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紀伊國屋書店新宿本店、三省堂書店経堂店、有隣堂目黒店、中目黒蔦屋書店
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5:10
チャンドラー: Oh, Satan's minions at work again! (おぉ、サタンのミニオンズ(手下ども)が、また活動してるんだ[また動き出したんだ]!)
フィービー: Yes, 'cause now I have to go down there and deal with them-- (えぇ、今は、銀行に行って、そのお金を処理しないと[そのお金をなんとかしないと]いけないから…)
ジョーイ: What are you talking about? Keep it! (何言ってんだよ? その金は、とっとけよ!)
フィービー: It's not mine. I didn't earn it. If I kept it, it would be like stealing. (私のものじゃないもの。私はそのお金を稼いでないわ。もし私がそのお金を(自分のものとして)とっとくとしたら、それは盗み[盗んだこと]になるわ。)
レイチェル: Yeah, but if you spent it, it would be like shopping. (えぇ、でももしあなたがそのお金を使ったら、それは買い物[ショッピング]みたいになるわよ。)
Satan's minions at work again! について。
Satan は「悪魔、魔王、サタン」。日本語では「サタン」と表記しますが、英語の発音は「セイトゥン」という感じ。
minion は「部下、手下、手先」なので、Satan's minions は「悪魔の手下・手先」という意味になります。
minion と言えば、3DCGアニメ映画の「怪盗グルー」シリーズに出てきた、黄色い体に青のオーバーオール(つなぎ)を着て、ゴーグルをはめたキャラクターがミニオンですね。
そのスピンオフとして、ミニオンを主役にした映画「ミニオンズ」(原題」Minions)も 2015年に公開されたので、日本でも「ミニオン/ミニオンズ」はおなじみの言葉になっているように思います。
そのシリーズでも、怪盗、つまり悪人に仕える手下となっていましたので、英単語の「手下、手先」の意味でその名前がついていることになります。
改めて、英英辞典で語義を見ておくと、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
minion : a very unimportant person in an organization, who just obeys other people's orders
つまり、「ある組織において、非常に取るに足らない(重要でない)人物、その人物はただ、他の人々の命令に従うだけである」。
日本語でも「ビップ」と呼ばれる VIP は、very important person の略で「重要人物、要人」のことですが、この語義はそれを un- で否定している、VIP とは真逆の存在となります。
a very unimportant person とはまたえらい言われようですが、とにかく組織において大した意味のない存在で、上の命令をただ実行しているだけの人間ということになります。
重要でない、という感覚は、日本語の「手下、手先、子分」というニュアンスにピッタリですね。
ミニオンズと言えば、新作映画「怪盗グルーのミニオン大脱走」がこの7月に公開予定で、また、先週末の 4月21日に、大阪の USJ に「ミニオン・パーク」がグランドオープンしたばかりでもあるので、このチャンドラーの「サタンのミニオンズが」のセリフの解説をするのは、なかなかタイムリーだな、と思いました。
at work は「仕事をして、活動中で、動いて」という意味。
Satan's minions at work again! は、Satan's minions are at work again! の be動詞 are が省略された形と考えればよいでしょう。
「悪魔の手下どもがまた活動中」ということなので、「しばらく活動していなかったそいつらが、また活動を始めた、また動き出した」のようなニュアンスになるでしょう
自分の口座に知らない間に 500ドルが入っていた、と言っているフィービーは、そのことをラッキーとは捉えず、自分にとんでもない不幸が起こったかのような口ぶりで語っていたため、それに合わせてチャンドラーは「それは悪魔の手先のしわざだな」と言ってみせた感覚になるでしょう。
go down there は「そこに行く→その銀行に行く」、deal with は「〜を取り扱う、処理する」なので、「知らずに入っていたそのお金を、銀行に行って処理しなきゃ、何とかしてもらわなきゃ」ということです。
それを聞いたジョーイは、あきれたように、What are you talking about? 「何言ってんだよ?」と言って、Keep it! と続けます。
この Keep it! は「(間違って入金されていたお金は返却せずに)とっとけよ、もらっとけよ、もらっちゃえよ!」ということ。
日本語で「キープしとけよ」と言っても、ニュアンスはわかりますね。
keep は「誰かのものであったものをその人に返さずに持っておく」というニュアンスで、今回のエピソードでは、後のシーンで、Keep the change. 「おつりはとっておいて」というフレーズも登場します。
誰かに物を譲る場合にも Keep it. 「君が持っておいて」と言ったりします。
「とっとけよ」と言われたフィービーは、それは私のもの・私のお金じゃない、私はそのお金を稼いだわけじゃない、と言って、If I kept it... のセリフを言います。
If I kept..., it would は「仮定法過去」ですね。
起こる可能性のないことを仮定する仮定法過去を使っていることから、フィービーはそれを keep するつもりはないことが読み取れます。
そのお金を私がキープしちゃったら、それは stealing 「盗むこと」になる、とフィービーは嫌がります。
それを聞いたレイチェルは、フィービーと同じように仮定法過去を使って、「キープした上で、さらにそれを使っちゃったら、shopping 「買い物をすること、ショッピング」になるわよ」と言っています。
stealing になるから嫌だってフィービーは言うけど、使えば shopping になるんだから、のように、同じ s で始まる動詞の -ing 形を使って、「盗んだことになるとか心配しないで、さっさと使っちゃいなさいよ」と促しているわけで、ショッピング好きなレイチェルらしいセリフと言えるでしょう。
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2017年04月29日
2017年04月26日
引用符ジェスチャーをする フレンズ1-3改その9
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4:45
(ENTER PHOEBE, MUTTERING. SHE SITS DOWN WITHOUT SAYING HI)
ぶつぶつ言いながら、フィービー登場。挨拶もせずに座る。
ジョーイ: You okay, Phoebe? (大丈夫、フィービー?)
フィービー: Yeah, no, I'm... just… It's not even worth it-- It's my bank. (えぇ、いいえ、私はただ… 話すほどでもない… (原因は・問題は)銀行のことなのよ。)
モニカ: What did they do to you? (銀行(の人たち)があなたに何をしたの?)
フィービー: It's not, it's just- Okay. I'm going through my mail, and I open up their monthly, you know, "statement." (違うの、ただ… いいわ(今から言うわ)。私は手紙をチェックしてる。そして、封を開けるの、その銀行の、毎月の、ほら、”明細書”をね!)
ロス: Easy! (落ち着いて!)
フィービー: And there's five hundred extra dollars in my account. (そして、私の口座に余分な 500ドルがあったのよ[余分に 500ドルが入ってたの]。)
セントラルパークに入ってきたフィービーは、みんなに挨拶もせず、何か気になることがある様子で一人でぶつぶつ言っています。
ト書きの muttering の mutter が「ぶつぶつ言う、つぶやく」という意味です。
It's not even worth it の worth it は「それだけの価値がある」という意味で、not even という否定語がついているので「それほどの価値すらない」、つまり、「みんなに言うほどでもない、語るほどでもないことなの」のように言いかけたことになるでしょう。
が、そのように言いかけておいて、急に大きな声で、It's my bank. と言います。
It's my bank. の It's は、このエピソードの最初の方、いつから?って、ずっとだよ フレンズ1-3改その2 に出てきた、"It's not you," means, "It IS you." (「君のせいじゃない」のほんとの意味は「お前のせいだ」。)の It's の感覚と同じです。
焦点となっているのは、今、私が注意を払っているのは、気になっているのは、すべての原因は、bank なの、というところで、日本語ではあえて it を訳さずに「銀行なの。銀行のことなの」と訳せば良いでしょう。
フィービーは少し前の出来事について語っていますが、セリフでは現在形、現在進行形が使われています。
このように、過去の出来事を説明するのに現在形を使うことで、その時の様子を臨場感を持って語ることができます。
日本語でも「私は手紙をチェックしてる。そしてある手紙を開ける。すると、、、」のように現在形で表現し、ドラマ仕立てのように臨場感を出してストーリーを語ることがありますので、そのニュアンスは同じですね。
go through は「通り抜ける」「体験する、経験する」という意味でよく使われますが、この場合は、複数あるものをひとつひとつチェックしていく、見ていく感覚。
mail は複数形になっていませんが、mail という単語は集合的に「郵便物」を表し、不可算名詞になります。
ですから、自分に来た郵便物の束をチェックしている時、その中に statement があった、というニュアンスですね。
ちなみに、mail から派生した e-mail という単語も、もともとは元の単語にあわせて不可算だったようですが、現在では、got an e-mail という風に可算名詞として使うこともあります。
フィービーは、statement と言う時に、両手の指をチョキにして関節でちょっと曲げています。
今回のフィービーのしぐさは一瞬で、一般的なこのしぐさに比べて、ちょっとわかりにくい感じになっていますが、これは引用符を意味するしぐさです。
両手の指を2本立てて曲げた形が、” ” = double quotation marks と似ているからですね。
DVD英語字幕では、"statement" と引用符でくくって書かれていますが、それをジェスチャーで表すとこうなるという感じです。
使い方としては、「いわゆる(いわば)〇〇ってやつ」というニュアンスをつけて、言葉を強調する役目があります。
自分以外の人が使った言葉について使う時は、「そいつの言ってる〇〇って言葉」とちょっと皮肉を込めて引用している感じにもなります。
その場合は、本当はそうじゃないのに、そいつがそう言い張っている、みたいな非難が込められているニュアンスですね。
state は「述べる、言う、明言する」という動詞であることから、その名詞形の statement は「述べること」「声明」という意味になり、またビジネスにおいては「計算書、明細書」という意味になります。
今フィービーは、銀行の話をしていて、their monthly statement と言っているので、つまり、銀行から毎月送られてくる「銀行取引明細書、銀行口座計算書」のようなものを言っていることになるでしょう。
郵便の中に銀行明細書があった、というだけのことなのに、それを「郵便をチェックしてて、私は開封したのよ、ほら、”明細書”を!」のように、普段ならそんなに強調するような言葉でもない statement を強く発音し、また、クワッと目をむいて(笑) statement という単語を発しているその表情からも、フィービーがいかに興奮しているか、そしてその明細書がフィービーの動揺の原因であることがわかります。
easy は「簡単な、容易な、やさしい」で覚えることが多いですが、ここでは「気楽な、楽な」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
easy : relaxed, comfortable, and not nervous or worried (OPP: uneasy)
つまり、「リラックスして、快適で、神経質になったり心配したりしないこと」。
ですから、ロスの Easy! は、興奮して、nervous, worried 状態になっているフィービーに対して、「リラックスして、落ち着いて」と言っていることになります。
account は「口座」、つまり、a bank account 「銀行口座」のこと。
extra は「余分の」ですから、本来あるはずのない500ドルが私の口座に入っていたのよ、ということですね。
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4:45
(ENTER PHOEBE, MUTTERING. SHE SITS DOWN WITHOUT SAYING HI)
ぶつぶつ言いながら、フィービー登場。挨拶もせずに座る。
ジョーイ: You okay, Phoebe? (大丈夫、フィービー?)
フィービー: Yeah, no, I'm... just… It's not even worth it-- It's my bank. (えぇ、いいえ、私はただ… 話すほどでもない… (原因は・問題は)銀行のことなのよ。)
モニカ: What did they do to you? (銀行(の人たち)があなたに何をしたの?)
フィービー: It's not, it's just- Okay. I'm going through my mail, and I open up their monthly, you know, "statement." (違うの、ただ… いいわ(今から言うわ)。私は手紙をチェックしてる。そして、封を開けるの、その銀行の、毎月の、ほら、”明細書”をね!)
ロス: Easy! (落ち着いて!)
フィービー: And there's five hundred extra dollars in my account. (そして、私の口座に余分な 500ドルがあったのよ[余分に 500ドルが入ってたの]。)
セントラルパークに入ってきたフィービーは、みんなに挨拶もせず、何か気になることがある様子で一人でぶつぶつ言っています。
ト書きの muttering の mutter が「ぶつぶつ言う、つぶやく」という意味です。
It's not even worth it の worth it は「それだけの価値がある」という意味で、not even という否定語がついているので「それほどの価値すらない」、つまり、「みんなに言うほどでもない、語るほどでもないことなの」のように言いかけたことになるでしょう。
が、そのように言いかけておいて、急に大きな声で、It's my bank. と言います。
It's my bank. の It's は、このエピソードの最初の方、いつから?って、ずっとだよ フレンズ1-3改その2 に出てきた、"It's not you," means, "It IS you." (「君のせいじゃない」のほんとの意味は「お前のせいだ」。)の It's の感覚と同じです。
焦点となっているのは、今、私が注意を払っているのは、気になっているのは、すべての原因は、bank なの、というところで、日本語ではあえて it を訳さずに「銀行なの。銀行のことなの」と訳せば良いでしょう。
フィービーは少し前の出来事について語っていますが、セリフでは現在形、現在進行形が使われています。
このように、過去の出来事を説明するのに現在形を使うことで、その時の様子を臨場感を持って語ることができます。
日本語でも「私は手紙をチェックしてる。そしてある手紙を開ける。すると、、、」のように現在形で表現し、ドラマ仕立てのように臨場感を出してストーリーを語ることがありますので、そのニュアンスは同じですね。
go through は「通り抜ける」「体験する、経験する」という意味でよく使われますが、この場合は、複数あるものをひとつひとつチェックしていく、見ていく感覚。
mail は複数形になっていませんが、mail という単語は集合的に「郵便物」を表し、不可算名詞になります。
ですから、自分に来た郵便物の束をチェックしている時、その中に statement があった、というニュアンスですね。
ちなみに、mail から派生した e-mail という単語も、もともとは元の単語にあわせて不可算だったようですが、現在では、got an e-mail という風に可算名詞として使うこともあります。
フィービーは、statement と言う時に、両手の指をチョキにして関節でちょっと曲げています。
今回のフィービーのしぐさは一瞬で、一般的なこのしぐさに比べて、ちょっとわかりにくい感じになっていますが、これは引用符を意味するしぐさです。
両手の指を2本立てて曲げた形が、” ” = double quotation marks と似ているからですね。
DVD英語字幕では、"statement" と引用符でくくって書かれていますが、それをジェスチャーで表すとこうなるという感じです。
使い方としては、「いわゆる(いわば)〇〇ってやつ」というニュアンスをつけて、言葉を強調する役目があります。
自分以外の人が使った言葉について使う時は、「そいつの言ってる〇〇って言葉」とちょっと皮肉を込めて引用している感じにもなります。
その場合は、本当はそうじゃないのに、そいつがそう言い張っている、みたいな非難が込められているニュアンスですね。
state は「述べる、言う、明言する」という動詞であることから、その名詞形の statement は「述べること」「声明」という意味になり、またビジネスにおいては「計算書、明細書」という意味になります。
今フィービーは、銀行の話をしていて、their monthly statement と言っているので、つまり、銀行から毎月送られてくる「銀行取引明細書、銀行口座計算書」のようなものを言っていることになるでしょう。
郵便の中に銀行明細書があった、というだけのことなのに、それを「郵便をチェックしてて、私は開封したのよ、ほら、”明細書”を!」のように、普段ならそんなに強調するような言葉でもない statement を強く発音し、また、クワッと目をむいて(笑) statement という単語を発しているその表情からも、フィービーがいかに興奮しているか、そしてその明細書がフィービーの動揺の原因であることがわかります。
easy は「簡単な、容易な、やさしい」で覚えることが多いですが、ここでは「気楽な、楽な」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
easy : relaxed, comfortable, and not nervous or worried (OPP: uneasy)
つまり、「リラックスして、快適で、神経質になったり心配したりしないこと」。
ですから、ロスの Easy! は、興奮して、nervous, worried 状態になっているフィービーに対して、「リラックスして、落ち着いて」と言っていることになります。
account は「口座」、つまり、a bank account 「銀行口座」のこと。
extra は「余分の」ですから、本来あるはずのない500ドルが私の口座に入っていたのよ、ということですね。
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2017年04月24日
親指から人差し指までの長さ フレンズ1-3改その8
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3:56
SCENE 2: CENTRAL PERK(ALL PRESENT EXCEPT RACHEL AND PHOEBE)
シーン2:セントラルパーク(レイチェルとフィービーを除く全員がそこにいる)
モニカ: No, no, no. They say it's the same as the distance from the tip of a guy's thumb to the tip of his index finger. (違う違う違う。噂では[聞くところによると](それは)男性の親指の先から人差し指の先までの長さと一緒なんだって。)
(THE GUYS STRETCH OUT THEIR FINGERS)
男性陣は自分たちの指を広げる。
ジョーイ: That's ridiculous. (そんなバカな。)
ロス: Can I use either thumb? (どっちの親指を使ってもいい?)
レイチェル: (BRINGING DRINKS) All right. Don't tell me, don't tell me. (HANDING THEM OUT) Decaf cappuccino for Joey. Coffee, black. Latte. And an iced tea. I'm getting pretty good at this! ([飲み物を持ってくる] よしいいわ。言わないで、言わないでね。[フレンズたちに手渡す]カフェイン抜きカプチーノはジョーイに。コーヒーのブラック。ラテ。それからアイスティー。私、これがかなり得意になってきてるわ!)
みんな: Yeah. Yeah, excellent! (そうだね。そうね。素晴らしい!)
レイチェル: (LEAVING TO SERVE OTHERS) Good for me! ([他の人に給仕するために立ち去りながら] よくやったわ、私!)
(THE GANG SWAP ROUND ALL THE DRINKS)
ギャング(フレンズ)たちは、その飲み物を全部取り替える。
モニカがいきなり、No, no, no. と言うところからシーンが始まっていますので、その前に何らかの会話があって、相手が誤解、または勘違いしているのを指摘して、改めて説明し直しているらしいことが推測されます。
They say+文は、「彼らが(文の内容)を言う、言っている」ということですが、この they は「特定の彼ら」ではなく「一般の人々」を指す感覚で、「一般の人々は(文)と言っている」→「一般的に(文の内容)と言われている」ということになります。
It is said that SV と同じことになり、もう少し日本語っぽく言うと、「噂では、噂によると、聞くところによると」という感覚ですね。
そして「一般的によく言われれていること」として、その内容が、it's the same as... になります。
tip は「先、先端」なので、from 以下は「男性の親指の先から、その男性の人差し指の先まで」。
そう言いながら、モニカは自分の親指と人差し指をエル字型に広げています。
広げた二つの指の先端の距離・長さと何かが同じ、と言っていることになりますが、それを聞いた男性陣3名は、自分の親指と人差し指を広げて、それをまじまじと見た後、お互いの顔を見たりして、複雑な表情を浮かべています。
セリフでは、it としか表現されておらず、具体的な単語は出てきませんが、「男性にとって気になる”長さ”の話」なので、男性の大事な部分の長さの話をしていることがわかる、という流れになっています。
この部分、DVDの日本語字幕では「アレの長さ」と訳されていました。
ジョーイが「そんなバカな、そんなのバカげてるよ」みたいに言った後のロスのセリフ、Can I use either thumb? について。
そう言いながらロスは、人差し指を立てた手とは反対の手の親指を立てて、その二つの距離を広げるようなしぐさをしています。
either は、either A or B で「A か B かどちらか」のような意味で使われる単語ですね。
今回のセリフでは、「either thumb(親指)を使ってもいい?」みたいに言っていますが、この場合の either は「どちらの親指でも使っていい? 使う親指はどっちでもいい?」みたいに言っていることになるでしょう。
モニカがやってみせたように、同じ手の親指と人差し指ではなく、それぞれ別の手の親指と人差し指を使ってもいいかな? ということですね。
それを見たモニカはうなずいて微笑んでいますが、「そうしたければどうぞ。そうしていいわよ」と言っている表情に見えます。
このジョーイとロスの反応については、恐らく「自分のはもっと長い」ということをアピールしているのだろうと思います。
この場面では、女性のモニカに「男性が指を広げたその長さが、その人のあの部分の長さなんだって」みたいに言われたことを受けて、男性陣3人は自分の指をエル字型に広げていました。
そこで「うん、確かにそんなもんだね」みたいなことを言うと、今広げているこの長さが自分のそこの長さだとモニカに言っていることになる、長さを実際に示していることになるため、「そうなんだぁ〜、あなたたちの長さはそれぞれそれくらいなのね」みたいに納得されないために、プレイボーイのジョーイは「いやいや、冗談だろ、俺のはもっと長いよ」みたいな感じで、That's ridiculous. 「そんなバカな、冗談だろ」と言ってみせたのだろうと思います。
DVDの日本語訳も「短すぎるよ」となっており、やはりそれは「こんなに短いなんてバカげてるよ」と解釈していることになりますよね。
そう言いながらも、何となくジョーイはそわそわしている感じで、その様子を見ていると「こんなに短くない」と言いながら、その測定法が結構当たってる(笑)ということを示しているように思います。
ロスは別の手の親指を少し遠ざけるようなしぐさで、「同じ手の親指じゃなくて、どっちの手でもいいよね? 違う手の親指でもいいよね」と言っていますが、それもやはり「片手では短い」ということを言いたくて、もっと長さを広げられる別の手の指を使うことを言っていることになるでしょう。
それに対してのモニカの表情が、兄ロスの発言を微笑ましく見ている感じなので「僕のはもっと長いよ、って見栄を張りたければご自由にどうぞ」と言っているように見えました。
このようなエッチ系の話では、具体的な単語が使われていないことも多いですが、話の流れからそれ系の話だな、とわかる面白さになるでしょう。
男性陣が長さの話でざわざわしているとなると、あの長さのことしかない、みたいなことで、フレンズっぽいセリフだと言えそうですね。
ウェイトレスをしているレイチェルが、お盆に飲み物を乗せて運んできます。
「言わないで」というのは、「コーヒーは俺」みたいに自分の注文したものを言わなくても、私が注文通りに渡してみせるからね、ということですね。
decaf はフレンズ1-1 にも出てきましたが「カフェイン抜き」。
Decaf cappuccino for Joey. は「ジョーイのための[ジョーイが注文した]カフェイン抜きのカプチーノ」ということですが、語順のままにイメージすると「カフェイン抜きのカプチーノ、ジョーイのために[ジョーイに]」という感じに捉えた方が元の英語の感覚が出るように思います。
最後の an iced tea は「アイスティー」ですが、iced tea のように iced が使われていることに注目してみましょう。
ice はご存じ「氷」で、他動詞では「〜を凍らせる、〜を氷で冷やす」なので、アイスティーは「氷で冷やされたティー」ということで、iced tea になっているのですね。
be good at は「〜が得意である」なので、I'm getting pretty good at this. は「私はこれ(注文を運ぶこと)がかなり得意になってきてるわ。うまくなってる・上達してるわ」というところですね。
フレンズたちもみんな口々に褒めてくれて、得意になったレイチェルは、嬉しそうにお盆を振りながら、Good for me! と言って去って行きます。
誰かが何かを頑張った時の誉め言葉に Good for you! 「よくやった! 頑張った!」というものがありますが、それを自分に対して使っている感覚ですね。
「よくやったわ、私! えらいぞ、私!」みたいなニュアンスになるでしょう。
ですが、レイチェルが去った後、4人はそれぞれ手にした飲み物を交換しています。
レイチェルは自信満々で配ったのですが、全部間違っていたということですね。
レイチェルが配っている時、フレンズ4人は静かにそれを受け取りながら、微妙な表情をしていたため、「注文と違うものを渡している」というオチになるのは観客にも想像できたようで、途中で既にラフトラック(笑い声)も起きています。
それでも、レイチェルを傷つけまいとして、レイチェルが去ってから、こっそり交換しているみんなの姿が微笑ましいなと思いました。
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SCENE 2: CENTRAL PERK(ALL PRESENT EXCEPT RACHEL AND PHOEBE)
シーン2:セントラルパーク(レイチェルとフィービーを除く全員がそこにいる)
モニカ: No, no, no. They say it's the same as the distance from the tip of a guy's thumb to the tip of his index finger. (違う違う違う。噂では[聞くところによると](それは)男性の親指の先から人差し指の先までの長さと一緒なんだって。)
(THE GUYS STRETCH OUT THEIR FINGERS)
男性陣は自分たちの指を広げる。
ジョーイ: That's ridiculous. (そんなバカな。)
ロス: Can I use either thumb? (どっちの親指を使ってもいい?)
レイチェル: (BRINGING DRINKS) All right. Don't tell me, don't tell me. (HANDING THEM OUT) Decaf cappuccino for Joey. Coffee, black. Latte. And an iced tea. I'm getting pretty good at this! ([飲み物を持ってくる] よしいいわ。言わないで、言わないでね。[フレンズたちに手渡す]カフェイン抜きカプチーノはジョーイに。コーヒーのブラック。ラテ。それからアイスティー。私、これがかなり得意になってきてるわ!)
みんな: Yeah. Yeah, excellent! (そうだね。そうね。素晴らしい!)
レイチェル: (LEAVING TO SERVE OTHERS) Good for me! ([他の人に給仕するために立ち去りながら] よくやったわ、私!)
(THE GANG SWAP ROUND ALL THE DRINKS)
ギャング(フレンズ)たちは、その飲み物を全部取り替える。
モニカがいきなり、No, no, no. と言うところからシーンが始まっていますので、その前に何らかの会話があって、相手が誤解、または勘違いしているのを指摘して、改めて説明し直しているらしいことが推測されます。
They say+文は、「彼らが(文の内容)を言う、言っている」ということですが、この they は「特定の彼ら」ではなく「一般の人々」を指す感覚で、「一般の人々は(文)と言っている」→「一般的に(文の内容)と言われている」ということになります。
It is said that SV と同じことになり、もう少し日本語っぽく言うと、「噂では、噂によると、聞くところによると」という感覚ですね。
そして「一般的によく言われれていること」として、その内容が、it's the same as... になります。
tip は「先、先端」なので、from 以下は「男性の親指の先から、その男性の人差し指の先まで」。
そう言いながら、モニカは自分の親指と人差し指をエル字型に広げています。
広げた二つの指の先端の距離・長さと何かが同じ、と言っていることになりますが、それを聞いた男性陣3名は、自分の親指と人差し指を広げて、それをまじまじと見た後、お互いの顔を見たりして、複雑な表情を浮かべています。
セリフでは、it としか表現されておらず、具体的な単語は出てきませんが、「男性にとって気になる”長さ”の話」なので、男性の大事な部分の長さの話をしていることがわかる、という流れになっています。
この部分、DVDの日本語字幕では「アレの長さ」と訳されていました。
ジョーイが「そんなバカな、そんなのバカげてるよ」みたいに言った後のロスのセリフ、Can I use either thumb? について。
そう言いながらロスは、人差し指を立てた手とは反対の手の親指を立てて、その二つの距離を広げるようなしぐさをしています。
either は、either A or B で「A か B かどちらか」のような意味で使われる単語ですね。
今回のセリフでは、「either thumb(親指)を使ってもいい?」みたいに言っていますが、この場合の either は「どちらの親指でも使っていい? 使う親指はどっちでもいい?」みたいに言っていることになるでしょう。
モニカがやってみせたように、同じ手の親指と人差し指ではなく、それぞれ別の手の親指と人差し指を使ってもいいかな? ということですね。
それを見たモニカはうなずいて微笑んでいますが、「そうしたければどうぞ。そうしていいわよ」と言っている表情に見えます。
このジョーイとロスの反応については、恐らく「自分のはもっと長い」ということをアピールしているのだろうと思います。
この場面では、女性のモニカに「男性が指を広げたその長さが、その人のあの部分の長さなんだって」みたいに言われたことを受けて、男性陣3人は自分の指をエル字型に広げていました。
そこで「うん、確かにそんなもんだね」みたいなことを言うと、今広げているこの長さが自分のそこの長さだとモニカに言っていることになる、長さを実際に示していることになるため、「そうなんだぁ〜、あなたたちの長さはそれぞれそれくらいなのね」みたいに納得されないために、プレイボーイのジョーイは「いやいや、冗談だろ、俺のはもっと長いよ」みたいな感じで、That's ridiculous. 「そんなバカな、冗談だろ」と言ってみせたのだろうと思います。
DVDの日本語訳も「短すぎるよ」となっており、やはりそれは「こんなに短いなんてバカげてるよ」と解釈していることになりますよね。
そう言いながらも、何となくジョーイはそわそわしている感じで、その様子を見ていると「こんなに短くない」と言いながら、その測定法が結構当たってる(笑)ということを示しているように思います。
ロスは別の手の親指を少し遠ざけるようなしぐさで、「同じ手の親指じゃなくて、どっちの手でもいいよね? 違う手の親指でもいいよね」と言っていますが、それもやはり「片手では短い」ということを言いたくて、もっと長さを広げられる別の手の指を使うことを言っていることになるでしょう。
それに対してのモニカの表情が、兄ロスの発言を微笑ましく見ている感じなので「僕のはもっと長いよ、って見栄を張りたければご自由にどうぞ」と言っているように見えました。
このようなエッチ系の話では、具体的な単語が使われていないことも多いですが、話の流れからそれ系の話だな、とわかる面白さになるでしょう。
男性陣が長さの話でざわざわしているとなると、あの長さのことしかない、みたいなことで、フレンズっぽいセリフだと言えそうですね。
ウェイトレスをしているレイチェルが、お盆に飲み物を乗せて運んできます。
「言わないで」というのは、「コーヒーは俺」みたいに自分の注文したものを言わなくても、私が注文通りに渡してみせるからね、ということですね。
decaf はフレンズ1-1 にも出てきましたが「カフェイン抜き」。
Decaf cappuccino for Joey. は「ジョーイのための[ジョーイが注文した]カフェイン抜きのカプチーノ」ということですが、語順のままにイメージすると「カフェイン抜きのカプチーノ、ジョーイのために[ジョーイに]」という感じに捉えた方が元の英語の感覚が出るように思います。
最後の an iced tea は「アイスティー」ですが、iced tea のように iced が使われていることに注目してみましょう。
ice はご存じ「氷」で、他動詞では「〜を凍らせる、〜を氷で冷やす」なので、アイスティーは「氷で冷やされたティー」ということで、iced tea になっているのですね。
be good at は「〜が得意である」なので、I'm getting pretty good at this. は「私はこれ(注文を運ぶこと)がかなり得意になってきてるわ。うまくなってる・上達してるわ」というところですね。
フレンズたちもみんな口々に褒めてくれて、得意になったレイチェルは、嬉しそうにお盆を振りながら、Good for me! と言って去って行きます。
誰かが何かを頑張った時の誉め言葉に Good for you! 「よくやった! 頑張った!」というものがありますが、それを自分に対して使っている感覚ですね。
「よくやったわ、私! えらいぞ、私!」みたいなニュアンスになるでしょう。
ですが、レイチェルが去った後、4人はそれぞれ手にした飲み物を交換しています。
レイチェルは自信満々で配ったのですが、全部間違っていたということですね。
レイチェルが配っている時、フレンズ4人は静かにそれを受け取りながら、微妙な表情をしていたため、「注文と違うものを渡している」というオチになるのは観客にも想像できたようで、途中で既にラフトラック(笑い声)も起きています。
それでも、レイチェルを傷つけまいとして、レイチェルが去ってから、こっそり交換しているみんなの姿が微笑ましいなと思いました。
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2017年04月21日
失われていたので恋しい フレンズ1-3改その7
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3:26
チャンドラー: All right. Now, don't think of it as a cigarette. Think of it as the thing that's been missing from your hand. When you're holding it, you feel right. You feel complete. (よし。ほら、それをタバコだと思うな。それを、自分の手からずっと失われていたものだと思うんだ。それを手に持っている時、正しいと感じる。完璧だと感じるんだ。)
ジョーイ: You miss it? (それが恋しいの?)
チャンドラー: No, not so much. All right. Now we smoke. (TAKES A PUFF) Oh, my God! (CONTINUES TO SMOKE) (いや、そんなにはね。よし。じゃあ吸うぞ。[タバコをふかす] あぁ、たまんない! [タバコを吸い続ける])
ジョーイからタバコを受け取ったチャンドラーはそれを手にしながら、don't think of it as... のセリフを言っていますね。
「それを〜として考えるな」「それを〜だと思うな」ということで、最初に「それをタバコだと思うな」と言った後、the thing that's been missing from your hand だと思え、と続けます。
この missing は「あるべきところにない、いるべきところにいない、なくなっている、失われている、行方不明である」という意味の形容詞。
LAAD では、
missing [adjective] : something that is missing is not in its usual place, so that you cannot find it
例) Three buttons were missing from his shirt.
つまり、「missing であるものは、そのいつもの場所にない、よってそれを見つけることができない」。例文は「彼のシャツからボタンが3つ、なくなっていた」。
今回のセリフも、missing from の形が使われていて、「手からなくなっていたもの」という意味になります。
thing that's been missing は、thing that has been missing で、「ずっとなくなっていた、失われていた」。
「あるべきいつもの場所が hand であって、そこから長らく失われていた、長い間そこにいなかった」と表現しているわけですね。
feel right は「正しいと感じる」、feel complete は「完璧だと感じる」。
手から失われていた it を、今こうして手に持っているから、あるべき場所にそれはある、それは「正しい、完璧だ」と思える感覚なんだよ、ということですね。
「長い間手から失われていたものがこうして戻ってきた」という言い方から、やはりチャンドラーは「昔タバコを吸っていたけれど、禁煙して今はやめている」ことがわかりますし、ジョーイがチャンドラーにタバコを渡すのを躊躇していたこととも繋がります。
You miss it? の miss は他動詞で「〜を恋しい、〜がなくて寂しく思う」。
I miss you. なら「あなたがいなくて寂しい」ですね。
この「恋しい」という意味の miss は、LAAD では、
miss
3. FEEL SAD ABOUT SOMEBODY to feel sad because someone you love is not with you
4. FEEL SAD ABOUT SOMETHING to feel sad because you do not have something or cannot do something you had or did before
つまり、3. は「自分の愛する人が自分と一緒にいないので悲しく感じること」。4. は「以前に持っていたものを持っていない、または以前にしたことをできないので、悲しく感じること」。
missing の説明の際に、not in its usual place 「いつもの場所にない」という語義説明を紹介しましたが、「過去に持っていたものを今は持っていない、以前にしたことを今はできない」という他動詞 miss の感覚が、「あるべき場所にない」という missing に繋がっているのがよくわかりますね。
チャンドラーがタバコを手に持ちながら、明らかにタバコへの愛しさを語っているので、ジョーイは「それ(タバコ)が恋しいの?」と尋ねたのですが、チャンドラーは、No, not so much. 「いや、そんなにはね。そんなに恋しい[なくて寂しい]わけじゃないよ」と答えます。
言葉では「いや、それほどでもないよ」と言っているわけですが、渡した方のジョーイは、ちょっと目を見開いて、「よくそんな嘘を言うよ」というような顔をして、「やべぇ、面倒なことになった」といった風に髪をかき上げています。
Now we smoke. のように主語が we になっていますが、これは恐らく、ジョーイ演じる役柄のために演技をつけている、タバコを吸う姿のお手本を見せてやっている、という感覚から、「さあ、今から吸うからしっかり見てろよ」というように、ジョーイも巻き込む感じ、ジョーイも一緒にそれを体験して欲しい感覚で、we を使っているように思いました。
過去記事、医者が使う親身のwe フレンズ1-2改その33 では、「親身の we」について説明しました。
you の代わりに we を使うことで、話者である I をその中に含めて一体感を出し、相手の立場に立って親身になっていることを表す用法で、「医療関係者が患者に」「親が子供に」「先生が生徒に」対して用いるものです。
今回の場合は、本来の主語が Now I smoke. のように I になるべきところなので、厳密にいうと、「you の代わりに we を使う”親身の we"」とは異なるでしょうが、本来の主語の I に you を巻き込んで we と表現することで、「さぁ、一緒にこうしようね」と「先生が生徒に」言う感覚に近いような気がします。
タバコをふかした後、チャンドラーは「たまらない」という顔をしていますね。
その後、もう一度吸っているところでそのシーンは終わりますが、ジョーイに演技をつけるのも忘れて、この後もタバコをスパスパ吸っているんだろうなと思わせる描写となっています。
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3:26
チャンドラー: All right. Now, don't think of it as a cigarette. Think of it as the thing that's been missing from your hand. When you're holding it, you feel right. You feel complete. (よし。ほら、それをタバコだと思うな。それを、自分の手からずっと失われていたものだと思うんだ。それを手に持っている時、正しいと感じる。完璧だと感じるんだ。)
ジョーイ: You miss it? (それが恋しいの?)
チャンドラー: No, not so much. All right. Now we smoke. (TAKES A PUFF) Oh, my God! (CONTINUES TO SMOKE) (いや、そんなにはね。よし。じゃあ吸うぞ。[タバコをふかす] あぁ、たまんない! [タバコを吸い続ける])
ジョーイからタバコを受け取ったチャンドラーはそれを手にしながら、don't think of it as... のセリフを言っていますね。
「それを〜として考えるな」「それを〜だと思うな」ということで、最初に「それをタバコだと思うな」と言った後、the thing that's been missing from your hand だと思え、と続けます。
この missing は「あるべきところにない、いるべきところにいない、なくなっている、失われている、行方不明である」という意味の形容詞。
LAAD では、
missing [adjective] : something that is missing is not in its usual place, so that you cannot find it
例) Three buttons were missing from his shirt.
つまり、「missing であるものは、そのいつもの場所にない、よってそれを見つけることができない」。例文は「彼のシャツからボタンが3つ、なくなっていた」。
今回のセリフも、missing from の形が使われていて、「手からなくなっていたもの」という意味になります。
thing that's been missing は、thing that has been missing で、「ずっとなくなっていた、失われていた」。
「あるべきいつもの場所が hand であって、そこから長らく失われていた、長い間そこにいなかった」と表現しているわけですね。
feel right は「正しいと感じる」、feel complete は「完璧だと感じる」。
手から失われていた it を、今こうして手に持っているから、あるべき場所にそれはある、それは「正しい、完璧だ」と思える感覚なんだよ、ということですね。
「長い間手から失われていたものがこうして戻ってきた」という言い方から、やはりチャンドラーは「昔タバコを吸っていたけれど、禁煙して今はやめている」ことがわかりますし、ジョーイがチャンドラーにタバコを渡すのを躊躇していたこととも繋がります。
You miss it? の miss は他動詞で「〜を恋しい、〜がなくて寂しく思う」。
I miss you. なら「あなたがいなくて寂しい」ですね。
この「恋しい」という意味の miss は、LAAD では、
miss
3. FEEL SAD ABOUT SOMEBODY to feel sad because someone you love is not with you
4. FEEL SAD ABOUT SOMETHING to feel sad because you do not have something or cannot do something you had or did before
つまり、3. は「自分の愛する人が自分と一緒にいないので悲しく感じること」。4. は「以前に持っていたものを持っていない、または以前にしたことをできないので、悲しく感じること」。
missing の説明の際に、not in its usual place 「いつもの場所にない」という語義説明を紹介しましたが、「過去に持っていたものを今は持っていない、以前にしたことを今はできない」という他動詞 miss の感覚が、「あるべき場所にない」という missing に繋がっているのがよくわかりますね。
チャンドラーがタバコを手に持ちながら、明らかにタバコへの愛しさを語っているので、ジョーイは「それ(タバコ)が恋しいの?」と尋ねたのですが、チャンドラーは、No, not so much. 「いや、そんなにはね。そんなに恋しい[なくて寂しい]わけじゃないよ」と答えます。
言葉では「いや、それほどでもないよ」と言っているわけですが、渡した方のジョーイは、ちょっと目を見開いて、「よくそんな嘘を言うよ」というような顔をして、「やべぇ、面倒なことになった」といった風に髪をかき上げています。
Now we smoke. のように主語が we になっていますが、これは恐らく、ジョーイ演じる役柄のために演技をつけている、タバコを吸う姿のお手本を見せてやっている、という感覚から、「さあ、今から吸うからしっかり見てろよ」というように、ジョーイも巻き込む感じ、ジョーイも一緒にそれを体験して欲しい感覚で、we を使っているように思いました。
過去記事、医者が使う親身のwe フレンズ1-2改その33 では、「親身の we」について説明しました。
you の代わりに we を使うことで、話者である I をその中に含めて一体感を出し、相手の立場に立って親身になっていることを表す用法で、「医療関係者が患者に」「親が子供に」「先生が生徒に」対して用いるものです。
今回の場合は、本来の主語が Now I smoke. のように I になるべきところなので、厳密にいうと、「you の代わりに we を使う”親身の we"」とは異なるでしょうが、本来の主語の I に you を巻き込んで we と表現することで、「さぁ、一緒にこうしようね」と「先生が生徒に」言う感覚に近いような気がします。
タバコをふかした後、チャンドラーは「たまらない」という顔をしていますね。
その後、もう一度吸っているところでそのシーンは終わりますが、ジョーイに演技をつけるのも忘れて、この後もタバコをスパスパ吸っているんだろうなと思わせる描写となっています。
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2017年04月19日
試しに一服吸ってみろ フレンズ1-3改その6
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3:12
チャンドラー: All right. Now try taking a puff. (よし。じゃあ、(試しに)タバコを一服吸ってみろ[タバコをふかしてみろ]。)
(JOEY TRIES AND VISIBLY WINCES)
ジョーイはやってみる、そして目に見えて嫌な顔をする。
チャンドラー: Right. Okay. No. Give it to me. (よし。わかった。ダメだ。それを俺によこせ。)
ジョーイ: No no no. I am not giving you a cigarette. (だめだめだめ。俺はお前にはタバコを渡さないぞ。)
チャンドラー: It's fine, it's fine. Look, do you wanna get this part or not? Here. (大丈夫、大丈夫だよ。なあ、お前はこの役をゲットしたいのか、したくないのか? ほら。)
(JOEY RELUCTANTLY GIVES HIM THE CIGARETTE)
ジョーイはしぶしぶ、チャンドラーにタバコを渡す。
ジョーイがタバコをきちんと持ち直した後、チャンドラーは、Now try taking a puff. と言います。
take a puff は「タバコを一服吸う、ふかす」。
puff は擬音語から来た単語で、日本語でも「パフ or パフパフ」と言えば、タバコを吸っているイメージが浮かぶ気はしますよね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
puff [noun] : the action of taking the smoke from a cigarette, pipe etc. into your lungs
例) She took a puff and began to cough.
つまり、「タバコやパイプなどの煙を肺に取り込む動作」。例文は「彼女はタバコを一服吸って、咳き込み(せきこみ)始めた」。
前回のシーンで、ジョーイもタバコの煙を吸って、むせて咳き込んでいましたが、そのシーンもこの例文もタバコ慣れしていない人の動作としてありがちなものと言えそうです。
この try doing の形は、過去記事 偶然を装い、壊してみる フレンズ1-1改その18 にも出てきましたが、「試しに(実際に)やってみる」というニュアンス。
try to do 「〜しようとする」「そうしようとトライしてみる、頑張ってみる」との違いに注意しましょう。
今回の try taking a puff. は、「実際に俺の前でやってみせろ」と言うことで、「俺が見て、悪いところとか教えてやるからな」みたいなことを言っていることになります。
ト書きの VISIBLY WINCES について。
形容詞 visible が「目に見える」ですから、その副詞形の visibly は「目に見えて、目に見えるほど」「見るからに、ありありと」。
wince は「顔をしかめる」。
LAAD では、
wince [intransitive] : suddenly change the expression on your face as a reaction to something painful, upsetting, or embarrassing
例)When he laughed, he winced with pain.
つまり、「痛いこと、動揺するようなこと、恥ずかしいことへの反応として、突然、顔の表情を変える」。例文は「笑った時、彼は痛みで顔をゆがめた」。
ネガティブなことに反応して、顔をしかめる、ゆがめる、のような意味になります。
ですから、visibly winces は「目に見えて嫌な顔をする」というニュアンスで、画面のジョーイも、吸った後、舌をペロッと出して、見るからにいやそ〜な顔をしています。
ジョーイのこの表情と一緒にこの表現を覚えると、記憶に残りそうですね^^
タバコを吸う演技がうまくできないジョーイに、チャンドラーは「それ(タバコ)を俺によこせ」と言うのですが、ジョーイは「ダメだ。お前にはタバコは渡さないぞ」と言っています。
ジョーイが渡すのを拒んでいることから、チャンドラーにタバコを渡すことは良くないこと→チャンドラーはタバコをやめている、ということがこの時点でもほのかに想像はできる感じですね。
I'm not giving YOU a cigarette. のように、you の部分を強調して言っているので、「お前に渡さない」よりも「”お前には”渡さない」という日本語にした方が、雰囲気が出るように思います。
part は、芝居や映画・ドラマなどで俳優が演じる「役」のことですね。
「〜の役を演じる」だと、play the part of 役名 になります。
チャンドラーが、「お前はこの(タバコを吸う)役をゲットしたいのか、それともしたくないのか?」とまで言われ、ジョーイはしぶしぶチャンドラーにタバコを渡すことになります。
reluctantly は「しぶしぶ、いやいや、不本意ながら」。
LAAD では、
reluctant : slow and unwilling
つまり、「ゆっくりで、気が進まない」。
2語を合わせたニュアンスで説明されていますが、とてもわかりやすいと思います。
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3:12
チャンドラー: All right. Now try taking a puff. (よし。じゃあ、(試しに)タバコを一服吸ってみろ[タバコをふかしてみろ]。)
(JOEY TRIES AND VISIBLY WINCES)
ジョーイはやってみる、そして目に見えて嫌な顔をする。
チャンドラー: Right. Okay. No. Give it to me. (よし。わかった。ダメだ。それを俺によこせ。)
ジョーイ: No no no. I am not giving you a cigarette. (だめだめだめ。俺はお前にはタバコを渡さないぞ。)
チャンドラー: It's fine, it's fine. Look, do you wanna get this part or not? Here. (大丈夫、大丈夫だよ。なあ、お前はこの役をゲットしたいのか、したくないのか? ほら。)
(JOEY RELUCTANTLY GIVES HIM THE CIGARETTE)
ジョーイはしぶしぶ、チャンドラーにタバコを渡す。
ジョーイがタバコをきちんと持ち直した後、チャンドラーは、Now try taking a puff. と言います。
take a puff は「タバコを一服吸う、ふかす」。
puff は擬音語から来た単語で、日本語でも「パフ or パフパフ」と言えば、タバコを吸っているイメージが浮かぶ気はしますよね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
puff [noun] : the action of taking the smoke from a cigarette, pipe etc. into your lungs
例) She took a puff and began to cough.
つまり、「タバコやパイプなどの煙を肺に取り込む動作」。例文は「彼女はタバコを一服吸って、咳き込み(せきこみ)始めた」。
前回のシーンで、ジョーイもタバコの煙を吸って、むせて咳き込んでいましたが、そのシーンもこの例文もタバコ慣れしていない人の動作としてありがちなものと言えそうです。
この try doing の形は、過去記事 偶然を装い、壊してみる フレンズ1-1改その18 にも出てきましたが、「試しに(実際に)やってみる」というニュアンス。
try to do 「〜しようとする」「そうしようとトライしてみる、頑張ってみる」との違いに注意しましょう。
今回の try taking a puff. は、「実際に俺の前でやってみせろ」と言うことで、「俺が見て、悪いところとか教えてやるからな」みたいなことを言っていることになります。
ト書きの VISIBLY WINCES について。
形容詞 visible が「目に見える」ですから、その副詞形の visibly は「目に見えて、目に見えるほど」「見るからに、ありありと」。
wince は「顔をしかめる」。
LAAD では、
wince [intransitive] : suddenly change the expression on your face as a reaction to something painful, upsetting, or embarrassing
例)When he laughed, he winced with pain.
つまり、「痛いこと、動揺するようなこと、恥ずかしいことへの反応として、突然、顔の表情を変える」。例文は「笑った時、彼は痛みで顔をゆがめた」。
ネガティブなことに反応して、顔をしかめる、ゆがめる、のような意味になります。
ですから、visibly winces は「目に見えて嫌な顔をする」というニュアンスで、画面のジョーイも、吸った後、舌をペロッと出して、見るからにいやそ〜な顔をしています。
ジョーイのこの表情と一緒にこの表現を覚えると、記憶に残りそうですね^^
タバコを吸う演技がうまくできないジョーイに、チャンドラーは「それ(タバコ)を俺によこせ」と言うのですが、ジョーイは「ダメだ。お前にはタバコは渡さないぞ」と言っています。
ジョーイが渡すのを拒んでいることから、チャンドラーにタバコを渡すことは良くないこと→チャンドラーはタバコをやめている、ということがこの時点でもほのかに想像はできる感じですね。
I'm not giving YOU a cigarette. のように、you の部分を強調して言っているので、「お前に渡さない」よりも「”お前には”渡さない」という日本語にした方が、雰囲気が出るように思います。
part は、芝居や映画・ドラマなどで俳優が演じる「役」のことですね。
「〜の役を演じる」だと、play the part of 役名 になります。
チャンドラーが、「お前はこの(タバコを吸う)役をゲットしたいのか、それともしたくないのか?」とまで言われ、ジョーイはしぶしぶチャンドラーにタバコを渡すことになります。
reluctantly は「しぶしぶ、いやいや、不本意ながら」。
LAAD では、
reluctant : slow and unwilling
つまり、「ゆっくりで、気が進まない」。
2語を合わせたニュアンスで説明されていますが、とてもわかりやすいと思います。
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2017年04月17日
smoke awayのawayの感覚 フレンズ1-3改その5
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2:46
チャンドラー: "Smoke away!" (”気にせず(ここで)吸え!”)
(JOEY TAKES OUT A PACKET OF CIGARETTES AND A LIGHTER. HE FUMBLES AND DROPS THE LIGHTER. THEN HE LIGHTS A CIGARETTE, TAKES A DRAG AND COUGHS)
ジョーイはタバコの箱とライターを取り出す。彼は掴みそこなって、ライターを落とす。それから、タバコに火をつける。タバコを吸って、咳き込む。)
チャンドラー: I think this is probably why Dimon smokes in his cell alone. (ディモーンが自分の独房で一人でタバコを吸いたがる理由は、多分これだと思うな。)
ジョーイ: What? (何?)
チャンドラー: Relax your hand. Let your wrist go. (手の力を抜いて。手首を自由にするんだ。)
(JOEY LETS HIS WRIST GO LIMP)
ジョーイは自分の手首をだらんとさせる。
チャンドラー: Not so much. (そんなにじゃない。)
ジョーイ: Whoah! (おっと!)
チャンドラー: Hey! (おい!)
ジョーイ: Hey! (おい!)
芝居のセリフの練習をしているジョーイは、「独房に戻りたい。そこならタバコが吸えるからだ」と言います。
それに対して、チャンドラーは看守のセリフとして、Smoke away. と言っています。
この away の感覚については、過去記事のコメント欄で教えていただいたのですが、マーク・ピーターセンさんの 心にとどく英語(岩波新書) の p.58 の「人目をはばからない away」の感覚が当てはまるように思います。
その away の説明では、映画「ローマの休日」のセリフがまずは例に挙げられており、そのセリフの snoozing away を「眠りこけてしまって」と訳された上で、
この "away" は、「まわりを全然気にせず、平気でやっている」という雰囲気を動詞に添える副詞
と説明されていました。
この「まわりを気にせず、平気で」という away の感覚を、今回のセリフの Smoke away. に当てはめると、「まわりを気にせず、タバコを吸え」になるように思います。
このセリフの状況を考えてみると、死刑囚が「(ここではタバコが吸えないから)独房に戻ってタバコを吸いたい」と言ったことに対して、Smoke. 「吸え」と言ったので、ジョーイがタバコを(独房ではなく)ここで吸う、という流れになっていますね。
「独房ではなく、この場所で吸っていいぞ」と看守が許可した感覚だろうと思われますので、「もうじきお前は死刑になってしまうんだから、場所なんか ”気にせず” ”心行くまで自由に、好きなだけ、吸いたいだけ” 吸え」という、最期を迎える人に対する温情のニュアンスが入ったセリフなのだろうな、と思います。
「独房で」と言った死刑囚に対して、「場所とか気にせずお前のしたいようにしろ」という感覚が、away には込められているような気がした、ということですね。
その後、ジョーイはタバコを取り出し、ライターで火をつけるという一連の動作をします。
ト書きの表現も学ぶところが多いので、少し説明させていただきますね。
packet は「小箱」、fumble はボール競技で「ボールをファンブルする」と表現するように「取り損ねる、不器用に取り扱う」という感覚。
light a cigarette は「タバコに火をつける」。
light は「ライト、光」で、形容詞だと「明るい」という意味でよく使われますが、「たばこの火」の「火」も light で表現し、動詞で「〜に火をつける」という意味でも使われます。
タバコを吸おうとしている人が「(タバコの)火はありますか? 火を貸してくれませんか?」と言う場合には、Do you have a light? と表現します。
火をつけるものだから「ライター」(lighter)なわけですね。
take a drag (on one's cigarette)は「たばこを吸う」。
「テイク・ア・ドラッグ」というカタカナの連想から、「薬物、ドラッグ」の drug と勘違いされる方もいるかもしれませんが、「薬物を摂取する」というような drug の感覚ではなく、drag という別の単語であることに注意しましょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
drag : CIGARETTE [countable] the act of breathing in smoke from a cigarette
例) Frank took a deep drag on his cigarette.
つまり、「タバコからの煙を吸い込むという動作」。例文は「フランクはタバコを深く吸い込んだ」。
タバコの煙を吸い込んだ後、むせて咳き込むジョーイを見て、チャンドラーは、I think this is probably why... のセリフを言っています。
why = the reason why のニュアンスで、直訳すると、「これが多分、ディモーンが自分の独房で一人でタバコを吸う理由だと俺は思う」。
つまり、「こんな風だから、ディモーンは独房で一人でタバコを吸いたいって言ったんだな」ということですね。
気取ってタバコを吸ったはずなのに、むせて咳き込んでいる様子が何ともかっこ悪く、「人にこんな姿を見せられないから人から見えないところで一人で吸いたかったんだな」とからかったわけですね。
ジョーイはタバコを吸い慣れていないらしく、タバコを持つ手もどこか不自然です。
それを見たチャンドラーは、「手をリラックスさせろ、手の力を抜け」と言った後、Let your wrist go. と言います。
wrist は「リストバンド」からもわかるように「手首」。
let something go は「〜を行かせる」という感じなので、「〜を開放する、解き放つ(ときはなつ)」のような感覚になります。
something が go しようとするのを許すニュアンスで、無理に引き留めたり、抵抗したりせず、something の行くまま、向くままに任せる、something の自由にする、という感覚になるでしょう。
アナ雪のテーマソングのレリゴー(Let It Go)にも、let something go の形が使われていますが、これも「抑えていたもの・我慢していたものを開放し、解き放ち、自由にする」という感覚ですよね。
手をリラックスして、手首を自由にして、と言われて、ジョーイは手首を内側にだらんと曲げたようにします。
ト書きの go limp の limp は「だらり・だらんとした」。
LAAD では、
limp [adjective] : something that is limp is soft or weak when it should be firm or strong
つまり、「limp の状態であるものは、硬く強くあるべき時に、柔らかく弱い」。
つまり、本来はしゃんとしているべきものが、だらん、ぐにゃりと力が抜けてしまっている様子です。
Not so much. は「そんなにたくさんじゃない」ということですから、「力を抜けとは言ったが、そこまで力を抜かなくていい。それじゃあ力を抜き過ぎだよ」ということですね。
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チャンドラー: "Smoke away!" (”気にせず(ここで)吸え!”)
(JOEY TAKES OUT A PACKET OF CIGARETTES AND A LIGHTER. HE FUMBLES AND DROPS THE LIGHTER. THEN HE LIGHTS A CIGARETTE, TAKES A DRAG AND COUGHS)
ジョーイはタバコの箱とライターを取り出す。彼は掴みそこなって、ライターを落とす。それから、タバコに火をつける。タバコを吸って、咳き込む。)
チャンドラー: I think this is probably why Dimon smokes in his cell alone. (ディモーンが自分の独房で一人でタバコを吸いたがる理由は、多分これだと思うな。)
ジョーイ: What? (何?)
チャンドラー: Relax your hand. Let your wrist go. (手の力を抜いて。手首を自由にするんだ。)
(JOEY LETS HIS WRIST GO LIMP)
ジョーイは自分の手首をだらんとさせる。
チャンドラー: Not so much. (そんなにじゃない。)
ジョーイ: Whoah! (おっと!)
チャンドラー: Hey! (おい!)
ジョーイ: Hey! (おい!)
芝居のセリフの練習をしているジョーイは、「独房に戻りたい。そこならタバコが吸えるからだ」と言います。
それに対して、チャンドラーは看守のセリフとして、Smoke away. と言っています。
この away の感覚については、過去記事のコメント欄で教えていただいたのですが、マーク・ピーターセンさんの 心にとどく英語(岩波新書) の p.58 の「人目をはばからない away」の感覚が当てはまるように思います。
その away の説明では、映画「ローマの休日」のセリフがまずは例に挙げられており、そのセリフの snoozing away を「眠りこけてしまって」と訳された上で、
この "away" は、「まわりを全然気にせず、平気でやっている」という雰囲気を動詞に添える副詞
と説明されていました。
この「まわりを気にせず、平気で」という away の感覚を、今回のセリフの Smoke away. に当てはめると、「まわりを気にせず、タバコを吸え」になるように思います。
このセリフの状況を考えてみると、死刑囚が「(ここではタバコが吸えないから)独房に戻ってタバコを吸いたい」と言ったことに対して、Smoke. 「吸え」と言ったので、ジョーイがタバコを(独房ではなく)ここで吸う、という流れになっていますね。
「独房ではなく、この場所で吸っていいぞ」と看守が許可した感覚だろうと思われますので、「もうじきお前は死刑になってしまうんだから、場所なんか ”気にせず” ”心行くまで自由に、好きなだけ、吸いたいだけ” 吸え」という、最期を迎える人に対する温情のニュアンスが入ったセリフなのだろうな、と思います。
「独房で」と言った死刑囚に対して、「場所とか気にせずお前のしたいようにしろ」という感覚が、away には込められているような気がした、ということですね。
その後、ジョーイはタバコを取り出し、ライターで火をつけるという一連の動作をします。
ト書きの表現も学ぶところが多いので、少し説明させていただきますね。
packet は「小箱」、fumble はボール競技で「ボールをファンブルする」と表現するように「取り損ねる、不器用に取り扱う」という感覚。
light a cigarette は「タバコに火をつける」。
light は「ライト、光」で、形容詞だと「明るい」という意味でよく使われますが、「たばこの火」の「火」も light で表現し、動詞で「〜に火をつける」という意味でも使われます。
タバコを吸おうとしている人が「(タバコの)火はありますか? 火を貸してくれませんか?」と言う場合には、Do you have a light? と表現します。
火をつけるものだから「ライター」(lighter)なわけですね。
take a drag (on one's cigarette)は「たばこを吸う」。
「テイク・ア・ドラッグ」というカタカナの連想から、「薬物、ドラッグ」の drug と勘違いされる方もいるかもしれませんが、「薬物を摂取する」というような drug の感覚ではなく、drag という別の単語であることに注意しましょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
drag : CIGARETTE [countable] the act of breathing in smoke from a cigarette
例) Frank took a deep drag on his cigarette.
つまり、「タバコからの煙を吸い込むという動作」。例文は「フランクはタバコを深く吸い込んだ」。
タバコの煙を吸い込んだ後、むせて咳き込むジョーイを見て、チャンドラーは、I think this is probably why... のセリフを言っています。
why = the reason why のニュアンスで、直訳すると、「これが多分、ディモーンが自分の独房で一人でタバコを吸う理由だと俺は思う」。
つまり、「こんな風だから、ディモーンは独房で一人でタバコを吸いたいって言ったんだな」ということですね。
気取ってタバコを吸ったはずなのに、むせて咳き込んでいる様子が何ともかっこ悪く、「人にこんな姿を見せられないから人から見えないところで一人で吸いたかったんだな」とからかったわけですね。
ジョーイはタバコを吸い慣れていないらしく、タバコを持つ手もどこか不自然です。
それを見たチャンドラーは、「手をリラックスさせろ、手の力を抜け」と言った後、Let your wrist go. と言います。
wrist は「リストバンド」からもわかるように「手首」。
let something go は「〜を行かせる」という感じなので、「〜を開放する、解き放つ(ときはなつ)」のような感覚になります。
something が go しようとするのを許すニュアンスで、無理に引き留めたり、抵抗したりせず、something の行くまま、向くままに任せる、something の自由にする、という感覚になるでしょう。
アナ雪のテーマソングのレリゴー(Let It Go)にも、let something go の形が使われていますが、これも「抑えていたもの・我慢していたものを開放し、解き放ち、自由にする」という感覚ですよね。
手をリラックスして、手首を自由にして、と言われて、ジョーイは手首を内側にだらんと曲げたようにします。
ト書きの go limp の limp は「だらり・だらんとした」。
LAAD では、
limp [adjective] : something that is limp is soft or weak when it should be firm or strong
つまり、「limp の状態であるものは、硬く強くあるべき時に、柔らかく弱い」。
つまり、本来はしゃんとしているべきものが、だらん、ぐにゃりと力が抜けてしまっている様子です。
Not so much. は「そんなにたくさんじゃない」ということですから、「力を抜けとは言ったが、そこまで力を抜かなくていい。それじゃあ力を抜き過ぎだよ」ということですね。
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2017年04月13日
6月に東京セミナー開催します!
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は11位、「にほんブログ村」は8位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
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(追記)
参加のお申込みは、6月4日(日)をもって締め切らせていただきました。
応募時にご登録いただいたメールアドレスに、昨日6月9日(金)までに、当落に関わらずメールでご連絡を送らせていただいています。
応募したにもかかわらず当落のメールが来ないという方がおられましたら、以下の要領でお問い合わせ下さいませ。
メールアドレス:webpresent@cccmh.co.jp
件名:「海外ドラマDVD英語学習法」体験セミナー
たくさんのご応募ありがとうございました!
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記事タイトルにあります通り、6月に東京でセミナーを開催させていただくことになりました!
お申し込みには2種類の方法があるのですが、まずは、セミナーの概要を簡単に説明させていただきます。
「海外ドラマDVD英語学習法」体験セミナー
日時 2017年6月18日(日)13:00〜15:00(開場12時30分)
会場 目黒(当選者に詳細をお知らせします)
定員 40名 ※応募者多数の場合は、抽選となります。
お申込方法は、
1. 書店で書籍ご購入(セミナーは無料)
2. セミナー受講料 1,500円(書籍をご購入されない場合)
の2通りの方法があります。
今回のセミナーは、拙著「海外ドラマDVD英語学習法」をご購入下さった方に、その学習法を体験していただく、という趣旨で企画されました。
複数の書店様にご協力いただき、「キャンペーン実施書店で書籍をお買い上げ下さった方を抽選でご招待する」というものが、1. のお申込方法となります。
拙著の出版元であるCCCメディアハウスの公式サイト(↓)でもセミナー告知がされています。
英会話が劇的に上達する!! 海外ドラマDVD英語学習法
本を買って、体験セミナー6/18(日)に参加しよう!
書店と出版社の案内では、応募条件として「書籍購入」のみを告知していますが、今このブログを読んで下さっている読者の皆様には、既にその本をご購入済みという方もたくさんいて下さると思います。
そこで、既に本をお持ちでセミナー参加ご希望の方には、2. の「セミナー受講料として、1,500円をお支払いいただく」という方法もご用意させていただきました。
今回のセミナーが「新規に本をご購入下さった方をご招待するセミナー」となっているため、このような形となりました。なにとぞご理解のほどよろしくお願いいたします。
どちらの方法の場合も、応募者多数の場合は抽選になります。
応募締切 6月4日(日)24:00まで
当選発表 6月9日(金)までに、ご登録いただいたメールアドレスに当落に関わらずご連絡いたします。当選者には、セミナーの場所等、詳細をお知らせいたします。
※本キャンペーンは6月4日をもって終了いたします。
それぞれのお申込方法の詳細は以下の通りです。
1. 書店で書籍ご購入(セミナーは無料)
以下に記載のキャンペーン実施書店で『海外ドラマDVD英語学習法』(CCCメディアハウス刊、税込 1,512円)をご購入のうえ、添付されている応募カードのQRコードを読み取り、応募フォームからお申し込みください。
ご当選された方は、本をご購入いただいたことを証明するものとして、本同封の応募カードをセミナー当日、会場受付でご提示いただくことになります。なくさないよう大切に保管して下さい。
キャンペーン実施書店(都内16店舗)※実施書店が増えましたので、追記しています
紀伊國屋書店 新宿本店
八重洲ブックセンター 本店
八重洲ブックセンター 日比谷シャンテ店
丸善 お茶の水店
三省堂書店 神保町本店
三省堂書店 池袋本店
三省堂書店 有楽町店
三省堂書店 経堂店
有隣堂 恵比寿店
有隣堂 目黒店
リブロ 汐留シオサイト店
中目黒 蔦屋書店
TSUTAYA TokyoMidtown
TSUTAYA 六本木店
ブックファースト ルミネ新宿店
ブックファースト 新宿店
※キャンペーンのスタートは書店により異なります。
2. セミナー受講料 1,500円(書籍をご購入されない場合)
以下のリンク先の応募フォームから、お申込み下さい。
セミナー受講料 1,500円 のお申し込みはこちら
こちらの方法で申し込まれてご当選された方は、セミナー受講料として 1,500円をセミナー当日、会場受付でお支払いいただくことになります。どうかご了承下さいませ。
セミナーのお申し込み方法については以上です。
最近では、2016年7月に大阪府枚方市、2017年2月に京都市でそれぞれセミナーを開催しました。
東京セミナーは、2014年10月12日・13日以来なので、およそ 2年8か月ぶりとなります。
過去の東京セミナーでは、フレンズ1-8 を解説させていただきましたが、今回のセミナーはそれとは異なるエピソードで行いますので、2014年の東京セミナーにご参加下さった方にも新鮮な気持ちで楽しんでいただけると思います。
このセミナーは、私のセミナーとしては通算9回目となります。
昨年4月の「海外ドラマDVD英語学習法」出版後、2回の関西セミナーに続き、こうして東京でもセミナーを開催できることになったことを大変嬉しく思っております。
このブログを読み続け、応援し続けて下さった、読者の皆様方のおかげです。本当にありがとうございます!
多くの方と、海外ドラマで英語を学ぶ楽しさを分かち合えたらいいな♪ と思っています。
セミナーへのご応募を、心よりお待ち申し上げております。
どうかよろしくお願いいたします!<(_ _)>
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(追記)
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たくさんのご応募ありがとうございました!
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お申し込みには2種類の方法があるのですが、まずは、セミナーの概要を簡単に説明させていただきます。
「海外ドラマDVD英語学習法」体験セミナー
日時 2017年6月18日(日)13:00〜15:00(開場12時30分)
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定員 40名 ※応募者多数の場合は、抽選となります。
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1. 書店で書籍ご購入(セミナーは無料)
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の2通りの方法があります。
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キャンペーン実施書店(都内16店舗)※実施書店が増えましたので、追記しています
紀伊國屋書店 新宿本店
八重洲ブックセンター 本店
八重洲ブックセンター 日比谷シャンテ店
丸善 お茶の水店
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三省堂書店 池袋本店
三省堂書店 有楽町店
三省堂書店 経堂店
有隣堂 恵比寿店
有隣堂 目黒店
リブロ 汐留シオサイト店
中目黒 蔦屋書店
TSUTAYA TokyoMidtown
TSUTAYA 六本木店
ブックファースト ルミネ新宿店
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東京セミナーは、2014年10月12日・13日以来なので、およそ 2年8か月ぶりとなります。
過去の東京セミナーでは、フレンズ1-8 を解説させていただきましたが、今回のセミナーはそれとは異なるエピソードで行いますので、2014年の東京セミナーにご参加下さった方にも新鮮な気持ちで楽しんでいただけると思います。
このセミナーは、私のセミナーとしては通算9回目となります。
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2017年04月11日
ただ自分のセルに戻りたい フレンズ1-3改その4
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2:12
SCENE 1: CHANDLER AND JOEY'S APARTMENT. (JOEY IS REHEARSING A PART; CHANDLER READS THE OTHER PART FROM A SCRIPT)
シーン1:チャンドラーとジョーイのアパートメント(ジョーイは役のリハーサルをしている。チャンドラーは脚本(スクリプト)の別の役(のセリフ)を読む。)
チャンドラー: "So how does it feel knowing you're about to die?" (”それで、自分が死のうとしているのがわかっているのはどんな感じだ?”)
ジョーイ: "Warden, in five minutes my pain will be over. But you'll have to live with the knowledge that you sent an honest man to die." (”看守さん、あと5分で俺の苦しみは終わる。でもあんたは、自分が公正な人間を死に送ったことを知りながら、生きていかなくちゃならないんだ。”)
チャンドラー: Hey, that was really good! (おぉ、今のはすっごく良かったよ!)
ジョーイ: Thanks! Let's keep going. (ありがと! 続けよう。)
チャンドラー: Okay. "So. What do you want from me, Dimon? Huh?" (わかった。”それで何か望みはあるか、ディモーン。どうだ?”)
ジョーイ: I just wanna go back to my cell. 'Cause in my cell I can smoke. (”俺はただ、自分の独房に戻りたい。それは自分の独房ならタバコが吸えるからだ。”)
シーンの最初に、チャンドラーとジョーイの部屋の壁に掛けてある、白黒のポスターが映し出されますね。
このポスターについては、IMDb(Internet Movie Database)で、このエピソードの Connections 「関連」として、以下のように説明されていました。
Grand Jury Secrets (1939)
poster of this movie is on one of Chandler and Joey's walls
つまり、「チャンドラーとジョーイの壁の一つに、この映画(1939年の Grand Jury Secrets)のポスターがある」ということですね。
grand jury は「大陪審」なので、日本語にすると「大陪審の秘密」のような感じでしょうか。
ジョーイは俳優なので、このシーンではチャンドラーを相手にお芝居の練習をしているらしいことがわかります。
通常のセリフと区別するため、お芝居の練習をしている部分には英語字幕に引用符が付いています。
how does it feel knowing... は、it = knowing... で、…を知っていることはどんな感じがするか? を尋ねている感覚になるでしょう。
be about to は「まさに〜しようとしている」なので、自分がまさに(これから)死のうとしていることを知っている、っていうのはどんな感じなんだ?」という質問ですね。
warden は「刑務所長、刑務所の看守」。
「自分が死ぬとわかっている気分はどうだ?」と言われ、「看守さん」と返したやりとりから、ジョーイの役は死刑囚なのだろうということもわかります。
in five minutes my pain will be over. は「あと5分で、俺の苦しみ・痛みは終わる」。
be over は「終わる」という意味ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
over [adjective] [not before noun] : if an event or period of time is over, it has finished
例)Is the game over yet?
つまり、「(名詞の前には用いない) あるイベントや期間が is over というのは、それが終わってしまった、ということ」。例文は「もうその試合は終わった?」
日本語でも「ゲーム・オーバー」という表現がありますし、また、欧陽菲菲さんの「ラヴ・イズ・オーヴァー」という1980年代のヒット曲もあり、その曲はカヴァーもたくさんされていますので、over が「終わり」の意味だとご存じの方も多いだろうと思います。
「死にゆく気分はどうだ?」と聞かれて、「5分で俺の苦しみは終わる」と言っていることから、もうすぐ自分は死刑執行されると言っていることがわかります。
knowledge は「知識、知っていること」で、knowledge that SV は「 SV ということを知っていること」になります。
ですから、with the knowledge that SV は「 SV ということを知っている状態で」「 SV ということを知りながら」という感覚ですね。
sent an honest man to die の send someone to do は「人を〜するために送る、行かせる」という意味。
honest は「正直な、公正な」なので、いわば「罪を犯していない無実の人間を死に送る」と言っていることになるでしょう。
an honest man... to die. のように、ちょっと間をあけてタメを入れているのが、セリフっぽい感じですね。
チャンドラーは素に戻って、「今のはすっごく良かった!」と嬉しそうな顔をするので、ジョーイも喜び、さらにこれを続けようと言います。
What do you want from me? を直訳すると、「俺から何が欲しい?」のような感覚ですね。
つまりは「俺に何かして欲しいことがあるか?」ということですが、want はこのように、want something from someone の形を取ることができ、LAAD にも、
want something from/of somebody
例) What exactly do you want from me?
と出ています。
望みを聞かれて、ジョーイ演じる囚人は、「俺はただ、自分の独房に戻りたい」と言います。
ここでの cell は「独房」ですが、cell には他にも「細胞」という意味もありますね。
研究社 新英和中辞典では、cell の語義説明として、まずは大きく「小室」とした上で、その中に「個室、独房、細胞」などの意味を挙げています。
いずれにも「区切られた小さな部屋」という感覚が感じられますよね。
現代において cell と言うと、携帯電話の意味でよく使われますね。
a cell, a cell phone, a cellular phone はどれも携帯電話という意味になります。
セルラーフォン(cellular phone)という呼び名が短縮されて、今では a cell だけで通じるようになっていますが、セルラーという用語については、以下のサイトの説明がわかりやすいと思います。
KDDI株式会社>用語集>モバイル>セルラー:セルラーの概要
その概要では「区画ごとにエリアを分割」と説明されています。
エリアを分割した区画の概念は、確かに細胞などの「小室」の感覚に通じますね。
ちなみにイギリスでは a cell ではなく、もっぱら a mobile (phone) が使われます。
フレンズのずっと後のエピソードになりますが、cell ではなく、mobile という単語を使うことで、自分がイギリス帰りであることをアピールする人が出てきます。
また、mobile という単語は、「モゥバル」みたいに発音するのがアメリカ式で、それを「モゥバイル(マゥバイル)」みたいに発音するのがイギリス式発音になるのですが、そのキャラもわざとアメリカ風ではなくイギリス風に発音していて、イギリスアピールをさらに強調していました。
「ただ自分の独房に行きたい」と言った後、「なぜなら俺の独房では、俺はタバコを吸えるからだ」と言っています。
ここではタバコを吸ってはいけないから、自分の独房に戻って最後のタバコを吸わせて欲しい、と言っていることになりますね。
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2:12
SCENE 1: CHANDLER AND JOEY'S APARTMENT. (JOEY IS REHEARSING A PART; CHANDLER READS THE OTHER PART FROM A SCRIPT)
シーン1:チャンドラーとジョーイのアパートメント(ジョーイは役のリハーサルをしている。チャンドラーは脚本(スクリプト)の別の役(のセリフ)を読む。)
チャンドラー: "So how does it feel knowing you're about to die?" (”それで、自分が死のうとしているのがわかっているのはどんな感じだ?”)
ジョーイ: "Warden, in five minutes my pain will be over. But you'll have to live with the knowledge that you sent an honest man to die." (”看守さん、あと5分で俺の苦しみは終わる。でもあんたは、自分が公正な人間を死に送ったことを知りながら、生きていかなくちゃならないんだ。”)
チャンドラー: Hey, that was really good! (おぉ、今のはすっごく良かったよ!)
ジョーイ: Thanks! Let's keep going. (ありがと! 続けよう。)
チャンドラー: Okay. "So. What do you want from me, Dimon? Huh?" (わかった。”それで何か望みはあるか、ディモーン。どうだ?”)
ジョーイ: I just wanna go back to my cell. 'Cause in my cell I can smoke. (”俺はただ、自分の独房に戻りたい。それは自分の独房ならタバコが吸えるからだ。”)
シーンの最初に、チャンドラーとジョーイの部屋の壁に掛けてある、白黒のポスターが映し出されますね。
このポスターについては、IMDb(Internet Movie Database)で、このエピソードの Connections 「関連」として、以下のように説明されていました。
Grand Jury Secrets (1939)
poster of this movie is on one of Chandler and Joey's walls
つまり、「チャンドラーとジョーイの壁の一つに、この映画(1939年の Grand Jury Secrets)のポスターがある」ということですね。
grand jury は「大陪審」なので、日本語にすると「大陪審の秘密」のような感じでしょうか。
ジョーイは俳優なので、このシーンではチャンドラーを相手にお芝居の練習をしているらしいことがわかります。
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warden は「刑務所長、刑務所の看守」。
「自分が死ぬとわかっている気分はどうだ?」と言われ、「看守さん」と返したやりとりから、ジョーイの役は死刑囚なのだろうということもわかります。
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LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
over [adjective] [not before noun] : if an event or period of time is over, it has finished
例)Is the game over yet?
つまり、「(名詞の前には用いない) あるイベントや期間が is over というのは、それが終わってしまった、ということ」。例文は「もうその試合は終わった?」
日本語でも「ゲーム・オーバー」という表現がありますし、また、欧陽菲菲さんの「ラヴ・イズ・オーヴァー」という1980年代のヒット曲もあり、その曲はカヴァーもたくさんされていますので、over が「終わり」の意味だとご存じの方も多いだろうと思います。
「死にゆく気分はどうだ?」と聞かれて、「5分で俺の苦しみは終わる」と言っていることから、もうすぐ自分は死刑執行されると言っていることがわかります。
knowledge は「知識、知っていること」で、knowledge that SV は「 SV ということを知っていること」になります。
ですから、with the knowledge that SV は「 SV ということを知っている状態で」「 SV ということを知りながら」という感覚ですね。
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チャンドラーは素に戻って、「今のはすっごく良かった!」と嬉しそうな顔をするので、ジョーイも喜び、さらにこれを続けようと言います。
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と出ています。
望みを聞かれて、ジョーイ演じる囚人は、「俺はただ、自分の独房に戻りたい」と言います。
ここでの cell は「独房」ですが、cell には他にも「細胞」という意味もありますね。
研究社 新英和中辞典では、cell の語義説明として、まずは大きく「小室」とした上で、その中に「個室、独房、細胞」などの意味を挙げています。
いずれにも「区切られた小さな部屋」という感覚が感じられますよね。
現代において cell と言うと、携帯電話の意味でよく使われますね。
a cell, a cell phone, a cellular phone はどれも携帯電話という意味になります。
セルラーフォン(cellular phone)という呼び名が短縮されて、今では a cell だけで通じるようになっていますが、セルラーという用語については、以下のサイトの説明がわかりやすいと思います。
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その概要では「区画ごとにエリアを分割」と説明されています。
エリアを分割した区画の概念は、確かに細胞などの「小室」の感覚に通じますね。
ちなみにイギリスでは a cell ではなく、もっぱら a mobile (phone) が使われます。
フレンズのずっと後のエピソードになりますが、cell ではなく、mobile という単語を使うことで、自分がイギリス帰りであることをアピールする人が出てきます。
また、mobile という単語は、「モゥバル」みたいに発音するのがアメリカ式で、それを「モゥバイル(マゥバイル)」みたいに発音するのがイギリス式発音になるのですが、そのキャラもわざとアメリカ風ではなくイギリス風に発音していて、イギリスアピールをさらに強調していました。
「ただ自分の独房に行きたい」と言った後、「なぜなら俺の独房では、俺はタバコを吸えるからだ」と言っています。
ここではタバコを吸ってはいけないから、自分の独房に戻って最後のタバコを吸わせて欲しい、と言っていることになりますね。
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2017年04月07日
打撃に対するクッションになる フレンズ1-3改その3
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0:45
レイチェル: And everybody knows this? (それで、みんなはこのこと[デート言葉の本音・真の意味]を知ってるの?)
ジョーイ: Oh, yeah. Cushions the blow. (あぁ、そうだよ。打撃をやわらげる[打撃に対してクッションになる]んだ。)
チャンドラー: Yeah, it's like when you're a kid, and your parents put your dog to sleep, and they tell you it went off to live on some farm. (そうだよ。子供の頃、親は子供の飼い犬を安楽死させると、子供にはその犬はどこかの農場で暮らすために去った[家を出た]って言うだろ、そんな感じだよ。)
ロス: That's funny, that, no, because, uh, our parents actually did, uh, send our dog off to live on a farm. (それって面白いよね。いや、だって、僕の両親は農場で暮らせるようにと僕たちの犬を(嘘じゃなくて)実際に(本当に)送ったんだ。)
モニカ: Uh, Ross…? (あー、ロス…?)
ロス: What? Wh- hello? The Milners' farm in Connecticut? The Milners, they had this unbelievable farm. They had horses and, and rabbits that he could chase and it was- it w- .... (何? もしもし? コネチカット州のミルナーさんの農場だろ? ミルナーさんは、信じられないような素晴らしい農場を持ってたんだ、馬やウサギを飼ってて、僕たちの犬は(それを)追いかけることができて、それって…)
フレンズたちが、ロスを憐れむような顔で見る。
ロス: Oh, my God! Chi-Chi! (なんてこった! チーチー!)
(INTRO)
オープニング。
デートで言われた言葉の本当の意味・本音はこうだ、と説明されたレイチェルは、「みんなはこのことを知ってるの? 知らなかったのは私だけ?」のように尋ねています。
ジョーイはそれを肯定して、Cushions the blow. と続けます。
cushion はご存知「クッション」ですが、ここでは動詞として使われています。
名詞の複数形 cushions だと捉えると、その後に、the のついた名詞である the blow が続いてしまうので、名詞+名詞の「クッション、打撃」となり、文法的におかしくなってしまいますね。
この場合は、主語の It または That が省略されていると考えたらよいでしょう。
動詞の cushion は、やはり名詞のクッションのニュアンスが生きていて、「〜のクッション代わりとなる、クッションの役目を果たす」「衝撃などをやわらげる(和らげる)」という意味になります。
日本語で表すと、「クッションする」のようにクッションを動詞で使ったような感覚ですが、「〜のクッションになる」とすれば、日本語でも通じる訳になりそうですね。
ブローは、ボディブローという言葉もあるように、「強打、一撃」という意味。
ですから、cushion the blow は「ブローに対するクッションの役目を果たす」「強打の衝撃をやわらげる」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cushion [verb] [transitive] : to reduce the effects of something bad
cushion the blow/impact (of something)
つまり、「何か悪いものの影響を減らすこと」。
上のロングマンにも、cushion the blow という言葉が出ているように、この組み合わせはお決まりフレーズということですね。
「ブローに対するクッション」という言葉でこのセリフはイメージできますが、ただ cushion と blow という単語をでまかせに並べているのではなく、ここでは主語が省略されているけれども、the blow を目的語にとって、cushion という「他動詞」を使っているのだと認識することが、英語の構造を理解することにつながると私は思っています。
it's like when you're a kid, and your parents... は「子供の頃、親が〜するような時みたいなもんだ」という感覚。
この you は、語りかけている相手のレイチェルを指しているのではなく、「一般の人」を指していると理解すればよいでしょう。
「みんな、子供の頃にこういう経験あるだろ?」のような一般論を述べている感覚ですね。
put your dog to sleep は「犬を安楽死させる」。
put something to sleep で「病気の、または死期が近い動物を、薬などを使って安楽死させる」という意味になります。
LAAD では、
put something to sleep : to give drugs to a sick animal so that it dies without too much pain
つまり、「病気の動物に薬を投与して、ひどい痛みなしに[ひどい苦痛を感じることなく]その動物が死ぬようにすること」。
ペットを安楽死させても、その真実を告げずに、遠くの農場で静かに余生を過ごしてるんだよ、って親は説明するだろ、それと同じことだよ、とチャンドラーは言っていることになります。
actually は「実際に、本当に」。
「どの親もそういうことを言うだろ」と説明したチャンドラーに対して、「面白いことに、僕の親は、嘘じゃなくて本当にペットを農場に送ったんだよね」とロスは楽しそうに語ります。
モニカは何か言いたそうに、「ロス、、」と言うのですが、ロスはさらに話を続けています。
The Milners という The+名字の複数形は、「(名字)一家」というニュアンス。
ですからここでは「ミルナーさん一家」のような感じですね。
その農場には馬やウサギがいるから、犬はそれを追いかけたりして楽しい毎日を送るんだよ、、と説明するのですが、みんなが、ロスをかわいそうにと憐れむような顔で見るので、ついにはロスも「犬を農場に送った、というのは嘘だった」→「自分の犬は安楽死させられた」という事実を知るわけですね。
「ミルナーさんの農場で元気に暮らしてるから」というのが、まさに cushion the blow だったことに、この年になって気づいた、というオチになります。
Chi-Chi は大文字で始まっているので、固有名詞、つまり、これがその飼い犬の名前。
わざわざ our dog 「僕たちの(飼っていた)犬」のように言わなくても、Oh, my God! Chi-Chi! というセリフとロスの表情で、犬の名前を言っていることがわかる、という仕組みですね。
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0:45
レイチェル: And everybody knows this? (それで、みんなはこのこと[デート言葉の本音・真の意味]を知ってるの?)
ジョーイ: Oh, yeah. Cushions the blow. (あぁ、そうだよ。打撃をやわらげる[打撃に対してクッションになる]んだ。)
チャンドラー: Yeah, it's like when you're a kid, and your parents put your dog to sleep, and they tell you it went off to live on some farm. (そうだよ。子供の頃、親は子供の飼い犬を安楽死させると、子供にはその犬はどこかの農場で暮らすために去った[家を出た]って言うだろ、そんな感じだよ。)
ロス: That's funny, that, no, because, uh, our parents actually did, uh, send our dog off to live on a farm. (それって面白いよね。いや、だって、僕の両親は農場で暮らせるようにと僕たちの犬を(嘘じゃなくて)実際に(本当に)送ったんだ。)
モニカ: Uh, Ross…? (あー、ロス…?)
ロス: What? Wh- hello? The Milners' farm in Connecticut? The Milners, they had this unbelievable farm. They had horses and, and rabbits that he could chase and it was- it w- .... (何? もしもし? コネチカット州のミルナーさんの農場だろ? ミルナーさんは、信じられないような素晴らしい農場を持ってたんだ、馬やウサギを飼ってて、僕たちの犬は(それを)追いかけることができて、それって…)
フレンズたちが、ロスを憐れむような顔で見る。
ロス: Oh, my God! Chi-Chi! (なんてこった! チーチー!)
(INTRO)
オープニング。
デートで言われた言葉の本当の意味・本音はこうだ、と説明されたレイチェルは、「みんなはこのことを知ってるの? 知らなかったのは私だけ?」のように尋ねています。
ジョーイはそれを肯定して、Cushions the blow. と続けます。
cushion はご存知「クッション」ですが、ここでは動詞として使われています。
名詞の複数形 cushions だと捉えると、その後に、the のついた名詞である the blow が続いてしまうので、名詞+名詞の「クッション、打撃」となり、文法的におかしくなってしまいますね。
この場合は、主語の It または That が省略されていると考えたらよいでしょう。
動詞の cushion は、やはり名詞のクッションのニュアンスが生きていて、「〜のクッション代わりとなる、クッションの役目を果たす」「衝撃などをやわらげる(和らげる)」という意味になります。
日本語で表すと、「クッションする」のようにクッションを動詞で使ったような感覚ですが、「〜のクッションになる」とすれば、日本語でも通じる訳になりそうですね。
ブローは、ボディブローという言葉もあるように、「強打、一撃」という意味。
ですから、cushion the blow は「ブローに対するクッションの役目を果たす」「強打の衝撃をやわらげる」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cushion [verb] [transitive] : to reduce the effects of something bad
cushion the blow/impact (of something)
つまり、「何か悪いものの影響を減らすこと」。
上のロングマンにも、cushion the blow という言葉が出ているように、この組み合わせはお決まりフレーズということですね。
「ブローに対するクッション」という言葉でこのセリフはイメージできますが、ただ cushion と blow という単語をでまかせに並べているのではなく、ここでは主語が省略されているけれども、the blow を目的語にとって、cushion という「他動詞」を使っているのだと認識することが、英語の構造を理解することにつながると私は思っています。
it's like when you're a kid, and your parents... は「子供の頃、親が〜するような時みたいなもんだ」という感覚。
この you は、語りかけている相手のレイチェルを指しているのではなく、「一般の人」を指していると理解すればよいでしょう。
「みんな、子供の頃にこういう経験あるだろ?」のような一般論を述べている感覚ですね。
put your dog to sleep は「犬を安楽死させる」。
put something to sleep で「病気の、または死期が近い動物を、薬などを使って安楽死させる」という意味になります。
LAAD では、
put something to sleep : to give drugs to a sick animal so that it dies without too much pain
つまり、「病気の動物に薬を投与して、ひどい痛みなしに[ひどい苦痛を感じることなく]その動物が死ぬようにすること」。
ペットを安楽死させても、その真実を告げずに、遠くの農場で静かに余生を過ごしてるんだよ、って親は説明するだろ、それと同じことだよ、とチャンドラーは言っていることになります。
actually は「実際に、本当に」。
「どの親もそういうことを言うだろ」と説明したチャンドラーに対して、「面白いことに、僕の親は、嘘じゃなくて本当にペットを農場に送ったんだよね」とロスは楽しそうに語ります。
モニカは何か言いたそうに、「ロス、、」と言うのですが、ロスはさらに話を続けています。
The Milners という The+名字の複数形は、「(名字)一家」というニュアンス。
ですからここでは「ミルナーさん一家」のような感じですね。
その農場には馬やウサギがいるから、犬はそれを追いかけたりして楽しい毎日を送るんだよ、、と説明するのですが、みんなが、ロスをかわいそうにと憐れむような顔で見るので、ついにはロスも「犬を農場に送った、というのは嘘だった」→「自分の犬は安楽死させられた」という事実を知るわけですね。
「ミルナーさんの農場で元気に暮らしてるから」というのが、まさに cushion the blow だったことに、この年になって気づいた、というオチになります。
Chi-Chi は大文字で始まっているので、固有名詞、つまり、これがその飼い犬の名前。
わざわざ our dog 「僕たちの(飼っていた)犬」のように言わなくても、Oh, my God! Chi-Chi! というセリフとロスの表情で、犬の名前を言っていることがわかる、という仕組みですね。
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2017年04月05日
いつから?って、ずっとだよ フレンズ1-3改その2
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レイチェル: Since when? (いつからなの?)
ジョーイ: Since always. It's, like, "dating" language. Y'know, like "It's not you," means, "It IS you." ((いつから? って)ずっとだよ[いつもだよ]。それは、ほら、「デート言葉」ってやつさ。例えば、「君のせいじゃない」のほんとの意味は「お前のせいだ」。)
チャンドラー: Or "You're such a nice guy," means, "I'm gonna be dating leather-wearing alcoholics and complaining about them to you." (または、「あなたはとっても良い人ね」は、「私は、革ジャン(革製品)を着たアル中(アルコール依存症の男)たちとデートして、その男たちのことをあなたにグチるつもりだから。)
フィービー: Or, or, y'know, um, "I think we should see other people," means: "Ha, ha, I already am!" (または、「私たち、別の人と付き合うべきだって思うわ」の意味は、「ハハッ。私はすでに付き合ってるけどね!」)
Since when...? を直訳すると「いつから(…なの)ですか?」ということですね。
その男性が言った言葉の本当の意味はこうよ、と説明したモニカに対して、レイチェルは「いつから、それはそんな意味になったの?」という意味で Since when? と言っているのですが、それには「一体いつからそんな意味になったのよ、私はそんなの知らないわよ」という、自分は知らないのにそれが世間で常識であるかのように言われていることに対しての驚きのセリフになるでしょう。
実際に「いつからか?」という時期を知りたいわけではなくて、私の知らない間に、いつの間に、その言葉はそんな意味になっちゃったの? という感覚です。
びっくりしたように、Since when? と言ったレイチェルに対して、ジョーイは、Since always. と答えています。
always は「いつも、いつでも」「ずっと」ですね。
since は「〜以来」なので、直訳すると「いつも以来」みたいな感じになってしまいますが、Since always. のニュアンスは「いつからも何も、いつもそうだよ。ずーっとそういう意味だよ。最近、そういう意味に変わったんじゃなくて、昔っからそういう意味だよ」という感覚で言っていることになるでしょう。
"dating" language は「デート言葉、デートの時に使われる用語」という感じですね。
It's you. は「お前だ。原因はお前だ」のような感覚。
it は「それ」と訳さない方が良く、ポイントが you であることを言いたいために、仮におかれているような主語です。
It's your fault. 「お前のせいだ」に近い感覚ですね。
ジョーイの実際の発音は、It IS you. と is を強調していて、It’s you. よりも強いニュアンスがあります。
そのように、be動詞を強調すると、「である」ことを強調することになります。
gonna be dating and complaining は「デートして、不平を言うことになる」。
このままいくと、(少し先の未来では)デートをして、文句を言っているという状態になっている、という感覚。
この「ナイスガイ発言」は、日本語でも通用する話ですね。
女性がある男性のことを「彼ってとっても”いい人”なの」という場合には、異性としての魅力をあまり感じていないということを示していたりしますよね。
デートしたいと思うのは、ちょっと危険な香りのするワイルドな男、という意味で、「皮ジャン着て、飲んだくれているような男」と表現し、そういう男たちのグチを聞いてもらうために、あなたのような「いい人」が必要なの、と言っていることになります。
あなたは恋愛対象じゃなくて、恋人である男の愚痴や不満を言うはけ口に過ぎない、ということですね。
see は「見る、会う」ですが、恋愛の話では、「異性と付き合う」という意味で使います。
Are you seeing someone? なら「あなた誰かと今付き合ってる?、あなたには付き合ってる人がいる?」という意味になり、「付き合う」という意味では、もっぱらこのように進行形の形になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
be seeing somebody : to be having a romantic relationship with someone
つまり、「誰かとロマンティックな関係を持っていること」。
I already am! は、I am already seeing someone! が省略された形。
「私たちはそうすべきね」と言っておきながら、「実際には私の方はもうすでに付き合っているのよ!」と、be seeing であることを言っていることになります。
I already am! のニュアンスを出して訳すと、「私はすでにそうしてるのよ、そうしてる状態なのよ!」というところですね。
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レイチェル: Since when? (いつからなの?)
ジョーイ: Since always. It's, like, "dating" language. Y'know, like "It's not you," means, "It IS you." ((いつから? って)ずっとだよ[いつもだよ]。それは、ほら、「デート言葉」ってやつさ。例えば、「君のせいじゃない」のほんとの意味は「お前のせいだ」。)
チャンドラー: Or "You're such a nice guy," means, "I'm gonna be dating leather-wearing alcoholics and complaining about them to you." (または、「あなたはとっても良い人ね」は、「私は、革ジャン(革製品)を着たアル中(アルコール依存症の男)たちとデートして、その男たちのことをあなたにグチるつもりだから。)
フィービー: Or, or, y'know, um, "I think we should see other people," means: "Ha, ha, I already am!" (または、「私たち、別の人と付き合うべきだって思うわ」の意味は、「ハハッ。私はすでに付き合ってるけどね!」)
Since when...? を直訳すると「いつから(…なの)ですか?」ということですね。
その男性が言った言葉の本当の意味はこうよ、と説明したモニカに対して、レイチェルは「いつから、それはそんな意味になったの?」という意味で Since when? と言っているのですが、それには「一体いつからそんな意味になったのよ、私はそんなの知らないわよ」という、自分は知らないのにそれが世間で常識であるかのように言われていることに対しての驚きのセリフになるでしょう。
実際に「いつからか?」という時期を知りたいわけではなくて、私の知らない間に、いつの間に、その言葉はそんな意味になっちゃったの? という感覚です。
びっくりしたように、Since when? と言ったレイチェルに対して、ジョーイは、Since always. と答えています。
always は「いつも、いつでも」「ずっと」ですね。
since は「〜以来」なので、直訳すると「いつも以来」みたいな感じになってしまいますが、Since always. のニュアンスは「いつからも何も、いつもそうだよ。ずーっとそういう意味だよ。最近、そういう意味に変わったんじゃなくて、昔っからそういう意味だよ」という感覚で言っていることになるでしょう。
"dating" language は「デート言葉、デートの時に使われる用語」という感じですね。
It's you. は「お前だ。原因はお前だ」のような感覚。
it は「それ」と訳さない方が良く、ポイントが you であることを言いたいために、仮におかれているような主語です。
It's your fault. 「お前のせいだ」に近い感覚ですね。
ジョーイの実際の発音は、It IS you. と is を強調していて、It’s you. よりも強いニュアンスがあります。
そのように、be動詞を強調すると、「である」ことを強調することになります。
gonna be dating and complaining は「デートして、不平を言うことになる」。
このままいくと、(少し先の未来では)デートをして、文句を言っているという状態になっている、という感覚。
この「ナイスガイ発言」は、日本語でも通用する話ですね。
女性がある男性のことを「彼ってとっても”いい人”なの」という場合には、異性としての魅力をあまり感じていないということを示していたりしますよね。
デートしたいと思うのは、ちょっと危険な香りのするワイルドな男、という意味で、「皮ジャン着て、飲んだくれているような男」と表現し、そういう男たちのグチを聞いてもらうために、あなたのような「いい人」が必要なの、と言っていることになります。
あなたは恋愛対象じゃなくて、恋人である男の愚痴や不満を言うはけ口に過ぎない、ということですね。
see は「見る、会う」ですが、恋愛の話では、「異性と付き合う」という意味で使います。
Are you seeing someone? なら「あなた誰かと今付き合ってる?、あなたには付き合ってる人がいる?」という意味になり、「付き合う」という意味では、もっぱらこのように進行形の形になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
be seeing somebody : to be having a romantic relationship with someone
つまり、「誰かとロマンティックな関係を持っていること」。
I already am! は、I am already seeing someone! が省略された形。
「私たちはそうすべきね」と言っておきながら、「実際には私の方はもうすでに付き合っているのよ!」と、be seeing であることを言っていることになります。
I already am! のニュアンスを出して訳すと、「私はすでにそうしてるのよ、そうしてる状態なのよ!」というところですね。
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