皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は
5位、「にほんブログ村」は
4位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。

5:54
レイチェル:
C'mon, Daddy, listen to me! It's like all of my life, everyone has always told me, "You're a shoe! You're a shoe, you're a shoe, you're a shoe!" And then today I just stopped and said, "What if I don't wanna be a shoe? What if I wanna be a- a purse, y'know? Or a- or a hat?" No, I don't want you to buy me a hat, I'm saying I am a ha- It's a metaphor, Daddy! (ねぇ、パパ、私の話を聞いて! まるでこんな感じよ、私の人生ではずっと、みんながいつも私にこう言っていた、「あなたは靴(a shoe)よ! あなたは靴、あなたは靴、あなたは靴」って。そしてそれから今日、私はただ(立ち)止まって、こう言ったの。「もし私が靴になりたくないとしたら(どうなるの)? もし私が… バッグ(a purse)になりたいとしたら? もしくは帽子(a hat)になりたいとしたら(どうなるの)?」 いいえ、私はパパに帽子を買ってもらいたいんじゃないわ、私は、私が帽子だ、って言ってるの… メタファー(隠喩、暗喩、比喩)よ、パパ!)
みんながテレビで盛り上がっている中、レイチェルは電話の相手のパパに、さっきよりもさらに大きな声で話しています。
そのセリフ、It's like all of my life, everyone has always told me, "You're a shoe! ... について。
この You're a shoe! という表現とその意味については、2005年のブログ開始当初から、
フレンズ1-1その1 のコメント欄 で何度も何度も話題となっています。
解釈について様々な意見が出るということは、解釈が難しい部分であるということの証でもありますので、正直、この部分は「よくわからない」と感じても、特に問題ないと思います。
ただ、何度も議論の対象になったセリフなので、シーズン1に戻ってきたこの機会に、現在の私の見解を以下に述べさせていただきますね。
見解1:単なる比喩であるまず、It's like... は「まるで〜のようだ、〜のようなものだ」という感覚。
all of my life 以下は、「私の人生ではずっと、みんながいつも私に「あなたは a shoe よ!」と言っていた」になるでしょう。
そして、You're a shoe! の a shoe とは何か? ですが、基本的な意味は「靴(の片方)」という意味ですね。
靴はペアで使うものなので、通常は shoes という複数形で使われますが、ここでは a shoe という「単数形」になっていることも、気になる点だと言えるでしょう。
聞いた瞬間によく意味がわからない場合、その単語の意味がピンと来ない場合に考えられる可能性を、以下の3つに分類してみたいと思います。
a. その単語の本来の意味として使われていて、それ以上の意味はない。本来の意味のままで、何かの例えや比喩として使われている。
b. 辞書に載っていないような特殊な意味、ネイティブにしかわからないような意味として使われている。
c. その単語を何かの象徴として使い、別の概念などをイメージさせる。
英語を理解するには、本来は「聞こえたままにイメージしていく」ことが必要ですが、とりあえず今回は、イメージが湧かない単語はその英単語のままで置いておいて、まずは文章全体の構造を理解して、何を言わんとしているのかを考えてみます。
最後の Daddy! までをとりあえず訳してみると、
まるでこんな感じよ、私の人生ではずっと、みんながいつも私にこう言っていた。
「あなたは a shoe よ!」(4回繰り返し)って。
そしてそれから今日、私はただ(立ち)止まって、こう言ったの。
「もし私が a shoe になりたくないとしたら(どうなるの)?
もし私が… a purse になりたいとしたら? もしくは a hat になりたいとしたら(どうなるの)?」
いいえ、私はパパに a hat を買ってもらいたいんじゃないわ、私は、私が a hat だと言ってるの…
メタファー(隠喩、暗喩、比喩)よ、パパ!
最初に、It's like... 「まるで〜のようだ」と言った上で、a shoe, a purse, a hat の話を出し、最後に a metaphor だと説明しています。
「まるで〜のようだ」という表現に注目すると、それ以下の「私はこんな風に言われてきた」というのは単なる例えであって、実際にそんな風に言われたわけではない、と考えられるように思います。
その場合は、「まるで〜のようだ」の「〜」に当たる比喩部分が、all of my life から or a hat? までの全部になる、ということですね。
「今まで周りから言われた通りに生きてきたけど、自分が望むことがそれと違うと気づいたら?」というような話を、「まるで、”あなたは靴だ”ってずっと言われてきたけど、例えば帽子になりたいと思ったとしたらどうなるの? みたいな感じよ」のように例えた、つまり「レイチェルは比喩・例えとして、この3つの単語を出しただけで、それぞれの単語には「靴、ハンドバッグ、帽子」の意味しかない(それ以上の意味はない)」という解釈がまずは成り立つと思います。
3つの分類で言うと、a. 本来の意味のままで、比喩として使われている、ということですね。
ちなみに、日本語で「パース」と言うと、口金付きの財布、小銭入れのイメージが強いですが、英語ではそういう意味もありつつ、フレンズではもっぱら「ハンドバッグ」という意味で使われることが多いです。
フレンズ1-1その1 のコメント欄 で、a shoe について多くの意見をいただいたのですが、その中で、複数のアメリカ人の方の意見として、「軽い意味。ファッションが好きだから、その系統のもの羅列したんだろう」というものがありました。
それはつまり、ネイティブが聞いても、You're a shoe. は「あなたは靴よ」でしかなかった、それ以上の何か特別な意味が a shoe という言葉にあるわけではなかった、ということになりますね。
その過去記事のコメント欄では、「調べてみたら、a shoe にはこんな意味がありました」という結果を多くの方が教えて下さっていて、例えば「ヘマをする人、ダメな人」「ビシッと決めたやつ」「なんでも相手の言う通りにする人」「(特に white shoe の形で)アイビーリーグの大学生(または裕福な上流階級のイメージ)」などの意味が挙げられています。
そんな風にいろいろな意味で使われることがある中で、じゃあ、このシーンで、You're a shoe! というセリフが出てきた時に、ネイティブは何を連想するか? どんな意味だと捉えるか? という部分に私は大変興味があったのですね。
3つの分類の b. 辞書に載っていないような特殊な意味、ネイティブにしかわからないような意味、のうちのどれに該当するんだろう? と私も考えたのですが、「この場合は、特殊な意味、深い意味はなく、単に文字通りの”靴”という意味で使っている」とネイティブが受け止めたのだとしたら、私はそれに非常に納得するものを感じるのです。
この You're a shoe! の a shoe について、ネイティブが10人いたら10人とも「(靴以外の)この意味だと断定」するわけではないとしたら、「それはこういう意味だよ」とネイティブ全員が一致する確固たるイメージがないとしたら、a shoe の意味をそれ以上掘り下げる必要もまたない、と言える気がするのですね。
ネイティブが深い意味はないと考えたのであれば、それは文字通り「靴」という意味でしかなく、It's like という表現を使って「靴」を比喩のアイテムとして使っただけ、ということになるでしょう。
見解2:実際にレイチェルがそう言われていたと仮定した場合It's like... で始まっていて、a metaphor だと説明している流れから、「ただの比喩」だという解釈は十分可能だと思いますが、ただ、ちょっと気になるのは、You're a shoe! を4回も(!)連呼していることですね。
レイチェルは興奮気味にしゃべっていますが、It's like... で始まっているとは言え、all of my life, everyone has always told me のように、「自分の人生では、みんながいつも私にこう言っていた」と表現していますし、You're a shoe! を大声で連呼しているのも、「いっつもいっつもこう言われてた、みんなにこう言われ続けてた」という「事実」を述べている感じもします。
「あなたは靴よ、って言われてた。でももし靴になりたくなかったら?」というのが、単に「人から言われていたものとは別のものになりたかったら?」という例えに過ぎないのなら、もっとさらっと言ってもいいように思う、あんなに興奮して4回も繰り返す必要はない気もするのですね。
もちろん、「例えばこんな感じよ」という「比喩」を、自分が実際にそんな風に言われたとして、臨場感たっぷりにリアルに表現したという可能性もありますが。
この It's like という部分、音声では間違いなく It's like と言っているのですが、DVD や Netflix の英語字幕では、It's like が省略されて、All of my life からセリフが始まっています。
DVD などの字幕は、実際のセリフより省略されていることがありますが、細かいニュアンスはともかく、「基本的に大意は変わらない程度に省略される」のが常です。
ですが今回、It's like が省略されてしまって、All of my life, everyone has always told me... ということになると、それは比喩ではなくなり、実際に「私の人生で、みんなが私にそう言っていた」という事実を述べていることになりそうですね。
その場合、It's a metaphor, Daddy! の「メタファー(比喩)よ!」という説明は主に、「私は帽子を買って欲しいんじゃなくて、私が帽子になりたい、っていう比喩よ」と説明した感じになるでしょう。
上に述べたように「レイチェルがまるで実際にそう言われたかのように、臨場感たっぷりに話している」ことと、「英語字幕で、It's like が省略されている」という2点から、「これが比喩ではなくて、実際にレイチェルがそう言われてきた」と仮定した場合の解釈を以下に考えてみます。
今、パパと電話で話していることから、everyone というのはもっぱら、レイチェルの家族(グリーン家の人々、特に両親?)のことを言っているように思えますし、実際にレイチェルが、You're a shoe! と言われ続けていたとしたら、その a shoe という言葉には「靴」以外の何らかの意味があると考えるべきでしょう。
ただその a shoe が、例えば「ダメなやつ」なのか「(上流階級の)お嬢様」なのか(はたまた別の意味なのか、、)というのは、このセリフからはわからない、グリーン家の人がどういうニュアンスでそう言っていたのかまでは、前後の文脈のないこのセリフからだけではわからない、もし実際にグリーン家で使われていたフレーズであったとしたら、それはグリーン家の人しかわからない例えである可能性もあります。
そういうことなら、「グリーン家では何か意味があるんだろう」程度の理解で済ませておいて良いレベルで、あえてその意味をここで確定させる必要もないでしょう。
「あなたは靴(a shoe)よ」と言われてた、という、ざっくりした理解のままで構わない気がする、ということですね。
「私はずっと、"You're a shoe!" って言われてきた!」と興奮気味で話すレイチェルに、フレンズたちも振り向いていますが、その言葉だけでは意味がピンと来なかったので「一体何のことを言ってるんだ?」と思って、その続きのセリフに耳を傾けた、ということかな、と。
それで、You're a shoe! って言われてた、って何の話? みたいにみんなが聞き耳を立てている中で、レイチェルは言葉を続けるのですが、「もし私が a shoe になりたくないとしたら?」と言って、a shoe 以外のものを挙げ始めます。
a purse と言う前に、a と言ってから、言葉を探して言い淀んでいるような間がありますね。
「例えば、そう、ほら、a purse とか」のように、その場の思いつきで a purse という単語を挙げたニュアンスが出ている気がします。
次の Or a- or a hat? も同じく、ちょっと考えてから単語を挙げた感じがありますよね。
a purse, a hat の例えを挙げた後、冷蔵庫のドアを閉めたロスの表情が見えますが、「レイチェルは一体何を言ってるの?」という顔をしているように思います。
そのレイチェルが出した例えの意味がわからない感じですね。
そのロスの表情からも、また、レイチェルが思いつきで言った感じからも、a purse, a hat に至っては、「バッグ、帽子」以外の深い意味は何もないことが想像されます。
単にレイチェルがファッション好きな人だから、ファッション関係のもの、ファッションアイテムを並べただけというところでしょう。
そうやってファッションアイテムを挙げた後、レイチェルが、No, I don't want you to buy me a hat, I'm saying I am a ha- 「違うわ、私はパパに帽子を買って欲しいんじゃないの、私が言ってるのは、私が帽子だってこと…」と言っていることから、電話の向こうのパパが「バッグや帽子って、、何だお前は、帽子を買って欲しいのか?」みたいな反応をしたことが想像されます。
自分がなりたいものの比喩として、ファッションアイテムを挙げることで、「それを買って欲しいのか?」とパパに誤解させるというオチが可能になったわけですね。
電話の内容を聞いていたフレンズたちは、You're a shoe. だけでは何のことかわからなくて、その意味を知りたいと思ってずっと聞いていたけれど、結局、レイチェルのセリフを最後まで聞いても You're a shoe. の意味がよくわからなかった、というのがここの笑いどころなのかもしれないと思います。
見解3:ペアで機能するものか、単体でも機能するものかまた、「ファッションアイテムを3つ挙げた」ことについてですが、a shoe と、a purse/a hat には、ある違いがあり、過去のコメント欄でも、そのことが何度も話題となりました。
それは、a shoe は shoes というペアで機能するもの、a purse と a hat はそれぞれ単体で機能するもの、という違いです。
a shoe の「ダメなやつ」という意味は、「片方の靴だけでは、靴として機能しないから」という意味から来ているように思われます。
今回は結婚の話と大きくかかわっているので、「一人では生きて行けない人、結婚してペアにならないとダメな人」みたいなニュアンスで使っている可能性もあります。
a shoe という単語を聞いて、すぐに「独身では生きていけない人」みたいな意味が浮かぶわけでもないと思うのですが、英語というのは単複に厳しい言語なので、(a pair of) shoes ではない a shoe だと、「片方の靴」というイメージが強く出るため、「あなたは結婚しないとダメなのよ!」的なニュアンスで、a shoe という「単数形」を使っていたという可能性も否定できない気はします。
レイチェルが思いつきで挙げた感じの a purse, a hat ではありますが、a shoe と比較すると、「ペアではなく単体で機能するもの」なのは明らかで、「結婚しなきゃダメよ」と言われ続けていたけれど、「一人でも生きていけるかも」という意味で、a purse, a hat を挙げたという可能性もある気がするわけですね。
その場合は、3つの分類の c. その単語を何かの象徴として使い、別の概念などをイメージさせる、になります。
ただ、そういう意味を込めて、a shoe, a purse, a hat という順番で挙げたとすると、結婚式から逃げてきた、世間知らずっぽいお嬢様キャラのレイチェルにしては、ちょっと「セリフとして出来過ぎ、練られ過ぎ、冴え過ぎ、うまいこと言い過ぎ」な気もするのですね。
それを言ったレイチェルが、そこまで洒落たセリフを言えるようなキャラ設定ではない、と言いますか(笑)。
周りのフレンズたちの反応を見ると、「その比喩の意味がよくわからない」という感じでしたし、電話相手のパパも、「何だ、帽子を買って欲しいのか?」みたいに言っているらしいことから、仮にそういうニュアンスで言っていたとしても、その比喩の深い意味を周りの人がくみ取っている様子でもありません。
セリフそのものの意味としては、そこまでの深い意味は持たせていないかもしれないけれども、脚本家はそういう意味を、暗にこっそり込めた、という可能性はある気がします。
「単数と複数、単体とペア」の対比を使った比喩は、結婚の比喩として大いにあり得る気がしますし、これがポエムとかならそういう深読みは十分できそうだし、そういう比喩ならセンスあるなぁと思うし、単複の違いに鈍感な日本人(笑)としては、そういう単複のニュアンスを利用した表現であってくれたら嬉しいなぁ、という思いもあるのです。
また、これは後のシーンに絡んでくるセリフですが、「北米版DVDにはあって、日本版DVDではカットされているセリフ」の中に、The whole, 'hat' thing. という一文が出てきます。
これはまた、そのシーンの時に説明しようと思いますが、「独立、独り立ち」に関する言葉の続きに、このフレーズが使われていて、hat を「単体でも機能するもの」の象徴として使っているようにも思えるのですね。
まとめますと、
1. レイチェルは比喩・例えとして、靴、バッグ、帽子という単語を出しただけで、それ以上の深い意味はなさそう。
2. ただ、「私はこれまで "You're a shoe!" といつも言われていた」というレイチェルの表現から、実際にそういう言葉を家庭内(グリーン家)で言われてきたようにも思える。その場合は、グリーン家の中で使われる a shoe という言葉に、単なる「靴」以外の何か他の意味があると思われるが、それはここではわからない(し、ここではその意味がわからなくても問題ない)。
3. 結婚に絡めて、「ペアで機能するものと、単体で機能するもの」を挙げている可能性もあるが、バッグ、帽子の例えになった時に、みんな「わかんない」という顔をしていることから、脚本家がその意味をこっそり込めた程度で、セリフそのものがそういう意味で解釈されることを期待してはいない。
になるでしょうか。
過去記事のコメント欄で何度も議論されたことを、今回の記事ですっきりまとめようと思ったのですが、やっぱり長くなってしまいました。すみません<(_ _)>
(2016.10.11 追記)コメント欄で貴重なご意見をいただきましたので、次の記事、
続「あなたは靴よ!」 フレンズ1-1改その10 で、再び、You're a shoe. についての見解を述べています。
併せてお読みいただけると幸いです。
(追記はここまで)ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。