2015年11月04日

不適切な冗談言えなかったの? フレンズ9-23その2

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は4位、「にほんブログ村」は6位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


フィービーは、付き合っていた恋人マイクに結婚の意志がないと知り、同棲寸前で別れてしまいました。
その後も二人はお互いのことが忘れられないと言って、よりを戻しそうになりながらも、結局、マイクに結婚するつもりがないことで、今はかなり疎遠な状態になっている様子。
前回のエピソード(フレンズ9-22)では(解説を飛ばしてしまったのですが)、フィービーはマイクの妹からパーティーに誘われ、「マイクも来るけど、マイクはあなたに会うのは全然平気だと言っていた」と聞き、「私も全然平気だってことを見せてやる」とばかりに、おしゃれしてパーティーに参加する計画を立てていました。
めいっぱいおしゃれして、フィービーがそのパーティーに出かけようとした時、ミンスクから帰ってきた元彼デビッドと劇的な再会をします。
今度はもうミンスクには戻らない、完全にニューヨークに戻ったというデビッドに、フィービーは、"Mike and I broke up." 「マイクと私は別れたの」と言い、フィービーとデビッドは「今は二人ともニューヨークにいるし、二人とも今は恋人がいないし」(we're both living in New York, not seeing anyone.)ということで、恋人同士に戻ることになりました。
そんな風に晴れて恋人同士に戻れたものの、今回のエピソード(フレンズ9-23)では、デビッドのことをマイクと呼び間違えてしまったりして、フィービーはまだ、マイクのことを完全に忘れられていないことが見て取れます。
名前を言い間違えられたことを気にするデビッドは、そのことをチャンドラーに相談します。
「フィービーがマイクと別れたのは、マイクが結婚することを拒んだから」という話をチャンドラーから聞き、デビッドは「じゃあ、僕がフィービーにプロポーズする」と言い出します。
その後のシーン。
[Scene: Back in New York, Monica and Chandler in Central Perk on the couch]
ニューヨーク。モニカとチャンドラーはセントラルパークにいて、カウチに座っている。
モニカ: Wow! That Mike thing was interesting! I don't know what's gonna happen with Phoebe and David. (わぉ! そのマイクの件、興味深かったわ。フィービーとデビッドに何が起こるかわからないわね。)
チャンドラー: (smiling cheekily) I do! David is gonna propose to Phoebe. ([生意気そうに(得意気に)微笑んで] 俺にはわかるよ! デビッドはフィービーにプロポーズするつもりなんだ。)
モニカ: What? (looks very shocked) Why? (何ですって? [非常にショックを受けた表情になる] どうして?)
チャンドラー: Be-cause, we were talking about ways that he could beat Mike and I told him that Phoebe wanted to get married. (それは、俺たち(デビッドと俺)が、デビッドがマイクを負かす(マイクに勝つ)ことができる方法について話してて、俺が彼に言ったんだよ、フィービーは結婚したいと思ってる、って。)
モニカ: Chandler, we have talked about this. You are not supposed to give people advice! Now couldn't you have made some sort of inappropriate joke? (チャンドラー、この件については(既に、これまで)話したでしょ。あなたは人にアドバイスを与えてはいけないことになってるの! 不適切なジョークとか言えなかったの?)
チャンドラー: I did! A penis one! Look, just so I know, what was so wrong about what I said? (言ったよ! ペニスのジョークをね! で、(俺がわかるように)聞いておきたいんだけど、俺の言ったことの何が悪かったの?)
モニカ: They've only been going out for a few weeks. Phoebe is completely hung up on Mike! She'll say no, David's heart will be broken, it'll be too hard for them to recover from and then Phoebe will end up alone again. (二人は、2、3週間、付き合ってるだけよ。フィービーは完全にマイクにこだわってるの! フィービーはノーと言って、デビッドの心は傷つき、二人にとってはそこから立ち直るのがとても大変になる、そしてその後、フィービーは結局また一人になるのよ。)
チャンドラー: Man, that's some bad advice! (なんてこった、それはひどいアドバイスだな!)

チャンドラーと話しているモニカは、「そのマイクの件、興味深かった」と言っています。
そのセリフから、「フィービーが、デビッドのことをマイクと呼び間違えた話」を、今チャンドラーがモニカに語っていたらしいことが想像できますね。
モニカが「(そんなことがあった後)この先、フィービーとデビッドに何が起こるかわからないわね」と言うと、チャンドラーは、I do! David is gonna... と答えます。
「モニカはわからない、っていうけど、俺には(二人にこの先、何が起こるか)わかってるよ。デビッドはフィービーにプロポーズするんだ」と、得意げに言っている感じですね。
それを聞いたモニカは驚いていますが、その口調が「どうしてそんなことするの? どうしてそういうことになるわけ?」というような非難めいたものだったので、得意気な顔をしていたチャンドラーは、「もしかして、それってやばかった? まずかった?」みたいに、急におどおどし始め、次のセリフも、Be-cause... という感じで、少しどもりがちになっています。

beat Mike は「(競争相手である)マイクを負かす(マイクに勝つ)、マイクを抜く」というニュアンス。
俺とデビッドは、デビッドが(フィービーの元彼)マイクに勝つ方法を話し合っていて、「フィービーは結婚したがってる」ということを俺がデビッドに言ったんだ、と言っていることになります。
チャンドラーがそう言ったことで、デビッドがプロポーズを決めたと知ったモニカは、いきなりチャンドラーに非難の言葉を浴びせるのではなく、まず、Chandler, we have talked about this. 「チャンドラー、私たちはこのことについて話し合ったでしょ」と言います。
this の内容がその後に続いていて、be not supposed to は「〜してはいけないことになっている」ですから、「あなたは人(人々)にアドバイスを与えてはいけないことになっている」と言っていることになります。
「あなたが人にアドバイスをしても、ろくなことにならないんだから、アドバイスはしちゃだめよ、って言ったでしょ。この件については、よく話し合った上で了解済みだったのに、何で、人にアドバイスなんかしたりしたの?」と非難しているニュアンスですね。

couldn't you have made some sort of inappropriate joke? は、「不適切なジョークとか、言えなかったの?」ということ。
そんな人生にかかわるような真面目で重大なアドバイスとかしないで、いつもみたいに、「その場にふさわしくない、不真面目なジョーク」でかわせば良かったのに、と言いたいのですね。
チャンドラーの I did! は、「俺は(そう)した!」ですから、「(今さら言われなても、その時)俺は(いつものように)不適切なジョークを言ったさ!」と言っていることになります。
A penis one の one は joke のことですね。
「ペニスのジョークを言った」というのは、(ブログの解説では飛ばしてしまいましたが)以下のようなやりとりでした。
デビッド: Why did Phoebe and Mike break up? (フィービーとマイクはどうして別れたの?)
チャンドラー: Oh, because his penis was too big. (he notices that David is not amused) Oh, I'm sorry. That's the kind of thing I do. (pause) They broke up because Mike didn't want to get married. (あぁ、それは彼のペニスがデカすぎたからだよ。[デビッドが面白がっていないのに気付いて] あぁ、ごめん。俺って、そういうことしちゃう(言っちゃう)んだよね。[間があって] 二人が別れたのは、マイクが結婚したがらなかったからだ。)

チャンドラーが訴えているように、「俺は不適切なジョークで乗り切ろうと思ったのに、デビッドが納得してくれなくて、それで真剣な話をせざるを得なくなった」ことが、上のセリフによく出ていると思います。
そう説明した上で、チャンドラーはまだ、自分の発言のどこに問題があったのかわかっていない様子で、「俺が言ったことについて、何がそんなに悪かったの?(俺の言ったことの、どこがいけなかったの?)」と尋ねます。
just so I know は、just so you know と似た感じのフレーズですね。
just so you know は、英辞郎では以下のように出ています。
just so you know=一言申し上げておきますが、だから何だという訳ではないが
「一言申し上げておきますが」というのは、FYI (for your information)「参考までに言っておくと」に近いニュアンスが感じられますね。
just so you know は、just so (that) you know、つまり、just so that you know 「ただ、あなたが知るように・知るために(知ることができるように)」の so that の that が省略されたものと考えることができます。
それを踏まえて、今回の just so I know を見てみると、「ただ、俺が知ることができるように」ということになりますから、「参考のため聞きたいんだけど、どうしてそうなのかわからないから知っておきたいんだけど」という意味で、just so I know を挿入した上で、「俺の発言の何がいけなかったの?」と言ったことになるでしょう。

モニカはフィービー、マイク、デビッドの状況と、その行く末を語っています。
go out は恋愛話では「デートする、付き合う」ですから、「フィービーとデビッドは、まだほんの2、3週間しか付き合っていない」。
Phoebe is completely hung up on Mike! の hung up on は「〜に(心理的に)こだわっている」という意味なので、「フィービーは完全にマイクにこだわっている。マイクのことを忘れられずにいる」ということになります。
「フィービーとデビッドはまだ付き合いが浅い。フィービーは元彼マイクのことが忘れられない」という現状を語った後、「この先こういうことになる」という予測・予想を、will を使って述べています。
and then までの文章は、「フィービーは(デビッドのプロポーズに)ノーと言う。デビッドの心は引き裂かれる(壊れる)。二人にとってそこから回復する(立ち直る)のは非常にハードになる」ですね。
そして最後に、「フィービーは結局最後には、また一人になるの」と言うことになります。

チャンドラーにしてみれば、「元彼のマイクは結婚したくないと言う。フィービーも再会を喜んでいるデビッドが求婚すれば、それで万事丸く収まるじゃん」と思ったのでしょうが、事態はもっと複雑で、「フィービーがマイクのことを忘れられていない以上、デビッドとの関係がうまく行くはずない」とモニカに指摘されてしまったわけですね。

それを聞いたチャンドラーは、Man, that's some bad advice! と言っています。
「なんてこった、それは悪いアドバイスだな!」ということですが、それは、「俺のアドバイスの一体どこが悪かったの?」というチャンドラー自身の質問に対して、自分で答えている感じですね。
「どこが悪かったのかなぁ? 俺には悪いアドバイスには思えなかったんだけど」みたいに呑気に考えていたはずのチャンドラーですが、「あなたのせいで、最終的にはこんなことになっちゃうのよ。今付き合っているデビッドともすぐに別れなきゃいけないはめになるのよ」と説明されたことで、「そんな結果を引き起こすとしたら、俺のしたアドバイスは、ひどいアドバイスだったんだな!」と、改めて思い知ったことを、「あぁ、そりゃあ、ひどいアドバイスだわ」みたいに、どこか他人事っぽい客観的な言い回しで、言葉にしている感じになるでしょうね。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 14:03| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月02日

thongとthongs フレンズ9-23その1

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は4位、「にほんブログ村」は5位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


シーズン9 第23話
The One In Barbados - Part 1 (運命のカリビアン・ナイト part 1)
原題は「バルバドスの話 パート1」


古生物学者であるロスは、カリブ海のバルバドス(英語の発音は、バーベイドスという感じ)で行われる学会の基調講演をすることになります。
その姿を見てもらおうと、ロスはフレンズたち全員をバルバドスに招待します。
[Scene: Joey in his hotel room in Barbados]
ジョーイはバルバドス島のホテルの部屋にいる。
(Trying on a hat and talking to his own reflection in the mirror)
(白い)帽子をかぶって、鏡に映った自分の姿に話しかけているところ。
ジョーイ: Yeah! How you doin'? Yeah alright! (やあ! 元気か〜い? やあ!)
(Charlie comes out the bathroom)
チャーリーがバスルームから出てくる。
ジョーイ: Hey, hey! You said you're gonna wear a thong. Where's the thong? (おいおい! a thong (Tバック)を着るって言ってたじゃないか。Tバックはどこ?)
チャーリー: (laughing) I didn't mean a thong. I meant thongs. ([笑いながら] a thong って言ったんじゃないのよ。私が言ったのは、thongs (サンダル)よ。)
ジョーイ: You really should have been more clear about that! (そこのところ、君はもっとはっきり(明瞭に)しとくべきだったね。)
(Someone knocks the door, Joey goes to open it and Ross is on the other side)
誰かがドアをノックする。ジョーイがドアを開けにいくと、相手側にロスがいる(その相手はロスである)。
ロス: Hey! (やあ!)
ジョーイ: Hey! (やあ!)
ロス: (Excited) You're never gonna guess who I just saw downstairs! ([興奮して] 下の階で僕が誰にあったか、君には想像できないと思うな!)
ジョーイ: Oh! ah! eh... Britney Spears!? (あぁ、! あぁ… ブリトニー・スピアーズ?)
ロス: Yeah. She never misses these conferences! (then to Charlie) No, I just saw Dr. Kenneth Schwartz! (そうだね。彼女はこういう会議を決して(見)逃したりしないもんね(こういう会議にはいつも来てるもんね)。[それからチャーリーに向かって] 違うんだ、たった今、ケネス・シュワルツ博士に会ったんだよ!)
チャーリー: Oh, my God! (なんてこと!)
ロス: I know! (そうだろ!)
チャーリー: Did you talk to him? (彼に話しかけたの?)
ロス: Oh, yeah. What am I gonna say to Kenneth Schwartz? (あぁ。僕がケネス・シュワルツに何て言うんだよ?)
ジョーイ: You could say, "Hey, Kenny, how come you're not Britney Spears?" (looks at Ross matter-of-factly) (こんな風に言えるんじゃないか。「やあ、ケニー、どうしてあんたはブリトニー・スピアーズじゃないの?」 [ロスを事もなげに見る])

いかにもカリブ海に来ました的な、「白い帽子に青いシャツ、柄物のショートパンツ」姿のジョーイは、鏡に映った自分に向かって、How you doin'? と言っています。
これは、彼がナンパする時の決め台詞で、「この格好の俺もなかなかイケてるよな」とご満悦な感じが出ています。
ジョーイは今、ロスの同僚の教授であるチャーリーと付き合っているので、同じ部屋に泊まっています。
そのチャーリーがバスルームから出てきたのを見て、ジョーイは、"You said you're gonna wear a thong. Where's the thong?" と言っていますね。
それを聞いたチャーリーが笑いながら、I didn't mean a thong. 以下のセリフを言っていますが、とりあえず、キーワードとなっている、a thong/thongs は英語のままで、他の部分を日本語に訳すと、
ジョーイ: 君は a thong を身に付けるって言ってたじゃないか。a thong はどこだよ?(a thong を身に付けてないよ)。
チャーリー: 私は a thong とは言ってない。私が言ったのは、thongs (という複数形)だった。
と言っていることになります。
単数形ではなくて、複数形であることをはっきりさせるために、thongs の -s 「ズ」の部分を、特に強調していますね。
仮に thong の意味がわからないにしても、ジョーイが期待していたのは a thong で、チャーリーが言っていたのは thongs の方だった、そして、a thong じゃなくて、thongs なら、ジョーイは嬉しくない、ということがまずはわかれば良いでしょう。

その上で、thong という単語を見てみると、thong は元々「革ひも」という意味で、身に付ける服装の話だと、「Tバック」という意味になります。
そして、thong にはまた「サンダル」という意味があって、その場合は「2つで1足」という靴の習性上、thongs という複数形で使われます。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
thong [noun]
1. [countable] a piece of underwear or the bottom half of a bikini that has a single string instead of the back part
2. thongs [plural] a type of shoe that covers the bottom of your foot, with a strap that goes between your toes to hold it on your foot as you walk (SYN: flip-flops)

つまり、1. は、「下着の一つ、またはビキニの下部分で、後ろ部分の代わりに1本の紐があるもの」。2. は、「足の底をカバーするタイプの履物で、歩く時に足に固定するように、足の指の間を通るストラップがついているもの。(類義語 flip-flops (サンダル))」
私が PC にインストールしている LAAD では、thongs の説明の後、「→ see picture at shoe」と書いてあり、実際に shoe を見てみると、靴・履物の一覧の図があります。
全部で絵は8種類(8足分)載っているのですが、thongs はプールサイドで履くようなまさに「ビーチサンダル、ビーサン」の絵が載っていました。

最初に説明したように、thong は「革ひも」という意味でした。
Tバックの場合は、お尻の部分をカバーする布地が紐(ひも)状になっている、ビーサンの場合は指を固定する部分が(日本の下駄や草履の鼻緒のように)紐状になっている、だからそれぞれ、紐(ひも)を意味する thong という名前が付いている、ということのようですね。
ちなみに、和英辞典で調べると、日本の草履の鼻緒もやはり、thong と言うそうです。fix a thong だと「鼻緒をすげる」という意味になります。

過去のフレンズでも、Tバックの意味の thong が出てきていました。
まずは、フレンズ5-8 のセリフをご紹介したいのですが、過去記事では解説を飛ばした部分ですので、「ジョーイがTバックについて話している」この機会に、ここで併せて解説しておきます。
フレンズ5-8 は感謝祭のエピソードで、「一人一人が感謝することを言っていくゲームをしよう」ということになり、
ジョーイ: Ooh-ooh, I! I am thankful for this beautiful fall we've been having. (あーあー! 俺! 俺は(俺たちがずっと持っている、今ある)この美しい秋に感謝してる。)
モニカ: That's very nice. (それってすごくいいわね。)
チャンドラー: That's sweet, Joey. (それって素敵だよ、ジョーイ。)
ジョーイ: Yeah, the other day, I was at the bus stop and this lovely fall breeze came in out of nowhere and blew this chick's skirt right up. Oh! Which reminds me, I'm also thankful for thongs. (あぁ、ある日、俺がバス停にいると、どこからともなく素敵な秋のそよ風が吹いてきて、女の子のスカートを吹き上げた(風がスカートをめくり上げた)んだ。あぁ! それで思い出したけど、俺はTバックにも感謝してるよ。)

ジョーイが「美しい秋に感謝してる」などと柄にもないことを言うのには、やはりオチがあった、というところですね。
「スカートをめくってくれた秋のそよ風に感謝してる」の流れで、「そう言えば、Tバックにも感謝してる」と思い出したということは、その時にジョーイが見たその女性がはいていた下着がTバックだった、ということですね。
ここでは thongs という複数形になっていますが、「Tバックというもの」を全体的に指すイメージから複数形になっているのであって、複数形だからと言って「サンダル」を意味しているわけではありません。
I'm also thankful for thongs. という1文だけを提示された場合には、「サンダル」の意味に考えることも可能ですが、その直前に「風がスカートをめくった」という話がありましたので、サンダルではなくTバックの方だとわかる、ということですね。

また、別のエピソードでは、過去記事、フレンズ2-13その16 でも、thong=Tバック、の意味で出てきました。
ジョーイ: I'm getting heat from the guy in the hot pink thong. (ホットなピンクのTバックをはいてる男から熱さを分けてもらえるからね。)
ジュリア・ロバーツ演じるスージーに騙されて、女物の下着を履くはめになったチャンドラーをからかってのセリフでした。
その同じエピソード、フレンズ2-13その17 では、以下のセリフもありました。
フィービー: I think I want to write a song about all this. Except one of the strings on my guitar is broken. Chandler, can I borrow your G-string? (今までのこと全部を歌にしたいなと思ってるの。ただ、私のギターの弦がひとつ壊れてるのよね。チャンドラー、あなたのGストリングを借りてもいい?)
この G-string というのも、「Tバック」を指しています。
G-string は、フレンズ6-3 で以下のやりとりで出てきました。
ジョーイがルームメイト候補に質問しているシーンで、
ジョーイ: Now, I'm gonna say a word and then you say the first thing that comes to mind. (じゃあ、俺が今から、一つの単語を言うから、その後、君が頭に浮かんだ最初のもの(言葉・単語)を言って。)
ルームメイト候補(The Potential Roommate): I can do that. (できるわ。)
ジョーイ: Okay, here we go. Pillow. (よし、いくよ。ピロー(枕)。)
ルームメイト候補: Fight. (ファイト。)
ジョーイ: Very good. Okay. "G." (非常によろしい。オッケー。”G”)
ルームメイト候補: String? (ストリング?)
ジョーイ: Excellent! (素晴らしい!)

「枕と言えば…?」「枕投げ(ピローファイト)」と答えるような、ジョーイと同じ発想の持ち主(笑)を、ジョーイはルームメイトとして迎えたいと思っていて、「Gと言えば…?」「Gストリング(Tバック)」と答えてくれたので、ジョーイは大喜びしていたわけですね。

そんな風に、これまでのフレンズでも、ジョーイは何度か Tバック(a thong または G-string)の話をしていましたので、今回、Tバック(a thong)だと期待していたのに、ビーサン(thongs)だとわかってがっかりした、という話も、ジョーイらしいなぁ〜と笑えるわけですね。

You really should have been more clear about that! の、should have been は、「should have+過去分詞」の形ですから、「(過去のあの時)〜であるべきだったのに(実際にはそうしなかった)」と言っていることになります。
「それについてもっとクリアーであるべきだった」というのは、「もっと、はっきりと・明瞭であるべきだった」ということで、複数形の語尾の -s がよく聞き取れず、単数形の a thong と聞き間違えるような言い方を君はすべきじゃなかった、複数形なら複数形であると、明瞭に thongs と発音すべきだった、と言っていることになるでしょう。

そんな話をしていると、ドアにノックがあり、ドアを開けるとロスが興奮した表情で、「僕が下の階でたった今、誰に会ったかを君は決して想像できないだろう」と言います。
You're never gonna guess... は「君には決して想像できない」→「君が驚くようなすごい人に会ったんだ!」と言っていることになりますね。
「すごい人に会ったんだよ、誰だと思う?」と言われたので、ジョーイは guess してみせるのですが、それがブリトニー・スピアーズだったので、ロスはあきれた顔をしています。
こういう会議、とは、ロスが基調講演を行う古生物学者が集まる会議のことで、miss は「機会を逃す、見逃す」ということですから、She never misses these conferences! を直訳すると、「彼女は決して、こういう古生物学の会議を逃さない(見逃さない)」になります。
もちろん、それは皮肉で、「歌手のブリトニー・スピアーズが、自分とは何の関係もない(そして恐らく興味もない)、古生物学者の集まる会議に来るわけないじゃないか」とロスは思っているわけですが、それをあきれた顔で、「あぁ、そうだよね。スピアーズはこういう会議には、いつも欠かさず出席するもんねぇ」みたいに皮肉っぽく返したことになります。

ジョーイでは話にならないと思ったロスは、一言皮肉を言った後、チャーリーの方を向いて、「僕はたった今、ケネス・シュワルツ博士に会ったんだ!」と興奮気味に語っています。
それを聞いたチャーリーの反応からも、彼らの世界ではかなりの有名人であることがわかりますね。
「彼に会った(彼を見た)のなら、彼に話した? 話しかけた?」と尋ねるチャーリーに、ロスは「僕がケネス・シュワルツに何て言うんだ?」と言っています。
あまりに凄すぎる相手で、話すと言っても、何を話したらいいかわからないよ、僕からあんなすごい人に声を掛けるなんてできないよ、ということですね。
そんな話を聞いていたジョーイは、「こんな風に言えるんじゃないか。こんな風に言えばいいじゃん」と言って、「どうしてあんたはブリトニー・スピアーズじゃないの?」と言っています。
how come は「どうして…?」という意味で、why と同じようなニュアンスで使われます。
ジョーイにしてみれば、そんな聞いたことないおじさん(笑)よりも、ブリトニー・スピアーズとかの方が良かったのに、、ということで、「どうしてあんたはブリトニーじゃないの? 俺、どうせ有名人に会うのなら、ブリトニーの方が良かったんだけど…」みたいに言ってみせたことになりますね。

ト書きの matter-of-factly は「事もなげに、淡々と、事務的に、感情を交えずに」というニュアンス。
専門分野での有名人の話なので、それを知らないジョーイは黙っていればいいものを、今自分の恋人であるチャーリーが、自分の知らないことでロスと盛り上がっているのもしゃくなのか、「何大騒ぎしてんだよ。”あんたよりブリトニーの方が良かった”って言ってやれば?」みたいに言った、ということですね。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 15:10| Comment(2) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする