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先週4月20日に、私の3冊目の著書「海外ドラマDVD英語学習法 日本で、自宅で、一人で、ここまでできる!」(CCCメディアハウス)が発売になったことをお伝えさせていただきました。
ブログでの告知記事はこちら→ 著書3冊目学習法本を出版しました!
ブログ、Twitter、Facebook などを通じて、多くの方から「買いました!」というメッセージを頂戴しました。
お買い上げ下さった皆様、本当に本当にありがとうございます<(_ _)>
発売から1週間経ち、どんな風にその新刊が並んでいるのかを見たいと思ったので、昨日(4月27日)、難波(大阪ミナミ)と梅田(大阪キタ)の大型書店さんに行ってまいりました。
まずは、ミナミ(難波)のジュンク堂書店 難波店に行きました。
奥に語学コーナーがあり、たくさんの英語の本が並んでいる中、自分の新刊を発見。
面陳(表紙を見せて陳列)で4冊置いてあり、誰か買って下さって減ってるのかな、というように見えました。
ジュンク堂書店 難波店さんでの写真↓
個人的にものすごくツボなのが、このツーショット写真↓
我が家はみんな、進撃の巨人が好きで、単行本も揃えています。
12巻は、英語版ペーパーバックも持っていて、「この名セリフは、こう英訳されてるのね」とか楽しんだりもしています。
Eren: I'll wrap you up in it again. Again and again. Forever.
とかね^^
お客さんが、書店の本棚を見て歩いている時に、この超大型巨人の顔には「巨人だ!」と絶対に目が留まると思うので、その横に位置しているのは、なかなかラッキーなポジショニングではないかと。
「調査兵団資料館」(大阪南港ATC)や「進撃の巨人展 WALL OSAKA」(グランフロント大阪)にも実はちゃっかり行っているオタクな私としては、この並びで面陳されているのがとっても嬉しいのです。
それから、もう一つ嬉しかったのは、2014年11月に出版した私の2冊目の「読むだけ なるほど! 英文法」も面陳されていたことです↓
2つの著書、どちらも面陳して下さって、本当にありがとうございます、ジュンク堂 難波店さん!
私は自分の本が出版された時には、リアル書店の自分の本と対面すべく、毎回、書店巡りをするのですが、記念に写真を撮らせていただく際は、必ず書店員さんに許可をいただくようにしています。
今回も、ちょうど語学コーナーでお仕事中の書店員さんにご挨拶して、撮影許可をいただきました。
ご挨拶する際、手作りの名刺を出して、裏に印刷してある自分の著書の写真を見せながら、「私、この本の著者なんですけれども、、」と言ったところ、「あぁ!(この本の!)」とすぐにわかっていただけたご様子だったので、「わぁ〜、覚えていただけているんですか〜、感激ですぅ〜(≧∇≦)」と一人で大騒ぎしてしまいました。
許可をいただいたので、パシャパシャと撮りまくり(笑)、その後、書店員さんといろいろお話させていただけたことも楽しかったです♪
「新刊を目立つ位置に置いていただいて、英文法の本も面陳していただいて、新刊を進撃の巨人の隣に置いていただいて(←我ながら「何を言ってるんだ、私は」と思ったけれどw)、ほんとにほんとにありがとうございました〜」とお礼を言わせていただきました。
お仕事中にもかかわらず、快くご対応下さったこと、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました<(_ _)>
次に、キタ(梅田)の紀伊國屋書店 梅田本店さんに行きました。
紀伊國屋書店 梅田本店さんでの写真↓
有名な先生方のご本、売れているベストセラーの中に、自分の本が混じってる! というこの驚き。
本当に光栄で嬉しい気持ちでいっぱいです。
毎回のように言っているのですが、梅田の紀伊國屋さんは、自分が小さい頃から行っていた本屋さんなので、ここに自分の本が並ぶというのは、感無量なんですよね、、、。
カウンターに行って写真撮影の許可をお願いしたところ、快く応じて下さり、その場所に一緒に歩いて向かう間に「きれいに並んでたかしら」と気にして下さったりして、「さっき見たんですけど、それはもう、きれいに並んでました!」とか言いながら、撮影させていただきました。
お忙しい中、撮影に付き添っていただき、本当にありがとうございました<(_ _)>
自分がよく知っている本屋さんに、自分の本が並んでいるのを見るのは、本当に幸せなことです。
今回で本を3冊出したことになりますが、出版の時は毎回、「本を出すのはこれで最後かもしれないから、本屋さんにたくさん置いてもらっている間に、いっぱい記念写真を撮らせてもらおう」という気持ちになって、それで毎度毎度、本屋さん巡りをしてしまうわけです。
こんな風に置いてもらえている姿を、何人ものお客さんが見て下さって、その中の何人かの方でも手に取ってもらえるなら、著者として本当に嬉しい。
ネット書店で本が手軽に買える今日でも、リアル書店さんで、実際に置いてある本を手に取って、中身をパラパラ見ていただけるということは、本当にありがたいですね。
私のブログでの新刊のお知らせを読んで、わざわざ書店に足を運んで下さるのも本当に嬉しいし、私のことを全く知らない方がふと本に目を留めて下さるのもとても嬉しい。
今回こうして3冊目の本を出せたことで、また私の世界が広がってくれたことを本当に幸せに思います。
本を出せたことも、こうして大型書店さんで良い位置に置いていただけることも、どれもこれもブログを読み続け応援し続けて下さった皆様方のお蔭です。本当にありがとうございます<(_ _)>
本で示したメソッドを使って、もっと「フレンズ」を楽しんでいただけるように、これからもブログを頑張ります!
今後とも、どうかよろしくお願いいたします(^^)
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2016年04月28日
2016年04月26日
こういうことは多数決で決めるべきだ フレンズ10-10その3
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フレンズたちは、モニカの家にやってきて、「チャンドラーが浮気してるかも」と告げます。
そこにチャンドラーが帰ってきて、
チャンドラー: Hey! (やあ!)
ジョーイ: (to Chandler) You son of a bitch! ([チャンドラーに] この最低男!)
チャンドラー: Is it me, or have the greetings gone downhill around here? (それって俺のこと? それとも、この辺では、挨拶の言葉が低下しちゃったのかな?)
モニカ: (goes to Chandler) Phoebe and Rachel saw you with Nancy today and... em... They think you're having an affair. ([チャンドラーのところに行って] フィービーとレイチェルは、あなたが今日ナンシーと一緒にいるところを見たのよ。その… みんなはあなたが浮気してると思ってるの。)
レイチェル: Who's Nancy? (ナンシーって誰?)
ロス: What's going on? (どういうことなの?)
モニカ: (turns to them) Okay. Alright, you guys, you better sit down. This is-- This is pretty big. ([みんなの方を向く] いいわ、よし、みんな、座った方がいいわ。これは…これはかなり大ごとなの。)
チャンドラー: Yeah. (motions them to sit and they do) I'm not having an affair. Nancy is our realtor. (そうなんだ。[みんなに、座ろう、というしぐさをし、みんな座る] 俺は浮気はしてない。ナンシーは俺たちの不動産屋さんなんだ。)
ジョーイ: I knew he couldn't be with a woman for 45 minutes!! (チャンドラーが女性と一緒に45分もいられるわけないってわかってた!)
フィービー: Why do you have a realtor? (どうして不動産屋さんがいるの?)
モニカ: Uhm, she has been showing us houses outside of the city. (あのー、彼女はずっと、郊外の家々を私たちに見せてくれてるのよ。)
ジョーイ: (clearly shocked) What? ([明らかにショックを受けた様子で] 何だって?)
レイチェル: Are you serious? (マジなの?)
モニカ: When we found out that we're gonna get this baby, Chandler and I started talking and we decided that we didn't want to raise a kid in the city. (赤ちゃんをもらえるってわかった時に、チャンドラーと私は話し合いを始めたの、そして、都会で子供を育てたくない、って決めたのよ。)
フィービー: So you're-- So you're gonna move? (それじゃあ、あなたたちは… それじゃあ、あなたたちは引っ越すつもりなの?)
ロス: Oh, my God. (なんてこった。)
ジョーイ: Shouldn't we all vote on stuff like this?! (こういうことは投票[多数決]で決めるべきじゃないのか?)
家に帰ってきたチャンドラーに向かって、ジョーイはいきなり、You son of a bitch! と言います。
観客からはラフトラック(笑い声)が起こっていますね。
son of a bitch は「ろくでなし、最低男」のように、相手をけなし、ののしる言葉。
部屋に入ってきた相手に、何の事情も説明せず、いきなり、「この最低男め!」と言ったので、観客も「いきなり、それかい」的に笑ったことになるでしょう。
会うなり、そんなひどい言葉で挨拶されたことになるチャンドラーが返したセリフ、Is it me, or have the greetings gone downhill around here? が面白いですね。
Is it me? は、「それは俺(のこと)?」という感覚で、ジョーイが言った son of a bitch というのは俺を指しているのか? と尋ねたことになります。
「それは俺のこと? それとも、、」の後の文章、have the greetings gone downhill around here? について。
Have 主語 gone...? は現在完了形の疑問文。
greeting は「挨拶」、複数形の greetings は「挨拶の言葉」。
downhill は「ダウンヒル」というカタカナからも想像できる通り、形容詞「下りの、下り坂の」、副詞「下りに(くだりに)、下がって(さがって)」という意味になります。
「下がる」は「悪化する」という意味にもなるので、go downhill は「下り方向に行く、坂を下る」→「悪化する、悪くなる」という意味で使われます。
ですからチャンドラーのセリフの後半は、「このあたりでは、挨拶の言葉が悪くなったの?」→「このあたりでは最近、そんなひどい言葉が挨拶になったの?」ということになります。
「最低男! っていうのは俺のことを指して言っているのか、それともこの辺では、こういうののしり言葉が挨拶として使われるようになっちゃったのかなぁ?」と言っていることになるでしょう。
何でそんなことを言われたのか意味がわからないチャンドラーに、モニカは事情を説明します。
「あなたがナンシーと一緒にいるところを、フィービーとレイチェルが見たのよ」と言うのを聞いて、みんなは驚きの表情を見せています。
浮気相手かと思っていたのに、モニカはその女性のことを知っている様子なので、一体どういうことなの? という気持ちになっているわけですね。
モニカは真面目な顔で、You better sit down. This is pretty big. と言います。
You better は You had better 「あなた(たち)は〜した方がよい」ですね。
You had better の had が省略されて、You'd better になり、さらにはその -'d も省略されて、You better となったのがこの形です。
主語の You さえ省略されて、いきなり Better で始まる場合も、セリフにはよく登場します。
This is pretty big. は「これはかなり大きい」ですから、「これから話すことは、かなり大ごとよ。大きな話よ」ということ。
みんなを座らせた後、チャンドラーは「俺は浮気はしてない。ナンシーは俺たちの realtor だ」と説明します。
realtor は「不動産(仲買)業者、不動産屋」。
その後、ジョーイが、I knew... のセリフを言うのが面白いですね。
I knew he couldn't be with a woman for 45 minutes!! を直訳すると、「チャンドラーが女性と45分間も一緒にいることはできないだろうとわかってた」になるでしょう。
DVDの日本語訳では、「やっぱな。こいつが45分ももつわけないと思った」となっていましたが、まさにそういうことですね。
「浮気相手の女性だと思っていたのは、不動産業者だった」というニュースは、フレンズたちには「?!」となるニュースなのですが、ジョーイはとにかく「チャンドラーが45分も? って不思議に思ってたけど、やっぱり俺の思った通りだった!」と勝ち誇ったように、そっち方面のことばかりを言っている面白さになるでしょう。
「どうして不動産屋さんがいるの?」と聞かれたモニカが、「私たちにずっと、郊外の家々を見せてくれている」と言ったので、フレンズたちはショックを受けています。
不動産業者にそういう家を見せてもらっている、ということは、郊外の家に住みたいと思っていることがわかるからですね。
When we found out that.. の文章のメインの構造は、「私たちが…とわかった時、話し合いを始めて、〜したくないと決心した」になります。
養子縁組が決まって、赤ちゃんをもらえる、とわかった時に、夫婦で話し合いを始めて、「都会で子供を育てたくない」と二人で決めた、ということですね。
「都会で子供を育てたくないから、郊外で家を探している」→「今住んでいるマンハッタンから、郊外に引っ越す」ことは明らかなので、フィービーが「引っ越すつもりなの?」と言った後も、フレンズたちは口々にそのニュースを受け入れられないというような発言をすることになります。
ショックを受けているフレンズたちではありますが、そこはコメディなので、次に続く発言は、観客の笑いを誘うものとなっています。
ジョーイの、Shouldn't we all vote on stuff like this?! は、「このようなことについては、俺たちみんなで投票すべきじゃないのか?」ですから、「都会から郊外に引っ越す、みたいな、そんな大事なことは、お前ら二人だけで決めちゃうんじゃなくて、フレンズみんなの意見を聞くべきだ。フレンズ6人で投票して、多数決で決めるべきだ」と言っていることになるわけですね。
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フレンズたちは、モニカの家にやってきて、「チャンドラーが浮気してるかも」と告げます。
そこにチャンドラーが帰ってきて、
チャンドラー: Hey! (やあ!)
ジョーイ: (to Chandler) You son of a bitch! ([チャンドラーに] この最低男!)
チャンドラー: Is it me, or have the greetings gone downhill around here? (それって俺のこと? それとも、この辺では、挨拶の言葉が低下しちゃったのかな?)
モニカ: (goes to Chandler) Phoebe and Rachel saw you with Nancy today and... em... They think you're having an affair. ([チャンドラーのところに行って] フィービーとレイチェルは、あなたが今日ナンシーと一緒にいるところを見たのよ。その… みんなはあなたが浮気してると思ってるの。)
レイチェル: Who's Nancy? (ナンシーって誰?)
ロス: What's going on? (どういうことなの?)
モニカ: (turns to them) Okay. Alright, you guys, you better sit down. This is-- This is pretty big. ([みんなの方を向く] いいわ、よし、みんな、座った方がいいわ。これは…これはかなり大ごとなの。)
チャンドラー: Yeah. (motions them to sit and they do) I'm not having an affair. Nancy is our realtor. (そうなんだ。[みんなに、座ろう、というしぐさをし、みんな座る] 俺は浮気はしてない。ナンシーは俺たちの不動産屋さんなんだ。)
ジョーイ: I knew he couldn't be with a woman for 45 minutes!! (チャンドラーが女性と一緒に45分もいられるわけないってわかってた!)
フィービー: Why do you have a realtor? (どうして不動産屋さんがいるの?)
モニカ: Uhm, she has been showing us houses outside of the city. (あのー、彼女はずっと、郊外の家々を私たちに見せてくれてるのよ。)
ジョーイ: (clearly shocked) What? ([明らかにショックを受けた様子で] 何だって?)
レイチェル: Are you serious? (マジなの?)
モニカ: When we found out that we're gonna get this baby, Chandler and I started talking and we decided that we didn't want to raise a kid in the city. (赤ちゃんをもらえるってわかった時に、チャンドラーと私は話し合いを始めたの、そして、都会で子供を育てたくない、って決めたのよ。)
フィービー: So you're-- So you're gonna move? (それじゃあ、あなたたちは… それじゃあ、あなたたちは引っ越すつもりなの?)
ロス: Oh, my God. (なんてこった。)
ジョーイ: Shouldn't we all vote on stuff like this?! (こういうことは投票[多数決]で決めるべきじゃないのか?)
家に帰ってきたチャンドラーに向かって、ジョーイはいきなり、You son of a bitch! と言います。
観客からはラフトラック(笑い声)が起こっていますね。
son of a bitch は「ろくでなし、最低男」のように、相手をけなし、ののしる言葉。
部屋に入ってきた相手に、何の事情も説明せず、いきなり、「この最低男め!」と言ったので、観客も「いきなり、それかい」的に笑ったことになるでしょう。
会うなり、そんなひどい言葉で挨拶されたことになるチャンドラーが返したセリフ、Is it me, or have the greetings gone downhill around here? が面白いですね。
Is it me? は、「それは俺(のこと)?」という感覚で、ジョーイが言った son of a bitch というのは俺を指しているのか? と尋ねたことになります。
「それは俺のこと? それとも、、」の後の文章、have the greetings gone downhill around here? について。
Have 主語 gone...? は現在完了形の疑問文。
greeting は「挨拶」、複数形の greetings は「挨拶の言葉」。
downhill は「ダウンヒル」というカタカナからも想像できる通り、形容詞「下りの、下り坂の」、副詞「下りに(くだりに)、下がって(さがって)」という意味になります。
「下がる」は「悪化する」という意味にもなるので、go downhill は「下り方向に行く、坂を下る」→「悪化する、悪くなる」という意味で使われます。
ですからチャンドラーのセリフの後半は、「このあたりでは、挨拶の言葉が悪くなったの?」→「このあたりでは最近、そんなひどい言葉が挨拶になったの?」ということになります。
「最低男! っていうのは俺のことを指して言っているのか、それともこの辺では、こういうののしり言葉が挨拶として使われるようになっちゃったのかなぁ?」と言っていることになるでしょう。
何でそんなことを言われたのか意味がわからないチャンドラーに、モニカは事情を説明します。
「あなたがナンシーと一緒にいるところを、フィービーとレイチェルが見たのよ」と言うのを聞いて、みんなは驚きの表情を見せています。
浮気相手かと思っていたのに、モニカはその女性のことを知っている様子なので、一体どういうことなの? という気持ちになっているわけですね。
モニカは真面目な顔で、You better sit down. This is pretty big. と言います。
You better は You had better 「あなた(たち)は〜した方がよい」ですね。
You had better の had が省略されて、You'd better になり、さらにはその -'d も省略されて、You better となったのがこの形です。
主語の You さえ省略されて、いきなり Better で始まる場合も、セリフにはよく登場します。
This is pretty big. は「これはかなり大きい」ですから、「これから話すことは、かなり大ごとよ。大きな話よ」ということ。
みんなを座らせた後、チャンドラーは「俺は浮気はしてない。ナンシーは俺たちの realtor だ」と説明します。
realtor は「不動産(仲買)業者、不動産屋」。
その後、ジョーイが、I knew... のセリフを言うのが面白いですね。
I knew he couldn't be with a woman for 45 minutes!! を直訳すると、「チャンドラーが女性と45分間も一緒にいることはできないだろうとわかってた」になるでしょう。
DVDの日本語訳では、「やっぱな。こいつが45分ももつわけないと思った」となっていましたが、まさにそういうことですね。
「浮気相手の女性だと思っていたのは、不動産業者だった」というニュースは、フレンズたちには「?!」となるニュースなのですが、ジョーイはとにかく「チャンドラーが45分も? って不思議に思ってたけど、やっぱり俺の思った通りだった!」と勝ち誇ったように、そっち方面のことばかりを言っている面白さになるでしょう。
「どうして不動産屋さんがいるの?」と聞かれたモニカが、「私たちにずっと、郊外の家々を見せてくれている」と言ったので、フレンズたちはショックを受けています。
不動産業者にそういう家を見せてもらっている、ということは、郊外の家に住みたいと思っていることがわかるからですね。
When we found out that.. の文章のメインの構造は、「私たちが…とわかった時、話し合いを始めて、〜したくないと決心した」になります。
養子縁組が決まって、赤ちゃんをもらえる、とわかった時に、夫婦で話し合いを始めて、「都会で子供を育てたくない」と二人で決めた、ということですね。
「都会で子供を育てたくないから、郊外で家を探している」→「今住んでいるマンハッタンから、郊外に引っ越す」ことは明らかなので、フィービーが「引っ越すつもりなの?」と言った後も、フレンズたちは口々にそのニュースを受け入れられないというような発言をすることになります。
ショックを受けているフレンズたちではありますが、そこはコメディなので、次に続く発言は、観客の笑いを誘うものとなっています。
ジョーイの、Shouldn't we all vote on stuff like this?! は、「このようなことについては、俺たちみんなで投票すべきじゃないのか?」ですから、「都会から郊外に引っ越す、みたいな、そんな大事なことは、お前ら二人だけで決めちゃうんじゃなくて、フレンズみんなの意見を聞くべきだ。フレンズ6人で投票して、多数決で決めるべきだ」と言っていることになるわけですね。
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2016年04月22日
仮定の、もしもの話だよ フレンズ10-10その2
4月20日に、私の著書3冊目「海外ドラマDVD英語学習法 日本で、自宅で、一人で、ここまでできる!」の出版をお伝えさせていただきました。
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チャンドラーが知らない女性と車に乗り込むのを見て、フィービーとレイチェルはそれを追跡することにします。
その後、帰宅したチャンドラーとモニカとの会話で、チャンドラーが一緒にいたのは不動産屋さんで、その女性と一緒に新居の下見に行っていたことがわかります。
そのことを知らないフレンズたちは、チャンドラーが浮気していると思い、みんなで相談しているところ。
[Scene: Joey's apartment. Everybody except Monica and Chandler is there.]
ジョーイのアパートメント。モニカとチャンドラー以外のみんながそこにいる。
ロス: I just can't see Chandler cheating! (チャンドラーが浮気してるなんて僕には想像できないよ。)
レイチェル: I'm telling you guys, we followed them out to a house in Westchester. They went in for like forty-five minutes, and then they came out looking pretty happy! (みんなに言っとくけど、私たちはウェストチェスターのある家まで彼らをつけたの。二人は、45分ほど中に入って、それから、とっても幸せそうな顔で出てきたのよ!)
ジョーイ: Chandler? Forty-five minutes? Well, something's not right. I just can't believe he would do this to Monica! (チャンドラーが? 45分も? あぁ、何かがおかしいよ。俺にはただ信じられない、チャンドラーがモニカに対してこんなことをするなんて!)
ロス: I know, and with the baby coming? (そうだよ、それに赤ちゃんがやってくるってのに。)
フィービー: So should we tell her? (で、私たちはモニカに言うべきかしら?)
ロス: I don't know. Phoebe, if one of us saw Mike with another woman, would you want us to tell you? (どうかな、フィービー。もし僕たちの誰かが、マイクが別の女性といるところを見たら、君は僕たちにそのことを話して欲しいと思う?)
フィービー: Why? Who'd you see him with? (どうして(そんなこと言うの)? 彼が誰と一緒にいるのを見たの?)
ロス: No one. I'm just saying if we did-- (Phoebe starts pinching him in his neck) (誰でもないよ。僕はただ言ってるだけだよ、もし僕たちが… [フィービーはロスの首をつねり始める])
フィービ: TELL ME WHAT YOU KNOW! (知ってることを言いな!)
ロス: (yelling in pain) No one! Nothing! Mike's a great guy. It was hypothetical! ([痛みで叫びながら] 誰もいないって! 何もないよ! マイクはいいやつだ。ただの仮定だったんだよ[もしもの・例えばの話だよ]。)
フィービー: All right. (she releases him) He is a good guy. You're right. He wouldn't cheat. (いいわ。[フィービーはロスを離す] 彼はいい人よ。あなたの言う通り。彼は浮気なんかしないわ。)
ロス: Believe me, if I did see him with someone, there's no way I-- (Phoebe starts pinching him again) (信じてよ、もしマイクが誰かといるところを実際に見たとしても、僕が…できるわけない… [フィービーはまたロスをつねり始める])
フィービー : WHO DID YOU SEE HIM WITH? (彼が誰と一緒にいるのを見たの?)
I just can't see Chandler cheating! の see は「見る」というよりも「想像する」というニュアンスですね。
can't see someone doing で、「人が〜するのを想像することができない。人が〜するなんて考えられない」という意味になります。
Macmillan Dictionary では、
see : to imagine someone or something
see someone/something doing something
例) I just can't see them winning the game.
つまり、「誰かや何かを想像すること」。例文は、「私はただ、彼らがゲームに勝つとは想像できない」。
I'm telling you は、「言っとくけど、はっきり言って」という意味で、これから大事な話をする時に、直前に挿入するフレーズ。
follow は「〜について行く」ですから、ここでは「人をつける」ということ。
ウェストチェスターのある家まで二人をつけて行ったら、二人が家の中に 45分くらいいて、その後、幸せそうな顔で出てきたの、とレイチェルは報告しています。
they came out looking pretty happy! は、「かなり幸せな様子で出てきた」ということですね。
それを聞いたジョーイが、「チャンドラーが?」と言った後、「45分?」と続けるのが面白いです。
その後も、something's not right. 「何かが正しくない」→「何かがおかしい、変だ」と言っていますが、このジョーイのセリフからも、「チャンドラーが女性と家に入って45分間も中にいるのはおかしい」とジョーイが考えていることがわかりますね。
「チャンドラーがある女性と、一軒家に入っていった」という時点で、フレンズたちはチャンドラーの浮気を疑っているわけですし、プレイボーイのジョーイももちろん、「男女が二人きりで家に入る」→「中でエッチをしている」という発想しかないでしょう。
「45分してから、幸せそうな顔で出てきた」という報告を聞いて、「あのチャンドラーが女性とエッチするのに、45分もかかるわけない」という気持ちから、Chandler? Forty-five minutes? 「チャンドラーが? 45分も?」と言ったことになるわけですね。
チャンドラーがそういう行為をするのに時間がかからない(つまりは、長時間はもたない)という件については、フレンズ2-13 で、チャンドラー自身が以下のように自虐的に言っていました。
スージー: We gotta go. Got a reservation in 30 minutes. (もう行かなくちゃ。30分後に予約してるのよ。)
チャンドラー: What I had planned shouldn't take more than two, three minutes, tops. (俺の予定してることは、どんなに長くても2、3分以上はかかるはずないよ。)
チャンドラーはそういうキャラとして確立(笑)しているので、プレイボーイのジョーイとしては、「45分だなんて、チャンドラーにしては長すぎる。何かが変だ」と言いたくなったということです。
Forty-five minutes? と言った時点で、観客からも笑い声(ラフトラック)が起こっています。
チャンドラーのキャラ設定と、ジョーイの表情や言い方から、それ系の話をしていることがわかって、観客も笑えてしまう、ということですね。
続けてジョーイは、「チャンドラーがモニカにこんなことするなんて信じられない」と言い、ロスもそれに同意して、「それに、赤ちゃんもやってくるっていうのに」と言います。
フィービーが、「この件をモニカに言うべきかしら?」と尋ねると、ロスは「どうかな」と言って、if one of us saw Mike with another woman, would you want us to tell you? のセリフを続けます。
直訳すると、「もし僕たちの誰か一人が、(君の恋人)マイクと(君以外の)別の女性が一緒にいるのを見たとしたら、僕たちが君に話すことを望んだりする?」ということですね。
saw/would を用いて、仮定法過去で表現していることになります。
「実際にはそうじゃないけど、もしそうだとしたら」という仮定で、もしそんなことがあったと仮定した場合に、君はそのことを教えて欲しいと思うかな? と、「相手の男性が浮気した場合に、女性としてはそれを知りたいと思うかどうか」を尋ねたことになるでしょう。
そんな風にロスは仮定法で尋ねたのですが、「マイクが他の女性といるところを見たら」という表現で、頭に血が上ったのか、フィービーは怒ったように立ちあがり、Why? Who'd you see him with? と言います。
Who'd you see him with? は、Who did you see him with? で、You saw him with someone. 「あなたは彼(マイク)が誰かと一緒にいるのを見た」の someone を who で尋ねる疑問文にした形ですね。
with someone の someone が who という疑問詞で前に出たので、with はきちんと文尾に残しておくのを忘れないようにしましょう。
with who 「誰と一緒にいたか」を尋ねられたので、ロスは、No one. と答えます。
「誰と一緒にいたかと聞かれても、誰でもないよ。誰とも一緒にいなかったよ」と答えた感覚ですね。
I'm just saying if we did-- は「もしそんなことがあったなら、って僕はただ言ってるだけだ」ということで、「ただそう言っただけで、実際にそういうことがあったとかじゃないんだ」と説明しようとしているのですが、激怒しているフィービーは、ト書きにあるように、ロスの首をつねっています。
Tell me what you know! は、「お前が知っていることを私に言え!」ですが、相手の首をつねりながら、ものすごい剣幕で言っているので、DVD日本語訳にあるような「さっさと吐きな!」のニュアンスが近いでしょう。
ロスは「誰もいない! 何もない!」と必死に否定し、「(マイクは浮気をするような男じゃない)マイクはいいやつだ」と言って、It was hypothetical! と言います。
hypothesis が名詞「仮説、仮定」で、その形容詞形が hypothetical 「仮説の、仮定の」ですね。
「ただの仮定だったんだよ。”例えばの話” ”もしもの話”だよ」と説明すると、フィービーはようやく納得した様子で、「あなたの言う通り、マイクはいい人よ。彼は浮気したりなんかしないわ」と言います。
if I did see him with someone, there's no way I-- は、「もし僕が実際に、マイクが誰かといるところを見たとしても、僕が…することはできない」になります。
さきほどは、if I saw という過去形でしたが、その過去形を did see という形で強調することで、「仮に本当に・実際に見たとしても」のようなニュアンスが出ることになるでしょう。
こんな風に仮の話をしただけで、首をつねられるのなら、本当にそんな現場を見たところで言えるわけなんかない、これよりさらにひどい目に合わされるとわかってて、そんなことフィービーに言えるわけない、と言っているのですね。
ロスが「見たとしても、見たとか言えない」と言ったことで、またフィービーの怒りに火が付き、再びロスの首をつねりながら、Who did you see him with? と言うことになります。
フィービーが「マイクは浮気なんかしないわ」と納得した時点で、ロスも話を終わっておけば良かったのですが、首をつねられて痛い思いをしたロスが余計な一言を言ったために、またフィービーにつねられるはめになった、ということですね。
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チャンドラーが知らない女性と車に乗り込むのを見て、フィービーとレイチェルはそれを追跡することにします。
その後、帰宅したチャンドラーとモニカとの会話で、チャンドラーが一緒にいたのは不動産屋さんで、その女性と一緒に新居の下見に行っていたことがわかります。
そのことを知らないフレンズたちは、チャンドラーが浮気していると思い、みんなで相談しているところ。
[Scene: Joey's apartment. Everybody except Monica and Chandler is there.]
ジョーイのアパートメント。モニカとチャンドラー以外のみんながそこにいる。
ロス: I just can't see Chandler cheating! (チャンドラーが浮気してるなんて僕には想像できないよ。)
レイチェル: I'm telling you guys, we followed them out to a house in Westchester. They went in for like forty-five minutes, and then they came out looking pretty happy! (みんなに言っとくけど、私たちはウェストチェスターのある家まで彼らをつけたの。二人は、45分ほど中に入って、それから、とっても幸せそうな顔で出てきたのよ!)
ジョーイ: Chandler? Forty-five minutes? Well, something's not right. I just can't believe he would do this to Monica! (チャンドラーが? 45分も? あぁ、何かがおかしいよ。俺にはただ信じられない、チャンドラーがモニカに対してこんなことをするなんて!)
ロス: I know, and with the baby coming? (そうだよ、それに赤ちゃんがやってくるってのに。)
フィービー: So should we tell her? (で、私たちはモニカに言うべきかしら?)
ロス: I don't know. Phoebe, if one of us saw Mike with another woman, would you want us to tell you? (どうかな、フィービー。もし僕たちの誰かが、マイクが別の女性といるところを見たら、君は僕たちにそのことを話して欲しいと思う?)
フィービー: Why? Who'd you see him with? (どうして(そんなこと言うの)? 彼が誰と一緒にいるのを見たの?)
ロス: No one. I'm just saying if we did-- (Phoebe starts pinching him in his neck) (誰でもないよ。僕はただ言ってるだけだよ、もし僕たちが… [フィービーはロスの首をつねり始める])
フィービ: TELL ME WHAT YOU KNOW! (知ってることを言いな!)
ロス: (yelling in pain) No one! Nothing! Mike's a great guy. It was hypothetical! ([痛みで叫びながら] 誰もいないって! 何もないよ! マイクはいいやつだ。ただの仮定だったんだよ[もしもの・例えばの話だよ]。)
フィービー: All right. (she releases him) He is a good guy. You're right. He wouldn't cheat. (いいわ。[フィービーはロスを離す] 彼はいい人よ。あなたの言う通り。彼は浮気なんかしないわ。)
ロス: Believe me, if I did see him with someone, there's no way I-- (Phoebe starts pinching him again) (信じてよ、もしマイクが誰かといるところを実際に見たとしても、僕が…できるわけない… [フィービーはまたロスをつねり始める])
フィービー : WHO DID YOU SEE HIM WITH? (彼が誰と一緒にいるのを見たの?)
I just can't see Chandler cheating! の see は「見る」というよりも「想像する」というニュアンスですね。
can't see someone doing で、「人が〜するのを想像することができない。人が〜するなんて考えられない」という意味になります。
Macmillan Dictionary では、
see : to imagine someone or something
see someone/something doing something
例) I just can't see them winning the game.
つまり、「誰かや何かを想像すること」。例文は、「私はただ、彼らがゲームに勝つとは想像できない」。
I'm telling you は、「言っとくけど、はっきり言って」という意味で、これから大事な話をする時に、直前に挿入するフレーズ。
follow は「〜について行く」ですから、ここでは「人をつける」ということ。
ウェストチェスターのある家まで二人をつけて行ったら、二人が家の中に 45分くらいいて、その後、幸せそうな顔で出てきたの、とレイチェルは報告しています。
they came out looking pretty happy! は、「かなり幸せな様子で出てきた」ということですね。
それを聞いたジョーイが、「チャンドラーが?」と言った後、「45分?」と続けるのが面白いです。
その後も、something's not right. 「何かが正しくない」→「何かがおかしい、変だ」と言っていますが、このジョーイのセリフからも、「チャンドラーが女性と家に入って45分間も中にいるのはおかしい」とジョーイが考えていることがわかりますね。
「チャンドラーがある女性と、一軒家に入っていった」という時点で、フレンズたちはチャンドラーの浮気を疑っているわけですし、プレイボーイのジョーイももちろん、「男女が二人きりで家に入る」→「中でエッチをしている」という発想しかないでしょう。
「45分してから、幸せそうな顔で出てきた」という報告を聞いて、「あのチャンドラーが女性とエッチするのに、45分もかかるわけない」という気持ちから、Chandler? Forty-five minutes? 「チャンドラーが? 45分も?」と言ったことになるわけですね。
チャンドラーがそういう行為をするのに時間がかからない(つまりは、長時間はもたない)という件については、フレンズ2-13 で、チャンドラー自身が以下のように自虐的に言っていました。
スージー: We gotta go. Got a reservation in 30 minutes. (もう行かなくちゃ。30分後に予約してるのよ。)
チャンドラー: What I had planned shouldn't take more than two, three minutes, tops. (俺の予定してることは、どんなに長くても2、3分以上はかかるはずないよ。)
チャンドラーはそういうキャラとして確立(笑)しているので、プレイボーイのジョーイとしては、「45分だなんて、チャンドラーにしては長すぎる。何かが変だ」と言いたくなったということです。
Forty-five minutes? と言った時点で、観客からも笑い声(ラフトラック)が起こっています。
チャンドラーのキャラ設定と、ジョーイの表情や言い方から、それ系の話をしていることがわかって、観客も笑えてしまう、ということですね。
続けてジョーイは、「チャンドラーがモニカにこんなことするなんて信じられない」と言い、ロスもそれに同意して、「それに、赤ちゃんもやってくるっていうのに」と言います。
フィービーが、「この件をモニカに言うべきかしら?」と尋ねると、ロスは「どうかな」と言って、if one of us saw Mike with another woman, would you want us to tell you? のセリフを続けます。
直訳すると、「もし僕たちの誰か一人が、(君の恋人)マイクと(君以外の)別の女性が一緒にいるのを見たとしたら、僕たちが君に話すことを望んだりする?」ということですね。
saw/would を用いて、仮定法過去で表現していることになります。
「実際にはそうじゃないけど、もしそうだとしたら」という仮定で、もしそんなことがあったと仮定した場合に、君はそのことを教えて欲しいと思うかな? と、「相手の男性が浮気した場合に、女性としてはそれを知りたいと思うかどうか」を尋ねたことになるでしょう。
そんな風にロスは仮定法で尋ねたのですが、「マイクが他の女性といるところを見たら」という表現で、頭に血が上ったのか、フィービーは怒ったように立ちあがり、Why? Who'd you see him with? と言います。
Who'd you see him with? は、Who did you see him with? で、You saw him with someone. 「あなたは彼(マイク)が誰かと一緒にいるのを見た」の someone を who で尋ねる疑問文にした形ですね。
with someone の someone が who という疑問詞で前に出たので、with はきちんと文尾に残しておくのを忘れないようにしましょう。
with who 「誰と一緒にいたか」を尋ねられたので、ロスは、No one. と答えます。
「誰と一緒にいたかと聞かれても、誰でもないよ。誰とも一緒にいなかったよ」と答えた感覚ですね。
I'm just saying if we did-- は「もしそんなことがあったなら、って僕はただ言ってるだけだ」ということで、「ただそう言っただけで、実際にそういうことがあったとかじゃないんだ」と説明しようとしているのですが、激怒しているフィービーは、ト書きにあるように、ロスの首をつねっています。
Tell me what you know! は、「お前が知っていることを私に言え!」ですが、相手の首をつねりながら、ものすごい剣幕で言っているので、DVD日本語訳にあるような「さっさと吐きな!」のニュアンスが近いでしょう。
ロスは「誰もいない! 何もない!」と必死に否定し、「(マイクは浮気をするような男じゃない)マイクはいいやつだ」と言って、It was hypothetical! と言います。
hypothesis が名詞「仮説、仮定」で、その形容詞形が hypothetical 「仮説の、仮定の」ですね。
「ただの仮定だったんだよ。”例えばの話” ”もしもの話”だよ」と説明すると、フィービーはようやく納得した様子で、「あなたの言う通り、マイクはいい人よ。彼は浮気したりなんかしないわ」と言います。
if I did see him with someone, there's no way I-- は、「もし僕が実際に、マイクが誰かといるところを見たとしても、僕が…することはできない」になります。
さきほどは、if I saw という過去形でしたが、その過去形を did see という形で強調することで、「仮に本当に・実際に見たとしても」のようなニュアンスが出ることになるでしょう。
こんな風に仮の話をしただけで、首をつねられるのなら、本当にそんな現場を見たところで言えるわけなんかない、これよりさらにひどい目に合わされるとわかってて、そんなことフィービーに言えるわけない、と言っているのですね。
ロスが「見たとしても、見たとか言えない」と言ったことで、またフィービーの怒りに火が付き、再びロスの首をつねりながら、Who did you see him with? と言うことになります。
フィービーが「マイクは浮気なんかしないわ」と納得した時点で、ロスも話を終わっておけば良かったのですが、首をつねられて痛い思いをしたロスが余計な一言を言ったために、またフィービーにつねられるはめになった、ということですね。
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2016年04月20日
著書3冊目学習法本を出版しました!
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は5位、「にほんブログ村」は6位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
記事タイトルにもありますように、本日2016年4月20日に、私、Rach は、著書3冊目となる、英語学習法の本を出版いたしました!
タイトルは、
「海外ドラマDVD英語学習法 日本で、自宅で、一人で、ここまでできる!」
で、CCCメディアハウスより出版されます。
CCCメディアハウスのCCCは「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」、あの(!)「レンタルのTSUTAYA」を運営しているCCCさんのことで、CCCメディアハウスは、そのCCCグループ企業の出版社さんなんですよね♪
アマゾンではこちら。
海外ドラマDVD英語学習法 日本で、自宅で、一人で、ここまでできる!
今回の本は、単行本(紙の本)と Kindle版(電子書籍)、同時発売となります。
帯付きの表紙画像はこちら。
アマゾンでの発売日が4月20日で、リアル書店さんの店頭に並ぶのは、4月21日以降になる模様です。
今回の本では、表紙に「レンタルで”お試し”できる」と書いてあるのですが、それは別に、CCCさんに合わせてそう書いたわけではなくて(笑)、私が前々から言っていることなんですよね。
ブログを開始して1か月後くらいの2005年7月に、私は、教材はレンタル可能 という記事を書いていました。
英語教材というのは概して高いけれど、レンタルなら数百円で借りられるわけで、「こんなに素晴らしい英語教材が、そんなに安価でお手軽に借りられるのに、それを利用しないなんてもったいない!」という気持ちを、私はブログ開始当初から、ずっと持っていました。
私自身、「フレンズ」のDVDは買ってコレクションとして持っていますが、例えば「24」は全シーズン、レンタルで見ています。
私がこの学習法を続ける中で、いろんなジャンルの作品をDVDでレンタルできたことは実にありがたかったので、本の原稿を書く際には、「英語教材がレンタルできる!」という節を絶対に入れたかったのです。
そして、その原稿が、CCCメディアハウスさんから本として出版してもらえることになったのは、嬉しい巡り合わせでした。
海外ドラマのDVDを教材にした学習法の本を出す出版社さんとして、これ以上ないくらいピッタリ! で、私をCCCメディアハウスさんに引き合わせて下さった数々のご縁に感謝するRachであります。
今回の本の内容は、大きく分けて、
第1章 海外ドラマのDVDを使った英語学習法
第2章 部門別攻略法(読む・聞く・書く・話す)
第3章 英語学習について、いろいろ思うこと
という構成になっています。
詳しい内容につきましては、以下の CCCメディアハウス公式サイトでの拙著紹介ページ、
CCCメディアハウス: 海外ドラマDVD英語学習法
に、「はじめに」全文と、目次の全てが掲載されていますので、そちらをご覧いただければ幸いです。
(Kindle版の無料サンプルでは、「はじめに」は全文載っていますが、目次が途中までとなっておりますので、ご了承下さいませ)
今回は学習法の本となりますが、私は1冊目の著書として、2008年に学習法の本、シットコムで笑え! 楽しくきわめる英語学習法(NTT出版)を出版しています。
2008年にその本を出版して以降、実際に学習法にトライしてみて下さった方々から、ブログのコメント欄などで、さまざまなご質問を頂戴しました。
実に8年ぶりに出すことになる、今回の学習法本第2弾では、皆様からの疑問やご質問にもれなく答える形で、具体的で詳細な手法を提示しています。
前著の単なる続編ではなく、「今の私が考える、最強の英語学習法本」となっています。
私ブロガーRachが、2005年のブログ開始以来、ずっとおすすめし続けている学習法(Rach流DVD学習法)は、「海外ドラマのDVDを使った英語学習法」です。
今回の本のメインタイトルが「海外ドラマDVD英語学習法」となっているのは、いわば「私の学習法をそのまんま書いたタイトル」なわけですね。
こんな直球ど真ん中の、「学習法そのものを表したタイトルの本」を出すことができたことは、本当に嬉しくて幸せなことだと思っています。
こんなタイトルの本を出せるのは、2005年のブログ開始から現在に至るまで、私のブログを読んで下さり、私の学習法を実践して下さった読者の皆様のおかげです。
そして、帯に「人気ブロガー」と書いてもらえるのは、皆様が私のブログをずっと応援し続けて下さったおかげです。
6月にはブログ11周年を迎えることになりますが、11年近くもブログを続けさせてもらえたこと、今でもこうしてブログランキングの上位にいさせていただけることは本当にありがたく、ブロガーRachは本当に幸せ者だと思います。
この本では、学習法のそれぞれの段階で、何をする、何をしない、ということを明示してあり、する、しないについては、全て理由が説明されています。
英語を理解するとはどういうことか、英語を使えるということはどういうことか、それができるようになるためにはどうすればいいか、ということを書かせていただきました。
学習法、メソッドとして本にするからには、ただ「海外ドラマを教材にしたら、楽しく学べますよ」というだけではありません。
生きた英語の宝庫である「海外ドラマ」という「本物」を教材として用いることの意味、そしてそれをDVDというツールで学ぶことの有効性を強く訴えています。
サブタイトルの「日本で、自宅で、一人で、ここまでできる!」というのは、私自身が留学しないで、英会話学校にも通わないで、「海外ドラマを先生にして英語を学んだ」ことを示しています。
英語が次から次へと流れていく環境の「留学や英会話学校」と、DVDとの大きな違いは、「一時停止できる」「リピートできる」「音声・字幕の切替ができる(日本語訳がついている)」という点。
「DVDっていうのは、そういう機能がついてるものだから、それができることは当たり前だ」と思われるかもしれませんが、その「DVDの当たり前の機能」が、英語学習をするにおいて、どれほど有効かということを、本書では丁寧にご説明したつもりです。
DVD で学んでいなければ、3冊目の英語の本を出させていただけるような今の私はいません。
それを強く実感しているからこそ、私は自信と確信を持って、この学習法をおすすめすることができるのです。
英語を使えるレベルになるためには、自分に合った、そして正しい方向性を持った英語学習を続ける必要があります。
私は本書で「はしょる3段階」を例に取り、詳しく説明していますが、それぞれの段階でいくつかの行為を行うことに、どういう意味があるのか、というのをきちんと理解することがまずは先決と考えます。
「時間の許す限り、何かをただ繰り返す」のではなく、「より有効で意味のあることに多くの時間を割く」ことが、効果的、効率的学習には必須なのですね。
11年弱、ブログを続ける中で、繰り返してきた学習法、その必要な部分だけを抽出したらこうなりました、というのが今回の本で提示した学習法となっています。
表紙にも書いたように、海外ドラマを使った英語学習は、「とにかく楽しい!」ですし、「生きた英語が学べる」のです。
この本が、皆さんが楽しく英語学習を続けていただくためのお役に立てるといいなぁと思っています。
読者の皆様にこうして「3冊目の著書を出版」という嬉しいニュースをご報告できること、本当に嬉しく幸せに思います。
皆様、本当にありがとうございました。
自分の学習法をこうして本として出版できたことを励みに、海外ドラマのDVDで英語を学ぶことはこんなに楽しい、こんなに多くのことが学べる! ということをお伝えすることができるよう、これからも全力でブログを頑張りますね!
どうかこれからもよろしくお願いします!(^^)
3冊目の本も、ブログも頑張れ〜! と応援して下さる方は、下のランキングをクリックしていただけると嬉しいです。
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記事タイトルにもありますように、本日2016年4月20日に、私、Rach は、著書3冊目となる、英語学習法の本を出版いたしました!
タイトルは、
「海外ドラマDVD英語学習法 日本で、自宅で、一人で、ここまでできる!」
で、CCCメディアハウスより出版されます。
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海外ドラマDVD英語学習法 日本で、自宅で、一人で、ここまでできる!
今回の本は、単行本(紙の本)と Kindle版(電子書籍)、同時発売となります。
帯付きの表紙画像はこちら。
アマゾンでの発売日が4月20日で、リアル書店さんの店頭に並ぶのは、4月21日以降になる模様です。
今回の本では、表紙に「レンタルで”お試し”できる」と書いてあるのですが、それは別に、CCCさんに合わせてそう書いたわけではなくて(笑)、私が前々から言っていることなんですよね。
ブログを開始して1か月後くらいの2005年7月に、私は、教材はレンタル可能 という記事を書いていました。
英語教材というのは概して高いけれど、レンタルなら数百円で借りられるわけで、「こんなに素晴らしい英語教材が、そんなに安価でお手軽に借りられるのに、それを利用しないなんてもったいない!」という気持ちを、私はブログ開始当初から、ずっと持っていました。
私自身、「フレンズ」のDVDは買ってコレクションとして持っていますが、例えば「24」は全シーズン、レンタルで見ています。
私がこの学習法を続ける中で、いろんなジャンルの作品をDVDでレンタルできたことは実にありがたかったので、本の原稿を書く際には、「英語教材がレンタルできる!」という節を絶対に入れたかったのです。
そして、その原稿が、CCCメディアハウスさんから本として出版してもらえることになったのは、嬉しい巡り合わせでした。
海外ドラマのDVDを教材にした学習法の本を出す出版社さんとして、これ以上ないくらいピッタリ! で、私をCCCメディアハウスさんに引き合わせて下さった数々のご縁に感謝するRachであります。
今回の本の内容は、大きく分けて、
第1章 海外ドラマのDVDを使った英語学習法
第2章 部門別攻略法(読む・聞く・書く・話す)
第3章 英語学習について、いろいろ思うこと
という構成になっています。
詳しい内容につきましては、以下の CCCメディアハウス公式サイトでの拙著紹介ページ、
CCCメディアハウス: 海外ドラマDVD英語学習法
に、「はじめに」全文と、目次の全てが掲載されていますので、そちらをご覧いただければ幸いです。
(Kindle版の無料サンプルでは、「はじめに」は全文載っていますが、目次が途中までとなっておりますので、ご了承下さいませ)
今回は学習法の本となりますが、私は1冊目の著書として、2008年に学習法の本、シットコムで笑え! 楽しくきわめる英語学習法(NTT出版)を出版しています。
2008年にその本を出版して以降、実際に学習法にトライしてみて下さった方々から、ブログのコメント欄などで、さまざまなご質問を頂戴しました。
実に8年ぶりに出すことになる、今回の学習法本第2弾では、皆様からの疑問やご質問にもれなく答える形で、具体的で詳細な手法を提示しています。
前著の単なる続編ではなく、「今の私が考える、最強の英語学習法本」となっています。
私ブロガーRachが、2005年のブログ開始以来、ずっとおすすめし続けている学習法(Rach流DVD学習法)は、「海外ドラマのDVDを使った英語学習法」です。
今回の本のメインタイトルが「海外ドラマDVD英語学習法」となっているのは、いわば「私の学習法をそのまんま書いたタイトル」なわけですね。
こんな直球ど真ん中の、「学習法そのものを表したタイトルの本」を出すことができたことは、本当に嬉しくて幸せなことだと思っています。
こんなタイトルの本を出せるのは、2005年のブログ開始から現在に至るまで、私のブログを読んで下さり、私の学習法を実践して下さった読者の皆様のおかげです。
そして、帯に「人気ブロガー」と書いてもらえるのは、皆様が私のブログをずっと応援し続けて下さったおかげです。
6月にはブログ11周年を迎えることになりますが、11年近くもブログを続けさせてもらえたこと、今でもこうしてブログランキングの上位にいさせていただけることは本当にありがたく、ブロガーRachは本当に幸せ者だと思います。
この本では、学習法のそれぞれの段階で、何をする、何をしない、ということを明示してあり、する、しないについては、全て理由が説明されています。
英語を理解するとはどういうことか、英語を使えるということはどういうことか、それができるようになるためにはどうすればいいか、ということを書かせていただきました。
学習法、メソッドとして本にするからには、ただ「海外ドラマを教材にしたら、楽しく学べますよ」というだけではありません。
生きた英語の宝庫である「海外ドラマ」という「本物」を教材として用いることの意味、そしてそれをDVDというツールで学ぶことの有効性を強く訴えています。
サブタイトルの「日本で、自宅で、一人で、ここまでできる!」というのは、私自身が留学しないで、英会話学校にも通わないで、「海外ドラマを先生にして英語を学んだ」ことを示しています。
英語が次から次へと流れていく環境の「留学や英会話学校」と、DVDとの大きな違いは、「一時停止できる」「リピートできる」「音声・字幕の切替ができる(日本語訳がついている)」という点。
「DVDっていうのは、そういう機能がついてるものだから、それができることは当たり前だ」と思われるかもしれませんが、その「DVDの当たり前の機能」が、英語学習をするにおいて、どれほど有効かということを、本書では丁寧にご説明したつもりです。
DVD で学んでいなければ、3冊目の英語の本を出させていただけるような今の私はいません。
それを強く実感しているからこそ、私は自信と確信を持って、この学習法をおすすめすることができるのです。
英語を使えるレベルになるためには、自分に合った、そして正しい方向性を持った英語学習を続ける必要があります。
私は本書で「はしょる3段階」を例に取り、詳しく説明していますが、それぞれの段階でいくつかの行為を行うことに、どういう意味があるのか、というのをきちんと理解することがまずは先決と考えます。
「時間の許す限り、何かをただ繰り返す」のではなく、「より有効で意味のあることに多くの時間を割く」ことが、効果的、効率的学習には必須なのですね。
11年弱、ブログを続ける中で、繰り返してきた学習法、その必要な部分だけを抽出したらこうなりました、というのが今回の本で提示した学習法となっています。
表紙にも書いたように、海外ドラマを使った英語学習は、「とにかく楽しい!」ですし、「生きた英語が学べる」のです。
この本が、皆さんが楽しく英語学習を続けていただくためのお役に立てるといいなぁと思っています。
読者の皆様にこうして「3冊目の著書を出版」という嬉しいニュースをご報告できること、本当に嬉しく幸せに思います。
皆様、本当にありがとうございました。
自分の学習法をこうして本として出版できたことを励みに、海外ドラマのDVDで英語を学ぶことはこんなに楽しい、こんなに多くのことが学べる! ということをお伝えすることができるよう、これからも全力でブログを頑張りますね!
どうかこれからもよろしくお願いします!(^^)
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2016年04月18日
私の勘はいつも当たる フレンズ10-10その1
このたびの熊本地震により被害を受けられた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
あの14日の大きな地震が「前震」であり、16日の地震が「本震」であったと聞き、驚きを禁じ得ません。
その後も余震が続き、不安で眠れない夜をお過ごしのことと思います。
余震が早く収まりますように、ライフラインが一刻も早く復旧しますように、そして、皆様が安心してご自宅に戻れる時が一日も早く来ますように、心よりお祈り申し上げます。
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は5位、「にほんブログ村」は7位です。
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シーズン10 第10話
The One Where Chandler Gets Caught (チャンドラー 空白の45分)
原題は「チャンドラーが見つかる話」
レイチェルとフィービーは、セントラルパークにいて、窓際のソファに座って話をしています。
フィービー: (looking outside the window) Look, there's Chandler. (he's on the street, talking to a woman) ([窓の外を見て] ねぇ見て、チャンドラーよ。[チャンドラーは通りにいて、ある女性と話している])
レイチェル: Oh. Who is the blond? She's pretty. (まぁ、あのブロンドは誰? 可愛いわね。)
フィービー: OH! He's having an affair. (あぁ! チャンドラーは浮気してるのよ。)
レイチェル: He is not having an affair! (チャンドラーは浮気なんかしないわ。)
フィービー: You know, I'm always right about these things. (ほら、こういうことって私はいつも正しいから[私の勘はいつも当たるから]。)
レイチェル: No, you're not! Last week, you thought Ross was trying to kill you! (いいえ、そんなことないわ! 先週、ロスがあなたを殺そうとしてるって、あなたは思ってたし!)
フィービー: Well, I'm sorry, but it's hard to believe that anyone would tell a story that dull just to tell it! (looking outside) See, there's something going on with them. Look! He's getting into the car with her! (あぁ、ごめんなさい、でもそれを話すためだけに、そんなに退屈な話を人が話すって考えるのは難しいから! [外を見る] ほら、あの二人の間で何かが起こってるわ。見て! 彼は彼女と一緒に車に乗り込もうとしてるわよ!)
レイチェル: Oh, that doesn't mean anything. (あぁ、そんなこと、何の意味もないわよ。)
フィービー: Oh, yeah? Well, let's see. (she takes her mobile phone) Ok, duck down. (they both get down to hide themselves. Phoebe calls Chandler) (あら、そうかしら? えーっと。[フィービーは自分の携帯を取り出す] よし、身をかがめて。[二人とも自らの姿を隠すために身をかがめる。フィービーはチャンドラーに電話する])
チャンドラー: (picking up the phone) Hello? ([電話を取って] もしもし?)
フィービー: Oh, hi Chandler. It's Phoebe. Uhm... I know that Monica is working today so... (back to Central Perk) ...I was wondering if you want to come to the movies with me and Rachel. (あぁ、はーい、チャンドラー。フィービーよ。あの… モニカが今日仕事だってわかってるんだけど、それでね… [画面がセントラルパークに戻る] …考えてたのよ、私とレイチェルと一緒に、映画に行きたいとかあなたが思うかなぁ、って。)
チャンドラー: Oh, uhm... I have to work too. Yeah, I'm stuck at the office all day. (あぁ、あの… 俺も仕事しないといけないんだ。あぁ、一日中、オフィスにいないといけないんだよ。)
フィービー: (shocked) Oh, well, it's a shame that you-that you miss the movie 'cause we were gonna see, you know, either Liar, Liar or Betrayal, or... An Affair To Remember. ([ショックを受けて] あら、まぁ、あなたが映画を見られないのは残念ね、だって私たちはこういう映画を見ようとしていたのよ、ほら、「ライアー ライアー」とか「Betrayal(裏切り)」とか「めぐり逢い」とか。)
チャンドラー: Those are all really old! (それって全部、すっごく古いぞ!)
窓の外を見たフィービーは、通りでチャンドラーを見つけます。
レイチェルが、「(チャンドラーと話してる)あの金髪の人は誰? 可愛いわね」と言うと、フィービーはいきなり、He's having an affair. と言います。
この場合の affair は、「浮気、情事」という意味ですね。
love affair とも言いますが、affair だけでも「浮気」の意味となり、have an affair with で「(人)と浮気する」になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
affair : RELATIONSHIP a secret sexual relationship between two people, when at least one of them is married to someone else
つまり、「二人の人間の間の、秘密の性的な関係、少なくとも一方が他の誰かと結婚している場合」。
「チャンドラーは浮気なんかしてないわ」とレイチェルが即座に否定すると、フィービーは、I'm always right about these things. と返します。
直訳すると、「こういう事柄に関して、私はいつも正しい」ということですね。
DVDの日本語訳では、「私の勘は当たるの」となっていましたが、まさにそういうことですね。
「こういう類のことでは、私は常に正しい、私の思ったことがいつも当たっている→「私の勘はいつも当たる」ということになります。
I'm always right と自信ありげに語ったフィービーに対して、レイチェルは、No, you're not! と否定します。
そして、先週の出来事を持ち出していますね。
you thought Ross was trying to kill you! は、「ロスがあなた(フィービー)を殺そうとしているとあなたは思った」。
you thought という過去形に、「あなたはそう思ったけど、実際には違った。それはあなたの勘違いだった」→「あなたがいつも正しい、ってことはない。実際にあなたの勘とやらは先週外れてたでしょ」という気持ちが込められています。
Well, I'm sorry は、「あぁ、ごめんね」で、「確かにそれは間違ってたわね、ごめんね」という感覚。
先週の勘は外れたことを認めた上で、「でも that 以下のことを信じるのは難しい」と言います。
それはつまり、「that 以下だとはとうてい私には思えない」というようなことですね。
that 以下の内容は、「誰かがただそれを言うためだけに、あんなに退屈な話をする」になりますので、「ただその話を言いたいためだけに、あんなに退屈な話をする人がいるなんて、私には到底思えない、そんなこと信じられない」と言っていることになるでしょう。
ただの話にしてはあまりにも退屈過ぎて、私を退屈で死にそうにさせる、退屈のあまり死んでしまうようにする意図があったに違いないわ、と言っているのですね。
「先週、ロスが私を殺そうとしたのよ」「だってあんなに退屈な話だったんだもん、ただの話にしてはあまりにも退屈過ぎて、私を殺しにかかってた、と思っても無理ないでしょ」みたいなことですね。
there's something going on with them. は「彼ら(チャンドラーと相手の女性)には今何かが起こってる」ということで、つまりは、「あの二人には何かある。何か怪しいわ」という意味。
彼女と一緒に車に乗り込もうとしている、とフィービーは騒ぎますが、レイチェルはまだ、「そんなの何の意味もないわよ」と言って、チャンドラーの浮気を信じようとはしません。
すっかり浮気を疑っているフィービーは、何か思いついた様子で、自分のバッグから携帯を取り出し、身をかがめて、と言って、外のチャンドラーから見えないように身体を下げ、チャンドラーに電話することになります。
duck down の duck は「頭をひょいと下げる・引っ込める、かがむ」。
チャンドラーが電話に出ると、フィービーは、「モニカが今日仕事なのは知ってるけど、私とレイチェルと一緒に、チャンドラーも映画に行かない?」と誘います。
I was wondering if you want to... は、「あなたが〜したかったりするかなぁ〜、って思ってたんだけど」というような、相手の希望を遠回しに尋ねるフレーズ。
それに対してチャンドラーは、「(モニカも仕事だけど)俺も(今日は)働かないといけないんだ。一日中オフィスに張り付いてるんだよ」みたいに答えます。
パークのすぐそばで、女性と車に乗っているのに、「今日は仕事でオフィスから出られない」という大嘘をついたので、フィービーはもちろん、浮気を疑っていなかったレイチェルも、驚きの表情を浮かべています。
it's a shame that you miss the movie の a shame は「残念なこと」という意味。
shame は「恥」という意味で最初に習うことが多く、Shame on you! 「恥を知れ! この恥知らず!」というフレーズも有名なので、It's a shame that を「(that 以下のことは)恥である」と訳してしまいそうになる方も多いかもしれませんので、ここは注意が必要です。
It's a shame that... で、「(that 以下のこと)は残念だ」、What a shame! で「何と残念な!」という意味で使われます。
LAAD では、
it's a shame (that) also what a shame : (spoken) used when you wish a situation was different, and you feel sad, disappointed, or angry
つまり、「ある状況が違っていたらいいのにと願い、悲しく思う、残念に思う、または怒りを覚える時に使われる」。
過去のフレンズでは、フレンズ1-8 に以下のセリフで出てきました。
シェリー: it's a shame, because you and Lowell would've made a great couple. (残念ね、だってあなたとローウェルなら、素敵なカップルになっただろうのに。)
you miss the movie の miss は「〜を見逃す」ですから、「仕事のせいで、私たちと一緒に映画に行けなくて、その映画を見逃して(見そこねて)しまう」ということ。
そして、「私たちこういう映画を見ようとしていたのよ」と言って挙げた3つのタイトルは、英語の原題を見ても何となくイメージできるように、浮気をしているらしいチャンドラーに対して、「嘘、裏切り、浮気」を匂わせるタイトルの映画ばかりを挙げていることになります。
それぞれの映画の情報を参考までに挙げておくと、
Liar, Liar は邦題「ライアー ライアー」。1997年の映画。ジム・キャリー主演。
Betrayal は、1983年の映画(邦題はない模様)。ジェレミー・アイアンズ、ベン・キングスレー主演。
An Affair To Remember は、邦題「めぐり逢い」。1957年の映画。ケーリー・グラント、デボラ・カー主演。
これらの映画については、映画の内容がどういうものかわからなくても、浮気と関係ありそうな単語がタイトルに入っている映画を挙げていることがわかればそれでオッケーということですね。
その映画のタイトルを聞いたチャンドラーは、「それってものすごく古い映画じゃん」と返しています。
「ライアー ライアー」は比較的新しいものの、他は確かに古いので、「今から見に行く映画にしては、どれもこれも過去の作品ばっかじゃん」と言ったことになります。
フィービーが、「チャンドラー不倫疑惑」を持っているために、その手のタイトルの作品ばかりを挙げたことに、チャンドラーは全く気づいていないことがよくわかりますね。
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あの14日の大きな地震が「前震」であり、16日の地震が「本震」であったと聞き、驚きを禁じ得ません。
その後も余震が続き、不安で眠れない夜をお過ごしのことと思います。
余震が早く収まりますように、ライフラインが一刻も早く復旧しますように、そして、皆様が安心してご自宅に戻れる時が一日も早く来ますように、心よりお祈り申し上げます。
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シーズン10 第10話
The One Where Chandler Gets Caught (チャンドラー 空白の45分)
原題は「チャンドラーが見つかる話」
レイチェルとフィービーは、セントラルパークにいて、窓際のソファに座って話をしています。
フィービー: (looking outside the window) Look, there's Chandler. (he's on the street, talking to a woman) ([窓の外を見て] ねぇ見て、チャンドラーよ。[チャンドラーは通りにいて、ある女性と話している])
レイチェル: Oh. Who is the blond? She's pretty. (まぁ、あのブロンドは誰? 可愛いわね。)
フィービー: OH! He's having an affair. (あぁ! チャンドラーは浮気してるのよ。)
レイチェル: He is not having an affair! (チャンドラーは浮気なんかしないわ。)
フィービー: You know, I'm always right about these things. (ほら、こういうことって私はいつも正しいから[私の勘はいつも当たるから]。)
レイチェル: No, you're not! Last week, you thought Ross was trying to kill you! (いいえ、そんなことないわ! 先週、ロスがあなたを殺そうとしてるって、あなたは思ってたし!)
フィービー: Well, I'm sorry, but it's hard to believe that anyone would tell a story that dull just to tell it! (looking outside) See, there's something going on with them. Look! He's getting into the car with her! (あぁ、ごめんなさい、でもそれを話すためだけに、そんなに退屈な話を人が話すって考えるのは難しいから! [外を見る] ほら、あの二人の間で何かが起こってるわ。見て! 彼は彼女と一緒に車に乗り込もうとしてるわよ!)
レイチェル: Oh, that doesn't mean anything. (あぁ、そんなこと、何の意味もないわよ。)
フィービー: Oh, yeah? Well, let's see. (she takes her mobile phone) Ok, duck down. (they both get down to hide themselves. Phoebe calls Chandler) (あら、そうかしら? えーっと。[フィービーは自分の携帯を取り出す] よし、身をかがめて。[二人とも自らの姿を隠すために身をかがめる。フィービーはチャンドラーに電話する])
チャンドラー: (picking up the phone) Hello? ([電話を取って] もしもし?)
フィービー: Oh, hi Chandler. It's Phoebe. Uhm... I know that Monica is working today so... (back to Central Perk) ...I was wondering if you want to come to the movies with me and Rachel. (あぁ、はーい、チャンドラー。フィービーよ。あの… モニカが今日仕事だってわかってるんだけど、それでね… [画面がセントラルパークに戻る] …考えてたのよ、私とレイチェルと一緒に、映画に行きたいとかあなたが思うかなぁ、って。)
チャンドラー: Oh, uhm... I have to work too. Yeah, I'm stuck at the office all day. (あぁ、あの… 俺も仕事しないといけないんだ。あぁ、一日中、オフィスにいないといけないんだよ。)
フィービー: (shocked) Oh, well, it's a shame that you-that you miss the movie 'cause we were gonna see, you know, either Liar, Liar or Betrayal, or... An Affair To Remember. ([ショックを受けて] あら、まぁ、あなたが映画を見られないのは残念ね、だって私たちはこういう映画を見ようとしていたのよ、ほら、「ライアー ライアー」とか「Betrayal(裏切り)」とか「めぐり逢い」とか。)
チャンドラー: Those are all really old! (それって全部、すっごく古いぞ!)
窓の外を見たフィービーは、通りでチャンドラーを見つけます。
レイチェルが、「(チャンドラーと話してる)あの金髪の人は誰? 可愛いわね」と言うと、フィービーはいきなり、He's having an affair. と言います。
この場合の affair は、「浮気、情事」という意味ですね。
love affair とも言いますが、affair だけでも「浮気」の意味となり、have an affair with で「(人)と浮気する」になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
affair : RELATIONSHIP a secret sexual relationship between two people, when at least one of them is married to someone else
つまり、「二人の人間の間の、秘密の性的な関係、少なくとも一方が他の誰かと結婚している場合」。
「チャンドラーは浮気なんかしてないわ」とレイチェルが即座に否定すると、フィービーは、I'm always right about these things. と返します。
直訳すると、「こういう事柄に関して、私はいつも正しい」ということですね。
DVDの日本語訳では、「私の勘は当たるの」となっていましたが、まさにそういうことですね。
「こういう類のことでは、私は常に正しい、私の思ったことがいつも当たっている→「私の勘はいつも当たる」ということになります。
I'm always right と自信ありげに語ったフィービーに対して、レイチェルは、No, you're not! と否定します。
そして、先週の出来事を持ち出していますね。
you thought Ross was trying to kill you! は、「ロスがあなた(フィービー)を殺そうとしているとあなたは思った」。
you thought という過去形に、「あなたはそう思ったけど、実際には違った。それはあなたの勘違いだった」→「あなたがいつも正しい、ってことはない。実際にあなたの勘とやらは先週外れてたでしょ」という気持ちが込められています。
Well, I'm sorry は、「あぁ、ごめんね」で、「確かにそれは間違ってたわね、ごめんね」という感覚。
先週の勘は外れたことを認めた上で、「でも that 以下のことを信じるのは難しい」と言います。
それはつまり、「that 以下だとはとうてい私には思えない」というようなことですね。
that 以下の内容は、「誰かがただそれを言うためだけに、あんなに退屈な話をする」になりますので、「ただその話を言いたいためだけに、あんなに退屈な話をする人がいるなんて、私には到底思えない、そんなこと信じられない」と言っていることになるでしょう。
ただの話にしてはあまりにも退屈過ぎて、私を退屈で死にそうにさせる、退屈のあまり死んでしまうようにする意図があったに違いないわ、と言っているのですね。
「先週、ロスが私を殺そうとしたのよ」「だってあんなに退屈な話だったんだもん、ただの話にしてはあまりにも退屈過ぎて、私を殺しにかかってた、と思っても無理ないでしょ」みたいなことですね。
there's something going on with them. は「彼ら(チャンドラーと相手の女性)には今何かが起こってる」ということで、つまりは、「あの二人には何かある。何か怪しいわ」という意味。
彼女と一緒に車に乗り込もうとしている、とフィービーは騒ぎますが、レイチェルはまだ、「そんなの何の意味もないわよ」と言って、チャンドラーの浮気を信じようとはしません。
すっかり浮気を疑っているフィービーは、何か思いついた様子で、自分のバッグから携帯を取り出し、身をかがめて、と言って、外のチャンドラーから見えないように身体を下げ、チャンドラーに電話することになります。
duck down の duck は「頭をひょいと下げる・引っ込める、かがむ」。
チャンドラーが電話に出ると、フィービーは、「モニカが今日仕事なのは知ってるけど、私とレイチェルと一緒に、チャンドラーも映画に行かない?」と誘います。
I was wondering if you want to... は、「あなたが〜したかったりするかなぁ〜、って思ってたんだけど」というような、相手の希望を遠回しに尋ねるフレーズ。
それに対してチャンドラーは、「(モニカも仕事だけど)俺も(今日は)働かないといけないんだ。一日中オフィスに張り付いてるんだよ」みたいに答えます。
パークのすぐそばで、女性と車に乗っているのに、「今日は仕事でオフィスから出られない」という大嘘をついたので、フィービーはもちろん、浮気を疑っていなかったレイチェルも、驚きの表情を浮かべています。
it's a shame that you miss the movie の a shame は「残念なこと」という意味。
shame は「恥」という意味で最初に習うことが多く、Shame on you! 「恥を知れ! この恥知らず!」というフレーズも有名なので、It's a shame that を「(that 以下のことは)恥である」と訳してしまいそうになる方も多いかもしれませんので、ここは注意が必要です。
It's a shame that... で、「(that 以下のこと)は残念だ」、What a shame! で「何と残念な!」という意味で使われます。
LAAD では、
it's a shame (that) also what a shame : (spoken) used when you wish a situation was different, and you feel sad, disappointed, or angry
つまり、「ある状況が違っていたらいいのにと願い、悲しく思う、残念に思う、または怒りを覚える時に使われる」。
過去のフレンズでは、フレンズ1-8 に以下のセリフで出てきました。
シェリー: it's a shame, because you and Lowell would've made a great couple. (残念ね、だってあなたとローウェルなら、素敵なカップルになっただろうのに。)
you miss the movie の miss は「〜を見逃す」ですから、「仕事のせいで、私たちと一緒に映画に行けなくて、その映画を見逃して(見そこねて)しまう」ということ。
そして、「私たちこういう映画を見ようとしていたのよ」と言って挙げた3つのタイトルは、英語の原題を見ても何となくイメージできるように、浮気をしているらしいチャンドラーに対して、「嘘、裏切り、浮気」を匂わせるタイトルの映画ばかりを挙げていることになります。
それぞれの映画の情報を参考までに挙げておくと、
Liar, Liar は邦題「ライアー ライアー」。1997年の映画。ジム・キャリー主演。
Betrayal は、1983年の映画(邦題はない模様)。ジェレミー・アイアンズ、ベン・キングスレー主演。
An Affair To Remember は、邦題「めぐり逢い」。1957年の映画。ケーリー・グラント、デボラ・カー主演。
これらの映画については、映画の内容がどういうものかわからなくても、浮気と関係ありそうな単語がタイトルに入っている映画を挙げていることがわかればそれでオッケーということですね。
その映画のタイトルを聞いたチャンドラーは、「それってものすごく古い映画じゃん」と返しています。
「ライアー ライアー」は比較的新しいものの、他は確かに古いので、「今から見に行く映画にしては、どれもこれも過去の作品ばっかじゃん」と言ったことになります。
フィービーが、「チャンドラー不倫疑惑」を持っているために、その手のタイトルの作品ばかりを挙げたことに、チャンドラーは全く気づいていないことがよくわかりますね。
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2016年04月15日
与えてあげられないのが死ぬほどつらい フレンズ10-9その6
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養子縁組斡旋事務所で、エリカは自分のお腹の赤ちゃんを、チャンドラーとモニカに託す契約にサインする寸前でしたが、チャンドラーとモニカが嘘をついていたことを告白したため、エリカは怒って部屋を出て行きます。
廊下までエリカを追いかけたチャンドラーは、「君が怒るのは当然だ。でも僕たちのファイルを見て、少しでもいいから僕たちのことを考えてみて欲しい」と頼みます。
エリカ: Oh, yeah. I actually liked you guys. But it doesn't matter, because what you did was wrong. (walks away again, but Chandler catches up with her again) (ええ、そうよ。私はほんとにあなたたちを気に入ってたのよ。でもそんなこと関係ない、だってあなたがしたことは間違いだもの。[また立ち去ろうとするが、チャンドラーはまた彼女に追いつく])
チャンドラー: But you did like us. And you should. My wife's an incredible woman. She's loving, and devoted and caring. And don't tell her I said this, but the woman's always right. I love my wife more than anything in this world. And it.... It kills me that I can't give her a baby. I really want a kid. And when that day finally comes, I'll learn how to be a good dad. But my wife... she's already there. She's a mother... without a baby. Please? (でも君は僕たちを気に入ってた。そして君がそう思うのは当然だよ。僕の妻は素晴らしい女性だ。彼女は愛情深く、献身的で、思いやりがある。そして僕がこう言ったって妻には言わないでね、でも、あの人はいつも正しいんだ。この世のどんなものよりも、僕は彼女を愛している。そして… 彼女に赤ちゃんを与えてあげられないことが、死ぬほどつらいんだ。僕は本当に子供が欲しい。そしてその日がついに来る時には、僕は良い父親になる方法を学ぶだろう。でも僕の妻は… 彼女はすでにそこにいるんだ。彼女は(すでに)母親なんだよ…子供はいないけど。[かなり長い沈黙の後] どうかお願いだよ。)
(They look at each other. We switch back to Monica. Chandler opens the door and she turns to look at him.)
二人はお互い見つめ合っている。画面はモニカに切り替わる。チャンドラーはドアを開け、モニカは振り返って彼を見る。
チャンドラー: You still want that baby? (まだ(今でも)あの赤ちゃんが欲しい?)
(Monica plays those words back in her mind and then smiles and runs to Chandler, who is twisting with joy. They hug.)
モニカはその言葉を心の中で繰り返し、それから笑顔になり、チャンドラーのところに走って行く。チャンドラーは喜びでツイストダンスをしている。二人はハグする。
モニカ: God bless you, Chandler Bing! (神の祝福があらんことを、チャンドラー・ビング!)
I actually liked you guys. は「実際に私は、あなたたちのことが本当に好きだったのよ」というニュアンス。
嘘をつかれていたことを知るまでは、あなたたちのことを気に入っていたのに、、ということですね。
その後、「でもそんなこと関係ない。だってあなたたちがしたことは悪いことだったから」と言って、再びその場を去ろうとします。
それでもチャンドラーはあきらめず、自分の気持ちを伝えようとしていますね。
エリカに語る、その長いセリフ、非常に印象深いものなので、じっくり見ていきたいと思います。
エリカに、「あなたたちはひどいことをした。だからもうこの話は終わりなの」みたいに言われたことに対して、チャンドラーは、But you did like us. And you should. と言います。
この should は「〜すべきである、〜するのが当然だ」というニュアンスで、「(そうは言っても)実際に君は僕たちのことを気に入っていただろ。そして君が僕たちのことを気に入るのは当然なんだよ」と言ったことになります。
その後、「なぜ僕らのことを気に入るのが当然か」について語っていますが、それは「僕ら」についてではなく、「僕の妻」についての話でした。
「僕の妻は素晴らしい女性だ。愛情深く、献身的で、思いやりがある」と、長所をいくつも挙げてから、And don't tell her I said this, but the woman's always right. と続けます。
「そして、このことは妻には言わないで(欲しいんだけど)、でもその女性(僕の妻)はいつも正しいんだ」ということですね。
she ではなく、the woman 「その女性、あの人」と表現することで距離感が出ています。
日本語でも、身内のことを語る際、「あの人、ちょっとうるさいんだよね」みたいに表現すると、少し離れたところから客観的に語っている感じが出ますよね。
夫婦で口論になった時に、妻が言うことが結局はいつも正論なんだよ、と言ったことになり、夫としては「妻にはいつもかなわない」と認めたことになるでしょう。
「モニカには言わないで欲しいんだけど」と前置きしたのは、「妻の前でそんなことを言うと、さらに妻は調子に乗るから、本人の前では言いたくないんだけどね。でも、本当のところはそうなんだよ」と言いたいニュアンスが出ています。
妻の長所を述べてから、「そして妻は正しい」と言うだけではなく、そこに一言、「妻には内緒にしといてね」と入れることで、観客からの笑いも起きていますし、この緊迫した空気に少しの和みを生む効果も出しています。
I love my wife more than anything in this world. を直訳すると、「この世のどんなものよりも、僕は妻を愛している」。
「この世に存在する、何よりも、誰よりも、妻を愛しているんだ」ということですね。
anyone/anybody のように、対象を人に限定しておらず、anything と表現しているところに、「誰よりも、何よりも、一番愛してる。何物にも代えがたいほど、大切に思ってる」という気持ちが出ているように思います。
And it.... と言って、少し言葉に詰まった後の、It kills me that... のセリフは、「世界中の誰よりも妻を愛している」と言った後であるからこそ、余計に泣けてしまいますね。
It kills me that... は、「that 以下のことが僕を殺す」→「that 以下であることが、僕には死ぬほどつらい、苦しい」ということですね。
(that) I can't give her a baby. は、「僕が妻に赤ちゃんを与えてあげられない(こと)」。
DVDの日本語訳では、「だから子供を産ませてやれないのがつらい」となっていましたが、まさにそういうことですね。
チャンドラーとモニカの二人は、不妊検査を受けた結果、双方に不妊の原因があると診断されていました。
モニカは、若い頃から子供が欲しいとずっと言っていて、フレンズでもシーズン1からそういう女性として描かれてきました。
モニカはものすごく子供を欲しがっている、でも不妊と診断されて、僕は妻を妊娠させてあげることができない、妻を愛しているからこそ、そのことが僕にとってはものすごくつらい、身を切られるような気持ちなんだ、と言っているわけですね。
子供を欲しがっている愛する妻の願いを叶えてあげられないつらさを、素直に打ち明けていることになるでしょう。
その後、チャンドラーは、I really want a kid. And when that day finally comes, I'll learn how to be a good dad. と言っています。
妻のことを話した後、今度は自分のことを言っている流れになりますね。
順番に訳すと、「僕は本当に子供が欲しい。そして、ついにその日(子供が持てる日)が来る時には、僕は良き父親になる方法を学ぶだろう」ということ。
その後、But my wife... 「でも僕の妻は…」という「逆接」が続くので、「でも、、」と言った後、どういう風に話が続くんだろう? のように、ここで「おや?」と思った方もおられるのではないかと思います。
エリカの子供の里親になりたい、ということを訴えるのであれば、「僕も妻も良き親になるように努力するから」と言うのが普通の流れで、「僕は良い父親になるようにいろいろ学ぶよ。でも僕の妻は、、」という「逆接」は、聞いている人にとっては、少々、想定外の話の流れになっているように思うのです。
チャンドラーが、But my wife... と言うので、その先が気になって続きを聞いてみると、その後のセリフは、she's already there. She's a mother... without a baby. となっています。
直訳すると、「僕の妻は既にそこ(その場所)にいる。彼女は母親なんだ…子供がいない状態の」になるでしょう。
DVDの日本語訳では、「((いい父親になる努力もする) でも妻はその必要がない。もう母親なんだ。子供はいないけど」となっていましたが、まさにそういうことですね。
このエリカへの長セリフでは、「僕たちのことを気に入るのは当然だ」と言った後、「僕たち」ではなく、もっぱら妻モニカのことばかりを話していました。
チャンドラーは、「自分が父親としてふさわしい」ということを訴えるのではなく、「僕の妻は素晴らしい人なんだ」ということをわかってもらおうと、必死に話している感じでした。
そうして、「妻に子供を産ませてやれないのがつらい」と言った後、「自分が父親になれたら、良い父親になるように頑張る」と自分のことを語り出したのは、少し唐突な感じが私にはしたのですね。
妻のことを十分に語ってから、自分も良い父親になるから、と言って、それで説得の言葉にしようと考えているのかと思いきや、「僕は良い父親になるように努力する」という言葉は、次のモニカのことを語るための、前振りであった、ということが、without a baby まで聞いてわかる、という仕組みです。
「僕は良き父になる方法を学ぶ必要があるけれど、妻にはもうその必要がないんです。妻はすでに良き母になる方法を学んでいるんです。ただ、実際には子供がいない、というだけで、彼女はもうすでに、母親の資質を十分に身に付けているんですよ」と言っているわけですね。
without a baby という最後のフレーズが、「赤ちゃんがいさえすれば、妻はその母親としての資質を十二分に発揮することができるんです」「彼女に必要なことは、赤ちゃんの存在だけなんです」ということを強く訴えています。
そのセリフの後、長い沈黙が続き、チャンドラーはもう、伝えたいことは全て伝えた、というように、ただ一言、Please. 「どうかお願いだ」と、エリカに言うことになります。
「僕の妻はそういう人なんだ。赤ちゃんを託すにふさわしい人なんだ。だから、僕たちのことを、もう一度、里親として考えてくれないか、お願いだよ」ということですね。
チャンドラーとエリカが無言で見つめ合っている状態をしばらく映した後、エリカの答えを観客や視聴者が聞くことなく、画面はモニカに切り替わります。
部屋に残って、親指の爪を噛んで待っているモニカのところに、チャンドラーがドアを開けて入ってきます。
入ってきたチャンドラーは、しばらくしてから、You still want that baby? と言っていますね。
「君はまだ(今でも)あの赤ちゃんが欲しい(と思ってる)?」ということで、そのセリフを言っている時のチャンドラーは、少し嬉しそうな表情を浮かべているので、モニカもそのチャンドラーのセリフの意図がわかり、笑顔でチャンドラーの元に走って行くことになります。
You still want a baby? という不定冠詞の a なら、「(どの子とは特定しない)ある一人の赤ちゃん」になりますが、that baby 「あの赤ちゃん」という指示代名詞がついているので、この場合は、that baby = Erika's baby であることがわかりますね。
「あの子をまだ欲しいと思ってる?(思ってるなら、あの子をもらうことができるよ)」ということを、チャンドラーの様子からも感じ取り、モニカはチャンドラーと一緒に喜ぶことになるわけです。
チャンドラーも嬉しさで顔をくしゃくしゃにして、嬉しい時にチャンドラーがよくやる(笑)ツイストダンスをしていますね。
二人はハグをし、観客からも拍手喝采が起こっていますが、この後、最後の一言で笑いを取るのが、いかにもフレンズっぽい終わり方になっていると思います。
God bless you, Chandler Bing! は、「あなたに神の祝福[み恵み]あれ[あらんことを]、チャンドラー・ビング!」で、最後の最後になってまで、まだ「牧師の真似をした言い回し」を使っている、という面白さですね。
牧師のふりをし続けたことで、「嘘をついていた」とエリカに激怒されてしまったモニカでしたが、最後に性懲りもなく、「まだそれを言うかぁ〜」的に、牧師の真似をしたことが、今回のエピソードに合ったオチになっている、ということですね。
モニカと結婚する前には、コミットメント恐怖症で、困った時にはオロオロしたり、ジョークでごまかしたりするようなチャンドラーでしたが、今回のエピソードでは、(いつもは言い負かされている)妻のモニカに、正しい行いをするように諭し、モニカがもうダメだと思った後も、一人でエリカを追いかけ、拒まれそうになってもあきらめることなく、最後には、エリカの心を動かすことに成功する、という姿が描かれています。
チャンドラーは、「僕の妻は素晴らしい人だ」と言っていましたが、今回のチャンドラーも、本当に素晴らしい夫の姿を見せていますね。
フレンズをずっと見守ってきたファンにとっても、彼の人間としての、男としての、夫としての成長を感じずにはいられないであろう、印象深いエピソードだったと思います。
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廊下までエリカを追いかけたチャンドラーは、「君が怒るのは当然だ。でも僕たちのファイルを見て、少しでもいいから僕たちのことを考えてみて欲しい」と頼みます。
エリカ: Oh, yeah. I actually liked you guys. But it doesn't matter, because what you did was wrong. (walks away again, but Chandler catches up with her again) (ええ、そうよ。私はほんとにあなたたちを気に入ってたのよ。でもそんなこと関係ない、だってあなたがしたことは間違いだもの。[また立ち去ろうとするが、チャンドラーはまた彼女に追いつく])
チャンドラー: But you did like us. And you should. My wife's an incredible woman. She's loving, and devoted and caring. And don't tell her I said this, but the woman's always right. I love my wife more than anything in this world. And it.... It kills me that I can't give her a baby. I really want a kid. And when that day finally comes, I'll learn how to be a good dad. But my wife... she's already there. She's a mother... without a baby. Please? (でも君は僕たちを気に入ってた。そして君がそう思うのは当然だよ。僕の妻は素晴らしい女性だ。彼女は愛情深く、献身的で、思いやりがある。そして僕がこう言ったって妻には言わないでね、でも、あの人はいつも正しいんだ。この世のどんなものよりも、僕は彼女を愛している。そして… 彼女に赤ちゃんを与えてあげられないことが、死ぬほどつらいんだ。僕は本当に子供が欲しい。そしてその日がついに来る時には、僕は良い父親になる方法を学ぶだろう。でも僕の妻は… 彼女はすでにそこにいるんだ。彼女は(すでに)母親なんだよ…子供はいないけど。[かなり長い沈黙の後] どうかお願いだよ。)
(They look at each other. We switch back to Monica. Chandler opens the door and she turns to look at him.)
二人はお互い見つめ合っている。画面はモニカに切り替わる。チャンドラーはドアを開け、モニカは振り返って彼を見る。
チャンドラー: You still want that baby? (まだ(今でも)あの赤ちゃんが欲しい?)
(Monica plays those words back in her mind and then smiles and runs to Chandler, who is twisting with joy. They hug.)
モニカはその言葉を心の中で繰り返し、それから笑顔になり、チャンドラーのところに走って行く。チャンドラーは喜びでツイストダンスをしている。二人はハグする。
モニカ: God bless you, Chandler Bing! (神の祝福があらんことを、チャンドラー・ビング!)
I actually liked you guys. は「実際に私は、あなたたちのことが本当に好きだったのよ」というニュアンス。
嘘をつかれていたことを知るまでは、あなたたちのことを気に入っていたのに、、ということですね。
その後、「でもそんなこと関係ない。だってあなたたちがしたことは悪いことだったから」と言って、再びその場を去ろうとします。
それでもチャンドラーはあきらめず、自分の気持ちを伝えようとしていますね。
エリカに語る、その長いセリフ、非常に印象深いものなので、じっくり見ていきたいと思います。
エリカに、「あなたたちはひどいことをした。だからもうこの話は終わりなの」みたいに言われたことに対して、チャンドラーは、But you did like us. And you should. と言います。
この should は「〜すべきである、〜するのが当然だ」というニュアンスで、「(そうは言っても)実際に君は僕たちのことを気に入っていただろ。そして君が僕たちのことを気に入るのは当然なんだよ」と言ったことになります。
その後、「なぜ僕らのことを気に入るのが当然か」について語っていますが、それは「僕ら」についてではなく、「僕の妻」についての話でした。
「僕の妻は素晴らしい女性だ。愛情深く、献身的で、思いやりがある」と、長所をいくつも挙げてから、And don't tell her I said this, but the woman's always right. と続けます。
「そして、このことは妻には言わないで(欲しいんだけど)、でもその女性(僕の妻)はいつも正しいんだ」ということですね。
she ではなく、the woman 「その女性、あの人」と表現することで距離感が出ています。
日本語でも、身内のことを語る際、「あの人、ちょっとうるさいんだよね」みたいに表現すると、少し離れたところから客観的に語っている感じが出ますよね。
夫婦で口論になった時に、妻が言うことが結局はいつも正論なんだよ、と言ったことになり、夫としては「妻にはいつもかなわない」と認めたことになるでしょう。
「モニカには言わないで欲しいんだけど」と前置きしたのは、「妻の前でそんなことを言うと、さらに妻は調子に乗るから、本人の前では言いたくないんだけどね。でも、本当のところはそうなんだよ」と言いたいニュアンスが出ています。
妻の長所を述べてから、「そして妻は正しい」と言うだけではなく、そこに一言、「妻には内緒にしといてね」と入れることで、観客からの笑いも起きていますし、この緊迫した空気に少しの和みを生む効果も出しています。
I love my wife more than anything in this world. を直訳すると、「この世のどんなものよりも、僕は妻を愛している」。
「この世に存在する、何よりも、誰よりも、妻を愛しているんだ」ということですね。
anyone/anybody のように、対象を人に限定しておらず、anything と表現しているところに、「誰よりも、何よりも、一番愛してる。何物にも代えがたいほど、大切に思ってる」という気持ちが出ているように思います。
And it.... と言って、少し言葉に詰まった後の、It kills me that... のセリフは、「世界中の誰よりも妻を愛している」と言った後であるからこそ、余計に泣けてしまいますね。
It kills me that... は、「that 以下のことが僕を殺す」→「that 以下であることが、僕には死ぬほどつらい、苦しい」ということですね。
(that) I can't give her a baby. は、「僕が妻に赤ちゃんを与えてあげられない(こと)」。
DVDの日本語訳では、「だから子供を産ませてやれないのがつらい」となっていましたが、まさにそういうことですね。
チャンドラーとモニカの二人は、不妊検査を受けた結果、双方に不妊の原因があると診断されていました。
モニカは、若い頃から子供が欲しいとずっと言っていて、フレンズでもシーズン1からそういう女性として描かれてきました。
モニカはものすごく子供を欲しがっている、でも不妊と診断されて、僕は妻を妊娠させてあげることができない、妻を愛しているからこそ、そのことが僕にとってはものすごくつらい、身を切られるような気持ちなんだ、と言っているわけですね。
子供を欲しがっている愛する妻の願いを叶えてあげられないつらさを、素直に打ち明けていることになるでしょう。
その後、チャンドラーは、I really want a kid. And when that day finally comes, I'll learn how to be a good dad. と言っています。
妻のことを話した後、今度は自分のことを言っている流れになりますね。
順番に訳すと、「僕は本当に子供が欲しい。そして、ついにその日(子供が持てる日)が来る時には、僕は良き父親になる方法を学ぶだろう」ということ。
その後、But my wife... 「でも僕の妻は…」という「逆接」が続くので、「でも、、」と言った後、どういう風に話が続くんだろう? のように、ここで「おや?」と思った方もおられるのではないかと思います。
エリカの子供の里親になりたい、ということを訴えるのであれば、「僕も妻も良き親になるように努力するから」と言うのが普通の流れで、「僕は良い父親になるようにいろいろ学ぶよ。でも僕の妻は、、」という「逆接」は、聞いている人にとっては、少々、想定外の話の流れになっているように思うのです。
チャンドラーが、But my wife... と言うので、その先が気になって続きを聞いてみると、その後のセリフは、she's already there. She's a mother... without a baby. となっています。
直訳すると、「僕の妻は既にそこ(その場所)にいる。彼女は母親なんだ…子供がいない状態の」になるでしょう。
DVDの日本語訳では、「((いい父親になる努力もする) でも妻はその必要がない。もう母親なんだ。子供はいないけど」となっていましたが、まさにそういうことですね。
このエリカへの長セリフでは、「僕たちのことを気に入るのは当然だ」と言った後、「僕たち」ではなく、もっぱら妻モニカのことばかりを話していました。
チャンドラーは、「自分が父親としてふさわしい」ということを訴えるのではなく、「僕の妻は素晴らしい人なんだ」ということをわかってもらおうと、必死に話している感じでした。
そうして、「妻に子供を産ませてやれないのがつらい」と言った後、「自分が父親になれたら、良い父親になるように頑張る」と自分のことを語り出したのは、少し唐突な感じが私にはしたのですね。
妻のことを十分に語ってから、自分も良い父親になるから、と言って、それで説得の言葉にしようと考えているのかと思いきや、「僕は良い父親になるように努力する」という言葉は、次のモニカのことを語るための、前振りであった、ということが、without a baby まで聞いてわかる、という仕組みです。
「僕は良き父になる方法を学ぶ必要があるけれど、妻にはもうその必要がないんです。妻はすでに良き母になる方法を学んでいるんです。ただ、実際には子供がいない、というだけで、彼女はもうすでに、母親の資質を十分に身に付けているんですよ」と言っているわけですね。
without a baby という最後のフレーズが、「赤ちゃんがいさえすれば、妻はその母親としての資質を十二分に発揮することができるんです」「彼女に必要なことは、赤ちゃんの存在だけなんです」ということを強く訴えています。
そのセリフの後、長い沈黙が続き、チャンドラーはもう、伝えたいことは全て伝えた、というように、ただ一言、Please. 「どうかお願いだ」と、エリカに言うことになります。
「僕の妻はそういう人なんだ。赤ちゃんを託すにふさわしい人なんだ。だから、僕たちのことを、もう一度、里親として考えてくれないか、お願いだよ」ということですね。
チャンドラーとエリカが無言で見つめ合っている状態をしばらく映した後、エリカの答えを観客や視聴者が聞くことなく、画面はモニカに切り替わります。
部屋に残って、親指の爪を噛んで待っているモニカのところに、チャンドラーがドアを開けて入ってきます。
入ってきたチャンドラーは、しばらくしてから、You still want that baby? と言っていますね。
「君はまだ(今でも)あの赤ちゃんが欲しい(と思ってる)?」ということで、そのセリフを言っている時のチャンドラーは、少し嬉しそうな表情を浮かべているので、モニカもそのチャンドラーのセリフの意図がわかり、笑顔でチャンドラーの元に走って行くことになります。
You still want a baby? という不定冠詞の a なら、「(どの子とは特定しない)ある一人の赤ちゃん」になりますが、that baby 「あの赤ちゃん」という指示代名詞がついているので、この場合は、that baby = Erika's baby であることがわかりますね。
「あの子をまだ欲しいと思ってる?(思ってるなら、あの子をもらうことができるよ)」ということを、チャンドラーの様子からも感じ取り、モニカはチャンドラーと一緒に喜ぶことになるわけです。
チャンドラーも嬉しさで顔をくしゃくしゃにして、嬉しい時にチャンドラーがよくやる(笑)ツイストダンスをしていますね。
二人はハグをし、観客からも拍手喝采が起こっていますが、この後、最後の一言で笑いを取るのが、いかにもフレンズっぽい終わり方になっていると思います。
God bless you, Chandler Bing! は、「あなたに神の祝福[み恵み]あれ[あらんことを]、チャンドラー・ビング!」で、最後の最後になってまで、まだ「牧師の真似をした言い回し」を使っている、という面白さですね。
牧師のふりをし続けたことで、「嘘をついていた」とエリカに激怒されてしまったモニカでしたが、最後に性懲りもなく、「まだそれを言うかぁ〜」的に、牧師の真似をしたことが、今回のエピソードに合ったオチになっている、ということですね。
モニカと結婚する前には、コミットメント恐怖症で、困った時にはオロオロしたり、ジョークでごまかしたりするようなチャンドラーでしたが、今回のエピソードでは、(いつもは言い負かされている)妻のモニカに、正しい行いをするように諭し、モニカがもうダメだと思った後も、一人でエリカを追いかけ、拒まれそうになってもあきらめることなく、最後には、エリカの心を動かすことに成功する、という姿が描かれています。
チャンドラーは、「僕の妻は素晴らしい人だ」と言っていましたが、今回のチャンドラーも、本当に素晴らしい夫の姿を見せていますね。
フレンズをずっと見守ってきたファンにとっても、彼の人間としての、男としての、夫としての成長を感じずにはいられないであろう、印象深いエピソードだったと思います。
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2016年04月13日
医者じゃないことを手術で証明してもいい フレンズ10-9その5
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養子縁組斡旋事務所で、赤ちゃんを妊娠中の女性エリカと契約寸前の状態のチャンドラーとモニカ。
ですが、事務所の手違いで、エリカは「チャンドラーを医者、モニカを牧師」だと勘違いしており、嘘をついたまま契約するわけにはいかない、と、二人は真実をエリカに告げると決心します。
エリカが持ってきてくれていた赤ちゃんの超音波写真を、モニカは長い間じっと見てから、隣のチャンドラーにそれを見せます。
モニカ: Look, doctor! (見て、ドクター!)
チャンドラー: (Chandler takes Monica's hand, and gets serious) Look, before we sign anything, we really have to talk. (pause) We're not who you think we are. ([チャンドラーはモニカの手を取って、真剣な顔で] あの、何かにサインする前に、話しておかないといけないことがあるんです。[間があって] 僕たちは君が思っている人間じゃない。)
斡旋の男性: I don't understand. (どういうことですか?)
チャンドラー: The agency must have made some mistake. My wife is not a reverend and I'm not a doctor. (エージェンシーで、何らかの間違いがあったに違いありません。僕の妻は牧師じゃないし、僕も医者じゃありません。)
エリカ: What? (何ですって?)
斡旋の男性: That's impossible. (そんなこと、ありえない。)
チャンドラー: I could perform an operation on you and prove it if you'd like. (お望みなら、あなたに手術を実施して、それを証明することだってできますよ。)
斡旋の男性: I have to check your file. Excuse me. (あなたがたのファイルをチェックしないと。失礼。[男性は去る])
エリカ: So who are you? (それじゃあ、あなたがたは誰なんですか?)
チャンドラー: Well, our names really are Monica and Chandler. We're from New York. (あぁ、僕たちの本当の名前はモニカとチャンドラーです。ニューヨークから来ました。)
モニカ: Yeah, but the important thing to know about us, is how much we would care for this little baby. (holds up the sonogram) (えぇ、でも私たちについて知っておくべき[知っておいてほしい]重要なことは、私たちがこの小さな赤ちゃんをどれほど愛するか、ということよ。[その超音波写真を掲げる])
エリカ: So you lied to me before? (それじゃあ、さっき、あなたたちは私に嘘をついたの?)
モニカ: Well, we... (makes quotation signs in the air) "bore false witness." See? I could be a reverend. (あぁ、私たちは… [空中で引用符サインを作って] いわゆる”嘘の証言(偽証)をした”ってことね。ほら、私は牧師になれるわよ。)
エリカ: I can't believe this. (こんなの信じられないわ。)
モニカ: But we were hoping that since we told you the truth that you still might consider-- (でも私たちは願っていたの、私たちが本当のことを話したら、まだ考えてくれる可能性があるって…)
エリカ: Giving you my baby? You think I'd give you my child after this? (あなたたちに私の赤ちゃんをあげることを(考えるですって)? こんなことがあった後で、自分の子供をあなたたちに渡すと思うの?)
モニカ: Well, you don't have to decide right now. But if you could just look at our file-- (あの、今ここで決めなくてもいいの。でももし私たちのファイルをちょっと見てくれたら…)
エリカ: I don't want to look at your file! This is over. (あなたたちのファイルなんか見たくないわ! これでおしまいよ。)
エリカは部屋を出て行く。
エリカに真実を話す、と決めた後で、モニカは赤ちゃんの超音波写真を愛おしそうに見つめています。
「ほら、こんなに小さいのよ」みたいに隣のチャンドラーにもその写真を見せるのですが、その時に、"Look, doctor!" と呼び掛けるのが、フレンズ的なジョークであると同時に、とても切ないセリフですね。
「あなたがドクターだってふりをし続ければ、私たちはこの子の親になれる」という思い、あきらめきれない気持ちがよく出ています。
チャンドラーは、隣のモニカの手をしっかり握って、「契約する前に話しておくべきことがある」と言い、エリカに、We're not who you think we are. と告げます。
直訳すると、「君が”僕たちが〜という人である”と思っている人とは違うんだ」というところ。
DVDの日本語訳にあるように、「僕らを人違いしてる」ということです。
The agency must have made some mistake. の must have p.p. (過去分詞)は、「〜したに違いない」なので、「エージェンシーは何かの間違いを犯したに違いない」→「エージェンシー側で、きっと何らかの間違い・ミスが起こったんですよ」ということ。
妻は牧師じゃないし、僕は医者じゃない、と真実を告げて、エリカと業者が驚くと、チャンドラーは、I could perform... のセリフを言っています。
こういう深刻な状況ですが、いつものチャンドラーっぽいジョークになっていますね。
文の最後の部分の if you'd like は、if you want のような意味で、「もし望むなら、あなたがそれをお望みなら」。
I could... は「あなたに手術を行なって、それを証明することができる」になります。
could は「あなたがお望みなら、私はそういうことをやろうと思えばできるんですよ」という仮定のニュアンスですね。
prove it の it は、今、話の焦点となっている事柄で、つまりは「僕は医者じゃない」ということ。
「僕は医者じゃない」と言った僕の言葉を信じられないと言うなら、僕があなたを手術して、「やっぱり医者じゃなかった」ということを証明してもいいですが…みたいに言ったことになります。
ファイルを確認するために、斡旋の男性が部屋を出て行った後、エリカは「私が思っていた人じゃないとしたら、じゃあ、あなたたちは誰なんですか?」と尋ねます。
チャンドラーが名前と出身地を告げた後、モニカは the important thing... のセリフを言います。
直訳すると、「私たちについて知っておくべき重要なことは、私たちがこの小さな赤ちゃんをどれほど愛するか、ということである」になります。
そう言って、エリカが用意してくれていた、赤ちゃんの超音波写真を示していますね。
sonogram 「(お腹にいる赤ちゃんの)超音波写真」という単語は、フレンズ1-2 の英語タイトルにも出てきていました。
そのタイトルは、The One With the Sonogram at the End 「最後に超音波映像がある話」でしたね。
モニカは「私たちが誰かっていうことは重要ではなくて、この赤ちゃんをどれだけ愛せる人間かってことが大事だと思うの。私たちはこの子をものすごく愛するから」と訴えていることになります。
ですがエリカは、嘘をつかれていたことがとにかくショックで、モニカのその訴えに心を動かされる様子はありません。
「じゃあ、さっきの面談では、あなたたちは私に嘘をついてたの?」と言われ、モニカは、指で引用符のジェスチャーをしながら、"bore false witness" という表現を言っています。
false は「虚偽の、嘘の、偽りの」、witness は「証言」なので、false witness は「嘘の証言、偽証」を指します。
bore は、「〜を産む」という意味の他動詞 bear の過去形で、bear witness の形で「証言する」という意味で使われます。
モニカは「嘘をついた」ことを「偽証した」と表現して、さらにはその言葉を言う際に、指で引用符のジェスチャーをしていますので、「嘘をついたのね、と言われれば、確かに私たちは、いわゆる”偽証した”っていうことをしたわね」と言ったことになります。
その後、「ほらね? 私は牧師に(なろうと思えば)なれるわよ」みたいに言っていることから、モニカが引用符を使って表現した部分の bore false witness が、牧師が言いそうな言葉であることが想像できるでしょう。
Google 検索で、bear false witness まで入れると、サジェストの候補として、続けて bible と出てくるものがあります。
そこで、bear false witness bible というキーワードで検索してみると、
"You shall not bear false witness against your neighbor."
という言葉がいくつもヒットしました。
ちなみに、その古語バージョンは、
"Thou shalt not bear false witness against thy neighbour."
になります。(thou = you, thy = your は、シェークスピアでも使われている古語)
旧約聖書の出エジプト記(Exodus)に書かれている、モーセの十戒(the Ten Commandments)のうちの、the Ninth Commandment を指すようですね。
日本語だと、「あなたは隣人について偽証してはならない(汝、隣人について偽証するなかれ)」に当たります。
lie 「嘘をつく」という言葉を、十戒に出てくる表現(bear false witness)を使って言い換えたことで、聖書的、キリスト教的言い回しになったことを、「ほら私、今でも牧師っぽい言い方できるでしょ、私、牧師になれそうよね」と言ってみせたわけですね。
bear false witness は、牧師さんだけではなく、一般に広く使われる表現のようで、辞書にも普通に載っていますが、ここでは、引用符のジェスチャーをつけて、lie をわざわざその表現に言い換えたことで、「ちょっとこんな言い方してみた」感を強調したことになるでしょう。
何とか冗談で和まそうとしても、やはりエリカの怒りは収まらない様子。
次にモニカは、自分の正直な気持ちを訴えます。
「私たちがあなたに真実を話せば、まだ考えてくれるかもしれないって、私たちは願っていた」ということですね。
consider-- で、モニカのセリフは終わっていて、その consider 以下の内容を、エリカが giving という -ing 形(動名詞)を使って、続けて言っていることになります。
「〜することを(よく)考える」と言う場合、consider doing のように、後ろには動名詞が続く形を取りますが、その動名詞部分を、エリカが giving... で続けているわけですね。
あきれた口調で言っている Giving you my baby? は、「私の赤ちゃんをあなたたちにあげることを、私が考えるかもしれない、って言いたいわけ?」というニュアンスです。
You think I'd give you my child after this? は、「この後で(こんなことがあった後で)、私があなたたちに私の子供をあげるだろうって、あなたたちは思うわけ?」というところ。
嘘をつかれていたと知った後で、嘘をついていた人に自分の子供をホイホイ渡すとでも思ってるの? みたいに言ったことになるでしょう。
モニカは、「今すぐにここで決める必要はないのよ。でもちょっと私たちのファイルを見てくれたら…」と言いかけるのですが、激怒していて聞く耳持たないエリカは、「あなたたちのファイルなんか見たくないわ! これで終わりよ・おしまいよ」と言って、部屋を出て行くことになります。
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養子縁組斡旋事務所で、赤ちゃんを妊娠中の女性エリカと契約寸前の状態のチャンドラーとモニカ。
ですが、事務所の手違いで、エリカは「チャンドラーを医者、モニカを牧師」だと勘違いしており、嘘をついたまま契約するわけにはいかない、と、二人は真実をエリカに告げると決心します。
エリカが持ってきてくれていた赤ちゃんの超音波写真を、モニカは長い間じっと見てから、隣のチャンドラーにそれを見せます。
モニカ: Look, doctor! (見て、ドクター!)
チャンドラー: (Chandler takes Monica's hand, and gets serious) Look, before we sign anything, we really have to talk. (pause) We're not who you think we are. ([チャンドラーはモニカの手を取って、真剣な顔で] あの、何かにサインする前に、話しておかないといけないことがあるんです。[間があって] 僕たちは君が思っている人間じゃない。)
斡旋の男性: I don't understand. (どういうことですか?)
チャンドラー: The agency must have made some mistake. My wife is not a reverend and I'm not a doctor. (エージェンシーで、何らかの間違いがあったに違いありません。僕の妻は牧師じゃないし、僕も医者じゃありません。)
エリカ: What? (何ですって?)
斡旋の男性: That's impossible. (そんなこと、ありえない。)
チャンドラー: I could perform an operation on you and prove it if you'd like. (お望みなら、あなたに手術を実施して、それを証明することだってできますよ。)
斡旋の男性: I have to check your file. Excuse me. (あなたがたのファイルをチェックしないと。失礼。[男性は去る])
エリカ: So who are you? (それじゃあ、あなたがたは誰なんですか?)
チャンドラー: Well, our names really are Monica and Chandler. We're from New York. (あぁ、僕たちの本当の名前はモニカとチャンドラーです。ニューヨークから来ました。)
モニカ: Yeah, but the important thing to know about us, is how much we would care for this little baby. (holds up the sonogram) (えぇ、でも私たちについて知っておくべき[知っておいてほしい]重要なことは、私たちがこの小さな赤ちゃんをどれほど愛するか、ということよ。[その超音波写真を掲げる])
エリカ: So you lied to me before? (それじゃあ、さっき、あなたたちは私に嘘をついたの?)
モニカ: Well, we... (makes quotation signs in the air) "bore false witness." See? I could be a reverend. (あぁ、私たちは… [空中で引用符サインを作って] いわゆる”嘘の証言(偽証)をした”ってことね。ほら、私は牧師になれるわよ。)
エリカ: I can't believe this. (こんなの信じられないわ。)
モニカ: But we were hoping that since we told you the truth that you still might consider-- (でも私たちは願っていたの、私たちが本当のことを話したら、まだ考えてくれる可能性があるって…)
エリカ: Giving you my baby? You think I'd give you my child after this? (あなたたちに私の赤ちゃんをあげることを(考えるですって)? こんなことがあった後で、自分の子供をあなたたちに渡すと思うの?)
モニカ: Well, you don't have to decide right now. But if you could just look at our file-- (あの、今ここで決めなくてもいいの。でももし私たちのファイルをちょっと見てくれたら…)
エリカ: I don't want to look at your file! This is over. (あなたたちのファイルなんか見たくないわ! これでおしまいよ。)
エリカは部屋を出て行く。
エリカに真実を話す、と決めた後で、モニカは赤ちゃんの超音波写真を愛おしそうに見つめています。
「ほら、こんなに小さいのよ」みたいに隣のチャンドラーにもその写真を見せるのですが、その時に、"Look, doctor!" と呼び掛けるのが、フレンズ的なジョークであると同時に、とても切ないセリフですね。
「あなたがドクターだってふりをし続ければ、私たちはこの子の親になれる」という思い、あきらめきれない気持ちがよく出ています。
チャンドラーは、隣のモニカの手をしっかり握って、「契約する前に話しておくべきことがある」と言い、エリカに、We're not who you think we are. と告げます。
直訳すると、「君が”僕たちが〜という人である”と思っている人とは違うんだ」というところ。
DVDの日本語訳にあるように、「僕らを人違いしてる」ということです。
The agency must have made some mistake. の must have p.p. (過去分詞)は、「〜したに違いない」なので、「エージェンシーは何かの間違いを犯したに違いない」→「エージェンシー側で、きっと何らかの間違い・ミスが起こったんですよ」ということ。
妻は牧師じゃないし、僕は医者じゃない、と真実を告げて、エリカと業者が驚くと、チャンドラーは、I could perform... のセリフを言っています。
こういう深刻な状況ですが、いつものチャンドラーっぽいジョークになっていますね。
文の最後の部分の if you'd like は、if you want のような意味で、「もし望むなら、あなたがそれをお望みなら」。
I could... は「あなたに手術を行なって、それを証明することができる」になります。
could は「あなたがお望みなら、私はそういうことをやろうと思えばできるんですよ」という仮定のニュアンスですね。
prove it の it は、今、話の焦点となっている事柄で、つまりは「僕は医者じゃない」ということ。
「僕は医者じゃない」と言った僕の言葉を信じられないと言うなら、僕があなたを手術して、「やっぱり医者じゃなかった」ということを証明してもいいですが…みたいに言ったことになります。
ファイルを確認するために、斡旋の男性が部屋を出て行った後、エリカは「私が思っていた人じゃないとしたら、じゃあ、あなたたちは誰なんですか?」と尋ねます。
チャンドラーが名前と出身地を告げた後、モニカは the important thing... のセリフを言います。
直訳すると、「私たちについて知っておくべき重要なことは、私たちがこの小さな赤ちゃんをどれほど愛するか、ということである」になります。
そう言って、エリカが用意してくれていた、赤ちゃんの超音波写真を示していますね。
sonogram 「(お腹にいる赤ちゃんの)超音波写真」という単語は、フレンズ1-2 の英語タイトルにも出てきていました。
そのタイトルは、The One With the Sonogram at the End 「最後に超音波映像がある話」でしたね。
モニカは「私たちが誰かっていうことは重要ではなくて、この赤ちゃんをどれだけ愛せる人間かってことが大事だと思うの。私たちはこの子をものすごく愛するから」と訴えていることになります。
ですがエリカは、嘘をつかれていたことがとにかくショックで、モニカのその訴えに心を動かされる様子はありません。
「じゃあ、さっきの面談では、あなたたちは私に嘘をついてたの?」と言われ、モニカは、指で引用符のジェスチャーをしながら、"bore false witness" という表現を言っています。
false は「虚偽の、嘘の、偽りの」、witness は「証言」なので、false witness は「嘘の証言、偽証」を指します。
bore は、「〜を産む」という意味の他動詞 bear の過去形で、bear witness の形で「証言する」という意味で使われます。
モニカは「嘘をついた」ことを「偽証した」と表現して、さらにはその言葉を言う際に、指で引用符のジェスチャーをしていますので、「嘘をついたのね、と言われれば、確かに私たちは、いわゆる”偽証した”っていうことをしたわね」と言ったことになります。
その後、「ほらね? 私は牧師に(なろうと思えば)なれるわよ」みたいに言っていることから、モニカが引用符を使って表現した部分の bore false witness が、牧師が言いそうな言葉であることが想像できるでしょう。
Google 検索で、bear false witness まで入れると、サジェストの候補として、続けて bible と出てくるものがあります。
そこで、bear false witness bible というキーワードで検索してみると、
"You shall not bear false witness against your neighbor."
という言葉がいくつもヒットしました。
ちなみに、その古語バージョンは、
"Thou shalt not bear false witness against thy neighbour."
になります。(thou = you, thy = your は、シェークスピアでも使われている古語)
旧約聖書の出エジプト記(Exodus)に書かれている、モーセの十戒(the Ten Commandments)のうちの、the Ninth Commandment を指すようですね。
日本語だと、「あなたは隣人について偽証してはならない(汝、隣人について偽証するなかれ)」に当たります。
lie 「嘘をつく」という言葉を、十戒に出てくる表現(bear false witness)を使って言い換えたことで、聖書的、キリスト教的言い回しになったことを、「ほら私、今でも牧師っぽい言い方できるでしょ、私、牧師になれそうよね」と言ってみせたわけですね。
bear false witness は、牧師さんだけではなく、一般に広く使われる表現のようで、辞書にも普通に載っていますが、ここでは、引用符のジェスチャーをつけて、lie をわざわざその表現に言い換えたことで、「ちょっとこんな言い方してみた」感を強調したことになるでしょう。
何とか冗談で和まそうとしても、やはりエリカの怒りは収まらない様子。
次にモニカは、自分の正直な気持ちを訴えます。
「私たちがあなたに真実を話せば、まだ考えてくれるかもしれないって、私たちは願っていた」ということですね。
consider-- で、モニカのセリフは終わっていて、その consider 以下の内容を、エリカが giving という -ing 形(動名詞)を使って、続けて言っていることになります。
「〜することを(よく)考える」と言う場合、consider doing のように、後ろには動名詞が続く形を取りますが、その動名詞部分を、エリカが giving... で続けているわけですね。
あきれた口調で言っている Giving you my baby? は、「私の赤ちゃんをあなたたちにあげることを、私が考えるかもしれない、って言いたいわけ?」というニュアンスです。
You think I'd give you my child after this? は、「この後で(こんなことがあった後で)、私があなたたちに私の子供をあげるだろうって、あなたたちは思うわけ?」というところ。
嘘をつかれていたと知った後で、嘘をついていた人に自分の子供をホイホイ渡すとでも思ってるの? みたいに言ったことになるでしょう。
モニカは、「今すぐにここで決める必要はないのよ。でもちょっと私たちのファイルを見てくれたら…」と言いかけるのですが、激怒していて聞く耳持たないエリカは、「あなたたちのファイルなんか見たくないわ! これで終わりよ・おしまいよ」と言って、部屋を出て行くことになります。
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2016年04月11日
誰に託されるかを知る権利がある フレンズ10-9その4
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養子縁組を希望しているチャンドラーとモニカは、養子縁組斡旋事務所で赤ちゃんを妊娠中の女性(エリカ)と面接します。
システム上のミスで、「チャンドラーが医者、モニカが牧師」だと思い込んでいるエリカは、二人と面談した後、「私の心は決まっています。お二人を里親として選びます」と宣言します。
[Scene: Monica and Chandler's hotel room. They enter.]
モニカとチャンドラーのホテルの部屋。二人が入ってくる。
チャンドラー: We are NOT signing those papers. (俺たちは、その(養子縁組の)書類にサインはしないよ。)
モニカ: Why not? (どうしてダメなの?)
チャンドラー: It's wrong. They made a mistake. They think we're somebody else. (間違ってるよ。みんな勘違いしてるんだ。俺たちが別の誰かだとみんな思ってるんだよ。)
モニカ: God works in mysterious ways. (神様はミステリアスなやりかたで行動されるのよ。)
チャンドラー: You have gotta stop! (それ、やめなきゃだめだよ!)
モニカ: But she liked us. (でも、エリカは私たちのことを気に入ってたわ。)
チャンドラー: She likes Doctor Chandler and Reverend Monica. (エリカは、医者のチャンドラーと牧師のモニカが好きなんだよ。)
モニカ: Well, if you think about it, I'm kind of like a reverend. I mean, as a chef, I serve God by feeding the hungry and poor. (looks very convinced about what she just said) (あぁ、ちょっと考えてみてよ、私は牧師みたいなもんよ。ほら、シェフとして、私は神に仕えてるの、空腹で貧しい人々に食物を与えることでね。[自分がたった今言ったことに非常に納得した様子で])
チャンドラー: Your veal chop is $34.95! (君の店の子牛肉のチョップは、34ドル95セントもするんだぞ!)
モニカ: C'mon Chandler, I just-- I think we've been given an opportunity. I mean, the mistake's already been made. They're writing up the papers right now. (ねぇ、チャンドラー、私はただ… 私たちはチャンスを与えられたと思ってるの。ほら、間違いはすでに起こってしまってるのよ。今頃、書類を作成しているところだわ。)
チャンドラー: But we are not the ones she chose! How can you feel okay about this? (でも俺たちは彼女が選んだ人じゃない。どうやったらこのことが問題ないって君には思えるんだ?[どうして君は平気なんだ?])
モニカ: (very emotional) Because.... We may not be who she thinks we are... but no one will ever love that baby more than us. ([非常に感情的に] だって… 私たちは彼女が思ってる人じゃないかもしれない…でも、私たちよりもその子を愛せる人はいないわ。)
チャンドラー: I know. (わかってるよ。)
モニカ: I mean, who knows how long it's gonna take for someone else to give us a baby? What if, what if no one ever picks us? (だって、誰か別の人が私たちに赤ちゃんをくれるのに、どれだけの時間がかかるかなんて誰にもわからないわ。もし、もし誰も私たちを選んでくれなかったら?)
チャンドラー: Oh, honey.... (あぁ、ハニー。)
モニカ: (Almost crying) Please? Please. We are so close. ([ほとんど泣きそうになって] お願いよ? お願い。もう少しなの[私たち、あとちょっとのところまできてるのよ]。)
チャンドラー: Monica, I want a baby too. But this woman is giving away her child. She deserves to know who it's going to. (モニカ、俺だって赤ちゃんは欲しいよ。でもこの女性は自分の子供を手放そうとしてるんだ。彼女はその子が誰の手に託されるのかを知る権利がある。)
モニカ: (realizes Chandler is right. She's almost crying) Okay. You're right. (They hug) ([チャンドラーが正しいと悟る。モニカはほとんど泣きそうである] わかった。あなたが正しいわ。[二人はハグする])
部屋に入るなり、チャンドラーは、「俺たちはその(養子縁組の)書類にサインしないぞ」と言っています。
モニカが「どうしてダメなの?」と尋ねると、チャンドラーは「それは間違いだ。彼らは勘違いしてるんだ。彼らは俺たちを他の誰かだと思ってるんだ」と言います。
they というのは、赤ちゃんを妊娠中のエリカや、この養子斡旋業者の担当男性などのことですね。
チャンドラーの指摘は正しいものですが、それに対してモニカは、God works in mysterious ways. と返します。
直訳すると、「神は働く・動く、ミステリアスな方法で」になるでしょう。
DVDの日本語音声では「神は謎めいた行いをなさるのよ」と訳されていましたが、まさにそういうことですね。
神様が(通常とは異なる)謎めいた行動をされたせいで、みんなが勘違いすることになってしまった。この勘違いが起こったのは、神のいたずら、神のご意志よ、みたいに言ってみせたわけですね。
この表現が、「牧師だと勘違いされて、牧師のふりをし続ける」ことの続きであるのは明らかなので、チャンドラーは、You have gotta stop! 「(そんなことをするのを)やめなきゃだめだ。いい加減、そんな牧師の真似事をするのはやめて!」と言っているのですね。
モニカはそれでも反論して、「でもエリカは私たちのことを気に入ってたわ」と返します。
それに対してチャンドラーは、「彼女は俺たちのことを気に入っていたんじゃなくて、医者のチャンドラーと牧師のモニカを気に入っていたんだ」と、モニカにとっては痛いところを指摘します。
エリカ自身が「書類を見た時から、心はほぼ決まっていた」と言っていた通り、二人の職業が決め手であって、俺たちのことを選んだのは、俺が医者で君が牧師だと思い込んでいたからだ、ということですね。
するとモニカは、「ちょっと考えてみて。私は牧師みたいなものよ」と言い出します。
そして、「ほら、シェフとして、私は神に仕えてる。空腹で貧しい人々に食物を与えることで」と言います。
the hungry and poor のように、the+形容詞の形は、「(形容詞)である人々」を指しますね。
料理人として、恵まれない人々に食べ物を提供していることは、神に仕えることと同じ、と言ってみせたわけですが、それを聞いたチャンドラーは、「君の店の子牛肉のチョップは、34ドル95セントだ!」と指摘し、小さな子牛肉のチョップに、そんな高値を付けてるくせに、それで「貧しい人々に食事を提供している」みたいに言うなよな、お金持ち相手の高級店のシェフをしているのに、そんな理屈は通らない、とチャンドラーは言いたいのですね。
ちなみに、veal というのは「子牛肉」のことですが、この単語はフレンズ9-7 に出てきました。
フィービーがマイクの両親の家に挨拶に行った時、料理に子牛肉が出てきたシーンがあったのですね。
フィービーはベジタリアンなので、普段なら肉は食べないのですが、マイクとマイクの両親の顔を立てるために、無理して食べようとしたのが、その veal 「子牛肉」でした。
また、フレンズ9-21 でも、レイチェルがマッサージチェーン店のサービス券を使おうとした時に、「フィービーはマッサージチェーン店を憎んでるから、友達のあなたはそこに行っちゃだめ」とモニカに止められた時、
レイチェル: Ah, what, now I can't get a massage? There are so many things that she disapproves of! I can't eat veal. I can't wear fur. I can't go hunting. (あぁ、何? 私はマッサージを受けられないの? フィービーが認めないものってすっごくたくさんあるのよ! 子牛を食べちゃだめ。毛皮を着ちゃだめ。ハンティングに行っちゃだめ、って。)
というセリフを言っていました。
動物愛護の精神が強いフィービーにとっては、「まだ小さな子牛の肉を食べること」というのは、一番抵抗が大きいのでしょうね。
それで、レイチェルもこんな風に、いろんな肉の中で特に子牛肉を例に挙げてみせたということでしょう。
veal という単語自体は、料理に出てくる名前なのでさほど重要ではないでしょうが、veal と聞いて、フレンズ9-7 や 9-21 に出てきたことを思い出したりするのも楽しいのではないかと思い、ちょっと触れてみました(^^)
「シェフの仕事って、ある意味、牧師みたいなものよ」という意見が、あっさりチャンドラーに否定されてしまった後、モニカはもう冗談でごまかすことはやめ、真剣にチャンドラーに訴えています。
モニカの言い分としては、「私たちはチャンスを与えられたと思ってる。もう間違いは起こってしまった。彼らは今頃書類を作成しているところだ」ということですね。
「経緯はどうあれ、実際にそういう手違い・勘違いが起こってしまったことを、私はチャンスをもらえたんだと考えてるの。間違いはもう起こってしまったんだから、今さら訂正できない。彼らだってもう、書類を作成中なんだから、もう後戻りはできないわ」と言っていることになります。
それに対してチャンドラーは、「でも俺たちは、彼女が(書類上で)選んだ人じゃない!」と言って、How can you feel okay about this? と言っています。
直訳すると、「この件について、どのようにして君はオーケーと感じることができるのか?」ということで、「彼女が選んだ人じゃないのに、どうしてそれで問題ないって(平気だって)思えるんだ? 嘘をついて契約するなんて何でそんなことができるんだ?」と言っていることになります。
「君は嘘をついたままで平気なのか? 良心が痛まないのか?」みたいに言われたモニカは、泣きそうな顔になって、Because.... We may not be who... 以下のセリフを言っています。
直訳すると、「だって… 私たちは彼女が私たちだと思う人ではないかもしれない… でも、誰もその赤ちゃんを私たち以上には愛せない」ということですね。
「私たちは、書類でエリカが選んだ人ではないけれど、エリカが思っている人ではないとしても、私たち以上にその赤ちゃんを愛せる人なんかいない、って私には断言できる。職業なんかどうでもいいじゃない。私たちは絶対にその子を愛して、その子を幸せにしてあげられるんだから!」とモニカは言っているのですね。
そう言っているモニカの気持ちは、チャンドラーも痛いほどわかるのでしょう、I know. 「わかってるよ」と答えると、モニカはさらに続けます。
who knows how long... は、「他の誰かが私たちに赤ちゃんをくれるのに、どれだけの長い期間がかかるかは誰にもわからない」ということで、「今回のことがダメになったら、次にその話が来るのがいつになるかわからない、どれだけ待たないといけなくなるかわからない」ということ。
what if no one ever picks us? は、「もし誰も私たちを(里親として)選んでくれなかったら?」ですね。
このチャンスを逃すと、次はいつになるかわからない、もう一生、里親になるチャンスは来ないかもしれない、と言われ、チャンドラーもすぐには返す言葉が出てきません。
We are so close. は、「私たちはすごく近いところにいる。ゴールまでもう少しのところにいる」という「あとちょっと、もうちょっと」というニュアンス。
せっかくここまで来たのに、あきらめられない、という気持ちがよく出ていますね。
モニカがそう訴えるのを聞いた後、チャンドラーは静かな声で、「モニカ、俺だって赤ちゃんは欲しいよ」と言った後、「でもこの女性(エリカ)は自分の子供を(他人に)引き渡そうとしているんだ」と続けます。
その次のセリフ、She deserves to know who it's going to. について。
deserve to do は「〜する価値がある、〜を受けるに足る、〜するべきである」という意味で、it's going to の it = her baby ですね。
まだ妊娠2ヶ月で、性別がわからない赤ちゃんのことを、中性代名詞の it で表現していることになります。
the baby is going to someone のように、「その赤ちゃんがある人のところに行く」の someone 部分が、「誰(のところに行くか)」の who となって前に出たのが、who it's going to の形ですね。
その文を直訳すると、「自分の赤ちゃんが誰のところに行くことになるかを、彼女は知るべきである(彼女にはそれを知る権利がある)」と言っていることになります。
このセリフは「子供を産んだ母親」が持つ「知る権利」ですが、生まれた子供の方から、その「知る権利」を語っているセリフが、過去のフレンズにありました。
自分がどこから来たのかを知る権利 フレンズ3-25その6 の以下のセリフです。
フィービー: Now, look, I deserve to know where I came from. All right? So if you can help me find my father, then you should. (ねぇ、私は私がどこから来たのかを知る権利があるの。そうでしょ? だから、私がお父さんを探すのをあなたが助けることができるなら、それならあなたは助けるべきだわ。)
ママの旧友の家に、自分のパパらしき人物が写っている写真を発見して、その旧友に「パパのこと知ってるなら教えて」と言っているシーンでした。
ここでも、deserve to know という同じ表現が使われていますよね。
今回のエピソードに戻ります。
モニカの気持ちはよくわかるけれど、自分が産んだ子を手放す彼女のことも考えてあげないと、とチャンドラーは言っているわけですね。
その子を産むことになる彼女は、里親となる相手のことを知る権利がある、彼女に対して嘘をつき通すことは、やっぱりいけないことなんだよ、と諭したことになるでしょう。
相手の女性には知る権利がある、と言われて、とうとうモニカもチャンドラーの意見が正しいことを受け入れることになります。
このシーンでは、最初はモニカが牧師の真似をし続けたり、とコメディっぽいセリフも入っていましたが、二人にとっては人生を左右する重大な事柄なので、途中からはお互い、真剣な話し合いをすることになります。
モニカは自分の気持ちを正直に述べ、チャンドラーはそれを理解しつつも、「正しいことをしよう」と説得し、最後にはモニカもそれに従う、という流れになっていますね。
過去のフレンズでは、好きだけど別れなければいけなかった時などに、I did the right thing. 「自分は正しい(と思える)ことをした」と言ったりするシーンが出てきます。
誰かが悩んだ末に出した結論に対して、その相手を励ますために、You did the right thing. 「あなたは正しいことをしたのよ」と言うシーンもよく見かけます。
今回のシーンでは、モニカは悪いことだとわかっていても、嘘をつき通してでも、このチャンスを逃したくないと強く思っていたわけですが、それを夫のチャンドラーが静かに諭して、We did the right thing. 「俺たちは正しいことをした」と言える結論に辿り着いた、という気がします。
シットコムは基本コメディではありますが、10シーズンかけて6人が成長してきたドラマでもありますし、その「シリアスなドラマ」の部分が、今回のシーンによく出ていたように思いました。
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養子縁組を希望しているチャンドラーとモニカは、養子縁組斡旋事務所で赤ちゃんを妊娠中の女性(エリカ)と面接します。
システム上のミスで、「チャンドラーが医者、モニカが牧師」だと思い込んでいるエリカは、二人と面談した後、「私の心は決まっています。お二人を里親として選びます」と宣言します。
[Scene: Monica and Chandler's hotel room. They enter.]
モニカとチャンドラーのホテルの部屋。二人が入ってくる。
チャンドラー: We are NOT signing those papers. (俺たちは、その(養子縁組の)書類にサインはしないよ。)
モニカ: Why not? (どうしてダメなの?)
チャンドラー: It's wrong. They made a mistake. They think we're somebody else. (間違ってるよ。みんな勘違いしてるんだ。俺たちが別の誰かだとみんな思ってるんだよ。)
モニカ: God works in mysterious ways. (神様はミステリアスなやりかたで行動されるのよ。)
チャンドラー: You have gotta stop! (それ、やめなきゃだめだよ!)
モニカ: But she liked us. (でも、エリカは私たちのことを気に入ってたわ。)
チャンドラー: She likes Doctor Chandler and Reverend Monica. (エリカは、医者のチャンドラーと牧師のモニカが好きなんだよ。)
モニカ: Well, if you think about it, I'm kind of like a reverend. I mean, as a chef, I serve God by feeding the hungry and poor. (looks very convinced about what she just said) (あぁ、ちょっと考えてみてよ、私は牧師みたいなもんよ。ほら、シェフとして、私は神に仕えてるの、空腹で貧しい人々に食物を与えることでね。[自分がたった今言ったことに非常に納得した様子で])
チャンドラー: Your veal chop is $34.95! (君の店の子牛肉のチョップは、34ドル95セントもするんだぞ!)
モニカ: C'mon Chandler, I just-- I think we've been given an opportunity. I mean, the mistake's already been made. They're writing up the papers right now. (ねぇ、チャンドラー、私はただ… 私たちはチャンスを与えられたと思ってるの。ほら、間違いはすでに起こってしまってるのよ。今頃、書類を作成しているところだわ。)
チャンドラー: But we are not the ones she chose! How can you feel okay about this? (でも俺たちは彼女が選んだ人じゃない。どうやったらこのことが問題ないって君には思えるんだ?[どうして君は平気なんだ?])
モニカ: (very emotional) Because.... We may not be who she thinks we are... but no one will ever love that baby more than us. ([非常に感情的に] だって… 私たちは彼女が思ってる人じゃないかもしれない…でも、私たちよりもその子を愛せる人はいないわ。)
チャンドラー: I know. (わかってるよ。)
モニカ: I mean, who knows how long it's gonna take for someone else to give us a baby? What if, what if no one ever picks us? (だって、誰か別の人が私たちに赤ちゃんをくれるのに、どれだけの時間がかかるかなんて誰にもわからないわ。もし、もし誰も私たちを選んでくれなかったら?)
チャンドラー: Oh, honey.... (あぁ、ハニー。)
モニカ: (Almost crying) Please? Please. We are so close. ([ほとんど泣きそうになって] お願いよ? お願い。もう少しなの[私たち、あとちょっとのところまできてるのよ]。)
チャンドラー: Monica, I want a baby too. But this woman is giving away her child. She deserves to know who it's going to. (モニカ、俺だって赤ちゃんは欲しいよ。でもこの女性は自分の子供を手放そうとしてるんだ。彼女はその子が誰の手に託されるのかを知る権利がある。)
モニカ: (realizes Chandler is right. She's almost crying) Okay. You're right. (They hug) ([チャンドラーが正しいと悟る。モニカはほとんど泣きそうである] わかった。あなたが正しいわ。[二人はハグする])
部屋に入るなり、チャンドラーは、「俺たちはその(養子縁組の)書類にサインしないぞ」と言っています。
モニカが「どうしてダメなの?」と尋ねると、チャンドラーは「それは間違いだ。彼らは勘違いしてるんだ。彼らは俺たちを他の誰かだと思ってるんだ」と言います。
they というのは、赤ちゃんを妊娠中のエリカや、この養子斡旋業者の担当男性などのことですね。
チャンドラーの指摘は正しいものですが、それに対してモニカは、God works in mysterious ways. と返します。
直訳すると、「神は働く・動く、ミステリアスな方法で」になるでしょう。
DVDの日本語音声では「神は謎めいた行いをなさるのよ」と訳されていましたが、まさにそういうことですね。
神様が(通常とは異なる)謎めいた行動をされたせいで、みんなが勘違いすることになってしまった。この勘違いが起こったのは、神のいたずら、神のご意志よ、みたいに言ってみせたわけですね。
この表現が、「牧師だと勘違いされて、牧師のふりをし続ける」ことの続きであるのは明らかなので、チャンドラーは、You have gotta stop! 「(そんなことをするのを)やめなきゃだめだ。いい加減、そんな牧師の真似事をするのはやめて!」と言っているのですね。
モニカはそれでも反論して、「でもエリカは私たちのことを気に入ってたわ」と返します。
それに対してチャンドラーは、「彼女は俺たちのことを気に入っていたんじゃなくて、医者のチャンドラーと牧師のモニカを気に入っていたんだ」と、モニカにとっては痛いところを指摘します。
エリカ自身が「書類を見た時から、心はほぼ決まっていた」と言っていた通り、二人の職業が決め手であって、俺たちのことを選んだのは、俺が医者で君が牧師だと思い込んでいたからだ、ということですね。
するとモニカは、「ちょっと考えてみて。私は牧師みたいなものよ」と言い出します。
そして、「ほら、シェフとして、私は神に仕えてる。空腹で貧しい人々に食物を与えることで」と言います。
the hungry and poor のように、the+形容詞の形は、「(形容詞)である人々」を指しますね。
料理人として、恵まれない人々に食べ物を提供していることは、神に仕えることと同じ、と言ってみせたわけですが、それを聞いたチャンドラーは、「君の店の子牛肉のチョップは、34ドル95セントだ!」と指摘し、小さな子牛肉のチョップに、そんな高値を付けてるくせに、それで「貧しい人々に食事を提供している」みたいに言うなよな、お金持ち相手の高級店のシェフをしているのに、そんな理屈は通らない、とチャンドラーは言いたいのですね。
ちなみに、veal というのは「子牛肉」のことですが、この単語はフレンズ9-7 に出てきました。
フィービーがマイクの両親の家に挨拶に行った時、料理に子牛肉が出てきたシーンがあったのですね。
フィービーはベジタリアンなので、普段なら肉は食べないのですが、マイクとマイクの両親の顔を立てるために、無理して食べようとしたのが、その veal 「子牛肉」でした。
また、フレンズ9-21 でも、レイチェルがマッサージチェーン店のサービス券を使おうとした時に、「フィービーはマッサージチェーン店を憎んでるから、友達のあなたはそこに行っちゃだめ」とモニカに止められた時、
レイチェル: Ah, what, now I can't get a massage? There are so many things that she disapproves of! I can't eat veal. I can't wear fur. I can't go hunting. (あぁ、何? 私はマッサージを受けられないの? フィービーが認めないものってすっごくたくさんあるのよ! 子牛を食べちゃだめ。毛皮を着ちゃだめ。ハンティングに行っちゃだめ、って。)
というセリフを言っていました。
動物愛護の精神が強いフィービーにとっては、「まだ小さな子牛の肉を食べること」というのは、一番抵抗が大きいのでしょうね。
それで、レイチェルもこんな風に、いろんな肉の中で特に子牛肉を例に挙げてみせたということでしょう。
veal という単語自体は、料理に出てくる名前なのでさほど重要ではないでしょうが、veal と聞いて、フレンズ9-7 や 9-21 に出てきたことを思い出したりするのも楽しいのではないかと思い、ちょっと触れてみました(^^)
「シェフの仕事って、ある意味、牧師みたいなものよ」という意見が、あっさりチャンドラーに否定されてしまった後、モニカはもう冗談でごまかすことはやめ、真剣にチャンドラーに訴えています。
モニカの言い分としては、「私たちはチャンスを与えられたと思ってる。もう間違いは起こってしまった。彼らは今頃書類を作成しているところだ」ということですね。
「経緯はどうあれ、実際にそういう手違い・勘違いが起こってしまったことを、私はチャンスをもらえたんだと考えてるの。間違いはもう起こってしまったんだから、今さら訂正できない。彼らだってもう、書類を作成中なんだから、もう後戻りはできないわ」と言っていることになります。
それに対してチャンドラーは、「でも俺たちは、彼女が(書類上で)選んだ人じゃない!」と言って、How can you feel okay about this? と言っています。
直訳すると、「この件について、どのようにして君はオーケーと感じることができるのか?」ということで、「彼女が選んだ人じゃないのに、どうしてそれで問題ないって(平気だって)思えるんだ? 嘘をついて契約するなんて何でそんなことができるんだ?」と言っていることになります。
「君は嘘をついたままで平気なのか? 良心が痛まないのか?」みたいに言われたモニカは、泣きそうな顔になって、Because.... We may not be who... 以下のセリフを言っています。
直訳すると、「だって… 私たちは彼女が私たちだと思う人ではないかもしれない… でも、誰もその赤ちゃんを私たち以上には愛せない」ということですね。
「私たちは、書類でエリカが選んだ人ではないけれど、エリカが思っている人ではないとしても、私たち以上にその赤ちゃんを愛せる人なんかいない、って私には断言できる。職業なんかどうでもいいじゃない。私たちは絶対にその子を愛して、その子を幸せにしてあげられるんだから!」とモニカは言っているのですね。
そう言っているモニカの気持ちは、チャンドラーも痛いほどわかるのでしょう、I know. 「わかってるよ」と答えると、モニカはさらに続けます。
who knows how long... は、「他の誰かが私たちに赤ちゃんをくれるのに、どれだけの長い期間がかかるかは誰にもわからない」ということで、「今回のことがダメになったら、次にその話が来るのがいつになるかわからない、どれだけ待たないといけなくなるかわからない」ということ。
what if no one ever picks us? は、「もし誰も私たちを(里親として)選んでくれなかったら?」ですね。
このチャンスを逃すと、次はいつになるかわからない、もう一生、里親になるチャンスは来ないかもしれない、と言われ、チャンドラーもすぐには返す言葉が出てきません。
We are so close. は、「私たちはすごく近いところにいる。ゴールまでもう少しのところにいる」という「あとちょっと、もうちょっと」というニュアンス。
せっかくここまで来たのに、あきらめられない、という気持ちがよく出ていますね。
モニカがそう訴えるのを聞いた後、チャンドラーは静かな声で、「モニカ、俺だって赤ちゃんは欲しいよ」と言った後、「でもこの女性(エリカ)は自分の子供を(他人に)引き渡そうとしているんだ」と続けます。
その次のセリフ、She deserves to know who it's going to. について。
deserve to do は「〜する価値がある、〜を受けるに足る、〜するべきである」という意味で、it's going to の it = her baby ですね。
まだ妊娠2ヶ月で、性別がわからない赤ちゃんのことを、中性代名詞の it で表現していることになります。
the baby is going to someone のように、「その赤ちゃんがある人のところに行く」の someone 部分が、「誰(のところに行くか)」の who となって前に出たのが、who it's going to の形ですね。
その文を直訳すると、「自分の赤ちゃんが誰のところに行くことになるかを、彼女は知るべきである(彼女にはそれを知る権利がある)」と言っていることになります。
このセリフは「子供を産んだ母親」が持つ「知る権利」ですが、生まれた子供の方から、その「知る権利」を語っているセリフが、過去のフレンズにありました。
自分がどこから来たのかを知る権利 フレンズ3-25その6 の以下のセリフです。
フィービー: Now, look, I deserve to know where I came from. All right? So if you can help me find my father, then you should. (ねぇ、私は私がどこから来たのかを知る権利があるの。そうでしょ? だから、私がお父さんを探すのをあなたが助けることができるなら、それならあなたは助けるべきだわ。)
ママの旧友の家に、自分のパパらしき人物が写っている写真を発見して、その旧友に「パパのこと知ってるなら教えて」と言っているシーンでした。
ここでも、deserve to know という同じ表現が使われていますよね。
今回のエピソードに戻ります。
モニカの気持ちはよくわかるけれど、自分が産んだ子を手放す彼女のことも考えてあげないと、とチャンドラーは言っているわけですね。
その子を産むことになる彼女は、里親となる相手のことを知る権利がある、彼女に対して嘘をつき通すことは、やっぱりいけないことなんだよ、と諭したことになるでしょう。
相手の女性には知る権利がある、と言われて、とうとうモニカもチャンドラーの意見が正しいことを受け入れることになります。
このシーンでは、最初はモニカが牧師の真似をし続けたり、とコメディっぽいセリフも入っていましたが、二人にとっては人生を左右する重大な事柄なので、途中からはお互い、真剣な話し合いをすることになります。
モニカは自分の気持ちを正直に述べ、チャンドラーはそれを理解しつつも、「正しいことをしよう」と説得し、最後にはモニカもそれに従う、という流れになっていますね。
過去のフレンズでは、好きだけど別れなければいけなかった時などに、I did the right thing. 「自分は正しい(と思える)ことをした」と言ったりするシーンが出てきます。
誰かが悩んだ末に出した結論に対して、その相手を励ますために、You did the right thing. 「あなたは正しいことをしたのよ」と言うシーンもよく見かけます。
今回のシーンでは、モニカは悪いことだとわかっていても、嘘をつき通してでも、このチャンスを逃したくないと強く思っていたわけですが、それを夫のチャンドラーが静かに諭して、We did the right thing. 「俺たちは正しいことをした」と言える結論に辿り着いた、という気がします。
シットコムは基本コメディではありますが、10シーズンかけて6人が成長してきたドラマでもありますし、その「シリアスなドラマ」の部分が、今回のシーンによく出ていたように思いました。
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2016年04月08日
完全な匿名性を保証するシステム フレンズ10-9その3
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養子縁組斡旋業者の事務所で、赤ちゃんを妊娠中の女性エリカと面談しているチャンドラーとモニカ。
業者のシステム上のミスで、エリカは、チャンドラーを医者、モニカを牧師だと勘違いしています。
(The agency guy enters the room)
斡旋業者の男性が部屋に入ってくる。
斡旋業者の男性: So how's everything going in here? (それでここではどんな感じに進んでますか?)
エリカ: We're great. I think I may have asked all my questions. (最高です。自分の質問は全部聞けたかも、って思います。)
斡旋業者の男性: Good. Do you have any questions for Erica? (良かった。エリカさんに何か質問はありますか?)
チャンドラー: Yeah, actually. So you read a file that you liked and then you gave the agency the serial number and they contacted us? (えぇ、実は。それじゃあ、あなたはあるファイルを読んでそれが気に入って、それから斡旋業者にシリアルナンバーを渡して、業者が私たちにコンタクトしてきたわけですか?)
斡旋業者の男性: Yes. Our system ensures total anonymity. We're very proud of it. (そうです。私たちのシステムは完全な匿名性を保証しています。私たちはそれがとても誇りなんですよ。)
チャンドラー: You should be. You're really on top of stuff. (あなたがたはそれを誇りに思うべきですね。あなたがたは本当に、物事を完全に掌握していますよ。)
斡旋業者の男性: (to Erica) Well then, if there's nothing else, then the two of us should talk. ([エリカに] それでは、もし他に何もないのなら、それでは私たち二人だけで話しましょう。)
エリカ: I actually.... I don't think we have to. (実は…そうする必要はないと思います。)
モニカ: We don't? (そうする必要がない?)
エリカ: Yeah, when I read about you two, I was pretty sure I wanted you, but I just thought we should meet face to face. (to the agency guy) I've made my decision. I choose them. (えぇ、あなたがた二人のことを読んだ時、私が望むのはあなたがただと確信したんです、でも直接会うべきだと思ったので。[斡旋の男性に] 私の気持ちは決まっています。私は彼らを選びます。)
モニカ: Oh my God, this is great! This is so great! (to Chandler, who looks bewildered) Did you hear that? (なんてこと、これって最高だわ! これってすっごく最高だわ! [チャンドラーに向かって、そのチャンドラーは当惑した顔をしている] 今の聞いた?)
チャンドラー: Yeah, I did. (あぁ、聞いたよ。)
モニカ: (to Erica) Hey, thank you. Thank you so much. (they hugs) You are SO going to heaven! ([エリカに] まぁ、ありがとう。本当にありがとう。[二人はハグする] あなたは絶対に天国に行けるわ!)
斡旋業者の男性が、面談中の部屋に入ってきて、So how's...? と尋ねています。
直訳すると、「それで、ここでは(この部屋の中では)全てがどのように進行していますか?」というところで、「今、どんな感じですか? いい感じに話は進んでますか?」と状況を尋ねる質問になるでしょう。
We're great. は「私たちは最高です」ですから、「私たちは、いい感じに話ができています。いい雰囲気で過ごしています」というところ。
I think I may have asked all my questions. の may have asked は may have p.p. (過去分詞)の形で、「〜したかもしれない」。
直訳すると、「私は自分の全ての質問を尋ねたかもしれないと思う」ということで、「聞きたいと思っていたことの全てが聞けた気がする」のように、この面談で聞きたいことが全て聞けて満足している様子を語っていることになるでしょう。
エリカからはもう質問がなさそうなので、斡旋の男性は、チャンドラー側に「質問はありますか?」と尋ねます。
Yeah, actually. は「ええ、実は」というところで、そんな風に話を振っていただいて助かる、実はこちらから聞きたいことがあったんですよね、という気持ちが出ていますね。
So you read a file that... の文章は長いですが、前から順番にイメージしていくと、「それじゃあ、あなたは、あるファイルを読んで、あなたはそのファイルを気に入った」→「それから斡旋業者にそのシリアルナンバー(整理番号)を伝えた」→「そして彼ら(斡旋業者)が我々に連絡した」ということですね。
斡旋業者が自分たちに連絡してくるまでの手順を、ここでチャンドラーが確認していることになります。
それを聞いた業者の男性は、Our system ensures total anonymity. と言った後、小声で、We're very proud of it. と付け足しています。
ensure は「〜を確かにする、確実にする、保証する」、anonymity は「匿名性」ですね。
「私たちの(養子縁組斡旋)システムは、完全な匿名性を保証しています」ということで、名前は伏せた状態のシリアルナンバーのみでの認識システムを、完全な匿名性と言っていることになります。
「私たちはそれ(完全な匿名システム)がとても自慢・誇りなんですよ」と小声で誇らしげに言う相手に、チャンドラーは、ちょっと冷めた様子で、You should be. と返します。
言葉としては、「これがうちの自慢なんですよ」「ええ、是非自慢して下さい(いいシステムですよね)」ということですが、これはチャンドラーの大いなる皮肉ですね。
完全な匿名性で、シリアルナンバーのみでのやりとりとなっているために、エリカが選んだ「医者と牧師のカップル」ではないチャンドラーとモニカに連絡が行ってしまっても、連絡段階で間違いに気づくことができなかったわけで、そのせいで今、チャンドラーたちは困った立場に追い込まれているわけです。
そのシステムを「うちの自慢です」と得意げに言う相手には、「ええ、確かに自慢のシステムですよねぇ〜」と皮肉を言うしかないわけですね。
You're really on top of stuff. の on top of は「〜の上に」ということから、「〜の優位に立って、〜を支配・掌握して」という意味で使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
on top of something : in complete control of a job, situation etc.
例) Nathan always stays on top of things.
つまり、「仕事や状況などを完全にコントロール(掌握)している」。例文は、「ネイサンは常に、物事を掌握している」。
実際には、「番号だけの管理のため、間違った相手を紹介してしまう」という事態を引き起こしており、業者の知らないところで、システムがトラブっているわけですが、それを皮肉っぽく、「あなたたちはこのシステムを完全に掌握していて、システムが完璧に機能している」と言ってみせたことになります。
それ以上、お互い質問もない様子なので、斡旋の男性は、「他に何もないのなら、私たち二人だけで話しましょう」とエリカに言います。
里親候補である二人のいないところで、彼らについてどう思うか、彼らを里親として認めるかどうかの返事を聞かせてほしい、ということですね。
それに対して、エリカは、「実は二人だけで話す必要はないと思います」と言って立ち上がります。
そして、エリカは、チャンドラーとモニカを前にして、自分の考えを伝えることになります。
when I read... のセリフを直訳すると、「私があなたがた二人について(のファイルを)読んだ時、私があなたがたを望んでいると私は強く確信していた。でも私はただ思ったんです、私たちは直接会う[顔を合わせる、対面する]べきだって」になるでしょう。
つまり、「ファイルを読んで、あなたたちのことを知った時から、あなたたちに里親になってほしいと確信していたけれど、資料だけで決めるのではなく、実際に直接会うことも必要だろうと思ったから会うことにした」というところですね。
I've made my decision. I choose them. 「私はすでに決心しました(心を決めています)。私は彼らを(子供の里親に)選びます」とエリカに言われ、モニカは感動したように立ちあがって、great と連呼しています。
とにかく嬉しいと感動している様子のモニカに対し、チャンドラーはト書きにあるように、戸惑った顔をしています。
最初エリカが勘違いしているとわかった時にも、チャンドラーはその間違いをすぐに訂正しようとしていましたし、今も、モニカが「医者と牧師のカップルのふりをしよう」と考えているのに合わせているだけに過ぎません。
エリカの when I read about you two... のセリフにあるように、エリカは会ってから決めようと思っていたわけではなく、会う前からほぼ心は決まっていた、と言っていることになるわけですが、その表現からも、「父親が医者で、母親が牧師」という里親夫婦の職業が最大の決め手になっていることがよくわかりますね。
本当はその情報は間違いであることを考えると、そのセリフを聞いたチャンドラーとしては素直に喜べなかっただろうことが容易に想像できます。
直前にエリカの口から、「二人の職業が最大の決め手である」ことがはっきり語られていることで、「あなたたちを選びます」という嬉しいはずのニュースにも素直に喜べない、、というチャンドラーの心の動きが見ている人にも痛いほど伝わるわけですね。
また、モニカの方は、「相手が自分たちの職業を勘違いしてても構わない」というように、とにかく「この子の里親になりたい」という気持ちのみであることがよくわかります。
Did you hear that? Yeah, I did. 「今の聞いた?」「あぁ、聞いたよ」という会話の二人の声のトーンの違いが、今の二人の気持ちの温度差をよく表していると思います。
見ている観客も、その二人の受け止め方の違いを感じずにはいられないので、見ていても少し辛くなってしまうシーンではありますが、コメディのシーン終わりのお約束として、モニカが、You are SO going to heaven! と言うことで笑いが起きるのが、せめてもの救いといったところでしょうか。
これは、You are going to heaven! 「あなたは天国に行ける」に、強調の意味で so がついた形で、セリフでも、so が強く発音されていますね。
so は、so much, so good のような形で使われることが多いですが、口語英語ではこのように、動詞を強調する形でも使われることがありますね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
so [adverb] : (informal) used like "definitely" before phrases to emphasize what you are saying
例) I am so going to punish you for that.
つまり、「(インフォーマル) 自分が言っていることを強調するために、フレーズの前に、definitely のように使われる」。例文は、「そのことで、私は君を必ず(絶対に)罰する(懲らしめる)ぞ」。
里親として選ばれた後もまだ、牧師のふりをし続けて、「よい行いをしたあなたは、きっと天国に行ける!」と言ってみせた、というオチになるわけですね。
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養子縁組斡旋業者の事務所で、赤ちゃんを妊娠中の女性エリカと面談しているチャンドラーとモニカ。
業者のシステム上のミスで、エリカは、チャンドラーを医者、モニカを牧師だと勘違いしています。
(The agency guy enters the room)
斡旋業者の男性が部屋に入ってくる。
斡旋業者の男性: So how's everything going in here? (それでここではどんな感じに進んでますか?)
エリカ: We're great. I think I may have asked all my questions. (最高です。自分の質問は全部聞けたかも、って思います。)
斡旋業者の男性: Good. Do you have any questions for Erica? (良かった。エリカさんに何か質問はありますか?)
チャンドラー: Yeah, actually. So you read a file that you liked and then you gave the agency the serial number and they contacted us? (えぇ、実は。それじゃあ、あなたはあるファイルを読んでそれが気に入って、それから斡旋業者にシリアルナンバーを渡して、業者が私たちにコンタクトしてきたわけですか?)
斡旋業者の男性: Yes. Our system ensures total anonymity. We're very proud of it. (そうです。私たちのシステムは完全な匿名性を保証しています。私たちはそれがとても誇りなんですよ。)
チャンドラー: You should be. You're really on top of stuff. (あなたがたはそれを誇りに思うべきですね。あなたがたは本当に、物事を完全に掌握していますよ。)
斡旋業者の男性: (to Erica) Well then, if there's nothing else, then the two of us should talk. ([エリカに] それでは、もし他に何もないのなら、それでは私たち二人だけで話しましょう。)
エリカ: I actually.... I don't think we have to. (実は…そうする必要はないと思います。)
モニカ: We don't? (そうする必要がない?)
エリカ: Yeah, when I read about you two, I was pretty sure I wanted you, but I just thought we should meet face to face. (to the agency guy) I've made my decision. I choose them. (えぇ、あなたがた二人のことを読んだ時、私が望むのはあなたがただと確信したんです、でも直接会うべきだと思ったので。[斡旋の男性に] 私の気持ちは決まっています。私は彼らを選びます。)
モニカ: Oh my God, this is great! This is so great! (to Chandler, who looks bewildered) Did you hear that? (なんてこと、これって最高だわ! これってすっごく最高だわ! [チャンドラーに向かって、そのチャンドラーは当惑した顔をしている] 今の聞いた?)
チャンドラー: Yeah, I did. (あぁ、聞いたよ。)
モニカ: (to Erica) Hey, thank you. Thank you so much. (they hugs) You are SO going to heaven! ([エリカに] まぁ、ありがとう。本当にありがとう。[二人はハグする] あなたは絶対に天国に行けるわ!)
斡旋業者の男性が、面談中の部屋に入ってきて、So how's...? と尋ねています。
直訳すると、「それで、ここでは(この部屋の中では)全てがどのように進行していますか?」というところで、「今、どんな感じですか? いい感じに話は進んでますか?」と状況を尋ねる質問になるでしょう。
We're great. は「私たちは最高です」ですから、「私たちは、いい感じに話ができています。いい雰囲気で過ごしています」というところ。
I think I may have asked all my questions. の may have asked は may have p.p. (過去分詞)の形で、「〜したかもしれない」。
直訳すると、「私は自分の全ての質問を尋ねたかもしれないと思う」ということで、「聞きたいと思っていたことの全てが聞けた気がする」のように、この面談で聞きたいことが全て聞けて満足している様子を語っていることになるでしょう。
エリカからはもう質問がなさそうなので、斡旋の男性は、チャンドラー側に「質問はありますか?」と尋ねます。
Yeah, actually. は「ええ、実は」というところで、そんな風に話を振っていただいて助かる、実はこちらから聞きたいことがあったんですよね、という気持ちが出ていますね。
So you read a file that... の文章は長いですが、前から順番にイメージしていくと、「それじゃあ、あなたは、あるファイルを読んで、あなたはそのファイルを気に入った」→「それから斡旋業者にそのシリアルナンバー(整理番号)を伝えた」→「そして彼ら(斡旋業者)が我々に連絡した」ということですね。
斡旋業者が自分たちに連絡してくるまでの手順を、ここでチャンドラーが確認していることになります。
それを聞いた業者の男性は、Our system ensures total anonymity. と言った後、小声で、We're very proud of it. と付け足しています。
ensure は「〜を確かにする、確実にする、保証する」、anonymity は「匿名性」ですね。
「私たちの(養子縁組斡旋)システムは、完全な匿名性を保証しています」ということで、名前は伏せた状態のシリアルナンバーのみでの認識システムを、完全な匿名性と言っていることになります。
「私たちはそれ(完全な匿名システム)がとても自慢・誇りなんですよ」と小声で誇らしげに言う相手に、チャンドラーは、ちょっと冷めた様子で、You should be. と返します。
言葉としては、「これがうちの自慢なんですよ」「ええ、是非自慢して下さい(いいシステムですよね)」ということですが、これはチャンドラーの大いなる皮肉ですね。
完全な匿名性で、シリアルナンバーのみでのやりとりとなっているために、エリカが選んだ「医者と牧師のカップル」ではないチャンドラーとモニカに連絡が行ってしまっても、連絡段階で間違いに気づくことができなかったわけで、そのせいで今、チャンドラーたちは困った立場に追い込まれているわけです。
そのシステムを「うちの自慢です」と得意げに言う相手には、「ええ、確かに自慢のシステムですよねぇ〜」と皮肉を言うしかないわけですね。
You're really on top of stuff. の on top of は「〜の上に」ということから、「〜の優位に立って、〜を支配・掌握して」という意味で使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
on top of something : in complete control of a job, situation etc.
例) Nathan always stays on top of things.
つまり、「仕事や状況などを完全にコントロール(掌握)している」。例文は、「ネイサンは常に、物事を掌握している」。
実際には、「番号だけの管理のため、間違った相手を紹介してしまう」という事態を引き起こしており、業者の知らないところで、システムがトラブっているわけですが、それを皮肉っぽく、「あなたたちはこのシステムを完全に掌握していて、システムが完璧に機能している」と言ってみせたことになります。
それ以上、お互い質問もない様子なので、斡旋の男性は、「他に何もないのなら、私たち二人だけで話しましょう」とエリカに言います。
里親候補である二人のいないところで、彼らについてどう思うか、彼らを里親として認めるかどうかの返事を聞かせてほしい、ということですね。
それに対して、エリカは、「実は二人だけで話す必要はないと思います」と言って立ち上がります。
そして、エリカは、チャンドラーとモニカを前にして、自分の考えを伝えることになります。
when I read... のセリフを直訳すると、「私があなたがた二人について(のファイルを)読んだ時、私があなたがたを望んでいると私は強く確信していた。でも私はただ思ったんです、私たちは直接会う[顔を合わせる、対面する]べきだって」になるでしょう。
つまり、「ファイルを読んで、あなたたちのことを知った時から、あなたたちに里親になってほしいと確信していたけれど、資料だけで決めるのではなく、実際に直接会うことも必要だろうと思ったから会うことにした」というところですね。
I've made my decision. I choose them. 「私はすでに決心しました(心を決めています)。私は彼らを(子供の里親に)選びます」とエリカに言われ、モニカは感動したように立ちあがって、great と連呼しています。
とにかく嬉しいと感動している様子のモニカに対し、チャンドラーはト書きにあるように、戸惑った顔をしています。
最初エリカが勘違いしているとわかった時にも、チャンドラーはその間違いをすぐに訂正しようとしていましたし、今も、モニカが「医者と牧師のカップルのふりをしよう」と考えているのに合わせているだけに過ぎません。
エリカの when I read about you two... のセリフにあるように、エリカは会ってから決めようと思っていたわけではなく、会う前からほぼ心は決まっていた、と言っていることになるわけですが、その表現からも、「父親が医者で、母親が牧師」という里親夫婦の職業が最大の決め手になっていることがよくわかりますね。
本当はその情報は間違いであることを考えると、そのセリフを聞いたチャンドラーとしては素直に喜べなかっただろうことが容易に想像できます。
直前にエリカの口から、「二人の職業が最大の決め手である」ことがはっきり語られていることで、「あなたたちを選びます」という嬉しいはずのニュースにも素直に喜べない、、というチャンドラーの心の動きが見ている人にも痛いほど伝わるわけですね。
また、モニカの方は、「相手が自分たちの職業を勘違いしてても構わない」というように、とにかく「この子の里親になりたい」という気持ちのみであることがよくわかります。
Did you hear that? Yeah, I did. 「今の聞いた?」「あぁ、聞いたよ」という会話の二人の声のトーンの違いが、今の二人の気持ちの温度差をよく表していると思います。
見ている観客も、その二人の受け止め方の違いを感じずにはいられないので、見ていても少し辛くなってしまうシーンではありますが、コメディのシーン終わりのお約束として、モニカが、You are SO going to heaven! と言うことで笑いが起きるのが、せめてもの救いといったところでしょうか。
これは、You are going to heaven! 「あなたは天国に行ける」に、強調の意味で so がついた形で、セリフでも、so が強く発音されていますね。
so は、so much, so good のような形で使われることが多いですが、口語英語ではこのように、動詞を強調する形でも使われることがありますね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
so [adverb] : (informal) used like "definitely" before phrases to emphasize what you are saying
例) I am so going to punish you for that.
つまり、「(インフォーマル) 自分が言っていることを強調するために、フレーズの前に、definitely のように使われる」。例文は、「そのことで、私は君を必ず(絶対に)罰する(懲らしめる)ぞ」。
里親として選ばれた後もまだ、牧師のふりをし続けて、「よい行いをしたあなたは、きっと天国に行ける!」と言ってみせた、というオチになるわけですね。
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2016年04月06日
behold=見よ、という聖書的表現 フレンズ10-9その2
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養子縁組の親となる面接で、その赤ちゃんを妊娠しているエリカという女性と対面したチャンドラーとモニカ。
養子縁組斡旋業者(エージェンシー)のシステム上のミスで、エリカは「チャンドラーが医者で、モニカが牧師である」と勘違いしています。
チャンドラーは間違いを訂正しようとするのですが、モニカは、"Let her finish, doctor." 「彼女の話を最後まで聞きましょう、ドクター」とチャンドラーに呼び掛けて、医者と牧師のふりをし続けようとしています。
[Scene: The Adoption Agency in Ohio. Monica and Chandler are still talking with Erica.]
オハイオの養子縁組斡旋業者。モニカとチャンドラーはまだエリカと話をしている。
チャンドラー: So the fact that I am a doctor and my wife's a reverend, that's important to you? (それで、僕が医者で、僕の妻が牧師だという事実、それはあなたにとって重要なんですか?)
エリカ: Yeah. I read some great applications, but then I thought, "Who better than a minister to raise a child?" (ええ。私は素晴らしい申請書をいくつか読みましたが、その時、思ったんです、「子供を育てるのに、牧師以上の人なんているかしら?」って。)
モニカ: Amen. (アーメン。)
エリカ: Plus, I thought the baby would be in good hands with a doctor! (それに、赤ちゃんはお医者さんにお世話してもらえたらな、と思ってました。)
モニカ: Uh, good hands. (she holds Chandler hands) Healing hands. (えぇ、安心よ。[モニカはチャンドラーの手を握る] 癒しの手なの。)
エリカ: Reverend, can I ask? Does the Bible say anything about adoption? (牧師さん、質問していいですか? 聖書には養子(に出すこと)について、何か書いてありますか?)
モニカ: It says, "Do it!" "And behold, she did adopt unto them a baby. And it was good." (聖書にはこう書いてあります、「それをせよ!」と。「そして、見よ、彼女はまさに彼らに赤ちゃんを養子に出した。そしてそれは良きことだった」。)
エリカ: Wow. (ワォ。)
チャンドラー: Yeah, wow. (あぁ、ワォだ。)
チャンドラーが医者、モニカが牧師(reverend)だと勘違いしているエリカに、チャンドラーは「僕が医者で、モニカが牧師だという事実、それはあなたにとって重要ですか?」と尋ねています。
実際にはそれは事実(the fact)ではないわけですが、エリカがそう信じ込んでいるので、そのことがどれほど重要であるかを確認するために、わざと「二人が医者と牧師であるという”事実”」と強調した感じになるでしょう。
I read some great applications, but then I thought は、「私はいくつかの素晴らしい申請書を読んだけれど、でもその時、こう思ったんです」という感覚。
いくつかの書類を読んだ後で思った内容の、"Who better than a minister to raise a child?" を直訳すると、「子供を育てるのに、牧師(a minister)よりも良いのは誰?」になるでしょう。
つまり、「子供を育てる人として、牧師さんよりも良い人なんていないわ。牧師さんが最適だわ」と言っていることになりますね。
「子供を育ててもらえる人として、牧師さんは最高」と言われたモニカは、とってつけたような感じで、Amen. と言っています。
日本語では「アーメン」と表記されることが多いですが、モニカの英語の発音は「エイメン」となっているところにも注目しておきましょう。
in good hands は「安全に保護されて、よく世話をされて」という意味。
hands はご存知「手」ですが、そこから「管理、監督、世話、保護」という意味となり、「良き手の中に」→「良い管理・保護の中に(ある)」という意味になるわけです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
in good/safe/capable etc. hands : being dealt with or taken care of by someone who can be trusted
例) Every parent wants to make sure they're leaving their child in safe hands.
つまり、「信頼できる人によって扱われている、または、世話されていること」。例文は「全ての親は、自分の子供を信頼できる人に任せられるようにしたいと願う」。
good hands という表現を使ったエリカに同意するように、good hands と言った後、モニカはチャンドラーの手を掴み、「この手は、healing hands (癒しの手)なの」と言っています。
相手が勘違いしたまま、こちらのことを褒め続けることに、一緒に乗っかっているのがよくわかる感じですね。
その後、エリカはモニカに、「聖書では、養子(に出すこと)について何か言っていますか? 聖書にはそのことについて何か書いてありますか?」と尋ねています。
say は「言う」ですが、"書物 says" だと、「書物に…だと書いてある」という意味ですね。
モニカも、It says 「聖書には〜と書いてあります」と say を使って、聖書には養子についてどう書いてあるかを、牧師さん風の口調で語ることになります。
"Do it!" の it = adoption で、「養子については、”養子に出すということをせよ(養子に出せ)”と聖書には書いてある」というニュアンス。
その後の、"And behold, she did adopt unto them a baby. And it was good." も、聖書っぽい口調で語られているのがポイントですね。
behold は「見る」という動詞ですが、間投詞として「見よ!」という意味で使われることがあります。
古い言葉で、聖書などにもよく登場する単語です。
研究社 新英和中辞典では、その間投詞の意味として、以下のように説明されています。
behold=【間】
[注意を促すのに用いて] 見よ
Lo and behold! 《戯言》 いや(はや)これは驚いた。
Behold, the man! ⇒ecce homo.
Behold, the man! の参照先の ecce home. を見てみると、
ecce homo 【名】【C】 エッケホモ 《イバラの冠をいただいたキリストの肖像画》
語源:ラテン語 ‘Behold the man! (見よ、この人を)' の意
と説明されています。
このエッケホモという言葉の説明からも、キリストや聖書との関連性の深さが感じられますね。
LAAD では、
behold : (literary or old use) to see or to look at something (SYN: see)
つまり、「(文語的、または古い使用) 何かを見ること。(類義語: see)
ですから、see 「見る」と同じ意味で、それの古い表現、文語的表現の単語、ということになりますね。
behold 「見よ」の後の文章、she did adopt unto them a baby. について。
ここでは unto という前置詞が使われていますが、研究社 新英和中辞典では、
unto=【前】《古・詩》 …に、…のほうへ、…まで (注: to と同義の古い形)
Come unto me, all ye that labour. すべて労する者われに来たれ (注:聖書「マタイ伝」から)
と説明されています。
この説明からも、unto は、to と同じ意味の前置詞で、例文のように、聖書で使われるような古語であることがよくわかります。
And it was good. は、DVDの日本語訳では、「よき行いだった」と訳されていましたが、まさにそんな感じの聖書的な表現を使って、モニカは「牧師のふりをし続けている」というのがわかる面白さということですね。
エリカは、「養子に出すことを神様はどうおっしゃっているのかしら?」と不安だったはずですが、(エリカが信じているところの)”牧師のモニカ”に「そうしなさい、と神は言っている。養子に出すことは良きことである」と言われ、感動した様子で、Wow. と声に出します。
それを聞いたチャンドラーは、隣のモニカをあきれた様子で見ながら、Yeah, wow. と言っていますが、これは「牧師であると偽り続け、そんなでたらめなことまで言って、相手に Wow. って言わせるなんて、俺の方が、Wow. って言いたいよ」という気持ちなわけですね。
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養子縁組の親となる面接で、その赤ちゃんを妊娠しているエリカという女性と対面したチャンドラーとモニカ。
養子縁組斡旋業者(エージェンシー)のシステム上のミスで、エリカは「チャンドラーが医者で、モニカが牧師である」と勘違いしています。
チャンドラーは間違いを訂正しようとするのですが、モニカは、"Let her finish, doctor." 「彼女の話を最後まで聞きましょう、ドクター」とチャンドラーに呼び掛けて、医者と牧師のふりをし続けようとしています。
[Scene: The Adoption Agency in Ohio. Monica and Chandler are still talking with Erica.]
オハイオの養子縁組斡旋業者。モニカとチャンドラーはまだエリカと話をしている。
チャンドラー: So the fact that I am a doctor and my wife's a reverend, that's important to you? (それで、僕が医者で、僕の妻が牧師だという事実、それはあなたにとって重要なんですか?)
エリカ: Yeah. I read some great applications, but then I thought, "Who better than a minister to raise a child?" (ええ。私は素晴らしい申請書をいくつか読みましたが、その時、思ったんです、「子供を育てるのに、牧師以上の人なんているかしら?」って。)
モニカ: Amen. (アーメン。)
エリカ: Plus, I thought the baby would be in good hands with a doctor! (それに、赤ちゃんはお医者さんにお世話してもらえたらな、と思ってました。)
モニカ: Uh, good hands. (she holds Chandler hands) Healing hands. (えぇ、安心よ。[モニカはチャンドラーの手を握る] 癒しの手なの。)
エリカ: Reverend, can I ask? Does the Bible say anything about adoption? (牧師さん、質問していいですか? 聖書には養子(に出すこと)について、何か書いてありますか?)
モニカ: It says, "Do it!" "And behold, she did adopt unto them a baby. And it was good." (聖書にはこう書いてあります、「それをせよ!」と。「そして、見よ、彼女はまさに彼らに赤ちゃんを養子に出した。そしてそれは良きことだった」。)
エリカ: Wow. (ワォ。)
チャンドラー: Yeah, wow. (あぁ、ワォだ。)
チャンドラーが医者、モニカが牧師(reverend)だと勘違いしているエリカに、チャンドラーは「僕が医者で、モニカが牧師だという事実、それはあなたにとって重要ですか?」と尋ねています。
実際にはそれは事実(the fact)ではないわけですが、エリカがそう信じ込んでいるので、そのことがどれほど重要であるかを確認するために、わざと「二人が医者と牧師であるという”事実”」と強調した感じになるでしょう。
I read some great applications, but then I thought は、「私はいくつかの素晴らしい申請書を読んだけれど、でもその時、こう思ったんです」という感覚。
いくつかの書類を読んだ後で思った内容の、"Who better than a minister to raise a child?" を直訳すると、「子供を育てるのに、牧師(a minister)よりも良いのは誰?」になるでしょう。
つまり、「子供を育てる人として、牧師さんよりも良い人なんていないわ。牧師さんが最適だわ」と言っていることになりますね。
「子供を育ててもらえる人として、牧師さんは最高」と言われたモニカは、とってつけたような感じで、Amen. と言っています。
日本語では「アーメン」と表記されることが多いですが、モニカの英語の発音は「エイメン」となっているところにも注目しておきましょう。
in good hands は「安全に保護されて、よく世話をされて」という意味。
hands はご存知「手」ですが、そこから「管理、監督、世話、保護」という意味となり、「良き手の中に」→「良い管理・保護の中に(ある)」という意味になるわけです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
in good/safe/capable etc. hands : being dealt with or taken care of by someone who can be trusted
例) Every parent wants to make sure they're leaving their child in safe hands.
つまり、「信頼できる人によって扱われている、または、世話されていること」。例文は「全ての親は、自分の子供を信頼できる人に任せられるようにしたいと願う」。
good hands という表現を使ったエリカに同意するように、good hands と言った後、モニカはチャンドラーの手を掴み、「この手は、healing hands (癒しの手)なの」と言っています。
相手が勘違いしたまま、こちらのことを褒め続けることに、一緒に乗っかっているのがよくわかる感じですね。
その後、エリカはモニカに、「聖書では、養子(に出すこと)について何か言っていますか? 聖書にはそのことについて何か書いてありますか?」と尋ねています。
say は「言う」ですが、"書物 says" だと、「書物に…だと書いてある」という意味ですね。
モニカも、It says 「聖書には〜と書いてあります」と say を使って、聖書には養子についてどう書いてあるかを、牧師さん風の口調で語ることになります。
"Do it!" の it = adoption で、「養子については、”養子に出すということをせよ(養子に出せ)”と聖書には書いてある」というニュアンス。
その後の、"And behold, she did adopt unto them a baby. And it was good." も、聖書っぽい口調で語られているのがポイントですね。
behold は「見る」という動詞ですが、間投詞として「見よ!」という意味で使われることがあります。
古い言葉で、聖書などにもよく登場する単語です。
研究社 新英和中辞典では、その間投詞の意味として、以下のように説明されています。
behold=【間】
[注意を促すのに用いて] 見よ
Lo and behold! 《戯言》 いや(はや)これは驚いた。
Behold, the man! ⇒ecce homo.
Behold, the man! の参照先の ecce home. を見てみると、
ecce homo 【名】【C】 エッケホモ 《イバラの冠をいただいたキリストの肖像画》
語源:ラテン語 ‘Behold the man! (見よ、この人を)' の意
と説明されています。
このエッケホモという言葉の説明からも、キリストや聖書との関連性の深さが感じられますね。
LAAD では、
behold : (literary or old use) to see or to look at something (SYN: see)
つまり、「(文語的、または古い使用) 何かを見ること。(類義語: see)
ですから、see 「見る」と同じ意味で、それの古い表現、文語的表現の単語、ということになりますね。
behold 「見よ」の後の文章、she did adopt unto them a baby. について。
ここでは unto という前置詞が使われていますが、研究社 新英和中辞典では、
unto=【前】《古・詩》 …に、…のほうへ、…まで (注: to と同義の古い形)
Come unto me, all ye that labour. すべて労する者われに来たれ (注:聖書「マタイ伝」から)
と説明されています。
この説明からも、unto は、to と同じ意味の前置詞で、例文のように、聖書で使われるような古語であることがよくわかります。
And it was good. は、DVDの日本語訳では、「よき行いだった」と訳されていましたが、まさにそんな感じの聖書的な表現を使って、モニカは「牧師のふりをし続けている」というのがわかる面白さということですね。
エリカは、「養子に出すことを神様はどうおっしゃっているのかしら?」と不安だったはずですが、(エリカが信じているところの)”牧師のモニカ”に「そうしなさい、と神は言っている。養子に出すことは良きことである」と言われ、感動した様子で、Wow. と声に出します。
それを聞いたチャンドラーは、隣のモニカをあきれた様子で見ながら、Yeah, wow. と言っていますが、これは「牧師であると偽り続け、そんなでたらめなことまで言って、相手に Wow. って言わせるなんて、俺の方が、Wow. って言いたいよ」という気持ちなわけですね。
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