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21:18
(CUT TO MONICA TELLING ALAN IN A RESTAURANT)
レストランでモニカがアランに話している場面にカット。
アラン: Wow. (わぉ。)
モニカ: I'm, I'm really sorry. (本当にごめんなさい。)
アラン: Yeah, I'm sorry too. But, I gotta tell you, I am a little relieved. (あぁ、僕の方こそごめん。でも、言っとくと、僕は少しホッとしてるんだ。)
モニカ: Relieved? (ホッとしてる?)
アラン: Yeah, well, I had a great time with you. I just can't stand your friends. (あぁ、そのー、君とは素敵な時間を過ごした(んだけど)。僕はただ君の友達に我慢できなかったんだ。)
レストランの画面にカットして Wow. I'm really sorry. という会話が交わされているのがわかった時点で、その前にモニカがアランに別れを告げたであろうことが想像されます。
be relieved は「ホッとした、安心した」。
relieve は「(人)をホッとさせる、安心させる」という他動詞なので、「ホッとした」という場合は、過去分詞形になります。
振られたのにホッとしたと言っているのを不思議に思い、モニカが聞き返すと、アランは I had... I just can't stand... という表現を使って説明しています。
ここでの stand は「〜を我慢する」という意味で、この意味では can't stand 「我慢できない」という否定形で使われることが多いです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stand : ACCEPT A SITUATION to be able to accept or deal well with a difficult situation (SYN: tolerate)
例)I can't stand it! You're being such a fool!
つまり「(状況を受け入れる)難しい状況を受け入れる、またはうまく扱うことができること。類義語:tolarate(我慢する、耐える、許容する)」。例文は「もう我慢できない! あなたって、なんてバカなの!」
君とは素敵な時間を過ごしたけど、僕はただ君の友達に我慢ならなかったんだ、とアランは言っているわけですね。
「モニカ以外のフレンズはアランが大好きだったのに、実はアランはフレンズたちが大嫌いだった」ということが最後にわかる、というオチになります。
今回のエピソードは「モニカ以外のフレンズが、アランを大いに気に入る」という話で、フレンズたちが語る言葉や、アランに対するフレンズの対応から、アランという人物のすごさや魅力を観客や視聴者に想像させる形になっていました。
このエピソードの中で実際にアランがしゃべっているのは、最初にモニカの家を訪れた時の挨拶と、エンディング前にモニカがアランに別れを告げるシーンだけで、彼の顔が映るのもセリフの長さも、全体の中では非常に短いものとなっています。
アランは今回のエピソードのメインテーマでありながら、本人がほとんど登場していないというのも、ドラマの構成として面白いものになっていると思いました。
(2023.4.21 追記)
コメント欄で、「フレンズたちは本当にアランを好きだったわけではなく、今回のテーマとなっている dating language を使ってふざけていただけ」というご意見を頂戴し、確かにその通りだと思いました。
コメント欄にて追記しておりますので、併せてご覧いただけると幸いです。
(追記はここまで)
21:40
(CLOSING CREDITS)
エンドクレジット
CREDITS SCENE: RACHEL + MONICA'S (THE GANG ARE MOPING AROUND, EATING ICE CREAM)
クレジットシーン:レイチェルとモニカの家(フレンズはふさぎこんでいる、アイスクリームを食べながら)
レイチェル: Remember when we went to Central Park and rented boats? That was fun. (私たちがセントラルパーク(公園)に行って、ボートを借りた時のこと覚えてる? あれは楽しかったわ。)
ロス: Yeah. He could row like a Viking. (あぁ。彼(アラン)はバイキングみたいに(オールを)漕ぐことができたよね。)
(ENTER MONICA)
モニカ登場。
モニカ: Hi. (はーい。)
みんな: Mmm. (んーん。)
ロス: So how'd it go? (それで、どうだった?)
モニカ: Oh, y'know... (あぁ、ほら…)
フィービー: Did he mention us? (アランは私たちのこと言ってた?)
モニカ: He says he's really gonna miss you guys. (DUBIOUS LOOK) (本当にあなたたちに会えなくて寂しくなる、って彼は言ってるわ。[疑わしい表情で])
ロス: You had a rough day, huh? (モニカは大変な一日だっただろ?)
モニカ: Yeah, you have no idea. (えぇ、あなたには想像できないほどね[わからないほどね]。)
ロス: Come here. (おいで。)
(SHE SITS DOWN AND ROSS STROKES HER FOREHEAD)
モニカは座り、ロスはモニカのおでこをさする。
チャンドラー: That's it. I'm getting cigarettes. (そこまでだ! 俺はタバコを吸うぞ。)
みんな: No, no, no! (だめ、だめ、だめ!)
チャンドラー: (LEAVING) I don't care, I don't care! Game's over! I'm weak! I've gotta smoke! I've gotta have the smoke! ([部屋を出て行こうとしながら] もうどうでもいい。どうでもいいよ! ゲームは終わりだ! 俺は弱い! 俺はタバコを吸わなきゃ! 俺はタバコを吸わなきゃならないんだ!)
フィービー: (SHOUTS AS HE LEAVES) If you never smoke again, I'll give you seven thousand dollars. ([チャンドラーが立ち去ろうとする時に叫んで] もしあなたが二度とタバコを吸わないなら、私はあなたに 7,000ドルをあげるわ!)
チャンドラー: (REENTERING) Yeah, all right. ([また部屋に入ってきて] あぁ、わかったよ。)
アランに別れを告げた後、モニカが家に帰ってくると、フレンズたちは皆ふさぎ込んでいます。
ハーゲンダッツの大きなカップから直接スプーンで食べたり、ホールのチーズケーキを食べたりと、それぞれが「甘いものをドカ食いすることでつらさから逃れようとしている様子」なのが何だか痛々しいですね。
今後の「フレンズ」でも、落ち込んだ時に、甘いものを大量に食べるシーンはよく出てきます。
Remember when... は「〜した時のこと覚えてる?」と、前の出来事を思い出し、振り返る時の表現。
Central Park は「セントラルパーク」という、ニューヨーク・マンハッタンにある巨大な公園。
過去記事、そして俺は百万ドル欲しい フレンズ1-1改その5 で説明したように、フレンズの舞台の一つとなっているコーヒーパークのセントラルパーク(Central Perk)は、この有名な公園の名前(Central Park)をもじったものです。
店の名前になっている perk は「パーコレーター(percolator:ろか装置付きコーヒー沸かし器)で(コーヒーを)いれる」という意味の percolate の短縮形なのですね。
今回の 1-3 のラストで、本物(というか元ネタ)の「セントラルパーク」(公園)がセリフに登場したことになります。
row は「ボート・船を漕ぐ」。
「バイキングみたいに船を漕ぐ」と表現することで、彼のボートの漕ぎが男らしく力強かったことを言っているのでしょう。
モニカが帰宅すると、ロスは「どうだった?」とアランに別れを告げた件について尋ねます。
フィービーが Did he mention us? 「アランは私たちのこと言ってた?」と尋ねると、みんなは顔を上げて、その答えを早く聞きたいという顔で一斉にモニカの方を見ます。
He says he's really gonna miss you guys. 「あなたたちがいなくて本当に寂しいと[あなたたちを本当に恋しいと]思うだろうって彼は言ってる」というのは、アランのことが大好きだったフレンズたちを気遣っての、モニカの嘘ですね。
miss は「〜がいなくて寂しく思う」で、I'm really gonna miss you. 「きっとさびしくなるね」というのは、そばからいなくなってしまう人への決まり文句です。
その前のシーンで「アランは実は、モニカ以外のフレンズたちが大嫌いだった」ということがアラン自身の口から語られていただけに、「アランは寂しくなるって言ってるわ」というモニカの嘘に寂しそうな笑顔をするジョーイなどを見ていると、なんだか切ない気持ちになってしまいます。
You had a rough day の rough は「つらい」。
付き合っている人に別れを告げることになったので、それを兄ロスは「つらい一日だったね」と妹モニカをいたわっていることになります。
それに対してモニカは、Yeah, you have no idea. と返していますが、それを直訳すると「えぇ、あなたにはわからないわ。わからないでしょうね」というところですね。
ものすごくつらいことがあった場合に「どんなにつらかったか、あなたにはわからないと思うわ」「他人が想像できないほどつらかった、想像を絶するつらさだった」という意味で、You have no idea. と表現することはよくありますが、今回のモニカのセリフは、それ以外にも別のニュアンスが込められているような気がします。
恋人と別れる、別れを告げるということは、いつでもつらいことですが、今回は、アランと別れることにフレンズたちは猛反対していたにもかかわらず、アランは「モニカのことは好きだけど、フレンズたちが耐えられなかった」と言っていました。
アランと別れるつもりと伝えたら、フレンズたちはショックを受けて、どうして別れるんだよ! とモニカを責めていたけど、当人のアランはフレンズたちが大嫌い、、、その奇妙な板ばさみの立場にある私の気持ちを、あなたはわかりっこないのよ。アランはあなたたちを嫌っていたけど、そんなことをみんなに言うことはできないし、みんなに責められていた私の方がみんなの気持ちを思って「アランも寂しがってたわよ」と嘘を言うしかない、結局「フレンズたちのアランへの一方的な片想い」でしかなかったのに私ばかりが責められた、そんな私の立場とつらさはあなたにはわからないわ、というモニカの気持ちが You have no idea. には込められているように思いました。
みんながどんよりと落ち込んでいる中、チャンドラーは、That's it. I'm getting cigarettes. と叫びます。
この That's it. は「そこまでだ。それで終わりだ」というニュアンス。
アランに説得されてタバコをやめ、腕にニコチンパッチまで貼っていたチャンドラーでしたが、もうアランがいなくなった以上、アランとの約束を守る必要もないということですね。
「俺はタバコを吸うぞ」と宣言するチャンドラーを、みんなが口々に止めようとしますが、I don't care. 「俺は気にしない、構わない」と言い、「ゲームは終わりだ。俺は弱い。俺はタバコを吸わなくちゃならないんだ!」と言って、部屋を出て行こうとします。
去ろうとするチャンドラーに向かってフィービーが「もしあなたが二度とタバコを吸わないのなら、私はあなたに 7,000ドルをあげるわ」と言うと、それまでの勢いはどこへやら、「あぁ、わかった」とすんなり戻ってくるのも面白いです。
その 7,000ドルというのは、ソーダの缶に人の親指が入っていたことへのお詫びとしてフィービーがもらった金額でした。
フィービーは最後まで「もらう理由のないお金はもらいたくない」いう気持ちは変わらないらしく、そのお金を使ってチャンドラーの喫煙をやめさせようとしたのが微笑ましいところですし、やけっぱちになっているようでも高額のお金には目がくらんでしまうチャンドラーに笑えてしまうラストですね。
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