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元カノのレイチェルとジョーイがキスしているのを見て、しばらくパニクっていたロスでしたが、ジョーイとじっくり話し合った結果、「みんな、それぞれの道を進むべきだ」と、ジョーイとレイチェルが今の関係を進めるよう、背中を押すことになります。
晴れて付き合えることになったジョーイとレイチェルが、ディナーデートから家に帰ってきたところ。
[Scene: Joey's apartment. Joey and Rachel enter the room]
ジョーイのアパートメント。ジョーイとレイチェルが部屋に入る。
レイチェル: Thanks for dinner. (ディナー、ありがとう[ごちそうさま]。)
ジョーイ: I thought you paid. (Rachel does not answer and seems puzzled) Ha, guess we won't be going back there! (俺は君が払ったと思ってたんだけど。[レイチェルは答えず、困惑した様子] はは、俺たち、あそこには二度と行かないからさ!)
レイチェル: So.... (それで…)
ジョーイ: Yeah. (あぁ。)
(Joey and Rachel start kissing)
ジョーイとレイチェルはキスし始める。
ジョーイ: Hey, what do you say we move this onto the likes of the couch? (ねぇ、これをカウチみたいなものの上に移動する、ってのはどう?)
レイチェル: I say 'cheesy line', but ok. (”安っぽいセリフね”って言うけど[安っぽいセリフだと思うけど]、でもそれでオッケーよ。)
(They move on the couch and start kissing again. Joey does his grazing on Rachel's thigh and she slaps his hand)
二人はカウチに移動して、再びキスし始める。ジョーイがレイチェルの太ももをなでると、レイチェルは彼の手を叩く。
ジョーイ: What's the matter? (どうしたの?)
レイチェル: I am sorry, I don't know, I am sorry. I don't know why I did that! (ごめんなさい、わからないわ、ごめんなさい。どうしてそんなことしたのか自分でもわからないの。)
ジョーイ: Okay. (オッケー。)
レイチェル: Okay. Sorry. (えぇ。ごめんね。)
(They start kissing again and, when Joey grazes her thigh, she slaps him on his hand again)
二人はまたキスし始める、そして、ジョーイがレイチェルの太ももをなでた時、レイチェルは彼の手をまた叩く。
レイチェル: I'm sorry! Again, I don't know, I don't know what happened. I must be nervous! (ごめんなさい! また(今度も)わからないの。何が起こったのかわからない。きっとナーバスになってるのね!)
ジョーイ: I don't get it. Chandler loved it! (俺にはわからないよ。チャンドラーは気に入ってたのに!)
レイチェル: Ok, ok, ok. I promise, I promise, I promise. I won't do it again. I really do. I promise. This is gonna be great. (わかった、わかった、わかった。約束する、約束するわ。もう二度とそんなことしない。ほんとよ。約束する。これはうまくいくから。)
ジョーイ: Okay. (オッケー。)
レイチェル: Okay. (オッケー。)
(They start kissing again and when Joey grazes, she slaps him three times, on the hand, and on both cheeks)
二人はまたキスし始める。そしてジョーイがさすると、レイチェルは彼を3回叩く。手と両方の頬を。
ジョーイ: (a little giddy) Uh.... Was that good for you? ([ちょっとめまいを感じた様子で] あー… 今のが君には良かったわけ? [今みたいなプレイが君は好みなわけ?])
家に帰った後、レイチェルは、「ディナーありがとう」と言っています。
つまり、「ディナー代を払ってくれてありがとうね」ということですね。
それを聞いたジョーイが「俺は君が払ったんだと思ってた」と言うと、レイチェルは、え? みたいな顔をするので、それぞれが相手が払ってたと思ってた、つまり、どちらもお金を払っておらず、食い逃げ状態で帰ってきてしまった、ということがわかるわけですね。
guess we won't be going back there! のように、最初に guess が付いていますが、これは「思う、考える」というニュアンスだろうと思います。
そしてこれは、I guess の主語の I が省略された形、ではなく、命令文として、we won't... ということを考えてみてよ、と言っているニュアンスになるように私は思いました。
俺たちはあそこ(食い逃げしてしまった店)にまた行くことはないだろう、って考えたら、別に問題ないんじゃない? みたいなニュアンスだろうと思うわけですね。
ディナーデートから家に帰って二人きりになったわけですから、二人は「それじゃあ、、」みたいな感じで、キスを始めます。
what do you say we move this onto the likes of the couch? の what do you say (that)...? は、「(that 以下)はいかがですか? どうですか?」と、相手を誘う時に使われるフレーズ。
こういうのはどうかな? と誘っている内容が、we move 以下になります。
the likes of the couch の like(s) は名詞で、通例、the likes of... で「〜のようなもの(人)、〜と同種類のもの」という意味で使われます。
ですからここでは、カウチと限定しているわけではなく、カウチみたいなもの、カウチのように座って、寝転べたりもできるもの、という感覚で使っているようですね。
これ(今、立ちながらしているキス)を、カウチの上に移動させるのはどうかな? と言ったことになり、家に帰ってきた流れで、立ちながらキスを始めたけれど、座ってじっくりキスしよう、みたいに誘ったことになるでしょう。
What do you say...? は上で説明したように「〜はどう?」と誘うフレーズなわけですが、直訳すると、「(〜について)君は何と言う?」ということになりますので、What do you say...? と問われた形を受けて、レイチェルは、I say 'cheesy line" と答えたわけですね。
cheesy は文字通り「チーズのような」というのが基本語義ですが、「安っぽい、低級な」「古くさい」という意味もあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cheesy : (informal) not having good style or quality, and slightly silly
例) a cheesy soap opera
つまり、「(インフォーマル) 良いスタイルや品質を持っていない、そして少しばかげている」。例は「安っぽいソープオペラ」。
cheesy の例に soap opera が出ているのが面白いですね。
ソープオペラは、ジョーイがレギュラー出演している Days of Our Lives のような昼メロのことで、シリアスなドラマに比べると「ありえない設定」も多く、正統派・本格派ドラマと比較すると格下に見られがちなところがあるので、cheesy という形容詞の例として適切だとロングマンの編集者が判断したわけでしょう(笑)。
レイチェルが「cheesy なセリフねぇ」と少しあきれたように言っているその相手が、ソープオペラ俳優のジョーイであり、たまたまロングマンの例が、「cheesy なソープオペラ」となっていたのが個人的には何だかとても面白かったです^^
その後、二人はカウチに移動してキスの続きを始めます。
ト書きの does his grazing on の graze は「〜をかすめる、〜に軽く触れて通る」という意味。
thigh は「太もも」ですから、do his grazing on Rachel's thigh は、「レイチェルの太ももに対して、軽く触れるという行為を行う」という感覚になり、つまりは「レイチェルの太ももをなでる」と言っていることになります。
ちなみに、ここでは、does his grazing on Rachel's thign という表現を使っていますが、少し後のト書きでは、Joey grazes her thigh のように、-ing を使わない形で表現しているのにも注目しておきましょう。
ロマンティックにキスする流れで、ジョーイはレイチェルの太ももをなでるように触っているのですが、その手をレイチェルが slap する、つまり、パシッ(ペシッ)! と叩くので、ジョーイは驚いています。
叩かれた手を、今のは痛かったな、というように軽く振りながら、What's the matter? 「どうしたの?」と尋ねていますね。
叩いた方のレイチェルも、自分がしてしまったことに驚いている様子で、「ごめんなさい。わからない。どうしてそんなことしたのか、自分でもわからないの」と言っています。
レイチェルが申し訳なさそうに謝っているので、気を取り直してまたキスを始めるのですが、また太ももをさすっている時に、レイチェルは彼の手を叩いてしまいます。
さっきよりも音が大きく、さっきよりも痛そうな感じですね。
またレイチェルはひたすら謝るばかりで、「何が起こったのか自分でもわからない。きっとナーバスになってるに違いないわ!」と言っています。
お互い好き同士のはずなのに、太ももに触れては手をハタかれる(笑)ことが続いて、ご不満そうなジョーイは「俺にはわからないよ」と言った後、Chandler loved it! 「チャンドラーはそれ(俺が太ももを触ること)が好きだったのに、気に入ってたのに!」と言っています。
これは、今回のエピソードの冒頭シーンで、ジョーイがチャンドラーの太ももをなでるシーンがあったことを受けた形になっています。
その冒頭シーンでは、「最初のデートで緊張しないのか? 何でそんなに自信あるんだ?」と尋ねたチャンドラーに、ジョーイが、I know exactly what I'm gonna do! 「何をやるか俺には完璧にわかってるからさ!」と言って、初デートで行うことを以下のように説明していました。
ジョーイ: No, I do six things! First, I look deep in her eyes, then I kiss her. Next, I take my hand and I softly graze her thigh. (いや(相手によって変えるんじゃなくて)、(いつも決まった)6つのことをするんだよ! まず最初に、相手の目をじっと見る。それから彼女にキスする。次に、手を伸ばして、彼女の太ももを優しくなでるんだ。)
チャンドラー: You mean like this? (he starts touching his thigh in a funny and awkward way) (こういう感じのこと(を言ってるの)? [チャンドラーは自分の太ももを、おかしげで、ぎこちない感じで触り始める])
ジョーイ: NO! Not like that. No, no. No, like this: (He starts lightly grazing Chandler's thigh) (違うよ! そんなんじゃない。違う違う。こんな感じだよ。[ジョーイはチャンドラーの太ももを軽くなで始める])
チャンドラー: Oh, I see what you mean. That's quite nice. (They look at each other, both embarassed) (あぁ、お前の言ってる意味がわかるよ。それって実に気持ちいいね。[二人はお互いを見て、二人ともばつの悪い顔をする])
「こんな風に彼女の太ももをなでるんだよ」とジョーイがチャンドラーに実演してみせた時、チャンドラーはつい正直に(笑) quite nice と言ってしまい、男二人は気まずくなるのですが、チャンドラーはジョーイのその「太ももお触りテクニック」を気持ちいいと喜んでたのに、レイチェルはそれをしたらひっぱたくなんてどういうことだよ、とジョーイは怒っていることになります。
レイチェルは「もう叩いたりしないから」と約束し、また二人はキスを始めるのですが、今度、ジョーイが太ももをなでた時には、レイチェルはジョーイの手だけではなく、両頬までひっぱたいてしまいます。
顔をビンタされてしまったジョーイは、頭がくらくらする様子で、しばらくしてから、Was that good for you? と言っています。
直訳すると、「今のは君にとって良かったのか?」ということですが、それはつまり、「今みたいに、相手をひっぱたいたりするのが、君にはいいプレイなわけ?」みたいに言ったことになるでしょう。
DVDの日本語訳では、「えー、君ってサド?」となっていましたが、そんな風に「相手を痛めつけるタイプのエッチが好きな人? 君ってドSの人?」と言っているのだろうと私も思いました。
「君にとっては、今みたいなのが良かったの?」→「君は今みたいなのが好きなの?」ということですね。
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2016年01月04日
2016年01月02日
モーバイルにまで電話してごめん フレンズ10-3その1
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シーズン10 第3話
The One With Ross's Tan (レイチェル&ジョーイの甘い夜)
原題は「ロスの日焼けの話」
セントラルパークにフィービーが入ってきます。
フィービー: Oh, you won't believe who moved back to town. (あぁ、ここ(この町)に誰か帰ってきたか、信じられないと思うわ[信じられない人が帰ってくるのよ]。)
モニカ: I know. Amanda! Ah! She called me too! She's the worst! (知ってる。アマンダね! あぁ! 彼女は私にも電話してきたの! 彼女って最悪よね!)
チャンドラー: Who's Amanda? (アマンダって誰?)
モニカ: She's this girl who used to live in the building before you did. Then she moved to England and she picked up this fake British accent. On the machine this is her message: (she apes Amanda using an awful British accent) "Monica, darling! It's Amanda calling!" (あなたが住む前にアパートメント(の建物)に住んでいた子よ。それから彼女はイングランドに引っ越して、変なイギリスなまり(ブリティッシュ・アクセント)を身につけた[覚えた]の。留守電にあった彼女のメッセージはこんなのよ。(ひどい[下手な]イギリスなまりを使って、アマンダの真似をする) ”モニカ、ダーリン! もしもし、アマンダよ!”)
チャンドラー: Are you trying to do a British accent? ((それで)イギリスなまりをしようとしてるわけ?)
モニカ: (pause) (to Phoebe) Chandler gets pedicures! ([間があって][フィービーに] チャンドラーはペディキュアをしてるのよ!)
チャンドラー: Just so I know, how many more of those can I expect? (ちなみに、こういうのをあと何回、予期することができる?[あと何回、聞かないといけないの?])
フィービー: You know what Amanda said to me when she got me on the phone? (apes Amanda in a British accent) "Oh, so sorry to catch you on your Mo-Bile!" If-if you don't wanna get me on my mo-Bile, don't call me on my mo-Bile! (私が電話に出た時、彼女が私に何て言ったか知ってる? [イギリスなまりのアマンダの真似をして] ”あぁ、ほんとにごめんなさい、あなたのモーバイルに電話しちゃって!” もしモーバイルに電話してまで私をつかまえたくなかったら、私のモーバイルに電話するな、っての!)
モニカ: I know, and she's always bragging about all the famous people she's met. (そうよね、で、アマンダはいつも、自分が会ったことのある有名人の自慢ばっかりしてるのよ。)
フィービー: Oh, I know! "Oh...I slept with Billy Joel". All right, who hasn't? (えぇ、そうよね! 「あぁ… 私、ビリー・ジョエルと寝たの」。そうよね、誰が寝たことないっての?)
セントラルパークに入ってきたフィービーが「信じられないような人が(聞いたら、あの人が? と驚くような人が)帰ってきたのよ」と言うのを聞いて、モニカは「知ってる。アマンダよね」と言い、「彼女、私のところにも電話してきたの。彼女って最悪よね!」と言っています。
フィービーがその情報を知っていたことから、「あぁ、フィービーのところにもアマンダから電話があったのね」という意味を込めて、「私のところにも電話があった」という意味で too をつけていることになります。
アマンダという人物を知らない様子のチャンドラーが、「それ誰?」と尋ねると、モニカは、その女性のことを説明しています。
She's this girl who used to live... の this は、不定冠詞 a のようなニュアンスの this ですね。
あなたがこのアパートメントの建物に住む前に、かつて住んでいたある女の子・女性なの、と説明していることになります。
「それから彼女はイングランドに引っ越して(移り住んで)、fake British accent を pick up した」と説明します。
fake British accent は「にせのイギリスなまり」というところで、イギリスっぽいアクセントを真似ているようで、その実、でたらめ、みたいなニュアンスが込められていると言えるでしょう。
pick up は「持ち上げる、拾い上げる」が基本語義ですが、ここでは「獲得する、身につける」という意味で使われています。
On the machine this is her message を直訳すると、「留守電で[留守電において]、これが彼女のメッセージである」ということですが、もう少しこなれた日本語にすると、「留守電に、彼女はこんなメッセージを残してたのよ」というところですね。
ト書きの ape は「サル、類人猿」で、「人まねをする人」という意味もあることから、動詞では「〜をまねる、人まねをする」という意味で使われます。
チャールトン・ヘストン主演の1968年の映画「猿の惑星」の原題は、Planet of the Apes ですね。(そう言えば、今年は申年(さるどし)で、新年最初の記事に ape という単語が登場するのは何だかタイムリー^^)
日本語にも「猿真似(さるまね)」という言葉がありますが、人間に近い動物である猿が人を真似る、という感覚は、日本語の猿真似、英語の ape に共通していると言えるでしょう。
Macmillan Dictionary では、
ape [transitive] : to copy someone, especially the way they behave or speak
例) You can't just ape other singers if you want to be a successful recording artist.
つまり、「もし成功したレコーディングアーティストになりたければ、他の歌手をただ真似していてはいけない」。
アマンダのひどい(下手な)イギリスなまりを真似て、モニカが、"Monica, darling! It's Amanda calling!" と言った後、それを聞いたチャンドラーが、「モニカはイギリスなまりをしようとしてるの?」と言っていることから、「それで、イギリスなまりをやってるつもり?」と言っていることになるでしょう。
「アマンダってこんな口調なのよ〜」とモニカは言いたいようですが、「彼女の真似をいやそうな顔してやってるだけで、その変顔だけが際立ってる」みたいにチャンドラーは言いたいのだろうと思います。
「それは確かに、イギリスっぽさを出そうとしてるけど、変なイギリスなまりだよね」と言ってもらえたら、モニカも真似した甲斐があるのですが、「モニカが言ってる、アマンダの変なイギリスなまりってそれ?」みたいにケチを付けられた形になったので、モニカはムッとして、「チャンドラーはペディキュアしてるのよ」とフィービーに暴露することになります。
ここで、「チャンドラーはペディキュアをしてる」という話が出てきたのは、今回のエピソードのオープニング後のシーンからの流れになっています。モニカの脚がきれいに日焼けしているのを見たロスが驚き、
ロス: How did you get so tan? (どうやってそんなに日焼けしたの?)
チャンドラー: She went to one of those spray-on tan places. (例の(よくある)スプレー式の日焼け店に行ったんだよ。)
ロス: Eh, you got a spray-on tan? (え、スプレー式で焼いたの?)
モニカ: Chandler gets pedicures! (チャンドラーはペディキュアをしてる!)
スプレー式日焼けの店で焼いたことを暴露されたのがモニカは気に入らなかったようで、それで仕返しのように「ええ、確かに私はスプレー式の日焼け店で焼いたけど、チャンドラーなんか足にペディキュアしてるのよ!」と暴露し返したことになります。
Just so I know, how many more of those can I expect? を直訳すると、「ちなみに(参考までに聞くけど)、そういうものをもうあと何回、俺は予期することができるの?」になるでしょうか。
expect は何かが起こることを「予期する」ということですが、それが良いことであれば「期待する」で、悪いことであれば「予想する」、あるいは「覚悟する」と表現しても良いでしょうね。
「あと何回予期することができるのかな?」みたいに言っているのは、「あと何回聞かなきゃいけないわけ?」というのを皮肉っぽく言っていることになるでしょう。
ロスとの会話中に暴露された上、またここでもフィービーに暴露されたことを受けて、「一体、何回、俺のペディキュアの話を暴露すれば気が済むの? この先、何回、俺はその話を聞かないといけないのかな?」と言ったことになります。
You know what Amanda said... の when she got me on the phone は、「アマンダが電話で私をゲットした時」みたいなことで、「電話で私をつかまえた時」→「アマンダが私に電話をかけてきて、私と話した時」ということになります。
モニカの場合は、直接電話で話したわけではなく、留守電にメッセージが入っていたわけですが、フィービーはアマンダから電話がかかってきて、実際に彼女と話したことが、she got me on the phone という表現からもわかる、ということですね。
先ほどのモニカ同様、フィービーもイギリスなまりのアマンダの真似をしています(ここでもト書きでは ape が使われていますね)。
Oh, so sorry to catch you on your Mo-Bile! は、「あぁ、ほんとにごめんなさい。あなたの Mo-Bile であなたをつかまえて」ということですから、要は、「あなたに連絡を取るのに、あなたのモバイルにまで電話しちゃって、ほんとにごめんなさいね〜!」と言っていることになります。
フィービーが、ことさら、Mo-Bile の発音を大げさに言っていることからもわかるように、これが「イギリスなまり」の象徴っぽい言葉となっています。
フレンズでは携帯電話のことは、cell phone と呼ぶことが多いですが、mobile phone も携帯電話という意味になります。
Macmillan Dictionary では、
mobile phone : a small phone that you can carry around with you. The usual American word is cell phone.
つまり、「持ち歩くことが可能な小さな電話。通常のアメリカ英語は、cell phone である」。
そんな風に、アメリカ人なら普通、cell phone と言うところ、アマンダは、mobile (phone) という言葉を使っているところに、「イギリスかぶれ」になっていることが出ている、ということですね。
また、mobile という単語は、「モゥバル」みたいに発音するのがアメリカ式で、それを「モゥバイル(マゥバイル)」みたいに発音するのがイギリス式発音になります。
携帯電話のことを、mobile (phone) と表現するだけでなく、その発音もイギリス風にしているのが、このセリフのポイントということですね。
聞いているモニカも、その「モゥバイル」の発音を聞いて、嫌そうな顔をしています。
その後も、mobile という単語が出てくるたびに、わざとイギリス風の「モゥバイル」と発音を強調しているのが面白いですね。
if you don't wanna get me on my mo-Bile, don't call me on my mo-Bile! を直訳すると、「私のモーバイルにに電話して私をつかまえたくなかったら、私のモーバイルに電話するな!」になりますね。
「モーバイルにまで電話しちゃって、ほんとごめんなさいねぇ〜」と、イギリス発音を強調するアマンダのことを、「ごめんと思うなら、あなたが言うその”モーバイル”とやらに電話してくるなよ!」と、「モーバイル、モーバイルって、イギリスアピールがしつこい!」という気持ちを、そのセリフで表現したことになるでしょう。
言っているフィービーも、「この言い方がイライラすんのよね!」という様子で、キーッとなっていますね。
モニカは、アマンダの別の嫌なところを挙げています。
she's always bragging about のように、always+進行形は、「いつも〜してばかりいる」という主語に対する話者の不平・不満が出た表現になります。
つまり、「アマンダは、自分が会ったことのある有名な人々(有名人)(すべて)について、自慢してばかりいる」ということですね。
フィービーはそれに同意して、そう言えばアマンダはこんなこと言ってたわ、というように、「あぁ、私、ビリー・ジョエルと寝たの!」と言っています。
「ビリー・ジョエルと寝た」とはまた、大きく出たな! という感じで笑えてしまうのですが、このセリフの本当のオチはその次の All right, who hasn't? の方ですね。
who hasn't = who hasn't slept with... ということで、直訳すると、「そうよね。ビリーと寝たことない人って誰なの? ビリーと寝たことない人なんているっての?」みたいなことを言っていることになります。
Who cares? 「誰が気にするっての?」→「誰も気にしないわ」になるように、Who hasn't? 「誰がそうしたことないっての?」→「みんなそうしてるわ」と言っていることになるという、反語ですね。
実在する有名な歌手であるビリーのことを、そんな風にジョークにしてしまっていいのかなぁ〜と心配にもなりますが、昨年2015年(ビリーは66歳)の独立記念日に、33歳年下の恋人と結婚した、というニュースもあったようですから、モテ男のイメージのある有名人のジョークとして許されるということなのかなぁ、と思ったりもしました^^
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原題は「ロスの日焼けの話」
セントラルパークにフィービーが入ってきます。
フィービー: Oh, you won't believe who moved back to town. (あぁ、ここ(この町)に誰か帰ってきたか、信じられないと思うわ[信じられない人が帰ってくるのよ]。)
モニカ: I know. Amanda! Ah! She called me too! She's the worst! (知ってる。アマンダね! あぁ! 彼女は私にも電話してきたの! 彼女って最悪よね!)
チャンドラー: Who's Amanda? (アマンダって誰?)
モニカ: She's this girl who used to live in the building before you did. Then she moved to England and she picked up this fake British accent. On the machine this is her message: (she apes Amanda using an awful British accent) "Monica, darling! It's Amanda calling!" (あなたが住む前にアパートメント(の建物)に住んでいた子よ。それから彼女はイングランドに引っ越して、変なイギリスなまり(ブリティッシュ・アクセント)を身につけた[覚えた]の。留守電にあった彼女のメッセージはこんなのよ。(ひどい[下手な]イギリスなまりを使って、アマンダの真似をする) ”モニカ、ダーリン! もしもし、アマンダよ!”)
チャンドラー: Are you trying to do a British accent? ((それで)イギリスなまりをしようとしてるわけ?)
モニカ: (pause) (to Phoebe) Chandler gets pedicures! ([間があって][フィービーに] チャンドラーはペディキュアをしてるのよ!)
チャンドラー: Just so I know, how many more of those can I expect? (ちなみに、こういうのをあと何回、予期することができる?[あと何回、聞かないといけないの?])
フィービー: You know what Amanda said to me when she got me on the phone? (apes Amanda in a British accent) "Oh, so sorry to catch you on your Mo-Bile!" If-if you don't wanna get me on my mo-Bile, don't call me on my mo-Bile! (私が電話に出た時、彼女が私に何て言ったか知ってる? [イギリスなまりのアマンダの真似をして] ”あぁ、ほんとにごめんなさい、あなたのモーバイルに電話しちゃって!” もしモーバイルに電話してまで私をつかまえたくなかったら、私のモーバイルに電話するな、っての!)
モニカ: I know, and she's always bragging about all the famous people she's met. (そうよね、で、アマンダはいつも、自分が会ったことのある有名人の自慢ばっかりしてるのよ。)
フィービー: Oh, I know! "Oh...I slept with Billy Joel". All right, who hasn't? (えぇ、そうよね! 「あぁ… 私、ビリー・ジョエルと寝たの」。そうよね、誰が寝たことないっての?)
セントラルパークに入ってきたフィービーが「信じられないような人が(聞いたら、あの人が? と驚くような人が)帰ってきたのよ」と言うのを聞いて、モニカは「知ってる。アマンダよね」と言い、「彼女、私のところにも電話してきたの。彼女って最悪よね!」と言っています。
フィービーがその情報を知っていたことから、「あぁ、フィービーのところにもアマンダから電話があったのね」という意味を込めて、「私のところにも電話があった」という意味で too をつけていることになります。
アマンダという人物を知らない様子のチャンドラーが、「それ誰?」と尋ねると、モニカは、その女性のことを説明しています。
She's this girl who used to live... の this は、不定冠詞 a のようなニュアンスの this ですね。
あなたがこのアパートメントの建物に住む前に、かつて住んでいたある女の子・女性なの、と説明していることになります。
「それから彼女はイングランドに引っ越して(移り住んで)、fake British accent を pick up した」と説明します。
fake British accent は「にせのイギリスなまり」というところで、イギリスっぽいアクセントを真似ているようで、その実、でたらめ、みたいなニュアンスが込められていると言えるでしょう。
pick up は「持ち上げる、拾い上げる」が基本語義ですが、ここでは「獲得する、身につける」という意味で使われています。
On the machine this is her message を直訳すると、「留守電で[留守電において]、これが彼女のメッセージである」ということですが、もう少しこなれた日本語にすると、「留守電に、彼女はこんなメッセージを残してたのよ」というところですね。
ト書きの ape は「サル、類人猿」で、「人まねをする人」という意味もあることから、動詞では「〜をまねる、人まねをする」という意味で使われます。
チャールトン・ヘストン主演の1968年の映画「猿の惑星」の原題は、Planet of the Apes ですね。(そう言えば、今年は申年(さるどし)で、新年最初の記事に ape という単語が登場するのは何だかタイムリー^^)
日本語にも「猿真似(さるまね)」という言葉がありますが、人間に近い動物である猿が人を真似る、という感覚は、日本語の猿真似、英語の ape に共通していると言えるでしょう。
Macmillan Dictionary では、
ape [transitive] : to copy someone, especially the way they behave or speak
例) You can't just ape other singers if you want to be a successful recording artist.
つまり、「もし成功したレコーディングアーティストになりたければ、他の歌手をただ真似していてはいけない」。
アマンダのひどい(下手な)イギリスなまりを真似て、モニカが、"Monica, darling! It's Amanda calling!" と言った後、それを聞いたチャンドラーが、「モニカはイギリスなまりをしようとしてるの?」と言っていることから、「それで、イギリスなまりをやってるつもり?」と言っていることになるでしょう。
「アマンダってこんな口調なのよ〜」とモニカは言いたいようですが、「彼女の真似をいやそうな顔してやってるだけで、その変顔だけが際立ってる」みたいにチャンドラーは言いたいのだろうと思います。
「それは確かに、イギリスっぽさを出そうとしてるけど、変なイギリスなまりだよね」と言ってもらえたら、モニカも真似した甲斐があるのですが、「モニカが言ってる、アマンダの変なイギリスなまりってそれ?」みたいにケチを付けられた形になったので、モニカはムッとして、「チャンドラーはペディキュアしてるのよ」とフィービーに暴露することになります。
ここで、「チャンドラーはペディキュアをしてる」という話が出てきたのは、今回のエピソードのオープニング後のシーンからの流れになっています。モニカの脚がきれいに日焼けしているのを見たロスが驚き、
ロス: How did you get so tan? (どうやってそんなに日焼けしたの?)
チャンドラー: She went to one of those spray-on tan places. (例の(よくある)スプレー式の日焼け店に行ったんだよ。)
ロス: Eh, you got a spray-on tan? (え、スプレー式で焼いたの?)
モニカ: Chandler gets pedicures! (チャンドラーはペディキュアをしてる!)
スプレー式日焼けの店で焼いたことを暴露されたのがモニカは気に入らなかったようで、それで仕返しのように「ええ、確かに私はスプレー式の日焼け店で焼いたけど、チャンドラーなんか足にペディキュアしてるのよ!」と暴露し返したことになります。
Just so I know, how many more of those can I expect? を直訳すると、「ちなみに(参考までに聞くけど)、そういうものをもうあと何回、俺は予期することができるの?」になるでしょうか。
expect は何かが起こることを「予期する」ということですが、それが良いことであれば「期待する」で、悪いことであれば「予想する」、あるいは「覚悟する」と表現しても良いでしょうね。
「あと何回予期することができるのかな?」みたいに言っているのは、「あと何回聞かなきゃいけないわけ?」というのを皮肉っぽく言っていることになるでしょう。
ロスとの会話中に暴露された上、またここでもフィービーに暴露されたことを受けて、「一体、何回、俺のペディキュアの話を暴露すれば気が済むの? この先、何回、俺はその話を聞かないといけないのかな?」と言ったことになります。
You know what Amanda said... の when she got me on the phone は、「アマンダが電話で私をゲットした時」みたいなことで、「電話で私をつかまえた時」→「アマンダが私に電話をかけてきて、私と話した時」ということになります。
モニカの場合は、直接電話で話したわけではなく、留守電にメッセージが入っていたわけですが、フィービーはアマンダから電話がかかってきて、実際に彼女と話したことが、she got me on the phone という表現からもわかる、ということですね。
先ほどのモニカ同様、フィービーもイギリスなまりのアマンダの真似をしています(ここでもト書きでは ape が使われていますね)。
Oh, so sorry to catch you on your Mo-Bile! は、「あぁ、ほんとにごめんなさい。あなたの Mo-Bile であなたをつかまえて」ということですから、要は、「あなたに連絡を取るのに、あなたのモバイルにまで電話しちゃって、ほんとにごめんなさいね〜!」と言っていることになります。
フィービーが、ことさら、Mo-Bile の発音を大げさに言っていることからもわかるように、これが「イギリスなまり」の象徴っぽい言葉となっています。
フレンズでは携帯電話のことは、cell phone と呼ぶことが多いですが、mobile phone も携帯電話という意味になります。
Macmillan Dictionary では、
mobile phone : a small phone that you can carry around with you. The usual American word is cell phone.
つまり、「持ち歩くことが可能な小さな電話。通常のアメリカ英語は、cell phone である」。
そんな風に、アメリカ人なら普通、cell phone と言うところ、アマンダは、mobile (phone) という言葉を使っているところに、「イギリスかぶれ」になっていることが出ている、ということですね。
また、mobile という単語は、「モゥバル」みたいに発音するのがアメリカ式で、それを「モゥバイル(マゥバイル)」みたいに発音するのがイギリス式発音になります。
携帯電話のことを、mobile (phone) と表現するだけでなく、その発音もイギリス風にしているのが、このセリフのポイントということですね。
聞いているモニカも、その「モゥバイル」の発音を聞いて、嫌そうな顔をしています。
その後も、mobile という単語が出てくるたびに、わざとイギリス風の「モゥバイル」と発音を強調しているのが面白いですね。
if you don't wanna get me on my mo-Bile, don't call me on my mo-Bile! を直訳すると、「私のモーバイルにに電話して私をつかまえたくなかったら、私のモーバイルに電話するな!」になりますね。
「モーバイルにまで電話しちゃって、ほんとごめんなさいねぇ〜」と、イギリス発音を強調するアマンダのことを、「ごめんと思うなら、あなたが言うその”モーバイル”とやらに電話してくるなよ!」と、「モーバイル、モーバイルって、イギリスアピールがしつこい!」という気持ちを、そのセリフで表現したことになるでしょう。
言っているフィービーも、「この言い方がイライラすんのよね!」という様子で、キーッとなっていますね。
モニカは、アマンダの別の嫌なところを挙げています。
she's always bragging about のように、always+進行形は、「いつも〜してばかりいる」という主語に対する話者の不平・不満が出た表現になります。
つまり、「アマンダは、自分が会ったことのある有名な人々(有名人)(すべて)について、自慢してばかりいる」ということですね。
フィービーはそれに同意して、そう言えばアマンダはこんなこと言ってたわ、というように、「あぁ、私、ビリー・ジョエルと寝たの!」と言っています。
「ビリー・ジョエルと寝た」とはまた、大きく出たな! という感じで笑えてしまうのですが、このセリフの本当のオチはその次の All right, who hasn't? の方ですね。
who hasn't = who hasn't slept with... ということで、直訳すると、「そうよね。ビリーと寝たことない人って誰なの? ビリーと寝たことない人なんているっての?」みたいなことを言っていることになります。
Who cares? 「誰が気にするっての?」→「誰も気にしないわ」になるように、Who hasn't? 「誰がそうしたことないっての?」→「みんなそうしてるわ」と言っていることになるという、反語ですね。
実在する有名な歌手であるビリーのことを、そんな風にジョークにしてしまっていいのかなぁ〜と心配にもなりますが、昨年2015年(ビリーは66歳)の独立記念日に、33歳年下の恋人と結婚した、というニュースもあったようですから、モテ男のイメージのある有名人のジョークとして許されるということなのかなぁ、と思ったりもしました^^
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