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部屋の電話が鳴ったので、モニカは奥の部屋に行き、その間に、ドアに挟まったジョーイの首を抜こうとフレンズたちは頑張っています。
思い切り引っ張ったところ、感謝祭のごちそうが置いてあったキャスター付きの小テーブルにジョーイが突っ込み、ごちそうが全部、床に落ちてしまいます。
チャンドラー: Argh! I can't believe what you did. Monica's gonna kill you! (あー! お前のしたこと信じられないよ! モニカに殺されるぞ!)
(Monica enters from the spare bedroom.)
モニカは客用寝室から出てくる。
チャンドラー: (to Monica) Look! Look! Look what the-- Look what... Look what the floating heads did! ([モニカに] 見て、見てよ! 浮かぶ頭たちがやったことを見てよ!)
モニカ: (very emotional) I don't care. ([非常に感情的に] どうでもいいわ[気にしないわ]。)
(Chandler can't believe what he's hearing. He looks at Monica, then at the others, then back at Monica.)
チャンドラーは自分の聞いていることが信じられない。チャンドラーはモニカを見る、そして他のみんなを見て、またモニカに視線を戻す。
チャンドラー: What's going on? (どうしたの?)
モニカ: That was the adoption agency.... (さっきの電話は養子縁組のエージェンシーだったの…)
チャンドラー: And? (それで?)
モニカ: WE'RE GETTING A BABY! (私たち、子供がもらえるのよ!)
チャンドラー: Are you serious? (they hug) (ほんとか? [二人はハグする])
モニカ: There's a pregnant woman in Ohio, and she picked us! (オハイオに妊娠中の女性がいて、彼女が私たちを選んでくれたの!)
(They all cheer and Rachel, Ross and Phoebe join in for a group hug. Joey also joins, but he stands back a bit, because he is all sticky of the food on him)
みんなが歓声を上げ、レイチェル、ロス、フィービーがグループハグに加わる。ジョーイも加わるが、少し後ろに立っている、彼は、身体についた(感謝祭の)食べ物でベチャベチャだから。)
レイチェル: I'm so happy for you! (良かったわね!)
モニカ: This Thanksgiving kicks last Thanksgiving's ass! (今年の感謝祭が、去年の感謝祭のケツを蹴り倒したわよ!)
(They all cheer and hug again, but Joey's eating the food off his shirt)
みんなは歓声を上げ、再びハグする、が、ジョーイは彼のシャツについた食べ物を食べている。
服がごちそうで汚れてしまったジョーイは、仁王立ちで無言のまま怒っていますが、チャンドラーは「せっかく作った感謝祭のごちそうがこんなことになってしまって、モニカは大激怒するに違いない」と思い、「お前のしたことが信じられない(ごちそうの載ったテーブルをなぎ倒すなんて、なんてことしてくれたんだ)! モニカはお前を殺すぞ(お前はモニカに殺されるぞ)!」と叫びます。
かかってきた電話に応対するために奥の部屋に行っていたモニカが、そのタイミングで出てきたので、チャンドラーは「俺のせいじゃない、全部ジョーイたちが悪いんだ!」というように、「浮かぶ頭(フローティング・ヘッズ)がやったことを見てよ!」と言っています。
この the floating heads という表現は、少し前のシーンに出てきていました。
チェーンがかかったドアの隙間から、ロス、ジョーイ、レイチェル、フィービーが顔を出して、ごめんなさいと謝っているシーンで、
ジョーイ: (smiling) But let's not ruin this day. You've worked so hard. Let's move past this and try to have a nice meal all together, huh? ([微笑みながら] でも(今日という)この日を台無しにするのはやめようよ。モニカは一生懸命(ごちそう作りのために)働いた。こんなことは水に流して、みんな一緒に素敵な食事をしようよ、な?)
チャンドラー: The floating heads do make a good point. (あの浮かんでいる頭たちは、実にいいポイントをついてるね。)
というやりとりになっていました。
4人が首だけをにゅっと出している姿を、「浮かんでいる頭(たち)」と表現したわけですね。
チャンドラーは、「俺がやったんじゃなくて、さっき、ドアから首だけ出してたやつら、感謝祭に遅れて締め出されたやつらがやったことだ」と言いたかったわけです。
感謝祭に遅刻してきた上に、せっかく作った感謝祭のごちそうまでめちゃめちゃにされて、いつものモニカなら間違いなく怒るところですが、モニカは何とも言えない表情をして、I don't care. 「(ごちそうのことなんて)どうでもいいわ」と言っています。
想定外の反応にチャンドラーは驚き、「どうしたの(何が起こってるの?)」と聞くと、モニカは、That was the adoption agency.... と答えます。
that は少し前の誰かの発言や物事を指す感覚で、この場合は、「さっきかかってきたあの電話、私が別室で受けた電話」を指します。
「さっきの電話、養子縁組のエージェンシーだったの…」までしか言わないので、チャンドラーが、And? 「それで?」と促すと、モニカは嬉しそうな顔をして、We're getting a baby! 「私たち、赤ちゃんがもらえるの!」と叫びます。
嬉しいビッグニュースに、フレンズたちも観客も歓声を上げていますね。
「オハイオにいる妊婦さんが、私たちを(養子縁組の親として)選んでくれたの」というモニカに、フレンズたちみんながハグをします。
ト書きにあるように、食べ物で全身汚れてしまったジョーイだけが「ハグしたいんだけど、くっつけないんだよな」という風に、少し距離を取りながら、ハグのポーズだけしているのも微笑ましいですね。
フレンズみんなで喜びを分かち合う中、モニカは勝ち誇ったような顔で、This Thanksgiving kicks last Thanksgiving's ass! と叫んでいます。
this と last は、this year 「今年」と、last year 「去年」という対比ですね。
kick someone's ass は「人の尻(ケツ)を蹴っ飛ばす」ということから、「たたきのめす、やっつける」という意味で使われます。
Macmillan Dictionary では、
kick (someone's) ass : (phrase, mainly American, impolite) to punish or defeat someone
例) If he gives you any problems, let me know and I'll kick his ass.
つまり、「(主にアメリカ英語、上品でない) 誰かを罰したり、倒したりすること」。例文は「もし彼が君に何か問題を起こしたら、僕に知らせて、そしたら僕が彼をこらしめるから。」
ass という卑語が使われていることから下品な表現ではありますが、「子供がもらえることになった」という知らせを喜んでいるというこの和やかな場で、モニカが持ち前の負けず嫌いの性格を前面に出して、「今年の感謝祭が、去年の感謝祭のケツにケリ入れてやったわよ!」と勝ち誇るのが、いつものモニカらしくて楽しい、ということになるでしょうね。
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