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ロスに「誰も部屋から出すな」と言いつけられていたのに、エマの祖父母に当たるゲラーパパとママ(ジャックとジュディ)をあっさり帰してしまったジョーイ。
そのことを非難された後、
ジョーイ: (Shocked) Oh! Well, that's it! He's the last one to go. I'm locking you guys in. (turns the bolts of the door, thereby locking it) ([ショックを受けて] あぁ! じゃあ、それまでだ! 彼が(ここから)帰る最後の人だ[ここから人が帰るのは、彼で最後だ]。俺は君らを部屋の中に、鍵を掛けて閉じ込める。[ドアのボルトを回す、それによって鍵が閉まる])
チャンドラー: You do know I can just turn them the other way around, right? (俺がそれを反対側に回せばいいだけだって、お前、わかってるよな?)
ジョーイ: Oh! I forgot you used to live here! (あぁ! お前が昔、ここ[この部屋]に住んでたことを忘れてたよ!)
(The phone rings, Joey picks up)
電話が鳴る。ジョーイが電話に出る。
ジョーイ: Hello? (もしもし?)
エステル: (on the other side of the line) Joey! It's Estelle! ([電話の向こう側で] ジョーイ! エステルよ!)
ジョーイ: Hey! (smiles) (どうも! [微笑む])
エステル: So how'd your audition go today? (それで、今日のオーディションはどうだった?)
ジョーイ: (smile fades) What audition? ([微笑みが消え] 何のオーディション?)
エステル: The one I told you about last week? (先週話したやつだけど?)
ジョーイ: What? You never said anything about an audition! (何だって? オーディションについて、あなたは何も言ってなかったですよ!)
エステル: (Looks confused) Let me start over. I just got a call about an audition. I think you can still make it. It's down at the Astor Theatre and you need to have a monologue prepared. ([困惑した顔をして] 最初からやり直させて[もう一度最初から言うわね]。たった今、オーディションの件で電話があったの。まだ間に合うと思うわ。アスター劇場で、モノローグ(独白・ひとり芝居)の用意をしていくことが必要よ。)
ジョーイ: A monologue? I don't have a-- (sees the book he was reading before for his "dramatic reading") I got it. (hangs up) (announces to the room) Aah! so... I'm gonna take off! (モノローグだって? 俺はそんな用意は… [”ドラマティックな朗読”のために、少し前にジョーイが読んでいた本を見て] 了解! [電話を切る] [部屋(にいる全員)に宣言する] あー! そういうことで…俺は出かけるよ!)
ゲラーパパとママを帰したことで非難されたジョーイは「あぁ、じゃあ、それまでだ(今ので終わりだ)」と言った後、He's the last one to go. I'm locking you guys in. と言います。
つまり、「(ここを)出て行くのは彼が最後の人だ。俺は君らを lock in する」ということですね。
lock someone in は「人を中にいる状態で鍵をかける」ということですから、「鍵をかけて人を中に閉じ込める、鍵をかけて人が外に出ないようにする」ということになります。
そう言ってト書きにあるように、部屋の中から、ドアの鍵を回して閉めるのですが、それを見ていたチャンドラーは、You do know I can... のセリフを言うことになります。
You do know のように、You know が do で強調される形になっているので、「お前は(絶対に)知ってるよな(知ってるはずだよな)」と、「お前、当然わかってるよね」的なニュアンスになるでしょう。
「おまえ、わかってるよな」と言ったその内容は、「俺がただそのカギを反対側に回すことができるってことを」になります。
つまり、「お前は今、”お前らを閉じ込めてやる!”と言って、中から鍵をかけたけど、俺ら中にいる人間は、その鍵を反対に回せば、鍵を開けて外に出ることが簡単にできちゃうんだけど?」ということですね。
中にいる人間は中から鍵を開ければ済むことだ、と言うことで、「お前らを鍵かけて閉じ込めてやったぞ」と言っているジョーイの勘違いを指摘したことになるのですが、それを聞いたジョーイの返答が、ジョーイっぽくて面白いです。
Oh! I forgot you used to live here! を直訳すると、「あぁ! お前が以前ここに住んでいたことを、俺は忘れてたよ!」になりますね。
つまりジョーイは、「そっか、お前は(ジョーイとの同居という形で)以前この部屋に住んでたことがあるから、鍵の開け方、知ってるんだったよな。お前が元住人で、鍵の仕組みを知ってることを忘れてた俺がバカだった」みたいに言ったことになります。
ですが、「ドアの鍵を中から開けられる」というのは、普通のドアの仕様は全てそうなわけで、別にこの部屋に限ったことではありません。
「中から鍵かけたって、中の人は開けられる」という、一般的なドアの仕様について言ったのに、それが「元住人だからその仕組みがわかった」みたいに言っている面白さになるわけですね。
「元住人だからわかる、じゃなくて、ドアって普通そういうもんなんだけど、、」と言いたそうな顔をしているチャンドラーではありますが、それについて言葉で指摘することはなく、ジョーイのあまりのおバカ加減にただ困った顔をすることになります。
そんな中、電話がかかってきて、ジョーイが出ると、相手はエージェントのエステル。
軽い挨拶の後、エステルは「今日のオーディションはどうだった?」と尋ねています。
How'd your audition go? は、How did your audition go? 「あなたのオーディションは、どんな風に行った?」→「オーディションはどうだった? どんな感じだった?」と、オーディションがうまく行ったかどうかの結果を尋ねる質問になります。
その質問を聞いたジョーイは、顔から微笑みが消えて、「何のオーディション? オーディションって何のこと?」みたいに問い返します。
The one I told you about last week? は、「先週、(それについて)私があなたに話したものだけど?」という感覚で、「ほら、先週、あなたにオーディションのこと、話したでしょ? あのオーディションのことよ」と言っているニュアンスになります。
「先週話した」と説明したエステルに対してジョーイは、「あなたはオーディションについてのことなんて、何も言ってなかったですよ!」と指摘します。
そう言われた電話の向こう側のエステルは、「あれ、そうだったかな? 言ってなかったかな?」みたいな顔をして、Let me start over. と言います。
start over は「(最初から)やり直す」ということですから、直訳すると、「私に最初からやり直させて」と言っていることになりますね。
そう言って、I just got a call... 以下のセリフを言っていますが、これは「たった今、あるオーディションの件で電話があったの」ということ。
少し前には「先週話したオーディションよ」と、お互いがそれと認識できているものとして語っていたエステルですが、ジョーイにそのオーディションのことを言い忘れていたとわかって、「じゃあ、もう一度最初から言うわね」と言って、「先週話したオーディション」というものは存在しない大前提で、「あるオーディション(an audition)の件でさっき電話があったのよ」と、さも新しい情報であるかのように言っている面白さになります。
日本人が苦手とする、冠詞の a/the の使い分けですが、「今初めてそのオーディションの話を伝えたかのように言う」今回の場合には、the audition 「そのオーディション、例のオーディション」ではなく、初出の感覚の an audition を使うことになる、という仕組みになるわけですね。
「さっき言ったことは聞かなかったことにして。もう一度話を最初からやり直すわ」みたいに言って、新規情報を提供するふりをしていることが、an audition という冠詞に表れている、ということになります。
make it は「間に合う」という意味なので、I think you can still make it. は「まだ(今なら)そのオーディションに間に合うと思うわ」ということですね。
さもさっき聞いたかのようなふりをしてはいますが、ジョーイには「先週話した件」と言ってしまっているので、「そのオーディションは、今から行けばまだ間に合うから」とそこは正直に説明していることになります。
そのオーディションはアスター劇場であるのよ、と言った後、you need to have a monologue prepared と続けます。
直訳すると、「モノローグが準備されている状態があなたには必要である」というところで、要は「モノローグができるように準備していくことが必要よ」ということですね。
monologue は「モノローグ」として日本語になっていますが、「独白、ひとり芝居」という意味ですね。
「モノローグって言われても、急にそんなもの準備できないよ…」と言いかけたジョーイですが、そばにある本を見て、「了解」と言うことになります。
ト書きにも少し説明されていますが、今回のエピソードの中で、エマへのプレゼントを用意していなかったジョーイが、「自分は俳優だから、エマに”ドラマティックな朗読(読み聞かせ)”をしてあげられるよ」と言って、赤ちゃん向けの絵本を即興で、そして実際にドラマティックに読み上げてフレンズたちを感動させる、というシーンがありました。
「本を読むことで人を感動させた」ばかりのジョーイは、オーディションの演目はモノローグと聞いて、「それなら準備しなくても、さっきの朗読をそのままやればいいんだ!」と気づき、即座に了解して電話を切ったことになります。
その後、ロスに「誰も出て行かないように見張ってて」と言われたはずのジョーイなのに、「あぁ、そういうことで、俺は出かけるよ!」と、部屋にいるフレンズたちに宣言することになります。
オーディションで落ちることが多いジョーイなので、急に聞いたオーディションで、内容も難しそうなものなら、「ロスに見張りを頼まれたし」という事情もありますし、準備してないから行っても無駄だろうな、と思って、あきらめてしまう可能性も高いですよね。
ですが今回の場合は、演目がモノローグで、みんなが感動するような読み聞かせをしたばかりなので、「これは絶好のチャンス!」と思い、見張りをお願いされたことなどすっかり忘れ、「絶対にオーディションに行きたい!」となってしまう流れになっているということで、「ジョーイが本を朗読した」という伏線が、ここで生きてくるということですね。
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