2015年08月31日

もちろん、テレビも見ないわよ フレンズ9-18その6

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チャンドラーがインターンとして働いている会社で、3人のアシスタント採用枠があったのですが、チャンドラー以外の人がその3人に選ばれてしまいました。がっかりしていたチャンドラーでしたが、その後、上司から、「(アシスタントではなく)ジュニア・コピーライターとして君を採用したい」という電話がかかってきます。
チャンドラーは「ありがとう、僕を選んだことを後悔させませんから」と言って、大喜びでその電話を終えます。その直後のシーン。
(he idly goes to the sofa, starts browsing a magazine. Everybody stares at him)
チャンドラーはぼんやり[所在なげに]ソファに行き、雑誌をパラパラ読み始める。みんなは彼を見つめる。
チャンドラー: What? (pause) Oh, yeah, I'm gonna be a junior copywriter! (何かな? [間があって] あぁ、そうだよ、俺はジュニア・コピーライターになるんだ!)
みんな: (excited) Oh my God. Congratulations! ([興奮して] すごい。おめでとう!)
モニカ: Congratulations! Oh, sweetie, I'm so proud of you! (おめでとう! まぁ、スウィーティ、あなたをとっても誇りに思うわ!)
チャンドラー: Thanks. Does that mean I get the good loving tonight? (ありがと。それって、今夜、素敵に愛してもらえる、って意味かな?)
モニカ: You bet! No TV or anything! (she gets up from the sofa and goes to the kitchen area) (もちろん! テレビとかもなしよ[テレビも見ないわ]! [モニカはソファから立ち上がり、台所エリアに行く])
ジョーイ: (to Chandler) Hey, that is so great about the job. ([チャンドラーに] なぁ、その仕事の件、良かったな。)
チャンドラー: Thanks, man. (ありがと。)
ジョーイ: And I'd like to think I had a little something to do with it. (で、その件について俺もちょっと関係してるって思いたいんだけど。)
チャンドラー: Really? Why? (ほんとに? どうして?)
ジョーイ: Well, before with the wishbone. I didn't wish we would win the lottery. I wished you'd get the job. (うーんと、さっきのウィッシュボーンの時のこと。くじが当たりますように、って俺は願わなかった。俺はお前が仕事をゲットできますように、って願ったんだ。)
チャンドラー: (smiling, surprised) Oh, yeah? (looks towards the kitchen, worried) Listen, don't tell Monica. She'll rip your heart right out. ([微笑みながら、驚いて] え、そうなのか? [台所の方を向いて、心配そうに] なぁ、モニカには言うなよ。モニカがお前の心臓をむしり取るぞ[引きちぎるぞ]。)
ジョーイ: Oh, yeah. (あぁ、そうだな。)

ジュニア・コピーライターに採用する、という電話に対し、感謝の言葉を述べ嬉しそうに電話を切ったチャンドラーでしたが、すぐにフレンズたちに嬉しい結果を報告して、みんなで喜び合う、、のかと思いきや、自分からは何も発言せず、そのままソファに座って、雑誌をパラパラとめくっています。
ジョーイは手を広げ、他のフレンズたちに「一体どうなってるんだ?」みたいな顔を向けています。
みんなが自分の次の行動に注目しているのを待っていたかのように少し間を置いた後、チャンドラーは、「何? あぁ、そうだよ、俺はジュニア・コピーライターになるんだ!」と結果を報告しています。
みんなに口々にお祝いの言葉を言ってもらい、モニカにも「(夫の)あなたをとっても誇りに思うわ!」と言われて、チャンドラーは嬉しそうに、「それって、今夜、俺が the good loving をゲットする、って意味かな?」と尋ねています。
get the good loving はやや漠然とした表現ですが、「グッドな love すること(love する行為)を得る」ということなので、「素敵に愛し合えるかな、素敵に愛してもらえるかな」というようなニュアンスになるでしょう。

モニカは、「もちろん(You bet!)」と言うのですが、その後の一言がちょっと余計な感じで面白いです。
No TV or anything! は、「テレビとか(他の何かとか)もナシ!」ということで、そう言われたチャンドラーは、ちょっと恥ずかしそうにうつむいています。
「えぇ、もちろん、今夜はテレビとかも見ないわよ」とモニカが言ったことになるので、「普段は、テレビを見ながらエッチしている」らしいことが、この発言からわかる仕組みになるでしょう。
今夜はそんな「ながら状態」(笑)ではなく、テレビも消して、loving に集中するわよ、みたいなことをモニカは言ったわけですが、普段の実態がフレンズたちに知れてしまい、それでチャンドラーはうつむいた、ということになるわけですね。

モニカが立って台所に行った後、ジョーイは「仕事の件、ほんとに良かったな」と言って、And I'd like to think... のセリフを言っています。
have something to do with は、「〜と関係・かかわりがある」という意味なので、訳すと、「俺がその件について少し関係があった、って俺は思いたい(んだけど)」というところですね。
「チャンドラーが採用されたことについて、俺もちょっと関係してるんだけどね」と言うジョーイに、チャンドラーが理由を尋ねると、ジョーイは、「さっきのウィッシュボーンの時。俺は、俺たちがくじに当たりますように、って願わなかった。俺はお前が仕事をゲットしますように、って願った」と説明しています。
願いが叶うというウィッシュボーンをする時に、くじの当たりではなく、チャンドラーが採用されることを願った、ということですね。
ジョーイがフィービーとウィッシュボーンをするシーンは、過去記事、フレンズ9-18その2 で説明しましたが、その時ジョーイは、モニカに何度聞かれても、願い事の内容を言おうとはしませんでした。
「しゃべってしまうと願い事が叶わなくなるから」という理由だけで、「当然それを願っているだろうとみんなが思っている”くじに当たりますように”というわかりきった願い事」を言うのを(まるで子供のように)拒んでいたのかと思いきや、エピソードの最後で「ジョーイは実はくじ以外のことを願っていた」ということがわかる、という展開になっているわけですね。
今そのことを打ち明けているジョーイの表情からも、それは本当のことだとわかりますし、その話を聞いたチャンドラーもとても嬉しそうな顔をしています。
観客からも、「あぁ、そうだったんだ〜」というような軽いどよめきが起こっていて、私もこのシーンを初めて見た時に、何だかとってもほっこりした気持ちになったのを覚えています。
ウィッシュボーンのシーンで、くどいほど「願い事を言わない」と頑張っていたのは、「しつこすぎるやりとり」で笑いを取るだけではなく、最後のこの微笑ましいシーンに繋げるための伏線になっていた、ということですね。

ジョーイの話を嬉しそうに聞いていたチャンドラーですが、台所にいるモニカの方を見て、ちょっと不安気な表情になり、「なぁ、モニカには(今の話を)言うなよ」と言った後、She'll rip your heart right out. と言っています。
rip は「引き裂く、剥ぎ取る、もぎ取る」という感覚で、out 「外に」が付いていることから、「体の中にある心臓を、体から引きちぎって外に出す」ようなニュアンスになります。
right は「まったく、すっかり」という意味の強意語で、そのニュアンスを和訳に出そうとすると、「心臓を”完全に・すっかり・ごっそり”むしり取られる」という感じになるでしょうか。
ですから、チャンドラーは、「ジョーイが、くじの当たりじゃなくて、俺の採用の方を願ってたなんてモニカに知れたら、モニカはお前の心臓を引きちぎるぞ」と物騒なことを言っていることになるわけですね。

ちなみに、この rip somebody's heart out という表現には、また別の意味もあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
tear/rip somebody's heart out : to make someone feel extremely upset
例) It just tears your heart out to see how they live.

つまり、「人を、非常に動転・動揺する気持ちにさせること」。例文は、「彼らがどんな風に暮らしている(生活している)かを見ることは、君を動揺させる。[彼らがどんな風に暮らしているかを見れば、君は動揺するだろう(君の心は乱れるだろう)」。

upset の基本的な意味は「ひっくり返す」ということですから、feel extremely upset だと、気持ちが通常の状態ではなく、混乱している様子を表していることになりますね。
動揺してパニクっている場合には、日本語でも「心臓がドキドキする、バクバクする」「心臓が飛び出そう」「心臓が掴まれたみたい」などと表現することがありますが、英語の場合も、「人の心臓を(体内から)引きちぎって出す」という意味の tear/rip somebody's heart out という表現は、そのように「心を動揺させる、狼狽させる」という意味を持つ、ということになります。
ただ今回のチャンドラーのセリフの場合は、「そんなことをモニカに言ったら、モニカに殺されるぞ」的な意味で、「心臓をえぐり取られるぞ」と表現した、という理解で良いと思います。

ジョーイも「怖いね」という顔で Oh, yeah. と言った後、二人は嬉しそうに握手を交わすことになります。
もちろんモニカも、妻として、チャンドラーの採用を心から願っていたと思われますが、「くじが当たりますように」とみんなが願掛けをしている時に、ジョーイが別のことを願っていたと知ったら、勝ち負けにうるさいモニカ(笑)のことですから、「この状況なら(大金が当たるかもしれない)くじの願いをするのが当然でしょ!」みたいに激怒しそうな気がしますね。
キャラ立ちしているおかげで、「ジョーイは素直にチャンドラーの就職を願うけれど、モニカは”くじか夫の就職か?”と問われたら、くじを選ぶかもしれない(!)」と視聴者も思えるので、この最後のセリフの「それを言ったらモニカに殺されるぞ」的なセリフにも、納得して笑えてしまうわけですね。


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posted by Rach at 16:20| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月28日

男からのこういう電話には慣れてない フレンズ9-18その5

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くじの当選発表をテレビで見るものの、全く当たりくじが出ず、いらいらしているフレンズたち。
(phone rings)
電話が鳴る。
モニカ: (answering phone) Hello? Hold on. It's your boss. ([電話に出る] もしもし? お待ち下さい。あなたのボス(上司)よ。)
チャンドラー: Ah, the "I'm sorry I rejected you" phone call. I'm not used to getting it from guys. (on the phone, getting up from the sofa) Hey, Steve. (あぁ、例の「却下(拒絶)してごめんね」電話だな。そういう電話を男からもらうのは慣れてない。[電話に出る、ソファから立ち上がりながら] はーい、スティーブ。)
スティーブ: Chandler, hi! I'm sure you've heard we filled the three positions. We just felt that with your maturity and experience, you wouldn't be happy being someone's assistant. (チャンドラー、やあ! 我々が3つの(採用)枠を埋めたことは君も聞いたと思う。君の成熟と経験では、君が誰かのアシスタントになっても嬉しくないだろうと我々はただ思ったんだ。)
チャンドラー: Oh no no no no, I'd love to be somebody's assistant! Answering phones, getting coffee, I live for that stuff! And I'm not too mature. Farts, boobies, butt cracks! (あぁ、いえいえいえいえ、僕は誰かのアシスタントに喜んでなりますよ! 電話に出て、コーヒーを入れて。そういう仕事に命を懸けます。それに僕はあまり成熟してもいない。おなら、おっぱい、お尻の割れ目!)
スティーブ: Chandler, you were the strongest person in the program. We're offering you the position of junior copywriter. (チャンドラー、君はあのプログラムで最強の人だった[一番優秀だった]。我々は君に、ジュニア・コピーライターの地位をオファーするつもりだ。)
チャンドラー: Me? That guy who just said, "butt cracks"? (僕に? たった今「お尻の割れ目」って言った男に?)
スティーブ: Yes, that's right. We're excited about the level of sophistication you'll be bringing to the job. (あぁ、その通りだ。君が仕事に持ち込んでくれるだろう、洗練さのレベルに期待しているよ。)
チャンドラー: Okay. Well, thanks, you won't regret it. I'll see you tomorrow. (hangs up) (わかりました。ありがとう、(僕を選んだことを)後悔しませんよ(後悔させませんよ)。それではまた明日[明日お会いしましょう]。[電話を切る])

くじが当たらず、みんな意気消沈しているところに、1本の電話がかかってきます。
モニカが応対し、チャンドラーの上司からの電話だとわかったチャンドラーは、Ah, the "I'm sorry I rejected you" phone call. と言っています。
reject は「拒絶する、却下する、拒否する」「不合格にする」というニュアンスですね。
今回の場合は、不採用のことを言っているので、「”君を不採用・不合格にして申し訳ない(ごめんね)”電話だな」と言っていることになります。
上司が、不採用になったチャンドラーに対して、「君の期待に添えなくてすまない」的な、こういう場合にありがちな謝罪電話をしてきたと言っているのですが、その後のセリフがチャンドラーっぽくてとても面白いなと思いました。
I'm not used to getting it from guys. の be used to doing は「〜するのに慣れている」で、今回はその否定形ですから、「俺は男性からそれをもらうのに慣れていない」と言っていることになります。
it = "I'm sorry I rejected you" phone call で、また、「男性からもらうのに慣れていない」=「女性からもらうのには慣れている」と言っていることになるので、「reject して(断って・拒絶して)ごめん」という電話を男性からもらうのには慣れてない→「断ってごめん、という電話は女性からよくもらう」という自虐的なセリフを言っていることになります。
例えば、お付き合いしようとしたり、デートに誘ったりした場合に、「ごめんなさい。あなたとはお付き合いできないわ」的な拒絶電話をもらうことには慣れてるけど、そういう拒絶電話を男からもらうのは慣れてないな、初めてだな、と言っているわけですね。
不採用とわかり落ち込んでいるはずですが、ここでこういう軽口を叩いているのもまたチャンドラーらしいところだと思います。

チャンドラーが電話に出ると、上司のスティーブ(以前のスニーカーCMのプレゼンで、チャンドラーを絶賛していた人)は、まず、I'm sure you've heard we filled the three positions. と言います。
直訳すると、「我々が3つのポジション(枠)を埋めたことを君は(もう既に)聞いたと僕は確信する」ということですね。
その後の、We just felt that... も前から順番にイメージしていくと、「我々はただ(that 以下)だと感じた。君の成熟(度)[円熟]や経験では、誰かのアシスタントになっても幸せじゃないだろう、と」ということですね。

そんな風に言われたチャンドラーは、それを必死に否定して、「僕は喜んで誰かのアシスタントになりますよ!」と言い、アシスタントがする仕事の例として、「電話に出たり、コーヒーを入れたり」を挙げた後、I live for that stuff! と言っています。

live for という表現については、以下の英辞郎の語義がわかりやすいと思いました。
live for=【1】〜のために生きる 【2】〜に命を懸ける、〜一筋の人生だ◆冗談めいた軽い意味でも使う。
直訳すると、文字通り、「〜のために生きる」ということですから、そこから「〜に命を懸ける」という意味としても使われ、そういうちょっと大袈裟な表現を冗談っぽく使ったりもする、ということですね。
今回のチャンドラーのセリフも、「わざと大袈裟に言ってみた」ニュアンスで、「アシスタントの仕事が嬉しくないだなんてとんでもない。電話に出る仕事(電話番)やコーヒーを出す仕事(お茶くみ)に命懸けますよ、僕」と言ってみせた感覚になるでしょう。

また、with your maturity 「君の成熟・円熟(度)では(不満だろう)」みたいに言われたことに対しても、「僕はあまり mature ではない」と言って、Farts, boobies, butt cracks! と言っています。
そのまま訳すと、「おなら、おっぱい、お尻の割れ目!」ということで、「お下品なことを嬉しそうに叫んでいる子供」みたいな状態になっています。
成熟なんて言葉は似合わない、僕は、こんなお下品なことも平気で言うような典型的なお子ちゃまなんですよね、とアピールしているわけですね。

次のスティーブのセリフ、you were the strongest person in the program は「その(インターン)プログラムで、君は最強の人間だった」ということで、採用選考の元となるプログラムで、君は最も優秀な成績を収めた、と言っていることになるでしょう。
We're offering you the position of junior copywriter. は、「君にジュニア・コピーライターのポジション(地位・職)をオファーする(申し出る・提供する)」ですね。
アシスタントという人を補佐する職種ではなく、junior 「(上位ではなく)下位の」という言葉が付いているものの、自分でコピーを考えるコピーライターに君を採用しようと思う、と言われたわけですから、「アシスタントの枠3人に入れなくて不合格だと思ったけど、アシスタント以上の職に合格できた!」という、最後の最後に大逆転が起こった、という結果となったわけです。

思いがけない嬉しい話に、チャンドラーも驚いた様子で、Me? That guy who just said, "butt cracks"? と言っています。
つまり、「僕に、ですか? たった今、「お尻の割れ目」って言った(ばかりの)男ですよ」ということになります。
「アシスタントでもいいですから!」と必死に「成熟していないさま」をアピールしていた僕なのに、アシスタント以上の仕事をくれるって本当ですか? というところで、先走っておバカなことを言ってしまった自分に対する照れ隠しみたいな気持ちもあるのでしょう。

それに対するスティーブの返しも、(さすがは広告業界の人なので)なかなかしゃれていて面白いです。
We're excited about the level of sophistication you'll be bringing to the job. を直訳すると、「君が将来、その仕事にもたらしてくれている(だろう)(知的)洗練さのレベルに、我々はワクワクしているよ」となるでしょうか。
「君のような人がその仕事をしてくれると、仕事の洗練さがアップするだろうから、それを楽しみにしているよ」というところですね。
お下品で子供じみたことを言ったチャンドラーに対して、ちょっと皮肉を込めて、「君のその知的洗練さに大いに期待している」と返したことになります。

チャンドラーは礼を言った後、それではまた明日、と言って電話を切っていますが、その中のセリフ、you won't regret it. は、「あなたはそのことを後悔しないでしょう」ということですね。
it は、今のこの電話連絡の主題であった「チャンドラーをジュニア・コピーライターとして採用する」ということで、つまりは、「僕をジュニア・コピーライターとして採用すると決めたことを、決して後悔させませんから」と言っていることになります。
「こんなやつを選ぶんじゃなかった、、と皆さんが後悔しないように、僕はちゃんと結果を出してみせますから。皆さんの期待に応えてみせますから!」というところですね。


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posted by Rach at 13:05| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月26日

謝罪のために電話しています フレンズ9-18その4

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チャンドラーとモニカが、自分たち夫婦のくじを、別にこっそり買っていたので、それを渡す渡さないで、フレンズたちは券の奪い合いとなります。
そんな醜い争いを見かねたフィービーは、くじの券を入れたボウルを持ってベランダに出た後、「喧嘩をやめないなら、このボウルを下の通りに投げ捨てる」と脅します。
それでみんなの喧嘩が収まるのですが、不意に出てきたハトに驚いたフィービーがボウルを下に落としてしまい、通りに散らばった券をみんなで回収することになります。
半分ほどしか回収できずに、部屋に戻ってきたフレンズたち。
チャンドラー: (looking at the answering machine) Hey, there's two messages. This could be from work! ([留守電を見て] おい、2つ(留守電)メッセージがある。これは会社からかも!)
モニカ: Oh, play them! (まぁ、再生して!)
チャンドラー: Okay. Here we go! (he pushes the play button) (オッケー。よしいくぞ! [再生ボタンを押す])
メッセージ: (Phoebe's voice) Hello. Th-this is the pigeon from the balcony calling to apologize. (they all turns to look at Phoebe) I sh.. I shouldn't have knocked the tickets out of the pretty lady's hand. It-it was all my fault. Not hers. Bye. Coo. ([フィービーの声で] こんにちは。こちらは[僕は]バルコニーのハトで謝罪のために電話しています。 [全員がフィービーを見る] 僕は、可愛い女性の手から券を叩き落とすべきじゃなかった。全て僕の責任でした。彼女のせいじゃない。さよなら。クー。)
(they all keep staring at Phoebe)
全員がフィービーを見つめ続ける。
フィービー: Well, I bet that was very hard for him to do. (そうね、今のは彼にとっては、とっても辛いことだったわね。)
2番目のメッセージ: Hey, Chandler, it's Charlie. (よぉ、チャンドラー。チャーリーだ。)
チャンドラー: This is it. Shhh! (これがそうだ[ついに来た、いよいよだ]。シー!)
2番目のメッセージ: Listen, oh... it turns out I got the last spot. I'm really sorry, man. It was a lot of fun working with you. Give me a call if you want. (聞いてくれ、最後の枠(ポスト)は僕がゲットしたとわかった。ほんとにすまない[or 君には本当に残念なことだったと思う]。君と一緒に働くのはとっても楽しかった。良かったら、電話をくれ。)
モニカ: Oh Gosh, I am so sorry, honey. (なんてこと、ほんとに残念ね、ハニー。)
全員: Oh, so sorry, man! Sorry! (あぁ、ほんとに残念だよ。残念だ。)

通りに散らばったくじを集めて、部屋に戻ってきた後、留守電があったことにチャンドラーは気付き、「これは職場からの可能性がある(職場からかもしれない)!」と言っています。
モニカも「(留守電を)再生して」と言い、チャンドラーが再生ボタンを押すと、録音されたメッセージが流れ始めます。
職場からの採用の連絡かと思いきや、流れて来たのは、いつもとやや口調が異なるものの、フィービーの声であることがわかります。
ちょっと、言葉に詰まりながら話している、そのメッセージの内容について。
this is the pigeon from the balcony calling to apologize. を直訳すると、「こちらは(今電話している僕は)、謝罪のために電話している、バルコニーのハトです」になるでしょうか。
「バルコニーのハト」というのは、少し前にバルコニーにいるフィービーを驚かせ、結果、ガラスのボウルを下に落とすことになってしまった原因のハトですが、その時の状況を細かく説明しなくても、the pigeon from the balcony で、意味は十分通じる、ということですね。
「ハトです」と名乗っていても、ハトが言葉を話すわけも、また電話してくるわけもない上、声が明らかにフィービーのものなので、フレンズたちは全員、フィービーの方を見ます。
留守電のメッセージはまだ続いていて、shouldn't have p.p. (過去分詞)の形で、「僕は(あの時)〜すべきじゃなかったのに(そうしてしまった)」という反省と後悔の念を述べています。
knocked the tickets out of the pretty lady's hand の knock 〜 out of は「叩いて落とす、払い落とす」という感覚。
フィービーは、自分の失敗を棚に上げ、「僕が彼女の手から券を叩き落とすべきじゃなかった」と言っているのですが、ハトのふりをしているどさくさに紛れて、自分の手のことを「可愛い女性の手から」と表現しているのも面白いです。
it was all my fault. Not hers. の Not hers. は、It was not her fault. 「彼女のせいじゃなかった」ということですね。
そして最後に、Bye. と言った後、Coo. と「さもハトみたいな声」をおまけにつけているという、フィービーのチープな演出にも笑ってしまいます。
「全部、ハトの僕が悪い。ボウルを持っていた彼女は何も悪くない」とハトのふりをしてメッセージを吹き込むことで、責任逃れをしているのが明らかなフィービーを、フレンズたちは、じーっと見続けています。

I bet that was very hard for him to do. を直訳すると、「私は思う、今のは、彼がするには非常につらかった、と」というところでしょうか。
もう少し日本語っぽくすると、「今の行動は、彼にとっては(するのが)辛いことだったでしょうね」というところでしょう。
フィービーのしらばっくれ具合にみんなが唖然としている中、2番目のメッセージが流れ始めます。
チャーリーと名乗るので、採用の連絡だとわかり、チャンドラーは This is it. と言っていますね。
This is it. は、待ちに待っていたものが来た! という時に、「ついに来た、いよいよだ」などのニュアンスで使われるセリフですが、今回の場合は、「これがそうだ」みたいにシンプルに訳しても良い感じがしました。
This is it. というフレーズについては、拙著「読むだけ なるほど! 英文法」の 69ページ以降で詳しく解説させていただいたのですが、This 「これ」(今回の場合は、この2番目のメッセージ)= it 「チャンドラーが頭の中でイメージしているもの」(今回の場合は、チャンドラーが待っている採用の連絡電話)という等式で考えるとわかりやすいかと思います。

チャンドラーは「これがそうだ。このメッセージが俺が待っていた連絡だ!」と言って、みんなに静かにするように、Shhh! と言い、留守電メッセージの続きを聞くのですが、電話の内容は、it turns out I got the last spot. というものでした。
直訳すると、「僕(チャーリー)が最後のスポット(採用枠)をゲットした、ということが判明する(判明した、わかった)」ということになります。
このように、It turns out (that) は、「that 以下ということがわかる、結局 that 以下ということになる」という意味になりますが、日本語だと「〜だということがわかった」のように過去形で表現したくなる場合でも、英語ではこのように、It turns out という現在形で表現されることが多いです(過去のフレンズのセリフでも、turns out という現在形の使用例が多く出てきました)。
この件については、「turn out を過去形にしてしまうと、「そのことがわかった、判明したのが過去の時点」であることを表すことになってしまうので、現在形を使っている」のだろうと私は考えています。
今回のセリフも、「少し前に自分がその枠をゲットした(過去)ということが(今)判明する(今判明したばかり)」というような、「仕事をゲットした」と「その事実が判明した」時点の時差みたいなものがありますので、I got という過去形よりも新しい時制である現在形の turns out を使うのがふさわしいということなのかな、と思いました。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) の turn out に出てくる例文にも、
It turns out that Nancy didn't want to come anyway.
という文が出ており、訳すと、「とにかくナンシーは来たくなかった、ということがわかる」になりますが、これも日本語の感覚だと、「とにかくナンシーは来たくなかった、ということがわかった」のように「わかった」という過去形で表現したくなりますよね。
逆に言うと、「過去にこういう出来事があった、過去にこういう状態だったことが、今(ついさっき)わかった、判明した」という場合には、It turns out that SV(過去形) の形で表現するのが英語らしい、ということになるだろうと思います。

その後、チャーリーは、I'm really sorry. と言っています。
この場合の sorry は、「自分が採用となり、結果チャンドラーが不採用となった」ことから、「申し訳ない、すまない」という謝罪のニュアンスで理解しても良いように思いますし、また、「その決定を下したのは自分ではない」ことから「謝罪」というよりはむしろ「同情、共感」のニュアンスで理解しても良いようにも思います。
後者の場合だと、「採用されることを期待して待っていた君には、本当に残念なことだと思う」という感覚になりますね。

チャーリーというのは、なかなかしっかりした人のようで、そういう「相手が採用されず自分が採用されてしまった」という非常に気まずい報告の電話をしなければならない中でも、「君と一緒に働いたことは、a lot of fun (たくさんの楽しみ)だった」、つまり「とっても楽しかった」と表現しています。
そして、Give me a call if you want. を直訳すると、「僕に電話して、もし君が望むなら」になるでしょう。
不採用と知って、とても人と話せる気持ちにはなれない、ということも見越して、「もし良かったら、もし僕と話したいなら、電話くれていいよ」みたいに、if you want を最後に付けることで、強制ではなく、電話のするしないを相手の選択にゆだねた形になっているわけですね。

留守電のメッセージを再生しているので、チャーリーが最後の枠をゲットした、ということは、フレンズたちにも聞こえています。
その残念なニュースを聞いて、妻のモニカは、Oh Gosh, I am so sorry, honey. と言い、他のフレンズたちも、sorry という言葉を次々と言っていますね。
先ほどのチャーリーの sorry の場合は、「僕が枠を奪ってしまってすまない」という謝罪の気持ちの可能性があると述べましたが、今回のフレンズたちの sorry は、「謝罪ではない同情・共感」であることは明らかですね。
こちらは、残念なニュースがあった人に対して「残念だったね」と声を掛ける感覚になります。


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posted by Rach at 12:57| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月24日

節操を持つような余裕はない フレンズ9-18その3

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チャンドラーがインターンとして働いている会社が、インターンのうち3名をアシスタントとして採用することになり、チャンドラーはずっと、その結果の電話が来るのを待っています。
ここまでの時点で、3名のうち2人の枠が埋まり、残り1枠あるのですが、「ボスの息子のチャーリーで決まりだろうな」とチャンドラーもほぼあきらめかけている状態。
また、今回のエピソードでは、「それぞれ50ドルずつ出し合ってくじを買って、どれかが当たればそれをみんなで山分けする」という話がメインプロットとなっており、最初参加を渋っていたロスも結局くじに参加することになるのですが、そんな時、モニカが自分たち夫婦の分として、こっそり20枚を余分に購入していたことが判明。
その件でモメているシーン。
ジョーイ: Hey, I was with you the whole time we were in Connecticut. When did you even get those? (なぁ、コネティカットにいた時、ずっと俺はモニカと一緒にいたのに。そんなのいつ買えたわけ?)
モニカ: When you were reading the dirty magazines without taking off the plastic! (あなたがエッチな雑誌をビニールを取らずに読んでた時よ!)
ジョーイ: (to Ross) I'll show you how. ([ロスに] やり方、(後で)見せてやるよ。)
レイチェル: Okay. Well, Monica, suppose one of your "special" tickets wins? How are you gonna feel when you win the lottery and you lose all your friends? (いいわ、モニカ、あなたの”特別な”券が当たったと考えてみて。あなたはどんな気持ちになるかしら、くじに当たって、友達全員をなくす時に。)
モニカ: Please. If I win the lottery, you guys are not gonna leave me. Someone gave me a basket of mini-muffins last week, and I couldn't get rid of you for 3 days! (やめてよ。もし私がくじに当たったら、あなたたちは私から離れて行かないわ。先週、ある人が私にミニマフィンひとカゴ(カゴに入ったマフィン)をくれた時、3日間、あなたたちを追い払うことができなかったんだから!)
レイチェル: Chandler, would you just tell her what she did was wrong? (チャンドラー、モニカがしたことは悪いことだって、ただモニカに言ってくれない?)
チャンドラー: (to Mon) She's right. You shouldn't have bought tickets just for us.... ([モニカに] レイチェルは正しい。君は俺たちだけのために[俺たち専用に]券を買うべきじゃなかったのに…)
モニカ: Ahhh! (shocked) (あー! [ショックを受ける])
チャンドラー: Let me finish. (to everyone else) However, it doesn't look like I'm gonna get this job so I can't afford to have principles. So screw you! The tickets are ours!! (takes tickets from Rachel) (最後まで言わせて。[他のみんなに] しかしながら、俺はこの仕事[採用の連絡待ちをしている仕事]をゲットできる様子がない。だから俺は節操(理念)を持つような余裕はないんだ。だから、お前らのことなんか知ったことか! その券は俺たちのものだ! [レイチェルから券を取る])
モニカ: There's the man I married!! ((さすが)私が結婚した男ね!)
レイチェル: All right. Believe me. If you win the lottery, it's the last you're gonna hear from us! (いいわ。ほんとよ。もしあなたがくじに当たったら、それが、私たちがあなたに連絡する最後になるわよ!)
モニカ: Fine! Don't be my friends! I'll buy new friends! Yeah, and then I'll pay for their plastic surgery so they look just like you! (いいわ! 私の友達でいなくていい! 新しい友達を買うもの! そうよ、その後、その人たちがあなたたちそっくり(の見かけ)になるように、その人たちの整形手術のお金を払うわ!)

ジョーイがコネティカットにくじを買いに行く際、モニカもポルシェの運転手として同行していました。
ですからジョーイは、「俺とモニカは、コネティカットでずーっと一緒にいたのに、いつ、自分たちだけの余分なくじを買うことができたわけ?」と尋ねているのですね。
それに対するモニカの返事が面白いです。
When you were reading the dirty magazines without taking off the plastic! は、「あなたがエッチな雑誌を読んでいる時、そのプラスチックを take off することなしに」というところですね。
take off は、take 「取る」+ off 「分離」なので、「取り外す」という感覚。
plastic は「プラスチック」ですが、この場合は日本語の「ビニール」のことですね。
日本語の「ビニール袋」は、英語では、a plastic bag になります。

このセリフから、ジョーイは、「ビニールで包まれたエッチな雑誌を、ビニールを取らずに読んでいた」ということがわかるわけですね。
その昔、「ビニ本」などという言葉もありましたが(今はもう死語でしょうか?)、英語においても、「ビニールに包まれたエッチな雑誌」というイメージはあるようですね。
本来、立ち読み防止のためにそういうビニールで包んであるのでしょうが、そのビニールがついた状態で読んでいた、ということなので、普通の立ち読みより難易度が高そうですし(笑)、ジョーイがそういうことに気を取られている間に、こっそり自分たちの分を買ったのよ、とモニカは言っていることになります。
くじを買うにはある程度の時間が必要なので、「ジョーイが胸の大きな女性に見とれている間に」くらいの時間では、なかなか購入は難しいですよね。
「ビニールがついた状態で雑誌を読んでた」ということだと、何とかして中身を見ようとジョーイが格闘しているさまも想像できますし、面白いセリフだなと思いました。

その後のジョーイのセリフもまた、面白いですね。
隣にいるロスに、I'll show you how. と言っているのですが、how は、how to read the dirty magazines without taking off the plastic ということですね。
「どうやってそれをするか(ビニールを取らずに雑誌を読むか)を、(後で)お前に(見せる形で)教えてやるよ」と言っていることになります。

次のレイチェルの、suppose one of your "special" tickets wins? は、「あなたの”特別な”(自分たちだけのために買った)くじの券(チケット)の一つが当たるのを想像してみて」ということ。
その後、「あなたはどんな風に感じることになるかしら、あなたがくじに当たって、友達全員をなくす時に」と言っています。
みんなで買おうと約束したのに、自分たちの分を余計に買って、それが当たったりしたら、あなた(ここにいる)友達全員なくすわよ、という脅しのようなセリフですね。

モニカは、「やめてよ(よしてよ)。もし私がくじに当たれば、あなたたちは私を leave しない」と言っています。
leave someone は「人から去る、人を見捨てる、人を置いていく」というニュアンスなので、「レイチェルは私が友達をなくす、って言うけど、私がくじに当たったら、あなたたちが私から離れるわけがない」と言っていることになります。
続いて、ある例として、「ミニマフィンのバスケット1つ、ひとかごのミニマフィン」を、先週、誰かが私にくれた時、私は3日間も、あなたたちを get rid of できなかった、と言っています。
get rid of は「(望ましくないものを)取り除く、追い払う」というニュアンス。
マフィンを1かご分、もらった時でさえ、私のところに入り浸ってたくせに、くじが当たったら、私と友達やめるわけない、と言いたいわけですね。

モニカに言っても話にならないと思ったらしいレイチェルは、夫チャンドラーに、「モニカがしたことは悪いことだと、夫のあなたからモニカに言ってやってよ」と言います。
すると、チャンドラーが「彼女(レイチェル)(の言っていること)は正しい。ただ自分たちだけのために、くじの券を買うべきじゃなかった(のに)…」とモニカに言うので、モニカは、「夫のあなたが私の敵になるのー?」という抗議の顔で、あー! と声を出すのですが、チャンドラーは、Let me finish. 「俺に最後まで終えさせて」→「俺の話を最後まで言わせて(まだ話は終わってない)」と言い、他の人に向かって、However 以下のセリフを言います。

it doesn't look like I'm gonna get this job so I can't afford to have principles. の前半は、「俺はこの仕事をゲットできるようには見えない(思えない)」、後半は、「だから俺は princeples を持つ余裕がない」になりますね。

principle は「原理、原則」または「主義、理念」という意味で使われますが、今回の場合は「節操」という訳語がふさわしいように思います。
研究社 新英和中辞典では、
principle=【U】 [しばしば複数形で] (正悪の基準となる)道義、節操、徳義
a person of principle 節操のある人
He has no principles. 彼は節操がない


LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
principle : a moral rule or set of ideas about right and wrong, which influences you to behave in a particular way
例) He'll do anything for money. The man has no principles.

つまり、「善悪についての道徳ルール、または、まとまった考え、それは人がある方法で行動するように促す」。例文は、「彼は金のためなら何でもする。あの男は節操がない」。

このロングマンの例文は、まさに今のチャンドラー夫妻の行動を語っているようですがw、「金のためなら何でもする」的な節操のなさを語るのに、principles という単語が使われることがよくわかる例ですね。

screw you! は人をののしる言葉。
Macmillan Dictionary では、
screw you/her/him etc [phrase, offensive] : used for expressing your anger
つまり、「(侮辱的) 自分の怒りを表現するために使われる」。

相手に対して怒っている時に使う表現なので、場面によっていろいろな訳が可能でしょうが、今回ならば、「お前らのことなんか知ったことか! お前らなんかどうにでもなれ!」的な訳になるのかな、と思います。

開き直ったようなチャンドラーは、「その券は俺たちのものだ!」と言って、レイチェルの手から券を奪い返しています。
There's the man I married!! を直訳すると、「そこに、私が結婚した男がいる!」「そこにいるのは、私が結婚した男!」というところでしょうか。
「よくぞ言ったわ、それでこそ私が夫として選んだ男よ」という感覚でしょうね。
「やった!」という感じで、お互いの手をパチッと叩き合う二人を見て、レイチェルは、If you win the lottery... 以下のセリフを言っていますが、「もしあなたがくじに当たれば、それが、あなたが hear from us することになる最後である」ということですね。
hear from 人は、「(人)から連絡・通信・便りがある」という意味。
「私たちから連絡があることの最後である」ということですから、くじに当たった後は、もう私たちからはあなたに連絡しない、あなたとは縁を切るわ、絶交よ、と言っていることになります。

Don't be my friends. は、「私の友達でいないで」→「私の友達をやめて」というニュアンス。
友達をやめてもらって結構よ、だって私は(くじで当たったお金で)新しい友達を買うから! ということですね。
その後のセリフ、I'll pay for their plastic surgery so they look just like you! について。
前から順番にイメージすると、「私は彼らの整形手術にお金を払う、そうすれば彼らはちょうどあなたたちのような見かけになる」というところですね。
日本語っぽく訳すと、「新しい友達にあなたたちそっくりになるように整形手術をさせて、そのお金は私が払うわ」と言っていることになります。
「あなたたちがいなくなっても代わりはいるもの」的な発言をしているのですが、わざわざ同じ顔に整形させるとか言っているのが面白いですね。
まだくじに当たってもいないのに、「お金さえあれば、あなたたちのそっくり人間だって作れるんだから」という、先走ったような勝ち誇り感と、「そばにいる友達は、やっぱりこのフレンズたちの顔であって欲しいと思っている」ような、憎まれ口を叩きながらも、長年友達である人への愛着みたいなものが出てしまっている点が、何だか面白いなと思いました。


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posted by Rach at 13:13| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月21日

ランプをこすると精霊が出てくる フレンズ9-18その2

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ロス以外のフレンズたちは、50ドルずつ出し合って、くじを買い、当たったら山分けすると決めています。
モニカは職場から、ウィッシュボーンを持って帰ってきていました。
ウィッシュボーンは(前回の記事で説明しましたが)、トリの胸の骨を引っ張り合って、長い方を取った人の願いが叶う、というもの。
誰かやりたい人? と尋ね、フィービーが最初に名乗りを上げました。その続きのシーン。
モニカ: All right. Rach? (いいわ。レイチェル?)
レイチェル: Oh no, I'm good. I don't wanna get that turkey smell all over my hands. (あぁ、いいわ。私は大丈夫よ。そのターキーのにおいを、手じゅうに(手のあちこち)に付けたくないの。)
ジョーイ: I'll do it!! It'll get the casserole stink off of mine. (俺がやる! それで、俺の手からキャセロールの(いやな)においが取れるから。)
(Phoebe and Joey both grab one side of the wishbone)
フィービーとジョーイの二人は、ウィッシュボーンの片方を握る。
フィービー: I hope I win! (勝ちますように!)
モニカ: Well, it doesn't really matter. You're both wishing for the same thing, right? (うーんと、そんなの[どっちが勝つかは]あまり問題じゃないわ。二人とも同じことを願ってるでしょ?)
ジョーイ: I can't tell you what I'm wishing for, or else, you know, it won't come true! (俺が何を願ってるかは君には言えないな。さもないと[言っちゃうと]、願いが叶わないよ!)
モニカ: Right! But we "know" what you're wishing for! (そうね! でも、あなたが何を願っているか、私たちにはわかってるわよ。)
ジョーイ: I can't really say! (俺には言えないの!)
モニカ: I understand. But you're wishing for what we think you're wishing for, aren't you? (わかってるわ。でも、あなたが願うと私たちが思ってることをあなたは願ってるわよね?)
ジョーイ: (slightly irritated) I'm not really comfortable with these questions! ([かすかにイラついて] こういう質問って、あんまり好きじゃないんだけど!)
レイチェル、チャンドラー、モニカ: Please, just do it! (お願い、つべこべ言わずに(ただ)やって!)
フィービー: Okay. One, two, three! (オッケー。1、2,3!)
(they break the wishbone)
二人はウィッシュボーンを折る。
ジョーイ: I won! Hey! (勝った! よし!)
ロス: You know what? I'm sure your wish is gonna come true. But, you guys, just in case, maybe a genie will come out if we rub this lamp! (rubs lamp, stops because it's very hot) Ah!! That thing gets hot!! (ねぇ? ジョーイの願いは叶うって思うよ[確信するよ]。でも、みんな、念のために、多分、精霊が出てくるよ、もしこのランプをこすったら! [ランプをこするが、それをやめる、なぜならランプがとても熱いから] あー! あれ(あのランプ)、熱くなってる!!)

モニカは、レイチェルにウィッシュボーンをするか尋ねるのですが、レイチェルは断っています。
その理由として、I don't wanna get that turkey smell all over my hands. と説明しています。
直訳すると、「そのターキーのにおいを、私の手じゅうに付けたくない」ということですね。
骨を握ることになるので、手のあちこちにターキーのにおいが付いちゃうから、それはいやだ、ということです。
それを聞いたジョーイは、I'll do it!! 「俺がやる!」と名乗りを上げます。
その後、レイチェルと同じように理由を述べていますね。
It'll get the casserole stink off of mine. の mine は、その前のレイチェルの my hands を受けてのもので、ジョーイが自分の手(my hands)のことを mine と言っていることになります。
get the casserole stink off of は、「〜からキャセロール(蒸し焼き鍋料理)の悪臭(いやなにおい)を取る(get off する)」ということですね。

レイチェルは「手にターキーのにおいが付くから嫌」と言っていて、ジョーイは「ターキーのにおいでキャセロールのにおいが消えるからやる」と言っている、その対比の面白さとなるでしょう。

ウィッシュボーンは、フィービーとジョーイがすることに決まったので、二人は二つに分かれた骨をそれぞれ持ちます。
「長い方を取った人の願いが叶う」というものですから、フィービーは、I hope I win! 「勝ちますように!」と願いをかけています。
それを聞いたモニカは、it doesn't really matter. と言っていますね。
「それは、それほど(あまり)重要ではない、問題ではない」ということで、その理由が、次の You're both wishing for the same thing, right? で述べられています。
「あなたたちは両方とも(二人とも)、同じことを望んでいる(願っている)んでしょ?」ということで、モニカの考えでは、「二人ともくじを買っていて、誰かが当たれば山分けなんだから、どちらも”くじが当たりますように!”と同じことを願っているはず。だから、どっちが勝とうが、”くじが当たる”ことになるんだから、どちらが勝っても構わないでしょ?」ということですね。

それを聞いたジョーイは、「俺が何を願っているかは、君には言えないな」と言っています。
or else は「さもないと」なので、つまりは、「もし願いを君に話してしまったら、その願いが実現しない・叶わない」と言っていることになります。

モニカの Right! は「その通りよ!」ということで、「願いを人に話してしまったら、願いが叶わなくなる、っていうのは確かにその通り」と認めているわけですが、その後、、But we "know" what you're wishing for! と言っています。
訳すと、「でも私たちは、あなたが何を願っているかを”知っている”」ということですね。
「言ったら叶わないから、言わない!」と頑張っているジョーイに、「この状況での願い事と言ったら、”くじが当たりますように”しかないんだから、ジョーイが言わなくたってわかるわよ。みんなわかってるんだから、言わないって頑張っても無駄よ」と言いたいわけですね。

I can't really say! は、really の前に否定語 not が来ているので、not really 「それほど〜でもない、あまり〜ない」という部分否定になります。
「願いごとは人にほいほい言うもんじゃない」みたいに言った感覚になるでしょう。
ジョーイも頑固ですが、モニカもさらに頑固で(笑)、モニカが想像している通りのことをジョーイが願っていると考えて、さらっと流せばいいものを、白黒はっきりつけたいタイプだからでしょうか、また念押しのような確認で、But you're wishing for what we think you're wishing for, aren't you? と付加疑問の形で問うています。
you're wishing for というフレーズが2回登場していますが、この文の構造をシンプルな形にすると、you're wishing for A, aren't you? 「あなたは A を願っている、わよね?」になります。
何を願っているか、という内容が、what we think you're wishing for で、「あなたが願っていると私たちが思っている(考えている)こと」になります。
つまり、「私たちが「ジョーイはきっとこれを願ってるはず」と思っているその内容を、ジョーイも思ってるわよね? 私たちの想像通りのことを願ってるはずよね?」と言っていることになります。

そのモニカのしつこい問いに対して、ト書きの通り、ちょっとイライラした様子のジョーイは、「俺は、こういう質問に対して、あまり comfortable じゃないんだけど!」のように怒っています。
not really comfortable 「あまり快適じゃない、あまり心地よくない」というのは、そういう質問をされるのは嫌だ、ということですね。

モニカはジョーイの願いが想像通りかどうかを尋ねようとする、ジョーイは「言ったら願いが叶わなくなる」と言って内容を言おうとしない、そんなやりとりがずっと続くのにうんざりした他のフレンズたちは、Please, just do it! 「頼むから(お願いだから)、(つべこべ言わずに・さっさと)(ただ)ウィッシュボーンをやって!」と言います。

いちにのさんで、二人が力を込め、パキッと音がして、ウィッシュボーンが折れます。
長い方(曲がった部分が残った方)を取ったのはジョーイで、I won! と喜んでいます。
それを見ていたロスは、「ジョーイの願いが叶うって、僕は確信するよ」と言った後、But, you guys, just in case, maybe a genie will come out if we rub this lamp! と言っています。
just in case は、「万一に備えて、念のため」。

genie は「精霊」ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
genie [noun, countable] : a magical spirit, especially in Arabian stories, that will do what you want when you call it
つまり、「魔法の精霊、特にアラビアの物語の中の、それを呼ぶ[呼び出す]と、自分が望むことをしてくれる」。

ディズニーアニメ「アラジン」にも、ジーニー(Genie)という名前の精霊が出てきていましたよね(私はその映画は見ていないのですが、、)。
ジニーと言えば、「かわいい魔女ジニー」という作品(アメリカのシットコム)もありましたが、こちらは原題が、I Dream of Jeannie で、主人公のジニーの綴りは、Jeannie ということになります。
英語版ウィキペディア: I Dream of Jeannie 内では、Jeannie (a homophone of genie) という説明がありました。
「Jeannie は、genie の同音語」ということですから、ジニー(Jeannie)という名前は、精霊を意味する単語 genie のイメージから来ているのは間違いないようです。
かわいい魔女ジニーは、壺(a bottle)から出てきますが、アラジンのジーニーは、「ランプをこすると精霊が出てくる」という「ランプの精」ですよね。
その「魔法のランプ」(a magical oil lamp)は、「金色のやかんの注ぎ口を長くしたような形」をしていますが(身も蓋もない言い方ですみません)、ちょうどロスの目の前のテーブルの上に、a table lamp 「テーブルランプ、電気スタンド」があったので、どちらも同じ lamp だと言うことで、そんなセリフを言ったことになるでしょう。

前回の記事で、「霊媒師やウィッシュボーン」の話をするフレンズたちを、あきれた様子でからかっていたロスですが、今回もその流れで、ウィッシュボーンでジョーイが勝ち、喜んでいるみんなに対して、「今のウィッシュボーンの結果から、きっとジョーイの願いが叶うだろうって思うけど、万一それが叶わなかった時のために、他のお願いもしといた方がいいんじゃない?」と言って、ランプをこすって精霊を出すようなイメージで、テーブルの上のランプの胴体部分をこすってみせたわけですね。
「ウィッシュボーンでジョーイの願いが叶うことは保証されたみたいだけど、念のため(just in case)」みたいな前振りをわざわざ付けているところに、ロスっぽさが出ている気がしますが、胴体部分を触ったら、それが熱くなっていたようで、慌てて手を放し、「あれ(that thing)、熱くなってる!」と叫ぶことになります。
迷信的なことをバカにしてからかおうとして、逆にバチが当たった感じですね^^


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posted by Rach at 16:53| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月19日

ウィッシュボーンをするベジタリアン フレンズ9-18その1

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シーズン9 第18話
The One With The Lottery (マネー! マネー!! マネー!!!)
原題は「くじの話」


くじ(宝くじ)の賞金が3億ドルまで上がっているというニュースを聞いたジョーイは、そのくじがニューヨークでは買えないため、モニカのポルシェに乗って、コネティカットまで買いに行こうとしています。
その話を聞いて、他のフレンズたちも「自分も買いたい」と言い出し、「当たる確率を考えたら買う気にはなれない」というロス以外、みんなで50ドルずつ出し合って、当たったら山分けすることに決めました。
くじを買った後も、その話で盛り上がっているところ。
(Phoebe enters)
フィービーが入ってくる。
フィービー: (excited) Hey, you guys! Ok, you're not gonna believe this! I just saw my psychic and she said I was definitely gonna win the lottery tonight! ([興奮して] ねぇ、みんな! いいわ、みんな、この話、信じられないわよ! ちょうど、私の霊媒師(霊能者)に会ってきたところなの。それで彼女が言ったのよ、私は今夜きっと、くじに当たるって!)
モニカ: Hey, that reminds me, I thought we could use some extra luck so I brought a wishbone home from work. (ねぇ、それで思い出したんだけど、私、余分な幸運があったらありがたいと思って、仕事場から家に、ウィッシュボーンを持って帰って来たの。)
ロス: (mockingly) A psychic AND a wishbone? Guys, give someone else a chance! ([からかうように] 霊媒師、それにウィッシュボーンだって? みんな、他の人にもチャンスをあげてよ!)
モニカ: Alright, who wants to do it? (いいわ、誰がそれをしたい?)
フィービー: Oh, can I? Vegetarians never get to do the wishbone. It's really not fair either! You know, just because we don't eat the meat doesn't mean we don't like to play with the carcasses! (あぁ、私がやってもいい? ベジタリアンは絶対にウィッシュボーンをすることにはならないから。それってほんとにフェアーでもないわよね! ほら、ただ私たちが肉を食べないからって、動物の死骸で遊ぶのが好きじゃないってことにはならないもの。)

フィービーは嬉しそうに入ってきて、you're not gonna believe this! と言っています。
直訳すると、「あなた(たち)は、これを信じないだろう」というところですが、これは、みんなが「そんなの信じられない!」と言うような、びっくりするようなことを今から言うわよ、という前振りですね。
psychic は、「超能力者」または「霊能者、霊媒(師)」という意味。
フィービーは、スピリチュアルなことに興味がある人なので、占いなどを見てもらう、決まった霊媒師がいるのでしょう。
それで、「私の霊媒師に会ってきたところなんだけど、彼女が言うには、私たち、今夜くじが当たるんだって!」と、「くじが当たると予言されたこと」を喜んでいるわけですね。
lottery は、今回のエピソードのメインテーマとなっている、「くじ、宝くじ」のこと。

that reminds me は、「そのこと(今のフィービーの発言)が私に…を思い出させる」ということですから、自然な日本語にすると、「それで(今ので)思い出したんだけど…」という感覚になります。
coud use は「〜があるとありがたい・嬉しい」というニュアンス。
extra は「余分の、臨時の」ですから、we could use... のセリフは、「(今あるのに加えて)余分の幸運があるとありがたい」というようなことになるでしょう。
「さらに運を良くしようと思って」みたいなことですね。

so I brought a wishbone home from work. は、「だから私は職場から家に、ウィッシュボーンを持ち帰った」。
そう言ってモニカは、V字形の骨をみんなに見せています。

wishbone については、以下の研究社 新英和中辞典の説明がわかりやすいと思います。
wishbone=【名】【C】 (鳥の胸の)叉骨(さこつ) (解説:食事の際、皿に残ったこの骨を二人で引き合って長いほうを取ると願い事がかなうという)

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
wishbone [noun, countable] : the breast bone from a cooked chicken or other bird, which two people pull apart to decide whose wish will come true.
つまり、「調理されたチキンや他のトリの胸の骨、二人の人間がそれを引き離す、どちらの願いが叶うかを決めるために」。

フィービーの霊媒師の話、モニカのウィッシュボーンの話を聞いた後、ロスは「霊媒師とウィッシュボーン(だって)?」と、からかうような感じで、大袈裟な表情と口調で言っています。
Guys, give someone else a chance! は、「君たち、他の誰かにもチャンスをあげなよ!」ということで、言葉の意味としては、「君たちはラッキーにラッキーが重なって無敵になってるね。君らにくじが当たっちゃって、他の人にはチャンスがなくなっちゃうね」と言っていることになります。
ロスの表情と口調からわかるように、それは大いなる皮肉で、科学者であることをいつも誇りにしているロスは、「占い師の意見とか、ウィッシュボーンのおまじないとか、そんな非科学的なこと、迷信的なことを君らは信じてるわけ?」と言いたいわけですね。

ロスはあきれた顔をしていますが、モニカはそれに構うことなく「誰か、ウィッシュボーンをしたい人いる?」と尋ねています。
フィービーは「私、やってもいい?」と言った後、Vegetarians never get to do the wishbone. とも言っています。
直訳すると、「ベジタリアン(菜食主義者)は、ウィッシュボーンをすることには決してならない」というところですね。
never do the wishbone なら「決してウィッシュボーンをしない」になりますが、ここでは get to が入っているので、「決してウィッシュボーンをすることにならない」というニュアンスになります。

上の語義説明にあったように、wishbone は、「食事の際、皿に残った骨」「調理されたトリの骨」ですから、鶏肉を食べないベジタリアンは、そういう骨が手元に残ることもないわけですね。
だから、ウィッシュボーンをする状況にならない、という意味で、get to を使っていることになるでしょう。

It's really not fair either! は、not の前に really がきて、否定を強調しているので、「それ(ベジタリアンがウィッシュボーンをすることにならないこと)も、全くフェアーではない」という意味になります。
「それってフェアじゃないわよね」と言っている理由を、その後説明していますが、その後の長い文章の基本構造は、just because A doesn't mean B. となり、「ただ A だからという理由が、B を意味しない」→「ただ A だからって、B ってことにはならない」と言っていることになります。
そのセリフ全体の意味は、「私たち(ベジタリアン)が肉を食べないからって、私たちが動物の死骸で遊ぶことが好きじゃない、ってことにはならない」ということですね。

carcass は「(獣の)死体」という意味で、これまでのフレンズでも、フレンズ1-7その2フレンズ5-6その3フレンズ7-17その2 に出てきました。
特に、フレンズ5-6 では、フィービーがミンクの毛皮のことを、"cutting edge hairy carcass from, y'know, the steel traps of wintry Russia" 「冬のロシアの鋼鉄製の罠からやって来た[取って来た]、流行の最先端の毛深い死骸」と表現していました。
フィービーは「(主に)動物愛護の精神から、ベジタリアンになっている」タイプの人で、フレンズ5-6 のセリフでは、その部分がよく出ていたと思うのですが、それが今回では「ベジタリアンだからって、骨(動物の死骸)で遊ぶのが嫌いなわけじゃない」という動物愛護者らしからぬ発言をしていることになります。
笑いを取るために、キャラの主義主張に一貫性がなくなってしまっている例とも言えますが、そういう部分もおおらかに受け止めて(笑)素直に笑うのが、コメディの正しい楽しみ方、と言えるのかもしれません^^


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posted by Rach at 16:35| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月17日

ばかげた問題は一度に一つにして フレンズ9-17その6

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大学の卒業生(同窓生)サイトができて、ロスは自分の近況を書き込んでいたのですが、チャンドラーがいたずらでロスの代わりに「僕(ロス)は恐竜のクローンを作って、そのメス恐竜とエッチしてる」などと嘘の書き込みをします。
怒ったロスが仕返しのために、チャンドラーの近況として、as gay as the day is long 「徹底的に(とことん)ゲイ(である)」と書いたため(この英語表現については、後で解説します)、チャンドラーはその仕返しに、「ロスが若くして死んだ」という書き込みまでしてしまいました。
後日、ロスは、「お前がいたずらで書きこんだ”ロスは死んだ”という書き込みについては誰からも反応がなかったから、お前のいたずらは失敗だね」と言っていたのですが、次第に、「誰からも反応がないってことは、僕が死んでも誰も気に留めないの?」と不安になってしまいます。
「サイトにお悔やみを書いたりするやつはいないだろう。お葬式か追悼式(a funeral or a memorial service)があれば、大勢の人が来るだろうけど」と励ましたチャンドラーの言葉を受けて、ロスは「自分の追悼式を行う」と言い出します。
その後、実際に、チャンドラーとモニカの家で、ロスの追悼式のセッティングがされ、そこにトム・ゴードンという同級生がやってきます。
ロスがまず奥の部屋に隠れ、その後、コートを預かると言ってチャンドラーもロスのいる部屋に入り、二人でトムの様子をうかがっているところ。
モニカ: So did you know Ross well? (それで、ロスのことはよく知ってたの?)
トム: Oh, actually, I barely knew him. Yeah, I came because I heard Chandler's news. D'you know if he's seeing anyone? (あぁ、実は、彼のことはかろうじて知ってる程度だったんだよ。あぁ、僕が来たのは、チャンドラーのニュースを聞いたからでね。彼が誰かと付き合ってるかどうか、君は知ってる?)
モニカ: (a bit surprised) Yes, he is. Me. ([少し驚いて] えぇ、彼は付き合ってるわ。私よ。)
トム: What? You... You mean--? Oh! Can I ask you a personal question? Ho-how do you shave your beard so close? (何だって? 君… つまり…? おぉ! 君に個人的に質問をしていいかな? 君はどうやってそんなに短く(きれいに)ヒゲを剃るの?)
チャンドラー: (entering, very upset) Okay, Tommy! That's enough mourning for you! Here we go. Bye-bye. All right. (he shoves him out the door) ([部屋に入ってきて、非常に怒った様子で] オッケー、トミー! 君にとっての追悼(悼む)のはそれでもう十分だ! ほら。バイバイ。よーし。 [チャンドラーはトムをドアから押し出す)
トム: (before leaving) Hey, listen. Call me. ([去る前に] ねぇ、電話してよ。)
チャンドラー: Okay! (shuts the door behind Tom) (オッケー! [トムの後ろでドアを閉める])
ロス: (coming in) I'm dead and no one cares? ([部屋に入ってきて] 僕が死んでるのに、誰も気にしないの?)
モニカ: I look like a man?? (私は男に見えるの?)
チャンドラー: Please, one ridiculous problem at a time! (頼むよ、ばかげた問題は一度に一つにしてくれ!)
ロス: This isn't ridiculous. Look around, no one's here! (これはバカげたことじゃないよ! 周りを見てよ、ここには誰もいない!)
チャンドラー: You gave them one day's notice. Not everyone in our class checks the website everyday. And Monica, it's probably the way you stand! (知らせるのに1日与えただけだろ[告知してからたったの1日しか経ってないだろ]。俺らのクラスのみんなが毎日そのサイトを見てるわけじゃない。それからモニカ、多分(誤解された原因は)君の立ち方だよ。)

まず最初に、このシーンより前のシーンで出てきた表現ですが、ロスがチャンドラーの近況として書き込んだ as gay as the day is long という表現について。
この as the day is long という表現の意味については、以下の Wiktionary に詳しく出ていました。
Wiktionary : as the day is long
as the day is long : (idiomatic, intensifier) Unceasingly; very; thoroughly; to a very high degree.
つまり、「(慣用的、強意語) 絶え間ない、非常に、徹底的に、非常に高い程度・度合まで」。

Wiktionary の [quotations ▼] の部分をクリックすると、実際の使用例がいくつか表示されます。
古くは 1598年のシェークスピアの作品 Much Ado about Nothing (邦題:から騒ぎ)に as merry as the day is long の形で登場しているようです。
そんなに古くからある表現なんだぁ〜と感心しつつ見て行くと、他にも、1872年のマーク・トウェインの旅行記 "Roughing It" (邦題:西部放浪記)にも、as industrious as the day is long という表現が出てくるそうです。
そういう超有名作家の用例が挙げられる中、2003年のところには、何と、今回のフレンズ9-17 のこのセリフが例として挙げられているのにびっくり^^

昔の文豪の作品から、最近のドラマに至るまで、さまざまな用例が挙げられているのがすごいなぁ、と思うのですが、古い作品であれ新しい作品であれ、「実在する作品での実際の使用例」が言葉のニュアンスを理解するのに一番わかりやすいということが、このことからもよくわかると思います。

上の Wiktionary の説明にもあるように、as the day is long = very, thoroughly ということですから、「(チャンドラーは)ゲイである」という表現よりもさらに強調した感じで、「ものすごく、徹底的に、とことん、揺るぎなく」ゲイである、のような表現をロスがいたずらで書きこんだことになるだろうと思います。

それでは、今回のシーンの説明に移ります。
チャンドラーとロスが別室に隠れて様子をうかがっている間、弔問客の応対をモニカ一人で行なっています。
モニカがトムに「ロスのことを良く知ってたの?」と尋ねると、トムは actually, I barely knew him. と答えます。
barely は「かろうじて、わずかに」なので、「ロスのことはかろうじて知っていた(程度である)」ということで、「よく知ってるわけではない」ことを説明していることになります。
ロスのことはほとんど知らないのに、ここに来た理由をその後説明していますが、「僕はチャンドラーのニュースを聞いたからここに来た」ということですね。
チャンドラーのニュースというのは、チャンドラーがゲイであることをカミングアウトした、というニュースのことで、その後、トムが、D'you know if he's seeing anyone? 「彼が誰かと付き合ってるかどうか、君は知ってる?」と聞いたことからも、「もしチャンドラーに付き合ってる人がいないのなら、僕がアプローチしようかな」と思っていることがわかります。
see はこのように、be seeing someone という進行形の形で、「人と付き合っている」という意味になりますね。

モニカは少し驚いたように、「えぇ、彼は付き合ってるわ」と言った後、Me. つまり、(He is seeing) me. 「彼は私と付き合ってるの」と答えます。
その答えを聞いたトムはとても驚いた様子で、モニカの姿を上から下まで見た後、「君に個人的な質問をしていいかな?」と言います。
how do you shave your beard so close? の close は「短く」というニュアンスになります。
研究社 新英和中辞典では、
close 【形】
(1) 〈衣服など〉ぴったり合った
a close coat 体にぴったりの上着
(2) 〈髪・芝生など〉短く刈った
a close haircut 短髪
have a close shave ひげをきれいにそる

という語義が載っています。
close は「近い、接近した」という意味があるので、衣服であれば「体との距離が近い」ということから「体にぴったり合った」という意味になり、芝生や髪の毛であれば、「地面や頭皮に近い」ということで「短く刈った」という意味になるわけですね。
今回のセリフは shave your beard so close という形になっているので、「ひげをそんなに短く剃る」のように、「短く」という副詞として使われていることになります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
close [adverb] : near to the surface of something
例) An electric razor doesn't really shave as close as a blade.

つまり、「何かの表面に近い」。例文は、「電気かみそりは、刃(ブレード)ほどにはそれほど短く剃れない」。

この例文はちょうど、ひげ剃りなどの状況を語っている感じでわかりやすいと思うのですが、電動ひげ剃り(電動シェーバー)は、自分が手で剃るタイプのT字カミソリのブレードほどにはきれいに剃れない、ということですね。
ひげそりのCMなどで、「剃り残しなし!」「深剃り」のような宣伝文句がありますが、そのように「ひげの剃り残しがない(ように見える)状態になるよう、地肌のギリギリの長さにひげを短く剃る」という感覚が、shave your beard so close になるようです。

「君はどうやって(どのようにして)そんなに短く(剃り残しがないようにきれいに)ひげを剃るの?」と言われたことから、トムがモニカを男だと勘違いしていることがわかる、ということですね。
「チャンドラーはゲイだとカミングアウトした。目の前のこの人は、チャンドラーと付き合っているのは自分だと言っている」、つまり、「この人女性に見えたけど、実際は男なんだ!」とトムは考えた、ということです。

男に間違えられたと知ったモニカは、唖然とした顔をしていますが、その会話を別室で聞いていたチャンドラーは、急いで部屋から出てきて、トムを押し出すような形で、帰るのを促しています。
That's enough mourning for you! の mourning は、「哀悼、喪」という意味。
動詞 mourn は「哀悼する、弔う、喪に服する」という意味になります。
「君にとっては、今ので十分な哀悼だ」→「君の哀悼の意は、今ので十分だよ(十分哀悼してくれたから、もうこれ以上は必要ないよ)」と言っていることになります。
そう言って、勢いよく彼をドアの外に押し出すのですが、去り際に、トムに「電話して」と言われたチャンドラーは、嫌そうな気持ちをあらわにした鼻にかかった声で、Okay! と言って、勢いよくドアを閉めることになります。

トムが帰った後、ロスは奥の部屋から出てきて、I'm dead and no one cares? と言っています。
直訳すると、「僕は死んでいる、そして誰も(それを)気にしない?」ということですから、「僕が死んだっていうのに、誰もそのことを気にかけてくれないの?」というところですね。
モニカはモニカで、男に間違われたことに腹を立て、I look like a man?? 「私は男みたいに見えるの?」と言っています。

その次のチャンドラーのセリフが面白いですね。
Please, one ridiculous problem at a time! を直訳すると、「頼むよ(お願いだよ)、一回に1つのバカげた問題」のようになるでしょうか。
つまりは、「頼むから、バカげた問題は、一度に一つにしてくれ」→「一度に、バカげた問題を2つも俺にぶつけないでくれ」ということですね。

ridiculous と表現されたことにロスは怒った様子で、「これはばかげたことじゃない」と言い、「周りを見てよ。ここには誰もいない!」と言っています。
自分が死んだと嘘までついて追悼式を開催しているのに、弔問客が一人も来ないなんて、、とショックを受けているわけですね。

「追悼式なのに誰も来ないなんて」「男と間違えられるなんて」と怒っている二人に対して、チャンドラーは見解を述べています。
You gave them one day's notice. の notice は「通知、告知」ですね。
「ロスは彼ら(同窓生)に1日の告知を与えた」ということですから、つまりは、「お前が追悼式の告知をしてからまだ1日しか経っていない」ということになります。
notice は、give a week's notice は「1週間前に解雇・退職の通知をする」という形でよく使われますね。

Not everyone in our class checks the website everyday. の not everyone は「みんなが〜なわけではない」という部分否定ですから、「俺たちのクラスのみんなが、その(同窓会)ウェブサイトを毎日チェックしているわけではない」になります。
追悼式の通知・告知をしてから一日しか経っていないので、毎日見てない人はその告知を知らないんだから、、ということです。
男に間違えられたモニカに対しては、it's probably the way you stand! 「多分、君の立ち方だ」と言っています。
君の立ち方、立ち姿が、男に間違えられた原因だ、という感覚ですね。
そう言われたモニカは、自分の脚の方に目をやった後、腕組みしていたのをやめ、少し開いていたらしい脚を揃えるように閉じています。
きっとそいつとしゃべってる時に、堂々とした男のような立ち姿をしてたとかだろ、みたいに、夫チャンドラーに指摘されてしまった、ということですね。


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posted by Rach at 16:05| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月14日

最後だとわかってたらやめなかった フレンズ9-17その5

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電話の子機も、携帯電話も取り上げられたフィービーでしたが、マイクに会いたい気持ちが募り、モニカに隠れて、親機のスピーカーフォン(a speakerphone on the base unit)を使って、マイクに電話をかけてしまいます。
マイクがフィービーの家に来てしまった後も、「友達以上の会話」にならないように、間に入って、恋愛話を何とかそらそうと頑張っているモニカ。
[Scene: Phoebe's apartment: Phoebe, Monica and Mike sitting on the couch]
フィービーのアパートメント。フィービー、モニカ、マイクがカウチに座っている。
(Monica is getting up from the couch)
モニカがカウチから立ち上がる。
モニカ: Alright, you two. I'm gonna go to the bathroom. Now I don't want anything going on while I'm gone. Here's a few things you can discuss: Mucus, fungus, and the idea of me and Ross doing it. (いいわ、お二人さん。私は今からお手洗いに行くわ。私が行っている[席を外している]間に、何も起こって欲しくないの。これがあなたたちが話題にできる(2、3個の)事柄よ。粘液、菌類、そして私とロスがヤッてる(エッチしてる)って考え。)
モニカがトイレに行き、フィービーとマイクは二人きりになる。
マイク: I've missed you so much! No, I'm not gonna ask you to get back together because I know we want different things, but.... Just to be with you one more night. (君のことが、ものすごく恋しかったよ! いや、僕は君によりを戻そうとお願いするつもりはないんだ。だって僕たちは違うものを求めてるってわかってるから。でも… ただもう一晩、君と一緒にいたいんだ。)
フィービー: I know, I want that too. But IS that gonna make it too hard? (えぇ、私もそれを望んでるわ。でも、それって(状況を)あまりにも辛く(つらく)することになるんじゃない?)
マイク: It can't be any harder than this. I mean, If I had known the last time I saw you would be the last time, I-- I would have stopped to memorize your face, the way you moved. Everything about you. If I had known the last time I kissed you would be the last time... I never would have stopped. (これよりもっと辛いことなんてありえないよ。この前、君を見たのが(僕らにとっての)最後の時だともし僕にわかっていたのなら、君の顔や、君の動き、君についての全てのことを記憶するために、僕は止まっただろうに。この前、君にキスしたのが、最後の時だとわかっていたなら、僕は決して(キスを)やめなかったのに。)
モニカ: (running back into the room) Kiss him, you fool!! ([部屋に走って戻ってきて] 彼にキスしなさいよ、このおバカ!)
フィービー: What? (何?)
モニカ: Didn't you hear that speech? If you don't kiss him, then I will! (今の話、聞いてなかったの? もしあなたが彼にキスしないなら、私がするわよ!)
フィービー: Oh, I missed you so much! (she kisses Mike) (あぁ、私もあなたがすっごく恋しかった! [フィービーはマイクにキスする])

フィービーとマイクがまた恋愛モードに戻ってしまうのを阻止するため、ずっと二人の間に座っていたモニカでしたが、「トイレに行く」と言って立ち上がります。
Now I don't want anything going on while I'm gone. は、「私が行ってしまっている間[私がいなくなっている間]に、何も起こって欲しくない」ですね。
Here's a few things you can discuss: は、「これが、あなたたちが議論することができる[話題にすることが許される]2、3の事柄である」というところ。
その後、3つの事柄を挙げていますが、mucus は「(分泌する)粘液」、fungus は「菌類、真菌類」を指します。
ねちょねちょするものや菌など、ぞぞぉ〜っとするものを二人にイメージさせることで、いや〜な感じを抱かせ、二人がいちゃいちゃする気持ちを失せさせようという作戦のようです。
最初の2つを聞いただけでげんなりしてしまいますが、日本のお笑いにおなじみの三段落ちと同様に、ここでも3番目に一番キツいネタが用意されているのがポイントとなるでしょう。
その3番目は、最初の2つのように「単語で一語」ではなく、the idea of someone doing... 「人が〜しているという考え・案」という形になっています。
the idea of me and Ross doing it の do it は、恋愛がらみの話では「エッチする」という意味ですね。
お下品に言うと、「ヤる」という感覚ですから、the idea of... は、「私とロスがヤっているという考え」になります。
私と(実の兄の)ロスがエッチしてるところを想像してみたらぞっとして、エッチする気もなくなるでしょ? みたいなことで、自らを犠牲にして(笑)、「ぞっとする想像」の例に自分を登場させたモニカに笑ってしまいますね。

モニカがトイレに立った後、マイクはフィービーに、「君のことが、ものすごく恋しかった!」と言います。
その後、すぐに、「いや、(こんなことを言っているけど)僕はよりを戻したいと君にお願いしようとしてるんじゃない。だって僕たちは違うものを欲してる[求めてる]から」と言っています。
but.... Just to be with you one more night. は、「でも、ただ、君ともう一晩、一緒にいることだけ」。
その前に、we want different things という表現を使っていますので、ここでは、その want のイメージを残した状態で、I just want to be with you... と言っていることになるでしょう。
その次のフィービーのセリフでも、I want that too. と言っていることからも、マイクが want to be with you の意味で言っていることが確認できますね。

But IS that gonna make it too hard? のように、ネットスクリプトでは、IS が大文字で書かれていますが、これは実際の音声でフィービーがその部分を強調して話していることを示しています。
直訳すると、「そのこと(もう一晩、二人が一緒にいること)が状況をあまりに辛く(ハードに)することになる(のでは)?」になるでしょう。
もう一晩一緒にいたい、という気持ちは私も同じだけれど、そうすることでまた別れがより一層辛くなる、この状況がさらに辛くなる気がすると、フィービーは思っていることになります。
It can't be any harder than this. は「これ以上、さらに辛くなることはありえない」ですから、「今のこの状況より、辛くなることなんかないよ。これ以上、辛くなりようがないよ」ということ。

その後、If I had known the last time... というセリフが続いていますが、これは典型的な「仮定法過去完了」ですね。
「過去の事実に反対の仮定」を表し、「もしあの時〜だったのなら、…しただろうに」という意味になります。
If I had known the last time I saw you would be the last time は、「この前君を見た(the last time I saw you)のが、(僕らにとって)最後の時(the last time)だと、もし僕にわかっていたなら[もし僕が知っていたなら]」になりますね。
the last time という言葉が2回登場していますが、前半に出てくる方は、「今に至るまでで、君に会った最後の時」という「直近のこの前」という感覚で、後半に出てくる方は、「君と僕の関係においての最後の時」という感覚になるでしょう。

この last の感覚については、以下の、研究社 新英和中辞典の説明が非常にわかりやすいと思います。

last 【形】[通例 the 〜] (時間・順序が)最後の、終わりの、最終の (⇔first) (類語:last は連続したもののいちばん最後のものを表わすが、その一連の事物の完了・終結を必ずしも示さない)

つまり、前半の the last time は「時間・順序が最後の」(直近の)ということで、後半の the last time は「一連の事物の完了・終結」を指している、ということになりますね。
ですから、そのニュアンスの違いを汲んで訳すと、「この前、君にキスした時が、僕らの関係にとっての最後の時だとわかっていたら」になるように思うわけです。

I would have stopped to memorize your face, the way you moved. Everything about you. を前から順番にイメージしていくと、「僕は…を記憶するために止まっただろうに。君の顔、君の動き方(しぐさ)、君に関する全てを」となります。
他動詞 memorize 「記憶する」の目的語が3つ並んだ感じになりますが、「君の顔、君のしぐさ」と言った後、そういう個々の事柄を一つ一つ挙げていたらきりがないという感じで、「君に関するすべてを」と少し間を置いて、まとめた形になるでしょう。
このセリフでのポイントは、stop to にあるように思います。
動名詞と to不定詞の違いの話で、stop もよく例に出されますが、stop doing は「〜することをやめる、〜するのをやめる」という意味になり、stop to do は「〜するために(立ち)止まる。(立ち)止まって〜する」という意味になります。
このセリフでも、stopped to memorize を、stopped memorizing の意味に勘違いしてしまうと、「君の顔、しぐさを記憶するのを僕はやめただろうに」となってしまい、「これが最後なのに、フィービーのすべてを記憶することを断念すんのかーい!」となってしまいますね^^

歩いている場合は「立ち止まる」になるでしょうが、ここでマイクが言っているのは、「あの時は引っ越しの途中で別れ話になってしまい、流れのままに、なしくずし的に別れてしまったけれど、あの時、ずるずるとした別れになってしまうのではなく、君の全てを記憶するために、その時行動していたことは全てやめて、ちゃんと君と向き合う時間を設けるべきだった、みたいな意味で「あの時、君の全てを記憶するために僕は止まるべきだった」と言っているように私は感じました。

「あれが最後だとわかっていたら、あの時、(立ち)止まって、君の全てを記憶しただろうに」という感動的なセリフを言った後、If I had known the last time I 動詞の過去形 you would be the last time... という同じ形の文章を言っていますね。
先ほどは saw だったところが、今度は kissed になっているので、「この前、君を見たのが、最後だとわかっていたら」が、「この前、君にキスしたのが、最後だとわかっていたら」と言っていることになります。

そして、今回もまた、stop という文章が続いていますが、これは「君を最後に見た時」に出てきた stop のような「〜するために(立ち)止まる」という意味とは異なり、stop doing の方のニュアンスになると思います。
stopped で文章は終わっていますが、つまりは、stopped kissing ということで、I never would have stopped kissing. 「(あれが最後のキスだとわかっていたら)僕はキス(するの)を決してやめなかっただろうに」と言っていることになります。
I saw you と I kissed you の文章は、よく似た構造の文章が2つ続いていますが、saw の方は、I would have stopped to memorize という肯定文、kissed の方は、I never would have stopped という否定文になっています。
両方とも、「あれが最後だとわかっていたら、僕はこうしたのに…」という内容を語っていて、その方向性は同じはずですので、片方が肯定文、もう片方が否定文であれば、stop が異なるニュアンスで使われていることがわかる、ということですね。

「最後だとわかっていたら、〜するために止まったのに」と言った後、「最後だとわかっていたら、〜するのを止めなかった(やめなかった)のに」という「同じ stop という動詞を使った対比」が、マイクのセリフのポイントである、という気がします。
I saw you のセリフの方を解釈しようとした時に、I would have stopped to memorize your face という表現が、「少し ”持って回った” ”回りくどい” 言い方」だという気が何となく私にはしたのですね。
I would have memorized your face 「君の顔を記憶しただろうに」というシンプルな形で良さそうなところを、どうしてわざわざ stopped to memorize のように表現したのかなぁ、と思ったのですが、kissed の方の文章で stopped が出てきたのを見た時に、「これとドラマティックに対比させるために、わざと、stop to do の形にしたわけか!」と私は思ったわけです。
「〜するために止まっただろうに」と言った後で、キスの話については「止めなかっただろうに、やめなかっただろうに」と、また同じ stop という動詞を使って表現することで、「キスをやめなかった、あれが最後のキスなら、僕はずっとずっとキスしてた」と言っている内容が、より情熱的に響くという効果が出るんだろうなぁ、と。
この最後のセリフも、意味としては、I never would have stopped kissing. ということですが、あえて kissing という言葉を言わずに、stopped. で止めているところに、stop という動詞を強調し、2つの stop の対比を劇的にさせる効果があるように思いました。

そんな風に stop という動詞を使うことで、I saw you のセリフ以上に、I kissed you のセリフがよりロマンティックなものとなったため、トイレに行っていたモニカが走って戻ってきて、「彼にキスしなさいよ、(この)おバカ!」みたいに言うことにもなるのですね。

急に出てきたモニカに、フィービーの方が逆に素(す)の顔になっているのも面白いですが、モニカは、あまりのロマンティックなセリフに興奮冷めやらぬ様子で、「今のスピーチ(話)、あなたは聞いてなかったの?」と言い、If you don't kiss him, then I will! と言っています。
「もしあなたがマイクにキスしないのなら、私が(代わりに)キスするわ!」ということで、こんなロマンティックなことを言われてキスしようとしないあなたが信じられない、あなたがしないなら私がしちゃうわよ、とにかくさっさと彼にキスしちゃいなさいよ! と促しているわけですね。
そう言われたフィービーは、やっと、「私もあなたがものすごく恋しかった!」と言って、二人はキスすることになります。

フィービーとマイクがよりを戻すのを何が何でも阻止する! と頑張っていたモニカが、kissed のセリフで、一転、態度を変えることになったわけで、それほどの破壊力のあったマイクのセリフがどれほど情熱的でロマンティックかということを英語で感じられたりすると、いい感じ♪かな、と思います。


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posted by Rach at 13:20| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月12日

物事はそんな風に始まる フレンズ9-17その4

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「マイクと別れたことが正しいとわかっていても、ついマイクに会いたくなってしまうから、そうなりそうになった時には私を止めて」と、モニカはフィービーに頼まれます。
それで、フィービーの見張り役として、モニカはフィービーの家にいます。
[Scene: Phoebe's apartment]
フィービーのアパートメント。
フィービー: God, I wish Mike were here. (あぁ、マイクがここにいてくれたらいいのに!)
モニカ: Okay, if Mike were here, what would the two of you be doing? (いいわ、もしマイクがここにいるとしたら、あなたたち二人は(今頃)何をしているところかしら?)
(Phoebe gives her a meaningful look)
フィービーは意味ありげな視線をモニカに送る。
モニカ: What are you, animals? It's 4 o'clock in the afternoon! (あなたたちって何? 動物(ケダモノ)? 午後4時なのよ!)
フィービー: I gotta call him. Just to talk to him. There's no harm in that. (彼に電話しなくちゃ。ただ話すだけよ。そんなの害ないわよね。)
モニカ: Phoebe, that's how it starts. "I don't need to eat the cake, I'll just smell the icing. Why not just a little sliver?" Or, "Okay, just a slice or two." And next thing you know, you're 210 pounds and you get wedged in going down the tunnel slide! Phoebe, honey, I know this is hard. But look, if you talk to him, then you're gonna wanna see him. And if you see him, you're gonna wanna get back together with him. And I know that's not what you want. (pause) All right, so give me your phone. (フィービー、そんな風に物事は始まるのよ。「ケーキを食べる必要なんかない。ただアイシング(糖衣)の匂いを嗅ぐだけよ。ちょっとひとかけくらいならいいじゃない」 もしくは、「いいわ、1切れか2切れだけ」。それから次に気づいた時には、210パウンド(ポンド)(95キロ)になってて、滑り台のトンネルを降りながら、そこに挟まっちゃうの[つっかえちゃうの]! フィービー、ハニー、これって辛いって私にもわかってるわ。でもね、もしあなたが彼と話したら、その後、あなたは彼に会いたくなる。そして、もし彼に会ったら、彼とよりを戻したくなる。それがあなたの望むことじじゃないって私にはわかるから。[間があって] いいわ、あなたの電話をちょうだい。)
フィービー: Here. (どうぞ[これよ]。)
モニカ: And now your cell. (それから、あなたの携帯も。)
フィービー: Okay. (she takes a huge, clearly obsolete cellphone she keeps in a closet and gives it to Monica) There you go. (いいわ。[フィービーは棚に入れてある、明らかに時代遅れの巨大な携帯電話を取り出し、それをモニカに渡す]
モニカ: This is your cell phone? (これがあなたの携帯電話?)
フィービー: Yes. (そうよ。)
モニカ: This is your current cell phone? (これがあなたの最新の(今使ってる)携帯電話なの?)
フィービー: Yes. It reminds me of a simpler time. (そうよ。よりシンプルだった時代を思い出させてくれるの。)

I wish Mike were here. は、典型的な「仮定法過去」ですね。
私の学生時代には、I wish I were a bird. 「私が鳥だったらいいのに」などの例文で習いましたが、「現在の事実とは反対の仮定」の例として、今回のような「(会うことの叶わない)彼が、今ここにいればいいのに」という例文で覚えた方が、より実感しやすいのではないかな、と私はいつも思っています。
if Mike were here, what would... も同じく仮定法過去ですね。
「今、マイクはここにいないけれど、もしも彼がここにいるとしたら」という「現在の事実とは反対の仮定」をした上で、「もしそうだとしたら、今頃二人は何をしてる(ところ)?」ということを、what would the two of you be doing? という would be doing の形で表現していることになります。

フィービーは、「ほら、わかるでしょ」みたいな視線をモニカに送っていますが、そういう動作は、英語のト書きでは、gives her a meaningful look と表現されています。
まさに直訳通りの、「意味ありげな視線を与える(送る)」ということですね。

今は何してるところ? と聞かれ、「ほら、わかるでしょ、あれよ」みたいな視線を送ったことから、それが「エッチ(行為)」のことだとわかったモニカは、あきれた顔で、What are you, animals? と言っています。
直訳すると、「あなた(たち)って何[何者]? 動物?」ということですが、これはDVDの日本語で訳されていたように「ケダモノ」という訳がふさわしいところですね。
二人きりだったら、まだ明るい午後4時からでもあなたたちはエッチしちゃうわけ? というところでしょう。

フィービーは、「マイクに電話しなくちゃ。ただ話すだけよ」と言っています。
There's no harm in that. は「そのこと(の中)に害はない」ですから、「そういうことしても(彼に電話したって)別に害なんかないわよね」ということですね。
「電話くらい構わないわよね」と言うフィービーに、モニカは、that's how it starts. と言っています。
that's how it starts. は「物事がどのように始まるか、というのがそれである」というところで、「そんな風に(物事は)始まる(のよ)」ということですね。
「これくらいなら問題ないわよね、構わないわよね」というのがきっかけで、どんどんエスカレートしてしまうことを言っていることになります。

その後、モニカはセリフ口調で、「最初はこれだけだったのが、どんな風にエスカレートしていくか」を説明することになるのですが、その例が恋愛の話ではなく、食べ物の話になっているのがモニカらしくて面白いですね。
子供の頃や学生時代、大食漢でものすごく太っていたモニカなので、「我慢しないと最後にはこうなってしまう」という例え話もそれ系のものになってしまうということです。

モニカの例え話の最初は、「そのケーキを食べる必要はないわ。ただアイシングの匂いを嗅ぐだけよ」となっています。
icing は「お菓子にかかっている糖衣」のこと。
sliver は動詞では「〜を細長く切る」という意味で、名詞では「細長い小片」を指します。
ですから、Why not just a little sliver? は「ちょっとだけの細長い小片(ひとかけ)は、どうしてだめなの?」→「ちょっとしたかけらくらいなら(食べても)いいじゃない、構わないじゃない」と言っていることになります。

それがどんどんエスカレートして、「小片」だったのが、今度は a slice or two 「(ケーキの)一切れか、ふた切れ」になっています。
next thing you know は「(人が)知る、次のこと」ということですから、「次に気がつくと、次に気がついた時には」。
1 pound = 0.454 kg なので、210 pounds は、約95kg ですね。
Google 検索ボックスに数値を入力すると、単位変換もしてくれますので(便利!)、それで調べた結果は、
210ポンド = 95.2543977 キログラム
と表示されました。

slide は「滑り台」なので、you get wedged in going down the tunnel slide は、「滑り台のトンネルを降りながら、つっかえる」という意味になります。
wedge は名詞で「くさび」のことで、動詞では「くさびで留める、くさびのように無理に割り込ませる・押し込む」という意味になるため、get wedged in は、「くさびのように挟まってしまう、つっかえてしまう」ということになるのですね。

最初は「匂いを嗅ぐだけだから問題ない」と言っていたのが、最後には95キロの身体になって、滑り台のトンネルにつっかえちゃうまでになる、という、「ちょっとだけ、から始まる恐ろしさ」を、モニカ流に「食欲と肥満」に絡めて語ったことになります。

モニカは、フィービーの気持ちがよくわかる、というように、「これが辛い(つらい)って私にもわかるわ」と理解を示した上で、でももし彼と話したら、と話を続けています。
「彼と話したら、あなたは彼と会いたいと思うようになる。もし彼に会ったら、彼とよりを戻したいと思うようになる」と言い、「それ(マイクとよりを戻すこと)はあなたの望むことじゃないって、私にはわかるから」と言っています。
フィービーも、「彼と別れたことは正しい。彼とよりを戻すべきではない」とわかっているので、そう言われてしまうと、「彼に電話しても別に構わないわよね」とは言えなくなってしまいますね。

電話が近くにあると、電話をかけてしまいそうなフィービーを見かねて、モニカは「あなたの電話を私に渡して」と言っています。
電話の子機を預かったモニカは、「あなたの携帯も(渡して)」と言います。
cell または cell phone は携帯電話のことですね。

「携帯も預かるわ」と言われたフィービーは、立ちあがって、戸棚の下の扉を開け、そこから電話を取り出すのですが、画面に映った電話が、あまりにもデカいので、観客も笑っています。
ト書きにあるように、まさに、a huge, clearly obsolete cellphone 「巨大な、明らかに時代遅れの(旧式の)携帯電話」で、一昔前のトランシーバーみたいな感じです。

モニカは信じられないという顔で、「これがあなたの携帯電話?」と尋ねるのですが、フィービーはしれっとした顔で、「そうよ」と答えます。
モニカは念押しする形で、再度質問しますが、current は「現在の、現行の」ということですから、This is your current cell phone? は「これが、あなたが現在使っている携帯電話?」と言っていることになりますね。
モニカは、「こんな旧式を使ってるわけないと思うけど」と言いたいわけですが、フィービーはここでも頑張って、「そうよ」と肯定し、It reminds me of a simpler time. と言っています。
直訳すると、「それ(その電話)は、私に、よりシンプルな時代を思い出させる」になるでしょう。
それを使っていると、「昔は、今みたいに複雑じゃなくて、何もかもがシンプルだったなぁ〜」と思い出させてくれるのよ、そういう気持ちにさせてくれるから、今だに私はそれを使ってるのよ、と言っていることになります。

フィービーの説明に納得していないながらも、とりあえずその大きな電話を自分のバッグにしまうモニカに笑ってしまうのですが、この後、「フィービーのバッグの中に、今の携帯があるはず」とモニカに察しをつけられ、結局、フィービーが今使っている携帯はモニカに取り上げられてしまうことになります。

「携帯も出して」と言われて、デカすぎる旧式の携帯を出すのはいかにもコメディっぽいところですが、そういう「見るだけで笑える部分」も楽しみつつ、「これってあなたの電話?」、さらには「これってあなたが今使ってる電話?」と追いつめて行くモニカと、そんな旧式の電話を使っている理由をフィービーが英語でどう説明しているかも同時に楽しんでいただければと思います。


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2015年08月10日

天使のように眠ってる、あどけない君 フレンズ9-17その3

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ジョーイは、ペンギンのぬいぐるみのハグジーが、エマのベビーベッドの中にあるのを見て、「どうしてハグジーがエマのベッドにいるの?」と尋ねます。
エマがハグジーを気に入った様子なので、一緒に寝かせてる、と説明するレイチェル。
エマと寝てても構わないと言いながらも、その態度は明らかに「大事なハグジーをエマに取られて怒っている」様子だったジョーイは、その夜…
[Scene: Rachel's room. Rachel and Emma are sleeping; Joey sneaks in and approaches the crib]
レイチェルの部屋(寝室)。レイチェルとエマは眠っている。ジョーイは部屋の中に入ってきて、ベビーベッドに近づく。
ジョーイ: Look at you. All sweet and innocent, sleeping like an angel. With Emma's chubby little hands wrapped around ya. (he picks up Hugsy) It's okay, Emma. You stay asleep. (Emma cries) (君のその姿。ほんとに可愛らしくてあどけなくて、天使のように眠ってる。エマのぽっちゃりした小さな手が君に巻かれた状態でね。[ジョーイはハグジーを取り上げる] オッケー、エマ。そのまま眠ってなよ。[エマが泣く])
レイチェル: (threatening Joey with a scrunchy) Step away from the crib! I have a weapon! ([シュシュでジョーイを脅しながら] ベビーベッドから離れなさい! 私は武器を持ってるのよ!)
ジョーイ: It's okay! It's okay, Rach! It's me. Put down the scrunchie. (大丈夫、大丈夫だよ、レイチェル! 俺だよ。シュシュを下ろしてよ。)
レイチェル: What are you doing? (何やってるの?)
ジョーイ: Well, I heard Emma stirring, so I came in to make sure she could reach Huggsy. (いや、エマが起きている[身動きしている]のが聞こえたんで、それでエマが(確実に)ハグジーに手が届くように[エマの手の届くところにハグジーがいるように]するために、俺は(部屋に)入ってきたんだよ。)
レイチェル: Oh, oh thanks. Alright well, now that I'm up, I'm gonna go to the bathroom. (あぁ、ありがと。いいわ、今、私起きたから、お手洗いに行ってくるわね。)
ジョーイ: (placing Hugsy back in the crib) Okay, there you go, sweetie... (to Emma) This isn't over! ([ハグジーをベビーベッドに戻して] よし、ほら、スウィーティ… [エマに] これで終わりじゃないぞ!)

まずは、ペンギンのぬいぐるみのハグジーについて。
過去記事、紛らわしくないように俺が預かっとく フレンズ8-7その5 では、妊娠中のレイチェルのために、ジョーイがベビーベッドをセッティングしていたのですが、ベッドの中にハグジーが置いてあるのを見て、「(生まれてくる)赤ちゃんにハグジーをくれるの?」とレイチェルが喜んだところ、「これは赤ちゃんの場所を確認するために置いただけで、、」と理由を付けて、ジョーイは強引に取り返していました。
その時のジョーイの様子を見ても、「赤ちゃんにハグジーをあげるなんてとんでもない。誰にもハグジーは渡さないぞ!」という気持ちなのは明らかだったのですが、今回はジョーイが知らない間に、ハグジーがエマのものみたいにされてしまっていたので、口では「エマにあげるよ」みたいに言っておきながらも、ジョーイはイライラが隠せません。

このシーンでは、レイチェルとエマの寝室に入って来た後、心の中の独り言として、Look at you. 以下のセリフを言っています。
まず、Look at you. については、「君を見ろ、自分を見てみろ」ということですが、これは「君の姿を見てみろよ。君のその見た目の姿に注目だね」みたいな感じで、その姿にびっくりした、驚いた、感動した、などの時に使います。
このような、Look at you. は過去のフレンズに何度も登場していますが、以下の フレンズ1-23 のセリフが一番わかりやすいでしょうか。
ロスの元妻キャロルが出産する病院で、イケメンのお医者さんと知り合ったレイチェルが、服まで着替えて戻ってきたので、その姿に驚いた様子のフィービーが、
フィービー: Hey. Ooh, look at you, dressy-dress. (まぁ、あなたのその姿。ドレッシーなドレスねぇ。)
と言っていました。
良い意味なら、「あなたのその姿、とっても素敵ね」という褒め言葉となり、悪い意味なら、「何て格好(かっこう)をしてるんだ」という非難のニュアンスとしても使われるフレーズです。

Macmillan Dictionary にも、このような look at you についての説明が載っていました。
look at you (spoken)
b. used for telling someone that you are surprised or impressed by them
例) Look at you, all dressed up in a suit!

つまり、「(口語) ある人に驚いた、または感銘を受けたことをその人に言うために使われる」。例文は、「あなたのその姿、スーツですっかりドレスアップしちゃって!」

これは、さきほど例に挙げた、dressy-dress のセリフとよく似た感じですね。
マクミランの例文では、"Look at you, all (dressed up)" という形になっていましたが、今回のジョーイのセリフも、"Look at you. All..." となっていて、「君のその姿。すっかり(全く・ほんとに)…で」と、目の前にいる相手の姿に感銘を受けている感覚になります。
「ほんとに可愛くてあどけなくて、天使のように眠ってる」とジョーイは言っていますが、innocent 「無垢な、純真な、あどけない」という形容詞や、「天使のように眠っている」という表現は、可愛らしい赤ちゃんを見た時の決まり文句でもありますので、このセリフを聞いた時には、「あぁ、ジョーイはエマの寝顔を見てそう言ってるんだな」と想像するわけですが、その後の With Emma's... の部分を聞いて、「ジョーイはエマのことを言ってるんじゃなかった」ことがわかるオチになっています。

With Emma's chubby little hands wrapped around ya (=you). を直訳すると、「エマのぽっちゃりした小さな手が、君の回りに wrap された状態で」になるでしょうか。
LAAD の wrap の項目には、以下の形が出ています。
wrap something around somebody/something [phrasal verb]
2. if you wrap your arms, legs, fingers etc. around something, you use them to hold it
例) He wrapped his arms around her waist.

つまり、「人が(自分の)腕、脚、指などを何かの回りに wrap するというのは、それを持つ[支える・抱く]ために、腕などを使うこと」。例文は、「彼は自分の腕で、彼女の腰を包んだ[腰に手を回して彼女を抱いた]」。

通常はこのように、S wrap one's arms/hands around something という形になるわけですが、「腕・手を(もの)の回りに巻く・まとう」の目的語部分の体の部位(今回は hands)を、With (Emma's chubby little) hands という形で始めているので、「(エマのぽっちゃりした小さな)手が、君に wrapped (巻かれた・巻かれている)状態で」のように、過去分詞形で表現されているわけですね。

「エマの手が君に巻かれている」→「エマの手が君を包んでいる」と表現していることで、ここでジョーイが言っている you は、エマの横にいるハグジーを指していることがわかる、というオチです。
寝室に入ってきた時に、「君って、無垢で天使のような寝顔だね」とジョーイが言っていたのは、赤ちゃんのエマのことではなく、ぬいぐるみのハグジーのことだったことがここでわかる、ということですね。

ジョーイは、エマの隣にいたハグジーを取り上げて、エマに、「いいよ、エマ。そのまま眠ってなよ」と言うのですが、気配に気づいたエマが泣き始めます。
エマの泣き声で、エマの母親であるレイチェルは飛び起きて、白く太いゴムのようなものを指にかけて、(ワンピースのウソップが使うような)パチンコのような感じで、ジョーイに狙いを定めています。
ト書きでは、scrunchy と表記されており、Google 画像検索をすれば一発でわかりますが、これは「シュシュ」のことですね。
英英辞典のロングマンやマクミランでは scrunchie と表記されていました。(実際、少し後にセリフの中で登場した時には、DVD英語字幕では、scrunchie と書かれています)
LAAD では、
scrunchie : a circular rubber band that is covered with cloth, used for holding hair in a ponytail
つまり、「布で覆われた丸いゴムの輪、ポニーテールの髪を留めるために使われる」。

シュシュでゴムパッチンみたいにしたところで、布製だし全然痛くなさそうですがw、レイチェルは寝ぼけ眼(まなこ)ながらも「ベビーベッド(crip)から離れなさい! 私は武器を持ってるのよ!」と、子供を守ろうとする母親として頑張っているのが何だか微笑ましいです。

ジョーイが慌てて、「レイチェル、俺だよ! そのシュシュを下ろしてよ!」と言ったので、相手がジョーイだとわかったレイチェルは、「何してるの?」と尋ねます。
エマからハグジーを取り返しに来た、とも言えず、ジョーイは別の理由を言っていますね。
I heard Emma stirring の stir は、他動詞では「(液体などを)かき混ぜる、かき回す」という意味で使われますが、ここでは自動詞で「動く、身動きする、起きる」という意味で使われています。
すやすや眠っていないといけない時間帯なのに、エマが何だかゴソゴソと起きているらしい、何だかむずかっているらしい様子が聞こえた、というところでしょう。
so I came in to make sure she could reach Huggsy. を直訳すると、「だから俺は(この部屋に)入ってきた。エマが(確実に・間違いなく)ハグジーに手が届くようにするために」。
夜中に目が覚めちゃったエマが寂しいと感じないように、エマの手の届くところにハグジーを置いてやろうと思ったんだよ、みたいなことですね。

とっさに考えたにしては、あまり不自然でもない言い訳でしたので、レイチェルもそれを信じ、「ありがとう」と言ってから、「今、ちょうど私も起きてるから(起きちゃったから)、トイレに行ってくるわ」と言って部屋を出て行きます。
レイチェルに目撃されて、エマを取り戻すことができないとわかったジョーイは、部屋から出て行くレイチェルを意識しながら、"Okay, there you go, sweetie..." 「よしよし、ほら、スウィーティ」と、さもエマに語りかけるかのように言いながら、元々あった場所にハグジーを置きます。
その後、レイチェルに聞こえないのをいいことに、エマに対して、This isn't over! 「これで終わりじゃないぞ。これで終わりじゃないからな!」みたいな捨てゼリフを言っていますね。
今回はレイチェルに邪魔されちゃったけど、また必ずハグジーを取り戻しに来るからな! とエマに宣言したような感じで、赤ちゃん相手にそんなことをムキになって言っている、ジョーイの子供っぽさがよく出たシーンだと思いました。


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posted by Rach at 16:42| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする