と説明されたデビッドは、「フィービーには今、恋人がいない」と思っていたので、かなり動揺しています。
その様子を見て、フィービーは、I should've told you. という反省・後悔の言葉を述べることになります。
I should've told you. = I should have told you. のような「I should have+過去分詞」は、「私は(あの時)〜すべきだったのに(実際にはしなかった)」というお決まりフレーズですね。
今になって恋人がいると告げて、あなたによりショックを与えるくらいなら、最初に聞かれた時に正直にそう言っていれば良かった、、と後悔しているニュアンスになります。
デビッドは反射的に、「いや、そんなことないよ」というように No. と言いますが、やはり、後から「実は恋人がいるの」と言われたことはかなりショックだったらしく、「最初に聞いた時に、そう言ってくれていれば良かったのに」的に、yeah という正直な気持ちも述べています。
謝るしかないフィービーに、デビッドは「いいんだ。わかった」と言った後、「君はこの(付き合っている)男性と一緒で幸せかい?」と尋ねます。
フィービーが、「私は幸せよ」と即答するので、デビッドはつい、Damn it! 「ちくしょう!」と本音を口にしてしまっています。
「いいんだよ。わかったから」と言ったのに、その恋人と幸せだと言うのを聞いて、くそっ! と言ってしまったのはマズいと思い、デビッドは、I don't mean that. と訂正しています。
この場合の mean は「〜のつもりで言う」「〜の意味・意図で言う」という感覚ですね。
ですから、I don't mean that. は「僕はそんなつもりで言っていない」「今、口から出たその言葉は僕の意図とは異なる、今のは僕の本音じゃない」みたいなことになります。
そして、「僕は君に幸せでいてほしい」と言うのですが、その後に、But ony with me. 「でも、僕と(一緒に)だけ」「僕だけと」みたいに、余計なひと言を付け加えてしまいます。
つまり、「君には幸せでいてほしいけど、君が他の男と一緒に幸せになるのはいやだ。君に幸せでいてほしいのは、僕と一緒の時だけだ」みたいなことで、「僕と一緒に幸せになってくれることを僕は願ってて、他の人と幸せになることを望んでなんかいない」と言っていることになります。
「君が僕以外の人と幸せになることを、僕は願ったりしない」などと言ってしまった自分に気付き、慌てて No. と否定した後、「そんなの、フェアじゃないよね」と言っています。
「他のやつとの幸せなんか望まない」という自分の言葉は、アンフェア発言だったと反省していることになります。
その後の、Who cares? は「誰がかまうと・気にすると言うんだ?」→「そんなこと誰も気にしない」。
Leave him. は「彼を捨てて。見捨てて」というニュアンス。
「僕の発言、(自分勝手で)フェアじゃないよね」と反省した直後に、「かまうもんか。彼を捨てて」みたいに言うなど、デビッドの心の中では、天使と悪魔が戦っている(笑)らしいことが、二転三転する彼の発言からよくわかります。
つい、「彼を捨てて。彼と別れて」と言ってしまい、また、I don't mean that. 「そんな(ことを言う)つもりじゃないんだ」と言い訳するデビッド。
しかしまた(笑)、その後に、Yes, I do. と言っていますね。
それは、直前のセリフ、I don't mean that. という否定文を、肯定し直すニュアンスで、Yes, I mean that. 「(そんなつもりじゃない、って言ったけど)そういうつもりで言った。言葉通りの意味で言った。その言葉は僕の本音だ」という意味になります。
その後、I'm sorry. と謝ったデビッドは、混乱した発言ばかりを繰り返す自分を反省し、I think I should probably uhm... go. 「僕は多分、(この部屋を)出ていくべきだよね」と言うことになります。
デビッドのころころ変わる発言に、彼の動揺が現れている様子を、英語のセリフから感じ取っていただけるといいなと思います。
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2015年02月27日
2015年02月25日
湿疹を治し手も若く保つ フレンズ9-6その4
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生まれたばかりのエマのために、ロスとレイチェルはベビーシッターの面接をしています。
ベビーシッターとして優秀な経歴を持つサンディーという男性を、レイチェルは気に入って採用しようとするのですが、ロスはサンディーが男性であるということにこだわりがある様子。
サンディーの採用に後ろ向きなロスと、サンディーを是非採用したいレイチェルがモメていると、寝室でエマの面倒を見ていたサンディーが戻ってきて、
サンディー: I er... I hope you don't mind. I used some of my homemade lotion on Emma. It's a mixture of calendula and honey cream. It'll dry that rash right up. Plus, it keeps the hands young. (it makes Rachel smile) (問題ないと思ってくれたら嬉しいんですが。エマに僕の自家製ローションを使いました。キンセンカとハチミツクリームを混ぜたものです。あの湿疹をしっかり乾かして(治して)くれるんですよ。それプラス、(使った人の)手も若く保ちます。[その発言でレイチェルは微笑む])
レイチェル: (whispering and begging) Please? (Ross makes a "whatever" gesture) YES! Sandy, you're hired! ([ささやき声で、懇願して] お願いよ。[ロスは「何でもいいさ」というジェスチャーをする] やった! サンディー、あなたを雇うわ!)
サンディー: That's great! (He gets emotional again and waves his hand in front of his face in a feminine way, like trying to dry his tears) I'm sorry. It's just... such an emotional thing when you're welcomed into a new family. (それは最高です! [彼はまた感情的になり、自分の涙を乾かそうとするように、女性っぽいしぐさで顔の前で手をひらひらさせる] ごめんなさい。ただ、感情的なものなんですよ、新しい家族に迎えられる時のね。)
レイチェル: Oooh, God. Come here. (あぁ、なんてこと。こっちに来て。)
レイチェルとサンディーはかたくハグする。
ロス: You gotta be at least bi. (少なくとも、バイ(セクシャル)に違いないな。)
mind は「気にする、嫌だと思う、嫌がる」ですから、I hope you don't mind. は「あなたが嫌がらないことを願う」→「気にならないと良いのですが」みたいなことですね。
まず前振りとして、「あなたが気にされないといいんですが」と言っておいてから、I used some of my homemade lotion on Emma. と言っています。
I used と過去形になっていますので、これから使おうとしているのではなく、寝室にいるエマにもう実際に「使った」ことがわかりますね。
親の許可なく自分の判断で勝手に使ってしまったことを、「親であるあなたがいやだなと思わないといいんですが」と先に言ったことになります。
ホームメイドのローションをエマに使いました、と言った後、キンセンカとハチミツクリームを混ぜたものだと説明しています。
rash は「湿疹、発疹、吹き出物」。
dry up は「(すっかり、からからに)乾かす」という感覚ですね。
湿疹はできもので、じとじとした感じのものですから、それが「乾いてかさぶたになって落ちて治る」イメージで語っているのでしょう。
Plus 「それから、それプラス」と付け加える形で、it keeps the hands young. と言いながら、自分の手を広げて見せた後、レイチェルの方を指さしています。
「そのローションは、手を若く保つ(性質がある)」ということですから、そのローションを赤ちゃんに塗った人の手の方も、手が若く保たれるという効果があるんですよ、と言っていることになります。
今回はサンディーが使ったので、「ほらこんな風にすべすべに」みたいに見せた後、「今度はママであるあなたが使ったら、あなたの手もすべすべになりますよ」と言ったことになるわけですね。
「ママの手にも良いローション」という、子育てママへの気配りも見せてくれたため、レイチェルはもう彼以外のベビーシッターを雇うことは考えられなくなった様子。
ロスに向かって手を合わせて、ねぇ、お願いよ! という顔をして、サンディーを雇うことに同意してくれるように懇願します。
ト書きにあるように、ロスが「もう何でもいいよ。君の好きにしなよ」という顔をしたので、レイチェルは、やった! という感じで Yes! と言い、「あなたを雇うわ!」と言います。
ちなみに、You're hired! は「あなたを雇う」→「君は採用だ!」で、You're fired. は「あなたを解雇する」→「お前はクビだ!」になりますね。
まさに一字違いで大違いの表現になります。
「雇うわ!」と言われたサンディーは、「それって最高です!」と言った後、ト書きにある通り、感極まった様子で、こみあげる涙を乾かすかのように、顔を手でパタパタと(うちわのように)あおいでいます。
ト書きにも書いているように、これは女性的なしぐさのようですね。
過去のフレンズでは、フレンズ1-5 の 16:00 くらいのシーンで、チャンドラーに別れを告げられたジャニスが、同じようなしぐさをする場面がありました。
その時のやりとりは以下のような感じでした。
チャンドラー: Janice. Hi, Janice. Ok, here we go. I don't think we should go out anymore. Janice. (ジャニス。はーい、ジャニス。よし、いくぞ。俺たちはもうデートしないほうがいいと思うんだよ、ジャニス。)
ジャニス: All right. Well, there you go. [she gets extremely wound up, and begins to try and calm herself down] Stop it, stop it, stop it. (いいわ。ええ、そうよね。[ジャニスは急に感情が高ぶった様子で、自分自身をなだめようとし始める] 止まれ、止まれ、止まれ。)
その Stop it, stop it. stop it. と言っている時に、あふれ出しそうな涙を乾かそうとするように、ジャニスは両手をバタバタとあおいでいました。
ジャニスがするようなそんなしぐさを、今回は男性であるサンディーがしたことになりますね。
(今回のエピソード解説に戻ります)
サンディーは自分の様子を、「新しい家族に迎えられる時の、感情的なこと」だと説明しています。
ベビーシッターとして受け入れられた時に、こういう感情が押し寄せてくるんですよね、みたいなことですね。
涙ぐむサンディーを見て、レイチェルは彼をハグしてあげようと「こっちに来て」と言います。
そして二人はしっかりハグするのですが、その様子を見てロスは、You gotta be at least bi. と言っています。
bi は、bisexual 「両性愛者」のことですね。
今回のシーンよりも前に、ロスはサンディーに面と向かって「君、ゲイなの?」と尋ねていました。
サンディーは「自分はストレートで、(女性の)婚約者もいる」と説明していたのですが、それでもロスは「やっぱりゲイなんじゃないかな」と心のどこかで思っていたようですね。
雇うことが決まって、レイチェルとしっかりハグし合っているサンディーを見て、「女性であるレイチェルと嬉しそうに抱き合ってるから、女嫌いじゃないみたい、むしろ、女好きかもしれない」とロスは嫉妬にも似た気持ちでそう思ったのでしょう。
それで、「やっぱりゲイだと僕は思うけど、ゲイだけではなく、女性好きでもあるみたい。だから少なくとも彼は男性も女性もどっちもオッケー、っていう両刀使いのタイプだね」とここで言ったことになります。
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ベビーシッターとして優秀な経歴を持つサンディーという男性を、レイチェルは気に入って採用しようとするのですが、ロスはサンディーが男性であるということにこだわりがある様子。
サンディーの採用に後ろ向きなロスと、サンディーを是非採用したいレイチェルがモメていると、寝室でエマの面倒を見ていたサンディーが戻ってきて、
サンディー: I er... I hope you don't mind. I used some of my homemade lotion on Emma. It's a mixture of calendula and honey cream. It'll dry that rash right up. Plus, it keeps the hands young. (it makes Rachel smile) (問題ないと思ってくれたら嬉しいんですが。エマに僕の自家製ローションを使いました。キンセンカとハチミツクリームを混ぜたものです。あの湿疹をしっかり乾かして(治して)くれるんですよ。それプラス、(使った人の)手も若く保ちます。[その発言でレイチェルは微笑む])
レイチェル: (whispering and begging) Please? (Ross makes a "whatever" gesture) YES! Sandy, you're hired! ([ささやき声で、懇願して] お願いよ。[ロスは「何でもいいさ」というジェスチャーをする] やった! サンディー、あなたを雇うわ!)
サンディー: That's great! (He gets emotional again and waves his hand in front of his face in a feminine way, like trying to dry his tears) I'm sorry. It's just... such an emotional thing when you're welcomed into a new family. (それは最高です! [彼はまた感情的になり、自分の涙を乾かそうとするように、女性っぽいしぐさで顔の前で手をひらひらさせる] ごめんなさい。ただ、感情的なものなんですよ、新しい家族に迎えられる時のね。)
レイチェル: Oooh, God. Come here. (あぁ、なんてこと。こっちに来て。)
レイチェルとサンディーはかたくハグする。
ロス: You gotta be at least bi. (少なくとも、バイ(セクシャル)に違いないな。)
mind は「気にする、嫌だと思う、嫌がる」ですから、I hope you don't mind. は「あなたが嫌がらないことを願う」→「気にならないと良いのですが」みたいなことですね。
まず前振りとして、「あなたが気にされないといいんですが」と言っておいてから、I used some of my homemade lotion on Emma. と言っています。
I used と過去形になっていますので、これから使おうとしているのではなく、寝室にいるエマにもう実際に「使った」ことがわかりますね。
親の許可なく自分の判断で勝手に使ってしまったことを、「親であるあなたがいやだなと思わないといいんですが」と先に言ったことになります。
ホームメイドのローションをエマに使いました、と言った後、キンセンカとハチミツクリームを混ぜたものだと説明しています。
rash は「湿疹、発疹、吹き出物」。
dry up は「(すっかり、からからに)乾かす」という感覚ですね。
湿疹はできもので、じとじとした感じのものですから、それが「乾いてかさぶたになって落ちて治る」イメージで語っているのでしょう。
Plus 「それから、それプラス」と付け加える形で、it keeps the hands young. と言いながら、自分の手を広げて見せた後、レイチェルの方を指さしています。
「そのローションは、手を若く保つ(性質がある)」ということですから、そのローションを赤ちゃんに塗った人の手の方も、手が若く保たれるという効果があるんですよ、と言っていることになります。
今回はサンディーが使ったので、「ほらこんな風にすべすべに」みたいに見せた後、「今度はママであるあなたが使ったら、あなたの手もすべすべになりますよ」と言ったことになるわけですね。
「ママの手にも良いローション」という、子育てママへの気配りも見せてくれたため、レイチェルはもう彼以外のベビーシッターを雇うことは考えられなくなった様子。
ロスに向かって手を合わせて、ねぇ、お願いよ! という顔をして、サンディーを雇うことに同意してくれるように懇願します。
ト書きにあるように、ロスが「もう何でもいいよ。君の好きにしなよ」という顔をしたので、レイチェルは、やった! という感じで Yes! と言い、「あなたを雇うわ!」と言います。
ちなみに、You're hired! は「あなたを雇う」→「君は採用だ!」で、You're fired. は「あなたを解雇する」→「お前はクビだ!」になりますね。
まさに一字違いで大違いの表現になります。
「雇うわ!」と言われたサンディーは、「それって最高です!」と言った後、ト書きにある通り、感極まった様子で、こみあげる涙を乾かすかのように、顔を手でパタパタと(うちわのように)あおいでいます。
ト書きにも書いているように、これは女性的なしぐさのようですね。
過去のフレンズでは、フレンズ1-5 の 16:00 くらいのシーンで、チャンドラーに別れを告げられたジャニスが、同じようなしぐさをする場面がありました。
その時のやりとりは以下のような感じでした。
チャンドラー: Janice. Hi, Janice. Ok, here we go. I don't think we should go out anymore. Janice. (ジャニス。はーい、ジャニス。よし、いくぞ。俺たちはもうデートしないほうがいいと思うんだよ、ジャニス。)
ジャニス: All right. Well, there you go. [she gets extremely wound up, and begins to try and calm herself down] Stop it, stop it, stop it. (いいわ。ええ、そうよね。[ジャニスは急に感情が高ぶった様子で、自分自身をなだめようとし始める] 止まれ、止まれ、止まれ。)
その Stop it, stop it. stop it. と言っている時に、あふれ出しそうな涙を乾かそうとするように、ジャニスは両手をバタバタとあおいでいました。
ジャニスがするようなそんなしぐさを、今回は男性であるサンディーがしたことになりますね。
(今回のエピソード解説に戻ります)
サンディーは自分の様子を、「新しい家族に迎えられる時の、感情的なこと」だと説明しています。
ベビーシッターとして受け入れられた時に、こういう感情が押し寄せてくるんですよね、みたいなことですね。
涙ぐむサンディーを見て、レイチェルは彼をハグしてあげようと「こっちに来て」と言います。
そして二人はしっかりハグするのですが、その様子を見てロスは、You gotta be at least bi. と言っています。
bi は、bisexual 「両性愛者」のことですね。
今回のシーンよりも前に、ロスはサンディーに面と向かって「君、ゲイなの?」と尋ねていました。
サンディーは「自分はストレートで、(女性の)婚約者もいる」と説明していたのですが、それでもロスは「やっぱりゲイなんじゃないかな」と心のどこかで思っていたようですね。
雇うことが決まって、レイチェルとしっかりハグし合っているサンディーを見て、「女性であるレイチェルと嬉しそうに抱き合ってるから、女嫌いじゃないみたい、むしろ、女好きかもしれない」とロスは嫉妬にも似た気持ちでそう思ったのでしょう。
それで、「やっぱりゲイだと僕は思うけど、ゲイだけではなく、女性好きでもあるみたい。だから少なくとも彼は男性も女性もどっちもオッケー、っていう両刀使いのタイプだね」とここで言ったことになります。
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2015年02月23日
まるで女性がキングになりたがるようなもの フレンズ9-6その3
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生まれたばかりの娘エマのために、nanny(ベビーシッター)を探しているロスとレイチェル。
面接をしてもなかなかいい人材が見つからない中、ベビーシッターとして優秀な経歴を持つサンディーという男性が面接にやってきます。
レイチェルは彼を気に入って、彼を雇いたいと思っているのですが、ロスは「サンディーは男性だ」ということで反対しています。
サンディーが、寝室で泣いているエマの面倒を見に行ったタイミングで、ロスとレイチェルは彼を採用するかどうかで相談しているところ。
彼を気に入ったわ! と連呼するレイチェルに、
ロス: Oh, come on, Rach, he's a guy! (あぁ、よしてくれよ、レイチェル。彼は男だぞ!)
レイチェル: So wh..? He's smart. He's qualified. Give me one good reason we shouldn't try him out. (それが何? 彼は賢いし、適任だし。彼を試してみるべきじゃないという、立派な理由が一つでもあるのなら言ってみて。)
ロス: Because it's weird! (だって、変だよ。)
レイチェル: Why? (どうして?)
ロス: What kind of job is that for a man? A nanny? I-It's like if a woman wanted to be-- (それって、男にとってどういう種類の仕事だよ? ベビーシッターだぞ? まるで女性が…になりたがるようなもんだ…)
レイチェル: (she's got that "yeah, try to say it" look on her face) Yes? ([レイチェルは、「ええ、それを言ってみなさいよ」という表情を顔に浮かべて] それで?)
ロス: King? (王様?)
nanny 候補のサンディーを演じているのは、フレディ・プリンゼ・ジュニア(Freddie Prinze Jr.)という俳優さんで、「24」のシーズン8で、コール・オーティス(Cole Ortiz)役を演じていたのが、私には強く印象に残っています。
ちなみに、このエピソードの解説「その1」で言い忘れてしまっていたのですが、今回のフレンズのエピソードは通算200回目のエピソードに当たります。
今回のエピソードは、通常のエピソードよりも長いのですが(日本版のDVDで収録時間が約32分)、200回という記念の回だから長めのエピソードになっているのかな、と思います。(裏話的な話は以上)
レイチェルは「彼は賢いし…」と、彼の長所を挙げていますね。
qualify は「(人に)資格を与える、(人を)適任とする」という他動詞なので、be qualified の過去分詞の形で、「(〜としての)資格があって、(〜)に適して」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
qualified [adjective] : having the right or officially approved knowledge, experience, skills etc., especially for a particular job
つまり、「正しい、または公式に認められた知識、経験、技能などを持っている、特にある仕事に対して」。
その次のセリフ、Give me one good reason we shouldn't try him out. について。
try out は「〜を(十分に)試してみる」。
直訳すると、「私たちが彼を(ベビーシッターとして雇って)試してみるべきではないという、一つの良い理由を私にちょうだい」になるでしょうか。
ロスは「彼は男だよ」と言うのですが、それでは正当な理由にはならない、とレイチェルは思っているようですね。
「賢くて、適任となる資格も有しているし、そんな彼を試さないって言うんなら、納得できるような立派な理由を一つでも言ってみてよ」と言っている感覚になるでしょう。
ロスが「だって変だよ」と言うと、レイチェルは「どうして?」と返します。
What kind of job is that for a man? を直訳すると、「それってどんな種類の仕事だよ? 男にとって」みたいになるでしょうか。
「男にとって、それはどんな感じの仕事になるって言うんだ?」みたいなことで、ロスはベビーシッターという仕事で男性が何をするって言うんだよ? 的なことを言いたいように思います。
男性向きの仕事ではない、と思っている話の延長で、「男性がベビーシッターをするなんて、それってまるで、女性が…になりたいと思うようなもので…」と言いかけたところ、レイチェルはト書きにあるように、「ええ(どうぞ)、それを言ってみなさいよ」みたいな顔をして、怒ったような低い声で、Yes? と言っています。
ロスは「まるで、女性が男性の仕事をするようなものだ」と何か例えを出そうとしたのですが、「女性だからこんな仕事ができない」的な話をするのは、今の時代、性差別的発言になりますので、「あーら、今から性差別的発言をなさるつもりかしら? 女の私の前で言えるものなら、どーぞどーぞ言ってみて」みたいな態度をレイチェルは取ったわけですね。
そのように責められたロスは、King 「王様」と言うのが精一杯。
女性なら「女王様」になりますので、性別によって肩書き名が異なるものを何とか思いついて、性差別的発言だと非難されるのを免れたことになります。
「女だったら、女王様にはなれるけど、王様にはなれないだろ?」と言うことで、男性についてもその逆のことが言えるから、性差別的発言には当たらない、と主張したいわけですね。
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生まれたばかりの娘エマのために、nanny(ベビーシッター)を探しているロスとレイチェル。
面接をしてもなかなかいい人材が見つからない中、ベビーシッターとして優秀な経歴を持つサンディーという男性が面接にやってきます。
レイチェルは彼を気に入って、彼を雇いたいと思っているのですが、ロスは「サンディーは男性だ」ということで反対しています。
サンディーが、寝室で泣いているエマの面倒を見に行ったタイミングで、ロスとレイチェルは彼を採用するかどうかで相談しているところ。
彼を気に入ったわ! と連呼するレイチェルに、
ロス: Oh, come on, Rach, he's a guy! (あぁ、よしてくれよ、レイチェル。彼は男だぞ!)
レイチェル: So wh..? He's smart. He's qualified. Give me one good reason we shouldn't try him out. (それが何? 彼は賢いし、適任だし。彼を試してみるべきじゃないという、立派な理由が一つでもあるのなら言ってみて。)
ロス: Because it's weird! (だって、変だよ。)
レイチェル: Why? (どうして?)
ロス: What kind of job is that for a man? A nanny? I-It's like if a woman wanted to be-- (それって、男にとってどういう種類の仕事だよ? ベビーシッターだぞ? まるで女性が…になりたがるようなもんだ…)
レイチェル: (she's got that "yeah, try to say it" look on her face) Yes? ([レイチェルは、「ええ、それを言ってみなさいよ」という表情を顔に浮かべて] それで?)
ロス: King? (王様?)
nanny 候補のサンディーを演じているのは、フレディ・プリンゼ・ジュニア(Freddie Prinze Jr.)という俳優さんで、「24」のシーズン8で、コール・オーティス(Cole Ortiz)役を演じていたのが、私には強く印象に残っています。
ちなみに、このエピソードの解説「その1」で言い忘れてしまっていたのですが、今回のフレンズのエピソードは通算200回目のエピソードに当たります。
今回のエピソードは、通常のエピソードよりも長いのですが(日本版のDVDで収録時間が約32分)、200回という記念の回だから長めのエピソードになっているのかな、と思います。(裏話的な話は以上)
レイチェルは「彼は賢いし…」と、彼の長所を挙げていますね。
qualify は「(人に)資格を与える、(人を)適任とする」という他動詞なので、be qualified の過去分詞の形で、「(〜としての)資格があって、(〜)に適して」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
qualified [adjective] : having the right or officially approved knowledge, experience, skills etc., especially for a particular job
つまり、「正しい、または公式に認められた知識、経験、技能などを持っている、特にある仕事に対して」。
その次のセリフ、Give me one good reason we shouldn't try him out. について。
try out は「〜を(十分に)試してみる」。
直訳すると、「私たちが彼を(ベビーシッターとして雇って)試してみるべきではないという、一つの良い理由を私にちょうだい」になるでしょうか。
ロスは「彼は男だよ」と言うのですが、それでは正当な理由にはならない、とレイチェルは思っているようですね。
「賢くて、適任となる資格も有しているし、そんな彼を試さないって言うんなら、納得できるような立派な理由を一つでも言ってみてよ」と言っている感覚になるでしょう。
ロスが「だって変だよ」と言うと、レイチェルは「どうして?」と返します。
What kind of job is that for a man? を直訳すると、「それってどんな種類の仕事だよ? 男にとって」みたいになるでしょうか。
「男にとって、それはどんな感じの仕事になるって言うんだ?」みたいなことで、ロスはベビーシッターという仕事で男性が何をするって言うんだよ? 的なことを言いたいように思います。
男性向きの仕事ではない、と思っている話の延長で、「男性がベビーシッターをするなんて、それってまるで、女性が…になりたいと思うようなもので…」と言いかけたところ、レイチェルはト書きにあるように、「ええ(どうぞ)、それを言ってみなさいよ」みたいな顔をして、怒ったような低い声で、Yes? と言っています。
ロスは「まるで、女性が男性の仕事をするようなものだ」と何か例えを出そうとしたのですが、「女性だからこんな仕事ができない」的な話をするのは、今の時代、性差別的発言になりますので、「あーら、今から性差別的発言をなさるつもりかしら? 女の私の前で言えるものなら、どーぞどーぞ言ってみて」みたいな態度をレイチェルは取ったわけですね。
そのように責められたロスは、King 「王様」と言うのが精一杯。
女性なら「女王様」になりますので、性別によって肩書き名が異なるものを何とか思いついて、性差別的発言だと非難されるのを免れたことになります。
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2015年02月20日
頭の中で美化してしまう フレンズ9-6その2
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フィービーの昔の恋人デビッドが、研究先のミンスクから帰ってきて、フィービーの家を訪ねます。
「空港でタクシーに乗ったら、思わず君の住所を言ってしまったんだ」と言うデビッド。
タクシーに荷物を置き忘れたらしいとわかり、
フィービー: A-Allright, well... I'll call the cab company. (いいわ。私がタクシー会社に電話するわ。)
デビッド: Wa... wa... wait! We can... call them later. Can you just... just stand there f-f-for a moment? Boy! There's an old Russian expression, uhm... it goes: Schto ya ztez vigul... ui! Roughly translated, that means uhm... "This thing that I'm looking at: Wow!" (ま、ま、待って! 後で電話できるよ。君はただしばらくそこに立っててくれるかい? おぉ! ロシアの古い表現(言い回し)がある。それはこうだ。「シュトヤ・ヤジディーズ・ビージュ・オイ!」 ざっと訳すと、それは「私が今見ているこのものは、ワオ!」だ。)
フィービー: Thank you! God, no! You should see me when-- Oh, actually, no, I look pretty good. (ありがとう! あぁ、だめよ! あなたは(〜の)時を見るべきよ… [壁の鏡を見る] あぁ、実際には、私、いい感じね。)
デビッド: Are... are you kidding? You know, when you don't see someone for a long time, a-a-and you kind of build them up in your head, and you start thinking about: "Come on, don't be crazy, nobody's that beautiful." But... well, you are. (Phoebe seems very charmed) Well, so, uhm... are you seeing... anyone? (Phoebe is still up on a cloud from what David just said) (冗談だろ[君がいつでも素敵なのは当然じゃないか]? ほら、ある人を長い間見ないと、頭の中でその人を作り上げたりして、こんな風に思い始めるものなんだ。「おい、落ち着けよ、そんなに美しい人なんていない」ってね。でも… 君はまさにそうだ(君はそれほど(頭で想像していた通りに)きれいだ)。[フィービーはとてもうっとりしているように見える] それで、えーっと、君は誰かと付き合ってるの? [フィービーは、デビッドが言った言葉で、まだ有頂天な状態にいる))
フィービー: No. (いいえ。)
荷物をタクシーに忘れたらしいので、フィービーが「私が電話してあげる」と言うのですが、デビッドは「そんなことは後でもできるから」と言って、今フィービーにしてほしいことを言います。
「君はただ(僕の目の前で)しばらくそこに立っててくれる?」と言って、デビッドは改めてフィービーの魅力を再認識したようで、「古いロシアの表現・言い回しがあるんだ」と言って、ロシア語らしきものを話しています。
it goes の go は say のニュアンスですね。
宣伝みたいになりますが、拙著「読むだけ なるほど! 英文法」の p.330 の「say の意味で使われる go」として説明しているものです。
Roughly translated は「(それが)ラフに訳されると」ということですから、「ざっと訳すと」。
"This thing that I'm looking at: Wow!" を直訳すると、「私が見ているこのものは:ワオ!(である)」という感覚。
私が見ているもの、というのは、目の前にいるフィービーのことで、「私の目の前には、ワオ! と表現しないではいられない、素晴らしいものがある」「君ってほんとに、ただ、ワオ! の一言だよ」のように、フィービーの素晴らしさを、多くを語らず Wow! という感動と感嘆の言葉で表現していることになります。
「君はほんとにただただ素敵だ」と言った感じで、そう言われたフィービーは「だめよ、あなたは…の時を見るべきよ」と言って、自分の姿を壁の鏡で見ています。
予告もなしに急に訪ねて来られたので、身だしなみも全く整えていない、そんな今の状態じゃなくて、もっとちゃんとおしゃれしてきれいにしている時の私を見て欲しかったのに、、と言いたかったようですが、鏡を見てみると、「準備してなくても、今の私、結構イケてるわね」と言ったのが、I look pretty good. になります。
その後、デビッドは、when you don't see 以下のセリフを言っています。
この you は、相手のフィービーを指しているというよりも、「自分も含めた一般の人々を語る感覚で、自分の経験を語っている」ニュアンスですね。
「こういうことってあるだろ?」と自分の経験を相手にも想像させ共有させる感覚ですから、あえて you という主語は訳さずにいた方が、そのニュアンスも出ると思います。
内容を直訳すると、まずは、in your head までの部分では、「ある人を長い間、見ていないと、自分の頭の中にその人のイメージを構築して・作り上げてしまったりする」。
build them up の them は、その前に出てきた someone を指す代名詞ですね。
someone は単数形ですが、それをこのように、them という複数形の代名詞で受けることが、口語ではよくあります。
and you start thinking... 以下は、「そしてこんなことを考え始める。”おいおい、落ち着けよ。そんなにきれいな人は誰もいない」。
つまり、「ある人のことを想像していると、長い間会っていない間に、どんどん頭の中で理想化され美化されていき、現実にはありえないような美しい人を頭の中に描いてしまったりするよね。で、そういう人をイメージした後に、自分でこう思うんだよ。こんなにきれいな人、いるわけないじゃないか(美化し過ぎだよ、しっかりしろよ)、ってね」みたいなことですね。
「長い間会っていないと、美化し過ぎちゃって、そんな人いないだろっ、って最後には自分でツッコむことになるのが普通」と言った後、「でも、君はそうだ」のように言っています。
つまり、you are that beautiful. は「君は頭の中でイメージしていた通りの美しさだ」と言っていることになります。
それを聞いたフィービーは、嬉しそうな顔をしていますね。
その後、デビッドが、「それで、君は誰か付き合ってる人はいるの?」と尋ねると、デビッドが言ってくれた称賛の言葉にまだうっとりしたままのフィービーは、茫然とした顔で、口をポカーンと開いた感じで、「いいえ(誰とも付き合ってないわ)」のように答えます。
実際には、フィービーは現在、マイクという男性と付き合っていてラブラブで、今回のエピソードの最初でも、お互いの家の鍵を交換したばかりでした。
そういうマイクという恋人がいるのに、それを全く忘れたかのようにデビッドの言葉に浮かれてしまっている様子は、ト書きにも書かれていますね。
ト書きの on a cloud は「とても幸せで、天にも昇る心地で」という意味になります。
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フィービーの昔の恋人デビッドが、研究先のミンスクから帰ってきて、フィービーの家を訪ねます。
「空港でタクシーに乗ったら、思わず君の住所を言ってしまったんだ」と言うデビッド。
タクシーに荷物を置き忘れたらしいとわかり、
フィービー: A-Allright, well... I'll call the cab company. (いいわ。私がタクシー会社に電話するわ。)
デビッド: Wa... wa... wait! We can... call them later. Can you just... just stand there f-f-for a moment? Boy! There's an old Russian expression, uhm... it goes: Schto ya ztez vigul... ui! Roughly translated, that means uhm... "This thing that I'm looking at: Wow!" (ま、ま、待って! 後で電話できるよ。君はただしばらくそこに立っててくれるかい? おぉ! ロシアの古い表現(言い回し)がある。それはこうだ。「シュトヤ・ヤジディーズ・ビージュ・オイ!」 ざっと訳すと、それは「私が今見ているこのものは、ワオ!」だ。)
フィービー: Thank you! God, no! You should see me when-- Oh, actually, no, I look pretty good. (ありがとう! あぁ、だめよ! あなたは(〜の)時を見るべきよ… [壁の鏡を見る] あぁ、実際には、私、いい感じね。)
デビッド: Are... are you kidding? You know, when you don't see someone for a long time, a-a-and you kind of build them up in your head, and you start thinking about: "Come on, don't be crazy, nobody's that beautiful." But... well, you are. (Phoebe seems very charmed) Well, so, uhm... are you seeing... anyone? (Phoebe is still up on a cloud from what David just said) (冗談だろ[君がいつでも素敵なのは当然じゃないか]? ほら、ある人を長い間見ないと、頭の中でその人を作り上げたりして、こんな風に思い始めるものなんだ。「おい、落ち着けよ、そんなに美しい人なんていない」ってね。でも… 君はまさにそうだ(君はそれほど(頭で想像していた通りに)きれいだ)。[フィービーはとてもうっとりしているように見える] それで、えーっと、君は誰かと付き合ってるの? [フィービーは、デビッドが言った言葉で、まだ有頂天な状態にいる))
フィービー: No. (いいえ。)
荷物をタクシーに忘れたらしいので、フィービーが「私が電話してあげる」と言うのですが、デビッドは「そんなことは後でもできるから」と言って、今フィービーにしてほしいことを言います。
「君はただ(僕の目の前で)しばらくそこに立っててくれる?」と言って、デビッドは改めてフィービーの魅力を再認識したようで、「古いロシアの表現・言い回しがあるんだ」と言って、ロシア語らしきものを話しています。
it goes の go は say のニュアンスですね。
宣伝みたいになりますが、拙著「読むだけ なるほど! 英文法」の p.330 の「say の意味で使われる go」として説明しているものです。
Roughly translated は「(それが)ラフに訳されると」ということですから、「ざっと訳すと」。
"This thing that I'm looking at: Wow!" を直訳すると、「私が見ているこのものは:ワオ!(である)」という感覚。
私が見ているもの、というのは、目の前にいるフィービーのことで、「私の目の前には、ワオ! と表現しないではいられない、素晴らしいものがある」「君ってほんとに、ただ、ワオ! の一言だよ」のように、フィービーの素晴らしさを、多くを語らず Wow! という感動と感嘆の言葉で表現していることになります。
「君はほんとにただただ素敵だ」と言った感じで、そう言われたフィービーは「だめよ、あなたは…の時を見るべきよ」と言って、自分の姿を壁の鏡で見ています。
予告もなしに急に訪ねて来られたので、身だしなみも全く整えていない、そんな今の状態じゃなくて、もっとちゃんとおしゃれしてきれいにしている時の私を見て欲しかったのに、、と言いたかったようですが、鏡を見てみると、「準備してなくても、今の私、結構イケてるわね」と言ったのが、I look pretty good. になります。
その後、デビッドは、when you don't see 以下のセリフを言っています。
この you は、相手のフィービーを指しているというよりも、「自分も含めた一般の人々を語る感覚で、自分の経験を語っている」ニュアンスですね。
「こういうことってあるだろ?」と自分の経験を相手にも想像させ共有させる感覚ですから、あえて you という主語は訳さずにいた方が、そのニュアンスも出ると思います。
内容を直訳すると、まずは、in your head までの部分では、「ある人を長い間、見ていないと、自分の頭の中にその人のイメージを構築して・作り上げてしまったりする」。
build them up の them は、その前に出てきた someone を指す代名詞ですね。
someone は単数形ですが、それをこのように、them という複数形の代名詞で受けることが、口語ではよくあります。
and you start thinking... 以下は、「そしてこんなことを考え始める。”おいおい、落ち着けよ。そんなにきれいな人は誰もいない」。
つまり、「ある人のことを想像していると、長い間会っていない間に、どんどん頭の中で理想化され美化されていき、現実にはありえないような美しい人を頭の中に描いてしまったりするよね。で、そういう人をイメージした後に、自分でこう思うんだよ。こんなにきれいな人、いるわけないじゃないか(美化し過ぎだよ、しっかりしろよ)、ってね」みたいなことですね。
「長い間会っていないと、美化し過ぎちゃって、そんな人いないだろっ、って最後には自分でツッコむことになるのが普通」と言った後、「でも、君はそうだ」のように言っています。
つまり、you are that beautiful. は「君は頭の中でイメージしていた通りの美しさだ」と言っていることになります。
それを聞いたフィービーは、嬉しそうな顔をしていますね。
その後、デビッドが、「それで、君は誰か付き合ってる人はいるの?」と尋ねると、デビッドが言ってくれた称賛の言葉にまだうっとりしたままのフィービーは、茫然とした顔で、口をポカーンと開いた感じで、「いいえ(誰とも付き合ってないわ)」のように答えます。
実際には、フィービーは現在、マイクという男性と付き合っていてラブラブで、今回のエピソードの最初でも、お互いの家の鍵を交換したばかりでした。
そういうマイクという恋人がいるのに、それを全く忘れたかのようにデビッドの言葉に浮かれてしまっている様子は、ト書きにも書かれていますね。
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2015年02月18日
そのおかげであなたはここにいる フレンズ9-6その1
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シーズン9 第6話
The One With The Male Nanny (キュートなベビーシッター)
原題は「男性ベビーシッターの話」
[Scene: Phoebe's apartment. There's a knock on the door, and Phoebe opens it.]
フィービーのアパートメント。ドアにノックがあり、フィービーがドアを開ける。
フィービー: (gasps) Oh, my God! David! ([息を呑んで] なんてこと! デビッド!)
デビッド: Hi! I-i-is this a bad time? (やあ! 今、時間悪いかな?)
フィービー: (excited) No! It's a great time! Come in! WOW! Hi! Oh, my gosh! What are you doing here? Are you back from Minsk? ([興奮して] いいえ! 最高の時間よ! 入って! わぉ! はーい! [二人はハグする] なんてこと! ここで何してるの? ミンスクから戻ったの?)
デビッド: Well, just for a couple of days, uhm... I'm here to explain to the people who gave us our grant, why it's a positive thing that we've spent all their money and uhm... accomplished uhm... nothing. (うーん、ほんの2、3日だけなんだけどね。えーっと、(研究のための)助成金をくれた人たちに、それがなぜいいこと(ポジティブなこと)なのかを説明するためにね。僕たちがすべてのお金を使い切って、何も達成できなかったことが。)
フィービー: Who cares? It got you here. (そんなの構わないわ。それであなたはここに来れたんだもの。)
デビッド: Well, it got me to New York anyway, and then I got in a cab at the airport, and the guy said, "Where to?" And I just... gave him your address. I... I... I didn't even think about it. (うん、とにかく、そのことで僕はニューヨークに来られたんだ。それから僕は空港でタクシーに乗って、その運転手が「どちらまで?」って言って。で、僕はただ君の住所を言ったんだよ。そのことを考えることすらしないで。)
フィービー: Wow. Where's your luggage? (David thinks for a while) (まぁ。あなたの荷物はどこ? [デビッドはしばらく考える])
デビッド: Damn it! (しまった!)
ドアにノックがあり、ドアを開けるとそこに立っていたのはデビッドでした。
デビッドは、フィービーの恋人だった人で、初登場は、フレンズ1-10その2 でした。
その後、シーズン7の 散髪した? うん30回くらい フレンズ7-11その4 では、6年ぶりの再会も果たしています。フレンズ7-11 では、たまたま会議でこの町に来ていると言っていました。
デビッドが「今は都合が悪かったかな。悪い時間に来ちゃったかな」と言うと、フィービーは「いいえ、最高の時よ」と言っています。
今、来られて都合が悪いなんて全然ない、というところですね。
感動した様子で二人がハグをした後、フィービーは、「あなたはここで何してるの?」と言っています。
その後、「ミンスクから戻ったの?」と言っているように、「ミンスクにいるはずのあなたが、ここNYで何をしているの? なぜここにいるの?」と尋ねていることになります。
デビッドは、「ほんの2、3日だけ」と言って、I'm here to 「僕は〜するためにここにいる。僕がここにいる理由は〜である」と説明を続けます。
その後の文章が少々長いので、前から順番にイメージしていくと、「僕は僕たちに(研究のための)助成金をくれた人々に説明するためにここにいる。(あることが)なぜポジティブな(建設的な)ことであるかを(説明するために)。(そのあることとは)僕たちが彼らのお金を全部使ってしまって、それで何も成し遂げなかった(成功しなかった)ことなんだけど」。
内容としては、「助成金をくれた人に、彼らのお金を全部使ってしまった、そして成果は何もなかった、ってことを説明するために帰って来たんだ」ということになりますが、「(お金を使い切ったけど、結局)成果はなかった」という部分が最後に来ているので、そこまで聞いて「あらら」となる感じのオチになっているわけですね。
助成金をくれた人に説明するためにアメリカに戻ってきた、が最初の部分で、その後、説明すべき内容を語っているわけですが、「なぜ(それが)ポジティブな(建設的な、前向きな)ことなのかを説明する、と言った後に、客観的にネガティブな内容が続いているのがポイントで、人はネガティブに感じるかもしれないだろうことを、「それは決してネガティブなことではないんですよ」と弁解するために帰ってきたという感じです。
前半の「彼らがくれた助成金を全部使い果たしてしまった」ということは必ずしもネガティブとは限らないのですが、その後に言いにくそうに、「(僕らは)何も達成しなかった、成し遂げなかった」と付け加えることで、「デビッドたちは、助成金として与えられたお金を使い果たして何の成果も出せなかった」という事実がわかり、「確かにそんな状態では、説明しろ! と出資者に言われるのも無理ないよね」と聞いている方も納得する結果になっているわけです。
ですがフィービーは、デビッドの研究の成果はどうでもよいらしく、Who cares? 「(お金を使って成果が出なかったことを)誰が気にするって言うの?」→「誰もそんなこと気にしないわよ」と言っています。
間違いなく出資者たちは気にするはずですが(笑)、フィービーにとってはとにかくデビッドがアメリカに帰ってきてくれたことがただ嬉しいということですね。
その後、フィービーは、It got you here. と言い、デビッドもそれに同意する形で、it got me to New York anyway と言っています。
It got you here. は「そのことがあなたをここにいる状態にした、あなたをここに連れて来た」という感覚ですね。
同じように get を使った表現で、get someone nowhere というフレーズがあります。
直訳すると「人をどこにも行かせない、連れて行かない」ということから、「人に何ももたらさない、(その人の)何の役にも立たない」という意味になります。
フィービーは「出資者に説明しないといけないということ」があなたをここに連れてきた、と言い、デビッドは「とにかくそのことが僕をニューヨークに連れてくることになった」と同じように言っていることになります。
デビッドは空港でタクシーに乗り、「どちらまで」と聞かれたので、君の住所を彼に言った、そのことをよく考えずに、と言っています。
最初から、アメリカに戻ったら真っ先に君を訪ねよう、と決めていたわけではなくて、タクシーに乗った時に、つい君の住所を言ってしまったんだ、というところですね。
空港からタクシーで直接フィービーの家に来たとわかったフィービーは、「荷物はどこ?」とデビッドに尋ね、デビッドはしばらく考えた後、Damn it! と言っています。
その言葉から、荷物をタクシーに置き忘れたことがわかります。
デビッドは科学者としてはなかなか優秀な人物のようですが、昔からそういう「抜けた」ところがある人で、そこが彼のチャームポイントだったりもします。
タクシーに荷物を置き忘れた話も、「デビッドは相変わらずだなぁ」と安心させる良いアイテムになっている感じですね。
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シーズン9 第6話
The One With The Male Nanny (キュートなベビーシッター)
原題は「男性ベビーシッターの話」
[Scene: Phoebe's apartment. There's a knock on the door, and Phoebe opens it.]
フィービーのアパートメント。ドアにノックがあり、フィービーがドアを開ける。
フィービー: (gasps) Oh, my God! David! ([息を呑んで] なんてこと! デビッド!)
デビッド: Hi! I-i-is this a bad time? (やあ! 今、時間悪いかな?)
フィービー: (excited) No! It's a great time! Come in! WOW! Hi! Oh, my gosh! What are you doing here? Are you back from Minsk? ([興奮して] いいえ! 最高の時間よ! 入って! わぉ! はーい! [二人はハグする] なんてこと! ここで何してるの? ミンスクから戻ったの?)
デビッド: Well, just for a couple of days, uhm... I'm here to explain to the people who gave us our grant, why it's a positive thing that we've spent all their money and uhm... accomplished uhm... nothing. (うーん、ほんの2、3日だけなんだけどね。えーっと、(研究のための)助成金をくれた人たちに、それがなぜいいこと(ポジティブなこと)なのかを説明するためにね。僕たちがすべてのお金を使い切って、何も達成できなかったことが。)
フィービー: Who cares? It got you here. (そんなの構わないわ。それであなたはここに来れたんだもの。)
デビッド: Well, it got me to New York anyway, and then I got in a cab at the airport, and the guy said, "Where to?" And I just... gave him your address. I... I... I didn't even think about it. (うん、とにかく、そのことで僕はニューヨークに来られたんだ。それから僕は空港でタクシーに乗って、その運転手が「どちらまで?」って言って。で、僕はただ君の住所を言ったんだよ。そのことを考えることすらしないで。)
フィービー: Wow. Where's your luggage? (David thinks for a while) (まぁ。あなたの荷物はどこ? [デビッドはしばらく考える])
デビッド: Damn it! (しまった!)
ドアにノックがあり、ドアを開けるとそこに立っていたのはデビッドでした。
デビッドは、フィービーの恋人だった人で、初登場は、フレンズ1-10その2 でした。
その後、シーズン7の 散髪した? うん30回くらい フレンズ7-11その4 では、6年ぶりの再会も果たしています。フレンズ7-11 では、たまたま会議でこの町に来ていると言っていました。
デビッドが「今は都合が悪かったかな。悪い時間に来ちゃったかな」と言うと、フィービーは「いいえ、最高の時よ」と言っています。
今、来られて都合が悪いなんて全然ない、というところですね。
感動した様子で二人がハグをした後、フィービーは、「あなたはここで何してるの?」と言っています。
その後、「ミンスクから戻ったの?」と言っているように、「ミンスクにいるはずのあなたが、ここNYで何をしているの? なぜここにいるの?」と尋ねていることになります。
デビッドは、「ほんの2、3日だけ」と言って、I'm here to 「僕は〜するためにここにいる。僕がここにいる理由は〜である」と説明を続けます。
その後の文章が少々長いので、前から順番にイメージしていくと、「僕は僕たちに(研究のための)助成金をくれた人々に説明するためにここにいる。(あることが)なぜポジティブな(建設的な)ことであるかを(説明するために)。(そのあることとは)僕たちが彼らのお金を全部使ってしまって、それで何も成し遂げなかった(成功しなかった)ことなんだけど」。
内容としては、「助成金をくれた人に、彼らのお金を全部使ってしまった、そして成果は何もなかった、ってことを説明するために帰って来たんだ」ということになりますが、「(お金を使い切ったけど、結局)成果はなかった」という部分が最後に来ているので、そこまで聞いて「あらら」となる感じのオチになっているわけですね。
助成金をくれた人に説明するためにアメリカに戻ってきた、が最初の部分で、その後、説明すべき内容を語っているわけですが、「なぜ(それが)ポジティブな(建設的な、前向きな)ことなのかを説明する、と言った後に、客観的にネガティブな内容が続いているのがポイントで、人はネガティブに感じるかもしれないだろうことを、「それは決してネガティブなことではないんですよ」と弁解するために帰ってきたという感じです。
前半の「彼らがくれた助成金を全部使い果たしてしまった」ということは必ずしもネガティブとは限らないのですが、その後に言いにくそうに、「(僕らは)何も達成しなかった、成し遂げなかった」と付け加えることで、「デビッドたちは、助成金として与えられたお金を使い果たして何の成果も出せなかった」という事実がわかり、「確かにそんな状態では、説明しろ! と出資者に言われるのも無理ないよね」と聞いている方も納得する結果になっているわけです。
ですがフィービーは、デビッドの研究の成果はどうでもよいらしく、Who cares? 「(お金を使って成果が出なかったことを)誰が気にするって言うの?」→「誰もそんなこと気にしないわよ」と言っています。
間違いなく出資者たちは気にするはずですが(笑)、フィービーにとってはとにかくデビッドがアメリカに帰ってきてくれたことがただ嬉しいということですね。
その後、フィービーは、It got you here. と言い、デビッドもそれに同意する形で、it got me to New York anyway と言っています。
It got you here. は「そのことがあなたをここにいる状態にした、あなたをここに連れて来た」という感覚ですね。
同じように get を使った表現で、get someone nowhere というフレーズがあります。
直訳すると「人をどこにも行かせない、連れて行かない」ということから、「人に何ももたらさない、(その人の)何の役にも立たない」という意味になります。
フィービーは「出資者に説明しないといけないということ」があなたをここに連れてきた、と言い、デビッドは「とにかくそのことが僕をニューヨークに連れてくることになった」と同じように言っていることになります。
デビッドは空港でタクシーに乗り、「どちらまで」と聞かれたので、君の住所を彼に言った、そのことをよく考えずに、と言っています。
最初から、アメリカに戻ったら真っ先に君を訪ねよう、と決めていたわけではなくて、タクシーに乗った時に、つい君の住所を言ってしまったんだ、というところですね。
空港からタクシーで直接フィービーの家に来たとわかったフィービーは、「荷物はどこ?」とデビッドに尋ね、デビッドはしばらく考えた後、Damn it! と言っています。
その言葉から、荷物をタクシーに置き忘れたことがわかります。
デビッドは科学者としてはなかなか優秀な人物のようですが、昔からそういう「抜けた」ところがある人で、そこが彼のチャームポイントだったりもします。
タクシーに荷物を置き忘れた話も、「デビッドは相変わらずだなぁ」と安心させる良いアイテムになっている感じですね。
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2015年02月16日
料理名がカタツムリじゃないなら フレンズ9-5その6
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レストラン。フィービーの誕生日ディナーなのですが、そこにいるのはフィービーとジョーイの2人だけで、残りの4人はなかなかやってきません。
長い間待たされて、特にお腹のすいたジョーイはイライラしています。
フィービー: Well, I guess they're not coming. You wanna just order? (あぁ、(残りの)みんなは来そうにないわね。もう注文しちゃう?)
ジョーイ: Thank you. (stands up and kisses her lips.) Waiter! 'lright, this is gonna be fast, so try to keep up. Risotto with shaved truffles and the roasted rib steak with the golden chanterelles and the Bordelaise sauce unless any of that stuff I just said means "snails." (ありがと。[ジョーイは立ち上がり、フィービーの唇にキスする] ウェイター! よし、今から早口で言うから、ちゃんと聞いといてよ。薄く削ったトリュフのリゾットと、金色シャントレル(アンズタケ)添えのボルドレーズソースのロースト・リブステーキ。俺が今言ったそれらのどれもが「カタツムリ」って意味じゃないならね。)
ウェイター: It--does not. (あぁー、カタツムリという意味じゃありません。)
ジョーイは「それをお願い」と言うように、ウェイターに指パッチンしてみせる。
フィービー: Tomato tart, and which of the pastas would you recommend? (トマトのタルトと、それから、パスタのお薦めはどっち?)
ウェイター: Oh, well they're both exquiste-- (あぁ、そうですね、それらは両方とも絶品で…)
フィービー: Both it is. Thank you. (両方ね。ありがと。)
ジョーイ: Oh, uh, again. Can I make a special request? Can you bring everything as soon as it's ready? Appetizers, entrees, we don't care. (あぁ、もう一回。特別なお願いをしていいかな? すべてのものを用意でき次第、持ってきてくれる? アペタイザー、アントレ、どれでも構わないから。)
ロスとレイチェル: (entering) Hey, hi, hi! ([入ってきて] やあ、はーい!)
ジョーは、「はぁ〜」というため息で、怒った顔。
ウェイター: I'll just wait to put your order in. (注文を通すのはちょっと待ちますね。)
フィービー: You guys are over an hour late. What happened to you two? (あなたたち、1時間以上も遅刻よ。あなたたち二人には何が起こったの?)
ロス: I'm so sorry... (ほんとにごめん。)
レイチェル: We got locked out of the apartment, we... (アパートメントから締め出されちゃって、私たち…)
ジョーイ: That's a great story. Can I eat it? (それは素敵な話だね。それ、食べていい[それって食べられる]?)
I guess they're not coming. は、「彼ら(残りの4人)は来ないって思う」ですね。
「(彼らを待たずに、ただもう)注文しちゃいたい?」とフィービーが言うと、ジョーイは気持ちのこもった声で Thank you. と言った後、席を立ち上がり、フィービーの唇に(軽く、ではなく)わりとしっかりと(笑)キスをします。
キスされたフィービーの方も、やたらと照れていますね。
ジョーイは、心をこめてキスすることで、心からの感謝の気持ちを示してみた、ということになるでしょう。
こういう感謝表現が似合うのは、プレイボーイのジョーイならではだな、と思います。
「注文しちゃってオッケー」のゴーサインがフィービーから出たことで、ジョーイは、ウェイターを呼んで、this is gonna be fast, so try to keep up. と言っています。
直訳すると、「これ(今から言うこと)は速い・高速のものとなる。だから、keep up するように頑張って」みたいなことになるでしょう。
keep up は、「保つ、保持する」「遅れないようについていく」ということで、この場合は、「今から言うことに、ちゃんとついてきてよ。聞き逃さないようにしてよ」と言っていることになります。
そうして、早口で、長い料理名を一気に言っていますね。
Risotto with shaved truffles は、「削られたトリュフと一緒のリゾット」みたいなことですから、「薄く削ったトリュフ(入り・乗せ)のリゾット」になるでしょうか。
the roasted rib steak with the golden chanterelles and a Bordelaise sauce は、「金色(黄金)シャントレル(アンズタケ<キノコの一種>)とボルドレーズソースと一緒の、ローストしたリブステーキ」ですから、「ロースト・リブステーキの金色シャントレル添え、ボルドレーソースをかけて」みたいなところでしょう。
そうやって、「いかにも高級な感じのメニューを早口で言う」ところも笑いのポイントではあるのですが、ジョーイのセリフの笑いのポイントは、最後の unless any of that stuff I just said means "snails." の部分ですね。
any of that stuff I just said は、「俺がたった今言ったそのもののどれかが」、means "snails" は「カタツムリを意味する」。
unless は、if not 「もし〜でなければ」と訳されることが多いですが、フレンズのような口語では、何かを言った後に、付け足しの感覚で、unless が続くことが多く、その場合には、前半部分を訳した後に、「もし〜なら話は別だけど」と訳すとしっくりくることが多いです。
この場合も、「俺がたった今言ったメニューの中に出てきた言葉のどれかが、カタツムリっていう意味なら、話は別だけど(注文を変えるけど)」と言っていることになります。
フランス料理では、エスカルゴが使われることが多いですが、ジョーイはそれをイメージしていて、「エスカルゴみたいなカタツムリ料理だったら俺は食べたくないから、もし今言った中にカタツムリって意味の言葉が入ってたらやめる、カタツムリって言葉が入ってないのなら、そのままオーダーする」と言っていることになるわけです。
早口でメニューをまくし立ててた上に、最後に「カタツムリって意味じゃなければ(それを注文する)って話だけど」と言われたので、ウェイターは少し考える様子で、It--does not. と言っています。
Any of that stuff you just said doesn't mean "snails." 「あなたがたった今おっしゃった言葉のどれも、カタツムリという意味ではありません」ということで、つまりは、「あなたが注文したメニューの中に、カタツムリは入っておりません(からご安心下さい)」と言っていることになります。
フィービーは、トマトのタルト、と言った後、which of the pastas would you recommend? と言っています。
「パスタのうち、どちらのパスタをあなたは推薦しますか?」ということですから、「このパスタのうち、あなたのお薦めはどっち?」と尋ねていることになります。
they're both exquiste-- の exquisite は「この上なくすぐれた、絶妙な」という意味。
「どっちがお勧めかしら?」と聞かれて、ウェイターは高級レストランっぽく、「どちらも絶品でございまして…」と答えかけたのですが、その言葉が終わるか終らないかのうちに、「どっちも良いなら両方ね」とフィービーは答えたことになります。
フィービーも待つことにイライラしているので、一応尋ねてみたけれど、そんなありきたりの答えならもう聞くまでもない、お腹もすいてるから両方もらうわ! とさっさと決めちゃった感が出ていることになるでしょう。
ジョーイは、「もう一回いいかな? 特別なリクエストしてもいい?」と言って、「すべてのものを、用意できたらすぐに持ってきてくれるかな?」と言っています。
appetizer は「アペタイザー、前菜」、entree は「アントレ」。
アントレは元々のフランス語では「オードブル、前菜」という意味で、日本で「アントレ」という場合もそういう意味で使われていると思うのですが、以下のウィキペディアに興味深いことが書いてありました。
Wikipedia日本語版: アントレ
引用させていただくと、
アントレ(仏:entrée)は、主にフランス料理のコースの中でオードブル、前菜という意味で使われる。 語源はフランス語の「入り口」という意味から。
英語の語彙にも借用語として定着しており、北米の英会話では「メインディッシュ」という意味で使われ、北米以外の英語圏では「オードブルよりも多めの前菜」という意味で使われる。
entree は、英語で言うと、entry に当たるわけで、そこから「(最初の)前菜」という意味になっているわけですが、ポイントは「北米ではメインディッシュという意味で使われる」という部分。
アメリカ英語の辞典である、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) で、appetizer と entree の両方を調べてみると、
appetizer : a small dish eaten at the beginning of a meal, before the main part
つまり、「食事の最初に食べられる小さな料理、メインパートの前に」。
entree : the main dish of a meal
つまり、「食事のメインディッシュ」
ですから、フランス語の元々の意味で言うと、entree は「前菜」という意味なのですが、アメリカ人が entree と言う場合には「メインディッシュ」の意味で使っているということになるでしょう。
アントレ=前菜、という意味で解釈すると、Appetizers, entrees, we don't care. は、
「アペタイザー(前菜)でも、アントレ(前菜)でも、どれでも構わない(から、とにかくできたものから持ってきて)」ということになり、「何でもいいから、って言いながら、挙げているのは前菜ばかり」的な面白さにもなりそうなのですが、今回はそういう「別のものを挙げているようで、実は同じことを言っている」というジョークではなく、ジョーイは北米の人の認識通り、「entree=メインディッシュ」という意味で使っているということになると思います。
(ですから、ジョークではないので、観客からの笑い声(ラフトラック)もここでは特に起きていない、ということになるでしょう)
そんな風に「できたら速攻持ってきて!」と注文が完了した瞬間に、ロスとレイチェルがやってきたので、ウェイターは「あなたがたの注文を put in するのはちょっと待ちます」ということを言っています。
「注文を入れる」という感覚ですから、日本語っぽく言うと、「注文を通す」になるでしょう。
遅れてきた二人に、フィービーは「1時間以上も遅れてるわ」と言って、「あなたたち二人に何があったの? 何が起こったの?」と尋ねています。
We got locked out of the apartment は、「アパートメントの外に締め出されてしまった」という感覚ですね。
鍵を家の中に置いたまま外に出てしまって、家の鍵がかかってしまい、中に入れなくなった状態を言っていることになります。
遅れてきて、遅れた原因となった出来事をレイチェルが語り始めようとするので、ジョーイはむっとした様子で、「それは素敵な話だね」と言った後、Can I eat it? と言っています。
日本語に訳す場合、「それ食べられる?」または「それ食べてもいい?」のように訳すことができそうですね。
どちらの訳を選んだとしても、「こっちは腹が減ってるっていうのに、腹の足しにもならないことを、たらたら話さないでくれるかな」的な怒りの気持ちのニュアンスが出るように思います。
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レストラン。フィービーの誕生日ディナーなのですが、そこにいるのはフィービーとジョーイの2人だけで、残りの4人はなかなかやってきません。
長い間待たされて、特にお腹のすいたジョーイはイライラしています。
フィービー: Well, I guess they're not coming. You wanna just order? (あぁ、(残りの)みんなは来そうにないわね。もう注文しちゃう?)
ジョーイ: Thank you. (stands up and kisses her lips.) Waiter! 'lright, this is gonna be fast, so try to keep up. Risotto with shaved truffles and the roasted rib steak with the golden chanterelles and the Bordelaise sauce unless any of that stuff I just said means "snails." (ありがと。[ジョーイは立ち上がり、フィービーの唇にキスする] ウェイター! よし、今から早口で言うから、ちゃんと聞いといてよ。薄く削ったトリュフのリゾットと、金色シャントレル(アンズタケ)添えのボルドレーズソースのロースト・リブステーキ。俺が今言ったそれらのどれもが「カタツムリ」って意味じゃないならね。)
ウェイター: It--does not. (あぁー、カタツムリという意味じゃありません。)
ジョーイは「それをお願い」と言うように、ウェイターに指パッチンしてみせる。
フィービー: Tomato tart, and which of the pastas would you recommend? (トマトのタルトと、それから、パスタのお薦めはどっち?)
ウェイター: Oh, well they're both exquiste-- (あぁ、そうですね、それらは両方とも絶品で…)
フィービー: Both it is. Thank you. (両方ね。ありがと。)
ジョーイ: Oh, uh, again. Can I make a special request? Can you bring everything as soon as it's ready? Appetizers, entrees, we don't care. (あぁ、もう一回。特別なお願いをしていいかな? すべてのものを用意でき次第、持ってきてくれる? アペタイザー、アントレ、どれでも構わないから。)
ロスとレイチェル: (entering) Hey, hi, hi! ([入ってきて] やあ、はーい!)
ジョーは、「はぁ〜」というため息で、怒った顔。
ウェイター: I'll just wait to put your order in. (注文を通すのはちょっと待ちますね。)
フィービー: You guys are over an hour late. What happened to you two? (あなたたち、1時間以上も遅刻よ。あなたたち二人には何が起こったの?)
ロス: I'm so sorry... (ほんとにごめん。)
レイチェル: We got locked out of the apartment, we... (アパートメントから締め出されちゃって、私たち…)
ジョーイ: That's a great story. Can I eat it? (それは素敵な話だね。それ、食べていい[それって食べられる]?)
I guess they're not coming. は、「彼ら(残りの4人)は来ないって思う」ですね。
「(彼らを待たずに、ただもう)注文しちゃいたい?」とフィービーが言うと、ジョーイは気持ちのこもった声で Thank you. と言った後、席を立ち上がり、フィービーの唇に(軽く、ではなく)わりとしっかりと(笑)キスをします。
キスされたフィービーの方も、やたらと照れていますね。
ジョーイは、心をこめてキスすることで、心からの感謝の気持ちを示してみた、ということになるでしょう。
こういう感謝表現が似合うのは、プレイボーイのジョーイならではだな、と思います。
「注文しちゃってオッケー」のゴーサインがフィービーから出たことで、ジョーイは、ウェイターを呼んで、this is gonna be fast, so try to keep up. と言っています。
直訳すると、「これ(今から言うこと)は速い・高速のものとなる。だから、keep up するように頑張って」みたいなことになるでしょう。
keep up は、「保つ、保持する」「遅れないようについていく」ということで、この場合は、「今から言うことに、ちゃんとついてきてよ。聞き逃さないようにしてよ」と言っていることになります。
そうして、早口で、長い料理名を一気に言っていますね。
Risotto with shaved truffles は、「削られたトリュフと一緒のリゾット」みたいなことですから、「薄く削ったトリュフ(入り・乗せ)のリゾット」になるでしょうか。
the roasted rib steak with the golden chanterelles and a Bordelaise sauce は、「金色(黄金)シャントレル(アンズタケ<キノコの一種>)とボルドレーズソースと一緒の、ローストしたリブステーキ」ですから、「ロースト・リブステーキの金色シャントレル添え、ボルドレーソースをかけて」みたいなところでしょう。
そうやって、「いかにも高級な感じのメニューを早口で言う」ところも笑いのポイントではあるのですが、ジョーイのセリフの笑いのポイントは、最後の unless any of that stuff I just said means "snails." の部分ですね。
any of that stuff I just said は、「俺がたった今言ったそのもののどれかが」、means "snails" は「カタツムリを意味する」。
unless は、if not 「もし〜でなければ」と訳されることが多いですが、フレンズのような口語では、何かを言った後に、付け足しの感覚で、unless が続くことが多く、その場合には、前半部分を訳した後に、「もし〜なら話は別だけど」と訳すとしっくりくることが多いです。
この場合も、「俺がたった今言ったメニューの中に出てきた言葉のどれかが、カタツムリっていう意味なら、話は別だけど(注文を変えるけど)」と言っていることになります。
フランス料理では、エスカルゴが使われることが多いですが、ジョーイはそれをイメージしていて、「エスカルゴみたいなカタツムリ料理だったら俺は食べたくないから、もし今言った中にカタツムリって意味の言葉が入ってたらやめる、カタツムリって言葉が入ってないのなら、そのままオーダーする」と言っていることになるわけです。
早口でメニューをまくし立ててた上に、最後に「カタツムリって意味じゃなければ(それを注文する)って話だけど」と言われたので、ウェイターは少し考える様子で、It--does not. と言っています。
Any of that stuff you just said doesn't mean "snails." 「あなたがたった今おっしゃった言葉のどれも、カタツムリという意味ではありません」ということで、つまりは、「あなたが注文したメニューの中に、カタツムリは入っておりません(からご安心下さい)」と言っていることになります。
フィービーは、トマトのタルト、と言った後、which of the pastas would you recommend? と言っています。
「パスタのうち、どちらのパスタをあなたは推薦しますか?」ということですから、「このパスタのうち、あなたのお薦めはどっち?」と尋ねていることになります。
they're both exquiste-- の exquisite は「この上なくすぐれた、絶妙な」という意味。
「どっちがお勧めかしら?」と聞かれて、ウェイターは高級レストランっぽく、「どちらも絶品でございまして…」と答えかけたのですが、その言葉が終わるか終らないかのうちに、「どっちも良いなら両方ね」とフィービーは答えたことになります。
フィービーも待つことにイライラしているので、一応尋ねてみたけれど、そんなありきたりの答えならもう聞くまでもない、お腹もすいてるから両方もらうわ! とさっさと決めちゃった感が出ていることになるでしょう。
ジョーイは、「もう一回いいかな? 特別なリクエストしてもいい?」と言って、「すべてのものを、用意できたらすぐに持ってきてくれるかな?」と言っています。
appetizer は「アペタイザー、前菜」、entree は「アントレ」。
アントレは元々のフランス語では「オードブル、前菜」という意味で、日本で「アントレ」という場合もそういう意味で使われていると思うのですが、以下のウィキペディアに興味深いことが書いてありました。
Wikipedia日本語版: アントレ
引用させていただくと、
アントレ(仏:entrée)は、主にフランス料理のコースの中でオードブル、前菜という意味で使われる。 語源はフランス語の「入り口」という意味から。
英語の語彙にも借用語として定着しており、北米の英会話では「メインディッシュ」という意味で使われ、北米以外の英語圏では「オードブルよりも多めの前菜」という意味で使われる。
entree は、英語で言うと、entry に当たるわけで、そこから「(最初の)前菜」という意味になっているわけですが、ポイントは「北米ではメインディッシュという意味で使われる」という部分。
アメリカ英語の辞典である、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) で、appetizer と entree の両方を調べてみると、
appetizer : a small dish eaten at the beginning of a meal, before the main part
つまり、「食事の最初に食べられる小さな料理、メインパートの前に」。
entree : the main dish of a meal
つまり、「食事のメインディッシュ」
ですから、フランス語の元々の意味で言うと、entree は「前菜」という意味なのですが、アメリカ人が entree と言う場合には「メインディッシュ」の意味で使っているということになるでしょう。
アントレ=前菜、という意味で解釈すると、Appetizers, entrees, we don't care. は、
「アペタイザー(前菜)でも、アントレ(前菜)でも、どれでも構わない(から、とにかくできたものから持ってきて)」ということになり、「何でもいいから、って言いながら、挙げているのは前菜ばかり」的な面白さにもなりそうなのですが、今回はそういう「別のものを挙げているようで、実は同じことを言っている」というジョークではなく、ジョーイは北米の人の認識通り、「entree=メインディッシュ」という意味で使っているということになると思います。
(ですから、ジョークではないので、観客からの笑い声(ラフトラック)もここでは特に起きていない、ということになるでしょう)
そんな風に「できたら速攻持ってきて!」と注文が完了した瞬間に、ロスとレイチェルがやってきたので、ウェイターは「あなたがたの注文を put in するのはちょっと待ちます」ということを言っています。
「注文を入れる」という感覚ですから、日本語っぽく言うと、「注文を通す」になるでしょう。
遅れてきた二人に、フィービーは「1時間以上も遅れてるわ」と言って、「あなたたち二人に何があったの? 何が起こったの?」と尋ねています。
We got locked out of the apartment は、「アパートメントの外に締め出されてしまった」という感覚ですね。
鍵を家の中に置いたまま外に出てしまって、家の鍵がかかってしまい、中に入れなくなった状態を言っていることになります。
遅れてきて、遅れた原因となった出来事をレイチェルが語り始めようとするので、ジョーイはむっとした様子で、「それは素敵な話だね」と言った後、Can I eat it? と言っています。
日本語に訳す場合、「それ食べられる?」または「それ食べてもいい?」のように訳すことができそうですね。
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2015年02月13日
俺を許すって言ったのに フレンズ9-5その5
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いろいろ喧嘩していたものの、最終的にエッチすることになったチャンドラーとモニカ。
エッチの後、二人でベッドの中にいるところ。
チャンドラー: Uhh. You are welcome. (あぁ。どういたしまして。)
モニカ: You know what? Let's not talk. (ねぇ。話はしないでおきましょう。)
チャンドラー: What? (何だって?)
モニカ: Uch. I am still so mad at you for smoking! (あー。私はタバコを吸ったことで、あなたにまだ怒ってるのよ!)
チャンドラー: But you said you forgave me. It was just a couple of cigarettes, no big deal. (でも俺を許すって、君は言ったよね。たった2、3本のタバコのことだから、大したことないって。)
モニカ: Oh, blablablabaybaybay. (あぁー、なんたらかんたら。)
チャンドラーは、よせよ、という顔をする。
モニカ: I just said that because I was ovulating and you said you wouldn't have sex with me if we were fighting. (私がそう言ったのは、私が排卵日で、もし私たちが喧嘩してるならエッチしない、ってあなたが言ったからよ。)
チャンドラー: You tricked me to get me into bed? (君は俺をベッドに引きずり込むために俺を騙したのか[俺を騙してベッドに引きずり込んだのか]?)
モニカ: That's right. I got mine. (そうよ。私は目的のものをゲットしたわ。)
チャンドラー: I feel so used. ([モニカが部屋を出て行った後、シーツで胸を押さえて] すごく利用された、って気持ち。)
You are welcome. は、Thank you. と言われた場合に、「どういたしまして」の意味で返す言葉ですね。
今回は、「ありがとう、と言われる前に、先に、どういたしまして、と言っている」感覚で、「俺は君が感謝するようなことをしてあげたけど、お礼ならいいよ」と言っているようなニュアンスになります。
このように、You're welcome. を先走って言うやりとりは、これまでのフレンズにも出てきました。
「どういたしまして」と先に言う フレンズ3-11その8 では、フレンズ3-11 と フレンズ2-14 に出てきた You're welcome. について触れています。
今回の場合は、エッチした後のセリフなので、「モニカがありがとう、って言いたくなるような、いいエッチだっただろ?」みたいなことを、チャンドラーが言ったことになるわけですね。
そんな風に満足気なチャンドラーですが、モニカは、Let's not talk. 「話はしないでおきましょう。話すのはやめましょう」と言います。
その後、「私はまだ、あなたがタバコを吸ったことを怒ってるのよ!」と言っていますね。
それを聞いたチャンドラーは驚いて、「でも君は俺を許すって言ったよね。たった2、3本のタバコだけだったから、大したことないって」と言うのですが、モニカは、「あぁ〜、チャンドラーが何かゴチャゴチャ言ってるわ」的な言葉を発しています。
字幕では、そのセリフが文字化されていませんが、ネットスクリプトには、blablablabaybaybay と書いてあって、実際の音も、「ブラーブラブラーブラーブラー、ベイベイベイ」みたいな感じに聞こえます。
相手がくだらないことを言った時によく、Blah-blah-blah 「ブラーブラーブラー」みたいに英語で言うのですが、それと同じ感覚ですね。
手をアヒルの口のようにパクパクさせてそう言っているのが、さらに「くっだらないこと言ってるわ」という感じを強調しているように思います。
その後、モニカは、自分の本心をはっきり口に出して言います。
長いセリフなので、前から順番にイメージすると、「私は〜という理由でただそう言っただけ」→(その理由は)「私が排卵中だったから、そしてあなたが言ったから、私とエッチしないって、もし私たちが喧嘩しているなら」。
自然な日本語の語順にすると、「私が排卵中で、もし私たちが喧嘩しているなら私とエッチしないってあなたが言ったから、私はただ、そう(あなたを許すって)言っただけ」になるでしょう。
「排卵日だからエッチしないといけない。だからエッチするために、許すと嘘を言っただけ」と言うモニカに、チャンドラーは、You tricked me... というセリフを言っています。
get me into bed の get someone into... は、「人を〜の中に入れる(状態にする)」という感覚ですから、この場合だと、「俺をベッドに引きずり込む、連れ込む」というニュアンスになるでしょう。
ですからチャンドラーは、「俺をベッドに連れ込むために、君は(嘘をついて)俺を騙したのか?」「俺を騙して、ベッドに連れ込んだのか?」と言っていることになります。
モニカは That's right. 「その通りよ」とあっさり認め、I got mine. と言っていますね。
I got mine. を直訳すると、「私のものをゲットした、獲得した」ということになるでしょう。
「自分の目的を果たすために、俺に嘘をついたのか?」みたいに言われたので、「私は目的を果たしたわ。望むものをゲットしたわ」というニュアンスで、I got mine. と言っているわけですね。
「俺を騙したのか? って非難されても別に構わないわ。妊娠するために必要なものはゲットしたもの」みたいに言ってモニカは部屋を出ていくので、その発言に、観客からも、おぉ〜、という(そこまで言うかぁ〜的な)歓声が上がっています。
モニカが部屋を出て行った後、チャンドラーは、シーツで胸を押さえるようなしぐさで、I feel so used. と言っています。
そのしぐさから、「本来、女性が言うべきセリフを、男性であるチャンドラーが言っている面白さ」があるように思います。
このセリフについては、「すごく利用された、って気持ち」みたいな感じが近いかなぁ、と思いました。
used は、「使った、中古の、使い古した」「(誰かが使ったので)汚い、汚れた」という意味もありますので、「すごく汚された(けがされた)って気持ちがする」という解釈も可能かなとは思うのですが、今回の流れは、「相手が嘘をついて、ベッドに連れ込まれ、エッチさせられた」ということなので、「自分の身体が汚された」というよりも、「使われた、(いいように)利用された」という方が合っているように思いました。
「モニカの嘘を信じて、ほいほいベッドインしたところ、彼女の目的のために利用されてしまった」ということを、「騙されてベッドに連れ込まれた女性」のように言っている面白さだろう、ということですね。
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いろいろ喧嘩していたものの、最終的にエッチすることになったチャンドラーとモニカ。
エッチの後、二人でベッドの中にいるところ。
チャンドラー: Uhh. You are welcome. (あぁ。どういたしまして。)
モニカ: You know what? Let's not talk. (ねぇ。話はしないでおきましょう。)
チャンドラー: What? (何だって?)
モニカ: Uch. I am still so mad at you for smoking! (あー。私はタバコを吸ったことで、あなたにまだ怒ってるのよ!)
チャンドラー: But you said you forgave me. It was just a couple of cigarettes, no big deal. (でも俺を許すって、君は言ったよね。たった2、3本のタバコのことだから、大したことないって。)
モニカ: Oh, blablablabaybaybay. (あぁー、なんたらかんたら。)
チャンドラーは、よせよ、という顔をする。
モニカ: I just said that because I was ovulating and you said you wouldn't have sex with me if we were fighting. (私がそう言ったのは、私が排卵日で、もし私たちが喧嘩してるならエッチしない、ってあなたが言ったからよ。)
チャンドラー: You tricked me to get me into bed? (君は俺をベッドに引きずり込むために俺を騙したのか[俺を騙してベッドに引きずり込んだのか]?)
モニカ: That's right. I got mine. (そうよ。私は目的のものをゲットしたわ。)
チャンドラー: I feel so used. ([モニカが部屋を出て行った後、シーツで胸を押さえて] すごく利用された、って気持ち。)
You are welcome. は、Thank you. と言われた場合に、「どういたしまして」の意味で返す言葉ですね。
今回は、「ありがとう、と言われる前に、先に、どういたしまして、と言っている」感覚で、「俺は君が感謝するようなことをしてあげたけど、お礼ならいいよ」と言っているようなニュアンスになります。
このように、You're welcome. を先走って言うやりとりは、これまでのフレンズにも出てきました。
「どういたしまして」と先に言う フレンズ3-11その8 では、フレンズ3-11 と フレンズ2-14 に出てきた You're welcome. について触れています。
今回の場合は、エッチした後のセリフなので、「モニカがありがとう、って言いたくなるような、いいエッチだっただろ?」みたいなことを、チャンドラーが言ったことになるわけですね。
そんな風に満足気なチャンドラーですが、モニカは、Let's not talk. 「話はしないでおきましょう。話すのはやめましょう」と言います。
その後、「私はまだ、あなたがタバコを吸ったことを怒ってるのよ!」と言っていますね。
それを聞いたチャンドラーは驚いて、「でも君は俺を許すって言ったよね。たった2、3本のタバコだけだったから、大したことないって」と言うのですが、モニカは、「あぁ〜、チャンドラーが何かゴチャゴチャ言ってるわ」的な言葉を発しています。
字幕では、そのセリフが文字化されていませんが、ネットスクリプトには、blablablabaybaybay と書いてあって、実際の音も、「ブラーブラブラーブラーブラー、ベイベイベイ」みたいな感じに聞こえます。
相手がくだらないことを言った時によく、Blah-blah-blah 「ブラーブラーブラー」みたいに英語で言うのですが、それと同じ感覚ですね。
手をアヒルの口のようにパクパクさせてそう言っているのが、さらに「くっだらないこと言ってるわ」という感じを強調しているように思います。
その後、モニカは、自分の本心をはっきり口に出して言います。
長いセリフなので、前から順番にイメージすると、「私は〜という理由でただそう言っただけ」→(その理由は)「私が排卵中だったから、そしてあなたが言ったから、私とエッチしないって、もし私たちが喧嘩しているなら」。
自然な日本語の語順にすると、「私が排卵中で、もし私たちが喧嘩しているなら私とエッチしないってあなたが言ったから、私はただ、そう(あなたを許すって)言っただけ」になるでしょう。
「排卵日だからエッチしないといけない。だからエッチするために、許すと嘘を言っただけ」と言うモニカに、チャンドラーは、You tricked me... というセリフを言っています。
get me into bed の get someone into... は、「人を〜の中に入れる(状態にする)」という感覚ですから、この場合だと、「俺をベッドに引きずり込む、連れ込む」というニュアンスになるでしょう。
ですからチャンドラーは、「俺をベッドに連れ込むために、君は(嘘をついて)俺を騙したのか?」「俺を騙して、ベッドに連れ込んだのか?」と言っていることになります。
モニカは That's right. 「その通りよ」とあっさり認め、I got mine. と言っていますね。
I got mine. を直訳すると、「私のものをゲットした、獲得した」ということになるでしょう。
「自分の目的を果たすために、俺に嘘をついたのか?」みたいに言われたので、「私は目的を果たしたわ。望むものをゲットしたわ」というニュアンスで、I got mine. と言っているわけですね。
「俺を騙したのか? って非難されても別に構わないわ。妊娠するために必要なものはゲットしたもの」みたいに言ってモニカは部屋を出ていくので、その発言に、観客からも、おぉ〜、という(そこまで言うかぁ〜的な)歓声が上がっています。
モニカが部屋を出て行った後、チャンドラーは、シーツで胸を押さえるようなしぐさで、I feel so used. と言っています。
そのしぐさから、「本来、女性が言うべきセリフを、男性であるチャンドラーが言っている面白さ」があるように思います。
このセリフについては、「すごく利用された、って気持ち」みたいな感じが近いかなぁ、と思いました。
used は、「使った、中古の、使い古した」「(誰かが使ったので)汚い、汚れた」という意味もありますので、「すごく汚された(けがされた)って気持ちがする」という解釈も可能かなとは思うのですが、今回の流れは、「相手が嘘をついて、ベッドに連れ込まれ、エッチさせられた」ということなので、「自分の身体が汚された」というよりも、「使われた、(いいように)利用された」という方が合っているように思いました。
「モニカの嘘を信じて、ほいほいベッドインしたところ、彼女の目的のために利用されてしまった」ということを、「騙されてベッドに連れ込まれた女性」のように言っている面白さだろう、ということですね。
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2015年02月10日
もしやったらもっとうまく隠す フレンズ9-5その4
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チャンドラーが単身赴任先のタルサでタバコを吸っていたことで、モニカはチャンドラーを非難します。ですが、子供が欲しい二人は、今日が排卵最終日だということで、喧嘩はとりあえず中断して、エッチをすることに決めました。
[Scene: The Bings' bedroom, Chandler is undressing, Monica in bed
already.]
ビング夫妻の寝室。チャンドラーは服を脱いでいるところ、モニカはすでにベッドの中にいる。
モニカ: Spend more time with the tie! That'll make a baby. (ネクタイともっと時間を過ごせば! それで赤ちゃんができるわよ。)
チャンドラー: Look, I can't do this. I can't make love to you while we're fighting this way. (ねぇ、こんなこと俺にはできないよ。君と愛を交わすことなんかできない、こんな風に俺たちが喧嘩している最中にはね。)
モニカ: Oh, sure. Now you're Mr. Sensitivity. But when you wanted to have sex right after my uncle's funeral-- (えぇ、そうね。今やあなたは、”繊細くん”だわ。でも、私のおじさんのお葬式の直後に、あなたがエッチしたがった時は…)
チャンドラー: That was a celebration of life! Alright, look, I'm not gonna do this. Alright? Is this really the way you want a baby to be conceived? (あれは生命を祝ったんだよ。ねぇ、俺はこんなことしない。いいか? こんなことが本当に、君が赤ちゃんを身ごもりたいと思う方法なのか?[君はこんな風に赤ちゃんを身ごもりたいと本当に望んでるのか?])
モニカ: No, you're right. No, we shouldn't do it like this. For what it's worth, I'm, I'm sorry. I shouldn't have come down on you so hard about the smoking. So you had a few cigarettes. It's not the end of the world. (いいえ、あなたが正しいわ。私たちはこんな風にエッチするべきじゃないのよ。それはそれとして(こんなこと言って意味があるかどうかはわからないけど)、ごめんなさい。タバコのことで、私はあなたをそんなにキツく非難するべきじゃなかったのに。あなたはタバコを2、3本吸った。(けど、それは)世界の終わりじゃないわ。)
チャンドラー: Really? (ほんとに?)
モニカ: Yeah. (ええ。)
チャンドラー: You are incredible. And listen, I'm not gonna smoke again. And if I do, I promise I will hide it so much better from you. (they kiss) (君って素晴らしいね。ね、聞いて、俺は二度とタバコを吸わないよ。で、もし俺が吸ったら、約束するよ、もっとずっとうまく君に知られないように隠す、って。[二人はキスする])
モニカ: D'you want to? (したい?)
チャンドラー: Yeah, let's celebrate life! (あぁ、生命を祝おう!)
モニカ: 'kay. (オッケー。)
チャンドラーが、ネクタイを外すのに時間がかかっているのを見て、モニカは「そのネクタイと一緒の時間をもっと過ごしなさいよ」みたいに言っています。
That'll make a baby. は、「そうすることで赤ちゃんができる」みたいなことですね。
タバコのことで喧嘩したものの、今日が排卵日の最終日だと言うことで、子作りのためのエッチをすることを決めた二人でしたが、チャンドラーがもたもたしているので、「ネクタイとそうやって時間を過ごしたいのなら、もっとそうしてれば? そうしてればきっと赤ちゃんができるから」みたいに皮肉を言っていることになります。
フィービーのディナーにすでに遅れていて、モニカは急いでいるので、「ネクタイ取るのにそんなに時間がかかってたら、子供を作る時間がなくなるんだけど」と言いたいわけですね。
そのモニカの言い方に、「子作りのためだけにエッチする」感が出ているので、チャンドラーは、「ねぇ、こんなことできないよ。こんな風に俺たちが喧嘩している最中に、君と愛を交わすことなんかできない」と言います。
エッチという行為は愛あってこそで、こんなにツンツンしてる状態でエッチするのは変だよ、そんなことはできないよ、と言うために、わざと、make love to you 「君と愛を交わす」というロマンティックな表現を使っていることになるでしょう。
それに対してモニカは、Now you're Mr. Sensitivity. と言っています。
直訳すると、「今(や)あなたは、”ミスター・繊細”ね」みたいな感じで、普段はもっとダイレクトな表現を使うのに、こんな時だけ make love などと言うチャンドラーのことをそう表現しているわけですね。
「今はそんなロマンティックなこと言ってるけど、私のおじさんのお葬式の直後にあなたがエッチしたがった時は…」とモニカは言っています。
「親戚が亡くなって悲しい気持ちになっていたというのに、それに構う様子もなく、あなたはエッチしたがったわよね、あの時は!」というところですが、それに対してチャンドラーは、「あれは生命をお祝いしたんだよ!」みたいに返します。
ある人の人生が終わったことで、人生の重さを噛みしめ、生命誕生に繋がる行為で人生や生命というものを祝いたくなった、みたいなことでしょう。
チャンドラーは、「俺はこんなこと(喧嘩したままエッチ)はしない」と言って、モニカに Is this really the way... と問うています。
conceive は「思う、考える」という意味で使われる動詞ですが、妊娠の話では、「子供をはらむ、身ごもる」という意味で使われます。
ですから直訳すると、「これが本当に、君が赤ちゃんを身ごもりたいと望む方法か?」と尋ねていることになるわけですね。
喧嘩しながら、子作りのためだけにエッチして、それで子供ができたとしても、君はそれを嬉しいと思うか? 「あの時喧嘩して、この子ができたのよね」みたいに後から思うことになっても、君はそれで構わないのか? みたいなことを言っていることになるでしょう。
そんな風に言われたモニカは、「いいえ(そんなことは私は望まない)。あなたが正しいわ」と素直にチャンドラーの発言を受け入れます。
for what it's worth は、英和辞典では「それはそれとして」のような訳語が載っています。
研究社 新英和中辞典では、
for what it is worth=(真偽はわからないが)それだけのこととして
I pass the news on to you, for what it is worth. そのニュースの真偽はわからないが一応お伝えする。
英辞郎では、
for what it's worth=(真偽のほどはわからないが)それはそれとして
と出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
for what it's worth : (spoken) used to say that you realize that what you are saying may not be important
例) For what it's worth, I think you did a fine job.
つまり、「(口語) 自分が言おうとしていることが重要でないかもしれないとわかると言うために使われる」。例文は、「それはそれとして(こんなこと言って意味があるかどうかわからないけど)、君はいい仕事をしたと思うよ」。
Macmillan Dictionary では、
for what it’s worth : (MAINLY SPOKEN) used when you are telling someone something and you are not sure how useful it is. This is sometimes shown in emails as FWIW
例) For what it’s worth, I don’t think we can do anymore until we get more training.
つまり、「(主に口語) 自分が人に何かを言おうとしている時に、それがどれほど有用かわからない時に使われる。電子メールでは時々、FWIW として示される」。
例文は、「それはそれとして(こんなこと言って意味があるかどうかわからないけど)、我々はさらにトレーニングをするまではこれ以上何もできないと思うよ」。
英英の語義を見ていると、「これから言うことが有用か、意味があることかどうかはわからないけど」という説明になっていますので、「それはそれとして」という英和の訳語は、「今の現況はともかくとして、とりあえず私の意見を言わせて」という感じの「それはそれとして」というニュアンスであると理解すればいいのかな、と思います。
このセリフ、DVDの日本語訳では、「今さらだけどごめんなさい」と訳されていましたが、まさにそんな意味だろうと私も思いました。
今、ここで謝ってそれに意味があるかどうかはわからないけど、とりあえずごめんって言わせて、みたいな感覚だろうと思うのですね。
I shouldn't have come down on you so hard about the smoking. の come down on は「〜を厳しく非難する」。
LAAD では、
come down on somebody/something [phrasal verb] : to punish someone or something or criticize them severely
つまり、「誰かや何かを罰する、または厳しく批判する」。
モニカは、「あなたはタバコを2、3本吸っただけ。それが世界の終わりじゃないわ」と言っています。
たったそれだけのことで、大騒ぎしてあんなに怒ってしまったなんて、、と自分の行為を反省していることになりますね。
先ほどの喧嘩のことは忘れたように、自らを反省しているモニカに、チャンドラーは「君ってすごいね、素晴らしいね(incredible)」と言い、「俺はもう二度とタバコを吸わないよ」と誓っています。
その誓いの後に、さらに言葉を付け加えるのが、チャンドラーらしくて面白いですね。
And if I do... を直訳すると、「もし俺がタバコを吸ったら、俺は約束するよ、そのことをもっと上手に(君から)隠すって」。
「人から見えないように隠す」という意味では、hide something from someone のように from を使うこともチェックしておきましょう。
「もし吸っちゃった場合には、君にバレないようにうまく隠すよ」と言ったわけで、「タバコはもう絶対に吸わない宣言」が完全ではないことを言っていることにもなるわけですが、モニカはもう、そこを突っ込むこともせず、「(エッチ)したい?」と尋ねます。
チャンドラーが、「あぁ、生命を祝おう!」と言って、「おじさんのお葬式の直後にエッチしたがった時の言い訳」のネタをまた持ち出すのも面白いですね。
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チャンドラーが単身赴任先のタルサでタバコを吸っていたことで、モニカはチャンドラーを非難します。ですが、子供が欲しい二人は、今日が排卵最終日だということで、喧嘩はとりあえず中断して、エッチをすることに決めました。
[Scene: The Bings' bedroom, Chandler is undressing, Monica in bed
already.]
ビング夫妻の寝室。チャンドラーは服を脱いでいるところ、モニカはすでにベッドの中にいる。
モニカ: Spend more time with the tie! That'll make a baby. (ネクタイともっと時間を過ごせば! それで赤ちゃんができるわよ。)
チャンドラー: Look, I can't do this. I can't make love to you while we're fighting this way. (ねぇ、こんなこと俺にはできないよ。君と愛を交わすことなんかできない、こんな風に俺たちが喧嘩している最中にはね。)
モニカ: Oh, sure. Now you're Mr. Sensitivity. But when you wanted to have sex right after my uncle's funeral-- (えぇ、そうね。今やあなたは、”繊細くん”だわ。でも、私のおじさんのお葬式の直後に、あなたがエッチしたがった時は…)
チャンドラー: That was a celebration of life! Alright, look, I'm not gonna do this. Alright? Is this really the way you want a baby to be conceived? (あれは生命を祝ったんだよ。ねぇ、俺はこんなことしない。いいか? こんなことが本当に、君が赤ちゃんを身ごもりたいと思う方法なのか?[君はこんな風に赤ちゃんを身ごもりたいと本当に望んでるのか?])
モニカ: No, you're right. No, we shouldn't do it like this. For what it's worth, I'm, I'm sorry. I shouldn't have come down on you so hard about the smoking. So you had a few cigarettes. It's not the end of the world. (いいえ、あなたが正しいわ。私たちはこんな風にエッチするべきじゃないのよ。それはそれとして(こんなこと言って意味があるかどうかはわからないけど)、ごめんなさい。タバコのことで、私はあなたをそんなにキツく非難するべきじゃなかったのに。あなたはタバコを2、3本吸った。(けど、それは)世界の終わりじゃないわ。)
チャンドラー: Really? (ほんとに?)
モニカ: Yeah. (ええ。)
チャンドラー: You are incredible. And listen, I'm not gonna smoke again. And if I do, I promise I will hide it so much better from you. (they kiss) (君って素晴らしいね。ね、聞いて、俺は二度とタバコを吸わないよ。で、もし俺が吸ったら、約束するよ、もっとずっとうまく君に知られないように隠す、って。[二人はキスする])
モニカ: D'you want to? (したい?)
チャンドラー: Yeah, let's celebrate life! (あぁ、生命を祝おう!)
モニカ: 'kay. (オッケー。)
チャンドラーが、ネクタイを外すのに時間がかかっているのを見て、モニカは「そのネクタイと一緒の時間をもっと過ごしなさいよ」みたいに言っています。
That'll make a baby. は、「そうすることで赤ちゃんができる」みたいなことですね。
タバコのことで喧嘩したものの、今日が排卵日の最終日だと言うことで、子作りのためのエッチをすることを決めた二人でしたが、チャンドラーがもたもたしているので、「ネクタイとそうやって時間を過ごしたいのなら、もっとそうしてれば? そうしてればきっと赤ちゃんができるから」みたいに皮肉を言っていることになります。
フィービーのディナーにすでに遅れていて、モニカは急いでいるので、「ネクタイ取るのにそんなに時間がかかってたら、子供を作る時間がなくなるんだけど」と言いたいわけですね。
そのモニカの言い方に、「子作りのためだけにエッチする」感が出ているので、チャンドラーは、「ねぇ、こんなことできないよ。こんな風に俺たちが喧嘩している最中に、君と愛を交わすことなんかできない」と言います。
エッチという行為は愛あってこそで、こんなにツンツンしてる状態でエッチするのは変だよ、そんなことはできないよ、と言うために、わざと、make love to you 「君と愛を交わす」というロマンティックな表現を使っていることになるでしょう。
それに対してモニカは、Now you're Mr. Sensitivity. と言っています。
直訳すると、「今(や)あなたは、”ミスター・繊細”ね」みたいな感じで、普段はもっとダイレクトな表現を使うのに、こんな時だけ make love などと言うチャンドラーのことをそう表現しているわけですね。
「今はそんなロマンティックなこと言ってるけど、私のおじさんのお葬式の直後にあなたがエッチしたがった時は…」とモニカは言っています。
「親戚が亡くなって悲しい気持ちになっていたというのに、それに構う様子もなく、あなたはエッチしたがったわよね、あの時は!」というところですが、それに対してチャンドラーは、「あれは生命をお祝いしたんだよ!」みたいに返します。
ある人の人生が終わったことで、人生の重さを噛みしめ、生命誕生に繋がる行為で人生や生命というものを祝いたくなった、みたいなことでしょう。
チャンドラーは、「俺はこんなこと(喧嘩したままエッチ)はしない」と言って、モニカに Is this really the way... と問うています。
conceive は「思う、考える」という意味で使われる動詞ですが、妊娠の話では、「子供をはらむ、身ごもる」という意味で使われます。
ですから直訳すると、「これが本当に、君が赤ちゃんを身ごもりたいと望む方法か?」と尋ねていることになるわけですね。
喧嘩しながら、子作りのためだけにエッチして、それで子供ができたとしても、君はそれを嬉しいと思うか? 「あの時喧嘩して、この子ができたのよね」みたいに後から思うことになっても、君はそれで構わないのか? みたいなことを言っていることになるでしょう。
そんな風に言われたモニカは、「いいえ(そんなことは私は望まない)。あなたが正しいわ」と素直にチャンドラーの発言を受け入れます。
for what it's worth は、英和辞典では「それはそれとして」のような訳語が載っています。
研究社 新英和中辞典では、
for what it is worth=(真偽はわからないが)それだけのこととして
I pass the news on to you, for what it is worth. そのニュースの真偽はわからないが一応お伝えする。
英辞郎では、
for what it's worth=(真偽のほどはわからないが)それはそれとして
と出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
for what it's worth : (spoken) used to say that you realize that what you are saying may not be important
例) For what it's worth, I think you did a fine job.
つまり、「(口語) 自分が言おうとしていることが重要でないかもしれないとわかると言うために使われる」。例文は、「それはそれとして(こんなこと言って意味があるかどうかわからないけど)、君はいい仕事をしたと思うよ」。
Macmillan Dictionary では、
for what it’s worth : (MAINLY SPOKEN) used when you are telling someone something and you are not sure how useful it is. This is sometimes shown in emails as FWIW
例) For what it’s worth, I don’t think we can do anymore until we get more training.
つまり、「(主に口語) 自分が人に何かを言おうとしている時に、それがどれほど有用かわからない時に使われる。電子メールでは時々、FWIW として示される」。
例文は、「それはそれとして(こんなこと言って意味があるかどうかわからないけど)、我々はさらにトレーニングをするまではこれ以上何もできないと思うよ」。
英英の語義を見ていると、「これから言うことが有用か、意味があることかどうかはわからないけど」という説明になっていますので、「それはそれとして」という英和の訳語は、「今の現況はともかくとして、とりあえず私の意見を言わせて」という感じの「それはそれとして」というニュアンスであると理解すればいいのかな、と思います。
このセリフ、DVDの日本語訳では、「今さらだけどごめんなさい」と訳されていましたが、まさにそんな意味だろうと私も思いました。
今、ここで謝ってそれに意味があるかどうかはわからないけど、とりあえずごめんって言わせて、みたいな感覚だろうと思うのですね。
I shouldn't have come down on you so hard about the smoking. の come down on は「〜を厳しく非難する」。
LAAD では、
come down on somebody/something [phrasal verb] : to punish someone or something or criticize them severely
つまり、「誰かや何かを罰する、または厳しく批判する」。
モニカは、「あなたはタバコを2、3本吸っただけ。それが世界の終わりじゃないわ」と言っています。
たったそれだけのことで、大騒ぎしてあんなに怒ってしまったなんて、、と自分の行為を反省していることになりますね。
先ほどの喧嘩のことは忘れたように、自らを反省しているモニカに、チャンドラーは「君ってすごいね、素晴らしいね(incredible)」と言い、「俺はもう二度とタバコを吸わないよ」と誓っています。
その誓いの後に、さらに言葉を付け加えるのが、チャンドラーらしくて面白いですね。
And if I do... を直訳すると、「もし俺がタバコを吸ったら、俺は約束するよ、そのことをもっと上手に(君から)隠すって」。
「人から見えないように隠す」という意味では、hide something from someone のように from を使うこともチェックしておきましょう。
「もし吸っちゃった場合には、君にバレないようにうまく隠すよ」と言ったわけで、「タバコはもう絶対に吸わない宣言」が完全ではないことを言っていることにもなるわけですが、モニカはもう、そこを突っ込むこともせず、「(エッチ)したい?」と尋ねます。
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2015年02月06日
あなたがそれするの、嫌いなのよね フレンズ9-5その3
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単身赴任先のタルサから飛行機に乗って帰ってきたというのに、タルサでタバコを吸ったことをモニカがいつまでも怒っているので、チャンドラーは「どうせ怒られるのなら、こうしても同じだよな」と言って、モニカの目の前でタバコを吸うという挑発的な行動を取ります。
そんな態度を取ってみたものの、次にどうしたらいいかはわかんないけど、などと、やや弱気になっているチャンドラーに、
モニカ: Well, I'll tell you what we're gonna do. We are already late for Phoebe's birthday dinner. So you're going to put out that cigarette, we're gonna put this fight on hold, and go have sex. (そうねぇ、私たちがこれから何をするか、私があなたに言うわ。私たちはすでにフィービーの誕生日ディナーに遅刻してるの。だから、あなたはそのタバコの火を消して、私たちはこの喧嘩をいったん中止して、(寝室に)エッチしに行くわよ。)
チャンドラー: Fine. What!? (結構だ。…何だって?!)
モニカ: Sex! This is the last day I'm ovulating, and if we don't do it now, we're gonna have to wait till next month. (walks towards bedroom) (エッチよ! 今日は私が排卵する最後の日なの。だから、もし今私たちがエッチしないなら、来月まで待たないといけないことになるのよ。[寝室に向かって歩いて行く])
チャンドラー: You serious? (follows) (本気で言ってるの? [モニカの後についていく])
モニカ: Oh, yeah! (ええ!)
チャンドラー: All right, fine, I'll do it, but no talking! (わかった、いいよ、エッチするよ。でもおしゃべりは無しだ[口はきかないぞ。無言だぞ]!)
モニカ: Huh, and no cuddling. (ええ。で、だっこも無しね。)
チャンドラー: And no kissing your neck. (それから、君の首へのキスも無しだ。)
モニカ: Oh, good! I hate it when you do that! (まぁ、(それは)良かったわ! あなたがそれをするの、私、嫌いなのよね。)
チャンドラー: And lots of kissing your neck! (じゃあ、君の首へいっぱいキスしてやる!)
目の前でタバコを吸うという挑戦的な態度に出たチャンドラーに対して、モニカはさらに声を荒げて怒ることはせず、「私たちがこれから何をするかを私があなたに言ってあげる」と言って、今の状況とこれからすべきことを述べています。
今日はフィービーの誕生日ディナーでフレンズたちがレストランに集まる予定になっているのですが、モニカはまず、自分たちがそのディナーに既に遅刻している、と言った上で、「(遅刻しているから急いで家を出ないといけない) だからあなたはその(火を付けた)タバコを消して、この喧嘩をいったん中断して、そして、sex をしに行くの」のように言います。
put out は「火を消す」、put ... on hold は「〜をホールドの状態にする」ということですから、「保留にする、お預けにする、中断する」ということですね。
go have sex は、go to have sex in the bedroom 「寝室にエッチをしに行く」という感覚になるでしょう。
「ディナーに遅れてるから、早く出掛けないと」という流れから、「タバコを消して、この喧嘩はお預けにして、今すぐディナーに行くわよ(go to dinner)」なら普通で、チャンドラーも一瞬そういう意味かと思ったのでしょう、Fine. 「(それで)結構だ。構わない」と返事したのですが、最後が「ディナーに行くわよ」ではなくて「エッチしに(寝室に)行くわよ(go have sex)」だったことに改めて気付いた様子で、「何だって?」と驚きの声を上げています。
モニカは、Sex! って言ったのよ、と繰り返した後、「(今日の)この日が私が排卵している最後の日なの」と説明しています。
子作りをしたいカップルの話では、「排卵日だからエッチする」というように、この ovulate 「排卵する」という単語がしばしば登場します。
「毎月やってくる排卵日の、今日が最終日なの」と説明した後、モニカは、「もし今、私たちがエッチしないなら、来月まで(排卵日を)待たないといけないことになるのよ」と言い、寝室を指さして、そちらにスタスタ歩いて行きます。
タバコを吸ったことで、あれほどプリプリ怒っていたのに、「今日が排卵日の最終日だから、今すぐエッチしなくちゃ」とか言っているモニカに、チャンドラーも「それ、本気で言ってるの?」と言うしかありませんが、そう言いながらもモニカの後に続いて寝室に向かっているのも面白いですね。
お互い、「排卵最終日だから、エッチする」ことには同意したわけですが、口調だけは先ほどの喧嘩の続きのような感じになっています。
チャンドラーは、「わかったよ、いいよ、エッチするよ。でも、トーキングは無しだ」と言っていますね。
この後の会話では、no doing という形が続いていますが、全て、「〜することは無しで(エッチする)」と言っていることになります。
no talking は「おしゃべりは無し、口をきかずに無言で」。
cuddle は「愛情をこめてぎゅっと抱き締める」感覚なので、no cuddling は「ぎゅー!や抱っこは無し」。
その後、チャンドラーが「君の首へのキスも無しだ」と、ちょっと得意気な顔で言っています。
そのチャンドラーの様子を見ると、「君が大好きな、首へのキスもしてやんないぞ」的な感じで言っていることがわかるのですが、それに対するモニカの返事が面白いです。
Oh, good! I hate it when you do that! を直訳すると、「あぁ、いいわ(良かった)! あなたがそれをする(私の首にキスをする)時、私はそれが嫌いなの!」になるでしょう。
つまりは、I hate you kissing my neck. 「あなたが私の首にキスするのが、私は嫌い」ということですが、「S が V するのがいや・嫌い」と表現する場合、セリフでは、このように、I hate it when SV. の形を取ることが多いですね。
過去記事、キレるってわかるし怒ると嫌だし フレンズ8-8その1 では、"I hate it when he's angry." 「彼(パパ)が怒るのが嫌なのよ」という表現が出てきたことに関連して、hate it when のニュアンスを説明していますので、併せてお読みいただけると幸いです。
「首にキス、してやんないもんね」的にチャンドラーが言ったのに、「あーあ、それは良かったわ〜。私、あなたがそれするの、大っ嫌いなの」とモニカが答えたので、観客からは、おぉ〜という歓声が上がっています。「喧嘩してるからって、そこまで言うかぁ〜?」みたいなことですね。
「首へのキスをモニカは喜んでいるはず」と思っていたであろうチャンドラーは、モニカのその発言を聞いて、ふーん、そうかい、、みたいに頷いた後、ちょっといやらしい顔をして、少しドスのきいたダミ声で、And lots of kissing your neck! と言うのが、これまた面白いですね。
「喧嘩してるから、してやんない」つもりで言ったところ、「してもらわなくてありがたいわ」と返されてしまったので、「じゃあ君が嫌だと言ってるそのことを、思いっきりいっぱいしてやるぞ」と言っていることになるわけですが、するしないと言っているその内容が「モニカの首へのキス」なので、喧嘩してるんだか、いちゃいちゃしてるんだかわかんない、というか、ちょっと聞いている方が恥ずかしくなってくる感じの「エッチする前の喧嘩の会話」になっている面白さ、ということですね。
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単身赴任先のタルサから飛行機に乗って帰ってきたというのに、タルサでタバコを吸ったことをモニカがいつまでも怒っているので、チャンドラーは「どうせ怒られるのなら、こうしても同じだよな」と言って、モニカの目の前でタバコを吸うという挑発的な行動を取ります。
そんな態度を取ってみたものの、次にどうしたらいいかはわかんないけど、などと、やや弱気になっているチャンドラーに、
モニカ: Well, I'll tell you what we're gonna do. We are already late for Phoebe's birthday dinner. So you're going to put out that cigarette, we're gonna put this fight on hold, and go have sex. (そうねぇ、私たちがこれから何をするか、私があなたに言うわ。私たちはすでにフィービーの誕生日ディナーに遅刻してるの。だから、あなたはそのタバコの火を消して、私たちはこの喧嘩をいったん中止して、(寝室に)エッチしに行くわよ。)
チャンドラー: Fine. What!? (結構だ。…何だって?!)
モニカ: Sex! This is the last day I'm ovulating, and if we don't do it now, we're gonna have to wait till next month. (walks towards bedroom) (エッチよ! 今日は私が排卵する最後の日なの。だから、もし今私たちがエッチしないなら、来月まで待たないといけないことになるのよ。[寝室に向かって歩いて行く])
チャンドラー: You serious? (follows) (本気で言ってるの? [モニカの後についていく])
モニカ: Oh, yeah! (ええ!)
チャンドラー: All right, fine, I'll do it, but no talking! (わかった、いいよ、エッチするよ。でもおしゃべりは無しだ[口はきかないぞ。無言だぞ]!)
モニカ: Huh, and no cuddling. (ええ。で、だっこも無しね。)
チャンドラー: And no kissing your neck. (それから、君の首へのキスも無しだ。)
モニカ: Oh, good! I hate it when you do that! (まぁ、(それは)良かったわ! あなたがそれをするの、私、嫌いなのよね。)
チャンドラー: And lots of kissing your neck! (じゃあ、君の首へいっぱいキスしてやる!)
目の前でタバコを吸うという挑戦的な態度に出たチャンドラーに対して、モニカはさらに声を荒げて怒ることはせず、「私たちがこれから何をするかを私があなたに言ってあげる」と言って、今の状況とこれからすべきことを述べています。
今日はフィービーの誕生日ディナーでフレンズたちがレストランに集まる予定になっているのですが、モニカはまず、自分たちがそのディナーに既に遅刻している、と言った上で、「(遅刻しているから急いで家を出ないといけない) だからあなたはその(火を付けた)タバコを消して、この喧嘩をいったん中断して、そして、sex をしに行くの」のように言います。
put out は「火を消す」、put ... on hold は「〜をホールドの状態にする」ということですから、「保留にする、お預けにする、中断する」ということですね。
go have sex は、go to have sex in the bedroom 「寝室にエッチをしに行く」という感覚になるでしょう。
「ディナーに遅れてるから、早く出掛けないと」という流れから、「タバコを消して、この喧嘩はお預けにして、今すぐディナーに行くわよ(go to dinner)」なら普通で、チャンドラーも一瞬そういう意味かと思ったのでしょう、Fine. 「(それで)結構だ。構わない」と返事したのですが、最後が「ディナーに行くわよ」ではなくて「エッチしに(寝室に)行くわよ(go have sex)」だったことに改めて気付いた様子で、「何だって?」と驚きの声を上げています。
モニカは、Sex! って言ったのよ、と繰り返した後、「(今日の)この日が私が排卵している最後の日なの」と説明しています。
子作りをしたいカップルの話では、「排卵日だからエッチする」というように、この ovulate 「排卵する」という単語がしばしば登場します。
「毎月やってくる排卵日の、今日が最終日なの」と説明した後、モニカは、「もし今、私たちがエッチしないなら、来月まで(排卵日を)待たないといけないことになるのよ」と言い、寝室を指さして、そちらにスタスタ歩いて行きます。
タバコを吸ったことで、あれほどプリプリ怒っていたのに、「今日が排卵日の最終日だから、今すぐエッチしなくちゃ」とか言っているモニカに、チャンドラーも「それ、本気で言ってるの?」と言うしかありませんが、そう言いながらもモニカの後に続いて寝室に向かっているのも面白いですね。
お互い、「排卵最終日だから、エッチする」ことには同意したわけですが、口調だけは先ほどの喧嘩の続きのような感じになっています。
チャンドラーは、「わかったよ、いいよ、エッチするよ。でも、トーキングは無しだ」と言っていますね。
この後の会話では、no doing という形が続いていますが、全て、「〜することは無しで(エッチする)」と言っていることになります。
no talking は「おしゃべりは無し、口をきかずに無言で」。
cuddle は「愛情をこめてぎゅっと抱き締める」感覚なので、no cuddling は「ぎゅー!や抱っこは無し」。
その後、チャンドラーが「君の首へのキスも無しだ」と、ちょっと得意気な顔で言っています。
そのチャンドラーの様子を見ると、「君が大好きな、首へのキスもしてやんないぞ」的な感じで言っていることがわかるのですが、それに対するモニカの返事が面白いです。
Oh, good! I hate it when you do that! を直訳すると、「あぁ、いいわ(良かった)! あなたがそれをする(私の首にキスをする)時、私はそれが嫌いなの!」になるでしょう。
つまりは、I hate you kissing my neck. 「あなたが私の首にキスするのが、私は嫌い」ということですが、「S が V するのがいや・嫌い」と表現する場合、セリフでは、このように、I hate it when SV. の形を取ることが多いですね。
過去記事、キレるってわかるし怒ると嫌だし フレンズ8-8その1 では、"I hate it when he's angry." 「彼(パパ)が怒るのが嫌なのよ」という表現が出てきたことに関連して、hate it when のニュアンスを説明していますので、併せてお読みいただけると幸いです。
「首にキス、してやんないもんね」的にチャンドラーが言ったのに、「あーあ、それは良かったわ〜。私、あなたがそれするの、大っ嫌いなの」とモニカが答えたので、観客からは、おぉ〜という歓声が上がっています。「喧嘩してるからって、そこまで言うかぁ〜?」みたいなことですね。
「首へのキスをモニカは喜んでいるはず」と思っていたであろうチャンドラーは、モニカのその発言を聞いて、ふーん、そうかい、、みたいに頷いた後、ちょっといやらしい顔をして、少しドスのきいたダミ声で、And lots of kissing your neck! と言うのが、これまた面白いですね。
「喧嘩してるから、してやんない」つもりで言ったところ、「してもらわなくてありがたいわ」と返されてしまったので、「じゃあ君が嫌だと言ってるそのことを、思いっきりいっぱいしてやるぞ」と言っていることになるわけですが、するしないと言っているその内容が「モニカの首へのキス」なので、喧嘩してるんだか、いちゃいちゃしてるんだかわかんない、というか、ちょっと聞いている方が恥ずかしくなってくる感じの「エッチする前の喧嘩の会話」になっている面白さ、ということですね。
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2015年02月04日
会いたかったその彼女はどこ? フレンズ9-5その2
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チャンドラーとモニカの家。
単身赴任先のタルサから帰ってきたばかりのチャンドラーですが、チャンドラーがタルサでタバコを吸ったことを、モニカはまだ怒っています。
チャンドラー: 'kay, look. Can we just drop this? I'm not gonna smoke again. (わかった、ねぇ? もうこの件はやめにしないか? 俺は二度とタバコを吸わないよ。)
モニカ: That's right, because I forbid you to smoke again. (その通りね。だって私は、あなたがもう一度タバコを吸うことを禁じるから。)
チャンドラー: You forbid me? (君が俺に禁止するの?)
モニカ: Mhmm. (うん(ええ)。)
チャンドラー: You know, I've flown a long way to see my loving wife. Is she here, by the way? (ねぇ、俺は愛情深い妻に会うために長い距離を飛んで来たところなんだ。ところでさ、その彼女はここにいる?)
モニカ: Chandler, don't joke with me, okay? I'm very, very upset right now. (チャンドラー、ジョークを言うのはやめて、いい? 私は今、すっごくすっごく怒ってるの。)
チャンドラー: Oh, would you say this is the most upset you could be? (あぁ、これが、君が可能な限り一番怒ってる状態だ[これ以上ないくらい最高に怒った状態だ]って言うわけ?)
モニカ: I think so. (そう思うわ。)
チャンドラー: Well, then, I might as well ... (grabs the cigs) do this (lights one, exhales). Not really sure what to do now. (そういうことなら、俺は… [タバコを掴んで] こうしても同じだよね [1本に火をつけ、煙を吐く]。[モニカににらまれて] 今、何をすべきか、よくわからないけど。)
チャンドラーがタルサでタバコを吸ったことをモニカは非難し続けています。
それでチャンドラーは、Can we just drop this? と言って、「俺はもう二度とタバコは吸わない」と宣言していますね。
Can we just drop this? の drop は他動詞だと「(ものを)落とす」という意味で、この場合は「(議論などを)やめる、中断する」という意味になります。
Macmillan Dictionary では、
drop : to stop talking about something, especially because it is embarrasing someone
例) Let's drop the subject, shall we?
つまり、「何かについて話すのをやめること、特にその話題が誰かを困らせるという理由で」。例文は「その件について話すのをやめようよ」。
「もうタバコは吸わないから」と宣言したチャンドラーに対して、モニカは「それはその通りね、だって…」と理由を説明しています。
その理由は「私はあなたが再びタバコを吸うことを禁じる(禁止する・許さない)から」。
チャンドラーの意志にかかわらず、この先あなたがタバコを吸うことは確かにないわ、だって、妻である私がそれを禁じるから、と言っていることになります。
「私があなたに(そうすることを)禁止する」と言ったのを聞いて、チャンドラーは「君が俺の行動を禁止するだって?」のように返した後、You know, I've flown a long way to... のセリフを言っていますね。
I've flown a long way to see my loving wife は、「愛情深い・愛情にあふれた俺の妻に会うために、俺は長い距離を飛んで(帰って)来たところだ」。
loving は、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
loving : [only before noun] behaving in a way that shows you love someone
つまり、「(名詞の前のみ) 誰かを愛していることを示すようなやり方でふるまっている」。
「愛情いっぱいの優しい妻に会うために、俺ははるばる飛行機に乗って帰ってきたとこなんだけど」ということですが、その次の "Is she here, by the way?" が皮肉っぽくて面白いですね。
she = my loving wife ということで、「愛情深い妻」とは本来モニカのことを指しているわけですが、「ところで、その優しく愛情深い俺の妻は、今ここにいる?」と、妻モニカ本人を前にして尋ねていることになります。
「優しい妻に会いに戻ったはずなのに、その妻は今ここにいないみたいだねぇ」と表現することで、「今のモニカは、愛情あふれる妻ではない、俺がわざわざ会いに帰ってきたってのに、妻らしい優しさや思いやりが全く感じられず、タバコのことで怒ってばかりいる」と言っていることになります。
「優しい妻に会いに戻ってきたのになぁ、、ねぇ、その妻は今ここにいるかな? 君、俺の妻の居場所を知らない?」みたいにジョークを言ったので、モニカは「私にそんなジョークを言うのはやめて。私は今、すっごくすっごく怒ってるんだから」と言います。
would you say this is the most upset you could be? は、「これ(この状態)が君が可能な最も怒った状態だと君は言うつもり?」みたいなことですね。
「そう思うけど」と答えたモニカに、チャンドラーは挑戦的な態度を取っています。
might as well は「(…するなら)〜するのも同じだ、〜した方がよい・ましだ」という意味。
「こうしても同じだよね、こうした方がましだよね」と言ったチャンドラーは、テーブルに置いてあるタバコを手に取り、それにチャッカマンのようなもので大げさに火をつけて、煙をフーッと吐いています。
「もうタバコは吸わない」と言っているのに、それでもまだ、あれやこれやと文句を言い、怒っているモニカを見て、「キャンキャン怒られ、そんなに偉そうに言われるのなら、タバコを吸ってキャンキャン言われた方がましだよね、タバコを吸って怒られても同じことだよね」的に、モニカの目の前で開き直った様子で堂々とタバコを吸ったことになります。
そうして、モニカの方を見るのですが、モニカが怖い顔でにらんでいるので、Not really sure what to do now. と言っているのがまた面白いですね。
「今は何をすべきかよくわからない」ということで、モニカを挑発するかのように、目の前でタバコを吸ってみせたはいいけれど、この先どうしたらいいのかな、と言っていることになります。
この後、さらに何か挑発的なことを思いつくわけでもなく、ただモニカの怒りを増幅させてしまっただけで、勢いでそうしてしまったことをどう収拾したらいいのかな、と困っている様子がうかがえますね。
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チャンドラーとモニカの家。
単身赴任先のタルサから帰ってきたばかりのチャンドラーですが、チャンドラーがタルサでタバコを吸ったことを、モニカはまだ怒っています。
チャンドラー: 'kay, look. Can we just drop this? I'm not gonna smoke again. (わかった、ねぇ? もうこの件はやめにしないか? 俺は二度とタバコを吸わないよ。)
モニカ: That's right, because I forbid you to smoke again. (その通りね。だって私は、あなたがもう一度タバコを吸うことを禁じるから。)
チャンドラー: You forbid me? (君が俺に禁止するの?)
モニカ: Mhmm. (うん(ええ)。)
チャンドラー: You know, I've flown a long way to see my loving wife. Is she here, by the way? (ねぇ、俺は愛情深い妻に会うために長い距離を飛んで来たところなんだ。ところでさ、その彼女はここにいる?)
モニカ: Chandler, don't joke with me, okay? I'm very, very upset right now. (チャンドラー、ジョークを言うのはやめて、いい? 私は今、すっごくすっごく怒ってるの。)
チャンドラー: Oh, would you say this is the most upset you could be? (あぁ、これが、君が可能な限り一番怒ってる状態だ[これ以上ないくらい最高に怒った状態だ]って言うわけ?)
モニカ: I think so. (そう思うわ。)
チャンドラー: Well, then, I might as well ... (grabs the cigs) do this (lights one, exhales). Not really sure what to do now. (そういうことなら、俺は… [タバコを掴んで] こうしても同じだよね [1本に火をつけ、煙を吐く]。[モニカににらまれて] 今、何をすべきか、よくわからないけど。)
チャンドラーがタルサでタバコを吸ったことをモニカは非難し続けています。
それでチャンドラーは、Can we just drop this? と言って、「俺はもう二度とタバコは吸わない」と宣言していますね。
Can we just drop this? の drop は他動詞だと「(ものを)落とす」という意味で、この場合は「(議論などを)やめる、中断する」という意味になります。
Macmillan Dictionary では、
drop : to stop talking about something, especially because it is embarrasing someone
例) Let's drop the subject, shall we?
つまり、「何かについて話すのをやめること、特にその話題が誰かを困らせるという理由で」。例文は「その件について話すのをやめようよ」。
「もうタバコは吸わないから」と宣言したチャンドラーに対して、モニカは「それはその通りね、だって…」と理由を説明しています。
その理由は「私はあなたが再びタバコを吸うことを禁じる(禁止する・許さない)から」。
チャンドラーの意志にかかわらず、この先あなたがタバコを吸うことは確かにないわ、だって、妻である私がそれを禁じるから、と言っていることになります。
「私があなたに(そうすることを)禁止する」と言ったのを聞いて、チャンドラーは「君が俺の行動を禁止するだって?」のように返した後、You know, I've flown a long way to... のセリフを言っていますね。
I've flown a long way to see my loving wife は、「愛情深い・愛情にあふれた俺の妻に会うために、俺は長い距離を飛んで(帰って)来たところだ」。
loving は、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
loving : [only before noun] behaving in a way that shows you love someone
つまり、「(名詞の前のみ) 誰かを愛していることを示すようなやり方でふるまっている」。
「愛情いっぱいの優しい妻に会うために、俺ははるばる飛行機に乗って帰ってきたとこなんだけど」ということですが、その次の "Is she here, by the way?" が皮肉っぽくて面白いですね。
she = my loving wife ということで、「愛情深い妻」とは本来モニカのことを指しているわけですが、「ところで、その優しく愛情深い俺の妻は、今ここにいる?」と、妻モニカ本人を前にして尋ねていることになります。
「優しい妻に会いに戻ったはずなのに、その妻は今ここにいないみたいだねぇ」と表現することで、「今のモニカは、愛情あふれる妻ではない、俺がわざわざ会いに帰ってきたってのに、妻らしい優しさや思いやりが全く感じられず、タバコのことで怒ってばかりいる」と言っていることになります。
「優しい妻に会いに戻ってきたのになぁ、、ねぇ、その妻は今ここにいるかな? 君、俺の妻の居場所を知らない?」みたいにジョークを言ったので、モニカは「私にそんなジョークを言うのはやめて。私は今、すっごくすっごく怒ってるんだから」と言います。
would you say this is the most upset you could be? は、「これ(この状態)が君が可能な最も怒った状態だと君は言うつもり?」みたいなことですね。
「そう思うけど」と答えたモニカに、チャンドラーは挑戦的な態度を取っています。
might as well は「(…するなら)〜するのも同じだ、〜した方がよい・ましだ」という意味。
「こうしても同じだよね、こうした方がましだよね」と言ったチャンドラーは、テーブルに置いてあるタバコを手に取り、それにチャッカマンのようなもので大げさに火をつけて、煙をフーッと吐いています。
「もうタバコは吸わない」と言っているのに、それでもまだ、あれやこれやと文句を言い、怒っているモニカを見て、「キャンキャン怒られ、そんなに偉そうに言われるのなら、タバコを吸ってキャンキャン言われた方がましだよね、タバコを吸って怒られても同じことだよね」的に、モニカの目の前で開き直った様子で堂々とタバコを吸ったことになります。
そうして、モニカの方を見るのですが、モニカが怖い顔でにらんでいるので、Not really sure what to do now. と言っているのがまた面白いですね。
「今は何をすべきかよくわからない」ということで、モニカを挑発するかのように、目の前でタバコを吸ってみせたはいいけれど、この先どうしたらいいのかな、と言っていることになります。
この後、さらに何か挑発的なことを思いつくわけでもなく、ただモニカの怒りを増幅させてしまっただけで、勢いでそうしてしまったことをどう収拾したらいいのかな、と困っている様子がうかがえますね。
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