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部屋の電話が鳴ったので、モニカは奥の部屋に行き、その間に、ドアに挟まったジョーイの首を抜こうとフレンズたちは頑張っています。
思い切り引っ張ったところ、感謝祭のごちそうが置いてあったキャスター付きの小テーブルにジョーイが突っ込み、ごちそうが全部、床に落ちてしまいます。
チャンドラー: Argh! I can't believe what you did. Monica's gonna kill you! (あー! お前のしたこと信じられないよ! モニカに殺されるぞ!)
(Monica enters from the spare bedroom.)
モニカは客用寝室から出てくる。
チャンドラー: (to Monica) Look! Look! Look what the-- Look what... Look what the floating heads did! ([モニカに] 見て、見てよ! 浮かぶ頭たちがやったことを見てよ!)
モニカ: (very emotional) I don't care. ([非常に感情的に] どうでもいいわ[気にしないわ]。)
(Chandler can't believe what he's hearing. He looks at Monica, then at the others, then back at Monica.)
チャンドラーは自分の聞いていることが信じられない。チャンドラーはモニカを見る、そして他のみんなを見て、またモニカに視線を戻す。
チャンドラー: What's going on? (どうしたの?)
モニカ: That was the adoption agency.... (さっきの電話は養子縁組のエージェンシーだったの…)
チャンドラー: And? (それで?)
モニカ: WE'RE GETTING A BABY! (私たち、子供がもらえるのよ!)
チャンドラー: Are you serious? (they hug) (ほんとか? [二人はハグする])
モニカ: There's a pregnant woman in Ohio, and she picked us! (オハイオに妊娠中の女性がいて、彼女が私たちを選んでくれたの!)
(They all cheer and Rachel, Ross and Phoebe join in for a group hug. Joey also joins, but he stands back a bit, because he is all sticky of the food on him)
みんなが歓声を上げ、レイチェル、ロス、フィービーがグループハグに加わる。ジョーイも加わるが、少し後ろに立っている、彼は、身体についた(感謝祭の)食べ物でベチャベチャだから。)
レイチェル: I'm so happy for you! (良かったわね!)
モニカ: This Thanksgiving kicks last Thanksgiving's ass! (今年の感謝祭が、去年の感謝祭のケツを蹴り倒したわよ!)
(They all cheer and hug again, but Joey's eating the food off his shirt)
みんなは歓声を上げ、再びハグする、が、ジョーイは彼のシャツについた食べ物を食べている。
服がごちそうで汚れてしまったジョーイは、仁王立ちで無言のまま怒っていますが、チャンドラーは「せっかく作った感謝祭のごちそうがこんなことになってしまって、モニカは大激怒するに違いない」と思い、「お前のしたことが信じられない(ごちそうの載ったテーブルをなぎ倒すなんて、なんてことしてくれたんだ)! モニカはお前を殺すぞ(お前はモニカに殺されるぞ)!」と叫びます。
かかってきた電話に応対するために奥の部屋に行っていたモニカが、そのタイミングで出てきたので、チャンドラーは「俺のせいじゃない、全部ジョーイたちが悪いんだ!」というように、「浮かぶ頭(フローティング・ヘッズ)がやったことを見てよ!」と言っています。
この the floating heads という表現は、少し前のシーンに出てきていました。
チェーンがかかったドアの隙間から、ロス、ジョーイ、レイチェル、フィービーが顔を出して、ごめんなさいと謝っているシーンで、
ジョーイ: (smiling) But let's not ruin this day. You've worked so hard. Let's move past this and try to have a nice meal all together, huh? ([微笑みながら] でも(今日という)この日を台無しにするのはやめようよ。モニカは一生懸命(ごちそう作りのために)働いた。こんなことは水に流して、みんな一緒に素敵な食事をしようよ、な?)
チャンドラー: The floating heads do make a good point. (あの浮かんでいる頭たちは、実にいいポイントをついてるね。)
というやりとりになっていました。
4人が首だけをにゅっと出している姿を、「浮かんでいる頭(たち)」と表現したわけですね。
チャンドラーは、「俺がやったんじゃなくて、さっき、ドアから首だけ出してたやつら、感謝祭に遅れて締め出されたやつらがやったことだ」と言いたかったわけです。
感謝祭に遅刻してきた上に、せっかく作った感謝祭のごちそうまでめちゃめちゃにされて、いつものモニカなら間違いなく怒るところですが、モニカは何とも言えない表情をして、I don't care. 「(ごちそうのことなんて)どうでもいいわ」と言っています。
想定外の反応にチャンドラーは驚き、「どうしたの(何が起こってるの?)」と聞くと、モニカは、That was the adoption agency.... と答えます。
that は少し前の誰かの発言や物事を指す感覚で、この場合は、「さっきかかってきたあの電話、私が別室で受けた電話」を指します。
「さっきの電話、養子縁組のエージェンシーだったの…」までしか言わないので、チャンドラーが、And? 「それで?」と促すと、モニカは嬉しそうな顔をして、We're getting a baby! 「私たち、赤ちゃんがもらえるの!」と叫びます。
嬉しいビッグニュースに、フレンズたちも観客も歓声を上げていますね。
「オハイオにいる妊婦さんが、私たちを(養子縁組の親として)選んでくれたの」というモニカに、フレンズたちみんながハグをします。
ト書きにあるように、食べ物で全身汚れてしまったジョーイだけが「ハグしたいんだけど、くっつけないんだよな」という風に、少し距離を取りながら、ハグのポーズだけしているのも微笑ましいですね。
フレンズみんなで喜びを分かち合う中、モニカは勝ち誇ったような顔で、This Thanksgiving kicks last Thanksgiving's ass! と叫んでいます。
this と last は、this year 「今年」と、last year 「去年」という対比ですね。
kick someone's ass は「人の尻(ケツ)を蹴っ飛ばす」ということから、「たたきのめす、やっつける」という意味で使われます。
Macmillan Dictionary では、
kick (someone's) ass : (phrase, mainly American, impolite) to punish or defeat someone
例) If he gives you any problems, let me know and I'll kick his ass.
つまり、「(主にアメリカ英語、上品でない) 誰かを罰したり、倒したりすること」。例文は「もし彼が君に何か問題を起こしたら、僕に知らせて、そしたら僕が彼をこらしめるから。」
ass という卑語が使われていることから下品な表現ではありますが、「子供がもらえることになった」という知らせを喜んでいるというこの和やかな場で、モニカが持ち前の負けず嫌いの性格を前面に出して、「今年の感謝祭が、去年の感謝祭のケツにケリ入れてやったわよ!」と勝ち誇るのが、いつものモニカらしくて楽しい、ということになるでしょうね。
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2016年03月30日
2016年03月28日
工具はブルドーザーに置き忘れた フレンズ10-8その5
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感謝祭の料理を作れとモニカに言っておきながら遅刻した4人に、モニカは激怒し、ドアにチェーンをかけて入れないようにしています。
ドアの隙間から首を出して、中のモニカを説得しようとしていたフレンズたちですが、ジョーイの首だけが抜けなくなり、つっかえてしまいます。
モニカはターキーの脂(あぶら)をジョーイの首に垂らして、滑りやすくした上でジョーイの首を抜こうとするのですが、首はいっこうに抜けません。
ジョーイ: It isn't working. (うまく行かないよ。)
モニカ: Alright, we're gonna have to unscrew the chain. (わかった、チェーンのねじを抜かないといけないわ。)
ジョーイ: Well hurry, I can't feel my ears! (あぁ、急いで、耳の感覚がないんだよ!)
チャンドラー: Can you ever feel your ears? (耳の感覚なんてあるのか?)
ジョーイ: Interesting. (興味深い(意見だ)な[確かにそうだな]。)
モニカ: Chandler, where are your tools? (チャンドラー、あなたの工具はどこ?)
チャンドラー: (sarcastically) Oh, I left them on my bulldozer. I don't have tools! ([皮肉っぽく] あぁ、工具は俺のブルドーザーに置いてきたよ[忘れてきたよ]。俺は工具なんて持ってないって!)
モニカ: Well, I do, but Rachel borrowed them. (あぁ、私は持ってるわ、でもレイチェルが借りたのよ[レイチェルに貸したのよ]。)
レイチェル: I lent them to Ross. (私はそれをロスに貸したわ。)
ロス: I gave them to Joey. (僕はそれをジョーイに渡したよ。)
ジョーイ: I left them at the park. (俺はそれを公園に置き忘れた。)
It isn't working. は、「うまく行かない、機能しない、働かない」というニュアンス。
首に脂を垂らし、滑りを良くする作戦が、うまい具合に行っていない、ということになります。
力ずくで首を抜くことができないので、ドアの方をいじるしかないとわかったモニカは、unscrew the chain しないといけないわ、と言っています。
screw は名詞で「ねじ、ボルト」、動詞では「〜をねじで締める・留める、取り付ける」という意味になるので、反対の動作を表わす接頭辞 un- をつけた unscrew は「〜のねじを抜く、〜のねじをゆるめて外す」という意味になります。
ドアのチェーンを留めてあるねじを外すことで、チェーンを取り外さないといけない、ということですね。
チェーンのねじを抜きましょう、というモニカの提案を聞いて、ジョーイは「急いで」と言った後、I can't feel my ears! と言っています。
直訳すると、「俺は俺の耳を感じることができない」ということで、それは「耳がそこにあるって感じることができない、耳の感覚がない」というようなことですね。
それを聞いたチャンドラーが、Can you ever feel your ears? と返しているのが面白いです。
「お前はこれまで自分の耳を感じることができたのか?」というようなことで、「耳に感覚がない! って騒いでるけど、じゃあお前はいつも耳を感じることができるのか? いつも耳の感覚があるのか?」ということですね。
ドアに耳が挟まれていて、耳の感覚がない〜! と言ってるけど、そもそも耳の感覚なんて普段から意識してないじゃん、と指摘されたことで、ジョーイはしばらく考えた後、Interesting. と答えます。
「興味深い(意見だ)な」ということで、「確かにお前の言う通りだ、そりゃもっともな意見だ」とジョーイが同意したことになります。
ちなみに、「身体の部位の感覚がない」という時に、I can't feel my 身体の部位. という表現はよく使いますね。
印象的なところでは、フレンズ1-1 で、I cannot feel my legs. という表現が以下のセリフで出てきました。
ロス: I'm supposed to attach a brackety thing to the side things, using a bunch of these little worm guys. I have no brackety thing, I see no worm guys whatsoever and- I cannot feel my legs. (ブラケットとかいう部品を横の部品に、この小さいワームって部品を使って留めることになってる。そのブラケットっていうものもないし、ワームってやつらも全く見当たらない、その上…脚の感覚もない。)
これは no... no... と「あれもない、これもない」とぼやいていて、最後には「脚の感覚までない」と言っている「ないないづくし」になっているところがオチのポイントなのですが、家具の組み立て説明書をしゃがみながら読んでいたため、脚がしびれてしまった、ということでした。
チェーンのねじを外さないといけないという話の流れから、モニカは「あなたの工具はどこにあるの?」と尋ねています。
それに対してチャンドラーは、ト書きにあるようにちょっと皮肉っぽい口調で、「あぁ、その工具なら、俺のブルドーザーに置き忘れた」と答えます。
そのふざけた返事に、モニカがあきれた顔をすると、チャンドラーは「俺は工具なんて持ってないって!」と答えることになります。
モニカは、「あなた、(ねじを外す)工具持ってる?」ではなく、「あなたの工具はどこ?」という質問をしたわけですが、その問いかけの表現からは、「チャンドラーは工具を持っていて当然」というようなニュアンスが感じられますよね。
そのニュアンスに合わせて、「あぁ当然俺は工具を持ってるよ。でも俺のブルドーザーに置き忘れてきた」みたいに答えたのですが、モニカが「私は真面目に質問してるのに、ふざけないで」という顔をしたので、チャンドラーも「俺が当たり前みたいに工具を持ってるかのように言わないでよ。俺は工具なんて持ってないよ」と答えたことになります。
工具を持ってるはずと決めつけるような質問をしてきたモニカに対して、「俺はブルドーザーで作業するような業種の人間じゃないんだから、工具なんか普通持ってないよ」ということを、「あぁ、工具なら俺の作業用ブルドーザーに置いてきたわ」という表現で示したわけですね。
「工具なんか持ってるわけないじゃん」と返してきたチャンドラーに対し、モニカは、I do つまり、I have tools. 「私は工具を持ってるわ」とまずは返します。
その後、「私は(あなたと違って)工具を持ってるんだけど、レイチェルがそれを借りた」、つまり、「私の持ってた工具は、レイチェルに貸しちゃった(だから今、手元にない)」と説明しています。
「私の工具はレイチェルに貸した」の後、レイチェル、ロス、ジョーイが続いてセリフを言って行きますが、オチに向かうそのセリフの「流れ」がいかにもコメディっぽくて面白いです。
順番に直訳すると、
モニカ:レイチェルが借りた。
レイチェル:ロスに貸した。
ロス:ジョーイに渡した。
ジョーイ:公園に置き忘れた。
ということになりますね。
モニカの工具が、どんどん別の人の手に渡り、最後に手にしたジョーイが「公園に置き忘れてきちゃった」と発言したことで、今フレンズの中では、誰もその工具を持っていないことがわかる、という仕組みです。
ドアに首が挟まって、誰よりチェーンを外してもらいたいと願っているジョーイ当人が、今必要な工具を公園に置き忘れてきてしまった、ということで、因果応報的なそのオチを、ジョーイが小さな声でぼそっと言っているのが面白い、ということですね。
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モニカはターキーの脂(あぶら)をジョーイの首に垂らして、滑りやすくした上でジョーイの首を抜こうとするのですが、首はいっこうに抜けません。
ジョーイ: It isn't working. (うまく行かないよ。)
モニカ: Alright, we're gonna have to unscrew the chain. (わかった、チェーンのねじを抜かないといけないわ。)
ジョーイ: Well hurry, I can't feel my ears! (あぁ、急いで、耳の感覚がないんだよ!)
チャンドラー: Can you ever feel your ears? (耳の感覚なんてあるのか?)
ジョーイ: Interesting. (興味深い(意見だ)な[確かにそうだな]。)
モニカ: Chandler, where are your tools? (チャンドラー、あなたの工具はどこ?)
チャンドラー: (sarcastically) Oh, I left them on my bulldozer. I don't have tools! ([皮肉っぽく] あぁ、工具は俺のブルドーザーに置いてきたよ[忘れてきたよ]。俺は工具なんて持ってないって!)
モニカ: Well, I do, but Rachel borrowed them. (あぁ、私は持ってるわ、でもレイチェルが借りたのよ[レイチェルに貸したのよ]。)
レイチェル: I lent them to Ross. (私はそれをロスに貸したわ。)
ロス: I gave them to Joey. (僕はそれをジョーイに渡したよ。)
ジョーイ: I left them at the park. (俺はそれを公園に置き忘れた。)
It isn't working. は、「うまく行かない、機能しない、働かない」というニュアンス。
首に脂を垂らし、滑りを良くする作戦が、うまい具合に行っていない、ということになります。
力ずくで首を抜くことができないので、ドアの方をいじるしかないとわかったモニカは、unscrew the chain しないといけないわ、と言っています。
screw は名詞で「ねじ、ボルト」、動詞では「〜をねじで締める・留める、取り付ける」という意味になるので、反対の動作を表わす接頭辞 un- をつけた unscrew は「〜のねじを抜く、〜のねじをゆるめて外す」という意味になります。
ドアのチェーンを留めてあるねじを外すことで、チェーンを取り外さないといけない、ということですね。
チェーンのねじを抜きましょう、というモニカの提案を聞いて、ジョーイは「急いで」と言った後、I can't feel my ears! と言っています。
直訳すると、「俺は俺の耳を感じることができない」ということで、それは「耳がそこにあるって感じることができない、耳の感覚がない」というようなことですね。
それを聞いたチャンドラーが、Can you ever feel your ears? と返しているのが面白いです。
「お前はこれまで自分の耳を感じることができたのか?」というようなことで、「耳に感覚がない! って騒いでるけど、じゃあお前はいつも耳を感じることができるのか? いつも耳の感覚があるのか?」ということですね。
ドアに耳が挟まれていて、耳の感覚がない〜! と言ってるけど、そもそも耳の感覚なんて普段から意識してないじゃん、と指摘されたことで、ジョーイはしばらく考えた後、Interesting. と答えます。
「興味深い(意見だ)な」ということで、「確かにお前の言う通りだ、そりゃもっともな意見だ」とジョーイが同意したことになります。
ちなみに、「身体の部位の感覚がない」という時に、I can't feel my 身体の部位. という表現はよく使いますね。
印象的なところでは、フレンズ1-1 で、I cannot feel my legs. という表現が以下のセリフで出てきました。
ロス: I'm supposed to attach a brackety thing to the side things, using a bunch of these little worm guys. I have no brackety thing, I see no worm guys whatsoever and- I cannot feel my legs. (ブラケットとかいう部品を横の部品に、この小さいワームって部品を使って留めることになってる。そのブラケットっていうものもないし、ワームってやつらも全く見当たらない、その上…脚の感覚もない。)
これは no... no... と「あれもない、これもない」とぼやいていて、最後には「脚の感覚までない」と言っている「ないないづくし」になっているところがオチのポイントなのですが、家具の組み立て説明書をしゃがみながら読んでいたため、脚がしびれてしまった、ということでした。
チェーンのねじを外さないといけないという話の流れから、モニカは「あなたの工具はどこにあるの?」と尋ねています。
それに対してチャンドラーは、ト書きにあるようにちょっと皮肉っぽい口調で、「あぁ、その工具なら、俺のブルドーザーに置き忘れた」と答えます。
そのふざけた返事に、モニカがあきれた顔をすると、チャンドラーは「俺は工具なんて持ってないって!」と答えることになります。
モニカは、「あなた、(ねじを外す)工具持ってる?」ではなく、「あなたの工具はどこ?」という質問をしたわけですが、その問いかけの表現からは、「チャンドラーは工具を持っていて当然」というようなニュアンスが感じられますよね。
そのニュアンスに合わせて、「あぁ当然俺は工具を持ってるよ。でも俺のブルドーザーに置き忘れてきた」みたいに答えたのですが、モニカが「私は真面目に質問してるのに、ふざけないで」という顔をしたので、チャンドラーも「俺が当たり前みたいに工具を持ってるかのように言わないでよ。俺は工具なんて持ってないよ」と答えたことになります。
工具を持ってるはずと決めつけるような質問をしてきたモニカに対して、「俺はブルドーザーで作業するような業種の人間じゃないんだから、工具なんか普通持ってないよ」ということを、「あぁ、工具なら俺の作業用ブルドーザーに置いてきたわ」という表現で示したわけですね。
「工具なんか持ってるわけないじゃん」と返してきたチャンドラーに対し、モニカは、I do つまり、I have tools. 「私は工具を持ってるわ」とまずは返します。
その後、「私は(あなたと違って)工具を持ってるんだけど、レイチェルがそれを借りた」、つまり、「私の持ってた工具は、レイチェルに貸しちゃった(だから今、手元にない)」と説明しています。
「私の工具はレイチェルに貸した」の後、レイチェル、ロス、ジョーイが続いてセリフを言って行きますが、オチに向かうそのセリフの「流れ」がいかにもコメディっぽくて面白いです。
順番に直訳すると、
モニカ:レイチェルが借りた。
レイチェル:ロスに貸した。
ロス:ジョーイに渡した。
ジョーイ:公園に置き忘れた。
ということになりますね。
モニカの工具が、どんどん別の人の手に渡り、最後に手にしたジョーイが「公園に置き忘れてきちゃった」と発言したことで、今フレンズの中では、誰もその工具を持っていないことがわかる、という仕組みです。
ドアに首が挟まって、誰よりチェーンを外してもらいたいと願っているジョーイ当人が、今必要な工具を公園に置き忘れてきてしまった、ということで、因果応報的なそのオチを、ジョーイが小さな声でぼそっと言っているのが面白い、ということですね。
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2016年03月24日
キャベツ畑人形の衣装を借りる フレンズ10-8その4
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感謝祭のディナーに遅刻した4人は廊下で話をしています。
レイチェルが娘エマを、赤ちゃん美人コンテストに出場させたと知って、エマの父親であるロスが怒っているところ。
ジョーイ: Wait a second, wait a second. Where have I seen that cowgirl outfit before? (ちょっと待って、ちょっと待って。(エマが着ている)そのカウガールの服装、俺、前にどこで見たんだっけ?)
ロス: I can't believe this. She's our daughter! That you would treat her like some kind of show dog is inexcusable! (こんなの信じられないよ。エマは僕らの娘だよ! 君がエマを、ドッグショーの犬か何かみたいに扱おうとしたなんて、許し難いよ!)
レイチェル: She won a thousand dollars! (エマは 1,000ドルの賞金をもらったのよ!)
ロス: So this is an annual thing? (それで、これは毎年開催されるの?)
ジョーイ: (realizing) Oh! That's Alicia May Emory's outfit! ([気づいて] あぁ! それ(エマが着てる服)は、アリシア・メイ・エモリーの服だ!)
エマを赤ちゃん美人コンテストに出場させたことで、ロスとレイチェルがモメている中、ジョーイは「ちょっと待って、(今エマが着ている)そのカウガールの衣装、俺は以前にどこでそれを見たことがあるんだったかなぁ?」みたいに言っています。
視線を上に向けて、どこで見たのかを思い出そうとしていますが、ここではまだピンと来ていない様子。
「こんなの信じられないよ。エマは僕ら(二人の)娘だよ」と言った後のセリフ、That you would treat her like some kind of show dog is inexcusable! について。
この that は、名詞節を導く接続詞の that ですね。
that SV という名詞節を作り、通常は、It is 形容詞 that SV. の形で、「SがVすることは(形容詞)である」という文章を作りますが、今回は、長すぎる that 節を後ろに回して、前に仮主語の It を置くという形ではなく、it なしで、直接、that 節を主語の位置に配置した形となります。
研究社 新英和中辞典にも、
that 【接】[名詞節を導いて]
(1) [主語節を導いて] (…)ということは
That he's alive is certain. 彼が生きていることは確かだ。
という例文が出ているように、It is certain that he's alive. を it を使わずに表現すると、こういう形になる、ということですね。
That you would... というロスのセリフは、「君がエマを、ある種の show dog のように扱おうとしたということは、inexcusable だ」と言っていることになります。
show dog は「ショーの犬」、つまり、「ドッグショーに出る犬」ということですね。
inexcusable は、「in- (否定の接頭辞)+excuse(言い訳する、弁解する)+ -able (可能の接尾辞)」ですから、「言い訳・弁解することができない」→「許し難い」という意味。
僕に断りもなく、娘をドッグショーの犬みたいに見せ物にするなんて、許し難いよ! と強く怒っていることになるでしょう。
怒るロスにレイチェルが、「彼女は、1,000ドルの賞金を勝ち取ったわ!」と言うと、ロスが瞬時にしれっとした顔で、「それで、このイベントは毎年のこと?」みたいに言うのが面白いですね。
あんなにプリプリ怒っていたのに、賞金で 1,000ドルも貰えると知るやいなや、「この美人コンテストって毎年あるのかな? あるなら来年も出て賞金もらえるんじゃない?」みたいにロスが考えを変えたことが、このセリフからわかる仕組みですね。
2つ前の記事、中身が大事だってまだ信じてる フレンズ10-8その2 で、レイチェルは最初、エマを美人コンテストに出すことを拒んでいましたが、賞金が 1,000ドルと聞いて急にやる気になっていました。
エマのパパとママであるロスとレイチェルが、「1,000ドルと聞いて、ころっと気が変わる」という同じ反応をしているのも、面白さのポイントとなっているでしょう。
ロスとレイチェルがそんな話をしていると、ジョーイは急に何か思い出したように、「あぁ、それは、アリシア・メイ・エモリーの服だ!」と叫んでいます。
エマはこのカウガールの衣装をあるところから借りているのですが、そのやりとりは、これより前のシーンに、以下の形で出てきました。
エマを赤ちゃん美人コンテストに出すよう、フィービーに勧められたレイチェルはその気になり、
フィービー: Okay. Oh, and Emma needs a cowgirl outfit for the competition. (オッケー。あぁ、それでコンテストのために、エマはカウガールの衣装が必要なのよ。)
レイチェル: Where am I gonna get a cowgirl outfit on Thanksgiving? (感謝祭に、どこでカウガールの服を手に入れることができるっていうの?)
フィービー: Well, I was thinking-- (うーん、私考えてたんだけど…)
レイチェル: Oh, take the clothes off Joey's Cabbage Patch Kid! (あぁ、ジョーイのキャベツ畑人形の服を脱がせる?)
フィービー: Yeah! (そうよ!)
このやりとりで語られているように、今エマが着ているカウガールの衣装は、ジョーイのキャベツ畑人形(Cabbage Patch Kid)が着ていた衣装だということですね。
キャベツ畑人形というのは、1982年〜1983年頃に大ブームとなった人形のこと。
私は当時中学生で、その人形を買ったりはしていませんが、ブームとなったことはよく覚えています。
どんなものかご存じない方は、Google 画像検索で調べるとたくさんヒットします。また説明としては、以下の「はてなキーワード」の説明がわかりやすいですね。
キャベツ畑人形とは - はてなキーワード
公式サイトはこちら↓
Cabbage Patch Kids Home page
日本語版ウィキペディアには項目がありませんが、英語版ではこちら↓
Wikipedia 英語版 : Cabbage Patch Kids
人形は一つひとつ違う形で、出生証明書付きであるなど、「私だけの人形」を意識させる販売方法を取っていたことで大ブームとなり、ジョーイもそのブームに乗って、キャベツ畑人形を持っていた、ということがわかるわけですね。
patch というのは「パッチ、あて布」という意味ですが、「(耕作した)一区画、一区画の土地」という意味もあるので、a cabbage patch は「キャベツ畑」という意味になります。
子供に「赤ちゃんはどこから生まれて来るの?」と聞かれた時に、大人が言う答えとして、「コウノトリが運んでくる」「キャベツ畑から生まれる」というものがありますので、その「キャベツ畑」が、この人形のネーミングになっているようですね。
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感謝祭のディナーに遅刻した4人は廊下で話をしています。
レイチェルが娘エマを、赤ちゃん美人コンテストに出場させたと知って、エマの父親であるロスが怒っているところ。
ジョーイ: Wait a second, wait a second. Where have I seen that cowgirl outfit before? (ちょっと待って、ちょっと待って。(エマが着ている)そのカウガールの服装、俺、前にどこで見たんだっけ?)
ロス: I can't believe this. She's our daughter! That you would treat her like some kind of show dog is inexcusable! (こんなの信じられないよ。エマは僕らの娘だよ! 君がエマを、ドッグショーの犬か何かみたいに扱おうとしたなんて、許し難いよ!)
レイチェル: She won a thousand dollars! (エマは 1,000ドルの賞金をもらったのよ!)
ロス: So this is an annual thing? (それで、これは毎年開催されるの?)
ジョーイ: (realizing) Oh! That's Alicia May Emory's outfit! ([気づいて] あぁ! それ(エマが着てる服)は、アリシア・メイ・エモリーの服だ!)
エマを赤ちゃん美人コンテストに出場させたことで、ロスとレイチェルがモメている中、ジョーイは「ちょっと待って、(今エマが着ている)そのカウガールの衣装、俺は以前にどこでそれを見たことがあるんだったかなぁ?」みたいに言っています。
視線を上に向けて、どこで見たのかを思い出そうとしていますが、ここではまだピンと来ていない様子。
「こんなの信じられないよ。エマは僕ら(二人の)娘だよ」と言った後のセリフ、That you would treat her like some kind of show dog is inexcusable! について。
この that は、名詞節を導く接続詞の that ですね。
that SV という名詞節を作り、通常は、It is 形容詞 that SV. の形で、「SがVすることは(形容詞)である」という文章を作りますが、今回は、長すぎる that 節を後ろに回して、前に仮主語の It を置くという形ではなく、it なしで、直接、that 節を主語の位置に配置した形となります。
研究社 新英和中辞典にも、
that 【接】[名詞節を導いて]
(1) [主語節を導いて] (…)ということは
That he's alive is certain. 彼が生きていることは確かだ。
という例文が出ているように、It is certain that he's alive. を it を使わずに表現すると、こういう形になる、ということですね。
That you would... というロスのセリフは、「君がエマを、ある種の show dog のように扱おうとしたということは、inexcusable だ」と言っていることになります。
show dog は「ショーの犬」、つまり、「ドッグショーに出る犬」ということですね。
inexcusable は、「in- (否定の接頭辞)+excuse(言い訳する、弁解する)+ -able (可能の接尾辞)」ですから、「言い訳・弁解することができない」→「許し難い」という意味。
僕に断りもなく、娘をドッグショーの犬みたいに見せ物にするなんて、許し難いよ! と強く怒っていることになるでしょう。
怒るロスにレイチェルが、「彼女は、1,000ドルの賞金を勝ち取ったわ!」と言うと、ロスが瞬時にしれっとした顔で、「それで、このイベントは毎年のこと?」みたいに言うのが面白いですね。
あんなにプリプリ怒っていたのに、賞金で 1,000ドルも貰えると知るやいなや、「この美人コンテストって毎年あるのかな? あるなら来年も出て賞金もらえるんじゃない?」みたいにロスが考えを変えたことが、このセリフからわかる仕組みですね。
2つ前の記事、中身が大事だってまだ信じてる フレンズ10-8その2 で、レイチェルは最初、エマを美人コンテストに出すことを拒んでいましたが、賞金が 1,000ドルと聞いて急にやる気になっていました。
エマのパパとママであるロスとレイチェルが、「1,000ドルと聞いて、ころっと気が変わる」という同じ反応をしているのも、面白さのポイントとなっているでしょう。
ロスとレイチェルがそんな話をしていると、ジョーイは急に何か思い出したように、「あぁ、それは、アリシア・メイ・エモリーの服だ!」と叫んでいます。
エマはこのカウガールの衣装をあるところから借りているのですが、そのやりとりは、これより前のシーンに、以下の形で出てきました。
エマを赤ちゃん美人コンテストに出すよう、フィービーに勧められたレイチェルはその気になり、
フィービー: Okay. Oh, and Emma needs a cowgirl outfit for the competition. (オッケー。あぁ、それでコンテストのために、エマはカウガールの衣装が必要なのよ。)
レイチェル: Where am I gonna get a cowgirl outfit on Thanksgiving? (感謝祭に、どこでカウガールの服を手に入れることができるっていうの?)
フィービー: Well, I was thinking-- (うーん、私考えてたんだけど…)
レイチェル: Oh, take the clothes off Joey's Cabbage Patch Kid! (あぁ、ジョーイのキャベツ畑人形の服を脱がせる?)
フィービー: Yeah! (そうよ!)
このやりとりで語られているように、今エマが着ているカウガールの衣装は、ジョーイのキャベツ畑人形(Cabbage Patch Kid)が着ていた衣装だということですね。
キャベツ畑人形というのは、1982年〜1983年頃に大ブームとなった人形のこと。
私は当時中学生で、その人形を買ったりはしていませんが、ブームとなったことはよく覚えています。
どんなものかご存じない方は、Google 画像検索で調べるとたくさんヒットします。また説明としては、以下の「はてなキーワード」の説明がわかりやすいですね。
キャベツ畑人形とは - はてなキーワード
公式サイトはこちら↓
Cabbage Patch Kids Home page
日本語版ウィキペディアには項目がありませんが、英語版ではこちら↓
Wikipedia 英語版 : Cabbage Patch Kids
人形は一つひとつ違う形で、出生証明書付きであるなど、「私だけの人形」を意識させる販売方法を取っていたことで大ブームとなり、ジョーイもそのブームに乗って、キャベツ畑人形を持っていた、ということがわかるわけですね。
patch というのは「パッチ、あて布」という意味ですが、「(耕作した)一区画、一区画の土地」という意味もあるので、a cabbage patch は「キャベツ畑」という意味になります。
子供に「赤ちゃんはどこから生まれて来るの?」と聞かれた時に、大人が言う答えとして、「コウノトリが運んでくる」「キャベツ畑から生まれる」というものがありますので、その「キャベツ畑」が、この人形のネーミングになっているようですね。
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2016年03月22日
スペリング・ビー フレンズ10-8その3
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ロスとジョーイはレンジャーズ戦を観戦していて、レイチェルとフィービーは赤ちゃん美人コンテストにエマを出場させていて、4人は感謝祭に遅刻してしまいます。
「今年は感謝祭にみんなを招待しない」と言っていたモニカに、感謝祭のディナーを作らせるように仕向けておいて全員遅刻、、というのはさすがにマズいと焦る4人。
ロス: So, nobody's here? Monica's gonna kill us! (それじゃあ、誰もここ(モニカとチャンドラーの家の中)にいないの? 僕たち、モニカに殺されるよ!)
ジョーイ: Yeah, where were you? (そうだよ、君らはどこにいたんだよ?)
レイチェル: Well-- (えーっと…)
ロス: Yeah, yeah, what's with the trophy? (そうだ、そうだ、そのトロフィーは何?)
フィービー: Uh, we were at the spelling bee! (あぁ、私たちはスペリングコンテストにいたのよ!)
レイチェル: And I won! (そして私たちは勝ったの!)
ロス: You won an adult Thanksgiving Day spelling bee. (君は、感謝祭スペリングコンテスト大人の部で勝ったのか。)
レイチェル: Yes! (spells it) Y-E-S. Yes! (そうよ! [イエスを綴って] ワイ・イー・エス。イエス!)
ロス: Let me see this. (he takes the trophy from Rachel's hands) "Grand Supreme Little Darling, New York Division"? (これを僕に見せて。[ロスはレイチェルの手からトロフィーを取る] ”最優秀リトル・ダーリン、ニューヨーク地区”?)
レイチェル: Yeah. That's me! (そうよ。それが私なの!)
ロス: You entered Emma in a beauty pageant? (君はエマを美人コンテストに出場させたんだな?)
フィービー: And it looks like she put makeup on her! (そしてレイチェルはエマに化粧させたみたいなのよ!)
モニカとチャンドラー以外の4人全員が、モニカが準備した感謝祭ディナーに遅刻したと知って、ロスは「モニカに殺される!」と言っています。
「レイチェルとフィービーはどこにいたの?」と聞かれ、口ごもるレイチェルですが、ロスはレイチェルがトロフィーを持っているのに気づいて、「そのトロフィーは何?」と尋ねています。
「ロスに断りなく、娘のエマを美人コンテストに勝手に出したと知ったら、ロスは怒るに決まってる」と考え、フィービーはとっさに、「私たちは、the spelling bee にいたの」と言っています。
spelling bee は「スペリング(綴り字)コンテスト」のこと。
bee という単語は、「ミツバチ、ハチ」のことですが、研究社 新英和中辞典には、以下の意味も載っていました。
bee=《米》 (仕事・競技のための)隣人や友人の寄り合い
⇒husking bee, spelling bee
bee にはそのように「競技のための寄り合い」という意味があるため、spelling を競うために人々が集まるコンテストのことを、spelling bee と呼ぶようです。
上の語義では、spelling bee と並んで husking bee も載っていますが、これは同じく研究社 新英和中辞典によると、
husking bee 【名】【C】 《米》 トウモロコシの皮むきの会 《隣人・友人が手伝いに集まり、終わるとダンスをしたりして楽しむ》
とのことです。
ちなみに、husk は名詞「トウモロコシの殻、皮」、動詞「〜の殻をとる」という意味なんですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
bee [noun]
a sewing/quilting etc. bee : an occasion when people, usually women, meet in order to do a particular type of work
つまり、bee は、a sewing bee / a quilting bee などの形で使われて、「人々、たいていは女性が、ある特殊なタイプの仕事をするために集まる機会」。
この「何かをするために人が集まる」という意味は、ハチがハチの巣に群れるイメージに由来するのでしょうね。
spelling bee もロングマンに載っていました。
spelling bee : a competition for students in a school in which the winner is the one who spells the most words correctly
つまり、「学校の生徒のためのコンテスト、その中で、最も多くの単語を正しく綴る人が勝者となる」。
今日は感謝祭なので、「感謝祭スペリング・コンテストの大人の部で君は勝ったっていうのか?」と尋ねるロスに、レイチェルは、イエス! と言った後、 yes という単語を、ワイ・イー・エス、と綴り字で答えています。
私はスペリングが得意なのよ、だから勝ったのよ、と言いたげですが、yes のような簡単な単語の綴りを得意気に言っているのに笑えますね。
あまりにも嘘くさい話なので、ロスはレイチェルの持っているトロフィーを取って、そこに書かれてある文字を読んでいます。
grand は「主要な、重要な」、supreme は「最高の、至上の」ですから、ニュアンスとしては「最優秀リトル・ダーリン、ニューヨーク地区」というところでしょう。
「それが私よ!」と言い張るレイチェルですが、スペリング・コンテストの優勝者に「リトル・ダーリン」というのはどうもおかしいですし、「ちっちゃなダーリン」が「可愛い赤ちゃん」を指すことは想像できますね。
それでロスは、「君はエマを美人コンテストに出場させたんだな!」と詰め寄ることになります。
ロスに嘘がバレたとわかるや、フィービーが「そしてレイチェルは、エマに化粧までさせたみたいなの!」と、レイチェルを非難する側に急に回るのが面白いですね。
そもそも、「私たち、スペリング・コンテストに行ってたの」と最初に嘘をついたのはフィービーだったのに、自分の立場が悪くなりそうになると急に態度を変えるという、その変わり身の早さに笑えてしまいますね。
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ロスとジョーイはレンジャーズ戦を観戦していて、レイチェルとフィービーは赤ちゃん美人コンテストにエマを出場させていて、4人は感謝祭に遅刻してしまいます。
「今年は感謝祭にみんなを招待しない」と言っていたモニカに、感謝祭のディナーを作らせるように仕向けておいて全員遅刻、、というのはさすがにマズいと焦る4人。
ロス: So, nobody's here? Monica's gonna kill us! (それじゃあ、誰もここ(モニカとチャンドラーの家の中)にいないの? 僕たち、モニカに殺されるよ!)
ジョーイ: Yeah, where were you? (そうだよ、君らはどこにいたんだよ?)
レイチェル: Well-- (えーっと…)
ロス: Yeah, yeah, what's with the trophy? (そうだ、そうだ、そのトロフィーは何?)
フィービー: Uh, we were at the spelling bee! (あぁ、私たちはスペリングコンテストにいたのよ!)
レイチェル: And I won! (そして私たちは勝ったの!)
ロス: You won an adult Thanksgiving Day spelling bee. (君は、感謝祭スペリングコンテスト大人の部で勝ったのか。)
レイチェル: Yes! (spells it) Y-E-S. Yes! (そうよ! [イエスを綴って] ワイ・イー・エス。イエス!)
ロス: Let me see this. (he takes the trophy from Rachel's hands) "Grand Supreme Little Darling, New York Division"? (これを僕に見せて。[ロスはレイチェルの手からトロフィーを取る] ”最優秀リトル・ダーリン、ニューヨーク地区”?)
レイチェル: Yeah. That's me! (そうよ。それが私なの!)
ロス: You entered Emma in a beauty pageant? (君はエマを美人コンテストに出場させたんだな?)
フィービー: And it looks like she put makeup on her! (そしてレイチェルはエマに化粧させたみたいなのよ!)
モニカとチャンドラー以外の4人全員が、モニカが準備した感謝祭ディナーに遅刻したと知って、ロスは「モニカに殺される!」と言っています。
「レイチェルとフィービーはどこにいたの?」と聞かれ、口ごもるレイチェルですが、ロスはレイチェルがトロフィーを持っているのに気づいて、「そのトロフィーは何?」と尋ねています。
「ロスに断りなく、娘のエマを美人コンテストに勝手に出したと知ったら、ロスは怒るに決まってる」と考え、フィービーはとっさに、「私たちは、the spelling bee にいたの」と言っています。
spelling bee は「スペリング(綴り字)コンテスト」のこと。
bee という単語は、「ミツバチ、ハチ」のことですが、研究社 新英和中辞典には、以下の意味も載っていました。
bee=《米》 (仕事・競技のための)隣人や友人の寄り合い
⇒husking bee, spelling bee
bee にはそのように「競技のための寄り合い」という意味があるため、spelling を競うために人々が集まるコンテストのことを、spelling bee と呼ぶようです。
上の語義では、spelling bee と並んで husking bee も載っていますが、これは同じく研究社 新英和中辞典によると、
husking bee 【名】【C】 《米》 トウモロコシの皮むきの会 《隣人・友人が手伝いに集まり、終わるとダンスをしたりして楽しむ》
とのことです。
ちなみに、husk は名詞「トウモロコシの殻、皮」、動詞「〜の殻をとる」という意味なんですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
bee [noun]
a sewing/quilting etc. bee : an occasion when people, usually women, meet in order to do a particular type of work
つまり、bee は、a sewing bee / a quilting bee などの形で使われて、「人々、たいていは女性が、ある特殊なタイプの仕事をするために集まる機会」。
この「何かをするために人が集まる」という意味は、ハチがハチの巣に群れるイメージに由来するのでしょうね。
spelling bee もロングマンに載っていました。
spelling bee : a competition for students in a school in which the winner is the one who spells the most words correctly
つまり、「学校の生徒のためのコンテスト、その中で、最も多くの単語を正しく綴る人が勝者となる」。
今日は感謝祭なので、「感謝祭スペリング・コンテストの大人の部で君は勝ったっていうのか?」と尋ねるロスに、レイチェルは、イエス! と言った後、 yes という単語を、ワイ・イー・エス、と綴り字で答えています。
私はスペリングが得意なのよ、だから勝ったのよ、と言いたげですが、yes のような簡単な単語の綴りを得意気に言っているのに笑えますね。
あまりにも嘘くさい話なので、ロスはレイチェルの持っているトロフィーを取って、そこに書かれてある文字を読んでいます。
grand は「主要な、重要な」、supreme は「最高の、至上の」ですから、ニュアンスとしては「最優秀リトル・ダーリン、ニューヨーク地区」というところでしょう。
「それが私よ!」と言い張るレイチェルですが、スペリング・コンテストの優勝者に「リトル・ダーリン」というのはどうもおかしいですし、「ちっちゃなダーリン」が「可愛い赤ちゃん」を指すことは想像できますね。
それでロスは、「君はエマを美人コンテストに出場させたんだな!」と詰め寄ることになります。
ロスに嘘がバレたとわかるや、フィービーが「そしてレイチェルは、エマに化粧までさせたみたいなの!」と、レイチェルを非難する側に急に回るのが面白いですね。
そもそも、「私たち、スペリング・コンテストに行ってたの」と最初に嘘をついたのはフィービーだったのに、自分の立場が悪くなりそうになると急に態度を変えるという、その変わり身の早さに笑えてしまいますね。
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2016年03月18日
中身が大事だってまだ信じてる フレンズ10-8その2
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フィービー: What's Emma doing today? (今日、エマは何をする予定なの?)
レイチェル: Well, let's see... uh... I know that she has a meeting with her lawyer and then she has to make a very big poop. Why? (えーっと、そうねぇ、エマは弁護士との打合せがあって、それから、すっごく大きなウンチをしないといけないの。どうして(そんなこと聞くの)?)
フィービー: Well, I wanna enter her in a baby beauty pageant. (えっと、私はエマを、赤ちゃん美人コンテストに出したいのよ。)
レイチェル: Oh, my God! That's the creepiest thing I've ever heard! (なんてこと! それって、私が今まで聞いた中で一番ゾッとすることだわ!)
フィービー: Okay, but, well, before you say no, my friend Suzanne is entering her kid. And compared to Emma, she's a real dog! (いいわ、でも、あなたがノーと言う前にね、私の友達スザンヌが自分の子供を出場させるつもりなの。それでエマと比べると、その子はほんとにブサイクなの!)
レイチェル: Oh! Phoebe, all babies are beautiful! (あぁ! フィービー、赤ちゃんはみんな、美しいわ!)
フィービー: (sarcastic) Oh, okay. ([皮肉っぽく] えぇ、そうね。)
レイチェル: No. Phoebe, just the idea of pitting one baby against another, I mean, you know, and judging who's cuter just for a trophy.... (違うのよ、フィービー、ただ、ある赤ちゃんを別の赤ちゃんに対抗して戦わせるって考えがね… つまりほら、そしてただトロフィーのためだけに、誰がより可愛いかを決めることは…)
フィービー: And a thousand dollars. (それと、1,000ドルね。)
レイチェル: ...is something I'm very interested in! Oh, please, do not tell Ross. He still believes that (in a deep voice, mocking Ross) what's on the inside is important. (…(そういうことは)私がものすごく興味あることね! あぁ、どうかロスには言わないで。彼はまだ信じてるのよ [低い声で、ロスの真似をしながら] 中身が大事だ、って。)
フィービーが、赤ちゃんであるエマの予定を尋ねているので、エマのママであるレイチェルは、「エマは(彼女の)弁護士とミーティングがあって、それから、すごく大きなウンチをしないといけないの」と言っています。
赤ちゃんに対して、「今日の予定は?」などと大人に尋ねるような質問をするので、レイチェルの方も大人が予定を尋ねられた時のように「弁護士との打合せがある」と言ってみせてから、赤ちゃんがする行為としてウンチ(poop)の話を出したわけですね。
そういうことを言った後、最後に Why? と言っているのは、「赤ちゃんであるエマの”予定”を尋ねるなんて、なぜ? どうして?」という気持ちですね。
そう聞かれたフィービーは、"I wanna enter her in a baby beauty pageant." と言っています。
「ビューティ・ページェント」は「美人コンテスト」。
enter は「入る」が基本語義ですが、ここでは他動詞で「人を競技・コンテストに出す・出場させる」という意味で使われています。
That's the creepiest thing I've ever heard! の creepy は「気味悪い、ゾッとする」ですから、「それ(今のフィービーの発言)は、私が今まで聞いた中で一番ゾッとすることである」と言っていることになります。
子供をコンテストに出すことを、そこまで嫌がっているレイチェルに対し、フィービーは「あなたがノーと言う前に(聞いて欲しいんだけど)、私の友達のスザンヌが自分の子供を出場させる予定なの」と説明しています。
そして、「エマと比べると、その(スザンヌの)子供は、a real dog だ」と続けます。
dog はご存知「犬」ですが、英和辞典を見ると、「醜い女、ブス」という意味も載っています。
Macmillan Dictionary では、
dog : OFFENSIVE someone who is not attractive, especially a woman
つまり、「(侮辱的) 魅力的ではない人、特に女性」。
ということで、英英辞典の語義もいわゆる「ブス」を指していることがよくわかりますね。
「エマを美人コンテストに出したい。私の友達の子供も出場予定だけど、エマに比べるとその子は〜だから」という話の流れ的にも、a real dog が悪口であることは想像できますが、「まさに犬っころ」みたいな比喩ではなくて、「美しくない」ということをはっきり言っている言葉だということですね。
そのフィービーのセリフを聞いたレイチェルが、「まぁフィービー、全ての赤ちゃんは美しい(beautiful)わ!」と言っていることも、a real dog が、not beautiful という意味であることを示していることになるでしょう。
レイチェルが本心からそう言っているのではないとわかる(笑)フィービーは、皮肉っぽい口調で「えぇ、そうね」と言うのですが、レイチェルは子供を美人コンテストに出したくない理由を、詳しく説明しています。
just the idea... 以下の文章は長いですが、基本的な構造は、just the idea of doing... and judging 「ただ〜するという考えと、…を判断することは」のような「動名詞 and 動名詞」になりますね。
「A するっていう考えと、B するっていうことが…」のように、その部分が主語になっていて、その後、そういうことについて自分はどう思っているかが続くことが予想されます。
それぞれの動名詞の意味について。
pit は他動詞で「人を〜と競争させる、戦わせる」という意味なので、pitting one baby against another は「ある一人の赤ちゃんを別の赤ちゃんと競争させること」になります。
judging who's cuter just for a trophy は、「ただ(1個の)トロフィーのためだけに、誰がより可愛いかを判断する・決めること」になりますね。
美人コンテストに出場させて、他の赤ちゃんと競わせるとか、トロフィーのために誰が可愛いかを決めるとか、そういうのは私は嫌なのよ…みたいな流れになりそうなところですが、フィービーが、「(トロフィーのためだけじゃなく) 1,000ドル(の賞金)もあるのよね」と付け加えたことで、レイチェルは、「そういうのは嫌なの」と言いかけたであろうところを別の言葉に変えて、「そういうことって、私がとっても興味があることだわ!」と言っています。
「たかがトロフィー1個のために、そんなことをするのは嫌だわ」と言おうとしていたのに、トロフィー以外に 1,000ドルの賞金が出ると知って、「他の赤ちゃんと競わせるとか、誰が可愛いかを決めるのとかって…私、すっごく興味ある!」と、手の平を返したように急にコンテストを肯定し始めたわけですね。
この発言でレイチェルがエマをコンテストに出す気になったことがわかりますが、レイチェルは「お願いだからロスに言わないで」と言った後、「ロスはまだ信じてるのよ」と言って、ロスの真似をしながら低い声で、what's on the inside is important と続けます。
直訳すると「内部にあるものは重要である」、つまり「中身が大切・大事」ということですね。
美人コンテストは容姿で優劣を決めるコンテストですから、そんなものに娘を出場させたと知ったらロスはきっと怒るわ、「人間は見かけじゃない、中身だ」とまだ信じている人なんだもの、とレイチェルは言っているわけですね。
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フィービー: What's Emma doing today? (今日、エマは何をする予定なの?)
レイチェル: Well, let's see... uh... I know that she has a meeting with her lawyer and then she has to make a very big poop. Why? (えーっと、そうねぇ、エマは弁護士との打合せがあって、それから、すっごく大きなウンチをしないといけないの。どうして(そんなこと聞くの)?)
フィービー: Well, I wanna enter her in a baby beauty pageant. (えっと、私はエマを、赤ちゃん美人コンテストに出したいのよ。)
レイチェル: Oh, my God! That's the creepiest thing I've ever heard! (なんてこと! それって、私が今まで聞いた中で一番ゾッとすることだわ!)
フィービー: Okay, but, well, before you say no, my friend Suzanne is entering her kid. And compared to Emma, she's a real dog! (いいわ、でも、あなたがノーと言う前にね、私の友達スザンヌが自分の子供を出場させるつもりなの。それでエマと比べると、その子はほんとにブサイクなの!)
レイチェル: Oh! Phoebe, all babies are beautiful! (あぁ! フィービー、赤ちゃんはみんな、美しいわ!)
フィービー: (sarcastic) Oh, okay. ([皮肉っぽく] えぇ、そうね。)
レイチェル: No. Phoebe, just the idea of pitting one baby against another, I mean, you know, and judging who's cuter just for a trophy.... (違うのよ、フィービー、ただ、ある赤ちゃんを別の赤ちゃんに対抗して戦わせるって考えがね… つまりほら、そしてただトロフィーのためだけに、誰がより可愛いかを決めることは…)
フィービー: And a thousand dollars. (それと、1,000ドルね。)
レイチェル: ...is something I'm very interested in! Oh, please, do not tell Ross. He still believes that (in a deep voice, mocking Ross) what's on the inside is important. (…(そういうことは)私がものすごく興味あることね! あぁ、どうかロスには言わないで。彼はまだ信じてるのよ [低い声で、ロスの真似をしながら] 中身が大事だ、って。)
フィービーが、赤ちゃんであるエマの予定を尋ねているので、エマのママであるレイチェルは、「エマは(彼女の)弁護士とミーティングがあって、それから、すごく大きなウンチをしないといけないの」と言っています。
赤ちゃんに対して、「今日の予定は?」などと大人に尋ねるような質問をするので、レイチェルの方も大人が予定を尋ねられた時のように「弁護士との打合せがある」と言ってみせてから、赤ちゃんがする行為としてウンチ(poop)の話を出したわけですね。
そういうことを言った後、最後に Why? と言っているのは、「赤ちゃんであるエマの”予定”を尋ねるなんて、なぜ? どうして?」という気持ちですね。
そう聞かれたフィービーは、"I wanna enter her in a baby beauty pageant." と言っています。
「ビューティ・ページェント」は「美人コンテスト」。
enter は「入る」が基本語義ですが、ここでは他動詞で「人を競技・コンテストに出す・出場させる」という意味で使われています。
That's the creepiest thing I've ever heard! の creepy は「気味悪い、ゾッとする」ですから、「それ(今のフィービーの発言)は、私が今まで聞いた中で一番ゾッとすることである」と言っていることになります。
子供をコンテストに出すことを、そこまで嫌がっているレイチェルに対し、フィービーは「あなたがノーと言う前に(聞いて欲しいんだけど)、私の友達のスザンヌが自分の子供を出場させる予定なの」と説明しています。
そして、「エマと比べると、その(スザンヌの)子供は、a real dog だ」と続けます。
dog はご存知「犬」ですが、英和辞典を見ると、「醜い女、ブス」という意味も載っています。
Macmillan Dictionary では、
dog : OFFENSIVE someone who is not attractive, especially a woman
つまり、「(侮辱的) 魅力的ではない人、特に女性」。
ということで、英英辞典の語義もいわゆる「ブス」を指していることがよくわかりますね。
「エマを美人コンテストに出したい。私の友達の子供も出場予定だけど、エマに比べるとその子は〜だから」という話の流れ的にも、a real dog が悪口であることは想像できますが、「まさに犬っころ」みたいな比喩ではなくて、「美しくない」ということをはっきり言っている言葉だということですね。
そのフィービーのセリフを聞いたレイチェルが、「まぁフィービー、全ての赤ちゃんは美しい(beautiful)わ!」と言っていることも、a real dog が、not beautiful という意味であることを示していることになるでしょう。
レイチェルが本心からそう言っているのではないとわかる(笑)フィービーは、皮肉っぽい口調で「えぇ、そうね」と言うのですが、レイチェルは子供を美人コンテストに出したくない理由を、詳しく説明しています。
just the idea... 以下の文章は長いですが、基本的な構造は、just the idea of doing... and judging 「ただ〜するという考えと、…を判断することは」のような「動名詞 and 動名詞」になりますね。
「A するっていう考えと、B するっていうことが…」のように、その部分が主語になっていて、その後、そういうことについて自分はどう思っているかが続くことが予想されます。
それぞれの動名詞の意味について。
pit は他動詞で「人を〜と競争させる、戦わせる」という意味なので、pitting one baby against another は「ある一人の赤ちゃんを別の赤ちゃんと競争させること」になります。
judging who's cuter just for a trophy は、「ただ(1個の)トロフィーのためだけに、誰がより可愛いかを判断する・決めること」になりますね。
美人コンテストに出場させて、他の赤ちゃんと競わせるとか、トロフィーのために誰が可愛いかを決めるとか、そういうのは私は嫌なのよ…みたいな流れになりそうなところですが、フィービーが、「(トロフィーのためだけじゃなく) 1,000ドル(の賞金)もあるのよね」と付け加えたことで、レイチェルは、「そういうのは嫌なの」と言いかけたであろうところを別の言葉に変えて、「そういうことって、私がとっても興味があることだわ!」と言っています。
「たかがトロフィー1個のために、そんなことをするのは嫌だわ」と言おうとしていたのに、トロフィー以外に 1,000ドルの賞金が出ると知って、「他の赤ちゃんと競わせるとか、誰が可愛いかを決めるのとかって…私、すっごく興味ある!」と、手の平を返したように急にコンテストを肯定し始めたわけですね。
この発言でレイチェルがエマをコンテストに出す気になったことがわかりますが、レイチェルは「お願いだからロスに言わないで」と言った後、「ロスはまだ信じてるのよ」と言って、ロスの真似をしながら低い声で、what's on the inside is important と続けます。
直訳すると「内部にあるものは重要である」、つまり「中身が大切・大事」ということですね。
美人コンテストは容姿で優劣を決めるコンテストですから、そんなものに娘を出場させたと知ったらロスはきっと怒るわ、「人間は見かけじゃない、中身だ」とまだ信じている人なんだもの、とレイチェルは言っているわけですね。
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2016年03月16日
腕・技量が落ちてきている フレンズ10-8その1
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シーズン10 第8話
The One With the Late Thanksgiving (感謝祭にリベンジ!)
原題は「遅れた感謝祭の話」
セントラルパークに入ってきたチャンドラーとモニカは、「今年は、みんなを感謝祭に招待しない」とフレンズたちに宣言します。
どうして? 冗談でしょ、と口々に言うフレンズたちですが、
フィービー: Well, personally I think it's great you're giving yourself a break. (そうね、個人的には、モニカが休憩するのはいいことだと思うわ。)
モニカ: Thank you, Pheebs! (ありがとう、フィービー!)
フィービー: Sure. It's just as well. I mean, last year wasn't very good. I think she's losing her touch. (ええ。それがかえって好都合だわ。だって、去年はあまり良くなかった。彼女は腕が落ちてきてる、って思うの。)
モニカ: What? You are way off, lady! (何ですって? 全然違ってるわよ、レディー!)
フィービー: Am I? Really? Am I? Well, why don't you cook Thanksgiving dinner and prove me wrong! Well, think about it, think about it. You'd be trying to top what you did last year. You'd be in competition... with yourself. (違う? ほんとに? 私が? 感謝祭のディナーを作って、私が間違っているのを証明したらどう? 考えてみて、考えてみてよ。去年あなたがやったことに勝つように頑張ることになるのよ。あなたは競うことになるわ…あなた自身とね。)
モニカ: That's my favorite kind! Okay, we are doing this! (それって私の好きなタイプのことだわ! オッケー、私たちはこれをやるわ!)
チャンドラー: Don't let yourself get manipulated this way! (こんな風に自分を操作されるなよ。)
モニカ: Hey, stay out of this, Chandler! This is between me... and ME! (ちょっと、この件には口出ししないで、チャンドラー! これは私と…私の問題なの!)
チャンドラー: We are supposed to make these decisions together! Did you not watch the Dr. Phil I taped for you? (こういう決定は一緒にすることになってるだろ! 俺が君のために録画しておいた、ドクター・フィルを見なかったの?)
今年はうちの感謝祭にみんなを呼ばない、というのを聞いて、フレンズたちは口々に不満を言うのですが、フィービーだけは、personally I think it's great you're giving yourself a break. とモニカたちに好意的な意見を述べます。
give someone a break の break は「コーヒー・ブレイク」などの break 「休み・休憩」のことなので、「人に休み・休憩を与える、人に一息入れさせる」という意味になります。
フィービーのセリフを直訳すると、「個人的には、あなたがあなた自身に休憩を与える予定であることは素敵(素晴らしいこと・いいこと)だと思う」になるでしょう。
毎年、モニカはみんなのために感謝祭の料理を作ってくれているけれど、今年は休んだらいいと思うわ、という同意ですね。
「私の意見に賛成してくれてありがとう」のように、モニカが感謝を述べると、フィービーは、Sure. It's just as well. と返します。
It's just as well. は、「それがかえって幸い・好都合だ」というような意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
it's just as well : used to say that it is lucky that something has happened in the way it did, because there might have been problems it if had happened another way.
例) It's just as well you didn't go to the party. It was boring.
つまり、「何かが実際にそのように起こったことはラッキーであると言うために使われる。違う形で起こっていたら、問題だったかもしれないという理由で」。例文は、「君があのパーティーに行かなかったのは、かえって良かったよ。退屈だったんだ」。
モニカが感謝祭の準備をしてくれないことでフレンズたちは文句を言っているのに、フィービーだけが「モニカが感謝祭をやってくれなくてかえって好都合」と言っていることになります。
その理由が、I mean 以下で語られていて、「去年(の感謝祭)はあまり良くなかった(から)」と言っていますね。
she's losing her touch の lose one's touch は「下手になる、腕・技量が落ちる」という意味。
この touch は「筆致」などのような「手際、(芸術的)技巧」という意味になります。
LAAD では、
touch : ABILITY TO DO SOMETHING your ability to do something
例) Judging from his latest novel, Goldman hasn't lost his touch.
つまり、「何かをするための能力」。例文は「彼の最新刊の小説から判断すると、ゴールドマンは技量が落ちてしまった(ようだ)」。
ですから、I think she's losing her touch. は、「私は彼女の腕が落ちてきている[落ちつつある]と思う」になるでしょう。
目の前にいるモニカのことを、she と呼んでいることになりますが、これは、去年の感謝祭の料理を作ったモニカのことを、少し距離感を出して she と呼んでいる感覚になるだろうと思います。
去年のモニカを頭の中にイメージして、「あのモニカは年々技量が落ちてきている」と言っているニュアンスでしょう。
そんなことを言われて、モニカは、You are way off, lady! と怒っています。
way off の off は「離れて」という意味で、この場合の way は名詞「道」ではなく、副詞や前置詞を強める役割の副詞「ずっと、うんと、はるかに」という意味ですね。
ですから、way off は「ずっと・うんと離れて」ということで、「大きく外れて、とんでもない間違いで」のように、「真実・正解からものすごくかけ離れている」ことを言っていることになります。
「フィービー」ではなく、lady と言っているのも、「そんなこと言うなんて、友達とは思えない」という感覚で、人間的な距離感を出して、よそよそしく「あなた」と言っている感じになるでしょう。
You are way off と言われたフィービーは、Am I? Really? Am I? と強めのトーンで返しています。
「私が間違ってる、ですって? ほんとに? 私が間違ってる、って?」のように、You are way off と言われたことを全面否定している、私の言っていることは全然外れていない、真実だわ、と主張している感覚になるでしょう。
「私が間違ってるって言うの?」と言った後、フィービーは、why don't you...? という提案のフレーズを使って、「あなたが感謝祭のディナーを作って、私が間違ってると証明してみなさいよ」と言っています。
そして、「考えてみてよ」と言った後で、You'd be という表現を2回使っていますね。
You'd be = You would be で、これは「自分の腕が落ちていないことを証明するために、もしあなたが今年も感謝祭ディナーを作るとしたら、あなたは〜という状態になる(でしょう)」と、仮定のニュアンスを込めている感覚になります。
最初の文の top は「トップ・首位に立つ」という感覚から、「〜を超える、〜を上回る、〜に勝つ」という意味になるので、「あなたが去年したことを超えるように頑張ることになる」というニュアンスになるでしょう。
2つ目の文は、「あなたは…と競争する・競うことになるのよ、あなた自身とね」ということですね。
それを聞いたモニカは、なるほど、という顔で立ち上がって、That's my favorite kind! と言っています。
favorite kind 「好きな(好みの)種類」なので、「それって、私が好きなたぐい・タイプのものね」→「そういうたぐいのこと、私、大好き」と言っていることになるでしょう。
Don't let yourself get manipulated this way! の manipulate は「操る、操作・操縦する、巧みに扱う」ということですから、直訳すると、「こんな風に、自分を巧みに操られる状態にさせるな」ということですね。
みんなのために感謝祭ディナーは作らない、と宣言したのに、「去年の自分との競争よ」と言われて、負けず嫌いのモニカはその話に乗ってしまった、、、そのことを、フィービーの口車に乗せられ、いいように言いくるめられて、フィービーの思うままに操られちゃだめだ、と言っているわけですね。
そのように注意してくれたチャンドラーに、モニカは、stay out of this と言っています。
「これより外にとどまっていて」ということですから、「この件についてはかかわらないで。口を挟まないで。口出ししないで」ということですね。
そして、This is between me... and ME! と言っています。
「これは私…と私の間のこと」というところで、「私と私の問題、私と私の戦い」のニュアンスで言っていることになるでしょう。
「去年の自分に勝とうとするチャンス」みたいにフィービーに言われたことで、「これは今の私と去年の私との戦いだから、部外者のあなたは口を挟まないで」と言っているわけですね。
それを聞いたチャンドラーは、「こういう意思決定は俺たち二人で一緒にすることになってるはずだ」と言っています。
感謝祭にフレンズたちを招待するかどうか、ということは二人で決めることだったはず、なのに、俺をのけ者にして一人で決めちゃうのはおかしい、ということですね。
その後、Did you not watch the Dr. Phil I taped for you? と続けています。
「俺が君のためにビデオテープに録画した、あの Dr. Phil を君は見なかったの?」ということですね。
Dr. Phil はイタリックになっているので、「ドクター・フィル、フィル博士」というのはただの人名ではなくて、tape に録画して、watch するような「テレビ番組のタイトル」であることが想像されます。
DVDの日本語訳も「(字幕)”フィル博士の人生相談”見た?/見なかったのか? ドクター・フィルの人生相談」となっていて、「ドクター・フィルの人生相談」のようなテレビ番組が存在することが示唆されていました。
その番組は、以下のウィキペディアで。
Wikipedia 英語版 : Dr. Phil (TV series)
フィル・マグロー(Phil McGraw)という人が、臨床心理学者(a clinical psychologist)、法廷心理学者(a forensic psychologist)としてアドバイスするという、2002年放映開始の番組。
心理学者なので、ドクター・フィルと呼ばれていて、番組のタイトルにもなっているということです。
フィルさん自身のウィキペディアは以下。
Wikipedia 英語版 : Phil McGraw
90年代後半に、オプラ・ウィンフリーさんの番組(The Oprah Winfrey Show)に出演したことで有名になったとのことで、2015年には、フォーブス(Forbes)誌の The World's Highest-Paid Celebrities(世界で最も稼いだセレブ)の15位にランクされているような、有名な方なんですね。
そのフォーブスのリストは以下。
The World's Highest-Paid Celebrities List : Forbes
「こういう家庭のことは、夫婦二人で決めようって言ってたじゃないか。ドクター・フィル(の人生相談)、見なかったの?」というチャンドラーのセリフの流れからも、「大事なことは二人で相談して決めるのが、夫婦円満のコツ」のようなアドバイスがその番組で語られていたであろうと想像できますね。
「何でも二人で決めようって約束したじゃないか」というところまでは、夫らしい発言のように思えるのですが、それが「心理学者がアドバイスする番組」の受け売りだったとわかる、誰かが言ったマニュアル通りに行動しようとしている感じがして、それがオチになっている、ということですね。
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シーズン10 第8話
The One With the Late Thanksgiving (感謝祭にリベンジ!)
原題は「遅れた感謝祭の話」
セントラルパークに入ってきたチャンドラーとモニカは、「今年は、みんなを感謝祭に招待しない」とフレンズたちに宣言します。
どうして? 冗談でしょ、と口々に言うフレンズたちですが、
フィービー: Well, personally I think it's great you're giving yourself a break. (そうね、個人的には、モニカが休憩するのはいいことだと思うわ。)
モニカ: Thank you, Pheebs! (ありがとう、フィービー!)
フィービー: Sure. It's just as well. I mean, last year wasn't very good. I think she's losing her touch. (ええ。それがかえって好都合だわ。だって、去年はあまり良くなかった。彼女は腕が落ちてきてる、って思うの。)
モニカ: What? You are way off, lady! (何ですって? 全然違ってるわよ、レディー!)
フィービー: Am I? Really? Am I? Well, why don't you cook Thanksgiving dinner and prove me wrong! Well, think about it, think about it. You'd be trying to top what you did last year. You'd be in competition... with yourself. (違う? ほんとに? 私が? 感謝祭のディナーを作って、私が間違っているのを証明したらどう? 考えてみて、考えてみてよ。去年あなたがやったことに勝つように頑張ることになるのよ。あなたは競うことになるわ…あなた自身とね。)
モニカ: That's my favorite kind! Okay, we are doing this! (それって私の好きなタイプのことだわ! オッケー、私たちはこれをやるわ!)
チャンドラー: Don't let yourself get manipulated this way! (こんな風に自分を操作されるなよ。)
モニカ: Hey, stay out of this, Chandler! This is between me... and ME! (ちょっと、この件には口出ししないで、チャンドラー! これは私と…私の問題なの!)
チャンドラー: We are supposed to make these decisions together! Did you not watch the Dr. Phil I taped for you? (こういう決定は一緒にすることになってるだろ! 俺が君のために録画しておいた、ドクター・フィルを見なかったの?)
今年はうちの感謝祭にみんなを呼ばない、というのを聞いて、フレンズたちは口々に不満を言うのですが、フィービーだけは、personally I think it's great you're giving yourself a break. とモニカたちに好意的な意見を述べます。
give someone a break の break は「コーヒー・ブレイク」などの break 「休み・休憩」のことなので、「人に休み・休憩を与える、人に一息入れさせる」という意味になります。
フィービーのセリフを直訳すると、「個人的には、あなたがあなた自身に休憩を与える予定であることは素敵(素晴らしいこと・いいこと)だと思う」になるでしょう。
毎年、モニカはみんなのために感謝祭の料理を作ってくれているけれど、今年は休んだらいいと思うわ、という同意ですね。
「私の意見に賛成してくれてありがとう」のように、モニカが感謝を述べると、フィービーは、Sure. It's just as well. と返します。
It's just as well. は、「それがかえって幸い・好都合だ」というような意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
it's just as well : used to say that it is lucky that something has happened in the way it did, because there might have been problems it if had happened another way.
例) It's just as well you didn't go to the party. It was boring.
つまり、「何かが実際にそのように起こったことはラッキーであると言うために使われる。違う形で起こっていたら、問題だったかもしれないという理由で」。例文は、「君があのパーティーに行かなかったのは、かえって良かったよ。退屈だったんだ」。
モニカが感謝祭の準備をしてくれないことでフレンズたちは文句を言っているのに、フィービーだけが「モニカが感謝祭をやってくれなくてかえって好都合」と言っていることになります。
その理由が、I mean 以下で語られていて、「去年(の感謝祭)はあまり良くなかった(から)」と言っていますね。
she's losing her touch の lose one's touch は「下手になる、腕・技量が落ちる」という意味。
この touch は「筆致」などのような「手際、(芸術的)技巧」という意味になります。
LAAD では、
touch : ABILITY TO DO SOMETHING your ability to do something
例) Judging from his latest novel, Goldman hasn't lost his touch.
つまり、「何かをするための能力」。例文は「彼の最新刊の小説から判断すると、ゴールドマンは技量が落ちてしまった(ようだ)」。
ですから、I think she's losing her touch. は、「私は彼女の腕が落ちてきている[落ちつつある]と思う」になるでしょう。
目の前にいるモニカのことを、she と呼んでいることになりますが、これは、去年の感謝祭の料理を作ったモニカのことを、少し距離感を出して she と呼んでいる感覚になるだろうと思います。
去年のモニカを頭の中にイメージして、「あのモニカは年々技量が落ちてきている」と言っているニュアンスでしょう。
そんなことを言われて、モニカは、You are way off, lady! と怒っています。
way off の off は「離れて」という意味で、この場合の way は名詞「道」ではなく、副詞や前置詞を強める役割の副詞「ずっと、うんと、はるかに」という意味ですね。
ですから、way off は「ずっと・うんと離れて」ということで、「大きく外れて、とんでもない間違いで」のように、「真実・正解からものすごくかけ離れている」ことを言っていることになります。
「フィービー」ではなく、lady と言っているのも、「そんなこと言うなんて、友達とは思えない」という感覚で、人間的な距離感を出して、よそよそしく「あなた」と言っている感じになるでしょう。
You are way off と言われたフィービーは、Am I? Really? Am I? と強めのトーンで返しています。
「私が間違ってる、ですって? ほんとに? 私が間違ってる、って?」のように、You are way off と言われたことを全面否定している、私の言っていることは全然外れていない、真実だわ、と主張している感覚になるでしょう。
「私が間違ってるって言うの?」と言った後、フィービーは、why don't you...? という提案のフレーズを使って、「あなたが感謝祭のディナーを作って、私が間違ってると証明してみなさいよ」と言っています。
そして、「考えてみてよ」と言った後で、You'd be という表現を2回使っていますね。
You'd be = You would be で、これは「自分の腕が落ちていないことを証明するために、もしあなたが今年も感謝祭ディナーを作るとしたら、あなたは〜という状態になる(でしょう)」と、仮定のニュアンスを込めている感覚になります。
最初の文の top は「トップ・首位に立つ」という感覚から、「〜を超える、〜を上回る、〜に勝つ」という意味になるので、「あなたが去年したことを超えるように頑張ることになる」というニュアンスになるでしょう。
2つ目の文は、「あなたは…と競争する・競うことになるのよ、あなた自身とね」ということですね。
それを聞いたモニカは、なるほど、という顔で立ち上がって、That's my favorite kind! と言っています。
favorite kind 「好きな(好みの)種類」なので、「それって、私が好きなたぐい・タイプのものね」→「そういうたぐいのこと、私、大好き」と言っていることになるでしょう。
Don't let yourself get manipulated this way! の manipulate は「操る、操作・操縦する、巧みに扱う」ということですから、直訳すると、「こんな風に、自分を巧みに操られる状態にさせるな」ということですね。
みんなのために感謝祭ディナーは作らない、と宣言したのに、「去年の自分との競争よ」と言われて、負けず嫌いのモニカはその話に乗ってしまった、、、そのことを、フィービーの口車に乗せられ、いいように言いくるめられて、フィービーの思うままに操られちゃだめだ、と言っているわけですね。
そのように注意してくれたチャンドラーに、モニカは、stay out of this と言っています。
「これより外にとどまっていて」ということですから、「この件についてはかかわらないで。口を挟まないで。口出ししないで」ということですね。
そして、This is between me... and ME! と言っています。
「これは私…と私の間のこと」というところで、「私と私の問題、私と私の戦い」のニュアンスで言っていることになるでしょう。
「去年の自分に勝とうとするチャンス」みたいにフィービーに言われたことで、「これは今の私と去年の私との戦いだから、部外者のあなたは口を挟まないで」と言っているわけですね。
それを聞いたチャンドラーは、「こういう意思決定は俺たち二人で一緒にすることになってるはずだ」と言っています。
感謝祭にフレンズたちを招待するかどうか、ということは二人で決めることだったはず、なのに、俺をのけ者にして一人で決めちゃうのはおかしい、ということですね。
その後、Did you not watch the Dr. Phil I taped for you? と続けています。
「俺が君のためにビデオテープに録画した、あの Dr. Phil を君は見なかったの?」ということですね。
Dr. Phil はイタリックになっているので、「ドクター・フィル、フィル博士」というのはただの人名ではなくて、tape に録画して、watch するような「テレビ番組のタイトル」であることが想像されます。
DVDの日本語訳も「(字幕)”フィル博士の人生相談”見た?/見なかったのか? ドクター・フィルの人生相談」となっていて、「ドクター・フィルの人生相談」のようなテレビ番組が存在することが示唆されていました。
その番組は、以下のウィキペディアで。
Wikipedia 英語版 : Dr. Phil (TV series)
フィル・マグロー(Phil McGraw)という人が、臨床心理学者(a clinical psychologist)、法廷心理学者(a forensic psychologist)としてアドバイスするという、2002年放映開始の番組。
心理学者なので、ドクター・フィルと呼ばれていて、番組のタイトルにもなっているということです。
フィルさん自身のウィキペディアは以下。
Wikipedia 英語版 : Phil McGraw
90年代後半に、オプラ・ウィンフリーさんの番組(The Oprah Winfrey Show)に出演したことで有名になったとのことで、2015年には、フォーブス(Forbes)誌の The World's Highest-Paid Celebrities(世界で最も稼いだセレブ)の15位にランクされているような、有名な方なんですね。
そのフォーブスのリストは以下。
The World's Highest-Paid Celebrities List : Forbes
「こういう家庭のことは、夫婦二人で決めようって言ってたじゃないか。ドクター・フィル(の人生相談)、見なかったの?」というチャンドラーのセリフの流れからも、「大事なことは二人で相談して決めるのが、夫婦円満のコツ」のようなアドバイスがその番組で語られていたであろうと想像できますね。
「何でも二人で決めようって約束したじゃないか」というところまでは、夫らしい発言のように思えるのですが、それが「心理学者がアドバイスする番組」の受け売りだったとわかる、誰かが言ったマニュアル通りに行動しようとしている感じがして、それがオチになっている、ということですね。
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2016年03月14日
番号知ってたら電話しないわけない フレンズ10-7その6
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養子縁組調査員のローラは、ジョーイとデートした後、ジョーイが電話をくれなかった、と言うのですが、ジョーイは「電話をくれなかったのはローラの方だ」と言い張っています。
ローラ: (embarrassed towards Chandler and Monica) Well, I'm pretty sure I gave you my number. ([チャンドラーとモニカに対して恥じて] あの、私は確かにあなたに番号を渡したわ。)
ジョーイ: Really? Think about it. Come on! You're a beautiful woman. Smart, funny. We had a really good time, huh? If I had your number, why wouldn't I call you? (ほんとに? 考えてみてよ。ほら! 君は美しい女性だ。賢くて面白くて。俺たち素敵な時間を過ごしたろ? もし俺が君の番号を持ってたら[知ってたら]、どうして俺が電話しないわけ?)
ローラ: I don't know. Well, maybe I'm wrong. I'm sorry. (わからないわ。あぁ、多分、私が間違ってるのね。ごめんなさい。)
ジョーイ: No, no, hey, no! Too late for apologies. Okay? You broke my heart. You know how many women I had to sleep with to get over you? (and he leaves the apartment, leaving her shocked) (いや、いや、だめだ! 謝るには遅すぎるよ、だろ? 君は俺の心を傷つけた。君を忘れるために俺が何人の女と寝なきゃいけなかったかわかるか? [そしてジョーイはアパートメントを去る、ローラをショックを受けた状態で残して])
ローラ: Joey, wait-- (ジョーイ、待って…)
ジョーイ: (acting sad) NO! I waited a long time! I can't wait anymore. (and closes the door behind him) ([悲しそうな演技をして] だめだ! 俺は長い間待ったんだよ! もうこれ以上は待てないよ! [後ろ手にドアを閉める])
ローラ: (laughing nervously) I'm sorry that you had to see that. I'm so embarrassed. ([ナーバスな感じで笑いながら] あんなところを見せちゃってごめんなさい。私、とっても恥ずかしいわ。)
チャンドラー: Oh, that's really okay. (あぁ、そんなの全然いいですよ。)
モニカ: Yeah, that we totally understand. Dating is hard. (えぇ、私たち完璧に理解していますわ。デートするのって大変ですよね。)
ローラ: Boy, you people are nice. And I've got to say... I think you're going to make excellent parents. (なんてこと、あなたたちお二人は優しいわ。そして私はこう言わなければ[私にこう言わせて下さい]… あなたたちは素晴らしいご両親になると思います。)
(Chandler and Monica hug each other, and then Joey enters the apartment again.)
チャンドラーとモニカはお互いハグし合い、その後、ジョーイがまたアパートメントに入ってくる。
ジョーイ: LAURA! (and points to her, very confident) (ローラだ! [そして彼女を指さす、自信満々な様子で])
ローラは「私があなたに電話番号を渡したのは確かよ」と反論しています。
それに対するジョーイの返しが、プレイボーイの彼らしくて面白いですね。
確かに番号を渡したわ、と主張するローラに、「ほんとに(渡したの)?」と言った後、「考えてみてよ。君は美しい女性だ。賢くて面白くて。俺たちは本当に素敵な時間を過ごしただろ?」と続けます。
ジョーイが自分を褒めてくれるのを聞いて、ローラは嬉しそうな顔をして照れていますね。
そこまで褒めた後、「もし俺が君の電話番号を知ってたら、どうして俺が君に電話しないなんてことになるの?」と言います。
ローラは番号を渡したと主張するけれど、もし俺が電話番号を知ってたら、そんなに素敵な女性である君に、電話しないはずないだろ? 電話するに決まってるだろ? と言ってみせたわけですね。
そこまで言われたローラは、「(番号を渡したっていう私の発言は)多分、間違ってるのね、ごめんなさい」と素直に謝っています。
それでとりあえずは「寝た後、ジョーイが電話しなかった」という事実がなかったことになったので、普通に謝罪を受け入れて、ここで話を終えても良かったのでしょうが、調子が出てきたのか(笑)、ジョーイはさらに自分の方が優位に立つように話を持って行くことになります。
謝られたジョーイは、「謝罪には遅すぎる。今さら謝られてももう遅すぎるよ」「君は僕の心を壊した・傷つけた」と言った後、You know how many women I had to sleep with to get over you? と言って、部屋を去ろうとします。
get over と言ったあたりで、観客からは笑い声と歓声が上がっていますね。
直訳すると、「君を忘れる(あきらめる)ために、俺が何人の女性と寝なければならなかったかわかるか?」みたいな感じになるでしょう。
「君が電話をくれなかったばっかりに、その後の俺は何人もの女と寝なければならなかった」のように、俺がプレイボーイになってしまったのは、君のせいだ、みたいに言ったニュアンスになるわけですね。
そして去り際にダメ押しのように、悲しそうな演技をしながら、「俺は長い間、待ったんだ。もうこれ以上は待てないよ」と言って、ドアを閉めて出て行くことになります。
「ジョーイが電話をくれなかった」という劣勢を跳ね返して、「電話をくれなかったのはローラの方で、そのせいで俺はこんな俺になってしまった」みたいに思わせて出て行くという、ジョーイの作戦勝ちですね。
「君のせいだ」と言われて部屋に残されたローラは、一緒にいるチャンドラーとモニカに、I'm sorry that you had to see that. と謝っています。
「あなたがたが今のを見なければならなかったことはごめんなさい」ですから、「あんなものを見せちゃってごめんなさいね」と言った感覚になりますね。
「私、とっても恥ずかしい」というローラに対し、チャンドラーは「あぁ、そんなの全然いいですよ」と言い、モニカも「よくわかります。デートするのって大変ですよね」と言っています。
ジョーイが大芝居を打ったことで、悪いのはローラの方みたいになっているので、ローラは気が弱くなっているのでしょう、チャンドラーとモニカがそう言ってくれたことに感動した様子で、「あなたたちお二人は優しいわ。そして私はこう言わなきゃ[私にこう言わせて下さい]、あなたがたは素晴らしい親(ご両親)になると思います」と言います。
養子縁組の調査員に、「あなたたち二人は素晴らしい親になると思う」と言われれば、それは調査に合格したと言われたようなものですから、二人は感動して抱き合うことになります。
その後、ジョーイが入ってきて、ローラを指さしながら、Laura! と一言叫んで出て行くのがまた、面白いですね。
言葉としては「ローラ!」しか言っていませんが、その表情と態度から、「君の名前、思い出したぞ、君の名前はローラだ!」と言っているのは明らかです。
言われた方のローラはピンと来ていない様子ですが、チャンドラーとモニカ、そして観客には、「さっきは、lady と言っていて名前を忘れていた様子だったのに、思い出してそれを言いにわざわざ戻ってきた」ことがわかって、笑えてしまうわけですね。
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養子縁組調査員のローラは、ジョーイとデートした後、ジョーイが電話をくれなかった、と言うのですが、ジョーイは「電話をくれなかったのはローラの方だ」と言い張っています。
ローラ: (embarrassed towards Chandler and Monica) Well, I'm pretty sure I gave you my number. ([チャンドラーとモニカに対して恥じて] あの、私は確かにあなたに番号を渡したわ。)
ジョーイ: Really? Think about it. Come on! You're a beautiful woman. Smart, funny. We had a really good time, huh? If I had your number, why wouldn't I call you? (ほんとに? 考えてみてよ。ほら! 君は美しい女性だ。賢くて面白くて。俺たち素敵な時間を過ごしたろ? もし俺が君の番号を持ってたら[知ってたら]、どうして俺が電話しないわけ?)
ローラ: I don't know. Well, maybe I'm wrong. I'm sorry. (わからないわ。あぁ、多分、私が間違ってるのね。ごめんなさい。)
ジョーイ: No, no, hey, no! Too late for apologies. Okay? You broke my heart. You know how many women I had to sleep with to get over you? (and he leaves the apartment, leaving her shocked) (いや、いや、だめだ! 謝るには遅すぎるよ、だろ? 君は俺の心を傷つけた。君を忘れるために俺が何人の女と寝なきゃいけなかったかわかるか? [そしてジョーイはアパートメントを去る、ローラをショックを受けた状態で残して])
ローラ: Joey, wait-- (ジョーイ、待って…)
ジョーイ: (acting sad) NO! I waited a long time! I can't wait anymore. (and closes the door behind him) ([悲しそうな演技をして] だめだ! 俺は長い間待ったんだよ! もうこれ以上は待てないよ! [後ろ手にドアを閉める])
ローラ: (laughing nervously) I'm sorry that you had to see that. I'm so embarrassed. ([ナーバスな感じで笑いながら] あんなところを見せちゃってごめんなさい。私、とっても恥ずかしいわ。)
チャンドラー: Oh, that's really okay. (あぁ、そんなの全然いいですよ。)
モニカ: Yeah, that we totally understand. Dating is hard. (えぇ、私たち完璧に理解していますわ。デートするのって大変ですよね。)
ローラ: Boy, you people are nice. And I've got to say... I think you're going to make excellent parents. (なんてこと、あなたたちお二人は優しいわ。そして私はこう言わなければ[私にこう言わせて下さい]… あなたたちは素晴らしいご両親になると思います。)
(Chandler and Monica hug each other, and then Joey enters the apartment again.)
チャンドラーとモニカはお互いハグし合い、その後、ジョーイがまたアパートメントに入ってくる。
ジョーイ: LAURA! (and points to her, very confident) (ローラだ! [そして彼女を指さす、自信満々な様子で])
ローラは「私があなたに電話番号を渡したのは確かよ」と反論しています。
それに対するジョーイの返しが、プレイボーイの彼らしくて面白いですね。
確かに番号を渡したわ、と主張するローラに、「ほんとに(渡したの)?」と言った後、「考えてみてよ。君は美しい女性だ。賢くて面白くて。俺たちは本当に素敵な時間を過ごしただろ?」と続けます。
ジョーイが自分を褒めてくれるのを聞いて、ローラは嬉しそうな顔をして照れていますね。
そこまで褒めた後、「もし俺が君の電話番号を知ってたら、どうして俺が君に電話しないなんてことになるの?」と言います。
ローラは番号を渡したと主張するけれど、もし俺が電話番号を知ってたら、そんなに素敵な女性である君に、電話しないはずないだろ? 電話するに決まってるだろ? と言ってみせたわけですね。
そこまで言われたローラは、「(番号を渡したっていう私の発言は)多分、間違ってるのね、ごめんなさい」と素直に謝っています。
それでとりあえずは「寝た後、ジョーイが電話しなかった」という事実がなかったことになったので、普通に謝罪を受け入れて、ここで話を終えても良かったのでしょうが、調子が出てきたのか(笑)、ジョーイはさらに自分の方が優位に立つように話を持って行くことになります。
謝られたジョーイは、「謝罪には遅すぎる。今さら謝られてももう遅すぎるよ」「君は僕の心を壊した・傷つけた」と言った後、You know how many women I had to sleep with to get over you? と言って、部屋を去ろうとします。
get over と言ったあたりで、観客からは笑い声と歓声が上がっていますね。
直訳すると、「君を忘れる(あきらめる)ために、俺が何人の女性と寝なければならなかったかわかるか?」みたいな感じになるでしょう。
「君が電話をくれなかったばっかりに、その後の俺は何人もの女と寝なければならなかった」のように、俺がプレイボーイになってしまったのは、君のせいだ、みたいに言ったニュアンスになるわけですね。
そして去り際にダメ押しのように、悲しそうな演技をしながら、「俺は長い間、待ったんだ。もうこれ以上は待てないよ」と言って、ドアを閉めて出て行くことになります。
「ジョーイが電話をくれなかった」という劣勢を跳ね返して、「電話をくれなかったのはローラの方で、そのせいで俺はこんな俺になってしまった」みたいに思わせて出て行くという、ジョーイの作戦勝ちですね。
「君のせいだ」と言われて部屋に残されたローラは、一緒にいるチャンドラーとモニカに、I'm sorry that you had to see that. と謝っています。
「あなたがたが今のを見なければならなかったことはごめんなさい」ですから、「あんなものを見せちゃってごめんなさいね」と言った感覚になりますね。
「私、とっても恥ずかしい」というローラに対し、チャンドラーは「あぁ、そんなの全然いいですよ」と言い、モニカも「よくわかります。デートするのって大変ですよね」と言っています。
ジョーイが大芝居を打ったことで、悪いのはローラの方みたいになっているので、ローラは気が弱くなっているのでしょう、チャンドラーとモニカがそう言ってくれたことに感動した様子で、「あなたたちお二人は優しいわ。そして私はこう言わなきゃ[私にこう言わせて下さい]、あなたがたは素晴らしい親(ご両親)になると思います」と言います。
養子縁組の調査員に、「あなたたち二人は素晴らしい親になると思う」と言われれば、それは調査に合格したと言われたようなものですから、二人は感動して抱き合うことになります。
その後、ジョーイが入ってきて、ローラを指さしながら、Laura! と一言叫んで出て行くのがまた、面白いですね。
言葉としては「ローラ!」しか言っていませんが、その表情と態度から、「君の名前、思い出したぞ、君の名前はローラだ!」と言っているのは明らかです。
言われた方のローラはピンと来ていない様子ですが、チャンドラーとモニカ、そして観客には、「さっきは、lady と言っていて名前を忘れていた様子だったのに、思い出してそれを言いにわざわざ戻ってきた」ことがわかって、笑えてしまうわけですね。
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2016年03月11日
戻ってくるとはいい度胸だ フレンズ10-7その5
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チャンドラーとモニカの家を訪問中の、養子縁組の調査員ローラは、以前にこのアパートメントに来たことがあると言っていました。
話の途中で、ローラは「ある男性とデートしてこのアパートメントに来て、その後、その彼から電話がなかった」ということを思い出し、その男性がジョーイであることも判明。
調査員を振ったジョーイが友人だとわかると、養子縁組リストから外されると思ったチャンドラーとモニカは、部屋を訪ねてくるジョーイを必死に追い返そうとするのですが、ついにローラに見つかってしまい、「あなたたちはジョーイと友達なの?」と問い詰められます。
困ったチャンドラーは、ジョーイに話を振り、、、
ジョーイ: Uhm... okay... uhm... Well, yeah... You have got some nerve coming back here. I can't believe you never called me. (あぁ、よし、あの… 君はよくここに戻ってくる度胸があったよね[ここに戻ってくるとはいい度胸だ]。君が俺に電話をくれなかったなんて、信じられないよ。)
ローラ: Excuse me? (何ですって?)
ジョーイ: Oh, yeah! Probably you don't even remember my name. It's Joey, by the way. And don't bother telling me yours, because I totally remember it... lady. Yeah! I waited weeks for you to call me. (あぁ、そうさ! 多分君は俺の名前を覚えてさえいないだろうね。ジョーイだよ、ちなみにね。そして君の名前をわざわざ言ってくれなくてもいいよ、だって俺はしっかり君の名前を覚えてるからね… レディー。そうさ! 君が電話をくれるのを何週間も俺は待ってたんだ。)
ローラ: I gave you my number. You never called me. (あなたに私の電話番号を渡したわ。あなたが電話をくれなかったのよ。)
ジョーイ: No, no! Don't try to turn this around on me, okay? I am not some kind of... social work, okay, that you can just... do. (いや違う! 俺のせいにしようとするなよ、いいか? 俺は福祉事業の一環(でやってるん)じゃないんだよ、君がただ、ヤれる、っていうようなね。)
説明を振られたジョーイは、一瞬困った様子でしたが、名案を思い付いた様子で、話し始めます。
ローラを振って立場が悪いはずのジョーイなのに、ジョーイは腰に手を当てて、ジョーイの方が怒ったような様子で、You have got some nerve coming back here. と言っています。
have got = have で、nerve は「勇気、度胸」という意味。
つまり、「君はここに戻ってくるような度胸があるんだね」と言っている感覚ですね。
DVDの日本語訳では「君こそ、ここに来るとは、いい度胸だな」となっていましたが、まさにそういうことで、「よくもまぁ、ここに戻ってくるような度胸があったもんだ」とあきれた感じで言っていることになるでしょう。
「ジョーイが電話をくれなかった」とローラは言っていましたが、ここではジョーイが「君が電話をくれなかったなんて、信じられないよ」と言っています。
事実と異なることを言われ驚くローラに、ジョーイは、「多分君は俺の名前を覚えてすらいないんだろ、ところで(ちなみに)俺はジョーイだよ」と言ってみせます。
「電話をかけてこないくらいだから、俺のことなんか記憶にないだろうね、忘れてるだろうから教えてあげるよ、俺はジョーイだ」と言ったわけです。
そして、相手に言葉を挟む隙を与えず、「君の名前をわざわざ言うことはないよ、だって俺はそれ(君の名前)をしっかり覚えてるから…」と言って、少し間を空けてから、lady と言っています。
don't bother doing の bother は「わざわざ〜する」で、don't bother doing だと「わざわざ〜するな」という意味になるため、「わざわざ〜するには及ばない、わざわざ〜してくれなくていい」というようなニュアンスになります。
「君の名前はしっかり覚えてるから…」と言えば、その後、相手の名前で呼び掛けるのが普通の流れですが、一瞬、間が空いた後で、lady と言っているのがこの部分のオチになっています。
「ねえちゃん、お嬢さん」みたいに、名前の知らない女性に呼び掛ける言葉ですから、ジョーイがこの女性の名前(ローラ)を覚えていないのがわかる、ということですね。
ジョーイが「君が電話をくれるのを俺は何週間も待ってた」と言うと、ローラは「私はあなたに電話番号を渡したわ。あなたが私に電話をくれなかったのよ」と返します。
「私に」を強調するために、me を強く発音しているのもポイントですね。
「あなたが悪いのよ」みたいに言われたので、ジョーイは、Don't try to turn this around on me, okay? と言います。
「turn 〜 around on 人」を直訳すると、「〜の向きを変えて、人にくっつける(接触の on)」のような感じになるでしょう。
「本来、君に原因があるのに、それを俺に押し付けるなよな、俺のせいにするなよな」と言っているニュアンスですね。
次の、I am not some kind of... social work, okay, that you can just... do. について。
social work は「福祉事業」なので、直訳すると、「俺はある種の福祉事業じゃないんだ」になりますが、ここでの二人は「寝た後、電話くれなかった」という男女関係の話をしているので、「俺は(そういう男女関係のことを)福祉事業としてサービスでやってるんじゃない」みたいに、言っている感覚になるでしょう。
その後、that you can just... do. のように、do という言葉を出すまでに少し躊躇がありますが、この do は恋愛において「ヤる」みたいな感じの意味で使っているようですね。
直訳すると、「俺はそういうサービス(でやってるん)じゃないんだよ、君がただ、ヤれるようなね」ということになるでしょう。
DVD日本語訳では、「俺は別に、ただのセックス・ボランティアじゃないんだよ。ヤり逃げされるのは…ごめんだね」となっていましたが、ジョーイの言わんとしていることも、意味としてはまさにそういうことでしょう。
英語のセリフの方は、露骨な表現は使われていませんが、「君がただ do できるようなサービスをしてるわけじゃない」と表現することで、そういう行為を示唆しているわけですね。
そのセリフを言われたローラは、非常に恥ずかしそうな顔をしていますが、そのローラの様子からも、「チャンドラーやモニカが見ている前で、そんな露骨なことを言われてしまった」ということがうかがえると思います。
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チャンドラーとモニカの家を訪問中の、養子縁組の調査員ローラは、以前にこのアパートメントに来たことがあると言っていました。
話の途中で、ローラは「ある男性とデートしてこのアパートメントに来て、その後、その彼から電話がなかった」ということを思い出し、その男性がジョーイであることも判明。
調査員を振ったジョーイが友人だとわかると、養子縁組リストから外されると思ったチャンドラーとモニカは、部屋を訪ねてくるジョーイを必死に追い返そうとするのですが、ついにローラに見つかってしまい、「あなたたちはジョーイと友達なの?」と問い詰められます。
困ったチャンドラーは、ジョーイに話を振り、、、
ジョーイ: Uhm... okay... uhm... Well, yeah... You have got some nerve coming back here. I can't believe you never called me. (あぁ、よし、あの… 君はよくここに戻ってくる度胸があったよね[ここに戻ってくるとはいい度胸だ]。君が俺に電話をくれなかったなんて、信じられないよ。)
ローラ: Excuse me? (何ですって?)
ジョーイ: Oh, yeah! Probably you don't even remember my name. It's Joey, by the way. And don't bother telling me yours, because I totally remember it... lady. Yeah! I waited weeks for you to call me. (あぁ、そうさ! 多分君は俺の名前を覚えてさえいないだろうね。ジョーイだよ、ちなみにね。そして君の名前をわざわざ言ってくれなくてもいいよ、だって俺はしっかり君の名前を覚えてるからね… レディー。そうさ! 君が電話をくれるのを何週間も俺は待ってたんだ。)
ローラ: I gave you my number. You never called me. (あなたに私の電話番号を渡したわ。あなたが電話をくれなかったのよ。)
ジョーイ: No, no! Don't try to turn this around on me, okay? I am not some kind of... social work, okay, that you can just... do. (いや違う! 俺のせいにしようとするなよ、いいか? 俺は福祉事業の一環(でやってるん)じゃないんだよ、君がただ、ヤれる、っていうようなね。)
説明を振られたジョーイは、一瞬困った様子でしたが、名案を思い付いた様子で、話し始めます。
ローラを振って立場が悪いはずのジョーイなのに、ジョーイは腰に手を当てて、ジョーイの方が怒ったような様子で、You have got some nerve coming back here. と言っています。
have got = have で、nerve は「勇気、度胸」という意味。
つまり、「君はここに戻ってくるような度胸があるんだね」と言っている感覚ですね。
DVDの日本語訳では「君こそ、ここに来るとは、いい度胸だな」となっていましたが、まさにそういうことで、「よくもまぁ、ここに戻ってくるような度胸があったもんだ」とあきれた感じで言っていることになるでしょう。
「ジョーイが電話をくれなかった」とローラは言っていましたが、ここではジョーイが「君が電話をくれなかったなんて、信じられないよ」と言っています。
事実と異なることを言われ驚くローラに、ジョーイは、「多分君は俺の名前を覚えてすらいないんだろ、ところで(ちなみに)俺はジョーイだよ」と言ってみせます。
「電話をかけてこないくらいだから、俺のことなんか記憶にないだろうね、忘れてるだろうから教えてあげるよ、俺はジョーイだ」と言ったわけです。
そして、相手に言葉を挟む隙を与えず、「君の名前をわざわざ言うことはないよ、だって俺はそれ(君の名前)をしっかり覚えてるから…」と言って、少し間を空けてから、lady と言っています。
don't bother doing の bother は「わざわざ〜する」で、don't bother doing だと「わざわざ〜するな」という意味になるため、「わざわざ〜するには及ばない、わざわざ〜してくれなくていい」というようなニュアンスになります。
「君の名前はしっかり覚えてるから…」と言えば、その後、相手の名前で呼び掛けるのが普通の流れですが、一瞬、間が空いた後で、lady と言っているのがこの部分のオチになっています。
「ねえちゃん、お嬢さん」みたいに、名前の知らない女性に呼び掛ける言葉ですから、ジョーイがこの女性の名前(ローラ)を覚えていないのがわかる、ということですね。
ジョーイが「君が電話をくれるのを俺は何週間も待ってた」と言うと、ローラは「私はあなたに電話番号を渡したわ。あなたが私に電話をくれなかったのよ」と返します。
「私に」を強調するために、me を強く発音しているのもポイントですね。
「あなたが悪いのよ」みたいに言われたので、ジョーイは、Don't try to turn this around on me, okay? と言います。
「turn 〜 around on 人」を直訳すると、「〜の向きを変えて、人にくっつける(接触の on)」のような感じになるでしょう。
「本来、君に原因があるのに、それを俺に押し付けるなよな、俺のせいにするなよな」と言っているニュアンスですね。
次の、I am not some kind of... social work, okay, that you can just... do. について。
social work は「福祉事業」なので、直訳すると、「俺はある種の福祉事業じゃないんだ」になりますが、ここでの二人は「寝た後、電話くれなかった」という男女関係の話をしているので、「俺は(そういう男女関係のことを)福祉事業としてサービスでやってるんじゃない」みたいに、言っている感覚になるでしょう。
その後、that you can just... do. のように、do という言葉を出すまでに少し躊躇がありますが、この do は恋愛において「ヤる」みたいな感じの意味で使っているようですね。
直訳すると、「俺はそういうサービス(でやってるん)じゃないんだよ、君がただ、ヤれるようなね」ということになるでしょう。
DVD日本語訳では、「俺は別に、ただのセックス・ボランティアじゃないんだよ。ヤり逃げされるのは…ごめんだね」となっていましたが、ジョーイの言わんとしていることも、意味としてはまさにそういうことでしょう。
英語のセリフの方は、露骨な表現は使われていませんが、「君がただ do できるようなサービスをしてるわけじゃない」と表現することで、そういう行為を示唆しているわけですね。
そのセリフを言われたローラは、非常に恥ずかしそうな顔をしていますが、そのローラの様子からも、「チャンドラーやモニカが見ている前で、そんな露骨なことを言われてしまった」ということがうかがえると思います。
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2016年03月09日
法で許される範囲で適度に フレンズ10-7その4
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養子縁組の調査員が家を訪ねてきたので、チャンドラーとモニカは彼女を家に招き入れます。
モニカ: Okay, great. We're so glad that you are here. We're really excited about getting this process started. (あぁ、最高です。あなたがここに来てくれて私たちはとても嬉しいんです。このプロセスが始まるのにすごくワクワクしてます。)
チャンドラー: Because we love kids. Love ‘em to death. Well, not actually to death, that's just a figure of speech. We love kids the appropriate amount... as allowed by law. (だって僕たち、子供が大好きなんですよ。死ぬほど好きです。あぁ、実際には死ぬほどじゃないですけど。それはただの言葉のあやです。子供は適切なレベルで好きですよ、法に許される範囲内で。)
ローラ: Your place is just lovely. (あなたたちのお住まい、とても素敵ですね。)
モニカ: Ah, thank you. Yes, this building does have a wholesome, family feel to it. (あぁ、ありがとう。そうなんです、この建物は健全で家族的雰囲気があるんですよ。)
ローラ: You know, I... I feel like I've been here before. Are any other couples in the building adopting? (あの…私、前にここに来たって気がするんですけど。この建物の中で誰か別のカップルが養子縁組を申請中ですか?)
モニカ: Is that that couple on the first floor? Because we should get a baby before them. Yeah! That guy tried to sell me drugs. (Laura looks shocked) (それって1階のあのカップル? (だって)私たちは彼らより先に子供をもらうべきよ! そうよ! あの男は私にヤクを売ろうとしたのよ。[ローラはショックを受けた顔をする])
チャンドラー: But other than that, wholesome, wholesome building. (でもそれ以外は、健全な健全な建物ですよ。)
調査員を迎え入れたモニカは、「あなたが来てくれて嬉しい。このプロセスが始まるのにワクワクしている」と言っています。
それに続けてチャンドラーは、「だって僕たち、子供が大好きなんですよ」と言って、Love ‘em to death. Well, not actually to death... というセリフを続けます。
Love them to death の to death は「死ぬまで、死に至って」ということで、そこから「死ぬほど、ひどく、この上なく」という意味にもなります。
「死ぬほど」=「ひどく」という意味になるのは日本語も同じですね。
bleed to death だと「死ぬまで出血する、出血して死に至る」ですから、「出血死する、出血多量で死ぬ」という意味になります。
チャンドラーは、「子供が好き」と言った後、「それはもう、めちゃくちゃ(死ぬほど)好きなんです」と子供を愛する気持ちを強調したわけですが、その強調の言葉として、death 「死」という不吉な言葉を使ってしまったことにすぐに気づいたチャンドラーは、今のはただの a figure of speech だと弁解することになります。
figure of speech を直訳すると、「スピーチ(話すこと、話し方)の形」とでも言えばいいでしょうか。
意味としては「比喩的表現、言葉のあや」ということですね。
つい to death という表現を使ってしまったけれど、death という単語を使ったことに深い意味はありません、ただの表現の一種ですよ、と言った感覚になるでしょう。
Macmillan Dictionary では、
figure of speech : an expression in which the words are used figuratively, not in their normal literal meaning
つまり、「言葉が比喩的に使われた表現、通常の文字通りの意味ではなく」。
この場合も、「死ぬほど」っていうのは”生き死に”の死の話をしてるんじゃなくて、死ぬほどっていう言葉はただの比喩に過ぎません、と言っていることになるわけですね。
「死ぬほど愛してる」というのは言い過ぎた、と説明した後、チャンドラーは子供を愛する度合を別の言葉で説明しています。
We love kids the appropriate amount... as allowed by law. を直訳すると、「僕たちは子供を、適切な程度、愛している、法に許されるように」になるでしょう。
「死ぬほど、ってことではなく、法で許される範囲で適度に」と表現して、「愛してるというのは普通に愛するってレベルの話ですからご安心を」みたいに言っていることになりますね。
ローラは怪訝な顔をしながらも、「この場所(あなた方のこのお家)は素敵ですね」と褒めています。
モニカはお礼を言って、「この(アパートメントの)建物は、a wholesome family feel があると言っていますね。
wholesome は「健康によい」という意味もありますが、ここでは「健全な」という意味で使われています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
wholesome : considered to have a good moral effect
例) wholesome family life
つまり、「良い道徳の効果を持つと考えられる」、例は「健全な家庭生活」。
その後、ローラは「私は前にここに来たことがあるような気がする」と言って、「この建物の他の別のカップルが、養子縁組をしていたりしますか?」と尋ねています。
別のカップルの調査のためにこのビルに来たことがあって、それでこのビルに記憶があるのかもしれない、とローラは考えているわけですね。
「同じアパートメントの建物に、他にも養子縁組を希望してるカップルっているかしら?」と聞かれたモニカは、思い当たる人物がいたようで、「それって1階のあのカップル?」と声を荒げています。
その後、Because... 以下で、「彼らよりも前に、私たちが赤ちゃんをもらうべきよ」と言っています。
ここで、Because という理由を表わす接続詞が使われているのは、「それってまさか、1階のあのカップルじゃないでしょうね? 冗談じゃないわ!」みたいな言い方をしたことの理由として、「あのカップルですって?! みたいに抗議口調で言ったのは、あんなカップルよりも私たちの方が子供を先にもらうべきって思っているからよ」と、抗議のニュアンスを出した理由を説明していることになるでしょう。
そしてその後、「あの男は私にドラッグを売ろうとしたのよ」と言っています。
ローラという調査員がこの家より前に、そっちに訪問していたとしたら、そちらのカップルの方が先に養子縁組が決まってしまうかもしれないと知って、「あのカップルだったら、養子を迎える家庭としては不適格」と言えるような理由を慌てて挙げたことになるでしょう。
「私にヤクを売りつけようとした」と言うのを聞いて、ローラは驚いた顔をしていますが、他のカップルに先を越されたくないばかりにそんな過激なことを言うモニカを制するように、チャンドラーは、「でもそれ以外は、健全な、健全な建物ですよ」と言っています。
この住まいが、子供が住むのに快適な環境であることをアピールしようとして、そもそもモニカが「この建物は健全で家庭的雰囲気がある」と言ったのに、同じ建物にライバルがいるかもしれないと思った途端、その人を貶(おとし)めるために「この建物には不健全な人が住んでいる」と言ってしまったことになるわけで、それをチャンドラーがフォローしているのが、この夫婦らしくて面白いところだと思いました。
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チャンドラー: Because we love kids. Love ‘em to death. Well, not actually to death, that's just a figure of speech. We love kids the appropriate amount... as allowed by law. (だって僕たち、子供が大好きなんですよ。死ぬほど好きです。あぁ、実際には死ぬほどじゃないですけど。それはただの言葉のあやです。子供は適切なレベルで好きですよ、法に許される範囲内で。)
ローラ: Your place is just lovely. (あなたたちのお住まい、とても素敵ですね。)
モニカ: Ah, thank you. Yes, this building does have a wholesome, family feel to it. (あぁ、ありがとう。そうなんです、この建物は健全で家族的雰囲気があるんですよ。)
ローラ: You know, I... I feel like I've been here before. Are any other couples in the building adopting? (あの…私、前にここに来たって気がするんですけど。この建物の中で誰か別のカップルが養子縁組を申請中ですか?)
モニカ: Is that that couple on the first floor? Because we should get a baby before them. Yeah! That guy tried to sell me drugs. (Laura looks shocked) (それって1階のあのカップル? (だって)私たちは彼らより先に子供をもらうべきよ! そうよ! あの男は私にヤクを売ろうとしたのよ。[ローラはショックを受けた顔をする])
チャンドラー: But other than that, wholesome, wholesome building. (でもそれ以外は、健全な健全な建物ですよ。)
調査員を迎え入れたモニカは、「あなたが来てくれて嬉しい。このプロセスが始まるのにワクワクしている」と言っています。
それに続けてチャンドラーは、「だって僕たち、子供が大好きなんですよ」と言って、Love ‘em to death. Well, not actually to death... というセリフを続けます。
Love them to death の to death は「死ぬまで、死に至って」ということで、そこから「死ぬほど、ひどく、この上なく」という意味にもなります。
「死ぬほど」=「ひどく」という意味になるのは日本語も同じですね。
bleed to death だと「死ぬまで出血する、出血して死に至る」ですから、「出血死する、出血多量で死ぬ」という意味になります。
チャンドラーは、「子供が好き」と言った後、「それはもう、めちゃくちゃ(死ぬほど)好きなんです」と子供を愛する気持ちを強調したわけですが、その強調の言葉として、death 「死」という不吉な言葉を使ってしまったことにすぐに気づいたチャンドラーは、今のはただの a figure of speech だと弁解することになります。
figure of speech を直訳すると、「スピーチ(話すこと、話し方)の形」とでも言えばいいでしょうか。
意味としては「比喩的表現、言葉のあや」ということですね。
つい to death という表現を使ってしまったけれど、death という単語を使ったことに深い意味はありません、ただの表現の一種ですよ、と言った感覚になるでしょう。
Macmillan Dictionary では、
figure of speech : an expression in which the words are used figuratively, not in their normal literal meaning
つまり、「言葉が比喩的に使われた表現、通常の文字通りの意味ではなく」。
この場合も、「死ぬほど」っていうのは”生き死に”の死の話をしてるんじゃなくて、死ぬほどっていう言葉はただの比喩に過ぎません、と言っていることになるわけですね。
「死ぬほど愛してる」というのは言い過ぎた、と説明した後、チャンドラーは子供を愛する度合を別の言葉で説明しています。
We love kids the appropriate amount... as allowed by law. を直訳すると、「僕たちは子供を、適切な程度、愛している、法に許されるように」になるでしょう。
「死ぬほど、ってことではなく、法で許される範囲で適度に」と表現して、「愛してるというのは普通に愛するってレベルの話ですからご安心を」みたいに言っていることになりますね。
ローラは怪訝な顔をしながらも、「この場所(あなた方のこのお家)は素敵ですね」と褒めています。
モニカはお礼を言って、「この(アパートメントの)建物は、a wholesome family feel があると言っていますね。
wholesome は「健康によい」という意味もありますが、ここでは「健全な」という意味で使われています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
wholesome : considered to have a good moral effect
例) wholesome family life
つまり、「良い道徳の効果を持つと考えられる」、例は「健全な家庭生活」。
その後、ローラは「私は前にここに来たことがあるような気がする」と言って、「この建物の他の別のカップルが、養子縁組をしていたりしますか?」と尋ねています。
別のカップルの調査のためにこのビルに来たことがあって、それでこのビルに記憶があるのかもしれない、とローラは考えているわけですね。
「同じアパートメントの建物に、他にも養子縁組を希望してるカップルっているかしら?」と聞かれたモニカは、思い当たる人物がいたようで、「それって1階のあのカップル?」と声を荒げています。
その後、Because... 以下で、「彼らよりも前に、私たちが赤ちゃんをもらうべきよ」と言っています。
ここで、Because という理由を表わす接続詞が使われているのは、「それってまさか、1階のあのカップルじゃないでしょうね? 冗談じゃないわ!」みたいな言い方をしたことの理由として、「あのカップルですって?! みたいに抗議口調で言ったのは、あんなカップルよりも私たちの方が子供を先にもらうべきって思っているからよ」と、抗議のニュアンスを出した理由を説明していることになるでしょう。
そしてその後、「あの男は私にドラッグを売ろうとしたのよ」と言っています。
ローラという調査員がこの家より前に、そっちに訪問していたとしたら、そちらのカップルの方が先に養子縁組が決まってしまうかもしれないと知って、「あのカップルだったら、養子を迎える家庭としては不適格」と言えるような理由を慌てて挙げたことになるでしょう。
「私にヤクを売りつけようとした」と言うのを聞いて、ローラは驚いた顔をしていますが、他のカップルに先を越されたくないばかりにそんな過激なことを言うモニカを制するように、チャンドラーは、「でもそれ以外は、健全な、健全な建物ですよ」と言っています。
この住まいが、子供が住むのに快適な環境であることをアピールしようとして、そもそもモニカが「この建物は健全で家庭的雰囲気がある」と言ったのに、同じ建物にライバルがいるかもしれないと思った途端、その人を貶(おとし)めるために「この建物には不健全な人が住んでいる」と言ってしまったことになるわけで、それをチャンドラーがフォローしているのが、この夫婦らしくて面白いところだと思いました。
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2016年03月07日
そんな風にあきらめるなんて想像できない フレンズ10-7その3
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チャンドラーとモニカの家のドアにノックがあったので、養子縁組の調査員がついに来たと二人がドアを開けたら、そこに立っていたのはフィービー。調査員によく思われたい一心で、無理にこわばった笑顔を作っていた二人を見て驚くフィービーに、
モニカ: We're waiting for the adoption lady. But, hey, I'm glad you're here. I was cleaning this morning and I found this. (she puts a box on the table and opens it) I don't know if you wanna use it, but.... (私たちは、養子縁組の調査員を待っているのよ。でも、ねぇ、あなたが来てくれて嬉しいわ。今朝私は掃除してて、これを見つけたの。[モニカはテーブルに箱を置き、それを開ける] あなたがそれを使いたいと思うかどうかはわからないけど、でも…)
フィービー: Oh, this is so sweet of you! But you know what? I won't be needing a veil. I actually won't be wearing a dress at all! (あぁ、こんなことしてくれるなんて、あなたってとっても優しいのね。でもね。私はベールは必要ないの。実はドレスは全く着ないつもりなのよ。)
モニカ: I told you, I am not coming to a naked wedding! (言ったでしょ、裸の結婚式には私は出席しないわよ。)
フィービー: No, no, no. We're not having a big reception. We took the money we were gonna spend on a wedding and we donated it to a children's charity. (違う違う違う、私は大きな披露宴はしないつもり、ってこと。私たちが結婚式に使うつもりだったお金を受け取って、それを子供の慈善事業に寄付したの。)
モニカ: That's crazy! (Phoebe looks bewildered) I'm sorry. I just can't imagine giving up my one wedding day like that! (そんなのクレイジーだわ! [フィービーは当惑した顔をする] ごめんなさい。ただ私は、そんな風に自分のたった一つの結婚式の日をあきらめるなんて想像できないだけよ!)
フィービー: Yeah, well, we're different! You know? I don't care about having a huge party. (She picks up the veil) This is really nice for you, but.... Oh, please, I put this on (she puts it on) and, ow, I just look like-- (she looks her reflex image on a toaster) Well, radiant. (pause) All right, but who cares? I don't need a pretty veil and a fancy dress. (そうね、まぁ、私たちは違うのよ! わかるでしょ? 盛大なパーティーをすることには興味がないの。[フィービーはベールを手に取る] このベールは本当にあなたに似合ってたけど、でも… あぁ、ほら、私がこれをつけると [フィービーはベールをつける] そしたら、まぁ、私ってまるで… [トースターに映った自分の像(姿)を見る] まぁ、光り輝いてるわ。[間があって] いいわ、でも、誰が気にするっての?[そんなことどうでもいいわ] 私は可愛いベールや素敵なドレスは必要ないのよ。)
adoption は「養子縁組」で、adoption lady = adoption social worker を指しています。
モニカは「あなたがここにいてくれて(ここに来てくれて)嬉しいわ。今朝掃除していたら、これを見つけたの」と言って、白い箱をテーブルの上に置きます。
「あなたがこれを使いたいかどうかはわからないけど」と言って見せたのは、結婚式用の白いベールでした。
それを見たフィービーは、「そんなことを言ってくれてモニカは優しいわね」と言った後、I won't be needing a veil. I actually won't be wearing a dress at all! と言っています。
2文とも、I won't be doing という未来進行形の否定形が使われていますね。
「未来の時点で、つまり、結婚式が行われる時に、私は〜している状態ではない」と言っているニュアンスになります。
それぞれ直訳すると、1文目は、「私はベールを必要としている状態ではない」、2文目は「実は私はドレスを全く着ている状態ではない」ということになるでしょう。
その「未来に行なわれる自分の結婚式」の状況をイメージして、「その時の私はベールを必要としていないし、そもそもドレスを着ていない」と言っている感覚になるわけですね。
それを聞いたモニカは、怒ったような口調で、I told you 以下のセリフを言っています。
I told you は「私はあなたに言った」で、日本語の「(私はあなたに)言ったわよね、言ったでしょ!(忘れたの?)」という感覚になります。
私は確かにそう言ったのに、そのことを忘れてあなたはそんなことをするわけ? というような非難のニュアンスが入っているのですね。
モニカは何を怒っているのかは、次のセリフを聞けばわかる仕組みになっています。
I am not coming to a naked wedding! は、「私は裸の結婚式には行かない(出席しない)」ということですね。
フィービーが「私、ベールは必要ないの。そもそもドレスは全く着ないから」みたいに言ったので、「ドレスを着ない」→「裸」だとモニカは勘違いしたわけです。
このセリフでは、I am not coming to のように、動詞 come が使われている点にも注意したいところ。
日本語だと「私は裸の結婚式には”行かない”わ」のように、「行く」という動詞が連想されるため、英語の go を使ってしまいそうになりますが、「頭の中でイメージしている場所に向かう」場合には、今回のように come を使うことになります。
モニカが誤解しているとわかって、フィービーは「(別に裸の結婚式をするってことじゃなくて)私たちは盛大な披露宴をしないってことよ」と説明します。
モニカの I am not coming や フィービーの We're not having のように、ここでは現在進行形がよく使われていますが、これは「近い将来の予定」を語っている感覚となります。
We took the money we were gonna spend on a wedding について。
直訳すると、「私たちが結婚式に使う(費やす)予定だったお金を take した」になりますね。
そのお金を take して、それを子供の慈善(チャリティー)に寄付した、と言っているので、「使う予定だったお金をいったん自分たちが手にして、それを寄付に回した」と言っている感覚になるだろうと思います。
「結婚式に使う予定だったお金を、子供の慈善事業への寄付に回した」と聞いて、モニカは「そんなのクレイジーよ!」と叫んでいます。
「そんなことするなんて、おかしいわ!」と大声で言われたフィービーは、一瞬戸惑ったような顔をしながらも、「ふーん、モニカはそういうこと言うんだ」みたいな表情も見せたので、モニカは自分の失礼発言に改めて気づいた様子でまずは謝罪した後、「私はただ想像できないのよ、私の(たった)一つの結婚式の日をそんな風にあきらめることが」のように言っています。
モニカは胸の上に両手を重ねながら、my ONE wedding day と one を強調してそのセリフを言っています。
結婚というものにずーっと憧れていたモニカにとって、「私の人生でたった一度きりの、大切な結婚式の日を、そんな理由であきらめることは私にはできない」と、「自分にとって大切な一日」であることを強調していることになるでしょう。
それを聞いたフィービーは、「私たちは違うのよ」と言って、結婚式に対する自分の考え方を語り始めます。
I don't care about doing は「〜することなんかどうでもいい、興味ない」という感覚ですから、「盛大なパーティーをすることなんかどうでもいいの」ということですね。
そう言いながら、モニカが出してくれたベールを手に取って、「これはあなたにはとっても似合ってたけど」と言いながら、自分もそれを頭につけて、目の前にあるピカピカに磨かれたトースターを鏡代わりにして、ベールをつけた自分の姿を見ることになります。
そうして、鏡に映った自分を見て、私はただ radiant に見える、と言っていますね。
もしこの単語の意味を知らなかった場合でも、このセリフを聞いて観客が笑っていますので、「私にはベールなんか要らないわ。モニカには似合うけど、私には…」という流れから想像された「ほら、私がつけても別に大したことないもの、そんなに似合わないもの」とは正反対のセリフであることがわかるだろうと思います。
実際、この radiant は「光を放つ、光り輝く」という意味になります。
太陽が光り輝くという意味でも使いますが、その他にも、研究社 新英和中辞典では、以下のような例が出ています。
a radiant smile [face] 晴れやかな微笑[顔]
You look radiant! 君うれしそうだね。
She was radiant with happiness. 彼女は幸福に輝いていた。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
radiant : full of happiness and love, in a way that shows in your face, eyes etc.
例) a radiant bride
つまり、「幸せと愛にあふれている、顔や目などに(その様子が)出る[示される]ような形で」。例文は「(幸福に)輝いている花嫁」。
ロングマンの例が a radiant bride となっていることからも、「結婚式の花嫁」の輝きを表わすのに最適な言葉だということがよくわかりますね。
「私はベールはつけないって決めたの。ドレスを着ないから」と言ったフィービーが、試しにそのベールをつけた自分を見てみたら、「まさに結婚式の花嫁みたいに、光り輝いちゃってるわ、私!」と思わず口走ってしまった面白さになります。
ついそんなことを言ってしまった自分に気づいて、その後、「私が光り輝いて見えるかどうかなんてどうでもいい。私には可愛いベールや素敵なドレスなんか必要ないのよ」と必死に否定することになるわけですね。
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チャンドラーとモニカの家のドアにノックがあったので、養子縁組の調査員がついに来たと二人がドアを開けたら、そこに立っていたのはフィービー。調査員によく思われたい一心で、無理にこわばった笑顔を作っていた二人を見て驚くフィービーに、
モニカ: We're waiting for the adoption lady. But, hey, I'm glad you're here. I was cleaning this morning and I found this. (she puts a box on the table and opens it) I don't know if you wanna use it, but.... (私たちは、養子縁組の調査員を待っているのよ。でも、ねぇ、あなたが来てくれて嬉しいわ。今朝私は掃除してて、これを見つけたの。[モニカはテーブルに箱を置き、それを開ける] あなたがそれを使いたいと思うかどうかはわからないけど、でも…)
フィービー: Oh, this is so sweet of you! But you know what? I won't be needing a veil. I actually won't be wearing a dress at all! (あぁ、こんなことしてくれるなんて、あなたってとっても優しいのね。でもね。私はベールは必要ないの。実はドレスは全く着ないつもりなのよ。)
モニカ: I told you, I am not coming to a naked wedding! (言ったでしょ、裸の結婚式には私は出席しないわよ。)
フィービー: No, no, no. We're not having a big reception. We took the money we were gonna spend on a wedding and we donated it to a children's charity. (違う違う違う、私は大きな披露宴はしないつもり、ってこと。私たちが結婚式に使うつもりだったお金を受け取って、それを子供の慈善事業に寄付したの。)
モニカ: That's crazy! (Phoebe looks bewildered) I'm sorry. I just can't imagine giving up my one wedding day like that! (そんなのクレイジーだわ! [フィービーは当惑した顔をする] ごめんなさい。ただ私は、そんな風に自分のたった一つの結婚式の日をあきらめるなんて想像できないだけよ!)
フィービー: Yeah, well, we're different! You know? I don't care about having a huge party. (She picks up the veil) This is really nice for you, but.... Oh, please, I put this on (she puts it on) and, ow, I just look like-- (she looks her reflex image on a toaster) Well, radiant. (pause) All right, but who cares? I don't need a pretty veil and a fancy dress. (そうね、まぁ、私たちは違うのよ! わかるでしょ? 盛大なパーティーをすることには興味がないの。[フィービーはベールを手に取る] このベールは本当にあなたに似合ってたけど、でも… あぁ、ほら、私がこれをつけると [フィービーはベールをつける] そしたら、まぁ、私ってまるで… [トースターに映った自分の像(姿)を見る] まぁ、光り輝いてるわ。[間があって] いいわ、でも、誰が気にするっての?[そんなことどうでもいいわ] 私は可愛いベールや素敵なドレスは必要ないのよ。)
adoption は「養子縁組」で、adoption lady = adoption social worker を指しています。
モニカは「あなたがここにいてくれて(ここに来てくれて)嬉しいわ。今朝掃除していたら、これを見つけたの」と言って、白い箱をテーブルの上に置きます。
「あなたがこれを使いたいかどうかはわからないけど」と言って見せたのは、結婚式用の白いベールでした。
それを見たフィービーは、「そんなことを言ってくれてモニカは優しいわね」と言った後、I won't be needing a veil. I actually won't be wearing a dress at all! と言っています。
2文とも、I won't be doing という未来進行形の否定形が使われていますね。
「未来の時点で、つまり、結婚式が行われる時に、私は〜している状態ではない」と言っているニュアンスになります。
それぞれ直訳すると、1文目は、「私はベールを必要としている状態ではない」、2文目は「実は私はドレスを全く着ている状態ではない」ということになるでしょう。
その「未来に行なわれる自分の結婚式」の状況をイメージして、「その時の私はベールを必要としていないし、そもそもドレスを着ていない」と言っている感覚になるわけですね。
それを聞いたモニカは、怒ったような口調で、I told you 以下のセリフを言っています。
I told you は「私はあなたに言った」で、日本語の「(私はあなたに)言ったわよね、言ったでしょ!(忘れたの?)」という感覚になります。
私は確かにそう言ったのに、そのことを忘れてあなたはそんなことをするわけ? というような非難のニュアンスが入っているのですね。
モニカは何を怒っているのかは、次のセリフを聞けばわかる仕組みになっています。
I am not coming to a naked wedding! は、「私は裸の結婚式には行かない(出席しない)」ということですね。
フィービーが「私、ベールは必要ないの。そもそもドレスは全く着ないから」みたいに言ったので、「ドレスを着ない」→「裸」だとモニカは勘違いしたわけです。
このセリフでは、I am not coming to のように、動詞 come が使われている点にも注意したいところ。
日本語だと「私は裸の結婚式には”行かない”わ」のように、「行く」という動詞が連想されるため、英語の go を使ってしまいそうになりますが、「頭の中でイメージしている場所に向かう」場合には、今回のように come を使うことになります。
モニカが誤解しているとわかって、フィービーは「(別に裸の結婚式をするってことじゃなくて)私たちは盛大な披露宴をしないってことよ」と説明します。
モニカの I am not coming や フィービーの We're not having のように、ここでは現在進行形がよく使われていますが、これは「近い将来の予定」を語っている感覚となります。
We took the money we were gonna spend on a wedding について。
直訳すると、「私たちが結婚式に使う(費やす)予定だったお金を take した」になりますね。
そのお金を take して、それを子供の慈善(チャリティー)に寄付した、と言っているので、「使う予定だったお金をいったん自分たちが手にして、それを寄付に回した」と言っている感覚になるだろうと思います。
「結婚式に使う予定だったお金を、子供の慈善事業への寄付に回した」と聞いて、モニカは「そんなのクレイジーよ!」と叫んでいます。
「そんなことするなんて、おかしいわ!」と大声で言われたフィービーは、一瞬戸惑ったような顔をしながらも、「ふーん、モニカはそういうこと言うんだ」みたいな表情も見せたので、モニカは自分の失礼発言に改めて気づいた様子でまずは謝罪した後、「私はただ想像できないのよ、私の(たった)一つの結婚式の日をそんな風にあきらめることが」のように言っています。
モニカは胸の上に両手を重ねながら、my ONE wedding day と one を強調してそのセリフを言っています。
結婚というものにずーっと憧れていたモニカにとって、「私の人生でたった一度きりの、大切な結婚式の日を、そんな理由であきらめることは私にはできない」と、「自分にとって大切な一日」であることを強調していることになるでしょう。
それを聞いたフィービーは、「私たちは違うのよ」と言って、結婚式に対する自分の考え方を語り始めます。
I don't care about doing は「〜することなんかどうでもいい、興味ない」という感覚ですから、「盛大なパーティーをすることなんかどうでもいいの」ということですね。
そう言いながら、モニカが出してくれたベールを手に取って、「これはあなたにはとっても似合ってたけど」と言いながら、自分もそれを頭につけて、目の前にあるピカピカに磨かれたトースターを鏡代わりにして、ベールをつけた自分の姿を見ることになります。
そうして、鏡に映った自分を見て、私はただ radiant に見える、と言っていますね。
もしこの単語の意味を知らなかった場合でも、このセリフを聞いて観客が笑っていますので、「私にはベールなんか要らないわ。モニカには似合うけど、私には…」という流れから想像された「ほら、私がつけても別に大したことないもの、そんなに似合わないもの」とは正反対のセリフであることがわかるだろうと思います。
実際、この radiant は「光を放つ、光り輝く」という意味になります。
太陽が光り輝くという意味でも使いますが、その他にも、研究社 新英和中辞典では、以下のような例が出ています。
a radiant smile [face] 晴れやかな微笑[顔]
You look radiant! 君うれしそうだね。
She was radiant with happiness. 彼女は幸福に輝いていた。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
radiant : full of happiness and love, in a way that shows in your face, eyes etc.
例) a radiant bride
つまり、「幸せと愛にあふれている、顔や目などに(その様子が)出る[示される]ような形で」。例文は「(幸福に)輝いている花嫁」。
ロングマンの例が a radiant bride となっていることからも、「結婚式の花嫁」の輝きを表わすのに最適な言葉だということがよくわかりますね。
「私はベールはつけないって決めたの。ドレスを着ないから」と言ったフィービーが、試しにそのベールをつけた自分を見てみたら、「まさに結婚式の花嫁みたいに、光り輝いちゃってるわ、私!」と思わず口走ってしまった面白さになります。
ついそんなことを言ってしまった自分に気づいて、その後、「私が光り輝いて見えるかどうかなんてどうでもいい。私には可愛いベールや素敵なドレスなんか必要ないのよ」と必死に否定することになるわけですね。
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