皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は6位、「にほんブログ村」は10位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
4:23
[Cut to Ross and Rachel, talking next to one of the tables.]
ロスとレイチェルに画面がカット。テーブルの一つの横で話をしている。
ロス: So, uh, Rachel, what are you, uh, what are you doing tonight? (それで、あのー、レイチェル。今夜は何をする予定なの?)
レイチェル: Oh, big glamour night. Me and Monica at Launderama. (あぁ、ビッグ・グラマー・ナイト(すごくワクワクする夜)なのよ。私とモニカがロンダラーマ(ランダラーマ)よ。)
ロス: Oh, you uh, you wanna hear a freakish coincidence? Guess who's doing laundry there too? (あぁ、奇妙な偶然を聞きたくない? そこで洗濯する人は誰だと思う?)
レイチェル: Who? (誰?)
ロス: Me! Was that not clear? Hey, why don't, um, why don't I just join you both there? (僕だよ! 今のミエミエじゃなかった? ねぇ、僕がそこで二人に合流するっていうのはどう?)
レイチェル: Don't you have a laundry room in your building? (あなたの(アパートメントの)ビルに洗濯室(ランドリールーム)はないの?)
ロス: Yes. I do have a laundry room in my building. Um, but there's a rat problem. Apparently, they're attracted to the dryer sheets. And they're going in fine, but they're coming out all, all... fluffy. Anyway, say, 7-ish? (うん。確かに僕のビルには洗濯室があるよ。でも、ネズミの問題があるんだ。どうやら、乾燥機(柔軟)シートに引き寄せられるみたいなんだよね。それで乾燥機の中に入っちゃうんだけど、でもネズミたちが出てくる時にはすっかり…フワフワ状態になってるんだよね。とにかく、7時くらいでどう?)
レイチェル: Sure. (いいわ。)
Launderama 「ロンダラーマ(ランダラーマ)」というのは、最初が大文字になっていることからもわかるように、コインランドリーの店の名前。
アメリカでは一般的に、コインランドリーのことは Laundromat 「ロンドロマット」という名称で呼ばれており、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にも以下のように出ています。
Laundromat : (trademark) a place where you pay money to wash your clothes in machines
つまり、「(商標)お金を払って洗濯機で衣服を洗う場所」。
元々は固有名詞だったのが「コインランドリー」の意味で一般化した名詞ということになるでしょう。
研究社 新英和中辞典では、
語源:laundry+automatic
と出ていましたので、オートマのランドリーみたいな感じの名前だということですね。
後のセリフにも出てきますが、「洗濯する」は do laundry と表現します。
ちなみに、laundry という単語は「衣服の洗濯」の意味では日本語で「ランドリー」と表記されることが多いですが、実際の発音は「ロンドリー」の方が近いです。
不法に入手した金の出所を隠して合法的にきれいな金に見せる資金洗浄を「マネー・ロンダリング」(money laundering)と言いますが、この laundering は「洗濯する」という意味の動詞の -ing 形になります。
こちらの方はカタカナで「ロンダー」と表記されていることになり、より英語の発音に近いということになるでしょう。
freakish coincidence は「奇妙な偶然、不思議な巡り合わせ」。
誰かとばったり出会った時などに、”What a coincidence!” 「偶然ですねぇ!」と言うことも多いですが、偶然を「奇妙な偶然」とさらに強調することで、まさに日本語の「奇遇」というニュアンスで使われています。
clear は「明らかな、明白な、はっきりした」。
「わぁ、奇遇だね、もう一人ロンダラーマに行く予定の人がいるんだけど、一体誰だと思う?」という話の流れから、それはロスのことだろうと想像できると思うのですが、レイチェルが Who? と普通に尋ねてくるので、ロスは拍子抜けしている様子。
Was that not clear? 「今のは明白じゃなかった?」というのは、この話の流れから言って僕しかないだろ? あまりにも見え見えな話の展開だったのにわからなかった?という感じですね。
why don't I just join you both there? は「そこ(二人が行く予定のロンダラーマ)で、僕が君たち二人(you both)に合流するっていうのはどうかな?」という提案のニュアンス。
ロスの誘い方から、レイチェルに気があるロスがレイチェルと一緒にコインランドリーに行こうとしていることがわかるのですが、そんなこととは思いもよらないレイチェルは、どうしてコインランドリーに行く必要があるの? あなたのアパートには洗濯室があるでしょ、と言います。
NYの古くから建っているアパートメントはビル内に「洗濯室」があるのが普通で、ロスのところにはないわけ? みたいに言われてしまったので、そう聞かれたロスは嘘をつくわけにもいかず、Yes. と答えることになります。
I do have a laundry room in my building. の do は強調ですね。
「(君が指摘したように)”確かに・実際に”僕の(住んでる)建物には洗濯室がある」 というところ。
ですがその後、rat(マウス(mouse)よりも大型のネズミ)の問題があるんだと言って、ネズミたちが乾燥機シートに引き寄せられてしまうんだ、と続けています。
apparently は「どうやら」。
be attracted to は「〜に引き寄せられる」。attract は他動詞で「〜を引き付ける」で、遊園地のアトラクション(attraction)は「引き付けるもの」という意味。形容詞 attractive は「魅力的な」。
dryer sheet は、乾燥機に入れるシート状になった柔軟剤。
dryer sheet で画像検索すると、以下の bounce という商品がたくさんヒットしました。
Amazon.co.jp: バウンス ドライヤーシート 乾燥機用衣料柔軟剤 260枚入
このアマゾンのページの「商品の説明」がわかりやすいので以下に引用させていただきますと、
衣類乾燥機に入れるシートタイプの衣類柔軟剤です。
不織布のシートに柔軟剤成分がしみ込ませてあるので、 お洗濯のときに柔軟剤を使わなくても大丈夫。
洗濯物とこのシートを1枚一緒に乾燥機にいれてスイッチON。
ふわふわで優しい香りのできあがりです。
セリフの方に戻りますと、fluffy は「フワフワした」。
シート状の柔軟剤は良い香りがするので、それに引き寄せられてネズミが乾燥機に入り、乾燥機から出てきたら、、とまで言った後、柔軟剤の効果で「ふんわりやわらかでフワフワ」になっちゃうんだ、と言っているわけで、ご紹介した bounce の「ふわふわで優しい香り」という商品説明とも一致していますよね。
乾燥機に入ってしまったネズミが悲惨な結果になるのかと思いきや、フワフワになるんかーい! みたいにツッコミたいところで、柔軟剤の宣伝文句のような言葉にもなっているのも面白いのでしょう。
建物には洗濯室があるけれどそれが使えない理由を考え考え話していたので、妙な方向に話がずれてしまったロスは、逸れた話を修正する意味で、anyway 「とにかく」と言っています。
うちの洗濯室が使えない事情はまあそんなところだけど、そんなことはともかく、一緒に行くのに、時間は7時くらいでどうかな? と言っています。
-ish は「時刻が〜ごろ」。-ish は、すぐ上に出てきた freakish のように形容詞を作る語尾ですね。
「〜のような」という形容詞の意味から、それを数字につけると、「およそ〜ごろ」という意味になります。
(Rach からの年末のご挨拶)
今日の記事が、2017年最後の記事になります。
今年は、東京(目黒・青山)、大阪(梅田)、京都(四条で2回)と合計5回のセミナーを開催させていただくことができました。
また、6月には「日経WOMAN」、7月には「多聴多読マガジン」(コスモピア)で私の学習法をご紹介していただきました。
そして、今月12月15日には、私の4冊目となる著書「リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!」(池田書店)を出版することができました。
嬉しい出来事が本当にたくさんあった、とてもとても幸せな1年となりました♪
ブログ開始からもう12年以上経った今年がこんなに素敵な年になったのも、長年ブログを読み続け、応援し続けて下さった読者の皆様、セミナーにご参加下さった皆様、新刊を含む拙著をお買い上げ下さりお読み下さった皆様のおかげと心より感謝しております。
皆様、本当にありがとうございました<(_ _)>
ずっと夢だった「海外ドラマのセリフを例文に使った本」を出版できたことを励みに、これからもっともっと、海外ドラマで英語を学ぶ楽しさと面白さを伝え続けていきたいと思います。
来年も、どうかよろしくお願いいたします。
皆様も、どうか良いお年をお迎え下さいませ(^^)
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
2017年12月31日
2017年12月28日
1ミシシッピ、2ミシシッピ フレンズ1-5改その5
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は6位、「にほんブログ村」は8位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
03:34
[Angela (ANGL), a beautiful woman in a tight dress, enters.]
アンジェラ、タイトなドレスを着た美しい女性が入ってくる。
アンジェラ(ANGL): Hi, Joey. (はーい、ジョーイ。)
ジョーイ: Oh, my God! Angela! (なんてこった。アンジェラ!)
[Angela takes a seat at the counter.]
アンジェラはカウンターの席に座る。
モニカ: Wow! Being dumped by you obviously agrees with her. (わぉ! あなたに振られたことが彼女には合ってたようね。)
フィービー: Are you gonna go over there? ((アンジェラがいる)あっちに行くの?)
ジョーイ: No. Yeah. No. Okay, but not yet. I don't wanna seem too eager. One Mississippi, two Mississippi, three Mississippi. That seems pretty cool. [he walks over to her] Hey, Angela. (いや。そうだな。いや。わかった、でもまだだ。熱心すぎる(ガツガツしてる)ように見せたくない。1ミシシッピ、2ミシシッピ、3ミシシッピ。今のでかなりいい感じだな。[アンジェラのところに歩いていく] やあ、アンジェラ。)
アンジェラ: [casually] Joey. ([何気ないそぶりで] ジョーイ。)
ジョーイ: You look good. (きれいだね。)
アンジェラ: That's because I'm wearing a dress that accents my boobs. (それは胸を強調するドレスを着てるからね。)
ジョーイ: You don't say. (まさか。)
赤いドレスを着た女性がセントラルパークに入ってきて、ジョーイに挨拶した後、カウンターに座ります。
ジョーイがアンジェラと名前を言っていることから、二人が知り合いであることがわかりますね。
Being dumped by you obviously agrees with her. は「あなたに振られたことは彼女に agree with している」というところ。
まずは「あなたにフラれたことが彼女に(うんぬん)」というモニカの発言から、「ジョーイはかつてこのアンジェラを振った」ことがわかるという仕組みですね。
そして、agree with というと、「(人)に同意する」という意味がまずは浮かびますが、それ以外にも「一致する、合致する」という意味があります。
研究社 新英和中辞典では、
agree=〔+with+【(代)名】〕〔…と〕一致する、合う
His statement agrees with the facts. 彼の陳述は事実と一致する。
「同意する」というのは、主語の意見が with 以下の人の意見に「一致する」ということですから、「同意する」が「一致する」という意味でも使われるのは、比較的イメージしやすいですよね。
そこからさらに進んで、agree には「性(しょう)に合う」という意味もあります。
同じく、研究社 新英和中辞典では、
agree=〔+with+【(代)名】〕[通例否定・疑問文で] 〈食物・気候などが〉〔人の〕性に合う
Spicy foods don't agree with me. 香辛料の入った食物は私に合わない。
上のスパイシーフードの例文も、「スパイシーフードは私に一致しない→私に合わない→私の性に合わない」ということですよね。
Macmillan Dictionary では、
agree with [phrasal verb] :
if a situation or way of living agrees with you, you enjoy it and feel happy and relaxed
例) I find that country life really agrees with me.
つまり、「ある状況や生き方が agree with you だというのは、自分がそれを楽しみ、そして幸せでリラックスしているように感じる、ということ」。例文は、「私はその田舎暮らしが、本当に私の性に合っていると思う(わかる)」。
ですから、今回のモニカのセリフ Being dumped by you obviously agrees with her. を直訳すると、
「あなたに振られた[捨てられた]こと(Being dumped by you)は、明らかに[どう見ても]、彼女の性に合っている」。
「ジョーイに捨てられたという状況(a situation)」が彼女の性に合っている→ジョーイに捨てられたことで、彼女はジョーイと付き合っていた頃よりも、より魅力的な女性になっている、というような意味になるということですね。
研究社 新英和中辞典では、わざわざ注意書きとして、[通例否定・疑問文で]と書いてあり、例文も「食物が人(の性)に合わない」という否定の内容になっていますが、英英辞典の Macmillan Dictionary の例文では、「田舎暮らしが性に合っている」という肯定文だったので、肯定文で使われることも可能だと言えるでしょう。
今回のセリフはその肯定文の形になっているということですね。
きれいになった元カノがジョーイのいるところに現れたわけだから、ジョーイはアンジェラと話をするためにあっちに行くの? のようにモニカは尋ねています。
ジョーイは「だめだ。オッケー、でもまだだ」と躊躇していますね。
eager は「しきりに求めて、熱望して」のような「〜する強い欲望を持っている」という感覚。
つまり「振った彼女がきれいになった姿を見て、振った方の俺がガツガツと彼女を求めてるように見せたくない」と言っていることになります。
その後、ジョーイは「1ミシシッピ、2ミシシッピ、3ミシシッピ」と数えています。
「ひとーつ、ふたーつ、みっーつ」みたいに長めに数字を数えている感覚ですが、「1、2、3」だと早すぎてしまうから、しっかり「1秒、2秒、3秒」分をカウントするために数の後ろに「ミシシッピ」という言葉を入れていることになります。
Wikipedia 英語版: Mississippi > In popular culture の冒頭に、以下のように数え方に使われる件が説明されています。
Children in the United States and Canada often count "One-Mississippi, two-Mississippi" during informal games such as hide and seek to approximate counting by seconds.
つまり「米国やカナダの子供はしばしば、かくれんぼなどのくだけたゲームで、ほぼ秒刻みでカウントするために、「ワン・ミシシッピ、トゥー・ミシシッピ」と数を数える」。
「ミシシッピ」という音を加えることで、だいたい1秒になるようですが、なぜ「ミシシッピ」という言葉を使うのかという起源・語源のようなものは残念ながら載っていません。
ミシシッピという名前には、アメリカの州(state)である「ミシシッピ州」や「ミシシッピ川(Mississippi River)」などがあり、上に引用したウィキペディアは「州」の方のページでしたが、「アメリカで一番長い川であるミシシッピ川」のイメージが「時間をたっぷり取る」という「長さ」の感覚に繋がっているような気が個人的にはしています。
バーベキューの温度測定法として「1ミシシッピ、2ミシシッピ」と手をかざす「ミシシッピ・テスト」と呼ばれる方法があるそうなので、バーベキューに詳しい方はこのカウントをご存じかもしれませんね。
この数え方については過去記事、フレンズ1-5その1 のコメント欄 でいろいろな情報を頂戴しました。
そのコメント欄で「パイロットは、One thousand, two thousand... (あるいは、Thousand one, thousand two...)のように、thousand を入れて数えることがある」という情報も教えていただきました。
私は先ほど「ミシシッピ川」のイメージの話をしましたが、ミシシッピ川は実際の川の長さが長い上に Mississippi という綴りも長いですよね。
それと同じ感じで、thousand も「千」という大きな数ですし、綴りも(比較的)長いように思います。
「1秒を慌てず”ゆっくり・たっぷり”数える」ために、単語の持つイメージが「長い」「大きい」ものを使っているのだとしたら面白いなぁ、と思います。
同じくそのコメント欄では、スケートの荒川静香さんがトリノ五輪でイナバウアーをする際にコーチから「One 〜, two 〜」と長めの言葉を入れて数えるようにと指示されて、アイスクリームが好きな荒川選手は One icecream, two icecream...と数えたそうです、、というエピソードも教えていただきました。
このミシシッピを使った数え方は、この先のフレンズでは、フレンズ3-9(フットボールの話)、フレンズ10-3(日焼けサロンの話)にも出てきます。
フレンズ以外の作品では、LOST 2-13 のラストシーン近く(42:10 くらい)、ソーヤーが、5ミシシッピまでこの方法で数えるシーンがあります。
ジョーイは 3ミシシッピまで数えた後、これでいい感じだろ、のように言ってアンジェラに近づきますが、いくら普通の one, two, three よりも「ゆっくりためて数える数え方」であっても、3ミシシッピじゃ早すぎるだろ! ガツガツしてるのバレバレじゃん! というのが面白さのポイントなわけですね。
ジョーイが You look good. 「きれいだね」と言うと、アンジェラは "That's because I'm wearing a dress that accents my boobs." と返しています。
accent は「〜を強調する」なので、「それ(私がきれいに見えるの)は、私が胸を強調する(胸を目立たせる)服を着ているからよ」と答えたことになります。
ジョーイが振ったくせにこうしてまた声を掛けてきたことを「胸元を見せるドレスを着てるから、あなた声掛けて来たんでしょ」と指摘したわけですね。
ちなみに、今月15日発売の私の4冊目となる新刊「リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!」の p.265 の boobs の解説の中で、このやりとりを例文として使わせていただいています(^^)
ジョーイの表情から図星だったらしいことがわかりますが、ジョーイは You don't say. と返します。
You don't say. は、「まさか? 本当?」と「相手の言ったことに驚いた、びっくりした」ことを示すニュアンスがあります。また、You don't say. を平坦な口調で言うと、反語的に「相手の言ったことに全く驚かない」ことを示すことになります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
you don't say!
a) (humorous) used to show that you are not surprised at all by what someone has just told you
b) (old-fashioned) used to say that you are surprised by what someone has just told you
つまり、a) は「(ユーモラス)誰かがたった今言ったことに、全く驚いていないことを示すために使われる」。b) は「(古い表現)誰かがたった今言ったことに驚いていることを言うために使われる」。
微妙な単語の違いはありますが a) と b) は正反対の意味で、b) が元々の「相手の発言に驚く」ニュアンスで、a) は「相手の発言に全く驚かない」という逆の意味をユーモラスに表現したもの、ということになります。
今回の場合、元カノが胸を強調したセクシードレスで現れた途端、振った方のジョーイが手の平を返したようにすり寄ってくる、、というのでは、プレイボーイのジョーイの名がすたる、ということになりますね。
ですから「胸を強調してるからね」と言ったことを認めたように「全くその通りだよね」と返したということではなく、言葉としては「まさか(胸につられたわけないだろ)」という意味で使っていて、ただし内心は「うわっ、バレバレじゃん」とギクッとしている感じなのだろうと思います。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
03:34
[Angela (ANGL), a beautiful woman in a tight dress, enters.]
アンジェラ、タイトなドレスを着た美しい女性が入ってくる。
アンジェラ(ANGL): Hi, Joey. (はーい、ジョーイ。)
ジョーイ: Oh, my God! Angela! (なんてこった。アンジェラ!)
[Angela takes a seat at the counter.]
アンジェラはカウンターの席に座る。
モニカ: Wow! Being dumped by you obviously agrees with her. (わぉ! あなたに振られたことが彼女には合ってたようね。)
フィービー: Are you gonna go over there? ((アンジェラがいる)あっちに行くの?)
ジョーイ: No. Yeah. No. Okay, but not yet. I don't wanna seem too eager. One Mississippi, two Mississippi, three Mississippi. That seems pretty cool. [he walks over to her] Hey, Angela. (いや。そうだな。いや。わかった、でもまだだ。熱心すぎる(ガツガツしてる)ように見せたくない。1ミシシッピ、2ミシシッピ、3ミシシッピ。今のでかなりいい感じだな。[アンジェラのところに歩いていく] やあ、アンジェラ。)
アンジェラ: [casually] Joey. ([何気ないそぶりで] ジョーイ。)
ジョーイ: You look good. (きれいだね。)
アンジェラ: That's because I'm wearing a dress that accents my boobs. (それは胸を強調するドレスを着てるからね。)
ジョーイ: You don't say. (まさか。)
赤いドレスを着た女性がセントラルパークに入ってきて、ジョーイに挨拶した後、カウンターに座ります。
ジョーイがアンジェラと名前を言っていることから、二人が知り合いであることがわかりますね。
Being dumped by you obviously agrees with her. は「あなたに振られたことは彼女に agree with している」というところ。
まずは「あなたにフラれたことが彼女に(うんぬん)」というモニカの発言から、「ジョーイはかつてこのアンジェラを振った」ことがわかるという仕組みですね。
そして、agree with というと、「(人)に同意する」という意味がまずは浮かびますが、それ以外にも「一致する、合致する」という意味があります。
研究社 新英和中辞典では、
agree=〔+with+【(代)名】〕〔…と〕一致する、合う
His statement agrees with the facts. 彼の陳述は事実と一致する。
「同意する」というのは、主語の意見が with 以下の人の意見に「一致する」ということですから、「同意する」が「一致する」という意味でも使われるのは、比較的イメージしやすいですよね。
そこからさらに進んで、agree には「性(しょう)に合う」という意味もあります。
同じく、研究社 新英和中辞典では、
agree=〔+with+【(代)名】〕[通例否定・疑問文で] 〈食物・気候などが〉〔人の〕性に合う
Spicy foods don't agree with me. 香辛料の入った食物は私に合わない。
上のスパイシーフードの例文も、「スパイシーフードは私に一致しない→私に合わない→私の性に合わない」ということですよね。
Macmillan Dictionary では、
agree with [phrasal verb] :
if a situation or way of living agrees with you, you enjoy it and feel happy and relaxed
例) I find that country life really agrees with me.
つまり、「ある状況や生き方が agree with you だというのは、自分がそれを楽しみ、そして幸せでリラックスしているように感じる、ということ」。例文は、「私はその田舎暮らしが、本当に私の性に合っていると思う(わかる)」。
ですから、今回のモニカのセリフ Being dumped by you obviously agrees with her. を直訳すると、
「あなたに振られた[捨てられた]こと(Being dumped by you)は、明らかに[どう見ても]、彼女の性に合っている」。
「ジョーイに捨てられたという状況(a situation)」が彼女の性に合っている→ジョーイに捨てられたことで、彼女はジョーイと付き合っていた頃よりも、より魅力的な女性になっている、というような意味になるということですね。
研究社 新英和中辞典では、わざわざ注意書きとして、[通例否定・疑問文で]と書いてあり、例文も「食物が人(の性)に合わない」という否定の内容になっていますが、英英辞典の Macmillan Dictionary の例文では、「田舎暮らしが性に合っている」という肯定文だったので、肯定文で使われることも可能だと言えるでしょう。
今回のセリフはその肯定文の形になっているということですね。
きれいになった元カノがジョーイのいるところに現れたわけだから、ジョーイはアンジェラと話をするためにあっちに行くの? のようにモニカは尋ねています。
ジョーイは「だめだ。オッケー、でもまだだ」と躊躇していますね。
eager は「しきりに求めて、熱望して」のような「〜する強い欲望を持っている」という感覚。
つまり「振った彼女がきれいになった姿を見て、振った方の俺がガツガツと彼女を求めてるように見せたくない」と言っていることになります。
その後、ジョーイは「1ミシシッピ、2ミシシッピ、3ミシシッピ」と数えています。
「ひとーつ、ふたーつ、みっーつ」みたいに長めに数字を数えている感覚ですが、「1、2、3」だと早すぎてしまうから、しっかり「1秒、2秒、3秒」分をカウントするために数の後ろに「ミシシッピ」という言葉を入れていることになります。
Wikipedia 英語版: Mississippi > In popular culture の冒頭に、以下のように数え方に使われる件が説明されています。
Children in the United States and Canada often count "One-Mississippi, two-Mississippi" during informal games such as hide and seek to approximate counting by seconds.
つまり「米国やカナダの子供はしばしば、かくれんぼなどのくだけたゲームで、ほぼ秒刻みでカウントするために、「ワン・ミシシッピ、トゥー・ミシシッピ」と数を数える」。
「ミシシッピ」という音を加えることで、だいたい1秒になるようですが、なぜ「ミシシッピ」という言葉を使うのかという起源・語源のようなものは残念ながら載っていません。
ミシシッピという名前には、アメリカの州(state)である「ミシシッピ州」や「ミシシッピ川(Mississippi River)」などがあり、上に引用したウィキペディアは「州」の方のページでしたが、「アメリカで一番長い川であるミシシッピ川」のイメージが「時間をたっぷり取る」という「長さ」の感覚に繋がっているような気が個人的にはしています。
バーベキューの温度測定法として「1ミシシッピ、2ミシシッピ」と手をかざす「ミシシッピ・テスト」と呼ばれる方法があるそうなので、バーベキューに詳しい方はこのカウントをご存じかもしれませんね。
この数え方については過去記事、フレンズ1-5その1 のコメント欄 でいろいろな情報を頂戴しました。
そのコメント欄で「パイロットは、One thousand, two thousand... (あるいは、Thousand one, thousand two...)のように、thousand を入れて数えることがある」という情報も教えていただきました。
私は先ほど「ミシシッピ川」のイメージの話をしましたが、ミシシッピ川は実際の川の長さが長い上に Mississippi という綴りも長いですよね。
それと同じ感じで、thousand も「千」という大きな数ですし、綴りも(比較的)長いように思います。
「1秒を慌てず”ゆっくり・たっぷり”数える」ために、単語の持つイメージが「長い」「大きい」ものを使っているのだとしたら面白いなぁ、と思います。
同じくそのコメント欄では、スケートの荒川静香さんがトリノ五輪でイナバウアーをする際にコーチから「One 〜, two 〜」と長めの言葉を入れて数えるようにと指示されて、アイスクリームが好きな荒川選手は One icecream, two icecream...と数えたそうです、、というエピソードも教えていただきました。
このミシシッピを使った数え方は、この先のフレンズでは、フレンズ3-9(フットボールの話)、フレンズ10-3(日焼けサロンの話)にも出てきます。
フレンズ以外の作品では、LOST 2-13 のラストシーン近く(42:10 くらい)、ソーヤーが、5ミシシッピまでこの方法で数えるシーンがあります。
ジョーイは 3ミシシッピまで数えた後、これでいい感じだろ、のように言ってアンジェラに近づきますが、いくら普通の one, two, three よりも「ゆっくりためて数える数え方」であっても、3ミシシッピじゃ早すぎるだろ! ガツガツしてるのバレバレじゃん! というのが面白さのポイントなわけですね。
ジョーイが You look good. 「きれいだね」と言うと、アンジェラは "That's because I'm wearing a dress that accents my boobs." と返しています。
accent は「〜を強調する」なので、「それ(私がきれいに見えるの)は、私が胸を強調する(胸を目立たせる)服を着ているからよ」と答えたことになります。
ジョーイが振ったくせにこうしてまた声を掛けてきたことを「胸元を見せるドレスを着てるから、あなた声掛けて来たんでしょ」と指摘したわけですね。
ちなみに、今月15日発売の私の4冊目となる新刊「リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!」の p.265 の boobs の解説の中で、このやりとりを例文として使わせていただいています(^^)
ジョーイの表情から図星だったらしいことがわかりますが、ジョーイは You don't say. と返します。
You don't say. は、「まさか? 本当?」と「相手の言ったことに驚いた、びっくりした」ことを示すニュアンスがあります。また、You don't say. を平坦な口調で言うと、反語的に「相手の言ったことに全く驚かない」ことを示すことになります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
you don't say!
a) (humorous) used to show that you are not surprised at all by what someone has just told you
b) (old-fashioned) used to say that you are surprised by what someone has just told you
つまり、a) は「(ユーモラス)誰かがたった今言ったことに、全く驚いていないことを示すために使われる」。b) は「(古い表現)誰かがたった今言ったことに驚いていることを言うために使われる」。
微妙な単語の違いはありますが a) と b) は正反対の意味で、b) が元々の「相手の発言に驚く」ニュアンスで、a) は「相手の発言に全く驚かない」という逆の意味をユーモラスに表現したもの、ということになります。
今回の場合、元カノが胸を強調したセクシードレスで現れた途端、振った方のジョーイが手の平を返したようにすり寄ってくる、、というのでは、プレイボーイのジョーイの名がすたる、ということになりますね。
ですから「胸を強調してるからね」と言ったことを認めたように「全くその通りだよね」と返したということではなく、言葉としては「まさか(胸につられたわけないだろ)」という意味で使っていて、ただし内心は「うわっ、バレバレじゃん」とギクッとしている感じなのだろうと思います。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
2017年12月22日
延長ディスコバージョンを聞かされた フレンズ1-5改その4
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は5位、「にほんブログ村」は9位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
2:51
レイチェル: [waitressing] Does anybody want anything else? ([ウェイトレスをしながら] 誰か他に何か欲しい?)
ロス: Oh, yeah, last week you had a wonderful, nutty, chocolate-y kind of a cake-y, pie thing that.... [Rachel gives him a dirty look] Nothing. Just, just, I'm fine. (あぁ、そうだな。先週あったよね、素敵なナッツのチョコレートっぽい、ケーキ風のパイみたいなやつ… [レイチェルはロスに嫌な視線を向ける] (欲しいものは)何もないよ。大丈夫だよ。)
フィービー: [to Rachel] What's the matter? Why so scrunchie? (どうしたの? どうしてそんなに”くしゃくしゃって感じ”(不機嫌)なの?)
レイチェル: Oh, it's my father. He wants to give me a Mercedes convertible. (あぁ(原因は)私のパパなの。パパは私にメルセデスのコンパチーブルを与えようと思ってるのよ。)
ロス: That guy, he burns me up. (その人、彼は、僕も頭にくるよ。)
レイチェル: Yeah, well, it's a Mercedes if I move back home. Oh, it was horrible! He called me "young lady." (えぇ、私が家に戻れば、のメルセデスなの。もう、最低だったわ。パパは私を「お嬢ちゃん」って呼んだのよ。)
チャンドラー: Ooh, I hate when my father calls me that. (うー、俺の親父が俺をそう呼ぶの、嫌なんだよな。)
モニカ: Did he give you that whole "You're not up to this" thing again? (レイチェルのパパは例の「お前にはこんなことはまだ無理だ」っていうあれこれをまたあなたに言ったの?)
レイチェル: Oh, yeah, yeah. Actually, I got the extended disco version with three choruses of "You'll Never Make it on Your Own." (あぁ、そう、そうなの。実は、「お前は自力ではやり遂げられない」の3コーラスのエクステンディット・ディスコ・バージョンを聞かされたわ。)
フィービー: [rhythmically] Uh-huh, uh-huh. ([リズミカルに] アーハー、アーハー。)
ウェイトレスの仕事中のレイチェルは「誰か何か他に欲しいものある?」と注文を聞いています。
それに対してロスが長々と説明するのを見て、レイチェルはいらいらした様子で不機嫌な表情を浮かべていますね。
マフィンとかスコーンとか、品名をすっと言えばそれで良かったのでしょうが、「ほら、先週あった、あのナッツがあって、チョコがかかってて、ケーキ風のパイみたいなやつ」とわざと長々と説明したことにイラっとしたようですね。
そんなレイチェルを見て、フィービーは「どうしたの? どうしてそんなにスクランチーなの?」と尋ねています。
Blu-ray/DVD では scrunchie、Netflix では scrunchy と表記されていますが、これはフィービー独特の造語のようですね。
scrunch なら動詞で「〜をバリバリ砕く、〜をくしゃくしゃにする」という意味なので、それに -ie または -y を付けることで形容詞化した感覚になるでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) で、動詞 scrunch を見てみると、
scrunch : to crush and twist something into a small shape
例)She scrunched the letter into a ball.
つまり「何かを小さな形につぶす、またはねじる(変形する)こと」。例文は「彼女はその手紙をくしゃっと丸めた」。
恐らく「小さな形にくしゃくしゃにした」様子が「いらいらした」という感覚に通じるということでしょう。
ちなみに、scrunchy / scrunchie という名詞は存在していて、それは「(ポニーテールなどを留める)シュシュ」のこと。
アカデミックな英英辞典であるLAAD にも以下のように出ています。
scrunchie : a circular rubber band that is covered with cloth, used for holding hair in a ponytail
つまり「ポニーテールの髪の毛を留める、布で覆われた輪状のゴムバンド」。
「シュシュ」というのはフランス語の chouchou から来ているそうで、フランス語の chouchou には「お気に入り」「かわいい」という意味があるそうです。
そういうシュシュを英語では scrunchie と表現しているわけですが、これは恐らく、布の中にゴムを通して、外の布をくしゃくしゃっと縮めた状態になっていることから、「くしゃっと縮めたもの」みたいな表現になっているのかなぁ、と思ったりします。
it's my father. は「私がいらいらしている原因は、問題は、パパなの」という感覚。
convertible は「コンバーチブル、ルーフがたためる車」のこと。
Mercedes は日本語では「メルセデス(ベンツ)」と呼びますが、英語での発音は、メルスィーディスという感じです。
それを聞いたロスは he burns me up. と言っています。
burn someone up は「人を怒らせる」。
LAAD では、
burn somebody up : (informal) to make someone angry
ロスの発言は「レイチェルにメルセデスを買ってあげるとか言ってるパパには僕もむかついちゃうよ」と言葉としては言っていることになりますが、実際のところは、これはレイチェルに共感しての言葉ではないですね。
「レイチェルが不機嫌なのもわかる。それってほんとむかつくよね」のように言葉で表現することで、「高級車を買ってあげようと言っているパパに対して怒っているレイチェルが理解できない。何でそのことでいらついているのか僕にはわからない」という正反対の意味の皮肉であると考えれば良いでしょう。
そういう皮肉のニュアンスを感じ取ったらしいレイチェルは、「メルセデスを買ってあげるって言うパパにむかつく」と言ったのは「もし私が家に戻れば、のメルセデスだから」と追加で説明しています。
家に連れ戻すための餌として、高級車をちらつかせたということですね。
I hate when my father calls me that. は「俺の父親が俺をそう(young lady と)呼ぶのが嫌い」ということ。
「俺も親にお嬢ちゃん呼ばわりされるの嫌なんだよな」みたいなことで、「坊や」ならともかく、普通は「お嬢ちゃん」と呼ばれるはずもない、男性であるチャンドラーがそんな風に言っている面白さになるでしょう。
また、後のエピソードでチャンドラーの父親の話があれこれ出てくるのですが、もしかして本当にそんな風に呼ぶこともあるかもしれない、みたいな感じの人だったりもします。
この時点ではチャンドラーの父親はまだ登場していないながらも、「チャンドラーの父親って変わった人なのかも」ということを少し示唆しているようなセリフになっているのかもしれないとも思います。
You're not up to this. は「お前にはこんなことは出来ない、こんなことには耐えられない」。
お前はこれ(自立生活)ができるところまで行っていない、これをできる力(能力)がない、まだ足りない、という感覚。
「お前には独り立ちは無理だ」みたいな一連のこと、お小言をまた言われたの? みたいに聞かれたレイチェルは、「ええ。実は、"You'll Never Make it on Your Own" の3コーラスの extended disco version をパパからもらった」のように表現しています。
extended version は、音楽のリミックス版などでそういう表記がされていることがありますが、延長された長いバージョンということですね。
make it は「うまく・無事にやりとげる」「成功する」。
on one's own は「自力で、独力で」。
「お前にはこんなことは無理だ」と何度もしつこく繰り返される小言を、3コーラスの延長ディスコバージョンの歌のようだと表現したことになります。
何度も同じフレーズのリフレインが登場するディスコバーションに例えたところが面白いですね。
それを聞いたフィービーは、間髪入れずに「アーハー、アーハー」と合いの手のように入れています。
これは過去記事で教えていただいたのですが、KC & The Sunshine Band の That's the Way (I Like It) という曲(1975年)のサビの一部です。
That's the way, uh-huh uh-huh
I like it, uh-huh, uh-huh
というリフレインが非常に印象的な曲で、ごく最近のサントリー烏龍茶のCMでも使われていました。
以下のサントリーチャンネルのサイト(↓)では、そのCM動画を見ることができます。
サントリーチャンネル:サントリー烏龍茶『ミランダ・登場』篇 15秒
出演しているのはミランダ・カー。詳細情報として、オンエア開始日 2017年05月09日 と出ているので、本当に最近のことですよね。
また、使用楽曲名、歌手・演奏者にも、この曲名とバンド名が表示されています。
ちなみに、その KC & The Sunshine Band というのは、フレンズ2-14 のセリフの中にも登場しますので、フレンズでは2回、ジョークの元ネタとして使われたことになります。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
2:51
レイチェル: [waitressing] Does anybody want anything else? ([ウェイトレスをしながら] 誰か他に何か欲しい?)
ロス: Oh, yeah, last week you had a wonderful, nutty, chocolate-y kind of a cake-y, pie thing that.... [Rachel gives him a dirty look] Nothing. Just, just, I'm fine. (あぁ、そうだな。先週あったよね、素敵なナッツのチョコレートっぽい、ケーキ風のパイみたいなやつ… [レイチェルはロスに嫌な視線を向ける] (欲しいものは)何もないよ。大丈夫だよ。)
フィービー: [to Rachel] What's the matter? Why so scrunchie? (どうしたの? どうしてそんなに”くしゃくしゃって感じ”(不機嫌)なの?)
レイチェル: Oh, it's my father. He wants to give me a Mercedes convertible. (あぁ(原因は)私のパパなの。パパは私にメルセデスのコンパチーブルを与えようと思ってるのよ。)
ロス: That guy, he burns me up. (その人、彼は、僕も頭にくるよ。)
レイチェル: Yeah, well, it's a Mercedes if I move back home. Oh, it was horrible! He called me "young lady." (えぇ、私が家に戻れば、のメルセデスなの。もう、最低だったわ。パパは私を「お嬢ちゃん」って呼んだのよ。)
チャンドラー: Ooh, I hate when my father calls me that. (うー、俺の親父が俺をそう呼ぶの、嫌なんだよな。)
モニカ: Did he give you that whole "You're not up to this" thing again? (レイチェルのパパは例の「お前にはこんなことはまだ無理だ」っていうあれこれをまたあなたに言ったの?)
レイチェル: Oh, yeah, yeah. Actually, I got the extended disco version with three choruses of "You'll Never Make it on Your Own." (あぁ、そう、そうなの。実は、「お前は自力ではやり遂げられない」の3コーラスのエクステンディット・ディスコ・バージョンを聞かされたわ。)
フィービー: [rhythmically] Uh-huh, uh-huh. ([リズミカルに] アーハー、アーハー。)
ウェイトレスの仕事中のレイチェルは「誰か何か他に欲しいものある?」と注文を聞いています。
それに対してロスが長々と説明するのを見て、レイチェルはいらいらした様子で不機嫌な表情を浮かべていますね。
マフィンとかスコーンとか、品名をすっと言えばそれで良かったのでしょうが、「ほら、先週あった、あのナッツがあって、チョコがかかってて、ケーキ風のパイみたいなやつ」とわざと長々と説明したことにイラっとしたようですね。
そんなレイチェルを見て、フィービーは「どうしたの? どうしてそんなにスクランチーなの?」と尋ねています。
Blu-ray/DVD では scrunchie、Netflix では scrunchy と表記されていますが、これはフィービー独特の造語のようですね。
scrunch なら動詞で「〜をバリバリ砕く、〜をくしゃくしゃにする」という意味なので、それに -ie または -y を付けることで形容詞化した感覚になるでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) で、動詞 scrunch を見てみると、
scrunch : to crush and twist something into a small shape
例)She scrunched the letter into a ball.
つまり「何かを小さな形につぶす、またはねじる(変形する)こと」。例文は「彼女はその手紙をくしゃっと丸めた」。
恐らく「小さな形にくしゃくしゃにした」様子が「いらいらした」という感覚に通じるということでしょう。
ちなみに、scrunchy / scrunchie という名詞は存在していて、それは「(ポニーテールなどを留める)シュシュ」のこと。
アカデミックな英英辞典であるLAAD にも以下のように出ています。
scrunchie : a circular rubber band that is covered with cloth, used for holding hair in a ponytail
つまり「ポニーテールの髪の毛を留める、布で覆われた輪状のゴムバンド」。
「シュシュ」というのはフランス語の chouchou から来ているそうで、フランス語の chouchou には「お気に入り」「かわいい」という意味があるそうです。
そういうシュシュを英語では scrunchie と表現しているわけですが、これは恐らく、布の中にゴムを通して、外の布をくしゃくしゃっと縮めた状態になっていることから、「くしゃっと縮めたもの」みたいな表現になっているのかなぁ、と思ったりします。
it's my father. は「私がいらいらしている原因は、問題は、パパなの」という感覚。
convertible は「コンバーチブル、ルーフがたためる車」のこと。
Mercedes は日本語では「メルセデス(ベンツ)」と呼びますが、英語での発音は、メルスィーディスという感じです。
それを聞いたロスは he burns me up. と言っています。
burn someone up は「人を怒らせる」。
LAAD では、
burn somebody up : (informal) to make someone angry
ロスの発言は「レイチェルにメルセデスを買ってあげるとか言ってるパパには僕もむかついちゃうよ」と言葉としては言っていることになりますが、実際のところは、これはレイチェルに共感しての言葉ではないですね。
「レイチェルが不機嫌なのもわかる。それってほんとむかつくよね」のように言葉で表現することで、「高級車を買ってあげようと言っているパパに対して怒っているレイチェルが理解できない。何でそのことでいらついているのか僕にはわからない」という正反対の意味の皮肉であると考えれば良いでしょう。
そういう皮肉のニュアンスを感じ取ったらしいレイチェルは、「メルセデスを買ってあげるって言うパパにむかつく」と言ったのは「もし私が家に戻れば、のメルセデスだから」と追加で説明しています。
家に連れ戻すための餌として、高級車をちらつかせたということですね。
I hate when my father calls me that. は「俺の父親が俺をそう(young lady と)呼ぶのが嫌い」ということ。
「俺も親にお嬢ちゃん呼ばわりされるの嫌なんだよな」みたいなことで、「坊や」ならともかく、普通は「お嬢ちゃん」と呼ばれるはずもない、男性であるチャンドラーがそんな風に言っている面白さになるでしょう。
また、後のエピソードでチャンドラーの父親の話があれこれ出てくるのですが、もしかして本当にそんな風に呼ぶこともあるかもしれない、みたいな感じの人だったりもします。
この時点ではチャンドラーの父親はまだ登場していないながらも、「チャンドラーの父親って変わった人なのかも」ということを少し示唆しているようなセリフになっているのかもしれないとも思います。
You're not up to this. は「お前にはこんなことは出来ない、こんなことには耐えられない」。
お前はこれ(自立生活)ができるところまで行っていない、これをできる力(能力)がない、まだ足りない、という感覚。
「お前には独り立ちは無理だ」みたいな一連のこと、お小言をまた言われたの? みたいに聞かれたレイチェルは、「ええ。実は、"You'll Never Make it on Your Own" の3コーラスの extended disco version をパパからもらった」のように表現しています。
extended version は、音楽のリミックス版などでそういう表記がされていることがありますが、延長された長いバージョンということですね。
make it は「うまく・無事にやりとげる」「成功する」。
on one's own は「自力で、独力で」。
「お前にはこんなことは無理だ」と何度もしつこく繰り返される小言を、3コーラスの延長ディスコバージョンの歌のようだと表現したことになります。
何度も同じフレーズのリフレインが登場するディスコバーションに例えたところが面白いですね。
それを聞いたフィービーは、間髪入れずに「アーハー、アーハー」と合いの手のように入れています。
これは過去記事で教えていただいたのですが、KC & The Sunshine Band の That's the Way (I Like It) という曲(1975年)のサビの一部です。
That's the way, uh-huh uh-huh
I like it, uh-huh, uh-huh
というリフレインが非常に印象的な曲で、ごく最近のサントリー烏龍茶のCMでも使われていました。
以下のサントリーチャンネルのサイト(↓)では、そのCM動画を見ることができます。
サントリーチャンネル:サントリー烏龍茶『ミランダ・登場』篇 15秒
出演しているのはミランダ・カー。詳細情報として、オンエア開始日 2017年05月09日 と出ているので、本当に最近のことですよね。
また、使用楽曲名、歌手・演奏者にも、この曲名とバンド名が表示されています。
ちなみに、その KC & The Sunshine Band というのは、フレンズ2-14 のセリフの中にも登場しますので、フレンズでは2回、ジョークの元ネタとして使われたことになります。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
2017年12月15日
著書4冊目フレーズ本出版しました!
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は8位、「にほんブログ村」も8位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
記事タイトルにもありますように、本日2017年12月15日に、私、Rach は、著書4冊目となる、英語フレーズ本を出版いたしました!
タイトルは、
「リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!」
で、池田書店より出版されます。
アマゾンではこちら。
Amazon.co.jp: リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!
帯付きの表紙画像はこちら。
アマゾンでの発売日が12月15日で、週明けの12月18、19日頃には、リアル書店さんの店頭にも並ぶ模様です。
表紙で本書の内容が説明されているのですが、今回の本の特徴は、
1. 海外ドラマで実際に使われたセリフが例文として掲載されている。
2. 「フレンズ」を始め、人気海外ドラマ15作品からセリフを引用している。
3. セリフがイメージしやすくなるような、シーンのイラストが使われている。
ということです。
まずは、特徴 1. について。
海外ドラマで実際に使われているセリフを200、海外ドラマ頻出の応用表現を355、
合計555の表現を紹介しています。
私は2005年に、このブログ「シットコムで笑え!」を開始し、以降、12年以上、フレンズ一筋で続けてきました。
今回、私がブログでやっているのと同じような「海外ドラマのセリフを解説した本」を出すことができたことを、本当に本当に嬉しく思っています。
このような本を出版できましたのは、「フレンズ」解説ブログを12年以上続けることができたからこそで、長きに渡り、このブログを読み続け、応援し続けて下さった読者の皆様のおかげと心より感謝いたしております。本当にありがとうございます<(_ _)>
次に、特徴 2. について。
先ほども書きました通り、このブログは「フレンズ一筋12年」ですが、今回の本では、フレンズ以外にもさまざまなジャンルの作品を掲載させていただいています。
「フレンズ」のようなシットコムだけではなく、「24」「プリズン・ブレイク」のようなアクション、「メンタリスト」のような推理ドラマ、「グリー」のような青春ドラマ、「ダウントン・アビー」のようなイギリス貴族ドラマなど、あらゆるジャンルの海外ドラマを網羅するようにしました。
また、新旧の幅も持たせて、懐かしい「フルハウス」から、現在も放送中の「ゲーム・オブ・スローンズ」などの最新作も入っています。
海外ドラマで英語を学ぶ際は、なにより自分の好きな作品で学ぶのがいちばんです。
私自身、「フレンズ」以外にもあれこれ見ていて、好きな作品もたくさんあります。
今回掲載させていただいた多彩なジャンルのドラマから、読者の皆様のお気に入りの作品を見つけていただければ幸いです。
この本では、項の冒頭で、ある作品のセリフを例に挙げた上で、その後、「他の作品でもこんな形で出てきました」という解説方法をとっています。
複数作品での使用例を知ることで、フレーズのニュアンスがより深く理解できることを体感していただければと思います。
最後に、特徴 3. について。
これはもう、表紙画像を見ていただいた通りです。表紙イラストに使われているのは、フレンズ、ビッグバン・セオリー、24、SATC ですが、本文中には、それ以外の作品のイラストもたくさん掲載されています。
イラストは、イラストレーターのサダさんが描いて下さいました。
作品の雰囲気とキャラの特徴をバッチリ押さえた、実に楽しく素晴らしいイラストとなっています。
リアル書店さんで、本の現物を手に取っていただいて、その素敵なイラストも是非ご覧になって下さい!
なお、今回、たくさんの作品のセリフを例文として使わせていただくに当たり、「将来的に誰と誰とが恋人になる」などの「ストーリー展開上のネタバレになるような情報は避ける」ように努めました。
掲載された15作品全てをご覧になった方は数少ないでしょうし、この本を読んでから、海外ドラマ英語学習法を始められる方もおられるだろうと思います。
ネタバレの恐れがありそうな部分は、セリフの話者の名前を伏せたりするなどしていますので、作品をまだ見ていないという方も、どうか安心してお読み下さい。
「海外ドラマのセリフを解説した本」を作ることが、ずっと私の夢でした。
そして今回、素敵なご縁が次から次へと繋がって、この本ができあがりました。
この本にかかわって下さったすべての皆様に、そして、生きた英語の宝庫である海外ドラマのセリフを例文として使わせていただけたことに、心より感謝申し上げます。
私のブログでのハンドルネーム Rach は、「フレンズ」のレイチェルのニックネームをお借りしたものです。
今回の本の表紙には、イラストで「フレンズ」のレイチェルが描かれていて、本の帯には「フレンズ」というタイトルが大きな文字で書かれています。
その同じ表紙に、「人気ブロガーが生きたセリフを解説」という紹介文付きで私の写真も帯に載せていただけたことは本当に光栄で、『海外ドラマ「フレンズ」英語攻略ガイド』のブロガー Rach として、こんなに嬉しいことはありません。
動画配信サービスもさかんとなり、海外ドラマを手軽に視聴できる環境はますます整ってきています。
この本を、海外ドラマで英語を学ぶきっかけにしていただければとても嬉しいです。
海外ドラマで英語を学ぶことはこんなに楽しい、こんなに多くのことが学べる! ということをお伝えすることができるよう、これからも全力でブログを頑張ります!
どうかこれからもよろしくお願いします!(^^)
4冊目の本も、ブログも頑張れ〜! と応援して下さる方は、下のランキングをクリックしていただけると嬉しいです。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
記事タイトルにもありますように、本日2017年12月15日に、私、Rach は、著書4冊目となる、英語フレーズ本を出版いたしました!
タイトルは、
「リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!」
で、池田書店より出版されます。
アマゾンではこちら。
Amazon.co.jp: リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!
帯付きの表紙画像はこちら。
アマゾンでの発売日が12月15日で、週明けの12月18、19日頃には、リアル書店さんの店頭にも並ぶ模様です。
表紙で本書の内容が説明されているのですが、今回の本の特徴は、
1. 海外ドラマで実際に使われたセリフが例文として掲載されている。
2. 「フレンズ」を始め、人気海外ドラマ15作品からセリフを引用している。
3. セリフがイメージしやすくなるような、シーンのイラストが使われている。
ということです。
まずは、特徴 1. について。
海外ドラマで実際に使われているセリフを200、海外ドラマ頻出の応用表現を355、
合計555の表現を紹介しています。
私は2005年に、このブログ「シットコムで笑え!」を開始し、以降、12年以上、フレンズ一筋で続けてきました。
今回、私がブログでやっているのと同じような「海外ドラマのセリフを解説した本」を出すことができたことを、本当に本当に嬉しく思っています。
このような本を出版できましたのは、「フレンズ」解説ブログを12年以上続けることができたからこそで、長きに渡り、このブログを読み続け、応援し続けて下さった読者の皆様のおかげと心より感謝いたしております。本当にありがとうございます<(_ _)>
次に、特徴 2. について。
先ほども書きました通り、このブログは「フレンズ一筋12年」ですが、今回の本では、フレンズ以外にもさまざまなジャンルの作品を掲載させていただいています。
「フレンズ」のようなシットコムだけではなく、「24」「プリズン・ブレイク」のようなアクション、「メンタリスト」のような推理ドラマ、「グリー」のような青春ドラマ、「ダウントン・アビー」のようなイギリス貴族ドラマなど、あらゆるジャンルの海外ドラマを網羅するようにしました。
また、新旧の幅も持たせて、懐かしい「フルハウス」から、現在も放送中の「ゲーム・オブ・スローンズ」などの最新作も入っています。
海外ドラマで英語を学ぶ際は、なにより自分の好きな作品で学ぶのがいちばんです。
私自身、「フレンズ」以外にもあれこれ見ていて、好きな作品もたくさんあります。
今回掲載させていただいた多彩なジャンルのドラマから、読者の皆様のお気に入りの作品を見つけていただければ幸いです。
この本では、項の冒頭で、ある作品のセリフを例に挙げた上で、その後、「他の作品でもこんな形で出てきました」という解説方法をとっています。
複数作品での使用例を知ることで、フレーズのニュアンスがより深く理解できることを体感していただければと思います。
最後に、特徴 3. について。
これはもう、表紙画像を見ていただいた通りです。表紙イラストに使われているのは、フレンズ、ビッグバン・セオリー、24、SATC ですが、本文中には、それ以外の作品のイラストもたくさん掲載されています。
イラストは、イラストレーターのサダさんが描いて下さいました。
作品の雰囲気とキャラの特徴をバッチリ押さえた、実に楽しく素晴らしいイラストとなっています。
リアル書店さんで、本の現物を手に取っていただいて、その素敵なイラストも是非ご覧になって下さい!
なお、今回、たくさんの作品のセリフを例文として使わせていただくに当たり、「将来的に誰と誰とが恋人になる」などの「ストーリー展開上のネタバレになるような情報は避ける」ように努めました。
掲載された15作品全てをご覧になった方は数少ないでしょうし、この本を読んでから、海外ドラマ英語学習法を始められる方もおられるだろうと思います。
ネタバレの恐れがありそうな部分は、セリフの話者の名前を伏せたりするなどしていますので、作品をまだ見ていないという方も、どうか安心してお読み下さい。
「海外ドラマのセリフを解説した本」を作ることが、ずっと私の夢でした。
そして今回、素敵なご縁が次から次へと繋がって、この本ができあがりました。
この本にかかわって下さったすべての皆様に、そして、生きた英語の宝庫である海外ドラマのセリフを例文として使わせていただけたことに、心より感謝申し上げます。
私のブログでのハンドルネーム Rach は、「フレンズ」のレイチェルのニックネームをお借りしたものです。
今回の本の表紙には、イラストで「フレンズ」のレイチェルが描かれていて、本の帯には「フレンズ」というタイトルが大きな文字で書かれています。
その同じ表紙に、「人気ブロガーが生きたセリフを解説」という紹介文付きで私の写真も帯に載せていただけたことは本当に光栄で、『海外ドラマ「フレンズ」英語攻略ガイド』のブロガー Rach として、こんなに嬉しいことはありません。
動画配信サービスもさかんとなり、海外ドラマを手軽に視聴できる環境はますます整ってきています。
この本を、海外ドラマで英語を学ぶきっかけにしていただければとても嬉しいです。
海外ドラマで英語を学ぶことはこんなに楽しい、こんなに多くのことが学べる! ということをお伝えすることができるよう、これからも全力でブログを頑張ります!
どうかこれからもよろしくお願いします!(^^)
4冊目の本も、ブログも頑張れ〜! と応援して下さる方は、下のランキングをクリックしていただけると嬉しいです。
2017年12月12日
二人で寄ってたかって攻撃してるみたい フレンズ1-5改その3
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は8位、「にほんブログ村」は9位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
1:42
[Scene: Central Perk. All are there.]
セントラルパーク。全員がそこにいる。
チャンドラー: So, Saturday night! The big night! Date night! Saturday night. Sat-ur-day night! (で、土曜の夜! ビッグな夜! デートの夜! 土曜の夜。ど・よ・うの夜!)
ジョーイ: No plans, huh? (予定ないんだな?)
チャンドラー: Not a one! (一つもない!)
ロス: Not even, say, breaking up with Janice? (あれすらないの? ほら、ジャニスと別れること。)
チャンドラー: Oh, right, right. Shut up. (あぁ、そうだ、そうだ。黙ってろ。)
モニカ: Chandler, nobody likes breaking up with someone. You just gotta do it. (チャンドラー、人と別れることが好きな人なんていないわ。ただそれをするしかないのよ。)
チャンドラー: No, I know. But it's just so hard, you know? I mean, you're sitting there with her. She has no idea what's happening. And then you finally get up the courage to do it. There's that horrible awkward moment when you've handed her the note. (いや、わかってるんだ。でもただ、すごく大変なんだよ、だろ? ほら、彼女と一緒にそこに座ってるとする。何が起こってるのか彼女にはわからない。そしてそれからついに、それをする勇気を起こす。その恐ろしい気まずい瞬間があるんだよ、彼女にメモを手渡した時にね。)
ジョーイ: Why do you have to break up with her? Be a man. Just stop calling. (どうして彼女と別れる必要があるんだよ? 男になれ(男でいろ)。ただ電話するのをやめろ。)
フィービー: You know, if you want, I'll do it with you. (ほら、もしお望みなら、私があなたと一緒にするわよ。)
チャンドラー: Oh, thanks, but I think she'd feel like we're ganging up on her. (あぁ、ありがと、でも(そんなことしたら)俺たち二人で彼女を寄ってたかって攻撃してるみたいに彼女が感じるだろうって思うよ。)
フィービー: No, I mean, you break up with Janice, and I'll break up with Tony. (いいえ、私が言ってるのは、あなたはジャニスと別れる。そして私はトニーと別れるの。)
ロス: Tony? (トニー?)
モニカ: Oh, you're breaking up with Tony? (まぁ、あなたはトニーと別れるの?)
フィービー: Yeah, I know, he's sweet, but it's just not fun anymore, you know? I don't know if it's me or his hunger strike, or, I don't know. (えぇ、彼が優しいのはわかってる。でももう楽しくないの。私のせいなのか、彼のハンガーストライキのせいなのか、それとも… 私にはわからないのよ。)
チャンドラーは一人盛り上がってる様子で、Saturday night! などと叫んでいます。
それを見たジョーイが「予定ないんだな」と言って、「いっこもない」みたいにチャンドラーが返すのが面白いですね。
テンション高い感じで「土曜の夜だ」と騒いでいるのは逆になーんにも予定がないって証拠だよな、とジョーイに悟られてしまったということです。
「予定が一つもない」と言ったチャンドラーに、ロスは「ほら、ジャニスと別れること、っていうのすらないの?」みたいに返します。
break up with は「(人)と別れる」という恋愛ドラマの頻出表現。
チャンドラーは「そうだね」と言った後、即座に「黙れ」と言っているので、そのことを言われたくないことがわかります。
nobody likes breaking up with someone. は「人と別れることが好きな人はいない」。
日本語では「〜する人はいない」のように「いない」という部分で否定しますが、英語では主語を nobody にすることで「〜する人はいない」と表現することができ、このセリフはその典型的な例と言えるでしょう。
「人と別れるのはつらくて大変なことだから、そんなのを好きな人はいないわ」と言っているわけですね。
「(別れないといけない場合は)ただそうするしかないのよ」と言われ、チャンドラーは「わかってるけど、大変なんだ」と言ってから、I mean, you're sitting... のセリフを続けています。
これ以降、you're sitting, you finally get up のように主語が you の文章が続きますが、この you は話し相手の「君、あなた」を指しているのではなく、「主語を you にすることで自分の体験を相手に想像させる」というニュアンスになります。
you は「あなた」以外に「一般の人」を指すこともできるのですが、「聞き手である”あなた”も含み、話し手である”私自身”をも含む」you を主語にして自分の体験を語ることで、相手にも自分と同じ経験をイメージさせる効果が出ます。(拙著「読むだけ なるほど! 英文法」p.80 『「自分」の体験を語る時に you を使う』でも、このような you について解説しています。)
ですから、you're sitting there with her. は「(話し相手である)君が(今)彼女と一緒にそこに座っている」ということではなくて、「ほら、彼女と一緒にそこに座ってるとする」のように「相手にイメージさせるように自分の体験を語る」感覚になります。
get up は「起きる」という自動詞で使われますが、ここでは get up the courage と他動詞で使われていますので「〜する勇気を起こす、勇気を振り絞って〜する」ということですね。
awkward moment は「気まずい瞬間」、hand her the note は「彼女にメモを手渡す」。日本語で「ノート」というと「ノートブック、帳面」のことですが、英語の note は「メモ、覚書」という意味。
その後、「気まずい空気が流れるんだ。言いたいことをメモに書いて手渡した後にね」のように続いています。
「ついに勇気を振り絞って」というので、はっきりと別れの言葉を口にするのかと思ったら、「メモに書いて手渡し」かよっ! という面白さでしょう。
awkward moment のところまでは「勇気を振り絞って、相手に別れの言葉を告げるのは確かに気まずいよな」と共感していただろう聞き手のみんなが、「メモを手渡し」のオチを聞いてちょっと拍子抜けする、みたいな感覚なんだろうと思います。
Why do you have to break up with her? Be a man. まで聞くと、この後、男らしい、潔(いさぎよ)い行為が続くのかと思いますね。
でもジョーイのアドバイスは、「電話するのをやめろ」。
別れの言葉でけじめをつけることなく、ただ電話が来なくなれば、相手の女性は気がないことに気づくさ、ということで、自然消滅を狙っているわけですね。
「男であれ、男たれ」というので、男として尊敬されるような良い意味で男らしい方法が続くのかと思いきや、男性がよく使うずるい方法を言っているという面白さになります。
女性と別れる時、ジョーイ自身がそうやって別れてるんだろう、ということも想像できますね。
gang up on は「〜を集団で[寄ってたかって]攻撃する」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
gang up on somebody : to join together into a group to attack or criticize someone, especially in a way that seems unfair
例)You two stop ganging up on your sister!
つまり「ある人を攻撃する、または批判するために、グループに一緒に加わる。特にフェアではないと思える方法で」。例文は「二人とも、自分の妹を寄ってたかって攻撃するのはやめろ!」
ジャニスをふるのに私も一緒に、とフィービーが言ったので、一人でふるのも相手に悪いのに、君まで別れに参加したら、二人がかりで彼女を攻撃してるみたいになって、彼女は嫌がると思うよ、ということですね。
「私も一緒に」というのはそういう意味ではないと、フィービーは説明しています。
一緒に、というのは、チャンドラーがジャニスと別れている時に、私はトニーと別れるの、ということですね。
あなたたちが別れている現場で、私も私の彼に別れを告げる、ということを「私もあなたと一緒にそれをする」と言っていることになります。
hunger strike は「ハンガーストライキ、ハンスト」。ハンストとは、食べることを拒むことで抗議の気持ちを表す行動のことですね。
ハンストする人だと、デートでご飯も食べられないわけでしょうから、そういうことで恋愛関係が楽しくなくなったことを示唆しているのでしょう。
「私のせいか、彼のせいなのか、よくわからないんだけど」ならありがちな話ですが、「私のせいなのか、彼のハンストのせいなのか」と表現することで、ハンストするような人とデートしてるの? という驚きが笑いに繋がっているようですね。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
1:42
[Scene: Central Perk. All are there.]
セントラルパーク。全員がそこにいる。
チャンドラー: So, Saturday night! The big night! Date night! Saturday night. Sat-ur-day night! (で、土曜の夜! ビッグな夜! デートの夜! 土曜の夜。ど・よ・うの夜!)
ジョーイ: No plans, huh? (予定ないんだな?)
チャンドラー: Not a one! (一つもない!)
ロス: Not even, say, breaking up with Janice? (あれすらないの? ほら、ジャニスと別れること。)
チャンドラー: Oh, right, right. Shut up. (あぁ、そうだ、そうだ。黙ってろ。)
モニカ: Chandler, nobody likes breaking up with someone. You just gotta do it. (チャンドラー、人と別れることが好きな人なんていないわ。ただそれをするしかないのよ。)
チャンドラー: No, I know. But it's just so hard, you know? I mean, you're sitting there with her. She has no idea what's happening. And then you finally get up the courage to do it. There's that horrible awkward moment when you've handed her the note. (いや、わかってるんだ。でもただ、すごく大変なんだよ、だろ? ほら、彼女と一緒にそこに座ってるとする。何が起こってるのか彼女にはわからない。そしてそれからついに、それをする勇気を起こす。その恐ろしい気まずい瞬間があるんだよ、彼女にメモを手渡した時にね。)
ジョーイ: Why do you have to break up with her? Be a man. Just stop calling. (どうして彼女と別れる必要があるんだよ? 男になれ(男でいろ)。ただ電話するのをやめろ。)
フィービー: You know, if you want, I'll do it with you. (ほら、もしお望みなら、私があなたと一緒にするわよ。)
チャンドラー: Oh, thanks, but I think she'd feel like we're ganging up on her. (あぁ、ありがと、でも(そんなことしたら)俺たち二人で彼女を寄ってたかって攻撃してるみたいに彼女が感じるだろうって思うよ。)
フィービー: No, I mean, you break up with Janice, and I'll break up with Tony. (いいえ、私が言ってるのは、あなたはジャニスと別れる。そして私はトニーと別れるの。)
ロス: Tony? (トニー?)
モニカ: Oh, you're breaking up with Tony? (まぁ、あなたはトニーと別れるの?)
フィービー: Yeah, I know, he's sweet, but it's just not fun anymore, you know? I don't know if it's me or his hunger strike, or, I don't know. (えぇ、彼が優しいのはわかってる。でももう楽しくないの。私のせいなのか、彼のハンガーストライキのせいなのか、それとも… 私にはわからないのよ。)
チャンドラーは一人盛り上がってる様子で、Saturday night! などと叫んでいます。
それを見たジョーイが「予定ないんだな」と言って、「いっこもない」みたいにチャンドラーが返すのが面白いですね。
テンション高い感じで「土曜の夜だ」と騒いでいるのは逆になーんにも予定がないって証拠だよな、とジョーイに悟られてしまったということです。
「予定が一つもない」と言ったチャンドラーに、ロスは「ほら、ジャニスと別れること、っていうのすらないの?」みたいに返します。
break up with は「(人)と別れる」という恋愛ドラマの頻出表現。
チャンドラーは「そうだね」と言った後、即座に「黙れ」と言っているので、そのことを言われたくないことがわかります。
nobody likes breaking up with someone. は「人と別れることが好きな人はいない」。
日本語では「〜する人はいない」のように「いない」という部分で否定しますが、英語では主語を nobody にすることで「〜する人はいない」と表現することができ、このセリフはその典型的な例と言えるでしょう。
「人と別れるのはつらくて大変なことだから、そんなのを好きな人はいないわ」と言っているわけですね。
「(別れないといけない場合は)ただそうするしかないのよ」と言われ、チャンドラーは「わかってるけど、大変なんだ」と言ってから、I mean, you're sitting... のセリフを続けています。
これ以降、you're sitting, you finally get up のように主語が you の文章が続きますが、この you は話し相手の「君、あなた」を指しているのではなく、「主語を you にすることで自分の体験を相手に想像させる」というニュアンスになります。
you は「あなた」以外に「一般の人」を指すこともできるのですが、「聞き手である”あなた”も含み、話し手である”私自身”をも含む」you を主語にして自分の体験を語ることで、相手にも自分と同じ経験をイメージさせる効果が出ます。(拙著「読むだけ なるほど! 英文法」p.80 『「自分」の体験を語る時に you を使う』でも、このような you について解説しています。)
ですから、you're sitting there with her. は「(話し相手である)君が(今)彼女と一緒にそこに座っている」ということではなくて、「ほら、彼女と一緒にそこに座ってるとする」のように「相手にイメージさせるように自分の体験を語る」感覚になります。
get up は「起きる」という自動詞で使われますが、ここでは get up the courage と他動詞で使われていますので「〜する勇気を起こす、勇気を振り絞って〜する」ということですね。
awkward moment は「気まずい瞬間」、hand her the note は「彼女にメモを手渡す」。日本語で「ノート」というと「ノートブック、帳面」のことですが、英語の note は「メモ、覚書」という意味。
その後、「気まずい空気が流れるんだ。言いたいことをメモに書いて手渡した後にね」のように続いています。
「ついに勇気を振り絞って」というので、はっきりと別れの言葉を口にするのかと思ったら、「メモに書いて手渡し」かよっ! という面白さでしょう。
awkward moment のところまでは「勇気を振り絞って、相手に別れの言葉を告げるのは確かに気まずいよな」と共感していただろう聞き手のみんなが、「メモを手渡し」のオチを聞いてちょっと拍子抜けする、みたいな感覚なんだろうと思います。
Why do you have to break up with her? Be a man. まで聞くと、この後、男らしい、潔(いさぎよ)い行為が続くのかと思いますね。
でもジョーイのアドバイスは、「電話するのをやめろ」。
別れの言葉でけじめをつけることなく、ただ電話が来なくなれば、相手の女性は気がないことに気づくさ、ということで、自然消滅を狙っているわけですね。
「男であれ、男たれ」というので、男として尊敬されるような良い意味で男らしい方法が続くのかと思いきや、男性がよく使うずるい方法を言っているという面白さになります。
女性と別れる時、ジョーイ自身がそうやって別れてるんだろう、ということも想像できますね。
gang up on は「〜を集団で[寄ってたかって]攻撃する」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
gang up on somebody : to join together into a group to attack or criticize someone, especially in a way that seems unfair
例)You two stop ganging up on your sister!
つまり「ある人を攻撃する、または批判するために、グループに一緒に加わる。特にフェアではないと思える方法で」。例文は「二人とも、自分の妹を寄ってたかって攻撃するのはやめろ!」
ジャニスをふるのに私も一緒に、とフィービーが言ったので、一人でふるのも相手に悪いのに、君まで別れに参加したら、二人がかりで彼女を攻撃してるみたいになって、彼女は嫌がると思うよ、ということですね。
「私も一緒に」というのはそういう意味ではないと、フィービーは説明しています。
一緒に、というのは、チャンドラーがジャニスと別れている時に、私はトニーと別れるの、ということですね。
あなたたちが別れている現場で、私も私の彼に別れを告げる、ということを「私もあなたと一緒にそれをする」と言っていることになります。
hunger strike は「ハンガーストライキ、ハンスト」。ハンストとは、食べることを拒むことで抗議の気持ちを表す行動のことですね。
ハンストする人だと、デートでご飯も食べられないわけでしょうから、そういうことで恋愛関係が楽しくなくなったことを示唆しているのでしょう。
「私のせいか、彼のせいなのか、よくわからないんだけど」ならありがちな話ですが、「私のせいなのか、彼のハンストのせいなのか」と表現することで、ハンストするような人とデートしてるの? という驚きが笑いに繋がっているようですね。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
2017年12月08日
ただ下を見ればそこにある フレンズ1-5改その2
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は6位、「にほんブログ村」は9位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
0:24
ジョーイ: You know what blows my mind? Women can see breasts anytime they want. You just look down, and there they are. How you get any work done is beyond me. (俺を驚かせるのが何かわかる? 女は望めばいつでも胸を見られるんだぜ。ただ下を見たら、そこに胸があるんだ。君ら(女性)がどうやって仕事をこなすのか、俺にはわからないよ。)
フィービー: Oh, ok, you know what I don't get? The way guys can do so many mean things and then not even care. (まぁ、いいわ、私がわからないのは何だと思う? 男がたくさんひどいことをして、その後、それを気にさえしていない、ってことよ。)
[Long pause.]
長い沈黙。
ロス: Multiple orgasms! (複数回オーガズムがある!)
Opening Credits
オープニング・クレジット。
You know what blows my mind? の blow my mind について。
blow は自動詞で「風が吹く」、他動詞では「〜を吹く、吹き飛ばす、爆破する」という意味がありますが、ここでの blow my mind は「俺を驚かせる」というニュアンス。
LAAD では、
something blows your mind : (spoken) to make you feel very surprised and excited by something
例)Meeting her after so many years really blew my mind.
see also mind-blowing
つまり「(口語)何かによって人を非常に驚かせる、または興奮させること」。例文は「何年かぶりに彼女に会ったことは本当に私を驚かせた」。
mind-blowing という表現も見るようにとの指示があるので見てみると、
mind-blowing [adjective] (informal) : very exciting, shocking, or strange
例)a mind-blowing experience
つまり「非常にエキサイティング、ショッキング、または珍しい」。例は「非常にエキサイティングな経験」。
blow somoeone's mind という表現から、mind-blowing という形容詞も存在しているということですね。
何が驚きかについて、ジョーイは「女は自分が望む時にいつでも胸を見ることができる」と言っています。
「ただ下を見れば、そこにそれ(胸)がある」というのは日本語直訳のままでも、ニュアンスがよくわかりますね。
男性陣がつい目をやってしまう女性の胸、女性の場合はそれが下を見ればすぐそこにある、ってのが俺にとっては驚きなんだよな、と言っていることになります。
beyond は「〜を越えて」という前置詞で、「〜の範囲を越えて」という意味から beyond someone なら「〜の理解力を越える、〜にはわからない」という意味で使われます。
よって、How you get any work done is beyond me. を直訳すると「どのようにして君ら(女性)が仕事をなす(こなす)のかが俺にはわからない」ということになりますね。
DVDの日本語訳でも「俺だったら、仕事も手につかないよ」と訳されていましたが、まさにそういうニュアンスで「下を見たらすぐ胸が見えちゃうような状態だとそわそわしちゃって、仕事が手につかない。女性はそんな状態でどうやって仕事とかに集中できるのかわかんない」みたいに言っていることになるでしょう。
(2018.7.24 追記)
フレンズ3-5その10(先のエピソードに当たるのでリンクははりません)によく似たセリフがあり、そのコメント欄でご指摘いただいたのですが、How do you get anything done? というフレーズだと「どうやって何か(仕事など)をこなしてるの?」が反語的に「(こんな状態では)仕事(も何も)手につかないよね」という意味で使われるようです。
参考までに他のドラマでそのフレーズが使われていた例をご紹介しておきます。
政治ドラマ「ザ・ホワイトハウス」(The West Wing)の 6-14 「眠りから覚めて」(The Wake Up Call)の 21:11 のシーン。
バートレット大統領と、駐米英国大使ジョン・マーベリー卿が会話しているシーン。
その場には副補佐官のケイトがいて、大統領夫人のアビーが入ってくると、ジョンは「美人ばかりで困る」というようなことを言った後、大統領に、
ジョン: So many distractions, Mr.President. How do you get anything done?
と言っていました。
この部分、字幕では「気が散るでしょ よく仕事できるな」と訳されていました。
「どうやって何かをなすんですか?」→「(こんな状態では)何も手につかないですよね?」→「美人に囲まれてたら(そわそわして)仕事も(何も)手につかないでしょ」みたいなニュアンスになるわけですね。
(追記はここまで)
フィービーの you know what I don't get? は「私がわからないことは何だと思う?」。
形容詞の mean は「意地悪な、卑劣な、ひどい」なので、「男性が女性にひどいことをたくさんしておいて、その後、そのことを気にもしていないような様子」が私たち女子には理解しかねるわ、と言っているのだろうと思います。
「ひどいことをしても、忘れたかのような顔してる」みたいに言われて、次の反論が出てこない様子の男性陣でしたが、ロスが Multiple orgasms! と言って、男性陣は、そうそう! みたいにうなずいています。
multiple は「多数の、多重の」、orgasm は「オーガズム、オルガスム」「(性的)快感(の頂点)、絶頂」ですね。
アカデミックで真面目な辞書(笑)である LAAD にも、
orgasm : the greatest point of sexual pleasure
つまり「性的快感の最高点」と書いてあります。
露骨なエッチ表現で言うと「イク」ということで、女性は何度だってイケるというところを「男にはできなくて女にはできるすごい点」として挙げたことになります。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
0:24
ジョーイ: You know what blows my mind? Women can see breasts anytime they want. You just look down, and there they are. How you get any work done is beyond me. (俺を驚かせるのが何かわかる? 女は望めばいつでも胸を見られるんだぜ。ただ下を見たら、そこに胸があるんだ。君ら(女性)がどうやって仕事をこなすのか、俺にはわからないよ。)
フィービー: Oh, ok, you know what I don't get? The way guys can do so many mean things and then not even care. (まぁ、いいわ、私がわからないのは何だと思う? 男がたくさんひどいことをして、その後、それを気にさえしていない、ってことよ。)
[Long pause.]
長い沈黙。
ロス: Multiple orgasms! (複数回オーガズムがある!)
Opening Credits
オープニング・クレジット。
You know what blows my mind? の blow my mind について。
blow は自動詞で「風が吹く」、他動詞では「〜を吹く、吹き飛ばす、爆破する」という意味がありますが、ここでの blow my mind は「俺を驚かせる」というニュアンス。
LAAD では、
something blows your mind : (spoken) to make you feel very surprised and excited by something
例)Meeting her after so many years really blew my mind.
see also mind-blowing
つまり「(口語)何かによって人を非常に驚かせる、または興奮させること」。例文は「何年かぶりに彼女に会ったことは本当に私を驚かせた」。
mind-blowing という表現も見るようにとの指示があるので見てみると、
mind-blowing [adjective] (informal) : very exciting, shocking, or strange
例)a mind-blowing experience
つまり「非常にエキサイティング、ショッキング、または珍しい」。例は「非常にエキサイティングな経験」。
blow somoeone's mind という表現から、mind-blowing という形容詞も存在しているということですね。
何が驚きかについて、ジョーイは「女は自分が望む時にいつでも胸を見ることができる」と言っています。
「ただ下を見れば、そこにそれ(胸)がある」というのは日本語直訳のままでも、ニュアンスがよくわかりますね。
男性陣がつい目をやってしまう女性の胸、女性の場合はそれが下を見ればすぐそこにある、ってのが俺にとっては驚きなんだよな、と言っていることになります。
beyond は「〜を越えて」という前置詞で、「〜の範囲を越えて」という意味から beyond someone なら「〜の理解力を越える、〜にはわからない」という意味で使われます。
よって、How you get any work done is beyond me. を直訳すると「どのようにして君ら(女性)が仕事をなす(こなす)のかが俺にはわからない」ということになりますね。
DVDの日本語訳でも「俺だったら、仕事も手につかないよ」と訳されていましたが、まさにそういうニュアンスで「下を見たらすぐ胸が見えちゃうような状態だとそわそわしちゃって、仕事が手につかない。女性はそんな状態でどうやって仕事とかに集中できるのかわかんない」みたいに言っていることになるでしょう。
(2018.7.24 追記)
フレンズ3-5その10(先のエピソードに当たるのでリンクははりません)によく似たセリフがあり、そのコメント欄でご指摘いただいたのですが、How do you get anything done? というフレーズだと「どうやって何か(仕事など)をこなしてるの?」が反語的に「(こんな状態では)仕事(も何も)手につかないよね」という意味で使われるようです。
参考までに他のドラマでそのフレーズが使われていた例をご紹介しておきます。
政治ドラマ「ザ・ホワイトハウス」(The West Wing)の 6-14 「眠りから覚めて」(The Wake Up Call)の 21:11 のシーン。
バートレット大統領と、駐米英国大使ジョン・マーベリー卿が会話しているシーン。
その場には副補佐官のケイトがいて、大統領夫人のアビーが入ってくると、ジョンは「美人ばかりで困る」というようなことを言った後、大統領に、
ジョン: So many distractions, Mr.President. How do you get anything done?
と言っていました。
この部分、字幕では「気が散るでしょ よく仕事できるな」と訳されていました。
「どうやって何かをなすんですか?」→「(こんな状態では)何も手につかないですよね?」→「美人に囲まれてたら(そわそわして)仕事も(何も)手につかないでしょ」みたいなニュアンスになるわけですね。
(追記はここまで)
フィービーの you know what I don't get? は「私がわからないことは何だと思う?」。
形容詞の mean は「意地悪な、卑劣な、ひどい」なので、「男性が女性にひどいことをたくさんしておいて、その後、そのことを気にもしていないような様子」が私たち女子には理解しかねるわ、と言っているのだろうと思います。
「ひどいことをしても、忘れたかのような顔してる」みたいに言われて、次の反論が出てこない様子の男性陣でしたが、ロスが Multiple orgasms! と言って、男性陣は、そうそう! みたいにうなずいています。
multiple は「多数の、多重の」、orgasm は「オーガズム、オルガスム」「(性的)快感(の頂点)、絶頂」ですね。
アカデミックで真面目な辞書(笑)である LAAD にも、
orgasm : the greatest point of sexual pleasure
つまり「性的快感の最高点」と書いてあります。
露骨なエッチ表現で言うと「イク」ということで、女性は何度だってイケるというところを「男にはできなくて女にはできるすごい点」として挙げたことになります。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
2017年12月05日
ちょっとした巧みな動きで フレンズ1-5改その1
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は5位、「にほんブログ村」は7位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
シーズン1 第5話
The One With the East German Laundry Detergent
原題訳:東ドイツの洗剤が出てくる話
邦題:土曜の夜を一緒に
0:00
[Scene: Central Perk. All six are there.]
セントラルパーク。6人全員がそこにいる。
モニカ: Would you let it go? It's not that big a deal. (もういいでしょう? そんなに大したことじゃないわよ。)
ロス: Not that big a deal? It's amazing. Ok, you just reach in there, there's one little maneuver, and bam! A bra. Right out the sleeve. All right, as far as I'm concerned, there is nothing a guy can do that even comes close. Am I right? (そんなに大したことじゃないって? すごいことだよ。ほら、君ら女性は、そこに手を入れて、ちょっとした巧みな動き(操作)で、バン![あっという間に] ブラが、袖から出てくる。僕に言わせれば、男性ができることで、それと似たようなものさえないよ。そうだろ?)
レイチェル: Oh, come on! You guys can pee standing up. (もう、よしてよ! あなたたち(男性)は立ちながらおしっこ(立ちション)できるでしょ。)
チャンドラー: We can? All right, I'm trying that. (俺たち(そんなこと)できるの? よし、それ(今度)やってみるよ。)
Would you let it go? は「それにこだわるのはやめて」というニュアンス。
過去記事、胸に十字を切って、誓う フレンズ1-3改その15 でも、昔飼っていた犬のチーチーが安楽死させられたと知って落ち込んでいるロスに、ジョーイが、Let it go, Ross. (もう忘れろよ、ロス。)と言っていました。
「もういいでしょ。そんなに大したことじゃないわ」「大したことじゃないって? すごいことだよ」と言っている段階では何の話題かわからないのですが、その続きを聞き、A bra. Right out the sleeve. と言ったところで「女性が袖からブラをパッと出すのってすごい」という話題について語っていることがわかります。
reach は「手を伸ばす」、maneuver は「巧みな操作」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
maneuver : a complicated movement that you make with skill and care, and which often involves several actions which are done in a particular order.
例)basic skiing maneuvers
つまり「技能と注意(配慮)を持って行う複雑な動き、そしてそれはしばしば特定の順番でなされる複数のアクションを伴う」。例は「基本的なスキーの動き」。
ただの動きというよりは、まずはこう動いて、その後こう動いて、、のように段階・順番を伴ったもので、スキルを要する複雑な動き、ということですね。
例としてスキーの動きが挙げられていますが、スキーを滑る際の「一連の動き」をイメージすると、確かに上のような語義のニュアンスを感じることができますね。
服の中でささっとブラのホックを外して袖から出すという「一連の動き」が、マジシャンか何かのように鮮やかな手際だ、とロスは言っているようです。
今回のセリフの maneuver は「巧みな操作」という意味ですが、他には「巧みな操縦」「工作、策略」「(軍隊の)機動作戦」という意味もあります。
ちょっと脱線しますが、私は Trekkie (スタートレック・ファン)で、maneuver と聞くと、新スタートレック(TNG)のピカード艦長(パトリック・スチュワート)が、スターゲイザー艦長時代、フェレンギとの戦闘中に編み出した Picard Maneuver 「ピカード作戦(戦術、戦略)」という言葉を真っ先に思い出します。
短時間ワープを使った「戦法」ですが、これも「宇宙船を巧みに操縦する一連の動き」の感覚が出ていますね。
さらに余談ですが、ピカード艦長の制服は(というか、宇宙艦隊の制服はみんな)上下がくっついたものになっていて、その腰の部分の収まりが悪いのか、ピカード艦長は立ち上がる時に毎回、服をキュキュッと下に引っ張って伸ばす(Captain Picard straightens his uniform every time he stands)という仕草をします。
Trekkie たちは、その「仕草・動き」のことも、「ピカード作戦」に引っかけて、Picard Maneuver と呼んでいる、、、という、トレッキー以外の方には全くピンと来ない脱線話でした(すみません)。
bra はブラジャーで、日本語でも「ブラ」と略しますね。
日本語の「ブラ」の場合はブの方にアクセントがある感じですが、英語の場合は母音のある「ラ」の方にアクセントがあるので、「ブラ」というより「ブラー」みたいな感じに聞こえます。
as far as I'm concerned は「私に関する限り」「私としては、私に言わせれば」。
there is nothing a guy can do that even comes close の come close は「近接する、あと一歩というところ(に近い)」という意味。
前から順番にイメージすると、「男性にできることはない、女性が袖からブラをパッと取り出すのに近いようなことすら(ない)」という感覚になるでしょう。
男性ができることの中にブラの取り出しに匹敵するようなことはないし、その技に近いようなことすらない、と言っていることになります。
そんなスゴ技、男の僕たちにはできないよ、とロスが言うのを聞いて、レイチェルはあきれたように Oh, come on! と言った後、「あなたたち男性は立ちションできるでしょ」と返します。
You guys can pee standing up. は「stand up しながらおしっこすることができる」という分詞構文のニュアンス。
女性にはできないこととしてレイチェルは立ちションを挙げたわけですが、チャンドラーは「俺たちそんなことできるの? 今度やってみようっと」などととぼけたことを言っているのに笑えますね。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
シーズン1 第5話
The One With the East German Laundry Detergent
原題訳:東ドイツの洗剤が出てくる話
邦題:土曜の夜を一緒に
0:00
[Scene: Central Perk. All six are there.]
セントラルパーク。6人全員がそこにいる。
モニカ: Would you let it go? It's not that big a deal. (もういいでしょう? そんなに大したことじゃないわよ。)
ロス: Not that big a deal? It's amazing. Ok, you just reach in there, there's one little maneuver, and bam! A bra. Right out the sleeve. All right, as far as I'm concerned, there is nothing a guy can do that even comes close. Am I right? (そんなに大したことじゃないって? すごいことだよ。ほら、君ら女性は、そこに手を入れて、ちょっとした巧みな動き(操作)で、バン![あっという間に] ブラが、袖から出てくる。僕に言わせれば、男性ができることで、それと似たようなものさえないよ。そうだろ?)
レイチェル: Oh, come on! You guys can pee standing up. (もう、よしてよ! あなたたち(男性)は立ちながらおしっこ(立ちション)できるでしょ。)
チャンドラー: We can? All right, I'm trying that. (俺たち(そんなこと)できるの? よし、それ(今度)やってみるよ。)
Would you let it go? は「それにこだわるのはやめて」というニュアンス。
過去記事、胸に十字を切って、誓う フレンズ1-3改その15 でも、昔飼っていた犬のチーチーが安楽死させられたと知って落ち込んでいるロスに、ジョーイが、Let it go, Ross. (もう忘れろよ、ロス。)と言っていました。
「もういいでしょ。そんなに大したことじゃないわ」「大したことじゃないって? すごいことだよ」と言っている段階では何の話題かわからないのですが、その続きを聞き、A bra. Right out the sleeve. と言ったところで「女性が袖からブラをパッと出すのってすごい」という話題について語っていることがわかります。
reach は「手を伸ばす」、maneuver は「巧みな操作」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
maneuver : a complicated movement that you make with skill and care, and which often involves several actions which are done in a particular order.
例)basic skiing maneuvers
つまり「技能と注意(配慮)を持って行う複雑な動き、そしてそれはしばしば特定の順番でなされる複数のアクションを伴う」。例は「基本的なスキーの動き」。
ただの動きというよりは、まずはこう動いて、その後こう動いて、、のように段階・順番を伴ったもので、スキルを要する複雑な動き、ということですね。
例としてスキーの動きが挙げられていますが、スキーを滑る際の「一連の動き」をイメージすると、確かに上のような語義のニュアンスを感じることができますね。
服の中でささっとブラのホックを外して袖から出すという「一連の動き」が、マジシャンか何かのように鮮やかな手際だ、とロスは言っているようです。
今回のセリフの maneuver は「巧みな操作」という意味ですが、他には「巧みな操縦」「工作、策略」「(軍隊の)機動作戦」という意味もあります。
ちょっと脱線しますが、私は Trekkie (スタートレック・ファン)で、maneuver と聞くと、新スタートレック(TNG)のピカード艦長(パトリック・スチュワート)が、スターゲイザー艦長時代、フェレンギとの戦闘中に編み出した Picard Maneuver 「ピカード作戦(戦術、戦略)」という言葉を真っ先に思い出します。
短時間ワープを使った「戦法」ですが、これも「宇宙船を巧みに操縦する一連の動き」の感覚が出ていますね。
さらに余談ですが、ピカード艦長の制服は(というか、宇宙艦隊の制服はみんな)上下がくっついたものになっていて、その腰の部分の収まりが悪いのか、ピカード艦長は立ち上がる時に毎回、服をキュキュッと下に引っ張って伸ばす(Captain Picard straightens his uniform every time he stands)という仕草をします。
Trekkie たちは、その「仕草・動き」のことも、「ピカード作戦」に引っかけて、Picard Maneuver と呼んでいる、、、という、トレッキー以外の方には全くピンと来ない脱線話でした(すみません)。
bra はブラジャーで、日本語でも「ブラ」と略しますね。
日本語の「ブラ」の場合はブの方にアクセントがある感じですが、英語の場合は母音のある「ラ」の方にアクセントがあるので、「ブラ」というより「ブラー」みたいな感じに聞こえます。
as far as I'm concerned は「私に関する限り」「私としては、私に言わせれば」。
there is nothing a guy can do that even comes close の come close は「近接する、あと一歩というところ(に近い)」という意味。
前から順番にイメージすると、「男性にできることはない、女性が袖からブラをパッと取り出すのに近いようなことすら(ない)」という感覚になるでしょう。
男性ができることの中にブラの取り出しに匹敵するようなことはないし、その技に近いようなことすらない、と言っていることになります。
そんなスゴ技、男の僕たちにはできないよ、とロスが言うのを聞いて、レイチェルはあきれたように Oh, come on! と言った後、「あなたたち男性は立ちションできるでしょ」と返します。
You guys can pee standing up. は「stand up しながらおしっこすることができる」という分詞構文のニュアンス。
女性にはできないこととしてレイチェルは立ちションを挙げたわけですが、チャンドラーは「俺たちそんなことできるの? 今度やってみようっと」などととぼけたことを言っているのに笑えますね。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。