2017年02月04日

お前の最大の仕事は済んだ フレンズ1-2改その13

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は10位、「にほんブログ村」は7位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


7:41
モニカ: What does she mean by "involved"? (involved (関わる、関わりを持つ)ってどういう意味なの?)
チャンドラー: I mean presumably, the biggest part of your job is done. (俺が思うに、お前の最大の仕事[一番大きな仕事]は済んだだろ。)
ロス: Anyway, they want me to go down to this… sonogram thing with them tomorrow. (とにかく、二人は僕に一緒に行って欲しいんだよ、明日の超音波診断の件でね。)
レイチェル: So what are you gonna do? (それで、あなたはどうするつもり?)
ロス: I have no idea. No matter what I do, though, I'm still gonna be a father. (わからないよ。でも、僕がどうしようと、僕が父親になることには変わりない。)
(AT THE SOUND OF JOEY EATING THE LASAGNE, THE GANG TURN ROUND TO STARE AT HIM ACCUSINGLY)
ジョーイがラザニアを食べる音で、ギャング(フレンズ)たちは振り返り、ジョーイを非難がましく見つめる。
ジョーイ: This is still ruined, right? (これはダメになった[おじゃんになった]ままだろ?)

キャロルたちが使った involved という言葉が抽象的過ぎてよくわからないようで、モニカは「元妻キャロルが妊娠したことに関わる」とはどういうことか、その具体的な内容や意味を尋ねています。
直訳すると、「キャロルは、involved という言葉で何を意味しているのか?」ということですから、「彼女が言ってる involved ってどういう意味? どういうこと?」という質問になりますね。

presumably は「たぶん、思うに」。
the biggest part of your job は「お前の仕事の最も大きな部分」。
「妊娠に関して、男性が行う仕事」の話ですから、つまりは「エッチをして、キャロルを妊娠させたこと」を指しています。
今後、キャロルの妊娠の件に関わるといっても、その仕事の一番大きな部分については済んでいるはずだから、それ以上に男のお前に何を関われ、って言うんだ? というニュアンスですね。

they want me to go down to... のセリフについて。
go down には、down 「下に、下へ」という言葉が入っていますが、ここでは特に下方向へのニュアンスはなく、「少し離れた場所へ行く」という感覚になるでしょう。
研究社 新英和中辞典では、
down=【副】 (特定の場所・話者のいる所から)離れて
go down to the station 駅まで行く。
go down to one's office in the city 町のオフィスへ行く。


LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
go down : GO SOMEWHERE NEARBY to go to a place near where you live
例) I'm going down to the library.

つまり、「(すぐ近くのどこかに行く) 自分が住んでいるところの近くの場所に行くこと」。例文は「僕は図書館に行くつもりだ」。

down は「下へ」の他に「南へ」という意味で使われることもあるので、go down は「ビルの高い階にいる場合に、階下に行く」ことや「(北から)南へ行く」という意味で使われることもあります。
ですが今回のセリフについては、「下へ」「南へ」というはっきりした方向性のニュアンスはなく「離れた場所へ」という程度になるでしょう。

sonogram は「ソノグラム、超音波診断器」。
今回のエピソードの英語タイトルにも登場している単語で、胎児の様子を超音波を使って観察できるようにした装置。
妊婦健診では毎回、胎児の超音波診断が行われ、私も健診のたびに、その写真をいただいたものでした(^^)

they want me to go down to this… sonogram thing with them tomorrow. というセリフは、途中に間(ま)もありますので、その間も意識しつつ、前から順番にイメージしていくと、
「二人(キャロルとスーザン)は、僕に行って欲しいと思ってる、、ソノグラムのやつに、彼女たちと一緒に、明日」のようになるでしょうか。
彼女たちが僕に行って欲しいと思ってるのは、赤ちゃんの超音波診断で、with them がつくことで、「彼女たちと一緒にロスにも来て欲しい」と言っていることがわかります。
自然な日本語にすると、「明日、ソノグラムの件で、彼女たちと一緒に僕にも行って欲しいってさ」というところですが、文章を最後まで聞いて、自然な日本語にしようとするのではなく、区切れごとにイメージして情報を付け足すようにしないと、英語のスピードについていけませんので注意しましょう。

レイチェルに「あなたはどうするつもり?」と聞かれ、ロスは「わからない」と答えます。
no matter what I do は「たとえ僕が何をしようとも」。
I'm still gonna be a father. の still は「まだ、依然として」「それでもなお、やはり」という意味で、前の状態がその時点でもまだ続いている、という感覚を表します。
LAAD では、
still [adverb] : used to emphasize that a situation has continued up to now or another particular point in time and is continuing at that moment
つまり、「ある状況が今まで、またはある時点まで続いてきて、その時点でも続いていることを強調するために使われる」。
「続いてきて、その前の状態が今も続いている」という感覚の「まだ、依然として」なわけですね。

I'm gonna be a father. だと「僕は(一人の)父親になる」ですが、そこに still がつくことで、明日の超音波診断に同行しようがしまいが、僕はやっぱり父親になることになる、僕がどうしようと、僕が父親になることには変わりない、と言っている感覚になるでしょう。

「どのみち、僕が父親になるのは間違いないんだから」のようなロスの話を、フレンズたちはしんみりした様子で聞いていますが、そんな中、お皿をフォークでカチャカチャしている音が聞こえてきます。
みんなが振り返ると、ジョーイがラザニアにフォークを突っ込んでいて、This is still ruined, right? と言っています。
ruin は「破滅させる、台無しにする、めちゃめちゃにする」という他動詞で、ruined は「だめになった、台無しになった」という状態。
ラザニアの中に入ってしまった指輪を探すために、中身をぐちゃぐちゃにしてしまったことをそう表現していることになります。
ここでもまた still が出てきましたが、「前の状態が続いている」という先ほどの意味を当てはめると、「このラザニアは、依然として台無しになったままだろ」というところですね。
ロスの元妻の妊娠がわかって、「僕は父親になるんだ」と深刻な話をしている状態であっても、ラザニアの状態は前と変わらず、やっぱり台無しになった状態のままなので、「こんな時にそんなことして、、と言いたげな非難がましい顔でみんなは俺を見るけど、何があろうと、ラザニアがぐちゃぐちゃで、お客さんに出せる状態じゃないのは変わらないだろ?」という意味で、still を使ったことになるでしょう。
何があっても、ruined な状態は変わってないわけだから、俺が処理しちゃっても構わないよな? と言っていることになるでしょうね。


★ Rach からのお知らせとご挨拶 ★
2月5日(日)の京都セミナー、いよいよ明日となりました!
おかげさまで満席となり、明日のセミナー当日を迎えられますこと、心より感謝申し上げます。ありがとうございます<(_ _)>
ご参加下さる皆様、どうかお気をつけてお越し下さいませ。
海外ドラマの生きたセリフから英語を学ぶ楽しさを直接皆様にお伝えできるのを、とってもとっても楽しみにしています♪


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 16:08| Comment(4) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月01日

2時間そうすれば僕の状態になる フレンズ1-2改その12

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は10位、「にほんブログ村」は9位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


6:51
(A KNOCK AT THE DOOR. IT IS ROSS)
ドアにノック。ロスである。
ロス: Hi. (はーい。)
モニカ: Wow. That is not a happy "hi." (まぁ。それってハッピーな「はーい」じゃないわね。)
ロス: Carol's pregnant. (キャロルが妊娠してる。)
フィービー: (WHILE EVERYONE ELSE IS STUNNED) Ooh! I found it! ([他のみんなが唖然としている間に] あぁ〜! (指輪を)見つけたわ!)
モニカ: W-w-wh-... wha-... w-w-w-... (うー、わー、うー…)
ロス: Yeah. Do that for another two hours, you might be where I am right about now. (HE COMES IN) (そうだね。あと2時間それをやれば[そうすれば、そうしてれば]、モニカも今現在の僕の状態になるかもね。)
チャンドラー: Kinda puts that whole pillow thing in perspective, huh, Mon? (クッションのこと全体を、バランスの取れた見方で見られるようになったろ、モニカ?)
レイチェル: Now, how-how do you fit into this whole thing? (で、あなたはこの件(全体)にどう順応(対応)するの?)
ロス: Well, Carol says she and Susan want me to be involved. But if I'm not comfortable with it, I don't have to be involved. Basically, it's totally up to me. (そうだね、キャロルとスーザンは僕に(この件に)関(かか)わってほしいと思ってるって、キャロルは言うんだ。でももし僕がそのことで居心地が悪い気持ちがするなら、関わる必要はない、って。基本的に、僕に任せるってさ。)
フィービー: She is so great. I miss her. (キャロルってとっても素敵ね。彼女が恋しいわ[彼女がいなくて寂しいわ]。)

ロスの、どよーんと暗い「ハ〜イ」は、フレンズ1-1 に続いて2回目ですね。
またあの時と同じように、何かしら良くないニュースに落ち込んでいる様子がわかります。
フレンズたちは、お互いに、Hi. と挨拶することが多いですが、そういう明るい「ハーイ!」ではないようね、とモニカも言っています。
「(元妻の)キャロルが妊娠してる」と聞いて、ロスの妹のモニカも驚きで言葉になりません。
他のみんなもびっくりしている中、ラザニアの中に入っていた指輪を発見したフィービーは、ロスやモニカの状態に気づかない様子で、嬉しそうに「指輪を見つけたわ!」と叫んでいます。

where I am は「僕が今いるところ」なので、「現在の状態」を表します。
最初にそのニュースを聞いた時は誰でもアワアワしちゃうさ、僕だって言葉が出なくて今のモニカと同じような状態だったよ、ということで、でも2時間くらいそうしていると、少し落ち着いて、今の僕のように、冷静に事実を語れるようになるかもね、ということですね。
ロス自身が2時間前、今のモニカみたいな状態だった、と言っていることにもなります。
another はもともと、an+other なので、基本的にはその後に単数名詞が続きますが、今回のような「another+複数名詞」は、その複数名詞分をもう1回する、という感覚になります。
「2時間分をあともう1回」という感じですね。

perspective は「物の見方、観点」で、「バランスの取れた見方、大局的な見方」という意味もあります。
Kinda puts that whole pillow thing のセリフは、主語の That が省略されていると考えればよいでしょう。
その that は、今ロスが言ったニュース、「キャロルが妊娠している」ですね。
主語+put+目的語+in perspective は直訳すると、「主語が目的語をバランスの取れた見方に置く」という感覚でしょうか。
つまり、主語のおかげで、目的語をバランスよく見られるようになる、ということになります。
チャンドラーの言っているのは、「ロスの元妻が妊娠した!」というビッグニュースを聞くと、クッションのふくらみ具合で大騒ぎしていたことが小さなことだったと気付くだろ? 本来、クッションの件は大したことじゃないのに、それがやっと、本来のささいなことだと見られるようになっただろ、というニュアンスです。

fit into は「〜にフィットする」ということですから、「〜に適合する、順応する、〜と折り合う」というところ。
this whole thing は「この件全体」で、元妻キャロルが妊娠していること、それに伴い生じるであろうその他もろもろのことひっくるめた全体を語っている感覚になるでしょう。
簡単に言うと、「この件に関するあれこれに対して、あなたはどうするの?」という感じですね。

ロスは、Carol says she and Susan want me to... と説明しています。
私が フレンズ1-1 を解説した際、「キャロルの相手」と説明するより名前を出した方がわかりやすかったので、先に「スーザン」という名前を使ってしまいましたが、「フレンズ」の話の中ではここで初めて、キャロルのレズビアン・パートナーの名前がスーザンだとわかることになります。

involved は「かかわる、関係する」。
not comfortable with it は「その件で快適ではない、居心地が良くない」ですから、「その件にあまり乗り気ではない、気が進まない」のような感覚になるでしょう。
it's totally up to me は「(キャロルの妊娠に僕が関わるかどうかは)全く僕次第なんだ」。
up to は「…次第で」。It's up to you. 「あなた次第です。あなたにお任せします」は決まり文句。

ロスの話を聞いてフィービーは、「キャロルは素敵ね。彼女が恋しい」と言っています。
「ロスにも関わって欲しいけど、無理にとは言わない。あなたに任せるわ」という発言自体は、ロスに対して無理強いしない、ロスの気持ちを優先させた内容と言えるでしょう。
ですが元妻キャロルその人は、レズビアン・パートナーのスーザンを選び、ロスを捨てた人ですから、捨てられたロスの目の前でロスを捨てた元妻キャロルのことを「彼女って素敵ね。彼女がいなくなって寂しいわ」などというのは、ロスの気持ちを考えるとあまりにもKYな発言だといえるでしょうね。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 16:06| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする