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17:33
おしゃれなレストラン。アンジェラはチュチュチュと音を立てながら、骨付きチキンを食べている。
隣に座っているボブは、それを不思議そうな顔でまじまじと見つめている。
モニカ: Something went wrong with Underdog, and they couldn't get his head to inflate. So anyway, um, his head is, like, flopping down Broadway. And I'm just thinking.... how inappropriate this is. Um, I've got something in my eye, uh, Joey, could we check it in the light, please? (アンダードッグに何か問題があって、アンダードッグの頭を膨らますことができなかったの。[補足:アンジェラはボブのシャツの中に手を入れている] だから、とにかく、アンダードッグの頭は、ほらブロードウェイに落ちていくの。それで私は思ったのね… これって何て不適切なんだろう、って。あぁ、目に何か入ったわ。ねぇ、ジョーイ、明るいところで目に入ったものをチェックしましょ?)
[Her and Joey walk away from the table.]
モニカとジョーイはテーブルから離れる。
モニカ: Oh, my God! (なんてこと!)
ジョーイ: What? (何?)
モニカ: Hello! Were we at the same table? It's like... cocktails in Appalachia. (もしもし?[ちょっと!] 私たち、同じテーブルにいたでしょ? まるでアパラチアのカクテルみたいだわ。)
過去記事、リスかイタチみたいにかじる音 フレンズ1-5改その17 で、"That cute nibbley noise she makes when she eats. Like a happy little squirrel… or a weasel." 「彼女が食べる時に出す、あのかわいいかじる音だよ。幸せな子リスみたいな、、、もしくはイタチかな」とジョーイが言っていましたが、その音が今回のシーンの冒頭で聞けるという流れですね。
「ジョーイが言っていたのはこれかぁ〜」とでも言うように、マジマジとアンジェラを見ているボブにも笑えます。
go wrong は「調子が悪くなる、調子が狂う」。
something go wrong with... は「…において何か調子が悪くなる」という感覚になります。
Underdog は、1964年から1973年までアメリカで放送されていた Underdog という cartoon(アニメ、カルトゥーン)の主人公の犬のキャラクター。
underdog とは元々、「負け犬、敗北者」という意味。日本語も英語もどちらも「犬(dog)」なのが興味深いですね。
番組についてはこちら↓
Wikipedia 英語版: Underdog (TV series)
日本では「ウルトラわんちゃん」の名前で放映されていたようです。
Wikipedia 日本語版: ウルトラわんちゃん
このテレビアニメは、Shoeshine Boy という名前のダメ犬が、スーパーマンのようなヒーロー Underdog に変身して大活躍するというストーリー。
赤い服と青いマントがトレードマークで、赤い服の胸に白抜きで U の文字が入っていますが、これはスーパーマンの S の文字をイメージしたものでしょうね。
Underdog が現れた時の決めゼリフは、”There's no need to fear, Underdog is here!” 「恐れる必要はない、アンダードッグここに参上!」。
fear と here が韻を踏んでいるのもポイントです。
2007年には、Underdog というタイトルでアメリカで実写映画化されました。
60〜70年代の作品が2007年に実写化されたということで、いつまでも愛されているキャラクターなんだな、ということもわかりますね。
その実写版は日本では劇場未公開でしたが、「鉄ワン・アンダードッグ」のタイトルでDVDが発売されています。
少々話が脱線しますが、私も以前にこの実写作品をレンタルで見たことがあります。
その作品を見ていたら、
ジャック(息子): I told you I've wanted a dog since I was, like, eight. (僕は犬がずっと欲しかった、って言ったんだよ、ほら、8歳の頃からね。)
というセリフが出てきたので、
結婚したの、8歳くらいだっけ? フレンズ1-1改その22 の中で、「”ガキ、小さな子供”というニュアンスで 8(eight)という年齢を使う例」としてご紹介しました。
今回のエピソードの過去記事、バンドエイドを素早く剥がすと傷口が フレンズ1-5改その18 でも、
モニカ: It is so great to meet a guy who's smart and funny, and has an emotional age beyond, like, 8. (賢くて面白くて、その上、精神年齢が、ほら、8歳以上の男性に会えるなんて、すごく素敵!)
というセリフが出てきたのですが、フレンズ以外に「アンダードッグの実写版」にも 8 という年齢が出てきたことになります。
inflate は「空気などで〜を膨(ふく)らませる」という動詞。
inflate a balloon なら「風船を膨らませる」となるわけですが、そのフレーズのイメージ通り、この場合もアンダードッグの大きなバルーンのことを言っていることになります。
アメリカの感謝祭のパレードでは、大きなバルーンが使われるのですが、これより後のエピソード、フレンズ1-9 でまさにその「アンダードッグのバルーン」の映像が流れます。
フレンズ1-9 の原題は、The One Where the Underdog Gets Away(訳すと:アンダードッグが逃げる話)となっています。
1-5, 1-9 など複数のエピソードで話題に出てくるくらい、フレンズの世代にとっても馴染みのあるキャラクターだということですね。
they couldn't get his head to inflate は「彼らはアンダードッグの頭を膨らませることができなかった」ということで、they は漠然とパレード運営者、関係者を指すと考えれば良いでしょう。
バルーンの頭は勝手に膨らむわけではなく、人によって膨らまされるので、「人が彼の頭を膨らむ状態にする、彼の頭を膨らませる」のような get+目的語+to do の形が使われていることになります。
flop は「ばたばた動く、どさりと・ばたりと倒れる」という感覚の動詞。
バルーンの頭部分が膨らまなかったので、巨大なバルーンが飛ばず、ブロードウェイにどさりと落ちてしまったと言っていることになります。
そんな話を笑いながら話していたモニカですが、目の前にいるアンジェラが隣のボブのシャツの中に手を入れたりして、あからさまにイチャついているので、ついには笑顔が消え、And I'm just thinking... と言った後、how inappropriate this is と続けています。
inappropriate は「不適切な」。
二人が兄妹だと思っているモニカは、アンダードッグの話をしているかのように見せながら、目の前の二人の行為を「不適切」だと言った流れになります。
この inappropriate は、クリントン元大統領の疑惑の時に使われた inappropriate relationship(不適切な関係)という表現で有名ですね。
in the light は「明るい・光の当たるところで」。
モニカは目に何かが入ったようなふりをして、「目に入ったもの、チェックしてくれる?」という理由を使って、席を離れたことになります。
(2018.3.2 追記)
ト書きの [Her and Joey walk away from the table.] という表現について、非公開コメントにて「Her は She の間違いでしょうか?それともこれでいいのでしょうか?」というご質問を頂戴しました。
主語なのに主格(She)ではなく目的格(Her)が使われているため違和感がありますが、ネイティブの文章では時々こういう形の表現が出てくるんですよね。
フレンズのセリフの例で言うと、ルールでもあるみたいに フレンズ1-1改その13 に、
ジョーイ: And hey, you need anything, you can always come to Joey. Me and Chandler live right across the hall. And he's away a lot. (それに、ほら、君が何か必要なら、いつでもジョーイのところに来なよ。俺とチャンドラーは廊下の真向かいに住んでる。そして、チャンドラーはよく出かけてるんだ。)
という形で出てきました。
この例で、主語なのに、Me という目的格で始まっているのは(あくまで私のイメージに過ぎませんが)その前に Joey という自分の名前を出しているので、「そのジョーイである俺と、チャンドラーは」という風に「前から引き継いだ感覚、前の流れを受けた感覚」で、Me and で始めているのかなぁ、と思ったりします。
今回のト書きについても、モニカのセリフの直後のト書きで [Her and Joey walk away from the table.] となっているので、それも 1-1 と同様に「今セリフをしゃべっていたそのモニカとジョーイは」のような感じで「前から引き継ぐ、前の流れを受ける」ニュアンスから Her になっているのかな、と思います。
(追記はここまで)
ここでの Hello! は「もしもし!?」と強めに言うニュアンス。
Hello はご存知のように、「こんにちは」の挨拶で使われる言葉ですが、今回の場合は、「もしもしあなた起きてる? 寝ぼけないで。とぼけないでよ。何ばかなこと言ってんのよ」みたいに、相手のしたこと言ったことにあきれる感覚になります。
普通の挨拶よりも「ハッ、ロウ!?」と、さらにロウにアクセントがつく感じですね。
Were we at the same table? 「私たち、同じテーブルにいたでしょ?」というのは、二人の様子に気付いてないかのように「何のこと?」と言っているジョーイに対して、「あの一緒のテーブルで私と同じように見ていたはずなのに、とぼけないで」という気持ちからの発言になるでしょう。
cocktails in Appalachia という表現について。
Appalachia はアメリカ東部のアパラチア山脈の周辺地域のこと。発音は「アパレイシア」という感じです。
これについては過去記事でもご意見を頂戴したのですが、「外界と隔離されていたため近親結婚を繰り返していた」ことが由来となっているようです。
Wikipedia 日本語版: アパラチア にも「20世紀より前は、アパラチアの人々は地理的に他地域から孤立していた」という記述がありますので、「他地域から孤立」というイメージは一般的なものであると言えるでしょう。
cocktail という表現についても「カクテルは混ざり物、つまり近親結婚で同族の血が混ざるという事」とのご意見をいただきましたが、まさにそういうイメージで使っているんだろうなと私も思います。
モニカは、ボブとアンジェラのことを兄妹だと思っているので、その二人が男女の間柄のようにイチャついていることを「近親相姦のようだ」と言う意味で、その表現を使ったことになります。
特定の地域の人を言及した差別的とも言える表現ですので、ここで笑ってしまっていいのかな、とも思えるのですが、現在でも、Netflix でこのセリフのまま配信されているので、ギリギリ、スレスレのジョークとして受け入れられているということになるかなと思います。
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2018年02月28日
2018年02月23日
誰にでも起こることだから フレンズ1-5改その20
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16:55
ロス: All right, all right, it's just that you left a red sock in with all your whites, and now… everything's kinda pink. (わかった、わかった、ただ全部白物の中に君が赤い靴下を1つ残してしまった、ってだけなんだ。それで今は… 全部がピンクって感じだよ。)
ロス: Oh, everything's pink. (まぁ、全部がピンクに。)
ロス: Yeah, uh, except for the red sock, which is still red. I'm sorry, please don't be upset. It can happen to anyone, Rach. (あぁ、赤い靴下を除いてね、それはまだ赤色のままだから。残念だね、でもどうか動揺しないで。誰にでも起こることだから、レイチェル。)
レイチェル: But it didn't. It happened to me. Oh, god, I'm gonna look like a big Marshmallow Peep! What am I doing? What am I doing? My father's right! I can't live on my own. I can't even do laundry! (でも他の人には起きなかったわ。私に起こったことなのよ。あぁ、なんてこと、私は大きなマシュマロピープみたいに見えちゃうわ。私、何やってるの? 何やってるの、私? パパは正しいわ。私は独り立ちできないの。私は洗濯さえできないのよ!)
[The woman who had tried to steal the washing machine walks by, and laughs.]
(少し前にレイチェルから)洗濯機を横取りしようとした女性が通りかかり、笑う。
前回の記事で、ロスが洗濯機を開けた時に Uh-oh. と言ってしまい、それを歌のようにごまかしていましたが、you left a red sock... のセリフで、事情が判明します。
「白物専用の洗濯機に間違って赤い靴下を入れてしまった」というミスですね。
「洗濯物全部がピンクに、、」と嘆くレイチェルに、ロスは Yeah, except for the red sock, which is still red. と言っています。
except for... は「〜を除いて(は)、〜を別にすれば」。
「赤い靴下は、ピンクにはなっておらず、赤のままだけど」ということで、「厳密に言うと、全部がピンクになったわけじゃないけどね」と言っていることになります。
I'm sorry. はここでは「ごめんね」という謝罪ではなく、「残念だね。大変だったね。同情するよ」という感覚。
友達が相手の気持ちを気遣って、相手に対して同情や思いやりの気持ち(sympathy)を込めて慰める時に使う I'm sorry. がフレンズにはよく出てきます。
I'm sorry. と聞くと反射的に「ごめんなさい」と訳してしまいがちになりますが、赤い靴下を混ぜてしまったのはロスの責任ではないので、ロスが謝っていると考えると話の流れ的にもおかしくなってしまいます。
謝罪なのか同情なのかをその場その場で見極めるようにしましょう。
Don't be upset. は「動揺しないで。取り乱さないで」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
upset : unhappy and worried because something bad or disappointed has happened
つまり、「何か悪いこと、またはがっかりすることが起こったという理由で不幸である、または心配している」。
It can happen to anyone. は文字通り「誰にでも(どんな人にも)起こり得る」ということで、「誰にだってそんなことはあるよ。みんながやるような失敗だから、自分だけの失敗だと動揺しないで」と励ましていることになります。
But it didn't. はその前の「誰にでも起こり得ること」というロスの発言を否定している形です。
「ロスはそう言うけど、実際には誰もかれもに起こったわけではなかった。私に起こった(起こったのは私にだけだった)」ということですね。
ロスがレイチェルを落ち込ませまいと「誰でもやるミスだよ」のように優しく言ってくれたのはレイチェルにもわかったでしょうが、「誰もこんなミスをしない。こんなバカなミスをするのは私だけ」という自己嫌悪の気持ちから出た言葉になるでしょう。
Marshmallow peep はマシュマロで作ったお菓子。
Marshmallow peep で画像検索すると、画像がたくさんヒットしますが、ヒヨコやウサギの形をしており、パステルカラーのカラフルな色がついています。ピンク色のものもあります。
公式サイトはこちら↓
Peeps | Just Born | Flavored Marshmallow Candy
ウィキペディアではこちら↓
Wikipedia 英語版: Peeps
服が全部ピンクになってしまったことで、その染まった服を着ると、「ピンクのマシュマロピープのでっかい版」みたいに見えちゃうわ、と嘆いているわけですね。
淡いパステルカラーとマシュマロのフワフワした柔らかい感じが、「ピンクに染まってしまった衣服」のイメージとぴったり合っていて、うまい例えだなぁと思います。
What am I doing? は日本語でも言うところの「私ったら(一体)何やってるの?」という、自分のドジぶり、愚かぶりを嘆いている感覚。
過去記事、延長ディスコバージョンを聞かされた フレンズ1-5改その4 で、パパに「一人では生活できない、自立できない」と言われたことが正しかったと認めることになります。
洗濯機の奪い合いをしたあのおばさんがやってきて、レイチェルが悲しんでいる様子とその洗濯物を見た後に、勝ち誇った様子で高笑いしているのも、このおばさんの嫌な性格がよく出ていますね。
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16:55
ロス: All right, all right, it's just that you left a red sock in with all your whites, and now… everything's kinda pink. (わかった、わかった、ただ全部白物の中に君が赤い靴下を1つ残してしまった、ってだけなんだ。それで今は… 全部がピンクって感じだよ。)
ロス: Oh, everything's pink. (まぁ、全部がピンクに。)
ロス: Yeah, uh, except for the red sock, which is still red. I'm sorry, please don't be upset. It can happen to anyone, Rach. (あぁ、赤い靴下を除いてね、それはまだ赤色のままだから。残念だね、でもどうか動揺しないで。誰にでも起こることだから、レイチェル。)
レイチェル: But it didn't. It happened to me. Oh, god, I'm gonna look like a big Marshmallow Peep! What am I doing? What am I doing? My father's right! I can't live on my own. I can't even do laundry! (でも他の人には起きなかったわ。私に起こったことなのよ。あぁ、なんてこと、私は大きなマシュマロピープみたいに見えちゃうわ。私、何やってるの? 何やってるの、私? パパは正しいわ。私は独り立ちできないの。私は洗濯さえできないのよ!)
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(少し前にレイチェルから)洗濯機を横取りしようとした女性が通りかかり、笑う。
前回の記事で、ロスが洗濯機を開けた時に Uh-oh. と言ってしまい、それを歌のようにごまかしていましたが、you left a red sock... のセリフで、事情が判明します。
「白物専用の洗濯機に間違って赤い靴下を入れてしまった」というミスですね。
「洗濯物全部がピンクに、、」と嘆くレイチェルに、ロスは Yeah, except for the red sock, which is still red. と言っています。
except for... は「〜を除いて(は)、〜を別にすれば」。
「赤い靴下は、ピンクにはなっておらず、赤のままだけど」ということで、「厳密に言うと、全部がピンクになったわけじゃないけどね」と言っていることになります。
I'm sorry. はここでは「ごめんね」という謝罪ではなく、「残念だね。大変だったね。同情するよ」という感覚。
友達が相手の気持ちを気遣って、相手に対して同情や思いやりの気持ち(sympathy)を込めて慰める時に使う I'm sorry. がフレンズにはよく出てきます。
I'm sorry. と聞くと反射的に「ごめんなさい」と訳してしまいがちになりますが、赤い靴下を混ぜてしまったのはロスの責任ではないので、ロスが謝っていると考えると話の流れ的にもおかしくなってしまいます。
謝罪なのか同情なのかをその場その場で見極めるようにしましょう。
Don't be upset. は「動揺しないで。取り乱さないで」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
upset : unhappy and worried because something bad or disappointed has happened
つまり、「何か悪いこと、またはがっかりすることが起こったという理由で不幸である、または心配している」。
It can happen to anyone. は文字通り「誰にでも(どんな人にも)起こり得る」ということで、「誰にだってそんなことはあるよ。みんながやるような失敗だから、自分だけの失敗だと動揺しないで」と励ましていることになります。
But it didn't. はその前の「誰にでも起こり得ること」というロスの発言を否定している形です。
「ロスはそう言うけど、実際には誰もかれもに起こったわけではなかった。私に起こった(起こったのは私にだけだった)」ということですね。
ロスがレイチェルを落ち込ませまいと「誰でもやるミスだよ」のように優しく言ってくれたのはレイチェルにもわかったでしょうが、「誰もこんなミスをしない。こんなバカなミスをするのは私だけ」という自己嫌悪の気持ちから出た言葉になるでしょう。
Marshmallow peep はマシュマロで作ったお菓子。
Marshmallow peep で画像検索すると、画像がたくさんヒットしますが、ヒヨコやウサギの形をしており、パステルカラーのカラフルな色がついています。ピンク色のものもあります。
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服が全部ピンクになってしまったことで、その染まった服を着ると、「ピンクのマシュマロピープのでっかい版」みたいに見えちゃうわ、と嘆いているわけですね。
淡いパステルカラーとマシュマロのフワフワした柔らかい感じが、「ピンクに染まってしまった衣服」のイメージとぴったり合っていて、うまい例えだなぁと思います。
What am I doing? は日本語でも言うところの「私ったら(一体)何やってるの?」という、自分のドジぶり、愚かぶりを嘆いている感覚。
過去記事、延長ディスコバージョンを聞かされた フレンズ1-5改その4 で、パパに「一人では生活できない、自立できない」と言われたことが正しかったと認めることになります。
洗濯機の奪い合いをしたあのおばさんがやってきて、レイチェルが悲しんでいる様子とその洗濯物を見た後に、勝ち誇った様子で高笑いしているのも、このおばさんの嫌な性格がよく出ていますね。
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2018年02月20日
持ち時間はここまで。次回は… フレンズ1-5改その19
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16:08
[Scene: The laundromat.]
シーン:コインランドリー
レイチェル: Ok, I know this is gonna sound really stupid, but I feel that if I can do this, you know, if I can actually do my own laundry, there isn't anything I can't do. (ねぇ、これってほんとにバカみたいに聞こえるだろうってわかってるけど、でももしこれができたら、ほら、私が実際に自分自身の洗濯をすることができたら、私にはできないことは何もないって気がするの。)
ロス: That does not sound stupid to me. You know, it's like the first time I had to make dinner for myself after Carol left me.... [the buzzer on the washer goes off] I'm sorry, that's all the time we have. Next on Ross.... Okay. [opens up the washer] Uh-oh. (それって僕にはバカみたいに聞こえないよ。ほら、キャロルが出て行った後、初めて自分で夕食を作らなければいけなかった時みたいだ… [洗濯機のブザーが鳴り出す] ごめん、僕らの持ち時間はここまでだ。次回のロスは… よし。[洗濯機を開ける] アッオゥ[あっちゃー]。)
レイチェル: What, "uh-oh"? (何?「アッオゥ」って。)
ロス: [not wanting to tell her] Uh-oh.... Uh-oh, the laundry's done. It's, uh, it's a song. The laundry song that we sing. [singing] ♪ Uh-oh! The laundry's done. Uh-oh, uh-oh. ♪ ([レイチェルに(真実を)言いたくなくて] アッオゥ… アッオゥ、洗濯終わった。ほら、歌だよ。僕らが歌う洗濯の歌だ。[歌いながら] ♪ アッオゥ! 洗濯終わった。アッオゥ、アッオゥ ♪)
レイチェル: Ross, what's the matter? (ロス、どうしたの?)
ロス: Nothing, nothing. ♪ Lee-lo, the laundry's done. ♪ (何も、何もないよ。♪ リーロー、洗濯終わった ♪)
レイチェル: Come on, show me. (ねぇ、私に見せて。)
I know this is gonna sound really stupid, but... は「バカみたいに聞こえるかもしれないけど」という前振りのフレーズ。
他人にとってはバカらしく思えるかもしれないけど、これが私の正直な気持ちなの、だからあきれずに笑わずに聞いてね、ということで、相手がそれを聞いてバカにして笑う前に先に予防線を張っておく感じです。
there isn't anything I can't do は「私にできないことは何もない」ですから、「今回の自分の洗濯ができたら、何でもできるような気がするの」と言っていることになります。
stupid に聞こえちゃうかもしれないけど、とレイチェルが言ったことに対して、ロスは優しく That does not sound stupid to me. と言っていますね。
レイチェルはそんな風に心配してるけど、僕はそのことをバカバカしいなんて思わないよ、のように、レイチェルのその気持ち僕にはわかるよ、と共感を示していることになります。
it's like the first time I had to... 「僕が初めて〜しなければならなかった時みたいだ」という表現から、僕にも似たような経験があるからわかるんだ、と話を進めようとしているのがわかります。
「僕だって、キャロルが出て行って初めて自分で夕食を作らないといけなくなった時、君と同じような気持ちだったよ」ということですね。
that's all the time we have. Next on Ross.... について。
これは、話をしていたら、ちょうど洗濯機の終了ブザーがなったので、それをロスのトークの終了合図のブザーであるかのように言ってみた感覚になるでしょう。
that's all the time we have は「今のが僕たちが持つ時間のすべて」ということですから、「持ち時間はここまで、今日のトークの時間はここまで」というところですね。
That's all the time we have for today. 「今日はここまで」のように、for today が付いた形もよく使われます。
Next on Ross は、「次回の”ロス”」という感覚で、Ross (という番組)の次回の内容は、、と、まるで予告のように言ってみせているのでしょう。
逆に「前回までのあらすじ」として、「前回の(作品名)は」という時には、Previously on+作品名という表現を使います。
海外連続ドラマでは、エピソードの冒頭に Previously on... で始まるあらすじが入る作品も結構多いですね。
フレンズは基本1話完結ですが、「次回に続く前後編のエピソード」もありますので、その際には Previously on Friends 「前回のフレンズは」という言葉が出てきます。
Uh-oh の発音は、「アッ、オゥ」という感じ。
日本語では「まずい、やばい。しまった。あっちゃー」というところ。
失敗したり、何か悪いことが起こったことに気付いたときの感嘆詞、間投詞です。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
uh oh [interjection] (informal) : said when you have made a mistake or have realized that something bad has happened
例)Uh oh, I think I locked my keys in the car.
つまり「自分が過ちを犯した、または何か悪いことが起こったと気づいた時に使われる」。
例文は「しまった、車の中にキーを閉じ込めちゃった」。
「まずい」と言う時の言葉なのでレイチェルも「何かまずいことでも?」とわかったはずで、それまで笑っていたのに真顔になっていますが、ロスはそれが「まずい」という意味だとばれないように、即興で洗濯の歌を作って、歌詞の一部であるかのようにごまかそうとします。
What's the matter? は「どうしたの?」と尋ねる時の決まり文句。
アッオゥに合わせて、リーローみたいな音も入れて、より歌っぽく聞こえるよう頑張っているロスにも笑えてしまいますね。
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16:08
[Scene: The laundromat.]
シーン:コインランドリー
レイチェル: Ok, I know this is gonna sound really stupid, but I feel that if I can do this, you know, if I can actually do my own laundry, there isn't anything I can't do. (ねぇ、これってほんとにバカみたいに聞こえるだろうってわかってるけど、でももしこれができたら、ほら、私が実際に自分自身の洗濯をすることができたら、私にはできないことは何もないって気がするの。)
ロス: That does not sound stupid to me. You know, it's like the first time I had to make dinner for myself after Carol left me.... [the buzzer on the washer goes off] I'm sorry, that's all the time we have. Next on Ross.... Okay. [opens up the washer] Uh-oh. (それって僕にはバカみたいに聞こえないよ。ほら、キャロルが出て行った後、初めて自分で夕食を作らなければいけなかった時みたいだ… [洗濯機のブザーが鳴り出す] ごめん、僕らの持ち時間はここまでだ。次回のロスは… よし。[洗濯機を開ける] アッオゥ[あっちゃー]。)
レイチェル: What, "uh-oh"? (何?「アッオゥ」って。)
ロス: [not wanting to tell her] Uh-oh.... Uh-oh, the laundry's done. It's, uh, it's a song. The laundry song that we sing. [singing] ♪ Uh-oh! The laundry's done. Uh-oh, uh-oh. ♪ ([レイチェルに(真実を)言いたくなくて] アッオゥ… アッオゥ、洗濯終わった。ほら、歌だよ。僕らが歌う洗濯の歌だ。[歌いながら] ♪ アッオゥ! 洗濯終わった。アッオゥ、アッオゥ ♪)
レイチェル: Ross, what's the matter? (ロス、どうしたの?)
ロス: Nothing, nothing. ♪ Lee-lo, the laundry's done. ♪ (何も、何もないよ。♪ リーロー、洗濯終わった ♪)
レイチェル: Come on, show me. (ねぇ、私に見せて。)
I know this is gonna sound really stupid, but... は「バカみたいに聞こえるかもしれないけど」という前振りのフレーズ。
他人にとってはバカらしく思えるかもしれないけど、これが私の正直な気持ちなの、だからあきれずに笑わずに聞いてね、ということで、相手がそれを聞いてバカにして笑う前に先に予防線を張っておく感じです。
there isn't anything I can't do は「私にできないことは何もない」ですから、「今回の自分の洗濯ができたら、何でもできるような気がするの」と言っていることになります。
stupid に聞こえちゃうかもしれないけど、とレイチェルが言ったことに対して、ロスは優しく That does not sound stupid to me. と言っていますね。
レイチェルはそんな風に心配してるけど、僕はそのことをバカバカしいなんて思わないよ、のように、レイチェルのその気持ち僕にはわかるよ、と共感を示していることになります。
it's like the first time I had to... 「僕が初めて〜しなければならなかった時みたいだ」という表現から、僕にも似たような経験があるからわかるんだ、と話を進めようとしているのがわかります。
「僕だって、キャロルが出て行って初めて自分で夕食を作らないといけなくなった時、君と同じような気持ちだったよ」ということですね。
that's all the time we have. Next on Ross.... について。
これは、話をしていたら、ちょうど洗濯機の終了ブザーがなったので、それをロスのトークの終了合図のブザーであるかのように言ってみた感覚になるでしょう。
that's all the time we have は「今のが僕たちが持つ時間のすべて」ということですから、「持ち時間はここまで、今日のトークの時間はここまで」というところですね。
That's all the time we have for today. 「今日はここまで」のように、for today が付いた形もよく使われます。
Next on Ross は、「次回の”ロス”」という感覚で、Ross (という番組)の次回の内容は、、と、まるで予告のように言ってみせているのでしょう。
逆に「前回までのあらすじ」として、「前回の(作品名)は」という時には、Previously on+作品名という表現を使います。
海外連続ドラマでは、エピソードの冒頭に Previously on... で始まるあらすじが入る作品も結構多いですね。
フレンズは基本1話完結ですが、「次回に続く前後編のエピソード」もありますので、その際には Previously on Friends 「前回のフレンズは」という言葉が出てきます。
Uh-oh の発音は、「アッ、オゥ」という感じ。
日本語では「まずい、やばい。しまった。あっちゃー」というところ。
失敗したり、何か悪いことが起こったことに気付いたときの感嘆詞、間投詞です。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
uh oh [interjection] (informal) : said when you have made a mistake or have realized that something bad has happened
例)Uh oh, I think I locked my keys in the car.
つまり「自分が過ちを犯した、または何か悪いことが起こったと気づいた時に使われる」。
例文は「しまった、車の中にキーを閉じ込めちゃった」。
「まずい」と言う時の言葉なのでレイチェルも「何かまずいことでも?」とわかったはずで、それまで笑っていたのに真顔になっていますが、ロスはそれが「まずい」という意味だとばれないように、即興で洗濯の歌を作って、歌詞の一部であるかのようにごまかそうとします。
What's the matter? は「どうしたの?」と尋ねる時の決まり文句。
アッオゥに合わせて、リーローみたいな音も入れて、より歌っぽく聞こえるよう頑張っているロスにも笑えてしまいますね。
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2018年02月16日
バンドエイドを素早く剥がすと傷口が フレンズ1-5改その18
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14:47
[Scene: The ladies' bathroom at the restaurant. Monica and Angela are talking.]
シーン:レストランの女子トイレ。モニカとアンジェラが話している。
モニカ: I've gotta tell you, Bob is terrific. (あなたに言わなきゃ(これだけは言わせて)、ボブって最高ね。)
アンジェラ: Yeah, isn't he? (えぇ、そうでしょ?)
モニカ: It is so great to meet a guy who's smart and funny, and has an emotional age beyond, like, 8. (賢くて面白くて、その上、精神年齢が、ほら、8歳以上の男性に会えるなんて、すごく素敵!)
アンジェラ: You know what else? He's unbelievable in bed! (他にもあるの知ってる? 彼はベッドで信じられないくらいすごいのよ!)
モニカ: Wow. My brother never even told me when he lost his virginity. (まあ。私の兄は自分がいつ童貞を喪失したかさえ教えてくれなかったわ。)
アンジェラ: Huh. That's nice. (はぁ。それは良かったわね。)
terrific は「すごい、素晴らしい、最高」。良いニュアンスで使う単語で、意味は、fantastic に近い感じ。
よく似た単語の terrible は「ひどい」という悪い意味で使います。こちらは、extremely bad という意味。
ボブを褒めた後、「〜する男性に会えるなんてすっごく素敵よね」と言っており、a guy who's... 以下でボブの魅力を語っていることになります。
smart and funny は「賢くて(頭が良くて)面白い」。
人に対する褒め言葉として、英語ではよく出てくる組み合わせです。
emotional age は「感情の年齢」ということですが、よく言う日本語だと「精神年齢」というところですね。
age beyond, like, 8. の like は「ほら」というニュアンスの挿入句なので、「8以上の精神年齢」つまり 8 (eight) は「8歳」という年齢を指します。
過去記事、結婚したの、8歳くらいだっけ? フレンズ1-1改その22 でも、"You got married. You were, like, what? 8?" 「ロスは結婚した、その時、ロスは、ほら、8歳くらいだったっけ?」というセリフで「8歳」という年齢が出てきていました。
その 1-1 に続いて、今回の 1-5 が「8歳の子供シリーズ第2弾」になるわけですが、今回も「幼いガキんちょ」的なニュアンスで、8歳という年齢が使われていることになります。
「賢くて面白い人はたまにはいるけど、そういう人は精神年齢が幼い、ってことが多いのよね」とモニカは言いたいようですね。
ボブは smart かつ funny であり、同時に精神年齢も大人である、大人の男性の魅力も持ち合わせている、という稀有な存在よ、そんな男性に会えるなんてすごいことだわ! とモニカは感動していることになります。
「ボブには他にもいいところがあるのよ。ベッドでもすごいんだから!」みたいに言われ、ボブがアンジェラの兄だと思いこんでいるモニカは驚いています。
これより1つ前のシーンでは、ボブとの会話の中で、ジョーイがモニカのことを "She's too much for me in bed. Sexually." と言っていました。
そこでも in bed という表現が使われ、その時のジョーイは念押しのように、sexually と付け加えていましたが、今回のアンジェラのセリフのように、通常は unbelievable in bed だけで、エッチの意味だということは想像されるわけですね。
ここでアンジェラも in bed という表現を使ったことで、前のジョーイのセリフの sexually が「アピールしたいがための、くどすぎる念押し」だったことがより強調される気がします。
アンジェラが自分の兄の話をしていると思ったモニカは「私の兄」としてロスの話題を出しています。
lose one's virginity は「処女・童貞(であること)を失う」。
日本語では「ロストバージン」と言ったりしますが、英語ではこのように表現することになります。
virgin という単語は、少し前の記事、ワンとア・ホール・ナザー フレンズ1-5改その15 のレイチェルのセリフ、"I'm a laundry virgin." 「私は洗濯未経験者なの」というセリフで登場していましたね。
コインランドリーでレイチェルはロスに対してそういう単語を使っていて、同時進行中のレストランのシーンでモニカが「兄のロスが virgin ではなくなった日」の話をしている、というのが関連語繋がりのような感じで興味深いなと思いました。
アンジェラは「ボブがアンジェラの兄だとモニカは思っている」ことなど知らないので、どうしてこの流れで急に兄の話が出てきたのかちんぷんかんぷんなわけですね。
それで「自分の兄のその手の話は、知らないなら知らない方がいいと思うけど」という意味で「知らないならそれは良かったわね」と言っていることになるでしょう。
お互いの状況を誤解している(まるでアンジャッシュのコントのようなw)二人のチグハグ感を感じていただけたらと思います。
ちなみに、過去記事、ハロウィーンの11日前だから良い衣装がない? フレンズ1-4改その5 で、ロスが「今日はキャロルとの初エッチの日なんだ」と告白する前、モニカは今日がそういう日であることを知っている口ぶりでした。
それが「ロスの人生初エッチの日」であることまでモニカが知っていたかどうかはわかりませんが、兄のエッチ経験話を「全く知らない」ということでもない感じはしますね^^
15:16
[Scene: Central Perk. Phoebe is coaching Chandler on how to break up with Janice.]
シーン:セントラルパーク。ジャニスとの別れ方について、フィービーがチャンドラーにコーチしている。)
フィービー: Okay, you can do this. It's just like pulling off a Band-Aid, okay? Just do it really fast, and then the wound is exposed. Go! Go! (いいわ。あなたならこれができるわ。ただバンド・エイドをはがすみたいな感じよ、いい? ただそれをすごく素早くやるの、そしたら傷口がむき出しになるわ[露出するわ]。行って、行って!)
[Chandler walks back to couch, where Janice is.]
チャンドラーはジャニスがいるカウチに戻る。
チャンドラー: Janice. Hi, Janice. Ok, here we go. I don't think we should go out anymore. Janice. (ジャニス、はーい、ジャニス。よし、いくぞ。俺たち、もうデートしない方がいいと思うんだ。ジャニス。)
ジャニス: All right. Well, there you go. [she gets extremely wound up, and begins to try and calm herself down] Stop it, stop it, stop it. (わかった。うーんと、そうね。[ジャニスはひどく動揺し、自身を落ち着かせようとし始める] 止まれ、止まれ、止まれ。)
pull off は「はがす」。pull 「引っ張る」+off 「分離」というニュアンスです。
expose は「〜をさらす、露出する」。expose A to B なら、「A を B にさらす」。
この場合は、受身形なので、the wound is exposed は「傷口がさらされる、露出する、むき出しになる」。
「バンドエイドをさっとはがすと、痛みを感じるのは一瞬で済む」のような話だったら説得力もあるけれど、「素早くはがしたら傷口が露出する」という単なる結果を述べられてもなぁ、、というところですね。
バンドエイドで保護されていた傷がむき出しになることで、痛みがさらに増しそうな感じすらします。
この例えだと、思い切って別れても、後々痛みが残るんじゃないかと思わせるような妙なアドバイスですよね。
ジャニスが座っているカウチに戻ったチャンドラーは、またエスプレッソを一息で飲んでいます。
テーブルの上にはチャンドラーが飲んだらしいエスプレッソのカップが5個くらい置いてあるのにも笑えてしまいますね。
何か言おうとするたびに、まずはエスプレッソを一息でぐっと飲んでから、、という行動の流れが出来上がってしまっていることが想像できます。
I don't think we should go out anymore. は「俺たち、もうデートしない方がいいと思うんだ」。
「we should not go out anymore だと思う」という意味ですが、英語では not のような否定語は前に来る傾向にあり、このように I don’t think we should... という形になります。
日本語で言うと、「僕たち、もう会うのはよそう」という感じの、別れの時の決まり文句ですね。
それを聞いたジャニスは、見るからに動揺が隠せない様子で、自分に言い聞かせるように言葉を発していますが、泣きそうになり、その涙を手で乾かそうとでもするように顔の前で両手をうちわのようにパタパタ振っています。
フィービーが彼氏トニーに別れを告げた時は、少し話してハグをしてトニーはそのままあっさり去って行きましたが、動揺を抑えきれないジャニスの様子を見ると、この別れ話の前途多難さが想像されますね。
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14:47
[Scene: The ladies' bathroom at the restaurant. Monica and Angela are talking.]
シーン:レストランの女子トイレ。モニカとアンジェラが話している。
モニカ: I've gotta tell you, Bob is terrific. (あなたに言わなきゃ(これだけは言わせて)、ボブって最高ね。)
アンジェラ: Yeah, isn't he? (えぇ、そうでしょ?)
モニカ: It is so great to meet a guy who's smart and funny, and has an emotional age beyond, like, 8. (賢くて面白くて、その上、精神年齢が、ほら、8歳以上の男性に会えるなんて、すごく素敵!)
アンジェラ: You know what else? He's unbelievable in bed! (他にもあるの知ってる? 彼はベッドで信じられないくらいすごいのよ!)
モニカ: Wow. My brother never even told me when he lost his virginity. (まあ。私の兄は自分がいつ童貞を喪失したかさえ教えてくれなかったわ。)
アンジェラ: Huh. That's nice. (はぁ。それは良かったわね。)
terrific は「すごい、素晴らしい、最高」。良いニュアンスで使う単語で、意味は、fantastic に近い感じ。
よく似た単語の terrible は「ひどい」という悪い意味で使います。こちらは、extremely bad という意味。
ボブを褒めた後、「〜する男性に会えるなんてすっごく素敵よね」と言っており、a guy who's... 以下でボブの魅力を語っていることになります。
smart and funny は「賢くて(頭が良くて)面白い」。
人に対する褒め言葉として、英語ではよく出てくる組み合わせです。
emotional age は「感情の年齢」ということですが、よく言う日本語だと「精神年齢」というところですね。
age beyond, like, 8. の like は「ほら」というニュアンスの挿入句なので、「8以上の精神年齢」つまり 8 (eight) は「8歳」という年齢を指します。
過去記事、結婚したの、8歳くらいだっけ? フレンズ1-1改その22 でも、"You got married. You were, like, what? 8?" 「ロスは結婚した、その時、ロスは、ほら、8歳くらいだったっけ?」というセリフで「8歳」という年齢が出てきていました。
その 1-1 に続いて、今回の 1-5 が「8歳の子供シリーズ第2弾」になるわけですが、今回も「幼いガキんちょ」的なニュアンスで、8歳という年齢が使われていることになります。
「賢くて面白い人はたまにはいるけど、そういう人は精神年齢が幼い、ってことが多いのよね」とモニカは言いたいようですね。
ボブは smart かつ funny であり、同時に精神年齢も大人である、大人の男性の魅力も持ち合わせている、という稀有な存在よ、そんな男性に会えるなんてすごいことだわ! とモニカは感動していることになります。
「ボブには他にもいいところがあるのよ。ベッドでもすごいんだから!」みたいに言われ、ボブがアンジェラの兄だと思いこんでいるモニカは驚いています。
これより1つ前のシーンでは、ボブとの会話の中で、ジョーイがモニカのことを "She's too much for me in bed. Sexually." と言っていました。
そこでも in bed という表現が使われ、その時のジョーイは念押しのように、sexually と付け加えていましたが、今回のアンジェラのセリフのように、通常は unbelievable in bed だけで、エッチの意味だということは想像されるわけですね。
ここでアンジェラも in bed という表現を使ったことで、前のジョーイのセリフの sexually が「アピールしたいがための、くどすぎる念押し」だったことがより強調される気がします。
アンジェラが自分の兄の話をしていると思ったモニカは「私の兄」としてロスの話題を出しています。
lose one's virginity は「処女・童貞(であること)を失う」。
日本語では「ロストバージン」と言ったりしますが、英語ではこのように表現することになります。
virgin という単語は、少し前の記事、ワンとア・ホール・ナザー フレンズ1-5改その15 のレイチェルのセリフ、"I'm a laundry virgin." 「私は洗濯未経験者なの」というセリフで登場していましたね。
コインランドリーでレイチェルはロスに対してそういう単語を使っていて、同時進行中のレストランのシーンでモニカが「兄のロスが virgin ではなくなった日」の話をしている、というのが関連語繋がりのような感じで興味深いなと思いました。
アンジェラは「ボブがアンジェラの兄だとモニカは思っている」ことなど知らないので、どうしてこの流れで急に兄の話が出てきたのかちんぷんかんぷんなわけですね。
それで「自分の兄のその手の話は、知らないなら知らない方がいいと思うけど」という意味で「知らないならそれは良かったわね」と言っていることになるでしょう。
お互いの状況を誤解している(まるでアンジャッシュのコントのようなw)二人のチグハグ感を感じていただけたらと思います。
ちなみに、過去記事、ハロウィーンの11日前だから良い衣装がない? フレンズ1-4改その5 で、ロスが「今日はキャロルとの初エッチの日なんだ」と告白する前、モニカは今日がそういう日であることを知っている口ぶりでした。
それが「ロスの人生初エッチの日」であることまでモニカが知っていたかどうかはわかりませんが、兄のエッチ経験話を「全く知らない」ということでもない感じはしますね^^
15:16
[Scene: Central Perk. Phoebe is coaching Chandler on how to break up with Janice.]
シーン:セントラルパーク。ジャニスとの別れ方について、フィービーがチャンドラーにコーチしている。)
フィービー: Okay, you can do this. It's just like pulling off a Band-Aid, okay? Just do it really fast, and then the wound is exposed. Go! Go! (いいわ。あなたならこれができるわ。ただバンド・エイドをはがすみたいな感じよ、いい? ただそれをすごく素早くやるの、そしたら傷口がむき出しになるわ[露出するわ]。行って、行って!)
[Chandler walks back to couch, where Janice is.]
チャンドラーはジャニスがいるカウチに戻る。
チャンドラー: Janice. Hi, Janice. Ok, here we go. I don't think we should go out anymore. Janice. (ジャニス、はーい、ジャニス。よし、いくぞ。俺たち、もうデートしない方がいいと思うんだ。ジャニス。)
ジャニス: All right. Well, there you go. [she gets extremely wound up, and begins to try and calm herself down] Stop it, stop it, stop it. (わかった。うーんと、そうね。[ジャニスはひどく動揺し、自身を落ち着かせようとし始める] 止まれ、止まれ、止まれ。)
pull off は「はがす」。pull 「引っ張る」+off 「分離」というニュアンスです。
expose は「〜をさらす、露出する」。expose A to B なら、「A を B にさらす」。
この場合は、受身形なので、the wound is exposed は「傷口がさらされる、露出する、むき出しになる」。
「バンドエイドをさっとはがすと、痛みを感じるのは一瞬で済む」のような話だったら説得力もあるけれど、「素早くはがしたら傷口が露出する」という単なる結果を述べられてもなぁ、、というところですね。
バンドエイドで保護されていた傷がむき出しになることで、痛みがさらに増しそうな感じすらします。
この例えだと、思い切って別れても、後々痛みが残るんじゃないかと思わせるような妙なアドバイスですよね。
ジャニスが座っているカウチに戻ったチャンドラーは、またエスプレッソを一息で飲んでいます。
テーブルの上にはチャンドラーが飲んだらしいエスプレッソのカップが5個くらい置いてあるのにも笑えてしまいますね。
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I don't think we should go out anymore. は「俺たち、もうデートしない方がいいと思うんだ」。
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2018年02月14日
西宮でセミナー開催します!
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は5位、「にほんブログ村」は12位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
記事タイトルにあります通り、このたび、兵庫県西宮市でセミナーを開催させていただくことになりました!
4月22日(日)午後、開催場所は、NHK文化センター西宮ガーデンズ教室です。
以下にセミナーの内容と申込み方法について書かせていただきますね。
講座名:海外ドラマDVD英語学習法
日時:2018年4月22日(日) 13:30〜15:30
場所:NHK文化センター西宮ガーデンズ教室
兵庫県西宮市高松町14-2-502 阪急西宮ガーデンズ5階
(アクセス)阪急神戸線「西宮北口」駅下車 東改札口からデッキで直結
受講料(税込)
会員 2,808円
一般(入会不要) 3,369円
★会員とはNHKカルチャー会員のことで、今回の私のセミナーは、会員ではない一般の方も入会不要で受講可能となっています。
本日より、WEB および 電話での受付を開始します。
詳細とお申込みはこちら↓
NHK文化センター西宮ガーデンズ教室 4/22 海外ドラマDVD英語学習法
セミナーの内容は、過去のセミナーと同様に、
「海外ドラマのDVDを使って英語を楽しく効果的に学ぶ方法を、わかりやすく解説する」
という形式です。
最新刊「リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!」では、「フレンズ」を始めとして合計15作品の海外ドラマを取り上げましたが、セミナーで題材とさせていただくのはやはり(笑)長年ブログで解説させていただいている「フレンズ」になります。
今回の西宮は通算13回目のセミナーとなりますが、過去のセミナーで使用したのとは別のエピソードを使って解説しますので、以前のセミナーにご参加いただいた方にも、新鮮な気持ちで楽しんでいただけると思います。
昨年2017年は、2月 京都、6月 目黒、7月 京都、9月 青山、10月 梅田 と、合計5回のセミナーをさせていただくことができました。
今年もまたこうしてセミナーを開催させていただけることは本当に嬉しく、このブログを読み続け応援し続けて下さった読者の皆様方のおかげと心より感謝いたしております。
今回の西宮セミナーでは、過去のセミナーでいただいたご質問や新刊で触れた内容なども盛り込みつつ、楽しく面白いセミナーになるよう頑張ります!
多くの方と、海外ドラマで英語を学ぶ楽しさを分かち合えるのを楽しみにしています。
セミナーへのご参加を心よりお待ち申し上げております。
どうかよろしくお願いいたします!<(_ _)>
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講座名:海外ドラマDVD英語学習法
日時:2018年4月22日(日) 13:30〜15:30
場所:NHK文化センター西宮ガーデンズ教室
兵庫県西宮市高松町14-2-502 阪急西宮ガーデンズ5階
(アクセス)阪急神戸線「西宮北口」駅下車 東改札口からデッキで直結
受講料(税込)
会員 2,808円
一般(入会不要) 3,369円
★会員とはNHKカルチャー会員のことで、今回の私のセミナーは、会員ではない一般の方も入会不要で受講可能となっています。
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セミナーの内容は、過去のセミナーと同様に、
「海外ドラマのDVDを使って英語を楽しく効果的に学ぶ方法を、わかりやすく解説する」
という形式です。
最新刊「リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!」では、「フレンズ」を始めとして合計15作品の海外ドラマを取り上げましたが、セミナーで題材とさせていただくのはやはり(笑)長年ブログで解説させていただいている「フレンズ」になります。
今回の西宮は通算13回目のセミナーとなりますが、過去のセミナーで使用したのとは別のエピソードを使って解説しますので、以前のセミナーにご参加いただいた方にも、新鮮な気持ちで楽しんでいただけると思います。
昨年2017年は、2月 京都、6月 目黒、7月 京都、9月 青山、10月 梅田 と、合計5回のセミナーをさせていただくことができました。
今年もまたこうしてセミナーを開催させていただけることは本当に嬉しく、このブログを読み続け応援し続けて下さった読者の皆様方のおかげと心より感謝いたしております。
今回の西宮セミナーでは、過去のセミナーでいただいたご質問や新刊で触れた内容なども盛り込みつつ、楽しく面白いセミナーになるよう頑張ります!
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どうかよろしくお願いいたします!<(_ _)>
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2018年02月09日
リスかイタチみたいにかじる音 フレンズ1-5改その17
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13:31
[Scene: Fancy restaurant. Monica, Joey, Angela, and Bob are seated at the table.]
おしゃれなレストラン。モニカ、ジョーイ、アンジェラ、ボブがテーブルに座っている。
モニカ: [to Joey] He's so cute! [to Angela and Bob] So where did you guys grow up? ([ジョーイに] 彼(ボブ)ってすっごく素敵(セクシー)! [アンジェラとボブに] それであなたたちはどこで育ったの?)
アンジェラ: Brooklyn Heights. (ブルックリン・ハイツ。)
ボブ: Cleveland. (クリーブランド。)
モニカ: Ha? How did that happen? (は? どうして[どうやって]そんなことが起こったの?)
ジョーイ: Oh, my God! (なんてこった!)
モニカ: What? (何?)
ジョーイ: I uh, suddenly had the feeling I was... falling. But I'm not. (俺、突然、…落ちてる感じがしたんだよ。でも落ちてないや。)
Commercial Break
ボブとアンジェラ、モニカとジョーイがそれぞれ向かい合って話をしています。
モニカはボブたちと話しながら大笑いしていて、笑ったままの状態で、後ろにいるジョーイの太ももをバンと叩きながら、He's so cute! と言っています。
目の前にいるボブに聞こえないよう、面白くて大ウケしているかのようなふりをしながら、ジョーイにそう言った感じですね。
He's so cute! は「彼って素敵ね! セクシーね!」。
過去エピソード、フレンズ1-4 で、女性陣がジョージ・ステファノプロスのことを語る際、
モニカ: The one with the great hair, sexy smile, really cute butt. (素敵な髪の毛、セクシーな微笑み、実にセクシーなお尻の人よ。)
レイチェル: Oh, he is so cute. (あぁ、彼って本当にセクシーね。)
のように cute という言葉を使っていましたが、それと同じニュアンスですね。
cute は日本語で「キュート」というカタカナ英語になっており、主に女の子や子供を指す「かわいい」という意味で使われますが、男性に対して使った場合には「恋愛対象として見た場合に性的に魅力的な」という意味になります。
Macmillan Dictionary でも、
cute : (INFORMAL) sexually attractive
と説明されています。
二人はどこで育ったのか? という質問に、アンジェラとボブは別の地名を答えています。
ブルックリンハイツはニューヨーク州ブルックリン区にあり、クリーブランドはオハイオ州エリー湖岸にありますので、地理的にかなり離れた場所になります。
モニカは、ボブとアンジェラの二人を兄妹だと思っているので、二人はどこで育ったの? と子供の頃いた場所を尋ねているのですが、二人が別々の地名を挙げたので、別々の場所で育ったなんて、どうやってそんなことになったわけ? と尋ねているわけです。
How did that happen? を直訳すると「どのようにしてそんなことが起こったの?」ということですから、「兄妹なのに育った場所が違うとか、どうしてそんなことになったわけ? 兄妹なのに何か別々に育てられる事情でもあったの?」という驚きから、そう言っていることになるでしょう。
モニカは二人を兄妹だと思っていますが、ボブとアンジェラの方はジョーイがそんな嘘を言っているとは知りません。
モニカが「どうして別々に?」と尋ね、二人が事情を説明すると兄妹でないことがバレてしまうと気づいたジョーイは、話題を変えるために、Oh, my God! と言ってみんなの気をそらし、「自分が落ちてるような感覚がしたんだけど(でも実際には)落ちてないや」みたいなことを言ってごまかすことになります。
14:01
[Scene: Fancy restaurant. Joey and Bob are talking.]
おしゃれなレストラン。ジョーイとボブが話している。
ジョーイ: So, you and Angela, huh? (それで、君とアンジェラ、ってわけだな? [君とアンジェラは付き合ってるんだな?])
ボブ: Yep. Pretty much. (あぁ。まさにね。)
ジョーイ: You're a lucky man. You know what I miss the most about her? That cute nibbley noise she makes when she eats. Like a happy little squirrel… or a weasel. (君はラッキーな男だよ。俺が彼女のことで一番恋しく思ってる[なくなって寂しいと思ってる]ことは何だと思う? 彼女が食べる時に出す、あのかわいいかじる音だよ。幸せな子リスみたいな、、、もしくはイタチかな。)
ボブ: Huh, I never really noticed. (そうか、僕は気づかなかったよ。)
ジョーイ: Oh, yeah, yeah. Listen for it. (あぁ、そう、そうなんだよ。(その音に気づくように)耳を傾けてみなよ[聞き耳立ててみなよ]。)
ボブ: Monica. Monica is great. (モニカ。モニカは最高だね。)
ジョーイ: Yeah, yeah, she is. But it's not gonna last. She's too much for me in bed. Sexually. (あぁ、そうだ、彼女は最高だよ。でも(モニカとの関係は)続かないだろうね。彼女はベッドの中で俺にとっては”過ぎる”んだよ[手に余るほどなんだよ]。性的にね。)
CMの暗転の後、場面が変わり、ボブとジョーイの男性二人が話をしています。
So, you and Angela, huh? は「それで、君とアンジェラ、だな?」みたいな感じですが、そのジョーイの言い方から、「君とアンジェラは付き合ってるんだよな?」みたいな意味であることが想像できます。
You know what I miss the most about her? は「彼女について俺が一番 miss することが何かわかる?」ということ。
miss は「〜がなくて寂しく思う」。
I miss you. 「君がいなくて寂しい、君が恋しい」という意味でよく使われますね。
You know what SV...? 「S が V するのは何だと思う?」と前振りをした後、ジョーイはその内容を説明しています。
That cute nibbley noise she makes when she eats. と長めの文章になっていますが、対象物は noise 「音」ですね。
アンジェラと別れたために、あの音が聞けなくなって寂しいよ、ということになります。
noise は音楽的な「音」ではなく、「物音、雑音、騒音」のようなものを指します。
That cute nibbley noise she makes when she eats. の構造は「彼女が食べる時に make する、あのキュートで nibbley な音」。
「音を出す、音を立てる」という時は、make a noise のように動詞 make を使うので、ここでも ... noise she makes という形になっていますね。
nibble は「(動物が食べ物を)少しずつかじる」なので、nibbley noise は「かじるような音、かじる時に出す音」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
nibble :
a) to eat small amounts of food by taking very small bites
例1)We put out nuts for the squirrels to nibble.
例2)Guests were nibbling on hors d'oeuvres.
つまり、「非常に小さい一口ずつで、少量の食べ物を食べること」。例文1は「リスがかじるようにと、私たちは木の実(ナッツ)を差し出した」。例文2は「客たちはオードブルをつまんでいた]。
b) to gently bite something, as a sign of sexual attraction
つまり「何かを優しく(そっと)噛む(かむ)、人を性的に引きつけるもののサインとして」。
まず a) の方ですが、例文1に出てくる「リスが木の実をかじる」というのが、典型的な nibble のイメージですね。
LAAD のイメージ画像にもまさにリスが手に持った木の実をかじる姿が載っています。
例文2の「オードブル」は「かじる」ではなく「つまむ」と訳しましたが、その方が少量のオードブルをちょこちょこと食べている感じが出ますよね。
実際、一口食べるような「おつまみ」は、nibble の名詞形を複数形にした nibbles と表現します。
LAAD では、
nibbles [plural] : small things to eat, especially at a party
つまり「(常に複数形で)食べるための小さなもの、特にパーティーで」。
「少量の食べ物をかじる、つまむ」という感覚はわかりやすいですが、ちょっと気になるのが a sign of sexual attraction という b) の語義でしょうか。
これと似た意味は、Macmillan Dictionary で以下のように説明されていました。
nibble : to bite the surface of something gently several times
例)The parrot was nibbling her ear.
つまり、「何かの表面を優しく(そっと)何度も噛むこと」。例文は「そのオウムは彼女の耳を(優しく)噛んでいた」。
gently は「優しく、そっと、穏やかに」という副詞で、一つ前の記事では洗濯用語として、gentle cycle 「弱流洗い」という言葉も出てきたばかりでしたよね。
ロングマン、マクミランの両方で、bite gently という表現が使われていることになりますが、犬や猫などのペットが飼い主の手を軽く噛んだりする「甘噛み(あまがみ)」みたいなイメージだろうと思います。
ケガするほど思いきり噛むのではなくて、じゃれる感じでカミカミ、カジカジする感じと言いますか。
マクミランの例文では「オウムが彼女の耳を噛む」となっていますが、これは人の肩にオウムが乗った状態で、オウムがその人の耳を優しく噛んでいる状態を指すようです。
それを考えると、ロングマンの b)
to gently bite something, as a sign of sexual attraction 「何かを優しく(そっと)噛む(かむ)、人を性的に引きつけるもののサインとして」
というのは、恋人がじゃれあっている時の愛情表現として、相手の耳などを優しく何度も噛んだりするような行為を指していると考えられるでしょう(アカデミックな LAAD に載っているのがちょっと不思議な感じもしますが^^)
nibble にはそれらの意味があることを踏まえて、セリフの続きを見てみます。
「彼女が食べる時に出す、あのかわいいかじる音だよ」の後、Like a happy little squirrel… or a weasel. と続けていますね。
squirrel は「リス」。ジャニスが「ロッキー&ブルウィンクル」の靴下を説明するセリフにも出てきましたね。
そして weasel は「イタチ」。
ロングマンで「リスが木の実をかじる」という例文や画像が出てきたように、ジョーイのセリフでも真っ先にリスの例えが出てきます。
先ほど説明したように nibble には「恋人の耳を優しく噛む」ような意味もあるとは言え、ここでジョーイは「食べる時に出す音、リスやイタチみたいな」と言っているので、「リスが木の実をかじる」時のような食べ物を少しずつかじる時の音を言っていると判断できるでしょう。
また、モニカがボブを形容するのに使った時の cute は「性的に魅力的、セクシー」という意味でしたが、この cute noise は「かじる音」のことですから、日本語のニュアンスの「かわいい」という意味で解釈すれば良いでしょう。
リスと並んで名前が挙がった weasel「イタチ」ですが、weasel は「(他人をだますような)ずるい人、こそこそする人」という意味もあります。
Macmillan Dictionary では、
weasel : (INFORMAL) an insulting word for a dishonest person
つまり、「(インフォーマル)不誠実な人に対する侮辱的な言葉」。
要は「不誠実な人を意味する悪口」ということですね。
動物みたいなかじり方の例えとして、かわいらしいリスならまだしも、イタチまで挙げたのは、ボブがアンジェラに幻滅するように、わざとイメージの悪い動物を挙げたということですね。
今回のエピソードで、belch 「げっぷ(をする)」という単語が出てきた時にも書きましたが、欧米では、日本以上に食事中に音を出すことを嫌いますから(スープをズズズーと味噌汁のように飲んではいけないとか言いますよね)、アンジェラが食事中に音を立てる癖があることを言って、彼女の下品な振る舞いを教えていることになるでしょう。
「そんな音、僕は気づかなかった」と言うボブに、ジョーイは、Listen for it. と返します。
listen は listen to として使われることが多いですが、ここでの listen for のニュアンスは以下の研究社 新英和中辞典の説明がわかりやすいと思います。
listen=〔+for+【(代)名】〕(予期して)〔…に〕聞き耳を立てる
We listened closely for his footsteps. 彼の足音がせぬかと聞き耳を立てた。
listen to だと、今、実際に聞こえている音”に”耳を傾ける感覚で、listen for だと「何かの音が聞こえるのを”求めて”耳を傾ける」感覚になるということですね。
LAAD では、
listen for somebody/something : to listen carefully so that you will notice a particular sound
つまり、「ある音に気づくように注意深く聞く(耳を傾ける)こと」。
語義では「notice するように聞く」となっていますね。
今回のやりとりでは、ボブが「notice しなかった」と言ったことに対して、「notice するように聞けよ」という意味で「listen for しなよ」と言っていることになるわけです。
ジョーイがアンジェラの話を出したので、ボブはお返しのようにモニカについて言及しています。
ボブはモニカをジョーイの彼女だと思っているので、モニカのことを褒めています。
yeah, she is (great). と最高なのを認めた後の、it's not gonna last. 以下について。
この last は「続く」という意味の動詞なので、「続かないだろう」ということ。
「彼女は最高なんだけど、続かないだろう」ということから、この関係はこれ以上続かないと思う、と言っていることが想像されます。
too は「あまりに〜すぎる」ということで、許容範囲を超えている、過剰であるという感覚。
too much for me は「俺の手には余る、俺にはちょっとすごすぎるんだ」みたいなことですね。
モニカはエッチの時すごいんだ、というのを強調して、ボブに興味を持たせようとしているわけですが、in bed 「ベッドで」という表現だけで、エッチの時の話をしていることはわかるのに、その後、Sexually という言葉をわざわざ付けているのが面白いですね。
「具体的にそんな副詞を付けなくてもわかる」というところなのに、とにかく「エッチ面ですごい」ことを印象付けようとするあまりの「不自然な付け足し」であり、当のジョーイの方は「これくらいはっきり言っときゃわかるだろ」みたいなちょっと得意げな顔をしているのも楽しいところです。
ジョーイはアンジェラを手に入れるために、「ボブをアンジェラと別れさせて、モニカとくっつける」ことを画策しています。
ですから、アンジェラについては「魅力を損なうような情報」を与え、モニカについては「興味をそそるような情報」を与えることになりますね。
nibble には「恋人の耳を優しく噛む」というセクシャルな意味があると先に説明しましたが、アンジェラについて「セクシャルなこと、セクシーな連想をさせること」を言ってしまっては、ボブがアンジェラを手放さないことになるので、今回のセリフについてはジョーイとしては nibble に性的な示唆は含めておらず、純粋に「リスが木の実を食べるように”かじる”」「動物みたいに音を立てて食べる」というニュアンスでのみ使っていると考えて良いと思います。
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13:31
[Scene: Fancy restaurant. Monica, Joey, Angela, and Bob are seated at the table.]
おしゃれなレストラン。モニカ、ジョーイ、アンジェラ、ボブがテーブルに座っている。
モニカ: [to Joey] He's so cute! [to Angela and Bob] So where did you guys grow up? ([ジョーイに] 彼(ボブ)ってすっごく素敵(セクシー)! [アンジェラとボブに] それであなたたちはどこで育ったの?)
アンジェラ: Brooklyn Heights. (ブルックリン・ハイツ。)
ボブ: Cleveland. (クリーブランド。)
モニカ: Ha? How did that happen? (は? どうして[どうやって]そんなことが起こったの?)
ジョーイ: Oh, my God! (なんてこった!)
モニカ: What? (何?)
ジョーイ: I uh, suddenly had the feeling I was... falling. But I'm not. (俺、突然、…落ちてる感じがしたんだよ。でも落ちてないや。)
Commercial Break
ボブとアンジェラ、モニカとジョーイがそれぞれ向かい合って話をしています。
モニカはボブたちと話しながら大笑いしていて、笑ったままの状態で、後ろにいるジョーイの太ももをバンと叩きながら、He's so cute! と言っています。
目の前にいるボブに聞こえないよう、面白くて大ウケしているかのようなふりをしながら、ジョーイにそう言った感じですね。
He's so cute! は「彼って素敵ね! セクシーね!」。
過去エピソード、フレンズ1-4 で、女性陣がジョージ・ステファノプロスのことを語る際、
モニカ: The one with the great hair, sexy smile, really cute butt. (素敵な髪の毛、セクシーな微笑み、実にセクシーなお尻の人よ。)
レイチェル: Oh, he is so cute. (あぁ、彼って本当にセクシーね。)
のように cute という言葉を使っていましたが、それと同じニュアンスですね。
cute は日本語で「キュート」というカタカナ英語になっており、主に女の子や子供を指す「かわいい」という意味で使われますが、男性に対して使った場合には「恋愛対象として見た場合に性的に魅力的な」という意味になります。
Macmillan Dictionary でも、
cute : (INFORMAL) sexually attractive
と説明されています。
二人はどこで育ったのか? という質問に、アンジェラとボブは別の地名を答えています。
ブルックリンハイツはニューヨーク州ブルックリン区にあり、クリーブランドはオハイオ州エリー湖岸にありますので、地理的にかなり離れた場所になります。
モニカは、ボブとアンジェラの二人を兄妹だと思っているので、二人はどこで育ったの? と子供の頃いた場所を尋ねているのですが、二人が別々の地名を挙げたので、別々の場所で育ったなんて、どうやってそんなことになったわけ? と尋ねているわけです。
How did that happen? を直訳すると「どのようにしてそんなことが起こったの?」ということですから、「兄妹なのに育った場所が違うとか、どうしてそんなことになったわけ? 兄妹なのに何か別々に育てられる事情でもあったの?」という驚きから、そう言っていることになるでしょう。
モニカは二人を兄妹だと思っていますが、ボブとアンジェラの方はジョーイがそんな嘘を言っているとは知りません。
モニカが「どうして別々に?」と尋ね、二人が事情を説明すると兄妹でないことがバレてしまうと気づいたジョーイは、話題を変えるために、Oh, my God! と言ってみんなの気をそらし、「自分が落ちてるような感覚がしたんだけど(でも実際には)落ちてないや」みたいなことを言ってごまかすことになります。
14:01
[Scene: Fancy restaurant. Joey and Bob are talking.]
おしゃれなレストラン。ジョーイとボブが話している。
ジョーイ: So, you and Angela, huh? (それで、君とアンジェラ、ってわけだな? [君とアンジェラは付き合ってるんだな?])
ボブ: Yep. Pretty much. (あぁ。まさにね。)
ジョーイ: You're a lucky man. You know what I miss the most about her? That cute nibbley noise she makes when she eats. Like a happy little squirrel… or a weasel. (君はラッキーな男だよ。俺が彼女のことで一番恋しく思ってる[なくなって寂しいと思ってる]ことは何だと思う? 彼女が食べる時に出す、あのかわいいかじる音だよ。幸せな子リスみたいな、、、もしくはイタチかな。)
ボブ: Huh, I never really noticed. (そうか、僕は気づかなかったよ。)
ジョーイ: Oh, yeah, yeah. Listen for it. (あぁ、そう、そうなんだよ。(その音に気づくように)耳を傾けてみなよ[聞き耳立ててみなよ]。)
ボブ: Monica. Monica is great. (モニカ。モニカは最高だね。)
ジョーイ: Yeah, yeah, she is. But it's not gonna last. She's too much for me in bed. Sexually. (あぁ、そうだ、彼女は最高だよ。でも(モニカとの関係は)続かないだろうね。彼女はベッドの中で俺にとっては”過ぎる”んだよ[手に余るほどなんだよ]。性的にね。)
CMの暗転の後、場面が変わり、ボブとジョーイの男性二人が話をしています。
So, you and Angela, huh? は「それで、君とアンジェラ、だな?」みたいな感じですが、そのジョーイの言い方から、「君とアンジェラは付き合ってるんだよな?」みたいな意味であることが想像できます。
You know what I miss the most about her? は「彼女について俺が一番 miss することが何かわかる?」ということ。
miss は「〜がなくて寂しく思う」。
I miss you. 「君がいなくて寂しい、君が恋しい」という意味でよく使われますね。
You know what SV...? 「S が V するのは何だと思う?」と前振りをした後、ジョーイはその内容を説明しています。
That cute nibbley noise she makes when she eats. と長めの文章になっていますが、対象物は noise 「音」ですね。
アンジェラと別れたために、あの音が聞けなくなって寂しいよ、ということになります。
noise は音楽的な「音」ではなく、「物音、雑音、騒音」のようなものを指します。
That cute nibbley noise she makes when she eats. の構造は「彼女が食べる時に make する、あのキュートで nibbley な音」。
「音を出す、音を立てる」という時は、make a noise のように動詞 make を使うので、ここでも ... noise she makes という形になっていますね。
nibble は「(動物が食べ物を)少しずつかじる」なので、nibbley noise は「かじるような音、かじる時に出す音」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
nibble :
a) to eat small amounts of food by taking very small bites
例1)We put out nuts for the squirrels to nibble.
例2)Guests were nibbling on hors d'oeuvres.
つまり、「非常に小さい一口ずつで、少量の食べ物を食べること」。例文1は「リスがかじるようにと、私たちは木の実(ナッツ)を差し出した」。例文2は「客たちはオードブルをつまんでいた]。
b) to gently bite something, as a sign of sexual attraction
つまり「何かを優しく(そっと)噛む(かむ)、人を性的に引きつけるもののサインとして」。
まず a) の方ですが、例文1に出てくる「リスが木の実をかじる」というのが、典型的な nibble のイメージですね。
LAAD のイメージ画像にもまさにリスが手に持った木の実をかじる姿が載っています。
例文2の「オードブル」は「かじる」ではなく「つまむ」と訳しましたが、その方が少量のオードブルをちょこちょこと食べている感じが出ますよね。
実際、一口食べるような「おつまみ」は、nibble の名詞形を複数形にした nibbles と表現します。
LAAD では、
nibbles [plural] : small things to eat, especially at a party
つまり「(常に複数形で)食べるための小さなもの、特にパーティーで」。
「少量の食べ物をかじる、つまむ」という感覚はわかりやすいですが、ちょっと気になるのが a sign of sexual attraction という b) の語義でしょうか。
これと似た意味は、Macmillan Dictionary で以下のように説明されていました。
nibble : to bite the surface of something gently several times
例)The parrot was nibbling her ear.
つまり、「何かの表面を優しく(そっと)何度も噛むこと」。例文は「そのオウムは彼女の耳を(優しく)噛んでいた」。
gently は「優しく、そっと、穏やかに」という副詞で、一つ前の記事では洗濯用語として、gentle cycle 「弱流洗い」という言葉も出てきたばかりでしたよね。
ロングマン、マクミランの両方で、bite gently という表現が使われていることになりますが、犬や猫などのペットが飼い主の手を軽く噛んだりする「甘噛み(あまがみ)」みたいなイメージだろうと思います。
ケガするほど思いきり噛むのではなくて、じゃれる感じでカミカミ、カジカジする感じと言いますか。
マクミランの例文では「オウムが彼女の耳を噛む」となっていますが、これは人の肩にオウムが乗った状態で、オウムがその人の耳を優しく噛んでいる状態を指すようです。
それを考えると、ロングマンの b)
to gently bite something, as a sign of sexual attraction 「何かを優しく(そっと)噛む(かむ)、人を性的に引きつけるもののサインとして」
というのは、恋人がじゃれあっている時の愛情表現として、相手の耳などを優しく何度も噛んだりするような行為を指していると考えられるでしょう(アカデミックな LAAD に載っているのがちょっと不思議な感じもしますが^^)
nibble にはそれらの意味があることを踏まえて、セリフの続きを見てみます。
「彼女が食べる時に出す、あのかわいいかじる音だよ」の後、Like a happy little squirrel… or a weasel. と続けていますね。
squirrel は「リス」。ジャニスが「ロッキー&ブルウィンクル」の靴下を説明するセリフにも出てきましたね。
そして weasel は「イタチ」。
ロングマンで「リスが木の実をかじる」という例文や画像が出てきたように、ジョーイのセリフでも真っ先にリスの例えが出てきます。
先ほど説明したように nibble には「恋人の耳を優しく噛む」ような意味もあるとは言え、ここでジョーイは「食べる時に出す音、リスやイタチみたいな」と言っているので、「リスが木の実をかじる」時のような食べ物を少しずつかじる時の音を言っていると判断できるでしょう。
また、モニカがボブを形容するのに使った時の cute は「性的に魅力的、セクシー」という意味でしたが、この cute noise は「かじる音」のことですから、日本語のニュアンスの「かわいい」という意味で解釈すれば良いでしょう。
リスと並んで名前が挙がった weasel「イタチ」ですが、weasel は「(他人をだますような)ずるい人、こそこそする人」という意味もあります。
Macmillan Dictionary では、
weasel : (INFORMAL) an insulting word for a dishonest person
つまり、「(インフォーマル)不誠実な人に対する侮辱的な言葉」。
要は「不誠実な人を意味する悪口」ということですね。
動物みたいなかじり方の例えとして、かわいらしいリスならまだしも、イタチまで挙げたのは、ボブがアンジェラに幻滅するように、わざとイメージの悪い動物を挙げたということですね。
今回のエピソードで、belch 「げっぷ(をする)」という単語が出てきた時にも書きましたが、欧米では、日本以上に食事中に音を出すことを嫌いますから(スープをズズズーと味噌汁のように飲んではいけないとか言いますよね)、アンジェラが食事中に音を立てる癖があることを言って、彼女の下品な振る舞いを教えていることになるでしょう。
「そんな音、僕は気づかなかった」と言うボブに、ジョーイは、Listen for it. と返します。
listen は listen to として使われることが多いですが、ここでの listen for のニュアンスは以下の研究社 新英和中辞典の説明がわかりやすいと思います。
listen=〔+for+【(代)名】〕(予期して)〔…に〕聞き耳を立てる
We listened closely for his footsteps. 彼の足音がせぬかと聞き耳を立てた。
listen to だと、今、実際に聞こえている音”に”耳を傾ける感覚で、listen for だと「何かの音が聞こえるのを”求めて”耳を傾ける」感覚になるということですね。
LAAD では、
listen for somebody/something : to listen carefully so that you will notice a particular sound
つまり、「ある音に気づくように注意深く聞く(耳を傾ける)こと」。
語義では「notice するように聞く」となっていますね。
今回のやりとりでは、ボブが「notice しなかった」と言ったことに対して、「notice するように聞けよ」という意味で「listen for しなよ」と言っていることになるわけです。
ジョーイがアンジェラの話を出したので、ボブはお返しのようにモニカについて言及しています。
ボブはモニカをジョーイの彼女だと思っているので、モニカのことを褒めています。
yeah, she is (great). と最高なのを認めた後の、it's not gonna last. 以下について。
この last は「続く」という意味の動詞なので、「続かないだろう」ということ。
「彼女は最高なんだけど、続かないだろう」ということから、この関係はこれ以上続かないと思う、と言っていることが想像されます。
too は「あまりに〜すぎる」ということで、許容範囲を超えている、過剰であるという感覚。
too much for me は「俺の手には余る、俺にはちょっとすごすぎるんだ」みたいなことですね。
モニカはエッチの時すごいんだ、というのを強調して、ボブに興味を持たせようとしているわけですが、in bed 「ベッドで」という表現だけで、エッチの時の話をしていることはわかるのに、その後、Sexually という言葉をわざわざ付けているのが面白いですね。
「具体的にそんな副詞を付けなくてもわかる」というところなのに、とにかく「エッチ面ですごい」ことを印象付けようとするあまりの「不自然な付け足し」であり、当のジョーイの方は「これくらいはっきり言っときゃわかるだろ」みたいなちょっと得意げな顔をしているのも楽しいところです。
ジョーイはアンジェラを手に入れるために、「ボブをアンジェラと別れさせて、モニカとくっつける」ことを画策しています。
ですから、アンジェラについては「魅力を損なうような情報」を与え、モニカについては「興味をそそるような情報」を与えることになりますね。
nibble には「恋人の耳を優しく噛む」というセクシャルな意味があると先に説明しましたが、アンジェラについて「セクシャルなこと、セクシーな連想をさせること」を言ってしまっては、ボブがアンジェラを手放さないことになるので、今回のセリフについてはジョーイとしては nibble に性的な示唆は含めておらず、純粋に「リスが木の実を食べるように”かじる”」「動物みたいに音を立てて食べる」というニュアンスでのみ使っていると考えて良いと思います。
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2018年02月07日
a whole nother での分語法 フレンズ1-5改その16
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前回の記事、ワンとア・ホール・ナザー フレンズ1-5改その15 で取り上げた a whole nother という表現について、非公開コメントで興味深いご意見を頂戴しました。
前の記事の訂正と追加の解説として、a whole nother について、今日新たに1つの記事として投稿させていただきます。
a whole nother が出てきたセリフは以下のものでした。
ロス: Okay, um, basically, you wanna use one machine for all your whites, okay? A whole nother machine for, for your colors. (よし、基本的に、洗濯機の一つは白物に使うといいよ。別の洗濯機は色物用に。)
日本語訳としては、a whole nother =別の、という意味になるのですが、その単語の成り立ちと、細かいニュアンスについてご意見をいただき、私ももう一度考えてみました。
その結論をまずは簡単に説明させていただきますと、
1. a whole nother の造られ方
another という単語の間に、whole という単語を挿入して強調したものである。
2. a whole nother の意味
「全く同じ別のもの」というより、シンプルに「違うもの、別のもの」を強調したニュアンスが近いと思われる。
まず、1. の「単語の造られ方」について。
私は前回の記事で「'nother は another の語頭の a が取れたもの」と説明したのですが、非公開コメントで教えていただいた以下のサイト情報によると、どうやら「another に whole をはめ込んで」造られた語のようです。
参考サイト、まずは Wiktionary から。
Wiktionary : a whole nother
a whole nother
Etymology : Insertion of whole into another by tmesis.
つまり「語源:分語法による whole の another への挿入」
参考までに、tmesis という単語(発音はトゥミースィス)は「分語法、複合語分割」と呼ばれるもので、「単語やフレーズを2分割した間に別の単語を挿入すること」。
次に、LDOCE(Longman Dictionary of Contemporary English)から。
LDOCE online.com : a whole nother
a whole nother ... : (informal) used humorously when emphasizing that something is completely different from what you have been talking about. It is a changed form of ‘another whole’
つまり「自分が話していたこととは全く違うということを強調する時にユーモラスに使われる。'another whole' が変化した形」。
another whole が変化した形、ということですから、この LDOCE の説明も「another の間に whole が割り込む形で、a whole nother になった」ということだと解釈できそうですね。
確かに、another は、an other で、元々 a/an の意味が含まれているので、a whole another だと考えると、a/an が重複することになってしまいますよね。
a whole nother を a whole 'nother のように、アポストロフィー付きで表記してあるものがあったので、前回の記事で私は(about を 'bout と表記するのと同様に)'nother = another だと考えてしまったのですが、そのアポストロフィーは a の省略を示すものであろうけれども、完全に省略されてしまっているのではなくて、whole の前に離れた形で既に出ている、ということになるだろうと思います。
ご意見をいただいて私もさらに調べてみて、興味深い記述を見つけたのでご紹介します。
オンラインスラング辞典の Urban Dictionary の説明が以下。
Urban Dictionary : nother
Derivative of "another" usually used when someone says "that's a whole nother issue" or something along those lines. The correct way to say it is "a whole other issue". "Another" translates to "an other", but people mistakenly believe it translates to "a nother". When you put a word like "whole" in-between "an other" the "an" changes to an "a" because "whole" starts with a consonant instead of a vowel.
訳させていただきますと、「"that's a whole nother issue" などのようなセリフを言う時に使われる、another の派生語。正しい言い方は "a whole other issue" である。another は an other に言い換えられるが、人は a nother と言い換えられると間違って信じている。an other の間に whole のような単語を挿入する時、whole は母音ではなく子音で始まるので、an は a に変わる」。
ネイティブなら an other のように切れ目が入るとわかっているような気がするので、「another=a nother だと勘違いしている人がいる」とは言い切れないと思うのですが、それ以外の部分について上の説明を言い換えると、、、
元々、another という単語は an other から来た言葉で、another を2分割するとすれば、本来なら an-other になるはずだが、その2分割で whole を挿入しようとすると、an whole other のように、whole という子音始まりなのに an が付いてしまうことになるので、a whole nother のように whole の前は a にして、whole の後に残りの nother が来るという言い回しになった、、、
ということなのでしょう。
前回書いたように、DVD英語字幕では、a whole other と表記されていました。
本来、another の間に whole を挿入するのであれば、an whole other →(an whole はおかしいので an を a に変えて)a whole other という流れになるはずで、文法的にも、それぞれの単語の意味的にも、そちらが正しいということになるでしょう。
それで、公式な字幕となる DVD英語字幕ではそのように表記してあると思われるのですが、実際のロスの発音は「ア・ホール・ナザー」と言っているようですし、Netflix の字幕も a whole nother と表記されていました。
オンライン辞書などにも出ていますし、非標準的用法であるけれども、この言い回しを使うネイティブは多いということでしょうね。
いただいた非公開コメントの中では、このような「ある単語を、2分割した単語の間にはめ込む」例として、SATC (Sex and the City)の abso-f*cking-lutely. を挙げて下さっていました。
(SATC の英語字幕では伏字なしで表示されていましたが、卑語なのでここでは f*ck のように伏字にしておきます)
この表現は、SATC 1-1 の最後のセリフで、私の最新刊「リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!」の p.133 でご紹介した、Thanks for the ride. - Anytime. という会話のすぐ後に出てくるものなので、私も強く印象に残っていました。
そのやりとりは以下のようになっていました。
キャリー:Wait. Have you ever been in love? (待って。今まで(本気で)恋愛したことある?)
ミスター・ビッグ:Abso-f*cking-lutely. (もちろんだよ。)
誰かが質問してきた時に Absolutely. と答えると「もちろん。まったくそのとおり。そうですとも/そうだとも」のように Yes. を強調したニュアンスになりますね。
このミスター・ビッグの返事も、「もちろん本気の恋愛をしたことあるさ」という意味で Absolutely. と答えるところを、それをさらに強調、しかも恋愛行為を意味する卑語(f*ck)を使った強調語 f*cking を分語法で挿入する形で強めているというのが、下品とされる卑語を使っていながらも、どこかしゃれている、センスがある印象を与えている気がします。
普段から言葉の端々に強調として f*cking をつけてしゃべるキャラであれば「いつもの強調」ということで済んでしまうのですが、ミスター・ビッグは洗練された紳士の雰囲気を漂わせている男性で、あまり下品な言い回しは使わない印象ですから、その彼が第1話の最後の最後のセリフで「恋愛したことある?」の答えとして、Abso-f*cking-lutely. と言ったのが余計に際立ち、強い印象を与えると思うのですね。
少し脱線しますが、日本語で「もちろん」を強調する時に「モチのロン」と表現することがあります(今はもう死語のようですが ^^)。
上のミスター・ビッグのセリフを「モチのロン」と訳してしまうと、雰囲気ぶち壊しになりそうなのでやめましたが、2分割した間に別の言葉を挟むという分語法の観点で見ると、日英二つの言葉の成り立ちに似たものを感じられる気がしました。
次に、2. の「意味」について。
先にご紹介した、Wiktionary では以下のように出ていました。
a whole nother : (informal, proscribed) An entirely different; an intensified version of another.
つまり「(インフォーマル、規定外用法)全く違う、another を強めたもの(強化版)」。
Dictionary.com では、
Dictionary.com : whole 'nother, a
whole 'nother, a : (adjective phrase) Completely different; new
つまり「全く違う、新しい」。
Merriam-Webster.com では、
Merriam-Webster.com : whole nother
whole nother : (US, informal) completely different
つまり「全く違う」。
これらのオンライン辞書を見ると、completely different 「全く違う」というニュアンスで共通していますね。
前回引用した LAAD の語義では「全く同じタイプの別のもの」「全く違うもの」という2種の語義があって、「コインランドリーという同じタイプの洗濯機がずらっと並んでいる場所だから”同じタイプ”のニュアンスで使っているんだろう」と私は解釈したのですが、それに対して、非公開コメントで「ロスの台詞も、洗濯物を分けることに重点があって、洗濯機の型式は同じでなくてもよいわけですから (洗濯物込みで) different の意味にとる方が良いのではないでしょうか」というご意見を頂戴しました。
オンライン辞書に出ているように、completely different という意味でもっぱら使われているのであれば、「洗濯機の型式が同じ」ということは特に関係なく、単に洗濯物を分ける説明においての「1つは白物、”別の”洗濯機は色物」という different の意味だと捉えた方が自然な解釈だと、私も今は思えます。
ということで、まとめますと、
a whole nother は、another の間に whole を挿入した形の、another の強調語。
意味は、completely different 「全く違う」。
ということになります。
以上、長くなりましたが、前回の訂正と追加解説でした。
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前回の記事、ワンとア・ホール・ナザー フレンズ1-5改その15 で取り上げた a whole nother という表現について、非公開コメントで興味深いご意見を頂戴しました。
前の記事の訂正と追加の解説として、a whole nother について、今日新たに1つの記事として投稿させていただきます。
a whole nother が出てきたセリフは以下のものでした。
ロス: Okay, um, basically, you wanna use one machine for all your whites, okay? A whole nother machine for, for your colors. (よし、基本的に、洗濯機の一つは白物に使うといいよ。別の洗濯機は色物用に。)
日本語訳としては、a whole nother =別の、という意味になるのですが、その単語の成り立ちと、細かいニュアンスについてご意見をいただき、私ももう一度考えてみました。
その結論をまずは簡単に説明させていただきますと、
1. a whole nother の造られ方
another という単語の間に、whole という単語を挿入して強調したものである。
2. a whole nother の意味
「全く同じ別のもの」というより、シンプルに「違うもの、別のもの」を強調したニュアンスが近いと思われる。
まず、1. の「単語の造られ方」について。
私は前回の記事で「'nother は another の語頭の a が取れたもの」と説明したのですが、非公開コメントで教えていただいた以下のサイト情報によると、どうやら「another に whole をはめ込んで」造られた語のようです。
参考サイト、まずは Wiktionary から。
Wiktionary : a whole nother
a whole nother
Etymology : Insertion of whole into another by tmesis.
つまり「語源:分語法による whole の another への挿入」
参考までに、tmesis という単語(発音はトゥミースィス)は「分語法、複合語分割」と呼ばれるもので、「単語やフレーズを2分割した間に別の単語を挿入すること」。
次に、LDOCE(Longman Dictionary of Contemporary English)から。
LDOCE online.com : a whole nother
a whole nother ... : (informal) used humorously when emphasizing that something is completely different from what you have been talking about. It is a changed form of ‘another whole’
つまり「自分が話していたこととは全く違うということを強調する時にユーモラスに使われる。'another whole' が変化した形」。
another whole が変化した形、ということですから、この LDOCE の説明も「another の間に whole が割り込む形で、a whole nother になった」ということだと解釈できそうですね。
確かに、another は、an other で、元々 a/an の意味が含まれているので、a whole another だと考えると、a/an が重複することになってしまいますよね。
a whole nother を a whole 'nother のように、アポストロフィー付きで表記してあるものがあったので、前回の記事で私は(about を 'bout と表記するのと同様に)'nother = another だと考えてしまったのですが、そのアポストロフィーは a の省略を示すものであろうけれども、完全に省略されてしまっているのではなくて、whole の前に離れた形で既に出ている、ということになるだろうと思います。
ご意見をいただいて私もさらに調べてみて、興味深い記述を見つけたのでご紹介します。
オンラインスラング辞典の Urban Dictionary の説明が以下。
Urban Dictionary : nother
Derivative of "another" usually used when someone says "that's a whole nother issue" or something along those lines. The correct way to say it is "a whole other issue". "Another" translates to "an other", but people mistakenly believe it translates to "a nother". When you put a word like "whole" in-between "an other" the "an" changes to an "a" because "whole" starts with a consonant instead of a vowel.
訳させていただきますと、「"that's a whole nother issue" などのようなセリフを言う時に使われる、another の派生語。正しい言い方は "a whole other issue" である。another は an other に言い換えられるが、人は a nother と言い換えられると間違って信じている。an other の間に whole のような単語を挿入する時、whole は母音ではなく子音で始まるので、an は a に変わる」。
ネイティブなら an other のように切れ目が入るとわかっているような気がするので、「another=a nother だと勘違いしている人がいる」とは言い切れないと思うのですが、それ以外の部分について上の説明を言い換えると、、、
元々、another という単語は an other から来た言葉で、another を2分割するとすれば、本来なら an-other になるはずだが、その2分割で whole を挿入しようとすると、an whole other のように、whole という子音始まりなのに an が付いてしまうことになるので、a whole nother のように whole の前は a にして、whole の後に残りの nother が来るという言い回しになった、、、
ということなのでしょう。
前回書いたように、DVD英語字幕では、a whole other と表記されていました。
本来、another の間に whole を挿入するのであれば、an whole other →(an whole はおかしいので an を a に変えて)a whole other という流れになるはずで、文法的にも、それぞれの単語の意味的にも、そちらが正しいということになるでしょう。
それで、公式な字幕となる DVD英語字幕ではそのように表記してあると思われるのですが、実際のロスの発音は「ア・ホール・ナザー」と言っているようですし、Netflix の字幕も a whole nother と表記されていました。
オンライン辞書などにも出ていますし、非標準的用法であるけれども、この言い回しを使うネイティブは多いということでしょうね。
いただいた非公開コメントの中では、このような「ある単語を、2分割した単語の間にはめ込む」例として、SATC (Sex and the City)の abso-f*cking-lutely. を挙げて下さっていました。
(SATC の英語字幕では伏字なしで表示されていましたが、卑語なのでここでは f*ck のように伏字にしておきます)
この表現は、SATC 1-1 の最後のセリフで、私の最新刊「リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!」の p.133 でご紹介した、Thanks for the ride. - Anytime. という会話のすぐ後に出てくるものなので、私も強く印象に残っていました。
そのやりとりは以下のようになっていました。
キャリー:Wait. Have you ever been in love? (待って。今まで(本気で)恋愛したことある?)
ミスター・ビッグ:Abso-f*cking-lutely. (もちろんだよ。)
誰かが質問してきた時に Absolutely. と答えると「もちろん。まったくそのとおり。そうですとも/そうだとも」のように Yes. を強調したニュアンスになりますね。
このミスター・ビッグの返事も、「もちろん本気の恋愛をしたことあるさ」という意味で Absolutely. と答えるところを、それをさらに強調、しかも恋愛行為を意味する卑語(f*ck)を使った強調語 f*cking を分語法で挿入する形で強めているというのが、下品とされる卑語を使っていながらも、どこかしゃれている、センスがある印象を与えている気がします。
普段から言葉の端々に強調として f*cking をつけてしゃべるキャラであれば「いつもの強調」ということで済んでしまうのですが、ミスター・ビッグは洗練された紳士の雰囲気を漂わせている男性で、あまり下品な言い回しは使わない印象ですから、その彼が第1話の最後の最後のセリフで「恋愛したことある?」の答えとして、Abso-f*cking-lutely. と言ったのが余計に際立ち、強い印象を与えると思うのですね。
少し脱線しますが、日本語で「もちろん」を強調する時に「モチのロン」と表現することがあります(今はもう死語のようですが ^^)。
上のミスター・ビッグのセリフを「モチのロン」と訳してしまうと、雰囲気ぶち壊しになりそうなのでやめましたが、2分割した間に別の言葉を挟むという分語法の観点で見ると、日英二つの言葉の成り立ちに似たものを感じられる気がしました。
次に、2. の「意味」について。
先にご紹介した、Wiktionary では以下のように出ていました。
a whole nother : (informal, proscribed) An entirely different; an intensified version of another.
つまり「(インフォーマル、規定外用法)全く違う、another を強めたもの(強化版)」。
Dictionary.com では、
Dictionary.com : whole 'nother, a
whole 'nother, a : (adjective phrase) Completely different; new
つまり「全く違う、新しい」。
Merriam-Webster.com では、
Merriam-Webster.com : whole nother
whole nother : (US, informal) completely different
つまり「全く違う」。
これらのオンライン辞書を見ると、completely different 「全く違う」というニュアンスで共通していますね。
前回引用した LAAD の語義では「全く同じタイプの別のもの」「全く違うもの」という2種の語義があって、「コインランドリーという同じタイプの洗濯機がずらっと並んでいる場所だから”同じタイプ”のニュアンスで使っているんだろう」と私は解釈したのですが、それに対して、非公開コメントで「ロスの台詞も、洗濯物を分けることに重点があって、洗濯機の型式は同じでなくてもよいわけですから (洗濯物込みで) different の意味にとる方が良いのではないでしょうか」というご意見を頂戴しました。
オンライン辞書に出ているように、completely different という意味でもっぱら使われているのであれば、「洗濯機の型式が同じ」ということは特に関係なく、単に洗濯物を分ける説明においての「1つは白物、”別の”洗濯機は色物」という different の意味だと捉えた方が自然な解釈だと、私も今は思えます。
ということで、まとめますと、
a whole nother は、another の間に whole を挿入した形の、another の強調語。
意味は、completely different 「全く違う」。
ということになります。
以上、長くなりましたが、前回の訂正と追加解説でした。
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2018年02月02日
ワンとア・ホール・ナザー フレンズ1-5改その15
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12:43
「今まで洗濯したことないの?」とロスに聞かれ、
レイチェル: Well, not myself. But I know other people that have. Okay. You caught me. I'm a laundry virgin. (えーっと、私自身は洗濯したことないわ。でも洗濯経験のある他の人は知ってるわよ[知り合いに洗濯経験者はいるわよ]。いいわ、あなたにバレちゃったわね。私は洗濯未経験者なの。)
ロス: Uh, well, don't worry. I'll use the gentle cycle. Okay, um, basically, you wanna use one machine for all your whites, okay? A whole nother machine for, for your colors. And a third for uh, your … uh delicates. And that would be your bras and your under... panty... things. (あぁ、心配しないで。僕はジェントル・サイクル(優しいサイクル、弱流洗い)を使うから。よし、基本的に、洗濯機の一つは白物に使うといいよ。別の洗濯機は色物用に。そして3番目は君の… そのデリケートな衣類用に。それって君のブラとか君の下着…のパンティーとかだね。)
レイチェル: [holds a pair of panties in front of Ross] Ok, Well, what about, these are white cotton panties. Would they go with whites or delicates? ([ロスの目の前にパンティーを掲げて] まぁ、じゃあどうなるの? これは白い綿のパンティーよ。これは白物と一緒? それともデリケートなものと?)
ロス: [visibly nervous] That, that… that would be a judgment call. ([目に見えて動揺して] それは、それは… それは自分で判断することになるね。)
ロスに Have you never done this before?「君は今まで洗濯したことないの?」と聞かれたレイチェルは、Well, not myself. But I know other people that have. と言っています。
not myself は、I have not done this before myself. を省略したもので、「私自身は今までこれを経験したことがない」ということ。
other people that have も、other people that have done this before が省略されたものですね。
私自身は経験ないけど、経験者を知ってるわ、と言うのですが、たかが洗濯で「知り合いに洗濯経験者はいるわよ」などと大げさな話のように答えたことで、余計にレイチェルの経験のなさが強調される感じですね。
ここでの You caught me. は「ばれたか。ばれちゃった」のようなニュアンス。
catch は「捕まえる、(人が〜しているところを)見つける」という意味ですね。
直訳すると「あなたが私を捕まえた」で、隠していた、内緒にしていた真実を見抜かれてしまった感覚になります。
virgin は「バージン、処女」から、「何かを初めて行う人、(あることの)未経験者」という意味。日本語でも「〜バージン」などと表現することもありますね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
virgin : (spoken, humorous) someone who has never done a particular activity.
例)a snowboarding virgin
つまり「(口語、ユーモラスな表現)ある特定の活動を今までしたことがない人」。例は「スノーボード未経験者」。
ですから、a laundry virgin だと「洗濯未経験者」となります。
「私って、洗濯未経験者なのよ」と告白するレイチェルに、ロスは「心配しないで」と言った後、I'll use the gentle cycle. と続けています。
gentle は「優しい」「(調子が)穏やかな」、cycle は「循環、周期」。
この gentle cycle という表現ですが、服の洗濯ラベルに、Machine wash cold (on) gentle cycle などと書いてあると「冷水で弱い洗濯機洗いができる」という意味になります。
ここでの gentle は「回転が弱い、穏やかな」という意味で、傷みやすいデリケートな衣料は、gentle cycle 「弱流で洗う、弱い回転で洗う」ようにという指示ですね。
Wikipedia 英語版: Laundry symbol の右の上から2番目の画像 Guide to Procedures LAUNDRY というポスターには、衣服タグの洗濯表示マークが一覧になっており、1行目の左から5番目(下に2本線があるもの)は、Machine Wash Gentle と記載があります。
また、同じくそのウィキペディアの一番下の External links の下から2行目の Laundry Guide to Common Care Symbols という PDF では、Washing INSTRUCTIONS の1行目の左から3番目に、Machine Wash, COLD Gentle Cycle という記載があります。
下に2本線があるマークが Gentle (Cycle) を意味しているようですね。
ロスは、洗濯バージンだというレイチェルに、「心配しないで、ジェントルなサイクルを使うから」と言っているわけですが、これからゆっくり穏やかに優しく丁寧に説明していくからね、というのを、洗濯の弱流洗いにかけた・例えた感覚になるでしょう。
そんな風にシャレっぽく言ってみたけれど、レイチェルは洗濯にあまり詳しくないこともあってか、愛想笑い程度でそれほどウケた様子もなかったので、ロスは一瞬、かっと目を見開いた後、気を取り直したように、通常の洗濯のやり方を説明していくことになります。
you wanna は直訳すると「君は〜したい」ですが、you wanna は、you should や you ought to のように「〜すべきである、〜した方がいい」というアドバイスのニュアンスになります。
use one machine for all your whites は「君の白物(白い衣服)全部に対して1つの洗濯機を使う」、つまり「1個の洗濯機で白物を洗う」ということですね。
その次の A whole nother machine for, for your colors. について。
この部分、DVD英語字幕では、A whole other machine となっていたのですが、Netflix では、A whole nother machine という表記になっています。
つまり、DVDでは「アザー」、Netflix では「ナザー」となっているわけですが、実際の発音は後者の「ア・ホール・ナザー」のように聞こえます。
この nother という単語は手持ちの英和辞典には載っていなかったのですが、LAAD に以下のように出ていました。
a whole 'nother something : (spoken, nonstandard)
a) used to emphasize that there is another complete thing of the same type as the thing you were talking about
例)There's a whole 'nother package in the cupboard.
b) used to say that something is completely different from what you have been talking about or from what you are used to
例)Texas is like a whole 'nother country for me.
つまり、a) は「自分が話していたものと同じタイプの、全部揃った一式がもう一つあることを強調するために使われる」。例文は「食器棚にはもう一つ全く同じパッケージがある」。
b) は「自分が話していたこと、または自分が慣れていたものとは全く違う何かであることを言うために使われる」。例文は「テキサスは私にとって全く別の国(土地)である」。
'nother という表記は、語義で使われている another の最初の a が取れたものだろうと思います。
about の縮約形を 'bout のように表記するのと同じで、省略されているために、' 「アポストロフィー」がついているのでしょう。
a whole 'nother は「全く別のもう一つ」という感覚から、「同じ物の一式がもう一つ」という意味と「あるものとは全く違うもう一つ」という2つの意味として使われるようですね。
a) が same 「同じ」で、b) が different 「違う」のように、正反対の意味になっているのも興味深いところです。
「口語でノンスタンダード(非標準的用法)」とあるように、文法的に正しい表現ではないようですが、それがアカデミックな辞書である LAAD に載っているのも面白いなと思います。
今回のセリフの Netflix の表記では、語頭の a が取れたことを示すアポストロフィーはありませんが、nother = 'nother ということで、LAAD で説明されている a whole 'nother の a) の意味「同じタイプのもう一揃い」として使われていると考えて良いでしょう。
コインランドリーで同じタイプの洗濯機が何台も並んでいるこの光景だと「1台目の洗濯機と、もう1台同じタイプの洗濯機2台目」のように another complete thing of the same type として表現したのもなるほどと頷ける気がします。
1台目を whites「白物」にした流れで、2台目は colors「色物」となり、白物に色が付かないように色物を分けて洗うんだ、と説明したことになります。
その後、3台目として、delicates「デリケートな物」と言っていますね。
that would be your bras and your underpanty things. は「そのデリケートな物っていうのは(君の)ブラとか下着のパンティーとかになるだろう」という感覚(ちなみに、DVD では、underpanty things, Netflix では、under... panty-things と表記されています)。
ブラの後、パンティーという言葉を使うのがロスも恥ずかしかったようで「(ブラとかパンティーとか)そういう物」という感じで最後に things と付けています。
「白」「色」「下着」で洗濯機を分けると説明されたレイチェルはロスの目の前に白いパンティーを掲げて「この白の綿のパンティーはどうなるの?」と尋ねています。
go with は「〜と一緒になる、〜と組になる」という感覚。
白の綿のパンティーは、白だから白物と一緒に洗うのか、それとも下着というデリケートなもの(delicates)だから、デリケート衣類の仲間に入れるのかどっち? ということですね。
目の前にパンティーを掲げられてしまったロスは、その白いパンティーから視線を外してその後のセリフを言っています。
自分の下着を平気で見せているところに「レイチェルはロスのことを男性として意識していない」のがわかりますし、レイチェルに好意を持っているロスの方だけが動揺しているということがよくわかる描写になっています。
過去記事、ふわふわのクマみたいに繊細で温かい フレンズ1-5改その9 で、レイチェルと一緒に洗濯に行けるとウキウキしているロスに対してチャンドラーが、"this is basically the first time she's gonna see your underwear." 「今回、レイチェルが初めてお前の下着を見ることになるんだぞ」と指摘して、ロスは動揺していましたが、ここではその逆のパターンで「ロスがレイチェルの下着を初めて見る」ことになりロスが慌てているのが、少し前のシーンのセリフと対比になる形で面白いなと思いました。
judgment は「判断」、call は「決定」。
a judgment call は、「明確なルールが存在しないので、自分の経験や考えに基づいて自分で下さなければならない決定、個人的判断」のこと。
LAAD では、
a judgment call : (informal) a decision you have to make yourself because there are no certain rules in a situation.
つまり「ある状況で確かなルールがないので、自分自身で決めなければならない決定」。
Macmillan Dictionary では、
judgment call : a decision in which there is no definitely right or wrong answer and that you therefore have to use your own judgment to make
つまり「正しい、間違いという明確な答えがなくて、よって自分自身がする判断を使わないといけない決定」。
どちらも「確かなルール・答えがない状態で、自分で行わないといけない決定」という意味として説明されていますね。
It's a judgment call. なら、It's your call. 「君が決めることだ」、You decide. 「君が決めて」と同じようなニュアンスになります。
カテゴリー的にはどちらにも属するからどっちとも判断できない。だから君がいいと思う方に決めればいいよ、ということですね。
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12:43
「今まで洗濯したことないの?」とロスに聞かれ、
レイチェル: Well, not myself. But I know other people that have. Okay. You caught me. I'm a laundry virgin. (えーっと、私自身は洗濯したことないわ。でも洗濯経験のある他の人は知ってるわよ[知り合いに洗濯経験者はいるわよ]。いいわ、あなたにバレちゃったわね。私は洗濯未経験者なの。)
ロス: Uh, well, don't worry. I'll use the gentle cycle. Okay, um, basically, you wanna use one machine for all your whites, okay? A whole nother machine for, for your colors. And a third for uh, your … uh delicates. And that would be your bras and your under... panty... things. (あぁ、心配しないで。僕はジェントル・サイクル(優しいサイクル、弱流洗い)を使うから。よし、基本的に、洗濯機の一つは白物に使うといいよ。別の洗濯機は色物用に。そして3番目は君の… そのデリケートな衣類用に。それって君のブラとか君の下着…のパンティーとかだね。)
レイチェル: [holds a pair of panties in front of Ross] Ok, Well, what about, these are white cotton panties. Would they go with whites or delicates? ([ロスの目の前にパンティーを掲げて] まぁ、じゃあどうなるの? これは白い綿のパンティーよ。これは白物と一緒? それともデリケートなものと?)
ロス: [visibly nervous] That, that… that would be a judgment call. ([目に見えて動揺して] それは、それは… それは自分で判断することになるね。)
ロスに Have you never done this before?「君は今まで洗濯したことないの?」と聞かれたレイチェルは、Well, not myself. But I know other people that have. と言っています。
not myself は、I have not done this before myself. を省略したもので、「私自身は今までこれを経験したことがない」ということ。
other people that have も、other people that have done this before が省略されたものですね。
私自身は経験ないけど、経験者を知ってるわ、と言うのですが、たかが洗濯で「知り合いに洗濯経験者はいるわよ」などと大げさな話のように答えたことで、余計にレイチェルの経験のなさが強調される感じですね。
ここでの You caught me. は「ばれたか。ばれちゃった」のようなニュアンス。
catch は「捕まえる、(人が〜しているところを)見つける」という意味ですね。
直訳すると「あなたが私を捕まえた」で、隠していた、内緒にしていた真実を見抜かれてしまった感覚になります。
virgin は「バージン、処女」から、「何かを初めて行う人、(あることの)未経験者」という意味。日本語でも「〜バージン」などと表現することもありますね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
virgin : (spoken, humorous) someone who has never done a particular activity.
例)a snowboarding virgin
つまり「(口語、ユーモラスな表現)ある特定の活動を今までしたことがない人」。例は「スノーボード未経験者」。
ですから、a laundry virgin だと「洗濯未経験者」となります。
「私って、洗濯未経験者なのよ」と告白するレイチェルに、ロスは「心配しないで」と言った後、I'll use the gentle cycle. と続けています。
gentle は「優しい」「(調子が)穏やかな」、cycle は「循環、周期」。
この gentle cycle という表現ですが、服の洗濯ラベルに、Machine wash cold (on) gentle cycle などと書いてあると「冷水で弱い洗濯機洗いができる」という意味になります。
ここでの gentle は「回転が弱い、穏やかな」という意味で、傷みやすいデリケートな衣料は、gentle cycle 「弱流で洗う、弱い回転で洗う」ようにという指示ですね。
Wikipedia 英語版: Laundry symbol の右の上から2番目の画像 Guide to Procedures LAUNDRY というポスターには、衣服タグの洗濯表示マークが一覧になっており、1行目の左から5番目(下に2本線があるもの)は、Machine Wash Gentle と記載があります。
また、同じくそのウィキペディアの一番下の External links の下から2行目の Laundry Guide to Common Care Symbols という PDF では、Washing INSTRUCTIONS の1行目の左から3番目に、Machine Wash, COLD Gentle Cycle という記載があります。
下に2本線があるマークが Gentle (Cycle) を意味しているようですね。
ロスは、洗濯バージンだというレイチェルに、「心配しないで、ジェントルなサイクルを使うから」と言っているわけですが、これからゆっくり穏やかに優しく丁寧に説明していくからね、というのを、洗濯の弱流洗いにかけた・例えた感覚になるでしょう。
そんな風にシャレっぽく言ってみたけれど、レイチェルは洗濯にあまり詳しくないこともあってか、愛想笑い程度でそれほどウケた様子もなかったので、ロスは一瞬、かっと目を見開いた後、気を取り直したように、通常の洗濯のやり方を説明していくことになります。
you wanna は直訳すると「君は〜したい」ですが、you wanna は、you should や you ought to のように「〜すべきである、〜した方がいい」というアドバイスのニュアンスになります。
use one machine for all your whites は「君の白物(白い衣服)全部に対して1つの洗濯機を使う」、つまり「1個の洗濯機で白物を洗う」ということですね。
その次の A whole nother machine for, for your colors. について。
この部分、DVD英語字幕では、A whole other machine となっていたのですが、Netflix では、A whole nother machine という表記になっています。
つまり、DVDでは「アザー」、Netflix では「ナザー」となっているわけですが、実際の発音は後者の「ア・ホール・ナザー」のように聞こえます。
この nother という単語は手持ちの英和辞典には載っていなかったのですが、LAAD に以下のように出ていました。
a whole 'nother something : (spoken, nonstandard)
a) used to emphasize that there is another complete thing of the same type as the thing you were talking about
例)There's a whole 'nother package in the cupboard.
b) used to say that something is completely different from what you have been talking about or from what you are used to
例)Texas is like a whole 'nother country for me.
つまり、a) は「自分が話していたものと同じタイプの、全部揃った一式がもう一つあることを強調するために使われる」。例文は「食器棚にはもう一つ全く同じパッケージがある」。
b) は「自分が話していたこと、または自分が慣れていたものとは全く違う何かであることを言うために使われる」。例文は「テキサスは私にとって全く別の国(土地)である」。
'nother という表記は、語義で使われている another の最初の a が取れたものだろうと思います。
about の縮約形を 'bout のように表記するのと同じで、省略されているために、' 「アポストロフィー」がついているのでしょう。
a whole 'nother は「全く別のもう一つ」という感覚から、「同じ物の一式がもう一つ」という意味と「あるものとは全く違うもう一つ」という2つの意味として使われるようですね。
a) が same 「同じ」で、b) が different 「違う」のように、正反対の意味になっているのも興味深いところです。
「口語でノンスタンダード(非標準的用法)」とあるように、文法的に正しい表現ではないようですが、それがアカデミックな辞書である LAAD に載っているのも面白いなと思います。
今回のセリフの Netflix の表記では、語頭の a が取れたことを示すアポストロフィーはありませんが、nother = 'nother ということで、LAAD で説明されている a whole 'nother の a) の意味「同じタイプのもう一揃い」として使われていると考えて良いでしょう。
コインランドリーで同じタイプの洗濯機が何台も並んでいるこの光景だと「1台目の洗濯機と、もう1台同じタイプの洗濯機2台目」のように another complete thing of the same type として表現したのもなるほどと頷ける気がします。
1台目を whites「白物」にした流れで、2台目は colors「色物」となり、白物に色が付かないように色物を分けて洗うんだ、と説明したことになります。
その後、3台目として、delicates「デリケートな物」と言っていますね。
that would be your bras and your underpanty things. は「そのデリケートな物っていうのは(君の)ブラとか下着のパンティーとかになるだろう」という感覚(ちなみに、DVD では、underpanty things, Netflix では、under... panty-things と表記されています)。
ブラの後、パンティーという言葉を使うのがロスも恥ずかしかったようで「(ブラとかパンティーとか)そういう物」という感じで最後に things と付けています。
「白」「色」「下着」で洗濯機を分けると説明されたレイチェルはロスの目の前に白いパンティーを掲げて「この白の綿のパンティーはどうなるの?」と尋ねています。
go with は「〜と一緒になる、〜と組になる」という感覚。
白の綿のパンティーは、白だから白物と一緒に洗うのか、それとも下着というデリケートなもの(delicates)だから、デリケート衣類の仲間に入れるのかどっち? ということですね。
目の前にパンティーを掲げられてしまったロスは、その白いパンティーから視線を外してその後のセリフを言っています。
自分の下着を平気で見せているところに「レイチェルはロスのことを男性として意識していない」のがわかりますし、レイチェルに好意を持っているロスの方だけが動揺しているということがよくわかる描写になっています。
過去記事、ふわふわのクマみたいに繊細で温かい フレンズ1-5改その9 で、レイチェルと一緒に洗濯に行けるとウキウキしているロスに対してチャンドラーが、"this is basically the first time she's gonna see your underwear." 「今回、レイチェルが初めてお前の下着を見ることになるんだぞ」と指摘して、ロスは動揺していましたが、ここではその逆のパターンで「ロスがレイチェルの下着を初めて見る」ことになりロスが慌てているのが、少し前のシーンのセリフと対比になる形で面白いなと思いました。
judgment は「判断」、call は「決定」。
a judgment call は、「明確なルールが存在しないので、自分の経験や考えに基づいて自分で下さなければならない決定、個人的判断」のこと。
LAAD では、
a judgment call : (informal) a decision you have to make yourself because there are no certain rules in a situation.
つまり「ある状況で確かなルールがないので、自分自身で決めなければならない決定」。
Macmillan Dictionary では、
judgment call : a decision in which there is no definitely right or wrong answer and that you therefore have to use your own judgment to make
つまり「正しい、間違いという明確な答えがなくて、よって自分自身がする判断を使わないといけない決定」。
どちらも「確かなルール・答えがない状態で、自分で行わないといけない決定」という意味として説明されていますね。
It's a judgment call. なら、It's your call. 「君が決めることだ」、You decide. 「君が決めて」と同じようなニュアンスになります。
カテゴリー的にはどちらにも属するからどっちとも判断できない。だから君がいいと思う方に決めればいいよ、ということですね。
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