2015年04月01日

言えないから自分で察して フレンズ9-9その1

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シーズン9 第9話
The One With Rachel's Phone Number (モニカの浮気発覚!?)
原題は「レイチェルの電話番号の話」


タルサに単身赴任中のチャンドラーの元に、ジョーイから電話がかかってきます。
「明日、NYにお前が帰ってきたら、バスケの試合をコートサイドで一緒に見よう」と誘われ、大喜びのチャンドラーは、そのことを妻モニカに電話で説明しようとしているところ。
チャンドラー: Joey just called. He's got courtside Knicks tickets for him and me tomorrow night. (ジョーイがたった今、電話してきたんだ。ジョーイは、彼と俺の分の、明日の夜のニックス戦のコートサイドのチケットを持ってるんだってさ。)
モニカ: Really? But tomorrow night's the only night I get off from the restaurant. If you go to the game, then we won't have a night together for a week. (ほんとに? でも明日の晩は、私がレストラン(の仕事)を休める唯一の夜なのよ。もしあなたが試合に行くのなら、そしたら私たちは、1週間、一緒の夜を過ごせないことになるわ。)
チャンドラー: But honey, it's courtside! The cheerleaders are gonna be right in-- [mouths last words so Monica does not hear them]. That's not the way to convince you. (でもハニー、コートサイドなんだよ! チアリーダーたちがまさに(目の前に)いて… [最後の言葉は声には出さず口の動きだけなので、モニカはそれを聞くことができない] それでは君を説得できないよね。)
モニカ: Chander, look. I don't wanna be one of those wives that says: "You can't go to the game. You have to spend time with me." So if you just realize it on your own? (チャンドラー、ねぇ、私はこんなことを言うような、よくある妻になりたくはないのよ、「あなたは試合に行っちゃだめ。あなたは私と一緒に時間を過ごさないといけないの」って。だからもしあなたがそれを自分自身で察してくれたら…?)
チャンドラー: I... I... I know. You're right. I wanna see you too. I've just got to figure out a way to tell Joey. You know, he's really looking forward to this. (わかったよ。君は正しい。俺だって君に会いたいし。ジョーイにどう言えばいいかを考えなきゃな。ほら、ジョーイはこれをすごく楽しみにしてるから。)
モニカ: Tell him you haven't seen your wife in a long time. Tell him that having a long-distance relationship is really difficult. Tell him that what little time we have together is precious. (妻に長い間、会ってないんだ、ってジョーイに言ってよ。長距離の関係(を持つこと)はとっても難しいことなんだ、って言ってよ。俺たちが一緒に過ごすわずかばかりの時間も貴重なんだ、って言ってよ。)
チャンドラー: Yeah, yeah, yeah. I'll think of something. (あー、あー、あー。俺、何か考えるよ。)
[Monica hangs up, looking exasperated]
モニカはいらっとした顔で電話を切る。

チャンドラーは喜んだ様子で、「ジョーイがたった今、俺に電話してきて、明日の晩の二人分のニックス戦の、それもコートサイドのチケットを持ってるんだ」と電話でモニカに伝えます。
モニカは「ほんとに?」と言った後、But tomorrow night's the only night I get off from the restaurant. と続けます。
前から順番に直訳すると、「でも、明日の晩は唯一の晩である、私がレストランからオフを取る」になるでしょうか。
つまり、「私が(働いている)レストランで休みをもらえるのは、明日の晩だけなのよ」ということですね。
そして、「もしあなたがその試合に行ったら、私たちは1週間、一緒の夜を持てないだろう」→「あなたが試合に行けば、私たちは1週間、一緒の夜を過ごせないことになる」と続けます。
単身赴任からせっかく帰って来たのに、ジョーイと試合に見に行っちゃったら、夜を一緒に過ごせなくなる、また1週間待たないといけなくなる、ということですね。

チャンドラーは、「でも、コートサイドだよ!」と力説し、「チアリーダーたちがすぐ目の前で…」みたいなことを言いかけるのですが、「だってチアリーダーが間近で見られるんだぜ」的なことを言っても、それでモニカを説得できるはずもなく、むしろ「私よりもチアリーダーを見たいわけ?」みたいに怒らせかねないと気付いた様子で、That's not the way to convince you. と言います。
これは、「今の(俺の発言)は、君を説得する方法ではない」、つまり、「そんな言葉じゃ、君を説得できないよね、今の発言は全然説得になってないよね」と表現したことになるでしょう。

次のモニカのセリフ、I don't wanna be one of those wives that says: は、「私は〜と言うような、よくある妻の一人になりたくはない」ですね。
one of those は「例の・よくある〜の一人」という感覚で、「今から言うようなことを言う奥さんって、よくいると思うけど、私はそういう奥さんの一人になりたくはないの。奥さんがよく言うセリフを私は言いたくないのよ」と言っていることになります。
その「妻がよく言うセリフ」の内容が、「あなたはゲームに行くことはできない(ゲームに行っちゃだめ)。あなたは私と一緒に時間を過ごさないといけないのよ」。
「友達とバスケの試合なんか見に行かないで、妻の私を一緒に過ごしてよ」ということですが、妻がよく言うようなそんなセリフを私は自分の口から言いたくない、みたいに言った後、So if you just realize it on your own? と付け加えるのが面白いですね。
これは、「だから、もしあなたがそのことを自分自身でただ察してくれたら(嬉しい、ありがたい、助かる)」ということで、「私はそれを言うような妻にはなりたくないから、言わない私の気持ちをあなた自身で察してちょうだい。察して自ら”試合には行かずに、君と過ごすよ”って言ってちょうだい」と、プレッシャーをかけたことになるでしょう。

「私にはそんなこと言えないから、私の気持ちを汲んで行動して」みたいに言われてしまったチャンドラーは、「モニカは正しいよ。俺だって君に会いたいし」と言った後、「ジョーイにそれをどう言うか俺は考えないといけない。ジョーイは俺とバスケの試合を見に行くのをすっごく楽しみにしてるんだ」と言います。

「ジョーイにどう言えばいいか、考えないと」とチャンドラーが言ったので、モニカは、Tell him... というセリフを3回続けて言っていますね。
「試合を断る理由として、こう言って」という内容を3つ提示したことになるわけですが、1つ目は「長い間、妻に会っていない」。
2つ目は「長距離の(夫婦)関係を持つことはとても難しいことである」、つまり、「夫婦で離れて暮らすっていうのは、とっても大変なことなんだよ」。
3つ目は「俺たちが一緒に過ごす、わずかばかりの時間も貴重である」。

what little time の what little は「わずかばかりの、あるだけの、なけなしの」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
what little also the little (that) : the small amount that there is, that is possible etc.:
例) I gave him what little money I had.

つまり、「ある(存在する)少ない量、可能な少ない量、など」。例文は、「私は彼に、私が持っていたあるだけの(わずかの)お金をあげた」。

つまり、what little は、「存在する、または可能な限りのわずかの量」ということで、「どれだけ一緒に過ごせるかわからないけど、その可能な、実際に持つことができる限られた時間というのが、ものすごく貴重なのよ」と言いたいわけですね。

モニカとしては、「愛する妻と過ごしたい夫の気持ち」を理由として挙げて、それをジョーイに伝えればいいじゃない、と思ったようですが、「一緒にニックス戦をコートサイドで見ようぜ!」と誘ってくれている男友達に、そういうこっ恥ずかしい理由を言うのが、チャンドラーにはためらわれたようですね。
女性が考えた理由を言わされている感じもしますし、そんな「きれいごと」的な理由をジョーイに言っても、「なーに言ってんだよ」と笑われて一蹴されそうな気もしたのでしょう。
それで、「あー、それはどうかなー」みたいに顔をしかめた後、「ま、何か俺が考えるわ」みたいなことを言うことになります。
それを聞いたモニカの様子は、ト書きでは looking exasperated 「いらっとした顔で・様子で」と表現されていますが、実際の画面では、ちょっと笑いながらあきれたような顔をしているように見えます。
「私がせっかくいい理由を考えてあげたのに、それは使わないっての?」という気持ちではあるでしょうが、「そんな理由は、俺からジョーイには言えないな」というチャンドラーのリアクションは、あきれながらもモニカにとっては想定の範囲内だった、というところでしょうね。


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posted by Rach at 17:25| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする