2016年06月06日

君との毎日は冒険だ フレンズ10-12その6

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結婚式の指輪交換で、今度はマイクがフィービーに語りかけます。
マイク: Phoebe, you're so beautiful. You're so kind. You're so generous. You're so wonderfully weird. Every day with you is an adventure. And I can't believe how lucky I am. And I can't wait to share my life with you forever. (He puts the ring on Phoebe's finger.) (フィービー、君はすごくきれいだ。君はすごく優しい。君はすごく心が広い。君はすごく素晴らしく変だ。君との毎日は冒険だ。自分がどんなに幸運か、信じられないよ。そして僕の人生を永遠に君と分かち合うことが待ちきれないんだよ。[マイクはフィービーの指に指輪をはめる])
フィービー: Oh, wait, oh, I forgot... and uhm... I love you. And you have nice eyes. (あぁ、待って、忘れてた… あの… 愛してるわ。それからあなたの目も素敵よ。)
マイク: I love you too. (僕も君を愛してる。)
ロス: Uh, Joey? (あのー、ジョーイ?)
ジョーイ: Yeah? (ん?)
ロス: Chappy's heart rate has slowed way down. (チャピーの心拍がすごくゆっくりになってきたんだけど。)
ジョーイ: Oh, okay. Phoebe, do you take this man to be your husband? (あぁ、わかった。フィービー、汝はこの男性を汝の夫としますか?)
フィービー: I do. (はい(します)。)
(Joey has a "Yeah you do" smile on his face)
ジョーイは、「もちろん、そうだよね」という微笑みを浮かべる。)
ジョーイ: Mike, do you take this woman to be your wife? (マイク、この女性を汝の妻としますか?)
マイク: I do. (はい(します)。)
ジョーイ: I now pronounce you... husband and wife. (では君たち二人を、夫と妻であると宣言します。)
(Phoebe and Mike kiss)
フィービーとマイクがキスをする。
フィービー: I got married! (everyone applauds) Could someone get me a coat? I'm frigging freezing. (結婚したわ! [みんなが拍手する] 誰か私にコートを持って来てくれない? 超こごえそうなの。)
(Mike takes off his coat to give to Phoebe and the steel band plays "The Wedding Song")
マイクは自分のコートを脱いでフィービーにかけてあげる、そしてスチールギターのバンドは「結婚式の歌」を演奏する。

指輪の交換で、フィービーがマイクに気持ちを伝えて指輪をはめてあげた後、今度はマイクがフィービーに言葉を述べています。
you're so... という言葉を4回言っていますが、最後はやはりコメディっぽく、「オチ」的な言葉になっていますね。
「美しい、優しい、心が広い」と褒めた後の最後のセリフが、 You're so wonderfully weird. でした。
「君はとっても、ワンダフリーに変だ」というところで、「驚くほど、素晴らしく」と強調してから、weird 「変だ」という、通常は褒め言葉にならない言葉を使っている面白さですね。
ですが、この言葉はフィービーという人の魅力をうまく表していると思います。
他の女性陣のレイチェルやモニカと比較しても、フィービーはかなり変で、「変わってる人」とい印象が強いですよね。
その「ヘンなところ」を直して欲しいと思うような相手では到底彼女と結婚できないでしょうし、一風変わったそういうフィービーの性格をマイクが愛おしいと思っていることが、このセリフからわかる気がします。
Every day with you is an adventure. というのも、いいセリフですね。
「君と一緒の毎日は冒険だ」ということで、「君と一緒にいると毎日が驚きの連続で飽きることがない」と言っていることになるでしょう。
「(君みたいな人を妻にできて)僕は自分がどんなにラッキーか信じられない[僕は信じられないくらいラッキーな男だ]」、「永遠に、僕の人生を君と分け合えるのが待ちきれない」とも言っています。

そう言ってマイクが指輪をはめてくれた後、フィービーは「忘れてた」と言って、改めて I love you. と言い、その後、ちょっと付け足しのように、And you have nice eyes. と言っています。
「そしてあなたは素敵な目を持っている」→「それから(これも言い忘れてたけど)あなたの目も素敵よ」というところですね。
マイクが「君はきれいで優しい」と、たくさんの褒め言葉をくれたことに対して、さっきの自分の言葉では「家族ができる喜びと幸せ」ばかりを語ってしまっていたことに気づいたのでしょう、それで「あなたもこんな素敵なところがあるわ。あなたのこういうところが素敵よ」というのを慌てて付け足した感じになるでしょう。
「あなたもとっても優しいわ」のように相手の性格などの全体的なことを語った方が「君は美しく優しい」と褒めてくれたことに対するお返しっぽい感じがすると思うのですが、「ピンポイントで目についてだけ」語ったところに、フィービーの不思議ちゃんっぽいところが出ていて微笑ましい気がします。

マイクも、I love you too. と返し、二人が幸せいっぱいで見つめ合っている時、ロスはジョーイに静かに声をかけ、Chappy's heart rate has slowed way down. と告げます。
チャピーはロスが今抱っこしているマイクの犬のことで、heart rate は「心臓のレート」から想像できるように「心拍(数)」。
slow down は「スローダウン」で「速度が落ちる、鈍くなる、衰える」。
slow way down の way は副詞で、down を強調しており、down 単体よりも、way down とする方が、「もっと・ずいぶん、落ちて・下がって」というニュアンスが出ます。
実際にロスに抱っこされている犬のチャピーはぐったりしていて、このワンちゃんも役者ですね^^

チャピーの健康も心配だということで、ジョーイは式を急いで進めることになります。
決まり文句である、do you take this man/woman to be your husband/wife? 「汝はこの男/女を汝の夫/妻としますか?」に対して、お決まりの I do. 「します(誓います)」と答える二人。
フィービーが I do. と言うのを聞いてのジョーイのト書きが面白いです。
「もちろん、そうするよね(誓うよね)」という微笑みを浮かべる、という感じで、フィービーがそう答えたのを聞いて、友人の俺としては嬉しくてたまらない、というような表情を浮かべています。

I now pronounce you... husband and wife. の pronounce という単語は、英語学習においては「発音する、音読する」という意味でよく使われますが、このような式典においては「(厳粛に)宣言する」という意味になります。
このセリフも、「ここに汝らを、夫と妻(である)と宣言する」という司祭っぽい言い回しを使っていることになります。

I got married! 「私、結婚したわ!」と幸せいっぱいの顔で叫ぶフィービーに、みんなが立ちあがって拍手をしていますが、その後、Could someone get me a coat? 「誰か私にコートを持ってきてくれない?」と頼んでいます。
「寒さなんか平気よ。私が”サムシング・ブルー”になる!」と言っていたフィービーは、式の最中は幸せいっぱいで寒さも気にならない様子でしたが、式が終わって我に返った時に、急に寒さが襲ってきたのでしょう。
「コート持って来て」の後の、I'm frigging freezing. について。
freeze は「凍る」で、人が主語だと「身体が凍るように感じる」ですから、I'm freezing. は「私は寒くて凍えそう、凍えそうに寒い」ということですね。
I'm frigging freezing. という言い方から、frigging が freezing を強調している強意語であることが想像できますが、実際、この frigging (発音はフリギン(グ))は、研究社 新英和中辞典で以下のように出ています。
frigging=【形】【副】《卑》 [強意語に用いて] いまいましい[く]、ひどい[く]
「卑語」と説明されているように、この強調語は、f*cking と同じ類のもののようですね。
実際、その -ing 形の元となっている動詞 frig を調べると、f*ck と同じような意味で、こちらの動詞の方も卑語と書いてあります(そーゆー意味の卑語なので、アカデミックな辞書である LAAD には載っていませんでした)。

卑語なので、自分で使うために覚える必要はありませんが、ここでは、たった今結婚式を終えたばかりの花嫁さんが、急に寒かったことを思い出して「超寒くて凍えそう!」と言う際に、そのあまりの寒さを強調するのに、初々しくて清楚な花嫁さんからはほど遠い frigging という卑語を使っている、という面白さになるでしょう。

実はこれと似たような言い回しが、過去のフレンズにも出て来たことがあります。
過去記事、インフォマーシャル フレンズ3-4その1 で、
司会者: Folks, This ever happen to you? You go to the refrigerator to get a nice glass of milk, (Joey is in the background struggling to open a cartoon of milk) and these darn cartons are so flinging, flanging hard to open! (皆さん、今までこんな経験がありませんか? おいしいミルクを一杯飲もうと、冷蔵庫に行く。[ジョーイは後ろでミルクのカートンを開けようと奮闘中] そして、そのいまいましいカートンを開けるのが、めちゃくちゃ大変[難しい]!)

この flinging, flanging も強調語で、この言葉については、コメント欄でネイティブの方(それも二人の方!)から、「Flingingとflangingはfu**ingのダサい言い方です」と教えていただいたので、ものすごく記憶に残っているんですよね。

その次の記事、婉曲表現はダサい? フレンズ3-4その2 でも、そういう強調語のことについて触れているのですが、他の方(こちらは日本人の方)からのコメントで、f*cking の代わりに、freaking を使う人がいる、という話を教えていただいて、freaking を調べていた時に、関連語で frigging についても調べていました。
その記事で引用した、Urban Dictionary の語義(現在もその語義は掲載されていて、最新のいいねとよくないね比は 508:346)では、「f*cking や freaking よりも下品ではない言い方。母親などがいるところでは、f*cking の代用としてこれ(frigging)を使え」と説明されているのですが、、、
f*ck/f*cking はフレンズにも出てこないほどの卑語(放送禁止用語)ですし、今回フィービーのセリフで、frigging が堂々と(笑)使われていたことを考えると、確かに「f*cking よりは下品ではない」とは言えると思うのですが、上にも書いたように元々の動詞の意味がかなりの卑語なので、「母親の前で使っても全然オッケーだよん♪」的な表現でもないような気がするんですよねぇ〜。
f*ck ほどの放送禁止用語ではないけれど、やはり卑語だ認識して、使うのは避けた方が良いのではないかと私は思います。
そういうことを踏まえた上で、このフィービーのセリフを見てみると、「結婚式が終わった直後に、きれいな花嫁さんの口から出た言葉がそれ?」的な笑いを取るために、f*cking と似た感じの frigging を強調語として使ったというオチになる、ということでしょうね。


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posted by Rach at 16:43| Comment(2) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月03日

寒いから短縮バージョンで フレンズ10-12その5

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新郎新婦が揃ったところで、結婚式が始まります。
(司祭役の)ジョーイ: Friends. Family. Dog. Thank you all for being here to witness this blessed event. The cold has now spread to my special place... so I'm gonna do the short version of this. Phoebe and Mike are perfect for each other. And I know I speak for every one here... when I wish them a lifetime of happiness. Who has the rings? (友人。家族。犬。この祝い事に立ち会うため、みんながここに集ってくれてありがとう。寒さが今、俺の特別な場所に及んできたので…短縮バージョンでさせてもらいます。フィービーとマイクはお互いにとって完璧な(お似合いの)存在です。ここにいるみんなを代表して言わせてもらいます、彼らが生涯幸せであらんことを。指輪を持ってるのは誰?)
(one of the groomsmen gives the rings to Joey)
グルームズマンの一人がジョーイに指輪を渡す。
ジョーイ: (whispering to Phoebe) Okay. ([フィービーにささやく] いいよ。)
フィービー: When I was growing up, I didn't have a normal mom and dad, or a regular family like everybody else. And I always knew that something was missing. But now I'm standing here today, knowing that I have everything I'm ever gonna need. You are my family. (She puts the ring on Mikes finger) (私が子供の頃、他のみんなのようには、普通のママやパパ、普通の家族が私にはいなかった。だから私はいつもわかってたの、何かが欠けてる、って。でも今、私は今日ここに立っている、私に必要になる全てを私は持っているってことを知りながら。あなたは私の家族よ。[フィービーはマイクの指に指輪をはめる])

ジョーイが司祭役として言葉を述べています。
集まっている人々に、「友人、家族」と語りかけるのは普通ですが、その後、マイクの犬チャピーを抱いているロスの方を向いて、Dog. と呼び掛けるのが面白いですね。
witness は事件、事故の話だと「目撃する、証言する」という意味で使われますが、結婚式の場合だと「証人として立ち会う」というニュアンスになります。
blessed event は「神に祝福されたイベント」ですから、「おめでた(い出来事)、祝い事」というところ。

spread は「広がる、延びる、及ぶ」ですから、The cold has now spread to my special place. は「寒さが今や、俺の特別な場所に及んできた」になるでしょう。
「俺の大事なところにまで寒さがしみ込んできた」みたいなことで、寒い中、長時間の式をするのは耐えられそうにないから、「これの短いバージョンをするよ」→「短縮バージョンで式を行うよ」と言うことになります。
Phoebe and Mike are perfect for each other. は「お互いにとって完璧である」→「ぴったりである、最高にお似合いである」。
そして、「ここにいるみんなを代表して、二人が生涯幸せであることを祈る」と司祭らしい挨拶をして、指輪の交換に進みます。

促されたフィービーは、マイクに指輪をはめる前に、今の自分の気持ちを述べていますね。
自分が子供の頃、他のみんなのように、私には a normal mom and dad, or a regular family はいなかった、と言っています。
a (normal) mom and dad のように、mom and dad に不定冠詞の a がついた形になっているので、「1人のママと1人のパパ」ではなく、「ママとパパ」を「組み合わせ、セット」として1つと数えている感覚になるでしょう。
「ノーマルな”ママとパパ”(っていう両親)」が私にはいなかった、ということですね。
その後、a regular family もいなかった、と続けていますが、これは複雑な家庭に育ったフィービーの境遇をよく表していますね。
親に関しては、パパは子供を捨てて家出、ママはフィービーが若い頃に自殺、養父は刑務所、また、フィービーを生んだ実母のフィービー・シニアという人もいました。
双子の姉アースラは邪悪な人なので疎遠、家出したパパの息子でありフィービーにとっては腹違いの弟であるフランク・ジュニアなど、家族に当たる人間は何人もいるのですが、一般的に想像されるようなごく普通の両親、家族というのが私にはいなかった、と言っていることになります。
normal も regular も「普通の、標準の」を意味する言葉ですが、同じ単語を使うのではなく、少し違った単語を用いているのが、英語っぽいところです。
(弟のフランクは結構最近のエピソード、フレンズ10-2 に登場していたので、彼くらいは結婚式に出席していても良さそうなのですが、、 ファイナルシーズンは話数が少なく、ちょっと駆け足気味なので、今回の結婚式でまた彼を登場させるのは難しかったのでしょうね)

I always knew that something was missing. は「(私には)何かが欠けてるってことを、私はいつも知っていた」。
But now I'm standing here today, knowing that... は、「でも今、私は今日ここに立っている、that 以下であることを知りながら」という分詞構文。
何を知っているかについては、「私が(これから)必要になる全てを私は(今)持っているということ」になります。
その「これからの私に必要なもので、私が今持っているもの」として、「あなたは私の家族よ」と言って、フィービーはマイクに指輪をはめることになります。
好きな者同士が結婚する、ということ以外に、フィービーにとっては初めて「普通に家族と呼べる存在ができた」ことが嬉しい、というのが、彼女の言葉から感じ取れるように思います。
フレンズは基本的にはコメディですが、プロポーズや結婚式などの大事な場面では、あまりおちゃらけることなく、相手に素直な気持ちを伝えるシーンも多く、そういうところがまた、フレンズという作品の魅力なのでしょうね。


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posted by Rach at 17:50| Comment(2) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月01日

サムシング・ブルーになる フレンズ10-12その4

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雪が積もった屋外で、フィービーとマイクの結婚式が始まります。
司祭を務めることになったジョーイの代わりに、チャンドラーが父親代わりとしてフィービーをエスコートすることになり、ロスはマイクの犬チャピー(Chappy)を抱っこする役となります。
ロスと、フィービーの付き添い役(bridesmaid)のレイチェルが、まずは通路を歩いて行きます。
レイチェル: Jeez, Ross. You could've showered. (もう、ロス。シャワー浴びたら良かったのに。)
ロス: It's the dog. ((臭いのは)犬だよ。)
(we cut to Monica)
画面がモニカにカットする。
モニカ: Groomsman, groomsman? Why are you just standing there? Where is your bridesmaid? (into microphone) We've got a broken arrow! Bridesmaid down! (realizes) Oh, that's me. (グルームズマン(花婿の付添人)、グルームズマン? どうしてあなたはそんなところで突っ立ってるの? あなたの(ペアになる)ブライズメイドはどこ? [(ヘッドセットの)マイクロフォンに向かって] ブロークン・アロー[核弾頭紛失]! ブライズメイド撃墜[行方不明]! [気づいて] あぁ、それって私か。)
(She walks down the aisle with the groomsman. We cut to inside Central Perk, where Phoebe and Chandler are waiting.)
モニカは(ヘッドセットを外して)そのグルームズマンと一緒に通路を歩いて行く。セントラルパークの中に画面がカット。そこではフィービーとチャンドラーが待っている。
チャンドラー: Ready? (準備はいい?)
フィービー: (nervously) Okay. ([緊張した様子で] いいわ。)
チャンドラー: Okay. (よし。)
フィービー: Oh, wait. Oh, no. Wait. (あぁ、待って。だめ、待って。)
フィービーは上着を脱ぎ、薄いスミレ色のウェディングドレス姿になる。
チャンドラー: Wow! Aren't you gonna be cold? (わぉ! 寒くならない?)
フィービー: I don't care. I'll be my "something blue." (気にしないわ。私が(私の)「サムシング・ブルー」になるわ。)
チャンドラー: You look beautiful. (きれいだよ。)
フィービー: Thank you. (ありがとう。)

You could've showered. は、could have p.p. (過去分詞)の形で、「〜しようと思えばできたのに(実際にはそうしなかった)」という意味。
ですから、「(この式に参加する前に)あなたはシャワーを浴びることだってできたでしょうに」→「シャワー浴びてきたら良かったのに」と言っていることになります。
ロスが犬の抱っこ役を買って出た後、その犬が臭いことに気づいてロスはものすごく嫌な顔をしていたのですが、その犬の臭いをロスが発していると思ったレイチェルが、「あなた、臭うわよ。シャワーくらい浴びてきなさいよ」と言ったのですね。
臭い犬を抱っこしている上に、その臭いを自分のだと誤解されたロスは、「(臭うのは)僕じゃなくて犬だよ」と怒って言うことになります。

式直前になっても、相変わらずヘッドセットを付けているモニカは、そこに一人で立っているgroomsman(花婿付添人、マイクの友人が担当している)を見て、「あなた、どうしてそこにただ(突っ)立ってるの? あなたの[あなたとペアを組んで一緒に入場するはずの] bridesmaid(花嫁付添人)はどこ?」と問い詰めた後、ヘッドセットのマイクロフォンに向かって、We've got a broken arrow! Bridesmaid down! と、また軍隊っぽい口調で叫んでいます。
arrow は「矢」で、broken arrow を直訳すると「壊れた矢、折れた矢」というところですが、英辞郎には以下の意味が載っていました。
broken arrow=【2】核弾頭紛失を意味する暗号

「ブロークン・アロー」と言えば、そういうタイトルの映画もありましたね。
「ブロークン・アロー」(原題: Broken Arrow)は、クリスチャン・スレーター、ジョン・トラボルタ主演の1996年のアメリカ映画。
(私はこの映画を見ていないのですが)ステルス機から核弾頭が盗まれる話とのことですから、そういう暗号がタイトルになっているようですね。

英語版ウィキペディアの United States military nuclear incident terminology(つまり、「米軍の核(に関する)事故の用語」の一覧の中に、Broken Arrow が載っています↓
Wikipedia 英語版: United States military nuclear incident terminology#Broken_Arrow

引用させていただきますと、
Broken Arrow refers to an accidental event that involves nuclear weapons, warheads or components, but which does not create the risk of nuclear war.
つまり、「ブロークン・アローとは、核兵器、核弾頭、核構成部品にかかわる偶発事故(の出来事)のことを言うが、それは核戦争のリスクを生まない(もの)」。
which 〜 war までが太字表記になっていて、ここが用語のポイントだということですね。
核が関係する事故であるが、核戦争の危険性まではない、というレベルを指すことになります。

モニカは次に、Bridesmaid down! と言っています。
通常、"人 is down." という場合は、「倒れて、横になって」「病気になって、床について」「(精神的に)落ち込んで、気がふさいで、気が滅入って」のような意味で解釈可能ですが、今回は「ここにいるべき人が、気分または体調が悪くてダウンしている」というような意味ではなく、ここでも軍隊用語のイメージで、down と表現していることになるでしょう。
軍隊での会話で down というと、戦争映画「ブラックホーク・ダウン」(原題: Black Hawk Down)などの down を連想すればいいのかなと思います。
この映画は(これまた見ていないのですが)米軍ヘリコプターのブラックホークが撃墜される話とのことなので、down は「撃ち落とされた、撃墜された」ニュアンスということになるでしょう。

ブライズメイドが見当たらないことを「核弾頭紛失」に例え、彼女がいないことを「彼女は撃墜された(だから行方不明で連絡が取れない)」と軍隊風に言ってみせた感覚になるでしょうね。

そんな風に軍人用語を使って騒いでいたモニカでしたが、モニカ自身がそのブライズメイド役だったことに自分で気づいて、「あぁ、それって私だわ」と言ってヘッドセットを取り、ペア役のグルームズマンと腕を組んで歩いて行くことになります。

セントラルパークの中に画面がカットし、そこにいる花嫁フィービーと、父親役のチャンドラーが映ります。
緊張した面持ちのフィービーは、チャンドラーに促されて、Okay. と言うのですが、出て行く前に待って、と言って、カラフルな上着を脱ぎ始めます。
中は薄いスミレ色のドレスで、肩以外の部分は、腕も胸も大きく見せる形になっています。
フィービーのスタイルの良さがよくわかる素敵なドレスで、観客からはため息のようなものも聞こえます。
「フィービー、すっごくきれい!」とみんなが思うと同時に、「外は雪が積もってるから、このドレスじゃ寒そう、、」とみんなが感じるのは間違いない、露出度の高いドレスなので、見ているチャンドラーもその美しさに感動しながらも、「外に出たら「寒い」ってことにならない?」と尋ねます。

それに対するフィービーの返事が絶妙ですね。
「(寒いことなんか)気にしないわ」と言った後のセリフ、I'll be my "something blue." を直訳すると、「私は私の”サムシング・ブルー”になるわ」ということですが、この something blue というのは、「結婚式で花嫁が身につけると幸せになれるというサムシング・フォー(something four)」の1つですね。
結婚式の話になるとよく登場するアイテムで、過去記事、サムシング・フォー フレンズ7-6その6 でも詳しく説明しています。
something four は、something old 「何か古いもの」、something new 「何か新しいもの」、something borrowed 「何か借りたもの」、something blue 「何か青いもの」。
一般的には、その過去記事でも触れたように「白いガーターに青いリボン飾りをつける」ことで something blue とすることが多いようですが、フィービーは「こんな露出度の高いドレスで、雪の積もった外に出たら、凍えて青ざめちゃうけど、自分が青くなることで、私が私自身の something blue になってやるわ!」みたいに言ってみせたという、「結婚式だからこそのジョーク」を言ったことになります。
脚本的には、フィービーにこのセリフを言わせるために、「寒い場所で、露出度の高いドレスで結婚式をすることになる」いう話の展開にしたのではないか、という気もしますね^^
結婚式の伝統とフィービーのキャラがうまい具合にマッチした、感動と笑いの素敵なセリフになっていると思います。


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posted by Rach at 16:39| Comment(2) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする