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レイチェルは、エマを出産してから、初めてフィービーと夜の外出をすることになり、嬉しそう。
その間、エマの面倒はロスが見ることになっていて、ロスはフィービーの彼氏マイクを家に誘ったと言っています。
レイチェル: I didn't know that you guys hung out. (あなたたちが一緒に遊ぶなんて知らなかったわ。)
ロス: We don't, but I thought that it would be nice to get to know him. You know? Maybe have a little dinner, drinks, conversation. (僕たちは(いつもは)遊ばないんだけど、でも思ったんだよ、彼を知ることはいいことだな、って。だろ? 多分、ちょっとした夕食を食べて、飲んで、会話するんだよ。)
レイチェル: Awww. That's so cute! Ross and Mike's first date! Is that going to be awkward? What are you guys gonna talk about? (あー。それってすっごくキュートね! ロスとマイクのファーストデート! それって気まずくなったりしないの? あなたたちは何を話すつもり?)
ロス: I don't know. But you know, we have a lot in common, you know, erm…he plays piano. I played keyboards in college. He's been divorced, I have... some... experience in that area. (さあね。でも、ほら、僕たちは共通点が多いんだよ。ほら、うーんと、彼はピアノを弾く。僕は大学でキーボードを弾いてた。彼は離婚してる。僕は、その分野ではいくらか経験あるから。)
[Rachel nods her head in agreement. Door knocks]
レイチェルは同意するようにうなずく。ドアにノックの音。
レイチェル: Yeah? (はーい。)
[Door opens, Phoebe and Mike enter]
ドアが開き、フィービーとマイクが入ってくる。
フィービー: Hi! (はーい!)
ロス&レイチェル: Hi! (はーい!)
フィービー: Ooh. Girl's night out indeed! (うー、まさに女の子のお出かけの夜ね!)
レイチェル: Okay, So now I think Emma is properly down for the night but if you need anything, Ross-- [pointing finger into his chest] (オッケー、それでエマは多分、夜の間、寝ててくれると思うけど、でももし何か必要なら、ロス… [彼の胸を指で指差す])
ロス: Rach, Rach, Rach. We'll be fine. You go have fun. (レイチェル、僕らは大丈夫だよ。楽しんできてよ。)
レイチェル: Okay, you too. And I hope you score. (わかった。あなたもね。で、あなたが(彼を)モノにするのを願ってるわ。)
I didn't know that you guys hung out. の hung は、hang の過去形ですね。
hang の動詞の活用(現在、過去、過去分詞)は、hang/hung/hung になります。
つまり、hung out は、hang out の過去形で、hang out はフレンズ頻出表現の「(ぶらぶらして)時間を過ごす」という意味ですね。
フレンズたちが「一緒に時間を過ごす」という意味で「遊ぶ」と言いたい場合に、よく hang out が使われます。
ここで、hang out ではなく、過去形の hung out が使われているのは、I didn't know が過去形であることに伴う、いわゆる「時制の一致」ですね。
意味としては、「あなたたちが hang out するとは、(今まで)知らなかった」と言っていることになります。
「知らなかったわ、あなたたちが二人で一緒に遊んだりするなんて」みたいに言われたロスは、We don't, but I thought... と言っています。
We don't というのは、We don't hang out ということで、「実際に僕らは、普段は一緒に遊んだりはしないんだよ」という感覚ですね。
そう言って、「でも僕は思ったんだ」と続けて、彼を知るようになることは素敵だろうな、って思った、と言っています。
get to know は「(相手のことを)知るようになる」という感覚で、ロスとマイクの場合も、マイクがフィービーの彼氏ということで既にお互いを知っているわけですが、「相手のことをもっと(詳しく)知るようになる、懇意になる、親しくなる」という感覚で、get to know という表現を使っていることになるでしょう。
Maybe have a little dinner... は、主語の we が省略されていますね。
話の流れでわかりきった部分を省略している感覚で、聞いている方も、自然と we have a... と言っているのだと理解できる部分になるでしょう。
「ご飯食べて、お酒飲んで、会話して」みたいなプランを述べるのを聞いて、「それって可愛い。二人のファーストデートね!」とレイチェルは茶化す感じで言った後、「それって気まずくならない? 二人は何を話すつもり?」と少し心配そうに尋ねます。
ロスは、I don't know. 「さあね」ととりあえず言った後、「でもほら、僕とマイクには共通点が多いんだ」と言っています。
彼はピアノを弾くし、僕は大学でキーボードを弾いてたし、、と言っていますが、ロスがキーボードをやっていた姿は、フレンズ2-14その19 の学生時代のビデオ映像に出ていました。
いつも聞いてるものとは違う フレンズ4-7その2 では、フレンズたちに、キーボードの演奏を聞かせるシーンもありましたね。
マイクも僕も、楽器、それも良く似た鍵盤楽器を弾くことが共通点だと言いたいわけです。
マイクは離婚してる、と言った後、ロスは I have... some... experience in that area. のように表現しています。
「僕も離婚してる。僕もそうだ」みたいに続けても良かったのでしょうが、「僕はその分野でいくつかの経験があるから」みたいに抽象的に表現しているのが面白いですね。
実際、ロスはバツ3ですが、結婚生活をしないまま離婚していることもあったりして、そういうこともひっくるめて、離婚関係においては、僕もいろいろと経験していて、話すネタには事欠かないから、みたいなことが言いたかったわけでしょう。
そんな話をしていると、ドアにノックがあり、フィービーとマイクのカップルが入ってきます。
フィービーは嬉しそうに、Girl's night out indeed! と言っていますね。
night out は「外出する夜、外出して遊ぶ夜」という感覚。
indeed は「実に、本当に、全く、いかにも」というニュアンス。
Macmillan Dictionary では、
indeed : used for emphasizing the meaning of 'very'
例1) Thank you very much indeed.
例2) We saw one dress I liked - it was very nice indeed.
つまり、「very の意味を強調するために使われる」。例文1は「ほんとにほんとにありがとう」。例文2は「私が気に入ったドレスを(二人で)見たの。すっごく良かったの、ほんとに」。
このセリフを言う時、フィービーは、レイチェルの大きく開いた胸元に注目しながら言っています。
このシーンの前にも、出産後、久しぶりにドレスアップしたレイチェルの姿を見たロスが、胸元ばかりをじろじろ見てしまうシーンがありましたが、同性のフィービーも、そのレイチェルのセクシーな胸元に注目せざるを得ない、という感じです。
目はずっとレイチェルの胸元を見ながら、ちょっと大げさに Ooh. Girl's night out indeed! と言ってみせたのは、「いかにも女の子の夜遊び、って感じの服ね。セクシーさ全開ね」みたいに言いたかったのだろうと思います。
また(これは考え過ぎかもしれませんが) out という言葉には「外に出る、現われ出る」というニュアンスもあるので、外出の意味の out と同時に、「胸の部分を外に(人に見えるように)大きく出して見せていること」とも言葉としてかけているような部分もあるのかなぁ、と思ったりもしました。
レイチェルは、「エマは多分、夜の間、down 状態だと思うけど」と言っています。
日本語で「ダウン状態」みたいに言ってしまうと、「寝込んでいる、体力がなくなっている」みたいに聞こえてしまいそうですが、ここでは単に、up 「起きている」の反対語として、寝ていること、眠っていることを down と表現していることになるでしょう。
身体が起き上がるという up に対して、lie down 「横になる」の感覚の down だということですね。
She's down with flu. だと「彼女はインフルエンザで床についている」という意味になり、まさに「ダウンして寝込んでいる」ということを指すわけですが、文脈に合わせて、「ただ横たわっている」だけの down なのか、心身が弱っているという意味の down なのかを見極める必要もある、ということです。
もしも何かあったらちゃんと連絡ちょうだいよ、というように、レイチェルはロスの胸を指でツンツンしてみせるのですが、ロスは、「僕たちは大丈夫だよ」と言って、You go have fun. と言っています。
have fun は「楽しむ」で、go have fun は go and have fun 「行って楽しむ」、または、go to have fun 「楽しむために行く、楽しみに行く」という感覚になるでしょう。
命令形 Go have fun. に主語の You をつけることで、「(ぜひとも)楽しんでおいでよ。楽しんできなよ」という親しい間柄ならではのニュアンスが出ているように感じます。
「楽しんで」と言われたレイチェルは、「あなたもマイクと楽しんで」という意味で、you too. と言った後、And I hope you score. と言っていますね。
この後、ラフトラック(観客の笑い声)が起こっているように、これはジョークになるのですが、この場合の score は「(女を)モノにする」という意味になります。
score の意味 フレンズ8-1その5 では、思わせぶりな感じでエッチっぽいセリフを言った女性に、
ロス: I am so gonna score. (間違いなく、ヤレるな。)
というシーンも出てきました。
日本人だとまずは、「スコアを入れる、得点する」などの意味が頭に浮かびそうですが、
その記事でも解説した通り、アカデミックな辞書である、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にも、
score: SEX [intransitive] (informal) to have sex with someone
とはっきり書いてあるくらいで、アメリカではそういう意味でよく使われるわけですね。
レイチェルは、「あなたがエッチできますように、って願ってるわ、あなたがある人をモノにできますように、って祈ってるわ」みたいに言ったことになりますが、「ロスとマイクのファーストデートね」と言っていたことからもわかるように、レイチェルは出掛ける間際に、「これから二人でいい雰囲気になって、マイクをモノにしちゃいなさいね」みたいに言ったことになるわけです。
ロスもマイクも男性が好きそうな感じではないので(笑)、ただのちょっとした冗談にすぎないのですが、score という単語にそういうエッチ系の意味があることを知らないと、ここで笑うことは難しいだろうと思います。
フレンズ8-1その5 で score が使われたセリフが記憶に残っていた方は、今回のレイチェルのセリフにも即座に反応できたかもしれません。
「あ、これ、前にも出てきた!」という、こういう気づきの積み重ねが、記憶をより確かにしてくれるのだと、私は思っています。
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