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フィービーは、付き合っていた恋人マイクに結婚の意志がないと知り、同棲寸前で別れてしまいました。
その後も二人はお互いのことが忘れられないと言って、よりを戻しそうになりながらも、結局、マイクに結婚するつもりがないことで、今はかなり疎遠な状態になっている様子。
前回のエピソード(フレンズ9-22)では(解説を飛ばしてしまったのですが)、フィービーはマイクの妹からパーティーに誘われ、「マイクも来るけど、マイクはあなたに会うのは全然平気だと言っていた」と聞き、「私も全然平気だってことを見せてやる」とばかりに、おしゃれしてパーティーに参加する計画を立てていました。
めいっぱいおしゃれして、フィービーがそのパーティーに出かけようとした時、ミンスクから帰ってきた元彼デビッドと劇的な再会をします。
今度はもうミンスクには戻らない、完全にニューヨークに戻ったというデビッドに、フィービーは、"Mike and I broke up." 「マイクと私は別れたの」と言い、フィービーとデビッドは「今は二人ともニューヨークにいるし、二人とも今は恋人がいないし」(we're both living in New York, not seeing anyone.)ということで、恋人同士に戻ることになりました。
そんな風に晴れて恋人同士に戻れたものの、今回のエピソード(フレンズ9-23)では、デビッドのことをマイクと呼び間違えてしまったりして、フィービーはまだ、マイクのことを完全に忘れられていないことが見て取れます。
名前を言い間違えられたことを気にするデビッドは、そのことをチャンドラーに相談します。
「フィービーがマイクと別れたのは、マイクが結婚することを拒んだから」という話をチャンドラーから聞き、デビッドは「じゃあ、僕がフィービーにプロポーズする」と言い出します。
その後のシーン。
[Scene: Back in New York, Monica and Chandler in Central Perk on the couch]
ニューヨーク。モニカとチャンドラーはセントラルパークにいて、カウチに座っている。
モニカ: Wow! That Mike thing was interesting! I don't know what's gonna happen with Phoebe and David. (わぉ! そのマイクの件、興味深かったわ。フィービーとデビッドに何が起こるかわからないわね。)
チャンドラー: (smiling cheekily) I do! David is gonna propose to Phoebe. ([生意気そうに(得意気に)微笑んで] 俺にはわかるよ! デビッドはフィービーにプロポーズするつもりなんだ。)
モニカ: What? (looks very shocked) Why? (何ですって? [非常にショックを受けた表情になる] どうして?)
チャンドラー: Be-cause, we were talking about ways that he could beat Mike and I told him that Phoebe wanted to get married. (それは、俺たち(デビッドと俺)が、デビッドがマイクを負かす(マイクに勝つ)ことができる方法について話してて、俺が彼に言ったんだよ、フィービーは結婚したいと思ってる、って。)
モニカ: Chandler, we have talked about this. You are not supposed to give people advice! Now couldn't you have made some sort of inappropriate joke? (チャンドラー、この件については(既に、これまで)話したでしょ。あなたは人にアドバイスを与えてはいけないことになってるの! 不適切なジョークとか言えなかったの?)
チャンドラー: I did! A penis one! Look, just so I know, what was so wrong about what I said? (言ったよ! ペニスのジョークをね! で、(俺がわかるように)聞いておきたいんだけど、俺の言ったことの何が悪かったの?)
モニカ: They've only been going out for a few weeks. Phoebe is completely hung up on Mike! She'll say no, David's heart will be broken, it'll be too hard for them to recover from and then Phoebe will end up alone again. (二人は、2、3週間、付き合ってるだけよ。フィービーは完全にマイクにこだわってるの! フィービーはノーと言って、デビッドの心は傷つき、二人にとってはそこから立ち直るのがとても大変になる、そしてその後、フィービーは結局また一人になるのよ。)
チャンドラー: Man, that's some bad advice! (なんてこった、それはひどいアドバイスだな!)
チャンドラーと話しているモニカは、「そのマイクの件、興味深かった」と言っています。
そのセリフから、「フィービーが、デビッドのことをマイクと呼び間違えた話」を、今チャンドラーがモニカに語っていたらしいことが想像できますね。
モニカが「(そんなことがあった後)この先、フィービーとデビッドに何が起こるかわからないわね」と言うと、チャンドラーは、I do! David is gonna... と答えます。
「モニカはわからない、っていうけど、俺には(二人にこの先、何が起こるか)わかってるよ。デビッドはフィービーにプロポーズするんだ」と、得意げに言っている感じですね。
それを聞いたモニカは驚いていますが、その口調が「どうしてそんなことするの? どうしてそういうことになるわけ?」というような非難めいたものだったので、得意気な顔をしていたチャンドラーは、「もしかして、それってやばかった? まずかった?」みたいに、急におどおどし始め、次のセリフも、Be-cause... という感じで、少しどもりがちになっています。
beat Mike は「(競争相手である)マイクを負かす(マイクに勝つ)、マイクを抜く」というニュアンス。
俺とデビッドは、デビッドが(フィービーの元彼)マイクに勝つ方法を話し合っていて、「フィービーは結婚したがってる」ということを俺がデビッドに言ったんだ、と言っていることになります。
チャンドラーがそう言ったことで、デビッドがプロポーズを決めたと知ったモニカは、いきなりチャンドラーに非難の言葉を浴びせるのではなく、まず、Chandler, we have talked about this. 「チャンドラー、私たちはこのことについて話し合ったでしょ」と言います。
this の内容がその後に続いていて、be not supposed to は「〜してはいけないことになっている」ですから、「あなたは人(人々)にアドバイスを与えてはいけないことになっている」と言っていることになります。
「あなたが人にアドバイスをしても、ろくなことにならないんだから、アドバイスはしちゃだめよ、って言ったでしょ。この件については、よく話し合った上で了解済みだったのに、何で、人にアドバイスなんかしたりしたの?」と非難しているニュアンスですね。
couldn't you have made some sort of inappropriate joke? は、「不適切なジョークとか、言えなかったの?」ということ。
そんな人生にかかわるような真面目で重大なアドバイスとかしないで、いつもみたいに、「その場にふさわしくない、不真面目なジョーク」でかわせば良かったのに、と言いたいのですね。
チャンドラーの I did! は、「俺は(そう)した!」ですから、「(今さら言われなても、その時)俺は(いつものように)不適切なジョークを言ったさ!」と言っていることになります。
A penis one の one は joke のことですね。
「ペニスのジョークを言った」というのは、(ブログの解説では飛ばしてしまいましたが)以下のようなやりとりでした。
デビッド: Why did Phoebe and Mike break up? (フィービーとマイクはどうして別れたの?)
チャンドラー: Oh, because his penis was too big. (he notices that David is not amused) Oh, I'm sorry. That's the kind of thing I do. (pause) They broke up because Mike didn't want to get married. (あぁ、それは彼のペニスがデカすぎたからだよ。[デビッドが面白がっていないのに気付いて] あぁ、ごめん。俺って、そういうことしちゃう(言っちゃう)んだよね。[間があって] 二人が別れたのは、マイクが結婚したがらなかったからだ。)
チャンドラーが訴えているように、「俺は不適切なジョークで乗り切ろうと思ったのに、デビッドが納得してくれなくて、それで真剣な話をせざるを得なくなった」ことが、上のセリフによく出ていると思います。
そう説明した上で、チャンドラーはまだ、自分の発言のどこに問題があったのかわかっていない様子で、「俺が言ったことについて、何がそんなに悪かったの?(俺の言ったことの、どこがいけなかったの?)」と尋ねます。
just so I know は、just so you know と似た感じのフレーズですね。
just so you know は、英辞郎では以下のように出ています。
just so you know=一言申し上げておきますが、だから何だという訳ではないが
「一言申し上げておきますが」というのは、FYI (for your information)「参考までに言っておくと」に近いニュアンスが感じられますね。
just so you know は、just so (that) you know、つまり、just so that you know 「ただ、あなたが知るように・知るために(知ることができるように)」の so that の that が省略されたものと考えることができます。
それを踏まえて、今回の just so I know を見てみると、「ただ、俺が知ることができるように」ということになりますから、「参考のため聞きたいんだけど、どうしてそうなのかわからないから知っておきたいんだけど」という意味で、just so I know を挿入した上で、「俺の発言の何がいけなかったの?」と言ったことになるでしょう。
モニカはフィービー、マイク、デビッドの状況と、その行く末を語っています。
go out は恋愛話では「デートする、付き合う」ですから、「フィービーとデビッドは、まだほんの2、3週間しか付き合っていない」。
Phoebe is completely hung up on Mike! の hung up on は「〜に(心理的に)こだわっている」という意味なので、「フィービーは完全にマイクにこだわっている。マイクのことを忘れられずにいる」ということになります。
「フィービーとデビッドはまだ付き合いが浅い。フィービーは元彼マイクのことが忘れられない」という現状を語った後、「この先こういうことになる」という予測・予想を、will を使って述べています。
and then までの文章は、「フィービーは(デビッドのプロポーズに)ノーと言う。デビッドの心は引き裂かれる(壊れる)。二人にとってそこから回復する(立ち直る)のは非常にハードになる」ですね。
そして最後に、「フィービーは結局最後には、また一人になるの」と言うことになります。
チャンドラーにしてみれば、「元彼のマイクは結婚したくないと言う。フィービーも再会を喜んでいるデビッドが求婚すれば、それで万事丸く収まるじゃん」と思ったのでしょうが、事態はもっと複雑で、「フィービーがマイクのことを忘れられていない以上、デビッドとの関係がうまく行くはずない」とモニカに指摘されてしまったわけですね。
それを聞いたチャンドラーは、Man, that's some bad advice! と言っています。
「なんてこった、それは悪いアドバイスだな!」ということですが、それは、「俺のアドバイスの一体どこが悪かったの?」というチャンドラー自身の質問に対して、自分で答えている感じですね。
「どこが悪かったのかなぁ? 俺には悪いアドバイスには思えなかったんだけど」みたいに呑気に考えていたはずのチャンドラーですが、「あなたのせいで、最終的にはこんなことになっちゃうのよ。今付き合っているデビッドともすぐに別れなきゃいけないはめになるのよ」と説明されたことで、「そんな結果を引き起こすとしたら、俺のしたアドバイスは、ひどいアドバイスだったんだな!」と、改めて思い知ったことを、「あぁ、そりゃあ、ひどいアドバイスだわ」みたいに、どこか他人事っぽい客観的な言い回しで、言葉にしている感じになるでしょうね。
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