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6:19
レイチェル: (LOOKING AT THE LASAGNA AND REALIZING) Ohhhhh, don't be mad. ([ラザニアを見て、気づいて] あぁぁ、怒らないで。)
モニカ: You didn't! ((そんなこと)してないわよね!)
レイチェル: Oh, I’m sorry. (あぁ、ごめんなさい。)
モニカ: I gave you one job! (EXAMINING THE LASAGNA THROUGH THE GLASS DISH) (私はあなたに(たった)一つの仕事を与えたのに![唯一与えた仕事がそれだったのに!] [ガラスの皿越しにラザニアをチェックする])
レイチェル: Oh, but look how straight those noodles are. (あぁ、でもこの麺がすごくまっすぐに並んでるのを見て。)
チャンドラー: Now, Monica, you know that's not how you look for an engagement ring in a lasagna.(ねぇ、モニカ、ラザニアの中の婚約指輪を捜すのはそんなやり方じゃないってわかってるだろ。)
モニカ: (PUTS DOWN THE LASAGNA) I just... can't do it. ([ラザニアを下に置いて] 私は…そんなことできないわ。)
チャンドラー: Boys? We're going in! (みんな! 突入するぞ!)
CHANDLER, JOEY+PHOEBE START TO PICK THROUGH THE LASAGNA.
チャンドラー、ジョーイ、フィービーがラザニアの中を捜し始める。
レイチェルは台所にあるラザニアを見て、何かに気づいた様子で、Oh, don't be mad. と言っています。
マッドサイエンティストなどのように「狂った」「狂気の」という意味を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、この mad は angry の意味で、マッドにならないで、というのは、怒らないで、という意味。
指輪がない、ない! と探していたレイチェルが、ラザニアを見て「あぁ、怒らないで」と言っていることから、「ラザニアを作っている時に指輪をなくした。指輪はそのラザニアの中にある」ということが想像されますね。
You didn't! を直訳すると、「あなたは(〜を)しなかった!」になりますが、「あなたはラザニアの中に指輪を入れたりしなかった」のような意味で、「まさかそんなことしなかったわよね? そんなことしなかった、って言って!」のような気持ちが込められているでしょう。
I gave you one job! は「私はあなたに(たった)一つの仕事を与えた」ですが、「私があなたに与えた仕事はたった一つ、ラザニア作りだけだったのに! 唯一与えた仕事であなたはそんなヘマをしたわけ?!」のような怒りが感じられますね。
ラザニアは透明な大きなガラスのお皿に入っていて、モニカはその皿を上に掲げ、下からラザニアを見て、中にある指輪を捜しています。
look how straight those noodles are. は「それらのヌードル(麺)がどれほどストレート(まっすぐ)であるかを見て」→「ほら見て、麺はこんなにまっすぐに並んでるわ」ということですから、「あなたが担当した仕事はこれだけだったのに! ってモニカは怒ってるけど、ラザニア作り自体はうまくやったでしょ? ラザニアはきれいにできてるでしょ? みたいに言ったことになるでしょう。
激怒しているモニカに、「でもラザニアは上手にできたわよ」などと呑気なことを言っているのがレイチェルらしいです。
you know that's not how you look for an engagement ring in a lasagna. は「ラザニアの中の婚約指輪を捜す方法はそうじゃない、ってわかってるよな」という感覚。
「(モニカが今やってるような)そんなやり方じゃ、ラザニアの中の指輪は捜せないよ」ということで、そんな風にガラスの食器を下から見上げてるだけじゃ埒が明かないよ、到底見つけられないよ、と言っているわけですね。
ですがモニカはせっかく作ったラザニアをぐちゃぐちゃにしてしまうことにはものすごく抵抗があるようで、ガラスの皿を下に置いて「私にはそんなことできない」と言います。
チャンドラーは、Boys? We're going in!「ボーイズ? 俺たちは突入するぞ!」みたいに声を掛け、後ろにいたジョーイとフィービーも参加して、3人でラザニアの中を捜し始めることになります。
声を掛けたのはジョーイとフィービーなので、性別的に言うと boys ではなく、男女含むことができる you guys などの方が正しいことになりますが、「そんなことできないわ」とすくむ女性モニカを助ける感じで、「じゃあ、男の俺たちが頑張って突入しようぜ!」「勇気のある俺たちが突入するぞ」という感覚を出すために、「よし男ども」のように言ってみせたのでしょう。
ト書きの pick through は「(目的のものを求めて)〜の中を捜す」感覚。
Macmillan Dictionary では、
pick through something : to search through a collection of things in order to find something
例) They are picking through the ruins, searching for survivors.
つまり、「何かを見つけるために、ものの集まりの中を捜すこと」。例文は「彼らは生存者を捜して、その廃墟の中を捜索している」。
「〜を通って、〜を貫いて」という貫通のイメージを持つ through を使うことで、「何かの中をかき分けて、その中にあるはずの目的物を捜す」感じが出ていると思います。
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2017年01月30日
2017年01月27日
最近doyって聞かないよな フレンズ1-2改その10
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5:58
ジョーイ: Alright, when did you have it on last? (よし、それ(その指輪)を最後につけてたのはいつ?)
フィービー: Doy! Probably right before she lost it. (バカね! 多分、指輪をなくす直前よ。)
チャンドラー: You don't get a lot of "doy" these days. (最近、doy ってあんまり聞かないよな。)
レイチェル: I know I had it this morning. I know I had it when I was in the kitchen with... (今朝、指輪をしていたのはわかってるのよ。私が台所にいた時に指輪をはめてたのを覚えてるわ。一緒にいたのは・・・)
チャンドラー: ...Dinah? (ダイナ?)
when did you have it on last? の it = your engagement ring で、have something on は「〜を on の状態で持っている」という感覚ですから、「〜をつけている」というニュアンス。
この文を直訳すると、「婚約指輪を最後につけていたのはいつ?」と尋ねていることになります。
それに対してフィービーは、Doy! 以下のセリフを言っていますが、Doy! の説明は後回しにして、先に Probably 以下を直訳すると、「多分、彼女が指輪をなくす直前」になりますね。
そのフィービーのセリフには、ジョーイのその質問にあきれているようなニュアンスが感じられるので、「最後につけてたのはいつ?」という質問に対して、「最後につけてた時っていうのは、なくす直前に決まってるじゃない」みたいに答えたことになります。
ジョーイの質問の「最後につけてたのはいつ?」というのは、「指輪が確かに指にあった、と最後に自覚したのはいつ?」というような意図だったわけですが、ここでもフィービーは、質問を文字通りに解釈して、「最後につけてたのは、なくす直前に決まってるじゃん」みたいに答えた面白さになるわけですね。
ここで Doy! について。
その次のチャンドラーのセリフ You don't get a lot of "doy" these days. は「最近、たくさんの "doy" をゲットすることがない」というところ。
この you は一般の人々を表す感覚で、フィービーが Doy! という言葉を使った後の発言ですから、「最近、doy って言葉、あんまり聞かないよなぁ」と言ったであろうと想像できます。
「最近聞かない」→「今はあまり使わない死語」ということになりそうですね。
doy という単語は、手持ちの英和辞典や英英辞典には載っていませんでしたが、ネットスラング辞典の Urban Dictionary には以下のように出ていました。
Urban Dictionary: doy
doy : Kind of means "Wasn't that obvious, huh?"
similar to duh
例) You have to turn the Computer on first, Doy!
つまり、「そんなの言うまでもない[わかりきった]ことだったんじゃないの? え?」のような感じの意味。duh に似ている。
例文は、「最初に、そのコンピュータの電源を入れないといけないんだよ、そんなの当たり前だろ!」
アーバンの説明にあるように「わかりきったことを言わないで」という感覚で、duh と似ているとありますので、duh と同じような意味で今はあまり使わない死語となった言葉が doy ということになるでしょう。
ついでに、duh の方の語義を見ておくと、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
duh also no duh [interjection] (informal) : used to say that what someone else has just said or asked is stupid or unnecessary because it is very easy to understand
例) "You mean I can't park there?" "Duh, that's what the big sign says."
つまり、「誰かがたった今言った、または尋ねたことが愚かで不必要だと言うために使われる、理解するのが非常に簡単であるという理由で」。例文は「そこには駐車できない、って言うの?」「わかりきったことを言うなよ、その大きな看板にそう書いてあるだろ」。
普通はこのように、Duh と言うのに、フィービーが Doy と言ったため、「最近 doy って聞かないよな」→「 doy って死語だよね」と言ってみせたわけですね。
レイチェルは「今朝、その指輪をしていた(指にはめていた)のはわかってるの」と言い、今朝をもう少し具体的に言い換えて、when I was in the kitchen with... 「私が〜と一緒にキッチンにいた時」と表現しています。
with... のように、一緒にいた人は誰だったか思い出そうとしている感じなので、「私はキッチンにいて、その時一緒にいたのは(確か)、、、」みたいな感覚ですね。
そのセリフの後、チャンドラーは、Dinah? と続けています。
「ダイナ」というのが女性名であることは何となく想像できるのですが、このシーンまでの中でフレンズにダイナという人は出てきていません。
「その時、君はダイナと一緒だった?」のように唐突に「ダイナ」という女性名が出てきたのは、有名な英語の歌に、Someone's in the kitchen with Dinah という歌詞があるから。
その歌の英語での原題は、I've Been Working on the Railroad で、日本では「線路は続くよどこまでも」として知られている歌です。
レイチェルが、...in the kitchen with.... と言ったので、有名なその歌詞の通りに、in the kitchen with Dinah と続けてみた、ということになります。
Wikipedia 日本語版: 線路は続くよどこまでも には、オリジナルの英語の歌詞と共に、その原詩の日本語訳が載っています。
原詩の直訳は、我々が童謡として知っている歌詞とは全然イメージが違うところも興味深いです。
また、このフレーズについて、過去記事のコメント欄で情報を教えていただいたのですが、アメリカの有名な歌手であるダイナ・ショア(Dinah Shore)さんの番組の料理コーナーから派生して、Someone's In The Kitchen With Dinah というタイトルの料理レシピ本が1971年に出版され、話題になったとのこと。
Amazon.com にもありました。
Amazon.com: Someone's In The Kitchen With Dinah: Dinah Shore's Personal Cookbook Hardcover – August, 1971 by Dinah Shore (Author)
まさに「ダイナ」さんの料理本だったので、有名な歌のフレーズを使って「誰かがダイナとキッチンにいる」という本のタイトルにした、ということなのだろうと思います。
有名な歌詞の一部である someone's in the kitchen with Dinah というのは、みんなが知っているものなので、本がそのタイトルだとくすっと笑えてしまう、ということでしょうね。
コメント欄で、ダイナ・ショアのファンの方から教えていただいた情報によると、ダイナさんが亡くなったのは「フレンズ」放送開始の 1994年で、そのため「台詞にダイナに関することを出しても分かる人が多い」とのことでした。
ダイナ・ショアさんの料理本をどれほどの人が認識しているか、というのを知るのは難しいですが、今回のエピソード フレンズ1-2 は 1994年9月29日放映で、ダイナさんは 1994年2月24日に亡くなられていることを考えると、著名人が亡くなられた直後には、その方の経歴や業績などが紹介されることも多いだろうと思うので、今回のセリフは「ダイナ・ショアさんの料理本のタイトル」のイメージも入っているのかもしれません。
そして、その本のタイトルが、I've Been Working on the Railroad の歌詞から来たことは確かだろうと思うので、そういう意味では、この歌がこのセリフの「本当の元ネタ」であることも間違いないと言えるでしょう。
ということで、整理しますと、
1. 「線路は続くよどこまでも」の原曲 I've Been Working on the Railroad の歌詞 someone's in the kitchen with Dinah
2. 有名な歌手ダイナ・ショアさんの料理本のタイトル Someone's In The Kitchen With Dinah
というものが存在して、フレンズ放映の年にダイナ・ショアさんが亡くなっていることから、その料理本のイメージを思い浮かべる人がいるかもしれない、つまり、脚本家が、亡くなったダイナ・ショアさんを意識して、セリフにこのフレーズを使ったのかもしれない、という可能性が一つ。
その料理本のイメージが湧かない人でも、その本のタイトルの元ネタが歌詞にある、I've Been Working on the Railroad という歌は知っているはずなので、このセリフについては基本的には「I've Been Working on the Railroad の歌詞に出てくるフレーズである」という理解でよいということになる気がしました。
(フレンズ1-2 の過去記事への追記について)
非公開コメントにて、何かしらの誤解があるエピソード フレンズ1-2改その6 の Three's Company のシーンは、2-4 (Season 2 Episode 4) の Strange Bedfellows というエピソードであると教えていただきました。
そのエピソードの内容と前後の流れを確認し、"Huh! Looks like she didn't leave in such a hurry after all." の解釈について、その記事に追記しています。
また、このセリフを言っていたのが、Suzanne Somers さん演じる Chrissy Snow というキャラクターであるため、
Three's Company の Chrissy Snow → 演じる女優 Suzanne Somers → 彼女が宣伝している器具 ThighMaster
の流れで ThighMaster という器具をセリフに出したのは明白であると改めて実感しました。
その件についても、太ももをシェイプする器具 フレンズ1-2改その8 に追記しています。
併せてお読みいただければ幸いです。
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5:58
ジョーイ: Alright, when did you have it on last? (よし、それ(その指輪)を最後につけてたのはいつ?)
フィービー: Doy! Probably right before she lost it. (バカね! 多分、指輪をなくす直前よ。)
チャンドラー: You don't get a lot of "doy" these days. (最近、doy ってあんまり聞かないよな。)
レイチェル: I know I had it this morning. I know I had it when I was in the kitchen with... (今朝、指輪をしていたのはわかってるのよ。私が台所にいた時に指輪をはめてたのを覚えてるわ。一緒にいたのは・・・)
チャンドラー: ...Dinah? (ダイナ?)
when did you have it on last? の it = your engagement ring で、have something on は「〜を on の状態で持っている」という感覚ですから、「〜をつけている」というニュアンス。
この文を直訳すると、「婚約指輪を最後につけていたのはいつ?」と尋ねていることになります。
それに対してフィービーは、Doy! 以下のセリフを言っていますが、Doy! の説明は後回しにして、先に Probably 以下を直訳すると、「多分、彼女が指輪をなくす直前」になりますね。
そのフィービーのセリフには、ジョーイのその質問にあきれているようなニュアンスが感じられるので、「最後につけてたのはいつ?」という質問に対して、「最後につけてた時っていうのは、なくす直前に決まってるじゃない」みたいに答えたことになります。
ジョーイの質問の「最後につけてたのはいつ?」というのは、「指輪が確かに指にあった、と最後に自覚したのはいつ?」というような意図だったわけですが、ここでもフィービーは、質問を文字通りに解釈して、「最後につけてたのは、なくす直前に決まってるじゃん」みたいに答えた面白さになるわけですね。
ここで Doy! について。
その次のチャンドラーのセリフ You don't get a lot of "doy" these days. は「最近、たくさんの "doy" をゲットすることがない」というところ。
この you は一般の人々を表す感覚で、フィービーが Doy! という言葉を使った後の発言ですから、「最近、doy って言葉、あんまり聞かないよなぁ」と言ったであろうと想像できます。
「最近聞かない」→「今はあまり使わない死語」ということになりそうですね。
doy という単語は、手持ちの英和辞典や英英辞典には載っていませんでしたが、ネットスラング辞典の Urban Dictionary には以下のように出ていました。
Urban Dictionary: doy
doy : Kind of means "Wasn't that obvious, huh?"
similar to duh
例) You have to turn the Computer on first, Doy!
つまり、「そんなの言うまでもない[わかりきった]ことだったんじゃないの? え?」のような感じの意味。duh に似ている。
例文は、「最初に、そのコンピュータの電源を入れないといけないんだよ、そんなの当たり前だろ!」
アーバンの説明にあるように「わかりきったことを言わないで」という感覚で、duh と似ているとありますので、duh と同じような意味で今はあまり使わない死語となった言葉が doy ということになるでしょう。
ついでに、duh の方の語義を見ておくと、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
duh also no duh [interjection] (informal) : used to say that what someone else has just said or asked is stupid or unnecessary because it is very easy to understand
例) "You mean I can't park there?" "Duh, that's what the big sign says."
つまり、「誰かがたった今言った、または尋ねたことが愚かで不必要だと言うために使われる、理解するのが非常に簡単であるという理由で」。例文は「そこには駐車できない、って言うの?」「わかりきったことを言うなよ、その大きな看板にそう書いてあるだろ」。
普通はこのように、Duh と言うのに、フィービーが Doy と言ったため、「最近 doy って聞かないよな」→「 doy って死語だよね」と言ってみせたわけですね。
レイチェルは「今朝、その指輪をしていた(指にはめていた)のはわかってるの」と言い、今朝をもう少し具体的に言い換えて、when I was in the kitchen with... 「私が〜と一緒にキッチンにいた時」と表現しています。
with... のように、一緒にいた人は誰だったか思い出そうとしている感じなので、「私はキッチンにいて、その時一緒にいたのは(確か)、、、」みたいな感覚ですね。
そのセリフの後、チャンドラーは、Dinah? と続けています。
「ダイナ」というのが女性名であることは何となく想像できるのですが、このシーンまでの中でフレンズにダイナという人は出てきていません。
「その時、君はダイナと一緒だった?」のように唐突に「ダイナ」という女性名が出てきたのは、有名な英語の歌に、Someone's in the kitchen with Dinah という歌詞があるから。
その歌の英語での原題は、I've Been Working on the Railroad で、日本では「線路は続くよどこまでも」として知られている歌です。
レイチェルが、...in the kitchen with.... と言ったので、有名なその歌詞の通りに、in the kitchen with Dinah と続けてみた、ということになります。
Wikipedia 日本語版: 線路は続くよどこまでも には、オリジナルの英語の歌詞と共に、その原詩の日本語訳が載っています。
原詩の直訳は、我々が童謡として知っている歌詞とは全然イメージが違うところも興味深いです。
また、このフレーズについて、過去記事のコメント欄で情報を教えていただいたのですが、アメリカの有名な歌手であるダイナ・ショア(Dinah Shore)さんの番組の料理コーナーから派生して、Someone's In The Kitchen With Dinah というタイトルの料理レシピ本が1971年に出版され、話題になったとのこと。
Amazon.com にもありました。
Amazon.com: Someone's In The Kitchen With Dinah: Dinah Shore's Personal Cookbook Hardcover – August, 1971 by Dinah Shore (Author)
まさに「ダイナ」さんの料理本だったので、有名な歌のフレーズを使って「誰かがダイナとキッチンにいる」という本のタイトルにした、ということなのだろうと思います。
有名な歌詞の一部である someone's in the kitchen with Dinah というのは、みんなが知っているものなので、本がそのタイトルだとくすっと笑えてしまう、ということでしょうね。
コメント欄で、ダイナ・ショアのファンの方から教えていただいた情報によると、ダイナさんが亡くなったのは「フレンズ」放送開始の 1994年で、そのため「台詞にダイナに関することを出しても分かる人が多い」とのことでした。
ダイナ・ショアさんの料理本をどれほどの人が認識しているか、というのを知るのは難しいですが、今回のエピソード フレンズ1-2 は 1994年9月29日放映で、ダイナさんは 1994年2月24日に亡くなられていることを考えると、著名人が亡くなられた直後には、その方の経歴や業績などが紹介されることも多いだろうと思うので、今回のセリフは「ダイナ・ショアさんの料理本のタイトル」のイメージも入っているのかもしれません。
そして、その本のタイトルが、I've Been Working on the Railroad の歌詞から来たことは確かだろうと思うので、そういう意味では、この歌がこのセリフの「本当の元ネタ」であることも間違いないと言えるでしょう。
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1. 「線路は続くよどこまでも」の原曲 I've Been Working on the Railroad の歌詞 someone's in the kitchen with Dinah
2. 有名な歌手ダイナ・ショアさんの料理本のタイトル Someone's In The Kitchen With Dinah
というものが存在して、フレンズ放映の年にダイナ・ショアさんが亡くなっていることから、その料理本のイメージを思い浮かべる人がいるかもしれない、つまり、脚本家が、亡くなったダイナ・ショアさんを意識して、セリフにこのフレーズを使ったのかもしれない、という可能性が一つ。
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2017年01月26日
京都セミナー満席となりました
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は8位、「にほんブログ村」も8位です。
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2月5日(日)開催の京都セミナー、おかげさまで満席となりました!
お申込下さった皆様、本当に本当にありがとうございます <(_ _)>
満席となりました後も、キャンセル待ち登録は可能となっておりますので、キャンセル待ちをご希望の方は、以下の NHK文化センター京都教室さんのサイトからご登録下さい。
NHK文化センター京都教室 2/5 海外ドラマDVD英語学習法
楽しく面白いセミナーになるよう、精一杯頑張ります!
取り急ぎ、満席となりましたご報告及びお礼と、
キャンセル待ち受付のお知らせまで(^^)
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2017年01月25日
指輪見た? ええ、きれいね フレンズ1-2改その9
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5:19
(ENTER RACHEL FROM HER BEDROOM)
寝室からレイチェル登場。
レイチェル: Has anybody seen my engagement ring? (誰か私の婚約指輪を見た?)
フィービー: Yeah, it's beautiful! (えぇ、きれいね!)
レイチェル: Oh, God! Oh, God, oh God oh God oh God oh God.... (LOOKING UNDER CUSHIONS) (あぁ、なんてこと! あぁ、あぁ、あぁ、あぁ… [クッションの下を見る])
フィービー: No, don’t, don't touch that. (だめ、それに触っちゃだめよ。)
レイチェル: Oh, like I wasn't dreading tomorrow enough having to give it back to him. “Hi, Barry, remember me? I'm the girl in the veil who stomped on your heart in front of your entire family.” Oh, God, and now I'm gonna have to return the ring, without the ring, which makes it so much harder. (あぁ、それ(バリーからもらった婚約指輪)を返さなければならないことで、明日を十分に怖がっていないみたいに思ってる?[怖がっていないとでも?] (→訂正:私が明日を十分に怖がっていないみたいに思ってる?[怖がっていないとでも?] それ(バリーからもらった婚約指輪)を返さなければならないこと(を) 訂正ここまで) (だってこんな風に言いに行くようなものよ) 「はーい、バリー、私を覚えてる? 私はあなたの家族(親族)全体の前で、あなたの心を踏みつけた花嫁(ベールをかぶった女)よ」。あぁ、なんてこと、そして今、私はその指輪を返さないといけないことになるの、指輪がない状態でね。それって状況をさらにもっとずっと難しくするわ。)
モニカ: Easy, Rach, we'll find it. (TO ALL) Won't we? (落ち着いて、レイチェル、私たちが見つけるわ。[みんなに] そうするわよね?)
チャンドラー&ジョーイ: Oh! Yeah! (あぁ!)
Has anybody seen my engagement ring? というレイチェルの質問を直訳すると、「誰か私の婚約指輪を見た?」になりますね。
言葉としては、誰か指輪を見たか、見た人はいるかどうか尋ねているのですが、レイチェルが心配そうな声で、おまけに左手の薬指を押さえながらこのセリフを言っているので、そこにあるはずの指輪がない、それをなくしたので探していて、「誰かそれを見なかった? 今、その指輪がどこにあるか知らない?」と尋ねているのがわかります。
フィービーはそのレイチェルの様子に気づかない様子で、「えぇ、あなたの婚約指輪見たわよ。あの指輪、きれいよね」と、ただ指輪の感想を述べているところが面白さのポイントとなるでしょう。
言葉では「あの指輪見たことある? 見た?」と聞いていても、見てどう思ったかを聞いているわけではないのに、言葉通りの意味にとらえて、そのまま返事している、という面白さなわけですね。
レイチェルはオロオロして、クッションの下などを探しています。
モニカがイライラしながらクッションをふくらませていたばかりだったので、フィービーは「モニカに怒られるわよ」と言いたげに「クッションをそんな風にいじっちゃだめよ」と注意しています。
指輪を探しながらのレイチェルのセリフ、Oh, like I wasn't dreading tomorrow enough... について。
dread は「〜をひどく怖がる、恐れる」。
Like+SV(文)の形は、「まるで〜みたいに、まるで〜とでも?」 というニュアンスで、この like は as if と同じような意味になります。
「まるで〜みたいに思ってるかもしれないけど、実際はそんなことない」という反語的なニュアンスが含まれているので、like I wasn't dreading tomorrow enough は「明日を十分に怖がっていないとでも?」のようになるでしょう。
as if の場合には過去形(仮定法過去)が使われることがありますので、今回、like I wasn't のように過去形が使われているのも、仮定法過去だろうと思います。
ですから、「like 以下のように思ってるかもしれないけど、そんなことない、私は明日、指輪を返さなきゃいけないことに、めちゃくちゃビビってるわ」という意味になるわけですね。
(2017.6.28 追記)
having to give it back to him について、コメント欄でご質問をいただきました。
この部分、Netflix では、Oh, like I wasn't dreading tomorrow enough. Having to give it back to him. と enough の後にピリオドがあって、いったん文がそこで切れています。
これは、tomorrow を恐れていると表現したことを、「彼に指輪を返さないといけないこと」と具体的に動名詞で言い換えた感覚になると思われます。
下のコメント欄に訂正と追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)
the girl in the veil を直訳すると「ベールをかぶった少女」、つまり「(花嫁衣裳を着た)花嫁」のことで、stomp は「踏みつける」。
その後、「あなたの家族の前であなたの心を踏みつけた女よ」というセリフを言っていますが、実際に指輪を返す際にそんなセリフを言うつもり、ということではなく、今の私が指輪を返しに行くということはそういこと、自分はそういう女として指輪を返さないといけない、という自分の立場をそのようなセリフで表現したことになるでしょう。
「大勢の人の前でバリーを振って逃げた花嫁」である私が指輪を返しに行くんだから、怖くないわけないでしょ、という感じですね。
指輪を返しに行くだけでもキツいのに、その返すべき指輪が見つからずレイチェルはパニクっているわけですが、「このまま指輪が見つからなければ、指輪なしで(返す指輪がない状態で)指輪を返しに行かなければならないことになる」ので、which makes it so much harder 「そのことが、それ(状況)をもっとずっとよりハードに(困難に)する」と表現しています。
元々、「指輪を返しに行く」ということだけでも hard なのに、指輪がないから so much harder になる、と言っていることになりますので、「明日バリーに指輪を返しに行くことはレイチェルにとってキツいこと」→「明日を恐れてないとでも? 恐れてるに決まってるわ」というように、反語の Like+文が使われているということになります。
Easy, Rach の Easy は「落ち着いて、心配しないで」というニュアンス。
私たちが(一緒に)探すわ、という意味で、we'll find it. と言った後、モニカは Won't we? と続けています。
「みんなで一緒に探そう」と we で相談するより先に、モニカが we'll find it. と言ったので、「私、今そう言ったけど、もちろんみんな一緒に探してくれるわよね?」という意味で、付加疑問文的に、Won't we? と言った感覚になるでしょう。
(前回の記事への追記について)
前回の記事、太ももをシェイプする器具 フレンズ1-2改その8 で「 twirly はフィービーの造語」と説明した件について、非公開コメントにて「辞書に twirly が形容詞として記載されていました」という情報を頂戴しました(貴重な情報ありがとうございます)。
いただいたご意見を元に、説明を追記させていただいておりますので、併せてお読みいただければ幸いです。
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5:19
(ENTER RACHEL FROM HER BEDROOM)
寝室からレイチェル登場。
レイチェル: Has anybody seen my engagement ring? (誰か私の婚約指輪を見た?)
フィービー: Yeah, it's beautiful! (えぇ、きれいね!)
レイチェル: Oh, God! Oh, God, oh God oh God oh God oh God.... (LOOKING UNDER CUSHIONS) (あぁ、なんてこと! あぁ、あぁ、あぁ、あぁ… [クッションの下を見る])
フィービー: No, don’t, don't touch that. (だめ、それに触っちゃだめよ。)
レイチェル: Oh, like I wasn't dreading tomorrow enough having to give it back to him. “Hi, Barry, remember me? I'm the girl in the veil who stomped on your heart in front of your entire family.” Oh, God, and now I'm gonna have to return the ring, without the ring, which makes it so much harder. (あぁ、それ(バリーからもらった婚約指輪)を返さなければならないことで、明日を十分に怖がっていないみたいに思ってる?[怖がっていないとでも?] (→訂正:私が明日を十分に怖がっていないみたいに思ってる?[怖がっていないとでも?] それ(バリーからもらった婚約指輪)を返さなければならないこと(を) 訂正ここまで) (だってこんな風に言いに行くようなものよ) 「はーい、バリー、私を覚えてる? 私はあなたの家族(親族)全体の前で、あなたの心を踏みつけた花嫁(ベールをかぶった女)よ」。あぁ、なんてこと、そして今、私はその指輪を返さないといけないことになるの、指輪がない状態でね。それって状況をさらにもっとずっと難しくするわ。)
モニカ: Easy, Rach, we'll find it. (TO ALL) Won't we? (落ち着いて、レイチェル、私たちが見つけるわ。[みんなに] そうするわよね?)
チャンドラー&ジョーイ: Oh! Yeah! (あぁ!)
Has anybody seen my engagement ring? というレイチェルの質問を直訳すると、「誰か私の婚約指輪を見た?」になりますね。
言葉としては、誰か指輪を見たか、見た人はいるかどうか尋ねているのですが、レイチェルが心配そうな声で、おまけに左手の薬指を押さえながらこのセリフを言っているので、そこにあるはずの指輪がない、それをなくしたので探していて、「誰かそれを見なかった? 今、その指輪がどこにあるか知らない?」と尋ねているのがわかります。
フィービーはそのレイチェルの様子に気づかない様子で、「えぇ、あなたの婚約指輪見たわよ。あの指輪、きれいよね」と、ただ指輪の感想を述べているところが面白さのポイントとなるでしょう。
言葉では「あの指輪見たことある? 見た?」と聞いていても、見てどう思ったかを聞いているわけではないのに、言葉通りの意味にとらえて、そのまま返事している、という面白さなわけですね。
レイチェルはオロオロして、クッションの下などを探しています。
モニカがイライラしながらクッションをふくらませていたばかりだったので、フィービーは「モニカに怒られるわよ」と言いたげに「クッションをそんな風にいじっちゃだめよ」と注意しています。
指輪を探しながらのレイチェルのセリフ、Oh, like I wasn't dreading tomorrow enough... について。
dread は「〜をひどく怖がる、恐れる」。
Like+SV(文)の形は、「まるで〜みたいに、まるで〜とでも?」 というニュアンスで、この like は as if と同じような意味になります。
「まるで〜みたいに思ってるかもしれないけど、実際はそんなことない」という反語的なニュアンスが含まれているので、like I wasn't dreading tomorrow enough は「明日を十分に怖がっていないとでも?」のようになるでしょう。
as if の場合には過去形(仮定法過去)が使われることがありますので、今回、like I wasn't のように過去形が使われているのも、仮定法過去だろうと思います。
ですから、「like 以下のように思ってるかもしれないけど、そんなことない、私は明日、指輪を返さなきゃいけないことに、めちゃくちゃビビってるわ」という意味になるわけですね。
(2017.6.28 追記)
having to give it back to him について、コメント欄でご質問をいただきました。
この部分、Netflix では、Oh, like I wasn't dreading tomorrow enough. Having to give it back to him. と enough の後にピリオドがあって、いったん文がそこで切れています。
これは、tomorrow を恐れていると表現したことを、「彼に指輪を返さないといけないこと」と具体的に動名詞で言い換えた感覚になると思われます。
下のコメント欄に訂正と追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)
the girl in the veil を直訳すると「ベールをかぶった少女」、つまり「(花嫁衣裳を着た)花嫁」のことで、stomp は「踏みつける」。
その後、「あなたの家族の前であなたの心を踏みつけた女よ」というセリフを言っていますが、実際に指輪を返す際にそんなセリフを言うつもり、ということではなく、今の私が指輪を返しに行くということはそういこと、自分はそういう女として指輪を返さないといけない、という自分の立場をそのようなセリフで表現したことになるでしょう。
「大勢の人の前でバリーを振って逃げた花嫁」である私が指輪を返しに行くんだから、怖くないわけないでしょ、という感じですね。
指輪を返しに行くだけでもキツいのに、その返すべき指輪が見つからずレイチェルはパニクっているわけですが、「このまま指輪が見つからなければ、指輪なしで(返す指輪がない状態で)指輪を返しに行かなければならないことになる」ので、which makes it so much harder 「そのことが、それ(状況)をもっとずっとよりハードに(困難に)する」と表現しています。
元々、「指輪を返しに行く」ということだけでも hard なのに、指輪がないから so much harder になる、と言っていることになりますので、「明日バリーに指輪を返しに行くことはレイチェルにとってキツいこと」→「明日を恐れてないとでも? 恐れてるに決まってるわ」というように、反語の Like+文が使われているということになります。
Easy, Rach の Easy は「落ち着いて、心配しないで」というニュアンス。
私たちが(一緒に)探すわ、という意味で、we'll find it. と言った後、モニカは Won't we? と続けています。
「みんなで一緒に探そう」と we で相談するより先に、モニカが we'll find it. と言ったので、「私、今そう言ったけど、もちろんみんな一緒に探してくれるわよね?」という意味で、付加疑問文的に、Won't we? と言った感覚になるでしょう。
(前回の記事への追記について)
前回の記事、太ももをシェイプする器具 フレンズ1-2改その8 で「 twirly はフィービーの造語」と説明した件について、非公開コメントにて「辞書に twirly が形容詞として記載されていました」という情報を頂戴しました(貴重な情報ありがとうございます)。
いただいたご意見を元に、説明を追記させていただいておりますので、併せてお読みいただければ幸いです。
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2017年01月23日
太ももをシェイプする器具 フレンズ1-2改その8
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4:38
フィービー: Monica? Hi! Um, Monica, you're scaring me. I mean, you're like, you're like all chaotic and twirly, you know? And not-not in a good way. (モニカ? はーい! あのモニカ、あなたを見てると怖いわ。つまり、あなたはその、すっかり混乱していて、くるくる回ってる感じよ、でしょ? それも良い感じじゃなくてね。)
ジョーイ: Yeah, calm down. You don't see Ross getting all chaotic and twirly every time they come. (そうだよ。落ち着けよ。君の親たちが来る度に、ロスが混乱したり、くるくる回ったりする感じになるところを見ないだろ?)
モニカ: That's because as far as my parents are concerned, Ross can do no wrong. Y'see, he's “The Prince.” Apparently they had some big ceremony before I was born. (それは、私の両親に言わせると、ロスは間違ったことをするはずがないからよ。わかるでしょ、彼は「王子様」なのよ。どうやら、私が生まれる前に、うちの両親はある大きな儀式[式典、祭典]をしたみたいね。)
チャンドラー: (AT WINDOW) Ew, ew, ew, ew ew ew ew ew! ([窓のところで] ウエ、ウエ、ウエ、ウエ…)
モニカ: What? (何?)
チャンドラー: Ugly Naked Guy got a ThighMaster. (醜い裸の男[裸のブ男]がサイマスター(太ももをシェイプする器具)を買ったぞ。)
みんな: Eeaagh! (うー!)
scare は「〜を怖がらせる、怯えさせる」という他動詞。
you're scaring me は、「あなたは私を怯えさせている」なので、「あなたを見ていると怖いわ、あなたを見ていると怖くなってくる」ということ。
怯えている時に口から出る「怖い!」は、I'm scared! になります。
scaring me と言われて、何ですって?みたいな顔をモニカがするので、I mean 「私が言いたいのは、つまり」とフィービーは言い直しています。
I mean は、直前に自分の言った言葉が言葉足らずで相手に理解されそうにない場合や、相手が気を悪くするかもしれないと思った場合に、言葉を変えて内容を言い直したりする場合に使います。
chaotic は「混沌とした、雑然とした、ぐちゃぐちゃで」。名詞形は chaos 「無秩序、混沌、カオス」。
日本語では「カオス」という外来語になっていますが、英語の発音は「ケイオス」という感じです。
twirly は twirl という動詞に -y をつけて形容詞風にしたフィービーの造語ですね。(注:「造語」と説明した件について、下に追記があります)
フィービーはこのように、単語の語尾に -y をつけて形容詞にするのが好きで、後のエピソードでも何度かそういう言葉が登場します。
twirl は他動詞「〜をくるくる回す」、自動詞は「くるくる回る、くねくねする」ですから、twirly は「くるくる回っているような」というニュアンスかな、と思います。
twirl one's baton だと「バトンをくるくる回す」で、baton twirler は「バトンをくるくる回す人、バトントワラー」。
twirl という単語を知らなかった人でも、バトントワラーというカタカナは聞いたことあるかもしれませんね。
英語をそのままカタカナに置き換えるカタカナ英語の氾濫が、間違った発音を覚えさせ、却って英語学習の妨げになっている場合もよくあるのですが、すでにカタカナで知っている言葉であれば、その知識を利用して英単語を覚える、というのもアリかなと思います。
「怖いっていうか、つまり、あなたは混乱していて、くるくる回ってる感じがする、ってことなのよ」とモニカを怒らせないように言い直したつもりですが、And not-not in a good way と付け足して、その混乱してくるくるしているのは、グッドな感じではない、と言っています。
つまり、そのモニカの混乱やくるくるは、いい感じはしない、と言っているわけで、やはりモニカに対しては失礼な発言であることには変わりない、、そこがフィービーの発言っぽいところだと言えるでしょう。
その後、ジョーイもフィービーの発言に同意しています。
twirly というのがフィービーの造語なので、「その今フィービーが言った twirly というやつ」という感じで、ジョーイはフィービーの方を手で示しています。
「(フィービーの言うところの) twirly って感じになってるロスを見たことないだろ?」というニュアンスですね。
(2017.1.25 追記)
twirly はフィービーの造語、と説明した件について。
非公開コメントにて、「プログレッシブ英和中辞典とジーニアス英和辞典では、twirly が形容詞として記載されています(意味はどちらの辞典も省略されています)」という情報を頂戴しました。
私も改めて調べてみたところ、Cambridge Dictionary にも以下のように出ていました。
Cambridge Dictionary : twirly
twirly : with turns or curls
例) a twirly moustache
つまり、「回転やカールがある」。例は「カールのある(巻き毛の)口ひげ」。
私は記事中で「フィービーの造語」と説明しましたが、twirly という単語を項目に挙げている辞書がある、ということだと、「フィービーの造語」と言い切ることはできないようですね。
このシーンの流れを見てみると、フィービーが twirly という言葉を出した後、ジョーイがその言葉を使う時に、"You don't see Ross getting all chaotic and... twirly" のように、twirly という単語を出す前に「一瞬の間(ま)」があって、「ほら、さっきフィービーが言ってたやつ」のように、フィービーを手で指し示すしぐさもしていますので、ジョーイとしてはあまりなじみのない「フィービーが作った変な言葉」的な受け止め方をしているように見えました。
上のケンブリッジの語義 with turns or curls にあるように、通常は「 turns や curls があるもの」という意味で使われることが多いのかなぁ、と思います。
それをここではフィービーが「モニカが、せわしなく、くるくると動いている」というニュアンスで使っているように感じられるので、「 twirly から想像される一般的な意味とは異なるニュアンス」を感じて、ジョーイは「さっきのフィービー風の表現で言うと twirly ってやつ」のように使ったのかなぁ、という気がしました。
ですから「フィービーの完全な造語であり、存在しない単語」とは言えないけれど、フィービーの使い方が独特だった、という風に解釈するのが正しいように今は思います。
(追記はここまで)
as far as ... be concerned は「…に関する限りは、…に言わせれば」。concern は「…に関係する」という他動詞。
That's because... は「それは…だからだ」。
よく似た表現の That's why は、that で指すものが理由になりますが、That's because の場合は、そういう結果になったのは、because 以下で述べられる理由のためだ、ということになります。
ここでの wrong は名詞で「悪、悪事、不正」。do wrong だと「悪事を働く」。
can は「〜できる」という彼の能力を述べているというより、「〜することがあり得る」という意味になるでしょう。
apparent は形容詞で「明白な」という意味ですが、副詞として -ly がついた apparently になると「どうやら〜らしい」という意味になります。
モニカの生まれる前の話なので、モニカは実際にそれを知ってるわけでも見たわけでもないけれど、どうやらこういうことみたいね、と表現していることになります。
私が生まれる前に、王子様(プリンス)の祝賀行事のような、何らかの大きなセレモニー(儀式、式典)があったらしい、とモニカは言っています。
そのセレモニーの後、私が生まれたのよ、ということですが、つまりは、両親が大きなセレモニーをした結果、私を身ごもることになったのね、と言いたいのでしょう。
自分(モニカ)を妊娠することになったエッチのことを、人々が浮かれて騒ぎ盛り上がる「大きなセレモニー」に例えたのかなぁ、と思います。
チャンドラーは窓の外を見ながら、Ew, ew... と言っています。
ew は、いやなもの、気持ち悪いものを見た時に発する擬音語で発音は「イウ、エウ」。
日本語で言うところの「気持ち悪い、ウエ、オエ、げーっ」という感じです。
Ugly Naked Guy は、DVDの日本語では「裸のブ男」と訳されているキャラクター。
今回セリフに初めて登場しましたが、向かいのビルに住んでいて、時々窓からその様子が見えるので、これからもちょくちょくセリフに登場することになります。
thigh は「太もも」のことで、ThighMaster は「膝にはさんで両側から押すことで太ももをシェイプし鍛える器具」の名前。
大文字で始まっていることからも、固有名詞(商品名)であることが想像されますね。
このように、「フレンズ」では、実際に存在する商品名がしばしば登場します。
そういう商品名は、Google画像検索で thighmaster と入れて検索すると、すぐに商品画像がヒットしてくれますよね。
今回の ThighMaster も、レオタード姿のおねいさんたち(笑)が、太ももの間にその器具を挟んでいる画像などがヒットします。
商品の詳しい説明は、以下のウィキペディアで。
Wikipedia 英語版: Thighmaster
インフォマーシャルでは、「テレビを見ながら太ももをシェイプできる」ことをウリにしていたようです。
検索画像で出てきたような、レオタード姿の女性が使っている姿を目撃したのなら、チャンドラーも Wow! と喜んだのかもしれませんが、セリフにあるような「裸のブ男」が太ももにサイマスターを挟んでいる姿を見た日には、やはり「うぇ〜」という反応になるでしょうね^^
上の Wikipedia の説明にあるのですが、90年代には、Suzanne Somers さんという女優さんが ThighMaster の宣伝をしていたそうです。
その Suzanne Somers さんという女優さんについてはこちら。
Wikipedia 英語版: Suzanne Somers
Spokeswoman for the Thighmaster という項目もあるほどで、サイマスターの宣伝の件は有名なようですが、同時にこの女優さんは、Three's Company の Chrissy Snow 役で有名とのこと。
Three's Company は、2つ前の記事、何かしらの誤解があるエピソード フレンズ1-2改その6 に出てきたばかりですよね。
「裸のブ男が使っているもの」として、インフォマーシャルでよく見かける、誰もが知ってる美容健康器具を出してきたというのもあるでしょうが、ちょうどこのモニカの部屋でのシーンの最初に、Three's Company をみんなで見ていた、という流れを考えると、もしかしたら、Three's Company つながりで、「 ThighMaster と言えば、Three's Company の女優さんが宣伝してるやつ!」という面白さも盛り込まれていたのかもしれないなぁ、と思ったりもしました。
(2017.1.27 追記)
フレンズ1-2改その6 で、フレンズが Three's Company を見ていた時、"huh! Looks like she didn't leave in such a hurry after all." と言っている金髪女性が映っていましたが、その女性が Suzanne Somers さんが演じる Chrissy Snow というキャラクターでした。
「このキャラクターのセリフだけ」が使われていたことを考えても、Suzanne Somers さん演じるキャラクターのシーンを使った後で、彼女が宣伝をしている器具 ThighMaster の名前を出した、というのは、明らかに「つながり」を意識したものであると思われます。
上の記事では「もしかしたら、かもしれない」と書きましたが、実際には「もしかしたら」レベルではなく、
Three's Company の Chrissy Snow → 演じる女優 Suzanne Somers → 彼女が宣伝している器具 ThighMaster
という連想から来る笑いを強く意図した脚本になっていると、今は思います。
(追記はここまで)
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フィービー: Monica? Hi! Um, Monica, you're scaring me. I mean, you're like, you're like all chaotic and twirly, you know? And not-not in a good way. (モニカ? はーい! あのモニカ、あなたを見てると怖いわ。つまり、あなたはその、すっかり混乱していて、くるくる回ってる感じよ、でしょ? それも良い感じじゃなくてね。)
ジョーイ: Yeah, calm down. You don't see Ross getting all chaotic and twirly every time they come. (そうだよ。落ち着けよ。君の親たちが来る度に、ロスが混乱したり、くるくる回ったりする感じになるところを見ないだろ?)
モニカ: That's because as far as my parents are concerned, Ross can do no wrong. Y'see, he's “The Prince.” Apparently they had some big ceremony before I was born. (それは、私の両親に言わせると、ロスは間違ったことをするはずがないからよ。わかるでしょ、彼は「王子様」なのよ。どうやら、私が生まれる前に、うちの両親はある大きな儀式[式典、祭典]をしたみたいね。)
チャンドラー: (AT WINDOW) Ew, ew, ew, ew ew ew ew ew! ([窓のところで] ウエ、ウエ、ウエ、ウエ…)
モニカ: What? (何?)
チャンドラー: Ugly Naked Guy got a ThighMaster. (醜い裸の男[裸のブ男]がサイマスター(太ももをシェイプする器具)を買ったぞ。)
みんな: Eeaagh! (うー!)
scare は「〜を怖がらせる、怯えさせる」という他動詞。
you're scaring me は、「あなたは私を怯えさせている」なので、「あなたを見ていると怖いわ、あなたを見ていると怖くなってくる」ということ。
怯えている時に口から出る「怖い!」は、I'm scared! になります。
scaring me と言われて、何ですって?みたいな顔をモニカがするので、I mean 「私が言いたいのは、つまり」とフィービーは言い直しています。
I mean は、直前に自分の言った言葉が言葉足らずで相手に理解されそうにない場合や、相手が気を悪くするかもしれないと思った場合に、言葉を変えて内容を言い直したりする場合に使います。
chaotic は「混沌とした、雑然とした、ぐちゃぐちゃで」。名詞形は chaos 「無秩序、混沌、カオス」。
日本語では「カオス」という外来語になっていますが、英語の発音は「ケイオス」という感じです。
twirly は twirl という動詞に -y をつけて形容詞風にしたフィービーの造語ですね。(注:「造語」と説明した件について、下に追記があります)
フィービーはこのように、単語の語尾に -y をつけて形容詞にするのが好きで、後のエピソードでも何度かそういう言葉が登場します。
twirl は他動詞「〜をくるくる回す」、自動詞は「くるくる回る、くねくねする」ですから、twirly は「くるくる回っているような」というニュアンスかな、と思います。
twirl one's baton だと「バトンをくるくる回す」で、baton twirler は「バトンをくるくる回す人、バトントワラー」。
twirl という単語を知らなかった人でも、バトントワラーというカタカナは聞いたことあるかもしれませんね。
英語をそのままカタカナに置き換えるカタカナ英語の氾濫が、間違った発音を覚えさせ、却って英語学習の妨げになっている場合もよくあるのですが、すでにカタカナで知っている言葉であれば、その知識を利用して英単語を覚える、というのもアリかなと思います。
「怖いっていうか、つまり、あなたは混乱していて、くるくる回ってる感じがする、ってことなのよ」とモニカを怒らせないように言い直したつもりですが、And not-not in a good way と付け足して、その混乱してくるくるしているのは、グッドな感じではない、と言っています。
つまり、そのモニカの混乱やくるくるは、いい感じはしない、と言っているわけで、やはりモニカに対しては失礼な発言であることには変わりない、、そこがフィービーの発言っぽいところだと言えるでしょう。
その後、ジョーイもフィービーの発言に同意しています。
twirly というのがフィービーの造語なので、「その今フィービーが言った twirly というやつ」という感じで、ジョーイはフィービーの方を手で示しています。
「(フィービーの言うところの) twirly って感じになってるロスを見たことないだろ?」というニュアンスですね。
(2017.1.25 追記)
twirly はフィービーの造語、と説明した件について。
非公開コメントにて、「プログレッシブ英和中辞典とジーニアス英和辞典では、twirly が形容詞として記載されています(意味はどちらの辞典も省略されています)」という情報を頂戴しました。
私も改めて調べてみたところ、Cambridge Dictionary にも以下のように出ていました。
Cambridge Dictionary : twirly
twirly : with turns or curls
例) a twirly moustache
つまり、「回転やカールがある」。例は「カールのある(巻き毛の)口ひげ」。
私は記事中で「フィービーの造語」と説明しましたが、twirly という単語を項目に挙げている辞書がある、ということだと、「フィービーの造語」と言い切ることはできないようですね。
このシーンの流れを見てみると、フィービーが twirly という言葉を出した後、ジョーイがその言葉を使う時に、"You don't see Ross getting all chaotic and... twirly" のように、twirly という単語を出す前に「一瞬の間(ま)」があって、「ほら、さっきフィービーが言ってたやつ」のように、フィービーを手で指し示すしぐさもしていますので、ジョーイとしてはあまりなじみのない「フィービーが作った変な言葉」的な受け止め方をしているように見えました。
上のケンブリッジの語義 with turns or curls にあるように、通常は「 turns や curls があるもの」という意味で使われることが多いのかなぁ、と思います。
それをここではフィービーが「モニカが、せわしなく、くるくると動いている」というニュアンスで使っているように感じられるので、「 twirly から想像される一般的な意味とは異なるニュアンス」を感じて、ジョーイは「さっきのフィービー風の表現で言うと twirly ってやつ」のように使ったのかなぁ、という気がしました。
ですから「フィービーの完全な造語であり、存在しない単語」とは言えないけれど、フィービーの使い方が独特だった、という風に解釈するのが正しいように今は思います。
(追記はここまで)
as far as ... be concerned は「…に関する限りは、…に言わせれば」。concern は「…に関係する」という他動詞。
That's because... は「それは…だからだ」。
よく似た表現の That's why は、that で指すものが理由になりますが、That's because の場合は、そういう結果になったのは、because 以下で述べられる理由のためだ、ということになります。
ここでの wrong は名詞で「悪、悪事、不正」。do wrong だと「悪事を働く」。
can は「〜できる」という彼の能力を述べているというより、「〜することがあり得る」という意味になるでしょう。
apparent は形容詞で「明白な」という意味ですが、副詞として -ly がついた apparently になると「どうやら〜らしい」という意味になります。
モニカの生まれる前の話なので、モニカは実際にそれを知ってるわけでも見たわけでもないけれど、どうやらこういうことみたいね、と表現していることになります。
私が生まれる前に、王子様(プリンス)の祝賀行事のような、何らかの大きなセレモニー(儀式、式典)があったらしい、とモニカは言っています。
そのセレモニーの後、私が生まれたのよ、ということですが、つまりは、両親が大きなセレモニーをした結果、私を身ごもることになったのね、と言いたいのでしょう。
自分(モニカ)を妊娠することになったエッチのことを、人々が浮かれて騒ぎ盛り上がる「大きなセレモニー」に例えたのかなぁ、と思います。
チャンドラーは窓の外を見ながら、Ew, ew... と言っています。
ew は、いやなもの、気持ち悪いものを見た時に発する擬音語で発音は「イウ、エウ」。
日本語で言うところの「気持ち悪い、ウエ、オエ、げーっ」という感じです。
Ugly Naked Guy は、DVDの日本語では「裸のブ男」と訳されているキャラクター。
今回セリフに初めて登場しましたが、向かいのビルに住んでいて、時々窓からその様子が見えるので、これからもちょくちょくセリフに登場することになります。
thigh は「太もも」のことで、ThighMaster は「膝にはさんで両側から押すことで太ももをシェイプし鍛える器具」の名前。
大文字で始まっていることからも、固有名詞(商品名)であることが想像されますね。
このように、「フレンズ」では、実際に存在する商品名がしばしば登場します。
そういう商品名は、Google画像検索で thighmaster と入れて検索すると、すぐに商品画像がヒットしてくれますよね。
今回の ThighMaster も、レオタード姿のおねいさんたち(笑)が、太ももの間にその器具を挟んでいる画像などがヒットします。
商品の詳しい説明は、以下のウィキペディアで。
Wikipedia 英語版: Thighmaster
インフォマーシャルでは、「テレビを見ながら太ももをシェイプできる」ことをウリにしていたようです。
検索画像で出てきたような、レオタード姿の女性が使っている姿を目撃したのなら、チャンドラーも Wow! と喜んだのかもしれませんが、セリフにあるような「裸のブ男」が太ももにサイマスターを挟んでいる姿を見た日には、やはり「うぇ〜」という反応になるでしょうね^^
上の Wikipedia の説明にあるのですが、90年代には、Suzanne Somers さんという女優さんが ThighMaster の宣伝をしていたそうです。
その Suzanne Somers さんという女優さんについてはこちら。
Wikipedia 英語版: Suzanne Somers
Spokeswoman for the Thighmaster という項目もあるほどで、サイマスターの宣伝の件は有名なようですが、同時にこの女優さんは、Three's Company の Chrissy Snow 役で有名とのこと。
Three's Company は、2つ前の記事、何かしらの誤解があるエピソード フレンズ1-2改その6 に出てきたばかりですよね。
「裸のブ男が使っているもの」として、インフォマーシャルでよく見かける、誰もが知ってる美容健康器具を出してきたというのもあるでしょうが、ちょうどこのモニカの部屋でのシーンの最初に、Three's Company をみんなで見ていた、という流れを考えると、もしかしたら、Three's Company つながりで、「 ThighMaster と言えば、Three's Company の女優さんが宣伝してるやつ!」という面白さも盛り込まれていたのかもしれないなぁ、と思ったりもしました。
(2017.1.27 追記)
フレンズ1-2改その6 で、フレンズが Three's Company を見ていた時、"huh! Looks like she didn't leave in such a hurry after all." と言っている金髪女性が映っていましたが、その女性が Suzanne Somers さんが演じる Chrissy Snow というキャラクターでした。
「このキャラクターのセリフだけ」が使われていたことを考えても、Suzanne Somers さん演じるキャラクターのシーンを使った後で、彼女が宣伝をしている器具 ThighMaster の名前を出した、というのは、明らかに「つながり」を意識したものであると思われます。
上の記事では「もしかしたら、かもしれない」と書きましたが、実際には「もしかしたら」レベルではなく、
Three's Company の Chrissy Snow → 演じる女優 Suzanne Somers → 彼女が宣伝している器具 ThighMaster
という連想から来る笑いを強く意図した脚本になっていると、今は思います。
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2017年01月20日
これ以上攻撃材料を与えたくない フレンズ1-2改その7
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4:23
(MONICA STARTS TO FLUFF A PILLOW)
モニカはクッションを(ふんわりとなるように)膨らまし始める。
フィービー: She already fluffed that pillow... Monica, you know, you already fluffed that- (MON GIVES HER A LOOK) -but, it's fine. (モニカはもうすでにそのクッションをふわっと膨らませたのに…。モニカ、ねぇ、あなたはもうすでに膨らませたわよ、その(クッションを)…。[モニカはフィービーに視線を向ける] でも、いいわ[構わないわ]。)
モニカ: Look, I'm sorry, guys. I just don't wanna give them any more ammunition than they already have. (ねぇ、ごめんなさい、みんな。私はただ、彼ら[うちの両親]に、(彼らが)すでに持っている以上の攻撃材料を与えたくないだけなのよ。)
チャンドラー: Yes, and we all know how cruel a parent can be about the flatness of a child's pillow. (そうだな。そして、俺たちはみんな知ってるよな、子供のクッションが平ら(ぺちゃんこ)であることについて、親がどれくらい無慈悲になれるかをね。)
fluff は「クッションなどの柔らかいものを振ったりして、ふんわりと膨らませる」こと。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
fluff [verb] : to make something soft appear larger by shaking or brushing it
つまり、「あるものを振ったり、ブラシをかけたりすることで、柔らかいものをより大きく見せるようにすること」。
今回のモニカは、クッションをパンパン叩くことで、ぺちゃんこになったクッションを膨らませようとしていますね。
神経質そうに、クッションをパンパン叩いているので、フィービーは「もうクッションは膨らませたのに」みたいに言っています。
最初は、She already fluffed のように she が使われていて、その次には主語が you に変わっています。
最初の she の方は、隣のチャンドラーにささやくような感じで「モニカはもうあのクッションを膨らませたのに(まだやってるわ)」というニュアンスで言っており、次にはそれを直接モニカに言う感じで、「モニカ」と呼び掛けてから、「あなた、もう、そのクッション膨らませたわよ(だからもうそれ以上しなくてもいいんじゃない?)」と言おうとした感覚になるでしょう。
「もう十分やったでしょ」と言いかけたところ、モニカがキッと睨(にら)むので、フィービーはそれ以上言うのはあきらめ、「でも、いいわ[構わないわ]」と続けます。
モニカ自身も、自分の行動が変であるという自覚がある様子で、「ごめんね、みんな」と謝った後、「私はただ、them に彼らがすでに持っている以上の ammunition を与えたくないの」と説明しています。
モニカのセリフでは漠然と them と表現されているだけですが、その後のチャンドラーのセリフに a parent という言葉が出てくることで、them = parents であることがわかってくる、という仕組みになるでしょう。
ammunition は元々は、bullets などの「弾薬」という意味ですが、そこから「攻撃(に使う)材料」という意味にもなります。
LAAD では、
ammunition [noun] : information that you can use to criticize someone or win an argument against them
例) The oil spill gave environmentalists powerful new ammunition against the oil companies.
つまり、「人を批判するために、または人に対して議論に勝つために、使うことができる情報」。例文は「その石油の流出は、環境保護主義者たちに、石油会社に対する強力で新しい攻撃材料を与えた」。
ロングマンの例文は、give someone ammunition against 「(〜に対する)攻撃材料を与える」という形で、今回のモニカのセリフと同様 give が使われており、攻撃材料という意味では、give という動詞との親和性が高いことがわかりますね。
何も悪いことをしていなくても、いつもいろいろとケチをつけられるので、またつまらないことで余計に口うるさく言われたくない、親が気付いて文句を言いそうなネタを親に与えたくないのよ、ということになるでしょう。
そのモニカの発言を Yes と肯定した後のチャンドラーのセリフ、we all know how cruel... について。
flatness は「平らであること」ですから、クッションだと「膨らんでいなくてぺちゃんこになっていること」というところ。
直訳すると、「俺たちはみんな知ってるよな、子供のクッションが平らであることについて、親ってのはどれくらい無慈悲になれるかをね」になるでしょう。
言葉通りの意味としては「俺たちみんなが知ってる通り、親ってのは子供のクッションがぺちゃんこになってると、容赦なく攻撃してくるよな」ということになりますが、これはチャンドラーの皮肉ですね。
「親に攻撃材料を与えたくないから」とクッションを神経質にパンパン叩いているモニカを見て、「クッションがぺちゃんこくらいで、キャンキャン言う親なんかいないだろ」という気持ちから、「そうだよなー、親ってのはクッションがぺちゃんこだと、ほんとにうるさいもんなぁ〜」とわざと反対のことを言ってみせた感覚になるわけですね。
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4:23
(MONICA STARTS TO FLUFF A PILLOW)
モニカはクッションを(ふんわりとなるように)膨らまし始める。
フィービー: She already fluffed that pillow... Monica, you know, you already fluffed that- (MON GIVES HER A LOOK) -but, it's fine. (モニカはもうすでにそのクッションをふわっと膨らませたのに…。モニカ、ねぇ、あなたはもうすでに膨らませたわよ、その(クッションを)…。[モニカはフィービーに視線を向ける] でも、いいわ[構わないわ]。)
モニカ: Look, I'm sorry, guys. I just don't wanna give them any more ammunition than they already have. (ねぇ、ごめんなさい、みんな。私はただ、彼ら[うちの両親]に、(彼らが)すでに持っている以上の攻撃材料を与えたくないだけなのよ。)
チャンドラー: Yes, and we all know how cruel a parent can be about the flatness of a child's pillow. (そうだな。そして、俺たちはみんな知ってるよな、子供のクッションが平ら(ぺちゃんこ)であることについて、親がどれくらい無慈悲になれるかをね。)
fluff は「クッションなどの柔らかいものを振ったりして、ふんわりと膨らませる」こと。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
fluff [verb] : to make something soft appear larger by shaking or brushing it
つまり、「あるものを振ったり、ブラシをかけたりすることで、柔らかいものをより大きく見せるようにすること」。
今回のモニカは、クッションをパンパン叩くことで、ぺちゃんこになったクッションを膨らませようとしていますね。
神経質そうに、クッションをパンパン叩いているので、フィービーは「もうクッションは膨らませたのに」みたいに言っています。
最初は、She already fluffed のように she が使われていて、その次には主語が you に変わっています。
最初の she の方は、隣のチャンドラーにささやくような感じで「モニカはもうあのクッションを膨らませたのに(まだやってるわ)」というニュアンスで言っており、次にはそれを直接モニカに言う感じで、「モニカ」と呼び掛けてから、「あなた、もう、そのクッション膨らませたわよ(だからもうそれ以上しなくてもいいんじゃない?)」と言おうとした感覚になるでしょう。
「もう十分やったでしょ」と言いかけたところ、モニカがキッと睨(にら)むので、フィービーはそれ以上言うのはあきらめ、「でも、いいわ[構わないわ]」と続けます。
モニカ自身も、自分の行動が変であるという自覚がある様子で、「ごめんね、みんな」と謝った後、「私はただ、them に彼らがすでに持っている以上の ammunition を与えたくないの」と説明しています。
モニカのセリフでは漠然と them と表現されているだけですが、その後のチャンドラーのセリフに a parent という言葉が出てくることで、them = parents であることがわかってくる、という仕組みになるでしょう。
ammunition は元々は、bullets などの「弾薬」という意味ですが、そこから「攻撃(に使う)材料」という意味にもなります。
LAAD では、
ammunition [noun] : information that you can use to criticize someone or win an argument against them
例) The oil spill gave environmentalists powerful new ammunition against the oil companies.
つまり、「人を批判するために、または人に対して議論に勝つために、使うことができる情報」。例文は「その石油の流出は、環境保護主義者たちに、石油会社に対する強力で新しい攻撃材料を与えた」。
ロングマンの例文は、give someone ammunition against 「(〜に対する)攻撃材料を与える」という形で、今回のモニカのセリフと同様 give が使われており、攻撃材料という意味では、give という動詞との親和性が高いことがわかりますね。
何も悪いことをしていなくても、いつもいろいろとケチをつけられるので、またつまらないことで余計に口うるさく言われたくない、親が気付いて文句を言いそうなネタを親に与えたくないのよ、ということになるでしょう。
そのモニカの発言を Yes と肯定した後のチャンドラーのセリフ、we all know how cruel... について。
flatness は「平らであること」ですから、クッションだと「膨らんでいなくてぺちゃんこになっていること」というところ。
直訳すると、「俺たちはみんな知ってるよな、子供のクッションが平らであることについて、親ってのはどれくらい無慈悲になれるかをね」になるでしょう。
言葉通りの意味としては「俺たちみんなが知ってる通り、親ってのは子供のクッションがぺちゃんこになってると、容赦なく攻撃してくるよな」ということになりますが、これはチャンドラーの皮肉ですね。
「親に攻撃材料を与えたくないから」とクッションを神経質にパンパン叩いているモニカを見て、「クッションがぺちゃんこくらいで、キャンキャン言う親なんかいないだろ」という気持ちから、「そうだよなー、親ってのはクッションがぺちゃんこだと、ほんとにうるさいもんなぁ〜」とわざと反対のことを言ってみせた感覚になるわけですね。
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2017年01月18日
何かしらの誤解があるエピソード フレンズ1-2改その6
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3:50
(CUT TO MONICA AND RACHEL'S APARTMENT, WHERE CHANDLER, JOEY, PHOEBE AND MONICA ARE WATCHING 'THREE'S COMPANY')
モニカとレイチェルのアパートメントに画面がカット。そこではチャンドラー、ジョーイ、フィービー、モニカが Three's Company (というシットコム)を見ている。
テレビの登場人物(女性): Huh! Looks like she didn't leave in such a hurry after all. (はっ! やっぱり彼女は、そんなに急いでここから出て行ったわけじゃない[ここを去ったわけじゃない]みたいね。)
チャンドラー: Oh, I think this is the episode of Three's Company where there's some kind of misunderstanding. (あぁ、これって、何かしらの誤解がある[誤解が生じる]、スリーズ・カンパニーのエピソードだよね。)
フィービー: Then I've already seen this one. (TURNS OFF TV) (それじゃあ、このエピソード[この話]、私、すでに(前に)見たわ。)
モニカ: (TAKING DRINK FROM JOEY) Are you through with that? ([ジョーイから飲み物を取り上げて] もうそれ済んでる?[それ飲み終わっってる?])
ジョーイ: Yeah, sorry, the swallowing slowed me down. (あぁ、ごめんよ。飲み込むのが遅くて。)
モニカ: Whose little ball of paper is this?! (この丸めたボールは誰のものなの?)
チャンドラー: Oh, that would be mine. See, I wrote a note to myself, and then I realized I didn't need the note, so I balled it up and... (OFF MONICA'S LOOK) ...now I wish I was dead. (あぁ、それは俺のだと思うよ。ほら、俺は自分用にメモを書いたんだ。それから、そのメモは必要ないことに気がついて、それでそのメモを丸めて… [モニカから視線をそらして] …今、俺、死にたい[今、俺、死んでたらいいのに]。)
Three's Company は、70年代後半から80年代前半にアメリカで放送されていたシットコム。
1つのアパートメントに、女性2人、男性1人の計3人が暮らしていて、その男性は女性と同居するために自分はゲイであると偽っている、という設定になっています。
Wikipedia 英語版: Three's Company
英語の諺(ことわざ)に、Two's company, three’s none [a crowd]. というものがあります。
none だと「二人なら友達[仲間、良い連れ]だが、三人だと他人[仲間割れ]」、a crowd の場合は「三人だと群衆[友達ではない]」というような意味になります。
いずれにしても、その諺は「二人はいいけど、三人だともめる、うまくいかない、仲良くできない」みたいな意味で、このシットコムのタイトルは、その諺をもじって、Three's company 「三人はよい連れ、仲間」だと言っている感覚になるでしょう。
テレビの中の女性が言っているセリフ、Huh! Looks like she didn't leave in such a hurry after all. について。
It looks like / Looks like+文 は「(文)のように見える、見た感じから(文)のように思える」なので、このセリフを直訳すると、「やっぱり(結局)彼女は、そんなに急いでここから出て行ったわけじゃない[ここを去ったわけじゃない]みたいね」になるでしょう。
フレンズたちがテレビで見ているシットコムの中でのセリフで、話の前後の流れがわからないので意味を特定しにくいですが、このセリフを言っている女性は、手に白いブラのようなものを持っているようにも見えます。
DVDの日本語訳は、「(字幕)結局 女を連れ込んだのね/(音声)はっ。ホモのふりしてるくせに、女連れ込んだってわけ?」のようになっていました。
「女を連れ込んだ」というセリフの内容が、実際のこのドラマの状況に合っているとして考察してみると、「彼女はそんなに急いでここを去らなかった」→「この部屋にしばらくの間、彼女はいた。その女性とあなたとの間で何かあった」→「あなたはその女性を(そういう目的で)連れ込んだ」ということなのかなと思います。
It looks like で「見た感じ、どうやら〜のように思える・見える」と表現しているのは、手に持っているブラらしきものを発見し、その見たことを状況証拠として、「(こんなものが見つかったってことは)彼女はしばらくこの部屋にいたらしいわね、この部屋で”ゆっくり”あなたと過ごしたみたいね」という意味で、「急いで出て行ったようには見えない」と表現したのだろうと。
(2017.1.27 追記)
非公開コメントにて、この Three's Company のシーンは、2-4 (Season 2 Episode 4) の Strange Bedfellows というエピソードであると教えていただきました。
IMDb (Internet Movie Database) ではこちら↓
Three's Company (1976–1984) Strange Bedfellows (Season 2 Episode 4)
確かに、Connections の項目に、
Featured in
Friends: The One with the Sonogram at the End (1994) (TV Episode)
Phoebe and Chandler watch this episode on TV.
と書いてあります(^^)
早速、2-4 の内容を確認してみました。
ジャック(男性)、ジャネット(黒髪の女性)、クリッシー(金髪の女性)が同居していて、ジャネットとクリッシーが外泊している間に、ジャックが友達をたくさん呼んで wild party (どんちゃん騒ぎのパーティー)を開き、翌日女性二人が帰ってきたら、部屋が散らかり放題となっていた、、というシーン。
クリッシーは床に落ちていた白いブラを拾い、
クリッシー: It looks like somebody left in a hurry. (誰か、急いで出て行ったみたいね。)
その後、ジャネットとクリッシーは、ジャックがベッドで誰か(シーツをかぶっているので誰かはわからない)と寝ているのを発見し、
クリッシー: Huh! Looks like she didn't leave in such a hurry after all. (はっ! 結局、彼女は、そんなに急いでここから出て行ったわけじゃない[ここを去ったわけじゃない]みたいね。)
ですから、フレンズで使われていたこのセリフは、少し前のクリッシーのセリフを受ける形となっていて、最初のセリフは、ブラを忘れて出て行ったらしい女性のことを「ブラを忘れて出て行っちゃうなんて、よほど急いでいたのね」みたいに表現したわけですが、その後、ジャックが誰かと寝ているのを見て、「出て行ったのかと思ったけど、結局、急いで出て行ったわけじゃなかったのね」→「今、ジャックの隣で寝てるのが、このブラの持ち主ね」と表現したことになるでしょう。
私は上の記事で「そんなに急いで出て行ったわけじゃない」→「しばらくここにいた、エッチしていた」みたいな意味のように解釈したのですが、正しくは「ブラを残して慌てて出て行ったのかと思ったら、まだこの部屋にいたのね」という意味のセリフだったということになりそうです。
先に left in a hurry という表現があったので、それとの対比で、didn't leave in such a hurry 「(そう思ったけど、結局)そんなに急いで出て行ったわけではなかった」に繋がっているという仕組みです。
セリフの解釈には「前後の流れ」が大切であることを改めて痛感しました。
貴重な情報ありがとうございました<(_ _)>
(追記はここまで)
このドラマはコメディーなので、男性がゲイであると偽っていることも含め、毎回、様々な誤解(misunderstanding)が生じます。
「おぉ、今回は誤解が生じる話だね」とまるでそれが珍しいことのようにチャンドラーが冗談っぽく言ったところ、「誤解のエピソードなら見た」とテレビを消してしまうのが、何ともフィービーらしいところ。
「誤解が生じる」のが、Three's Company のお決まりのパターンなのに、「そういう話なら見たことある」と言って、その先を見ずに消してしまうのは、「これって水戸黄門が最後に印籠を出すエピソードだよね」と言ったら「そのエピソードなら見た」と言って消してしまうようなものでしょう。
the episode of Three's Company where there's... の where は関係副詞で、where 以下で、Three's Company のエピソードの内容を説明しています。
where 以下は文章の形「 S(主語)+ V(動詞)」になっていて、”その話の中で”「主語がどうするか[どうであるか]」ということを述べているのですね。
このような関係副詞の where は、フレンズの原題(英語タイトル)で、The One where+S+V の形でよく登場します。
The One というのは、The episode とか、The story みたいな意味を、わざと The One という漠然とした表現にしている感覚で、「( S が V する)もの、やつ、話、巻、段」のような感じです。
フレンズの第1話(パイロット版)には、英語の原題が何種類か存在しますが、そのうちの一つが、The One Where It All Began で「すべてはここから始まった、の話」のような意味です。
where という関係副詞を意識して訳すと、「(その話の中で)すべてが始まった、というもの・やつ」のようなニュアンスになります。
Are you through with that? の through with は「〜が済んで、終わって」という意味。
飲み物を取り上げながらそう言っているので、「それ、もう飲み終わってる?」と言っていることになります。
the swallowing slowed me down. を直訳すると、「その飲み込むことが俺(のスピード)を遅くした」のようになるでしょうか。
まだ飲んでいる途中なのに「もう飲み終わったでしょ」とばかりに取り上げられたので、内心むっとしながらも「俺が飲むの、遅くて悪いね」というようなことを皮肉っぽく言おうとした感じですが、「俺」ではなく「飲み込むこと」という動名詞を主語にすることで、飲み込むという行為が俺を遅らせた、飲み込むという行為のせいで俺は遅くなった、のようなニュアンスが出るのだろうと思います。
「別に俺が悪いんじゃない。飲み込むという行為で時間がかかっちゃっただけ」みたいな感覚でしょうね。
a ball of paper は文字通り「紙の球、球形になった紙」ということですから「丸めた紙」。
先ほどジョーイの飲み物を途中で取り上げたように、せかせかと掃除中のモニカは、今度は紙くずが丸めて捨ててあるのを見つけて、「この紙くず、誰のよ?」と怒って尋ねているニュアンスになります。
that would be mine. のように、would が使われているのは、「それは(多分)俺のだろうね」のように、断言せずにはぐらかしている感じですね。
「こんなところに紙くず置いたの、誰よ?!」という批判的な様子なので、「それは俺のものだ」と断言するのは避け、「あぁ、それ俺のじゃないかなぁ」と軽く認めたニュアンスを出したのでしょう。
write a note to myself は「自分のためにメモを書く」ですから「覚え書きとしてメモする」。
note と聞くと、「ノート、ノートブック」を思い出す人が多いですが、note は「記録、覚書、メモ」の意味で、「帳面(ちょうめん)」のノートは notebook になります。
チャンドラーはその紙くずの説明として、「メモとっておこうと思ったけど、そのメモはいらないって気づいたから、それを丸めて…」と言っています。
どうしてその紙くずができたか、という顛末をチャンドラーは語っているわけですが、紙くずを見つけてイライラしているモニカはそんな話を聞いても余計にイライラするだけですよね。
モニカの怒りが増していることに気づいたチャンドラーは、最後に「今、俺、死にたい」みたいなことを言っています。
I wish I were dead. は現実とは反対の仮定を表す仮定法過去。
実際にはチャンドラーは生きているので、「もし(現実とは違って)俺が今、死んでいたらいいのに」と言っているニュアンスの仮定法過去になります。
「いやぁ、メモ書いたけど、結局いらないって気づいちゃってさぁ〜、あはは」みたいに話を流そうと思ったら、余計にモニカの機嫌を損ねてしまったようなので、「メモ書いた、いらないと気づいた、紙をまるめた、、、」の続きとして「あ、俺、今つらい状況にいるみたいだから、死にたい」で話を締めくくった感覚になるわけですね。
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テレビの登場人物(女性): Huh! Looks like she didn't leave in such a hurry after all. (はっ! やっぱり彼女は、そんなに急いでここから出て行ったわけじゃない[ここを去ったわけじゃない]みたいね。)
チャンドラー: Oh, I think this is the episode of Three's Company where there's some kind of misunderstanding. (あぁ、これって、何かしらの誤解がある[誤解が生じる]、スリーズ・カンパニーのエピソードだよね。)
フィービー: Then I've already seen this one. (TURNS OFF TV) (それじゃあ、このエピソード[この話]、私、すでに(前に)見たわ。)
モニカ: (TAKING DRINK FROM JOEY) Are you through with that? ([ジョーイから飲み物を取り上げて] もうそれ済んでる?[それ飲み終わっってる?])
ジョーイ: Yeah, sorry, the swallowing slowed me down. (あぁ、ごめんよ。飲み込むのが遅くて。)
モニカ: Whose little ball of paper is this?! (この丸めたボールは誰のものなの?)
チャンドラー: Oh, that would be mine. See, I wrote a note to myself, and then I realized I didn't need the note, so I balled it up and... (OFF MONICA'S LOOK) ...now I wish I was dead. (あぁ、それは俺のだと思うよ。ほら、俺は自分用にメモを書いたんだ。それから、そのメモは必要ないことに気がついて、それでそのメモを丸めて… [モニカから視線をそらして] …今、俺、死にたい[今、俺、死んでたらいいのに]。)
Three's Company は、70年代後半から80年代前半にアメリカで放送されていたシットコム。
1つのアパートメントに、女性2人、男性1人の計3人が暮らしていて、その男性は女性と同居するために自分はゲイであると偽っている、という設定になっています。
Wikipedia 英語版: Three's Company
英語の諺(ことわざ)に、Two's company, three’s none [a crowd]. というものがあります。
none だと「二人なら友達[仲間、良い連れ]だが、三人だと他人[仲間割れ]」、a crowd の場合は「三人だと群衆[友達ではない]」というような意味になります。
いずれにしても、その諺は「二人はいいけど、三人だともめる、うまくいかない、仲良くできない」みたいな意味で、このシットコムのタイトルは、その諺をもじって、Three's company 「三人はよい連れ、仲間」だと言っている感覚になるでしょう。
テレビの中の女性が言っているセリフ、Huh! Looks like she didn't leave in such a hurry after all. について。
It looks like / Looks like+文 は「(文)のように見える、見た感じから(文)のように思える」なので、このセリフを直訳すると、「やっぱり(結局)彼女は、そんなに急いでここから出て行ったわけじゃない[ここを去ったわけじゃない]みたいね」になるでしょう。
フレンズたちがテレビで見ているシットコムの中でのセリフで、話の前後の流れがわからないので意味を特定しにくいですが、このセリフを言っている女性は、手に白いブラのようなものを持っているようにも見えます。
DVDの日本語訳は、「(字幕)結局 女を連れ込んだのね/(音声)はっ。ホモのふりしてるくせに、女連れ込んだってわけ?」のようになっていました。
「女を連れ込んだ」というセリフの内容が、実際のこのドラマの状況に合っているとして考察してみると、「彼女はそんなに急いでここを去らなかった」→「この部屋にしばらくの間、彼女はいた。その女性とあなたとの間で何かあった」→「あなたはその女性を(そういう目的で)連れ込んだ」ということなのかなと思います。
It looks like で「見た感じ、どうやら〜のように思える・見える」と表現しているのは、手に持っているブラらしきものを発見し、その見たことを状況証拠として、「(こんなものが見つかったってことは)彼女はしばらくこの部屋にいたらしいわね、この部屋で”ゆっくり”あなたと過ごしたみたいね」という意味で、「急いで出て行ったようには見えない」と表現したのだろうと。
(2017.1.27 追記)
非公開コメントにて、この Three's Company のシーンは、2-4 (Season 2 Episode 4) の Strange Bedfellows というエピソードであると教えていただきました。
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Three's Company (1976–1984) Strange Bedfellows (Season 2 Episode 4)
確かに、Connections の項目に、
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Phoebe and Chandler watch this episode on TV.
と書いてあります(^^)
早速、2-4 の内容を確認してみました。
ジャック(男性)、ジャネット(黒髪の女性)、クリッシー(金髪の女性)が同居していて、ジャネットとクリッシーが外泊している間に、ジャックが友達をたくさん呼んで wild party (どんちゃん騒ぎのパーティー)を開き、翌日女性二人が帰ってきたら、部屋が散らかり放題となっていた、、というシーン。
クリッシーは床に落ちていた白いブラを拾い、
クリッシー: It looks like somebody left in a hurry. (誰か、急いで出て行ったみたいね。)
その後、ジャネットとクリッシーは、ジャックがベッドで誰か(シーツをかぶっているので誰かはわからない)と寝ているのを発見し、
クリッシー: Huh! Looks like she didn't leave in such a hurry after all. (はっ! 結局、彼女は、そんなに急いでここから出て行ったわけじゃない[ここを去ったわけじゃない]みたいね。)
ですから、フレンズで使われていたこのセリフは、少し前のクリッシーのセリフを受ける形となっていて、最初のセリフは、ブラを忘れて出て行ったらしい女性のことを「ブラを忘れて出て行っちゃうなんて、よほど急いでいたのね」みたいに表現したわけですが、その後、ジャックが誰かと寝ているのを見て、「出て行ったのかと思ったけど、結局、急いで出て行ったわけじゃなかったのね」→「今、ジャックの隣で寝てるのが、このブラの持ち主ね」と表現したことになるでしょう。
私は上の記事で「そんなに急いで出て行ったわけじゃない」→「しばらくここにいた、エッチしていた」みたいな意味のように解釈したのですが、正しくは「ブラを残して慌てて出て行ったのかと思ったら、まだこの部屋にいたのね」という意味のセリフだったということになりそうです。
先に left in a hurry という表現があったので、それとの対比で、didn't leave in such a hurry 「(そう思ったけど、結局)そんなに急いで出て行ったわけではなかった」に繋がっているという仕組みです。
セリフの解釈には「前後の流れ」が大切であることを改めて痛感しました。
貴重な情報ありがとうございました<(_ _)>
(追記はここまで)
このドラマはコメディーなので、男性がゲイであると偽っていることも含め、毎回、様々な誤解(misunderstanding)が生じます。
「おぉ、今回は誤解が生じる話だね」とまるでそれが珍しいことのようにチャンドラーが冗談っぽく言ったところ、「誤解のエピソードなら見た」とテレビを消してしまうのが、何ともフィービーらしいところ。
「誤解が生じる」のが、Three's Company のお決まりのパターンなのに、「そういう話なら見たことある」と言って、その先を見ずに消してしまうのは、「これって水戸黄門が最後に印籠を出すエピソードだよね」と言ったら「そのエピソードなら見た」と言って消してしまうようなものでしょう。
the episode of Three's Company where there's... の where は関係副詞で、where 以下で、Three's Company のエピソードの内容を説明しています。
where 以下は文章の形「 S(主語)+ V(動詞)」になっていて、”その話の中で”「主語がどうするか[どうであるか]」ということを述べているのですね。
このような関係副詞の where は、フレンズの原題(英語タイトル)で、The One where+S+V の形でよく登場します。
The One というのは、The episode とか、The story みたいな意味を、わざと The One という漠然とした表現にしている感覚で、「( S が V する)もの、やつ、話、巻、段」のような感じです。
フレンズの第1話(パイロット版)には、英語の原題が何種類か存在しますが、そのうちの一つが、The One Where It All Began で「すべてはここから始まった、の話」のような意味です。
where という関係副詞を意識して訳すと、「(その話の中で)すべてが始まった、というもの・やつ」のようなニュアンスになります。
Are you through with that? の through with は「〜が済んで、終わって」という意味。
飲み物を取り上げながらそう言っているので、「それ、もう飲み終わってる?」と言っていることになります。
the swallowing slowed me down. を直訳すると、「その飲み込むことが俺(のスピード)を遅くした」のようになるでしょうか。
まだ飲んでいる途中なのに「もう飲み終わったでしょ」とばかりに取り上げられたので、内心むっとしながらも「俺が飲むの、遅くて悪いね」というようなことを皮肉っぽく言おうとした感じですが、「俺」ではなく「飲み込むこと」という動名詞を主語にすることで、飲み込むという行為が俺を遅らせた、飲み込むという行為のせいで俺は遅くなった、のようなニュアンスが出るのだろうと思います。
「別に俺が悪いんじゃない。飲み込むという行為で時間がかかっちゃっただけ」みたいな感覚でしょうね。
a ball of paper は文字通り「紙の球、球形になった紙」ということですから「丸めた紙」。
先ほどジョーイの飲み物を途中で取り上げたように、せかせかと掃除中のモニカは、今度は紙くずが丸めて捨ててあるのを見つけて、「この紙くず、誰のよ?」と怒って尋ねているニュアンスになります。
that would be mine. のように、would が使われているのは、「それは(多分)俺のだろうね」のように、断言せずにはぐらかしている感じですね。
「こんなところに紙くず置いたの、誰よ?!」という批判的な様子なので、「それは俺のものだ」と断言するのは避け、「あぁ、それ俺のじゃないかなぁ」と軽く認めたニュアンスを出したのでしょう。
write a note to myself は「自分のためにメモを書く」ですから「覚え書きとしてメモする」。
note と聞くと、「ノート、ノートブック」を思い出す人が多いですが、note は「記録、覚書、メモ」の意味で、「帳面(ちょうめん)」のノートは notebook になります。
チャンドラーはその紙くずの説明として、「メモとっておこうと思ったけど、そのメモはいらないって気づいたから、それを丸めて…」と言っています。
どうしてその紙くずができたか、という顛末をチャンドラーは語っているわけですが、紙くずを見つけてイライラしているモニカはそんな話を聞いても余計にイライラするだけですよね。
モニカの怒りが増していることに気づいたチャンドラーは、最後に「今、俺、死にたい」みたいなことを言っています。
I wish I were dead. は現実とは反対の仮定を表す仮定法過去。
実際にはチャンドラーは生きているので、「もし(現実とは違って)俺が今、死んでいたらいいのに」と言っているニュアンスの仮定法過去になります。
「いやぁ、メモ書いたけど、結局いらないって気づいちゃってさぁ〜、あはは」みたいに話を流そうと思ったら、余計にモニカの機嫌を損ねてしまったようなので、「メモ書いた、いらないと気づいた、紙をまるめた、、、」の続きとして「あ、俺、今つらい状況にいるみたいだから、死にたい」で話を締めくくった感覚になるわけですね。
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2017年01月16日
何が起こるかはわからないけどね フレンズ1-2改その5
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3:25
ロス: So what's new? Still a... (それで何か新しいことは? まだ…)
キャロル: A lesbian? ((まだ)レズビアンか、って?)
ロス: Well.... You never know. How's, um.. how's the family? (うーん…。(この先、何が起こるかは)わからないけどね。家族は元気?)
キャロル: Marty's still totally paranoid. Oh, and, uh- (マーティはまだ全くパラノイドのままよ。あぁ、それで…)
ロス: Carol, why are you here, Carol? (キャロル、どうして君はここにいるの[どうしてここに来たの]、キャロル。)
キャロル: I'm pregnant. (私、妊娠してるの。)
ロス: Pregnant! (妊娠!)
ロスは What's new? と尋ねています。
「何が新しい? 新しいことは何?」という感覚ですから、「(最近)何か(変わったこと)あった?」と相手の近況を尋ねるニュアンスになります。
Still a... と言いかけると、キャロルはその言葉の続きを察知した様子で、A lesbian? と続けています。
Still a... のように、その後、単数形の名詞が続くことが示唆されていますので、「君はまだ(ある一人の)〜なのかい?」みたいな質問になりますから、「まだレズビアンのまま、ってあなたは聞きたいの?」とキャロルが先に言ったことになります。
ロスが質問をする際には、その言葉を出すまでにためらいがあるようでしたが、キャロルは何のためらいもなく即答しているところに、「えぇ、それが私なのよ」とでも言いたげな堂々とした雰囲気が感じられますね。
キャロルが「もちろん今でもそうよ」とうんうん頷いた後、ロスは You never know. と言っていますが、You never know. は「先のことは(どうなるか)わからない」「さあどうだかね」のようなニュアンスで使われる言葉。
このような簡単な言葉でできたフレーズほど、ノンネイティブには意味がピンと来ない場合も多いですが、そういう場合には英英辞典の説明が参考になるように思います。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、know と never の両方の項目にフレーズとして挙げられていて、まず know の方では以下のように説明されています。
you never know : used to say that you are not sure what will happen
例) He might say yes. You never know.
つまり、「何が起こるか確信していないと言うために使われる」。
例文は「彼はイエスと言うかもしれないよ。(どうなるかなんて)わからないだろ」。
never の方では、
you never know : used to say that something that seems unlikely could happen
例) You never know, Paul might love it.
つまり、「起こりそうもないと思えることが起こる可能性があると言うために使われる」。
例文は、「わからないだろ、ポールはそれが好きかもしれないよ」。
Macmillan Dictionary では、
you never know : used for saying that something might be possible even though it does not seem likely
例) You never know - he might offer you a part in his movie
つまり、「何かがあり得る・起こり得るかもしれないと言うために使われる、たとえそれが起こりそうに思えない場合であっても」。例文は「わからないだろ、彼が自分の映画のある役を君にオファーするかもしれないぞ」。
英英辞典の3つの例文は、どれも might 「かもしれない」という助動詞が使われていますね。
「〜かもしれない、先のことなんか誰にもわからないだろ」が共通したニュアンスということになるでしょう。
ロスは、You never know. を軽くさらっと言っているだけですが、その言葉の意味することは、「私は今もレズビアンで、これからもずっとそうよ」と言いたげな元妻キャロルに対して、「そんなことはわからない。ずっとそうだとは言い切れない」のようなことなのだろうと思います。
ロスはキャロルにまだ未練があって、いつかレズビアンではないと気付く日が来るかもしれないだろ、と信じたい気持ちがどこかにあるのかな、という気がします。
ロスは、キャロルの家族の様子を尋ねています。
キャロルの親や兄弟姉妹のことを聞く感覚ですね。
マーティは今でもパラノイドよ、と言っていますが、paranoid は英和辞典では「誇大・被害妄想的な、(病的なほど)疑り深い、猜疑心が強い」などと出ています。
LAAD では、
paranoid : [adjective] : believing that you cannot trust other people, that other people want to harm you, or that you are always in danger
つまり、「自分が他人を信用することができない、他人が自分を傷つけたいと思っている、自分が常に危険な状態にいる、ということを信じている」。
恐らくマーティは、キャロルの男兄弟か何かで、ロスが知っている頃と変わらず、今もそういう状態にある、と言っていることになるでしょう。
話を続けようとするキャロルに、ロスは「キャロル、どうして君はここにいるの?」と率直に尋ねます。
家を出て行った後に、わざわざ僕の職場にまでやって来たのは何か他に理由があるんだろ? 別に自分の家族の話をしに来たわけじゃないんだろ? と言いたいのですね。
少し間があって、キャロルは、I'm pregnant. と言っています。
ロスは、後ろに立っているマネキンと同じポーズで、驚きのしぐさで Pregnant! と繰り返していますね。
pregnant は「妊娠した」で、pregnancy は「妊娠」。
日英問わず、どんなドラマや映画でも、「妊娠」という出来事はストーリー上重要な意味を持つはずですから、pregnant というキーワードが聞き取れるかどうかは、ストーリーを理解する上で、大きなポイントになると言えるでしょう。
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3:25
ロス: So what's new? Still a... (それで何か新しいことは? まだ…)
キャロル: A lesbian? ((まだ)レズビアンか、って?)
ロス: Well.... You never know. How's, um.. how's the family? (うーん…。(この先、何が起こるかは)わからないけどね。家族は元気?)
キャロル: Marty's still totally paranoid. Oh, and, uh- (マーティはまだ全くパラノイドのままよ。あぁ、それで…)
ロス: Carol, why are you here, Carol? (キャロル、どうして君はここにいるの[どうしてここに来たの]、キャロル。)
キャロル: I'm pregnant. (私、妊娠してるの。)
ロス: Pregnant! (妊娠!)
ロスは What's new? と尋ねています。
「何が新しい? 新しいことは何?」という感覚ですから、「(最近)何か(変わったこと)あった?」と相手の近況を尋ねるニュアンスになります。
Still a... と言いかけると、キャロルはその言葉の続きを察知した様子で、A lesbian? と続けています。
Still a... のように、その後、単数形の名詞が続くことが示唆されていますので、「君はまだ(ある一人の)〜なのかい?」みたいな質問になりますから、「まだレズビアンのまま、ってあなたは聞きたいの?」とキャロルが先に言ったことになります。
ロスが質問をする際には、その言葉を出すまでにためらいがあるようでしたが、キャロルは何のためらいもなく即答しているところに、「えぇ、それが私なのよ」とでも言いたげな堂々とした雰囲気が感じられますね。
キャロルが「もちろん今でもそうよ」とうんうん頷いた後、ロスは You never know. と言っていますが、You never know. は「先のことは(どうなるか)わからない」「さあどうだかね」のようなニュアンスで使われる言葉。
このような簡単な言葉でできたフレーズほど、ノンネイティブには意味がピンと来ない場合も多いですが、そういう場合には英英辞典の説明が参考になるように思います。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、know と never の両方の項目にフレーズとして挙げられていて、まず know の方では以下のように説明されています。
you never know : used to say that you are not sure what will happen
例) He might say yes. You never know.
つまり、「何が起こるか確信していないと言うために使われる」。
例文は「彼はイエスと言うかもしれないよ。(どうなるかなんて)わからないだろ」。
never の方では、
you never know : used to say that something that seems unlikely could happen
例) You never know, Paul might love it.
つまり、「起こりそうもないと思えることが起こる可能性があると言うために使われる」。
例文は、「わからないだろ、ポールはそれが好きかもしれないよ」。
Macmillan Dictionary では、
you never know : used for saying that something might be possible even though it does not seem likely
例) You never know - he might offer you a part in his movie
つまり、「何かがあり得る・起こり得るかもしれないと言うために使われる、たとえそれが起こりそうに思えない場合であっても」。例文は「わからないだろ、彼が自分の映画のある役を君にオファーするかもしれないぞ」。
英英辞典の3つの例文は、どれも might 「かもしれない」という助動詞が使われていますね。
「〜かもしれない、先のことなんか誰にもわからないだろ」が共通したニュアンスということになるでしょう。
ロスは、You never know. を軽くさらっと言っているだけですが、その言葉の意味することは、「私は今もレズビアンで、これからもずっとそうよ」と言いたげな元妻キャロルに対して、「そんなことはわからない。ずっとそうだとは言い切れない」のようなことなのだろうと思います。
ロスはキャロルにまだ未練があって、いつかレズビアンではないと気付く日が来るかもしれないだろ、と信じたい気持ちがどこかにあるのかな、という気がします。
ロスは、キャロルの家族の様子を尋ねています。
キャロルの親や兄弟姉妹のことを聞く感覚ですね。
マーティは今でもパラノイドよ、と言っていますが、paranoid は英和辞典では「誇大・被害妄想的な、(病的なほど)疑り深い、猜疑心が強い」などと出ています。
LAAD では、
paranoid : [adjective] : believing that you cannot trust other people, that other people want to harm you, or that you are always in danger
つまり、「自分が他人を信用することができない、他人が自分を傷つけたいと思っている、自分が常に危険な状態にいる、ということを信じている」。
恐らくマーティは、キャロルの男兄弟か何かで、ロスが知っている頃と変わらず、今もそういう状態にある、と言っていることになるでしょう。
話を続けようとするキャロルに、ロスは「キャロル、どうして君はここにいるの?」と率直に尋ねます。
家を出て行った後に、わざわざ僕の職場にまでやって来たのは何か他に理由があるんだろ? 別に自分の家族の話をしに来たわけじゃないんだろ? と言いたいのですね。
少し間があって、キャロルは、I'm pregnant. と言っています。
ロスは、後ろに立っているマネキンと同じポーズで、驚きのしぐさで Pregnant! と繰り返していますね。
pregnant は「妊娠した」で、pregnancy は「妊娠」。
日英問わず、どんなドラマや映画でも、「妊娠」という出来事はストーリー上重要な意味を持つはずですから、pregnant というキーワードが聞き取れるかどうかは、ストーリーを理解する上で、大きなポイントになると言えるでしょう。
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2017年01月13日
京都セミナーのチラシ設置されました
2月5日(日)開催の京都セミナーにつきまして、会場となる NHK文化センター京都教室さんが、イベント告知のチラシを作って下さいました!
NHK文化センター京都教室さんは、四条通沿いの四条SETビル(京都市下京区四条通柳馬場西入ル)の 3F にあります。
その四条SETビルの前、日本赤十字社の看板の右に、以下のようにチラシの棚が用意されています。
そこにはこんな感じ↓で、私のセミナーのチラシを置いて下さっています! (右側の上から2段目)
お近くを通られた時には、手に取ってご覧いただけるととても嬉しいです(^^)
既にお申し込みいただいた皆様、本当にありがとうございます!
皆様にお会いできるのを、とってもとっても楽しみにしていますね♪
詳細とお申込は、以下の京都教室さんのページをご覧下さい。
NHK文化センター京都教室 2/5 海外ドラマDVD英語学習法
どうかよろしくお願いいたします<(_ _)>
P.S. 「フレンズ解説記事」は、今日、この下に(1つ前の記事として)投稿しています。
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直立する人は誰でも フレンズ1-2改その4
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2:32
マーシャ: Speaking of issues, isn't that your ex-wife? (問題と言えば、あれは[あそこにいるのは]あなたの元奥さんじゃない?)
(CAROL HAS ENTERED BEHIND THEM, OUTSIDE THE EXHIBIT)
キャロルは二人の後ろに入ってきている、展示の外に。
ロス: (TRYING TO IGNORE HER) No. No. ([キャロルを無視しようとして] いや、違う。)
マーシャ: Yes, it is. Carol, hi! (そうよ[あなたの奥さんよ]。キャロル、はーい!)
ロス: Okay, okay, yes, it is. (WAVING) How about I'll, uh, catch up with you in the Ice Age. (わかった、わかった、そうだよ(元妻だよ)。[手を振りながら] 氷河期で君に追いつく、っていうのはどうかな?)
(EXIT MARSHA. ROSS WAVES AT CAROL TO COME INTO THE EXHIBIT)
マーシャ退場。ロスは展示の中に来るようにと、キャロルに手で合図する。
ロス: Hi. (やあ。)
キャロル: So.... (それで…)
ロス: You look great. I, uh... I hate that. (素敵に見えるね。あぁ、それは憎らしいけど[嫌だけど]。)
キャロル: Sorry. Thanks. You look good too. (ごめんね。ありがとう。あなたも素敵に[元気に]見えるわ。)
ロス: Ah, well, you know, in here, anyone who... stands erect.... (あぁ、ほら、ここでは、直立する人は誰でも…(素敵に[元気に]見えるんだよ)。)
speaking of は「〜と言えば、〜について言えば、〜の話のついでに言うと」。
少し前のシーンで、洞穴に住む人々が抱えている問題(issues)の話題が出ていたので、それを受ける形で、issues と言えば、あそこにいる元妻さんもあなたの問題の一つよね、という形で話題に出した感覚になります。
ex-wife は「前妻、元妻」。
ex- という接頭語は「前の、元〜」という意味。
ex-boyfriend なら「前の[昔の]彼氏(恋人)、元カレ」。
付き合った、別れた、という恋愛話が多い「フレンズ」では、ex- のついた単語がたくさん登場します。
ex-husband, ex-wife のように後ろに名詞が付く以外に、one's ex という形でも「元夫、元妻、元恋人(元カレ、元カノ)」という意味で使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
ex- [prefix] : no longer in a particular relationship or position, but still alive
例) my ex-wife, an ex-President
ex [noun, countable, usually singular] : somebody's ex (informal) someone's former wife, husband, girlfriend, or boyfriend
つまり、接頭辞の方は「もはや特別な関係や地位にはいないけれど、まだ生きている」。例は「私の元妻、元大統領」。
名詞の方は「誰かの元の妻、夫、彼女、彼氏」。
「元奥さん」と言われると、離婚したことを指摘されたようでロスは嫌だったのでしょうか、「あれは元嫁じゃないよ」みたいに、No. No. と否定してみせるのですが、マーシャは、Yes, it is. と言っています。
ロスが否定したことに対して、Yes, it is your ex-wife. と肯定の形で反論したことになります。
マーシャがキャロルに挨拶までするので、無視切ることもできず、ロスは yes, it is (my ex-wife). と認め、How about 以下のセリフを言っています。
How about I'll... は、「僕が(この後)〜する、っていうのはどうかな?」という感覚。
catch up with は「〜に追いつく」で、the Ice Age は「氷河期」。
少し前のやり取りでは、glacier 「氷河」という単語も出てきていました。
2002年には「アイス・エイジ」(原題 Ice Age)という氷河期を舞台にした映画もありましたね。
ロスは今、先史博物館で、展示の作業をしているため、「氷河期の展示のところで君に追いつくよ」とマーシャに言ったことになるでしょう。
つまりは、「元妻のキャロルが来たのでちょっと話をするから、先に氷河期の展示の方に行ってて。キャロルとの話が済んだら、そっちに行くから」と言っているわけですね。
ただ、このセリフだけを聞いていると、「(太古の)氷河期で君に追いつくよ」というセリフが、I'll catch up with you 「後で君に追いつく」という未来表現なのに、その会う時期が過去の時代になっているという意味で、まるでタイムトラベル物のような雰囲気を醸し出している面白さになるのかなと思います。
日本語で「江戸時代で君に追いつくから」と言ったら、「過去の時代で追いつく、って?」と不思議な感覚がするのと同じことでしょうね。
ロスは展示の中に入ってくるようにと元妻キャロルに合図します。
ロスが展示のマネキンの腕を触っていたら、腕が取れてしまい、それを持ったままハグしたために、ロスの手がマネキンみたいになっている、という映像の面白さもありますね。
You look great. は「素敵に見えるね、素敵だね」ということで、その次の I hate that. は「そのことが嫌だ、そのことが憎い」という感覚。
自分を捨てて出て行った妻が、自分との別れによって、やつれたりすることなく、今も魅力的であることを「何だかしゃくだな」と言った感じでしょう。
その後、キャロルもお返しのように、あなたも good に見えるわ、と言っていますが、それに対してのロスのセリフ、in here, anyone who... stands erect.... について。
erect というのは「直立の」という意味で、stand erect は「直立する、直立している」「背筋をまっすぐに伸ばして立っている」という感覚。
このセリフを直訳すると、「ここの中[この展示の中]では、直立する人は誰でも…」のようになるでしょう。
anyone stands erect であれば「誰もが直立する」になりますが、関係代名詞の who があるので、anyone who stands erect 「直立する人は誰でも」という意味になり、この部分は文の主語に当たると考えられます。
ロスは、stands erect.... の後、あえて何も言っていませんが、ここまでが主語だとすると、それに続く動詞は、その前にキャロルが言った、You look good too. の look good だと考えるのが自然ですね。
ロスの言葉を補って書くと、in here, anyone who stands erect looks good. つまり「この展示の中では、直立する人は誰でも good に見える」という意味になると考えられます。
ここで stand erect という言葉を使ったのは「直立二足歩行」が人類の進化の過程において、種の区分のポイントとなるからですね。
更新世のヒト科にホモ・エレクトス(Homo erectus)という種が存在していましたが、erectus が「直立する」なので、その学名は「直立するヒト」という意味になります。
今二人がいるのは、cave people が展示されているエリアで、そのマネキンは普通に直立しているように見えますし、極端に背中や腰が曲がっている様子でもないのですが、ロスとしては「直立へと進化しつつあるような太古の人々の中にいれば、直立している人なら誰でもしゃんとして(元気に)見える」のように言ってみせたのかなぁ、と思います。
「cave people と比較すると、現代人(ホモ・サピエンス)は完全に直立しているから、この展示の中では良く見えるんだよね」のように言うことで、「あなたも素敵ね。元気そうね」という社交辞令のようなキャロルの言葉を、「そりゃこの展示の中にいれば、ホモ・サピエンスなら誰でも良く見えるさ」のように、自分の専門分野と絡めて、少し自虐的に言った感覚になるのだろうと思います。
ちなみに、この erect という単語には、エッチ系の意味として「あの部分が立つ」という意味もあります。
アカデミックな辞書で、お下品な意味はあまり載っていない傾向の LAAD にもその意味はしっかり載っていました。
Homo erectus という学名があるように、人類の進化の話には、erect という言葉は付き物で、フレンズ2-15 では、その言葉をエッチな意味の erect だと勘違いするというやりとりも登場します。
今回のこのセリフについては「背筋を伸ばしてまっすぐ・しゃんと立つ」という意味だと考えられますが、erect や erection 「直立、起立」という単語には、そういうエッチ系の「立つ」というイメージもあるということを知っておくことは、今後、ドラマや映画で英語を学ばれるにあたり、無駄にはならないかと思い、書かせていただきました^^
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2:32
マーシャ: Speaking of issues, isn't that your ex-wife? (問題と言えば、あれは[あそこにいるのは]あなたの元奥さんじゃない?)
(CAROL HAS ENTERED BEHIND THEM, OUTSIDE THE EXHIBIT)
キャロルは二人の後ろに入ってきている、展示の外に。
ロス: (TRYING TO IGNORE HER) No. No. ([キャロルを無視しようとして] いや、違う。)
マーシャ: Yes, it is. Carol, hi! (そうよ[あなたの奥さんよ]。キャロル、はーい!)
ロス: Okay, okay, yes, it is. (WAVING) How about I'll, uh, catch up with you in the Ice Age. (わかった、わかった、そうだよ(元妻だよ)。[手を振りながら] 氷河期で君に追いつく、っていうのはどうかな?)
(EXIT MARSHA. ROSS WAVES AT CAROL TO COME INTO THE EXHIBIT)
マーシャ退場。ロスは展示の中に来るようにと、キャロルに手で合図する。
ロス: Hi. (やあ。)
キャロル: So.... (それで…)
ロス: You look great. I, uh... I hate that. (素敵に見えるね。あぁ、それは憎らしいけど[嫌だけど]。)
キャロル: Sorry. Thanks. You look good too. (ごめんね。ありがとう。あなたも素敵に[元気に]見えるわ。)
ロス: Ah, well, you know, in here, anyone who... stands erect.... (あぁ、ほら、ここでは、直立する人は誰でも…(素敵に[元気に]見えるんだよ)。)
speaking of は「〜と言えば、〜について言えば、〜の話のついでに言うと」。
少し前のシーンで、洞穴に住む人々が抱えている問題(issues)の話題が出ていたので、それを受ける形で、issues と言えば、あそこにいる元妻さんもあなたの問題の一つよね、という形で話題に出した感覚になります。
ex-wife は「前妻、元妻」。
ex- という接頭語は「前の、元〜」という意味。
ex-boyfriend なら「前の[昔の]彼氏(恋人)、元カレ」。
付き合った、別れた、という恋愛話が多い「フレンズ」では、ex- のついた単語がたくさん登場します。
ex-husband, ex-wife のように後ろに名詞が付く以外に、one's ex という形でも「元夫、元妻、元恋人(元カレ、元カノ)」という意味で使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
ex- [prefix] : no longer in a particular relationship or position, but still alive
例) my ex-wife, an ex-President
ex [noun, countable, usually singular] : somebody's ex (informal) someone's former wife, husband, girlfriend, or boyfriend
つまり、接頭辞の方は「もはや特別な関係や地位にはいないけれど、まだ生きている」。例は「私の元妻、元大統領」。
名詞の方は「誰かの元の妻、夫、彼女、彼氏」。
「元奥さん」と言われると、離婚したことを指摘されたようでロスは嫌だったのでしょうか、「あれは元嫁じゃないよ」みたいに、No. No. と否定してみせるのですが、マーシャは、Yes, it is. と言っています。
ロスが否定したことに対して、Yes, it is your ex-wife. と肯定の形で反論したことになります。
マーシャがキャロルに挨拶までするので、無視切ることもできず、ロスは yes, it is (my ex-wife). と認め、How about 以下のセリフを言っています。
How about I'll... は、「僕が(この後)〜する、っていうのはどうかな?」という感覚。
catch up with は「〜に追いつく」で、the Ice Age は「氷河期」。
少し前のやり取りでは、glacier 「氷河」という単語も出てきていました。
2002年には「アイス・エイジ」(原題 Ice Age)という氷河期を舞台にした映画もありましたね。
ロスは今、先史博物館で、展示の作業をしているため、「氷河期の展示のところで君に追いつくよ」とマーシャに言ったことになるでしょう。
つまりは、「元妻のキャロルが来たのでちょっと話をするから、先に氷河期の展示の方に行ってて。キャロルとの話が済んだら、そっちに行くから」と言っているわけですね。
ただ、このセリフだけを聞いていると、「(太古の)氷河期で君に追いつくよ」というセリフが、I'll catch up with you 「後で君に追いつく」という未来表現なのに、その会う時期が過去の時代になっているという意味で、まるでタイムトラベル物のような雰囲気を醸し出している面白さになるのかなと思います。
日本語で「江戸時代で君に追いつくから」と言ったら、「過去の時代で追いつく、って?」と不思議な感覚がするのと同じことでしょうね。
ロスは展示の中に入ってくるようにと元妻キャロルに合図します。
ロスが展示のマネキンの腕を触っていたら、腕が取れてしまい、それを持ったままハグしたために、ロスの手がマネキンみたいになっている、という映像の面白さもありますね。
You look great. は「素敵に見えるね、素敵だね」ということで、その次の I hate that. は「そのことが嫌だ、そのことが憎い」という感覚。
自分を捨てて出て行った妻が、自分との別れによって、やつれたりすることなく、今も魅力的であることを「何だかしゃくだな」と言った感じでしょう。
その後、キャロルもお返しのように、あなたも good に見えるわ、と言っていますが、それに対してのロスのセリフ、in here, anyone who... stands erect.... について。
erect というのは「直立の」という意味で、stand erect は「直立する、直立している」「背筋をまっすぐに伸ばして立っている」という感覚。
このセリフを直訳すると、「ここの中[この展示の中]では、直立する人は誰でも…」のようになるでしょう。
anyone stands erect であれば「誰もが直立する」になりますが、関係代名詞の who があるので、anyone who stands erect 「直立する人は誰でも」という意味になり、この部分は文の主語に当たると考えられます。
ロスは、stands erect.... の後、あえて何も言っていませんが、ここまでが主語だとすると、それに続く動詞は、その前にキャロルが言った、You look good too. の look good だと考えるのが自然ですね。
ロスの言葉を補って書くと、in here, anyone who stands erect looks good. つまり「この展示の中では、直立する人は誰でも good に見える」という意味になると考えられます。
ここで stand erect という言葉を使ったのは「直立二足歩行」が人類の進化の過程において、種の区分のポイントとなるからですね。
更新世のヒト科にホモ・エレクトス(Homo erectus)という種が存在していましたが、erectus が「直立する」なので、その学名は「直立するヒト」という意味になります。
今二人がいるのは、cave people が展示されているエリアで、そのマネキンは普通に直立しているように見えますし、極端に背中や腰が曲がっている様子でもないのですが、ロスとしては「直立へと進化しつつあるような太古の人々の中にいれば、直立している人なら誰でもしゃんとして(元気に)見える」のように言ってみせたのかなぁ、と思います。
「cave people と比較すると、現代人(ホモ・サピエンス)は完全に直立しているから、この展示の中では良く見えるんだよね」のように言うことで、「あなたも素敵ね。元気そうね」という社交辞令のようなキャロルの言葉を、「そりゃこの展示の中にいれば、ホモ・サピエンスなら誰でも良く見えるさ」のように、自分の専門分野と絡めて、少し自虐的に言った感覚になるのだろうと思います。
ちなみに、この erect という単語には、エッチ系の意味として「あの部分が立つ」という意味もあります。
アカデミックな辞書で、お下品な意味はあまり載っていない傾向の LAAD にもその意味はしっかり載っていました。
Homo erectus という学名があるように、人類の進化の話には、erect という言葉は付き物で、フレンズ2-15 では、その言葉をエッチな意味の erect だと勘違いするというやりとりも登場します。
今回のこのセリフについては「背筋を伸ばしてまっすぐ・しゃんと立つ」という意味だと考えられますが、erect や erection 「直立、起立」という単語には、そういうエッチ系の「立つ」というイメージもあるということを知っておくことは、今後、ドラマや映画で英語を学ばれるにあたり、無駄にはならないかと思い、書かせていただきました^^
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