2017年03月06日

ミニーと言えばマウスだろ フレンズ1-2改その25

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は8位、「にほんブログ村」は7位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


16:25
(CUT TO THE CLINIC)
診療所の場面にカット。
ロス: So, um- so how's this, uh, how's this gonna work? Y'know, with us? Y'know, when, like, important decisions have to be made? (それで、これはどんな風に進むのかな? ほら、僕たちのこと。いつ、ほら(例えば)、重要な決定がなされないといけないの?(→訂正:ほら、重要な決定がなされないといけない時に。))
キャロル: Give me a “for instance." (例えばどんなことか言ってくれる?)
ロス: Well, uh, uh, I don't know. Okay, okay. How about with the, uh, with the baby's name? (うーん、どうかな。よし、よし。これはどう? 赤ちゃんの名前は?)
キャロル: Marlon... (マーロン。)
ロス: Marlon?! (マーロン?)
キャロル: ... if it's a boy. Minnie, if it's a girl. (…もし赤ちゃんが男の子ならね。ミニーよ、女の子なら。)
ロス: As in "Mouse"? (「マウス」にあるような(ミニー)?)
キャロル: As in my grandmother. (私のおばあちゃん(の名前)よ。)
ロス: Still, you- you say "Minnie," you hear "Mouse." (それでも、「ミニー」と言えば「マウス」と返ってくるだろ[「ミニー」と言えば「マウス」だろ]。)

when, like, important decisions have to be made? を直訳すると、「いつ、(ほら、)重要な決定がなされなければならないの?」という受動態で、つまりは「重要な決定はいつ行われるの?」と問うていることになるでしょう。
受動態ではなく、能動態で表現すると、make important decisions のようになりますが、その場合だと主語が必要になりますね。
ロスが言いたいことはおそらく、"When do we have to make important decisions?" 「いつ僕たちは重要な決定をしないといけないの?」ということなのでしょうが、重要な決定を行う人間の中に自分が入っているのか、自分を入れてもらっているのかがわからないこともあって、あえて主語を明示しない形の受動態の形を取ったのだろうと思います。
しなければならない決定がいろいろあるとして、それはいつ決めないといけないのかな、のように、「決定するのが誰であるかはここでは問題ではない」ように表現してみせたのだろうと。
また、ロスのセリフには、Y'know が何度も出てきていますが、言いにくいことを、ロスがためらいながら、言葉を選びながら言っている感じが出ているように思います。

(2017.3.8 追記)
when, like, important decisions have to be made? について、非公開コメントにて、この when は「いつ」ではなく、「〜する時」の意味ではないでしょうか? というご意見を頂戴しました。
ご指摘の通り、ここは「〜する時」の方の意味でした。謹んで訂正させていただきます。

ロスが Y'know を頻発しながら話しているので文章が切れてしまっており、when... ? のように「最初が when で最後に疑問符がついている」という見かけになっているため、「いつ? を尋ねる疑問文だ」と安易に結論づけてしまったようです。
Y'know などを取り除いた文章にすると、So how's this gonna work with us, when important decisions have to be made? ということになり、「それで、この件は僕らの間でどのように進むのかな(僕ら3人でうまくいくのかな)、重要な決定がなされないといけない時に」という意味になるわけですね。

そのご指摘をいただいて改めて考えてみたのですが、この when が「いつ?」の意味ではないと判断できる理由は2つありました。
1つ目は、「いつ?」を尋ねる疑問文であれば、when do important decisions have to be made? のように、when 以下が疑問文の形 do+主語 になる必要があること。
ラフな口語ということで、do が省略される可能性もなくはないですが、when SV の形であれば普通は「 S が V する時」という意味だと考えるのが自然でした。
2つ目の理由は、その後のキャロルとロスの会話で「いつ?」で問われるような「時期」が話題になっていないこと。
二人の会話は「重要な決定とは、例えば子供の名前」のように話が進んでいて、それを「いつ決めなければならないか」という時期についての話にはなっていません。
「”いつ”重要な決定をするのか?」をロスは心配しているのではなくて、「重要な決定について、3人の話し合いがうまく進むかどうか?」がロスの気がかりとなっていることが話の流れからもわかりますし、ロスの懸念通りに名前のことでモメる展開になっているということを考えても、この when は「重要な決定がなされないといけない時」という意味で間違いないと言えます。
貴重なご指摘ありがとうございました。
(追記はここまで)

ロスの「重要な決定」という言い回しが漠然としていたのでしょう、キャロルは、Give me a "for instance." と言っています。
直訳すると、「"例えば"をちょうだい」ということですから、"For instance... "「例えば(こういうこと)」と具体的な例を挙げてくれない? と言っている感覚ですね。

ロスが「赤ちゃんの名前についてはどう?」と具体例を出すと、キャロルは「マーロン」と即答で答えています。
... if it's a boy. Minnie, if it's a girl. は、前の Marlon という名前に続けて言っている感覚で、"Marlon, if it's a boy. Minnie, if it's a girl." 「マーロンよ、赤ちゃんが男の子なら。ミニーよ、赤ちゃんが女の子なら」ということ。
性別がわからない赤ちゃんのことを it という中性代名詞で表現し、その子が男子なら、女子なら、、と仮定している感覚になります。

「女の子ならミニーよ」という発言に、ロスは、As in "Mouse"? と返します。
as in は「…にあるような」。
As in "Mouse"? というのは、マウスの名前にあるようなミニーちゃん? というニュアンスになります。
ミッキーマウスのガールフレンドのミニーマウスは日本でも有名ですが、ロスもミニーと聞いて、ミニーマウスを思い出したようですね。
またこの as in は、電話などで名前の綴りを確認する際に、A as in apple 「アップルの A 」のように使います。
そのように言ったロスに対して、キャロルは、As in my grandmother. と言っていますが、これも「私のおばあちゃん(の名前の中)にあるような」というニュアンスで、私のおばあちゃんの名前から取ったのよ、おばあちゃんの名前をもらったのよ、と言っている感覚になるでしょう。

私のおばあちゃんの名前よ、と説明されても、ロスはまだ納得できない様子で、Still, you say "Minnie," you hear "Mouse." と言っています。
you say A, you hear B は、「 A と言えば B と聞こえる」という感じで、つまり、「 A と言えば、誰かが B と答える声が聞こえる」ということでしょう。
日本語でも、「 A といえば B 」という風に、「 A といえば B(が続くと思う、が連想される)」というニュアンスの言葉がありますので、それとよく似た感覚ですね。

文頭の Still は「それでも(まだ)、いぜんとして」という意味で、仮に、おばあちゃんの名前をもらったものだとしても、「それでもやっぱり」、ミニーといえばマウスと返ってくるのが普通だろ、ミニーと聞けば誰だってミニーマウスを連想するだろ? と言っていることになります。
本当の由来がおばあちゃんであれ、ミニーと言えばマウスと想像されることには変わりないだろ、と言いたいのですね。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 15:06| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月03日

gagの動詞の意味 フレンズ1-2改その24

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は9位、「にほんブログ村」は8位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


15:42
(CUT TO BARRY'S SURGERY. BARRY IS WORKING ON ROBBIE'S MOUTH. ENTER RACHEL)
バリーの診療所。バリーはロビー(という少年)の口を治療中。レイチェル登場。
レイチェル: Barry? (バリー?)
バリー: C'mon in. (入って。)
レイチェル: (HESITATES) Are you sure? ([躊躇して] ほんとに?)
バリー: Yeah! It's fine, it's fine. Robbie's gonna be here for hours. (あぁ! いいよ、いいよ。ロビーはここに数時間いることになるから。)
ロビー: Huh?! (は?!)
バリー: So, how you doin'? (それで、君はどう?)
レイチェル: I'm- uh- I'm okay. You look great. (私は、そのー、大丈夫よ。あなた、元気そうね。)
バリー: Yeah, well.... (あぁ、まぁ…)
バーニス (OVER INTERCOM): Dr. Farber, Jason Greenspan's gagging. ([インターコムの声] ファーバー先生、ジェイソン・グリーンスパンさんが、えずいてます[おえっ、となってます]。)
バリー (TO INTERCOM): Be right there. (TO ROBBIE+RACHEL) Be back in a second. ([インターコムに向かって] すぐにそっちに行く。[ロビーとレイチェルに] すぐに戻るよ。)
(ROBBIE STARES AT RACHEL)
ロビーはレイチェルをじっと見る。
レイチェル: I dumped him. (私が彼を捨てたのよ。)
ロビー: Okay. (オッケー(わかったよ、それでいいよ)。)

レイチェルが、元婚約者のバリーの診療所を訪ねると、バリーが軽い感じで、Come on in. と言うので、ためらいながら、Are you sure? と言っています。
Are you sure? は「本当に? 確かなの?」というニュアンスですね。
歯科医のバリーはマスクをして、明らかに患者の治療中ですし、そんな時にあなたを捨てた元花嫁の私が訪ねて来たという複雑な状況なのに、そんなにあっさり「どうぞ」って言っちゃっていいの? という気持ちがあるのでしょう。
「いいよ、いいよ」と言った後、バリーは、Robbie's gonna be here for hours. と言い、歯科の椅子に座って治療を受けていた少年は「は?」と言っていますね。
その様子から、ロビーはこの少年の名前で、「ロビーはここに数時間いることになる」、つまり、「この子の治療には数時間かかる」と言われたことになるので、患者の少年が「嘘だろ?」という声を上げていることになるわけです。

「どう? 元気?」とレイチェルに尋ねているバリーは元気ではつらつとしているように見えています。
逆にレイチェルの方が気後れ(きおくれ)している感じで、「私は大丈夫よ。あなたは元気そうね」というしかない様子。
ロスからのアドバイスとして、「捨てた人の前で、自分をあまり素敵に見せない方がいい」みたいに言われたのと反対で、捨てられた方がいきいきとしている感じなので、逆にレイチェルは戸惑っているようですね。

インターコムで呼び出しがあり、Jason Greenspan's gagging. と相手の人は言っています。
gag と言うと、日本語にもなっている「ギャグ」、つまり「人を笑わせるような冗談」のような意味がありますが、他に名詞として「(しゃべれないようにするための)さるぐつわ」の意味があり、自動詞では「(吐きそうになって)おえっ、げぇっとなる」ことを指します。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
gag : to feel sick in a way that makes you feel as though you might vomit
つまり、「まるで吐くかもしれない気持ちにさせるような感じで気分が悪いこと」。
Macmillan Dictionary では、
gag : (informal) to be unable to swallow because you feel as if you are going to vomit
つまり、「自分が吐いてしまうかのように感じるので、飲み込むことができないこと」。

2つの語義を見ると「吐きそうになる」というニュアンスで、日本語の表現だと「吐き気を催す(もよおす)」「えずく」という感じでしょうか。
バリーは歯科医なので、治療中は口の中に器具を入れることなども多いですよね。
別室で治療中の患者さんが、そういう器具で、おえっとなっているような状態なのかなぁ、と思います。

ちなみに、gag=「(人を笑わせる)ギャグ」ですが、ロングマンやマクミランなどの英英辞典では、動詞 gag の項目に、「ギャクを言う、ギャグをする」というような意味は載っていませんでした。
gag という名詞に「(人を笑わせる)ギャグ」という意味がある以上、He's joking. 「彼はジョークを言っている」と同じように、「彼はギャグを言っている」という意味で He's gagging. という形が使えそうな気もするのですが、「とりあえず、私がよく使っている英英辞典には載っていません」ということになります。

バリーは、Be right there. Be back in a second. と言っています。
これは、I'll be right there. I'll be back in a second. の I'll が省略された形ですね。
いきなり、Be で始まっていると、Be quiet. のような「〜(の状態)でいなさい」という be動詞を使った命令文のように見えてしまうかもしれませんが、話の流れ的に、インターコムで呼び出されたら、I'll be right there. すぐそっちに行く、という意味であることは想像できますよね。
I'll be back. はターミネーターで有名なセリフですが、その I'll が省略されたのが、Be back (in a second). になります。

バリーが出て行って、患者の少年ロビーと二人残された状態になったレイチェル。
ロビーは患者なので、先生のバリーが結婚式で花嫁に逃げられた、みたいな話も知っていたのかもしれません。
この人がそうなのか、、みたいな顔で見られているように感じたのか、レイチェルは何も聞かれないうちから自分で「私が彼を捨てたのよ」と言っています。
それに対してロビー少年は、「あっそ」というような口調で、軽く Okay. と返していますが、その言い方には「そういうことならそれでいいよ。そういうことにしといてあげるよ」みたいな雰囲気が感じられますね。
その後レイチェルは、不満そうな顔で、くくってきた髪の毛を下ろしています。
この部屋に入ってきたレイチェルは、おしゃれっ気のない髪型でしたが、それはきっと、ロスに言われた「あまり素敵に見せるな」というアドバイスに従ったということだったのでしょうね。
わざとさえない感じの見た目にしてやってきたら、逆にバリーが妙にはつらつとしており、レイチェルに逃げられたことがショックであるようにも見えない、、そのことにレイチェルは何だかムッとしたのでしょうね。
髪の毛を触ったところで画面転換となりますが、さえないその髪型をこの先もう少しどうにかしようとしている流れであるように見えますね。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 14:42| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月01日

忘れられるわけないだろ フレンズ1-2改その23

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は9位、「にほんブログ村」は8位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


14:27
(CUT TO THE CLINIC. CAROL IS SITTING, WAITING. ENTER ROSS)
(産婦人科の)診療所に画面がカット。キャロルは座りながら待っている。ロス登場。
ロス: Hi. Sorry I'm late. I got stuck at work. There was this big dinosaur... thing. Anyway.... (はーい、ごめん、遅くなって。仕事につかまっちゃって。大きな恐竜の…件があったんだよ。とにかく…)
(ENTER SUSAN, HOLDING A DRINK)
スーザン登場、ドリンクを持ちながら。
スーザン: Hi. (はーい。)
キャロル: Ross, you remember Susan. (ロス、スーザンを覚えてるわよね。)
ロス: How could I forget? (忘れられるわけないだろ。)
スーザン: Ross. (ロス。)
ロス: (THEY SHAKE HANDS) Hello, Susan. (TO CAROL) Good shake, good shake. So, uh, we're just waiting for...? ([二人は握手する] こんにちは、スーザン。[キャロルに] いい握手だ、いい握手だ。それで、僕たちが今待ってるのは…?)
キャロル: Dr. Oberman. (オーバーマン先生(ドクター・オーバーマン)よ。)
ロス: Dr. Oberman. Okay. And is he--? (オーバーマン先生ね。わかった。それで彼は…)
スーザン: She. (彼女よ。)
ロス: She, of course, "she." She, uh, familiar with our special situation? (彼女だよね、もちろん、「彼女」だ。彼女は僕らの特殊な状況をわかってる?)
キャロル: Yes, and she's very supportive. (えぇ、そして彼女はとっても協力的なの。)
ロス: Great! Okay, that's great! (SUSAN HOLDS OUT HER DRINK) No, I'm… . Oh. (PASSES IT TO CAROL) (それは良かった! あぁ、それは良かったよ! [スーザンは自分が持っているドリンクを差し出す] いや、僕は… あぁ。[それをキャロルに手渡す])
キャロル: Thanks. (ありがと。)
ロス: (PICKS UP A SURGICAL IMPLEMENT AND MIMES A DUCK WITH IT) Quack, quack... ([外科用の器具を手に持って、それでアヒルの真似をする] クワッ、クワッ…)
キャロル: Ross? That opens my cervix. (HE DROPS IT IN HORROR) (ロス? それは子宮頸部(子宮口)を開けるものよ。[ロスはぞっとしてその器具を落とす])

ロスは「遅れてごめん」と言って、キャロルがいる診察室に入ってきます。
I got stuck at work. の get stuck は「動けない・抜け出せない状態になる」という感覚。
stuck は、動詞 stick 「刺す、突き刺す、差し込む、突っ込む」「はまり込ませる」の過去分詞形 stuck で、それを「行き詰まって、動かない、動きが取れない」という意味で使っているのですね。
There was this big dinosaur... thing. は、何か職場で、恐竜に関する大きな出来事があったんだけど、というところですが、詳しく説明しようとしたけれど、別に詳細に説明する必要もないよな、と途中で気づき、ただ、それ系のこと(thing)があった、と説明するだけにとどめた感覚になるだろうと思います。

その部屋に女性が入ってきて、キャロルは「ロス、スーザンを覚えてるわよね」と言っています。
How could I forget? を直訳すると、「どのようにして忘れることができるだろうか?」ですから、「忘れられるわけがない、もちろん覚えてるに決まってる」と言っている感覚になります。
スーザンが画面に姿を見せるのは、これが最初ですね。
今回のエピソードのロスのセリフの中に、すでにスーザンの名前は出ていましたので、ここでキャロルが「スーザンを覚えてるわよね、ロス」というセリフを言うことで視聴者にも「これがそのさんざん話題に出てきたスーザンか」とわかる仕組みです。

スーザンから握手の手を差し出し、二人は握手するのですが、お互い、キャロルをめぐってのライバルのような関係ですから、スーザンは相手が痛くなるほど握手の手を強く握っているのであろうことが、握手の後、痛かったというようにロスが手を振っていることからもわかります。
それでロスは「痛い、痛いよ」と言う代わりに、「いや実にいい握手だ」のように言ってみせているのでしょう。

So, uh, we're just waiting for...? は「それで、そのー、僕たちは(ここで)待っている、(人)を」ということですね。
「誰を待っているか?」を尋ねる場合、基本的な文法では、人を尋ねる Who を文頭に使った Who are we just waiting for? のような形になるでしょうが、そのように Who を使わずとも、we're just waiting for...? のように、wait for の後に続くべき人を、相手に続けて言ってもらう形で尋ねることも可能だ、ということですね。
「誰」を尋ねる形の疑問文にしなくても、「誰」に当たる部分を空白にし、その部分を相手に問うニュアンスを出せば、それで充分、疑問文の代わりになるということがわかります。
このように互いに言葉を補完し合うところに、「生きた英会話」っぽい感覚が出ている気がしますね。
キャロルもロスの質問に続ける形で、(waiting for) Dr. Oberman と答え、ロスは「それで彼は…」と話を続けようとするのですが、「彼じゃないわ」という感じで、スーザンはぶっきらぼうに一言、She. と答えています。
「先生は男だと勝手に決めつけないで」みたいな感じですね。
レズビアンカップルの二人なら、そりゃ主治医も女性ってことになるよな、という感じで、ロスも「もちろん、(彼じゃなくて)彼女(女性)だよね」と言っています。

be familiar with は「〜をよく知っている、詳しい、熟知している」という意味なので、「元夫とレズビアンパートナーという、3人のこの複雑な関係や事情を、その先生はわかってるのかな?」と尋ねていることになります。
supportive は「協力的」。
スーザンが持っていたドリンクを差し出すので、ロスは自分にくれたのかと思って、「いや、僕はけっこう」みたいに言いかけるのですが、もともとキャロルに渡すつもりだったとわかり、その後は会話も弾まず、気まずい雰囲気に。
この空気を和まそうと、ロスは置いてある器具を手に取り、それをアヒルが口をパクパクするように動かして、鳴き声を真似ています。
quack, quack は「クワックワッ、ガーガー」というアヒルの鳴き声。

それを見ていたキャロルが、That opens my cervix. と言ったので、ロスはぞっとした様子で、トレイの上にその器具を放り投げます。
cervix は「子宮頸部(けいぶ)」。
「頸(けい)」というのは「首、または首のように細くなっている部分」をいい、cervix は子宮と膣をつなげている、子宮下部の管状になっている細い部分を指します。
この部分が癌(がん)になったものが「子宮頸がん」(cervical cancer)と呼ばれるものですね。
子宮頸部の入り口が子宮口(しきゅうこう)となります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cervix : (BIOLOGY) the narrow passage into a woman's uterus
つまり、「女性の子宮へ通じる狭い通路」。
Macmillan Dictionary では、
cervix : (MEDICAL) the entrance of the womb (= the part of a woman's body where a baby can grow)
つまり、「子宮(赤ちゃんが生育可能な女性の体の部分)の入り口」。

That opens my cervix. を直訳すると、「それは私の子宮頸部を開ける・広げる」というところ。
That opens という現在形は「ロスが手にもっているその器具は…を開く」という「機能」を説明する感覚となり、「それは、cervix を開くもの[器具・道具]よ」のように訳すとしっくり来るでしょう。
アヒルの口のような形の医療器具で遊んでいるロスに、「それは私の子宮頸部を検査する時に使う器具なんだけど」とキャロルが言ったので、その使われる場所が場所なだけに(笑)、ロスは驚いてその器具を放り出してしまったということですね。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 15:32| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする