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シーズン10 第16話
The One With Rachel's Going Away Party (Good-Bye レイチェル)
原題は「レイチェルのさよならパーティーの話」
[Scene: Joey's place. Rachel and Joey are talking]
ジョーイの家。レイチェルとジョーイが話をしている。
ジョーイ: All right, all right, all right, let's play one more time, okay? And remember, if I win, you do not move to Paris. (よしよしよし、もう1回やろうよ、な? で、覚えてるよな、もし俺が勝てば、レイチェルはパリには行かない、って。)
レイチェル: Okay! Can't believe I'm risking this again, but you're on! All right, Joe, you remember the rules! Heads, I win. Tails, you lose. (いいわよ! もう一度こんなリスクを冒すなんて信じられないけど、でも受けて立つわ! いいわね、ジョーイ、ルール覚えてるわよね? 表なら私の勝ちで、裏ならあなたの負けよ。)
ジョーイ: Just flip! ((つべこべ言わずに)さっさと投げろよ!)
レイチェル: (she flips the coin): Ha, tails! ([レイチェルはコインを投げる] あは、裏よ!)
ジョーイ: Damn it! (くそっ!)
(Chandler and Monica enter the room)
チャンドラーとモニカが部屋に入ってくる。
チャンドラー: Hey! (やあ!)
ジョーイ: Hey! (よお!)
チャンドラー: So we thought we'd throw you a little going-away party around 7. (7時くらいに、レイチェルにちょっとしたさよならパーティーを開こうと思ってたんだけど。)
レイチェル: Oh, that sounds good! (あぁ、それって素敵ね。)
モニカ: Hey, Rach, you're leaving tomorrow. Shouldn't you be packing? (ねぇ、レイチェル、あなたは明日発つのよね。荷造りしなくていいの?)
レイチェル: It's all done! (全部済んでるわ!)
モニカ: Oh, yeah, right! And after I took a shower this morning, I just threw my towel on the floor! Oh God, it hurts to even joke about it. (あーぁ、[皮肉っぽく]そうよねぇ〜! それで私は今朝、シャワーを浴びた後に、床にタオルを投げ捨てた! あぁ、ジョークを言うだけでも胸が痛むわ。)
レイチェル: I know. Honey, seriously, I did it all. (そうよね。(でも)ハニー、真面目な話、私は荷造りを全部済ませたのよ。)
ジョーイはレイチェルに向かって、「もう一回プレイしよう」と言った後、「で、覚えてるよな、もし俺が勝てば、君(レイチェル)はパリに行かない、って」と言っています。
レイチェルのパリ行きを阻止するために、ジョーイが何かしらのゲームで勝とうとしていることがわかりますね。
Can't believe I'm risking this again は、主語の I が省略されていて、直訳すると、「もう一度、私がこの件を賭けようとしているのは[この件でリスクを冒そうとしているのは](自分でも)信じられないけど」という感覚になるでしょう。
「ゲームに負けたら、パリ行きはとりやめ、なんてリスキーなことをしようとしてる自分が信じられないけど」ということですね。
you're on は、過去記事、けがに悩まされた1年 フレンズ6-6その4 にも出てきました。
お金を賭けてフーズボールをしようというやりとりの中で、
チャンドラー: What do you say to $50? (50ドル(賭ける)ってのはどう?)
ジョーイ: Okay, you're on. (オッケー、受けて立つよ。)
チャンドラー: Okay, let's play! (オッケー、じゃあプレーしよう!)
You're on. は「お前はオンだ、オンの状態だ」という感じですが、この on については、研究社 新英和中辞典では以下のように説明されています。
on =【副】《口語》 賛成して、喜んで参加して
I'm on! よしきた, 賛成だ。
You're on! (取引・賭けで)ようし承知した。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
you're on! : (spoken, informal) used to accept something such as a bet or an offer.
例) "I bet you $20 he won't come." "You're on!"
つまり、「賭けや申し出のような何かを受け入れる時に使われる」。
例文は、「彼は来ないって(方に)20ドル賭けるよ」「(その賭け)受けて立つよ」。
その後、レイチェルは、「ジョーイ、あなた、ルールは覚えてるわよね」と言って、Heads, I win. Tails, you lose. と続けます。
コイン投げのゲームにおいては、heads は「表」、tails は「裏」ですね。
ですから、レイチェルが言ったルールは、「表なら私の勝ち。裏ならあなたの負け」と言ったことになります。
ジョーイは、「そんなこと言われなくてもわかってるさ。さっさと投げろよ」というように、Just flip! と言うのですが、よくよく考えてみるとこのルールでは「表が出ても裏が出ても、ジョーイが負ける」という仕組みになっているのがポイントですね。
Tails, you win. だったら問題なかったのですが、Tails, you lose. という表現になっていたことに英語のセリフで気づけて、「どっちにしてもジョーイが負けじゃん」とわかった方は、「英語が聞き取れていた、この英語のジョークが理解できた」ということになります。
日本語でも詐欺師などがこんなルールで人を騙すことがありますが、英語でもそういうひっかけは存在するということですね。
投げたコインは裏が出て、ジョーイは負けたことにがっかりしていますが、このルールでは一生勝てないということにジョーイが全く気づいていない面白さになるでしょう。
その後、チャンドラーとモニカが入ってきて、「7時くらいにレイチェルのために、ちょっとしたパーティーを開こうと思ってた」と言います。
モニカは、ジョーイと話していたレイチェルを見て、「明日、出発する予定よね? あなた(今)荷造りをしているべきじゃないの?」→「荷造りしなくていいの?」と尋ねます。
レイチェルが誇らしげに、It's all done! 「(荷造りは)全部済んだの!」と言うと、モニカはちょっと皮肉っぽい口調で、Oh, yeah, right! と言った後、And after... 以下のセリフを言っていますね。
Yeah, right. は、単語を直訳すると「えぇ、そうね」になりますが、今回のように大袈裟に皮肉っぽく言うと、「まさか」と思っている気持ちが出ます。
And after... のセリフを直訳すると、「(あなたは荷造りが済んだ。)そして私は今朝シャワーを浴びた後、床の上にタオルを投げた[投げ捨てた]」みたいに言っていることになるでしょう。
そして次のセリフは、「あぁ、なんてこと、それについてジョークを言うことでさえ、心が痛むわ」ということですね。
「几帳面なモニカが、タオルを床に投げ捨てるなんてありえない」というのは、みんなが感じることでしょうが、it hurts... のセリフからも、それがジョークとして言ったものであることがはっきりとわかります。
モニカは、「片付けとかが苦手なレイチェルが、荷造りもう全部終わったですって?」のような驚きの気持ちを感じたので、「レイチェルがそんなことしたなんて、何だか”らしくない”わね」と言いたい気持ちを込めて、「でもそう言えば、私も今朝、”整理整頓好きで几帳面な私”っぽくないことをしたばかりなのよ」という例として、「シャワーの後、タオルを床に投げ捨てた」と言ったことになります。
モニカのその発言を聞いたレイチェルは、I know. と言った後、「ハニー、真面目な(真剣な)話、私はそれを全部やったのよ[荷造りを全部済ませたのよ]」と言っています。
「荷造り完了なんてレイチェルらしくない」という意味でモニカが「床にタオル」の冗談を言ったことがレイチェルにはわかるので、「モニカが驚くのはわかるけど、真面目な話、本当に荷造りを済ませたのよ。冗談かと思ってるかもしれないけど、ほんとの話なのよ」という意味で、seriously を使っているという流れになるわけですね。
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2016年07月29日
2016年07月27日
私たちの行く先々に現れる フレンズ10-15その6
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チャンドラーとモニカは郊外に引っ越す予定なのですが、その隣の家をジャニスが買うことになりそうな気配。チャンドラーは(表情から明らかに嘘だとわかるものの)ジャニスに「君が隣に来てくれて嬉しい。だってまだ君のことを愛してるから」と言うのでジャニスは驚いています。
ジャニス: Chandler, what are you talking about? (チャンドラー、あなた何言ってるの?)
チャンドラー: Now that you live next door, we can be together every day. Sid and Monica never have to know a thing. (今や君が隣に住むんだから、俺たちは毎日一緒にいられる。シドやモニカは何一つ知る必要はないんだ。)
ジャニス: I don't know what to say. I mean, you know, obviously we have this heat between us. (何て言えばいいかわからないわ。だって、ほら、明らかに私たちの間には、こんな熱さ[情熱]があるけど。)
チャンドラー: (stunned) Obviously. ([固まった顔をして] 明らかに、ね。)
ジャニス: But I love my husband. And I know you love your wife. Now, I don't think we should get this house now. (でも私は夫を愛してるわ。そしてあなたがあなたの奥さんを愛してることも知ってる。今、私たちがこの家を手に入れるべきではないと思うの。)
チャンドラー: Don't say that. Don't tangle the dream and take it away. (そんなこと言わないで。その夢を乱さないで、夢を奪い去らないで。)
ジャニス: Chandler, one of us has got to be strong. (チャンドラー、私たちの一人は強くならないといけないわ。)
チャンドラー: I understand. (わかったよ。)
ジャニス: Although, maybe just... one last moment of weakness. (she kisses Chandler flat on the mouth. Chandler squirms. When she's finished, he looks at her lovingly but uneasily.) Goodbye, Chandler Bing. (She leaves) (でも、多分、弱さの最後の一瞬ね。[ジャニスはチャンドラーのまさに口にキスする。チャンドラーはもがく。ジャニスが(キスを)終えた時、チャンドラーはジャニスを愛しそうだが不安な様子で見る] さよなら、チャンドラー・ビング。[ジャニスは立ち去る])
チャンドラー: (speaking as in pain) They're never coming down now. ([苦しそうに話す] 今は(それらは)下がらないな!)
チャンドラーが愛の言葉を述べたので、ジャニスは「何言ってるの?」と驚いています。
「今や君が隣に住むんだから、俺たちは毎日一緒にいられる。君の夫シド、俺の妻モニカは、何一つ知る必要はないんだ」とチャンドラーが言うと、ジャニスは「何て言えばいいのかわからないわ」と言って、「明らかに私たちの間には、この熱さ・情熱があるけど」のように言っています。
ジャニスは、チャンドラーの告白に驚きつつも、「でも確かに二人の間には熱いものが燃えさかっているわよね」と言ったことになりますね。
そんな風に返されたチャンドラーは、かなりの間があった後、そんな発言は認められないというように、嫌そうな固まった顔をして、ジャニスの言った言葉 Obviously. を繰り返します。
言葉上では「二人の間に熱さが存在するのは明らかだよね」とジャニスに同意したことになるのですが、心の中では「いや、そんなもん、一切存在してないだろ!」と完全否定していることが、その顔の固まり具合からよくわかりますよね。
その後、ジャニスは、「でも私は夫を愛してる。あなたが奥さんを愛してるのも知ってる。だから今、私たち(夫婦)はこの家をゲットすべき[買うべき]じゃないと思う」と言います。
あなたと私が隣に住んで関係を持ってしまったら大変だから、私たち夫婦はこの家を買っちゃいけないわよね、隣に住んじゃいけないわよね、ということですね。
チャンドラーにとっては、いい方向に話が進んできたのですが、チャンドラーはまだ気を抜くことなく、「俺としてはジャニスに隣に住んで欲しい」というようなアピールを続けています。
tangle は「〜をもつれさせる」「(物事を)紛糾させる、混乱させる」なので、「夢を混乱させないで・乱さないで・壊さないで」と言っていることになるでしょう。
take away は「取り去る、奪い去る」ですから、「その夢を奪い去らないで」。
言葉ではそんな風に言いながらも、目はジャニスではない別の場所を凝視している感じで、その言葉を語る口調も、ものすごく早口で棒読みです。
本心からの言葉ではないのはミエミエですが、ジャニスだけはそれを真に受けているという状態ですね。
「私たちの一人は強くならないといけないわ」とジャニスが言い、ガッツポーズをすると、チャンドラーも「わかったよ」と言いながら、軽くガッツポーズをしています。
この「私たちの一人は〜しないといけない」という言い回しは、最近のエピソード、君の弱みに付け込んでる気がする フレンズ10-13その5 にも出てきました。
メイクラブしたいと望むレイチェルに対して、
ロス: I think one of us has to be thinking clearly. So I'm gonna go! (僕たちの一人は[どちらかは]よく考えないといけないと思うんだ。だから、僕は行くよ[帰るよ]!)
と言っていましたね。
感情に任せてイケナイことをしてしまいそうな時、どちらかが冷静に判断しないといけない、どちらかが心を強く持たねばならない、と言う場合に、このフレーズが使われるということですね。
これで無事、ジャニスは家を買わずに去ってくれる、、とチャンドラーも安心したことでしょうが、その後ジャニスは、「でも、多分、弱さの最後の一瞬ね(これが最後の弱さね)」と言って、チャンドラーの唇にキスします。
キスされた瞬間、チャンドラーは「ん!」と言って、後ろに下がろうとするのですが、チャンドラーの頬を手で挟んだジャニスが、結構しつこくキスし続けるので、観客からは歓声も上がっています。
キスした後、ジャニスは別れを告げて去って行くのですが、キスされた後のチャンドラーは、ぐっと口をつむったままで、その後、苦しそうなダミ声で、They're never coming down now. と言っています。
この部分、DVDの日本語訳では、「(字幕)タマ 上がりっぱなし!/(音声)これでもう、タマは大丈夫」となっていましたが、まさにそういう意味のようですね。
このセリフでは、they のように漠然とした複数形の主語になっていますが、これはこれより前のシーンで、ジャニスが隣になるかもしれないとわかった時の、チャンドラーとモニカのやりとりが元になっています。
チャンドラー: Will we love it so much with her next door? And she's gonna be louder out here too! Just the crickets and, (apes Janice's voice) "Oh... my... God!" (彼女が隣にいるのを俺たちはすごく喜べるか? それにこの辺りでは、もっと声が大きくなったりもするんだぞ! ただコオロギの声と、[ジャニスの声を真似る] ”オー・マイ・ゴッド!”)
モニカ: Okay. But if we don't get this house, she's still gonna show up wherever we go! I mean, at least if she's here, it eliminates the element of surprise. I mean, never again will you have to hear the three words that make your balls jump back up inside your body! (She shows this with her index finger, mimicking it pushing something up) (そうね。でも、もし私たちがこの家を手に入れなかったら、これから先も、彼女は私たちの行くところ、どこへでも現れるわ! ほら、少なくとも彼女がここにいたら、驚きの要素は排除されるもの。ほら、もう二度と、あなたはあの3語を聞く必要がなくなるのよ、あなたのタマが驚いて身体の中に戻ってしまうような、あの3語をね! [モニカはこのことを自分の人差し指で示す、それが何かを押し上げるかのようなしぐさをして])
your balls jump back up inside your body については、DVDの日本語訳では「あなたのタマが縮み上がる」となっていましたが、そういう感じのニュアンスだと思います。
jump back up inside your body の意味を単語ごとにイメージしていくと、「ジャンプするように急いで・急激に、戻る、上に上がる、自分の身体の中に」という感じですから、「びっくりして身体の中に引っ込んじゃう、すっこんじゃう、すくんじゃう」みたいな感じになるように思います。
そのシーンで、「ジャニスが近くにいると、あの声が聞こえて、balls がそんな状態になる」と言ったことを受けて、今回のシーンでは、they という代名詞にとどめて、「balls はもう、決して下がらない」→「ジャニスの脅威から解放されて、ball も元通り元気になる」みたいなことを言ってみせたことになるでしょう。
この They're never... の一文だけを取り上げて、「これはどういう意味でしょう?」と問うても全くわからないわけですが、「ジャニスがいると、balls がこうなる」という話をしたシーンがあった後に、「ジャニスが去って行ったら、they はこうなる」ということを言っているわけなので、they = balls だと想像できて笑えてしまう、ということですね。
(2016.8.2 追記)
この部分のやりとりについて、非公開コメントにてご意見をいただきました。
まず、「少なくとも彼女がここにいたら、驚きの要素は排除される(at least if she's here, it eliminates the element of surprise)」という部分が私の解説では抜けていましたので訂正します。
「あなたのタマが驚いて身体の中に戻ってしまうような、あの3語」というのは、「思いがけないところでジャニスに再会した時に、ジャニスが発する Oh, my God.」という意味ですね。
「近所にいるとわかっていれば出会いに驚くこともないので、思いがけないところで突然聞くはめになるジャニスの Oh, my God! に縮こまることはなくなる」という意味でした。
次に、"They're never coming down now." について、「男性の生理としては down が正常な状態」とのご指摘を頂戴したのですが、確かにその通りだと思います。
「思いがけない再会に驚いたジャニスの声を聞くと、タマが身体の中に戻ってしまう(縮こまってしまう)」という話の流れに対して、「今のジャニスからのキスは強烈過ぎて、今度はタマが上がりっぱなしになってしまう」という正反対のことを言っている面白さになると思われます。
(追記はここまで)
ちなみに、上のやりとりですが、Just the crickets and, "Oh... my... God!" と、she's still gonna show up wherever we go! というのが、とても面白くて笑ってしまいました。
ここはNYとは違い郊外なので、虫の音などの聞こえる閑静な場所なのですが、そのことを、「聞こえてくるのはただコオロギの声と、そしてジャニスの”Oh, my God!" だ」と表現しているのが楽しいです。
そして、過去のエピソードでも、意外なところで再会して、おいしい登場を繰り返してきたジャニスですが、モニカたちもそう感じていて、she's still gonna show up wherever we go! 「これから先も、彼女は私たちの行くところどこへでも[行く先々に]現れる」と言葉でそう表現しているのが、ジャニスというキャラ設定を、劇中のキャラ(モニカ)に語らせている感じがして、何だかとても面白いなぁと思いました。
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チャンドラーとモニカは郊外に引っ越す予定なのですが、その隣の家をジャニスが買うことになりそうな気配。チャンドラーは(表情から明らかに嘘だとわかるものの)ジャニスに「君が隣に来てくれて嬉しい。だってまだ君のことを愛してるから」と言うのでジャニスは驚いています。
ジャニス: Chandler, what are you talking about? (チャンドラー、あなた何言ってるの?)
チャンドラー: Now that you live next door, we can be together every day. Sid and Monica never have to know a thing. (今や君が隣に住むんだから、俺たちは毎日一緒にいられる。シドやモニカは何一つ知る必要はないんだ。)
ジャニス: I don't know what to say. I mean, you know, obviously we have this heat between us. (何て言えばいいかわからないわ。だって、ほら、明らかに私たちの間には、こんな熱さ[情熱]があるけど。)
チャンドラー: (stunned) Obviously. ([固まった顔をして] 明らかに、ね。)
ジャニス: But I love my husband. And I know you love your wife. Now, I don't think we should get this house now. (でも私は夫を愛してるわ。そしてあなたがあなたの奥さんを愛してることも知ってる。今、私たちがこの家を手に入れるべきではないと思うの。)
チャンドラー: Don't say that. Don't tangle the dream and take it away. (そんなこと言わないで。その夢を乱さないで、夢を奪い去らないで。)
ジャニス: Chandler, one of us has got to be strong. (チャンドラー、私たちの一人は強くならないといけないわ。)
チャンドラー: I understand. (わかったよ。)
ジャニス: Although, maybe just... one last moment of weakness. (she kisses Chandler flat on the mouth. Chandler squirms. When she's finished, he looks at her lovingly but uneasily.) Goodbye, Chandler Bing. (She leaves) (でも、多分、弱さの最後の一瞬ね。[ジャニスはチャンドラーのまさに口にキスする。チャンドラーはもがく。ジャニスが(キスを)終えた時、チャンドラーはジャニスを愛しそうだが不安な様子で見る] さよなら、チャンドラー・ビング。[ジャニスは立ち去る])
チャンドラー: (speaking as in pain) They're never coming down now. ([苦しそうに話す] 今は(それらは)下がらないな!)
チャンドラーが愛の言葉を述べたので、ジャニスは「何言ってるの?」と驚いています。
「今や君が隣に住むんだから、俺たちは毎日一緒にいられる。君の夫シド、俺の妻モニカは、何一つ知る必要はないんだ」とチャンドラーが言うと、ジャニスは「何て言えばいいのかわからないわ」と言って、「明らかに私たちの間には、この熱さ・情熱があるけど」のように言っています。
ジャニスは、チャンドラーの告白に驚きつつも、「でも確かに二人の間には熱いものが燃えさかっているわよね」と言ったことになりますね。
そんな風に返されたチャンドラーは、かなりの間があった後、そんな発言は認められないというように、嫌そうな固まった顔をして、ジャニスの言った言葉 Obviously. を繰り返します。
言葉上では「二人の間に熱さが存在するのは明らかだよね」とジャニスに同意したことになるのですが、心の中では「いや、そんなもん、一切存在してないだろ!」と完全否定していることが、その顔の固まり具合からよくわかりますよね。
その後、ジャニスは、「でも私は夫を愛してる。あなたが奥さんを愛してるのも知ってる。だから今、私たち(夫婦)はこの家をゲットすべき[買うべき]じゃないと思う」と言います。
あなたと私が隣に住んで関係を持ってしまったら大変だから、私たち夫婦はこの家を買っちゃいけないわよね、隣に住んじゃいけないわよね、ということですね。
チャンドラーにとっては、いい方向に話が進んできたのですが、チャンドラーはまだ気を抜くことなく、「俺としてはジャニスに隣に住んで欲しい」というようなアピールを続けています。
tangle は「〜をもつれさせる」「(物事を)紛糾させる、混乱させる」なので、「夢を混乱させないで・乱さないで・壊さないで」と言っていることになるでしょう。
take away は「取り去る、奪い去る」ですから、「その夢を奪い去らないで」。
言葉ではそんな風に言いながらも、目はジャニスではない別の場所を凝視している感じで、その言葉を語る口調も、ものすごく早口で棒読みです。
本心からの言葉ではないのはミエミエですが、ジャニスだけはそれを真に受けているという状態ですね。
「私たちの一人は強くならないといけないわ」とジャニスが言い、ガッツポーズをすると、チャンドラーも「わかったよ」と言いながら、軽くガッツポーズをしています。
この「私たちの一人は〜しないといけない」という言い回しは、最近のエピソード、君の弱みに付け込んでる気がする フレンズ10-13その5 にも出てきました。
メイクラブしたいと望むレイチェルに対して、
ロス: I think one of us has to be thinking clearly. So I'm gonna go! (僕たちの一人は[どちらかは]よく考えないといけないと思うんだ。だから、僕は行くよ[帰るよ]!)
と言っていましたね。
感情に任せてイケナイことをしてしまいそうな時、どちらかが冷静に判断しないといけない、どちらかが心を強く持たねばならない、と言う場合に、このフレーズが使われるということですね。
これで無事、ジャニスは家を買わずに去ってくれる、、とチャンドラーも安心したことでしょうが、その後ジャニスは、「でも、多分、弱さの最後の一瞬ね(これが最後の弱さね)」と言って、チャンドラーの唇にキスします。
キスされた瞬間、チャンドラーは「ん!」と言って、後ろに下がろうとするのですが、チャンドラーの頬を手で挟んだジャニスが、結構しつこくキスし続けるので、観客からは歓声も上がっています。
キスした後、ジャニスは別れを告げて去って行くのですが、キスされた後のチャンドラーは、ぐっと口をつむったままで、その後、苦しそうなダミ声で、They're never coming down now. と言っています。
この部分、DVDの日本語訳では、「(字幕)タマ 上がりっぱなし!/(音声)これでもう、タマは大丈夫」となっていましたが、まさにそういう意味のようですね。
このセリフでは、they のように漠然とした複数形の主語になっていますが、これはこれより前のシーンで、ジャニスが隣になるかもしれないとわかった時の、チャンドラーとモニカのやりとりが元になっています。
チャンドラー: Will we love it so much with her next door? And she's gonna be louder out here too! Just the crickets and, (apes Janice's voice) "Oh... my... God!" (彼女が隣にいるのを俺たちはすごく喜べるか? それにこの辺りでは、もっと声が大きくなったりもするんだぞ! ただコオロギの声と、[ジャニスの声を真似る] ”オー・マイ・ゴッド!”)
モニカ: Okay. But if we don't get this house, she's still gonna show up wherever we go! I mean, at least if she's here, it eliminates the element of surprise. I mean, never again will you have to hear the three words that make your balls jump back up inside your body! (She shows this with her index finger, mimicking it pushing something up) (そうね。でも、もし私たちがこの家を手に入れなかったら、これから先も、彼女は私たちの行くところ、どこへでも現れるわ! ほら、少なくとも彼女がここにいたら、驚きの要素は排除されるもの。ほら、もう二度と、あなたはあの3語を聞く必要がなくなるのよ、あなたのタマが驚いて身体の中に戻ってしまうような、あの3語をね! [モニカはこのことを自分の人差し指で示す、それが何かを押し上げるかのようなしぐさをして])
your balls jump back up inside your body については、DVDの日本語訳では「あなたのタマが縮み上がる」となっていましたが、そういう感じのニュアンスだと思います。
jump back up inside your body の意味を単語ごとにイメージしていくと、「ジャンプするように急いで・急激に、戻る、上に上がる、自分の身体の中に」という感じですから、「びっくりして身体の中に引っ込んじゃう、すっこんじゃう、すくんじゃう」みたいな感じになるように思います。
そのシーンで、「ジャニスが近くにいると、あの声が聞こえて、balls がそんな状態になる」と言ったことを受けて、今回のシーンでは、they という代名詞にとどめて、「balls はもう、決して下がらない」→「ジャニスの脅威から解放されて、ball も元通り元気になる」みたいなことを言ってみせたことになるでしょう。
この They're never... の一文だけを取り上げて、「これはどういう意味でしょう?」と問うても全くわからないわけですが、「ジャニスがいると、balls がこうなる」という話をしたシーンがあった後に、「ジャニスが去って行ったら、they はこうなる」ということを言っているわけなので、they = balls だと想像できて笑えてしまう、ということですね。
(2016.8.2 追記)
この部分のやりとりについて、非公開コメントにてご意見をいただきました。
まず、「少なくとも彼女がここにいたら、驚きの要素は排除される(at least if she's here, it eliminates the element of surprise)」という部分が私の解説では抜けていましたので訂正します。
「あなたのタマが驚いて身体の中に戻ってしまうような、あの3語」というのは、「思いがけないところでジャニスに再会した時に、ジャニスが発する Oh, my God.」という意味ですね。
「近所にいるとわかっていれば出会いに驚くこともないので、思いがけないところで突然聞くはめになるジャニスの Oh, my God! に縮こまることはなくなる」という意味でした。
次に、"They're never coming down now." について、「男性の生理としては down が正常な状態」とのご指摘を頂戴したのですが、確かにその通りだと思います。
「思いがけない再会に驚いたジャニスの声を聞くと、タマが身体の中に戻ってしまう(縮こまってしまう)」という話の流れに対して、「今のジャニスからのキスは強烈過ぎて、今度はタマが上がりっぱなしになってしまう」という正反対のことを言っている面白さになると思われます。
(追記はここまで)
ちなみに、上のやりとりですが、Just the crickets and, "Oh... my... God!" と、she's still gonna show up wherever we go! というのが、とても面白くて笑ってしまいました。
ここはNYとは違い郊外なので、虫の音などの聞こえる閑静な場所なのですが、そのことを、「聞こえてくるのはただコオロギの声と、そしてジャニスの”Oh, my God!" だ」と表現しているのが楽しいです。
そして、過去のエピソードでも、意外なところで再会して、おいしい登場を繰り返してきたジャニスですが、モニカたちもそう感じていて、she's still gonna show up wherever we go! 「これから先も、彼女は私たちの行くところどこへでも[行く先々に]現れる」と言葉でそう表現しているのが、ジャニスというキャラ設定を、劇中のキャラ(モニカ)に語らせている感じがして、何だかとても面白いなぁと思いました。
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2016年07月25日
やめたところからまた始められる フレンズ10-15その5
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[Scene: The house next door to Chandler and Monica's new house. Chandler is pacing worriedly through the living room when Janice enters.]
チャンドラーとモニカの新居の隣の家。チャンドラーが心配そうにリビングを歩いていると、ジャニスが入ってくる。
ジャニス: Well... I just talked to Sid. We are definitely putting in an offer on the house. A-a-and I'll bet we get it! (私、ちょうどシド(ジャニスの夫の名前)と話したところなの。この家に絶対に申し込むわ。そして私たちが間違いなくゲットするわ。)
チャンドラー: The Hitlers will be so disappointed. (ヒトラー夫妻はすごくがっかりするだろうね。)
ジャニス: All right, I gotta run. Tell Monica I say goodbye. And... I'll see you later, neighbor. (Janice laugh) (いいわ、私行かなきゃ。私がさよならって言ってたって、モニカに言っといて。そして…また後でね、ご近所さん。[ジャニスは笑う])
チャンドラー: Wait! I just want you to know that... I'm so happy you're going to be here. (待って! ただ君に知っておいて欲しいんだ… 俺はすごく幸せだよ、君がここに来ることになって。)
ジャニス: Oh, me too! (laughs) (まぁ、私もよ! [笑う])
チャンドラー: Because... that way... we can pick up where we left off. (だって… そうすれば… 俺たちは、やめたところ(終わったところ)からまた始められるだろ。)
ジャニス: Huh? (は?)
チャンドラー: I never stopped loving you. (俺は君を愛することをやめてなかったんだ。)
ジャニス: Oh...my-- (オー、マイ…)
チャンドラー: Yeah, yeah, yeah, yeah! I want you. I need you. I must have you, Janice Litman-Goralnik nee Hosenstein. (そうそうそう、そうなんだ! 俺は君が欲しい。俺には君が必要だ。俺には君がいなくちゃだめなんだよ、ジャニス・リットマン・ゴラルニック、旧姓ホーゼンスティーン。)
We are definitely putting in an offer on the house. の put in は「中に入れる」ことから「申し込む、申請する、応募する」というニュアンス。
夫のシドと話して、「この家に絶対に申し込みをするわ」と言っていることになります。
bet は元々、「金を賭ける」という意味なので、「(人に賭けて)断言する」という意味にもなり、この場合は、「私たちがこの家をゲットすると断言する。私たちは間違いなく・確実にこの家をゲットするわ」という意味になります。
「この家に申し込んで、もう1組のライバルを蹴落として絶対にゲットするんだから!」と強気な発言のジャニスに対し、チャンドラーは、The Hitlers will be so disappointed. と言っています。
The Hilters の Hitler は、あのナチスドイツのヒトラーのこと。
ここでヒトラーの名前が出て来たのは、これより前のシーンで、ジャニスと驚きの再会をした後、モニカがつい「私たち隣の家を買う予定なの」としゃべってしまったシーンと関係しています。
「何でジャニスにしゃべっちゃうんだ」と言われ、モニカ自身も「何でそんなことを言っちゃったのかわからない」と困惑した様子でしたが、その後、
モニカ: Okay, the realtor said another couple made an offer. Maybe the Janices won't get it! Maybe the other couple will. (ねぇ、不動産屋が言ってたでしょ、もう一組のカップルが申し込みをした、って。多分、ジャニス夫婦はこの家をゲットできないわよ!多分もう一方のカップルがゲットするわね。)
チャンドラー: The only way that that is going to happen is if the other couple are the Hitlers! (そういうことが起こる唯一の方法は、もしもう一方のカップルがヒトラー夫婦だった場合だけどね。)
モニカは「もう一組のカップルがゲットするわよ、きっと」と言っているのですが、チャンドラーは「ジャニスに勝てそうなのは、相手がヒトラー(夫婦)だった場合くらいだね」みたいに、「喧嘩して負けなさそうな例」としてヒトラーの名前を挙げたことになります。
このやりとりで注目すべきは、the Janices, the Hitlers という「the+名前の複数形」の形。
英語では「the+名字の複数形」で、「(名字)一家」という意味を表します。
その名字の人がたくさんいる集団だからですね。
「一家」ほど大きくなくて、夫婦、兄弟姉妹の場合でも、同じ名字の人が2人以上いる場合には使えます。
ヒトラーの場合は、アドルフ・ヒトラーでヒトラーが名字ですから、まさに「ヒトラー夫婦」と表現していることになるのですが、ジャニスの方は名字ではなく名前の方の複数形で表現されています。
これはモニカが、ジャニスの名字を知らないからでしょう。
ジャニス夫婦は、夫シドと妻ジャニスで、その夫婦(一家)にはジャニスという名前は複数存在しないので、the Janices という表現は、厳密に言うとおかしいわけですが、モニカのイメージとしては「ジャニスとその夫のあの夫婦」なので、名字のように the Janices と表現したことになります。
仮に名字を知っていたところで、the+名字と表現しても、視聴者がジャニス夫婦のことだとピンとこないから、という脚本上の都合もあるでしょうが、モニカがジャニスの名字を知らないことを示唆しているのは間違いないと思います。
今回のシーンに戻ります。
少し前のシーンで、「ジャニスのライバルとなるもう1組のカップル」のことをヒトラー夫婦と表現したことを受けて、チャンドラーはここで、「ライバルのヒトラー夫婦はすっごくがっかりするだろうね」と言っていることになりますね。
「ジャニスに勝てそうなのはヒトラーぐらい」と思っていたチャンドラーですが、ジャニスが買う気満々、勝つ気満々のパワー全開モードなので、これはもう相手に勝ち目はないな、という意味で、「さすがのヒトラー夫婦でも、がっかりしちゃうだろうね」と言ったことになります。
I gotta run. を直訳すると、「私、走らなくちゃ」ということですが、これは「急いで行かなきゃ」というニュアンス。
I gotta go. はよく聞きますが、それを I gotta run. と表現すると「もう走ってでも行かなくちゃ」という感じが出て、より急ぎのニュアンスが出ると言えるでしょう。
ささいな表現の違いではありますが、いつもの表現をちょこっとアレンジすることで、言葉の幅が広がる気がしますよね。
ジャニスは「また後でね、neighbor (ご近所さん)」と言って、あの独特の「ジャニス笑い(Janice Laugh)」をしながら家を出ようとしますが、チャンドラーはそれを引き留め、「ただ君に知っておいてほしいんだ、君がここに来ることになって、俺はとっても幸せだってこと」と言います。
ジャニスは「私もよ」と言ってそのまま家を出ようとしますが、チャンドラーは、Because... と意味ありげに言葉を続けてから、that way... we can pick up where we left off. と言っていますね。
that way は「そのように、その方が」という感覚。
「俺たちが leave off したところを pick up できる」のように表現していますが、leave 「離れる」+off 「分離」ですから、leave off は「やめる」という意味。
pick up は「拾い上げる」が原義で、落ちたものを拾い上げる感覚から来るのでしょうね、「(話や活動などを)(中断後に)再び始める」という意味があります。
よって、チャンドラーのセリフは、「俺たちがやめたところからまた始められる」というような意味になるのですが、表現が抽象的であるため、それを聞いたジャニスは、まじで何のことかわからない、という顔で、Huh? と言っています。
するとチャンドラーは、先ほどの抽象的な言い方ではなく、もっと直接的に、I never stopped loving you. 「俺は君を愛することをやめていなかった」→「君のことをあれからもずっと愛してた」と言います。
既婚者である元カレから、愛の告白をされたことになるので、ジャニスはお得意の Oh, my God! を言おうとするのですが、チャンドラーが早口で Yeah, yeah, yeah, yeah! と言って、God まで言わせないのが面白いですね。
「もう、それ聞くのめんどくさいからやめて」みたいな感じの止め方です。
その態度を見ていると、「ジャニスを今でも愛してると嘘をついて、その場を切り抜けようとしている」のは明らかなのですが、チャンドラーはとにかく言葉上では、「ジャニスを愛してる」的な言葉をいくつも繰り出します。
I want you. I need you. I must have you と言った後、呼び掛け語としてジャニスの名前を言っていますが、それがやたらと長いフルネームなので笑ってしまいますね。
フレンズ8-24 で、レイチェルとジャニスが同じ病院で出産した時、ジャニスは自分の生まれたばかりの息子を連れて、レイチェルと娘エマの部屋に、以下のように挨拶に来ていました。
ジャニス: (entering) Yoo-hoo! Aaron Lipman-Guralnick would like to say hello to his future bride. ([入ってきて] やっほー! アーロン・リップマン=グラルニックが、未来の花嫁に挨拶したいって。)
この名前の部分、DVD英語字幕では、Aaron Lipman-Guralnick、ネットスクリプトでは、Aaron Litman-Neurolic と表記されていました。
多少綴りは異なっていますが、今回の 10-15 でチャンドラーが言ったフルネームの中の、Litman-Goralnik とほぼ同じですね。
基本的にスペルは、DVD字幕の方がオフィシャルであると考えるべきですが、サブキャラのフルネームなので、いまいち統一が取れていない、ということのようです。
そして、おまけのように最後についている、nee Hosenstein について。
この nee は、発音は「ネイ」で、「(結婚前の)旧姓は」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
nee [adjective] : (old-fashioned) used in order to show the family name that a woman had before she was married.
例) Mrs. Carol Cook, nee Williams
つまり、「(古い表現) ある女性が結婚する前に持っていた名字を表すために使われる」。例文は、「ミセス・キャロル・クック、旧姓ウィリアムズ」。
ですからチャンドラーは、ジャニスのフルネームを呼び掛ける時に、わざわざ旧姓まで言った、ということですね。
ジャニスとの再会におののいているわりには、その長いフルネームを旧姓まで含めてちゃんと覚えてるやん! という面白さになるのでしょう。
二人のくされ縁の深さがよく表れている感じですね。
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[Scene: The house next door to Chandler and Monica's new house. Chandler is pacing worriedly through the living room when Janice enters.]
チャンドラーとモニカの新居の隣の家。チャンドラーが心配そうにリビングを歩いていると、ジャニスが入ってくる。
ジャニス: Well... I just talked to Sid. We are definitely putting in an offer on the house. A-a-and I'll bet we get it! (私、ちょうどシド(ジャニスの夫の名前)と話したところなの。この家に絶対に申し込むわ。そして私たちが間違いなくゲットするわ。)
チャンドラー: The Hitlers will be so disappointed. (ヒトラー夫妻はすごくがっかりするだろうね。)
ジャニス: All right, I gotta run. Tell Monica I say goodbye. And... I'll see you later, neighbor. (Janice laugh) (いいわ、私行かなきゃ。私がさよならって言ってたって、モニカに言っといて。そして…また後でね、ご近所さん。[ジャニスは笑う])
チャンドラー: Wait! I just want you to know that... I'm so happy you're going to be here. (待って! ただ君に知っておいて欲しいんだ… 俺はすごく幸せだよ、君がここに来ることになって。)
ジャニス: Oh, me too! (laughs) (まぁ、私もよ! [笑う])
チャンドラー: Because... that way... we can pick up where we left off. (だって… そうすれば… 俺たちは、やめたところ(終わったところ)からまた始められるだろ。)
ジャニス: Huh? (は?)
チャンドラー: I never stopped loving you. (俺は君を愛することをやめてなかったんだ。)
ジャニス: Oh...my-- (オー、マイ…)
チャンドラー: Yeah, yeah, yeah, yeah! I want you. I need you. I must have you, Janice Litman-Goralnik nee Hosenstein. (そうそうそう、そうなんだ! 俺は君が欲しい。俺には君が必要だ。俺には君がいなくちゃだめなんだよ、ジャニス・リットマン・ゴラルニック、旧姓ホーゼンスティーン。)
We are definitely putting in an offer on the house. の put in は「中に入れる」ことから「申し込む、申請する、応募する」というニュアンス。
夫のシドと話して、「この家に絶対に申し込みをするわ」と言っていることになります。
bet は元々、「金を賭ける」という意味なので、「(人に賭けて)断言する」という意味にもなり、この場合は、「私たちがこの家をゲットすると断言する。私たちは間違いなく・確実にこの家をゲットするわ」という意味になります。
「この家に申し込んで、もう1組のライバルを蹴落として絶対にゲットするんだから!」と強気な発言のジャニスに対し、チャンドラーは、The Hitlers will be so disappointed. と言っています。
The Hilters の Hitler は、あのナチスドイツのヒトラーのこと。
ここでヒトラーの名前が出て来たのは、これより前のシーンで、ジャニスと驚きの再会をした後、モニカがつい「私たち隣の家を買う予定なの」としゃべってしまったシーンと関係しています。
「何でジャニスにしゃべっちゃうんだ」と言われ、モニカ自身も「何でそんなことを言っちゃったのかわからない」と困惑した様子でしたが、その後、
モニカ: Okay, the realtor said another couple made an offer. Maybe the Janices won't get it! Maybe the other couple will. (ねぇ、不動産屋が言ってたでしょ、もう一組のカップルが申し込みをした、って。多分、ジャニス夫婦はこの家をゲットできないわよ!多分もう一方のカップルがゲットするわね。)
チャンドラー: The only way that that is going to happen is if the other couple are the Hitlers! (そういうことが起こる唯一の方法は、もしもう一方のカップルがヒトラー夫婦だった場合だけどね。)
モニカは「もう一組のカップルがゲットするわよ、きっと」と言っているのですが、チャンドラーは「ジャニスに勝てそうなのは、相手がヒトラー(夫婦)だった場合くらいだね」みたいに、「喧嘩して負けなさそうな例」としてヒトラーの名前を挙げたことになります。
このやりとりで注目すべきは、the Janices, the Hitlers という「the+名前の複数形」の形。
英語では「the+名字の複数形」で、「(名字)一家」という意味を表します。
その名字の人がたくさんいる集団だからですね。
「一家」ほど大きくなくて、夫婦、兄弟姉妹の場合でも、同じ名字の人が2人以上いる場合には使えます。
ヒトラーの場合は、アドルフ・ヒトラーでヒトラーが名字ですから、まさに「ヒトラー夫婦」と表現していることになるのですが、ジャニスの方は名字ではなく名前の方の複数形で表現されています。
これはモニカが、ジャニスの名字を知らないからでしょう。
ジャニス夫婦は、夫シドと妻ジャニスで、その夫婦(一家)にはジャニスという名前は複数存在しないので、the Janices という表現は、厳密に言うとおかしいわけですが、モニカのイメージとしては「ジャニスとその夫のあの夫婦」なので、名字のように the Janices と表現したことになります。
仮に名字を知っていたところで、the+名字と表現しても、視聴者がジャニス夫婦のことだとピンとこないから、という脚本上の都合もあるでしょうが、モニカがジャニスの名字を知らないことを示唆しているのは間違いないと思います。
今回のシーンに戻ります。
少し前のシーンで、「ジャニスのライバルとなるもう1組のカップル」のことをヒトラー夫婦と表現したことを受けて、チャンドラーはここで、「ライバルのヒトラー夫婦はすっごくがっかりするだろうね」と言っていることになりますね。
「ジャニスに勝てそうなのはヒトラーぐらい」と思っていたチャンドラーですが、ジャニスが買う気満々、勝つ気満々のパワー全開モードなので、これはもう相手に勝ち目はないな、という意味で、「さすがのヒトラー夫婦でも、がっかりしちゃうだろうね」と言ったことになります。
I gotta run. を直訳すると、「私、走らなくちゃ」ということですが、これは「急いで行かなきゃ」というニュアンス。
I gotta go. はよく聞きますが、それを I gotta run. と表現すると「もう走ってでも行かなくちゃ」という感じが出て、より急ぎのニュアンスが出ると言えるでしょう。
ささいな表現の違いではありますが、いつもの表現をちょこっとアレンジすることで、言葉の幅が広がる気がしますよね。
ジャニスは「また後でね、neighbor (ご近所さん)」と言って、あの独特の「ジャニス笑い(Janice Laugh)」をしながら家を出ようとしますが、チャンドラーはそれを引き留め、「ただ君に知っておいてほしいんだ、君がここに来ることになって、俺はとっても幸せだってこと」と言います。
ジャニスは「私もよ」と言ってそのまま家を出ようとしますが、チャンドラーは、Because... と意味ありげに言葉を続けてから、that way... we can pick up where we left off. と言っていますね。
that way は「そのように、その方が」という感覚。
「俺たちが leave off したところを pick up できる」のように表現していますが、leave 「離れる」+off 「分離」ですから、leave off は「やめる」という意味。
pick up は「拾い上げる」が原義で、落ちたものを拾い上げる感覚から来るのでしょうね、「(話や活動などを)(中断後に)再び始める」という意味があります。
よって、チャンドラーのセリフは、「俺たちがやめたところからまた始められる」というような意味になるのですが、表現が抽象的であるため、それを聞いたジャニスは、まじで何のことかわからない、という顔で、Huh? と言っています。
するとチャンドラーは、先ほどの抽象的な言い方ではなく、もっと直接的に、I never stopped loving you. 「俺は君を愛することをやめていなかった」→「君のことをあれからもずっと愛してた」と言います。
既婚者である元カレから、愛の告白をされたことになるので、ジャニスはお得意の Oh, my God! を言おうとするのですが、チャンドラーが早口で Yeah, yeah, yeah, yeah! と言って、God まで言わせないのが面白いですね。
「もう、それ聞くのめんどくさいからやめて」みたいな感じの止め方です。
その態度を見ていると、「ジャニスを今でも愛してると嘘をついて、その場を切り抜けようとしている」のは明らかなのですが、チャンドラーはとにかく言葉上では、「ジャニスを愛してる」的な言葉をいくつも繰り出します。
I want you. I need you. I must have you と言った後、呼び掛け語としてジャニスの名前を言っていますが、それがやたらと長いフルネームなので笑ってしまいますね。
フレンズ8-24 で、レイチェルとジャニスが同じ病院で出産した時、ジャニスは自分の生まれたばかりの息子を連れて、レイチェルと娘エマの部屋に、以下のように挨拶に来ていました。
ジャニス: (entering) Yoo-hoo! Aaron Lipman-Guralnick would like to say hello to his future bride. ([入ってきて] やっほー! アーロン・リップマン=グラルニックが、未来の花嫁に挨拶したいって。)
この名前の部分、DVD英語字幕では、Aaron Lipman-Guralnick、ネットスクリプトでは、Aaron Litman-Neurolic と表記されていました。
多少綴りは異なっていますが、今回の 10-15 でチャンドラーが言ったフルネームの中の、Litman-Goralnik とほぼ同じですね。
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LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
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例) Mrs. Carol Cook, nee Williams
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2016年07月23日
枚方セミナー終了しました!
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は8位、「にほんブログ村」も8位です。
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大阪府枚方市の枚方T-SITE(枚方 蔦屋書店)でのセミナー「海外ドラマDVDで英会話を学ぼう」が、昨日、7月22日(金)に無事、終了いたしました。
HIRAKATA T-SITE : 【イベント】海外ドラマDVDで英会話を学ぼう
平日の夜にもかかわらず、多くの皆様にご参加いただけたこと、本当に光栄で嬉しく思っております。
ご参加下さった皆様、本当にありがとうございました!
会場はトークイベント形式で、机がなく椅子だけが並んでいるのですが、机がない分、私と参加者の皆様(特に最前列の方)との距離が非常に近い!
席は自由に選んでいただけるのですが、「こんなに近いと、皆さん最前列を敬遠されるんじゃ、、」などと心配していたところ、開場と同時に入られた方々が真っ先に最前列に座って下さったので、本当に嬉しかったです。
セミナーを開催させていただくのは1年9か月ぶりだったのですが、開始前からそのような参加者の方々の熱意を肌で感じることができ、とても心地よい幸せな感覚の中で、セミナーを進めさせていただくことができました。
今回のセミナーは、枚方T-SITE内の3階 枚方 蔦屋書店 のラウンジスペースという場所で行われました。
完全に密閉された部屋ではなく、パーティションで区切られてはいますが、書店でお買い物中のお客様が近くを通りかかられた場合には、私がセミナーをしている様子がチラッと見ていただけるような環境なんですよね。
営業中の書店さんの中でセミナーをする、という感覚は私にとってはとても新鮮で、参加者の皆様のおかげでこんな貴重な経験をさせていただけたこと、とてもありがたく思っています。
以前に行なった6回分のセミナーと比較すると、今回の枚方セミナーは、「DVD英語学習法の実演(デモ)」により時間を割いた形になっています。
「はしょる3段階」を実際に皆さんに体験していただくことで、その段階を経ることの意味や意義を感じていただけたかな、と思っています。
最終の第3段階「英語音声、英語字幕」で、英文の意味を説明する際には、音の強さと、ラフトラック(観客の笑い声)が入るタイミングなどにも注目していただくことを併せて説明しました。
ブログでは文字だけですが、セミナーでは「音を聞いて、音(声)で説明する」ことが可能なので、そういう説明ができたことはセミナーならではですし、私自身も皆さんと音を共有できたことをとても楽しむことができました。
「フレンズ」でのデモを行う前に、「フレンズを全く知らない方」に挙手をお願いしたところ、かなりの数の方がお手をお挙げになったのがとても印象に残っています。
その方々は、「フレンズが好きだから」ではなく、「海外ドラマDVDで英会話を学ぼう」というセミナータイトルに興味を持ってご参加下さったということになりますので、昨日のセミナーで少しでも「海外ドラマDVD英語学習法」の良さと面白さが伝えられていたらいいなぁ、と思います。
セミナーの中間と最後にご質問をお受けしたのですが、皆さんが熱心にセミナーを聞いて下さったこと、そして日頃から真剣に英語学習に取り組まれていることがよくわかるご質問ばかりでした。
中間にご質問をお受けしたことで、後半部分のデモでは、そのご質問を反映した説明をすることもできました。
また、「エクセルのデータベース」についてのご質問をいただけたことで、実際に私が作っているエクセルの表をお見せすることもできました。
パソコンの画面をプロジェクターで投影することで、私がパソコン内で行なっている英語学習の様子を皆さんとシェアできるのも、セミナーの利点だと感じます。
セミナー終了後にサインなどさせていただく際、多くの方と直接お話できたことも、とても楽しかったです♪
セミナーを楽しんでいただけたことがわかって、またこれからも頑張ろう! という気持ちが湧いてきます。
書店主催、出版社共催、平日の夜開催、会場が書店、という、私にとっては初めてづくしのセミナーとなりましたが、熱心な参加者の皆様のおかげで、とても充実したセミナーにさせていただくことができました。
今回のセミナーを大きな原動力として、これからも「海外ドラマDVD英語学習法」の楽しさと素晴らしさを頑張って伝えて行きたいと思います。
お忙しい中、ご参加下さった皆様、本当にありがとうございました!<(_ _)>
↓セミナーのチラシです。画像をクリックしていただくと、チラシが別ウィンドウで拡大表示されます。
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平日の夜にもかかわらず、多くの皆様にご参加いただけたこと、本当に光栄で嬉しく思っております。
ご参加下さった皆様、本当にありがとうございました!
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今回のセミナーは、枚方T-SITE内の3階 枚方 蔦屋書店 のラウンジスペースという場所で行われました。
完全に密閉された部屋ではなく、パーティションで区切られてはいますが、書店でお買い物中のお客様が近くを通りかかられた場合には、私がセミナーをしている様子がチラッと見ていただけるような環境なんですよね。
営業中の書店さんの中でセミナーをする、という感覚は私にとってはとても新鮮で、参加者の皆様のおかげでこんな貴重な経験をさせていただけたこと、とてもありがたく思っています。
以前に行なった6回分のセミナーと比較すると、今回の枚方セミナーは、「DVD英語学習法の実演(デモ)」により時間を割いた形になっています。
「はしょる3段階」を実際に皆さんに体験していただくことで、その段階を経ることの意味や意義を感じていただけたかな、と思っています。
最終の第3段階「英語音声、英語字幕」で、英文の意味を説明する際には、音の強さと、ラフトラック(観客の笑い声)が入るタイミングなどにも注目していただくことを併せて説明しました。
ブログでは文字だけですが、セミナーでは「音を聞いて、音(声)で説明する」ことが可能なので、そういう説明ができたことはセミナーならではですし、私自身も皆さんと音を共有できたことをとても楽しむことができました。
「フレンズ」でのデモを行う前に、「フレンズを全く知らない方」に挙手をお願いしたところ、かなりの数の方がお手をお挙げになったのがとても印象に残っています。
その方々は、「フレンズが好きだから」ではなく、「海外ドラマDVDで英会話を学ぼう」というセミナータイトルに興味を持ってご参加下さったということになりますので、昨日のセミナーで少しでも「海外ドラマDVD英語学習法」の良さと面白さが伝えられていたらいいなぁ、と思います。
セミナーの中間と最後にご質問をお受けしたのですが、皆さんが熱心にセミナーを聞いて下さったこと、そして日頃から真剣に英語学習に取り組まれていることがよくわかるご質問ばかりでした。
中間にご質問をお受けしたことで、後半部分のデモでは、そのご質問を反映した説明をすることもできました。
また、「エクセルのデータベース」についてのご質問をいただけたことで、実際に私が作っているエクセルの表をお見せすることもできました。
パソコンの画面をプロジェクターで投影することで、私がパソコン内で行なっている英語学習の様子を皆さんとシェアできるのも、セミナーの利点だと感じます。
セミナー終了後にサインなどさせていただく際、多くの方と直接お話できたことも、とても楽しかったです♪
セミナーを楽しんでいただけたことがわかって、またこれからも頑張ろう! という気持ちが湧いてきます。
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2016年07月21日
ファイナルにもやはり登場のあの人 フレンズ10-15その4
★★★7月22日開催の枚方T-SITEでのセミナー、いよいよ明日となりました!
HIRAKATA T-SITE : 【イベント】海外ドラマDVDで英会話を学ぼう
私の準備は万全です! 海外ドラマの生きたセリフから英語を学ぶ楽しさを、皆さんにお伝えできるのをとても楽しみにしています♪
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郊外の家を買うことに決めたチャンドラーとモニカでしたが、購入予定の隣の家も売りに出ていると知り、買った後で後悔しないで済むよう、隣の家も見学することにします。
[Scene: house next to the one the Bings are moving into. Chandler and Monica knock, a lady opens the door.]
ビング夫妻が引っ越す予定の家の隣の家。チャンドラーとモニカがノックすると、ある女性がドアを開ける。
モニカ: Hi. We're buying the house next door, and we were wondering if we could just take a look around. (はーい。私たちは隣の家を買う予定で、ちょっと(この家の中を)見せてもらえないかなぁと思ってたんですが。)
女性: Oh, sure. I'm showing it to someone else right now, but please, look around. (あぁ、もちろん。たった今、別の人に家を見せているところなの。でも、どうか、見て下さいな。)
モニカ: Thanks. (ありがと。)
チャンドラー: I feel like we're cheating on our house. And if we're gonna cheat, shouldn't it be with like a hot, younger house, that does stuff that our house won't do? (俺たちの家に隠れて浮気しているような気がするよ。それでもし俺たちが浮気するのなら、セクシーでもっと若いような家とすべきじゃない? 俺たちの家がしてくれないようなことをするような家とさ。)
モニカ: Ours is so much better! This living room is smaller, the dining room looks like a cave! What a hole! (私たちの家の方がずっといいわ! この居間は(うちのより)小さいし、ダイニングは洞穴(ほらあな)みたい! なんて、ひどい住まいなの!)
女性: So, what do you think? (それで、どう思われますか?)
モニカ: Love it! (大好きです[最高です]!)
女性: Well, we already have one offer on it. I think the lady upstairs is going to make another one. (それで、この家にはすでに1件申し込みがあります。上の階にいるその女性も、申し込んでくれると思います。)
モニカ: They could be our neighbors. What are they like? (その人たちが私たちのご近所さんになる可能性があるのね。その人たち、どんな感じですか?)
女性: Oh, the woman upstairs is very nice. She and her husband have two kids. He's on Wall Street, and she's a-- (あぁ、上の階にいる女性はすごく素敵ですよ。彼女とご主人には二人の子供がいます。彼はウォール・ストリートに勤めてて、彼女は…)
ジャニス: Oh...my...God! (オー、マイ、ゴッド!)
(Chandler and Monica are speechless).
チャンドラーとモニカは言葉を失う。
チャンドラー: (to Monica): Sure. ([モニカに] もちろん(そうだよね)。)
We're buying the house next door の the house next door は「隣の家」ということ。
next door を直訳すると、「隣のドア」ということで名詞のように見えますが、the house next door の next door は副詞で「隣に(ある)」という意味になります。
副詞なので、the house next door のような語順になっているわけですね。
名詞の前に付く形の形容詞にする場合は、our next-door neighbors 「隣の人、隣家の人」のように、next-door とハイフンがつくことになります。
副詞の next door については、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) で、以下のように説明されています。
next door : [adverb] : in the house, room etc. next to yours or someone's else's.
例1) The boy next door cuts our grass for us.
例2) The Garcias bought the house next door to my mother's.
つまり、「自分、また他の別の人の隣の家や部屋の中」。例文1は、「隣の家の少年は私たちのために草を刈ってくれた」。例文2は、「ガルシア一家は、私の母の隣りの家を買った」。
the boy next door というと、アリー my Love (Ally McBeal)の挿入歌の Neighborhood という曲を思い出します。
Here's a photo I've been looking for
It's a picture of the boy next door
という歌詞で、アリーの幼なじみであるビリーをイメージする歌として、劇中で流れていました。
この曲のおかげで、the boy next door という語順にはなじみがあるため、the house next door という表現も私にはしっくりきます。
we were wondering if we could... は「私たちが〜できるかどうかなぁ、って思っていたんですが」という感覚で、過去進行形を使い、「〜できたりするかなぁ、って思っていた」と表現することで、遠慮がちに自分の希望を述べることができます。
女性が、「たった今、この家を他の人に見せているところだけど、どうかご覧になって」と言うので、二人はこの家を見ることになります。
cheat は「だます」という意味で、cheat on の形を取ると、「(配偶者などに隠れて)浮気をする」という意味になります。
ですからチャンドラーは、「買う家を決めたつもりなのに、その隣家をこうして見学に来ている」ことを、「自分が決めた家に隠れて、別の家と浮気してるみたいな気分だ」と言っているわけですね。
そのように「他の家に浮気している」みたいに言った後、その浮気ネタでさらにジョークを言っています。
And if we're gonna cheat, shouldn't it be with... は、「もし俺たちが浮気することになるのなら、その浮気は…との浮気であるべきじゃないか?」というところですね。
「どうせ浮気するのなら、こういう相手と浮気すべき」と言っているわけで、その相手の内容として、「例えば、セクシーでもっと若い家、俺たちの家がしないようなことをする家」と表現しています。
浮気に例えた流れで、浮気相手はどうせなら「若くてピチピチしてセクシーで、今の恋人がしてくれないような(エッチな)ことをしてくれる人」がいいんじゃないかな? と言ってみせたわけですね。
家の話なのに、まるで「人間との浮気」みたいに、理想の浮気相手を語っている面白さになります。
隣の家を見学しながら、モニカは「私たちの家の方がずーっといいわ!」と言います。
そして、「こっちのリビングの方が小さいし、ダイニングは洞穴(ほらあな)・洞窟(どうくつ)みたいに見える」と言った後、勝ち誇ったように、What a hole! と言います。
hole はご存知「穴」ですから、話の流れ的にも悪口のニュアンスで使っていることはわかりますね。
このニュアンスについては、研究社 新英和中辞典の以下の説明がわかりやすいと思います。
hole
1. (ウサギ・キツネなどの)巣穴
2. 《口語》 (穴のように小さく)むさくるしい家、ひどい住まい
「巣穴」という意味があることから、「まるで巣穴のような、ひどい住まい」という意味になるわけですね。
LAAD では、
hole : UNPLEASANT PLACE (informal) a place for living in, working in etc. that is dirty, small, or in bad condition
例) I have to get out of this hole.
つまり、「不愉快な場所 (インフォーマル) 汚い、小さい、または悪い状況にある、(その中に)住むため、または(その中で)働くための場所」。
そんな風にこの家の悪口を言いまくっている時、この家の案内人である女性がモニカたちに「それで(この家を)どう思います?」と尋ねます。
腕組みしてそう尋ねた様子からも、モニカが言っていた悪口が彼女に聞こえていただろうことがわかりますね。
悪口を聞かれて、しまった、と思ったらしいモニカは、Love it! を「ラーヴ」を強調して言い、横にいるチャンドラーは、両手を寄せてサムアップしています。
Love it! は、We love it! ということですが、わかり切った主語である we を省略して、この文章の一番のポイントとなる動詞の love を強調したセリフとなります。
女性は、「この家にはすでに1件の申し込みがあります。上の階にいる女性ももう一つの(新たな)申し込みをすると思います」と言います。
申し込みしそうな女性が今、上の階で見学中ということなので、モニカは「その人たちは私たちのご近所さんになる可能性があるわ。その人たちってどんな感じ?」と尋ねます。
What are they like? のような「be動詞+like」は、「〜のようである」ということですから、その人たちの人柄や雰囲気などを尋ねる感覚になります。
be動詞の部分を look にした形の、look like なら「見た目はどんな感じですか?」を尋ねる質問になりますね。
He's on Wall Street. は「(上の階で見学中の女性の)ご主人は、ウォールストリート(ウォール街)にいる」ということで、Wall Street は、ニューヨーク証券取引所(New York Stock Exchange, NYSE)がある、ニューヨークの金融街ですから、「金融関係の仕事をしている、証券マンである」と言っていることになります。
女性がそんな説明をしている時、背後から声が聞こえるのですが、「オ」という声が聞こえた瞬間に、その人物が誰だかわかってしまいますね^^
待ってました! という感じのジャニス登場で、観客からも歓声が上がっています。
あまりのことにショックで言葉もないチャンドラーとモニカの様子は、ト書きの speechless という表現がぴったりですね。
しばらーく言葉が出てこなかった二人ですが、かなりの間(ま)の後、チャンドラーが静かな口調で Sure. と言うのが面白いです。
Sure. という言葉は「もちろん。そうだよね」という意味で使われる言葉ですが、この部分、DVDの日本語字幕では「来たか」と訳されていて、そういうニュアンスが当たっているな、と思いました。
この日本語は「やっぱり来たか」というところでしょう。
「この家を買おうとしている別の女性がいるんです」みたいな話の流れで、ここで誰かが登場するとしたら、それはやっぱり、くされ縁であちこちで遭遇してしまうジャニスその人なんだよね、みたいに、あきらめの気持ちを込めて、「やっぱりジャニスだったか」と述べた感覚が、驚きもせず淡々と述べた Sure. に込められていると言える気がします。
ちなみに、ジャニスは、レギュラーのフレンズ6人に対して、準レギュラーと言えるキャラクターですが、フレンズ6人以外で、全てのシーズンに出演したことがあるのは、ジャニス、ガンター、ゲラー夫妻(ロスとモニカの両親)の4人だけとなっています。
Wikipedia 英語版 : List of Friends characters ; Recurring guest stars に、何度も登場するゲストキャラの一覧表があって、そのキャラがどのシーズンに登場したかが、一見してわかるようになっています。
それを見ても、全シーズンに出演しているのはその4人だけであること、中でもガンターの出演150回が断トツに多いこともよくわかりますね(ガンターはセリフがなくても、セントラルパークの背景の中によく映り込んでいますからw)
次いで、ジャック・ゲラーの20回、ジュディ・ゲラーとジャニスが並んで19回となります。
長くなってしまいますが、「ファイナルシーズン、ジャニス登場記念!」といたしまして、過去のジャニスの出演エピソードについて、以下に簡単に説明しておきますね。
1-5: チャンドラーはジャニスと別れようとするが、なかなかうまく行かない。フィービーの助けで無事別れられる。
1-10: チャンドラーは大晦日に一人でいることができなくて、パーティーにジャニスを呼んでしまう。
1-14: ジョーイがセッティングしたダブルデートに来た相手がジャニスだった。
2-3: ヘッケルさんが孤独に死んだことにショックを受け、チャンドラーは元カノのジャニスに電話してしまう。現れたジャニスは他の男性との間の子供を妊娠中だった。
2-24 から 3-8: チャンドラーがある女性とインターネットで惹かれ合う。実際にその女性と会う約束をしたら現れたのはジャニスだった。現在の夫と離婚協議中のジャニスと、チャンドラーはラブラブになるが、3-8 でジャニスが夫と復縁を考えていると知って、チャンドラーは身を引く。
4-15: ジャニスと偶然再会してしまったチャンドラーは、イエメンに転勤すると嘘をつく。
5-12: 元妻のエミリーが再婚すると知ってショックのロスは、ジャニスと関係を持ってしまう。
6-17: チャンドラーとモニカは、バレンタインに手作りのものを交換する約束をするが、チャンドラーはすっかり忘れていて、見つけたカセットテープをプレゼントとして渡すが、それは昔、ジャニスがチャンドラーのために作ったテープだった。(ジャニスは声のみの出演。それでもインパクト大でした^^ )
7-7: モニカはジャニスと偶然出会い、チャンドラーと結婚することをしゃべってしまう。
8-23 から 8-24: レイチェルが分娩室にいる時に、入ってきた妊婦がジャニスだった。
9-21: チャンドラーとモニカが不妊検査を受けに行った病院に、ジャニスも来ていた。
10-15: 今回のエピソード。チャンドラーとモニカが買う予定の隣りの家をジャニスが購入予定。
これを見るとわかるように、「思いがけないところでばったり出会ってしまう」というパターンが多いですね。
今回のような、「ちょっと登場をもったいつけたように、誰かが前振りでその人物のことを説明してからの〜」という流れは、ジャニス登場の典型的なパターンだと言えるでしょう。
ファイナルシーズンでもそろそろ出てくるはず、というファンの期待を裏切らなかったことで、観客も大喜び。うっとうしいんだけど憎めない、愛すべきキャラクターですね。
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郊外の家を買うことに決めたチャンドラーとモニカでしたが、購入予定の隣の家も売りに出ていると知り、買った後で後悔しないで済むよう、隣の家も見学することにします。
[Scene: house next to the one the Bings are moving into. Chandler and Monica knock, a lady opens the door.]
ビング夫妻が引っ越す予定の家の隣の家。チャンドラーとモニカがノックすると、ある女性がドアを開ける。
モニカ: Hi. We're buying the house next door, and we were wondering if we could just take a look around. (はーい。私たちは隣の家を買う予定で、ちょっと(この家の中を)見せてもらえないかなぁと思ってたんですが。)
女性: Oh, sure. I'm showing it to someone else right now, but please, look around. (あぁ、もちろん。たった今、別の人に家を見せているところなの。でも、どうか、見て下さいな。)
モニカ: Thanks. (ありがと。)
チャンドラー: I feel like we're cheating on our house. And if we're gonna cheat, shouldn't it be with like a hot, younger house, that does stuff that our house won't do? (俺たちの家に隠れて浮気しているような気がするよ。それでもし俺たちが浮気するのなら、セクシーでもっと若いような家とすべきじゃない? 俺たちの家がしてくれないようなことをするような家とさ。)
モニカ: Ours is so much better! This living room is smaller, the dining room looks like a cave! What a hole! (私たちの家の方がずっといいわ! この居間は(うちのより)小さいし、ダイニングは洞穴(ほらあな)みたい! なんて、ひどい住まいなの!)
女性: So, what do you think? (それで、どう思われますか?)
モニカ: Love it! (大好きです[最高です]!)
女性: Well, we already have one offer on it. I think the lady upstairs is going to make another one. (それで、この家にはすでに1件申し込みがあります。上の階にいるその女性も、申し込んでくれると思います。)
モニカ: They could be our neighbors. What are they like? (その人たちが私たちのご近所さんになる可能性があるのね。その人たち、どんな感じですか?)
女性: Oh, the woman upstairs is very nice. She and her husband have two kids. He's on Wall Street, and she's a-- (あぁ、上の階にいる女性はすごく素敵ですよ。彼女とご主人には二人の子供がいます。彼はウォール・ストリートに勤めてて、彼女は…)
ジャニス: Oh...my...God! (オー、マイ、ゴッド!)
(Chandler and Monica are speechless).
チャンドラーとモニカは言葉を失う。
チャンドラー: (to Monica): Sure. ([モニカに] もちろん(そうだよね)。)
We're buying the house next door の the house next door は「隣の家」ということ。
next door を直訳すると、「隣のドア」ということで名詞のように見えますが、the house next door の next door は副詞で「隣に(ある)」という意味になります。
副詞なので、the house next door のような語順になっているわけですね。
名詞の前に付く形の形容詞にする場合は、our next-door neighbors 「隣の人、隣家の人」のように、next-door とハイフンがつくことになります。
副詞の next door については、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) で、以下のように説明されています。
next door : [adverb] : in the house, room etc. next to yours or someone's else's.
例1) The boy next door cuts our grass for us.
例2) The Garcias bought the house next door to my mother's.
つまり、「自分、また他の別の人の隣の家や部屋の中」。例文1は、「隣の家の少年は私たちのために草を刈ってくれた」。例文2は、「ガルシア一家は、私の母の隣りの家を買った」。
the boy next door というと、アリー my Love (Ally McBeal)の挿入歌の Neighborhood という曲を思い出します。
Here's a photo I've been looking for
It's a picture of the boy next door
という歌詞で、アリーの幼なじみであるビリーをイメージする歌として、劇中で流れていました。
この曲のおかげで、the boy next door という語順にはなじみがあるため、the house next door という表現も私にはしっくりきます。
we were wondering if we could... は「私たちが〜できるかどうかなぁ、って思っていたんですが」という感覚で、過去進行形を使い、「〜できたりするかなぁ、って思っていた」と表現することで、遠慮がちに自分の希望を述べることができます。
女性が、「たった今、この家を他の人に見せているところだけど、どうかご覧になって」と言うので、二人はこの家を見ることになります。
cheat は「だます」という意味で、cheat on の形を取ると、「(配偶者などに隠れて)浮気をする」という意味になります。
ですからチャンドラーは、「買う家を決めたつもりなのに、その隣家をこうして見学に来ている」ことを、「自分が決めた家に隠れて、別の家と浮気してるみたいな気分だ」と言っているわけですね。
そのように「他の家に浮気している」みたいに言った後、その浮気ネタでさらにジョークを言っています。
And if we're gonna cheat, shouldn't it be with... は、「もし俺たちが浮気することになるのなら、その浮気は…との浮気であるべきじゃないか?」というところですね。
「どうせ浮気するのなら、こういう相手と浮気すべき」と言っているわけで、その相手の内容として、「例えば、セクシーでもっと若い家、俺たちの家がしないようなことをする家」と表現しています。
浮気に例えた流れで、浮気相手はどうせなら「若くてピチピチしてセクシーで、今の恋人がしてくれないような(エッチな)ことをしてくれる人」がいいんじゃないかな? と言ってみせたわけですね。
家の話なのに、まるで「人間との浮気」みたいに、理想の浮気相手を語っている面白さになります。
隣の家を見学しながら、モニカは「私たちの家の方がずーっといいわ!」と言います。
そして、「こっちのリビングの方が小さいし、ダイニングは洞穴(ほらあな)・洞窟(どうくつ)みたいに見える」と言った後、勝ち誇ったように、What a hole! と言います。
hole はご存知「穴」ですから、話の流れ的にも悪口のニュアンスで使っていることはわかりますね。
このニュアンスについては、研究社 新英和中辞典の以下の説明がわかりやすいと思います。
hole
1. (ウサギ・キツネなどの)巣穴
2. 《口語》 (穴のように小さく)むさくるしい家、ひどい住まい
「巣穴」という意味があることから、「まるで巣穴のような、ひどい住まい」という意味になるわけですね。
LAAD では、
hole : UNPLEASANT PLACE (informal) a place for living in, working in etc. that is dirty, small, or in bad condition
例) I have to get out of this hole.
つまり、「不愉快な場所 (インフォーマル) 汚い、小さい、または悪い状況にある、(その中に)住むため、または(その中で)働くための場所」。
そんな風にこの家の悪口を言いまくっている時、この家の案内人である女性がモニカたちに「それで(この家を)どう思います?」と尋ねます。
腕組みしてそう尋ねた様子からも、モニカが言っていた悪口が彼女に聞こえていただろうことがわかりますね。
悪口を聞かれて、しまった、と思ったらしいモニカは、Love it! を「ラーヴ」を強調して言い、横にいるチャンドラーは、両手を寄せてサムアップしています。
Love it! は、We love it! ということですが、わかり切った主語である we を省略して、この文章の一番のポイントとなる動詞の love を強調したセリフとなります。
女性は、「この家にはすでに1件の申し込みがあります。上の階にいる女性ももう一つの(新たな)申し込みをすると思います」と言います。
申し込みしそうな女性が今、上の階で見学中ということなので、モニカは「その人たちは私たちのご近所さんになる可能性があるわ。その人たちってどんな感じ?」と尋ねます。
What are they like? のような「be動詞+like」は、「〜のようである」ということですから、その人たちの人柄や雰囲気などを尋ねる感覚になります。
be動詞の部分を look にした形の、look like なら「見た目はどんな感じですか?」を尋ねる質問になりますね。
He's on Wall Street. は「(上の階で見学中の女性の)ご主人は、ウォールストリート(ウォール街)にいる」ということで、Wall Street は、ニューヨーク証券取引所(New York Stock Exchange, NYSE)がある、ニューヨークの金融街ですから、「金融関係の仕事をしている、証券マンである」と言っていることになります。
女性がそんな説明をしている時、背後から声が聞こえるのですが、「オ」という声が聞こえた瞬間に、その人物が誰だかわかってしまいますね^^
待ってました! という感じのジャニス登場で、観客からも歓声が上がっています。
あまりのことにショックで言葉もないチャンドラーとモニカの様子は、ト書きの speechless という表現がぴったりですね。
しばらーく言葉が出てこなかった二人ですが、かなりの間(ま)の後、チャンドラーが静かな口調で Sure. と言うのが面白いです。
Sure. という言葉は「もちろん。そうだよね」という意味で使われる言葉ですが、この部分、DVDの日本語字幕では「来たか」と訳されていて、そういうニュアンスが当たっているな、と思いました。
この日本語は「やっぱり来たか」というところでしょう。
「この家を買おうとしている別の女性がいるんです」みたいな話の流れで、ここで誰かが登場するとしたら、それはやっぱり、くされ縁であちこちで遭遇してしまうジャニスその人なんだよね、みたいに、あきらめの気持ちを込めて、「やっぱりジャニスだったか」と述べた感覚が、驚きもせず淡々と述べた Sure. に込められていると言える気がします。
ちなみに、ジャニスは、レギュラーのフレンズ6人に対して、準レギュラーと言えるキャラクターですが、フレンズ6人以外で、全てのシーズンに出演したことがあるのは、ジャニス、ガンター、ゲラー夫妻(ロスとモニカの両親)の4人だけとなっています。
Wikipedia 英語版 : List of Friends characters ; Recurring guest stars に、何度も登場するゲストキャラの一覧表があって、そのキャラがどのシーズンに登場したかが、一見してわかるようになっています。
それを見ても、全シーズンに出演しているのはその4人だけであること、中でもガンターの出演150回が断トツに多いこともよくわかりますね(ガンターはセリフがなくても、セントラルパークの背景の中によく映り込んでいますからw)
次いで、ジャック・ゲラーの20回、ジュディ・ゲラーとジャニスが並んで19回となります。
長くなってしまいますが、「ファイナルシーズン、ジャニス登場記念!」といたしまして、過去のジャニスの出演エピソードについて、以下に簡単に説明しておきますね。
1-5: チャンドラーはジャニスと別れようとするが、なかなかうまく行かない。フィービーの助けで無事別れられる。
1-10: チャンドラーは大晦日に一人でいることができなくて、パーティーにジャニスを呼んでしまう。
1-14: ジョーイがセッティングしたダブルデートに来た相手がジャニスだった。
2-3: ヘッケルさんが孤独に死んだことにショックを受け、チャンドラーは元カノのジャニスに電話してしまう。現れたジャニスは他の男性との間の子供を妊娠中だった。
2-24 から 3-8: チャンドラーがある女性とインターネットで惹かれ合う。実際にその女性と会う約束をしたら現れたのはジャニスだった。現在の夫と離婚協議中のジャニスと、チャンドラーはラブラブになるが、3-8 でジャニスが夫と復縁を考えていると知って、チャンドラーは身を引く。
4-15: ジャニスと偶然再会してしまったチャンドラーは、イエメンに転勤すると嘘をつく。
5-12: 元妻のエミリーが再婚すると知ってショックのロスは、ジャニスと関係を持ってしまう。
6-17: チャンドラーとモニカは、バレンタインに手作りのものを交換する約束をするが、チャンドラーはすっかり忘れていて、見つけたカセットテープをプレゼントとして渡すが、それは昔、ジャニスがチャンドラーのために作ったテープだった。(ジャニスは声のみの出演。それでもインパクト大でした^^ )
7-7: モニカはジャニスと偶然出会い、チャンドラーと結婚することをしゃべってしまう。
8-23 から 8-24: レイチェルが分娩室にいる時に、入ってきた妊婦がジャニスだった。
9-21: チャンドラーとモニカが不妊検査を受けに行った病院に、ジャニスも来ていた。
10-15: 今回のエピソード。チャンドラーとモニカが買う予定の隣りの家をジャニスが購入予定。
これを見るとわかるように、「思いがけないところでばったり出会ってしまう」というパターンが多いですね。
今回のような、「ちょっと登場をもったいつけたように、誰かが前振りでその人物のことを説明してからの〜」という流れは、ジャニス登場の典型的なパターンだと言えるでしょう。
ファイナルシーズンでもそろそろ出てくるはず、というファンの期待を裏切らなかったことで、観客も大喜び。うっとうしいんだけど憎めない、愛すべきキャラクターですね。
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2016年07月19日
強い音を意識するリスニングをセミナーで行います
7月22日(金)開催の枚方T-SITEでのセミナーでは、リスニングの際に意識すべき「音」についていろいろ語らせていただくつもりにしています。
セミナーでは、フレンズ1-7(停電の話)を教材として使って、「DVD英語学習法」の「はしょる3段階」の実演(デモ)を行います。
はしょる3段階は、
第1段階 英語音声・字幕なし (=テスト)
第2段階 日本語音声・日本語字幕 (=答え合わせ)
第3段階 英語音声・英語字幕 (=調べる)
という流れになっています。
第1段階では、ネイティブが見ているのと同じように「字幕を出さずに、英語音声だけで見る」ので、初見の場合は「何を言っているのかわからない」という感想を持たれる方がほとんどだと思います。
そういう「容赦のない本物の生きた英語」を味わっていただいた後、第2段階で日本語にして見ることで、一気に内容と掴むと共に、「第1段階で見た時に、どこがわかって、どこがわからなかったか」ということを感じていただけるはずです。
そして最後の第3段階で、英語字幕を表示させて、各セリフの意味を確認していきます。
直訳するとこういう意味になるから、日本語っぽく訳すとそうなる、という説明や、出て来た文法事項の解説を行うことで、生きた英語を紐解き、理解する方法を示します。
第3段階で私が行う説明は、私がいつもブログでやっていることと同じで、その辺りは「ブログの実況中継」みたいな感じになるわけですが、文字で書いているブログと大きく異なるのは、セミナーでは「実際に音を聞いた後、それに対する説明を、私が声で説明できる」という点です。
音に関する話では、文字で伝えられることに限界があり、説明もくどくどと長くなってしまいますが、実際にセミナーという1つの会場で皆さんに英語の音を体感してもらった後で、その中のどこに意識を向けるかということを文字ではなく音で説明できるということが、セミナーの利点だと思うのですね。
私は拙著の中で、リスニングを伸ばすコツとして、「すべての音を聞き取ろうとせず、強く発音された「内容語」に重点を置いて聞く」ということを述べています。
日本人にとって、ネイティブの英語、特にドラマや映画のセリフは「速すぎて聞き取れない」という意識を持ってしまいがちです。
ですが、ネイティブの英語を聞き取るためのコツは、「あの速さについていって、一言一句聞き漏らさないようにしよう」ということではなく、「ネイティブがあのスピードで話す中で、大きく強く発音された単語をその語順のまま受け止める」ことが大切になってきます。
英語は強弱とリズムが何より大切な言葉です。
伝える内容として重要な言葉(内容語)が強く発音されることで、強弱のリズムが生まれます。
さらには、セリフのような口語の場合は、主語や be動詞の省略も多く、英語資格試験のナレーションよりもさらに強弱が強調されたものとなっています。
ネイティブが省略する部分は、「なくても問題ない、なくても意味が通じる」から省略されているわけで、小さく速く発音されている部分も同様です。
そういう「小さく速く」発音されている部分も何とか聞き取ろうと頑張るのではなく、内容を伝える大事な部分をしっかり聞き取る意識に変えていただけたらと思っています。
He's が、He is なのか、He has なのかがわかるのは、内容から自ずとそう判断されるということで、音の違いではありません。
それと同じことで、「小さく速く」発音されている部分は、音がよく聞き取れなくても、話の流れと内容から判断できることがほとんどです。
第1段階で見てみた時に、「全然聞き取れない、わからない」と感じた方には是非、「どの部分が聞き取れていればわかったのか」ということを具体的に感じていただきたいと思っています。
速さに怯えるのではなく、「強い音を待ち構える」意識でリスニングしていただきたいと思うのですね。
シットコムには笑い声が入るので、ジョークの笑いどころがわかるという利点があるのですが、その「笑い声が入る箇所」をさらに意識することで、「ネイティブがどの単語を聞いた時点で、セリフの面白さを認識したか」ということもわかります。
途中までは何の話をしているのかよくわからないけれど、ある単語が出てきたことで、「そういう意味だったのか!」と気づけて笑える、という仕組みですね。
ネイティブと同じタイミングで笑えるようになる、ということが、ネイティブが話す語順そのままで意味を受け止め、理解できていることの大きな証明となります。
「ネイティブもこの時点ではまだ何のことか気づいていませんが、この単語を聞いた直後に爆笑が起こっていますよね」というような説明は、音を共有しているセミナーでなければできません。
英語のセリフの面白さは、書かれた英文を訳すことでもかなりの部分は伝わりますが、やはり「音として発せられたセリフを理解できた時」に、その本当の面白さがわかるのだと思います。
「英語が速すぎて聞き取れない」と日頃お悩みの方には是非、「英語を理解するための音の聞き取り」を体験していただきたいと思っています。
7月22日のセミナー、いよいよ今週金曜日となりました。
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皆様と一緒にフレンズの生きた英語を楽しみながら、楽しく効果的に英語を学ぶ方法をお伝えさせていただくのを、心から楽しみにしています♪
P.S. 「フレンズ解説記事」は、今日、この下に(1つ前の記事として)投稿しています。
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セミナーでは、フレンズ1-7(停電の話)を教材として使って、「DVD英語学習法」の「はしょる3段階」の実演(デモ)を行います。
はしょる3段階は、
第1段階 英語音声・字幕なし (=テスト)
第2段階 日本語音声・日本語字幕 (=答え合わせ)
第3段階 英語音声・英語字幕 (=調べる)
という流れになっています。
第1段階では、ネイティブが見ているのと同じように「字幕を出さずに、英語音声だけで見る」ので、初見の場合は「何を言っているのかわからない」という感想を持たれる方がほとんどだと思います。
そういう「容赦のない本物の生きた英語」を味わっていただいた後、第2段階で日本語にして見ることで、一気に内容と掴むと共に、「第1段階で見た時に、どこがわかって、どこがわからなかったか」ということを感じていただけるはずです。
そして最後の第3段階で、英語字幕を表示させて、各セリフの意味を確認していきます。
直訳するとこういう意味になるから、日本語っぽく訳すとそうなる、という説明や、出て来た文法事項の解説を行うことで、生きた英語を紐解き、理解する方法を示します。
第3段階で私が行う説明は、私がいつもブログでやっていることと同じで、その辺りは「ブログの実況中継」みたいな感じになるわけですが、文字で書いているブログと大きく異なるのは、セミナーでは「実際に音を聞いた後、それに対する説明を、私が声で説明できる」という点です。
音に関する話では、文字で伝えられることに限界があり、説明もくどくどと長くなってしまいますが、実際にセミナーという1つの会場で皆さんに英語の音を体感してもらった後で、その中のどこに意識を向けるかということを文字ではなく音で説明できるということが、セミナーの利点だと思うのですね。
私は拙著の中で、リスニングを伸ばすコツとして、「すべての音を聞き取ろうとせず、強く発音された「内容語」に重点を置いて聞く」ということを述べています。
日本人にとって、ネイティブの英語、特にドラマや映画のセリフは「速すぎて聞き取れない」という意識を持ってしまいがちです。
ですが、ネイティブの英語を聞き取るためのコツは、「あの速さについていって、一言一句聞き漏らさないようにしよう」ということではなく、「ネイティブがあのスピードで話す中で、大きく強く発音された単語をその語順のまま受け止める」ことが大切になってきます。
英語は強弱とリズムが何より大切な言葉です。
伝える内容として重要な言葉(内容語)が強く発音されることで、強弱のリズムが生まれます。
さらには、セリフのような口語の場合は、主語や be動詞の省略も多く、英語資格試験のナレーションよりもさらに強弱が強調されたものとなっています。
ネイティブが省略する部分は、「なくても問題ない、なくても意味が通じる」から省略されているわけで、小さく速く発音されている部分も同様です。
そういう「小さく速く」発音されている部分も何とか聞き取ろうと頑張るのではなく、内容を伝える大事な部分をしっかり聞き取る意識に変えていただけたらと思っています。
He's が、He is なのか、He has なのかがわかるのは、内容から自ずとそう判断されるということで、音の違いではありません。
それと同じことで、「小さく速く」発音されている部分は、音がよく聞き取れなくても、話の流れと内容から判断できることがほとんどです。
第1段階で見てみた時に、「全然聞き取れない、わからない」と感じた方には是非、「どの部分が聞き取れていればわかったのか」ということを具体的に感じていただきたいと思っています。
速さに怯えるのではなく、「強い音を待ち構える」意識でリスニングしていただきたいと思うのですね。
シットコムには笑い声が入るので、ジョークの笑いどころがわかるという利点があるのですが、その「笑い声が入る箇所」をさらに意識することで、「ネイティブがどの単語を聞いた時点で、セリフの面白さを認識したか」ということもわかります。
途中までは何の話をしているのかよくわからないけれど、ある単語が出てきたことで、「そういう意味だったのか!」と気づけて笑える、という仕組みですね。
ネイティブと同じタイミングで笑えるようになる、ということが、ネイティブが話す語順そのままで意味を受け止め、理解できていることの大きな証明となります。
「ネイティブもこの時点ではまだ何のことか気づいていませんが、この単語を聞いた直後に爆笑が起こっていますよね」というような説明は、音を共有しているセミナーでなければできません。
英語のセリフの面白さは、書かれた英文を訳すことでもかなりの部分は伝わりますが、やはり「音として発せられたセリフを理解できた時」に、その本当の面白さがわかるのだと思います。
「英語が速すぎて聞き取れない」と日頃お悩みの方には是非、「英語を理解するための音の聞き取り」を体験していただきたいと思っています。
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新聞の訃報欄で、ジョーイのエージェントのエステルが死んだことを知った、フィービー、チャンドラー、モニカたちですが、今、周りでいろんなことが起こっていて動揺しているジョーイにこれ以上のショックを与えまいと、ジョーイにはエステルが亡くなったことをしばらく黙っていることに決めました。
そのことを知らないジョーイが、セントラルパークに入ってきて、「俺にピッタリの役があったのに、エステルがその話を持ってこなかった」と愚痴ります。
何か理由があるのか聞きたいと言って、ジョーイがエステルに電話しようとするので、フィービーは「電話するのはちょっと待って」と言い残し、セントラルパークの外に出ます。
(Phoebe is outside, taking her cell phone out of her bag and making a call. Joey is inside, and his mobile phone starts ringing).
フィービーは外にいる、バッグから携帯を取り出して、電話をかける。ジョーイは中にいて、彼の携帯が鳴り始める。
ジョーイ: Hello? (もしもし?)
フィービー (doing Estelle): Joey, it's Estelle. ([エステルの真似をしながら] ジョーイ、エステルよ。)
ジョーイ: I was just gonna call you! That's weird. (ちょうど電話しようとしてたところなんだ!それって妙だよね。)
フィービー・エステル(Phoebe-Estelle、エステルの真似をしているフィービー): It's a little coincidental, but believable. (Joey nods in agreement) Listen, I'm sure you're wondering why I didn't get you an audition for that TV movie. (ちょっとした偶然の一致だけど、信じられないことじゃないわ。[ジョーイは同意してうなずく] ねぇ、例のテレビ映画のオーディションを私があなたに用意しなかったのはなぜかって、思ってるでしょう。)
ジョーイ: Yeah, actually I am! (あぁ、実はどうしてかな、って思ってるよ。)
フィービー・エステル: I guess I dropped the ball there. Whoopsie! (思うに、私はその件で、へましちゃったのよねぇ。おっととと!)
ジョーイ: That's it? You know, it seems like all you do lately is drop the ball. (それだけ? ほら、最近のあんたのやることは全部、へまばかりな気がするよ。)
フィービー・エステル: Don't take that tone with me. Who you think you are? Alan Lemon, the first black man to fly solo across the Atlantic? (私にそんな口調で話さないでよ[私にそんな口きかないでよ]。自分を誰[何様]だと思ってんの? アラン・レモン、大西洋を単独横断飛行した最初の黒人だとでも思ってんの?)
ジョーイ: No, no, look, all I'm saying is you're my agent, okay? And you're not getting me into any auditions and I'm tired of it. (いや、いや、ねぇ、俺が言ってるのは、あんたは俺のエージェントなんだ、ってことだ。そしてあんたは俺にどんなオーディションも用意しないから、俺はもううんざりなんだよ。)
フィービー・エステル: What are you saying? (何言ってるの?[何が言いたいの?])
ジョーイ: I'm saying that... (pause) This isn't working for me anymore, okay, Estelle? You're fired. Goodbye. (he hangs up the phone). (俺が言ってるのは… [間があって] もうこんなのは俺のためになってないよ、エステル。あんたはクビだ。さよなら。[ジョーイは電話を切る])
フィービー: Man, tough week for Estelle! (まぁ、エステルにとっては辛い週ね!)
ジョーイが自分からエステルに電話しようとするので、フィービーはエステルのふりをしてジョーイに電話をかけます。
ト書きに、doing Estelle とあるように、エステルの真似をしながら、開口一番、Joey, it's Estelle. と言っていますが、これが特徴的なエステルの喋り方によく似ているので、思わず笑ってしまいました^^
「ちょうど電話しようと思ってたところなのに、そっちから電話がかかってくるなんて妙だなぁ」みたいに言われたフィービーは、エステルの真似をしながら、「何となくエステルならそう返すかも」的なセリフを言っているのも面白いです。
エステルは、ちょっと常識とは感覚のズレた人で、話し相手を唖然とさせるところがあるのですが、It's a little coincidental, but believable. を直訳すると、「ちょっと偶然の一致だけど、信じられる」になりますね。
「かけようと思っていた相手からかかってくるなんて、何て偶然!って感じはするけど、信じられないことではない、ありえないことではない」と言っていることになります。
「かけようと思っていたまさにその時にかかってきた」なんて、まさにジョーイの言う通り、weird な話ですが、「偶然だな、とは思うけど、信じられないレベルの話じゃない」みたいに言いくるめられてしまった感じで、ジョーイもその説明に納得した様子でうなずいています。
I'm sure 以下のセリフは、「そのテレビ映画へのオーディションを、私があなたに get しなかっのはなぜかなぁ? ってあなたは今、間違いなく思ってるところよね」というところ。
「get+人+もの・こと」は「人に〜をあげる、用意する」という感覚なので、ここでは「エージェントとして俳優のあなたにオーディションを用意しなかった、オーディションの連絡をしなかった、オーディションを受けさせなかった」と言っていることになります。
Yeah, actually I am! は、actually I am wondering why... ということで、エステルが you're wondering why と現在進行形を使ったことを受けて、「あなたが今言った通り、俺は実際、まさに今、そんな風に思ってるところだよ」と返したことになります。
I guess I dropped the ball there. を直訳すると、「思うに、私はそこでボールを落とした」。
drop the ball は「へまをする、大失敗する」。
「ボールを落とす」という言葉がそういうイメージに繋がるのは、理解しやすいですよね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
drop the ball : to not do a job that you are expected to do, especially because you make mistakes
例) Investigators dropped the ball in the murder investigation.
つまり、「することを期待された仕事をしないこと、特に間違えるなどの理由で」。例文は、「捜査当局は、殺人捜査でへまをした」。
there は離れた場所を指す言葉ですから、ここでは「ジョーイにオーディションを紹介するしないの件」という少し前の出来事を there で表現していることになるでしょう。
「私、その件で、へましちゃったみたいね」と言った後、「ウプシー」みたいな言葉を付け足しています。
DVD英語字幕ではこの部分は表記されていませんが、ネットスクリプトでは、Whoopsie! と書かれています。
音やその文字から想像できる通り、Whoops! / Oops! 「ウープス! おっとー! しまった!」の変形バージョンですね。
一般的な Whoops! ではなく、ちょっと語尾を変な風に言ってみせることで、エステルの独特のしゃべり方っぽい雰囲気を出しているのでしょう。
もっともな理由を言ってくれるのかと思ったら、「へましちゃったみたいなのよ。おっとー!」としか言わなかったので、ジョーイは「それだけ?」と言った後、it seems like all you do lately is drop the ball. と言っています。
直訳すると、「あなたが最近することのすべては、へまをすることである、みたいに見える」というところで、「あなたは最近、へましてばっかりみたいに見えますよ」ということですね。
Don't take that tone with me. の tone は「口調、語気、口のききかた」なので、「私にそんな口のきき方をするな」ということ。
かなりの年長でもあり、仕事を紹介するエージェントでもある私に、「あんたは最近、へまばっかじゃないすか」みたいな、ものの言い方するんじゃないわよ、と注意した感じですね。
その次の、Who you think you are? は、「あなたは自分を誰だと思ってるの?」で、これは言葉や態度が偉そうな相手に対して、「あんた、自分を何様だと思ってんの?」と言う時の決まり文句となります。
そのフレーズで終わる場合もありますし、続いて「自分が〜であるみたいなつもりでいるの?」と、人の形容や固有名詞を出したりする場合もありますが、今回はそれが、Alan Lemon という固有名詞になっています。
Alan Lemon と出てきて、「誰それ?」となった後、同格で、「(それは)〜の人である」のように説明が続くのですが、それが「大西洋を単独横断飛行した最初の黒人男性」であるところが、笑いのポイントですね。
過去記事、スヌーピーが言わない限り大丈夫 フレンズ10-15その2 で、エステルのことを別の訃報記事と間違えて、「エステルって、大西洋を単独横断飛行した最初の黒人男性だったのねぇ」と、フィービーがトンチンカンなことを言うセリフがあったのですが、忘れた頃にそのネタを持ち出してくる、「そう言えばそんな話、このエピソードで出て来てたよな」と笑えるジョークなわけですね。
新聞の訃報欄を見て最初に言及されたシーンでは、その黒人男性の名前は語られませんでしたが、今回のシーンではまずその名前を先に出し、観客に「それって誰だろう?」と思わせた上で、「それってあの新聞に載っていた単独横断飛行の男性」だったとわかるオチで笑える仕組みとなっているということです。
ジョーイは、何でその人物の名前が出て来たのか全くわからなかったでしょうが、そこはさらっと流して、「俺が言ってるのは、あんたは俺のエージェントなんだ、ってことだ」と言い、「エージェントなのに、俺をどこかのオーディションに入れてくれることもしないから、俺はもうそのことにうんざりなんだ」と言います。
get me into any auditions は「俺をどれかのオーディションの中に入れる」という感覚ですから、オーディションを受けるようにセッティングするようなニュアンスになるでしょう。
「何を言ってるの? あなたは何が言いたいの?」のように言われたジョーイは、「俺が言ってるのはこういうことだ…」のように少し間を置いた後、this isn't working for me anymore と続けます。
work for は「〜の役に立つ、〜に有効である」ということで、this isn't working for me anymore は、「こんなこと(あなたが俺のエージェントをやっていること)は、俺にはもはや役に立っていない、有効に機能していない」と言っていることになります。
「オーディションも用意してくれないようなエージェントなら、何も俺の役に立ってくれてない」というところですね。
「役に立ってない」とまで言ってしまったジョーイは、その勢いで、You're fired. 「あんたはクビだ」と言い、冷たく Goodbye. と言い放ち、電話を切ります。
エステルのふりをして電話を聞いていたフィービーは、Man, tough week for Estelle! と言っています。
tough は「辛い(つらい)」なので、「なんてこと、(今週は)エステルにとって辛い週ね!」と言ったことになります。
解雇されたと言っても、当のエステルは亡くなってしまっていて、フィービー演じる、にせエステルを解雇しただけではありますが、「少し前にエステルが亡くなり、今はこうしてジョーイに解雇されてしまった」ことを、「エステルにとっては、踏んだり蹴ったりの週ね」みたいに言ったわけですね。
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新聞の訃報欄で、ジョーイのエージェントのエステルが死んだことを知った、フィービー、チャンドラー、モニカたちですが、今、周りでいろんなことが起こっていて動揺しているジョーイにこれ以上のショックを与えまいと、ジョーイにはエステルが亡くなったことをしばらく黙っていることに決めました。
そのことを知らないジョーイが、セントラルパークに入ってきて、「俺にピッタリの役があったのに、エステルがその話を持ってこなかった」と愚痴ります。
何か理由があるのか聞きたいと言って、ジョーイがエステルに電話しようとするので、フィービーは「電話するのはちょっと待って」と言い残し、セントラルパークの外に出ます。
(Phoebe is outside, taking her cell phone out of her bag and making a call. Joey is inside, and his mobile phone starts ringing).
フィービーは外にいる、バッグから携帯を取り出して、電話をかける。ジョーイは中にいて、彼の携帯が鳴り始める。
ジョーイ: Hello? (もしもし?)
フィービー (doing Estelle): Joey, it's Estelle. ([エステルの真似をしながら] ジョーイ、エステルよ。)
ジョーイ: I was just gonna call you! That's weird. (ちょうど電話しようとしてたところなんだ!それって妙だよね。)
フィービー・エステル(Phoebe-Estelle、エステルの真似をしているフィービー): It's a little coincidental, but believable. (Joey nods in agreement) Listen, I'm sure you're wondering why I didn't get you an audition for that TV movie. (ちょっとした偶然の一致だけど、信じられないことじゃないわ。[ジョーイは同意してうなずく] ねぇ、例のテレビ映画のオーディションを私があなたに用意しなかったのはなぜかって、思ってるでしょう。)
ジョーイ: Yeah, actually I am! (あぁ、実はどうしてかな、って思ってるよ。)
フィービー・エステル: I guess I dropped the ball there. Whoopsie! (思うに、私はその件で、へましちゃったのよねぇ。おっととと!)
ジョーイ: That's it? You know, it seems like all you do lately is drop the ball. (それだけ? ほら、最近のあんたのやることは全部、へまばかりな気がするよ。)
フィービー・エステル: Don't take that tone with me. Who you think you are? Alan Lemon, the first black man to fly solo across the Atlantic? (私にそんな口調で話さないでよ[私にそんな口きかないでよ]。自分を誰[何様]だと思ってんの? アラン・レモン、大西洋を単独横断飛行した最初の黒人だとでも思ってんの?)
ジョーイ: No, no, look, all I'm saying is you're my agent, okay? And you're not getting me into any auditions and I'm tired of it. (いや、いや、ねぇ、俺が言ってるのは、あんたは俺のエージェントなんだ、ってことだ。そしてあんたは俺にどんなオーディションも用意しないから、俺はもううんざりなんだよ。)
フィービー・エステル: What are you saying? (何言ってるの?[何が言いたいの?])
ジョーイ: I'm saying that... (pause) This isn't working for me anymore, okay, Estelle? You're fired. Goodbye. (he hangs up the phone). (俺が言ってるのは… [間があって] もうこんなのは俺のためになってないよ、エステル。あんたはクビだ。さよなら。[ジョーイは電話を切る])
フィービー: Man, tough week for Estelle! (まぁ、エステルにとっては辛い週ね!)
ジョーイが自分からエステルに電話しようとするので、フィービーはエステルのふりをしてジョーイに電話をかけます。
ト書きに、doing Estelle とあるように、エステルの真似をしながら、開口一番、Joey, it's Estelle. と言っていますが、これが特徴的なエステルの喋り方によく似ているので、思わず笑ってしまいました^^
「ちょうど電話しようと思ってたところなのに、そっちから電話がかかってくるなんて妙だなぁ」みたいに言われたフィービーは、エステルの真似をしながら、「何となくエステルならそう返すかも」的なセリフを言っているのも面白いです。
エステルは、ちょっと常識とは感覚のズレた人で、話し相手を唖然とさせるところがあるのですが、It's a little coincidental, but believable. を直訳すると、「ちょっと偶然の一致だけど、信じられる」になりますね。
「かけようと思っていた相手からかかってくるなんて、何て偶然!って感じはするけど、信じられないことではない、ありえないことではない」と言っていることになります。
「かけようと思っていたまさにその時にかかってきた」なんて、まさにジョーイの言う通り、weird な話ですが、「偶然だな、とは思うけど、信じられないレベルの話じゃない」みたいに言いくるめられてしまった感じで、ジョーイもその説明に納得した様子でうなずいています。
I'm sure 以下のセリフは、「そのテレビ映画へのオーディションを、私があなたに get しなかっのはなぜかなぁ? ってあなたは今、間違いなく思ってるところよね」というところ。
「get+人+もの・こと」は「人に〜をあげる、用意する」という感覚なので、ここでは「エージェントとして俳優のあなたにオーディションを用意しなかった、オーディションの連絡をしなかった、オーディションを受けさせなかった」と言っていることになります。
Yeah, actually I am! は、actually I am wondering why... ということで、エステルが you're wondering why と現在進行形を使ったことを受けて、「あなたが今言った通り、俺は実際、まさに今、そんな風に思ってるところだよ」と返したことになります。
I guess I dropped the ball there. を直訳すると、「思うに、私はそこでボールを落とした」。
drop the ball は「へまをする、大失敗する」。
「ボールを落とす」という言葉がそういうイメージに繋がるのは、理解しやすいですよね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
drop the ball : to not do a job that you are expected to do, especially because you make mistakes
例) Investigators dropped the ball in the murder investigation.
つまり、「することを期待された仕事をしないこと、特に間違えるなどの理由で」。例文は、「捜査当局は、殺人捜査でへまをした」。
there は離れた場所を指す言葉ですから、ここでは「ジョーイにオーディションを紹介するしないの件」という少し前の出来事を there で表現していることになるでしょう。
「私、その件で、へましちゃったみたいね」と言った後、「ウプシー」みたいな言葉を付け足しています。
DVD英語字幕ではこの部分は表記されていませんが、ネットスクリプトでは、Whoopsie! と書かれています。
音やその文字から想像できる通り、Whoops! / Oops! 「ウープス! おっとー! しまった!」の変形バージョンですね。
一般的な Whoops! ではなく、ちょっと語尾を変な風に言ってみせることで、エステルの独特のしゃべり方っぽい雰囲気を出しているのでしょう。
もっともな理由を言ってくれるのかと思ったら、「へましちゃったみたいなのよ。おっとー!」としか言わなかったので、ジョーイは「それだけ?」と言った後、it seems like all you do lately is drop the ball. と言っています。
直訳すると、「あなたが最近することのすべては、へまをすることである、みたいに見える」というところで、「あなたは最近、へましてばっかりみたいに見えますよ」ということですね。
Don't take that tone with me. の tone は「口調、語気、口のききかた」なので、「私にそんな口のきき方をするな」ということ。
かなりの年長でもあり、仕事を紹介するエージェントでもある私に、「あんたは最近、へまばっかじゃないすか」みたいな、ものの言い方するんじゃないわよ、と注意した感じですね。
その次の、Who you think you are? は、「あなたは自分を誰だと思ってるの?」で、これは言葉や態度が偉そうな相手に対して、「あんた、自分を何様だと思ってんの?」と言う時の決まり文句となります。
そのフレーズで終わる場合もありますし、続いて「自分が〜であるみたいなつもりでいるの?」と、人の形容や固有名詞を出したりする場合もありますが、今回はそれが、Alan Lemon という固有名詞になっています。
Alan Lemon と出てきて、「誰それ?」となった後、同格で、「(それは)〜の人である」のように説明が続くのですが、それが「大西洋を単独横断飛行した最初の黒人男性」であるところが、笑いのポイントですね。
過去記事、スヌーピーが言わない限り大丈夫 フレンズ10-15その2 で、エステルのことを別の訃報記事と間違えて、「エステルって、大西洋を単独横断飛行した最初の黒人男性だったのねぇ」と、フィービーがトンチンカンなことを言うセリフがあったのですが、忘れた頃にそのネタを持ち出してくる、「そう言えばそんな話、このエピソードで出て来てたよな」と笑えるジョークなわけですね。
新聞の訃報欄を見て最初に言及されたシーンでは、その黒人男性の名前は語られませんでしたが、今回のシーンではまずその名前を先に出し、観客に「それって誰だろう?」と思わせた上で、「それってあの新聞に載っていた単独横断飛行の男性」だったとわかるオチで笑える仕組みとなっているということです。
ジョーイは、何でその人物の名前が出て来たのか全くわからなかったでしょうが、そこはさらっと流して、「俺が言ってるのは、あんたは俺のエージェントなんだ、ってことだ」と言い、「エージェントなのに、俺をどこかのオーディションに入れてくれることもしないから、俺はもうそのことにうんざりなんだ」と言います。
get me into any auditions は「俺をどれかのオーディションの中に入れる」という感覚ですから、オーディションを受けるようにセッティングするようなニュアンスになるでしょう。
「何を言ってるの? あなたは何が言いたいの?」のように言われたジョーイは、「俺が言ってるのはこういうことだ…」のように少し間を置いた後、this isn't working for me anymore と続けます。
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「役に立ってない」とまで言ってしまったジョーイは、その勢いで、You're fired. 「あんたはクビだ」と言い、冷たく Goodbye. と言い放ち、電話を切ります。
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2016年07月15日
セミナー参加条件一部変更になりました
7月22日(金)開催の枚方T-SITEでのセミナーへの参加条件につきまして、一部変更がありましたのでお伝えします。
これまでは、参加費 1,000円と同時に、拙著「海外ドラマDVD英語学習法」(CCCメディアハウス刊、税別 1,400円)を、会場となる枚方蔦屋書店でご購入いただくことが参加条件となっておりましたが、「その本は以前に購入して、すでに持っているのですが、、」というお問い合わせが相次いだため、条件を変更させていただくこととなりました。
すでに、拙著「海外ドラマDVD英語学習法」をお持ちの方は、枚方蔦屋書店での購入レシートをお持ちになるか、以下の書籍(すべて CCCメディアハウス刊)のいずれかをチケットと同時にご購入ください。
・「アイビーリーグの入り方〜アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準」冷泉彰彦著 2,500円(税別)
・「日本人の知らないワンランク上のビジネス英語術」ウィリアム・A・ヴァンス 著 1,600円(税別)
・「ニューズウィーク日本版ペーパーバックス-英語超入門」ニューズウィーク日本版編集部編 952円(税別)
参加条件の変更は以上となります。
拙著の発売は4月20日でしたから、発売当初に買って下さっていた読者の方もたくさんいらっしゃると思います。
早々にお買い上げ下さった皆様に、セミナー参加のため、再度同じ本をご購入いただくのは誠に申し訳なく思い、今回の条件変更となりました。
告知後の変更という形になってしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます。
わかりにくい点、ご不明な点などございましたら、どうかお気軽にお尋ね下さいませ。
枚方T-SITE の公式ホームページでのイベント情報も、参加条件の変更が加えられています。
詳細とお申込は、以下の枚方T-SITE 公式ホームページをご覧下さい。
HIRAKATA T-SITE : 【イベント】海外ドラマDVDで英会話を学ぼう
セミナーに向けての準備は、着々と進んでいます。
楽しいセミナーとなるよう精一杯頑張りますので、皆様のご参加、心よりお待ちしております。
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は4位、「にほんブログ村」は6位です。
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・「日本人の知らないワンランク上のビジネス英語術」ウィリアム・A・ヴァンス 著 1,600円(税別)
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2016年07月14日
セミナーでフレンズ1-7を解説します
7月22日(金)開催の枚方T-SITEでのセミナーについて、ご質問がありましたので回答します。
枚方セミナーについて最初に告知した際、「過去6回のセミナーでは、フレンズ1-8 を使いましたが、枚方セミナーでは、それとは別のエピソードを教材として使います」とご説明したのですが、具体的にどのエピソードか知りたい、というお問い合わせがあったので、事前にお知らせすることにしました。
記事タイトルに書きました通り、教材として使うのは、
フレンズ1-7 (シーズン1第7話)
The One With the Blackout (邦題:マンハッタンが真っ暗! 原題の訳:停電の話)
になります。
ファンには人気の高いエピソードで、ここからフレンズにハマったという方も多いです。
拙著2冊目の「読むだけ なるほど! 英文法」(学研教育出版)の例文の元ネタとなっているセリフも多いエピソードなので、セミナーでは、DVD学習法の具体的な手法をお見せしつつ、出てきたセリフを使っての文法説明も行います。
2冊目の文法本、3冊目の英語学習法本に書いた内容を、まとめてこのセミナーで直接お見せできる、お聞かせできるのは、本当に嬉しいです(^^)
現在、枚方T-SITE の 3F 枚方蔦屋書店 ワークスタイルコーナーでは、拙著とチラシをこんな形で陳列していただいています。
詳細とお申込は、以下の枚方T-SITE 公式ホームページをご覧下さい。
フレンズ1-7 を皆様と一緒に楽しめるのを、楽しみにしています!
HIRAKATA T-SITE : 【イベント】海外ドラマDVDで英会話を学ぼう
P.S. 「フレンズ解説記事」は、今日、この下に(1つ前の記事として)投稿しています。
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フレンズ1-7 (シーズン1第7話)
The One With the Blackout (邦題:マンハッタンが真っ暗! 原題の訳:停電の話)
になります。
ファンには人気の高いエピソードで、ここからフレンズにハマったという方も多いです。
拙著2冊目の「読むだけ なるほど! 英文法」(学研教育出版)の例文の元ネタとなっているセリフも多いエピソードなので、セミナーでは、DVD学習法の具体的な手法をお見せしつつ、出てきたセリフを使っての文法説明も行います。
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スヌーピーが言わない限り大丈夫 フレンズ10-15その2
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セントラルパーク。フィービー、チャンドラー、モニカがいる。
フィービーは新聞を読んでいて、
フィービー: Hey, isn't Joey's agent Estelle Leonard? (ねぇ、ジョーイのエージェントって、エステル・レナードじゃなかった?)
チャンドラー: Yeah. (ああ。)
フィービー: She died. (彼女、死んだわ。)
チャンドラー: You're kidding! (冗談だろ。)
モニカ: That's terrible! (それって大変!)
フィービー: Yeah, last Saturday. Wow! She was the first black man to fly solo across the Atlantic. (Chandler and Monica look puzzled) Oh, wait a minute, I read the wrong one. (えぇ、先週の土曜日にね。まぁ! 彼女は大西洋単独横断飛行した最初の黒人男性だったのね。[チャンドラーとモニカは困惑した顔をする] あぁ、ちょっと待って。私、違うのを読んでた。)
チャンドラー: Oh, yeah? (あぁ、そうなの?)
フィービー: Yeah, she was just an agent. (えぇ、エステルはただのエージェントだったわ。)
モニカ: Joey's gonna be so upset. (ジョーイはすごく動揺するでしょうね。)
チャンドラー: I know. He always wanted to be the first black man to cross the Atlantic. (そうだね。ジョーイは、大西洋を横断する最初の黒人男性にいつもなりたがってたもんな。)
フィービー: Well, we cannot tell Joey about this. He's already flipping out about everything that's changing. This will push him over the edge. (私たち、ジョーイにこのことを言っちゃいけないわ。ジョーイはすでに、変化しているあらゆることに動揺してるもの。このことで、彼が(限界を越えて)おかしくなっちゃうわ。)
モニカ: Seriously, you don't think we should tell him? (真面目な話、彼に言っちゃいけないって思う?)
フィービー: Well, not for a little while. Let's just give him a few days to get used to everything else. (えぇ、ちょっとしばらくの間はね。他のいろんなことに慣れるために、彼には数日(の期間を)与えてあげましょうよ。)
モニカ: What if he reads it in the paper? (もし、新聞のその記事をジョーイが読んだらどうなるの?)
チャンドラー: Unless Snoopy says it to Charlie Brown, I think we're okay. (スヌーピーがチャーリー・ブラウンにそのことを言わない限りは、大丈夫だと思うよ。)
新聞を読んでいたフィービーは、「ジョーイのエージェントって、エステル・レナードじゃなかった?」と尋ねます。
そうだよ、と答えるチャンドラーに、フィービーは、「彼女、死んだわ」と言うので、チャンドラーとモニカは驚きます。
新聞を読んでいてそのことを知ったのは、新聞の訃報欄を見ていたからですね。
フィービーは、その訃報欄の情報として、"She was the first black man to fly solo across the Atlantic." と語るのですが、それを聞いたチャンドラーとモニカは「え?」という顔をしています。
エステルがどんな人か知らない人でも、「彼女は…した最初の黒人”男性”(man)だった」という文章がおかしいことは明白ですよね。
ましてやその人の業績が、「大西洋を単独で横断飛行した(最初の黒人男性)」ですから、エステルとは全く違うことは明らかです。
「違うだろ」という顔をされたので、フィービーは記事を見直し、「待って、私、間違ったもの(彼女のじゃない別の人の訃報欄)を読んでた」と言います。
チャンドラーは、Oh, yeah? 「ああ、そうなの? そうなんだぁ」みたいに返していますが、「違うのを読んでた」ことは内容から明らかなのに、そのことにしばらくしてからしか気づいてないフィービーにあきれている様子が、その口調からは感じられますね。
ですが、「へえ、それ間違ってたんだ〜」と普通に返されたのをそのまま受ける感じで、「そうなの、彼女はただのエージェントだったわ」とフィービーが答えているのも、フィービーっぽいズレ具合で面白いです。
「(そのニュースを聞いたら)ジョーイは動揺するでしょうね」とモニカが言った後のチャンドラーのセリフがまた楽しいです。
チャンドラーのセリフを直訳すると、「ジョーイはいつも大西洋を横断する最初の黒人男性になりたがってたからな」になりますね。
つまり、モニカは「エージェントのエステルが死んだと知ったら、ジョーイは動揺するだろう」と言っているわけですが、チャンドラーはさっきフィービーが間違えた「大西洋を単独横断飛行した最初の黒人男性」ネタを使って、「その人が死んだってニュースを聞いたらジョーイは動揺するだろうね。だってジョーイはそんな人になりたいっていつも言ってたのに、その人に先を越されちゃった(その人がすでにそれをやり遂げていた)ってことをそのニュースで知っちゃうことになるから」みたいに言ったことになります。
「残念っていうのは、エステルのことじゃなくて、そっちかい!」という面白さになるでしょう。
また、そのチャンドラーのセリフの中で、「最初の黒人男性」というフレーズを使っているのが面白いですね。
フィービーが、白人女性であるエステルのことを「〜した最初の黒人男性」だと間違えたという先ほどの話を踏まえて、白人男性であるジョーイのことを、わざと「ジョーイも〜する最初の黒人男性になりたがってた」と表現したことになります。
フィービーのさきほどのトンチンカンな間違いを面白がって、自分も使ってみた感じですね。
フィービーは、「私たちはジョーイにこのこと(エステルが死んだこと)を言っちゃいけないわ」と言い、彼の今の状況と、この先どうなるかについて述べています。
flip out はここでは「正気を失う」という意味。
動詞 flip は「〜をはじく、ほうり上げる、さっと動かす」という意味で、flip a coin 「(表か裏かを決めるために)硬貨をはじき上げる」という意味でよく登場しますね。
フィービーのセリフは、「ジョーイはすでに、変化しているあらゆることについて、正気を失っている」と言っていることになります。
「変化しているあらゆること」というのは、今回のエピソードの最初にジョーイ自身が言っていましたが、「フィービーが結婚して、チャンドラーとモニカが郊外に引っ越すことになって、レイチェルが仕事でパリに行ってしまうかもしれない」という事柄を指します。
This will push him over the edge. を直訳すると、「このこと(エステルが死んだということ)が、彼を端(先端)を越えて押し出す」というところ。
「限界を越えて押し出してしまう」感覚から、push someone over the edge は「人の正気を失わせる、(主語のせいで)人が正気を失ってしまう」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、少し違う形の go over the edge が載っていました。
go over the edge : to go crazy or have a nervous breakdown
例) Nick needs to get some help before he goes completely over the edge.
つまり、「おかしくなる(気が狂う)こと、または神経衰弱(ノイローゼ)になること」。例文は、「ニックは完全に正気を失ってしまう前に、何らかの助けを受けることが必要だ」。
モニカが、「ほんとに彼には言うべきじゃない、って思ってる?」と尋ねると、フィービーは「しばらくは言うべきではない」と言って、「他の全てのことに慣れるための数日間を、彼に与えてあげましょうよ」と提案します。
それを聞いたモニカは、「隠すと言っても、新聞に書いてあるんだし、もしジョーイがそれを読んだらどうなるの?」と尋ねるのですが、それに対してのチャンドラーのセリフ Unless Snoopy says it to Charlie Brown, I think we're okay. がまた、面白いですね。
Unless は、これまでのフレンズで何度も出て来たように、「何かの文章を言った後で付け足しのように、Unless SV. という形で終わっている」場合は、「もし S が V するなら話は別だけど」と訳すとしっくりきます。
今回は、Unless SV, S' V'. のような形になっているので、その場合の Unless は「もし〜でなければ、〜しない限りは」と訳せば良いでしょう。
ですから、Unless Snoopy says it to Charlie Brown は「スヌーピーがそれをチャーリー・ブラウンに言わない限りは」ということで、モニカは「ジョーイが新聞を読んじゃうんじゃ、、」と心配してるようだけど、「スヌーピーがそれ(エステルが亡くなったこと)をチャーリー・ブラウンに言わない限りは大丈夫(心配ない)」と言っていることになります。
スヌーピーやチャーリー・ブラウンが出てくる「ピーナッツ」は、「新聞に載っている漫画」として有名ですから、チャンドラーは「ジョーイが新聞を読む場合は、漫画しか読まないから、その漫画の中で、エステルが亡くなった、という話が出ない限りは、ジョーイが訃報欄の記事を読んで知ることはありえない」と言っていることになります。
「彼は訃報欄なんか読まないよ」と言えば済むところを、「スヌーピーがチャーリー・ブラウンに言わない限りは大丈夫(彼がそれを知ることはない)」と表現することで、「彼は漫画しか読まないから問題ないよ」と言っていることになるわけですね。
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セントラルパーク。フィービー、チャンドラー、モニカがいる。
フィービーは新聞を読んでいて、
フィービー: Hey, isn't Joey's agent Estelle Leonard? (ねぇ、ジョーイのエージェントって、エステル・レナードじゃなかった?)
チャンドラー: Yeah. (ああ。)
フィービー: She died. (彼女、死んだわ。)
チャンドラー: You're kidding! (冗談だろ。)
モニカ: That's terrible! (それって大変!)
フィービー: Yeah, last Saturday. Wow! She was the first black man to fly solo across the Atlantic. (Chandler and Monica look puzzled) Oh, wait a minute, I read the wrong one. (えぇ、先週の土曜日にね。まぁ! 彼女は大西洋単独横断飛行した最初の黒人男性だったのね。[チャンドラーとモニカは困惑した顔をする] あぁ、ちょっと待って。私、違うのを読んでた。)
チャンドラー: Oh, yeah? (あぁ、そうなの?)
フィービー: Yeah, she was just an agent. (えぇ、エステルはただのエージェントだったわ。)
モニカ: Joey's gonna be so upset. (ジョーイはすごく動揺するでしょうね。)
チャンドラー: I know. He always wanted to be the first black man to cross the Atlantic. (そうだね。ジョーイは、大西洋を横断する最初の黒人男性にいつもなりたがってたもんな。)
フィービー: Well, we cannot tell Joey about this. He's already flipping out about everything that's changing. This will push him over the edge. (私たち、ジョーイにこのことを言っちゃいけないわ。ジョーイはすでに、変化しているあらゆることに動揺してるもの。このことで、彼が(限界を越えて)おかしくなっちゃうわ。)
モニカ: Seriously, you don't think we should tell him? (真面目な話、彼に言っちゃいけないって思う?)
フィービー: Well, not for a little while. Let's just give him a few days to get used to everything else. (えぇ、ちょっとしばらくの間はね。他のいろんなことに慣れるために、彼には数日(の期間を)与えてあげましょうよ。)
モニカ: What if he reads it in the paper? (もし、新聞のその記事をジョーイが読んだらどうなるの?)
チャンドラー: Unless Snoopy says it to Charlie Brown, I think we're okay. (スヌーピーがチャーリー・ブラウンにそのことを言わない限りは、大丈夫だと思うよ。)
新聞を読んでいたフィービーは、「ジョーイのエージェントって、エステル・レナードじゃなかった?」と尋ねます。
そうだよ、と答えるチャンドラーに、フィービーは、「彼女、死んだわ」と言うので、チャンドラーとモニカは驚きます。
新聞を読んでいてそのことを知ったのは、新聞の訃報欄を見ていたからですね。
フィービーは、その訃報欄の情報として、"She was the first black man to fly solo across the Atlantic." と語るのですが、それを聞いたチャンドラーとモニカは「え?」という顔をしています。
エステルがどんな人か知らない人でも、「彼女は…した最初の黒人”男性”(man)だった」という文章がおかしいことは明白ですよね。
ましてやその人の業績が、「大西洋を単独で横断飛行した(最初の黒人男性)」ですから、エステルとは全く違うことは明らかです。
「違うだろ」という顔をされたので、フィービーは記事を見直し、「待って、私、間違ったもの(彼女のじゃない別の人の訃報欄)を読んでた」と言います。
チャンドラーは、Oh, yeah? 「ああ、そうなの? そうなんだぁ」みたいに返していますが、「違うのを読んでた」ことは内容から明らかなのに、そのことにしばらくしてからしか気づいてないフィービーにあきれている様子が、その口調からは感じられますね。
ですが、「へえ、それ間違ってたんだ〜」と普通に返されたのをそのまま受ける感じで、「そうなの、彼女はただのエージェントだったわ」とフィービーが答えているのも、フィービーっぽいズレ具合で面白いです。
「(そのニュースを聞いたら)ジョーイは動揺するでしょうね」とモニカが言った後のチャンドラーのセリフがまた楽しいです。
チャンドラーのセリフを直訳すると、「ジョーイはいつも大西洋を横断する最初の黒人男性になりたがってたからな」になりますね。
つまり、モニカは「エージェントのエステルが死んだと知ったら、ジョーイは動揺するだろう」と言っているわけですが、チャンドラーはさっきフィービーが間違えた「大西洋を単独横断飛行した最初の黒人男性」ネタを使って、「その人が死んだってニュースを聞いたらジョーイは動揺するだろうね。だってジョーイはそんな人になりたいっていつも言ってたのに、その人に先を越されちゃった(その人がすでにそれをやり遂げていた)ってことをそのニュースで知っちゃうことになるから」みたいに言ったことになります。
「残念っていうのは、エステルのことじゃなくて、そっちかい!」という面白さになるでしょう。
また、そのチャンドラーのセリフの中で、「最初の黒人男性」というフレーズを使っているのが面白いですね。
フィービーが、白人女性であるエステルのことを「〜した最初の黒人男性」だと間違えたという先ほどの話を踏まえて、白人男性であるジョーイのことを、わざと「ジョーイも〜する最初の黒人男性になりたがってた」と表現したことになります。
フィービーのさきほどのトンチンカンな間違いを面白がって、自分も使ってみた感じですね。
フィービーは、「私たちはジョーイにこのこと(エステルが死んだこと)を言っちゃいけないわ」と言い、彼の今の状況と、この先どうなるかについて述べています。
flip out はここでは「正気を失う」という意味。
動詞 flip は「〜をはじく、ほうり上げる、さっと動かす」という意味で、flip a coin 「(表か裏かを決めるために)硬貨をはじき上げる」という意味でよく登場しますね。
フィービーのセリフは、「ジョーイはすでに、変化しているあらゆることについて、正気を失っている」と言っていることになります。
「変化しているあらゆること」というのは、今回のエピソードの最初にジョーイ自身が言っていましたが、「フィービーが結婚して、チャンドラーとモニカが郊外に引っ越すことになって、レイチェルが仕事でパリに行ってしまうかもしれない」という事柄を指します。
This will push him over the edge. を直訳すると、「このこと(エステルが死んだということ)が、彼を端(先端)を越えて押し出す」というところ。
「限界を越えて押し出してしまう」感覚から、push someone over the edge は「人の正気を失わせる、(主語のせいで)人が正気を失ってしまう」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、少し違う形の go over the edge が載っていました。
go over the edge : to go crazy or have a nervous breakdown
例) Nick needs to get some help before he goes completely over the edge.
つまり、「おかしくなる(気が狂う)こと、または神経衰弱(ノイローゼ)になること」。例文は、「ニックは完全に正気を失ってしまう前に、何らかの助けを受けることが必要だ」。
モニカが、「ほんとに彼には言うべきじゃない、って思ってる?」と尋ねると、フィービーは「しばらくは言うべきではない」と言って、「他の全てのことに慣れるための数日間を、彼に与えてあげましょうよ」と提案します。
それを聞いたモニカは、「隠すと言っても、新聞に書いてあるんだし、もしジョーイがそれを読んだらどうなるの?」と尋ねるのですが、それに対してのチャンドラーのセリフ Unless Snoopy says it to Charlie Brown, I think we're okay. がまた、面白いですね。
Unless は、これまでのフレンズで何度も出て来たように、「何かの文章を言った後で付け足しのように、Unless SV. という形で終わっている」場合は、「もし S が V するなら話は別だけど」と訳すとしっくりきます。
今回は、Unless SV, S' V'. のような形になっているので、その場合の Unless は「もし〜でなければ、〜しない限りは」と訳せば良いでしょう。
ですから、Unless Snoopy says it to Charlie Brown は「スヌーピーがそれをチャーリー・ブラウンに言わない限りは」ということで、モニカは「ジョーイが新聞を読んじゃうんじゃ、、」と心配してるようだけど、「スヌーピーがそれ(エステルが亡くなったこと)をチャーリー・ブラウンに言わない限りは大丈夫(心配ない)」と言っていることになります。
スヌーピーやチャーリー・ブラウンが出てくる「ピーナッツ」は、「新聞に載っている漫画」として有名ですから、チャンドラーは「ジョーイが新聞を読む場合は、漫画しか読まないから、その漫画の中で、エステルが亡くなった、という話が出ない限りは、ジョーイが訃報欄の記事を読んで知ることはありえない」と言っていることになります。
「彼は訃報欄なんか読まないよ」と言えば済むところを、「スヌーピーがチャーリー・ブラウンに言わない限りは大丈夫(彼がそれを知ることはない)」と表現することで、「彼は漫画しか読まないから問題ないよ」と言っていることになるわけですね。
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