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フィービーの結婚式当日。ニューヨークはここ20年で一番の大雪に見舞われ、橋は封鎖、街のほとんどが停電となってしまいます。
「雪はほとんどやんでいるし、きれいな雪景色となっている外で結婚式をやったら?」というレイチェルの提案にみんなが賛成し、急遽、セントラルパークの外で路上結婚式をすることになります。
モニカ: Level one alert! I repeat, level one, this is not a drill! Okay, we've got a situation. The minister just called. He's snowed in, he can't make it. (レベル1非常警報発令! 繰り返す。レベル1。これは演習ではない! 大変な状況になった。司祭からたった今電話があった。彼は雪で足止めされて、こちらに来られない。)
マイク: Oh, no! (あぁ、なんてこった!)
ジョーイ: Oh, hey, don't worry. I'm still ordained from your wedding. (あぁ、ねぇ、心配いらないよ。俺は君ら[モニカたち]の結婚式から、まだ司祭に任命されたままの状態だよ。)
モニカ: Really? (ほんとに?)
ジョーイ: Yeah. You think I'd give up being a minister and start paying to ride the subway? Uhh-uh... (あぁ。俺が司祭でいることをやめて、地下鉄に乗るのに金を払い始めたりすると思うか?)
ロス: Uhm, ministers don't ride the subway for free. (えーっと、司祭は地下鉄をタダで乗らないよ。)
ジョーイ: I had to read the Bible pretty carefully, but... yeah, we do. (聖書をかなり注意深く読まないといけなかったんだけど、でも… そうだよ、司祭はみんなそうしてる。)
頭にヘッドセットをつけたモニカは、Level one alert! と叫んでいます。
口調からもわかるように、このセリフも軍隊っぽい言い方ですね。
直訳すると、「レベル1非常警報(発令)! 繰り返す、レベル1、これは演習ではない」。
drill にはまず、日本の小学生が学校で使う「計算ドリル、漢字ドリル」のような「反復練習」としてのドリルの意味があります。
ここでは軍隊用語としての「訓練、演習」を指しています。
日本語訳を聞くと、何となくイメージが湧きますが、「繰り返す、これは演習ではない」というのは、軍隊のような組織が出てくる作品での決まり文句ですよね。
私がこの言い回しを初めて意識したのは、私が中2の秋(笑)、超時空要塞マクロス第1話「ブービー・トラップ」での
早瀬未沙中尉:本艦は現在、異星人と交戦中である。これは演習ではない。繰り返す。これは演習ではない。
というセリフでした。
いかにも軍隊っぽい言い回しで、非常に印象に残っていたのですが、その後、大人になってから見たスタートレックでも、以下のような言い回しが出てきました。
新スタートレック(TNG)の 1-14 「盗まれたエンタープライズ」(原題: 11001001)で、エンタープライズ号から反物質が放出される危険が報告された後のアナウンスで、
データ少佐: This is Lieutenant Commander Data speaking for the Captain. Abandon ship. This is not a drill. All personnel. This is not a drill. I say again, abandon ship. All personnel, this is not a drill. (こちらは艦長代理のデータ少佐だ。艦を放棄せよ。これは訓練ではない。総員に告ぐ。これは訓練ではない。繰り返す、船を放棄せよ。総員に告ぐ、これは訓練ではない。)
データ少佐は、I repeat ではなく、I say again と言っていますが、This is not a drill. 「これは訓練(演習)ではない」を繰り返すのは同じですね。
I repeat. については、ジャック・バウアーの「24 -TWENTY FOUR-」では頻出で、
Suspect down. I repeat, suspect down. (1-18)
The bomb is onsite. I repeat: the bomb is onsite. (2-14)
The virus is out. I repeat, the virus is out. (3-3)
のような形で出てきます。
ネットでよく聞く言葉に、「大事なことなので二回(二度)言いました」というフレーズがありますが(ちなみに、このフレーズの元ネタは、タフデントのCMだそうですw)、聞き間違いがあっては困るような重要な報告の場合に、「文. I repeat. 文」のように同じ内容を繰り返すのは、どこの国でも同じ感覚なんだなぁ、と。(長い脱線すみません)
we've got a situation. は「ある状況を得た、ある状況になってしまった」というところですが、研究社 新英和中辞典に、
situation=(物語・劇などの)急場、きわどい場面、大詰め
という意味が載っていること、わざわざ、言葉にして何かしらの状況になった、と言っていることからも、単なる「ある状況」ではなく、何かしらの大変な状況になったことを言っていると考えることができるでしょう。
minister は、prime minister で「首相」という意味ですが、結婚式の話においての The minister は「(結婚式を執り行う)司祭」のことですね。
just called は「たった今、電話してきた」。
snow in は「雪+中に」という感覚からわかるように、「〜を雪で覆う、閉じ込める」という意味なので、He is snowed in は「雪で動けなくなっている、大雪で(交通機関が動かず)足止めされている」という意味になります。
間もなく結婚式だというのに大雪のため司祭が来られない、というニュースに、新郎のマイクはショックを受けますが、隣にいたジョーイは落ち着いた様子で、「心配しなくていいよ」と言った後、I'm still ordained from your wedding. と言います。
ordain は「(人)を(牧師・司祭に)任命する」という意味。
ですから、このセリフは、「君ら(チャンドラーとモニカ)の結婚式で司祭に任命されてから、ずっとそのまま、俺は司祭に任命された状態である」と言っていることになります。
司祭の資格を今でも持ったままでいる、ということですね。
ジョーイ自身が言っているように、チャンドラーとモニカの結婚式を執り行うために、ジョーイが司祭の資格を取る話が、過去記事、与える受け取る所有する分け合う フレンズ7-16その3 に出てきました。
そこでも、"You got ordained?!" (牧師に任命されたのね?)というセリフで、ordain という単語が登場しています。
その後、「ずっと司祭のままでいた理由」をジョーイは説明します。
ちょっと長めのセリフですが、シンプルな構造にすると、You think I'd give up ... and start 〜 ということですね。
「俺が…をあきらめて、〜し始めたりすると思うのか?」というところで、具体的な内容は「俺が司祭であることをやめて、地下鉄に乗るために金を払い始めたりすると思うか?」と言っていることになります。
このジョーイの話だと、「司祭をやめたら、地下鉄に乗る時に金を払わないといけなくなるから、だから司祭のままでいる」と言っていることになりますが、それを聞いたロスはあきれた顔で、「司祭は地下鉄を無料で(タダで)乗らない」→「司祭だからって地下鉄が無料で乗れるわけじゃなくて、みんな運賃を払って乗っている」と指摘します。
それを聞いたジョーイは、「俺は(司祭になるために)聖書をかなり注意深く読まないといけなかったんだけど、でも、そうだよ、俺たち(司祭)はみんなそうしてる(地下鉄にタダで乗ってる)」と言うことになります。
聖職者だから交通機関がタダ、みたいにジョーイは勝手に思い込んでいるようですが、その根拠として、「聖書をかなり注意深く読んだけど、確かにそう書いてあった」みたいに言っているところが、このセリフの面白さのポイントになっています。
地下鉄などの交通機関がない時代の聖書に、聖職者が地下鉄にタダで乗れるうんぬんの文言が書いてあるはずもありません。
聖書を例に出し、「マニュアル読み込んだけど、ちゃんと書いてあったし」みたいに言っている面白さだということですね。
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2016年05月30日
2016年05月27日
パパの家に転がり込んだら話は別だけどね フレンズ10-12その2
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明日マイクと結婚式を挙げる予定のフィービーは「養父は刑務所にいて出席できないから、バージンロードをエスコートする父親役をジョーイにやってほしい」と頼み、ジョーイはそれを快諾します。
[Scene: Wedding rehearsal dinner. Joey and Mike are talking.]
結婚式のリハーサル・ディナー。ジョーイとマイクが話をしている。
ジョーイ: So, you know I'm filling in for Phoebe's stepdad, tomorrow, right? (それで、俺が明日、フィービーの養父の代役をするって知ってるよな?)
マイク: Yeah, yeah. Hey, thanks for doing that. (あぁ、あぁ。そうしてくれて、ありがとう。)
ジョーイ: Oh, hey, my pleasure. (he suddenly becomes very serious) So, what are your intentions with my Phoebe? (あぁ、こちらこそだよ。[ジョーイは突然、非常にまじめになる] それで、うちの[私の]フィービーと結婚するつもりなのかね、君は?)
マイク: I intend to marry her. (僕は彼女と結婚するつもりだけど。)
ジョーイ: Oh, a wiseacre. (Mike looks bewildered) No, no, no, I understand you plan to support your wife by playing the piano? Isn't that kind of unstable? (おぉ、生意気なことを言うねぇ。[マイクは当惑した顔をする] 違う違う、ピアノ演奏(の仕事)で妻を養うつもりだってことはわかってるさ。それってちょっと不安定じゃないのかな?)
マイク: No more so than acting. (役者より不安定ってことはないよ。)
ジョーイ: Strike two! (2ストライク!)
マイク: You're right. She probably will support me. Hey, unless we move in with you, Dad. (君の言う通りだね。多分フィービーが僕を支えてくれるだろう。ほら、僕らがあなたの家に転がり込んだら話は別だけどね、パパ。)
ジョーイ: Strike three! You only get one more, Mike! (3ストライク(三振)! (バッターアウトまで)あと1回だぞ、マイク!)
fill in for は「(人)の代役・代行を務める」。「(人)のために中を満たす」→「空いている穴を埋める」というような感覚になるでしょう。
マイクがお礼を言った後、ジョーイは急に真面目な顔になって、So, what are your intentions with my Phoebe? と尋ねます。
intention は「意図、意志、意向、心づもり」なので、直訳すると、「私のフィービーのことで君の意向はどうなのか?」的なことを尋ねていることになりますが、実はこの文は、ただの「意志、意向」よりももっとはっきり「結婚の意志」を問うているセリフになります。
研究社 新英和中辞典では、
intention=[複数形で] (交際中の女性に対する男性の)結婚の意志
(例) He has honorable intentions. 「彼は正式に結婚するつもりでいる」
と出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
what are your intentions (toward somebody)? : (old-fashioned or humorous) used to ask someone whether or not they plan to marry someone else
つまり、「(古い、またはユーモラスな表現) 相手が誰か他の人と結婚する予定があるのかどうかを尋ねる時に使われる」。
今回のセリフは、what are your intentions with somebody のように、toward ではなく、with が使われていますが、形はほぼ同じですね。
具体的に結婚という言葉は使われてはいませんが、この言い回しで、「君は(その人と)結婚する気があるのかね? 結婚するつもりなのかね?」と尋ねていることになります。
「古い(時代遅れの)またはユーモラスな表現」ということなので、養父の代わりをすることになったジョーイが、「うちのフィービー、私の可愛いフィービーと結婚するつもりなのかね、君は?」とすっかり父親気分になって言っている面白さになるでしょう。
いきなり、古風な父親が言うように「結婚の意志はあるのか?」と聞かれたマイクは、内心、「明日結婚式やるんだから、結婚する気があるに決まってるじゃん」と思ったでしょうが、ここは素直に、「僕は彼女と結婚するつもりだ、結婚する意志がある」と答えます。
そんな当たり前の返事に対して、ジョーイが、Oh, a wiseacre. と答えるので、マイクは当惑の表情を浮かべています。
wiseacre は「利口ぶる人、生意気な人」。
LAAD では、
wiseacre [noun] : (old-fashioned) someone who says or does annoying things, especially to make themselves seem smarter than other people
つまり、「(古い表現) うっとうしいことを言ったりしたりする人、特に、他人より自分が賢く見えるようにするために」。
この単語も old-fashioned であることがまたポイントですね。
古めかしい表現を使うことで、「昔ながらの頑固親父が娘の結婚についてあれこれ言っている」感じが出ているということです。
「結婚するつもりがあるのか?」と聞かれ、「結婚するつもりです」と素直に答えたのに、それを「自分を賢く見せようと、えらそうなことを言うじゃないか」みたいに言われてしまったので、マイクはジョーイの発言の意図が見えず、困った顔をしていることになるでしょう。
ジョーイの意図を計りかねているマイクを見て、ジョーイは、I understand you plan to support your wife by playing the piano? と続けます。
「ピアノを演奏することで、君が、君の妻(となるフィービー)を支える(養う)つもりなのは理解してるよ」ということですね。
マイクはピアニストなので、そう言っているわけですが、その後、「それってちょっと不安定じゃないかな?」→「ピアニストの仕事で十分に妻を養っていけると、君は考えているのか?」と言います。
マイクが返したセリフ、No more so than acting. を直訳すると、「アクティング(演技すること)よりもそう(unstable)である、ということはない」ですから、「俳優の仕事よりも不安定ということはない」と言っていることになり、「俳優の仕事だって不安定さでは似たようなもんじゃないか」と返したことになります。
するとジョーイは、Strike two! と言います。
これは、先ほど、Oh, a wiseacre. と言ったことの続きで、「また生意気なことを言った。これで二回目だぞ」という感覚で、2ストライクと表現したわけですね。
マイクの You're right. は「君の言う通り、ピアニストの仕事は不安定だよ」と認めたことになります。
「多分、(マッサージ師の仕事をしているフィービーの方が稼ぎが良くて)彼女が僕を養ってくれることになるだろうね」と言うのですが、その後、おまけのように unless を付け足して、ジョーイに「3ストライク(三振)」と言われてしまうことになります。
その流れからも、unless 以下の付け足しが「生意気発言3回目」であることがわかるのですが、セリフに出てくるこのような unless は「もし〜なら話は別だけど」と訳すとしっくりきます。
move in with は「(人)と一緒に住む(同居する)形でその人の家に引っ越して来る」という感覚ですから、「人の家に越してくる、人のところに転がり込む」というニュアンスになります。
ジョーイがすっかりパパぶって、あれこれ偉そうに言っているのを逆手に取って、「確かに生活は不安定だと思うから、パパの家に同居させてもらってもいいかなぁ、ねぇ、パパ」みたいに言ってみせたことになります。
「パパみたいに説教するなら、パパらしく僕らを養ってよ」と返したマイクに、ジョーイは「これで3回目だ」と Strike three! と言うのですが、その次のセリフがまた、笑いのポイントになっています。
普通、3ストライクで三振となり、バッターアウトなわけですが、ジョーイは「お前はあともう1回だけゲットできる」→「あともう1回ある、あともう1回やったらアウトだぞ」みたいに言っていて、既に三振でアウトであることに気づいていないような発言をしているのが面白い、ということになります。
普通に野球ファンであるジョーイが、三振でバッターアウトを知らないみたいに言っているのは、さすがにちょっとボケるにもほどがある、という気もしますが、厳格な父親になりきって、それらしいセリフを言うことに集中していて、初歩的な間違いにも気づいてない、という楽しさになるのでしょうね。
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結婚式のリハーサル・ディナー。ジョーイとマイクが話をしている。
ジョーイ: So, you know I'm filling in for Phoebe's stepdad, tomorrow, right? (それで、俺が明日、フィービーの養父の代役をするって知ってるよな?)
マイク: Yeah, yeah. Hey, thanks for doing that. (あぁ、あぁ。そうしてくれて、ありがとう。)
ジョーイ: Oh, hey, my pleasure. (he suddenly becomes very serious) So, what are your intentions with my Phoebe? (あぁ、こちらこそだよ。[ジョーイは突然、非常にまじめになる] それで、うちの[私の]フィービーと結婚するつもりなのかね、君は?)
マイク: I intend to marry her. (僕は彼女と結婚するつもりだけど。)
ジョーイ: Oh, a wiseacre. (Mike looks bewildered) No, no, no, I understand you plan to support your wife by playing the piano? Isn't that kind of unstable? (おぉ、生意気なことを言うねぇ。[マイクは当惑した顔をする] 違う違う、ピアノ演奏(の仕事)で妻を養うつもりだってことはわかってるさ。それってちょっと不安定じゃないのかな?)
マイク: No more so than acting. (役者より不安定ってことはないよ。)
ジョーイ: Strike two! (2ストライク!)
マイク: You're right. She probably will support me. Hey, unless we move in with you, Dad. (君の言う通りだね。多分フィービーが僕を支えてくれるだろう。ほら、僕らがあなたの家に転がり込んだら話は別だけどね、パパ。)
ジョーイ: Strike three! You only get one more, Mike! (3ストライク(三振)! (バッターアウトまで)あと1回だぞ、マイク!)
fill in for は「(人)の代役・代行を務める」。「(人)のために中を満たす」→「空いている穴を埋める」というような感覚になるでしょう。
マイクがお礼を言った後、ジョーイは急に真面目な顔になって、So, what are your intentions with my Phoebe? と尋ねます。
intention は「意図、意志、意向、心づもり」なので、直訳すると、「私のフィービーのことで君の意向はどうなのか?」的なことを尋ねていることになりますが、実はこの文は、ただの「意志、意向」よりももっとはっきり「結婚の意志」を問うているセリフになります。
研究社 新英和中辞典では、
intention=[複数形で] (交際中の女性に対する男性の)結婚の意志
(例) He has honorable intentions. 「彼は正式に結婚するつもりでいる」
と出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
what are your intentions (toward somebody)? : (old-fashioned or humorous) used to ask someone whether or not they plan to marry someone else
つまり、「(古い、またはユーモラスな表現) 相手が誰か他の人と結婚する予定があるのかどうかを尋ねる時に使われる」。
今回のセリフは、what are your intentions with somebody のように、toward ではなく、with が使われていますが、形はほぼ同じですね。
具体的に結婚という言葉は使われてはいませんが、この言い回しで、「君は(その人と)結婚する気があるのかね? 結婚するつもりなのかね?」と尋ねていることになります。
「古い(時代遅れの)またはユーモラスな表現」ということなので、養父の代わりをすることになったジョーイが、「うちのフィービー、私の可愛いフィービーと結婚するつもりなのかね、君は?」とすっかり父親気分になって言っている面白さになるでしょう。
いきなり、古風な父親が言うように「結婚の意志はあるのか?」と聞かれたマイクは、内心、「明日結婚式やるんだから、結婚する気があるに決まってるじゃん」と思ったでしょうが、ここは素直に、「僕は彼女と結婚するつもりだ、結婚する意志がある」と答えます。
そんな当たり前の返事に対して、ジョーイが、Oh, a wiseacre. と答えるので、マイクは当惑の表情を浮かべています。
wiseacre は「利口ぶる人、生意気な人」。
LAAD では、
wiseacre [noun] : (old-fashioned) someone who says or does annoying things, especially to make themselves seem smarter than other people
つまり、「(古い表現) うっとうしいことを言ったりしたりする人、特に、他人より自分が賢く見えるようにするために」。
この単語も old-fashioned であることがまたポイントですね。
古めかしい表現を使うことで、「昔ながらの頑固親父が娘の結婚についてあれこれ言っている」感じが出ているということです。
「結婚するつもりがあるのか?」と聞かれ、「結婚するつもりです」と素直に答えたのに、それを「自分を賢く見せようと、えらそうなことを言うじゃないか」みたいに言われてしまったので、マイクはジョーイの発言の意図が見えず、困った顔をしていることになるでしょう。
ジョーイの意図を計りかねているマイクを見て、ジョーイは、I understand you plan to support your wife by playing the piano? と続けます。
「ピアノを演奏することで、君が、君の妻(となるフィービー)を支える(養う)つもりなのは理解してるよ」ということですね。
マイクはピアニストなので、そう言っているわけですが、その後、「それってちょっと不安定じゃないかな?」→「ピアニストの仕事で十分に妻を養っていけると、君は考えているのか?」と言います。
マイクが返したセリフ、No more so than acting. を直訳すると、「アクティング(演技すること)よりもそう(unstable)である、ということはない」ですから、「俳優の仕事よりも不安定ということはない」と言っていることになり、「俳優の仕事だって不安定さでは似たようなもんじゃないか」と返したことになります。
するとジョーイは、Strike two! と言います。
これは、先ほど、Oh, a wiseacre. と言ったことの続きで、「また生意気なことを言った。これで二回目だぞ」という感覚で、2ストライクと表現したわけですね。
マイクの You're right. は「君の言う通り、ピアニストの仕事は不安定だよ」と認めたことになります。
「多分、(マッサージ師の仕事をしているフィービーの方が稼ぎが良くて)彼女が僕を養ってくれることになるだろうね」と言うのですが、その後、おまけのように unless を付け足して、ジョーイに「3ストライク(三振)」と言われてしまうことになります。
その流れからも、unless 以下の付け足しが「生意気発言3回目」であることがわかるのですが、セリフに出てくるこのような unless は「もし〜なら話は別だけど」と訳すとしっくりきます。
move in with は「(人)と一緒に住む(同居する)形でその人の家に引っ越して来る」という感覚ですから、「人の家に越してくる、人のところに転がり込む」というニュアンスになります。
ジョーイがすっかりパパぶって、あれこれ偉そうに言っているのを逆手に取って、「確かに生活は不安定だと思うから、パパの家に同居させてもらってもいいかなぁ、ねぇ、パパ」みたいに言ってみせたことになります。
「パパみたいに説教するなら、パパらしく僕らを養ってよ」と返したマイクに、ジョーイは「これで3回目だ」と Strike three! と言うのですが、その次のセリフがまた、笑いのポイントになっています。
普通、3ストライクで三振となり、バッターアウトなわけですが、ジョーイは「お前はあともう1回だけゲットできる」→「あともう1回ある、あともう1回やったらアウトだぞ」みたいに言っていて、既に三振でアウトであることに気づいていないような発言をしているのが面白い、ということになります。
普通に野球ファンであるジョーイが、三振でバッターアウトを知らないみたいに言っているのは、さすがにちょっとボケるにもほどがある、という気もしますが、厳格な父親になりきって、それらしいセリフを言うことに集中していて、初歩的な間違いにも気づいてない、という楽しさになるのでしょうね。
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2016年05月25日
ひとはちまるまる軍隊式時間 フレンズ10-12その1
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シーズン10 第12話
The One With Phoebe's Wedding (フィービー 夢のブルー・ウエディング)
原題は「フィービーの結婚式の話」
明日はフィービーとマイクの結婚式。
セントラルパークで、フィービーとジョーイが話している時、電話が鳴ります。
フィービー: (her mobile phone rings) Oh, it's my wedding planner. She's driving me crazy! (she answers) Hello? Hey, okay, stop screaming! Ok? So, halibut. All right, so salmon. Either way. I don't-I don't-- It doesn't matter to me! ([彼女の携帯電話が鳴る] あぁ、私のウェディング・プランナーよ。彼女は私をイライラさせるの! [相手の電話に答える] もしもし? ええ、いいわ、叫ぶのをやめて! いい? じゃあ、オヒョウ(カレイに似た魚)で。いいわ、じゃあ、サーモンで。どっちでもいいわ。私は、私は… 私にはどうでもいいのよ!)
モニカ: (she enters with a headset on and she's speaking into the microphone) Well, it matters to me! ([頭にヘッドセットを付けて入ってくる。マイクロフォンに向かってしゃべっている] あぁ、私には大事なことなのよ!)
フィービー: Well, I don't care. So you pick! (私はどうでもいいわ。だからあなたが選んで!)
モニカ: Did you just hang up on me? (she hangs up too) All right, look, I need you at the rehearsal dinner tonight at 1800 hours. (あなた、私の電話を今、切った? [モニカも電話を切る] いいわ、ねぇ、今夜のリハーサル・ディナー、1800(ひとはちまるまる)時には、いてね。)
フィービー: Uh-uh. Okay. What time is that? (あぁ。わかった。今のは何時なの?)
モニカ: You don't know military time? (あなた、軍隊(式)時間を知らないの?)
フィービー: Why, I must have been in missile training the day they taught that. (あら、教官がそれを教えた日、私はミサイル訓練をしていたに違いないわ。)
モニカ: Just subtract 12. (ただ、12を引けばいいのよ。)
フィービー: Okay, so... 1800 minus 12 is... one thousand, seven hundred and eighty eight-- (わかった、じゃあ… 1800マイナス12 は… 1788で…)
モニカ: (screaming) Six o'clock! ([叫びながら]6時よ!)
フィービー: Okay. (あ、そう。)
携帯電話に出たフィービーは、「(電話の相手は)私のウェディング・プランナーよ」と言って、「彼女は私をイライラさせるの!」と言っています。
そのプランナーが電話の向こうで叫んでいることが、stop screaming! 「叫ぶのをやめて!」というフィービーの言葉からもわかりますね。
halibut は「オヒョウ」というカレイに似た魚ですが、この単語がわからなくても、「じゃあ、ハリバット。いいわ、じゃあ、サーモン。どっちでもいい」というセリフから、サーモンと比較されるような魚の名前であることが想像できれば十分でしょう。
「料理の魚が何かなんて、私にはどうでもいいの!」とフィービーが言うと、ト書きにあるように、頭にヘッドセットをつけたモニカがセントラルパークに入ってきて、モニカがマイクに向かってしゃべっているところから、フィービーの電話の相手=フィービーのウェディング・プランナーがモニカである、ということがわかる仕組みです。
まぁ、モニカが姿を見せる前でも、「(そのプランナーは)叫んでいて、料理にこだわっている」という点から、モニカであると想像することは可能でしたが、頭にヘッドセットをつけている、というその姿には、笑ってしまった人も多いでしょうね。
「魚なんてどっちでもいいから、あなたが選んでよ!」とフィービーがイライラしたように言うと、モニカは「あなた、今、私の電話を切ったわね」と言って、モニカも電話を切ります。
次の、I need you at the rehearsal dinner tonight at 1800 hours. という表現が面白いですね。
「今夜のリハーサル・ディナーには、1800 hours にあなたが必要である」→「1800 hours にはあなたにいて欲しい(必ず来ておいて欲しい)」と言っていることになります。
リハーサル・ディナーは、フレンズ4-24 にも出てきましたが、「結婚式の前日に親しい人を招く夕食」のこと。
午後6時を18時のように24時間表記で言う感覚は、日本では一般的ですが、アメリカではそのように24時間で表現することはあまりない、と聞いたことがあります。
さらには、今回のモニカのセリフでは、18時のことを 1800 hours と言っていて、それを英語で読み上げる際にモニカは、eighteen hundred hours と発音しています。
「千八百時間」という感覚ですから、日本語の「18時」よりもさらに特殊な言い方であることがわかりますね。
それを聞いたフィービーが、1800 時って何時? と尋ねると、モニカは「軍隊(式)時間(military time)を、あなた知らないの?」とあきれたように言います。
18時を 1800 のように言うのは、厳密な感じが出ますし、確かに軍隊っぽい響きを感じますね。
結婚式プランナーという、女の子の夢を叶えるファンシーな仕事をしているはずなのに、巨大なイベントを仕切っているディレクターみたいにヘッドセットを着用して、まるで鬼軍曹のような軍人っぽい口調で言っている、というギャップの面白さになるでしょう。
1800 hours のニュアンスを日本語で出そうとすると、「ひとはちまるまる」みたいな感じになるかな、と思います。
(ちょっと脱線しますが)「宇宙戦艦ヤマト2199」でも、0=まる、1=ひと、2=ふた、、のような言い回しが使われていましたが、それは海上自衛隊で実際に使われている表現(元々は旧日本海軍で使われていたもの)に合わせた、とのことでした。
1800 みたいな、軍隊式の時間の呼び方を知らないの? と言われたフィービーの返しが、また面白いですね。
Why, I must have been in missile training the day they taught that. を直訳すると、「あら、彼らがそれ(そういう時間の呼び方)を教えた日、私は、ミサイル訓練にいたに違いない」になります。
「軍隊式呼び方を知らないの?」と言われれば、普通の女の子なら、「軍隊にいたことないのに、知ってるわけないじゃん?」と返すところでしょうが、「軍隊での決まりを当然知っているもの」のように言ったモニカに対する皮肉として、「時間の呼び方を教官が教えていた時、私はミサイル訓練という別のことをやっていたから、その時間の呼び方を教わることはなかった」みたいに、さも自分が軍隊経験者であるかのように言ってみせた、ということですね。
subtract は「〜を減じる、引く、差し引く」ですから、Just subtract 12. は「ただ12を引いて[引けばいい]」。
24時間表記から12時間引けば、午後何時かがわかるので、その計算方法をモニカは説明しているのですが、それに対してのフィービーの大ボケな回答に、また笑ってしまいます。
時間が 1800 と言えば、18:00=18時00分、であることは想像できそうなところですが、12を引けと言われたフィービーは、ご丁寧にも 1800(千八百)という4桁の数字から、12を引いて、それで、1788 になってしまった、、というオチです。
それで、「ボケるのもいい加減にしてよ!」みたいに、「6時よ!」とモニカが叫ぶことになるわけですね。
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シーズン10 第12話
The One With Phoebe's Wedding (フィービー 夢のブルー・ウエディング)
原題は「フィービーの結婚式の話」
明日はフィービーとマイクの結婚式。
セントラルパークで、フィービーとジョーイが話している時、電話が鳴ります。
フィービー: (her mobile phone rings) Oh, it's my wedding planner. She's driving me crazy! (she answers) Hello? Hey, okay, stop screaming! Ok? So, halibut. All right, so salmon. Either way. I don't-I don't-- It doesn't matter to me! ([彼女の携帯電話が鳴る] あぁ、私のウェディング・プランナーよ。彼女は私をイライラさせるの! [相手の電話に答える] もしもし? ええ、いいわ、叫ぶのをやめて! いい? じゃあ、オヒョウ(カレイに似た魚)で。いいわ、じゃあ、サーモンで。どっちでもいいわ。私は、私は… 私にはどうでもいいのよ!)
モニカ: (she enters with a headset on and she's speaking into the microphone) Well, it matters to me! ([頭にヘッドセットを付けて入ってくる。マイクロフォンに向かってしゃべっている] あぁ、私には大事なことなのよ!)
フィービー: Well, I don't care. So you pick! (私はどうでもいいわ。だからあなたが選んで!)
モニカ: Did you just hang up on me? (she hangs up too) All right, look, I need you at the rehearsal dinner tonight at 1800 hours. (あなた、私の電話を今、切った? [モニカも電話を切る] いいわ、ねぇ、今夜のリハーサル・ディナー、1800(ひとはちまるまる)時には、いてね。)
フィービー: Uh-uh. Okay. What time is that? (あぁ。わかった。今のは何時なの?)
モニカ: You don't know military time? (あなた、軍隊(式)時間を知らないの?)
フィービー: Why, I must have been in missile training the day they taught that. (あら、教官がそれを教えた日、私はミサイル訓練をしていたに違いないわ。)
モニカ: Just subtract 12. (ただ、12を引けばいいのよ。)
フィービー: Okay, so... 1800 minus 12 is... one thousand, seven hundred and eighty eight-- (わかった、じゃあ… 1800マイナス12 は… 1788で…)
モニカ: (screaming) Six o'clock! ([叫びながら]6時よ!)
フィービー: Okay. (あ、そう。)
携帯電話に出たフィービーは、「(電話の相手は)私のウェディング・プランナーよ」と言って、「彼女は私をイライラさせるの!」と言っています。
そのプランナーが電話の向こうで叫んでいることが、stop screaming! 「叫ぶのをやめて!」というフィービーの言葉からもわかりますね。
halibut は「オヒョウ」というカレイに似た魚ですが、この単語がわからなくても、「じゃあ、ハリバット。いいわ、じゃあ、サーモン。どっちでもいい」というセリフから、サーモンと比較されるような魚の名前であることが想像できれば十分でしょう。
「料理の魚が何かなんて、私にはどうでもいいの!」とフィービーが言うと、ト書きにあるように、頭にヘッドセットをつけたモニカがセントラルパークに入ってきて、モニカがマイクに向かってしゃべっているところから、フィービーの電話の相手=フィービーのウェディング・プランナーがモニカである、ということがわかる仕組みです。
まぁ、モニカが姿を見せる前でも、「(そのプランナーは)叫んでいて、料理にこだわっている」という点から、モニカであると想像することは可能でしたが、頭にヘッドセットをつけている、というその姿には、笑ってしまった人も多いでしょうね。
「魚なんてどっちでもいいから、あなたが選んでよ!」とフィービーがイライラしたように言うと、モニカは「あなた、今、私の電話を切ったわね」と言って、モニカも電話を切ります。
次の、I need you at the rehearsal dinner tonight at 1800 hours. という表現が面白いですね。
「今夜のリハーサル・ディナーには、1800 hours にあなたが必要である」→「1800 hours にはあなたにいて欲しい(必ず来ておいて欲しい)」と言っていることになります。
リハーサル・ディナーは、フレンズ4-24 にも出てきましたが、「結婚式の前日に親しい人を招く夕食」のこと。
午後6時を18時のように24時間表記で言う感覚は、日本では一般的ですが、アメリカではそのように24時間で表現することはあまりない、と聞いたことがあります。
さらには、今回のモニカのセリフでは、18時のことを 1800 hours と言っていて、それを英語で読み上げる際にモニカは、eighteen hundred hours と発音しています。
「千八百時間」という感覚ですから、日本語の「18時」よりもさらに特殊な言い方であることがわかりますね。
それを聞いたフィービーが、1800 時って何時? と尋ねると、モニカは「軍隊(式)時間(military time)を、あなた知らないの?」とあきれたように言います。
18時を 1800 のように言うのは、厳密な感じが出ますし、確かに軍隊っぽい響きを感じますね。
結婚式プランナーという、女の子の夢を叶えるファンシーな仕事をしているはずなのに、巨大なイベントを仕切っているディレクターみたいにヘッドセットを着用して、まるで鬼軍曹のような軍人っぽい口調で言っている、というギャップの面白さになるでしょう。
1800 hours のニュアンスを日本語で出そうとすると、「ひとはちまるまる」みたいな感じになるかな、と思います。
(ちょっと脱線しますが)「宇宙戦艦ヤマト2199」でも、0=まる、1=ひと、2=ふた、、のような言い回しが使われていましたが、それは海上自衛隊で実際に使われている表現(元々は旧日本海軍で使われていたもの)に合わせた、とのことでした。
1800 みたいな、軍隊式の時間の呼び方を知らないの? と言われたフィービーの返しが、また面白いですね。
Why, I must have been in missile training the day they taught that. を直訳すると、「あら、彼らがそれ(そういう時間の呼び方)を教えた日、私は、ミサイル訓練にいたに違いない」になります。
「軍隊式呼び方を知らないの?」と言われれば、普通の女の子なら、「軍隊にいたことないのに、知ってるわけないじゃん?」と返すところでしょうが、「軍隊での決まりを当然知っているもの」のように言ったモニカに対する皮肉として、「時間の呼び方を教官が教えていた時、私はミサイル訓練という別のことをやっていたから、その時間の呼び方を教わることはなかった」みたいに、さも自分が軍隊経験者であるかのように言ってみせた、ということですね。
subtract は「〜を減じる、引く、差し引く」ですから、Just subtract 12. は「ただ12を引いて[引けばいい]」。
24時間表記から12時間引けば、午後何時かがわかるので、その計算方法をモニカは説明しているのですが、それに対してのフィービーの大ボケな回答に、また笑ってしまいます。
時間が 1800 と言えば、18:00=18時00分、であることは想像できそうなところですが、12を引けと言われたフィービーは、ご丁寧にも 1800(千八百)という4桁の数字から、12を引いて、それで、1788 になってしまった、、というオチです。
それで、「ボケるのもいい加減にしてよ!」みたいに、「6時よ!」とモニカが叫ぶことになるわけですね。
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2016年05月23日
何でお前のベッドに寝かせたりするんだよ? フレンズ10-11その6
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ロスとチャンドラーが大学生だった頃のパーティーの夜に、酔いつぶれて寝てしまったレイチェルにキスした、と言うロス。
チャンドラー: Oh wait... What bed did you say she was on? (あぁ、待って。どのベッドに彼女が寝てた、って言った?)
ロス: Mine. (僕のベッドだ。)
チャンドラー: I'm pretty sure I put her on my bed. (俺は間違いなく、彼女を俺のベッドに寝かせたぞ。)
ロス: No, she was definitely on my bed. (いいや、彼女は絶対に僕のベッドにいたよ。)
チャンドラー: Why would I kiss a girl and then put her on your bed? (どうして俺が、女の子にキスした後で、お前のベッドに彼女を寝かせたりするんだよ?)
ロス: Well, then who was on my bed? (それじゃあ、僕のベッドにいたのは誰?)
モニカ: (screeching) OH! Oh, oh! (holding her hand in front of her mouth) ([金切り声を上げて] あぁ! あぁ、あぁ! [口の前を自分の手で覆う])
ロス: (realizing) NO! No, no! ([気づいて] 違う! 違う、違う!)
モニカ: YES! (Chandler gets an "oh no!" look on his face) (そうなのよ! [チャンドラーは顔に”オー、ノー!”という表情を浮かべる])
ロス: You were under the pile of coats? (お前はコートの山の下にいたのか?)
モニカ: I was the pile of coats! (私がコートの山だったのよ!)
ロス: OH MY GOD! (なんてこった!)
モニカ: You were my midnight mystery kisser?! (真夜中にキスした神秘的な人はあなただったの?)
ロス: You were my first kiss with Rachel?! (お前がレイチェルとのファーストキスだったのか?)
モニカ: You were my first kiss ever?! (あなたが私の人生最初のファーストキスだったの?)
チャンドラー: What did I marry into?! (何て家の人間と、俺は結婚したんだ?!)
チャンドラーは、「お前はさっき、レイチェルがどのベッドに寝てた、って言ってた?」と尋ねます。
mine = my bed と答えるロスに、チャンドラーは、I'm pretty sure... と言っていますね。
pretty sure は「かなり確かである、まず間違いない」という感覚。
「俺は彼女を俺のベッドに置いた(寝かせた)のは間違いない」と確信を持って言ったチャンドラーに対し、ロスの方も、definitely 「絶対に」を使って、「レイチェルは僕のベッドにいた」と主張します。
Why would I kiss a girl and then put her on your bed? について。
まず、kiss a girl and then put her on your bed は、「ある女の子にキスをして、それから彼女をお前のベッドに寝かせる」になりますね。
レイチェルに関する出来事に限定しているわけではなく、一般的に誰か女の子とキスした場合に、その子をお前のベッドに寝かせる、ということについて話をしていることになります。
そして、Why would I...? のように would が使われているのは、「どうして(そういう状況になった時に)俺がそういうことをするんだよ[どうして俺がそういうことをしようと思うんだよ・考えるんだよ]」のような、「そういう状況になったと仮定した場合の自分の意志」を表している感覚になるでしょう。
Why did I kiss a girl... のように、ここで did を使ってしまうと、「どうして俺は(あの時)キスした女の子をお前のベッドに寝かせたのか?」という意味になり、「その時、俺が、”キスした子を(自分のベッドじゃなく)お前のベッドに寝かせた」のが「実際に起こったこと(事実)」になってしまいます。
ここでチャンドラーが言いたいのは、「その時の俺がどうしてそういうことを(実際に)したか? 俺がそんなことをした理由は何か?」(Why did I...?)ではなくて、「俺が何でそんなことをしようと思うんだよ?[そんなことするはずないじゃん]」なので、did ではなく、would を使っているということになります。
「考えてもみろよ、ある子とキスして、それを自分のベッドじゃなく他人のベッドにわざわざ寝かせたりするかぁ?」というように、「そういう状況になった時、普通はそんな行動は取らないだろ?」という意味で、一般的に a girl と表現した上で、Why would I...? 「どうして俺がそんなことしたりするんだ?」と言っているわけですね。
then who was on my bed? は、「それじゃあ、僕のベッドにいたのは誰?」ということ。
チャンドラーが僕のベッドにレイチェルを寝かしたんじゃなかったとしたら、あの時、僕のベッドに寝ていた人、僕がキスしちゃった人は一体誰だったの? ということです。
その会話を聞いていたモニカは何かに気づいたように、Oh, oh! と言いながら、手で口を覆っています。
そのモニカの反応を見れば、「レイチェルじゃないとしたら、レイチェルと一緒にパーティーに来ていたモニカだった」ということが、観客にもそしてロスにもわかりますね。
「キスしたのは、レイチェルじゃなく、実の妹のモニカだった」というような驚愕の事実を認めたくないロスは、「そんなはずない。違う違う」と必死に否定するのですが、モニカははっきりと、YES! 「(違わない)そうなのよ!」と認めます。
その後の兄妹の会話、"You were under the pile of coats?" "I was the pile of coats!" というのも面白いです。
pile は「堆積、積み重ね、積み重なり、山」なので、under the pile of coats は「コートの山の下(にいる)」。
これは、前回記事のシーンで、ロスが "She was lying on my bed, all buried in peoples' coats." (レイチェルは僕のベッドで寝ていた、みんなのコートにすっかり埋もれてね。)と説明したことと繋がっています。
「コートの山に埋もれてた人物は、お前(モニカ)なのか?」とロスが尋ねたことに対して、モニカは「(私はコートの山に埋もれてたんじゃなくて)私(自身)がそのコートの山だったのよ」と答えたことになります。
身体の上にコートが積み上げられていたのかと思ったら、その山のようなふくらみは、激太りのモニカの身体だった、と言っているわけですね。
その事実を知ってショックのロスに、モニカは、You were my midnight mystery kisser?! と言っています。
midnight mystery kisser を直訳すると、「真夜中の、謎に包まれた、キスする(した)人」ですね。
「真夜中にキスしてきた、謎の人、あれはあなただったの?!」と言っていることになります。
モニカの中では、ロマンティックに my midnight mystery kisser というイメージで記憶に残っていた人が、「レイチェルと間違えてキスしてきた、自分の兄だった」とわかって、嘘でしょう?! と叫びたくなる気持ちなのですね。
次にロスが、You were my first kiss with Rachel?! 「レイチェルとのファーストキスはお前だったのか?」と言うと、モニカもまた、You were my first kiss ever?! 「私の人生最初のキスがあなた(兄さん)だったの?」と返します。
ever は最上級と結びついて「今まで、これまで」という意味で使われますので、my first kiss ever は「それまでの人生で最初のキス」という感覚。
ロスは「レイチェルとの初キスがお前だったとは」と言っているわけですが、モニカの方はさらに最悪で「誰とのファーストキス、とかじゃなくて、とにかく人生最初のキスだったのに、それが兄さんだったなんて!」と言っていることになります。
「レイチェルとのファーストキスが、、」とかって嘆いているけど、こっちは人生初めてのキスだったんだから、もっとショックが大きいわよ! と返していることになるでしょう。
兄ロスと妹モニカがそんな会話をしているのを聞いて、チャンドラーは、What did I marry into?! と叫んでいます。
marry はまず、「(人)と結婚する」という他動詞として使われますね。
プロポーズの定番、Will you marry me? はまさにその他動詞です。
と同時に、自動詞で「結婚する、嫁ぐ(とつぐ)」という意味があり、中に入るというニュアンスの前置詞 into と結びついた marry into の場合は、「(ある家に)嫁ぐ、結婚して(ある家・家族の)一員となる」という意味になります。
「結婚してその家の中に入る」というニュアンスから、女性であれば「(ある家に)嫁入りする、嫁ぐ」になり、男性であれば「(ある家の)婿になる、婿入りする」のようなニュアンスが出るでしょう。
男女が対等な形で結婚する、というよりも、「結婚することで、相手の家の一員になる」というニュアンスが、marry into には出ている、ということですね。
ですから、チャンドラーのセリフを直訳すると、「俺は何(どんな家)に婿入りしたんだ?」みたいなことになりますが、実際のところは「嫁入り、婿入り」というような古風な婚姻でもないわけですし、もう少し実際の状況に合わせて訳すと、「なんて家の人と、俺は結婚したんだ?」と言っている感じになるでしょう。
兄と妹でキスしたとか言って大騒ぎしている、そんなとんでもないゲラー家の人と俺は結婚しちゃったんだ、、「何て家の人間と俺は結婚しちゃったんだろう!」という気持ちが、What did I marry into?! に出ている、ということです。
結婚相手のモニカ一人だけが問題なのではなく、その兄も含めて問題であることを、「自分が結婚した相手の家は、とんでもない家だ」のように表現していることになるわけですね。
この What did I marry into? というセリフは、全く同じ形で、今回のエピソードのオープニング前のシーンに出てきていました。
ジョーイが「ピラミッド」というクイズ番組に出ると聞いた後、「ピラミッドは一番好きなクイズ番組よ」という話から、ロスとモニカのゲラー兄妹は、
ロス: Except for "Match Game". (Match Game を別にすればね[Match Game が一番だけどね]。)
モニカ: Or "Win, Lose or Draw". (または、Win, Lose or Draw ね[Win, Lose or Draw もいいわね]。)
のような、「子供の頃からクイズ番組マニアだった」っぽい会話をしていました。
それを見ていたチャンドラーが、「何て兄妹だ。何て家庭の人間と俺は結婚したんだ?」という意味で、What did I marry into? と言っていたのですが、オープニング前のシーンで使われていたそのセリフが、エンディング・クレジット前のオチでまた使われる、という、コメディによくあるパターンになっている、ということですね。
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ロスとチャンドラーが大学生だった頃のパーティーの夜に、酔いつぶれて寝てしまったレイチェルにキスした、と言うロス。
チャンドラー: Oh wait... What bed did you say she was on? (あぁ、待って。どのベッドに彼女が寝てた、って言った?)
ロス: Mine. (僕のベッドだ。)
チャンドラー: I'm pretty sure I put her on my bed. (俺は間違いなく、彼女を俺のベッドに寝かせたぞ。)
ロス: No, she was definitely on my bed. (いいや、彼女は絶対に僕のベッドにいたよ。)
チャンドラー: Why would I kiss a girl and then put her on your bed? (どうして俺が、女の子にキスした後で、お前のベッドに彼女を寝かせたりするんだよ?)
ロス: Well, then who was on my bed? (それじゃあ、僕のベッドにいたのは誰?)
モニカ: (screeching) OH! Oh, oh! (holding her hand in front of her mouth) ([金切り声を上げて] あぁ! あぁ、あぁ! [口の前を自分の手で覆う])
ロス: (realizing) NO! No, no! ([気づいて] 違う! 違う、違う!)
モニカ: YES! (Chandler gets an "oh no!" look on his face) (そうなのよ! [チャンドラーは顔に”オー、ノー!”という表情を浮かべる])
ロス: You were under the pile of coats? (お前はコートの山の下にいたのか?)
モニカ: I was the pile of coats! (私がコートの山だったのよ!)
ロス: OH MY GOD! (なんてこった!)
モニカ: You were my midnight mystery kisser?! (真夜中にキスした神秘的な人はあなただったの?)
ロス: You were my first kiss with Rachel?! (お前がレイチェルとのファーストキスだったのか?)
モニカ: You were my first kiss ever?! (あなたが私の人生最初のファーストキスだったの?)
チャンドラー: What did I marry into?! (何て家の人間と、俺は結婚したんだ?!)
チャンドラーは、「お前はさっき、レイチェルがどのベッドに寝てた、って言ってた?」と尋ねます。
mine = my bed と答えるロスに、チャンドラーは、I'm pretty sure... と言っていますね。
pretty sure は「かなり確かである、まず間違いない」という感覚。
「俺は彼女を俺のベッドに置いた(寝かせた)のは間違いない」と確信を持って言ったチャンドラーに対し、ロスの方も、definitely 「絶対に」を使って、「レイチェルは僕のベッドにいた」と主張します。
Why would I kiss a girl and then put her on your bed? について。
まず、kiss a girl and then put her on your bed は、「ある女の子にキスをして、それから彼女をお前のベッドに寝かせる」になりますね。
レイチェルに関する出来事に限定しているわけではなく、一般的に誰か女の子とキスした場合に、その子をお前のベッドに寝かせる、ということについて話をしていることになります。
そして、Why would I...? のように would が使われているのは、「どうして(そういう状況になった時に)俺がそういうことをするんだよ[どうして俺がそういうことをしようと思うんだよ・考えるんだよ]」のような、「そういう状況になったと仮定した場合の自分の意志」を表している感覚になるでしょう。
Why did I kiss a girl... のように、ここで did を使ってしまうと、「どうして俺は(あの時)キスした女の子をお前のベッドに寝かせたのか?」という意味になり、「その時、俺が、”キスした子を(自分のベッドじゃなく)お前のベッドに寝かせた」のが「実際に起こったこと(事実)」になってしまいます。
ここでチャンドラーが言いたいのは、「その時の俺がどうしてそういうことを(実際に)したか? 俺がそんなことをした理由は何か?」(Why did I...?)ではなくて、「俺が何でそんなことをしようと思うんだよ?[そんなことするはずないじゃん]」なので、did ではなく、would を使っているということになります。
「考えてもみろよ、ある子とキスして、それを自分のベッドじゃなく他人のベッドにわざわざ寝かせたりするかぁ?」というように、「そういう状況になった時、普通はそんな行動は取らないだろ?」という意味で、一般的に a girl と表現した上で、Why would I...? 「どうして俺がそんなことしたりするんだ?」と言っているわけですね。
then who was on my bed? は、「それじゃあ、僕のベッドにいたのは誰?」ということ。
チャンドラーが僕のベッドにレイチェルを寝かしたんじゃなかったとしたら、あの時、僕のベッドに寝ていた人、僕がキスしちゃった人は一体誰だったの? ということです。
その会話を聞いていたモニカは何かに気づいたように、Oh, oh! と言いながら、手で口を覆っています。
そのモニカの反応を見れば、「レイチェルじゃないとしたら、レイチェルと一緒にパーティーに来ていたモニカだった」ということが、観客にもそしてロスにもわかりますね。
「キスしたのは、レイチェルじゃなく、実の妹のモニカだった」というような驚愕の事実を認めたくないロスは、「そんなはずない。違う違う」と必死に否定するのですが、モニカははっきりと、YES! 「(違わない)そうなのよ!」と認めます。
その後の兄妹の会話、"You were under the pile of coats?" "I was the pile of coats!" というのも面白いです。
pile は「堆積、積み重ね、積み重なり、山」なので、under the pile of coats は「コートの山の下(にいる)」。
これは、前回記事のシーンで、ロスが "She was lying on my bed, all buried in peoples' coats." (レイチェルは僕のベッドで寝ていた、みんなのコートにすっかり埋もれてね。)と説明したことと繋がっています。
「コートの山に埋もれてた人物は、お前(モニカ)なのか?」とロスが尋ねたことに対して、モニカは「(私はコートの山に埋もれてたんじゃなくて)私(自身)がそのコートの山だったのよ」と答えたことになります。
身体の上にコートが積み上げられていたのかと思ったら、その山のようなふくらみは、激太りのモニカの身体だった、と言っているわけですね。
その事実を知ってショックのロスに、モニカは、You were my midnight mystery kisser?! と言っています。
midnight mystery kisser を直訳すると、「真夜中の、謎に包まれた、キスする(した)人」ですね。
「真夜中にキスしてきた、謎の人、あれはあなただったの?!」と言っていることになります。
モニカの中では、ロマンティックに my midnight mystery kisser というイメージで記憶に残っていた人が、「レイチェルと間違えてキスしてきた、自分の兄だった」とわかって、嘘でしょう?! と叫びたくなる気持ちなのですね。
次にロスが、You were my first kiss with Rachel?! 「レイチェルとのファーストキスはお前だったのか?」と言うと、モニカもまた、You were my first kiss ever?! 「私の人生最初のキスがあなた(兄さん)だったの?」と返します。
ever は最上級と結びついて「今まで、これまで」という意味で使われますので、my first kiss ever は「それまでの人生で最初のキス」という感覚。
ロスは「レイチェルとの初キスがお前だったとは」と言っているわけですが、モニカの方はさらに最悪で「誰とのファーストキス、とかじゃなくて、とにかく人生最初のキスだったのに、それが兄さんだったなんて!」と言っていることになります。
「レイチェルとのファーストキスが、、」とかって嘆いているけど、こっちは人生初めてのキスだったんだから、もっとショックが大きいわよ! と返していることになるでしょう。
兄ロスと妹モニカがそんな会話をしているのを聞いて、チャンドラーは、What did I marry into?! と叫んでいます。
marry はまず、「(人)と結婚する」という他動詞として使われますね。
プロポーズの定番、Will you marry me? はまさにその他動詞です。
と同時に、自動詞で「結婚する、嫁ぐ(とつぐ)」という意味があり、中に入るというニュアンスの前置詞 into と結びついた marry into の場合は、「(ある家に)嫁ぐ、結婚して(ある家・家族の)一員となる」という意味になります。
「結婚してその家の中に入る」というニュアンスから、女性であれば「(ある家に)嫁入りする、嫁ぐ」になり、男性であれば「(ある家の)婿になる、婿入りする」のようなニュアンスが出るでしょう。
男女が対等な形で結婚する、というよりも、「結婚することで、相手の家の一員になる」というニュアンスが、marry into には出ている、ということですね。
ですから、チャンドラーのセリフを直訳すると、「俺は何(どんな家)に婿入りしたんだ?」みたいなことになりますが、実際のところは「嫁入り、婿入り」というような古風な婚姻でもないわけですし、もう少し実際の状況に合わせて訳すと、「なんて家の人と、俺は結婚したんだ?」と言っている感じになるでしょう。
兄と妹でキスしたとか言って大騒ぎしている、そんなとんでもないゲラー家の人と俺は結婚しちゃったんだ、、「何て家の人間と俺は結婚しちゃったんだろう!」という気持ちが、What did I marry into?! に出ている、ということです。
結婚相手のモニカ一人だけが問題なのではなく、その兄も含めて問題であることを、「自分が結婚した相手の家は、とんでもない家だ」のように表現していることになるわけですね。
この What did I marry into? というセリフは、全く同じ形で、今回のエピソードのオープニング前のシーンに出てきていました。
ジョーイが「ピラミッド」というクイズ番組に出ると聞いた後、「ピラミッドは一番好きなクイズ番組よ」という話から、ロスとモニカのゲラー兄妹は、
ロス: Except for "Match Game". (Match Game を別にすればね[Match Game が一番だけどね]。)
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のような、「子供の頃からクイズ番組マニアだった」っぽい会話をしていました。
それを見ていたチャンドラーが、「何て兄妹だ。何て家庭の人間と俺は結婚したんだ?」という意味で、What did I marry into? と言っていたのですが、オープニング前のシーンで使われていたそのセリフが、エンディング・クレジット前のオチでまた使われる、という、コメディによくあるパターンになっている、ということですね。
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2016年05月20日
ふしだらになったのは整形後かと思ってた フレンズ10-11その5
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大学時代のパーティーで、ロスがエイドリアンとキスしているのを目撃したチャンドラー。
チャンドラーもエイドリアンのことが好きだったので、ロスに対する仕返しとして、チャンドラーは当時高校生だったレイチェルにキスします。
その話を聞いて怒ったロスが、モニカにそのことを知ってたかと尋ねているところ。
ロス: Did you know Chandler kissed Rachel? (チャンドラーがレイチェルにキスした、って知ってた?)
モニカ: What? When was this? (何? いつのこと?)
ロス: Nineteen Eighty Seven. The weekend you guys visited me at school. (1987年。君たちが僕の学校を訪れた週末だよ。)
モニカ: Oh, my God! That's wild! (なんてこと! それってワイルドね!)
チャンドラー: Yeah, but it was, like, a million years ago. So it doesn't matter. (あぁ、でもそれってほら、100万年前みたいなことだよ。だから、大したことない。)
ロス: Well, it matters to me. (それは僕にとっては重要だよ。)
チャンドラー: Why? (どうして?)
ロス: Because... the night you kissed Rachel was the night I kissed Rachel for the very first time. (だって… チャンドラーがレイチェルにキスした夜は、僕がレイチェルに初めてキスした夜だったんだ。)
チャンドラー: You kissed her that night too? (あの夜に、お前もレイチェルにキスしたのか?)
モニカ: Two guys in one night? Wow, I thought she became a slut after she got her nose fixed. (一晩で二人の男と? わぉ、レイチェルは鼻を整形した後に、ふしだら(な女)になったのかと思ってたけど。)
チャンドラー: Seriously, where did this happen? (まじめな話、どこで起こったんだ[どこで彼女とキスしたんだ]?)
ロス: Okay, after you told me she was passed out in our room, I went in there to make sure she was all right. She was lying on my bed, all buried in peoples' coats. Well, I went to kiss her on the forehead, you know, but it was so dark, I accidentally got her lips. I started to pull away, but then I felt her start to kiss me back. It was only for a second, but... it was amazing. And now, now I find out that you kissed her first. (よし(話すよ)。僕らの部屋で彼女が酔いつぶれた、って君が言った後、僕はそこに行ったんだ、彼女が大丈夫かどうか確かめるためにね。レイチェルは僕のベッドで寝ていた、みんなのコートにすっかり埋もれてね。で、彼女のおでこにキスしようとしたんだけど、ほら、すごく暗かったから、僕は間違って彼女の唇を奪ってしまったんだ。僕は引き離そうとしたんだけど、その後、彼女がキスを返してきたのを感じたんだよ。ほんの少しの間だったけど、でも… 素敵だったんだ。それで今、君が彼女に最初にキスしたってわかって…)
チャンドラーがレイチェルにキスしたことを、モニカは知らなかった様子。
1987年の話だと知り、That's wild! 「それってワイルドね」と言うのですが、現在、モニカの夫であるチャンドラーは、「そんなの、100万年前みたいな昔の話なんだから、問題ないよ」と言います。
ですがロスは、「僕にとっては重要な・大事なことだ」と言って、その理由として、the night you kissed... was the night I kissed... という文章を言っていますね。
シンプルにすると、「お前がキスした夜は、僕がキスした夜だった」という構造で、より詳しい内容は、「お前がレイチェルにキスした夜は、僕がレイチェルにまさに初めてキスした夜だった」になります。
for the first time だけでも「初めて」という意味になりますが、very という強調語がついているので、「まさに(本当に)初めて」というニュアンスが強調されますね。
「俺がレイチェルにキスした夜に、お前もレイチェルにキスしてたのか!」と驚くチャンドラー。
その話を聞いてのモニカのセリフが面白いです。
Two guys in one night? は直訳通り、「一晩に二人の男?」ということで、「一晩の間に二人の男とキスしたの?」ということですね。
その後、I thought というセリフが続いていますが、I thought は「私は〜だと思ってた(のに実際には違った)」というニュアンスになります。
slut は「身持ちの悪い女、ふしだらな女」なので、そのセリフを直訳すると、「レイチェルは、鼻を整形した後に、ふしだらな女になったんだと私は思っていた(けれど実際は違った)」と言っていることになります。
鼻を整形して美人になってから、男遊びが激しくなったのかと思っていたけれど、整形前からそうやって男を手玉に取っていたのね、みたいな感じですね。
大学のパーティーのフラッシュバックシーンでは、モニカは激太りで、レイチェルの鼻は今よりも大きな鼻になっていましたが、それが「整形前の鼻」だったということになります。
レイチェルが鼻を整形した、という話は、過去のフレンズでも何回か言及されており、別のエピソードの回想シーンでも大きな鼻のレイチェルが登場していたのですが、ここでもまたその話が出てきた、という、フレンズお約束のネタということになるでしょう。
「あの夜、僕もレイチェルにキスしたんだ」というロスの話を聞いて、チャンドラーは思い当たるふしがないらしく、「そんなこと、どこで起こったんだ?(どこでロスはレイチェルにキスしたんだ?)」と尋ねます。
そこでロスは、その晩のことを長ゼリフで詳しく説明することになります。
pass out は「(酒で)酔いつぶれる、意識を失う」なので、最初の文は、「レイチェルが僕たちの部屋で酔いつぶれた(意識を失った)ってお前が僕に言った後で、彼女が大丈夫かどうかを確かめるために僕はそこに行った」になります。
She was lying on my bed, all buried in peoples' coats. は、「彼女は僕のベッドに寝ていた、人々の(みんなの)コートにすっかり埋もれた状態で」という感覚。
次の文は、「僕は彼女のおでこにキスしようとしたが、とても暗かったので、間違って(誤って)彼女の唇を get した」というところですね。
まず、「彼女のおでこにキスする」というのは、日本語の直訳から連想される、kiss her forehead ではなく、kiss her on the forehead となることに注意しましょう。
「彼女(という人)にキスする、(場所は)そのおでこに」という感覚になるわけですね。
「おでこにキスしようとしたけど、暗かったから間違って、唇にキスしてしまった」という内容をロスは語っているのですが、I accidentally got her lips. のように got が使われているので、「彼女の唇を get してしまった」→「彼女の唇を手に入れてしまった、奪ってしまった」のような感覚で理解すればいいかな、と思います。
ちなみに、「間違ってそうしてしまった」のように、accidentally を使って言ってはいますが、実際は「暗くて見えなかった、ということにして、唇にキスした」というのが本当のところでしょうね。
「おでこにキスしようとしたけど、暗くて」と、わざわざ言い訳がましい説明をしているところが、ロスっぽいような気がします。
pull away は「引く+離れる」ですから、「引き離す」。
I felt her start to kiss me back を直訳すると、「僕は、彼女が僕にキスし返し始めるのを感じた」になるでしょう。
kiss back は「(キスされた時に)キスに応える」という感じで、突然されたキスを拒むことなく、相手のキスに合わせて自分もキスする、というところ。
キスを拒むどころか、それが嬉しいとでもいうように応えてくれたことを、「ほんの一瞬だったけど、素晴らしかった」とロスは感動したように言っています。
And now, now I find out that you kissed her first. は、「(レイチェルと、そんな amazing なキスをしたって言うのに)、今、チャンドラーが最初に(僕より先に)レイチェルにキスしたことがわかって…(僕はものすごくショックなんだよ)」ということですね。
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大学時代のパーティーで、ロスがエイドリアンとキスしているのを目撃したチャンドラー。
チャンドラーもエイドリアンのことが好きだったので、ロスに対する仕返しとして、チャンドラーは当時高校生だったレイチェルにキスします。
その話を聞いて怒ったロスが、モニカにそのことを知ってたかと尋ねているところ。
ロス: Did you know Chandler kissed Rachel? (チャンドラーがレイチェルにキスした、って知ってた?)
モニカ: What? When was this? (何? いつのこと?)
ロス: Nineteen Eighty Seven. The weekend you guys visited me at school. (1987年。君たちが僕の学校を訪れた週末だよ。)
モニカ: Oh, my God! That's wild! (なんてこと! それってワイルドね!)
チャンドラー: Yeah, but it was, like, a million years ago. So it doesn't matter. (あぁ、でもそれってほら、100万年前みたいなことだよ。だから、大したことない。)
ロス: Well, it matters to me. (それは僕にとっては重要だよ。)
チャンドラー: Why? (どうして?)
ロス: Because... the night you kissed Rachel was the night I kissed Rachel for the very first time. (だって… チャンドラーがレイチェルにキスした夜は、僕がレイチェルに初めてキスした夜だったんだ。)
チャンドラー: You kissed her that night too? (あの夜に、お前もレイチェルにキスしたのか?)
モニカ: Two guys in one night? Wow, I thought she became a slut after she got her nose fixed. (一晩で二人の男と? わぉ、レイチェルは鼻を整形した後に、ふしだら(な女)になったのかと思ってたけど。)
チャンドラー: Seriously, where did this happen? (まじめな話、どこで起こったんだ[どこで彼女とキスしたんだ]?)
ロス: Okay, after you told me she was passed out in our room, I went in there to make sure she was all right. She was lying on my bed, all buried in peoples' coats. Well, I went to kiss her on the forehead, you know, but it was so dark, I accidentally got her lips. I started to pull away, but then I felt her start to kiss me back. It was only for a second, but... it was amazing. And now, now I find out that you kissed her first. (よし(話すよ)。僕らの部屋で彼女が酔いつぶれた、って君が言った後、僕はそこに行ったんだ、彼女が大丈夫かどうか確かめるためにね。レイチェルは僕のベッドで寝ていた、みんなのコートにすっかり埋もれてね。で、彼女のおでこにキスしようとしたんだけど、ほら、すごく暗かったから、僕は間違って彼女の唇を奪ってしまったんだ。僕は引き離そうとしたんだけど、その後、彼女がキスを返してきたのを感じたんだよ。ほんの少しの間だったけど、でも… 素敵だったんだ。それで今、君が彼女に最初にキスしたってわかって…)
チャンドラーがレイチェルにキスしたことを、モニカは知らなかった様子。
1987年の話だと知り、That's wild! 「それってワイルドね」と言うのですが、現在、モニカの夫であるチャンドラーは、「そんなの、100万年前みたいな昔の話なんだから、問題ないよ」と言います。
ですがロスは、「僕にとっては重要な・大事なことだ」と言って、その理由として、the night you kissed... was the night I kissed... という文章を言っていますね。
シンプルにすると、「お前がキスした夜は、僕がキスした夜だった」という構造で、より詳しい内容は、「お前がレイチェルにキスした夜は、僕がレイチェルにまさに初めてキスした夜だった」になります。
for the first time だけでも「初めて」という意味になりますが、very という強調語がついているので、「まさに(本当に)初めて」というニュアンスが強調されますね。
「俺がレイチェルにキスした夜に、お前もレイチェルにキスしてたのか!」と驚くチャンドラー。
その話を聞いてのモニカのセリフが面白いです。
Two guys in one night? は直訳通り、「一晩に二人の男?」ということで、「一晩の間に二人の男とキスしたの?」ということですね。
その後、I thought というセリフが続いていますが、I thought は「私は〜だと思ってた(のに実際には違った)」というニュアンスになります。
slut は「身持ちの悪い女、ふしだらな女」なので、そのセリフを直訳すると、「レイチェルは、鼻を整形した後に、ふしだらな女になったんだと私は思っていた(けれど実際は違った)」と言っていることになります。
鼻を整形して美人になってから、男遊びが激しくなったのかと思っていたけれど、整形前からそうやって男を手玉に取っていたのね、みたいな感じですね。
大学のパーティーのフラッシュバックシーンでは、モニカは激太りで、レイチェルの鼻は今よりも大きな鼻になっていましたが、それが「整形前の鼻」だったということになります。
レイチェルが鼻を整形した、という話は、過去のフレンズでも何回か言及されており、別のエピソードの回想シーンでも大きな鼻のレイチェルが登場していたのですが、ここでもまたその話が出てきた、という、フレンズお約束のネタということになるでしょう。
「あの夜、僕もレイチェルにキスしたんだ」というロスの話を聞いて、チャンドラーは思い当たるふしがないらしく、「そんなこと、どこで起こったんだ?(どこでロスはレイチェルにキスしたんだ?)」と尋ねます。
そこでロスは、その晩のことを長ゼリフで詳しく説明することになります。
pass out は「(酒で)酔いつぶれる、意識を失う」なので、最初の文は、「レイチェルが僕たちの部屋で酔いつぶれた(意識を失った)ってお前が僕に言った後で、彼女が大丈夫かどうかを確かめるために僕はそこに行った」になります。
She was lying on my bed, all buried in peoples' coats. は、「彼女は僕のベッドに寝ていた、人々の(みんなの)コートにすっかり埋もれた状態で」という感覚。
次の文は、「僕は彼女のおでこにキスしようとしたが、とても暗かったので、間違って(誤って)彼女の唇を get した」というところですね。
まず、「彼女のおでこにキスする」というのは、日本語の直訳から連想される、kiss her forehead ではなく、kiss her on the forehead となることに注意しましょう。
「彼女(という人)にキスする、(場所は)そのおでこに」という感覚になるわけですね。
「おでこにキスしようとしたけど、暗かったから間違って、唇にキスしてしまった」という内容をロスは語っているのですが、I accidentally got her lips. のように got が使われているので、「彼女の唇を get してしまった」→「彼女の唇を手に入れてしまった、奪ってしまった」のような感覚で理解すればいいかな、と思います。
ちなみに、「間違ってそうしてしまった」のように、accidentally を使って言ってはいますが、実際は「暗くて見えなかった、ということにして、唇にキスした」というのが本当のところでしょうね。
「おでこにキスしようとしたけど、暗くて」と、わざわざ言い訳がましい説明をしているところが、ロスっぽいような気がします。
pull away は「引く+離れる」ですから、「引き離す」。
I felt her start to kiss me back を直訳すると、「僕は、彼女が僕にキスし返し始めるのを感じた」になるでしょう。
kiss back は「(キスされた時に)キスに応える」という感じで、突然されたキスを拒むことなく、相手のキスに合わせて自分もキスする、というところ。
キスを拒むどころか、それが嬉しいとでもいうように応えてくれたことを、「ほんの一瞬だったけど、素晴らしかった」とロスは感動したように言っています。
And now, now I find out that you kissed her first. は、「(レイチェルと、そんな amazing なキスをしたって言うのに)、今、チャンドラーが最初に(僕より先に)レイチェルにキスしたことがわかって…(僕はものすごくショックなんだよ)」ということですね。
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2016年05月18日
ビーズクッションに座っちゃったら フレンズ10-11その4
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シーンは、ロスとチャンドラーが大学生だったころのパーティーにフラッシュバックしています。
ロスに招待されて、高校生のモニカとレイチェルも来ています。
チャンドラー: Aren't you...? (君って…じゃなかったっけ?)
レイチェル: Yeah, Rachel. And this (points to Monica) is Ross' sister, Monica. We met at Thanksgiving. (looks around the room as if searching for something more interesting to do) . (そうよ、(私は)レイチェル。そしてこっちが[モニカを指さす] ロスの妹、モニカよ。私たち、感謝祭で会ったわ。[部屋を見回す、まるでもっと興味深いことを探しているかのように])
チャンドラー: (smiling at Monica) Right. (to Rachel) So how you doing? ([モニカに微笑みながら] そうだね。[レイチェルに] それで調子はどう?)
レイチェル: Bitchen. (イケてるわ。)
チャンドラー: Hi, Monica. (やあ、モニカ。)
モニカ: Hi, Chandler. It's really nice to see you. (rolls her eyes) NOT! (she and Rachel giggle a little and Chandler looks unimpressed) (はーい、チャンドラー。会えて嬉しいわ。[目をぐるっと回して] なーんて、うっそー! [モニカとレイチェルは少しクスクスと笑う。チャンドラーは何ら感銘を受けないという顔をする])
チャンドラー: O-kay. I'll see if I can find Ross. (Goes off to find Ross.) (オッケー。ロスがいるか見てくるよ。[ロスを探すためにそこを離れる])
モニカ: Oh, my God, Rach. Beanbag chairs. (なんてこと、レイチェル。ビーンバッグ・チェアー(ビーズ・クッション)よ。)
レイチェル: Oh. (あぁ。)
モニカ: Do NOT let me sit in one of those. We'll be here for days. (絶対に、ああいうの(の一つ)に私を座らせないでね。私たちが何日もここにいることになるわ[何日もここから離れられないわ]。)
レイチェルのことを認識したらしいチャンドラーに、レイチェルは自分たちの自己紹介をして、感謝祭で会ったわね、と言っています。
how you doing? と聞かれたレイチェルは、Bitchen. と答えます。
bitchen は、英辞郎では、→ bitchin と出ており、その bitchin/bitchin'/bitching というのは、
英辞郎では、以下のように説明されています。
bitching=【形】〈米俗〉素晴らしい、格好いい、すごい
・He is totally bitching. 彼はすっごく格好いい。
【副】〈米俗〉すごく、非常に
ネット俗語辞典である、Urban Dictionary でも、以下のように説明されています。
Bitchen : A term meaning good ; amazing ; fantabulous
例) Woah that cake looks totally bitchen.
つまり、「良い、素晴らしい、すごく素晴らしい(fantabulous = fantastic + fabulous)を意味する言葉」。例文は、「わぁ、そのケーキ、超最高って感じだね」。
この言葉の語源については、はっきり書いてあるものを見つけられなかったのですが、bitching という見た目から判断して、動詞 bitch の -ing 形だと考えられるでしょう。
bitch という単語は「雌犬」ということから、「あま、あばずれ女」という女性に対する蔑称として使われますが、動詞では「不平を言う」という意味があります。
そんな風に、「ネガティブなニュアンスの言葉を、良い意味で使う」というところに、この言葉の若者っぽさが出ている、ということだろうと思います。
意味としては、good/amazing のような言葉を答えているわけですが、そんな風に言いながらも、「なんかつまんない」みたいな態度で、高校生のレイチェルが背伸びして興味なさげな大人のふりをしているところに、面白さが出ているということでしょう。
次にチャンドラーはモニカに声を掛けます。
モニカは、「会えて嬉しいわ」と言った後、ト書きにあるように、目をぐるっと回して、大きな声で NOT! と付け足していますね。
このように、ある文章を言った後で、NOT! と付け加える表現は、「ノット・ジョーク」と言います。
「(文章)っていうのは、うそだよ〜ん」というニュアンスですね。
roll one's eyes というしぐさは、「あきれていることを示すために目をむく」という感じ。
このシーンの少し前、モニカがレイチェルに「チャンドラーは私のことを太ってるって言ったやつよ」と言っていたように、当時のモニカはチャンドラーに対してあまり良い感情を持っていないようでした。
ですから、「会えて嬉しいわ!」と挨拶し、さも再会を喜んでいるようなふりをしながら、その後、NOT! を付け足すことで、「って言うのは、うそよ〜ん。あなたに会えて嬉しいわけないじゃない」と言ったことになるでしょう。
「私たちを子ども扱いしないで。私たちだって、大学生と対等に会話できるのよ」とでも言いたげに、「年上をからかうようなジョーク」を言ってみせたつもりで、その後もくすくす笑いをしているのでしょう。
言われたチャンドラーの方は、そんなジョークちっとも面白くないといった様子で、憮然とした顔をしています。
チャンドラーがロスを探しに行った後、モニカは、beanbag chairs を発見します。
beanbag は「お手玉」。
日本のお手玉も、布の袋に小豆などを入れて作ったりすることから、お手玉のようなものを beanbag 「豆の袋」と表現するのはなんとなくわかりますね。
そして、今回のセリフに出てきた beanbag chair は、「(お手玉のように)中に豆が入った椅子」というようなニュアンスで、いわゆる「ビーズ・クッション」を指します。
Google の画像検索で、beanbag と入れて検索すると、そういうビーズ・クッションの画像ばかりがヒットします。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
bean bag :
1. also bean bag chair a very large cloth or plastic bag that is filled with small balls of soft plastic and used as a chair
2. a small cloth bag filled with beans, used for throwing and catching in children's games
つまり、1. は「bean bag chair とも言う。大きな布またはビニール製の袋で、柔らかいプラスチックの小さなボールが詰まっており、椅子として使われる」。2. は「豆が詰まっている小さな布の袋で、子供の遊びで、投げたり受けたりするのに使われる」。
2. がいわゆる「お手玉遊びのお手玉」のことですね。
1. に、bean bag は、bean bag chair とも言う、と説明されていることからも、chair なしの bean bag だけでも、人が座るビーズ・クッションを表すことができる、ということになります。
ビーズ・クッションを見つけた後のモニカのセリフが面白いですね。
直訳すると、「ああいうビーズ・クッションの一つに私を座らせないで。私たちは何日もここにいることになる」になるでしょう。
ビーズ・クッションは座ると身体の形にフィットしてくれるので、非常に座り心地がいいですよね。
太っているモニカがあれに座ってしまうと、あまりの居心地の良さに、または身体にフィットし過ぎて、二度と立ち上がれなくなってしまう、という意味で、「私たちは何日もここにいることになる」→「いったん座ったら、再び立ち上がるのに、何日もかかってしまう」と言っていることになります。
ちょっとおまけの情報を付け加えておくと、このエピソードの最後のシーンで、踊っているモニカが、バランスを崩して、後ろに置いてあるビーズ・クッションに倒れるシーンが出てきます。
そのシーンがエピソード最後のオチになっているのも、ここで「ビーズ・クッションに座ったら、立ち上がるのに何日もかかる」というセリフがあったのを受けてのものだということですね。
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チャンドラー: Aren't you...? (君って…じゃなかったっけ?)
レイチェル: Yeah, Rachel. And this (points to Monica) is Ross' sister, Monica. We met at Thanksgiving. (looks around the room as if searching for something more interesting to do) . (そうよ、(私は)レイチェル。そしてこっちが[モニカを指さす] ロスの妹、モニカよ。私たち、感謝祭で会ったわ。[部屋を見回す、まるでもっと興味深いことを探しているかのように])
チャンドラー: (smiling at Monica) Right. (to Rachel) So how you doing? ([モニカに微笑みながら] そうだね。[レイチェルに] それで調子はどう?)
レイチェル: Bitchen. (イケてるわ。)
チャンドラー: Hi, Monica. (やあ、モニカ。)
モニカ: Hi, Chandler. It's really nice to see you. (rolls her eyes) NOT! (she and Rachel giggle a little and Chandler looks unimpressed) (はーい、チャンドラー。会えて嬉しいわ。[目をぐるっと回して] なーんて、うっそー! [モニカとレイチェルは少しクスクスと笑う。チャンドラーは何ら感銘を受けないという顔をする])
チャンドラー: O-kay. I'll see if I can find Ross. (Goes off to find Ross.) (オッケー。ロスがいるか見てくるよ。[ロスを探すためにそこを離れる])
モニカ: Oh, my God, Rach. Beanbag chairs. (なんてこと、レイチェル。ビーンバッグ・チェアー(ビーズ・クッション)よ。)
レイチェル: Oh. (あぁ。)
モニカ: Do NOT let me sit in one of those. We'll be here for days. (絶対に、ああいうの(の一つ)に私を座らせないでね。私たちが何日もここにいることになるわ[何日もここから離れられないわ]。)
レイチェルのことを認識したらしいチャンドラーに、レイチェルは自分たちの自己紹介をして、感謝祭で会ったわね、と言っています。
how you doing? と聞かれたレイチェルは、Bitchen. と答えます。
bitchen は、英辞郎では、→ bitchin と出ており、その bitchin/bitchin'/bitching というのは、
英辞郎では、以下のように説明されています。
bitching=【形】〈米俗〉素晴らしい、格好いい、すごい
・He is totally bitching. 彼はすっごく格好いい。
【副】〈米俗〉すごく、非常に
ネット俗語辞典である、Urban Dictionary でも、以下のように説明されています。
Bitchen : A term meaning good ; amazing ; fantabulous
例) Woah that cake looks totally bitchen.
つまり、「良い、素晴らしい、すごく素晴らしい(fantabulous = fantastic + fabulous)を意味する言葉」。例文は、「わぁ、そのケーキ、超最高って感じだね」。
この言葉の語源については、はっきり書いてあるものを見つけられなかったのですが、bitching という見た目から判断して、動詞 bitch の -ing 形だと考えられるでしょう。
bitch という単語は「雌犬」ということから、「あま、あばずれ女」という女性に対する蔑称として使われますが、動詞では「不平を言う」という意味があります。
そんな風に、「ネガティブなニュアンスの言葉を、良い意味で使う」というところに、この言葉の若者っぽさが出ている、ということだろうと思います。
意味としては、good/amazing のような言葉を答えているわけですが、そんな風に言いながらも、「なんかつまんない」みたいな態度で、高校生のレイチェルが背伸びして興味なさげな大人のふりをしているところに、面白さが出ているということでしょう。
次にチャンドラーはモニカに声を掛けます。
モニカは、「会えて嬉しいわ」と言った後、ト書きにあるように、目をぐるっと回して、大きな声で NOT! と付け足していますね。
このように、ある文章を言った後で、NOT! と付け加える表現は、「ノット・ジョーク」と言います。
「(文章)っていうのは、うそだよ〜ん」というニュアンスですね。
roll one's eyes というしぐさは、「あきれていることを示すために目をむく」という感じ。
このシーンの少し前、モニカがレイチェルに「チャンドラーは私のことを太ってるって言ったやつよ」と言っていたように、当時のモニカはチャンドラーに対してあまり良い感情を持っていないようでした。
ですから、「会えて嬉しいわ!」と挨拶し、さも再会を喜んでいるようなふりをしながら、その後、NOT! を付け足すことで、「って言うのは、うそよ〜ん。あなたに会えて嬉しいわけないじゃない」と言ったことになるでしょう。
「私たちを子ども扱いしないで。私たちだって、大学生と対等に会話できるのよ」とでも言いたげに、「年上をからかうようなジョーク」を言ってみせたつもりで、その後もくすくす笑いをしているのでしょう。
言われたチャンドラーの方は、そんなジョークちっとも面白くないといった様子で、憮然とした顔をしています。
チャンドラーがロスを探しに行った後、モニカは、beanbag chairs を発見します。
beanbag は「お手玉」。
日本のお手玉も、布の袋に小豆などを入れて作ったりすることから、お手玉のようなものを beanbag 「豆の袋」と表現するのはなんとなくわかりますね。
そして、今回のセリフに出てきた beanbag chair は、「(お手玉のように)中に豆が入った椅子」というようなニュアンスで、いわゆる「ビーズ・クッション」を指します。
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LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
bean bag :
1. also bean bag chair a very large cloth or plastic bag that is filled with small balls of soft plastic and used as a chair
2. a small cloth bag filled with beans, used for throwing and catching in children's games
つまり、1. は「bean bag chair とも言う。大きな布またはビニール製の袋で、柔らかいプラスチックの小さなボールが詰まっており、椅子として使われる」。2. は「豆が詰まっている小さな布の袋で、子供の遊びで、投げたり受けたりするのに使われる」。
2. がいわゆる「お手玉遊びのお手玉」のことですね。
1. に、bean bag は、bean bag chair とも言う、と説明されていることからも、chair なしの bean bag だけでも、人が座るビーズ・クッションを表すことができる、ということになります。
ビーズ・クッションを見つけた後のモニカのセリフが面白いですね。
直訳すると、「ああいうビーズ・クッションの一つに私を座らせないで。私たちは何日もここにいることになる」になるでしょう。
ビーズ・クッションは座ると身体の形にフィットしてくれるので、非常に座り心地がいいですよね。
太っているモニカがあれに座ってしまうと、あまりの居心地の良さに、または身体にフィットし過ぎて、二度と立ち上がれなくなってしまう、という意味で、「私たちは何日もここにいることになる」→「いったん座ったら、再び立ち上がるのに、何日もかかってしまう」と言っていることになります。
ちょっとおまけの情報を付け加えておくと、このエピソードの最後のシーンで、踊っているモニカが、バランスを崩して、後ろに置いてあるビーズ・クッションに倒れるシーンが出てきます。
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2016年05月16日
4ポンド痩せたの。わかるわ。 フレンズ10-11その3
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大学の同窓会に来ているチャンドラーとロス。
当時の思い出話をしていて、場面が大学当時にフラッシュバックします。
[Flashback scene: 80's College party.]
フラッシュバック。80年代の大学のパーティー。
現在のチャンドラーの声(Present Chandler's voice): Remember that big party? Freshman year? A week before Christmas vacation? I do. You had some visitors. (あの大きなパーティーを覚えてるか? 1年生の時。クリスマス休暇の1週間前。俺は覚えてるぞ。お前には招待客がいた。)
(An 80's Rachel and fat Monica walk into the party room. Both with funny hairdos and clothes)
80年代の頃のレイチェルと太ったモニカがそのパーティールームに歩いて入ってくる。二人とも変な髪型と服装をしている。
モニカ: I can't believe we're at a real college party! (Rachel laughs excitedly) I have to pee so bad! (本物の大学のパーティーに自分たちがいるなんて信じられない! [レイチェルは興奮気味に笑う] すんごくおしっこに行きたい!)
レイチェル: This is so awesome! College guys are so cute! (これってすっごく素敵! 大学の男ってすっごくセクシー!)
モニカ: Hey, you've got a boyfriend! (ちょっと、あなたには恋人がいるでしょう?)
レイチェル: I know. But if some guy who looks like Corey Haim wants to kiss me tonight, I'm sooo gonna let him! (They spot Chandler) (そうね。でももしコリー・ハイムみたいな顔の人に今夜キスしたいって言われたら、絶対に彼にキスさせちゃうわ! [二人はチャンドラーを見つける])
モニカ: Hey, look, there's Chandler. You know, that stupid friend of Ross' who said I was fat. You know I've already lost 4 pounds! (ちょっと、ねぇ、あそこにチャンドラーがいるわ。ほら、ロスのおバカな友達で、私を太ってるって言ったやつ。私はもう4ポンドも減量したのよ!)
レイチェル: It... You can so totally tell. (それって… あなた自身がそれをよく物語ってるわね[あなたを見ているとそれがよくわかるわね]。)
モニカ: I KNOW! (でしょう!)
レイチェル: Well, let's see, maybe he knows where Ross is. (They walk towards Chandler) Hey, how's it going? (tries to look as un-interested in him as possible - checking out her nails) (うーんと、ロスがどこにいるかを多分、チャンドラーが知ってるわね。[二人はチャンドラーに近づく] はーい、元気? [できるだけ、彼には興味がないように見せるようにしている、自分の爪を見たりしながら])
ロスとチャンドラーが大学生の頃(80年代)の大学のパーティーに画面がフラッシュバックしています。
1年生の時、クリスマスの1週間前、ロスには招待客(visitors)がいたよな、というチャンドラーの声が流れた後、そのパーティー会場に現れたのは、その当時のレイチェルとモニカ。
大学生である兄のロスが、妹モニカとその友達のレイチェルをパーティーに紹介してあげたわけですね。
モニカはものすごく太っており、レイチェルも派手な格好をしています。
激太りのモニカは、「大学のパーティーにいるなんて信じられない」と騒いでいます。
I have to pee so bad! の so bad は、so badly 「ものすごく」という副詞のニュアンス。
bad は普通、形容詞ですが、badly のように -ly をつけなくても、このように副詞の位置に置くことで、badly の意味の副詞として使われることが、アメリカ口語ではよくあります。
real を、really という副詞の意味で使うのと同じ要領ですね。
DVDの日本語字幕では「ちびっちゃう」と訳されていましたが、まさにそんな感じで、興奮しておしっこしたくなっちゃった、と言っていることになるでしょう。
大学生の男性ってすっごく cute (セクシー、魅力的)ね、と喜ぶレイチェルに、モニカは、「あなたには彼氏がいるでしょう?」と言うのですが、レイチェルは、「確かに彼氏はいるけど、今夜コリー・ハイムみたいなルックスの男性にキスしたいって言われたら、絶対に彼にそうさせちゃうわ!」みたいに答えます。
コリー・ハイムさんについては以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: コリー・ハイム
そのウィキペディアの説明に、「1980年代に子役・ティーンアイドルとして人気を博した。」とありますので、レイチェルにとっては同世代のアイドルであり、憧れだった、ということでしょう。
2010年に38歳の若さで亡くなられているようです。
モニカはパーティー会場でチャンドラーを見つけます。
that stupid friend of Ross' who said I was fat. は、関係代名詞 who が使われており、前から順番にイメージすると、「ロスの、あのバカな友達よ。私(モニカ)が太っていると言った(やつ)」ということですね。
「ほら、私はもう4ポンドも減量したのよ!」というのは、「太ってるって言われたけど、私だってあれから減量したんだから!」と言っていることになるでしょう。
1ポンドは約 0.454kg で、4ポンドだと、1.8kg ほどになります。
それに対してのレイチェルの返事、You can so totally tell. について。
tell は「言う」ですから、直訳すると「あなたは全く(そう)言うことができるわね」という風にも訳せるかとは思うのですが、この場合の tell は「言葉として言う」というよりも、「(主語が)(〜を)示す、物語る。(〜だと)わかる」というニュアンスが近いように思います。
ここで訳語として出した日本語の「物語る」も、実際に主語が「話を言葉で語る」わけではなく、「主語を見ていると〜であることがわかる」という意味で使われますよね。
それと同じ感覚で、今回のセリフも、「あなたは実に(そう)物語ることができている」→「あなたを見ると「あなたが4ポンド減量した」ということがよくわかる」と言っていることになるでしょう。
先ほど説明したように、4ポンド=約1.8kg なので、実際には2kg 弱痩せたくらいでは、あまり見た目としてはわからないはずですよね。
そして、画面を見てもわかるように、この当時のモニカは激太りしているので、元々の重量が大きい(笑)人の場合はなおさら、1.8kg の減量が目に見えてわかるはずもありません。
モニカが自分がものすごく太っているのを忘れているかのように、1.8kg の減量を声高に語っているので、レイチェルはちょっとあきれた風で、「えぇ、あなたのその姿では減量したことがはっきり出てるわね。減量したことがはっきりわかるわね」と言ったことになるでしょう。
ちょっと皮肉っぽくそう言ったのに、その言葉を真に受けて、I know! 「そうでしょ!」と返すのも、モニカっぽいですね。
ロスに招待されたことから、とにかくロスを見つけないと、と思ったのでしょう、多分、彼ならロスの居場所を知ってるわよね、と言って、二人はチャンドラーに近づきます。
ト書きにあるように、「できるだけ興味がないように見せようとして、爪を見ている」という仕草が面白いですね。
大学生の中に高校生の自分たちが混じっているので、子供扱いされたくないという気持ちから、はしゃぐ気持ちを抑えて、さも興味がなさそうな大人びた態度を何とか取ろうとしている様子がうかがえますね。
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大学の同窓会に来ているチャンドラーとロス。
当時の思い出話をしていて、場面が大学当時にフラッシュバックします。
[Flashback scene: 80's College party.]
フラッシュバック。80年代の大学のパーティー。
現在のチャンドラーの声(Present Chandler's voice): Remember that big party? Freshman year? A week before Christmas vacation? I do. You had some visitors. (あの大きなパーティーを覚えてるか? 1年生の時。クリスマス休暇の1週間前。俺は覚えてるぞ。お前には招待客がいた。)
(An 80's Rachel and fat Monica walk into the party room. Both with funny hairdos and clothes)
80年代の頃のレイチェルと太ったモニカがそのパーティールームに歩いて入ってくる。二人とも変な髪型と服装をしている。
モニカ: I can't believe we're at a real college party! (Rachel laughs excitedly) I have to pee so bad! (本物の大学のパーティーに自分たちがいるなんて信じられない! [レイチェルは興奮気味に笑う] すんごくおしっこに行きたい!)
レイチェル: This is so awesome! College guys are so cute! (これってすっごく素敵! 大学の男ってすっごくセクシー!)
モニカ: Hey, you've got a boyfriend! (ちょっと、あなたには恋人がいるでしょう?)
レイチェル: I know. But if some guy who looks like Corey Haim wants to kiss me tonight, I'm sooo gonna let him! (They spot Chandler) (そうね。でももしコリー・ハイムみたいな顔の人に今夜キスしたいって言われたら、絶対に彼にキスさせちゃうわ! [二人はチャンドラーを見つける])
モニカ: Hey, look, there's Chandler. You know, that stupid friend of Ross' who said I was fat. You know I've already lost 4 pounds! (ちょっと、ねぇ、あそこにチャンドラーがいるわ。ほら、ロスのおバカな友達で、私を太ってるって言ったやつ。私はもう4ポンドも減量したのよ!)
レイチェル: It... You can so totally tell. (それって… あなた自身がそれをよく物語ってるわね[あなたを見ているとそれがよくわかるわね]。)
モニカ: I KNOW! (でしょう!)
レイチェル: Well, let's see, maybe he knows where Ross is. (They walk towards Chandler) Hey, how's it going? (tries to look as un-interested in him as possible - checking out her nails) (うーんと、ロスがどこにいるかを多分、チャンドラーが知ってるわね。[二人はチャンドラーに近づく] はーい、元気? [できるだけ、彼には興味がないように見せるようにしている、自分の爪を見たりしながら])
ロスとチャンドラーが大学生の頃(80年代)の大学のパーティーに画面がフラッシュバックしています。
1年生の時、クリスマスの1週間前、ロスには招待客(visitors)がいたよな、というチャンドラーの声が流れた後、そのパーティー会場に現れたのは、その当時のレイチェルとモニカ。
大学生である兄のロスが、妹モニカとその友達のレイチェルをパーティーに紹介してあげたわけですね。
モニカはものすごく太っており、レイチェルも派手な格好をしています。
激太りのモニカは、「大学のパーティーにいるなんて信じられない」と騒いでいます。
I have to pee so bad! の so bad は、so badly 「ものすごく」という副詞のニュアンス。
bad は普通、形容詞ですが、badly のように -ly をつけなくても、このように副詞の位置に置くことで、badly の意味の副詞として使われることが、アメリカ口語ではよくあります。
real を、really という副詞の意味で使うのと同じ要領ですね。
DVDの日本語字幕では「ちびっちゃう」と訳されていましたが、まさにそんな感じで、興奮しておしっこしたくなっちゃった、と言っていることになるでしょう。
大学生の男性ってすっごく cute (セクシー、魅力的)ね、と喜ぶレイチェルに、モニカは、「あなたには彼氏がいるでしょう?」と言うのですが、レイチェルは、「確かに彼氏はいるけど、今夜コリー・ハイムみたいなルックスの男性にキスしたいって言われたら、絶対に彼にそうさせちゃうわ!」みたいに答えます。
コリー・ハイムさんについては以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: コリー・ハイム
そのウィキペディアの説明に、「1980年代に子役・ティーンアイドルとして人気を博した。」とありますので、レイチェルにとっては同世代のアイドルであり、憧れだった、ということでしょう。
2010年に38歳の若さで亡くなられているようです。
モニカはパーティー会場でチャンドラーを見つけます。
that stupid friend of Ross' who said I was fat. は、関係代名詞 who が使われており、前から順番にイメージすると、「ロスの、あのバカな友達よ。私(モニカ)が太っていると言った(やつ)」ということですね。
「ほら、私はもう4ポンドも減量したのよ!」というのは、「太ってるって言われたけど、私だってあれから減量したんだから!」と言っていることになるでしょう。
1ポンドは約 0.454kg で、4ポンドだと、1.8kg ほどになります。
それに対してのレイチェルの返事、You can so totally tell. について。
tell は「言う」ですから、直訳すると「あなたは全く(そう)言うことができるわね」という風にも訳せるかとは思うのですが、この場合の tell は「言葉として言う」というよりも、「(主語が)(〜を)示す、物語る。(〜だと)わかる」というニュアンスが近いように思います。
ここで訳語として出した日本語の「物語る」も、実際に主語が「話を言葉で語る」わけではなく、「主語を見ていると〜であることがわかる」という意味で使われますよね。
それと同じ感覚で、今回のセリフも、「あなたは実に(そう)物語ることができている」→「あなたを見ると「あなたが4ポンド減量した」ということがよくわかる」と言っていることになるでしょう。
先ほど説明したように、4ポンド=約1.8kg なので、実際には2kg 弱痩せたくらいでは、あまり見た目としてはわからないはずですよね。
そして、画面を見てもわかるように、この当時のモニカは激太りしているので、元々の重量が大きい(笑)人の場合はなおさら、1.8kg の減量が目に見えてわかるはずもありません。
モニカが自分がものすごく太っているのを忘れているかのように、1.8kg の減量を声高に語っているので、レイチェルはちょっとあきれた風で、「えぇ、あなたのその姿では減量したことがはっきり出てるわね。減量したことがはっきりわかるわね」と言ったことになるでしょう。
ちょっと皮肉っぽくそう言ったのに、その言葉を真に受けて、I know! 「そうでしょ!」と返すのも、モニカっぽいですね。
ロスに招待されたことから、とにかくロスを見つけないと、と思ったのでしょう、多分、彼ならロスの居場所を知ってるわよね、と言って、二人はチャンドラーに近づきます。
ト書きにあるように、「できるだけ興味がないように見せようとして、爪を見ている」という仕草が面白いですね。
大学生の中に高校生の自分たちが混じっているので、子供扱いされたくないという気持ちから、はしゃぐ気持ちを抑えて、さも興味がなさそうな大人びた態度を何とか取ろうとしている様子がうかがえますね。
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2016年05月13日
エア引用符されると傷つく フレンズ10-11その2
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ロスとチャンドラーは、大学の同窓会に来ています。
二人が大学時代にあこがれていた女性、ミッシー・ゴールドバーグという女性も来ていて、大学時代は「二人ともミッシーには手を出さない」という協定を結んでいたのですが、ミッシーは離婚したらしいことから、既婚者であるチャンドラーがロスに「ミッシーを誘ってもいい」と言って、その協定を破る許可を与えます。
[Scene: College reunion party. Ross is talking to Missy.]
大学の同窓会パーティー。ロスはミッシーに話をしているところ。
ロス: So Saturday night? (それじゃあ、土曜日の夜にね?)
ミッシー: I'd love to! (喜んで!)
ロス: Great! (良かった!)
ミッシー: So how come it took you so long to ask me out? (それで、どうして私を誘うのにそんなに時間がかかったの?[どうして大学当時は誘ってくれなかったの?])
ロス: Oh, well, uh, this is gonna sound kinda silly, but, do you remember my roommate, Chandler Bing? (あぁ、うーんと、こんなのバカみたいに聞こえるだろうけど、でも、僕のルームメイトのチャンドラー・ビングを覚えてる?)
ミッシー: Sure. He was in your "band." (she air quotes band) (ええ。彼はあなたの(いわゆる)”バンド”にいたわよね。)
ロス: It's been 16 years, but the air quotes still hurt. (あれから16年になるけど、そのエア引用符は今でも傷つくよ。)
ミッシー: Sorry. (ごめんね。)
ロス: That's okay. Uh, anyway, well, he and I both really liked you a lot, uhm, but we didn't want anything to jeopardize our friendship, so we kinda made a pact, that neither of us could ask you out! (いいんだよ。とにかく、彼と僕は二人とも、君のことがものすごく好きだったんだ。でも僕たちは僕らの友情を危険にさらすようなことは何もしたくなかったから、協定をしたんだよ。僕らは二人とも君を誘わない、って(いう協定を)ね。)
ミッシー: Really? (ほんとに?)
ロス: Yeah, why? (あぁ、どうして?)
ミッシー: Well, Chandler and I used to make out! A lot! (うーんと、チャンドラーと私は当時、いちゃいちゃしてたわよ。しょっちゅうね。)
ロス: You did? (君らはそんなことしてたの?)
ミッシー: Yeah. We'd go to the science lab after-hours! (ええ。放課後に、科学実験室(理科室)に行ったものだわ。)
ロス: (angrily) AND ON MY TURF? ([怒って] それに僕のなわばりで?)
大学時代には誘えなかった女性を、同窓会の時にやっと誘えて、ホッとしている様子のロス。
相手の女性ミッシーは、So how come it took you so long to ask me out? と言っています。
「それで、私をデートに誘うのに、あなたにはどうしてそんなに長い時間がかかったの?」ということですね。
同窓会のこの場で誘うんだったら、どうして大学生の時には私を誘おうとしなかったの? と問うていることになります。
ロスは、「(今から話そうとする)こんなことはバカげてるように聞こえるだろうけど」と前置きした後で、「僕のルームメイトのチャンドラー・ビングを覚えてる?」と言います。
ミッシーが Sure. He was in your "band." と答えた時のト書きには、she air quotes band とあります。
air quote が動詞で、主語が she という3人称なので、3単現の -s がついて、air quotes になっており、「ミッシーは、band (という単語)を、エア・クオート(エア引用符)する」という意味になります。
この air は、ギターの弾きまねをする時の「エア・ギター」(air quitar)のエアと同じニュアンスで、「(何もない)空中で、そのしぐさをする」というような感覚になるでしょう。
つまり、「エア・クオート(エア引用符)する」というのは、ある言葉を言う時に、両手の2本の指(人差し指と中指)を曲げることで、「” ”」= double quotation marks (クオーテーションマーク、引用符)を表すしぐさをする、ということで、これまでのフレンズにも何度も登場しました。
特定の言葉に引用符をつけることで、「あなたが言うところの、いわゆる〜ってやつ」みたいなニュアンスを出す効果が生まれます。
今回のミッシーのセリフも、引用符ジェスチャーなしで「彼はあなたのバンドにいたわね」だったら、普通のセリフなのですが、band という単語にわざわざ引用符をつけたことで、「あなたたちが”バンド”だって言ってた、そのグループにいた人ね」みたいな感覚が生まれ、「あれってバンドって呼べるようなものだったかどうかは疑問だけど、あなたたちは自分たちでそう呼んでたわよね」というようなニュアンスが出るわけですね。
「あなたたちがバンドって呼んでたやつ」みたいに、その band をバカにされたことになるため、ロスは、It's been 16 years, but the air quotes still hurt. と返すことになります。
この自動詞の hurt は、「人の気持ち・心を害する・痛める」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hurt : UPSET SOMEBODY to make someone feel very upset, unpappy, sad etc.
例) Her words hurt, but I didn't get angry.
つまり、「誰かをとても動揺させたり、不幸に感じさせたり、悲しませたりすること」。例文は「彼女の言葉は(私の)気持ちを害したが、私は怒らなかった」。
hurt という自動詞は、目的語を取らずに、「主語が誰かの気持ちを害する(傷つける・悲しませる)」という意味で使われ、今回のロスのセリフも、「そのエア引用符(ミッシーが band に引用符ジェスチャーをつけたこと)が、僕の気持ちを害した」→「そのエア引用符には(僕は)傷ついた」という意味になるわけですね。
「(バンドを組んでた大学生の頃から)今で16年経つけど、でも、そのエア引用符には(16年経った今でも)まだ、傷つくよ」と言っていることになります。
その後、ロスは、大学時代にミッシーを誘わなかった理由を説明します。
「僕とチャンドラーは(バンドを組んでいた大学時代)、君のことがとっても好きだった。でも、僕らは二人の友情を危険にさらす(脅かす)ようなことは何もしたくなかったので、協定を結んだ、って感じなんだ」と言った後、that 以下で、その協定の内容を説明しています。
「その協定っていうのは、僕らのどちらも君をデートに誘うことはできない(誘っちゃいけない)っていうものなんだ」という感覚ですね。
その協定について説明すると、ミッシーは「ほんとに?」と驚いたような反応を示すので、「どうしてそんなに驚いた顔をするの?」というように、ロスは、Yeah, why? と返します。
make out は「いちゃつく」なので、ミッシーのセリフは、「チャンドラーと私は(大学時代)いちゃついていた[いちゃついてたものだった]わ! (それも)よく(たくさん)ね!」になります。
協定があるのに、チャンドラーはミッシーといちゃついてた、それも一度や二度ではなく、A lot! と言われたので、ロスは驚くのですが、ミッシーはさらに「私たちは放課後に、サイエンス・ラボに行っていたものだった」と告白するので、ロスは怒った顔で、AND ON MY TURF? と言うことになります。
turf は「芝、芝地」という意味ですが、「僕の庭」のようなニュアンスから、「(自分の)なわばり、シマ、テリトリー」という意味にもなります。
ですから、And on my turf? というのは、「君たちはそんなことしてたの?[二人でいちゃついてたの?] それも僕のなわばりで?」と言ったことになります。
ロスは自分が科学者であると常々言っていますので、自分にとってはサイエンス・ラボは自分のなわばりのようなものだと思っている、そんな僕の庭で、僕に隠れて君らはそんなことをしてたのか? と言って怒っているわけですね。
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二人が大学時代にあこがれていた女性、ミッシー・ゴールドバーグという女性も来ていて、大学時代は「二人ともミッシーには手を出さない」という協定を結んでいたのですが、ミッシーは離婚したらしいことから、既婚者であるチャンドラーがロスに「ミッシーを誘ってもいい」と言って、その協定を破る許可を与えます。
[Scene: College reunion party. Ross is talking to Missy.]
大学の同窓会パーティー。ロスはミッシーに話をしているところ。
ロス: So Saturday night? (それじゃあ、土曜日の夜にね?)
ミッシー: I'd love to! (喜んで!)
ロス: Great! (良かった!)
ミッシー: So how come it took you so long to ask me out? (それで、どうして私を誘うのにそんなに時間がかかったの?[どうして大学当時は誘ってくれなかったの?])
ロス: Oh, well, uh, this is gonna sound kinda silly, but, do you remember my roommate, Chandler Bing? (あぁ、うーんと、こんなのバカみたいに聞こえるだろうけど、でも、僕のルームメイトのチャンドラー・ビングを覚えてる?)
ミッシー: Sure. He was in your "band." (she air quotes band) (ええ。彼はあなたの(いわゆる)”バンド”にいたわよね。)
ロス: It's been 16 years, but the air quotes still hurt. (あれから16年になるけど、そのエア引用符は今でも傷つくよ。)
ミッシー: Sorry. (ごめんね。)
ロス: That's okay. Uh, anyway, well, he and I both really liked you a lot, uhm, but we didn't want anything to jeopardize our friendship, so we kinda made a pact, that neither of us could ask you out! (いいんだよ。とにかく、彼と僕は二人とも、君のことがものすごく好きだったんだ。でも僕たちは僕らの友情を危険にさらすようなことは何もしたくなかったから、協定をしたんだよ。僕らは二人とも君を誘わない、って(いう協定を)ね。)
ミッシー: Really? (ほんとに?)
ロス: Yeah, why? (あぁ、どうして?)
ミッシー: Well, Chandler and I used to make out! A lot! (うーんと、チャンドラーと私は当時、いちゃいちゃしてたわよ。しょっちゅうね。)
ロス: You did? (君らはそんなことしてたの?)
ミッシー: Yeah. We'd go to the science lab after-hours! (ええ。放課後に、科学実験室(理科室)に行ったものだわ。)
ロス: (angrily) AND ON MY TURF? ([怒って] それに僕のなわばりで?)
大学時代には誘えなかった女性を、同窓会の時にやっと誘えて、ホッとしている様子のロス。
相手の女性ミッシーは、So how come it took you so long to ask me out? と言っています。
「それで、私をデートに誘うのに、あなたにはどうしてそんなに長い時間がかかったの?」ということですね。
同窓会のこの場で誘うんだったら、どうして大学生の時には私を誘おうとしなかったの? と問うていることになります。
ロスは、「(今から話そうとする)こんなことはバカげてるように聞こえるだろうけど」と前置きした後で、「僕のルームメイトのチャンドラー・ビングを覚えてる?」と言います。
ミッシーが Sure. He was in your "band." と答えた時のト書きには、she air quotes band とあります。
air quote が動詞で、主語が she という3人称なので、3単現の -s がついて、air quotes になっており、「ミッシーは、band (という単語)を、エア・クオート(エア引用符)する」という意味になります。
この air は、ギターの弾きまねをする時の「エア・ギター」(air quitar)のエアと同じニュアンスで、「(何もない)空中で、そのしぐさをする」というような感覚になるでしょう。
つまり、「エア・クオート(エア引用符)する」というのは、ある言葉を言う時に、両手の2本の指(人差し指と中指)を曲げることで、「” ”」= double quotation marks (クオーテーションマーク、引用符)を表すしぐさをする、ということで、これまでのフレンズにも何度も登場しました。
特定の言葉に引用符をつけることで、「あなたが言うところの、いわゆる〜ってやつ」みたいなニュアンスを出す効果が生まれます。
今回のミッシーのセリフも、引用符ジェスチャーなしで「彼はあなたのバンドにいたわね」だったら、普通のセリフなのですが、band という単語にわざわざ引用符をつけたことで、「あなたたちが”バンド”だって言ってた、そのグループにいた人ね」みたいな感覚が生まれ、「あれってバンドって呼べるようなものだったかどうかは疑問だけど、あなたたちは自分たちでそう呼んでたわよね」というようなニュアンスが出るわけですね。
「あなたたちがバンドって呼んでたやつ」みたいに、その band をバカにされたことになるため、ロスは、It's been 16 years, but the air quotes still hurt. と返すことになります。
この自動詞の hurt は、「人の気持ち・心を害する・痛める」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hurt : UPSET SOMEBODY to make someone feel very upset, unpappy, sad etc.
例) Her words hurt, but I didn't get angry.
つまり、「誰かをとても動揺させたり、不幸に感じさせたり、悲しませたりすること」。例文は「彼女の言葉は(私の)気持ちを害したが、私は怒らなかった」。
hurt という自動詞は、目的語を取らずに、「主語が誰かの気持ちを害する(傷つける・悲しませる)」という意味で使われ、今回のロスのセリフも、「そのエア引用符(ミッシーが band に引用符ジェスチャーをつけたこと)が、僕の気持ちを害した」→「そのエア引用符には(僕は)傷ついた」という意味になるわけですね。
「(バンドを組んでた大学生の頃から)今で16年経つけど、でも、そのエア引用符には(16年経った今でも)まだ、傷つくよ」と言っていることになります。
その後、ロスは、大学時代にミッシーを誘わなかった理由を説明します。
「僕とチャンドラーは(バンドを組んでいた大学時代)、君のことがとっても好きだった。でも、僕らは二人の友情を危険にさらす(脅かす)ようなことは何もしたくなかったので、協定を結んだ、って感じなんだ」と言った後、that 以下で、その協定の内容を説明しています。
「その協定っていうのは、僕らのどちらも君をデートに誘うことはできない(誘っちゃいけない)っていうものなんだ」という感覚ですね。
その協定について説明すると、ミッシーは「ほんとに?」と驚いたような反応を示すので、「どうしてそんなに驚いた顔をするの?」というように、ロスは、Yeah, why? と返します。
make out は「いちゃつく」なので、ミッシーのセリフは、「チャンドラーと私は(大学時代)いちゃついていた[いちゃついてたものだった]わ! (それも)よく(たくさん)ね!」になります。
協定があるのに、チャンドラーはミッシーといちゃついてた、それも一度や二度ではなく、A lot! と言われたので、ロスは驚くのですが、ミッシーはさらに「私たちは放課後に、サイエンス・ラボに行っていたものだった」と告白するので、ロスは怒った顔で、AND ON MY TURF? と言うことになります。
turf は「芝、芝地」という意味ですが、「僕の庭」のようなニュアンスから、「(自分の)なわばり、シマ、テリトリー」という意味にもなります。
ですから、And on my turf? というのは、「君たちはそんなことしてたの?[二人でいちゃついてたの?] それも僕のなわばりで?」と言ったことになります。
ロスは自分が科学者であると常々言っていますので、自分にとってはサイエンス・ラボは自分のなわばりのようなものだと思っている、そんな僕の庭で、僕に隠れて君らはそんなことをしてたのか? と言って怒っているわけですね。
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2016年05月11日
ラインがあるものを説明するクイズ フレンズ10-11その1
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シーズン10 第11話
The One Where the Stripper Cries (ゴージャスすぎるストリッパー)
原題は「ストリッパーが泣く話」
ジョーイは、ソープオペラ俳優として、クイズ番組のピラミッド(Pyramid)に出演することになります。
その収録スタジオでのシーン。
ジョーイは、一般参加者のジーンという人とペアを組んでいます。
ダニー・オズモンド(司会者): Let's play Pyramid. All right? Now... we flipped a coin before the show. Gene, you won the toss, so you're gonna start. Which category would you like? (レッツ・プレイ・ピラミッド! いいかい? 番組の前にコインを投げて先攻後攻を決めたよね。ジーン、君がコイントスに勝ったから、君から始めてくれ。どのカテゴリーを選びたい?)
ジーン: I'll take "You Crossed the Line." (僕は「君は一線を越えた」を選ぶよ。)
ダニー: "You Crossed the Line." Joey, describe for Gene these things that have lines. Give me 20 seconds on the clock, please. Ready? Go! (「君は一線を越えた」だね。ジョーイ、ジーンのために、line を持つこれらのものを口で説明してくれ。制限時間は20分だよ。レディー、ゴー!)
ジョーイ: (on the screen there's the word "Supermarket") Uhm... okay. It's a store like a supermarket. (there is a sound indicating he made a mistake as he shouldn't have said 'supermarket'. The next word appears, "notebook") Oh! I see-I see what I did there. Okay, okay. uhm... I'm writing in my.... ([スクリーンに「スーパーマーケット」の文字が出る] えーっと、よし。店だ、スーパーマーケットみたいな。[ジョーイは「スーパーマーケット」という言葉を言うべきではなかったのに言ってしまったため、ジョーイが間違えたことを示す音が鳴る。次の単語「ノートブック」が(画面に)表れる。] あぁ! 自分のやっちゃったこと、わかってるよ[俺ったら、何やってんだろうね]。よし、えーっと、俺は書いている、俺の…に…。)
ジーン: Diary. (日記。)
ジョーイ: Noo, (whispering) more like a notebook. Damn it! (next word appears: "blueprint") Oh, if I'm building a house, the plan isn't called the "shmooprint".... Can't do that either? Woha... hey... (the last word is "Football field" and there are 5 seconds left) In high school, I once had sex with a girl right in the middle of the...? (違うー、[ささやき声で] ノートブックみたいなもんだ。くそっ! [次の単語「ブループリント(青写真、設計図)」が表れる] あぁ、もし家を建ててるなら、そのプランは「なんとか(なんちゃら)プリント」じゃなくて… それもダメなの? あぁ、ちょっと… [最後の単語は「フットボール・フィールド」で、残り5秒である] 高校の時、俺はそのど真ん中で、女の子とエッチしたことがあるんだけど…?)
ジーン: Cafeteria. (カフェテリア。)
ジョーイ: Yeah! But that is not what they're looking for. (time's finished) OOOH! (あぁ(そこで)したよ! でもそれはこの問題の答えじゃない。[時間が終了する] あぁ〜!)
ジョーイが出演することになった「ピラミッド」というのは、実在のクイズ番組。
詳しくはこちら↓
Wikipedia 英語版: Pyramid (game show)
今回司会者として登場している Donny Osmond は、2002年から2004年の間の本物の司会者です。
flip a coin は「コインを投げて(表か裏かで)決める」ということで、その次のセリフにも、「君はトスに勝ったから」という表現があるように、試合で先攻後攻を決める時のコイントスのこと。
どのカテゴリーを選ぶ? と言われたジーン(ジョーイとペアになっている、一般参加者)は、画面に出ているいくつかの項目の中から、"You Crossed the Line." を選びます。
cross the line は「(最後の)一線を越える」という意味で使われる言葉で、フレンズ4-7 の原題にも、The One Where Chandler Crosses the Line (訳:チャンドラーが一線を越える話)として使われていました。
そのカテゴリーの意味については、その後、司会のダニーがジョーイに説明しているように、describe for Gene these things that have lines. 「line を持つこれらのものを、ジーンのために言葉で表してくれ[口で説明してくれ]」ということですね。
line がある言葉を説明するというカテゴリーのタイトルとして、line という言葉が使われた表現を使っていることになるでしょう。
Give me 20 seconds on the clock を直訳すると、「時計で20秒を私にくれ」ということですから、クイズ番組的な言い回しにすると、「制限時間は20秒」ということですね。
レディー・ゴー! の合図と共に、画面には supermarket の文字が映ります。
line は「線」の他にも「列、行列」という意味がありますので、レジに行列ができるという意味から、lines (行列)があるもの、として問題に出されたことになります。
画面に出た文字を見て、言葉でヒントを言おうとするジョーイ。
It's a store. 「(それは)店だ」までなら良かったのですが、さらに「(店だ。)スーパーマーケットのような」と言ってしまったため、ハズレのサウンドが鳴ることになります。
その後のト書きにあるように、答えそのものである「スーパーマーケット」という言葉は言うべきではなかったのについうっかり言ってしまったのでダメだった、ということですね。
画面には次の言葉 notebook が映り、ジョーイは先ほど失敗したことに対する反省の言葉として、I see what I did there. と言っています。
「(さっき)あそこで俺がしたことを俺はわかってる」というところで、「答えとなる言葉を言っちゃいけないのに、俺、さっき言っちゃったよね」と表現することで、「さっきみたいなヘマはもうしないよ」と宣言したことになるでしょう。
それで今度は気を付けて、答えとなるノートブックは言わないように、「俺は俺の…に書いている」と表現して、それが「書くもの」であることを伝えようとするのですが、相手が「日記」と答えたので、「それじゃない!」と言った後、小さい声で、more like a notebook 「ノートブックみたいなもんだよ」と言ってしまい、また、不正解となってしまいます。
次の blueprint は「ブループリント、設計図」。設計図は線で描かれていますよね。
shmooprint の shmoo- は、「何とか、なんちゃら」みたいな感じで、blue と言う代わりに別の音に言い換えた感覚ですが、このような shm-/schm- という音は、フレンズ3-19 で、"Fair, shmair." またフレンズ4-15 で、"Oh, too soon, too schmoon!" という表現で登場していました。
イディッシュ語(アメリカなどの国々でユダヤ人が使う言語)は、sh- や sch- で始まる単語が多いことが由来となっているようです。
その後、Can't do that either? 「それもできないの? それもダメなの?」と言っているのは、答えそのものである blueprint じゃなくて、一部を伏字にした感じの shmooprint でもダメなの? という感覚ですね。
最後の言葉は football field で、残り5秒と表示されます。
アメフトでは、何ヤードか示すためのラインがありますし、linebacker 「ラインバッカー(LB)」という選手もいますね。
ヒントの言葉として、「高校時代、俺はそのど真ん中で女の子とエッチした」みたいに言うのが、プレイボーイのジョーイらしくて面白いです。
答えが「場所の名前」だとわかったジーンは、「カフェテリア」と答えます。
それに対して、Yeah! But that is not what they're looking for. と答えるのがまた楽しいです。
「それは彼らが求めている[期待している]ものじゃない」ということで、「それはこの問題の答えじゃない」ということなのですが、その前に、Yeah! と一度肯定していることで、「高校の時、カフェテリアのど真ん中で女の子とエッチしたことは確かにあるけど、今回の答えはそれじゃあないんだよなぁ、、」みたいに言ったことがわかる、という面白さになるわけですね。
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シーズン10 第11話
The One Where the Stripper Cries (ゴージャスすぎるストリッパー)
原題は「ストリッパーが泣く話」
ジョーイは、ソープオペラ俳優として、クイズ番組のピラミッド(Pyramid)に出演することになります。
その収録スタジオでのシーン。
ジョーイは、一般参加者のジーンという人とペアを組んでいます。
ダニー・オズモンド(司会者): Let's play Pyramid. All right? Now... we flipped a coin before the show. Gene, you won the toss, so you're gonna start. Which category would you like? (レッツ・プレイ・ピラミッド! いいかい? 番組の前にコインを投げて先攻後攻を決めたよね。ジーン、君がコイントスに勝ったから、君から始めてくれ。どのカテゴリーを選びたい?)
ジーン: I'll take "You Crossed the Line." (僕は「君は一線を越えた」を選ぶよ。)
ダニー: "You Crossed the Line." Joey, describe for Gene these things that have lines. Give me 20 seconds on the clock, please. Ready? Go! (「君は一線を越えた」だね。ジョーイ、ジーンのために、line を持つこれらのものを口で説明してくれ。制限時間は20分だよ。レディー、ゴー!)
ジョーイ: (on the screen there's the word "Supermarket") Uhm... okay. It's a store like a supermarket. (there is a sound indicating he made a mistake as he shouldn't have said 'supermarket'. The next word appears, "notebook") Oh! I see-I see what I did there. Okay, okay. uhm... I'm writing in my.... ([スクリーンに「スーパーマーケット」の文字が出る] えーっと、よし。店だ、スーパーマーケットみたいな。[ジョーイは「スーパーマーケット」という言葉を言うべきではなかったのに言ってしまったため、ジョーイが間違えたことを示す音が鳴る。次の単語「ノートブック」が(画面に)表れる。] あぁ! 自分のやっちゃったこと、わかってるよ[俺ったら、何やってんだろうね]。よし、えーっと、俺は書いている、俺の…に…。)
ジーン: Diary. (日記。)
ジョーイ: Noo, (whispering) more like a notebook. Damn it! (next word appears: "blueprint") Oh, if I'm building a house, the plan isn't called the "shmooprint".... Can't do that either? Woha... hey... (the last word is "Football field" and there are 5 seconds left) In high school, I once had sex with a girl right in the middle of the...? (違うー、[ささやき声で] ノートブックみたいなもんだ。くそっ! [次の単語「ブループリント(青写真、設計図)」が表れる] あぁ、もし家を建ててるなら、そのプランは「なんとか(なんちゃら)プリント」じゃなくて… それもダメなの? あぁ、ちょっと… [最後の単語は「フットボール・フィールド」で、残り5秒である] 高校の時、俺はそのど真ん中で、女の子とエッチしたことがあるんだけど…?)
ジーン: Cafeteria. (カフェテリア。)
ジョーイ: Yeah! But that is not what they're looking for. (time's finished) OOOH! (あぁ(そこで)したよ! でもそれはこの問題の答えじゃない。[時間が終了する] あぁ〜!)
ジョーイが出演することになった「ピラミッド」というのは、実在のクイズ番組。
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Wikipedia 英語版: Pyramid (game show)
今回司会者として登場している Donny Osmond は、2002年から2004年の間の本物の司会者です。
flip a coin は「コインを投げて(表か裏かで)決める」ということで、その次のセリフにも、「君はトスに勝ったから」という表現があるように、試合で先攻後攻を決める時のコイントスのこと。
どのカテゴリーを選ぶ? と言われたジーン(ジョーイとペアになっている、一般参加者)は、画面に出ているいくつかの項目の中から、"You Crossed the Line." を選びます。
cross the line は「(最後の)一線を越える」という意味で使われる言葉で、フレンズ4-7 の原題にも、The One Where Chandler Crosses the Line (訳:チャンドラーが一線を越える話)として使われていました。
そのカテゴリーの意味については、その後、司会のダニーがジョーイに説明しているように、describe for Gene these things that have lines. 「line を持つこれらのものを、ジーンのために言葉で表してくれ[口で説明してくれ]」ということですね。
line がある言葉を説明するというカテゴリーのタイトルとして、line という言葉が使われた表現を使っていることになるでしょう。
Give me 20 seconds on the clock を直訳すると、「時計で20秒を私にくれ」ということですから、クイズ番組的な言い回しにすると、「制限時間は20秒」ということですね。
レディー・ゴー! の合図と共に、画面には supermarket の文字が映ります。
line は「線」の他にも「列、行列」という意味がありますので、レジに行列ができるという意味から、lines (行列)があるもの、として問題に出されたことになります。
画面に出た文字を見て、言葉でヒントを言おうとするジョーイ。
It's a store. 「(それは)店だ」までなら良かったのですが、さらに「(店だ。)スーパーマーケットのような」と言ってしまったため、ハズレのサウンドが鳴ることになります。
その後のト書きにあるように、答えそのものである「スーパーマーケット」という言葉は言うべきではなかったのについうっかり言ってしまったのでダメだった、ということですね。
画面には次の言葉 notebook が映り、ジョーイは先ほど失敗したことに対する反省の言葉として、I see what I did there. と言っています。
「(さっき)あそこで俺がしたことを俺はわかってる」というところで、「答えとなる言葉を言っちゃいけないのに、俺、さっき言っちゃったよね」と表現することで、「さっきみたいなヘマはもうしないよ」と宣言したことになるでしょう。
それで今度は気を付けて、答えとなるノートブックは言わないように、「俺は俺の…に書いている」と表現して、それが「書くもの」であることを伝えようとするのですが、相手が「日記」と答えたので、「それじゃない!」と言った後、小さい声で、more like a notebook 「ノートブックみたいなもんだよ」と言ってしまい、また、不正解となってしまいます。
次の blueprint は「ブループリント、設計図」。設計図は線で描かれていますよね。
shmooprint の shmoo- は、「何とか、なんちゃら」みたいな感じで、blue と言う代わりに別の音に言い換えた感覚ですが、このような shm-/schm- という音は、フレンズ3-19 で、"Fair, shmair." またフレンズ4-15 で、"Oh, too soon, too schmoon!" という表現で登場していました。
イディッシュ語(アメリカなどの国々でユダヤ人が使う言語)は、sh- や sch- で始まる単語が多いことが由来となっているようです。
その後、Can't do that either? 「それもできないの? それもダメなの?」と言っているのは、答えそのものである blueprint じゃなくて、一部を伏字にした感じの shmooprint でもダメなの? という感覚ですね。
最後の言葉は football field で、残り5秒と表示されます。
アメフトでは、何ヤードか示すためのラインがありますし、linebacker 「ラインバッカー(LB)」という選手もいますね。
ヒントの言葉として、「高校時代、俺はそのど真ん中で女の子とエッチした」みたいに言うのが、プレイボーイのジョーイらしくて面白いです。
答えが「場所の名前」だとわかったジーンは、「カフェテリア」と答えます。
それに対して、Yeah! But that is not what they're looking for. と答えるのがまた楽しいです。
「それは彼らが求めている[期待している]ものじゃない」ということで、「それはこの問題の答えじゃない」ということなのですが、その前に、Yeah! と一度肯定していることで、「高校の時、カフェテリアのど真ん中で女の子とエッチしたことは確かにあるけど、今回の答えはそれじゃあないんだよなぁ、、」みたいに言ったことがわかる、という面白さになるわけですね。
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2016年05月09日
言い値からびた一文もまけない フレンズ10-10その6
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郊外への引っ越しを考えているチャンドラーとモニカに対して、ここNYに残るよう、フレンズたちは説得を続けています。
(The phone rings and Chandler goes to get it)
電話が鳴り、チャンドラーが電話を取りに行く。
チャンドラー: Hello? It's Nancy. They responded to our offer. (もしもし? (この電話は)ナンシー(から)だ。俺たちの申し込みに対して返事してきたんだよ。)
モニカ: And? (それで?)
(Chandler listens to what Nancy says)
チャンドラーはナンシーが言うことを聞いている。
チャンドラー: (to Nancy) Okay. Thanks. (to Monica) They passed. They said they wouldn't go a penny under the asking price. ([ナンシーに] わかった。ありがとう。[モニカに] 彼らに断られたよ。言い値からびた1文もまけない、って言うんだ。)
モニカ: We can't afford that. (そんなお金の余裕はないわ。)
チャンドラー: I know. (そうだね。)
モニカ: Well, there you go. (えぇ、しかたないわ。)
(Chandler and Monica hug)
チャンドラーとモニカはハグする。
ジョーイ: I'm really sorry, you guys. (ほんとに残念だったな。)
ロス: Yeah. I'm sorry too. I'm even more sorry that that phone call didn't come before I told you about looking through the window. (そうだね。残念だったよね。さらにもっと残念に思うのは、僕が窓越しに覗いていることを君たちに言う前に、その電話が来なかったことだね。)
レイチェル: Yeah. Well, we're gonna let you be alone. (そうね。じゃあ、あなたたちを二人だけにしてあげるわね[私たちは外すわね、退散するわね]。)
フィービー: (to Monica) You're gonna be okay? ([モニカに] 大丈夫?)
モニカ: Yeah, we'll be okay. (えぇ、私たちは大丈夫よ。)
ロス: Love you guys. (he kisses Monica, he, Rachel and Phoebe leave.) (愛してるよ。[ロスはモニカにキスし、ロス、レイチェル、フィービーは去る])
ジョーイ: You know, I'm really sorry I wasn't more supportive before. (なぁ、ほんとにごめんな、さっきはあまり協力的じゃなくてさ。)
チャンドラー: That's okay. We understand. (そんなのいいんだよ。わかってるよ。)
ジョーイ: Yeah, and about this Nancy.... If you're not sleeping with her, should I? (あぁ、それでその(不動産屋の)ナンシーのことだけど… もしお前が彼女と寝ないなら、俺が寝ていい?)
(Chandler gives Joey her business card, which he eagerly grabs and he leaves.)
チャンドラーはナンシーの名刺をジョーイに渡す、ジョーイはそれを熱心に掴んだ後、去る。
電話に出たチャンドラーは、「(電話の相手は)ナンシーだ。俺たちの申し込みに返事してきたんだ」と説明した後、相手のナンシーの話を聞き、モニカにその内容を説明しています。
They passed. の pass は、ここでは「受け入れない、断る」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pass : NOT ACCEPT [intransitive] (spoken) to not accept an invitation or offer.
例) "Do you want to go fishing Saturday?" "Sorry, I'll have to pass this time."
つまり、「受け入れない。(口語) 招待や申し出を受け入れないこと」。例文は、「土曜日、釣りに行きたい?」「ごめん、今回はパスしなければならないよ[断らなければならないよ]」。
not accept の意味だと、「通過する」とか、「トランプでパスする」のようなイメージに捉えると良いでしょう。
They said they wouldn't go a penny under the asking price. を直訳すると、「彼ら(不動産業者)は言った。求めている価格(言い値・提示価格)から1ペニーも下げるつもりはない、って」になるでしょう。
日本語の表現だと、「言い値から、びた一文も[一文たりとも]まけない、って言ってた」というところですね。
can't afford は「〜を買う(お金の)余裕はない」ですから、「値段を全く下げてくれないというのなら、あちらの言い値で買えるほどのお金の余裕はうちにはない」ということですね。
家が買えないとわかって、残念そうではありますが、チャンドラーとモニカはその事実を受け入れています。
郊外に家を買うことを反対していたフレンズたちも、チャンドラーとモニカの気持ちを考え、慰めの言葉をかけていますね。
ジョーイとロスはそれぞれ、I'm sorry. と言っていますが、これは「ごめん」という謝罪の言葉ではなく、相手に同情するニュアンスの「残念だったね」という言葉ですね。
その次のロスのセリフ、I'm even more sorry that that phone call didn't come before I told you about looking through the window. について。
「窓から[窓越しに]見ている[覗いている]ことについて君に言った」というのは、このやりとりの前にロスが、以下のようなセリフを言ったことを受けています。
ロス: You know, sometimes when I'm alone in my apartment, I look over here and you guys are just having dinner or... watching TV or something, but... it makes me feel better. (ほら、時々、僕が自分の家(アパートメント)に一人でいる時に、ここ(チャンドラーとモニカの家)を見ると、君ら二人がちょうど夕食を食べてたり、テレビを見てたりとかしてるんだけど… それを見てると気持ちがほっとするんだよ。)
向かいの家から、チャンドラーとモニカ夫婦の様子を覗き見してる、と言ったことになるので、他のフレンズたちにドン引きされていたのですが、ここでその発言を持ち出して、「君らを引きとめようとそんな話までしちゃったけど、不動産業者からの電話がもう少し早ければ、そんなこと言わずに済んだのに。その件を言う前に電話がかかってきたら良かったのに」と後悔していることになります。
we're gonna let you be alone. は「私たちはあなたたち二人だけにしてあげるつもり」ということですから、「私たちは席を外すわね、退散するわね」と言っていることになります。
夢の郊外マイホームが買えないとわかって、二人だけでゆっくり気持ちの整理もしたいだろうから、当事者以外の私たちは出て行くわ、ということですね。
ジョーイの I'm really sorry I wasn't more supportive before. の I'm sorry は「ごめん、という謝罪」になります。
「さっき、俺がもっとサポーティブ(協力的)じゃなかったことは、本当にごめん」ということで、二人がその家を欲しがっていたことはわかってたのに、さっきは反対するようなことばかり言ってしまってごめんな、と素直に謝っていることになります。
チャンドラーもそのジョーイの発言を素直に受け止め、「そんなのいいんだよ。俺たちは(お前らの気持ちを)理解してる」と返します。
嫌がらせとかではなく、チャンドラーたちと離れたくないから反対していたことはよーくわかってるからさ、ということですね。
about this Nancy.... If you're not sleeping with her, should I? は「この(不動産業者の)ナンシーについてだけど… もしお前が彼女と寝ないなら、俺が寝てもいいか?」みたいなことですね。
チャンドラーの浮気相手かと思っていたら違うと判明したので、「お前の浮気相手じゃないんなら、俺が誘っても構わないよな?」と言ったことになります。
チャンドラーが浮気していたわけでもなく、二人が郊外に引っ越す話もおじゃんになったので、ジョーイとしては心配事が去り、ホッとした気分なのでしょう。
いつものプレイボーイ的発言をして、チャンドラーからナンシーの名刺を嬉しそうにもらうジョーイが面白いですね。
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電話が鳴り、チャンドラーが電話を取りに行く。
チャンドラー: Hello? It's Nancy. They responded to our offer. (もしもし? (この電話は)ナンシー(から)だ。俺たちの申し込みに対して返事してきたんだよ。)
モニカ: And? (それで?)
(Chandler listens to what Nancy says)
チャンドラーはナンシーが言うことを聞いている。
チャンドラー: (to Nancy) Okay. Thanks. (to Monica) They passed. They said they wouldn't go a penny under the asking price. ([ナンシーに] わかった。ありがとう。[モニカに] 彼らに断られたよ。言い値からびた1文もまけない、って言うんだ。)
モニカ: We can't afford that. (そんなお金の余裕はないわ。)
チャンドラー: I know. (そうだね。)
モニカ: Well, there you go. (えぇ、しかたないわ。)
(Chandler and Monica hug)
チャンドラーとモニカはハグする。
ジョーイ: I'm really sorry, you guys. (ほんとに残念だったな。)
ロス: Yeah. I'm sorry too. I'm even more sorry that that phone call didn't come before I told you about looking through the window. (そうだね。残念だったよね。さらにもっと残念に思うのは、僕が窓越しに覗いていることを君たちに言う前に、その電話が来なかったことだね。)
レイチェル: Yeah. Well, we're gonna let you be alone. (そうね。じゃあ、あなたたちを二人だけにしてあげるわね[私たちは外すわね、退散するわね]。)
フィービー: (to Monica) You're gonna be okay? ([モニカに] 大丈夫?)
モニカ: Yeah, we'll be okay. (えぇ、私たちは大丈夫よ。)
ロス: Love you guys. (he kisses Monica, he, Rachel and Phoebe leave.) (愛してるよ。[ロスはモニカにキスし、ロス、レイチェル、フィービーは去る])
ジョーイ: You know, I'm really sorry I wasn't more supportive before. (なぁ、ほんとにごめんな、さっきはあまり協力的じゃなくてさ。)
チャンドラー: That's okay. We understand. (そんなのいいんだよ。わかってるよ。)
ジョーイ: Yeah, and about this Nancy.... If you're not sleeping with her, should I? (あぁ、それでその(不動産屋の)ナンシーのことだけど… もしお前が彼女と寝ないなら、俺が寝ていい?)
(Chandler gives Joey her business card, which he eagerly grabs and he leaves.)
チャンドラーはナンシーの名刺をジョーイに渡す、ジョーイはそれを熱心に掴んだ後、去る。
電話に出たチャンドラーは、「(電話の相手は)ナンシーだ。俺たちの申し込みに返事してきたんだ」と説明した後、相手のナンシーの話を聞き、モニカにその内容を説明しています。
They passed. の pass は、ここでは「受け入れない、断る」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pass : NOT ACCEPT [intransitive] (spoken) to not accept an invitation or offer.
例) "Do you want to go fishing Saturday?" "Sorry, I'll have to pass this time."
つまり、「受け入れない。(口語) 招待や申し出を受け入れないこと」。例文は、「土曜日、釣りに行きたい?」「ごめん、今回はパスしなければならないよ[断らなければならないよ]」。
not accept の意味だと、「通過する」とか、「トランプでパスする」のようなイメージに捉えると良いでしょう。
They said they wouldn't go a penny under the asking price. を直訳すると、「彼ら(不動産業者)は言った。求めている価格(言い値・提示価格)から1ペニーも下げるつもりはない、って」になるでしょう。
日本語の表現だと、「言い値から、びた一文も[一文たりとも]まけない、って言ってた」というところですね。
can't afford は「〜を買う(お金の)余裕はない」ですから、「値段を全く下げてくれないというのなら、あちらの言い値で買えるほどのお金の余裕はうちにはない」ということですね。
家が買えないとわかって、残念そうではありますが、チャンドラーとモニカはその事実を受け入れています。
郊外に家を買うことを反対していたフレンズたちも、チャンドラーとモニカの気持ちを考え、慰めの言葉をかけていますね。
ジョーイとロスはそれぞれ、I'm sorry. と言っていますが、これは「ごめん」という謝罪の言葉ではなく、相手に同情するニュアンスの「残念だったね」という言葉ですね。
その次のロスのセリフ、I'm even more sorry that that phone call didn't come before I told you about looking through the window. について。
「窓から[窓越しに]見ている[覗いている]ことについて君に言った」というのは、このやりとりの前にロスが、以下のようなセリフを言ったことを受けています。
ロス: You know, sometimes when I'm alone in my apartment, I look over here and you guys are just having dinner or... watching TV or something, but... it makes me feel better. (ほら、時々、僕が自分の家(アパートメント)に一人でいる時に、ここ(チャンドラーとモニカの家)を見ると、君ら二人がちょうど夕食を食べてたり、テレビを見てたりとかしてるんだけど… それを見てると気持ちがほっとするんだよ。)
向かいの家から、チャンドラーとモニカ夫婦の様子を覗き見してる、と言ったことになるので、他のフレンズたちにドン引きされていたのですが、ここでその発言を持ち出して、「君らを引きとめようとそんな話までしちゃったけど、不動産業者からの電話がもう少し早ければ、そんなこと言わずに済んだのに。その件を言う前に電話がかかってきたら良かったのに」と後悔していることになります。
we're gonna let you be alone. は「私たちはあなたたち二人だけにしてあげるつもり」ということですから、「私たちは席を外すわね、退散するわね」と言っていることになります。
夢の郊外マイホームが買えないとわかって、二人だけでゆっくり気持ちの整理もしたいだろうから、当事者以外の私たちは出て行くわ、ということですね。
ジョーイの I'm really sorry I wasn't more supportive before. の I'm sorry は「ごめん、という謝罪」になります。
「さっき、俺がもっとサポーティブ(協力的)じゃなかったことは、本当にごめん」ということで、二人がその家を欲しがっていたことはわかってたのに、さっきは反対するようなことばかり言ってしまってごめんな、と素直に謝っていることになります。
チャンドラーもそのジョーイの発言を素直に受け止め、「そんなのいいんだよ。俺たちは(お前らの気持ちを)理解してる」と返します。
嫌がらせとかではなく、チャンドラーたちと離れたくないから反対していたことはよーくわかってるからさ、ということですね。
about this Nancy.... If you're not sleeping with her, should I? は「この(不動産業者の)ナンシーについてだけど… もしお前が彼女と寝ないなら、俺が寝てもいいか?」みたいなことですね。
チャンドラーの浮気相手かと思っていたら違うと判明したので、「お前の浮気相手じゃないんなら、俺が誘っても構わないよな?」と言ったことになります。
チャンドラーが浮気していたわけでもなく、二人が郊外に引っ越す話もおじゃんになったので、ジョーイとしては心配事が去り、ホッとした気分なのでしょう。
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