2017年09月01日

バス停まで歩いて送って行く フレンズ1-4改その10

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6:50
ジョーイ: I can't believe Keenan... (キーナンが〜するなんて、信じられないよ…)
(THEY WALK ON. CHANDLER AND JOEY START TO TALK BUT ROSS STOPS AND WHINES)
みんなは歩き続ける。チャンドラーとジョーイが話し始めるが、ロスは立ち止まって、哀れっぽい声を出す。
ジョーイ: What? (何?)
ロス: Peach pit. (桃の種だ。)
チャンドラー: Yes, bunny? (そうだな、(それがどうしたんだ)バニー?)
ロス: (POINTS) Peach pit. That night, we, uh- we had-- ([指さして] 桃の種だよ。あの晩、僕らは食べたんだよ…)
ジョーイ: Peaches? (桃を(食べたのか)?)
ロス:Actually, nectarines, but basically.... (実際にはネクタリンだけど、基本的には…)
チャンドラー: (TO JOEY) Could've been a peach. ([ジョーイに](基本的には)桃だったって言えるかもな。)
ロス: Then, we, uh, then we got dressed, and I-I... I walked her to... (LOOKS UP, REALIZES, AND POINTS) the bus stop. I'm fine. (それから、僕たちは服を着て、そして、歩いて彼女を送って行ったんだ… [見上げて、気づいて、指さす] バス停まで。僕は大丈夫だよ。)
ジョーイ: Hey, that woman's got an ass like Carol's. (THEY TURN TO STARE AT HIM) What? I thought we were trying to find stuff. (なぁ、あの女、キャロルみたいなケツしてるよな。[二人はジョーイの方を向き、彼をじっと見つめる] 何だよ? 俺たちは話題を見つけようとしてるんだって思ってたのに。)

ジョーイのセリフ、I can't believe Keenan... ですが、これは DVD にも、ネットスクリプトにもなく、Netflix のみ字幕化されていました。
前回と同じく、Keenan もホッケーチーム、ニューヨーク・レンジャーズの関係者だと考え、調べてみたところ、どうやら、以下の Mike Keenan という人を指しているようです。
Wikipedia 英語版:Mike Keenan
上のウィキペディアに以下の記載がありました。
Keenan won a Stanley Cup championship as coach of the New York Rangers in 1994.
キーナンは1994年にニューヨーク・レンジャーズのコーチとして、スタンレー・カップで優勝した。

Wikipedia 日本語版: ニューヨーク・レンジャース > オリジナルシックス時代以降 の最後の方に、
シーズン後、ヘッドコーチにはマイク・キーナン (Mike Keenan) が就任した
という記載もありました。
また、Wikipedia 日本語版: ニューヨーク・レンジャース > 1993-94シーズン には、前回の記事でご紹介した リーチ選手、メシエ選手の活躍が詳しく書いてあります。
今回の フレンズ1-4 の放映は、1994年10月13日だったので、彼らの活躍時期とちょうど一致していることもわかります。

ジョーイが「信じられないよ、キーナンが〜するなんて」みたいなことを言いかけているのは、ヘッドコーチとしての采配に対して何かしらの不満でも述べようとしているところだったのかな、と思います。

二人がホッケーの話をしていると、後ろを歩くロスが、哀れっぽい声を出しているので、先を歩いていた二人は、あぁ、またか、今度は何? と言いたげな顔で、立ち止まってロスを振り返ります。

peach pit は「桃の種」、bunny は「バニー、ウサちゃん」ですね。(これについては長くなるので、最後に詳しく説明します)

nectarine は「ネクタリン、ズバイモモ」で、モモの一種。
Wikipedia 日本語版: ネクタリン
「桃の種」に反応したロスが「あの夜(つまり、キャロルとの初エッチの夜)に食べたんだ…」と説明したので、ジョーイが「食べた、って、桃をか?」のように問い返したところ、「実際には(桃じゃなくて)ネクタリンだけど、基本的には…」と続けます。
Could've been a peach. を直訳すると「桃だった可能性がある or 桃でありえた」というところですが、食べた本人のロスが「実際には桃じゃなくてネクタリンだったけど」と言っているので、ロスが言った basically 「基本的には」という言葉に対して、「厳密には種類は違うけど、大雑把に言えば桃だったって言えるかもな」のように、隣のジョーイに言った感じになるのかなと思います。

ロスはネクタリンを食べた夜の話の続きを語っています。
walk her to は「彼女を〜まで歩いて送る」という意味で、この walk は「(人)を歩いて送る」という他動詞。
walk は「(主語が)歩く、散歩する」という自動詞のイメージが強いですが、このように他動詞としても使われ、walk my dog なら「自分の犬を散歩させる、散歩に連れていく」という意味になります。
「〜まで歩いて送って行って…」と言ったところで、目の前にあるバス停に気づき、「そう、ちょうどバス停まで送って行ったんだ」というように、そのバス停を手で指していますね。
また初エッチの時の思い出に浸ってしまった自分に気づき、ロスは自ら「僕は大丈夫だから」と言うことになります。

ちょうどその横を一人の女性が通り、ジョーイは「あの女は、キャロルみたいなケツしてるよな」と言っています。
ass は尻というよりはもっと下品な感じの「ケツ」のニュアンスですね。
「キャロルのケツのようなケツ」ということですから、an ass like Carol's ass という意味で、Carol's 「キャロルのもの」という所有代名詞が使われています。
ロスが I'm fine. と言って、せっかくキャロルの話題が終わった感じになったのに、ここでまたジョーイがキャロルの話題を出したことにチャンドラーはムッとしたでしょうし、さらにはまたエッチを思い出させるような性的な部分であるお尻の話題で、しかも直接的な ass という表現を使ったことにロスもムッとしたでしょうから、二人はあきれた顔でジョーイを見つめることになります。
I thought we were trying to find stuff. を直訳すると「俺たちは何か(話題)を見つけようとしてると思ってたけど」ということで、「話題に困って気まずくならないように、俺が話題を振っただけなのに、何でそんなににらむんだよ」みたいな気持ちで言ったことになるのでしょうね。

それでは、peach pit と bunny のやりとりについて。
「桃の種」と言ったロスに対して、どうしてチャンドラーが bunny と返したのか? については 2005年の過去記事でご質問があり、その後も何年にも渡り、コメント欄でいろいろなご意見をいただきました。
以下では「今の私が考える」解釈を書かせていただきますね。
結論から言うと、「種をエサにするような小動物」+「(エッチの話ばかりする)エッチ好き」の両方の意味が込められたジョークだと私は思っています。

peach pit は「桃の種」で、果物そのものではなく特に「種」に反応するというのは、それをエサとするような小動物のイメージが連想されるのかな、と思うのですね。

桃と言えば、スイートで甘い果物のイメージですから、sweetie とか honey のような「あま〜い単語」の親愛語のような響きはあります。
ロスがそういう「甘い系」の言葉を言ったので、それを呼び掛け語の親愛語であるかのように受け止めて、bunny という親愛語で返した、ということも考えられなくはないですが、ロスの言い方は、チャンドラーたちに「呼び掛けた」ような感じではなく、「特にチャンドラーを見るでもなく、道路に落ちている種を発見して、桃の種だ、と言った」という雰囲気でした。
甘い「桃」ではなく、その「種」ですから、peach pit と bunny を「愛称・親愛語のようにお互いにそう呼び掛けたやりとり」だと考えるのはちょっと違うかなぁ、と。

「種を見つけて反応するなんて、お前は種をエサにするようなウサギか」というニュアンスで bunny と言ったような気がする、ということですね。

種をエサにするようなイメージの小動物としては、いろいろなものが挙げられると思うのですが(「だいすきなのは〜ひまわりのタネ〜♪」の「とっとこハム太郎」(ハムスター)とか)、ここで bunny が使われたのは「英語のバニーには、性的なイメージがある」ということと関連するような気がします。

Wikipedia日本語版:ウサギ によると、「多産・豊穣・性のシンボル」という記載があります。
復活祭(イースター)のイースターバニーや、バニーガールなども、そういうバニーのイメージと関連があるようですね。

ロスが情けない声を出して振り返った時の二人は、「またキャロルとの初エッチの話か? いい加減にしてくれよ」と思ったはずです。
今のロスが反応するとしたら、それ関連しかないですからね。
で、何を言い出すのかと思ったら、路上に落ちていた「桃の種」の話をするので、「種を見つけて反応するって、お前は種をエサにするような小動物か」という意味に加えて、「種をエサにしそうな小動物の中から、エッチのイメージに直結するバニーを選んだ」というチャンドラーっぽい言葉の選択だったのかな、と思ったわけです。

「なぜチャンドラーが bunny という言葉を選んだか」というのは、つまりは「脚本家が笑いを取るために、なぜ bunny という言葉を選んだか」ということですよね。
それを考える際には、私は「漫才のネタ担当」になったような気持ち(笑)でその言葉を選ぶに至った経緯を考えてみたりします。

脚本的に見てみると、このシーンは「ホッケーの試合を見に行く途中でワクワクしてるはずなのに、ロスだけがキャロルとの初エッチ記念日のことで頭がいっぱいである」という状態。
何かを見つけては「キャロルとの初エッチ」の話に結び付けて、二人にあきれられるという流れですが、1つ目として「ショーウインドーで当日彼女が着ていた服装を見つける」というのがあるので、2つ目は服装以外にしないと面白くない、となると「当日一緒に食べた食べ物」になりそうなのは自然な流れですね。
また「ショーウインドーの中にそれがある」では単調なので、道端に何か落ちていた、ということにした場合、「果物の種」だと、誰かがそれを食べながら種だけ落としていったということで違和感ないですよね。

ブーツに続いて2回目なので、「またエッチの話かよ」と言う気持ちを込めて、チャンドラーがロスを bunny と呼ぶ、というオチが先に決まっていた場合、バッグス・バニーがニンジンを持っているように「ニンジン」だったら、bunny とはしっくり繋がるものの、「初エッチの晩に二人でニンジン食べた」というのはどうも変ですし、、、(ウサギか馬のカップルくらいですか?)
初エッチの晩に二人で一緒に食べたものとして、甘くてジューシーな果物なら似つかわしい気がしますので、「何かの種」として「桃」が選ばれたのかなぁ、と。

ということで、普通の人は反応しないであろう路上の「桃の種」に反応したロスに対して、
1. 「種を見つけて喜ぶなんて、お前は種をエサにする小動物か?」
2. 「どうせまた、キャロルとの初エッチの話なんだろ、このエッチ好きが!」
という両方の意味を持たせて、Yes, bunny? と返した、というのが、今の私の解釈になります。
長文失礼しました。


Netflix の「フレンズ」は、無事、配信期間延長されたようです♪

8月23日に投稿した拙ブログの記事、フレンズ1-4改その7 で、Netflix での「フレンズ」について、

一時期、「視聴期間 2017/08/31まで」(スマホ版では「09/01まで視聴可能」)と表示されていたが、その記載が消えたので、ライセンス更新の可能性あり、つまり、9月以降も Netflix で「フレンズ」を視聴できる可能性がありそう。

ということを書きました。
今日 9月1日現在の Netflix での「フレンズ」の情報を見ると、PC版、スマホ版ともに「新着」という文字が書かれています。
内容は 8月までのものと同じで、全10シーズンが視聴できる状態ですが、わざわざ「新着」と書いてあるのは、「配信終了予定だったものが契約更新された」ことを示しているのだと思われます。
スマホ版では一時期「09/01まで視聴可能」と書かれていたので、厳密にいうと 9月2日になるまで 100% 安心はできないのかもしれませんが、「新着」と書かれている今の状況を見る限り、「配信期間延長」されたことはほぼ間違いなさそうなので、お知らせさせていただきました。

配信終了予定通りに終了した作品もあるようで、例えば glee/グリー は、シーズン1〜4 が配信終了となり、今はシーズン5〜6のみが視聴可能となっています。

以前、Netflix のヘルプセンターに電話で問合せをさせていただいた際、ライセンス更新をするかどうかについては、リクエストの量が大いに考慮されるとのことでした。
めでたく配信延長となったのも、きっとたくさんの「フレンズ」ファンの方々が、リクエストを送って下さった結果なのだろうと思います。
「フレンズ」ファンの一人として、皆様に心から感謝申し上げます。
ありがとうございました! <(_ _)>


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posted by Rach at 17:29| Comment(8) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする