2015年08月07日

未来がないからって楽しんじゃいけないわけじゃ フレンズ9-17その2

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前回のエピソードで、結婚に対する考え方の違いから、フィービーとマイクは別れることになってしまいました。
マイクと別れたことで、フィービーはものすごく落ち込んでいる様子。
[Scene: Central Perk]
セントラルパーク。
フィービー: Hi. ([暗い声で] はーい。)
モニカ: Hey, Phoebe. How you doin'? You feelin' better? (はーい、フィービー。調子はどう? 気分は良くなってる?)
フィービー: Breaking up sucks! Oh, I really miss Mike! (別れるって最低よ! あぁ、ほんとにマイクが恋しいの。)
チャンドラー: Oh, I'm so sorry. (あぁ、つらいだろうね。)
フィービー: Oh God, I've tried everything to make myself feel better. I even tried writing a song about it... but... I can't think of anything that rhymes with: AARRGGHH!! (pause) Hey, Monica, I'm gonna need your help getting through this. (なんてこと。自分の気持ちがましになるように、あらゆることをしてみたの。そのことについて歌を書いてみようとすらしたわ、でも… これと韻を踏む言葉が何も浮かばないの。「あー!」よ。[間があって] ねぇ、モニカ、これを乗り切るために、あなたの助けが必要になるわ。)
チャンドラー: You're saying you're not gonna need my help? (僕の助けが必要になることはない、って言ってるのかな?)
フィービー: Well, no. When I get to the point where, you know, I'm ready to hear cruel, mocking jokes about Mike, I'm gonna come to you. (そうね、ないわ。マイクについての無慈悲な[キツい]あざけるような[ばかにしたような]ジョークを聞く準備ができているとこまで私が到達したら、あなたのところに行くわね。)
チャンドラー: Oh, good, 'cause I've already thought of 3... 4! I've just thought of a fourth. (he goes towards the counter) (あぁ、それは良かった。だって、俺はもう既に(そういうジョークを)3つ考えたから…(いや)4つだ。ちょうど4番目を思いついた。[チャンドラーはカウンターに向かう])
フィービー: Okay. I mean, I know I did the right thing. You know, Mike never wants to get married and I shouldn't be in a relationship that has no future. But... pretty soon, I'm gonna miss him so much. I'm gonna wanna see him again, and you have to stop me from doing that. (いいわ、ほら、私は正しいことをしたってわかってるのよ。ほら、マイクは決して結婚したいと思わないし、私は未来のない関係にいるべきじゃない。でも… すぐに、私は彼がものすごく恋しくなっちゃうの。もう一度彼に会いたいと思うことになるわ、だから私がそうすることをあなたは止める必要があるの[あなたに止めてほしいの]。)
モニカ: Okay, you got it! (オッケー、まかせて[了解]。)
フィービー: (after a pause) Unless.... Am I being too crazy about this? Alright, so, you know, there's no future. But that doesn't mean we still can't have fun. You know what? Forget what I said. ([間があって] でもこういうことなら話は別だけど… 私はこのことについてクレイジーになりすぎてるの? ほら、未来はないわ。でもそれが、私たちが楽しんじゃいけない、ってことにはならない。ねえ? 私が言ったことは忘れて。)
モニカ: Really? All right, if that's what you want... (ほんとに? いいわ、もしそれがあなたの望みなら…)
フィービー: That was a test, and you just failed. (今のはテストよ、で、あなたはテストに落ちた[失敗した]。)
モニカ: Damn it! Rookie mistake! (しまった! (今のは)初心者のミスよ!)

セントラルパークに入ってきたフィービーは、暗い声で挨拶しています。
その様子を見てモニカは、How you doin'? You feelin' better? と尋ねていますね。
どちらも、文法的に正しく書こうとすると、How are you doing? You're feeling better? になるところでしょうが、進行形を作るために存在する be動詞は、元々強く発音されないため、会話ではこのように省略されてしまうことも多いのですね。
DVD の英語字幕でも、How you doing? You feeling better? のように、be動詞のない形で表記されていますので、「小さく発音されているから聞こえない」というよりも、「元々、言葉として be動詞が発音されていない」ということになるでしょう。

How you doin'? というのは、ジョーイのナンパのセリフ(pick-up line)として、フレンズファンにはおなじみなので、(宣伝にようになって申し訳ないのですが)、拙著「読むだけ なるほど! 英文法」の p.242 でも、How you doin'? に絡める形で、be動詞の省略について説明させていただきました。
今回のシーンでは、モニカが How you doin'? と言っていますが、元々、How you doin'? 自体は、ジョーイ以外も普通に使う言い方であり、ジョーイのナンパのセリフが彼のキャッチフレーズとして有名になっているのは、あの「男の色気を出したような、独特の抑揚がついたあの言い方」を含めてのものだ、ということです。

Breaking up sucks! の suck という動詞は、フレンズによく出てきますが、「最低である」(= be terrible)という意味。
break up は「(恋愛関係にあった人が)別れる」という意味で、恋愛ドラマ頻出表現ですね。
「別れるってことは、もう最低!」みたいに言って、「本当にマイクが恋しいの。マイクがいなくてとっても寂しいの」と言っています。

その後、フィービーは、「気持ちがましになるように、すべてのこと(あらゆること)をした。そのことについて曲を書こうとさえした」と言っています。
I can't think of anything that rhymes with: AARRGGHH!! を直訳すると、「あーっ! と韻を踏むものを何も思いつかなかった」になります。
マイクと別れたことについて、歌を作ろうと思っても、出てくる言葉は「あーっ!」という、やりきれない叫び声ばかりで、あーっ!と韻を踏む歌詞ができなくて、曲を作ることができなかった、と言っていることになるでしょう。

「これ(この状態)を乗り切るために、あなたの助けが必要になる」とフィービーがモニカに言ったので、モニカの隣に座っているチャンドラーは、「それって、俺の助けは必要ない、ってこと?」みたいに尋ねています。
フィービーは、Well, no. 「そうね、要らないわね」みたいに返事した上で、When...., I'm gonna come to you. 「〜する時には、あなたのところに来る(行く)わね」と言っています。
「今はとりあえずあなたの助けは不要だけど、〜の時には、あなたの助けが必要になるから、あなたのところに行くわ」と言っている感覚ですね。
日本語ではそのように、「あなたのところに行くわ」と「行く」という単語を使うところですが、英語ではこのように、「イメージしているところに向かう、近づく」場合は、come を使うことになります。

When 以下で、「こういう時にはチャンドラーのところに行く」と説明していることになりますが、それはどんな時かということを、前から順番にイメージしていくと、
「私が(where 以下の)ポイント(地点)に達する時、そのポイントでは、ほら、マイクに関するキツくてあざけるようなジョークを聞く準備が私にできている[心構えができている]」
になるでしょう。
あなたがマイクのことをバカにするような辛辣なジョークを言うのを、私が聞けるくらいの心境になったら、あなたのところに行ってそういうジョークを聞かせてもらうわね、ということですね。

そう言われたチャンドラーは、「そりゃ良かった。だって俺はもう既に、3つ思いついたから」みたいに言うのですが、3 (three) の後、すぐに 4 (four) と言い直しています。
英語の語順に合わせた感じで言うと、「だって俺は既に思いついたからね、3つを、いや4つを!」みたいなことですね。
4つ、と言い直したことについて、「今、こうして話している間に、ちょうど4番目を思ついたんだ」とも付け加えています。

チャンドラーがカウンターに行ったため、残ったフィービーとモニカは、さきほどの「モニカの助けが必要」の件について話し合っています。
別れたことについて、「私は正しいことをしたってわかってるの」と言っていますが、アメリカのドラマでは、別れる別れないの話の時に、I did the right thing. という表現がよく出てくる気がします。
フレンズ2-8その10 でも、ジュリーと別れてきたロスが、
ロス: I did the right thing. (僕はするべきことをしたんだ。)
と言っていましたね。

フィービーは「マイクは結婚したくないと思っているし、私は未来のない関係にいるべきではない」と、自分の判断の理由を述べています。
その後、「でもすぐに、彼をものすごく恋しくなっちゃうの、彼に会いたくなっちゃうの。だから、私がそうしようとするのを[彼に会おうとするのを]あなたに止めてもらわないと」と言っていますね。
別れたことは正しいと、理屈では、頭では、わかってるんだけど、彼に会いたいという気持ちが抑えられない、ということですね。
モニカはその頼みを即座に了解するのですが、頼んだ方のフィービーが、Unless... 「もし…なら話は別だけど」と、話を別の方向から切り出してきます。
「私が彼に会いに行きそうになったら、絶対に止めてよね!」と頼んだ後に、Unless と続けているということは、「でも、こんな風に考えたら、止めてもらう必要はないのかも。別に会ってもいいのかも」という話の流れになることが想像できます。
そういう話の方向性を意識しながら、後のセリフを見てみると、まず最初のセリフは、「私はこの件について、クレイジーになり過ぎてるのかもしれないわよね?」となりますね。
つまり、「彼と会っちゃいけないんだ! とあまりにもムキになり過ぎているけれど、もっとお気楽に考えてもいいんじゃないのかしら?」と自分で言っていることになるでしょう。
there's no future. But that doesn't mean we still can't have fun. を直訳すると、「未来はない。でも、そのことが[未来がない]ということが)私たち[私とマイク]が(依然としてこれから先も)楽しめないということを意味しない」になるでしょう。
もう少し日本語っぽく訳すと、「未来がないからって、それで、私とマイクが楽しんじゃいけないっていうことにはならない」というところですね。
未来がないとわかっていても、好きな者同士、一緒にいて人生を楽しんでも構わないわよね? と言っていることになるでしょう。
「彼とは会わない」と言ったことと真逆の内容を、つい本音として漏らしてしまった感じのフィービーは、「私がこんなこと言ってちゃいけないわよね」とでも言うように、「私が今言ったことは忘れて」とモニカに言います。

フィービーの揺れる女心を読み取ったモニカは、女性としてその気持ちに共感した様子で、「ほんとに(いいの)? もしそれが(未来はなくても、マイクと楽しんでもいい、という話が)あなたの望むことなら…(そうしたらいいんじゃないの?)」と言いかけるのですが、フィービーは、「今のはテストよ。そしてあなたはそのテストに落ちた(失敗した、しくじった)」と言い放ちます。
自分のことを親身になって心配してくれている相手に対して、何とも意地悪な返しですが(深刻な会話の中にこういう部分が挿入されるのが、コメディーとも言えますが)、モニカは、フィービーのトリックに引っ掛かったことが悔しかった様子で、「しまった!」と言った後、Rookie mistake! と言っています。
rookie は「ルーキー」で、「新人、初心者」ですから、「初心者のミスよ。今のは私が(こういうことに慣れてなくて)初心者だったからミスしたのよ!」と言い訳した感覚になるでしょう。
今は最初でうっかり引っ掛かっちゃったけど、これからは引っ掛からないんだからね、と宣言している感じもあり、負けず嫌いのモニカらしいセリフだなと思いました。


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posted by Rach at 18:14| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月05日

世間が何と言おうと構わない フレンズ9-17その1

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シーズン9 第17話
The One With The Memorial Service (間違いだらけの掲示板(BBS))
原題は「追悼式の話」


フレンズの男性陣は、これからバスケットボールをしようとしているところですが、出かける前に、ロスは、a new alumni website for college 「大学の新しい同窓会(卒業生)ウェブサイト」が出来たんだ、と言って、そこにメッセージを打ちこんでいます。
チャンドラー: Let me see what you wrote about yourself: "Doctor of paleontology, two kids...." (pause) Wait a second. You split with Carol because you have different interests? I think you split with Carol because you had one very similar interest! (お前が自分のことを何て書いたか俺に見せてよ。”古生物学の博士で、子供は二人…” [間があって] ちょっと待て。異なった関心(興味)を持っていることが理由で、お前はキャロルと別れた、って? 一つの非常に良く似た関心を持っていたためにお前はキャロルと別れたんだ、と俺は思うんだけど。)
ロス: You know what? I'm gonna finish this later, okay? Let me just grab my coat. (ねぇ? これは後で終わらせるよ。ちょっとコートを取りにいかせて。)
ジョーイ: Okay! (he throws the basketball against a table again) (オッケー! [ジョーイはまた、バスケットボールをテーブルの方に投げてしまう])
ロス: (he picks up the ball) What, did you think you learned how to do in the last two minutes?? (he enters another room) ([ロスはボールを拾い上げて] 何だよ、この2分間でやり方を学んだとでも思ったのか? [ロスは別の部屋に入る])
チャンドラー: Maybe we finish this for him! (he sits down on the sofa and he start typing on Ross' computer) "Also I cloned a dinosaur in my lab. She's now my girlfriend. I don't care what society says. It's the best sex I've ever had."... aaand SEND! (多分、ロスのために俺たちがこれを終わらせる! [チャンドラーはソファーに座り、ロスのパソコンに文字を打つ] ”それから僕は研究室で恐竜のクローンを作りました。彼女は今、僕の恋人(彼女)です。世間(社会)が何と言おうと僕は構わない。今までで最高のエッチです” …そして〜、送信!)
ジョーイ: (he stops Chandler from posting the message) No, no, no-- what do-- You can't do that to him! ([チャンドラーがメッセージを投稿しようとするのをジョーイが止める] だめだめだめ。何を… ロスに対してそんなことしちゃだめだよ。)
ロス: (he comes back) Alright, let's go! ([ロスが戻ってくる] よし、行こう!)
ジョーイ: Dude! (he opens his arms to receive the ball from Ross' hands) (ほら! [ジョーイはロスの手からボールを受け取るため、腕を広げる])
ロス: I think you made it clear you can't be trusted with the ball inside the house! (家の中でのボールの扱いに信頼がないことを、君はすでに証明したと思うけど。)
ジョーイ: (after Ross leaves the room) aaand SEND! (he hits the send button) ([ロスが部屋を出た後で] そして〜、送信! [ジョーイは送信ボタンを押す])

大学の同窓会サイトに、自分の近況を打ち込んでいるロスを見て、チャンドラーは「お前が自分自身のことを何て書いたか俺に見せて」と言い、その内容を声に出して読み上げています。
「古生物学の博士で、子供が二人」と言った後、「ちょっと待て」と言って、ロスが書いていた内容を語っています。
内容を直訳すると、「異なる関心(興味)を持つという理由で、お前は(元妻)キャロルと別れた」になるでしょう。
その内容を、語尾を上げる感じで読み上げることで、「そんな理由で二人は別れた、ってお前は言うつもりか?」というニュアンスが出ますね。
その後、I think you split with Carol because... と続けることで、「(お前は別れた理由をそんな風にサイトに書き込んでいるが)俺は…という理由でお前たちが別れたと思うんだけど」と言っていることになります。
チャンドラーの意見では、「(二人は)1つの非常に良く似た関心(興味)を持っていたから、お前はキャロルと別れた、と俺は思う」になります。

ロスとキャロルが離婚したのは、「キャロルがレズビアンだったから」というのが理由で、その話は、フレンズ1-1 (パイロット版)で説明されて以来、ことあるごとに持ち出される話題ですが、ここでもまた、チャンドラーにネタとして使われてしまっている、ということですね。
ロスも、同窓会サイトに書く内容なので、わざと漠然とした interest 「関心、興味」という言葉を使ったのでしょうが、「僕は異性愛者だったけれど、キャロルは同性愛者だった」ということを、「関心が違った」と表現したことになるでしょう。
それを受けてチャンドラーは、「関心が違う、と書いているけれど、ロスもキャロルも、どっちも”女性が好き”という意味では、関心の対象は同じじゃないの?」と言ってみせたわけですね。
「1つの非常に良く似た関心・興味」と表現することで、「恋愛対象が女性である」という関心の方向性が同じだ、と表現したことになります。
もっと具体的に表現すると、sexual orientation 「性的指向(恋愛対象となるのがどの性か)」が同じ、ということになりますね。

「関心が違う、とか言って、関心の対象が全く同じだったわけじゃん」などと、いつものようにレズネタでからかわれてしまったロスですが、サイトへの書き込みについて、「これは後で終わらせるよ(続きは後にするよ)」と言った後、「コートを取りに行かせて(コートを取りに行ってくる)」と言って、奥の部屋に向かおうとします。
ジョーイは、指先でバスケットボールを回そうとして失敗し、ロスのテーブルにボールをぶつけ、その上に乗っているものを落としてしまうのですが、少し前にも同じことをやろうとして、同じようにロスのものを落としてしまったばかりなので、ロスは怒った様子でボールを拾い上げ、What, did you think... というセリフを言っています。
What, did you think you learned how to do in the last two minutes?? を直訳すると、「何? この(直近の)2分間で、自分はやり方を学んだとお前は思ったのか?」になるでしょう。
最初に失敗したのがDVD経過時間にすると、0:08、今失敗したのが 1:10 くらいだったので、実際には1分間くらいしか間が空いていないのですがw 「こんなわずかの時間で、指先でボールを回す、という芸当をマスターできたとでも思ったのか?」→「成功するわけないとわかってるだろうのに、また同じことを繰り返すのか? さっき失敗したばっかりなのに、また同じ失敗をして、僕の部屋のものを壊すのか!」的なことをロスは言いたいわけですね。

そして、プリプリ怒っているロスは、ボールを持ったまま、奥の部屋にコートを取りに行きます。
ロスが奥に行った後、チャンドラーは、Maybe we finish this for him! 「多分、ロスのために、俺たちがこれを終わらせる」と言っています。
ロスが見ていない間に、俺たちでこのメッセージを完成させちゃおうぜ、みたいなことですね。
ゴミ箱を頭にかぶって、どこぞの王様みたいな姿で、チャンドラーは嬉しそうに、ロスの文章の続きを勝手に打ち込むことになります。
Also I cloned a dinosaur in my lab. は、「また、僕は(僕の)研究室で、(一匹の)恐竜をクローンしました(クローンを作りました)」。
その後、さらに悪乗りして、「彼女(そのメス恐竜)は、今、僕の彼女(恋人)です」とまで書いていますね。
I don't care what society says. It's the best sex I've ever had. は、「世間(社会)が何と言おうが僕は構わない。僕が今までで体験した最高のエッチです」になるでしょう。
つまり、「僕がクローンとして作ったメス恐竜とのエッチは、人生最高のエッチです」と言っていることになりますね。
「世間が何と言おうが構わない」という表現は日本語にもありますので、それを英語で表現する場合には、I don't care what society says. と言えばいいんだな、ということもポイントですね。

ジョーイもその内容を聞いて、ほほほーぅ、と嬉しそうに笑っていたのですが、チャンドラーが "... aaand SEND!" と言いながら、まさに送信ボタンを押そうとした瞬間、ジョーイはそれを止め、「ロスに対して、そんな(ひどい)ことをしちゃだめだ」と言います。
そこにちょうど、ロスがコートを持って戻ってきます。
ボールを持っているロスに対して、Dude! と呼び掛け、「こっちにボールをちょうだい!」みたいに、手を構えたジョーイですが、ロスはジョーイがものを壊したことをまだ怒っているらしく、怖い顔でジョーイをにらみながら、I think you made it clear you can't be trusted with the ball inside the house! と言っています。
make it clear (that) は、「(that 以下の内容を)はっきりさせる、明確にする、明らかにする」。
can't be trusted with は「…のことで信頼されない」。
ですからロスのセリフは、「家の中でのボール(家の中でボールを使うこと)について、ジョーイは信頼されないということを、ジョーイ(自身)がはっきりさせたと(僕は)思う」になりますね。
つまり、「家の中でボールを使うことについてはジョーイを信頼できない、っていうことを、さっき、君自身が証明してみせただろ」と言っていることになりますね。
家の中で、君にボールを預けるわけにはいかない、さっきみたいにまた物を壊されたらたまらないから、ということで、「ボール、貸して!」と手を出したジョーイにボールを渡すのを拒否したわけですが、そう言って先に出て行ったロスのことを、ジョーイは「何だよ、そこまで言わなくてもいいじゃんか」みたいな顔で見ています。
ドアのところで振り向いたチャンドラーはジョーイが来るのを待っていますが、そこでジョーイは、さっきチャンドラーが言ったのと同じような言い方で、aaand SEND! (And send.) と言って、送信ボタンを押すことになります。
それを見たチャンドラーは、嬉しそうな顔をして笑っていますね。

最初にチャンドラーが送信ボタンを押そうとした時に、そういうおふざけが大好きなはずのジョーイが「珍しく」チャンドラーを止めていましたが、「フレンズの展開に慣れたファン」なら、「ここでジョーイが止めて、それで終わるはずがない」と予想できてしまう感じもしますね^^
案の定、「ジョーイはいったんは止めたけれど、ロスに叱られる形になって、むっとして”仕返し”のように送信ボタンを押した」という展開になったわけですが、「珍しくイタズラを止めた真面目なジョーイ」を、どういう風に最後のオチに結びつけるのかな? というのを待ち構えながら見るのもまた、コメディーの楽しみ方の一つと言える気がしました。


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posted by Rach at 18:43| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月03日

私が望むことを望んでくれる人と フレンズ9-16その6

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少しでも離れていたくない、と感じ始めたフィービーとマイクは、同居することを決めるのですが、前回の結婚が最悪だったというマイクは、「同居はしても、結婚するつもりは全くない」と言います。
フィービーもその意見を受け入れたつもりでしたが、「やっぱり結婚したい」という強い気持ちが抑えられず、フレンズがマイクの荷物を運びこんでいる最中に、そのことをマイクに告げるのですが、
マイク: But if you wanna get married why didn't you say something before? (でも、もし君が結婚したいと思ってるのなら、どうして前に何か言わなかったの?)
フィービー: Because I just didn't know how much I wanted it. And I love you, and I wanted to live with you. (それは私がどれほど結婚したいと思っているかが自分でもわからなかったからよ。そして、私はあなたを愛してる、だからあなたと一緒に住みたかったの。)
マイク: I want to live with you too! Let's do that! (僕も君と一緒に住みたいよ! (だから)そうしようよ!)
フィービー: But I don't think I can! It was, It was okay to move in when I didn't know what was gonna happen. But I can't move in knowing nothing is ever gonna happen. (でも私にはできそうにないわ! 一緒に住むのはオッケーだった[問題なかった]、(この先)何が起こるか私にはわからなかった時にはね。でも、これから先、決して何も起こらないと知りながら、一緒に住むことはできないわ。)
マイク: Can we at least try living together? I mean, you might change your mind about marriage. (少なくとも、一緒に住むこと(同居・同棲すること)を(実際に)やってみようよ。ほら、結婚について、君が考えを変えるかもしれないし。)
フィービー: Are you gonna change yours? (あなたは自分の考えを変えることになる?)
マイク: No. (いいや。)
フィービー: Me neither. I think I need to be with someone who wants what I want. (私も変わらないわ。私は、私が望むことを望んでくれる人と一緒にいる必要があると思うの。)
マイク: But I don't want this to end. (でも僕は、これを終わりにしたくない。)
フィービー: No, I don't want it to end either. (私もそれを終わりにしたくないわ。)
マイク: I can't believe this is gonna end. I guess I'll have my stuff picked up. (これが終わってしまうなんて、僕には信じられないよ。(運び入れた)僕の荷物は(後で)取りに来る[取りに来させる]よ。)
フィービー: Yeah. Okay. (そうね。わかった。)
マイク: Okay, so.... (They hug) Goodbye. (わかった、それじゃあ… [二人はハグする] さよなら。)
フレンズたち(口々に): Take it easy, Mike. Bye, Mike. (無理しないでね、マイク。さよなら、マイク。)
レイチェル: I'm so sorry, Pheebs. (本当に残念ね、フィービー。)
モニカ: We're all sorry. (They have a group hug) (私たちみんな、ほんとに残念に思ってる。[みんなでグループハグをする])
チャンドラー: Ah, look on the bright side. I mean, at least you won't have to live with this ugly chair! That was here already, huh? I love you. (they hug again) (あぁ、(物事の)明るい面を見ようよ。ほら、少なくともフィービーは、このかっこ悪い椅子と一緒に暮らす必要がないんだぜ! それはここにすでに(元々)あったのかな? 愛してるよ。[みんなはまたハグする])

マイクは、「もし君が結婚したいと思っているのなら、どうして前にそのことを言わなかったの?」と尋ねます。
前にその話が出た時には、「私も結婚したいとは思ってないわ」と言ったので、マイクもその言葉を信じてしまっていたわけですね。
フィービーは、「本当は結婚したいと思っていた」と言わなかった理由として、Because I just didn't know how much I wanted it. と説明します。
つまり、「ただ私は、私がそれ(あなたと結婚すること)をどれほど望んでいるか・欲しているかを知らなかっただけなの」。
どれほど強くあなたと結婚したいと思っているか、という自分の気持ちに、今になって気づいたの、というところですね。
マイクには結婚する意志がないと知っても、同居に同意したことについては、「あなたを愛してるから、あなたと一緒に暮らしたかった」と言っています。

マイクは、「僕だって君と一緒に住みたいよ。だからそうしようよ(予定通り、一緒に住もうよ・同居しようよ)!」と言うのですが、フィービーは半泣きの顔で、But I don't think I can! と答えます。
「私にはそれができるとは思えない」→「あなたと一緒に住むことは私にはできないと思う」ですね。
It was okay to move in... のセリフを前から順番にイメージすると、「(越してきて)一緒のところに住むことはオッケーだった。何が起こるかを私が知らなかった時には」になるでしょう。
もう少し日本語っぽく訳すと、「これから先、何が起こるかが私にわかっていなかった頃なら、一緒に住むことはオッケーだった、問題なかった」ということですね。
But I can't... は「でも、これから何も起こらない(起こることはない)と知っていながら、一緒に住むことは私にはできない」となります。
つまり、この先、二人の関係がどうなるか、とか、結婚するのかしないのか、とか、そういう将来的なことがわからない状態だったなら、一緒に住んでも問題なかったと思うけど、マイクにはっきり、「同居はしても、結婚することは絶対にあり得ない」と言われてしまった、将来的に結婚という選択肢がないとわかってしまった、そんな状態では一緒に暮らそうという気持ちになれない、ということですね。

Can we at least try living together? を直訳すると、「少なくとも、一緒に住む(同居・同棲する)ってことを、実際にやってみることはできない?」になるでしょうか。
つまり、「一緒に住むっていうのを、実際に少しだけでもやってみようよ」と言っている感覚ですね。
try to do と try doing のニュアンスの違いをここで改めて考えてみると、try to to の方は「〜しようとする」、try doing は「〜することを試しにやってみる」という訳語の違いとして表現されることになるでしょう。
今回の場合も、「一緒に住もうと努力してみる、同居に向けて頑張ってみる」というよりは、「ものは試しに、実際に一度、同居してみようよ」と、実際にそういう行動に移ることを促している感覚ですね。
「〜をやろうとしてみよう」ではなく、「試しに〜してみよう」ということで、行動に移る前に、あれこれ悩んでしまうんじゃなくて、とりあえずはやってみよう、試してみよう、そこからまた考えてみたらいいんじゃないか、ということをマイクが提案していることがわかるわけですね。

その try living together 「試しに同居してみよう」というセリフの流れの通り、その後も、「ほら、君が、結婚についての君の気持ち(意志・考え)を変えるかもしれないし」と説得しています。
you (might) change your mind ですから、「気持ちが自然に変わる」というよりも、「(同居という経験をすることで)君が今結婚に対して持っている考え方を、君が変える(かもしれない)」というように、「経験をすることによって、フィービーが考え方を変える」ことを期待しているセリフになっているわけですね。

そう言われたフィービーは、「(実際に同居してみることで)あなたはあなたの考えを変えることになる?」というように、逆に同じことをマイクに聞き返しています。
それに対してマイクは、No. とはっきり否定していますね。
「同居してみたら、結婚に対する君の考えが変わるかもしれないよ」とマイクは言ったのですが、いざ自分が同じ問いをされた場合には、「同居してみても、僕の”結婚の意志はゼロ”という気持ちが変わることはない」と認めたことになります。
Me neither. 「私も(あなたと同じく)考えを変えることはないわ」と言った後のセリフが切ないですね。
I think I need to be with someone who wants what I want. を直訳すると、「私は思う、私は、私が欲しいもの(望むもの)を欲しいと思う(望む)人と一緒にいる必要がある、と」。
自分がしたいと思っていることを、相手も望んでくれている、そういう人と一緒にいるべきだと思うの、ということで、今回の話で言うと、「私は結婚したいと思っているから、同じように結婚したいと思ってくれる人と、私は一緒にいるべきね」→「(私が望んでいる)結婚を望まない人とは、私は一緒にいない方がいい」ということになります。
お互いにしたいと思っていることや望むことが違っている場合は、一緒にいない方がいいわ、ということで、それは恋愛に限らず、人間関係全般においてもしごく正論な意見ですから、そう言われてしまっては、マイクも説得は難しくなってしまうでしょう。
お互い大好きだとわかっていても、望むものが違う場合は別れた方がいい、という結論になってしまうのは、フレンズ2-24その27 のモニカとリチャードの以下の別れのシーンを彷彿とさせますね。
モニカ: Oh my God. I can't believe what I'm getting ready to say. I wanna have a baby. But I don't wanna have one with someone who doesn't really wanna have one. (あぁ、どうしよう。私がこれから言おうとしていることは自分でも信じられない。私は子供を産みたいのよ。でも、本当に子供を欲しいと思っているわけではない人の子供を産みたくはないのよ。)
リチャード: God. I love you. (そんな…。君を愛してる。)
モニカ: I know you do. Me too. So what now? (愛してくれてるのはわかってるわ。私も愛してる。それでこれからどうしたらいいの?)

フィービーとマイクのこの重苦しい会話に、先ほどまでは重い荷物を運ばされてブーブー言っていたフレンズたちも黙ってしまい、カウチを下に置いて、みんな真剣な顔になっています。

But I don't want this to end. は、「でも僕はこれを終わりにしたくない」。
this というのは、フィービーとマイクとの「この(恋愛)関係」を指すでしょう。
その前にフィービーが言った、「私が望むことを望んでくれる人と一緒にいたい」というのは、「私が望むことを望んでくれない人(あなた=マイク)とは一緒にいられない」という最後通告のようなものですから、それは「私たち、別れましょう」というのと同義ですね。
ですからマイクも、「じゃあもうこれで僕たちの関係は終わりってこと?」という気持ちで、「でもこの関係を終わらせたくない、終わりにしたくない」と言っていることになります。
フィービーも「私も同じ気持ちよ。私だって、終わらせたくない」と言うのですが、気持ちだけではもうどうにもならないところまで来ているとお互いにわかってしまった感じですね。
マイクももう一度、「これが終わることになるなんて僕には信じられないよ」とは言ってみるのですが、その後、I guess I'll have my stuff picked up. という「別れを受け入れた」ことを示す発言をすることになります。

have my stuff picked up は、have+目的語+過去分詞、の形で、「目的語を〜される状態にする」という感覚ですね。
pick up は「拾い上げる、持ち上げる」というのが基本語義で、この場合は「(ものを)引き取る」というニュアンスが近いでしょう。
別れることを決めたため、後でまた二人が顔を合わせるのは気まずい、という思いがあるのでしょうね、このフィービーの部屋に置いてある自分の荷物や、少し運び込んだ家具など、そういうものを「(後で)僕が引き取りに来る」とは言わずに、(誰か他の人に託すのか、とか、どうやるのか、とかは未定だけど)「(自分が手配して)僕の荷物が引き取られる(ここから引き上げられる)ようにする」のように、my stuff が pick up されるようにはする、とだけ言っている感覚になるのだろうと思いました。
「誰が引き取りに来るか」という「誰が」の部分をあえて伏せて表現しているように思える、ということですね。

二人はハグし、さよならを言って別れます。
それまで黙っていたフレンズたちですが、わざと明るい調子で、口々にマイクに別れの言葉を掛けています。
マイクが去った後のフィービーに対して、レイチェルが、"I'm so sorry, Pheebs." モニカが "We're all sorry." と言っていますが、これが典型的な「”ごめんなさい”ではない sorry 」の例と言えるでしょう。
日本人は、I'm sorry. =ごめんなさい、と反射的に覚えている人が多いと思うのですが、「申し訳ないと心から謝っている」場合以外にも、このように、辛い・悲しい体験をした人に対して、「あなたのつらい気持ちに同情するわ。残念に思うわ」と共感を示す場合にも、I'm sorry. はよく使われるのですね。
さきほど言ったように、これを「反射的に」ごめんなさい、と訳してしまうと、フィービーとマイクの別れの原因がフレンズたちだったわけではないので、話の流れに違和感が生じてしまいます。
ドラマの中で、言葉を「文脈と流れ」で理解することによる効果はそういうことで、辞書で丸暗記しているレベルから、実際に使われているシーンに即した意味で捉えられる、という効果があるわけですね。

look on the bright side. は文字通り、「明るい側を見ろ」ということで、「物事の明るい面(いいほう)を見る」という意味。
at least you won't have to live with this ugly chair! は、「少なくとも君は、この醜い(かっこ悪い)椅子と一緒に暮らす必要がない!」になりますね。
マイクとの同居がなくなれば、この趣味の悪いマイクの椅子ともおさらばできるじゃない、みたいなことをチャンドラーは言いたかったわけですが、そのセリフに対する反応から、「これはマイクの持ち物じゃなくて、元々フィービーの家にあったもの。フィービーの持ち物」だと気付いたチャンドラーは、「その椅子はすでに(前から)ここにあったんだね?」と言い、「愛してるよ」と言って、またグループハグをすることで、失言をごまかすことになります。

今回のような別れのシーンでは、キャラの切ない気持ちが、英語でどれだけ読み取れたか、がポイントになってくるでしょう。
マイクが「試しに同居してみようよ。考えが変わるかもしれないし」のように、何とかフィービーの説得を試みるも、「あなたの考えが変わることはないでしょう? 望むことが違う人とは一緒にいるべきじゃない」とはっきり言ったことで、マイクも説得する術(すべ)を失ってしまったことが、「これで終わりなんていやだ」という「もう説得ではなくなってしまったセリフ」に表れているということですね。
説得を頑張ってみたけれど、マイクがどこで「もう説得するのは無理だ」と気づいたか、ということを、英語のセリフから感じると共に、相手の心を何とか動かそうとしているマイクと、もう無理だと言うことをマイクに伝えようとしているフィービーの、それぞれの表現からも学ぶ部分は大きいなと感じました。


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posted by Rach at 15:13| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする