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ついに、フレンズ最終話(フレンズ10-18)の解説に入りました♪
シーズン10 第18話
The Last One - Part 2 (グランド・フィナーレ - part 2)
原題は「最後の話 パート2」
パリに旅立つレイチェルを追いかけるため、フィービーは自分のキャブでロスを空港まで送ります。
二人は JFK空港に着いたのですが、レイチェルがいるのはニューアーク空港だとわかり茫然。
慌ててニューアーク空港にキャブで向かうのですが、間に合わないと言うロスに、フィービーは「携帯でレイチェルに電話すればいい」と言って、自分の携帯からレイチェルに電話をかけます。
レイチェル: Hello? (もしもし?)
フィービー: Rachel? Oh, good. (レイチェル? あぁ、良かった。)
レイチェル: Phoebe? Is everything okay? (フィービー? 大丈夫?)
フィービー: Uhm, actually no. No. You, you have to get off the plane. (あの、それが大丈夫じゃないの。あなたは飛行機を降りないといけないわ。)
レイチェル: What? Why? (何? どうして?)
フィービー: I have this feeling that something's wrong with it. Something is wrong with the left phalange. (何かがおかしい[異常がある]って気がするの。何かがおかしいわ、左のフィランジ[ファランジ]が。)
レイチェル: Oh, honey, I'm sure there's nothing wrong with the plane. (あぁ、ハニー、飛行機には何も問題ないって思うわよ。)
(The passenger in the seat next to Rachel looks at her and seems a little nervous.)
レイチェルの隣の席の乗客がレイチェルを見て、少し心配そうな様子。
レイチェル: Alright, look, I have to go. I love you, and I will call you the minute I get to Paris. (いいわ、ねぇ、私はもう行かなきゃいけないの。愛してるわ、それでパリに着いたら電話するわね。)
(Rachel hangs up.)
レイチェルは電話を切る。
乗客1(Passenger #1): Uhm, what was that? (あのー、今のは何?)
レイチェル: Oh, that was just my crazy friend. She told me I should get off the plane because she had a "feeling" that there was something wrong with the left phalange. (あぁ、今のはただの私の変な友達よ。彼女が、私に飛行機を降りろ、左のフィランジに何か異常がある[左のフィランジが故障してる]、って感じがするから、って言ったのよ。)
乗客1: Okay. That doesn't sound good. (そう。それって良くない感じだね。)
レイチェル: Oh, I wouldn't worry about it. She's always coming up with stuff like this, and you know what? She's almost never right. (あぁ、私なら気にしないわ。彼女はいつもこんな感じのことばっかり考えるのよ。でね、彼女はほとんど当たってることがないの。)
乗客1: But she is sometimes. (でも時々なら当たるんだ。)
レイチェル: Well.... (まあね…)
(The passenger stands up and gets his suitcase from the overhead compartment.)
その乗客は立ち上がり、頭上のコンパートメントから自分のスーツケースを取り出す。
客室乗務員(Air stewardess): Excuse me, sir. Where are you going? (お客様。どこへ行かれるのですか?)
乗客1: I have to get off this plane, okay? Her friend has a feeling something's wrong with the left phalange. (この飛行機を降りないといけないんだよ。彼女の友達が、左のフィランジが故障してる、って感じるんだって。)
レイチェル: Could I get some peanuts? (ピーナッツ、もらえます?)
乗客2: What's wrong with the plane? (飛行機が故障してるの?)
乗客1: Yeah! The left phalange! (あぁ! 左のフィランジが!)
客室乗務員: There's no "phalange." (”フィランジ”(なんてもの)はありません。)
乗客1: Oh, my God. This plane doesn't even have a phalange! (なんてこった! この飛行機にはフィランジを持ってさえいないんだ![フィランジがないんだ!])
乗客3: What's going on? (何が起こってるんだ?)
乗客1: We're all getting off. There is no phalange! (俺たち飛行機を降りるぞ![みんな、飛行機を降りよう!] (この飛行機には)フィランジがないんだぞ!)
(Everybody walks out of the plane.)
みんなが飛行機を降りる。
飛行機に乗った後で、フィービーがわざわざ携帯で電話をしてきたことから、レイチェルは「何か問題でもあるの?」というように Is everything okay? と尋ねています。
そう言われたフィービーは、「実は大丈夫じゃないの」と言って、「あなたは飛行機を降りないといけないわ」と言っています。
このままではロスと会わないままパリに旅立ってしまうので、とにかく飛行機を降りてもらわないと、、いう想いから、そのように言ったわけですね。
レイチェルは当然「どうして?」と返してきますので、そこでフィービーは、飛行機に何かしらの問題があるから降りないといけない、のように、理由をでっち上げています。
I have this feeling that something's wrong with it. について。
この wrong は「具合が悪くて、故障して、調子が狂って、おかしくて」というニュアンス。
研究社 新英和中辞典にも、
There's something wrong with the engine. そのエンジンはどこか故障がある
という例文が載っています。
it = the plane (レイチェルが乗っている飛行機)ですから、フィービーは「その飛行機がどこかおかしい、故障してるって気がする」と言っていることになります。
その後、さらに故障している箇所を Something is wrong with the left phalange. と言っていますが、隣のロスはそれを聞いて、「何だよ、それは、、」と少しあきれ顔をしています。
このフィランジ(ファランジ)と発音している単語ですが、DVDとブルーレイの英語字幕では phalange、ネットスクリプトでは Philange、Netflix では filangee と表記されています。
ツールごとに綴りが違っているのは、実際に飛行機にそういう部分・部品があるわけではないという、フィービーの造語だからですね。
この単語は、これまでのフレンズで、フィービーの偽名として何度も登場したものです。
ですから、フレンズをずっと見続けてきた人にとっては、「フィービー、またこの単語使ってる」と気づけて笑えてしまうわけですね。
グランドフィナーレに登場したということで、これまでの使用例を今日の記事の最後にまとめることにしますが、まずは今回のストーリーの方から説明します。
とにかくレイチェルを飛行機から降ろすために、適当な部品名をでっち上げて、そこに異常があるから、と説明したことになりますが、レイチェルは「そんな部品、部分があるのかな」と思ったようで、その名前について特に追求することもなく、「別に飛行機には異常がある様子じゃないわ」と説明し、「私は行かなくちゃ(だからそんなはっきりしない理由では降りられないわ)」と言い、「着いたら電話するから」と言って携帯を切ります。
ですが、フィービーとの電話でレイチェルが「飛行機には何も問題ないと思うわよ」と言ったのを聞いていた隣の男性が「今の電話は何? 飛行機のことで何を言って来たの?」のように尋ねます。
レイチェルはフィービーが言ってきた内容をそのまま素直に話します。
「今のは私の(ちょっと)変わった・変な友達(から)だったの」と言って、「彼女はこう言ったのよね、私は飛行機を降りるべきだ、左のフィランジが故障してるって「フィーリング」がするから、って」と説明します。
feeling を強調している感じなのは、「実際にここにいるわけでもなく、離れた場所から、”そんな感じがする、そんな気がする”みたいに言っているだけなのよ」というのをはっきりさせたいからですね。
ですが、隣の男性は心配性なのか、「それって良くない感じだね(聞く限り、あまりいい話とは言えないね)」と言います。
I wouldn't worry about it. の I wouldn't は「(あなたは心配しているようだけど)私ならそんなこと気にしないわ」のような「もし私なら〜しない」というニュアンスが含まれています。
その理由として、「電話をかけてきた彼女はいつもこんな感じだから」ということを説明していますね。
She's always coming up with stuff like this の「be always doing という現在進行形に always がついた形」は、「いつも・しょっちゅう〜してばかりいる」という話者の不満のニュアンスが込められています。
come up with は「思いつく、考えつく、考え出す」なので、「彼女はいつも、こんな感じのことを思いついてばっかりなの」というところ。
そう言った後、「でね、彼女の言うことはほとんど正解じゃないの、彼女はほとんど当たることがないの」と言います。
「こんなことばっか言ってて、当たった試しもほとんどないし」と言ったのですが、never ではなく、almost never のように almost がついたことが気になった様子の隣の客は、But she is sometimes (right). 「でも(ほとんど当たらないということなら)時には・時々は当たるんだね」と返します。
「絶対に当たらない」と言うこともできず、レイチェルが口をへの字にして、「まあね」という顔をすると、隣の客はすっくと立ち上がり、頭上から自分のスーツケースを取り出します。
もうすぐ離陸だと言うのに、降りようとする様子の乗客を見て、客室乗務員が声を掛けますが、乗客は「飛行機の部品が故障している、問題がある、という感じがする」という発言に囚われてしまった様子で、その内容を乗務員に伝えています。
自分が話してしまったことで、「飛行機を降りようとする客とそれを止めようとする客室乗務員」の状況を生んでしまったので、「彼女の友達がそう言ったんだ」と名指しされたレイチェルはただただ気まずい様子で、そのことを追求されたくもないのでしょう、乗務員に「ピーナッツもらえます?」と言って、その話題から逃れようとしています。
降りようとした乗客が「左のフィランジが故障してる」と大声で話したので、他の乗客たちもざわつき始めます。
「左のフィランジが!」と何度も言う乗客に、乗務員は「フィランジに異常があると言っておられますが、そもそも飛行機にはフィランジなんてものは存在しません。そんな部品や部分はありません」という意味で、There's no "phalange." という事実を述べるのですが、それを聞いた乗客は、「フィランジがない、だって? そこに異常があるどころか、必要な部品であるフィランジを積んですら[搭載してすら]いないのか?」のように、さらに勘違いしているのが面白いですね。
その乗客が「みんな、降りろ。フィランジがないんだぞ!」と叫んで、乗客は次々と飛行機を降りることとなります。
レイチェルは「いつものフィービーのたわごと」としか思っていなかったのに、それを聞いた隣の人がパニクってしまい、大ごとに発展してしまう、乗務員が言った一言でさらに状況が悪化してしまう、、という流れが英語で理解できればいいですね。
それでは、フレンズの過去エピソードでフィランジ(ファランジ)という言葉が出てきたことのまとめを書きます。
名前、それも偽名だということで、DVD でもネットスクリプトでも、その時々で綴りが違っていて、統一されていないのですが、私が調べたところ、この偽名が登場するのは、5-1, 5-24, 7-20, 8-4, 8-21, 10-13, 10-18 の回。
過去記事では、シーズン5に突入! フレンズ5-1その1 と、ジョーイとフィービーの偽名 フレンズ8-4その5 で、その名前について解説しています。
5-1 フィービーがロンドンに電話をかけて、
フィービー: (On the phone, in New York) Uh, hello, this is Ross Geller's personal physician, Dr. Philange. ([NYにいて、電話で] あぁ、こんにちは。こちらはロス・ゲラーの主治医のドクター・フィランジーです。)
と名乗る。(フィービーの偽名)
5-24 フィービーがベガスのカジノで、出張中のビジネスウーマンのふりをして、
フィービー: Hello. My name is Regina Falangie. I'm a businesswoman in town on business. Would you like to see my card? (こんにちは。私の名前はレジーナ・フィランジー[ファランジー]よ。私は出張中のビジネスウーマンなの。私の名刺をご覧になる?)
と名乗る。(フィービーの偽名)
7-20 レイチェルの大学の友人メリッサ(演じるはウィノナ・ライダー)と、ソロリティー(sorority: 大学の女子学生社交クラブ)の話をしていて、自分もそういうソロリティーに入ってた、と嘘をついたフィービーは、
フィービー: Yeah! Y'know, we were really huge too. But then they had to shut us down when Regina Phalangie died of alcohol poisoning. (ええ! ほら、私たち(のソロリティー)もすっごく大きかったのよ。でも、解散しないといけなくなったの、レジーナ・フィランジーが(急性)アルコール中毒で死んでしまった時にね。)
と説明する。(知り合いの女子学生の名前として使う)
8-4 チャンドラーとモニカが、知り合った夫婦に偽の電話番号を渡されたという話をした時、「きっと本当の名前も教えてないね」と言われ、
モニカ: Okay, maybe people give out fake numbers, but they don't give out fake names. (ねぇ、偽の番号を渡す人は多分いるだろうけど、でも偽の名前を名乗る人はいないわ。)
ジョーイ: Oh, yeah? (To Phoebe) Hi. Ken Adams. Nice to meet you. (あぁ、そうかい? [フィービーに] はーい、ケン・アダムズだ。こんにちは。)
フィービー: Regina Philange. (Ken and Regina shake hands.) (レジーナ・フィランジーよ。[ケンとレジーナは握手する])
(ジョーイはケン・アダムズ、フィービーはレジーナ・フィランジーという偽名をよく使っているという描写)
8-21 新しい仕事の面接を受けるつもりのチャンドラーに、面接の練習をしてあげるフィービー。
フィービー: All right, all right, we'll just do our best. Okay? So let's say I'm the interviewer and I'm meeting you for the first time. Okay. "Hi! Come on in. I'm uh, Regina Phalanges." (わかった、わかった、ベストを尽くしましょう、ね? じゃあ、私が面接官で、私はあなたと初対面よ。いい? 「こんにちは! 入って。私はレジーナ・ファランジーよ。)
(面接官のふりをする時の偽名)
10-13 フランス語を話す役が欲しいジョーイは(フランス語が話せる)フィービーと練習したけれど、結局フランス語が話せないままで、オーディションに落ちてしまう。オーディションが終了した直後、そのオーディション会場にフィービーが現れて、
フィービー: (in a French accent) Uh, excuse me? Uh, I am Reginé Philange. I was passing by when I heard this man speaking the regional dialect of my French town of Estée Lauder. ([フランス語のアクセントで] あの、よろしいかしら? 私はレジーン・フィラーンジュ。私はたまたま通りかかったの、この男性が私のフランスの故郷エスティローダーの訛り(なまり)を話しているのが聞こえたので。)
(その後、ジョーイにはわからないように「彼は私の弟なの」とフランス語で話す。つまりジョーイの姉を演じた時の偽名。フランス語風にしゃべっているので、名前もフランス語読み風となっている。
エスティローダーは化粧品の製造・販売メーカーですが、その名前をフランスのある地方の名前のように言っているのもジョークのポイント。)
この過去の使用一覧からわかるように、1回は友人の偽名で、他は全てフィービーが他人のふりをする際の偽名です。
そして今回のグランドフィナーレで初めて、「フィービーの偽名ではなく、ある部分の名称(今回は飛行機の装置または部品の名前)」として使われたことになります。
最終話では、いつもの「偽名」ではなく、ちょっと違った使われ方をしたのが何だか楽しいですね(^^)
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